JP2019024305A - モータ制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】機械システム全体での機械異常に関する適切な処理を可能にするモータ制御システムを提供する。【解決手段】モータ駆動機構1を駆動するモータを駆動制御するモータ制御システム100であって、所定のデータ異常判定しきい値と、モータ駆動時における時系列検出データに基づいて算出したマハラノビス距離と、の比較に基づいてデータ異常、機械異常を判定する。【選択図】図1

Description

開示の実施形態は、モータ制御システムに関する。
特許文献1及び特許文献2には、統計学的手法に基づくセンサデータの解析により機械設備の状態を予兆診断する技術が開示されている。
特許第5827425号公報 特許第5827426号公報
しかし、機械システム全体を考慮した場合には、単純に統計学的な手法のみで機械システム全体の異常を判定することは適切でない。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、機械システム全体での機械異常に関する適切な処理が可能なモータ制御システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、モータ駆動機構を駆動するモータを駆動制御するモータ制御システムであって、所定のデータ異常判定しきい値と、モータ駆動時における時系列検出データに基づいて算出したマハラノビス距離と、の比較に基づいてデータ異常を判定するデータ異常判定部と、前記データ異常の判定に基づいて前記モータ駆動機構の機械正常を判定する機械正常判定部と、を有するモータ制御システムが適用される。
また、本発明の別の観点によれば、モータ駆動機構を駆動するモータを駆動制御するモータ制御システムであって、所定のデータ異常判定しきい値と、モータ駆動時における時系列検出データに基づいて算出したマハラノビス距離と、の比較に基づいてデータ異常を判定するデータ異常判定部と、前記データ異常の発生頻度に基づいて前記モータ駆動機構の経年劣化を判定する機械劣化判定部と、前記機械劣化判定部が前記経年劣化の発生を検出した場合、前記経年劣化の発生を報知、及び前記モータの駆動制御を停止するモータ停止部と、を有するモータ制御システムが適用される。
また、本発明の別の観点によれば、モータ駆動機構を駆動するモータを駆動制御するモータ制御システムであって、前記モータを正常駆動させて予め設定した所定のデータ異常判定しきい値と、前記モータを観測駆動させて検出した時系列検出データに基づいて算出したマハラノビス距離と、の比較に基づいてデータ異常を判定するデータ異常判定部と、前記データ異常の発生頻度に基づいて前記モータ駆動機構の経年劣化を判定する機械劣化判定部と、を備え、前記正常駆動と前記観測駆動とが同じ駆動動作であって、かつ前記時系列検出データがトルク指令、モータ速度、及びモータ位置の少なくとも1つであるモータ制御システムが適用される。
また、本発明の別の観点によれば、モータ駆動機構を駆動するモータを駆動制御するモータ制御システムであって、前記モータを正常駆動させて予め設定した所定のデータ異常判定しきい値と、前記モータを観測駆動させて検出した時系列検出データに基づいて算出したマハラノビス距離と、の比較に基づいてデータ異常を判定するデータ異常判定部と、前記データ異常の発生頻度に基づいて前記モータ駆動機構の経年劣化を判定する機械劣化判定部と、を備え、前記正常駆動と前記観測駆動とが異なる駆動動作であって、かつ前記時系列検出データが外乱オブザーバ推定値、速度偏差の少なくとも1つであるモータ制御システムが適用される。
本発明によれば、機械システム全体での機械異常に関する適切な処理が可能となる。
モータ制御システムの概略的なブロック構成を表す図である。 トルク指令と出力速度を時系列データとして取得するサーボアンプの制御ブロックを伝達関数形式で表す図である。 自由度=4の場合の時系列データの一例を表す図である。 カイ2乗分布とデータ異常判定しきい値とマハラノビス距離の関係を説明する図である。 セットアップPCのCPUが実行する準備処理の制御手順を表すフローチャートである。 上位制御装置のCPUが実行する経年劣化判定処理の制御手順を表すフローチャートである。 自由度M=1で可動スライド位置違いの場合の出力速度の時系列標本データと時系列観測データとデータ異常の判定結果をプロットしたグラフである。 自由度M=1で可動スライド位置違いの場合のトルク指令の時系列標本データと時系列観測データとデータ異常の判定結果をプロットしたグラフである。 図7中の時刻A1における出力速度の時系列標本データの正規分布と時系列観測データを表すグラフである。 図7中の時刻A2における出力速度の時系列標本データの正規分布と時系列観測データを表すグラフである。 図8中の時刻B1におけるトルク指令の時系列標本データの正規分布と時系列観測データを表すグラフである。 図8中の時刻B2におけるトルク指令の時系列標本データの正規分布と時系列観測データを表すグラフである。 出力速度のマハラノビス距離とデータ異常判定しきい値を比較して示すグラフである。 トルク指令のマハラノビス距離とデータ異常判定しきい値を比較して示すグラフである。 発振させた場合の出力速度の時系列標本データと時系列観測データとデータ異常の判定結果をプロットしたグラフである。 発振させた場合のトルク指令の時系列標本データと時系列観測データとデータ異常の判定結果をプロットしたグラフである。 自由度M=2の場合のマハラノビス距離とデータ異常判定しきい値を比較したグラフである。 自由度M=1で可動スライド位置違いの場合の時系列標本データと時系列観測データをゲイン特性でプロットしたグラフである。 自由度M=1で可動スライド位置違いの場合の時系列標本データと時系列観測データを位相特性でプロットしたグラフである。 自由度M=1で可動スライド同じ位置の場合の時系列標本データと時系列観測データをゲイン特性でプロットしたグラフである。 自由度M=1で可動スライド同じ位置の場合の時系列標本データと時系列観測データを位相特性でプロットしたグラフである。 トルク指令と出力位置のデータ正常、データ異常の組み合わせによる機械異常の種類を表す図である。 外乱オブザーバの出力を時系列データとして取得するサーボアンプの制御ブロックを伝達関数形式で表す図である。 速度偏差を時系列データとして取得するサーボアンプの制御ブロックを伝達関数形式で表す図である。
