JP2002023845A - 機器の遠隔診断システム - Google Patents

機器の遠隔診断システム

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多数の機器を対象にした機器の遠隔診断シス
テムにおいて、異常発生時のように必要な時に間欠的に
任意の機器を対象にしたモデルシミュレーションを実施
可能にすることにある。 【解決手段】 監視センタ3の監視診断装置310は診
断対象機器100の動特性を模擬した機器モデル340
を有し、診断対象機器が設置されている遠隔の施設内診
断装置120は、前記機器の計測情報101に基づいて
機器の状態に機器モデルの初期状態を設定するための独
立変数値(初期値)を所定の時間間隔で演算する初期値
演算手段150と、この初期値演算手段によって演算し
た初期値を所定時間蓄積、記憶する初期値記憶手段16
0とを具備し、監視診断装置は、施設内診断装置から前
記モデル初期値を受信し、該モデル初期値を用いて前記
機器モデルによる機器の動特性計算を実施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遠隔地に設置され
ている機器を監視または制御する遠隔監視システムに係
り、特に、機器の動特性モデルを用いて機器を診断する
機器の遠隔診断システムに関する。
【0002】
【従来の技術】機器を通信手段を介して遠隔監視する従
来技術には以下の(1)などがある。また、機器モデル
を用いたシミュレーションに係わる初期値生成方法に関
しては以下の(2)及び(3)などがある。また、モデ
ルシミュレーションを用いた遠隔診断技術には以下の
(4)などがある。 (1)特開平9−26237号公報に記載の技術、
(2)特開平6−222191号公報に記載の技術、
(3)特開平11−305646号公報に記載の技術、
(4)特開平9−305429号公報に記載の技術 従来技術(1)は、各冷凍機に端末装置を付設して冷凍
機を構成している機器類それぞれの状態を検出した物理
量および冷凍機全体としての運転状態を表す信号を端末
装置の演算制御部に入力し、上記の入力された物理量お
よび信号を周期的に記憶装置に記憶させるとともに、こ
れらの物理量および信号の相関関係を判定して伝達手段
に向けて出力し、複数の建築物に設けられた冷凍機を管
理する中央監視装置によって、各端末装置の伝達手段を
介して前記の判定された情報および前記の物理量や信号
を遠隔通信手段を用いて受信し、受信した情報を中央監
視装置に設けたコンピュータによって解析し、表示し、
記録するものである。従来技術(2)は、実プラントに
異常状態が発生し、診断装置によりその異常状態が判別
された後、運用者から予測シミュレータへの予測再運転
要求があった時に、この予測再運転要求時における予測
シミュレータの内部データを予測シミュレータの初期値
として再設定し、この予測シミュレータを再運転するよ
うにしたものである。従来技術(3)は、プラントの配
管内を流れる流体に関し、プラントの配管の基点をそれ
ぞれノード、流路をジャンクションとして模擬演算する
ノードジャンクション法を適用し、微分方程式を解くこ
とで熱流動シミュレーションを行い、プラントシミュレ
ーションにおけるモデルノーディングデータ、実プロセ
ス計測点データ、設計データおよび当該設計データに付
加されたデータの正確さを表す信頼度データを入出力
し、該入出力された各データに基づき正確でないデータ
を修正し、最適な初期値データを生成するようにしたも
のであり、モデルの初期値作成方法について述べたもの
である。従来技術(4)は、遠隔地にある被診断装置で
発生した障害に関連あるデータを被診断装置側で蓄積
し、保守センターの診断装置がデータを通信回線を介し
て取得した後、取得したデータを基にシミュレーション
して被診断装置を診断するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】動特性モデルを用いた
シミュレーションを実施するためには、モデルの初期状
態を定めるための初期値が必要である。動特性モデルを
微分方程式を含む数式モデルで構成するとき、その微分
方程式を解くためには必ず初期値が必要になるのであ
る。また、その動特性モデルを用いて機器を診断する場
合は、診断の精度は実機の動特性とモデルを用いた特性
の計算値との誤差、すなわち、モデルの精度に大きく影
響を受ける。動特性の計算値を実機特性に合わせるため
には、機器に与えられた入力値をモデルに入力するだけ
では不充分であり、計算を開始する最初の状態(初期状
態)を実機に合わせなければならない。すなわち、モデ
ルの初期値を適切に設定できるかどうかが重要なポイン
トとなる。精度の良い動特性モデルを用いれば、機器が
正常か否かの判定確度が向上する他、異常原因の特定や
異常原因の波及効果などのさらに詳細な診断が可能にな
る。さて、遠隔地にある機器を対象に監視センタで動特
性モデルを用いて機器の状態診断を行うシステムでは、
通信回線で運転データを監視センタに送り、監視センタ
側で機器モデルの初期値を作成することが可能である。
全対象機器毎に常に初期値を演算しておくためには、常
