JP3690992B2 - 火力発電プラントの異常診断方法及びその装置 - Google Patents

火力発電プラントの異常診断方法及びその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、伝熱特性の劣化又はその中を流れる流体の漏洩の異常を検出する火力発電プラントの異常診断方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の検出方法としては、伝熱管製作時に管に水圧をかけたり、水中に沈めた管に空気圧をかけたりして水または気泡の発生を目視により検査する方法が一般的であった。
【0003】
しかし、この方法では製作時の初期不良は発見できるが、使用中の経年劣化等による管の損傷等は発見することができなかった。また、検査に長い時間を要するため、作業効率が低いという問題点があった。
そこで、特開平7−248274では、機器の運転中に漏洩を検出する方法として、複数の音響センサを伝熱管付近に取付けて、漏洩時の音響信号の変化から漏洩発生を検出する方法が述べられている。
又、特開平1−109236号公報及び特開平1−201132号公報には、ガスパイプラインにおける圧力降下モデルの未定係数を圧力径の測定値に基づいて最小になるように定め、その係数が予め定められた値以上になった時、漏洩を判断する方法が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の従来技術には音響センサの取付け位置によっては音響信号が必ずしも正確に受信できない場合があった。また、複数の熱交換器を有する機器またはプラントに適用するためには、それぞれの熱交換器に対して音響センサを新たに設置する必要がある。
【0005】
また、上記従来技術で述べられているように、対象機器がボイラのように高圧の流体(蒸気)を取り扱う場合には、音響センサによる漏洩検出が可能である。しかし、伝熱管内外の圧力差が小さい場合では、漏洩の有無を音響(振動)データの変化としてとらえることが困難な場合が多い。更に、ガスパイプラインの漏洩検出においては、温度等の特定の条件での漏洩検出については示されていない。
【0006】
本発明の目的は、音響センサ等のセンサを新たに付加する測定設備を少なくし、又、センサの設置位置による影響を受けにくく、熱交換器の伝熱管内外の圧力差が小さい場合にも伝熱管の伝熱特性の劣化又は伝熱管内の流体の漏洩を検出できる火力発電プラントの異常診断方法及びその装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の火力発電プラントの異常診断方法は、熱交換器の伝熱管の伝熱特性を物理式で模擬してプロセス値の計測値から非計測の状態量を推定する状態推定機能と、該状態推定機能で推定した状態量の値を正常状態における推定値と比較して伝熱特性の劣化又はその中を流れる流体の漏洩の異常を検出する異常判定機能から構成されることを特徴とし、又、以下の要件を有するものである。
【0008】
(a)非定常時を含めた伝熱特性を物理式で模擬した伝熱モデルにより計算した流体温度計算値と、それに対応する計測値(流体温度)との差が少なくなるように少なくともモデルに設定している伝熱特性パラメータを調整する。
(b)調整済みのモデルで計算した流体温度計算値とそれに対応する計測値(流体温度)との差を指標として伝熱管の伝熱特性の劣化又は流体の漏洩を検出する。
(c)モデルに基づいて計測値を入力して計算した伝熱特性パラメータ計算値と調整済みモデルの伝熱特性パラメータ設定値との差を指標として伝熱管の伝熱特性の劣化又は流体の漏洩を検出する。
そして、上述の(b)及び(c)は(a)に対して単独で構成される。
【0009】
本発明の火力発電プラントの異常診断方法は、熱交換器の伝熱特性を用いて模擬した伝熱モデルにより流体温度を計算する温度計算手段と、前記計算で求められた流体温度と実際に測定された流体温度との差を指標として伝熱管の伝熱特性の劣化又は流体の漏洩を演算する異常計算手段とを有することを特徴とするものである。
【0010】
更に、本発明は、火力発電プラントの異常診断方法において、
(a)診断対象熱交換器よりも燃焼ガスの流れ方向に対して上流側にある熱交換器の少なくとも入口蒸気温度と出口蒸気温度の実測値を用いてその熱交換器の入口ガス温度を計算する。
(b)(a)で推定したガス温度を、上流側の熱交換器の伝熱特性を模擬した伝熱モデルに入力して出口ガス温度を計算する。
(c)(b)で計算した出口ガス温度を診断対象熱交換器への入口ガス温度とする。
(d)(c)の入口ガス温度を用いて診断対象熱交換器の伝熱特性を模擬した伝熱モデルで計算した蒸気温度計算値とそれに対応する計測値との偏差を指標として伝熱特性の劣化又は蒸気漏洩を計算する。
(e)(c)の入口ガス温度を用いて診断対象熱交換器の伝熱特性を模擬した伝熱モデルで計算した伝熱特性パラメータと、診断対象熱交換器の伝熱特性パラメータ設定値との偏差を指標として伝熱特性の劣化又は蒸気漏洩を計算する。
(f)(c)の入口ガス温度を用いて診断対象熱交換器の伝熱特性を模擬した伝熱モデルで計算した蒸気流量と、他の計測値に基づいて算定した蒸気流量との偏差を指標として伝熱特性の劣化又は蒸気漏洩を計算する。
(g)(c)の入口ガス温度と、診断対象熱交換器の少なくとも入口蒸気温度と出口蒸気温度の実測値を用いて推定した入口ガス温度との偏差を指標として伝熱特性の劣化又は蒸気漏洩を計算する。
上述の(d)〜(g)は(a)〜(c)の組み合せに対していずれか単独で構成される。
【0011】
又、本発明は、診断対象熱交換器よりも燃焼ガスの流れ方向に対して上流側にある上流側熱交換器の少なくとも入口蒸気温度と出口蒸気温度の実測値を用いて前記上流側熱交換器の入口燃焼ガス温度を計算する入口ガス温度計算手段と、該計算された入口燃焼ガス温度を上流側熱交換器の伝熱特性を模擬した伝熱モデルに基づいて前記上流側熱交換器の出口燃焼ガス温度を計算する出口燃焼ガス温度計算手段と、該計算された出口燃焼ガス温度を診断対象熱交換器への入口燃焼ガス温度とし、該入口燃焼ガス温度を用いて前記診断対象熱交換器の特性を模擬した伝熱モデルで計算した蒸気温度と実測値の蒸気温度との差を指標として又は該計算された出口燃焼ガス温度を診断対象熱交換器への入口燃焼ガス温度とし、該入口燃焼ガス温度を用いて前記診断対象熱交換器の特性を模擬した伝熱モデルで計算した蒸気流量と実測値の蒸気流量との差を指標として伝熱特性の劣化又は蒸気の漏洩を計算する異常計算手段とを有することを特徴とする火力発電プラントの異常診断装置にある。
