JP7323320B2 - 診断装置、診断方法、及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、診断装置、診断方法、及びプログラムに関する。
サーボ駆動を行う工作機械等の機械製品においては、駆動系の調整が良好に行われたか、動作に異常はないか、経年変化はどの程度か、など現在の状態を把握することで、品質の高度な維持や異常予兆検知に使いたいという要求がある。このため、機械駆動系のような制御対象の異常検知やヘルスモニタリングのための機械診断が必要とされている。
例えば、特許文献1には、複数の信号間の関係を位相面図によって表すことにより、時間応答だけでは見つけにくい機械特性を示すモデルパラメータを同定する方法が記載されている。また、複数の位相面図を動的時間伸縮法(DTW:Dynamic Time Warping)を利用して比較することにより、制御対象の異常検知やヘルスモニタリングのための機械診断を行うことができることが記載されている。
特開2019-21036号公報
しかしながら、DTWはノイズに弱いため、信号のノイズにより異常の有無を判断する精度が低下する可能性がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、異常の有無を精度よく判定することができる診断装置、診断方法、及びプログラムを提供する。
本発明の第1の態様によれば、診断装置は、位相面データを取得するデータ取得部と、正常時に取得された複数の前記位相面データ全てについて、位相面の縦軸方向及び横軸方向に所定のマージンをもって含むような閾値位相面を作成する閾値位相面作成部と、診断時に取得された前記位相面データが前記閾値位相面に含まれるか否かに基づいて、当該位相面データに異常があるか否かを判定する異常判定部と、を備える。
本発明の第2の態様によれば、第1の態様に係る診断装置において、前記閾値位相面作成部は、正常時に取得された複数の前記位相面データの前記縦軸方向における最大値からなる最大位相面と、最小値からなる最小位相面とを作成し、前記最大位相面及び前記最小位相面を前記縦軸方向に前記マージン分ずつ拡張した縦軸マージン閾値位相面を作成し、前記縦軸マージン閾値位相面と、当該縦軸マージン閾値位相面を前記横軸方向の一方側に所定量移動させた位相面と、当該縦軸マージン閾値位相面を前記横軸方向の他方側に所定量移動させた位相面との論理和により得られる位相面を前記閾値位相面として作成する。
本発明の第3の態様によれば、第1または第2の態様に係る診断装置において、前記閾値位相面作成部は、正常時に取得された複数の前記位相面データ全てが含まれない第2の閾値位相面を更に作成し、前記異常判定部は、診断時に取得された前記位相面データが前記第2の閾値位相面に含まれる場合、当該位相面データに異常があると判定する。
本発明の第4の態様によれば、第1から第3の何れか一の態様に係る診断装置において、前記閾値位相面作成部は、異なるパラメータセットで表される複数種類の前記位相面データごとに前記閾値位相面を作成し、前記異常判定部は、診断時に取得された複数種類の前記位相面データのうち、少なくとも一の種類の位相面データが対応する前記閾値位相面に含まれていない場合、当該位相面データに異常があると判定する。
本発明の第5の態様によれば、第1から第4の何れか一の態様に係る診断装置において、前記閾値位相面作成部は、往復運動の往路に関する前記位相面データと、復路に関する前記位相面データとのそれぞれに対応する前記閾値位相面を作成し、前記異常判定部は、往路及び復路のうち少なくとも一方の前記位相面データが前記閾値位相面に含まれていない場合、当該位相面データに異常があると判定する。
本発明の第6の態様によれば、第1から第5の何れか一の態様に係る診断装置において、前記閾値位相面作成部は、前記閾値位相面として、正常時に取得された複数の前記位相面データ全てについて第1マージンをもって含むような第3の閾値位相面と、前記第1マージンよりも大きい第2マージンをもって含むような第4の閾値位相面とを作成する。
本発明の第7の態様によれば、第6の態様に係る診断装置において、前記異常判定部は、診断時に取得された前記位相面データが前記第3の閾値位相面に含まれず、且つ前記第4の閾値位相面に含まれる場合、当該位相面データは第1レベルの異常であると判定し、診断時に取得された前記位相面データが前記第4の閾値位相面に含まれない場合、当該位相面データは第2レベルの異常であると判定する。
本発明の第8の態様によれば、第1から第7の何れか一の態様に係る診断装置は、診断時に取得された前記位相面データを構成する複数のプロットのうち、前記閾値位相面に含まれていないプロットごとに当該閾値位相面からの距離を算出し、当該距離の最大値を異常の度合いを示す異常度として特定する異常度特定部を更に備える。