以下、一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
<1:モータ制御システムの全体構成>
図1を参照しつつ、本実施形態に係るモータ制御システムの全体構成の一例について説明する。
図1は、モータ制御システムの概略的なブロック構成を表している。図1に示すように、モータ制御システム100は、モータ駆動機構1と、サーボアンプ2と、上位制御装置3と、オペレータ4と、セットアップPC5とを有する。
モータ駆動機構1は、当該モータ制御システム100によってその駆動が制御されるとともに、その駆動に関する各種の異常が判定される対象の機械システムである。このモータ駆動機構1は、エンコーダ11を備えたモータ12と、このモータ12により駆動される駆動機械13とを有している。本実施形態の例では、モータ12は回転型の電動モータであり、エンコーダ11はモータの回転位置を光学的に検出し出力するセンサである。
サーボアンプ2は、後述の上位制御装置3から入力される位置指令に上記モータ12の出力位置を追従させるよう駆動電流をモータ12に給電し駆動制御する機能(モータ駆動制御機能)を有している。また本実施形態においてサーボアンプ2は、駆動電流を給電する過程で生成されるトルク指令と、エンコーダ11から出力されたモータ12の出力位置に基づいて生成される出力速度の2つのデータを時系列データとして逐次取得し、上位制御装置3に出力する機能も有している(後述の図2参照)。
上位制御装置3は、駆動機械13に所望の経時的な駆動動作を行わせるためにモータ12の位置指令を逐次出力する機能(モーション制御機能)を有している。また本実施形態において上位制御装置3は、サーボアンプ2から入力された時系列データを記憶し、後述する観測駆動時には、それら時系列データに基づいたデータ異常判定と、データ異常判定の判定態様に基づいた機械異常判定を行う機能も有している。また後述する正常駆動時には、サーボアンプ2から入力された時系列データをそのまま後述のセットアップPC5に出力する。
オペレータ4は、特に図示しない表示部や操作部を備え、上位制御装置3との間で送受する各種情報の表示や各種の指令及びパラメータの入力を行うユーザインターフェースとしての機能を有する。なお後述する観測駆動時には、上位制御装置3から入力された機械異常判定の結果を表示する。
セットアップPC5は、例えばノート型の汎用パーソナルコンピュータで構成され、上位制御装置3に対し通常運用を行う前の各種の初期設定を行う機能を有する。また本実施形態においてセットアップPC5は、上記の設定機能の1つとして、後述する正常駆動時に上位制御装置3から入力された時系列データに基づいて、上位制御装置3が上記データ異常判定を行う際に必要となる標本平均、標本共分散行列、及びデータ異常判定しきい値を算出して上位制御装置3に出力する準備処理を行う(後述の図5参照)。なお、通常運用時(つまり後述する観測駆動時)には、当該セットアップPC5は何ら処理を行わず不要となるため、上位制御装置3から接続を取り外せるようになっている。
なお以上において、サーボアンプ2、上位制御装置3、オペレータ4、及びセットアップPC5が、各請求項記載のモータ制御システムに相当する。
<2:サーボアンプの制御ブロック>
図2は、本実施形態におけるサーボアンプ2の制御ブロックを伝達関数形式で表している。なお本実施形態の例では、この図2に示す制御ブロックは、サーボアンプ2が備えるCPU(特に図示せず)により実行されるソフトウェアで実現される。
この図2において、サーボアンプ2は、減算器21と、位置制御部22と、減算器23と、速度制御部24と、電流制御部25と、速度変換部26を有している。減算器21は、上位制御装置3から入力された位置指令から後述する出力位置(フィードバック位置)を減算して位置偏差を出力する。位置制御部22は、この位置偏差に基づいていわゆるPID制御などにより速度指令を出力する。減算器23は、この速度指令から後述する出力速度(フィードバック速度)を減算して速度偏差を出力する。速度制御部24は、この速度偏差に基づいていわゆるPID制御などによりトルク指令を出力する。電流制御部25は、このトルク指令に基づく電力変換により駆動電流を出力し、モータ12に給電する。そしてこのモータ12が駆動機械13を駆動した際の出力位置をエンコーダ11が検出し、サーボアンプ2にフィードバックする。この出力位置は、上記減算器21において位置指令から減算されるとともに、速度変換部26に入力される。速度変換部26は、この出力位置に基づいてモータ12の駆動速度である出力速度を出力する。なお、この速度変換部26は、出力位置を時間微分する微分器等で構成すればよい。
以上における減算器21、位置制御部22、減算器23、速度制御部24、電流制御部25、及び速度変換部26は、外部のモータ12及びエンコーダ11とともに、いわゆる位置制御フィードバックループと速度制御フィードバックループの2重フィードバックループを構成する。なお、電流制御部25の内部にも電流制御フィードバックループを備えているが、図中では省略している。これらのフィードバックループにおいて、減算器21による位置偏差の出力は位置指令の時間微分処理と同等であり、減算器23による速度偏差の出力は速度指令の時間微分処理と同等である。したがって、サーボアンプ2が備える上記の2重フィードバックループにおいては、
Figure 2019024305
(k:ばね係数、μ:摩擦係数、m:可動部分の慣性モーメント)
の運動方程式に基づくフィードバック制御が行われているとみなせる。
そして本実施形態では、サーボアンプ2がトルク指令と出力速度を時系列データとして システムサイクル等の短い周期で逐次検出し、上位制御装置3へ出力する。
<3:本実施形態の特徴>