【0013】
以上の様に、本発明は、プラントのプロセス量の計測値からプラント構成機器の入出力特性に関る設計データ又は物理・化学的特性値を推定する設計データ推定手段を有していること、又、設計データ推定手段により決定したモデルパラメータを使用するプラントモデルと、このモデルを用いた操作量決定手段を備えており、非定常時においても伝熱性能劣化および流体漏洩が精度良く検出できるものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
参考例
参考例は、吸収式冷凍機を対象にしたものである。吸収式冷凍機500の動作原理を図1を用いて説明する。吸収式冷凍機500は主に蒸発器510、吸収器520、凝縮器530、再生器540、熱交換器550、555及び流体ポンプ560、565とから構成されている。本例の冷凍機は吸収液として臭化リチウム溶液、冷媒に水を使用している。
【0015】
再生器540では、冷媒である水を吸収して濃度の低下した臭化リチウム水溶液を加熱して溶液中の水分を蒸発させ溶液を濃縮する。この加熱源にタービン404からの高温排ガス410を用いるのである。タービン排ガス410と高濃度臭化リチウム水溶液とを熱交換させ、臭化リチウム水溶液を加熱する。再生器540で蒸発した水分は凝縮器530へ流れ、加熱により濃縮され、温度が上昇した臭化リチウム水溶液は高温熱交換器550、低温熱交換器555を通って温度を低下させ、吸収器520内へ散布される。
【0016】
凝縮器530は、再生器540で発生した蒸気を冷却水704との熱交換により凝縮させて水(液体)に戻す。凝縮した水は蒸発器510内に散布される。蒸発器510内には、冷水管が配置されており、散布された水は冷水管から熱を奪って蒸発し、再び蒸気になる。これによって冷水管内の冷水温度が低下して、約7℃の水として空調等の冷水需要600へ供給される。蒸発しなかった水は一旦蒸発器510の下部に溜まり、冷媒循環ポンプ565により再度蒸発器510の上部から容器内に散布される。
【0017】
蒸発した蒸気は吸収器520内へ散布された高濃度の臭化リチウム水溶液と接触して吸収される。蒸気が吸収されるために、吸収器520内の圧力が低下する。従って、吸収器520内と連結している蒸発器510内の圧力も低下するので、蒸発器510では冷媒である水が低温で蒸発するのである。
【0018】
臭化リチウム水溶液は温度が低いほど蒸気を吸収しやすいので、吸収器520内では冷却水704で臭化リチウム水溶液を冷却している。冷却水704はその後、前述したように凝縮器530で蒸気を凝縮させてさらに温度が上昇するので、クーリングタワー700で冷却されて再び吸収器520へ戻る。吸収器520で濃度が低下した臭化リチウム水溶液は低温熱交換器555、高温熱交換器550によって加熱されて、再生器540へ戻る。吸収式冷凍機500は以上のようなサイクルを繰り返して、冷熱を発生する。
【0019】
本例では、図4に示すようにガスタービン発電システム450との組合せによりコージェネレーションシステムを構成しているので、吸収式冷凍機500の熱源はガスタービンシステム450からの排出ガス410を使用している。しかし、何らかの理由によりタービンが停止しているときには、熱源となる排出ガス410が受け取れないため、吸収式冷凍機500を運転することができなくなる。そこで、吸収式冷凍機500の再生器540には代替熱源となるバーナー570を備えている。ガスタービン発電システムは圧縮機400で空気を吸引、圧縮して、その圧縮空気を燃焼機402へ送る。燃焼機402では燃料調節弁406の操作により供給される燃料を燃焼させる。燃焼ガスは膨張する過程でタービン404を回転させ、その回転力で発電機408を回して電気出力を得ている。
【0020】
さて、吸収式冷凍機500には、蒸発器510、吸収器520、再生器540、凝縮器530、低温熱交換器555、高温熱交換器550の熱交換器が存在する。また、冷凍機は上述したように水(冷媒)の蒸発に伴う熱移動で冷水を作るので、大気圧以下の低圧下で動作している。従って、伝熱管に穴が開いたとしても内部の真空度が下がる(内部圧力が上がって大気圧に近づく)ことになり、内部流体が噴出することはない。また、冷水504および冷却水704も送水ポンプにより多少昇圧されている程度である。従って、漏洩時の音の変化で漏洩を検出するのは困難である。また、冷水504および冷却水704は配管により冷凍機外部にある空調機やクーリングタワーなど広い範囲を流れるので、音響式の漏洩検出方法を適用する場合には長距離に渡る配管沿いに多数のセンサを設置する必要があり、実質的に適用困難である。
【0021】
本例では、冷却水704の漏洩検出を例に説明する。図3に冷却水系統に関する部分を抜き出して示す。冷却水704は吸収器520から凝縮器530内を流れて加熱される。その後、タンク760を介して循環ポンプ720でクーリングタワー700へ送られて冷却され、再び吸収器520に戻るように循環している。クーリングタワー700は外気への放熱によって冷却するので、外部への冷却水の飛散や蒸発により、正常状態でも若干冷却水量が減少する。タンク760の水位がある設定値以下に低下すると補給水770が供給されて、冷却水の減少を補うようになっている。
【0022】
冷却水の循環ポンプ720は冷凍機500の運転と連動して運転する。循環ポンプ720は常に定格運転である。冷却水流量は冷却水量調節バルブ710で調節可能であるが、通常は調節バルブ710の開度は最初に設定された開度のままに保たれている。なお、中・小型の冷凍機では冷却水流量は通常計測していないのが普通であり、直接的に冷却水流量の変化を監視することはできない。冷却水に関する計測データとしては、吸収器520の入口における冷却水温度(TC1)、吸収既520の出口における冷却水温度(TC3)、凝縮器530出口における冷却水温度(TC2)をそれぞれ温度センサ750、740および730で計測している。
