JP7002427B2 - プラント診断用データ生成システムおよび方法 - Google Patents

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本発明は、プラント診断用データ生成システムおよび方法に関する。
例えば、発電プラント、化学プラント、食品プラント等のプラントは、反応器、タンク、ポンプ、弁等の様々な機器と配管とを含んで構成される。さらにプラントには、温度、圧力、流量、重量等のプロセス値を計測するための計測器も設置されている。それら計測器の計測するプロセス値に基づいて、システムの異常を検知したり、システムの状態を診断したりする技術が知られている(特許文献1,2)。
プラントの状態を診断する技術ではないが、特許文献1には、物理モデルをベースとした故障診断装置が記載されている。特許文献2の方法では、物理モデルに基づいて算出された値と計測器にて実際に計測された値とを比較することにより、排気ガス還流装置の故障を判定する。しかし、物理モデルの作成には手間とコストがかかる。したがって、プラントを構成する多種多様な機器および配管のそれぞれについて物理モデルを作成するのは、コストの点で現実的ではない。
特許文献2には、統計モデルをベースとした診断システムが記載されている。特許文献2の方法では、統計的な手法に基づいて、異常検出用のデータを作成する。統計モデルは、対象とするプラントおよび機器に固有の物理現象に依存することなく、汎用的に作成できる。したがって、特許文献2の方法は、物理モデルを使用する特許文献1の方法に比べると、短時間で診断システムを構築可能である。
しかし、一般にプラントは、多種多様な機器および配管と、計測器とを含む。プラントの規模が大きくなるほど、プラントに設置される計測器の数も増大し、各計測器で計測されたデータ間の依存性も増加する。したがって、特許文献2の方法にしたがって、プラント全体の計測データをまとめて統計処理した場合には、異常の検知または状態診断の精度が低下するおそれがある。
かかる問題を解決すべく特許文献3では、プラント全体の計測データをまとめて処理するのではなく、診断対象の機器にのみ注目する。特許文献3の技術では、診断対象の機器へ流入する計測データと診断対象の機器から流出する計測データとをまとめて処理することにより、異常の検知または状態診断の精度を向上させる。
特開2005-256781号公報 特開2013-61853号公報 特開2015-230576号公報
特許文献3に記載の技術を用いることにより、比較的大規模なプラントであっても、プラントの診断システムを容易に構築することができる。一方、実際のプラントでは、計測器は機器から離れた位置に設置されることが多いため、計測器の出力する計測データは、対象とする機器に流入または流出する実際の値と一致しないことがある。
特許文献3では、計測器が対象の機器から離れた位置に設置されている場合、診断システムを構築する担当者が、プラントに対する知識および経験をもとにして、計測データの中から診断に必要なプロセス値を取得する必要があった。したがって、特許文献3の技術は、プラントの規模が大きくなるほど、診断に必要なプロセス値を得るのが難しくなり、プラント診断システムの構築に時間がかかる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、その目的は、容易にプラント診断用データを作成することができるようにしたプラント診断用データ生成システムおよび方法を提供することにある。
上記課題を解決すべく、本発明に従う、プラントの状態を診断する診断システムで利用されるプラント診断用データ生成システムは、プラントを構成する各要素の情報を記憶するプラント構成管理情報に基づいて、各要素の接続関係を示す接続関係情報を生成する接続関係生成部と、要素の種別とプロセス値の種類とに応じて、要素についてのプロセス値を推定するためのプロセス値推定ルールを生成する推定ルール生成部と、プラントに設けられた計測器からの計測データと、接続関係情報と、プロセス値推定ルールとに基づいて、要素についてのプロセス値を推定するプロセス値推定部と、各要素の中から選択される診断対象要素について、プロセス値推定部により推定されたプロセス値を取得し、取得されたプロセス値を診断用データとして出力する診断用データ生成部と、を備える。
本発明によれば、プラントを構成する各要素のプロセス値を推定することができるため、計測器と対象の要素とが離れている場合にも、プラント診断用データを生成することができ、使い勝手が向上する。
プラント診断用データ生成システムの概略を示す機能構成図である。 プラントの構成例の一部である。 プラントを構成する機器および配管のリストである。 プラントの配管のリストである。 プラントの計装信号線のリストである。 プラントの機器および配管の接続関係を模式的に示す説明図である。 プロセス値を推定するルールの例である。 プロセス値の推定例を示す説明図である。 推定プロセス値の例である。 診断用データの例である。 プロセス値を推定する処理を示すフローチャートである。 第2実施例に係り、プラント診断用データ生成システムの概略を示す機能構成図である。 プロセス値の推定結果の表示例を示す説明図である。 第3実施例に係り、プラント診断用データ生成システムの概略を示す機能構成図である。 プラントの構成例の一部である。 流量の推定結果が不完全であることを示す説明図である。 診断対象機器と診断対象機器に隣接する他の機器とを結合させたものとして一体化して取り扱う様子を示す説明図である。 第4実施例に係り、プロセス値の推定処理のフローチャートである。 プロセス値推定ルールを管理するテーブルを示す。 第5実施例に係り、プラント診断用データ生成システムの概略を示す機能構成図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態に係るプラント診断用データ生成システムは、後述のように、プラントに設置された計測器から得られる計測データと物理法則とプラントの構成とに基づいて、プラントの各箇所におけるプロセス値を推定する。
