JP4694185B2 - 設備機器の入力エネルギーの計測方法及び蒸気流量の計測方法 - Google Patents

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Description

本発明は,吸収冷凍機をはじめとして,蒸気駆動タービンや加熱設備など,蒸気エネルギーが投入される設備機器の入力エネルギー(消費エネルギー)の計測方法,及び蒸気流量の計測方法に関するものである。
建物(主にビル建物)の消費エネルギーの約半分は,空調用エネルギーが消費し,その6割,全体の3割程度を冷凍機などの熱源設備で消費している。特に冷凍機の性能低下は,ただちにエネルギー消費量の増大に繋がるので,ビル建物の省エネルギー化にとって冷凍機の性能評価は欠かせない状況になっている。
冷凍機の性能指標としては,一般にCOP(製造エネルギーに対する入力エネルギーの割合)を用い,工場試験成績などと比較して劣化具合などを判定することになる。冷凍機の性能が低下すると,製造熱量に対し入力量が増加するため,電気,ガスや油の燃料消費も増えることになる。電動式ターボ冷凍機では入力が電気で,入力エネルギーの特定は,電力計などの設置によって計測することが可能となる。
しかしながら蒸気が投入される吸収冷凍機では,その蒸気の入力エネルギーの計測機器を装備した既存設備はほとんどない。その理由としては,直接蒸気の流量を計測する蒸気流量計が非常に高価であること,ガスや油のようにランニングコストに直接反映するものではないこと(蒸気はエネルギー搬送の媒体の一つである)が挙げられる。また,新築後に改めて取り付けるには,配管の切断・撤去といった多大なコストと労力を要することがある。吸収冷凍機の性能が低下すると,製造熱量に対し蒸気消費量が増加するため,その燃料であるガスや油の消費量も増えることになる。したがって蒸気式の吸収冷凍機のエネルギー入力を,安価で簡便に計測する方法が望まれている。
前記したように,蒸気をエネルギー源として冷熱を製造する吸収冷凍機において,冷凍機の性能を把握することは,省エネルギー並びに冷凍機の高効率運転に必要不可欠である。
冷凍機の性能評価には,製造した冷熱量とそれに要するエネルギーの入力量を計測し,例えば冷熱量を入力量で除したCOPを用いる。ここで,エネルギーの入力量,即ち冷凍機で消費した蒸気の熱量を計測するには,吸収冷凍機の蒸気入口配管に流れる蒸気流量を計測し,吸収冷凍機に入る飽和蒸気のエンタルピーと吸収冷凍機から出た蒸気還水のエンタルピーの差を乗じればよい。したがって,吸収冷凍機のCOPを求めるには,蒸気流量と,蒸気と還水のエンタルピーを得る必要がある。
また,規定された条件(圧力,温度)の蒸気を入力して特定温度まで蒸気を凝縮させて蒸気エネルギーを利用する凝縮器を持った設備機器の利用状況を計測する場合や,ボイラーで発生した蒸気を複数の機器に配分する設備(例えば地域暖房システムで加熱用の蒸気を供給する場合)での蒸気の配分状況を計測する場合などで,蒸気の入口条件(温度,圧力),還水の出口条件(温度,圧力)が共に規定できる,あるいは規定できるものとみなす場合には,とくに蒸気流量を得る必要がある。
この点に関し,従来の蒸気流量を計測するための蒸気流量計としては,次のようなものがある。
(a)配管内に検出機構部を挿入して流体に直接接触させる流量計
このタイプのものとしては,タービン型,オリフィス型,コーン型がある。
(b)検出機構部が流体に接触しない非接触型の流量計
このタイプのものとしては,いわゆるセミクランプオンタイプと呼ばれている専用短管を用いた超音波方式のものがある。これは2つの超音波発信器から交互に超音波を送受信して,蒸気の流れ方向と順方向,及び逆方向の時間差から蒸気流速を計測し,管断面積を乗じて蒸気流量とする超音波伝搬時間差式であるが,超音波発信機と管表面並びに管材での超音波の減衰があるため,超音波受発信器の保護管と配管が一体となった専用の短管を配管途中に挿入する必要がある。