【0023】
また、冷凍機500側の情報としては、吸収器520出口の溶液温度(Ta)と凝縮器530出口の冷媒温度(Tw)がそれぞれ温度センサ521および531により計測されている。冷却水流量G1[kg/s]は循環ポンプ720の定格出力と調節弁710の開度から推定する。あるいは、冷凍機の設置時等に測定した値を用いることもできる。図3に示すように、クーリングタワー700と吸収器520との間で冷却水がΔG[kg/s]だけ漏洩したとすると、吸収器520および凝縮器530内を流れる冷却水量は実際にはG1よりも少ないG2[kg/s](G2=G1-ΔG)となる。また、冷却水管の腐食や外部からの異物の混入等によって、管内流路が閉塞しても冷却水量は減少することがあり得る。
【0024】
この冷却水量低下に関して本発明の検出方法を以下に説明する。はじめに、従来の検出方法を説明する。従来は、冷却水出口温度に上限値を設けて、これを異常判定しきい値とする方法が用いられていた。吸収式冷凍機は出力(冷水温度)を制御するために再生器540への入熱量を制御するため、吸収器520や凝縮器530内の温度もそれに伴って変化する。すなわち、正常時においても冷却水出口温度は変化する(図6)。また、冷却水入口温度が変化する場合もあり、この場合も出口温度が変化する。
【0025】
従来の方法では、正常時の冷却水出口温度の最大値を基準にして上限値を設定することになる。この場合、例えば冷却水出口温度が低い状態(図6中のA点)で異常が生じて温度が上昇しても上限値(異常判定しきい値)に到達しない場合は異常を検出できない。従って、異常の発見が遅くなる場合があった。
【0026】
これに対して本発明では、以下の方法で冷却水量低下を検出する。図1に本実施の形態における基本構成を示す。図1は吸収器520について記述したものであり、以下の説明も主として吸収器について述べるが、同様に凝縮器530についても適用可能である。吸収器モデル800は吸収器520の伝熱特性を式(1)〜(3)でモデル化している。
【0027】
【数1】
Figure 0003690992
【0028】
ここで、Vは伝熱管内容積[m3]、ρは冷却水密度[m3/kg]、Gは冷却水流量[kg/s]、Hは冷却水エンタルピ[kJ/kg]、Aは伝熱面積[m2]、αは熱伝達率[kW/m2・K]、Tは温度[℃]、Cは伝熱管比熱[kJ/kg・K]、Mは伝熱管質量[kg]、tは時間[s]であり、添え字iは入口位置、oは出口位置、mは伝熱管、fは冷却水側、rは伝熱管外側、eは伝熱管外部をそれぞれ表している。また、式(3)は冷却水の平均温度の算出式であり、εは平均係数(0≦ε≦1)である。吸収器520については、G=G1、Ti=TC1、To=TC3、Te=Taであり、凝縮器530については、G=G1、Ti=TC3、To=TC2、Te=Twとなる。A、V、C、Mはそれぞれの熱交換器の設計値を使用し、Hは温度Tの関数として求めることができる。
【0029】
熱伝達率αは直接計測できない状態パラメータである。熱伝達率推定機能802はモデル式(1)〜(3)に基づいて式(4)及び(5)により熱伝達率αを推定する。なお、伝熱管の内面側と外面側の2つの熱伝達率αf、αrがあるが、ここではαfは既知としてある値を設定して、αrを推定する。
【0030】
【数2】
Figure 0003690992
【0031】
予め、吸収器モデル800の特性を実機特性に合わせておく必要がある。モデルの特性調整はモデル調整機能802で行う。モデル調整機能802の機能について説明する。正常状態において、冷却水流量G1、冷却水入口温度TC1、吸収器内溶液温度Teの実測値を吸収器モデル800に入力して冷却水出口温度TC3calを計算する。TC3calと冷却水出口温度実測値TC3の差を計算し、両者の差が小さくなる方向に吸収器モデル800の熱伝達率設定値αrまたはαfの値を変化させて再び冷却水出口温度TC3calを計算し、実測値TC3とを比較する。TC3calとTC3との差が許容値ΔTC3以下になるまでこの操作を繰返す。
【0032】
図5に、冷却水量が何らかの原因で減少した場合を想定して、冷却水量G1を意図的に変化させた場合の吸収器熱伝達率の推定結果を示す。式(4)および(5)を用いて熱伝達率αrを推定する場合には、当然ながら冷却水量G1の変化はないものとして推定した。本例では、モデル式(1)、(2)における熱伝達率αf、αrは運転状態によらず定数として設定したので、図5中破線で示した熱伝達率のモデル設定値は一定である。ただし、本発明はモデルの熱伝達率設定方法には依存せず、設定値は必ずしも一定値である必要はない。例えば、冷却水量の関数として熱伝達率を設定してもよい。
【0033】
推定値は冷却水量が一定の時間0〜t1まではモデル設定値にほぼ一致している。時刻t1で冷却水量をG1からG2へ減少させると、熱伝達率の推定値はαr1からαr2へ増加する。時刻t2から冷却水量をG1に戻すと、推定値もαr1に付近まで低下する。従って、冷却水量が正常(G1)ならば、熱伝達率αrの推定値はモデル設定値とある誤差範囲内で一致するが、冷却水量が減少する(G2)と、推定値とモデル設定値との偏差が大きくなる。
判定機能803では以下に示す方法で、冷却水量低下を判定する。正常時のモデル設定値に対する推定値の標準偏差をσとして、推定値とモデル設定値との偏差が標準偏差σのn倍(例えばn=3)よりも大きくなったら冷却水量異常と判断する。図5では時刻t3で冷却水量を異常と判定する。
【0034】
異常判定方法はこれ以外の方法でも良く、例えば、推定値とモデル設定値との偏差量がある基準値(例えば3σ)よりも大きくなり、かつ、その状態がある時間以上継続した時点で異常と判定するようにしても良い。このようにすると、センサ信号に対するノイズや、計測器の誤差などによって一時的に偏差が大きくなり基準値を超える状態が生じても異常と判定することがなくなり、異常検出の信頼性が向上する。また、ノイズや計測誤差に対応するために、計測値をそのまま使わず、時間平均等の平滑化処理後のデータを使用したり、推定値を平滑化処理して異常判定に用いてもよい。
