JP2010072868A - プラント制御診断装置、方法及びプログラム - Google Patents

プラント制御診断装置、方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】プラント制御の悪化をそれが発生する前又は可及的早期に捉えられるようにする。
【解決手段】健全な操業状態での第6スタンド106のミル電流Iの16Hz近傍の周波数成分と、健全な操業状態での第2スタンド102の張力Tの10Hz近傍の周波数成分とから閾値が設定され、規範モデル保持部11に規範モデルとして保持されている。診断部13では、取得部12により取得される状態値、すなわち第6スタンド106のミル電流Iの周波数成分、第2スタンド102の張力Tの周波数成分を、規範モデル保持部11に保持されている規範モデルと比較して、第6スタンド106のミル電流Iの16Hz近傍の周波数成分、第2スタンド102の張力Tの10Hz近傍の周波数成分が存在する場合、ルーパ120のルーパハンチングの兆候を診断する。
【選択図】図1

Description

本発明は、連続的に運転されるプラントの操業を制御するプラント制御システムにおけるプラント制御の悪化の兆候を検知、診断するためのプラント制御診断装置、方法及びプログラムに関する。
例えば鉄鋼業の圧延プロセスにおける鋼板の連続圧延プラントのような各種プラントの電気制御系において、制御の状態が悪化する原因としては、設備劣化、プロセス状態の変化、制御外乱、計測異常、設定異常、オペレータの技能偏差や操作ミス等がある(図1を参照)。ここで、設備劣化とは、例えば圧延ロールのアクチュエータ等の設備機器の不具合(損傷、磨耗等)等である。プロセス状態の変化とは、制御対象の製造プロセス全体におけるなんらかの物理的又は化学的な状態変化である(例えば制御対象のガス組成変化や制御対象の材料成分・材質等の変動等、多岐にわたる)。制御外乱とは、制御系への外部からのノイズの影響等によるものである。計測異常とは、当該プラントに配設された、プロセス状態や各装置の状態を測定するためのセンサの測定上のトラブル等の問題であり、例えば測定環境の変化、測定誤差、応答性の影響等によるものである。
例えば鋼板の連続圧延プラントにおいて製造される鋼板の厚さが所望の厚さから大きく変動するとき等、自動制御中におけるプラント制御の悪化原因の特定は難しく、殆どの場合、悪化原因はすぐには断定できておらず、オペレータの判断により設定パラメータを変更したり、操業条件を緩和したりして、トライ&エラーを繰り返しているのが実情である。また、プラント制御の悪化状態が続く場合は、操業時の各種データをオフラインにて解析して異常個所を判定しなければならず、時間や人手を要してしまう。
特許文献1には、プロセス制御システムに関連する複数のデータ(装置、プロセス制御及び性能データ)を全体的に最適な利用ができる統合システムを提供することを課題とする発明であるプラント内のプロセス制御システムが開示されている。当該プロセス制御システムは、装置データを収集するプロセス装置監視デバイスと、プロセス制御データを収集するプロセス制御監視デバイスと、プロセス性能監視を実行し、プロセス性能データを生成するように構成されるプロセスモデルと、前記装置データ、前記プロセス制御データ、および前記プロセス性能データの内二つ以上を用いて、前記プラント内の診断機能を実行するコンピュータシステムとを備えている。
特開2004−38596号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたプロセス制御システムは、故障診断等を行うものであり、このように故障が発生してからそれを検出するのでは、早急且つ適切に対処することができない場合もある。よって、プラント制御の悪化を、それが発生する前又は可及的早期に捉えられるようにすることが、プラントを連続的に安定して操業する観点から強く望まれている。
本発明は以上のような状況に鑑みてなされたものであり、プラント制御の悪化を、それが発生する前又は可及的早期に捉えられるようにすることを目的とする。
本発明のプラント制御診断装置は、複数の設備機器やセンサからなるプラントの操業を制御するプラント制御システムについて、プラント制御の悪化兆候を検知するためのプラント制御診断装置であって、前記プラント制御システムの健全な操業状態を定量化して生成された規範モデルを保持する規範モデル保持手段と、前記プラント制御システムの操業時の実プロセスの状態値を、前記複数の設備機器やセンサから入力される信号により取得する取得手段と、前記取得手段により取得された実プロセスの状態値と、前記規範モデル保持手段により保持されている規範モデルの値とを比較して、プラント制御の悪化兆候を診断する診断手段とを備え、前記取得手段による取得処理と、前記診断手段による診断処理とをプラント制御中に所定の周期で繰り返し実行することを特徴とする。
本発明のプラント制御診断方法は、複数の設備機器やセンサからなるプラントの操業を制御するプラント制御システムについて、プラント制御の悪化兆候を検知するためのプラント制御診断方法であって、前記プラント制御システムの健全な操業状態を定量化して規範モデルを生成して規範モデル保持手段に保持する手順と、前記プラント制御システムの操業時の実プロセスの状態値を、前記複数の設備機器やセンサから入力される信号により取得する取得手順と、前記取得手順により取得された実プロセスの状態値と、前記規範モデル保持手段により保持されている規範モデルの値とを比較して、プラント制御の悪化兆候を診断する診断手順とを有し、前記取得手順と、前記診断手順とをプラント制御中に所定の周期で繰り返し実行することを特徴とする。