本実施形態に係るプラントデータ解析システムは、機器および配管の仕様と、機器および配管間の接続関係を定義する情報とが記述されているプラント系統図から、機器と配管と計測器の接続関係を定義する情報を生成する。さらに、プラント診断用データ生成システムは、機器および配管の種類毎に、かつプロセス値の種別毎に、プロセス値の推定ルールを生成する。プロセス値を推定するルールは、例えば、物質収支、エネルギ収支、運動量収支と、熱力学的関係(等圧、等温、断熱変化等)とに基づいて生成される。
さらに、プラント診断用データ生成システムは、プラントに設置された計測器(例えば、温度計、圧力計、流量計等)により計測された時系列データである計測データと、機器および配管の接続関係と、プロセス値推定ルールとに基づいて、機器および配管のプロセス値を推定する。そして、プラント診断用データ生成システムは、機器および配管の推定されたプロセス値と、プラント系統図から選択される診断対象機器とに基づいて、診断対象機器に流入または流出するプロセス値を取得し、取得したプロセス値を診断用データとして出力する。
このように構成される本実施形態によれば、容易かつ効率的に、プラント診断用データを生成できる。本実施形態によれば、プラントの規模が大きく、計測器と計測器の対象とする機器または配管とが離れている場合であっても、診断対象機器に関するプロセス値を推定することができ、診断用データを容易に生成できる。
以下の実施例では、化学プラントを例に挙げて説明するが、本実施形態は化学プラント以外の他のプラントにも適用可能である。例えば、発電プラント、製鉄プラント、食品プラント等の多くは、原材料または燃料を取り扱う構成を含んでいるため、少なくともそれら流体を扱う構成については、本実施形態を適用できる。
以下では、プラントを診断するシステムに入力するための診断データを生成するシステムとして説明するが、本実施形態はプラント診断用データ生成システムに限らず、プラントの診断を支援するプラント診断支援システムとして利用することもできる。
図1~図11を用いて第1実施例を説明する。図1は、本実施例に係るプラント診断用データ生成システム1を含む全体システムの概略構成図である。
この全体システムは、例えば、プラント診断用データ生成システム1と、プラント2からの計測データを記憶する計測データ記憶部3と、プラント2の系統図を記憶するプラント系統図記憶部4と、プラント2の状態を診断する診断システム5とを含む。
ここでのプラント2は、複数の機器および配管を含む化学プラントである。計測データ記憶部3は、プラント2の機器および配管に設置された各計測器により計測された時系列データである計測データD3を記憶する。
計測データ記憶部3は、例えば、出力機能を持つ記録計、出力機能を持つデータロガーのように構成されてもよいし、それら以外の構成でもよい。計測データ記憶部3は、計測データD3を長期間記憶する装置として構成される必要はない。計測データ記憶部3は、計測器からの計測データD3をプラント診断用データ生成システム1へ伝送するための一時的な装置であってもよい。計測器とプラント診断用データ生成システム1との間に設けられ、計測データD3の伝送に使用される回路、例えば、信号リレー、スイッチ、入出力回路、通信回路等を、計測データ記憶部3としてもよい。
計測器には、後述のように、例えば、流量計(FS)、圧力計(PS)、温度計(TS)等が含まれる。これら以外の計測器であってもよい。
プラント系統図記憶部4は、プラント系統図D4を記憶する装置である。プラント系統図D4には、例えば、機器および配管の仕様を定義する情報と、機器および配管間の接続関係を定義する情報とが記述されている。プラント系統図D4の例は後述する。
プラント診断用データ生成システム1の機能構成を説明する。プラント診断用データ生成システム1をシステム1と略記する場合がある。
プラント診断用データ生成システム1は、入力された計測データとプラント系統図とプロセス値推定ルールとによって、診断対象機器のプロセス値を取得し、取得したプロセス値を診断用データの一部または全部として診断システム5に入力する。診断システム5は、プラント診断用データ生成システム1から入力された診断用データに基づいて、プラント2の状態が正常であるか判定し、異常と判定した場合にはその原因を推定する。
プラント診断用データ生成システム1は、例えば、マイクロプロセッサ、主記憶装置、補助記憶装置、入出力回路、通信回路、ユーザインターフェース装置(いずれも不図示)等を備えるコンピュータシステムを用いて構成することができる。