【0035】
前述したように、冷却水は吸収器520と凝縮器530を流れている。冷却水が吸収器520より前で漏洩した場合には、吸収器520および凝縮器530を流れる冷却水は両者ともに減少するが、吸収器520と凝縮器530の間で漏洩した場合は吸収器520には影響がなく、凝縮器530だけに影響がでる。従って、上述の方法で吸収器520と凝縮器530について状態を監視しいていれば、漏洩した場所を特定することもできる。
【0036】
しかし、冷凍機によっては、吸収器520と凝縮器530の間の冷却水温度TC3は計測していない場合がある。この場合、吸収器520にとっては冷却水の入口温度TC1は得られるが出口温度TC3が得られず、凝縮器530にとっては、冷却水の出口温度TC2は得られるが、入口温度TC3が得られないために、吸収器520と凝縮器530の両者とも、前述の方法では異常を検出することができない。そこで、TC3を計測していない場合の検出システムの構成を図8に示す。前述の図1に示した構成と異なる点は、吸収器520の冷却水出口温度を吸収器モデル800で計算し、その計算値TC3calを凝縮器モデル804へ入力して、熱伝達率の推定および異常判定は凝縮器モデル804に対してのみ実施する点である。
【0037】
この場合の冷却水量低下の検出方法を以下に説明する。まず、式(1)〜(3)で示す吸収器モデル800を用いて、冷却水流量G1(ただし、冷却水漏洩等により実際にはG1より少ない場合があり得る)、吸収器内溶液温度Te、冷却水入口温度TC1の実測値から吸収器520の冷却水出口温度TC3calを計算する。凝縮器530については前述の方法で、熱伝達率αrを推定して冷却水量低下が起きているか否かを判定する。この時、凝縮器530に対する冷却水入口温度は吸収器モデルで計算したTC3calを用いる。
【0038】
凝縮器モデル804は予め正常時のデータを用いて凝縮器530出口の冷却水温度の実測値TC2と計算値TC2calとの誤差が許容値ΔTC2以下になるように凝縮器モデル804の熱伝達率値を調整しておく。従って、正常時は吸収器モデル800で計算したTC3calを用いて凝縮器の熱伝達率を推定すれば、その推定値と凝縮器モデル804の設定値との偏差がある誤差範囲内に入っている。冷却水の漏洩が起きると、凝縮器の熱伝達率推定値とモデル設定値との差異が大きくなって漏洩を検出することができる。判定機能803は前述の機能と同じである。
この場合、TC3を測定していないので、冷却水の漏洩個所を吸収器520の前か、吸収器520以降であるかを特定することはできないが、冷却水の漏洩が生じていることは検出することができる。
【0039】
以上のように、本発明によれば、既設の計測情報を活用して冷却水の漏洩検知が可能である。また、本発明は伝熱管の熱伝達率を推定しているので、この推定値を監視していれば、伝熱面への異物の付着や伝熱面の腐食等によって伝熱性能が低下したことを定量的に把握することが可能である。
【0040】
図7に熱伝達率推定値の監視例を示す。図7の上段は2時の比較的短い時間範囲での推定値を1分間隔で表示している。また、下段には3ヶ月間の推移を1日毎の平均値として表示している。伝熱管の亀裂により急激な漏洩が生じた場合などは、上段のモニタグラフで確認できる。また、伝熱面の汚れ等による伝熱性能劣化は、徐々に進行する場合が多いので、下段のモニタグラフで確認する。図7に示した例では、下段のグラフにより徐々に伝熱性能が低下していることがわかる。
【0041】
このように本発明によれば、伝熱性能の低下や、漏洩発生を的確に評価できるので、真に必要な時のみ、機器の清掃や点検を実施することができる。そのため、過度な点検整備等の不必要な作業を低減することができる。これによって、設備の所有者または保守・管理者ともに、保守費用を削減することができる。
【0042】
(実施
以下、本発明を火力発電プラントに適用した場合の実施の形態を説明する。対象とする石炭焚き火力発電プラント100の構成例を図2に示す。ボイラ100は石炭や重油などの燃料を燃焼させ、その燃焼ガスで水を加熱して蒸発させる。ガス流路の上流側から水壁101、2次過熱器102、ケージ壁103、再熱器104、1次過熱器105、節炭器106の順でそれぞれの熱交換器が並んでいる。
【0043】
一方、蒸気の流れに着目すると、給水ポンプから供給された水は節炭器106、水壁101、ケージ壁103、1次過熱器105、2次過熱器102の順で流れ、2次過熱器102を出た蒸気は高圧タービン107で発電し、その後、再熱器104で再加熱されて中低圧タービン108で再度発電した後に復水器へ導かれるという流れになっている。また、図2には記載していないが、節炭器106前から蒸気を分岐させ、2次過熱器102の前と、再熱器104の前にそれぞれ過熱器減温器スプレーおよび再熱器減温器スプレーとして合流させている。蒸気(水)の流量は給水ポンプ前後で測定しているいわゆる給水流量のみであり、各熱交換器を流れている流量は直接測定していない。従って、蒸気の漏洩を直接的に測定することはできないのが実情である。
【0044】
従来、蒸気の漏洩は運転員または保守員が現場パトロール中に異音または目視により発見したり、各種プロセスデータの変化傾向から運転員の経験に基づいて蒸気漏洩と判断していた。しかし、近年の電力自由化に伴う競争力強化等の理由により、運転員または保守員の人数は減少する傾向にある。例えば、従来は各発電ユニット毎に運転操作室が設けら、それぞれに対して運転員が配置れていたが、最近は複数の発電ユニットを一つの運転操作室から運転する方式も採用され始めた。そうなると、現場パトロールの実施頻度が低下することが予想される。また、運転員は複数の発電ユニットを運転・監視しなければならなくなり、プロセスデータの変化を常時監視していることは困難になる。さらに、今後は熟練した運転員が減少することも予想されることから、蒸気漏洩を自動検出する技術が必要である。