なお蒸気管を流れる復水の流量を計測するものとしては,特許文献1に記載されている。
特公平6−63793号公報
前記した従来の蒸気流量計を用いた蒸気流量計測方法では,吸収冷凍機ごとに個別の蒸気流量計がない場合は,吸収冷凍機の運転を停止して,蒸気配管の一部を切断し,これを撤去して流量計を取り付ける必要があった。そのため計測に相当の時間と費用がかかり,さらに冷凍機の運転を停止するので冷熱の供給も停止しなければならないという問題があった。またこれらの蒸気の計量では,別途,蒸気圧力の計測あるいは蒸気温度を計測して圧力に換算を行って,圧力による蒸気比容積から蒸気の質量流量を求めるため,付帯する計測機器も多くなる。吸収冷凍機の入力量の計測に必要な温度や圧力は,一般には挿入型温度計や挿入型圧力計で計測する必要があり,この点からも蒸気配管の一部の切断,撤去が伴う。
したがって従来は,蒸気流量計が設置されていない吸収冷凍機の入力エネルギーを計測するには,配管の切断・撤去とそれによる設備の停止が避けられない状況であった。また特許文献1に記載のものは,入力蒸気量,入力エネルギーの特定を目的にしたものではなく,それを用いても入力蒸気量,入力エネルギーを直ちに求めることはできない。
本発明は,かかる点に鑑みてなされたものであり,蒸気をエネルギー源とする設備機器のエネルギー入力量を,配管を切断することなく簡便に計測する方法を提供することを目的としている。また併せて蒸気流量の計測方法をも提供する。
前記目的を達成するため,本発明は,蒸気を利用する設備機器に入力された蒸気エネルギーを計測する方法であって,前記設備機器に流入する蒸気の温度を測定して入口側蒸気エンタルピーを求める工程と,前記設備機器から出る蒸気還水の温度を測定して出口側蒸気エンタルピーを求める工程と,前記設備機器から出る蒸気還水が流れる配管に設けられた凝縮トラップより下流側の,縦管の表面に取り付けた液体用超音波流量計によって当該蒸気還水の流量を求める工程とを有し,さらに前記入口側蒸気エンタルピーから前記出口側蒸気エンタルピーを減じ,その結果に前記蒸気還水の流量を乗じて前記設備機器に入力された蒸気エネルギーを求めることを特徴としている。
設備機器に流入する蒸気の温度を測定して入口側蒸気エンタルピーを求めるには,予め入口側蒸気エンタルピーの温度−比エンタルピーの関係を求めておき,それに基づいて入口側蒸気エンタルピーの換算式を近似式によって出しておけば,測定した温度から直ちに入口側蒸気エンタルピーを求めることができる。同様に,設備機器からの蒸気還水の温度を測定して出口側蒸気エンタルピーを求めるには,予め出口側還水エンタルピーの温度−比エンタルピーの関係を求めておき,それに基づいて出口側還水エンタルピーの換算式を求めておけばよい。
そして前記設備機器から出る蒸気還水が流れる配管に設けられた凝縮トラップより下流側の,縦管の表面に取り付けた液体用超音波流量計によって計測される当該蒸気還水の体積流量の瞬時値を時間平均化し,還水温度の平均値で求めた水の比容積で除した質量流量に換算して蒸気流量を求める。さらに前記入口側蒸気エンタルピーから前記出口側蒸気エンタルピーを減じ,その結果に前記蒸気還水の流量を乗じることにより,前記設備機器に入力された蒸気エネルギーを求めることができる。
前記液体用超音波流量計は,例えば超音波の伝播時間差やドップラー効果を利用した既存のものを用いることができる。還水の流れは凝縮トラップのために間欠的な流れとなるが,液体用超音波流量計で計測される還水流量(体積流量)の瞬時値を時間平均化(時間積分)し,還水温度の平均値で求めた水の比容積で除した質量流量に換算して蒸気流量を求めることができる。