本発明のプログラムは、複数の設備機器やセンサからなるプラントの操業を制御するプラント制御システムについて、プラント制御の悪化兆候を検知するための処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プラント制御システムの操業時の実プロセスの状態値を、前記複数の設備機器やセンサから入力される信号により取得する取得処理と、前記取得処理により取得された実プロセスの状態値と、前記プラント制御システムの健全な操業状態を定量化して生成された規範モデルとを比較して、プラント制御の悪化兆候を診断する診断処理とをプラント制御中に所定の周期で繰り返しコンピュータに実行させる。
本発明によれば、プラント制御システムの操業時の実プロセスの状態値と、プラント制御システムの健全な操業状態を定量化して生成された規範モデルとを比較して、プラント制御の悪化兆候、すなわちプラント制御の悪化が発生する前段階の状態及び悪化が発生しているが、まだ表面上現れていない初期段階の状態を診断することができる。これにより、プラント制御の悪化を、それが発生する前又は可及的早期に捉えることができ、プラントを連続的に安定して操業することが可能になる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1に、本発明の実施形態に係るプラント制御システム及びプラント制御診断装置の概略構成を示す。同図に示すように、プラント51を制御するプラント制御システム50の上位に、プラント制御診断装置10が設置されている。
プラント制御システム50において、51は各種の設備機器・装置例えばアクチュエータ、及び製造プロセス(以下では単にプロセスとも記す)等を含むプラントである。52はコントローラ(プラント制御装置)であり、プラント51に駆動信号を出力してプラント51を操業・稼動させるために制御する。53はセンサであり、多くの場合には複数の種類で複数個が配設されており、プラント51を構成する各設備機器・装置の動作状況、プロセスの温度、被加工材の搬送速度、厚さ等、プラント51の各種状態量を時々刻々測定する。54は設定器であり、プラント51を所望の状態で操業・稼動させるために、制御の目標値に関する各種設定をオペレータ等が行う。
コントローラ52は、オペレータからの指示や設定器54でなされた設定に基づいてプラント51を制御する。また、プラント51の各種状態量はセンサ53により時々刻々測定され、その測定データがコントローラ52に入力される。また、測定データの中には、設定器53又はオペレータへの表示器(図示せず)に入力されるものもある。そして、コントローラ52は、センサ53による測定データ及び設定器54で入力された目標値に基づいてフィードバック制御を実行する。また、設定器54は、センサ53による測定データに基づいて必要に応じて設定内容を変更する。なお、図1では、識別し易くするためにセンサ53をプラント51の外部に分離して記載しているが、通常はプラント内部に配設されていることが多く、又、設備機器・装置自体に組み込まれていることもある。
プラント制御診断装置10において、11は規範モデル保持部であり、プラント制御システム50の健全な操業状態を定量化して生成された規範モデルを保持する。規範モデルは、プラントの操業中にオンラインで、或いは、事前にプラントの操業とは別にオフラインでのシミュレーション計算や実測データに基づいた検証等を行って、プラント制御システム50の健全な操業状態を予め定量化して表したモデルである。ここで、「健全な操業状態」とは、プラントの操業によって所望の規格の製品が連続的に且つ安定して生産することができる、プラントすなわち設備機器・装置及びプロセスの状態を意味する。
ここで、規範モデルとしては、例えば下記の(1)〜(3)が挙げられる。
(1)プラント51の健全な操業状態を数式モデルにて表現しておき、当該数式モデルと、各種プロセス状態データ(センサ53による測定データ)や、機器例えばアクチュエータの操作量(コントローラ52から出力される駆動信号やセンサ53での測定データ)とに基づいて、プラント制御(すなわち操業)を行いながら並行してプラント制御の結果を予測するオンラインでのシミュレーションを実施し、それにより得られる各種プロセス状態を表す計算値(以下では、シミュレーション情報ともいう)。
この場合は、図1に示すように、プラント制御診断装置10が規範モデル生成部16を備え、規範モデル生成部16がオンライんでシミュレーションを実施し、それにより得られるシミュレーション情報を規範モデル保持部11に格納する。
(2)プラント制御システム50の健全な操業状態における各種プロセス状態データ(プロセス状態データそのものでもよいし、そこから導出される閾値等の情報でもよい)、及び当該データに対して所定の解析法を実施して得られる結果である解析値。各種プロセス状態データに対して実施する所定の解析法としては、例えばFFT(Finite Fourier transform)解析やウェーブレット変換等の信号処理又はデータ処理の分野で公知の手法が挙げられる。