本発明の第9の態様によれば、第1から第8の何れか一の態様に係る診断装置は、診断時に取得された前記位相面データに異常があると判定された場合、当該位相面データの形状に基づいて、異常の要因を推定する異常要因推定部を更に備える。
本発明の第10の態様によれば、診断方法は、位相面データを取得するステップと、正常時に取得された複数の前記位相面データ全てについて、位相面の縦軸方向及び横軸方向に所定のマージンをもって含むような閾値位相面を作成するステップと、診断時に取得された前記位相面データが前記閾値位相面に含まれるか否かに基づいて、当該位相面データに異常があるか否かを判定するステップと、を有する。
本発明の第11の態様によれば、診断装置のコンピュータを機能させるプログラムは、前記コンピュータに、位相面データを取得するステップと、正常時に取得された複数の前記位相面データ全てについて、位相面の縦軸方向及び横軸方向に所定のマージンをもって含むような閾値位相面を作成するステップと、診断時に取得された前記位相面データが前記閾値位相面に含まれるか否かに基づいて、当該位相面データに異常があるか否かを判定するステップと、を実行させる。
本発明に係る診断装置、診断方法、及びプログラムによれば、異常の有無を精度よく判定することができる。
第1の実施形態に係るモータ制御システム、機械系、及び診断装置の全体構成を示す図である。 第1の実施形態に係る診断装置の機能構成を示す図である。 第1の実施形態に係る診断装置の処理の一例を示す第1のフローチャートである。 第1の実施形態に係る位相面データの一例を示す図である。 第1の実施形態に係る閾値位相面作成部の機能を説明するための第1の図である。 第1の実施形態に係る閾値位相面作成部の機能を説明するための第2の図である。 第1の実施形態に係る閾値位相面作成部の機能を説明するための第3の図である。 第1の実施形態に係る閾値位相面作成部の機能を説明するための第4の図である。 第1の実施形態に係る診断装置の処理の一例を示す第2のフローチャートである。 第1の実施形態に係る異常判定部の機能を説明するための図である。 第1の実施形態に係る異常度特定部の機能を説明するための図である。 第1の実施形態に係る異常要因推定部の機能を説明するための図である。 第2の実施形態に係る診断装置の機能を説明するための図である。 第3の実施形態に係る診断装置の機能を説明するための図である。 第4の実施形態に係る診断装置の機能を説明するための第1の図である。 第4の実施形態に係る診断装置の処理の一例を示すフローチャートである。 第4の実施形態に係る診断装置の機能を説明するための第2の図である。
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態に係る診断装置について、図1~図12を参照しながら説明する。
(制御対象とする機械系、及びモータ制御システムの概要)
図1は、第1の実施形態に係るモータ制御システム、機械系、及び診断装置の全体構成を示す図である。
図1に示すように、第1の実施形態に係るモータ制御システム1は、モータ20と、負荷21と、モータ20及び負荷21を機械的に連結する軸22(連結部材)と、を有してなる機械系2の動作を制御するシステムである。ここで、本実施形態において、モータ20及び負荷21は、それぞれ内部に回転角度、回転速度を検出可能な回転検出器(エンコーダ)を有し、精密な位置決めを実現可能なサーボモータである。また、本実施形態において、軸22は、例えば、ボールねじ、ギア等の剛性要素、ガタ要素を有する部材である。
図1に示すように、モータ制御システム1は、図示しない上位機器(ホストコントローラ)から負荷21の目標回転角度(以下、「目標角度θ」と記載する。)を示す角度指令値を受け付ける。そして、モータ制御システム1は、受け付けた目標角度θに応じてモータ20に発生すべきトルクτを算出し、当該トルクτを示すトルク指令値を出力する。モータ20は、受け付けたトルク指令値に基づいてトルクτで回転駆動し、そのトルクτがモータ20側から負荷21側へと軸22を通じて伝達する。その結果、伝達されたトルクτ’に応じて負荷21が回転駆動する。このようにして、モータ制御システム1により、負荷21の回転角度θが所望の目標角度θに一致するような制御が実現される。
本実施形態に係るモータ制御システム1は、いわゆるクローズドシステムであって、モータ20の回転速度(角速度)と、負荷21の回転角度と、を示す実測データを入力し、これらの実測データに基づいてフィードバック制御を行う。具体的には、モータ制御システム1は、角度指令値により指定される負荷21の目標角度と、回転検出器により観測される現在の負荷21の角度(負荷角度)との偏差をゼロとするためのトルクを算出し、この算出結果をトルク指令値として出力する。その際、モータ制御システム1は、回転検出器を通じて観測されたモータ20の角速度(モータ角速度)を参照して、適切且つ迅速なフィードバック制御がなされるようなトルクを算出する。