還水流量を平均化処理しない場合は,凝縮トラップの間欠的な動作による還水の間欠的な流れのために,蒸気入力量の安定した計測値を得ることができない。蒸気から還水までが密閉された設備機器においては,蒸気と還水の間の質量保存は必ず成立している。
超音波流量計で計測した還水流量は体積流量であるが,質量流量への変換は,温度と比容積の関係を用いれば実用上問題はなく,例えば1リットルを1kgと単純に変換したとしてもその誤差はせいぜい3〜4%である。凝縮トラップがなく,蒸気が還水まで完全に消費される(熱交換して冷却される)装置で,蒸気流量の変動がなく装置内の圧力変動もない場合には還水流量と蒸気流量の瞬時値は等しくなる。つまり還水流量(瞬時値)=蒸気流量(瞬時値)である。
しかしながら凝縮トラップがある場合には,凝縮トラップの間欠的な開閉のために,間欠的に流れる還水の流量と,一定に流れる蒸気の流量を,ある一時点の瞬時値で比較しても等しくならない。したがって還水流量の瞬時データを所定の時間で積分(平均化)することで,蒸気流量(の平均)に等しくなる。すなわち,以下のように時間積分値が等しいと言い換えることができる。還水流量(時間積分値)=蒸気流量(時間積分値)
したがって,設備機器に入力される蒸気流量が一定で安定しているほど還水流量と蒸気流量は短い時間の平均でも良く一致することになり,蒸気流量が変動する場合には,長い時間で平均化することで,還水流量と蒸気流量とは等しくなる。それゆえ,すなわち前記蒸気還水の流量を求めるにあたっては,瞬時値として計測する還水流量データに対して平均化処理を行って,これを還水流量とすることがよい。
また前記したように,液体用超音波流量計は,蒸気還水が流れる縦管の表面に取り付けられることで,上流側の凝縮トラップが間欠運転されても,縦管内では常に満水状態となるから,配管表面から還水流量(蒸気流量)の計測が可能になる。
設備機器に流入する蒸気の温度を測定するには,例えば温度ロガーを用いることができるが,熱電対を使用すれば,蒸気入口温度が300℃を越えるものであっても,これを計測することができ,入力エネルギーの計測対象機器の範囲を例えば高温蒸気を利用する蒸気駆動タービンにまで広げることが可能である。
本発明によれば,配管を切断したり,除去することなく,蒸気をエネルギー源とする設備機器のエネルギー入力量を,簡便に計測することができる。
以下,本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は,計測対象となる設備機器の一例として吸収冷凍機1の蒸気配管周りを示しており,この吸収冷凍機1は,再生器2,凝縮器3,吸収器・蒸発器4を備えている。
再生器2には,例えばボイラなどの高温蒸気発生装置(図示せず)で発生した蒸気を吸収冷凍機1に導入するための配管11と,当該導入した蒸気によって吸収冷凍機1で,例えば冷熱を製造した後の蒸気を前記高温蒸気発生装置に戻すための配管12が接続されている。配管11には,吸収冷凍機1の冷熱製造量を制御する自動弁13が設けられている。また配管12には,吸収冷凍機1の再生器2を出た後の蒸気をトラップして凝縮させる凝縮装置としての凝縮トラップ14が設けられている。そして凝縮トラップ14の下流側には,縦管15が配管されている。
配管11における再生器2と自動弁13との間には,配管11内を流れる高温蒸気の温度を測定する温度センサ16が設けられ,縦管15には,縦管15内を流れる還水の温度を測定する温度センサ17が設けられている。これら温度センサ16,17の検出信号は,温度ロガー18へと入力される。なおこれらの温度センサ16,17は種々のものを用いることができるが,配管表面に取り付けて使用できる,例えば特開2001−296187に開示のものを使用することができる。