に全対象機器の運転データを受信して初期値を計算する
方法があるが、この方法では、通信負荷及び通信費用が
過大になる問題がある。また、常に監視センタで全機器
モデルをリアルタイムで実施していれば、特に初期値を
計算する必要がないが、計算機の負荷が大きくなるの
で、現実的でない。特に対象機器の台数が多くなると、
その傾向は顕著になる。実際には、機器の遠隔監視・診
断は遠隔地に設置された多数の機器を集中監視・診断す
るからこそ有益な方法であるから、動特性モデルを用い
た遠隔診断を実施する上では、上記課題は深刻な問題で
ある。従って、上記従来技術のように動特性モデルを用
いた機器の診断技術と、遠隔地の機器情報を通信によっ
て伝達して遠隔監視する技術があっても、監視センタに
対象機器の動特性モデルを有して機器の診断をすること
は事実上困難である。
【0004】本発明の課題は、上記事情に鑑み、多数の
機器を対象にした機器の遠隔診断システムにおいて、異
常発生時のように必要な時に間欠的に任意の機器を対象
にしたモデルシミュレーションを実施可能にすることに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、監視センタの監視診断装置は診断対象機器の動特性
を模擬した機器モデルを有し、診断対象機器が設置され
ている遠隔の施設内診断装置は、前記機器の計測情報に
基づいて機器の状態に機器モデルの初期状態を設定する
ための独立変数値(初期値)を所定の時間間隔で演算す
る初期値演算手段と、該初期値演算手段によって演算し
た初期値を所定時間蓄積、記憶する初期値記憶手段とを
具備し、前記監視診断装置は、前記施設内診断装置から
前記モデル初期値を受信し、該モデル初期値を用いて前
記機器モデルによる機器の動特性計算を実施する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて説明する。本発明の実施形態としては、複数の遠
隔地に設置したコージェネレーション設備を集中監視す
る遠隔監視システムに適用した本発明の遠隔診断システ
ムについて説明する。まず、遠隔監視の対象となるコー
ジェネレーション設備を説明する。コージェネレーショ
ン設備は、一般のビルやスーパー、コンビニエンススト
アー等の商店ビル、ホテルなどの宿泊施設など多種類の
施設に導入されており、それぞれの施設は地理的に離れ
た位置に存在する。施設によって機器の構成や容量は異
なるが、一例を以下に説明する。コージェネレーション
設備(診断対象機器100)は、図4に示すように、圧
縮機400、燃焼機402、タービン404及び発電機
408からなるガスタービン発電機とタービン404か
ら排出される高温のガス410を熱源として冷熱を発生
させる蒸気吸収式冷凍機500とで構成されるシステム
であり、それらの機器を制御するための制御装置110
と機器状態の診断装置120とが接続されている。ガス
タービン発電機は圧縮機400で空気を吸引、圧縮して
その圧縮空気を燃焼機402へ送る。燃焼機402では
燃料調節弁406の操作により供給される燃料を燃焼さ
せる。燃焼ガスは膨張する過程でタービン404を回転
させ、その回転力で発電機408を回して電気出力を得
る。タービン404で仕事をした燃焼ガス410は数百
℃の高温で排出されるので、その熱を回収してさらに吸
収式冷凍機500を駆動し、冷水504を作る。発電機
408で発生した電気は施設内の電気需要に供給され、
過剰分は電力会社へ売却し、不足分は通常どおり電力会
社から電気を購入する契約となっている。吸収式冷凍機
500で作った冷熱は、施設内の冷房または冷蔵庫等の
冷熱需要で消費される。従って、コージェネレーション
設備は、施設内で必要とする電気と熱のエネルギーを両
方供給することができる上に、余剰電力は売却すること
ができるので、施設の所有者にとって有利なシステムと
なっている。
【0007】吸収式冷凍機500の動作原理を図5を用
いて説明する。吸収式冷凍機500は主に蒸発器51
0、吸収器520、凝縮器530、再生器540、熱交
換器550、555及び流体ポンプ560、565とか
ら構成されている。本例の冷凍機は吸収液として臭化リ
チウム溶液、冷媒に水を使用する。再生器540では、
冷媒である水を吸収して濃度の低下した臭化リチウム水
溶液を加熱して溶液中の水分を蒸発させ、溶液を濃縮す
る。この加熱源にタービン404からの高温排ガス41
0を用いる。タービン排ガス410と高濃度臭化リチウ
ム水溶液とを熱交換させ、臭化リチウム水溶液を加熱す
る。再生器540で蒸発した水分は凝縮器530へ流
れ、加熱により濃縮され、温度が上昇した臭化リチウム
水溶液は高温熱交換器550、低温熱交換器555を通
って温度を低下させ、吸収器520内へ散布される。凝
縮器530は、再生器540で発生した蒸気を冷却水と
の熱交換により凝縮させて水(液体)に戻す。凝縮した
水は蒸発器510内に散布される。蒸発器510内に
は、冷水管が配置され、散布された水は冷水管から熱を
奪って蒸発し、再び蒸気になる。これによって冷水管内
の冷水温度が低下して、約7℃の水として空調等の冷水