【0045】
前記従来技術で述べたように、音響センサを設置し、蒸気漏洩時の周波数スペクトルの変化で漏洩を自動検出する方法が提案されている。しかし、この方法は、新たに音響センサを設置しなければならないほか、センサの設置位置によって、検出感度が変ってしまう。従って、検出感度(信頼性)を高めるためには、多数のセンサを設置する必要があった。そこで、本発明は、既設の計測手段(センサ)を有効活用し、新たなセンサ類の設置を最小限にできる蒸気漏洩の自動検出方法を提供する。それぞれの熱交換器は燃焼ガスと蒸気(水)との2流体の熱交換器である。一般に、蒸気側の温度や圧力を制御する必要があるため、各熱交換器の入口および出口の蒸気(水)温度は計測している。また、蒸気圧力も主要な個所は測定しており、プラントの設計値として各熱交換器における圧力損失が与えられるので、各熱交換器位置での蒸気圧力を求めることができる。
【0046】
また、蒸気流量は、計測した給水流量をベースにして、減温器(スプレー)流量やバイパス流量などの分岐・合流流量を考慮して、各熱交換器を流れる流量を推定した値を用いる。従って、蒸気の漏洩が発生した場合は、推定した流量よりも少ない流量が実際には熱交換器に流れることになる。例えば、節炭器106について蒸気漏洩が発生しているか否かを判定する場合の漏洩検出システムの構成を図9に示す。
【0047】
節炭器モデル902、熱伝達率推定機能903、モデル調整機能904、判定機能905の構成は、前述の参考例で説明した構成(図1)と同じ構成である。熱交換器のモデル式を式(6)〜(8)に示す。
【0048】
【数3】
Figure 0003690992
【0049】
ここで、Vは容積[m3]、ρは密度[m3/kg]、Gは流量[kg/s]、Hはエンタルピ[kJ/kg]、Aは伝熱面積[m2]、αは熱伝達率[kW/m2・K]、Tは温度[℃]、Cは伝熱管比熱[kJ/kg・K]、Mは伝熱管質量[kg]、Qlossは外部への放熱ロス、tは時間[s]であり、添え字sは蒸気、mは伝熱管、gは燃焼ガス、iは入口位置、oは出口位置、msはメタル−蒸気、gmはガス−メタルをそれぞれ表している。また、は蒸気の熱交換代表温度、はガスの熱交換代表温度である。
【0050】
節炭器モデル902の入力には、蒸気側の情報として、入口蒸気温度Tseci、蒸気流量推定値Gsec、蒸気圧力Psecと、ガス側の情報としてガス流量Gg、入口ガス温度Tgeciが必要である。ここで、入口蒸気温度Tseciは実測値を使用する。蒸気流量推定値Gsecは給水流量Gsbfpと過熱器減温器スプレー流量Gsshpおよび再熱器減温器スプレー流量Gsrhpの実測値から式(9)で求めた値を使用する。
【0051】
Gsec = Gsbfp ( Gsshp + Gsrhp ) ・・・・・(9)
蒸気圧力Psecは給水ポンプ出口圧力Psbfpの実測値と給水ポンプ〜節炭器間の圧力損失設計値ΔPbfp_ecから式(10)で求めた値を使用する。
【0052】
Psec = Psbfp - ΔPbfp_ec ・・・・・(10)
蒸気のエンタルピーは蒸気温度および圧力から求めることができる。
ガス流量Ggは火炉に供給される総空気量Gairと燃料流量Gfuelと再循環ガス流量Ggrfの実測値から式(11)で求めた値を使用する。
【0053】
Gg = Gair + Gfuel + Ggrf・・・・・(11)
ここで、入口ガス温度Tgeciは計測していない。一般にボイラ内のガス温度は高温のため計測することができない。そこで、ガス温度を他の計測データに基づいて推定する必要がある。
【0054】
求めた入口ガス温度は、最終的に熱伝達率推定機能903に入力される。熱伝達率推定機能903の機能は後で詳述するが、熱伝達率推定機能903の機能は基本的に蒸気漏洩時には式(9)で求めた蒸気流量と実際の(漏洩後の)流量にアンバランスが生じることを利用して蒸気漏洩を検出している。節炭器902の入口または出口における上記の測定データおよび測定値に基づく計算値(推定値)を用いて節炭器106の入口ガス温度を推定することも可能である。しかし、この方法では式(9)で計算した蒸気流量を用いるために、漏洩が生じた場合も、それに応じた節炭器入口ガス温度を推定することになり、漏洩時も熱伝達率推定機能903でアンバランスが生じないために漏洩の検出ができない。
【0055】
また、節炭器出口ではガス温度が低下してきているので、ガス温度を測定している場合が多い。その場合、節炭器出口ガス温度の測定値に節炭器106における蒸気の熱吸収量分に相当する温度を加えて節炭器入口ガス温度にする方法も考えられるが、この方法も、式(9)で計算した推定蒸気流量を使用して蒸気の熱吸収量を求めることになるためにやはり熱伝達率推定機能903で漏洩を検出することができない。
【0056】
そこで、本発明では、次の手順でガス温度を推定することとする。
[1]診断対象の熱交換器(節炭器106)に対して、ガスの流れ方向に対して上流側に位置する熱交換器(1次過熱器105)に流れる蒸気流量には漏洩の影響はないものと仮定する。すなわち、上流側熱交換器は正常状態にあり、Gs1shhaは正しいとする。
[2]上流側の熱交換器(1次過熱器105)に対して、その入口および出口における実測値および実測値に基づく計算値を用いて入口ガス温度Tg1shiを計算する。
[3]上流側の熱交換器(1次過熱器105)に対して求めた入口ガス温度Tg1shiとガス流量Gg、入口の蒸気温度Ts1shi、蒸気流量Gs1shを上流側の熱交換器モデル(1次過熱器モデル901)に入力して上流側の熱交換器(1次過熱器105)出口ガス温度Tg1shoを計算する。
[4]上流側の熱交換器(1次過熱器105)出口ガス温度Tg1shoを診断対象熱交換器(節炭器106)の入口ガス温度とする。
【0057】
上記[2]で上流側の熱交換器の入口ガス温度は、式(6)及び(7)に基づいて式(12)及び(13)で計算する。ここでは、ガスの熱交換代表温度は入口ガス温度としている。ただし、代表温度としては他の方法を用いても良く、例えば入口と出口の荷重平均温度としても良い。