なお、モータ制御システム1は、このように算出されたトルク(トルク指令値)を機械系2(モータ20)に向けて出力する。
なお、以下の説明において、モータ20の回転速度(角速度)を「モータ角速度ω」とも記載し、モータ20の回転角度を「モータ角度θ」とも記載する。また、負荷21の回転速度(角速度)を「負荷角速度ω」とも記載し、負荷21の回転角度を「負荷角度θ」とも記載する。
なお、機械系2における負荷21が、回転系ではなく直動系の負荷(テーブル負荷等)の場合、負荷21に対する制御対象パラメータは、厳密には“角度”、“角速度”ではなく、“位置”、“速度”となる。しかし、この場合、モータ制御システム1は、2慣性系として、モータ20の“角度”、“角速度”と同じ次元で取り扱うために、負荷の“位置”、“速度”を、モータ軸換算値としての“角度”、“角速度”に逐次変換して各種制御を行うものとする。また、機械系2(駆動系)にギアのある場合にも、負荷の“角度”、“角速度”をモータ軸換算値に逐次変換して各種制御を行うものとする。
診断装置3は、モータ制御システム1を介して得た機械系2の観測データに基づいて、機械系2の出荷試験、異常診断、ヘルスモニタリング等を行うシステムである。診断装置3は、一般に用いられる汎用のコンピュータ等であってよい。
(診断装置の機能構成)
図2は、第1の実施形態に係る診断装置の機能構成を示す図である。
図2に示すように、診断装置3は、CPU30と、メモリ31と、表示部32と、操作部33と、接続インタフェース34と、記録媒体35とを備えている。
CPU30は、診断装置3の動作全体を司るプロセッサである。CPU30は、記録媒体等に格納されたプログラムやデータをメモリ31上に読み出し、当該プログラムに規定される処理を実行することで、後述の各機能を実現する。
メモリ31は、CPU30のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリ(RAM)である。
表示部32は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等により実現され、CPU30による処理結果を表示する。
操作部33は、例えば、マウス、タッチパネル及びキーボード等で構成され、操作者(ユーザ)の指示を受けてCPU30に各種操作等を入力する。
接続インタフェース34は、外部装置とのインタフェースである。特に、本実施形態においては、接続インタフェース34は、モータ制御システム1と接続される。
記録媒体35は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の大容量記録デバイスにより実現され、OS(Operation System)、アプリケーションプログラム、及び、各種データ等を記憶する。
CPU30は、所定のプログラムに基づいて動作することで、図2に示すデータ取得部300、閾値位相面作成部301、異常判定部302、異常度特定部303、異常要因推定部304としての機能を発揮する。
データ取得部300は、診断対象である機械系2の位相面データを取得する。データ取得部300は、例えば、連結部材(軸22)のねじれ角度(モータ角度θと負荷角度θとの差。以下、“θ-θ”と記載する。)と、トルク指令値(トルクτ)との関係を示す「ねじれ角度-トルク位相面データ」を取得する。このとき、データ取得部300は、モータ制御システム1からモータ20に対するトルク指令値(トルクτ)と、モータ20の角度(モータ角度θ)の経時的変化を示す実測データと、負荷21の角度(負荷角度θ)の経時的変化を示す実測データと受信して、受信したこれらのデータに基づいて位相面データを作成して取得するようにしてもよい。
閾値位相面作成部301は、機械系2の正常時に取得された複数の位相面データ全てについて、位相面の縦軸方向及び横軸方向に所定のマージンをもって含むような閾値位相面を作成する。
異常判定部302は、機械系2の診断時に取得された位相面データが閾値位相面に含まれるか否かに基づいて、当該位相面データに異常があるか否かを判定する。また、異常判定部302は、機械系2の異常の有無の判定結果を、閾値位相面及び診断に用いた位相面データとともに表示部32に表示させてユーザに提示する。
異常度特定部303は、機械系2の診断時に取得された位相面データを構成する複数のプロット(サンプル点)のうち、閾値位相面に含まれていないプロットごとに当該閾値位相面からの距離を算出し、当該距離の最大値を異常の度合いを示す異常度として特定する。また、異常度特定部303は、異常度を表示部32に表示させてユーザに提示する。
異常要因推定部304は、機械系2の診断時に取得された位相面データに異常があると判定された場合、当該位相面データを構成する複数のプロットのうち、閾値位相面に含まれていないプロットの位置に基づいて、異常の要因を推定する。また、異常要因推定部304は、推定した異常の要因を表示部32に表示させてユーザに提示する。
