JP2002030104A - 塩化ビニル懸濁重合用分散安定剤 - Google Patents

塩化ビニル懸濁重合用分散安定剤

Info

Publication number
JP2002030104A
JP2002030104A JP2000216208A JP2000216208A JP2002030104A JP 2002030104 A JP2002030104 A JP 2002030104A JP 2000216208 A JP2000216208 A JP 2000216208A JP 2000216208 A JP2000216208 A JP 2000216208A JP 2002030104 A JP2002030104 A JP 2002030104A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
suspension polymerization
dispersion stabilizer
vinyl
polymerization
vinyl chloride
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000216208A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4245784B2 (ja
Inventor
Seiji Tanimoto
征司 谷本
Naokiyo Inomata
尚清 猪俣
Masami Kato
雅己 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP2000216208A priority Critical patent/JP4245784B2/ja
Publication of JP2002030104A publication Critical patent/JP2002030104A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4245784B2 publication Critical patent/JP4245784B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 少量の使用でも懸濁重合安定性に優れ、また
得られる塩化ビニル系重合体を加工する際に着色を抑制
することができる塩化ビニル系単量体の懸濁重合用分散
安定剤を提供すること。 【解決手段】 エチレン単位を0.5〜10モル%含有
するビニルアルコール系重合体(A)100重量部に対
して、pKaが3.5〜5.5の酸および/またはその
金属塩(B)を0.05〜2重量部の割合で含有するこ
とを特徴とする塩化ビニル系単量体の懸濁重合用分散安
定剤により上記課題が達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル単量体
またはこれと共重合し得る単量体との混合物(以下、塩
化ビニル系単量体と記載することがある)の懸濁重合用
分散安定剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、少量
の使用でも懸濁重合安定性に顕著に優れ、また得られた
塩化ビニル系重合体を加工する際に着色を抑制すること
ができる懸濁重合用分散安定剤に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ポリ塩化ビニル(以下、PVC
と略記することがある)は物理的、機械的物性の優れた
有用な樹脂であり、硬質および軟質の材料として幅広く
使用されている。塩化ビニル系樹脂の製造は、工業的に
は、水性媒体中で分散安定剤の存在下で塩化ビニルなど
の単量体を分散させ、油溶性開始剤を用いて重合を行う
懸濁重合により広く行われている。一般に、塩化ビニル
系重合体の品質を支配する因子としては、重合率、水−
モノマー比、重合温度、開始剤の種類および量、重合槽
の型式、撹拌速度、分散安定剤の種類などが挙げられる
が、この中でも分散安定剤の種類による影響が非常に大
きい。その分散安定剤としては多くの場合ポリビニルア
ルコール(以下、PVAと略記することがある)が重用
されており、PVCの重合安定性を向上させる目的で、
PVAを熱処理して重合反応に用いることが提案されて
いる(特開昭51−45189号公報、特開平10−6
7806号公報など)。しかしながら、このPVAの熱
処理は酢酸ナトリウムを存在させて行われるので、酢酸
ナトリウムがPVA中に残存し、PVAが着色する原因
となる場合があり、PVAが着色すると最終製品である
PVCにも着色が発生し、好ましくない。
【0003】特開平1−95104号公報、特開平3−
140303号公報、特開平6−80709号公報、特
開平8−259609号公報などによれば、エチレン単
位を含有する変性ポリビニルアルコールからなるビニル
系化合物の懸濁重合用分散安定剤が提案されており、P
VCの充填比重、可塑剤の吸収性などの点ではある程度
の物性の向上が認められるが、着色の問題は依然として
解決されていない。
【0004】PVAをはじめとする分散安定剤は、塩化
ビニル単量体の重合時にはその使用が不可欠であるが、
一旦PVCが得られるとPVC中に存在する必要は全く
なく、むしろPVC中にPVAが残存しているとPVC
の諸物性が低下する懸念がある。このような理由から、
できる限り少量で塩化ビニル単量体を重合しうる分散安
定剤が望まれていたが、十分に満足できる分散安定剤は
実際には得られていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、少量の使用でも懸濁重合安定性に顕著に
優れ、また得られた塩化ビニル系重合体を加工する際に
着色を抑制することができる懸濁重合用分散安定剤を提
供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討を
重ねた結果、エチレン単位を0.5〜10モル%含有す
るビニルアルコール系重合体(A)100重量部に対し
て、pKaが3.5〜5.5の酸および/またはその金
属塩(B)を0.05〜2重量部の割合で含有すること
を特徴とする塩化ビニル単量体またはこれと共重合し得
