JP2002028971A - 延伸フィルムの製造法 - Google Patents
延伸フィルムの製造法Info
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Abstract
ルムの用途や寒冷紗などの農業用途などに適したポリビ
ニルアルコールフィルムからなる延伸フィルムの製造法
を提供する。 【解決手段】 ポリビニルアルコールフィルムを一軸延
伸して延伸フィルムを製造する際に、延伸速度を100
〜1000%/分とし、かつ限界延伸倍率(X)と延伸
倍率(Y)との関係を、X−3≦Y<X−0.2の範囲
とする。
Description
などに用いられる偏光フィルムの用途や寒冷紗などの農
業用途などに適したポリビニルアルコールフィルムから
なる延伸フィルムの製造法に関する。
は、光のスイッチング機能を有する液晶とともに、液晶
ディスプレイ(LCD)の基本的な構成要素である。こ
のLCDの適用分野も、開発初期の頃の電卓および腕時
計等の小型機器から、近年ではラップトップパソコン、
ワープロ、液晶カラープロジェクター、車載用ナビゲー
ションシステム、液晶テレビ等の広範囲に広がり、従来
の白黒表示からカラー表示に推移してきたことから、従
来品以上に色相に優れた偏光板が求められている。
ィルム(以下、これを「PVAフィルム」と略記し、ま
た、これの原料であるポリビニルアルコールをポリビニ
ルアルコール系重合体といい、これを「PVA」と略記
することがある)を一軸延伸し、染色することにより製
造した偏光フィルムに、三酢酸セルロース(TAC)膜
などの保護膜を貼り合わせた構成をしている。
延伸すると、PVA分子に吸着(染色)した二色性物質
が配向するため、偏光フィルムとなる。そこで、二色性
物質を高配向させて偏光性能を高めるためには、PVA
フィルムを可能な限りの延伸倍率で延伸することが必要
である。しかし、PVAフィルムの延伸倍率が高すぎる
と、延伸フィルムが切断したり表面にクラックが発生
し、これが偏光性能を低下させたり光学斑発生の原因と
なるため、適宜延伸倍率を下げた状態で延伸が行われて
きた。また、延伸速度が速すぎても逆に遅すぎても、ク
ラックの発生が顕著となる。このような現象は、PVA
樹脂の重合度が高い場合や1,2−グリコール結合量が
小さい場合、またフィルムの幅が広い場合に特に顕著に
現われ、その対策が求められている。
の一軸延伸が行われており、耐水性を向上させるために
はPVAフィルムの延伸倍率を高くするほど好ましい
が、切断や表面クラックなど偏光フィルム製造時と同様
の問題が発生する。
用いられる偏光フィルムの用途や寒冷紗などの農業用途
などに適したPVAフィルムからなる延伸フィルムの製
造法を提供することにある。
め、本発明の延伸フィルムの製造法は、PVAフィルム
を一軸延伸して延伸フィルムを製造する際に、延伸速度
を100〜1000%/分とし、かつ、限界延伸倍率
(X)と延伸倍率(Y)の関係を、X−3≦Y<X−
0.1の範囲とする。ここで、限界延伸倍率(X)と
は、PVAフィルムを切断するまで延伸した際に、切断
が発生した時点の延伸倍率のことである。延伸倍率
(Y)とは、PVAフィルムが延伸を経て偏光フィルム
等の製品となったとき、PVAフィルムの単位長さが延
伸された倍率のことである。
フィルムを製造する際の切断やフィルム表面のクラック
の発生を抑制することができる。
のPVAフィルムに、また、フィルム幅が2m以上のP
VAフィルムに、さらに、1,2−グリコール結合量
1.4以下のPVAフィルムに好適に適用できる。
本発明のPVAフィルムを構成するPVAとしては、ビ
ニルエステル系モノマーを重合して得られたビニルエス
テル系重合体をけん化し、ビニルエステル単位をビニル
アルコール単位としたものを用いることができる。この
ビニルエステル系モノマーとしては、例えば、ギ酸ビニ
ル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニ
ル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸
ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル等
を挙げることができ、これらのなかでも酢酸ビニルを用
いるのが好ましい。
際に、必要に応じて、共重合可能なモノマーを、発明の
効果を損なわない範囲内(好ましくは15モル%以下、
より好ましくは5モル%以下の割合)で共重合させるこ
ともできる。
重合可能なモノマーとしては、例えば、エチレン、プロ
ピレン、1−ブテン、イソブテン等の炭素数3〜30の
オレフィン類;アクリル酸およびその塩;アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、ア
クリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリ
ル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2
−エチルへキシル、アクリル酸ドデシルアクリル酸オク
タデシル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸およ
びその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチ
ル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチル
へキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタ
デシル等のメタクリル酸エステル類;アクリルアミド、
N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアク
リルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸および
その塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよび
その塩、N−メチロールアクリルアミドおよびその誘導
体等のアクリルアミド誘導体;メタクリルアミド、N−
メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミ
ド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸およびその
塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびそ
の塩、N−メチロールメタクリルアミドおよびその誘導
体等のメタクリルアミド誘導体;N−ビニルホルムアミ
ド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン等
のN−ビニルアミド類;メチルビニルエーテル、エチル
ビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プ
ロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i
−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、
ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等
のビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等のニトリル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、
フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル
類;酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物;マレイ
ン酸およびその塩またはそのエステル;イタコン酸およ
びその塩またはそのエステル;ビニルトリメトキシシラ
ン等のビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニル、N−
ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビ
ニルピロリドン等のN−ビニルアミド類を挙げることが
できる。
合度は、フィルムの強度の点から500以上が好まし
く、偏光性能の点からは1000以上がより好ましく、
2000以上がさらに好ましく、3500以上が特に好
ましい。さらに、PVAの重合度の上限は、フィルムの
製膜性の点から10000以下が好ましい。本発明は、
従来困難であった平均重合度2000以上のPVAフィ
ルムにも適用できて、このフィルムを良好に延伸でき
る。
6726に準じて測定される。すなわちPVAを再け
ん化し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度
[η](単位:デシリットル/g)から次式により求め
られる。 Po =([η]×103 /8.29)(1/0.62)
ん化度は、偏光フィルムの耐久性の点から95モル%以
上が好ましく、98モル%以上がより好ましく、99モ
ル%以上がさらに好ましく、99.9モル%以上が特に
好ましい。一方、フィルムの染色性の点からは99.9
9モル%以下が好ましい。前記けん化度とは、けん化に
よりビニルアルコール単位に変換され得る単位の中で、
実際にビニルアルコール単位にけん化されている単位の
割合を示したものである。なお、PVAのけん化度は、
JIS記載の方法により測定を行った。