汎用のコンピュータシステムに所定のコンピュータプログラムを搭載することにより、システム1を構成してもよいし、専用のハードウェア回路と所定のコンピュータプログラムとからシステム1を構成してもよい。さらに、システム1は、プラント2を管理する管理事務所等に設けられてもよいし、通信ネットワーク上に設けられてもよい。システム1を通信ネットワーク上に設ける場合、システム1はプラント2から離れた場所に存在してもよい。さらに、システム1をいわゆるクラウドコンピューティングシステムとして構築する場合は、一つのシステム1によって、複数のプラント2の診断用データを生成することもできる。
プラント診断用データ生成システム1は、それぞれ後述するように、接続関係生成部11と、接続関係記憶部12と、推定ルール生成部13と、プロセス値推定ルール記憶部14と、プロセス値推定部15と、推定プロセス値記憶部16と、診断対象選択部17と、診断対象機器リスト記憶部18と、診断用データ生成部19と、診断用データ記憶部20とを含む。後述する実施例のように、システム1は、上述した各機能11~20以外の他の機能をさらに含んでもよい。上述した各機能11~20の少なくとも一部の機能を複数の機能に分割したり、あるいは、少なくとも一部の複数の機能を一つの機能として統合したりしてもよい。
接続関係生成部11は、入力されたプラント系統図D4に基づいて、接続関係D12を生成する。ここで先にプラント系統図D4の例を図2~図5を用いて説明する。
図2は、プラント2の機器および配管の構成の一部を抜粋した例である。図中の符号「R1」は反応器を、符号「FS」は流量計を、符号「PS」は圧力計を、符号「TS」は温度計を、符号「PP」はポンプを、符号「V」は弁を、それぞれ示す。符号「PL」は配管を示し、符号「SL」は計装信号線を示す。符号「IN」は原材料の供給口を示し、符号「TK」はタンクを示す。
プラント系統図D4は、機器および配管の仕様と、機器および配管間の接続関係とを定義する情報として、例えば、図3で後述するプラント構成機器リスト41と、図4で後述する配管リスト42と、図5で後述する計装信号線リスト43とを持つ。
図3は、プラント2の構成機器を管理するプラント構成機器リスト41を示す。プラント構成機器リスト41は、プラント2に含まれる機器、弁、計測器のリストである。ここでは、機器、弁、計測器の総称として「構成機器」と呼ぶ。構成機器と配管および計装信号線は、「プラントの構成要素」に対応する。
構成機器リスト41は、例えば、プラント2の構成機器を識別するためのタグ名411と、構成機器の種別412と、構成機器の仕様413とを有する。構成機器リスト41は、これらの項目411~413以外の項目を含んでもよい。なお、構成機器には、図3に示したもの以外に、例えばレデューサ等の配管継ぎ手、分岐等が含まれてもよい。
図4は、プラント2に含まれる配管を管理するリスト42を示す。配管リスト42は、例えば、配管を識別するためのタグ名421と、配管の上流側に接続されている機器のタグ名422と、配管の下流側に接続されている機器のタグ名423と、配管を流れる流体の種類424と、各配管の仕様425とを含む。配管の仕様としては、例えば口径、配管長さ、肉厚、部材種類、断熱材厚み、断熱材部材種類等が記述されてもよい。
図5は、プラント2に設置された計装信号線を管理するリスト43を示す。計装信号線とは、計測器と計測対象である機器との間、または計測器と計測対象である配管との間に設置された信号線である。計装信号線は、計測器に入力するための信号(空気圧、液圧、流速等)を伝達する。計装信号線リスト43は、例えば、計測対象の機器および配管のタグ名431と、計装信号線の始端432と、計装信号線の終端433とを含む。計装信号線の両端部に接続された要素は、タグ名として設定されている。
接続関係生成部11により生成され、接続関係記憶部12に記憶される接続関係D12は、構成機器間の接続関係、構成機器と配管との接続関係、配管と配管の接続関係を定義する情報である。
接続関係生成部11は、例えば、グラフ理論に基づき、接続関係を有向グラフとして表現する。有向グラフは、頂点と向きを持つ辺の集合として構成される。例えば鉄道の路線図を例に挙げて説明すると、有向グラフとは、駅と駅とのつながり方を、頂点(駅)とそれらを結ぶ辺(線路)として抽象化した概念である。
図6は、図2に示した機器および配管の構成例に対応する接続関係の例を示す。図6では、プラント2の構成機器や配管の接続関係は、有向グラフとして表現されている。図6では、構成機器を頂点(図6中の丸)として定義し、配管を辺(図6中の矢印)として定義している。
辺の向きは、配管の上流から下流に向かう向きと一致する。各辺は、その上流および下流において必ず一つの頂点と接続されている。一つの配管は、配管上に設置された弁または計測器によって分割されており、複数の辺として定義される。例えば、図6において配管PL1は、温度計TS1および弁V1において分割されており、配管PL1-1、配管PL1-2、配管PL1-3という3つの辺として定義される。
推定ルール生成部13は、プラント系統図D4を入力として、プロセス値推定ルールD14を生成する。生成されたプロセス値推定ルールD14は、プロセス値推定ルール記憶部14に格納される。