(診断装置の処理フロー)
図3は、第1の実施形態に係る診断装置の処理の一例を示す第1のフローチャートである。
以下、図3を参照しながら、診断装置3が機械系2の診断に用いる閾値位相面データを作成する処理の一例について説明する。
まず、データ取得部300は、位相面データP1(図4)を取得する(ステップS01)。
図4は、第1の実施形態に係る位相面データの一例を示す図である。
図4の縦軸はモータに対するトルク指令値(トルクτ)、横軸は軸22のねじれ角度θ-θを示す。本実施形態に係るデータ取得部300は、モータ制御システム1からモータ20に対するトルク指令値(トルクτ)と、モータ20の角度(モータ角度θ)の経時的変化を示す実測データと、負荷21の角度(負荷角度θ)の経時的変化を示す実測データと受信して、受信したこれらのデータに基づいて「ねじれ角度-トルク位相面データ」を取得する。また、取得した位相面データP1は、記録媒体35に記録されて蓄積される。
なお、本実施形態では、データ取得部300が機械系2から実測データを取得して、位相面データP1を作成、取得する態様を例としたが、これに限られることはない。他の実施形態では、データ取得部300は、実測データに代えて、診断装置3のユーザが作成したダミーデータを取得し、このダミーデータに基づいて位相面データP1を作成、取得するようにしてもよい。また、データ取得部300は、ユーザが作成した位相面データP1を取得するようにしてもよい。例えばユーザは、同機種の他の機械系2で既に取得、作成済みの位相面データP1がある場合、これを診断装置3に入力するようにしてもよい。これにより、実測データの取得、蓄積に要する時間及び労力を低減させることができる。
次に、閾値位相面作成部301は、機械系2の正常時に取得した複数の位相面データP1(ねじれ角度-トルク位相面データ)に基づいて、最大位相面P1_MAX(図4)及び最小位相面P1_MIN(図4)を作成する(ステップS02)。
図5は、第1の実施形態に係る閾値位相面作成部の機能を説明するための第1の図である。
図5には、データを見やすくするために複数の位相面データP1の縦軸方向及び横軸方向の一部領域を抜粋したものが示されている。閾値位相面作成部301は、ステップS02において、図5に示すように、位相面データP1を横軸方向に複数(例えば、100個)のセクションに分割し、セクション毎の最大値を求める。そして、閾値位相面作成部301は、複数のセクションそれぞれの最大値からなる最大位相面P1_MAXを作成する。同様に閾値位相面作成部301は、セクション毎の最小値からなる最小位相面P1_MINを作成する。
なお、最大位相面P1_MAX及び最小位相面P1_MINは、各セクションから最大値及び最小値となるプロットを抽出して作成されたものであるため、プロット間の間隔が均一とならない可能性がある。このため、本実施形態に係る閾値位相面作成部301は、最大位相面P1_MAX及び最小位相面P1_MINに対し等間隔化処理を合わせて行う。等間隔化処理とは、最大位相面P1_MAX及び最小位相面P1_MINに示される位相面の形を維持したまま、当該最大位相面P1_MAX及び最小位相面P1_MINの一部分に偏在するプロットを均等化させる処理である。
次に、閾値位相面作成部301は、最大位相面P1_MAX及び最小位相面P1_MINを縦軸方向に拡張した縦軸マージン閾値位相面P2を作成する(ステップS03)。
図6は、第1の実施形態に係る閾値位相面作成部の機能を説明するための第2の図である。
図6には、図5と同様に、データを見やすくするために複数の位相面データP1の縦軸方向及び横軸方向の一部領域を抜粋したものが示されている。閾値位相面作成部301は、ステップS03において、図6に示すように、セクション毎の最大値それぞれに所定のマージンMを加算して最大位相面P1_MAXを縦軸方向の上側に拡張する。また、同様に、閾値位相面作成部301は、セクション毎の最小値それぞれから所定のマージンMを減算して、最小位相面P1_MINを縦軸方向の下側に拡張する。閾値位相面作成部301は、このように最大位相面P1_MAX及び最小位相面P1_MINからなる位相面を、縦軸方向に拡張した縦軸マージン閾値位相面P2を作成する。なお、マージンMの値は位相面データP1の統計データに基づいて設定される。例えば、この統計データが正規分布に従うと仮定した場合、縦軸マージン閾値位相面P2が±3σの範囲となるように、マージンMの値が設定される。
次に、閾値位相面作成部301は、縦軸マージン閾値位相面P2を横軸方向にシフトした横軸マージン閾値位相面P2´(図7)を作成する(ステップS04)。
図7は、第1の実施形態に係る閾値位相面作成部の機能を説明するための第3の図である。