温度センサ16,17と配管11,縦管17との間には,温度センサの感温部と配管表面の接合部に,熱伝導シリコンを塗布して,伝熱性を向上させることがこのましい。また温度センサ16,17を取付けた配管部分には,適宜保温を施し,計測誤差を縮小させることが望ましい。吸収冷凍機1の入口蒸気温度は,およそ150〜180℃である。また再生器2を出て凝縮トラップ14において凝縮された後の,縦管15における蒸気還水の温度は,およそ80〜100℃である。
縦管15における温度センサ17の下流側には,液体用の超音波流量計19が設けられている。この超音波流量計19は,配管の外壁に超音波受発信器を設置するいわゆるクランプオンタイプである。このように液体用の超音波流量計19の取り付け位置を,凝縮トラップ14以降の縦管15とすることで,蒸気還水が管内で満水状態となり,配管表面から蒸気流量の計測が可能となる。また,超音波流量計19の取り付け位置は,吸収冷凍機1から十分に離れた位置とすることが望ましい。これによって縦管15の表面の温度が,周囲空気により冷却されるため,耐熱温度が高いものでも130℃程度までの超音波流量計19の超音波受発信器(図示せず)の熱負担を軽減することができる。また,凝縮トラップ動作時に蒸気(気泡)が混入した場合も,配管が冷却され配管内の還水の冷却も進むため,満水状態を確実にすることができる。
本発明の実施の形態にかかる計測方法を実施するための吸収冷凍機1の配管周り,及び主要な機器は以上のように構成されており,次に具体的な計測方法について説明する。
まず,配管11を流れる蒸気の温度から蒸気エンタルピーを求める。蒸気温度から蒸気エンタルピーへの換算は,図2に示した換算式で求めることができる。本実施の形態では,公知の文献(例えば社団法人空気調和衛生工学会:空気調和衛生工学便覧第13版1巻基礎編(2001)に記載されているデータ表を基に作成した換算式を用いた。
本実施の形態においては,下記の換算式を得ている。
蒸気温度の比エンタルピーh’’(kJ/kg)
=−0.00001×(蒸気温度)+0.0007×(蒸気温度)
+1.7981×(蒸気温度)+2501.2
また縦管15を流れる蒸気還水の温度から還水エンタルピーを求める。蒸気還水温度から還水エンタルピーへの換算は,図3に示した換算式で求めることができる。これは公知の文献(例えば社団法人空気調和衛生工学会:空気調和衛生工学便覧第13版1巻基礎編(2001)に記載されているデータ表を基に作成した換算式である。
本実施の形態においては,下記の換算式を得ている。
還水温度の比エンタルピーh’(kJ/kg)=4.2208×還水温度
そして超音波流量計19によって縦管15を流れる蒸気還水の体積流量の瞬時値を計測し,これを質量流量に換算し,平均化処理を施して蒸気流量を求める。なお還水流量の計測値の処理方法については,凝縮トラップ14が間欠動作するため,数秒〜数分のサンプリング周期で計測した流量の瞬時値を,一旦データロガー(図示せず)に記録し,その計測値を数十分から1時間程度の間で平均化することで,精度よく安定した蒸気の入力量を特定することができる。このような処理を行ったデータで吸収冷凍機1の性能評価を行うことが望ましい。以上の処理を施すことで,配管挿入型の流量計と比較して数%,実測による比較では3%以内の精度で計測できる。図4に,配管挿入型の渦式蒸気流量計による計測結果(実線:中央データ)と,本実施の形態による計測結果(丸印)と比較結果を示した。