プロセス値推定ルールD14は、機器および配管に計測器が設置されていない場合にプロセス値を推定するためのルールである。プロセス値推定ルールD14は、構成機器、配管の種別、およびプロセス値の種別ごとに、所定の法則に基づいて定義される。所定の法則には、例えば、物質収支、エネルギ収支、運動量収支がある。さらに、所定の法則には、等圧変化、等温変化、断熱変化等の熱力学的関係も含まれる。
図7は、プロセス値推定ルール記憶部14の記憶例である。プロセス値推定ルール記憶部14は、例えば、推定対象の種別141と、少なくとも一つのプロセス値を推定するルール142,143,144とを含む。ここでは、流量推定ルール142、圧力推定ルール143、温度推定ルール144を例示する。
図8の構成例とプロセス値推定ルールとにより、図7に記載の反応器のプロセス値を推定する方法を説明する。
図7では、反応器の流量推定ルール142は「物質収支」として定義されている。このルール142は、反応器へ流入する流体の流量と反応器から流出する流量とが等しいという関係を示す。図8において、反応器R1に流入する流体および反応器R1から流出する流体の、流量F1,F2,F3,F4の間には、以下の式(1)が成り立つ。
F1+F3=F2+F4・・・(式1)
4つのプロセス値(流量)F1,F2,F3,F4のうちいずれか3つのプロセス値が既知であり、残り1つのプロセス値が未知である場合、上述の式(1)から未知のプロセス値を推定することができる。
図7では、反応器の圧力推定ルール143は、「等圧変化」として定義されている。このルール143は、反応器R1内の圧力はほぼ一定であることを示す。すなわち、反応器R1へ流入する流体の圧力と、反応器R1から流出する流体の圧力とが等しいという関係を示す。図8において、反応器R1へ流入する流体または反応器R1から流出する流体の、圧力P1,P2,P3,P4の間には、以下の式(2)が成り立つ。
P1=P2=P3=P4・・・(式2)
4つのプロセス値(圧力)P1,P2,P3,P4のうちいずれか1つのプロセス値が未知であり、残り3つのプロセス値が既知である場合、式(2)から未知のプロセス値を推定可能である。
図7では、反応器の温度推定ルール144は、「流出側温度が共通」として定義されている。このルール144は、反応器R1から流出する流体の温度は等しいという関係を示している。図8において、反応器R1から流出する流体の温度T2,T4に関して、以下の式(3)が成り立つ。
T2=T4・・・(式3)
プロセス値(温度)T2,T4のうちいずれか1つのプロセス値が既知であり、残りの1つのプロセス値が未知である場合、式(3)から未知のプロセス値を推定できる。
図7に記載の「配管」のプロセス値を推定する方法を、図8を用いて説明する。図7において、配管の流量推定ルール142は「物質収支」として定義されている。このルール142は、配管へ流入する流体の流量と反応器から流出する流量とが等しいという関係を示す。したがって、図8において、配管PL2-1へ流入する流体または配管PL2-1から流出する、流体の流量F1,F5に関して以下の式(4)が成り立つ。
F2=F5・・・(式4)
プロセス値(流量)F1,F5のうちいずれか1つのプロセス値が既知であり、残りの1つのプロセス値が未知である場合、式(4)から未知のプロセス値を推定することができる。
図7では「配管」の圧力推定ルール143は、「等圧変化」として定義されている。このルール143は、配管内の圧力はほぼ一定である関係を示す。すなわち、配管に流入する流体の圧力と、配管から流出する流体の圧力とが等しいという関係である。図8において、配管PL2-1へ流入または流出する、流体の圧力P1,P5に関して以下の式(5)が成り立つ。
P2=P5・・・(式5)
プロセス値(圧力)P1,P5のうちいずれか1つのプロセス値が既知であり、残りの一つのプロセス値が未知である場合、式(5)から未知のプロセス値を推定できる。図7において、配管の詳細仕様として、口径および配管長が既知である場合は、これらの配管詳細仕様から配管で生じる圧力損失ΔPを計算することができる。そして、算出した圧力損失ΔPを用いることにより、式(5)を式(6)に書き換えることができる。
P5=P2-ΔP・・・(式6)
図7では「配管」の温度推定ルール144は、「等温変化」として定義されている。このルール144は、配管内の温度はほぼ一定であることを示す。すなわち配管へ流入する流体の温度と、配管から流出する流体の温度とが等しいという関係である。図8において、配管PL2-1へ流入または流出する、流体の温度T1,T5に関して以下の式(7)が成り立つ。
T2=T5・・・(式7)
プロセス値(温度)T1,T5のうちいずれか1つのプロセス値が既知であり、残りの一つのプロセス値が未知である場合、式(7)から未知のプロセス値を推定することができる。図7において、配管の詳細仕様として、口径、配管長さ、肉厚、部材種類、断熱材厚み、断熱材部材種類が既知である場合は、これらの配管詳細仕様に基づき、配管の放熱に伴う温度降下ΔTを計算することができる。そして、算出した温度降下ΔTを用いることにより、式(7)を式(8)へ書き換えることができる。
T5=T2-ΔT・・・(式8)
図1に示すプロセス値推定部15は、計測データD3と接続関係D4とプロセス値推定ルールD14とに基づいて、機器および配管のプロセス値を推定し、推定プロセス値D15として出力する。推定プロセス値は、プロセス値の推定値であり、プロセス値推定値と呼ぶこともできる。プロセス値推定部15の推定方法は、図11で後述する。