(3)プラント制御システム50の健全な操業状態における設備機器・装置例えばアクチュエータの操作量(絶対値でも変化量でもよい)とプロセス状態データ(絶対値でも変化量でもよい)との相関を表す情報。一例を挙げれば、図8に示すような鋼板製造プラントの圧加制御における圧加シリンダの操作量と圧加荷重との相関や、流体制御における流量調節弁の開度と流量や圧力等との相関がある。なお、ここで「相関」は、例えば、図、テーブル、又は、各種のプロセス状態の変数を含んだ定式で表現することができる。
図1のプラント制御診断装置10内の12は取得部であり、プラント制御システム50の操業時の実プロセスの状態値を取得する。ここで、実プロセスの状態値とは、プラントの実際の操業における、プラント制御システム50内の各設備機器・装置やセンサから時々刻々又は所定の時間間隔で入力されるところの、設備機器・装置例えばアクチュエータの操作量やプロセス状態データ、及びそれらを所定の解析方法を用いして解析して得られた解析値をいう。すなわち、取得部12には、必要に応じて例えば周波数解析等の解析機能を持たせておく。なお、ここで取得する実プロセスの状態値の種類・内訳は、異常の発生を診断する各制御対象の設備・プロセスに応じて適宜選択するようにしてもよい。
プラント制御診断装置10内の13は診断部であり、取得部12により取得された実プロセスの状態値と、規範モデル保持部11により保持されている、当該プロセスの状態値に対応する規範モデルの値とを比較して、プラント制御の悪化兆候、つまり異常や劣化等の悪化が発生し、増大・進展する傾向があるかどうかを診断する。ここで悪化兆候とは、プラント制御の悪化が発生する前段階の状態及び悪化が発生しているが、まだ表面上現れていない初期段階の状態をいうものとする。また、比較には、単に1種類のデータ値又はその微分等の計算結果に対して閾値処理にて判定する場合もあれば、複数の種類のデータ値を基にして多次元相関等により判定する場合もある。
また、診断部13は、プラント制御の悪化兆候の原因についても診断するようにしてもよい。この場合、取得部12により取得された実プロセスの状態値と規範モデル保持部11により保持されている規範モデルにおけるプロセスの状態値とを比較したときの差異発生状況と、プラント制御の悪化兆候の原因情報との関係を、予め過去の操業データや実験に基づき生成しておき、原因情報保持部17に保持させておく。そして、当該原因情報を用いて、プラント制御の悪化兆候の原因について推定して診断する。この診断結果はモニタ等の表示装置の画面上に表示する(図示せず)。また、診断結果によってはアラームや赤色灯で構成した警報装置を作動させてもよい。
以上で記載した取得部12による実プロセスの状態値の取得処理と、診断部13によるプラント制御の悪化兆候の診断処理とは、プラント制御中に、例えば数百m秒〜数分の周期的に繰り返し実行する。これにより、プラント制御システム50の稼動中(自動制御中)にリアルタイムでプラント制御の悪化兆候を診断することができる。
プラント制御診断装置10内の14は原因−状態回復措置情報保持部であり、診断部13で導出したプラント制御の悪化兆候の原因と、その状態を回復させるための状態回復措置情報とを対応付けて保持する。プラント制御の悪化兆候の原因と、その状態を回復させるための状態回復措置情報との対応付けは、過去にオペレータが行った状態回復操作実績を基にして生成される場合もあれば、その原因発生の物理的メカニズムを基にして技術検討した上で生成される場合もある。この原因と状態回復措置情報の対応付けは、予め生成され、原因−状態回復措置情報保持部14に保持されている。
15は状態回復措置実行部であり、診断部13により診断された原因に基づいて、状態回復措置情報保持部14の状態回復措置情報を参照し、適切な状態回復措置を選択し実行する。状態回復措置としては、コントローラ52へ状態回復のための設備動作を実行するように指令を出力し、自動的に回復措置を行わせる。状態回復のための設備動作としては、予め決められた手順に基づいて自動で設備動作を行う、制御アルゴリズムを自動選択する、制御に関わる制御ゲイン等のパラメータや設定値の自動変更を行う等、コントローラ52の制御プログラムで既定できるものである。また、自動回復措置として、その対応をオペレータにガイダンスしオペレータに作業させるようにしてもよい。例えば、将来状態予測、候補アクションの応答予測、熟練オペレータの模範アクションと結果比較、アクションガイダンス等を不図示のモニタ等を通じてオペレータにガイダンスするようにしてもよい。
(具体例)
以下、本発明の具体例を説明する。本例では、タンデム圧延機を備えた鋼板製造プラント1を説明する。そして、プラント制御の悪化兆候として、ルーパハンチングの兆候を規範モデル(2)の健全な操業状態におけるプロセス状態データとの比較を行うことにより診断する。
図2には、タンデム圧延機を備えた鋼板製造プラント1の例を示す。この鋼板製造プラント1が、図1に示すプラント51の例である。タンデム圧延機は、鋼板Sの通板方向Dに沿って配置された複数のスタンドを有する。ここでは、各スタンドを、上流側より順次第1スタンド101、第2スタンド102、第3スタンド103、…と呼び、各スタンドを総称してスタンド100と呼ぶ。各スタンド100には、圧延機110が配置される。例えば、製鋼プラントで製造されたスラブは、加熱炉で加熱され、粗圧延機及び仕上げ圧延機により圧延されて、帯状の連続的に長い鋼板Sが製造される。なお、ここでは、仕上げ圧延機のみを図示している。
