JP2015230576A - プラント診断用データ作成システム - Google Patents

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Abstract

【課題】
プラントを構成する機器の数が多くなった場合でも、プラントの診断システムを容易に構築することが可能なプラント診断用データ作成システムを提供する。
【解決手段】
プラントの状態を診断する診断システムで利用するプラント診断用データ作成システムにおいて、診断の対象となるプラントの構成機器と、構成機器の状態を計測する計測器の接続情報を持つ系統データと、前記系統データに含まれる構成機器と計測器の接続情報を利用し、診断対象選択手段で選択された診断対象に関連する計測項目を抽出する計測項目抽出手段と、データ補正ルールに基づき計測項目の特徴量の追加や、計測項目の追加、削除する計測項目補正手段と、計測項目抽出手段で抽出した計測項目情報と計測項目補正手段で作成した計測項目の追加・削除情報に基づき、計装データの時系列データから診断用データを作成することを特徴としたプラント診断データ作成システム。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プラントおよび装置の異常検知・診断システム用のデータ作成システムに関する。
発電プラントや化学プラントは、様々な機器、配管から構成されている。この機器や配管には、圧力、温度、流量を計測する計測器が設置されており、機器の状態を監視している。また、これらの計測値を用いて、より高精度に異常を検知・診断する、異常検知・診断システムの導入も進んでいる。
一般に、プラントや機器の異常検知・診断システムは、大きく分類すると、プラントや機器に固有のシステムと汎用的なシステムの2つに分類される。
プラントや機器に固有のシステムには、例えば、特許文献1のように物理モデルをベースとした異常診断システムである。特許文献1の例では、排気ガス還流装置の異常を検知するために、排気ガス還流装置がONの時とOffの時の吸気管内圧力の差を物理モデルから求め、求めた値と実測値を比較することで異常を判定する。
このような物理モデルをベースとした診断システムでは、診断対象となるプラントや機器毎にシステムを構築するため、診断対象固有の異常の判別などの点では優れている。しかしながら、システムの構築には非常に多くの時間が必要となる。
汎用的なシステムの例としては、例えば特許文献2のように統計的な診断手法がある。特許文献2では、主成分分析(PCA)、潜在変数射影法(PLS)、サポートベクトルマシン(SVM)などの統計的な手法を用いて異常検出用データを生成するため、対象プロセスに依存しない。したがって、物理モデルをベースとした診断手法に比べシステムの構築が容易となる。また、本先行技術では、通常の統計的な手法では難しい診断時の対策支援情報を供給することができるという特徴もある。
特開2005-256781号公報 特開2013−61853号公報
しかしながら、例えば、発電プラントや化学プラントのように、プラントを構成する機器の数が多くなると、プラントの計測点の数は非常に多くなる。また、1つの計測データが波及的に他の計測データに影響を及ぼす場合もあるため、プラント全体の計測データをまとめて処理すると異常の検知や診断の精度が低下する場合がある。
このようなケースでは、プラント全体のデータをまとめて処理するのではなく、ある機器やあるモジュールに関連した計測データのみをまとめて処理することで異常の検知や診断精度が向上する。
データの分類とシステムの構築作業は、通常、システム構築の担当者によって実施されるが、プラントの規模が大きく診断の対象機器の数が多い場合、非常に煩雑な作業となる。また、ある機器を診断するための計測データを選択する場合、場合によっては、必要なデータが直接計測されていないため、他のデータを利用したり、計測データそのままを利用するのではなく、計測データの変化量などの特徴量を利用した方が診断の精度が向上する場合があるが、これらの判断は、システム構築担当者の知識や経験に依存しており、経験が少ない人が適切にシステムを構築することは難しい。