図9は、推定プロセス値を記憶する推定プロセス値記憶部16の例である。推定プロセス値記憶部16は、例えば、配管の識別情報161(配管161とも呼ぶ)、流量162、圧力163、温度164とを対応付けて管理する。各プロセス値162,163,164には、配管の流入側および流出側の値がそれぞれ設定されている。すなわち、推定プロセス値には、図6に示す接続関係の辺(配管)を基本単位として、各辺の流入側および流出側の推定値が記述されている。
ここで、構成機器に流入または流出するプロセス値は、図6において構成機器に接続する辺のプロセス値から取得する。例えば、弁V1に流入する流体のプロセス値は、弁V1に上流側で接続する配管PL1-2の流出側のプロセス値に等しい。同様に、弁V1から流出するプロセス値は、弁V1に下流側で接続する配管PL1-3の流入側のプロセス値に等しい。
図1に示す診断対象選択部17は、システム1のユーザからの指示とプラント系統図D4とに基づいて、診断システム5で診断される機器を選択し、診断対象機器リストD18として出力する。診断対象機器リストD18は、診断対象機器リスト記憶部18に記憶される。診断対象機器リストD18は、診断対象機器リスト記憶部18を介して、診断用データ生成部19に入力される。
診断対象の機器を選択する方法として、例えば、反応器、ポンプ等の機器の種別を指定することができる。この場合、指定された種別に属する全ての機器が診断対象として選択される。診断対象の機器を選択する際に、プラント系統図の範囲を制限してもよい。すなわち、プラント2の所定範囲内に位置する所定種別の機器だけを診断対象として抽出してもよい。あるいは、プラント2の所定範囲内に位置する全種別の機器を診断対象として抽出してもよい。
図1に示す診断用データ生成部19は、推定プロセス値D15と診断対象機器リストD18とに基づいて、診断対象機器に流入または流出するプロセス値を取得し、診断用データD20として出力する。
診断対象機器に流入または流出するプロセス値は、診断対象機器に接続された辺のプロセス値から取得する。例えば、図6の例では、反応器R1に流入する流体のプロセス値は、反応器R1に上流側で接続する配管PL1-3および配管PL3-4の、流出側のプロセス値に等しい。反応器R1から流出する流体のプロセス値は、反応器R1に下流側で接続する配管PL2-1および配管PL4-1の、流入側のプロセス値に等しい。
図10は、診断用データ記憶部20の記憶例である。図10に示す診断用データD20は、診断対象機器として反応器R1およびポンプPP1を選択した場合を示す。診断用データD20は、例えば、診断対象となる機器の識別情報201、流入側または流出側のいずれを診断するかの区別202、診断対象機器に接続された配管の識別情報203、プロセス値204,205,206から構成される。ここでのプロセス値は、流量204、圧力205、温度206であるが、これら以外のプロセス値でもよい。
以上が、プラント診断用データ生成システム1の構成である。次に、プロセス値推定部15の処理の内容を詳細に説明する。
図11は、プロセス値を推定する処理を示すフローチャートである。ステップS10(計測値取得過程)として、プロセス値推定部15は、推定対象のプロセス値を測定している計測器を接続関係D12から抽出し、抽出された計測器に対応する計測値を計測データD3から取得する。
ステップS11(計測値を設定する過程)として、プロセス値推定部15は、計測器に接続する配管を接続関係D12から取得し、計測値を設定する。図6の例で温度を推定する場合、プロセス値推定部15は、温度計TS1について、その温度計TS1に隣接する配管PL1-1と配管PL1-2とを取得する。そして、プロセス値推定部15は、配管PL1-1の流出側温度と配管PL1-2の流入側温度とに、温度計TS1の計測値(温度)を設定する。
ステップS12(配管を登録する過程)として、プロセス値推定部15は、計測器に接続する配管を推定対象要素リストに登録する。例えば、図6において温度を推定する場合、温度計TS1に接続される配管PL1-1および配管PL1-2と、温度計TS2に接続される配管PL3-2および配管PL3-3と、温度計TS3に接続される配管PL4-1および配管PL4-2とが、推定対象要素リストにそれぞれ登録される。
ステップS13(推定対象要素を取り出す過程)として、プロセス値推定部15は、推定対象要素リストに登録された推定対象要素の中から推定対象要素を一つ取り出す。
ステップS14(推定ルールの適用可否を判定する過程)として、プロセス値推定部15は、ステップS13で取り出された推定対象要素にプロセス値推定ルールを適用可能であるか否かを判定する。
ステップS14の判定結果がYESならば、ステップS15(推定ルールを適用する過程)へ進む。ステップS14の判定結果がNOの場合は、ステップS13へ戻り、他の推定対象要素を選択する。
プロセス値推定ルールを適用できる条件とは、例えば、推定対象要素の推定対象プロセス値についての推定ルールD14が存在しており、かつ、その推定ルールD14を適用するための前提条件を満足する場合である。