需要600へ供給される。蒸発しなかった水は一旦蒸発
器510の下部に溜まり、冷媒循環ポンプ565により
再度蒸発器510の上部から容器内に散布される。蒸発
した蒸気は、吸収器520内へ散布された高濃度の臭化
リチウム水溶液と接触して吸収される。蒸気が吸収され
るために、吸収器520内の圧力が低下する。従って、
吸収器520内と連結している蒸発器510内の圧力も
低下するので、蒸発器510では冷媒である水が低温で
蒸発するのである。臭化リチウム水溶液は温度が低いほ
ど蒸気を吸収しやすいので、吸収器520内では冷却水
で臭化リチウム水溶液を冷却している。冷却水はその
後、前述したように凝縮器530で蒸気を凝縮させてさ
らに温度が上昇するので、クーリングタワー700で冷
却されて再び吸収器520へ戻る。吸収器520で濃度
が低下した臭化リチウム水溶液は、低温熱交換器55
5、高温熱交換器550によって加熱され、再生器54
0へ戻る。吸収式冷凍機500は、以上のようなサイク
ルを繰り返して冷熱を発生する。通常は、吸収式冷凍機
500の熱源として、タービン404からの排ガス41
0を使用している。しかし、何らかの理由によりタービ
ンが停止しているときには、熱源となる排ガス410が
受け取れないため、吸収式冷凍機500を運転すること
ができなくなる。そこで、吸収式冷凍機500の再生器
570には代替熱源となるバーナー570を備えてい
る。
【0008】このコージェネレーション設備は、制御装
置110によつて制御する。発電機408の出力を制御
するために、燃焼器402へ供給する燃料流量を燃料調
節弁406の開度を操作することにより調整する。ま
た、吸収式冷凍機500の負荷を制御するために熱源と
なる排ガス流量をガス流量調節弁412により制御す
る。その他の詳細な制御方法は省略するが、制御装置1
10は、制御するために必要な情報、例えば発電機出力
や冷水温度などの計測値を取込んでいる。図4及び図5
では、一部の計測器による計測信号のみ記載している。
診断装置120は、機器の状態が正常か異常かを判定す
るために、制御装置110に取込んでいるセンサ情報と
制御装置110からの制御指令値の他、機器に取付けら
れたその他のセンサから診断のための信号を取込んでい
る。
【0009】図1は、本発明の第1の実施形態である機
器の遠隔診断システムの構成を示す。監視センタ3は、
通信ネットワーク2を介して遠隔地の施設1a、1b、
1c、1nと通信が可能である。ここで、通信ネットワ
ーク2は公共の電話回線を使用しているが、他に専用の
通信ケーブルまたは衛星を利用した通信手段であっても
よく、本発明は通信手段の種類には依存しない。また、
図1では遠隔地の施設として1a、1b、1c、1nの
4ヶ所を示しているが、実際には10000件以上の施
設がある。本発明は遠隔施設の数に制限を受けるもので
はない。遠隔地の施設1aには、診断対象機器100と
その機器を制御する制御装置110と機器状態を診断す
る診断装置120とが存在する。図1では省略している
が、施設1b、1c、1n内にも同様の構成の機器が存
在する。施設1a内の診断対象機器100は、前述した
ように、タービン発電機と吸収式冷凍機とから構成され
るコージェネレーション設備である。制御装置110
は、診断対象機器100に取付けられた各種センサから
機器制御に必要な計測データを取込んで制御信号111
を演算し、診断対象機器100へ出力する。診断対象機
器100は、その制御信号111によりそれぞれのアク
チュエータが動作するようになっている。診断装置12
0は、診断に計測データ(計測値)101とそれ以外で
診断に必要な計測データ(計測値)102、制御装置1
10からの制御信号111を取込んでいる。それらのデ
ータは運転データ記憶手段130へ順次蓄積される。デ
ータは1秒周期で測定され、データ記憶手段130には
約1週間分のデータが蓄積可能である。データ記憶手段
130の記憶容量が一杯になると、最も古いデータから
順次削除されて新しいデータが追加されるようになって
いる。運転データ記憶手段130からの運転データは、
逐次状態判定手段140に送られ、オンラインで機器の
状態を診断する。状態判定手段140で判定に使用して
いる主な計測項目を図7に示す。診断方法は、予め計測
項目毎に定められた上下限値を計測値が超えていないか
どうかを判定するものである。一つでも上下限値を超え
る場合は異常とみなして機器のアラームランプを点灯さ
せると共に、監視センタへ何の計測値が異常であるかを
通報する。通報と共に異常発生時前後の運転データ等を
監視センタ3に向けて送信する。
【0010】監視センタ3は、通信ネットワーク2を介
してデータ受信手段320によりその情報を受信する。
受信した情報はデータベース330に格納される。デー
タベース330には異常発生前後のデータを施設毎に記
録している。状態判定手段140で診断した結果はマン
マシンインターフェイス360の表示画面に出力され
る。また、監視員の操作により、異常発生時前後の計測
値がグラフ表示されるようになっている。監視員はそれ
らのデータから異常原因部位を推定したり、補修対策を
考えたりする。また、異常発生施設(本例では施設1a