鋼板製造プラント1は、プラント制御装置2により制御される。このプラント制御装置2が、図1に示したコントローラ52及び設定器54の例である。プラント制御装置2は、スタンド100毎に配置されたルーパ制御部210を有し、各ルーパ制御部210によりスタンド100をそれぞれルーパ制御する。
次に、図3を参照して、各スタンド100の構成について説明する。図3に示すように、各スタンド100内には、圧延機110とルーパ120とが配置される。
圧延機110は、鋼板Sに対する圧延工程を実施する。圧延機110は、一対のワークロール111と、一対のバックアップロールと、ミルモータ112と、ASR(速度制御器)113とを有する。一対のワークロール111は、鋼板Sを挟んで配置され、一対のバックアップロールは、この一対のワークロール111を挟んで配置される。バックアップロールは、ワークロール111を鋼板Sの方向に付勢し、この付勢力により上下一対のワークロール111が鋼板Sを圧延する。なお、このバックアップロールは、説明の便宜上省略している。また、ワークロール111とバックアップロールとの間には、中間ロール(図示せず)が配置されてもよい。
ミルモータ112は、ワークロール111を回転させる。ミルモータ112がワークロール111を回転させることにより、ワークロール111と接触している鋼板Sが通板方向Dに通板される。
ASR113は、ミルモータ112を速度制御する。ASR113は、プラント制御装置2によって制御される。より具体的には、ASR113は、プラント制御装置2のルーパ制御部210からロール速度指令信号を取得する。そして、ASR113は、ワークロール111の回転速度がこのロール速度指令信号を満たす(一致する)ように、ミルモータ112にミル電流を出力してミルモータ112を回転させる。この際、ASR113は、ミルモータ112を、ワークロール111又はミルモータ112の回転速度によりフィードバック制御してもよい。
上記構成を有する圧延機110が鋼板Sに沿って複数配置され、それぞれの圧延機110が鋼板Sを圧延することにより、鋼板Sの熱間連続圧延工程が実施される。この際、各スタンド100のワークロール111の回転速度が、鋼板Sの通板速度を決定すると共に、鋼板Sの各スタンド100間の張力Tを決定する。一方、鋼板Sの厚みは、各圧延機110を通過するに従い薄くなり、且つ、各スタンド100の全てのワークロール111の回転速度を精密に制御することは難しい。そこで、安定した製造工程の実施を行うために、各圧延機110間の鋼板Sの張力Tを調整するルーパ120が設けられる。
ルーパ120は、鋼板Sの張力調整工程を実施する。ルーパ120が実施する張力調整工程は、上記圧延機110が実施する圧延工程と連続して行われる。
ルーパ120は、ルーパロール121と、ルーパモータ123と、ASR(速度制御器)124とを有する。ルーパロール121は、回転軸を中心に回転可能に、鋼板Sに当接するように配置される。また、ルーパモータ123は、ルーパモータ123の回転軸とは異なる回転中心122を中心に、ルーパロール121を回動させる。つまり、ルーパモータ123が、回転中心122を中心にルーパロール121を回転させることにより、ルーパロール121を鋼板Sに付勢させて、鋼板Sの張力Tが調整される。
ASR124は、ルーパモータ123を速度制御する。ASR124は、プラント制御装置2によって制御される。より具体的には、ASR124は、プラント制御装置2のルーパ制御部210からルーパモータ速度指令信号を取得する。そして、ASR124は、ルーパモータ123の回転速度がこのルーパモータ速度指令信号を満たす(一致する)ように、ルーパモータ123に電流を出力してルーパモータ123を回転させる。この際、ASR124は、ルーパモータ123を、ルーパモータ123の回転速度によりフィードバック制御してもよい。
上述した圧延機110及びルーパ120は、プラント制御装置2によりループ制御される。ループ制御とは、特にフィードバック制御の一種であり、鋼板Sの張力Tとルーパ角度θをフィードバック信号として、フィードバック信号が所定の指令値と一致するように、圧延機110及びルーパ120を制御する制御方法である。このルーパ制御等を行うために、各スタンド100には各種の測定器(センサ)が配置される。この測定器の一例について説明する。
図3に示すスタンド100中には、ルーパ角度測定器131と、ルーパ張力測定器132と、ミル電流測定器133とが配置される。これら測定器131〜133が、図1に示したセンサ53の例である。
ルーパ角度測定器131は、ルーパモータ123がルーパ120を回転中心122を中心に回動させる角度θを測定する。ルーパモータ123は、このルーパ120の角度θを主なフィードバック信号としてフィードバック制御される。つまり、鋼板Sの張力Tは、主に各スタンド100の圧延機110の回転速度の相対関係により決定されるが、ルーパ120が、このスタンド100間の鋼板Sの弛みや張力Tの変動を抑制する。そのため、ルーパ120は、例えば角度θが一定になるように制御されてもよく、更に張力Tが大きすぎるときには角度θが小さくなり、張力Tが小さすぎるときには角度θが大きくなるように制御されることも可能である。よって、このルーパ120の角度θは、主にルーパ120の動作状態を反映しており、間接的には圧延機110の動作状態をも反映した値となる。