近年では、機械システムに対する付加価値向上の一環として予防保全がキーワードになりつつある。これまでにも寿命モニタや設置環境モニタ等により予防保全の一助となる情報を上位制御装置3に提示する構成が取られていたが、これらとは別にモータ駆動機構1の経年変化や発振などの機械異常を検出することが要望されている。本実施形態のモータ制御システム100は、この要望を受けてモータ駆動機構1の機械異常を検出するためのものである。
サーボアンプ2で検出可能な状態量は、モータ12に入力するトルク、及びモータ12が出力する速度や位置である。特にトルクは、位置/速度制御の場合、駆動機械13側の反力の影響も反映されるため、継続して観測することで経年変化などの機械異常を捉えることが可能と考えられる。本実施形態では、観測した波形から変化を検出する手法として、統計学的手法に基づく機械学習を利用する。
しかし、以上のような機械学習で検出できる異常は、あくまで瞬時的に取得されたデータから直接的に判定できる異常状態でしかない。これに対し、モータ駆動機構1のような機械システムでは、非常に短い時間で機構の位置が変化し、条件によっては連続的な微小変位において機構が異常になっている箇所と正常な箇所が発生するため、すべての場所によって経年変化などの機械異常を判定する必要がある。また、機械システム全体を考慮した場合は、単純に統計学的な手法のみで機械システム全体の異常を判定することは適切ではない。
そこで本実施形態のモータ制御システム100では、機械学習によってデータから直接的に判定した異常状態をデータ異常とし、また別に上述したようなモータ駆動機構1における経年劣化や発振の状態に相当する異常状態を機械異常として、これらデータ異常と機械異常を区別して扱う。そして、モータ制御システム100は、モータ駆動機構1の駆動中においてモータ12の入出力に関する時系列データを取得し、この時系列データからデータ異常を判定する。その上で、データ異常と判定された時系列データの取得態様(取得時刻、取得周波数、取得頻度、取得組み合わせ、等)に基づいて、モータ駆動機構1の機械異常を判定する。このデータ異常と機械異常のそれぞれの判定手法について、以下に順を追って説明する。
<4:データ異常判定について>
<4−1:機械学習によるデータ異常判定>
一般に人間が波形を観測して正常/異常の判断を行うのは、主として経験によるところが大きい。この経験を数式として表現し、計算機上で行う手法が機械学習である。機械学習による変化検出手法の基本的な考え方は、基準とするデータ群(以下、標本データという)の正規分布を作成し、運用段階で取得したデータ(以下、観測データという)が正規分布から外れているか否かを確認するというものである。
データ異常判定を行う上で、標本データは、データ的に全て正常であることを前提とする場合と、データ的に正常と異常にラベル付けされた標本データが混在している場合が考えられる。しかし、機構部品の経年変化に適用する場合は、事前に異常な標本データを準備することは難しいため、標本データは全て正常であるという前提をとることが現実的と考えられる。
正規分布から外れていることを判断するためには、正規分布の端にデータ異常判定用のしきい値を設定し、観測データが正規分布中心に対してデータ異常判定しきい値よりも離れていることを確認すればよい。
<4−2:時系列データについて>
本実施形態では、標本データや観測データを複数種類で取得する場合は、以下のように配列で定義した時系列データDとして取得する。
Figure 2019024305
例えば、同一の駆動機械13を2つのモータ12で駆動するモータ駆動機構(特に図示せず)で、図3に示すように各モータ12それぞれのトルク指令と出力速度を時系列データとして取得した場合(つまり自由度M=変数の種類数=2)には、時系列データDは以下のようになる。ただし、Dの添え字は時刻を示す。
Figure 2019024305
Figure 2019024305
Figure 2019024305
<4−3:ホテリングのT法について>
本実施形態では、機械学習による変化検出手法としてホテリングのT法を適用する。ホテリングのT法は、複数種類のデータの変化波形を並列に観測する多変数解析の一手法であり、その処理は以下の(工程1)〜(工程6)で行う。
(工程1)誤報率を決定する
データには正常データと異常データが存在するが、正規分布からどれくらい大きく外れた場合を異常データとするかの指標が誤報率αとなる。例えば、誤報率1%と考えるならα=0.01となる。なお、確率統計論の考え型では、誤報率を0とした場合には全てのデータが正常となってしまうため、原理的に誤報率αを0にはしない。
(工程2)カイ2乗分布を算出する
自由度M、スケール因子s=1として、カイ2乗分布を次式から計算する。なお、自由度Mは、独立した標本データの種類の数(上述した多変数解析における変数の種類の数)を指定するパラメータである。
Figure 2019024305
ただし、Γはガンマ関数を表し、次式で定義される。
Figure 2019024305
(工程3)データ異常判定しきい値を算出する
上記(工程1)で決定した誤報率αと、上記(工程2)で算出したカイ2乗分布から、
Figure 2019024305
を満たすデータ異常判定しきい値athを算出する。
(工程4)標本平均と標本共分散行列を算出する
正常データである標本データから標本平均μ(文中の表記ではハットを省略、以下同様)と標本共分散行列Σ(文中の表記ではハットを省略、以下同様)を次式から算出する。
Figure 2019024305
Figure 2019024305
ただし、はn番目の種類の標本データである。
(工程5)マハラノビス距離を算出する
上記(工程4)で算出した標本平均μと標本共分散行列Σ、及び検出した観測データに基づいて、マハラノビス距離a(x’)を次式から算出する。
Figure 2019024305
(工程6)データ異常判定しきい値とマハラノビス距離を比較する
上記(工程3)で算出したデータ異常判定しきい値athと、上記(工程5)で算出したマハラノビス距離a(x’)とを比較する。マハラノビス距離a(x’)がデータ異常判定しきい値athを越えている場合(a(x’)>ath)には、上記(工程5)で用いた観測データがデータ異常の状態にあると判定する。