VAの1,2−グリコール結合量に関しては特に限定は
ないが、本発明では、従来、良好な延伸が困難であった
1,2−グリコール結合量が1.4モル%以下のPVA
フィルムにも適用できて、このフィルムを良好に延伸で
きる。1,2−グリコール結合量は、500MHzのプ
ロトンNMR(JOEL GX−500)で測定したP
VAのピークより求めた。PVAをけん化度99.9モ
ル%以上にけん化して、メタノール洗浄を行った後、9
0℃で2日間減圧乾燥した。そして、DMSO−d6に
溶解し、トリフルオロ酢酸を数滴加え、500MHzの
プロトンNMRで80℃の測定を行った。ビニルアルコ
ール単位のメチン由来のピークは3.2〜4.0ppm
(積分値A)に帰属され、1,2−グリコール結合の一
つのメチン由来のピークは3.25ppm(積分値B)
に帰属される。そこで、次式で1,2−グリコール結合
の含有量を算出する。 1,2−グリコール結合量(mol%)=B/A×10
0
塑剤として多価アルコールを添加することが好ましい。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコー
ル、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、テトラエチレング
リコール、トリメチロールプロパン等を挙げることがで
き、これらのうち1種または2種以上を使用することが
できる。これらのなかでも、延伸性の向上効果から、エ
チレングリコールまたはグリセリンが好適に使用され
る。
100重量部に対して1〜30重量部が好ましく、3〜
25重量部がさらに好ましく、5〜20重量部が特に好
ましい。一方、1重量部より少ないと、染色性や延伸性
が低下する場合があり、30重量部より多いと、フィル
ムが柔軟になりすぎて取り扱い性が低下する場合があ
る。
界面活性剤を添加することが好ましい。界面活性剤の種
類としては特に限定はないが、アニオン性またはノニオ
ン性の界面活性剤が好ましい。アニオン性界面活性剤と
しては、例えば、ラウリン酸カリウムなどのカルボン酸
型、オクチルサルフェートなどの硫酸エステル型、ドデ
シルベンゼンスルホネートなどのスルホン酸型のアニオ
ン性界面活性剤が好適である。ノニオン性界面活性剤と
しては、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル
などのアルキルエーテル型、ポリオキシエチレンオクチ
ルフェニルエーテルなどのアルキルフェニルエーテル
型、ポリオキシエチレンラウレートなどのアルキルエス
テル型、ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテルな
どのアルキルアミン型、ポリオキシエチレンラウリン酸
アミドなどのアルキルアミド型、ポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレンエーテルなどのポリプロピレングリ
コールエーテル型、オレイン酸ジエタノールアミドなど
のアルカノールアミド型、ポリオキシアルキレンアリル
フェニルエーテルなどのアリルフェニルエーテル型など
のノニオン性界面活性剤が好適である。これらの界面活
性剤の1種または2種以上の組み合わせで使用すること
ができる。
0重量部に対して0.01〜1重量部が好ましく、0.
02〜0.5重量部がさらに好ましく、0.05〜0.
3重量部が特に好ましい。0.01重量部より少ない
と、延伸性向上や染色性向上の効果が現れにくく、1重
量部より多いと、フィルム表面に溶出してブロッキング
の原因になり、取り扱い性が低下する場合がある。
は、例えば、PVAを溶剤に溶解したPVA溶液を使用
して、流延製膜法、湿式製膜法(貧溶媒中への吐出)、
乾湿式製膜法、ゲル製膜法(PVA水溶液を一旦冷却ゲ
ル化した後、溶媒を抽出除去し、PVAフィルムを得る
方法)、およびこれらの組み合わせによる方法や、含水
PVA(有機溶剤などを含んでいても良い)を溶融して
行う溶融押出製膜法などを採用することができる。これ
らのなかでも流延製膜法および溶融押出製膜法が透明性
の高いPVAフィルムが得られることから好ましい。
PVA溶液の揮発分濃度は50〜90重量%が好まし
く、55〜80重量%がさらに好ましい。揮発分濃度が
50%より小さいと、粘度が高くなるため製膜が困難と
なる場合がある。また、揮発分濃度が90%より大きい
と、粘度が低くなってフィルムの厚み均一性が損なわれ
易い傾向がある。
00μmが好ましく、50〜80μmがより好ましい。
30μm以下または100μm以上では、延伸時に切断
する場合がある。厚み精度は平均厚みに対して、±5μ
m以内であることが好ましく、±3μm以内であること
がさらに好ましく、±2μm以内であることが特に好ま
しい。厚み精度が±5μmを超えると、製造した偏光フ
ィルムの光学ムラが大きくなる場合がある。