本発明の目的は、プラントを構成する機器の数が多くなった場合でも、系統図や3D-CADデータから診断に必要なデータを自動的に取得することができ、プラントの診断システムを容易に構築することにある。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、「プラントの状態を診断する診断システムで利用するプラント診断用データ作成システムにおいて、プラントの構成機器の状態を計測する計測器の接続情報を持つ系統データと、前記系統データから診断の対象を選択する診断対象選択手段と、前記系統データに含まれる構成機器と計測器の接続情報を利用し、前記診断対象選択手段で選択された診断対象に関連する計測項目を抽出する計測項目抽出手段と、データ補正ルールに基づき計測項目を補正する計測項目補正手段と、前記計測項目抽出手段で抽出した計測項目情報と前記計測項目補正手段で作成した計測項目の補正情報に基づき、計装データの時系列データから診断用データを作成すること」を特徴とする。
本発明によれば、プラントを構成する機器の数が多くなった場合でも、系統図や3D-CADデータから診断に必要なデータを自動的に取得することができ、プラントの診断システムを容易に構築することが可能となる。
本発明の実施例の構成を表す図 適応共鳴理論を利用した診断システムの説明図 系統図の例を表す図 診断対象選択手段の操作画面の一例を表す図 ツリー展開後の診断対象選択手段の操作画面の一例を表す図 診断対象選択手段の操作画面の別の例を表す図 計測項目抽出手段の操作画面の例を表す図 計測項目抽出手段のアルゴリズムを表す図 データ補正ルールの例を表す図 流量情報の補足アルゴリズムを表す図 計装データの例を表す図 運転条件データを表す図 学習データ作成モードの処理フローを表す図 計測項目抽出手段から抽出される計測項目の例を表す図 計測項目補正手段で追加された計測項目の例を表す図 時系列データの例を表す図 学習データを模式的に示した図
以下、実施例を図面を用いて説明する。
図1は、プラント診断用データ作成システムを含む構成図の例である。
本実施例は、プラント1、計装データ2、プラント診断用データ作成システム3、および診断システム4からなる。
プラント1は、複数の機器が組み合わされた化学プラントや発電プラントである。計装データ2は、プラントの機器や配管に設置された温度計、圧力計などの計測器により計測された時系列である。プラント診断用データ作成システム3は、入力された計装データ2を診断用でデータに変換し、診断システムに入力する。診断システム4では、入力データに基づき、プラントの状態が正常か否かを判定し、異常の原因を推定する。
次に、プラント診断用データ作成システム3の構成について説明する。
プラント診断用データ作成システム3は、系統図31、診断対象選択手段32、計測項目抽出手段33、計測項目補正手段34、データ補正ルール35、診断用データ37、及び診断用データ作成手段36からなる。
まず、これらのプラント診断用データ作成システムの各構成要素について説明する。
系統図31は、配管計装線図または、P&IDとも呼ばれる図面であり、機器、接続配管、主要な計測機器が記載されている。本実施例では、P&ID専用のCADソフトで作成された電子ファイルである。
診断対象選択手段32は、系統図31と連動して動作する操作画面であり、診断システムで診断する対象を選択する。選択方法は、大きく2通りある。1つは、選択する対象のカテゴリーを指定する方法である。例えば、反応器あるいは、ポンプなどのカテゴリーを指定すると、そのカテゴリーに分類されるものが全て診断の対象として選択される。もう1つの方法は、系統図31上でマウス操作により、対象を選択する方法である。マウスで指定した領域に含まれる機器や、マウスでクリックされて選択された機器が対象の機器として選択される。
計測項目抽出手段33は、系統図31にある機器と計器の接続情報を利用し、診断対象選択手段32で選択された診断対象に関連する計測項目を抽出する。
計測項目補正手段34は、計測項目抽出手段33で抽出した計測項目をデータ補正ルール35に従い補正する。補正とは、計測項目の特徴量の追加や、計測項目の追加、削除などの処理を指す。