ルーパ張力測定器132は、鋼板Sの張力Tを測定するために、ルーパ120に印加されている張力を測定する。つまり、ルーパ120は、鋼板Sに付勢されているため、このルーパ120が鋼板Sから受ける反作用力は、鋼板Sの張力Tを反映している。よって、ルーパ張力測定器132は、鋼板Sからの反作用力を測定することにより鋼板Sの張力Tを測定する。なお、図3では、ルーパ張力測定器132として、ルーパロール121に印加された張力Tを測定する測定器を示しているが、このルーパ張力測定器132は、例えばルーパモータ123のトルクから張力Tを算出する測定器であってもよく、鋼板Sから直接張力Tを測定する測定器であってもよい。上述したように張力Tは、主に各スタンド100の圧延機110の回転速度の相対関係により決定される。よって、張力Tは、主に圧延機110の動作状態を反映した値となり、各圧延機110は、この張力Tをフィードバック信号としてフィードバック制御される。なお、張力Tは、上述のようにルーパ120により調整されるため、ルーパ120の動作状態をも間接的に反映した値となる。
ミル電流測定器133は、ミルモータ112に印加されるミル電流Iを測定する。ミル電流Iは、駆動信号の一例であって、フィードバック制御における圧延機110の駆動信号である。つまり、圧延機110は、主に張力Tをフィードバック信号としたフィードバック制御されるので、このミル電流Iは、フィードバック信号に基づいて生成される。より具体的には、張力Tが大きすぎる場合には、張力Tが小さくなる値のミル電流Iが生成され、張力Tが小さすぎる場合には、張力Tが大きくなる値のミル電流Iが生成される。
次に、図3を参照して、更にプラント制御装置2の構成について説明する。図3に示すように、プラント制御装置2は、各スタンド100に対応して、目標張力設定部201と、張力偏差算出部202と、目標角度設定部203と、角度偏差算出部204と、ルーパ制御部210とを有する。
目標張力設定部201は、圧延機110の動作状態等により決定される張力Tの目標値(目標張力T0)を設定する。そして、張力偏差算出部202は、実際の張力T、つまりルーパ張力測定器132が測定した張力Tの目標張力T0からの偏差(偏り、差分)ΔTを算出する。なお、上述したように張力Tは、各スタンドの圧延機110の相対的な稼働速度に依存する。よって、目標張力設定部201は、プラント制御装置2の内部又は外部に配置された更に上位の制御部により制御されて、設定する目標張力T0を変更する。また、この目標張力T0は、例えばプラント1の稼働中や、同一の鋼板Sを製造している間等には、変更されず一定値に設定されてもよい。
目標角度設定部203は、ルーパ120の動作状態等により決定されるルーパ120の角度θの目標値(目標角度θ0)を設定する。そして、角度偏差算出部204は、実際の角度θ、つまりルーパ角度測定器131が測定した角度θの目標角度θ0からの偏差(偏り、差分)Δθを算出する。なお、目標張力設定部201と同様に、目標角度設定部203も、プラント制御装置2の内部又は外部に配置された更に上位の制御部により制御されて、設定する目標角度θ0を変更する。また、この目標角度θ0も、例えばプラント1の稼働中や、同一の鋼板Sを製造している間等には、変更されず一定値に設定されてもよい。
ルーパ制御部210は、ルーパ120の角度θの偏差Δθと鋼板Sの張力Tの偏差ΔTを取得して、この偏差Δθ、ΔTに基づいて、ASR124へのルーパモータ速度指令値とASR113へのロール速度指令値とを生成する。このルーパ制御部210は、例えばPID(Proportional Integral Derivative)コントローラやPIコントローラのようなフィードバック制御を行うコントローラを含む。なお、ここでは、ルーパ制御部210は、例えばPIDコントローラを含むとするが、かかる例に限定されるものではなく、フィードバック制御を行うコントローラであれば如何なるものであってもよい。そして、ルーパ制御部210は、主に偏差Δθに基づいてルーパ120をPID制御し、主に偏差ΔTに基づいて圧延機110をPID制御する。つまり、ルーパ制御部210は、偏差Δθの値、偏差Δθの積分値及び偏差Δθの微分値に基づいて、偏差Δθが減少するようにルーパモータ速度指令値を変更し、偏差ΔTの値、偏差ΔTの積分値及び偏差ΔTの微分値に基づいて、偏差ΔTが減少するようにロール速度指令値を変更する。なお、ルーパ制御部210は、ルーパ120を制御する際に、偏差Δθだけでなく偏差ΔTにも基づいた制御を行ってもよく、逆に、圧延機110を制御する際に、偏差ΔTだけでなく偏差Δθに基づいた制御を行ってもよい。
このような構成のプラント制御装置2により制御される圧延機110及びルーパ120は、同一の鋼板Sに対して同時に接触して各工程を実施することにより、協働して圧延を行う。更に、圧延機110及びルーパ120の制御状態も相互に関連している。