図4に示すように、カイ2乗分布は自由度M別に分布が変化する確率分布であり、いわゆる再生性を有している特性から多変数解析での適用に好適である。例えば図3に示したような変数の種類(トルク指令、出力速度)の数が2つの時系列データを取得する場合、自由度M=2となって図4中の実線で示されるカイ2乗分布が利用される。このカイ2乗分布で誤報率αに相当するデータ異常判定しきい値athよりもマハラノビス距離a(x’)が大きい場合、当該マハラノビス距離a(x’)の算出に用いた観測データにデータ異常が発生しているとみなせる。つまり変数の種類数が2つである多変数解析において、それら2つのデータの組み合わせによる多元的な異常の度合い(どれだけ正常からかけ離れているかの度合い)を、データ異常判定しきい値athとマハラノビス距離a(x’)の一元的な比較により判定できる。なお、マハラノビス距離a(x’)の算出時に標本平均μと標本共分散行列Σを用いていることで、2種類のデータそれぞれの正規分布間の相関による影響を相殺している。なお、上記図3に示したような時系列データDを取得した場合でも、データの種類別でそれぞれ自由度=1としたホテリングT法のデータ異常判定を個別に適用することもできる。
<4−4:具体的なデータ異常判定>
まず比較例として、機械学習を利用せずにデータ異常を判定する方法について説明する。
(事前準備)
1:標本データとして正常なデータを複数取得する。
2:標本データ群から各時刻における正規分布を作成する。
3:各時刻における正規分布に対してデータ異常判定しきい値を設定する。
(データ異常判定)
1:観測データを取得する。
2:取得時刻に対応する正規分布に加える。
3:観測データが正規分布に設定したデータ異常判定しきい値を超えていたら異常と判定する。
上記比較例の方法では、時刻ごとに正規分布とデータ異常判定しきい値を作成する必要があり、さらに観測データでも正規分布を計算する必要がある。正規分布の計算には平均値と標準偏差の計算が必要であるが、標準偏差の計算は煩雑なため、時刻ごとに計算を実施するのは現実的ではない。また、データ異常判定しきい値も各時刻の正規分布に対して設定するため時刻ごとに異なった値となる。
次に、上記比較例の問題を解決するために機械学習を利用する場合について説明する。機械学習を利用することで処理は以下のようになる。
(事前準備)
1:標本データとして正常なデータを複数取得する。
2:標本データ群から標本平均μと標本共分散行列Σを計算する。
3:誤報率αとカイ2乗分布からデータ異常判定しきい値athを計算する。
(データ異常判定)
1:観測データを取得する。
2:観測データに対してマハラノビス距離a(x’)を計算する。
3:マハラノビス距離a(x’)がデータ異常判定しきい値athを超えていたらデータ異常と判定する。
このように機械学習を利用した方法では、正規分布の計算の代わりに標本平均μ、標本共分散行列Σ、及びマハラノビス距離a(x’)の計算を行う。これらの計算は単純な四則演算であるため、長期間に渡るモータ駆動機構1の実運用時間中において短い周期で逐次計算しても大きな負荷処理にはならない。また、データ異常判定しきい値athは計算式こそ複雑だが、時刻に依存しない定数となるため事前に一度計算しておくだけで済む。
<5:機械異常判定について>
上記のデータ異常判定によれば、時系列データを取得した時点におけるデータ上で見た異常状態の有/無(つまり異常/正常)を2値的に判定することができる。しかし、後述する実験結果に示すように1度でもデータ異常が判定されたからといって機械システム全体に機械異常が発生したと判定すべきではない。また、データ異常が複数回発生した際にその発生態様に基づいて機械異常の内容を一次的に推定することが可能である。本実施形態では、経年劣化が進行するに従ってデータ異常の発生頻度が徐々に増加するとの考察に基づき、データ異常の発生頻度が所定値を越えた場合には、モータ駆動機構1に経年劣化の種類の機械異常が発生していると判定する。
<6:具体的な制御フロー>
上述した経年劣化による機械異常を判定するための具体的な制御フローの一例を、以下に詳細に説明する。まず図5は、データ異常判定に機械学習を利用する場合の上記事前準備に相当する準備処理の制御手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、データ異常がほぼ生じないと確信できるモータ駆動機構1の正常駆動の駆動状態中に、図1中に示すセットアップPC5のCPU(第1演算装置に相当;特に図示せず)が実行する。なお正常駆動としては、例えばモータ駆動機構1が組立製造後に十分な調整が行われた状態でほぼ設計通りに動作すると確信できる状態(初期運用又は試験運用)での駆動が考えられる。
まずステップS5で、セットアップPC5のCPUは、誤報率αを決定する。これはユーザからの入力により任意に決定してもよいし、予め設定された値や所定の手法に基づいて算出された値で決定してもよい。
次にステップS10へ移り、セットアップPC5のCPUは、変数の種類数を自由度Mとしたカイ2乗分布を算出する。本実施形態では、1つのモータ12に対しトルク指令と出力速度の2種類の時系列データが取得されるため、自由度M=2となる。
次にステップS15へ移り、セットアップPC5のCPUは、誤報率αとカイ2乗分布に基づいてデータ異常判定しきい値athを算出する。
次にステップS20へ移り、セットアップPC5のCPUは、上位制御装置3とサーボアンプ2を介したモーション制御及びモータ駆動制御によりモータ駆動機構1の正常駆動を開始する。
次にステップS25へ移り、セットアップPC5のCPUは、システムサイクルなどの所定時間毎に各変数(各軸のトルク指令及び出力速度)の時系列標本データを、サーボアンプ2及び上位制御装置3を介して取得する。
次にステップS30へ移り、セットアップPC5のCPUは、正常駆動が終了したか否かを判定する。正常駆動がまだ終了しない場合、判定は満たされず、ステップS25に戻って同様の手順を繰り返す。
一方、正常駆動が終了した場合、判定が満たされ、ステップS35へ移る。
ステップS35では、セットアップPC5のCPUは、モータ駆動機構1の正常駆動を停止する。
次にステップS40へ移り、セットアップPC5のCPUは、上記ステップS25で取得した時系列標本データ群から、標本平均μと標本共分散行列Σを算出する。そして、このフローを終了する。