【0058】
【数4】
Figure 0003690992
【0059】
上記[3]の上流側の熱交換器の出口ガス温度は(8)式を積分するすることにより計算できる。
【0060】
以上の方法によれば、診断対象熱交換器の蒸気流量(推定値)を用いることなく入口ガス温度を推定することができるので、熱伝達率推定機能903により漏洩の検出が可能となる。
【0061】
さて、節炭器モデル902に以上の方法で求めた入口ガス温度Tgeci、およびガス流量Gg、入口蒸気温度Tseci、蒸気圧力Psec、蒸気流量Gsecを入力して(6)および(7)式により出口蒸気温度Tseco_calを計算する。
【0062】
予め、リークが発生していない正常状態においてTseco_calと節炭器出口蒸気温度の実測値Tsecoとの偏差が小さくなるように、モデル調整機能904で節炭器モデル902の熱伝達率設定値を調整しておく。本発明はモデル調整機能904の調整方法を限定するものではないが、例えば、特開平10−214112号公報に記載されている方法を用いることで実現できる。
【0063】
次に熱伝達率推定機能903について説明する。
【0064】
熱伝達率推定機能903は診断対象熱交換器(ここでは節炭器106)の入口および出口における実測値(入口蒸気温度Tseci、出口蒸気温度Tseco)および上記方法で求めた入口ガス温度(Tgeci)および実測値に基づいて決定した計算値(蒸気圧力Psec、蒸気流量Gsec、ガス流量Gg)を入力して診断対象熱交換器の熱伝達率を推定する。ここで、推定する熱伝達率はガス−メタル管の熱伝達率αgmとし、メタル−蒸気間の熱伝達率αmsは調整済みの節炭器モデル902の設定値を用いる。
【0065】
まず、メタル温度Tmを式(12)で推定する。次に、ガス−メタル管の熱伝達率αgmを(7)式に基づいて式(14)で推定する。
【0066】
【数5】
Figure 0003690992
【0067】
判定機能905では、熱伝達率推定機能903で推定したと、節炭器モデル902の設定値との偏差を検出指標として取込んでいる。
【0068】
正常時(漏洩なし時)には、節炭器モデル902はモデル調整機能904により調整されているので、式(14)で求めたの推定値と節炭器モデル902の設定値との偏差は小さい。
【0069】
蒸気漏洩が発生すると、熱伝達率推定機能903に入力した蒸気流量Gsecよりも、実際に節炭器106に流れている流量は少なくなるために、バランスが崩れるためにの推定値が変動し、結果として節炭器モデル902の設定値と推定値との偏差が正常時よりも拡大する。
【0070】
判定機能905では正常時の両者の偏差に対して、標準偏差σを計算しており、偏差の平均値±3σ+Δを蒸気漏洩のしきい値としている。Δはしきい値の調整項である。判定の方法は前述の参考例と同様に、所定の時間間隔のうち、しきい値を超えた時間の割合が所定の値を超えたら蒸気漏洩と判定するようにしてもよく、本発明は判定の方法を限定するものではない。
【0071】
また、節炭器モデル902で計算した出口蒸気温度計算値と出口蒸気温度の実測値との偏差を検出指標として、同様の判定を実施してもよい。また、前記[1]〜[4]に示した方法で求めた入口ガス温度と、診断対象熱交換器に対して直接式(12)及び(13)から求めた入口ガス温度との偏差を指標としても良い。また、熱伝達率偏差、蒸気温度偏差、ガス温度偏差のうち2つ以上を指標として判定しても良い。
【0072】
以上では、ガスの流れに対して最下流に位置する節炭器106に対して説明してきたが、同様に1次過熱器105、再熱器104、ケージ壁103についても上記[1]〜[4]の方法で上流側の熱交換器に対して入口ガス温度を求める方式を適用して、蒸気の漏洩を検出することができる。
【0073】
ただし、前記[1]では上流側の熱交換器が正常であると仮定している。最上流の熱交換器は2次過熱器102と水壁101であり、まずはこれらが正常であるか否かを判定する必要がある。2次過熱器102と水壁101は共に火炉のガス温度を熱交換の代表ガス温度にするようにモデル化している。
【0074】
最上流熱交換器に対するガス温度Tgiは燃料流量Gfuelf[kg/s]、燃料温度Tfuel[℃]、総空気量Gair[kg/s]、空気温度Tair[℃]、再循環ガス量Ggrf[kg/s]、再循環ガス温度Tgrf[℃]の実測値および燃料発熱量Hu[kJ/kg]、燃料比熱Cfuel[kJ/kg・K]、空気比熱Cair[kJ/kg・K]、再循環ガス比熱Cgrf[kJ/kg・K]、火炉ガス比熱Cg[kJ/kg・K]より式(15)で求める。
【0075】
【数6】
Figure 0003690992
【0076】
(15)式により最上流熱交換器に対するガス温度は蒸気流量の影響を受けずに決定することができる。
【0077】
従って、まず、(15)式で求めたTgiを用いてガスの流れ方向に対して最上流の水壁101および2次過熱器102に対して蒸気漏洩の有無を判定する。判定結果が両者共に正常ならば、前記[1]〜[4]の方法で順次下流側の熱交換器に対して入口ガス温度を求めて、漏洩の有無を判定する。
【0078】
次に、漏洩が検出された場合について説明する。
【0079】
例えば、水壁101で漏洩が検出された場合は、蒸気の流れ方向に下流側の熱交換器(節炭器106を除く全ての熱交換器)は少なくとも蒸気流量が計算値よりも減少していることになるので、個別に判定する必要がない。しかし、節炭器106は評価しないと、節炭器106以前で漏洩しているのか、節炭器106後で漏洩しているかが判断できない。
【0080】
節炭器106の漏洩を判定するためには、前記[1]によりガスの流れに対して上流側の熱交換器が正常であるという仮定が必要であるが、この場合には当然上流側の1次過熱器105も蒸気流量が低下しているので、正常ではない。
【0081】