図7には、図5及び図6と同様に、データを見やすくするために複数の位相面データP1の縦軸方向及び横軸方向の一部領域を抜粋したものが示されている。図7に示すように、閾値位相面作成部301は、縦軸マージン閾値位相面P2をプラス方向(図7の右方向)、及びマイナス方向(図7の左方向)に所定量シフトさせた横軸マージン閾値位相面P2´をそれぞれ作成する。例えば、本実施形態に係る閾値位相面作成部301は、縦軸マージン閾値位相面P2を作成する際に位相面データP1を横軸方向に100セクションに分割(図5)していたとすると、図7に示すように縦軸マージン閾値位相面P2を横軸方向に±1~±5セクションずつシフトした十個の横軸マージン閾値位相面P2´を作成する。
次に、閾値位相面作成部301は、縦軸マージン閾値位相面P2と、複数の横軸マージン閾値位相面P2´との論理和により得られる閾値位相面P3を作成する(ステップS05)。このようにすることで、閾値位相面作成部301は、縦軸方向及び横軸方向の両方に滑らかに拡張した閾値位相面P3を作成することができる。これにより、実測データからなる位相面データP1に振動、ばらつき等があったとしても、閾値位相面P3への影響を低減させることができる。
図8は、第1の実施形態に係る閾値位相面作成部の機能を説明するための第4の図である。
図8に示すように、閾値位相面作成部301により作成された閾値位相面P3は、正常時に取得された複数の位相面データP1全てを、所定のマージンMをもって内側に含むように、横軸方向及び縦軸方向それぞれに拡張されていることが分かる。閾値位相面作成部301は、このように作成した閾値位相面P3を記録媒体35に記憶して(ステップS06)、処理を終了する。
なお、本実施形態に係る診断装置3は、上述の閾値位相面P3を作成する一連の処理を、例えば機械系2の運転開始後、一回のみ実行すればよい。この後、診断装置3は、この閾値位相面P3を用いて機械系2の異常の有無を診断する処理を行う。
図9は、第1の実施形態に係る診断装置の処理の一例を示す第2のフローチャートである。
次に、図9を参照しながら、診断装置3による機械系2の診断処理の一例について説明する。
図9に示すように、データ取得部300は、診断対象である機械系2の位相面データP1を取得する(ステップS11)。データ取得部300は、図3のステップS01と同様に、「ねじれ角度-トルク位相面データ」を取得する。また、取得した位相面データP1は、記録媒体35に記録される。
次に、異常判定部302は、ステップS11において取得した位相面データP1に異常があるか否かを判定する。具体的には、異常判定部302は、取得した位相面データP1が閾値位相面P3の内側に含まれるか否を判定する(ステップS12)。
異常判定部302は、位相面データP1を構成する複数のプロット全てが閾値位相面P3の内側に含まれている場合(ステップS12:YES)、この位相面データP1は正常であると判定する(ステップS13)。この場合、診断装置3は、機械系2は正常であるとして処理を終了する。
一方、異常判定部302は、位相面データP1を構成する複数のプロットのうち少なくとも一つが閾値位相面P3の内側に含まれていない(閾値位相面P3の外側に位置する)場合(ステップS12:NO)、この位相面データP1は異常であると判定する(ステップS14)。
図10は、第1の実施形態に係る異常判定部の機能を説明するための図である。
図10には、閾値位相面P3と、ステップS11で取得した位相面データP1の一例が示されている。図10の例では、位相面データP1の一部が閾値位相面P3から外側に突出しているので(ステップS12:NO)、異常判定部302はこの位相面データP1は異常であると判定する(ステップS14)。
そうすると、異常度特定部303は、位相面データP1を構成する複数のプロットのうち、閾値位相面P3に含まれていないプロットに基づいて、機械系2に生じている異常の度合いを示す異常度を特定する(ステップS15)。
図11は、第1の実施形態に係る異常度特定部の機能を説明するための図である。
具体的には、異常度特定部303は、図11に示すように、閾値位相面P3の縦軸方向及び横軸方向における大きさ(最小値から最大値までの距離)を「1」で正規化する。閾値位相面P3及び位相面データP1の各次元(縦軸:トルクτ、横軸:ねじれ角度(θ-θ))は、スケールや単位が異なるため、それぞれが属する数値範囲が大きく異なる。そこで、異常度特定部303は、トルクτ及びねじれ角度(θ-θ)を同一のスケール、単位として扱えるように、“0~+1”の範囲に収まるように正規化を行う。そして、異常度特定部303は、閾値位相面P3の外側に位置するプロットそれぞれについて、閾値位相面P3からの距離Dを算出する。例えば、図11に示すように、領域Aにおいて、位相面データP1の一部のプロットQ1、Q2、Q3、…が閾値位相面P3の外側に位置しているとする。異常度特定部303は、これらプロットそれぞれの閾値位相面P3からの距離Dを算出し、当該距離Dの最大値を異常度として特定する。