る単量体との混合物の懸濁重合用分散安定剤が、上記課
題を達成するのに有効であることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において用いられるビニル
アルコール系重合体(A)は、エチレン単位を0.5〜
10モル%含有するビニルアルコール系重合体である。
このビニルアルコール系重合体(A)におけるエチレン
単位の含有量は、より好ましくは0.7〜9モル%、と
くに好ましくは1〜8モル%である。エチレン単位の含
有量が0.5モル%未満の場合には、懸濁重合を安定に
行うことのできる範囲が狭くなり、10モル%を越える
場合には、ビニルアルコール系重合体の水溶性が低下し
て取り扱い性が悪化する。
【0008】ビニルアルコール系重合体(A)のけん化
度について特に制限はないが、通常は50モル%以上、
好ましくは60モル%以上、より好ましくは70モル%
以上である。けん化度が50モル%未満の場合、ビニル
アルコール系重合体が本来有する性質である水溶性が低
下する恐れがある。またビニルアルコール系重合体
(A)の重合度についても特に制限はないが、通常は1
00〜8000、好ましくは200〜3000である。
ビニルアルコール系重合体の重合度が100未満の場合
には、ビニルアルコール系重合体の分散安定剤としての
特徴が発揮されず、また、8000を越えるビニルアル
コール系重合体は工業的な製造に困難を伴う。
【0009】本発明において、ビニルアルコール系重合
体(A)は、従来公知の方法、特開平8−259609
号公報に記載されている方法にしたがい、ビニルエステ
ル系単量体とエチレンを共重合し、得られた共重合体を
常法によりけん化することによって得ることができる。
ビニルエステル系単量体とエチレンを共重合する方法と
しては、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重
合法など、従来公知の方法が適用できる。重合触媒とし
ては、重合方法に応じて、アゾ系触媒、過酸化物系触
媒、レドックス系触媒などが適宜選ばれる。けん化反応
は、従来公知のアルカリ触媒または酸触媒を用いる加ア
ルコール分解、加水分解などが適用でき、この中でもメ
タノールを溶剤としNaOH触媒を用いるけん化反応が
簡便であり最も好ましい。
【0010】ビニルエステル系単量体としては、例え
ば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪
酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサ
チック酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニ
ル、ラウリル酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリ
ン酸ビニル、オレイン酸ビニル、安息香酸ビニルなどが
挙げられるが、とりわけ酢酸ビニルが好ましい。
【0011】また、本発明において用いられるビニルア
ルコール系重合体(A)は、本発明の主旨を損なわない
範囲で他の単量体単位を含有しても差し支えない。この
ような単量体として例えば、プロピレン、n−ブテン、
イソブチレンなどのα−オレフィン、アクリル酸および
その塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル
酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−
ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ド
デシル、アクリル酸オクタデシルなどのアクリル酸エス
テル類、メタクリル酸およびその塩、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、
メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、
メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メ
タクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸オクタデシルなどのメタクリル酸エス
テル類、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、
N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリル
アミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプ
ロパンスルホン酸およびその塩、アクリルアミドプロピ
ルジメチルアミンおよびその塩またはその4級塩、N−
メチロールアクリルアミドおよびその誘導体などのアク
リルアミド誘導体、メタクリルアミド、N−メチルメタ
クリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、メタクリ
ルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、メタクリル
アミドプロピルジメチルアミンおよびその塩またはその
4級塩、N−メチロールメタクリルアミドおよびその誘
導体などのメタクリルアミド誘導体、メチルビニルエー
テル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエー
テル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニル
エーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニ
ルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニ
ルエーテルなどのビニルエーテル類、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリルなどのニトリル類、塩化ビニ
ル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル、塩化ビニリ