そこで、以下の方法で、入口ガス温度を決定する。ガスの流れ方向に対して上流側から最初に漏洩を検出した熱交換器(本例では水壁であるが、ケージ壁の入口ガス温度を算出するために2次過熱器に対して実施する)に対して、漏洩後の蒸気流量を推定する。蒸気流量の推定計算は熱伝達率推定機能で実施する。正常状態を模擬した熱交換器モデルの設定値を取込んで、式(6)及び(7)に基づいて式(16)及び(17)により蒸気流量Gsを推定する。
【0082】
【数7】
Figure 0003690992
【0083】
ここで、Δtは計算刻み時間であり、kは現在の計算ステップ、(k-1)は前回の計算ステップにおける値を表す。式(17)で計算した蒸気流量Gsを熱交換器モデル(本例では2次過熱器モデル)へ入力して熱交換器(2次過熱器)出口のガス温度を計算する。このガス温度をガスの流れに対して下流側の熱交換器の入口ガス温度として使用し、同様に式(16)及び(17)により下流側の蒸気流量を計算して、その蒸気流量から出口ガス温度を計算する。
【0084】
この手順を繰返して節炭器入口ガス温度を求めることができる。
【0085】
検出指標として、熱伝達率偏差、ガス温度偏差、蒸気温度偏差を使用することができることを既に述べたが、式(16)及び(17)で求めた蒸気流量と(9)式のように給水流量をベースにして計算した蒸気流量との偏差を指標とすることもできる。
【0086】
以上の方法により、熱交換器毎の蒸気漏洩検出が可能となる。従って、漏洩を自動検出できるほか、漏洩した個所を熱交換器毎に特定することができる。また、漏洩時の蒸気流量を推定できるので、漏洩の程度を定量的に把握することも可能である。
【0087】
図10にシミュレータで蒸気漏洩を模擬した場合の結果例を示す。時刻t1よりランプ状にt2まで漏洩量が増加するように設定してシミュレーションした。熱伝達率推定値は時刻t1まではモデル設定値を精度良く推定しているが、漏洩開始とともにモデル設定値との偏差が拡大している。時刻t2以降も定常的に偏差が生じており、この偏差を監視することにより蒸気漏洩の検出が可能であることがわかる。
【0088】
また、上記本発明の漏洩検出方法は、プラント制御のためにもともと設置されていた温度センサ、圧力センサ、流量センサを基本的に使用しているので、新たに設置すべき計測機器がない。ただし、プラントによっては、すべての熱交換器に対して入口、出口の温度を計測していない場合もあるので、その場合には必要な個所への温度センサ設置が必要であるが、基本的には既設の計測手段を有効に使用できる。
【0089】
また、参考例と同様に、熱伝達率の推定により蒸気漏洩を検出できるばかりでなく、伝熱性能の劣化も定量的に評価することができる。特に石炭を燃料とする火力発電プラントでは、ガス中に含まれる煤等が伝熱面に付着して、伝熱性能を低下させることがよくある。本発明により、熱伝達率を推定して、推定値が所定の値よりも低下したらその熱交換器に対してスートブロワを起動するようにすることにより、効率的なスートブロワ制御が実現できる。
【0090】
本実施例によれば、式(6)〜(8)に示すように動特性を考慮したモデルに基づいて熱伝達率を推定しているので、負荷変化に伴う過渡状態においても精度良く推定することが可能である。従って、負荷変化運転が要求され、定常状態が少ないプラントにおいても、熱交換器毎に伝熱性能劣化や、蒸気の漏洩が検出可能である。
【0091】
また、本実施例は、プラントのプロセスデータを通信で受信できれば、遠隔地においても蒸気漏洩の検出や伝熱性能劣化の検出が可能である。従って、必要なプラントデータの提供を受けて、熱伝達率の推定値の(長期的または短期的)変化傾向を発電事業者に提供して代価を得るサービス事業に本発明を使用することもできる。さらに、熱伝達率の推定値の変化傾向から、点検・整備等の時期を提案することもできる。
【0092】
【発明の効果】
本発明によれば、音響センサ等のセンサを新たに付加する測定設備を少なくし、又、センサの設置位置による影響を受けにくく、伝熱管内外の圧力差が小さい場合にも伝熱管の伝熱特性の劣化又は伝熱管内の流体の漏洩を自動的に検出できる火力発電プラントの異常診断方法及びその装置を得ることができる。また、非定常時においても伝熱性能劣化および流体漏洩が精度良く検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 吸収冷凍機の冷却水系診断の構成図。
【図2】 火力発電プラントの構成図。
【図3】 吸収冷凍機の冷却水系を表す構成図。
【図4】 吸収冷凍機とガスタービン発電のコージェネシステム図。
【図5】 冷却水量減少時の熱伝達率推定結果を表す図。
【図6】 冷却水出口温度の時間変化を表す図。
【図7】 熱伝達率推定値の変化を表す図。
【図8】 吸収冷凍機の異常診断の構成図。
【図9】 火力発電プラントの異常診断の構成図。
【図10】 火力発電プラントにおけるシミュレーション結果を示すグラフ。
【符号の説明】
100…石炭焚き火力発電プラント、100…ボイラ、101…水壁、102…2次過熱器、103…ケージ壁、104…再熱器、105…1次過熱器、106…節炭器、107…高圧タービン107、108…中低圧タービン、500…吸収式冷凍機、510…蒸発器、520…吸収器、530…凝縮器、540…再生器、550、555…熱交換器、560、565…流体ポンプ、800…吸収器モデル、801…モデル調整機能、802…熱伝達率推定機能、803…判定機能。

Claims (7)

  1. 診断対象熱交換器よりも燃焼ガスの流れ方向に対して上流側にある上流側熱交換器の少なくとも入口蒸気温度と出口蒸気温度の実測値を用いて前記上流側熱交換器の入口燃焼ガス温度を計算する工程と、該計算された入口燃焼ガス温度から前記上流側熱交換器の伝熱特性を模擬した伝熱モデルに基づいて前記上流側熱交換器の出口燃焼ガス温度を計算する工程と、該計算された出口燃焼ガス温度を前記診断対象熱交換器への入口燃焼ガス温度とし、該入口燃焼ガス温度を用いて前記診断対象熱交換器の伝熱特性を模擬した前記伝熱モデルで計算した蒸気温度と実測値の蒸気温度との差を指標として又は前記計算された出口燃焼ガス温度を前記診断対象熱交換器への入口燃焼ガス温度とし、該入口燃焼ガス温度を用いて前記診断対象熱交換器の伝熱特性を模擬した前記伝熱モデルで計算した蒸気流量と実測値の蒸気流量との差を指標として前記診断対象熱交換器の伝熱特性の劣化又は蒸気の漏洩を検出する工程とを有することを特徴とする火力発電プラントの異常診断方法。