データ補正ルール35は、補正の具体的な方法が記載されている。例えば、「○○機器の電圧を計測している場合、電圧の変化量を追加する」「対象機器の配管の流量情報が不足している場合、情報不足を補える流量情報を追加する」などのルールが記載されている。
診断データ作成手段36は、計測項目抽出手段33で抽出した計測項目情報と計測項目補正手段34で作成した計測項目の追加・削除情報に基づき、計装データ2の時系列データから診断用データ37を作成する。
作成された診断用データ37は、診断システム4に入力され、プラントの状態が診断される。
次に、本実施例のプラント診断データ作成システム3について、より具体的に説明するとともに、その動作について説明する。ただし、プラント診断データ作成システム3の具体的な処理方法は、診断システム4に依存するため、まず、本実施例での診断システム4について説明する。
本実施例では、診断システム4は、適応共鳴理論(Adaptive Resonance Theory:ART)を利用した異常検知システムである。ここで、ARTとは、人間のパターン認識アルゴリズムを模擬したモデルであり、多次元のデータをその類似度に応じて複数のカテゴリーに分類することができる。ARTの構成については、公知の文献等に記載されているため、説明を割愛し、ARTを使ったデータの分類方法についてのみ説明する。
例えば、図2の上部に示す2つの時系列データを分類する場合について考える。この時系列データの各時刻におけるデータは、データ1、データ2の二次元のデータとなる。この二次元のデータをARTに入力すると、例えば、データ1の値が大きくかつデータ2の値が小さい領域1のデータは、あるカテゴリー(カテゴリー1)に分類される。また、領域1のデータと異な領域2のデータは、別のカテゴリー(カテゴリー2)として分類される。同様にして、領域3、領域4のデータは、別のカテゴリーとして分類される。
診断システム4、このようなARTの特徴を利用した異常検知システムである。具体的にな診断方法は以下の通りである。まず、準備段階として、オフラインで正常時のデータをARTを利用して分類し、その時にできたカテゴリーを記憶しておく(学習)。その状態のARTに、判定したいデータをオンラインで入力し、データが分類されるカテゴリーを比較する。学習時と同じカテゴリーであれば、データの傾向は変化していないため、正常と判定する。新しいカテゴリーが発生した場合は、データの傾向が変わったため、異常の可能性ありと判定する。
このように、診断システム4は、入力したデータの関係から異常を判定するシステムであるため、診断の対象に関連するデータを過不足なく設定する必要がある。それを実現するための手段が、プラント診断データ作成システム3である。以下にプラント診断データ作成システム3の各構成要素について詳細に説明する。
図3は、系統図31の一例を示す。系統図31は、系統図作成用CADソフトで作成された電子ファイルであり、機器(R1〜R4)、機器間を接続する配管、計測器などの情報が記載されている。なお、計測器には、F1,P1,T1などのタグがついている。本実施例では、Fが流量計、Pが圧力計、Tが温度計を示している。
また、これらの図形は、系統図作成用のCADで作成しているため、単なる図形ではなく、機器、配管、計測器などの属性情報を持つ。また、機器には、接続する配管情報や設置されている計測器の情報を属性データとして持っている。配管も、接続している機器情報や設置されている計測器情報を持っている。また、配管は、内部流体の種類や、流体が流れる方向の情報も属性データとして保持している。
したがって、これらの情報を活用することで、例えば、ある機器の上流側に接続された計測器が何であるかを特定することができる。
図4に診断対象選択手段32の操作画面の一例を示す。本操作画面は、カテゴリーを指定して診断対象を選択する方式の例である。図4のツリーは、プラントの構成要素の階層化したものである。「プラント」という、プラント全体を表すカテゴリーの下に、「機器モジュール」がある。「機器モジュール」の下には、その構成要素である「配管」と「機器」がある。これらのツリー構造は、展開したり、折りたたむことができる。「機器」をさらに展開すると図5のように、「反応装置」「熱交換機」などのカテゴリーが表示される。ここで、例えば、「反応装置」と「熱交換機」を選択しSetボタンを押すと診断対象として、「反応装置」と「熱交換機」が選択される。