以上の準備処理のフローにより、特に計算処理の負荷が大きい機械学習の準備処理(工程1〜4)を比較的CPUパワーの高いセットアップPC5であらかじめ行うことができ、モータ制御システム100全体におけるリソース負担を軽減できる。
次に図6は、データ異常判定と機械異常判定を行う経年劣化判定処理の制御手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、データ異常が生じ得るモータ駆動機構1の観測駆動の駆動状態中に、図1中に示す上位制御装置3のCPU(第2演算装置に相当;特に図示せず)が実行する。なお観測駆動としては、例えばモータ駆動機構1が十分長い期間で運用された状態(実務運用)での駆動が考えられる。
まずステップS105で、上位制御装置3のCPUは、サーボアンプ2を介したモーション制御及びモータ駆動制御によりモータ駆動機構1の観測駆動を開始する。
次にステップS110へ移り、上位制御装置3のCPUは、システムサイクルなどの所定時間毎に各変数(各軸のトルク指令及び出力速度)の時系列観測データを、サーボアンプ2を介して取得する。
次にステップS115へ移り、上位制御装置3のCPUは、上記ステップS40であらかじめ算出された標本平均μと標本共分散行列Σ、及び上記ステップS110で取得した時系列観測データ群からマハラノビス距離a(x’)を算出する。
次にステップS120へ移り、上位制御装置3のCPUは、上記ステップS115で算出したマハラノビス距離a(x’)が、上記ステップS15であらかじめ算出されたデータ異常判定しきい値ath(図中では「しきい値」と略記)を越えているか否かを判定する。言い換えると、上記ステップS110で取得した時系列観測データがデータ異常の状態であるか否かを判定する。マハラノビス距離a(x’)がデータ異常判定しきい値athを越えていない場合、判定は満たされず、ステップS125へ移る。言い換えると、データ異常が発生していないとみなされる。
ステップS125では、上位制御装置3のCPUは、観測駆動が終了したか否かを判定する。観測駆動がまだ終了しない場合、判定は満たされず、ステップS110に戻って同様の手順を繰り返す。
一方、観測駆動が終了した場合、判定が満たされ、ステップS130へ移る。
ステップS130では、上位制御装置3のCPUは、モータ駆動機構1の観測駆動を停止する。そして、このフローを終了する。
一方、上記ステップS120の判定において、マハラノビス距離a(x’)がデータ異常判定しきい値athを越えていた場合、判定が満たされ、ステップS135へ移る。言い換えると、データ異常が発生したとみなされる。
ステップS135では、上位制御装置3のCPUは、それまでの過去直近で所定回数行われたデータ異常判定における異常の判定頻度(異常と判定された時系列観測データの取得頻度)が所定値(所定しきい値)より大きいか否かを判定する。言い換えると、経年劣化の機械異常が発生したか否かを判定する。直近所定回数におけるデータ異常判定頻度が所定値より大きい場合、判定が満たされ、ステップS140へ移る。言い換えると、経年劣化の機械異常が発生したとみなされる。
ステップS140では、上位制御装置3のCPUは、モータ駆動機構1に経年劣化が発生したとする判定結果をオペレータ4に送信し、表示部などにその旨を報知させる。そして、ステップS130へ移る。
一方、上記ステップS135の判定において、直近所定回数におけるデータ異常判定頻度が所定値以下である場合、判定は満たされず、ステップS125へ移る。言い換えると、経年劣化の機械異常が発生してないとみなされる。
以上の経年劣化判定処理のフローにより、計算処理の負荷が比較的小さい機械学習の判定処理(工程5、6)と機械異常判定処理を、比較的CPUパワーの低い上位制御装置3でも行うことができ、モータ制御システム100全体におけるリソース負担を軽減できる。またこの経年劣化判定処理の実行中(実務運用中)には、セットアップPC5は何ら処理を行わず不要となるため、上位制御装置3から接続を取り外すことでモータ制御システム100全体の構成を簡素化でき、堅牢性を向上できる。
なお、ステップS5、ステップS10、ステップS15、ステップS40、ステップS115、及びステップS120の手順が各請求項記載のデータ異常判定部に相当し、ステップS135の手順が各請求項記載の機械正常判定部又は機械劣化判定部に相当する。
<7:実験によるデータ異常判定の確認>
<7−1:時間軸波形に対する適用結果>
本実施形態によるデータ異常判定の手法の妥当性を、実試験で得た時間軸波形に適用して確認する。この実試験は、鉛直方向に可動するボールねじスライダ(特に図示せず)の特定の位置におけるトルク指令と出力速度をそれぞれ時系列標本データとして20回検出し、同じスライダで位置を違えてトルク指令と出力速度を時系列観測データとして検出した。
<7−1−1:自由度M=1で処理した場合>
図7は、出力速度の時系列標本データと時系列観測データをプロットしたグラフを示している。中央の曲線のうち実線のものが時系列標本データであり、他の白抜き破線の曲線が時系列観測データである(以下の各図において同様)。また、下方には、誤報率α=1%とした単変数解析(自由度M=1)でのデータ異常判定結果を、2値的(High/Low)に示すグラフもプロットされている。この実験におけるトレースデータは1000点で構成されているため、データ異常判定は各点ごとに計算している。これは、同じ速度であっても時間が異なればボールねじ上の位置が異なるため、機械システムとしての特性が異なることを考慮している。また、図8は、図7の出力速度の代わりにトルク指令の時系列標本データと時系列観測データとデータ異常の判定結果をプロットしたグラフである。