デン、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン、
酢酸アリル、塩化アリルなどのアリル化合物、マレイン
酸およびその塩またはそのエステル、ビニルトリメトキ
シシランなどのビニルシリル化合物、酢酸イソプロペニ
ルなどがある。
【0012】また、本発明に用いられるビニルアルコー
ル系重合体(A)は、アンモニウム基、カルボキシル
基、スルホン酸基、アミノ基などのイオン性基を導入す
ることにより水溶性を高めることができ、あるいはノニ
オン基または(長鎖)アルキル基などを導入してもよ
い。この場合のビニルアルコール系重合体のけん化度は
ビニルエステル基とビニルアルコール基から求められ、
導入されたイオン性基、ノニオン基または(長鎖)アル
キル基などのけん化度は含まれない。また、従来公知の
方法にしたがい、チオール酢酸、メルカプトプロピオン
酸などのチオール化合物の存在下に酢酸ビニルなどのビ
ニルエステル系単量体を重合し、得られたビニルエステ
ル系重合体をけん化することにより得られる末端変性物
も用いることができる。ビニルアルコール系重合体
(A)は、5〜100℃、好ましくは10〜90℃の水
に対して水溶性であることが好ましい。
【0013】本発明の懸濁重合用分散安定剤では、25
℃におけるpKaが3.5〜5.5の酸および/または
その金属塩(B)を用いる。使用しうる酸の種類につい
てとくに制限はなく、その具体例として、酢酸(pKa
4.76)、プロピオン酸(pKa4.87)、酪酸
(pKa4.63)、オクタン酸(pKa4.89)、
アジピン酸(pKa5.03)、安息香酸(pKa4.
00)、ギ酸(pKa3.55)、吉草酸(pKa4.
63)、ヘプタン酸(pKa4.66)、乳酸(pKa
3.66)、フェニル酢酸(pKa4.10)、イソ酪
酸(pKa4.63)、シクロヘキサンカルボン酸(p
Ka4.70)などを挙げることができる。奏される効
果の点でとくに好ましく用いることができる酸は、酢
酸、プロピオン酸、および乳酸である。また、上記の酸
の金属塩としては特に制限はないが、通常、上記の酸と
ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属からなる金属
塩が用いられ、とりわけ酢酸ナトリウムが好適に用いら
れる。
【0014】本発明の懸濁重合用分散安定剤は、ビニル
アルコール系重合体(A)100重量部に対して、pK
aが3.5〜5.5の酸および/またはその金属塩
(B)を0.05〜2重量部、好ましくは0.1〜1.
7重量部、より好ましくは0.2〜1.5重量部の割合
で含有する。ビニルアルコール系重合体(A)に対する
酸および/またはその金属塩(B)の含有量が0.05
重量部未満の場合、懸濁重合時の安定性が低下し、2重
量部を越えると、後述する熱処理により懸濁重合用分散
安定剤が着色し、好ましくない。
【0015】本発明の懸濁重合用分散安定剤は、熱処理
して用いることで懸濁重合時の安定性がさらに向上す
る。熱処理の条件は特に制限されないが、通常、酸素、
空気または窒素雰囲気下、60℃〜220℃の温度で1
分〜4時間加熱して行う。熱処理時の温度が60℃未満
では熱処理による効果が十分発現しなくなる場合があ
り、220℃を越えると懸濁重合用分散安定剤が着色す
るおそれがある。
【0016】本発明の懸濁重合用分散安定剤の使用量に
ついて特に制限はないが、塩化ビニル系単量体100重
量部当たり0.01〜1重量部が好ましく、より好まし
くは0.02〜0.8重量部、さらに好ましくは0.0
2〜0.5重量部である。塩化ビニル系単量体100重
量部に対する懸濁重合用分散安定剤の使用量が0.01
重量部未満の場合には、重合安定性が低下するおそれが
あり、1重量部を越える場合には、重合後の廃液のCO
D(化学的酸素要求量)が高くなるおそれがある。
【0017】本発明の懸濁重合用分散安定剤は、塩化ビ
ニル単量体またはこれと共重合し得る単量体との混合物
を水性媒体中で懸濁重合して塩化ビニル系重合体を製造
する際の分散安定剤として用いられる。塩化ビニル単量
体と共重合し得る単量体としては、エチレン、プロピレ
ン、酢酸ビニル、アルキルビニルエーテル、アクリル酸
またはメタクリル酸およびそのエステル類などが挙げら
れ、これらの単量体は、塩化ビニル単量体100重量部
に対して20重量部を越えない範囲で用いることが好ま
しい。
【0018】本発明の懸濁重合用分散安定剤を用いて塩
化ビニル系単量体を水性媒体中で懸濁重合するに際し、
水性媒体の温度には特に制限はなく、20℃程度の冷水
はもとより、90℃以上の温水でも好適に用いられる。
この水性媒体は、純粋な水の他、各種の添加成分を含有
する水溶液または他の有機溶剤を含む水性媒体からなる
ことができる。また、除熱効率を高めるためにリフラッ
クスコンデンサー付き重合器も好適に用いられる。
【0019】本発明の懸濁重合用分散安定剤を用いて塩
化ビニル系単量体を懸濁重合するに際し、重合開始剤は
従来塩化ビニルなどのビニル系化合物の重合に使用され
ているものでよい。重合開始剤としては、例えば、ジイ
ソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチル
ヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチル
パーオキシジカーボネートなどのパーカーボネート化合
物、t−ブチルパーオキシネオデカネート、α−クミル
パーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシデカ
ネートなどのパーエステル化合物、アセチルシクロヘキ
シルスルホニルパーオキシド、2,4,4−トリメチル
ペンチル−2−パーオキシフェノキシアセテートなどの
過酸化物、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリル)などのアゾ化合物などが挙げら
れ、さらにはこれらに過硫酸カリウム、過硫酸アンモニ
ウム、過酸化水素などを組み合わせて使用することもで
きる。
【0020】本発明の懸濁重合用分散安定剤を用いて塩
化ビニル系単量体を懸濁重合するに際し、各種添加剤を
必要に応じて加えることができる。添加剤としては、例
