JP5318936B2 - 偏光フィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
偏光フィルムの耐熱性を改善する試みはこれまでにも検討されており、特許文献1〜4などにより、耐熱性に優れた偏光フィルムの提案がされているが、色相の変化が小さくて品質の安定した偏光フィルムはこれまで知られていない。
すなわち、本発明は、酢酸ナトリウム量が50ppm以下で、かつYI値が8.2以下であるポリビニルアルコールチップを用いて、フィルムの厚みが0.1mmのときのb値(A)が2以下であるポリビニルアルコールフィルムを製造する工程;および、当該ポリビニルアルコールフィルムを用いて、これを染色、一軸延伸および固定処理した後、乾燥処理する工程;を含む、偏光フィルムの製造方法を提供する。
前記したポリビニルエステルまたは変性ポリビニルエステルをけん化する際に酸化防止剤を添加することは、PVAフィルムの着色を低減させる効果があることから、その使用は推奨される。
また、一軸延伸による延伸倍率(一軸延伸を多段で行う場合には、合計の延伸倍率)は、偏光性能の点から4倍以上が好ましく、特に5倍以上が好ましい。延伸倍率について厳密な意味での上限はないが、8倍以下であると均一な延伸が得られやすいので好ましい。延伸後のフィルムの厚さは、3〜75μmが好ましく、5〜50μmがより好ましい。
日本電色工業株式会社製の測色色差計ZE−2000を用い、JIS Z−8722に準拠して測定した。PVAチップをガラスセルに詰めて積分球の外に置き、反射法にて測定した。
島津製作所製の分光光度計UV−2200(積分球付属)を用い、日本電子機械工業会規格(EIAJ)LD−201−1983に準拠して、C光源、2度視野にて透過法で測定・計算してL、a、bの各値を求めた。PVAフィルムのb値の測定には厚みが0.1mmのフィルムを用い、フィルムの厚みが0.1mmに満たない場合は、複数枚数のフィルムを重ねることで0.1mm相当の厚さにして測定を行った。
けん化度99.95モル%、重合度2400、酢酸ナトリウム含量50ppm、YI値8.2のPVAチップ100重量部に、グリセリン10重量部および水170重量部を含浸させたものを溶融混練し、脱泡後、Tダイから金属ロールに溶融押出して製膜し、乾燥および熱処理を施すことにより、厚さ70μmのPVAフィルムを得た。PVAフィルムのb値(A)は1.8であった。このフィルムを120℃で100時間加熱したところ、フィルムのb値(B)は14.2であった。
得られた偏光フィルムのL、a、bは、2枚のパラレルニコル状態でL=94.3、a=−6.3、b=2.6であり、クロスニコル状態でL=5.6、a=0.08、b=−0.86であった。この偏光フィルムを120℃で100時間加熱したところ、偏光フィルムのL、a、bは、2枚のパラレルニコル状態でL=93.3、a=−1.8、b=6.8であり、クロスニコル状態でL=22.8、a=19.5、b=14.9であった。このとき、b値(C)は6.8、b値(D)は2.6であるので、C/Dは2.6であった。この偏光フィルムは耐熱試験前後での色相の変化が小さく、耐熱性が要求されるLCD用偏光フィルムとして適している。
けん化度99.95モル%、重合度2400、酢酸ナトリウム含量150ppm、YI値12.9のPVAチップ100重量部に、グリセリン10重量部および水170重量部を含浸させたものを溶融混練し、脱泡後、Tダイから金属ロールに溶融押出して製膜し、乾燥および熱処理を施すことにより、厚さ70μmのPVAフィルムを得た。PVAフィルムのb値(A)は1.9であった。このフィルムを120℃で100時間加熱したところ、フィルムのb値(B)は22.5であった。
得られた偏光フィルムのL、a、bは、2枚のパラレルニコル状態でL=95.1、a=−0.55、b=2.0であり、クロスニコル状態でL=7.3、a=−0.35、b=−2.0であった。この偏光フィルムを120℃で100時間加熱したところ、偏光フィルムのL、a、bは、2枚のパラレルニコル状態でL=93.8、a=−1.5、b=5.6であり、クロスニコル状態でL=26.3、a=17.9、b=16.7であった。このとき、b値(C)は5.6、b値(D)は2.0であるので、C/Dは2.8であった。この偏光フィルムは色相の変化が小さく、耐熱性が要求されるLCD用偏光フィルムとして適している。