まず最初の比較例として、機械学習を利用しない場合には図9〜図12に示すような正規分布に基づくデータ異常判定を行うことになる。図9、図10は、上記図7中の時刻A1、時刻A2それぞれにおける出力速度の時系列標本データの正規分布と時系列観測データを示している。また、図11、図12は、上記図8中の時刻B1、時刻B2それぞれにおけるトルク指令の時系列標本データの正規分布と時系列観測データを示している。図9において、時系列観測データは正規分布の内側に存在するため正常なデータと推測される。一方、図10の時系列観測データは正規分布の外側に存在するため異常なデータと推測される。同様に図11は正常データと推測され、図12は異常データと推測される。機械学習を利用しない場合の基本的な考え方としては、このように正規分布と時系列観測データの比較を全てのデータに対して行うことになるが、実際に実施するのは計算処理負担がかなり大きくなるため現実的ではない。
図7では1000点の時系列観測データ中57点(5.7%)がデータ異常として判定され、図8では59点(5.9%)がデータ異常として判定されている。波形曲線だけを見る限りでは、目視では差異があると判定することは難しい。一方、図7と図8にそれぞれ対応する図13、図14では、上記(工程5)で算出したマハラノビス距離a(x’)と、(工程3)で算出したデータ異常判定しきい値athを比較して示している。図13、図14にプロットしたグラフを見ると、時系列観測データが時系列標本データから外れているか否かが明確にわかる。
図15および図16はさらに分かりやすく、同じボールねじスライダを使用して発振させた場合の図7、図8に相当する結果である。図7、図8では小刻みにHigh/Lowを繰り返していたデータ異常判定結果が継続的にデータ異常(High)を示している。
<7−1−2:自由度M=2で処理した場合>
上記図7〜図16では、いずれも自由度M=1として、出力速度またはトルク指令の個別の信号に対してデータ異常の検出を行った場合を示した。これに対して自由度M=2とした多変数解析での多元的なデータ異常の検出を行う場合には、上記(工程3)で自由度M=2としたデータ異常判定しきい値athを算出し、出力速度とトルク指令の2乗和の平方根にて計算したマハラノビス距離a(x’)と比較すればよい。
図17は、図7、図8の条件から自由度M=2の場合のマハラノビス距離a(x’)とデータ異常判定しきい値athを比較したグラフを示している。図17と図13、図14を比較すると、出力速度またはトルク指令のいずれかの時系列観測データが時系列標本データよりも大きく外れた時刻でマハラノビス距離a(x’)がデータ異常判定しきい値athを超えていることが分かる。
<7−2:周波数軸波形に対する適用結果>
上記<7−1>では、時間軸波形(つまり時間領域)に対してデータ異常の検出手法を適用した。以下では、横軸に周波数軸を持つ周波数特性のデータに対して自由度M=1の機械学習による手法を適用する。可動スライダがボールねじの反モータ側で20回の周波数測定を実行し、これを時系列標本データとして取得する。その後、可動スライダがボールねじのモータ側で周波数測定を実行し、時系列観測データとして取得した。つまり、直近所定数の各時系列データを周波数解析し、周波数領域でのデータ異常の判定を行った。
図18はゲイン特性、図19は位相特性で、時系列標本データと時系列観測データを周波数軸上でプロットしたグラフを示している。また各図の下方には、誤報率α=1%に設定したデータ異常判定の結果も2値的(High/Low)にプロットしている。なお、比較のために、図20、図21は、時系列標本データと同じ位置でメカニカルアナリシスを実行した場合の時系列観測データのゲイン特性と位相特性の周波数軸上のグラフを示している。図18では401点のデータ中178点(44%)でデータ異常が検出され、図19では185点(46%)でデータ異常が検出されているのに対し、図20では30点(7.5%)、図21では34点(8.5%)でデータ異常が検出されており、明らかな差を確認できる。
<8:本実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態のモータ制御システム100によれば、ステップS25及びステップS110の手順でモータ駆動機構1の駆動中におけるモータ12の入出力に関する時系列データを取得する。また、モータ制御システム100は、ステップS5、ステップS10、ステップS15、ステップS40、ステップS115、及びステップS120の手順で時系列データのデータ異常を判定する。また、モータ制御システム100は、ステップS135の手順で、データ異常と判定された時系列データの取得態様に基づいて、モータ駆動機構1の機械異常を判定する。つまり、電動モータ駆動のモーション系機械制御に対して予兆診断を適用するに当たり、データ異常と機械異常を区別し、データ異常の発生態様(データ異常とされた時系列データの取得態様)に基づいて機械異常を判定する。この結果、微小なデータ異常の変化にとらわれず、機械システム全体の機械異常についてより有効で詳細かつ明確な判定が行える。また、モータ駆動機構1の機械異常の有無を判定することは、その時点の当該モータ駆動機構1の機械正常を判定することと同等とみなせる。例えば、上記ステップ135の判定が満たされず(No)、モータ駆動機構1が機械異常にないと判定された場合には、当該モータ駆動機構1が機械正常(異常な状態でなく正常な状態)であると判定されたとみなせる。このように機械正常を判定できる本実施形態のモータ制御システム1では、例えば大量生産されたモータ駆動機構1を個別に駆動制御して機械正常を判定することで、それぞれ設計通りの性能や機能を有するかの同一性を試験することができる。または、オーバーホールしたモータ駆動機構1の性能や機能が許容範囲内にあるかの健全性も検証できる。または、異なる2つのモータ駆動機構1の一方から取得した標本データと、他方から取得した観測データとを用いて他方の機械正常を判定することで、それら2つのモータ駆動機構1の間の性能や機能の類似性を検証することもできる。
なお、機械異常を判定する際に参照するデータ異常の時系列データの取得態様は、取得頻度に限られない。他にも、判定する対象の機械異常に応じて、取得時刻、取得周波数、異常データの取得組み合わせなど多様な取得態様(判定態様)が適用可能である。