本例では、プラント制御診断装置10で、上述した鋼板製造プラント1におけるプラント制御の悪化兆候、より具体的にはルーパ120のルーパハンチングの兆候を捉える。ルーパハンチングとは、ルーパ120において制御が悪化し、正常な制御の時に比べてルーパ角度θが異常に振動する現象のことである。かかる不具合が発生すると、ルーパ120の振動が鋼板Sへと伝達され、鋼板Sの圧延精度が低下して製品品質が悪くなるおそれがある。また、振動が大きくなると、鋼板Sが鋼板製造プラント1を通過する際に設備を破損し、それを修復するために製造ラインを停止しなければならない事態が発生するおそれもある。
図4は、鋼板製造プラント1において健全な操業状態におけるプロセス状態データを規範モデルとして、その規範モデルと実プロセスの状態値を比較することによって、ルーパハンチングの兆候を診断することができることを説明するための説明図である。図4では、ルーパハンチングの一例として第5スタンド105のルーパ120を挙げ、このルーパ120のルーパハンチング(即ち、ルーパの角度θの異常な振動)の兆候を診断するためのプロセス状態値となる測定データの一例として、第6スタンド106の圧延機110に対するミル電流I(駆動信号)(以下、第6スタンド106のミル電流と称する)、第2スタンド102の圧延機110に対する張力T(フィードバック信号)(以下、第2スタンド102の張力と称する)とを挙げている。これらの信号の特性をより顕著なものにするための手法として各測定信号を周波数解析(FFT(Finite Fourier transform)解析)し、例えばミル電流Iでは16.5Hz、張力Tでは10.5Hz、角度θでは1.9Hzの周波数成分値の時間推移を表示している。
ここで、張力Tの時間変化は周期的な振動成分を有する。これは、プラント1が圧延機110のワークロール111等の回転動作によりスラブ等を圧延する設備であることによる。換言すれば、各駆動系が駆動することによる振動等、様々な振動やその共振現象が張力Tの測定信号に現れている。そして、図4においては、張力Tの10Hz近傍で、通常稼働状態では見られなかった異常な振動が現れることがあり、それが弦振動を表していることが認められている。
また、ミル電流Iも周期的な振動成分を有し、図4においては、ミル電流Iの16Hz近傍では、通常稼働状態では見られなかった異常な振動が現れることがあり、それがロール軸部の損耗等の原因で、ある固有の周波数で振動する軸ねじり振動を表していることが認められている。
また、ルーパ120の角度θも周期的な振動成分を有し、角度θの2Hz近傍では、通常稼働状態では見られなかった異常な振動が現れることがあり、それがルーパハンチングを表していることが認められている。
図4の実績例では、角度θの1.9Hzの周波数成分から、t=45秒近傍で第5スタンド105のルーパ120にルーパハンチング(ピークPθ)が発生していることが判る。
一方、このルーパハンチングが発生した時刻よりもΔtI(=2.9秒)前に、第6スタンド106のミル電流Iの16.5Hzの周波数成分にピークPIが発生していることが判る。また、ΔtT(=4.3秒)前には、第2スタンド102の張力Tの10.5Hzの周波数成分にピークPTが発生していることが判る。
つまり、診断対象とした第5スタンド105のルーパ120で発生するルーパハンチングは、下流側スタンドである第6スタンド106のミル電流I及び上流側スタンドである第2スタンド102の張力Tとの相関関係が強いことが判る。
換言すれば、第5スタンド105のルーパ120のルーパハンチングの兆候を診断するための規範モデルとして、健全な操業状態におけるプロセス状態値として、第6スタンド106のミル電流Iと、第2スタンド102の張力Tとを利用することができる。より具体的には、第6スタンド106のミル電流Iから16Hz近傍の周波数成分値を抽出し、第2スタンド102の張力Tから10Hz近傍の周波数成分値を抽出する。プラント制御システム50の健全な操業状態では、第6スタンド106のミル電流Iに16Hz近傍の周波数成分はほとんど存在せず、第2スタンド102の張力Tに10Hz近傍の周波数成分はほとんど存在しないので、規範モデルとして閾値を設定する(例えば、図4では、ミル電流Iに対する閾値It=44.9、張力Tに対する閾値Tt=0.0037)。
そして、プロセス状態値として、第6スタンド106のミル電流Iから16Hz近傍の周波数成分値を抽出し、第2スタンド102の張力Tから10Hz近傍の周波数成分値を抽出し、それらの周波数成分値が閾値を超えているか否かを判定することにより、第5スタンド105におけるルーパハンチングの兆候を捉えることができる。この相関関係はプラント毎に異なるが、同じプラントの場合、診断対象の駆動系と相関関係が強い駆動系の測定信号から、その診断対象の駆動系の制御の悪化兆候を検出できると考えられる。
図2〜4で説明した事例について、図1を参照して、プラント制御診断装置10の処理について説明する。取得部12では、第6スタンド106のミル電流Iと、第2スタンド102の張力Tとを取得し、第6スタンド106のミル電流Iから16Hz近傍の周波数成分を抽出し、第2スタンド102の張力Tから10Hz近傍の周波数成分を抽出する。
一方、プラント制御システム50の健全な操業状態での第6スタンド106のミル電流Iの解析値(16Hz近傍の周波数成分)と、健全な操業状態での第2スタンド102の張力Tの解析値(10Hz近傍の周波数成分)とから、規範モデルとして閾値が設定されている。