けん化度99.95モル%、重合度2400、酢酸ナトリウム含量250ppm、YI値18.2のPVAチップ100重量部に、グリセリン10重量部および水170重量部を含浸させたものを溶融混練し、脱泡後、Tダイから金属ロールに溶融押出して製膜し、乾燥および熱処理を施すことにより、厚さ70μmのPVAフィルムを得た。PVAフィルムのb値(A)は1.7であった。このフィルムを120℃で100時間加熱したところ、フィルムのb値(B)は29.2であった。
得られた偏光フィルムのL、a、bは、2枚のパラレルニコル状態でL=95.9、a=−0.41、b=1.5であり、クロスニコル状態でL=16.6、a=−0.83、b=−1.6であった。この偏光フィルムを120℃で100時間加熱したところ、偏光フィルムのL、a、bは、2枚のパラレルニコル状態でL=94.8、a=−1.1、b=4.2であり、クロスニコル状態でL=41.0、a=14.3、b=22.6であった。このとき、b値(C)は4.2、b値(D)は1.5であるので、C/Dは2.8であった。この偏光フィルムは色相の変化が小さく、耐熱性が要求されるLCD用偏光フィルムとして適している。
けん化度99.95モル%、重合度2400、酢酸ナトリウム含量3500ppm、YI値10.0のPVAチップ100重量部に、グリセリン10重量部および水170重量部を含浸させたものを溶融混練し、脱泡後、Tダイから金属ロールに溶融押出して製膜し、乾燥および熱処理を施すことにより、厚さ70μmのPVAフィルムを得た。PVAフィルムのb値(A)は3.2であった。このフィルムを120℃で100時間加熱したところ、フィルムのb値(B)は33.3であった。
得られた偏光フィルムのL、a、bは、2枚のパラレルニコル状態でL=92.9、a=−1.2、b=4.3であり、クロスニコル状態でL=3.1、a=−0.02、b=0.13であった。この偏光フィルムを120℃で100時間加熱したところ、偏光フィルムのL、a、bは、2枚のパラレルニコル状態でL=92.5、a=−3.5、b=12.5であり、クロスニコル状態でL=5.9、a=11.0、b=3.6であった。このときb値(C)は12.5、b値(D)は4.3であるので、C/Dは2.9であった。この偏光フィルムは色相の変化が大きく、耐熱性が要求されるLCD用偏光フィルムとして不適である。
けん化度99.95モル%、重合度2400、酢酸ナトリウム含量4000ppm、YI値13.6のPVAチップ100重量部に、グリセリン10重量部および水170重量部を含浸させたものを溶融混練し、脱泡後、Tダイから金属ロールに溶融押出して製膜し、乾燥および熱処理を施すことにより、厚さ70μmのPVAフィルムを得た。PVAフィルムのb値(A)は2.2であった。このフィルムを120℃で100時間加熱したところ、フィルムのb値(B)は33.7であった。
得られた偏光フィルムのL、a、bは、2枚のパラレルニコル状態でL=95.1、a=−0.52、b=1.9であり、クロスニコル状態でL=6.1、a=−0.15、b=−2.5であった。この偏光フィルムを120℃で100時間加熱したところ、偏光フィルムのL、a、bは、2枚のパラレルニコル状態でL=93.6、a=−1.6、b=5.7であり、クロスニコル状態でL=25.3、a=16.2、b=13.3であった。このとき、b値(C)は5.7、b値(D)は1.9であるので、C/Dは3.0であった。この偏光フィルムは色相の変化が大きく、耐熱性が要求されるLCD用偏光フィルムとして不適である。
Claims (2)
- 酢酸ナトリウム量が50ppm以下で、かつYI値が8.2以下であるポリビニルアルコールチップを用いて、フィルムの厚みが0.1mmのときのb値(A)が2以下であるポリビニルアルコールフィルムを製造する工程;および、当該ポリビニルアルコールフィルムを用いて、これを染色、一軸延伸および固定処理した後、乾燥処理する工程;を含む、偏光フィルムの製造方法。
- 前記ポリビニルアルコールフィルムを120℃で100時間加熱後のb値(B)が、フィルムの厚みが0.1mmのときに30以下である、請求項1記載の製造方法。
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