えば、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、トリクロ
ロエチレン、パークロロエチレン、メルカプタン類など
の重合度調節剤、フェノール化合物、イオウ化合物、N
−オキシド化合物などの重合禁止剤などが挙げられる。
また、pH調整剤、スケール防止剤、架橋剤などを任意
に加えることができ、また、上記の添加剤を複数併用し
ても差し支えない。
【0021】さらに、本発明の懸濁重合用分散安定剤を
用いて塩化ビニル系単量体を懸濁重合するに際し、各成
分の仕込み割合、重合温度などは、従来の塩化ビニル系
単量体の懸濁重合において採用されている条件に準じて
定めればよい。また、塩化ビニル系単量体、重合開始
剤、分散安定剤、水性媒体およびその他の添加剤の仕込
み順序や比率についても特に制限はない。また、水性媒
体として温水を用いると同時に、塩化ビニル系単量体を
重合器に仕込む前に加熱しておくホットチャージ法も好
適に用いられる。
【0022】本発明の懸濁重合用分散安定剤は単独で使
用してもよいが、塩化ビニル系単量体を水性媒体中で懸
濁重合する際に通常使用される重合度100〜400
0、けん化度30〜99モル%のポリビニルアルコール
系重合体、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースなどの水溶性セルロースエーテ
ル、ゼラチンなどの水溶性ポリマー、ソルビタンモノラ
ウレート、ソルビタントリオレート、グリセリントリス
テアレート、エチレンオキシドプロピレンオキシドブロ
ックコポリマーなどの油溶性乳化剤、ポリオキシエチレ
ンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレングリ
セリンオレート、ラウリン酸ナトリウムなどの水溶性乳
化剤などを併用してもよい。その添加量は特に制限され
ないが、塩化ビニル系単量体100重量部当たり0.0
1〜2.0重量部が好ましい。
【0023】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限
定されるものではない。なお、以下の実施例において
「%」および「部」は特に断りのない限り、「重量%」
および「重量部」を意味する。
【0024】実施例1 (塩化ビニルの重合)エチレン含有量2.0モル%、重
合度1700、けん化度80モル%の変性ポリビニルア
ルコール100部に対して酢酸ナトリウム(酢酸の25
℃におけるpKa4.76)1部を混合し、懸濁重合用
分散安定剤を調製した。このものを空気中で150℃、
2時間熱処理して懸濁重合に用いた。グラスライニング
製オートクレーブに、上記の熱処理により得られた懸濁
重合用分散安定剤0.03部を溶解した脱イオン水40
部およびジイソプロピルパーオキシジカーボネートの7
0%トルエン溶液0.04部を仕込み、オートクレーブ
内を0.0067MPaとなるまで脱気して酸素を除い
た後、塩化ビニルモノマー30部を仕込み、攪拌下に5
7℃に昇温して重合を行った。重合開始時、オートクレ
ーブ内の圧力は0.83MPaであったが、重合開始7
時間後に0.44MPaとなった時点で重合を停止し、
未反応の塩化ビニルモノマーをパージし、内容物を取り
出して脱水乾燥した。
【0025】懸濁重合用分散剤の着色性、および懸濁重
合により得られたPVCの特性を次のようにして評価し
た。評価結果を表1に示す。 (1)懸濁重合用分散剤の着色性 熱処理時における懸濁重合用分散剤の着色の程度を目視
により評価した。評価結果を、○変化なし、△微黄色に
着色、×赤茶色に着色、で示す。 (2)PVCのスケール量 重合反応終了後に攪拌機を含む重合槽に付着したPVC
量を測定し、得られた全PVC量に対する重量%で求め
た。 (3)PVCの平均粒子径の測定 得られたPVC粉末をJIS標準篩(目開き:355,
250,180,150,125,106,75μm)
を用いて篩い分けし、ロジン・ラムラープロットを行
い、累積重量分布で50%となる粒子径をもって平均粒
子径とした。 (4)PVCの着色性 得られたPVC粉末を空気雰囲気下180℃、1時間加
熱し、着色性を評価した。評価結果を、○変化なし、△
微黄色に着色、×黄色に着色、で示す。
【0026】実施例1におけるPVCの重合収率は85
%、スケール量は6重量%であり、得られたPVCは平
均重合度が1050、平均粒子径が130μmであり、
PVCを重合安定性よく製造することができた。また、
実施例1で用いた懸濁重合用分散剤および得られたPV
C粉末は熱処理時において着色がみられず、優れた耐着
色性を示した。
【0027】実施例2〜6および比較例1〜6 実施例1において、変性ポリビニルアルコールの代りに
表1に示す未変性または変性ポリビニルアルコールを用
い、酢酸ナトリウムの代りに表1に示す酸もしくは酸金
属塩を用いてまたは用いることなく調製した懸濁重合用
分散安定剤を実施例1と同様にして熱処理し、その熱処
理した分散安定剤を塩化ビニルモノマーに対し表1に示
す量で用いた以外は実施例1と同様にして懸濁重合を行
い、評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1において、実施例3と比較例5、ある
いは実施例4と比較例6を比較すると明らかなように、
本発明の懸濁重合用分散安定剤を用いると顕著な重合安
定性が発現し、非常に少量の分散安定剤を使用すること
で塩化ビニル単量体を安定に重合可能であることが分か
る。また、実施例1〜6と比較例1〜6を比較すると、
本発明の懸濁重合用分散安定剤は熱処理時に着色し難
く、かつ得られたPVCの熱処理時の着色を抑制する効
果に優れていることが分かる。
【0030】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル懸濁重合用分散安定
剤は、少量の使用でも懸濁重合安定性に顕著に優れてお
り、また得られた塩化ビニル系重合体を加工する際に着
色を抑制することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BE031 EF036 EF066 EF086 EF096 EG026 EG056 EG066 EG076 FD206 GD00 4J011 JA06 JA07 JA11 JB14 JB26