図6に、診断対象選択手段32の操作画面の別の例を示す。この操作画面は、系統図系統図31上でマウス操作により診断対象を選択する方法の例である。メニューバーから、診断対象選択メニューを選択後、系統図上で対象を選択し、マウスを右クリックすると、図5に示したようにSetまたはCancelが選択できるようになる。ここで、Setを選択すると、指定した機器が診断対象として選択される。図6の例では、R3、R4という2つの反応装置をまとめて選択しているため、R3とR4が一つのモジュールとして診断対象になる。R3とR4を個別に診断したい場合は、R3を選択してSetを選択、R4を選択してSetを選択という操作をする。
図7に計測項目抽出手段33の操作画面の例を示す。本実施例では、系統図31のメニューから「計測項目抽出」を選択して実行する。実行すると図8に示すアルゴリズムにより、計測項目を抽出する。具体的なステップを以下に示す。
ステップ1:診断対象選択手段32で選択された診断対象を系統図31から抽出する。例えば、反応装置が選択された場合、図7から反応装置R1からR4が抽出される。
ステップ2:選択された診断対象に接続される計測器を抽出し計測項目をその診断対象の内部データとして格納する。例えば、反応器R1に接続する計測器は、T2,P2,T3,P3であるため、それぞれの計測項目である、「反応器1上部温度」、「反応器1上部圧力」、「反応器2上部温度」、「反応器2上部圧力」を反応器1の内部データと定義する。
ステップ3:各診断対象に接続する上流配管及び下流配管を取得する。例えば、反応器R1の例では、接続する配管は、Pipe1、Pipe2、Pipe3の3つがある。これらの配管のうち、配管属性として定義された流れ方向から、反応器R1の上流側配管としてPipe1を取得し、下流側配管としてPipe2、Pipe3を取得する。
ステップ4:上流側配管、及び下流側配管に設置された計測器を取得し、それぞれの計測項目を入力データ、出力データとして格納する。反応器R1の例では、上流側配管であるPipe1に接続されたF1、P1、T1と下流側配管Pipe2、Pipe3に接続されたF4、P4、T4 、P5、T5が対象となる計測器である。したがって、F1、P1、T1で計測される、「反応器1入口流量1」「反応器1入口圧力」「反応器1入口温度」を入力データとして格納し、F4、P4、T4 、P5、T5で計測される「反応器2入口流量」「反応器2入口圧力」「反応器2入口温度」「反応器1上部出口圧力」「反応器1上部出口温度」を出力データとして格納する。
以上のステップにより、診断対象に関連する基本的な計測項目が抽出される。
計測項目補正手段34では、計測項目抽出手段33で抽出した項目に過不足があった場合に、計測項目を追加、削除する。補正の方法は、データ補正ルール35に示されているため、両者を合わせて説明する。
データ補正ルールの例を図9に示す。データ補正ルールは、計測項目を追加するタイプのルールと削除するタイプのルールがある。データを追加するタイプの例は、No1、No2のルールである。
No1のルールは、データに反応器の圧力の変化量(ΔP)を追加するというルールである。これは、異常の種類によっては、圧力の値自体は、通常のレンジ内にあっても、圧力の変化量が大きくなる場合があるためである。
No2のルールは、機器に接続されたN本の配管のうち、流量情報がN-1に満たない場合、物質収支式から流量情報を補完するというルールである。図7の例では、蒸気のルールに該当する機器は、反応装置R3である。反応装置R3は、Pipe3、Pipe5、Pipe6の3本の配管が接続されているが、流量計が設置されているのは、Pipe6のみであるため、流量情報が2未満である。この場合の流量情報の補足アルゴリズムを図10に示す。本アルゴリズムについて、図7の系統図を例に説明する。