また、本実施形態では特に、モータ12は、運動方程式に基づくフィードバック制御により駆動制御されており、時系列データは、モータ12に入力するトルク指令と、モータ12が出力する出力速度の少なくともいずれか1つを含んでいる。これにより、正常駆動と観測駆動を同じ駆動動作で行う場合において、簡易に適切な時系列データを取得できるとともに、モータ駆動機構1の機械部分における動作状態について詳細に検証することができる。なお、データ異常を判定するにあたっては、出力速度に変えて出力位置を時系列データとして取得してもほぼ同様の結果が得られる。
また、本実施形態では特に、機械異常の種類を判定することにより、機械システムにどのような種類の機械異常が発生しているかが明確となり、機械異常に対するユーザの対処が容易となる。
また、本実施形態では特に、ステップS135の手順で、機械異常の種類としてモータ駆動機構1の経年劣化を判定する。これにより、ユーザは機械異常を改善するにあたって経年劣化の対処を行えばよいことが明確となり、利便性が向上する。
また、本実施形態では特に、ステップS135の手順で、データ異常と判定された時系列観測データの取得頻度が所定値を超えた場合に、経年劣化の機械異常が発生したと判定する。これにより、高い信頼性で経年劣化の機械異常を判定できる。
なお、経年劣化が進行するに従ってデータ異常の発生頻度が徐々に増加するとの考察に基づき、他の判定基準で経年劣化を判定してもよい。例えば、モータ駆動機構1の観測駆動を行う度にデータ異常と判定された時系列観測データの取得頻度が増加傾向にある場合に、経年劣化の機械異常が発生したと判定してもよい。具体的には、観測駆動を行う度にデータ異常と判定された時系列観測データの取得頻度を算出してその履歴を記録し、過去直近の観測駆動間で比較して取得頻度が増加傾向にあると判断した場合に、経年劣化の機械異常が発生したと判定すればよい。
また、機械異常の特性とデータ異常の判定態様の因果関係が理解されていれば、機械異常の種類として上記の経年劣化以外の種類の機械異常を判定することも可能である。例えば上記図15、図16に示したように、機械異常の種類としてモータ駆動機構1の発振を判定してもよい。これにより、ユーザは機械異常を改善するにあたって発振の対処を行えばよいことが明確となり、利便性が向上する。
そしてこの発振の判定基準として、データ異常と判定された時系列データが所定期間を超えて連続的に取得された場合に、発振の機械異常が発生したと判定する方法がある。これにより、モータ制御システム100は高い確度で発振を判定できる。
また他にも、トルク指令と出力速度の両方でデータ異常と判定された場合に、発振の機械異常が発生したと判定する方法もある。これによっても、モータ制御システム100は高い確度で発振を判定できる。さらに、自由度M=1でトルク指令と出力速度でそれぞれ判定されたデータ上の正常/異常の組み合わせ、つまりデータ異常と判定された時系列データの取得組み合わせ(取得態様)に基づいて他の種類の機械異常を判定することもできる。具体的には図22に示すように、トルク指令がデータ異常であって出力速度がデータ正常である場合には、大きな摩擦力に抗して出力速度を維持するようトルクが変動しているとみなせるため、外乱抑圧の機械異常にあると判定できる。また、トルク指令がデータ正常であって出力速度がデータ異常である場合には、トルクが維持されつつ出力速度が変動しているとみなせるため、すなわち機械揺れの機械異常にあると判定できる。なお、経年劣化が進行した結果で発振が生じる場合がある一方、新規の駆動機械13でも設置ミスや調整ミスなどにより発振が生じる場合がある。このため、データ異常の発生態様は、機械異常の発生原因を推定する一助にも成り得る。
また、本実施形態では特に、ホテリングのT法によりデータ異常を判定する。これにより、信頼性の高い多変数解析によるデータ異常判定を実現できる。
また、本実施形態では特に、上記ホテリングのT法において、正常駆動時に取得した時系列標本データに基づいて標本平均μと標本共分散行列Σを算出する。またモータ制御システム100は、これら標本平均μと標本共分散行列Σとともに観測駆動時に取得した時系列観測データに基づいてマハラノビス距離a(x’)を算出する。そしてモータ制御システム100は、マハラノビス距離a(x’)とデータ異常判定しきい値athの比較により、時系列観測データのデータ異常を判定する。これにより、いわゆる「教師あり学習」でホテリングT法の機械学習を実行できることから、データ異常判定の信頼性を向上できる。なお、クラスタリングなどによるいわゆる「教師なし学習」で機械学習を利用してもよい。
また、本実施形態では特に、時間領域でデータ異常を判定することにより、モータ12の出力位置などといった変位や配置などを考慮した機械異常の検討に好適となる。
なお、上記図18〜図21に示したように、周波数領域でデータ異常を判定してもよく、この場合には部品種類や原因などを考慮した機械異常の検討に好適となる。
また、本実施形態では特に、上記図7、図8、図13〜図21に示したように、時系列データの時間軸波形又は周波数軸波形とデータ異常の判定結果をオペレータ4の同一画面上に重ねて表示することで、機械異常の種類、発生箇所、又は原因などの推定に大きく貢献できる。
また、本実施形態では特に、上記図5の準備処理をセットアップPC5のCPUに実行させ、上記図6の経年劣化判定処理を上位制御装置3のCPUに実行させる。このように準備処理と経年劣化判定処理を異なるCPUで分担させて実行することで、各CPUにおける処理負担を軽減できるとともに、観測駆動時におけるデータ異常判定の処理速度及び信頼性を向上できる。
また、本実施形態では特に、準備処理を実行するセットアップPC5が、観測駆動時(経年劣化判定処理の実行時)に(及び上位制御装置3)との接続から分離可能であることで、観測駆動時におけるシステム全体のハードウェアリソースを削減でき、堅牢性を向上できる。
なお各CPUにおける、準備処理と経年劣化判定処理、データ異常の判定と機械異常の判定、などの各処理の分担は上記実施形態に限られない。例えば、サーボアンプ2と上位制御装置3とセットアップPC5の各CPUがどのような組み合わせで一体化してもよく、またどのような分担で実行してもよい。
<9:変形例>