とする)の近隣の保守センタに連絡して保守員を当該施
設1aに派遣する。保守員が機器の異常に対して迅速に
対応できるようにするためには、機器の状態に関する適
切な情報が得られていることが望ましい。現場に向かう
前に、異常の程度や原因部位がわかっていれば、交換部
品の手配などが早めにできるなどのメリットがある。そ
うすれば、機器の補修も短時間で終わり、早期復旧が可
能となる。従って、監視センタ3から保守員へいち早く
適切な指示や運転データの分析結果などを伝えることが
重要である。監視センタ3の推定結果が正しければ、保
守員は監視センタの指示に従って行動するだけでよくな
り、担当者の経験や技術力の違いによらず、安定した保
守サービスを提供することができる。しかし、監視セン
タ3では、異常となった機器を直接調査することはでき
ないので、通信によって送られてくる限られた情報から
状況判断や異常原因の推定をしなければならない。ま
た、監視員は多数の施設、多種類、多台数の機器を対象
に監視しているので、全ての機器の特性や運転状態を常
に把握していることはできない。従って、異常発生時
に、機器の状態を正確に認識して、かつ、異常原因を推
定することは、非常に困難である。そこで、特開平9−
305429号公報及び特開平8−219601号公報
などに述べられているように、監視センタでシミュレー
ションを実施して診断する方法がある。本実施形態にお
いても、監視センタ3に機器モデル340を備え、機器
のシミュレーションを実施してシミュレーション結果と
実際の計測データとの挙動を比較することにより、異常
部位を推定する。しかし、本実施形態では、遠隔施設A
内の診断装置120に初期値演算手段150を設け、機
器モデル340によるシミュレーションに必要なモデル
の初期値をこの初期値演算手段150によって生成す
る。初期値演算手段150では5秒間隔でその時刻の初
期値を出力する。また、同様に遠隔施設内Aの診断装置
120に初期値記憶手段160を設け、初期値記憶手段
160に初期値演算手段150から出力される初期値を
所定の時間間隔分保持する。初期値記憶手段160は、
運転データ記憶手段130と同様に、所定の時間が経過
すると、古い初期値データから削除して新しい初期値デ
ータを記憶する。初期値記憶手段160に記憶された初
期値データは、必要に応じてデータ送信手段170を通
じて送信され、監視センタ3へ送られる。このように、
本実施形態は、遠隔施設A内の診断装置120に初期値
演算手段150と初期値記憶手段160を設けることに
特徴があり、監視センタ3では、機器モデル340と遠
隔施設A内の初期値演算手段150で生成した初期値デ
ータを用いて初期値記憶手段160に記憶された時間内
の任意の時刻の機器状態からシミュレーションを開始す
る。
【0011】本実施形態では、機器の特性を物理式で記
述した動特性モデルを用いる。以下、このモデルを用い
た診断方法について説明する。機器の動特性モデルは物
理式で模擬する。例えば、吸収器520の動特性は図9
に示すようにモデル化する。モデル式を以下に示す。物
質収支は、
【数1】 臭化リチウムに関する物質収支は、
【数2】 熱収支は、
【数3】
【数4】
【数5】
【数6】 である。ここで、Gは質量流量[kg/s]、Hはエン
タルピ[kJ/kg]、Cは臭化リチウムの濃度[kg
/kg]、ρは密度[kg/m3]、Tは温度[℃]、
Qcは冷却水への伝熱量[kJ/s]、Vは吸収器の容
積[m3]、Aは伝熱面積[m2]、Uは総括伝熱係数
[kJ/(m2・s・K)]、Pは圧力[Pa]、Cp
は比熱[kJ/kg・K]であり、添え字のLは臭化リ
チウム水溶液、Wは冷却水、Sは蒸気、1及び2は位置
(図9参照)をそれぞれ表している。圧力Pは温度TL2
と濃度CL2で決まる臭化リチウム水溶液の蒸気圧力とす
る。蒸発器510、再生器540、凝縮器530など
も、同様に物理式でモデル化し、それぞれの収支式を連
立させて計算することにより、シミュレーションが実施
できる。
【0012】診断方法を説明する。機器が正常に運転し
ている通常の場合は、動特性モデルの出力値と計測値が
一致するようにモデルを調整しておく。完全に一致させ
ることができなくても、正常時の誤差範囲を予め確認し
ておけばよい。機器に異常が発生すると、モデルの出力
値と計測値に偏差が生じる、または、正常時の誤差範囲
を逸脱して誤差が大きくなる。シミュレーションを開始
する時刻は、診断装置140が異常と判断する以前の正
常状態の時刻からとする。従って図8に示すように、シ
ミュレーション開始時にはモデル出力値と計測値は正常
時の誤差範囲内で推移し、その後、異常発生に伴って誤
差が拡大する。異常発生に伴って、どの状態量(例え
ば、圧力、温度、流量など)の計測値とシミュレーショ
ンの計算値との偏差が拡大していくかを検出する。例え
ば、冷却水管の伝熱性能が何らかの原因で劣化した場合
を想定して、上記のモデル式でどのような現象が生じる
かを考えてみる。モデルでは、冷却水管の伝熱性能の劣
化は(4)式におけるU(総括伝熱係数)が小さくなる
ことと同じである。(4)式から伝熱量Qcが小さくな
り、冷却水出口温度TW2が小さくなる筈である。また、