まず、ステップ1で、対象機器の配管のうち、流量情報がない配管を1つ選択する。図7の例では、反応装置R3に接続する配管のうち、流量情報がないのはPipe3,Pipe5であるため、そのうちの1つを選択する。ここでは、Pipe3を選択する。次に、ステップ2で、選択した配管が接続する別の機器を探索する。ここでは、Pipe3に接続する反応装置R1が探索される。そして、ステップ3で、探索された機器に接続する配管全てを抽出する。本例では、Pipe1とPipe2が抽出される。次に、ステップ4で、これらの配管が流量情報があるか判定する。本例では、Pipe1とPipe2ともに流量計が設置されており、流量情報を持っている。したがって、ステップ5に進み、それらの流量情報を対象機器である反応装置R3の計測項目に追加し、終了する。なお、もしPipe1、Pipe2のいずれかに流量情報がなかった場合、ステップ6に進み、他の配管候補があるかを判定する。本例では、Pipe5が残っているため、Pipe5について、ステップ1から処理を進める。以上のようにNo2のルールでは、診断対象に接続している流量情報が不足している場合、他の流量情報を計測項目に追加して診断精度が高くなるような計測項目を設定する。
以上、本実施例では、図7の系統図に関連する2つのルールについて説明したが、ルールはこれらの2つに限定されるものではない。例えば、ルール1に類似するルールとして、機器の電圧や発電機の出力その変化量を追加するというルールもある。
次に、診断用データ作成手段36について説明する。診断用データ作成手段36では、プラントの時系列データである計装データ2を計測項目抽出手段33及び計測項目補正手段34で決定した情報に基づき整理・加工し、診断システム4で利用するための診断用データ37を作成する。
計装データ2の例を図11に示す。計装データ2には、設置された圧力計や温度計の計測値、バルブの開度などの操作条件が記録されている。本実施例では、これらは全て、1秒周期の時系列データである。また、計装データ2には、この時系列データとは別に図12に示す運転条件も記録されている。これは、ある運転条件の開始時刻と終了時刻を記録したものであり、本図と図11の時系列データを組み合わせることで、運転条件がOP1の場合の計測値や操作条件を抽出することができる。なお、本実施例では、運転条件データを図12に示す別テーブルに記録しているが、図11の時系列データに組み込んで記録しても良い。
診断用データ作成手段36では、計装データ2から診断用データを作成するが、動作モードには、学習データ作成モードと判定データ作成モードがある。これは、前述したように、診断システム4が、事前にオフラインで正常データを学習した上で、オンラインで計測されたデータを判定するシステムであるためである。
学習データ作成モードの処理フローを図13に示す。
ステップ1では、計測項目抽出手段33と計測項目補正手段34で決定した情報に基づき、各診断対象の診断に必要な計測項目を過不足なく抽出する。例えば、反応器R3を対象とした場合、計測項目抽出手段33から抽出される計測項目は、図14に示した9個の計測項目である。また、計測項目補正手段34で追加された計測項目は、図15に示した3個の計測項目である。このようにして、12個の計測項目が抽出される。
ステップ2では、学習データの期間とサンプル周期を決定し、図11の計測データから学習データを抽出する。この処理の目的は、正常な状態で変動する計測データを偏り無くかつ、網羅的に集めることである。具体的な期間とサンプル周期の決定方法は、次の通りである。
まず、計装データから正常時の運転条件を全て抽出する。次に抽出した運転条件の各々において、各計測項目の値の最小値と最大値を求める。すなわち、運転条件i(i = 1,..,n)における計測項目j(j = 1,...,m)の最小値をXij_min, 最大値をXij_maxを求める。また、全運転条件における計測項目jの最小値Xj_min, 最大値をXj_maxを求める。
次に、運転条件i(i = 1,..,n)における計測項目j(j = 1,...,m)の変動幅(Xij_max- Xij_min)と全運転条件における計測項目jの変動幅(Xj_max-Xj_min)の比Rijを(式1)で求める。
Rij =(Xij_max- Xij_min)/ (Xj_max-Xj_min) (式1)
このRij(j = 1,...,m)から、学習データ中の運転条件i(i = 1,..,n)の個数NLiを(式2)で求める。
NLi = NL×(Ri1×Ri2×・・・×Rim)^(a/m) (式2)