以上の計測結果から,吸収冷凍機1に入力した蒸気エネルギー量Q(kW)は,以下の式によって算出できる。すなわち,Sv:縦管15で計測した蒸気流量(kg/s),Hi:吸収冷凍機1の蒸気入口側の配管11で計測した蒸気温度から推算した蒸気エンタルピー(kJ/kg),H:縦管15で計測した還水温度から推算したエンタルピー(kj/kg)としたとき,
Q=Sv×(Hi−H
である。
したがって,本実施の形態にかかる計測方法によれば,既設の蒸気流量計を設置していない冷凍機でも,蒸気配管を切断・撤去することなく,しかも稼働中の吸収冷凍機1の運転を止めることなく,直接計測として入力エネルギー量を特定でき,吸収式冷凍機1の性能評価が可能となる。
また稼動中の吸収冷凍機1の蒸気流量とエンタルピー計測を行うことで,入力エネルギー量の計測ができるので,配管切断や,蒸気流量計の設置など,計測に要する時間と費用を節約できる。また工事に伴う吸収冷凍機1の停止による冷熱供給の停止もないことから,他の設備機器の運転を停止する必要もない。このように各種設備機器を停止する必要がないので,設備管理に過分な負担を与えることがない。
そして既設の計測機器がある場合でも,それと並列して設置することができ,従来の監視機器,設備を阻害することがなく,既設の計測機器の動作確認等にも用いることができる。
蒸気入口温度を測定する温度センサ16については,上限測定可能温度が数千度までの熱電対を配管表面に取り付けて使用すれば,実質上,高温域(高圧域)まで制限がなく測定でき,また蒸気(気体)から還水まで密閉経路で蒸気を消費する場合は蒸気消費量を特定できることから,前記したような吸収冷凍機1に限らず,蒸気駆動タービンや加熱設備など,蒸気エネルギーを入力とする設備機器,ボイラーの蒸気発生量など,設備機器の性能の計測に広く適用することが可能である。
次に既述した方法に従って実際に計測した例について説明する。まず,蒸気温度と,蒸気の還水温度を計測する(瞬時値:実測データ)。次いでこれらの実測データから,1分ごとの測定値を60分ごとに平均する。図5に,蒸気温度と還水温度の各々の実測データ(瞬時値)と,1分ごとの測定値を60分ごとに平均したデータを示した。
次いで前記した蒸気温度の平均値と,還水温度の平均値から,既述の予め得ていた比エンタルピーの換算式によって,各々のエンタルピーを求める。図6にこれによって求めた蒸気エンタルピーと還水エンタルピーを示した。
一方,還水流量についても,実際に計測した瞬時値から,1分ごとの測定値を60分ごとに平均する。図7に,還水流量(体積流量)の実測データ(瞬時値)と,1分ごとの測定値を60分ごとに平均したデータを示した。
そして当該平均化した体積流量(l/min)を,公知の水温と水の比容積関係に基づいて質量流量(kg/min)に変換する。変換前の体積流量と,変換後の質量流量とを図8に示した。
次いで蒸気エンタルピーと還水エンタルピーとの差に対して,前記変換した後の還水流量(質量流量)を乗ずることによって,入力した蒸気の熱量(エネルギー)を求めることができる。図9に,これら一連の計測,計算によって求めた蒸気熱量を示した。
以上は,計測対象となる設備機器の一例として吸収冷凍機1の入力した蒸気の熱量(エネルギー)を求める例について説明したものであるが,本発明はそのような入力エネルギーまで求める場合に限らず,エネルギーが消費された後の蒸気流量自体を求めることが可能である。
すなわち,図7,図8に示したように,まず蒸気還水の体積流量を,液体用超音波流量計で計測し,これを平均化し,次いで水温と水の比容積関係に基づいて質量流量に変換することで,前記エネルギーを消費した後の蒸気流量を求めることが可能である。したがって,間欠的に作動する凝縮トラップなどの凝縮器を,蒸気が流通する密閉管路に有する各種の設備機器であっても,蒸気エネルギー消費後の蒸気流量を容易に計測することが可能である。