図5、図6は、診断部13において、規範モデルと取得部12により取得された実プロセスの状態値との比較の実施例を説明するための説明図である。図5は第6スタンド106のミル電流Iを対象とし、図6は第2スタンド102の張力Tを対象として、横軸を時間、縦軸を各周波数成分として、各周波数成分値が閾値を超えたときに黒点表示している。
診断部13では、図5、6に示すように、取得部12により取得される実プロセスの状態値、すなわち第6スタンド106のミル電流Iの周波数成分、第2スタンド102の張力Tの周波数成分を、規範モデル保持部11に保持されている規範モデルと比較する。そして、取得部12により取得された状態値に、第6スタンド106のミル電流Iの16Hz近傍の周波数成分、第2スタンド102の張力Tの10Hz近傍の周波数成分が存在する場合、第5スタンド105のルーパ120のルーパハンチングの兆候があると診断する。
なお、ここでは第6スタンド106のミル電流Iの16Hz近傍の周波数成分及び第2スタンド102の張力Tの10Hz近傍の周波数成分の両方を用いる例を説明したが、いずれか一方だけを用いるようにしてもよい。
次に、図7に、鋼板製造プラント1における第5スタンド105の張力(10Hz近傍の周波数成分)とルーパ角度との関係、及び、第5スタンド105のミル電流(16Hz近傍の周波数成分)と張力(10Hz近傍の周波数成分)との関係を示す。図7(b)に点線で囲んで示すように、ルーパ角度が所定の値を超えている領域、つまりルーパハンチングが発生している領域では、ルーパ角度と張力とが略リニアな関係にあるのが判る。更に、図7(a)に点線で囲んで示すように、ミル電流と張力とは略リニアな関係にあることが判る。ここで、ミル電流の16Hz近傍の周波数成分は、軸ねじり振動を表しているので、第5スタンド105におけるルーパハンチングの原因の一つが、第5スタンド105での軸ねじり振動であると考えられる。
このような知見に基づいて、診断部13は、第5スタンド105のルーパ120のルーパハンチングの兆候の原因が、第5スタンド105での軸ねじり振動であることから、第5スタンド105のロール軸部分に磨耗等の異常があるものと診断する。
以上述べたように、制御系の異常や劣化の傾向を早期に診断することにより、制御性能の安定化を継続、維持することができる。また、制御悪化を引き起こす原因となる事象を速やかに推定し、異常に至る前にその制御悪化を防止することができる。これにより、プラント制御が安定し、製造している製品の品質劣化を防止し、生産性の低下を避けることができる。
本発明が適用されるプラントは、上述した例に限定されるものではない。本発明は、厚板圧延を行うプラント・冷間圧延を行うプラント・連続焼鈍を行うプラント・表面処理を行うプラント・高炉・転炉・コークス炉等の製鉄所内の他のプラント、製紙プラント、石油精製プラント、自動車の製造プラント、電子機器の製造ラインを有する製造プラント、ガスや液体を精製するプラント等、様々なプラントにも適用可能である。
なお、本発明のプロセス制御診断装置は、一つの装置から構成されても、複数の機器から構成されてもよい。また、本発明のプロセス制御診断装置は、具体的にはCPU、ROM、RAM、HDD等の記憶装置、キーボードやマウス等の入出力装置、コンピュータディスプレー等の表示装置、及びプラント内の各設備機器・装置・センサと信号の送受信をするための専用信号線又はネットワークI/O装置を備えたコンピュータシステムにより構成することができ、当該コンピュータシステムが上記した各機能や手順を実行するために予め作成したコンピュータプログラムを実行することによって実現される。当該コンピュータプログラムも本願発明に含まれる。
本発明の実施形態に係るプラント制御システム及びプラント制御診断装置の概略構成を示す図である。 タンデム圧延機を備えた鋼板製造プラントを示す図である。 各スタント及びプラント制御装置の構成を示す図である。 ルーパ角度、ミル電流及びルーパ張力の実績例を示す特性図である。 規範モデルと実プロセスの状態値とを比較している様子を示す図である。 規範モデルと実プロセスの状態値とを比較している様子を示す図である。 張力とルーパ角度の関係、及び、ミル電流と張力との関係を示す特性図である。 規範モデルの一例を示す図である。
符号の説明
10 プラント制御診断装置
11 規範モデル保持部
12 取得部
13 診断部
14 原因−状態回復措置情報保持部
15 状態回復措置実行部
50 プラント制御システム
51 プラント
52 コントローラ
53 センサ
54 設定器

Claims (10)

  1. 複数の設備機器やセンサからなるプラントの操業を制御するプラント制御システムについて、プラント制御の悪化兆候を検知するためのプラント制御診断装置であって、
    前記プラント制御システムの健全な操業状態を定量化して生成された規範モデルを保持する規範モデル保持手段と、
    前記プラント制御システムの操業時の実プロセスの状態値を、前記複数の設備機器やセンサから入力される信号により取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得された実プロセスの状態値と、前記規範モデル保持手段により保持されている規範モデルの値とを比較して、プラント制御の悪化兆候を診断する診断手段とを備え、