ここで、NLは、学習データの総数であり、a(1≦a≦m)は調整パラメータである。このようにNLiを決定することで、計測値の変動幅に応じた学習データを抽出することができる。例えば、図16に示すような時系列データがあった場合、期間1や期間3のように、変動幅が少ない期間から抽出する学習データ数は少なくなり、期間2のように変動幅が大きい期間から抽出する学習データ数を多くなる。このようにデータを抽出することで、偏りなくデータを集めることができる。
なお、上記で示した処理は、計測データが全て正しく計測された場合の処理であるが、計測器のトラブルやデータ通信エラーにより、計測項目に異常がない場合でも、計測値が異常値を示したり、欠損する場合が稀にある。このような異常データは、通常、計測データを収集するDCS(Distributed Control System:分散型制御システム)でチェック/選別されるが、計測データに含まれていた場合は、学習データからは除外して処理する。
最後のステップ3では、選択したデータをARTに入力できるように正規化と前処理を実施する。正規化処理では、計測項目jのk番目のデータをXj (k)として、正規化した値NXj(k)を(式3)で求める。
NXj(k)=α+(1−α)×(Xj (k)−Xj_min)/( Xj_max−Xj_min) (式3)
ここで、α(0≦α<0.5)の定数であり、式1によりデータは[α,1−α]の範囲に正規化される。本実施例ではα=0.2とした。
次に、前処理では、正規化したデータNXj(k)の補数であるCNXj(k)を(式4)で計算する、
CNXj(k)=1− NXj(k) (式4)
ARTでは、入力した多次元データ(ベクトルデータ)の方向情報のみで類似度を判別するアルゴリズムであるため、ベクトルの大きさ情報によってもデータを区別したい場合には、このように補数を追加する前処理が必要となる。
以上の手順で作成した学習データを模式的に示したものを図17に示す。本図に示すように、学習データは、正規化された各計測の値NXj(k)とその補数CNXj(k)を各期間毎に集めたデータであり、NL個の2m次元のデータである。
次に、判定データの作成手順について説明する。判定データ手順は、図13に示す学習データの作成手順のステップ3の処理と基本的には同じであり、(式3)と(式4)により、一定時間毎に収集されるオンラインの計測データを変換する。ただし、学習データ作成手順のステップ2で実施したようにデータの欠損などの異常データがあった場合は、判定データからは除外する。また、計測データ自体が異常であったという情報を記録する。
以上のデータ作成手順は、1つの診断対象に対する診断用データの作成手順である。したがって、診断対象が複数あれば、複数の診断用データを作成する。例えば、図7に示した構成の例で、反応装置R1〜R4の4つを対象として選択した場合、4つのARTを構築するため、診断用データ作成手段36では、4セットの診断用データを作成する。
なお、本実施例では、1つの診断対象に対して、1つのARTを利用する方式としたが、1つの診断対象に対して2つのARTを利用する方式としても良い。この場合、第一のARTは前述したARTと同じであり、診断対象に関連する全ての計測項目をARTに入力する。第二のARTは、診断対象に関連する計測項目のうち、入力条件となる計測項目のみを入力する。例えば、図7の反応装置R1の例では、入力条件となる計測項目は、F1、P1、T1で計測された「反応器1入口流量1」「反応器1入口圧力」「反応器1入口温度」である。
このように2つのARTを用いることで、診断の精度を向上させることができる。例えば、第一のARTのみを用いたシステムでは、新しいカテゴリーが発生すると、対象の機器が異常の可能性があるという判定結果を出す。しかしながら、対象の機器が異常なのではなく、これまでに経験したことがない入力条件となった可能性もある。
したがって、入力条件のみを入力した第二のART利用することで、入力データがこれまでの傾向と同じか否かを判別することができ、入力条件の変動なのか対象機器の異常なのかを判別することができる。