VAの1,2−グリコール結合量に関しては特に限定は
ない。本発明では、従来、良好な延伸が困難であった
1,2−グリコール結合量が1.4モル%以下のフィル
ムでも良好に延伸できる。
に限定はないが、本発明では、従来良好な延伸が困難で
あった幅2m以上のPVAフィルムにも適用できて、こ
のフィルムを良好に延伸できる。
を製造するには、例えばPVAフィルムを染色、一軸延
伸、固定処理、乾燥処理、さらに必要に応じて熱処理を
行えばよい。各工程の順序は特に限定はなく、また、染
色と一軸延伸などの二つの工程を同時に実施しても構わ
ない。また、各工程を複数回繰り返しても良い。
後のいずれでも可能であるが、PVAは一軸延伸により
結晶化度が上がりやすく、染色性が低下することがある
ため、一軸延伸に先立つ任意の工程または一軸延伸工程
中において染色するのが好ましい。
化カリウム;ダイレクトブラック17、19、154;
ダイレクトブラウン 44、106、195、210、
223;ダイレクトレッド 2、23、28、31、3
7、39、79、81、240、242、247;ダイ
レクトブルー 1、15、22、78、90、98、1
51、168、202、236、249、270;ダイ
レクトバイオレット9、12、51、98;ダイレクト
グリーン 1、85;ダイレクトイエロー8、12、4
4、86、87;ダイレクトオレンジ 26、39、1
06、107などの二色性染料などが、1種または2種
以上の混合物で使用できる。通常染色は、PVAフィル
ムを上記染料を含有する溶液中に浸漬させることにより
行うが、PVAフィルムに混ぜて製膜するなど、その処
理条件や処理方法は特に制限されるものではない。
延伸は、湿式延伸法または乾熱延伸法が使用でき、温水
(前記染料を含有する溶液中や後記固定処理浴中でも良
い)中または吸水後のPVAフィルムを用いて空気中で
行っても良い。このとき、延伸倍率(Y)は4倍以上が
好ましく、5倍以上が特に好ましい。延伸倍率(Y)が
4倍より小さいと、実用的に十分な偏光性能や耐久性能
が得られにくい。延伸は一段階で目的の延伸倍率(Y)
まで行ってもよいが、二段階以上の多段延伸を行った方
がさらにネックイン(幅方向の収縮)が小さくなって、
光学性能の均一性に効果がある。延伸温度は特に限定さ
れないが、PVAフィルムを温水中で延伸(湿式延伸)
する場合は30〜90℃が、また乾熱延伸する場合は5
0〜180℃が好適である。延伸後のPVAフィルムの
厚みは、3〜75μmが好ましく、10〜50μmがよ
り好ましい。
率(Y)の関係は、X−3≦Y<X−0.1であり、X
−2≦Y<X−0.2であることがより好ましく、X−
1.5≦Y<X−0.3とすることが特に好ましい。
し、好ましくは200%以上とし、さらに好ましくは3
00%以上とする。また、800%以下が好ましく、7
00%以下がさらに好ましい。100%以下や1000
%以上の場合には延伸フィルム表面にクラックが発生
し、切断しやすくなるため好ましくない。
にすることを目的に、固定処理を行う。固定処理に使用
する処理浴には、通常、ホウ酸およびホウ素化合物が添
加される。また、必要に応じて処理浴中にヨウ素化合物
を添加しても良い。
0〜150℃で行うのが好ましく、50〜150℃で行
うのがより好ましい。
は、通常、その両面または片面に、光学的に透明で、か
つ機械的強度を有した保護膜を貼り合わせて偏光板とし
て使用される。保護膜としては、通常、セルロースアセ
テート系フィルム、アクリル系フィルム、ポリエステル
系フィルム等が使用される。
するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものでは
ない。実施例、比較例に記載されているクラックについ
ては目視により観察し、二色性比の算出は以下の方法に
より実施した。 二色性比 得られた偏光フィルムの偏光性能を評価する指数として
二色性比を使用した。この二色性比は、日本電子機械工
業会規格(EIAJ)LD−201−1983に準拠
し、分光光度計を用いて、C光源、2度視野にて測定、
計算して得られた透過率TS (%)とP(%)を使用し
て下記の式から求めた。 二色性比=log(TS /100−TS /100×P/
100)/log(TS /100+TS /100×P/
100)
リコ−ル結合量1.4モル%のPVAと、グリセリン1
2%からなる厚み75μm、幅2.5mのPVAフィル
ムを染色、一軸延伸、固定処理、乾燥、熱処理の順に処
理して偏光フィルムを作成した。すなわち、PVAフィ
ルムをヨウ素濃度0.5g/リットル、ヨウ化カリウム
濃度40g/リットル、ホウ酸濃度40g/リットルの
30℃の染色液中に1分間浸漬させて染色を行った。次
に50℃の4%ホウ酸水溶液中において、延伸速度50
0%/分で、延伸倍率(Y)が5.5倍となるように延
伸した。この延伸条件での限界延伸倍率(X)は、6.