また、異常要因推定部304は、異常であると判定された位相面データP1の形状に基づいて、機械系2の異常の要因を推定する(ステップS16)。トルクτ及びねじれ角度(θ-θ)の位相面データは、ガタが増大すると横軸(ねじれ角度(θ-θ))方向に位相面が広がる傾向があり、摩擦が増大すると縦軸(トルクτ)方向に位相面が広がる傾向がある。本実施形態では、このような傾向をもとに、機械系2の運転パターン別に、どのような異常が生じたときに位相面データP1がどのような形状となるかを分類した異常パターン情報が予め記録媒体35に記録されているものとする。異常要因推定部304は、この異常パターン情報に基づいて、位相面データP1の形状から異常の要因を推定する。異常パターン情報は、例えば、位相面データP1の縦軸方向及び横軸方向への移動量と、異常要因とを対応付けた情報である。また、異常パターン情報は、ガタの増大による異常時、摩擦の増大による異常時に取得した、異常要因別の位相面データであり、異常要因推定部304は、パターンマッチングによりどの異常要因に類似するかを推定するようにしてもよい。
図12は、第1の実施形態に係る異常要因推定部の機能を説明するための図である。
例えば、図12に示すように、ある時点において位相面データP1_1を取得したとする。位相面データP1_1は、閾値位相面P3よりも横軸方向に突出したプロットを有している。したがって、異常要因推定部304は、この位相面データP1_1は横軸(ねじれ角度(θ-θ))方向に位相面が広がっており、ガタが増大したことが異常の要因であると推定する。
また、図12に示すように、他の時点において位相面データP1_2を取得したとする。位相面データP1_2は、閾値位相面P3よりも縦軸方向に突出したプロットを有している。したがって、異常要因推定部304は、この位相面データP1_2は縦軸(トルクτ)方向に位相面が広がっており、摩擦が増大したことが異常の要因であると推定する。
次に、異常判定部302は、位相面データP1が異常であると判定した場合、機械系2に異常が発生したことを示す警告を出力する(ステップS17)。異常判定部302は、例えば、異常の発生日時、異常であると判定された位相面データP1及び閾値位相面P3を図示した表示データ(図10)、異常度特定部303が特定した異常度、及び異常要因推定部が推定した異常の要因を含む警告情報を表示部32に表示する。これにより、診断装置3のユーザは、機械系2に異常が発生したことを認識することができるとともに、推定される異常の要因、及び異常度を容易に把握することができる。
診断装置3は、上述の一連の処理をヘルスモニタリングとして、又は検査の際に実行することにより、機械系2の異常の有無を診断することができる。
(作用、効果)
以上のように、 本実施形態に係る診断装置3は、位相面データP1を取得するデータ取得部300と、正常時に取得された複数の位相面データP1全てについて、位相面の縦軸方向及び横軸方向に所定のマージンMをもって含むような閾値位相面P3を作成する閾値位相面作成部301と、診断時に取得された位相面データP1が閾値位相面P3に含まれるか否かに基づいて、当該位相面データP1に異常があるか否かを判定する異常判定部302と、を備える。
例えば、従来のように、位相面の異常をDTWで数値化して異常の有無を判定する場合、位相面データを構成する信号にノイズ、ばらつきが生じた場合、このノイズ等が数値に反映されてしまい、異常診断の精度が低下する可能性があった。しかしながら、本実施形態に係る診断装置3は、信号にノイズ等が位相面データP1に含まれていたとしても、所定のマージンMを含む閾値位相面P3に含まれるか否かにより、異常の有無の判定を行うので、ノイズ等の影響を受けにくい。また、位相面データは、機械系2の複数の信号の時系列データを座標空間に描いたものであり、位相面データには、データの関係をプロットした散布図を用いるサポートベクタマシン(SVN)、マハラノビス距離とは異なり、データの順序が保持される。このため、位相面データには、ヒステリシス及び非線形特性の特徴を含まれるので、機械系2のガタ、摩擦等の特性を把握することが容易となる。したがって、本実施形態に係る診断装置3は、異常の有無を精度よく判定することができる。
また、異常判定部302は、異常であると判定された位相面データP1及び閾値位相面P3を図示した表示データを表示部32に表示させるようにしてもよい。
このようにすることで、診断装置3は、ユーザに対し、異常の判定結果を容易に認識させることができる。