例えば、図6において、推定対象要素が反応器R1であり、温度を推定する場合は、上述した式(3)が推定ルールとなる。式(3)に示す推定ルールを適用するためには、反応器R1の下流側に接続されている2本の配管PL2-1,PL4-1のうち、いずれか一方の配管の温度が推定済みであるという条件を満足する必要がある。
ステップS15(推定ルールを適用する過程)として、プロセス値推定部15は、推定対象要素にプロセス値推定ルールD14を適用し、プロセス値を推定する。例えば、上記の例では、配管PL4-1の上流側温度T4が推定済みの場合、式(3)に基づいて配管PL2-1の上流側温度T2を推定する。
ステップS16(接続要素を登録する過程)として、プロセス値推定部15は、接続関係D12から、推定対象要素に接続される頂点あるいは辺を取得する。そして、プロセス値推定部15は、取得した頂点または辺の中から、ステップS15にてプロセス値推定ルールを適用した要素を推定対象要素リストに登録する。
上記の例では、反応器R1に接続する辺(配管)は配管PL1-3、PL2-1,PL3-4,PL4-1であり、ステップS15において式(3)より配管PL2-1の上流側温度を推定したとする。この場合、プロセス値推定部15は、配管PL2-1を推定対象要素リストに登録する。
ステップS17(推定処理の終了を判定する過程)として、プロセス値推定部15は、推定対象要素リストに推定対象要素が含まれているか否かを判定する。ステップS17の判定結果がYESならば、ステップS13へ戻り、NOの場合は本処理を終了する。
このように本実施例では、計測器を起点として、隣接する頂点あるいは辺に対してプロセス値推定ルールを順次適用することにより、プロセス値を推定する。プロセス値を推定する対象は、計測器を起点として上流側および下流側へそれぞれ伝播していき、プラント2を構成する機器および配管のうち、プロセス値推定ルールを適用可能な機器および配管に対するプロセス値が自動的に推定される。
これにより、本実施例に係るプラントデータ解析システム1は、計測器が機器から離れた位置に設置されている場合であっても、プラント系統図D4と計測データD3とから診断対象の機器に流入・流出するプロセス値D15を自動的に取得することができる。
本実施例では、プロセス値推定部15は、時間的に変化しないプロセス値を推定したが、これに限らず時間的に変化するプロセス値を推定してもよい。その場合、プロセス値を推定する時間範囲に対して一定の時間間隔で時間を進行させ、各時刻において図11に示したプロセス値推定処理を適用すればよい。
このように構成される本実施例によれば、プラント2の規模が大きく、かつ計測器が機器から離れた位置に設置されている場合でも、プラント系統図D4と計測データD3とから、診断対象の機器に流入または流出するプロセス値を自動的に取得することができ、プラント2の診断システム5の稼働を支援することができる。
図12,図13を用いて第2実施例を説明する。本実施例を含む以下の各実施例は、第1実施例の変形例に相当するため、第1実施例との相違を中心に述べる。
図12は、プラント診断用データ生成システム1Aの機能構成を示す。本システム1Aは、図1に示すシステム1に比べて、推定プロセス値を出力する推定プロセス値出力部21をさらに備える。
推定プロセス値出力部21は、例えばディスプレイ等の表示装置を備えており、プラント系統図D4と推定プロセス値D15とが入力される。推定プロセス値出力部21は、プロセス値の推定結果を表示装置に出力する。表示装置は、ディスプレイに限らず、プリンタ、音声合成装置、仮想ディスプレイ等を含んでもよい。
図13を用いて、推定プロセス値出力部21の出力内容を説明する。推定プロセス値出力部21は、推定プロセス値D15に基づいて、各機器および配管のプロセス値が確定したか否かを、プラント系統図D2とともに表示装置へ出力する。
図13は、図2に示した機器および配管構成例に対して圧力を推定し、推定プロセス値出力部21により、圧力推定結果を表示装置に出力した例である。図13において、プロセス値推定により圧力が確定した配管は太線で表示されており、圧力が確定していない配管は点線で表示されている。
機器および弁について、圧力が確定した部位(配管との接続位置)は黒丸で表示されており、圧力が確定していない部位は白丸で表示されている。
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに、本実施例では、ユーザは、推定プロセス値出力部21が表示装置に出力した結果に基づいて、プロセス値が確定していない機器および配管を容易に確認することができる。これによりユーザは、推定プロセス値出力部21の出力結果に基づいて、プラント2へ追加する計測器の種類および位置を検討することができ、使い勝手が向上する。
図14~図17を用いて第3実施例を説明する。図14は、プラント診断用データ生成システム1Bの機能構成図である。本システム1Bは、機器組合せ検討部22を備える点で図1のシステム1と異なる。
機器組合せ検討部22は、ディスプレイ等の表示装置を備えており、接続関係D12と推定プロセス値D15とが入力される。機器組合せ検討部22は、診断対象の機器単体では当該機器へ流入または流出するプロセス値を取得できない場合に、当該機器に隣接する他の機器との結合を検討する。すなわち、機器組合せ検討部22は、複数の機器を結合させてなる結合単位で、プロセス値を取得できる機器の組み合わせを検討し、それら機器の組み合わせを表示装置に出力する。換言すれば、機器組合せ検討部22は、プロセス値を推定するための仮想的な機器(結合単位)についてシミュレーションする。