Qcが小さくなると、(3)式の右辺の値が大きくなる
ので、(3)式の左辺のd(ρHL2)が大きくなる。G
L1,GL2,Gsに変化がないとすれば、(1)式よりρ
は変化しないので、エンタルピーHL2すなわち臭化リチ
ウム水溶液の出口温度TL2が高くなる筈である。従っ
て、冷却水出口温度TW2の低下と、臭化リチウム水溶液
の出口温度TL2の上昇が計測されると考えられる。一
方、シミュレーションでは、正常な状態でシミュレーシ
ョンしているので、TW2の低下とTL2の上昇はない筈で
あるから、これらの状態量を計測値と比較することによ
って、異常部位を推定することが可能である。
【0013】さて、モデルシミュレーションを実施する
場合には、計算開始時点の状態を設定する必要がある。
前述したように、遠隔施設内に初期値演算手段150を
設け、ここで作成した初期値を監視センタ3で受信して
シミュレーションを開始することが本発明の特徴であ
る。初期値演算手段150は、機器モデル340と同じ
モデルを持っており、診断対象機器100への制御信号
111または入力となる状態量の計測値101を取込ん
で実機の挙動を常にトレースしている。本例のモデルで
は、燃焼器402への燃料流量調節弁406への開度指
令値、タービン排ガス流量調節弁412の開度指令値、
吸収式冷凍機の冷水流量調整弁502の開度指令及び冷
却水流量の計測値を取込んでいる。これらの条件に合わ
せてシミュレーション演算をして実際の機器の動きをト
レースするのである。そして、初期値演算手段150か
ら5秒毎に初期値として必要なモデル内のプロセス変数
値を出力し、初期値記憶手段160で所定期間分の初期
値を常に保持する。因みに、監視センタ3で初期値を演
算する場合、常に遠隔地の機器の状態に機器モデル34
0を合わせておかなければならないため、常時、診断対
象機器100の制御信号等を受信しておく必要があり、
そのため通信時間が長くなることにより通信費が高くな
り、実用的でない。また、遠隔施設の数が増加すると、
通信回線数も増加してさらに通信費がかかる他、監視セ
ンタ3では診断対象機器100の台数分だけモデル計算
を常に実施することになり、計算負荷の観点からもさら
に実施困難である。例えば10000施設以上におよぶ
診断対象機器100を有する場合には、監視センタ3で
集中してモデル初期値を作成することは、これまで不可
能であった。本実施形態では、多数の診断対象機器10
0を対象とした場合にも、遠隔施設毎に設けた初期値演
算手段150によって実機の挙動を常にシミュレーショ
ン演算してトレースし、初期値を演算するため、遠隔施
設内の機器についてその動特性モデルを用いた診断が可
能になり、迅速かつ正確で詳細な診断が可能になると共
に、その初期値は異常発生時のように必要な時に間欠的
にその遠隔施設から監視センタ3に送信すれば良いの
で、通信費が安くなり、同時に監視センタ3の計算負荷
を軽減することができる。異常発生時のように必要な時
に間欠的に任意の機器を対象にしたモデルシミュレーシ
ョンを実施可能にすることにある。また、初期値記憶手
段160に所定期間分の初期値を保存しているので、記
憶している時間内の任意の時間(の機器状態)からのシ
ミュレーションを直ちに開始することができるため、診
断に要する時間を大幅に短縮できる。
【0014】監視センタ3の表示画面を図6に示す。監
視員は異常の通報を受けて、シミュレーションを実施す
る際に、計算開始時刻を設定する。図6では、時刻Cに
おいてある状態量計測値(太線)が正常判定上限値を超
えたために異常と判定されたものである。画面には、時
刻C前後のプロセスの計測値がグラフ表示される。初期
値自動設定ボタン362をマウスでクリックすると、異
常と判定した時刻Cから予め設定した時間前の時刻Bが
選択される。しかし、時刻Bでは計測値が安定していな
いため、初期値としては不適当と監視員が判断した場合
には、グラフ内の任意の場所をマウスでダブルクリック
することにより、そのマウスカーソルの位置に対応する
時刻(例えば、時刻A)に最も近い時刻の初期値データ
を選択し、時刻と初期値データ名を表示する。計算開始
時刻を選択した後、シミュレーション実行ボタン364
をマウスでクリックすると、シミュレーション計算が実
行される。シミュレーション結果は機器診断手段350
へ送られる。機器診断手段350は全ての計測値と対応
する計算値との偏差を時間毎に計算する。偏差が拡大し
た状態量の種類を偏差拡大の発生時間が早い順にならべ
て画面に表示する。また、監視員の操作によりそれぞれ
の状態量の時間変化をグラフ表示する。監視員は、これ
らの情報を参考にして異常部位を推定する。なお、機器
診断手段350の機能として、偏差拡大の発生時間が早
い順に並べた状態量の種類に応じて考えられる異常原因
部位を推定するルールテーブルを予め設定しておき、異
常原因部位の候補を自動的に表示するようにしても良
い。
【0015】図2は、本発明の第2の実施形態を示す。
第1の実施形態と異なる点は、診断装置120にモデル
演算手段162とモデル調整手段164をさらに備える
ことである。モデル特性を実機特性に合わせるために、