また、閾値位相面作成部301は、正常時に取得された複数の位相面データP1の縦軸方向における最大値からなる最大位相面P1_MAXと、最小値からなる最小位相面P1_MINとを作成し、最大位相面P1_MAX及び最小位相面P1_MINを縦軸方向に所定のマージンM分ずつ拡張した縦軸マージン閾値位相面P2を作成し、縦軸マージン閾値位相面P2と、当該縦軸マージン閾値位相面P2を横軸方向の一方側に所定量移動させた横軸マージン閾値位相面P2´と、当該縦軸マージン閾値位相面P2を横軸方向の他方側に所定量移動させた横軸マージン閾値位相面P2´との論理和により得られる位相面を閾値位相面P3として作成する。
このようにすることで、診断装置3は、予め任意のマージンMを与えておくのみで、閾値位相面P3を自動的且つ容易に作成することができる。また、診断装置3は、縦軸方向及び横軸方向の両方に滑らかに拡張した閾値位相面P3を作成することができる。これにより、実測データからなる位相面データP1に振動、ばらつき等があったとしても、閾値位相面P3への影響を低減させることができる。
また、診断装置3は、診断時に取得された位相面データP1を構成する複数のプロットのうち、閾値位相面P3に含まれていないプロットごとに当該閾値位相面P3からの距離Dを算出し、当該距離Dの最大値を異常の度合いを示す異常度として特定する異常度特定部303を更に備える。
このようにすることで、診断装置3は、異常の度合いを数値化、定量化することができる。また、診断装置3は、この異常度を、表示部32を通じて診断装置3のユーザに提示してもよい。これにより、ユーザは、機械系2に発生した異常の程度を容易に認識することができる。
また、診断装置3は、診断時に取得された位相面データP1に異常があると判定された場合、当該位相面データP1の形状に基づいて、異常の要因を推定する異常要因推定部304を更に備える。
このようにすることで、診断装置3は、位相面データP1に表れる異常時の傾向から、機械系2に発生している異常の要因を推定することができる。また、診断装置3は、推定した異常の要因を、表示部32を通じて診断装置3のユーザに提示してもよい。これにより、ユーザは、機械系2に発生した異常の要因を容易に認識することができるので、異常を解消するための対策を迅速に行うことができる。また、異常の要因と異常度とを組み合わせることにより、ユーザに対し、どのような異常がどのような度合いで生じているかを容易に把握させることができる。
なお、第1の実施形態では、診断装置3が「ねじれ角度-トルク位相面データ」を用いて異常の有無を診断する態様を例としたが、これに限られることはない。他の実施形態では、診断装置3は、トルク指令値(トルクτ)とモータ20の角速度(モータ角速度ω)及び負荷21の角速度(負荷角速度ω)との関係を示す「トルク-機械角速度位相面データ」、軸22のねじれ角度(θ-θ)とモータ20の角速度(モータ角速度ω)及び負荷21の角速度(負荷角速度ω)との関係を示す「ねじれ角度-機械角速度位相面データ」、トルク指令値(トルクτ)と軸22のねじれ速度(モータ角速度ωと負荷角速度ωとの差。以下、“ω-ω”と記載する。)との関係を示す「トルク-ねじれ速度位相面データ」、軸22のねじれ角度(θ-θ)と軸22のねじれ速度(ω-ω)との関係を示す「ねじれ角度-ねじれ速度位相面データ」、負荷21の角度(負荷角度θ)とトルク指令値(トルクτ)との関係を示す「負荷角度-トルク位相面データ」のうち、何れかを用いて異常の有無を診断するようにしてもよい。
また、「ねじれ角度-トルク位相面データ」では、異常時にガタ、摩擦等の影響で信号の値が大きくなる傾向がある。このため、本実施形態では、閾値位相面作成部301が、正常時の位相面データP1よりも外側に閾値位相面P3を作成する態様について説明した。しかしながら、上述のように、診断装置3は、他の位相面データを用いて異常の有無を診断してもよい。このため、異常時に信号の値が小さくなる傾向がある位相面データを用いる場合は、閾値位相面作成部301は、正常時の位相面データP1よりも内側に閾値位相面P3(第2の閾値位相面)を作成するようにしてもよい。つまり、閾値位相面作成部301は、正常時に取得された位相面データP1全てが含まれない第2の閾値位相面P3を作成する。この場合、異常判定部302は、診断時に取得された位相面データP1が第2の閾値位相面に含まれる場合、当該位相面データP1は異常であると判定する。
また、第1の実施形態では、異常度特定部303が、閾値位相面P3に含まれていないプロットそれぞれについて閾値位相面P3からの距離Dを求め、この距離Dのうち最大の値を異常度として特定する態様について説明したが、これに限られることはない。他の実施形態では、異常度特定部303は、位相面データP1の面積のうち、閾値位相面P3に含まれていない面積(はみ出た箇所の面積)を計算し、この面積を異常度として特定するようにしてもよい。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係る診断装置3について図13を参照しながら説明する。