    前記取得手段による取得処理と、前記診断手段による診断処理とをプラント制御中に所定の周期で繰り返し実行することを特徴とするプラント制御診断装置。
  2. 前記規範モデルを生成する規範モデル生成手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のプラント制御診断装置。
  3. 前記規範モデル生成手段は、前記プラントの健全な操業状態を表現した数式モデルと、前記プラント制御システムの操業時の実プロセスの状態値とに基づいて、プラント制御を行いながら並行してプラント制御の結果を予測するシミュレーションを実施し、それにより得られるプロセス状態を表す計算値を前記規範モデルとすることを特徴とする請求項2に記載のプラント制御診断装置。
  4. 前記規範モデルは、前記プラント制御システムの健全な操業状態におけるプロセス状態データ及びそれに所定の解析法を実施して得られる結果である解析値の両方又はいずれか一方であることを特徴とする請求項1に記載のプラント制御診断装置。
  5. 前記規範モデルは、前記プラント制御システムの健全な操業状態における前記設備機器の操作量とプロセス状態データとの相関を表す情報であることを特徴とする請求項1に記載のプラント制御診断装置。
  6. 前記取得手段により取得された実プロセスの状態値と前記規範モデル保持手段により保持されている規範モデルの値とを比較したときの差異発生状況と、プラント制御の悪化兆候の原因情報とを予め対応付けて保持する原因情報保持手段を備え、
    前記診断手段は、前記原因情報保持手段により保持されている原因情報に基づいて、プラント制御の悪化兆候の原因についても診断することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプラント制御診断装置。
  7. プラント制御の悪化兆候の原因と、その状態を回復させるための状態回復措置情報とを予め対応付けて保持する原因−状態回復措置情報保持手段と、
    前記診断手段により診断された原因に基づいて前記状態回復措置情報保持手段の状態回復措置情報を参照し、状態回復措置を実行する状態回復措置実行手段とを備えたことを特徴とする請求項6に記載のプラント制御診断装置。
  8. 前記複数の設備機器やセンサからなるプラントは、圧延機及びルーパを有するスタンドを鋼板の通板方向に沿って複数配置した鋼板製造プラントであり、該鋼板製造プラントを制御するプラント制御システムにおいて、診断対象のスタンドで発生するルーパハンチングの兆候を診断するプラント制御診断装置であって、
    前記規範モデル保持手段は、規範モデルとして、健全な操業状態における所定の下流側スタンドの圧延機に対するミル電流の周波数解析値、及び、健全な操業状態における所定の上流側スタンドの圧延機に対する張力の周波数解析値の両方又はいずれか一方に基づいて設定された閾値を保持し、
    前記取得手段は、実プロセスの状態値として、前記所定の下流側スタンドの圧延機に対するミル電流の周波数解析値、及び、前記所定の上流側スタンドの圧延機に対する張力の周波数解析値の両方又はいずれか一方を取得し、
    前記診断手段は、前記取得手段により取得された実プロセスの状態値と、前記規範モデル保持手段により保持されている規範モデルの値とを比較して、前記診断対象のスタンドで発生するルーパハンチングの兆候を診断することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のプラント制御診断装置。
  9. 複数の設備機器やセンサからなるプラントの操業を制御するプラント制御システムについて、プラント制御の悪化兆候を検知するためのプラント制御診断方法であって、
    前記プラント制御システムの健全な操業状態を定量化して規範モデルを生成して規範モデル保持手段に保持する手順と、
    前記プラント制御システムの操業時の実プロセスの状態値を、前記複数の設備機器やセンサから入力される信号により取得する取得手順と、
    前記取得手順により取得された実プロセスの状態値と、前記規範モデル保持手段により保持されている規範モデルの値とを比較して、プラント制御の悪化兆候を診断する診断手順とを有し、
    前記取得手順と、前記診断手順とをプラント制御中に所定の周期で繰り返し実行することを特徴とするプラント制御診断方法。
  10. 複数の設備機器やセンサからなるプラントの操業を制御するプラント制御システムについて、プラント制御の悪化兆候を検知するための処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    前記プラント制御システムの操業時の実プロセスの状態値を、前記複数の設備機器やセンサから入力される信号により取得する取得処理と、
    前記取得処理により取得された実プロセスの状態値と、前記プラント制御システムの健全な操業状態を定量化して生成された規範モデルとを比較して、プラント制御の悪化兆候を診断する診断処理とをプラント制御中に所定の周期で繰り返しコンピュータに実行させるためのプログラム。
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