5倍であった。さらに、ヨウ化カリウム40g/リット
ル、ホウ酸40g/リットルの35℃の水溶液中に5分
間浸漬させて固定処理を行った。これを20℃の蒸留水
で10秒間水洗した後、定長下、40℃で熱風乾燥し、
さらに100℃で5分間熱処理を行った。
%、偏光度は99.6%、二色性比は48.8であっ
た。偏光フィルムの表面にクラックは認められなかっ
た。
リコ−ル結合量1.2モル%のPVAと、グリセリン1
2%からなる厚み80μm、幅2.8mのPVAフィル
ムを染色、一軸延伸、固定処理、乾燥、熱処理の順に処
理して偏光フィルムを作成した。すなわち、PVAフィ
ルムをヨウ素濃度0.5g/リットル、ヨウ化カリウム
濃度40g/リットル、ホウ酸濃度40g/リットルの
30℃の染色液中に1分間浸漬させて染色を行った。次
に60℃の4%ホウ酸水溶液中において、延伸速度30
0%/分で、延伸倍率(Y)が7.1倍となるように延
伸した。この延伸条件での限界延伸倍率(X)は、8.
5倍であった。さらに、ヨウ化カリウム40g/リット
ル、ホウ酸40g/リットルの35℃の水溶液中に5分
間浸漬させて固定処理を行った。これを20℃の蒸留水
で10秒間水洗した後、定長下、40℃で熱風乾燥し、
さらに100℃で5分間熱処理を行った。
%、偏光度は99.3%、二色性比は48.1であっ
た。偏光フィルムの表面にクラックは認められなかっ
た。
にして、延伸フィルムを製造して偏光フィルムの作成を
行い、透過率44.3%、偏光度99.3%、二色性比
46.4の偏光フィルムを得た。偏光フィルムの表面に
はクラックが発生しており、製品として不適であった。
て、延伸フィルムを製造して偏光フィルムの作成を行
い、透過率43.3%、偏光度97.6%、二色性比2
9.3の偏光フィルムを得た。偏光フィルムの表面には
クラックが発生していなかったが、偏光性能が低く不適
であった。
した以外は実施例1と同様に延伸フィルムの製造を行っ
て偏光フィルムの作成を行い、透過率43.5%、偏光
度99.2%、二色性比39.5の偏光フィルムを得
た。偏光フィルムの表面にはクラックが発生しており製
品として不適であった。
倍にした以外は実施例1と同様にして、延伸フィルムを
製造して偏光フィルムの作成を行い、透過率43.3
%、偏光度99.5%、二色性比41.9の偏光フィル
ムを得た。偏光フィルムの表面にはクラックが発生して
おり、製品として不適であった。
のPVAフィルムを製造する場合について説明したが、
本発明は、これ以外に寒冷紗などの農業用フィルムの製
造法にも適用できる。
ば、PVAフィルムから延伸フィルムを製造する際の切
断やフィルム表面のクラックの発生を抑制することがで
き、液晶ディスプレイなどに用いられる偏光フィルムの
用途や寒冷紗などの農業用途などに適したPVAフィル
ムからなる延伸フィルムを得ることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 ポリビニルアルコールフィルムを一軸延
伸して延伸フィルムを製造する際に、延伸速度が100
〜1000%/分であり、かつ、限界延伸倍率(X)と
延伸倍率(Y)との関係が下記の(1)式で示される範
囲であることを特徴とする延伸フィルムの製造法。 X−3≦Y<X−0.1‥‥(1) - 【請求項2】 平均重合度が2000以上のポリビニル
アルコールフィルムを用いることを特徴とする請求項1
記載の延伸フィルムの製造法。 - 【請求項3】 フィルム幅が2m以上のポリビニルアル
コールフィルムを用いることを特徴とする請求項1また
は2記載の延伸フィルムの製造法。 - 【請求項4】 1,2−グリコール結合量が1.4以下
のポリビニルアルコール樹脂からなるポリビニルアルコ
ールフィルムを用いることを特徴とする請求項1から3
のいずれかに記載の延伸フィルムの製造法。
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