図15~図17を用いて、機器組合せ検討部22の処理内容の例を説明する。図15は、化学プラントの機器および配管構成の一部を抜粋した例である。図16は、図15に示した機器および配管構成例に対して、流量を推定した結果である。
図16において、プロセス値推定により流量が確定した配管は太線で表示されており、流量が確定していない配管は点線で表示されている。機器または弁に対して、流量が確定した部位(配管との接続位置)は黒丸で表示されており、流量が確定していない部位は白丸で表示されている。図16に点線および白丸で示すように、反応器R1と熱交換器HE1とに流入または流出する流量の一部が取得できない。
そこで、機器組合せ検討部22は、このように診断対象機器R1単体では、当該機器R1へ流入または流出する流体のプロセス値を取得できない場合に、診断対象機器R1に隣接する他の機器HE1と診断対象機器R1とを結合させることにより、結合単位でプロセス値を取得できるか検討する。すなわち、機器組合せ検討部22は、診断対象機器を含む仮想的な機器を想定し、求めるプロセス値を推定可能か判定する。
図17に示すように、反応器R1と熱交換器HE1とを結合させて一つの機器として取り扱うことにより、その仮想的な機器(結合単位)へ流入または流出する流体の流量を推定することができる。そして、機器組合せ検討部22は、図17に示すように、プロセス値の推定が可能となる機器の組合せ(結合単位)を表示装置へ表示させる。
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに本実施例では、診断対象機器単体ではプロセス値を取得できない場合でも、隣接機器と結合させて仮想的に一つの機器として取り扱うことができ、結合させる機器の組合せをユーザへ提示することができる。これにより、プロセス値の推定漏れを無くして、診断システム5による診断精度または異常検知の精度を高めることができる。そして、ユーザは、機器の組合せを確認できるため、計測器の設置計画の立案等に活かすことができ、使い勝手が向上する。本実施例は、第1実施例と組み合わせることができるほかに、第2実施例とも組み合わせることができる。
図18,図19を用いて第4実施例を説明する。本実施例では、プロセス値推定ルールD15が複数存在する場合に、既知のデータD12,D3で使用可能なプロセス値推定ルールD15を選択する(S20)。
図18は、本実施例によるプロセス値推定処理を示すフローチャートである。図18の処理は、図11で述べた処理に比べて、新規なステップS20を有する。このステップS20は、例えば、ステップS14の次であって、ステップS15の前に設けられる。
プロセス値推定部15は、リストから取り出された推定対象要素に対してプロセス値推定ルールを適用であると判断すると(S14:YES)、その推定ルールが既知の接続関係D12および計測データD3で使用可能か判断する(S20)。既知のデータD12,D3で使用可能な推定ルールである場合(S20:YES)、プロセス値推定部15は、その推定ルールを用いてプロセス値を推定する(S15)。これに対し、その推定ルールを既知のデータD12,D3だけでは使用できない場合(S20:NO)、ステップS13へ戻る。
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに本実施例では、既知のデータD12,D3で使用可能な推定ルールを選択するため、診断対象機器の対象のプロセス値についてプロセス値推定ルールが複数存在する場合に、使い勝手が向上する。本実施例は、第1実施例と組み合わせることができるほかに、第2,第3実施例のいずれとも組み合わせることができる。
図20を用いて第5実施例を説明する。本実施例のプラント診断用データ生成システム1Cは、第2実施例で述べたシステム1Aに対して、さらに現地調査指示部23を備えている。
推定プロセス値出力部21は、現地調査指示部23に対して、プロセス値の推定結果を出力する。現地調査指示部23は、推定プロセス値出力部21の推定結果に基づいて、ユーザまたはドローン、ロボット等に指示を出すことにより、プロセス値が推定されていない箇所を現地調査させる。
現地調査指示部23からの指示を受けたユーザは、指示された箇所に出向いて実際のプロセス値を計測し、その結果を計測データ記憶部3へ記憶させることができる。あるいは、現地調査指示部23からの指示を受けたユーザは、計測器を搭載したドローンまたはロボットを指示された箇所へ派遣することにより、実際のプロセス値を計測させることもできる。
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに本実施例では、プロセス値が確定していない箇所の現地調査を指示することができるため、使い勝手が向上する。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。当業者であれば、本発明の範囲内で、種々の追加や変更等を行うことができる。上述の実施形態において、添付図面に図示した構成例に限定されない。本発明の目的を達成する範囲内で、実施形態の構成や処理方法は適宜変更することが可能である。