このように、診断システム4で2つのARTを用いる場合、診断用データ作成手段36では、第二のART用の診断用データも作成する。具体的には、診断用データ作成手段36で作成したデータのうち、計測項目抽出手段33で診断対象の入力データとして分類されたをものを第二のART用データとする。
以上、診断システム4として、ARTを利用したシステムを例として説明したが、本発明は、適応共鳴理論を利用した診断システムに限定されるものではなく、ニューラルネットワークやベクトル量子化を利用した統計的な診断システムであっても良い。
また、本実施例では、診断データ作成を、計測項目抽出手段と計測項目補正手段の2段階で実施したが、連続して操作をしても良い。
さらに、本実施例では、機器と計器の関係を表すCADデータとして、系統図を利用したが、計器情報が含まれる3D-CADデータを利用しても良い。本願では、系統図とこの3D-CADデータを系統データと呼ぶこととする。
1 プラント
2 計装データ
3 プラント診断データ作成システム
4 診断システム
31 系統図
32 診断対象選択手段
33 計測項目抽出手段
34 計測項目補正手段
35 データ補正ルール
36 診断用データ作成手段
37 診断用データ

Claims (7)

  1. プラントの状態を診断する診断システムで利用するプラント診断用データ作成システムにおいて、
    プラントの構成機器の状態を計測する計測器の接続情報を持つ系統データと、
    前記系統データから診断の対象を選択する診断対象選択手段と、
    前記系統データに含まれる構成機器と計測器の接続情報を利用し、前記診断対象選択手段で選択された診断対象に関連する計測項目を抽出する計測項目抽出手段と、
    データ補正ルールに基づき計測項目を補正する計測項目補正手段と、
    前記計測項目抽出手段で抽出した計測項目情報と前記計測項目補正手段で作成した計測項目の補正情報に基づき、計装データの時系列データから診断用データを作成することを特徴としたプラント診断データ作成システム。
  2. 請求項1記載のプラント診断データシステムにおいて、前記診断対象選択手段が、診断対象のカテゴリーを指定するとそのカテゴリーに属する対象を前記系統データから自動的に抽出することを特徴とするプラント診断データシステム。
  3. 請求項1記載のプラント診断データシステムにおいて、前記診断対象選択手段が、前記系統データでユーザが指定した対象を診断対象として抽出することを特徴とするプラント診断データシステム。
  4. 請求項1から請求項3の何れかに記載のプラント診断データシステムにおいて、前記系統データの情報から、診断対象に関連する計測項目を自動的に抽出し、該診断対象の入力データ、出力データ、中間データの3種類に分類することを特徴とするプラント診断データ作成システム。
  5. 請求項1から請求項4の何れかに記載のプラント診断データシステムにおいて、診断対象に関連する計測データが不足した場合、系統データに記載された構成機器間の接続情報を利用し、不足する情報を補う他の計測項目を自動的に抽出することを特徴とするプラント診断データ作成システム。
  6. プラントの状態を診断するプラント診断システムにおいて、
    プラントの構成機器の状態を計測する計測器の接続情報を持つ系統データと、
    前記系統データから診断の対象を選択する診断対象選択手段と、
    前記系統データに含まれる構成機器と計測器の接続情報を利用し、前記診断対象選択手段で選択された診断対象に関連する計測項目を抽出する計測項目抽出手段と、
    データ補正ルールに基づき計測項目のを補正する計測項目補正手段と、
    前記計測項目抽出手段で抽出した計測項目情報と前記計測項目補正手段で作成した計測項目の補正情報に基づき、計装データの時系列データから多次元の診断用データを作成する診断用データ作成手段を持ち、
    前記診断用データ作成手段で作成された多次元の診断データの相関関係からプラントの異常を診断することを特徴とするプラント診断システム。
  7. 請求項6記載のプラント診断システムにおいて、適応共鳴理論、ベクトル量子化、ニューラルネットワーク、の少なくとも一つを利用することを特徴とするプラント診断システム
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