なお,ここでの質量流量の変換では,設備機器の仕様書などにある還水温度から水の比容積を予め設定した定数としても良い。これによる変換の誤差は,3〜4%程度であるので,これ以上の精度を必要としない計測には,実用上問題がない。また,これにより還水温度の計測が不要となり,蒸気流量の省力化が図れる。
本発明は,蒸気をエネルギー源とする各種の設備機器の入力エネルギーの計測,蒸気流量の計測に有用である。
実施の形態を実施するための吸収冷凍機周りの配管,主要機器の設置状況を示す説明図である。 蒸気温度−蒸気エンタルピーの関係と蒸気エンタルピーの換算式を示す図である。 蒸気還水温度−還水エンタルピーの関係と還水エンタルピーの換算式を示す図である。 配管挿入型の渦式蒸気流量計による蒸気流量の計測結果と本実施の形態による蒸気流量の計測結果との比較結果を示すグラフである。 蒸気温度と,蒸気の還水温度の瞬時値と平均化処理したデータの時系列グラフである。 図5の蒸気温度の平均値と還水温度の平均値から求めた蒸気エンタルピーと還水エンタルピーの時系列グラフである。 還水流量の還水流量(体積流量)の実測データ(瞬時値)と,1分ごとの測定値を60分ごとに平均したデータの時系列グラフである。 図7の平均化処理したデータに基づいた質量流量と体積流量の時系列グラフである。 図5〜図8のデータに基づいて求めた蒸気熱量の時系列グラフである。
符号の説明
1 吸収冷凍機
2 再生器
3 凝縮器
4 吸収器・蒸発器
11,12 配管
13 自動弁
14 凝縮トラップ
15 縦管
16,17 温度センサ
18 温度ロガー
19 超音波流量計

Claims (5)

  1. 蒸気を利用する設備機器に入力された蒸気エネルギーを計測する方法であって,
    前記設備機器に流入する蒸気の温度を測定して入口側蒸気エンタルピーを求める工程と,
    前記設備機器から出る蒸気還水の温度を測定して出口側蒸気エンタルピーを求める工程と,
    前記設備機器から出る蒸気還水が流れる配管に設けられた凝縮トラップより下流側の,縦管の表面に取り付けた液体用超音波流量計によって当該蒸気還水の流量を求める工程とを有し,
    さらに前記入口側蒸気エンタルピーから前記出口側蒸気エンタルピーを減じ,その結果に前記蒸気還水の流量を乗じて前記設備機器に入力された蒸気エネルギーを求めることを特徴とする,設備機器の入力エネルギーの計測方法。
  2. 前記蒸気還水の流量を求めるにあたっては,瞬時値として計測する還水流量データに対して平均化処理を行って,これを還水流量とすることを特徴とする,請求項1に記載の設備機器の入力エネルギーの計測方法。
  3. 前記設備機器に流入する蒸気の温度の測定には熱電対を用いることを特徴とする,請求項1又は2のいずれかに記載の設備機器の入力エネルギーの計測方法。
  4. 蒸気のエネルギーを利用する設備機器からの,エネルギー消費後の蒸気流量を計測する方法であって,
    前記エネルギーを消費した後の蒸気を,密閉管路を介して前記設備機器から導出させ,
    前記密閉管路には,蒸気を蒸気還水に相変化させる凝縮トラップを設け,
    前記凝縮トラップによって相変化した後の蒸気還水が流れる縦管の密閉管路の表面に液体用超音波流量計を取り付け,
    当該液体用超音波流量計によって計測された還水流量に基づいて,エネルギー消費後の蒸気流量を求めることを特徴とする,蒸気流量の計測方法。
  5. 液体用超音波流量計によって計測された還水流量は,体積流量を時間平均化した後,還水温度の平均値で求めた水の比容積で除した質量流量であることを特徴とする,請求項4に記載の蒸気流量の計測方法。
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