また、本発明の各構成要素は、任意に取捨選択することができ、取捨選択した構成を具備する発明も本発明に含まれる。さらに特許請求の範囲に記載された構成は、特許請求の範囲で明示している組合せ以外にも組み合わせることができる。
本実施形態は、以下のようにコンピュータプログラムまたはコンピュータプログラムを記憶した記憶媒体として表現することもできる。
「計算機を、プラントの状態を診断する診断システムで利用されるプラント診断用データを作成するシステムとして機能させるコンピュータプログラムであって、
前記計算機に、
前記プラントを構成する各要素の情報を記憶するプラント構成管理情報に基づいて、前記各要素の接続関係を示す接続関係情報を生成する接続関係生成部と、
要素の種別とプロセス値の種類とに応じて、前記要素についての前記プロセス値を推定するためのプロセス値推定ルールを生成する推定ルール生成部と、
前記プラントに設けられた計測器からの計測データと、前記接続関係情報と、前記プロセス値推定ルールとに基づいて、前記要素についてのプロセス値を推定するプロセス値推定部と、
前記各要素の中から選択される診断対象要素について、前記プロセス値推定部により推定されたプロセス値を取得し、前記取得されたプロセス値を診断用データとして出力する診断用データ生成部と、
を実現させるコンピュータプログラム。」
1,1A,1B,1C:プラント診断用データ生成システム、2:プラント、3:計測データ記憶部、4:プラント系統図記憶部、5:診断システム、11:接続関係生成部、12:接続関係記憶部、13:プロセス値推定ルール生成部、14:プロセス値推定ルール記憶部、15:プロセス値推定部、16:推定プロセス値記憶部、17:診断対象選択部、18:診断対象機器リスト記憶部、19:診断用データ生成部、20:診断用データ記憶部、21:推定プロセス値出力部、22:機器組合せ検討部、23:現地調査指示部

Claims (8)

  1. プラントの状態を診断する診断システムで利用されるプラント診断用データを作成するシステムであって、
    前記プラントを構成する各要素の情報を記憶するプラント構成管理情報に基づいて、前記各要素の接続関係を示す接続関係情報を生成する接続関係生成部と、
    要素の種別とプロセス値の種類とに応じて、前記要素についての前記プロセス値を推定するためのプロセス値推定ルールを生成する推定ルール生成部と、
    前記プラントに設けられた計測器からの計測データと、前記接続関係情報と、前記プロセス値推定ルールとに基づいて、前記要素についてのプロセス値を推定するプロセス値推定部と、
    前記各要素の中から選択される診断対象要素について、前記プロセス値推定部により推定されたプロセス値を取得し、前記取得されたプロセス値を診断用データとして出力する診断用データ生成部と、
    を備えるプラント診断用データ生成システム。
  2. 前記プロセス値推定部により推定されたプロセス値を出力する推定プロセス値出力部をさらに備える、
    請求項1に記載のプラント診断用データ生成システム。
  3. 前記診断対象要素についてのプロセス値を推定できない場合に、前記診断対象要素に隣接して接続された他の要素と前記診断対象要素とを結合させて成る新たな診断対象要素をを想定することにより、前記新たな診断対象要素についてのプロセス値の推定が可能か検討する検討部をさらに備える、
    請求項1に記載のプラント診断用データ生成システム。
  4. 前記プロセス値推定部は、前記計測器を起点とし、前記計測器に接続された要素から順に前記プロセス値を推定する、
    請求項1~3のいずれか一項に記載のプラント診断用データ生成システム。
  5. 前記プロセス値推定ルールは、物質、エネルギ、運動量収支、熱力学的関係の少なくともいずれか一つに基づいて前記プロセス値を推定する、
    請求項1に記載のプラント診断用データ生成システム。
  6. 前記プロセス値推定部は、前記プロセス値推定ルールが複数ある場合に、既知の前記計測データおよび既知の前記接続関係情報とに基づいて使用可能なプロセス値推定ルールを選択する、
    請求項1に記載のプラント診断用データ生成システム。
  7. 前記推定プロセス値出力部からの出力に基づいて、前記推定されたプロセス値に関する要素の調査を指示する調査指示部をさらに備える、
    請求項2に記載のプラント診断用データ生成システム。
  8. プラントの状態を診断する診断システムで利用されるプラント診断用データを計算機により作成させる方法であって、
    前記計算機は、
    前記プラントを構成する各要素の情報を記憶するプラント構成管理情報に基づいて、前記各要素の接続関係を示す接続関係情報を生成し、
    要素の種別とプロセス値の種類とに応じて、前記要素についての前記プロセス値を推定するためのプロセス値推定ルールを生成し、
    前記プラントに設けられた計測器からの計測データと、前記接続関係情報と、前記プロセス値推定ルールとに基づいて、前記要素についてのプロセス値を推定し、
    前記各要素の中から選択される診断対象要素について、前記プロセス値推定部により推定されたプロセス値を取得し、前記取得されたプロセス値を診断用データとして出力させる、
    プラント診断用データ生成方法。
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