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン単位を0.5〜10モル%含有
    するビニルアルコール系重合体(A)100重量部に対
    して、pKaが3.5〜5.5の酸および/またはその
    金属塩(B)を0.05〜2重量部の割合で含有するこ
    とを特徴とする塩化ビニル単量体またはこれと共重合し
    得る単量体との混合物の懸濁重合用分散安定剤。
  2. 【請求項2】 ビニルアルコール系重合体(A)の重合
    度が100〜8000、けん化度が50モル%以上であ
    る請求項1の懸濁重合用分散安定剤。
  3. 【請求項3】 懸濁重合用分散安定剤が60℃〜220
    ℃の温度で1分〜4時間熱処理して得られたものである
    請求項1または2の懸濁重合用分散安定剤。
  4. 【請求項4】 pKa3.5〜5.5の酸および/また
    はその金属塩(B)が酢酸ナトリウムである請求項1〜
    3のいずれか1項の懸濁重合用分散安定剤。
JP2000216208A 2000-07-17 2000-07-17 塩化ビニル懸濁重合用分散安定剤 Expired - Lifetime JP4245784B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000216208A JP4245784B2 (ja) 2000-07-17 2000-07-17 塩化ビニル懸濁重合用分散安定剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000216208A JP4245784B2 (ja) 2000-07-17 2000-07-17 塩化ビニル懸濁重合用分散安定剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002030104A true JP2002030104A (ja) 2002-01-31
JP4245784B2 JP4245784B2 (ja) 2009-04-02