モデル式中にモデル調整係数を導入する。例えば、
(4)式中のU(総括熱伝達率)は正確な値を知ること
が困難なので、次式のように調整係数Kuを導入し、こ
の係数値を調整することにより実機特性に合わせる。
【数7】 モデルの調整方法は、例えば特開平10−214112
号公報に記載されている方法を用いることで実現でき
る。すなわち、モデル調整手段164は定常状態とみな
せる運転状態の運転データに基づいてその時の状態量計
測値(例えば、臭化リチウム水溶液出口温度)に合うよ
うに、モデル調整係数Kuの値を変化させる。モデル演
算手段162はモデル調整手段164から新たな調整係
数Kuを受け取り、それを用いて再び温度を計算する。
その計算結果をモデル調整手段164へ送り、前回の誤
差と比較してモデル調整係数Kuの値を修正する。この
操作を繰り返して誤差がある範囲内に入ったところで調
整終了とする。ここでは、静特性の調整方法のみを記載
したが、動特性についても、目標とする状態量の時間応
答とモデルの計算結果との誤差が小さくなるように調整
することが可能である。月日の経過に伴って、機器特性
も変化する場合があるので、定期的にモデル調整を実施
することが望ましい。調整後のモデル調整係数Kuは調
整パラメータ記憶手段166に記憶される。異常発生時
には、初期値と共に最新の調整係数を監視センタ3へ送
信する。この場合は、監視センタ3の機器モデル340
も(7)式のようにモデル調整係数を導入したモデル式
になっており、受信した調整係数を用いてシミュレーシ
ョンができる。これにより、異常発生時に監視センタ3
でシミュレーションする場合に、常に実機特性に合致し
たシミュレーションが可能になり、シミュレーションの
精度が向上する。
【0016】図3及び図10は、本発明の第3の実施形
態を示す。第2の実施形態と異なる点は、診断装置12
0に遠隔指令受信手段172を設けたことと、監視セン
タ3の監視診断装置310に制御指令送信手段325を
設けたことである。異常発生の通報を受けて、監視セン
タ3では監視員が送られてくる運転データ等の情報や機
器モデル340によるシミュレーション結果から機器の
状態を判断する。診断対象機器100及びその制御装置
110には安全装置(図示せず)が備えられ、発生した
異常の程度によっては自ら緊急停止して危険を回避する
ようになっている。しかし、この安全装置が作動するの
は、いわゆる重故障の場合であって全ての異常に対して
動作するものではない。つまり、軽微な異常に対して全
ての場合に緊急停止することは合理的でないため、重故
障のみの対応になっている。一方、診断装置120によ
る診断だけでは、診断対象機器100の状態を正確に把
握することは難しいため、診断装置120の診断結果は
軽微故障であっても、診断対象機器100を停止した方
が良い場合もある。本実施形態は、監視センタ3からの
要請で派遣された保守員が現場に到着して診断対象機器
100の状況を調査してから、診断対象機器100を停
止させるか否かを判断するのでは対応が時間的に遅れる
ので、監視センタ3の監視員が判断して運転指令を出せ
るようにしたものである。監視員が診断対象機器100
を停止させた方が良いと判断した場合は、監視センタ3
のマンマシンインターフェイス360の緊急停止ボタン
を押す。これにより制御指令送信手段325から停止指
令信号112が送信され、通信ネットワーク2を介して
対象施設Aの診断装置120に伝達される。診断装置1
20は、遠隔指令受信手段172でその停止信号112
を受信して制御装置110へ送る。制御装置110は、
通常状態では自ら制御信号111を診断対象機器100
へ送っている。しかし、遠隔指令受信手段172で受信
した停止信号112が送られてくると、緊急停止モード
とり、制御信号111は停止信号になる。
【0017】以上は監視センタ3から停止指令を出し
て、診断対象機器100を制御する場合であるが、監視
センタ3からの指令は停止のみに限るものではない。例
えば、第1の実施形態で述べたように、吸収器520内
の冷却水伝熱管の伝熱性能が低化したと思われる場合に
は、冷却水流量を増加または減少させる指令値を送って
診断対象機器100の応答を見ることも可能である。冷
却水伝熱管の伝熱性能が低下している場合には、冷却水
流量の変化に対する臭化リチウム水溶液の出口温度TL2
の変化率が正常時よりも小さくなる筈である。監視セン
タ3からの冷却水流量変更指令によりこの現象が確認で
きれば、冷却水管の伝熱性能劣化という異常原因推定結
果がより確からしくなる。そのためには、正常時の冷却
水流量と臭化リチウム水溶液出口温度との応答特性を調
査しておくことが望ましいが、それがなくても、機器モ
デル340で冷却水流量を同じように変化させた状態で
シミュレーションし、その結果と比較すれば良い。図1
1は、シミュレーションによる計算値と実際の機器の計
測値を比較してマンマシンインターフェイス360の表
示画面に表示した画面の図である。以上のようにして、
例えば冷却水管の伝熱性能劣化という異常原因が特定で
きたら、(4)式中のUの値または、(7)式中のKu
の値を一次的に小さい値に変更してシミュレーションす