なお、開示の実施形態は、上記に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、トルク指令や出力速度(出力位置)以外のデータを時系列データとして取得し、データ異常を判定することも有用である。例えば、上記図2に対応する図23に示すように、外乱オブザーバ27の出力を時系列データとして取得しデータ異常を判定してもよい。図示する例の外乱オブザーバ27は、トルク指令と出力速度に基づいてモータ12に付加される外乱を推定し出力している。これにより、正常駆動と観測駆動を異なる駆動動作で行う場合において、加速度の影響を排除した適切な時系列データを取得できる。
他にも、モータ12が出力する出力速度(出力位置)が一定である際には、図24に示すように速度偏差を時系列データとして取得しデータ異常を判定してもよい。これにより、正常駆動と観測駆動を異なる駆動動作で行う場合において、速度の影響を排除した適切な時系列データを取得できる。
また上記実施形態では、上位制御装置3がサーボアンプ2に位置指令を入力する位置制御を行う場合を例に挙げて説明したが、これに限られず速度指令を入力する速度制御を行う場合にも適用可能である。この場合には、サーボアンプ2が減算器、速度制御部、電流制御部、速度変換部で構成される速度制御フィードバックループのみを備えればよい。
また、特に図示しないが、モータ駆動機構1が備えるモータ12は直動型のリニアモータであってもよく、その場合にはエンコーダ11の代わりにリニアスケールが用いられ、トルク指令の代わりに推力指令が時系列データとして取得される。
なお、以上の説明において、「垂直」「平行」「平面」等の記載がある場合には、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「垂直」「平行」「平面」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に垂直」「実質的に平行」「実質的に平面」という意味である。
また、以上の説明において、外観上の寸法や大きさ、形状、位置等が「同一」「同じ」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に同じ」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 モータ駆動機構
2 サーボアンプ
3 上位制御装置
4 オペレータ
5 セットアップPC
11 エンコーダ
12 モータ
13 駆動機械
21 減算器
22 位置制御部
23 減算器
24 速度制御部
25 電流制御部
26 速度変換部
27 外乱オブザーバ
100 モータ制御システム

Claims (8)

  1. モータ駆動機構を駆動するモータを駆動制御するモータ制御システムであって、
    所定のデータ異常判定しきい値と、モータ駆動時における時系列検出データに基づいて算出したマハラノビス距離と、の比較に基づいてデータ異常を判定するデータ異常判定部と、
    前記データ異常の判定に基づいて前記モータ駆動機構の機械正常を判定する機械正常判定部と、
    を有することを特徴とするモータ制御システム。
  2. 前記時系列検出データは、トルク指令、モータ速度、外乱オブザーバ推定値、及び速度偏差の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1記載のモータ制御システム。
  3. モータ駆動機構を駆動するモータを駆動制御するモータ制御システムであって、
    所定のデータ異常判定しきい値と、モータ駆動時における時系列検出データに基づいて算出したマハラノビス距離と、の比較に基づいてデータ異常を判定するデータ異常判定部と、
    前記データ異常の発生頻度に基づいて前記モータ駆動機構の経年劣化を判定する機械劣化判定部と、
    前記機械劣化判定部が前記経年劣化の発生を検出した場合、前記経年劣化の発生を報知、及び前記モータの駆動制御を停止するモータ停止部と、
    を有することを特徴とするモータ制御システム。
  4. モータ駆動機構を駆動するモータを駆動制御するモータ制御システムであって、
    前記モータを正常駆動させて予め設定した所定のデータ異常判定しきい値と、前記モータを観測駆動させて検出した時系列検出データに基づいて算出したマハラノビス距離と、の比較に基づいてデータ異常を判定するデータ異常判定部と、
    前記データ異常の発生頻度に基づいて前記モータ駆動機構の経年劣化を判定する機械劣化判定部と、を備え、
    前記正常駆動と前記観測駆動とが同じ駆動動作であって、かつ前記時系列検出データがトルク指令、モータ速度、及びモータ位置の少なくとも1つ
    であることを特徴とするモータ制御システム。
  5. モータ駆動機構を駆動するモータを駆動制御するモータ制御システムであって、
    前記モータを正常駆動させて予め設定した所定のデータ異常判定しきい値と、前記モータを観測駆動させて検出した時系列検出データに基づいて算出したマハラノビス距離と、の比較に基づいてデータ異常を判定するデータ異常判定部と、
    前記データ異常の発生頻度に基づいて前記モータ駆動機構の経年劣化を判定する機械劣化判定部と、を備え、
    前記正常駆動と前記観測駆動とが異なる駆動動作であって、かつ前記時系列検出データが外乱オブザーバ推定値、速度偏差の少なくとも1つ
    であることを特徴とするモータ制御システム。
  6. 前記機械劣化判定部は、
    前記モータ駆動機構の観測駆動を行う度にデータ異常と判定された時系列検出データの取得頻度が増加傾向にある場合においても、経年劣化が発生したと判定することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載のモータ制御システム。
  7. 前記データ異常判定部は、
    時間領域でデータ異常を判定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のモータ制御システム。
  8. 前記データ異常判定部は、
    周波数領域でデータ異常を判定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のモータ制御システム。
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