Family

ID=18711508

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000216208A Expired - Lifetime JP4245784B2 (ja) 2000-07-17 2000-07-17 塩化ビニル懸濁重合用分散安定剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4245784B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7070731B2 (en) 2002-12-11 2006-07-04 Kuraray Co., Ltd. Dispersion stabilizer for suspension polymerization of vinyl compound and method of producing the same
WO2015119144A1 (ja) * 2014-02-05 2015-08-13 株式会社クラレ ビニル化合物の懸濁重合用分散剤
WO2016076349A1 (ja) * 2014-11-12 2016-05-19 株式会社クラレ 懸濁重合用分散安定剤及びビニル系樹脂の製造方法
WO2018124242A1 (ja) * 2016-12-28 2018-07-05 株式会社クラレ ビニル系重合体の製造方法
CN110325585A (zh) * 2016-12-28 2019-10-11 株式会社可乐丽 聚乙烯醇组合物和其用途

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7070731B2 (en) 2002-12-11 2006-07-04 Kuraray Co., Ltd. Dispersion stabilizer for suspension polymerization of vinyl compound and method of producing the same
KR101017228B1 (ko) 2002-12-11 2011-02-25 가부시키가이샤 구라레 비닐계 화합물의 현탁중합용 분산안정제 및 이의 제조방법
US9914791B2 (en) 2014-02-05 2018-03-13 Kuraray Co., Ltd. Dispersing agent for suspension polymerization of vinyl compound
WO2015119144A1 (ja) * 2014-02-05 2015-08-13 株式会社クラレ ビニル化合物の懸濁重合用分散剤
JP6010833B2 (ja) * 2014-02-05 2016-10-19 株式会社クラレ ビニル化合物の懸濁重合用分散剤
JPWO2015119144A1 (ja) * 2014-02-05 2017-03-23 株式会社クラレ ビニル化合物の懸濁重合用分散剤
TWI655215B (zh) * 2014-02-05 2019-04-01 日商可樂麗股份有限公司 乙烯化合物之懸浮聚合用分散劑
TWI669318B (zh) * 2014-11-12 2019-08-21 日商可樂麗股份有限公司 懸浮聚合用分散安定劑及乙烯系樹脂之製造方法
US9834629B1 (en) 2014-11-12 2017-12-05 Kuraray Co., Ltd. Dispersion stabilizer for suspension polymerization and method for producing vinyl resin
JPWO2016076349A1 (ja) * 2014-11-12 2017-08-24 株式会社クラレ 懸濁重合用分散安定剤及びビニル系樹脂の製造方法
WO2016076349A1 (ja) * 2014-11-12 2016-05-19 株式会社クラレ 懸濁重合用分散安定剤及びビニル系樹脂の製造方法
WO2018124242A1 (ja) * 2016-12-28 2018-07-05 株式会社クラレ ビニル系重合体の製造方法
KR20190100336A (ko) * 2016-12-28 2019-08-28 주식회사 쿠라레 비닐계 중합체의 제조 방법
CN110312738A (zh) * 2016-12-28 2019-10-08 株式会社可乐丽 乙烯基系聚合物的制备方法
CN110325585A (zh) * 2016-12-28 2019-10-11 株式会社可乐丽 聚乙烯醇组合物和其用途
KR102188817B1 (ko) 2016-12-28 2020-12-11 주식회사 쿠라레 비닐계 중합체의 제조 방법
CN110312738B (zh) * 2016-12-28 2021-10-29 株式会社可乐丽 乙烯基系聚合物的制备方法
US11208550B2 (en) 2016-12-28 2021-12-28 Kuraray Co., Ltd. Polyvinyl alcohol composition and use thereof
US11365271B2 (en) 2016-12-28 2022-06-21 Kuraray Co., Ltd. Vinyl polymer production method

Also Published As

Publication number Publication date
JP4245784B2 (ja) 2009-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101044571B1 (ko) 현탁 중합용 분산 안정제
EP1174444B1 (en) Dispersion stablizer for suspension polymerization of vinyl compound
EP2006307A1 (en) Dispersion stabilizer
EP3219735B1 (en) Dispersion stabilizer for suspension polymerization and method for producing vinyl resin
KR100470016B1 (ko) 비닐계 화합물의 현탁중합용 분산안정제
EP2177540B1 (en) Process for producing vinyl resin
JPWO2018124242A1 (ja) ビニル系重合体の製造方法
JP3474304B2 (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
JP3474307B2 (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
JP3529857B2 (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
JP3995584B2 (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤の製造法
JP4615152B2 (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
JP4245784B2 (ja) 塩化ビニル懸濁重合用分散安定剤
JP4615153B2 (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
JP4781622B2 (ja) 分散安定剤
JP2001122910A (ja) ビニル系樹脂の製造方法
JP4421705B2 (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散助剤
WO2019244967A1 (ja) ビニル系重合体の製造方法
JP4303872B2 (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
JP3905815B2 (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
JP2002097209A (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
JP5465615B2 (ja) 懸濁重合用分散安定剤
JP2002003510A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JP2004196892A (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081216

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090107

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4245784

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120116

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130116

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130116

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140116

Year of fee payment: 5

EXPY Cancellation because of completion of term