ることにより、異常事象を模擬したシミュレーションが
可能である。従って、シミュレーションにより、今後、
時間と共に機器の状態がどのように変化していくかを予
測することができる。監視員は、この予測結果に基づい
て機器を早急に停止させた方が良いのか、あるいは運転
継続可能かを判断することもできる。また、条件(この
場合は吸収器の冷却水流量)を変更してシミュレーショ
ンを実施する際に、診断対象機器100の主要な出力値
への影響を見ることが望ましい。冷凍機の場合は主要な
出力は冷水である。冷却水流量を変更すれば、需要家へ
供給する冷水の温度も変化する。冷水は施設内の冷房や
食品の冷蔵などに使われている場合が多い。冷却水流量
の変更により、冷水温度が極端に上昇することは避けな
ければならない。シミュレーションにより供給する冷水
温度の変化を計算することによって、需要家にとって許
容できる冷却水流量の変化幅や変更する時間間隔を決め
ることができる。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
遠隔地に散在する多数の機器を監視センタで各機器の動
特性モデルを用いて診断する際に、遠隔施設毎に設けた
初期値演算手段によって実機の挙動を常にシミュレーシ
ョン演算してトレースし、初期値を演算するため、遠隔
施設内の機器についてその動特性モデルを用いた診断が
可能になり、迅速かつ正確で詳細な診断が可能になると
共に、その初期値は異常発生時のように必要な時に間欠
的にその遠隔施設から監視センタに送信すれば良いの
で、通信時間が短縮され、これによって通信費が安くな
り、また、遠隔施設毎に初期値を演算するため、監視セ
ンタの計算負荷を軽減することができる。また、遠隔施
設毎に設けた初期値演算手段によって遠隔地に散在する
いずれの機器に対しても迅速かつ正確なシミュレーショ
ンが可能になるため、シミュレーション結果を用いた機
器診断の精度を向上させることができる。また、初期値
記憶手段に所定期間分の初期値を保存するため、記憶し
ている時間内の任意の時間(の機器状態)からのシミュ
レーションを直ちに開始することができ、診断に要する
時間を大幅に短縮することができる。また、機器モデル
特性を実機特性に合わせるために、モデル式中にモデル
調整係数を導入することにより、異常発生時に監視セン
タで常に実機特性に合致したシミュレーションが可能に
なり、シミュレーションの精度を向上させることができ
る。また、遠隔施設に遠隔指令受信手段、監視センタに
制御指令送信手段を設けることにより、異常事象を模擬
したシミュレーションに基づいて緊急に対応処置を講じ
ることができ、また、この両手段を介して遠隔施設の機
器に制御指令値を送ってその応答を見ることにより、異
常原因を迅速に推定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す機器の遠隔診断
システム
【図2】本発明の第2の実施形態
【図3】本発明の第3の実施形態
【図4】本発明の対象施設の機器構成図
【図5】吸収式冷凍機の構造図
【図6】本発明のシミュレーション開始時刻選択画面を
表す図
【図7】本発明の主な計測項目を説明する図
【図8】本発明の計測値とモデル計算値の挙動を説明す
る図
【図9】吸収式冷凍機の吸収器モデルの説明図
【図10】本発明の第3の実施形態
【図11】本発明の診断画面の表示例図
【符号の説明】
1a,1b,1c,1n…遠隔施設、2…通信ネットワ
ーク、3…監視装置、100…診断対象機器、110…
制御装置、120…診断装置、130…運転データ記憶
手段、140…状態判定手段、150…初期値演算手
段、160…初期値記憶手段、162…モデル演算手
段、164…モデル調整手段、166…調整パラメータ
記憶手段、170…データ送信手段、172…遠隔指令
受信手段172、310…監視診断装置、320…デー
タ受信手段、325…制御指令送信手段、330…デー
タ記憶手段、340…機器モデル、350…機器診断手
段、360…マンマシンインターフェイス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坪井 信義 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 大澤 陽 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 片桐 幸徳 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 浅沼 俊浩 茨城県土浦市神立町603番地 株式会社日 立製作所土浦事業所内 Fターム(参考) 5H223 AA02 BB01 DD03 DD07 DD09 EE06 FF05 FF08 5K048 AA06 BA22 DA02 DC07 EB12 FB05 FC01 GB04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遠隔施設に設置された機器状態の診断を
    目的に施設毎に設置された施設内診断装置と、該施設内
    診断手段から機器の運転状態に係わる機器情報を送信・