  2. 診断対象熱交換器よりも燃焼ガスの流れ方向に対して上流側にある上流側熱交換器の少なくとも入口蒸気温度と出口蒸気温度の実測値を用いて計算した前記上流側熱交換器の入口ガス温度と、該計算された入口燃焼ガス温度を上流側熱交換器の伝熱特性を模擬した伝熱モデルに基づいて前記上流側熱交換器の出口燃焼ガス温度を計算する工程と、該計算された前記出口燃焼ガス温度を前記診断対象熱交換器への入口燃焼ガス温度とし、該入口燃焼ガス温度を用いて前記診断対象熱交換器の伝熱特性を模擬した前記伝熱モデルに基づいて計算した蒸気温度と実測値の蒸気温度との差が少なくなるように又は前記計算された前記出口燃焼ガス温度を前記診断対象熱交換器への入口燃焼ガス温度とし、該入口燃焼ガス温度を用いて診断対象熱交換器の伝熱特性を模擬した前記伝熱モデルに基づいて計算した蒸気流量と実測値の蒸気流量との差が少なくなるように前記伝熱モデルに設定した伝熱特性パラメータを調整する工程と、該調整された前記伝熱モデルで計算した蒸気温度と実際の蒸気温度との差を指標として又は前記調整された前記伝熱モデルで計算した蒸気流量と実際の蒸気流量との差を指標として前記診断対象熱交換器の伝熱特性の劣化又は蒸気の漏洩を検出する工程とを有することを特徴とする火力発電プラントの異常診断方法。
  3. 診断対象熱交換器よりも燃焼ガスの流れ方向に対して上流側にある上流側熱交換器の少なくとも入口蒸気温度と出口蒸気温度の実測値を用いて前記上流側熱交換器の入口燃焼ガス温度を計算する工程と、該計算された入口燃焼ガス温度を前記上流側熱交換器の伝熱特性を模擬した伝熱モデルに基づいて前記上流側熱交換器の出口燃焼ガス温度を計算する工程と、該計算された出口燃焼ガス温度を前記診断対象熱交換器への入口燃焼ガス温度とし、該入口燃焼ガス温度を用いて前記診断対象熱交換器の伝熱特性を模擬した前記伝熱モデルで計算した伝熱特性パラメータと、前記伝熱モデルの伝熱特性パラメータ設定値との偏差を指標として前記診断対象熱交換器の伝熱特性の劣化又は蒸気の漏洩を検出する工程とを有することを特徴とする火力発電プラントの異常診断方法。
  4. 診断対象熱交換器よりも燃焼ガスの流れ方向に対して上流側にある上流側熱交換器の少なくとも入口蒸気温度と出口蒸気温度の実測値を用いて前記上流側熱交換器の入口燃焼ガス温度を計算する工程と、該計算された入口燃焼ガス温度を前記上流側熱交換器の伝熱特性を模擬した伝熱モデルに基づいて前記上流側熱交換器の出口燃焼ガス温度を計算する工程と、該計算された出口燃焼ガス温度を前記診断対象熱交換器への入口燃焼ガス温度とし、該入口燃焼ガス温度と、前記診断対象熱交換器の少なくとも入口蒸気温度及び出口蒸気温度の実測値を用いて計算された前記入口燃焼ガス温度との差を指標として前記診断対象熱交換器の伝熱特性の劣化又は蒸気の漏洩を検出する工程とを有することを特徴とする火力発電プラントの異常診断方法。
  5. 診断対象熱交換器よりも燃焼ガスの流れ方向に対して上流側にある上流側熱交換器の少なくとも入口蒸気温度と出口蒸気温度の実測値を用いて前記上流側熱交換器の入口燃焼ガス温度を計算する工程と、該計算された入口燃焼ガス温度を前記上流側熱交換器の伝熱特性を模擬した伝熱モデルに基づいて前記上流側熱交換器の出口燃焼ガス温度を計算する工程と、該計算された出口燃焼ガス温度を前記診断対象熱交換器への入口燃焼ガス温度とし、該入口燃焼ガス温度と、前記診断対象熱交換器の少なくとも入口蒸気温度及び出口蒸気温度の実測値を用いて計算された前記入口燃焼ガス温度との差が少なくなるように前記伝熱モデルに設定した伝熱特性パラメータを調整する工程と、該調整された伝熱モデルで計算した入口燃焼ガス温度と実際の入口燃焼ガス温度との差を指標として前記診断対象熱交換器の伝熱特性の劣化又は蒸気の漏洩を計算する工程とを有することを特徴とする火力発電プラントの異常診断方法。
  6. 診断対象熱交換器よりも燃焼ガスの流れ方向に対して上流側にある上流側熱交換器の少なくとも入口蒸気温度と出口蒸気温度の実測値を用いて前記上流側熱交換器の入口燃焼ガス温度を計算する入口燃焼ガス温度計算手段と、該計算された入口燃焼ガス温度を前記上流側熱交換器の伝熱特性を模擬した伝熱モデルに基づいて前記上流側熱交換器の出口燃焼ガス温度を計算する出口燃焼ガス温度計算手段と、該計算された出口燃焼ガス温度を前記診断対象熱交換器への入口燃焼ガス温度とし、該入口燃焼ガス温度を用いて前記診断対象熱交換器の伝熱特性を模擬した前記伝熱モデルで計算した蒸気温度と実測値の蒸気温度との差を指標として又は前記計算された出口燃焼ガス温度を前記診断対象熱交換器への入口燃焼ガス温度とし、該入口燃焼ガス温度を用いて前記診断対象熱交換器の伝熱特性を模擬した前記伝熱モデルで計算した蒸気流量と実測値の蒸気流量との差を指標として前記診断対象熱交換器の伝熱特性の劣化又は蒸気の漏洩を計算する異常演算手段とを有することを特徴とする火力発電プラントの異常診断装置。
  7. 診断対象熱交換器よりも燃焼ガスの流れ方向に対して上流側にある上流側熱交換器の少なくとも入口蒸気温度と出口蒸気温度の実測値を用いて前記上流側熱交換器の入口燃焼ガス温度を計算する入口燃焼ガス温度計算手段と、前記計算された入口燃焼ガス温度を前記上流側熱交換器の伝熱特性を模擬した伝熱モデルに基づいて前記上流側熱交換器の出口燃焼ガス温度を計算する出口燃焼ガス温度計算手段と、前記計算された出口燃焼ガス温度を診断対象熱交換器への入口燃焼ガス温度とし、該入口燃焼ガス温度を用いて前記診断対象熱交換器の伝熱特性を模擬した前記伝熱モデルで計算した伝熱特性パラメータと、前記伝熱モデルの伝熱特性パラメータ設定値との偏差を指標として前記診断対象熱交換器の伝熱特性の劣化又は蒸気の漏洩を計算する異常演算手段とを有することを特徴とする火力発電プラントの異常診断装置。
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