    伝達する通信手段と、該機器情報を受信して該施設内の
    機器の状態を監視診断する監視センタに設置された監視
    診断装置とからなる機器の遠隔診断システムにおいて、 前記監視診断装置は機器の動特性を模擬した機器モデル
    を有し、前記施設内診断装置は、前記機器の計測情報に
    基づいて該機器の状態に該機器モデルの初期状態を設定
    するための独立変数値(初期値)を所定の時間間隔で演
    算する初期値演算手段と、該初期値演算手段によって演
    算した初期値を所定時間蓄積、記憶する初期値記憶手段
    とを具備し、前記監視診断装置は、前記施設内診断装置
    から前記モデル初期値を受信し、該モデル初期値を用い
    て前記機器モデルによる機器の動特性計算を実施するこ
    とを特徴とする機器の遠隔診断システム。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記施設内診断装置
    は、前記機器の運転に係わるデータを所定の期間蓄積、
    記憶する運転データ記憶手段と、該運転データ記憶手段
    に蓄積されたデータを用いて前記機器モデルの静特性ま
    たは動特性のうち少なくとも一方を調整するための調整
    パラメータ値を演算するモデルパラメータ調整手段を具
    備し、前記監視診断装置は、前記施設内診断装置から前
    記モデル初期値と前記調整パラメータ値を受信し、該モ
    デル初期値と該調整パラメータ値を用いて前記機器モデ
    ルによる機器の動特性計算を実施することを特徴とする
    機器の遠隔診断システム。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、前記
    運転状態に係わる機器情報は前記機器のプロセス値の計
    測データを含み、前記施設内診断装置は、該プロセス値
    の計測データに基づいて機器の状態が正常か否かを判定
    する状態判定手段を有し、該状態判定手段によって機器
    状態が異常と判断された場合に、前記初期値記憶手段か
    ら異常発生時より所定時間前の時刻における前記モデル
    初期値を前記監視診断装置へ送信することを特徴とする
    機器の遠隔診断システム。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかにおい
    て、前記運転状態に係わる機器情報は前記機器のプロセ
    ス値の計測データを含み、前記監視診断装置は、機器の
    状態が異常の場合に、前記機器モデルによる動特性計算
    結果と該プロセス値の計測データとに基づいてその異常
    原因を特定する機能を有することを特徴とする機器の遠
    隔診断システム。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかにおい
    て、前記運転状態に係わる機器情報は前記機器のプロセ
    ス値の計測データを含み、前記監視診断装置は、機器の
    状態が異常の場合に、異常原因が及ぼす今後の波及効果
    を予測する機能を有することを特徴とする機器の遠隔診
    断システム。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれかにおい
    て、前記監視診断装置は機器を遠隔から制御するための
    遠隔制御信号を送信する手段を有し、前記施設内診断装
    置は前記監視診断装置から遠隔制御信号を受信する手段
    と該遠隔制御信号により機器を制御する機器制御手段を
    具備することを特徴とする機器の遠隔診断システム。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記監視診断装置
    は、前記遠隔施設内の機器の運転状態を変更する遠隔制
    御信号を送信して機器の運転状態を変更し、その結果計
    測される運転データと、同一の運転条件のシミュレーシ
    ョンによって得られる該運転データに相当する状態量の
    計算値との偏差に基づいて機器状態を診断する機能を有
    することを特徴とする機器の遠隔診断システム。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記監視診断装置
    は、運転条件を変更した結果計測された前記運転データ
    と、同一の運転条件のシミュレーションによって得られ
    る該運転データに相当する前記状態量の計算値とを比較
    して表示画面にグラフ表示する表示機能を有することを
    特徴とする機器の遠隔診断システム。
  9. 【請求項9】 請求項1から請求項8のいずれかにおい
    て、前記監視診断装置は、前記機器モデルによるシミュ
    レーションを実施する際に、どの時刻の前記モデル初期
    値を用いるかを選択するための入力手段を有することを
    特徴とする機器の遠隔診断システム。
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