第1の実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
第1の実施形態では、閾値位相面作成部301が一つの閾値位相面P3を作成する態様について説明した。第2の実施形態では、閾値位相面作成部301が、異なるパラメータセットで表される複数種類の位相面データP1それぞれに対応する複数の閾値位相面P3を作成する点において、第1の実施形態と異なっている。
図13は、第2の実施形態に係る診断装置の機能を説明するための図である。
例えば、本実施形態に係る閾値位相面作成部301は、「ねじれ角度-トルク位相面データ」に対応する閾値位相面P3A、「負荷角度-トルク位相面データ」に対応する閾値位相面P3B、「トルク-機械角速度位相面データ」に対応する閾値位相面P3C、「トルク-ねじれ速度位相面データ」に対応する閾値位相面P3D、「ねじれ角度-機械角速度位相面データ」に対応する閾値位相面P3Eの5つの閾値位相面を作成する。
このように複数の閾値位相面P3A~P3Eを作成するために、本実施形態に係る診断装置3の各部は、閾値位相面を作成する一連の処理(図3のフローチャート)において、以下のように動作する。
データ取得部300は、図3のステップS01において、「ねじれ角度-トルク位相面データP1A」と、「負荷角度-トルク位相面データP1B」と、「トルク-機械角速度位相面データP1C」と、「トルク-ねじれ速度位相面データP1D」と、「ねじれ角度-機械角速度位相面データP1E」と、をそれぞれ複数ずつ取得する。
また、閾値位相面作成部301は、図3のステップS02~S06の処理を、複数種類の位相面データP1A~P1Bそれぞれについて実行し、「ねじれ角度-トルク位相面データP1A」に対応する閾値位相面P3A、「負荷角度-トルク位相面データP1B」に対応する閾値位相面P3B、「トルク-機械角速度位相面データP1C」に対応する閾値位相面P3C、「トルク-ねじれ速度位相面データP1D」に対応する閾値位相面P3D、「ねじれ角度-機械角速度位相面データP1E」に対応する閾値位相面P3Eの5つの閾値位相面を作成する。具体的な処理の内容は、第1の実施形態と同様である。
更に、本実施形態に係る診断装置3の各部は、異常の有無を判定する一連の処理(図9のフローチャート)において、以下のように動作する。
データ取得部300は、図9のステップS11において、「ねじれ角度-トルク位相面データP1A」と、「負荷角度-トルク位相面データP1B」と、「トルク-機械角速度位相面データP1C」と、「トルク-ねじれ速度位相面データP1D」と、「ねじれ角度-機械角速度位相面データP1E」と、をそれぞれ取得する。
また、異常判定部302は、図9のステップS12において、複数種類の位相面データP1A~P1Eそれぞれが対応する閾値位相面P3A~P3E(図13)に含まれるか否かを判定する。例えば、図13に示すように、ある時点において、各種類の位相面データP1A_1~P1E_1を取得したとする。図13の例では、位相面データP1A~P1Eは、それぞれ対応する閾値位相面P3A~P3Eに含まれているので(ステップS12:YES)、異常判定部302は、全ての位相面データP1A~P1Eが正常であると判定する(ステップS13)。この場合、診断装置3は、機械系2は正常であるとして処理を終了する。
一方、異常判定部302は、対応する閾値位相面P3A~P3Eに含まれていない位相面データP1A~P1Eがある場合、その位相面データは異常であると判定する(ステップS14)。例えば、図13に示すように、ある時点において、各種類の位相面データP1A_2~P1E_2を取得したとする。図13の例では、「トルク-ねじれ速度位相面データP1D」及び「ねじれ角度-機械角速度位相面データP1E」は、対応する閾値位相面P3D及びP3Eの内部に含まれている。しかしながら、「ねじれ角度-トルク位相面データP1A」、「負荷角度-トルク位相面データP1B」、及び「トルク-機械角速度位相面データP1C」は、それぞれ、対応する閾値位相面P3A、P3B、及びP3Cの外側にはみ出しているプロットがある。したがって、異常判定部302は、「ねじれ角度-トルク位相面データP1A」、「負荷角度-トルク位相面データP1B」、及び「トルク-機械角速度位相面データP1C」が異常であると判定する(ステップS14)。異常判定部302は、複数の位相面データP1A~P1Eのうち、少なくとも一つが閾値位相面P3A~P3Eに含まれていない場合、機械系2に異常が発生していると判定する。
また、異常度特定部303は、位相面データP1A~P1Eの少なくとも一つが異常であると判定された場合、図9のステップS15において、異常と判定された位相面データの異常度を特定する。異常度を特定する具体的な処理は、第1の実施形態と同様である。
また、異常要因推定部304は、位相面データP1A~P1Eの少なくとも一つが異常であると判定された場合、図9のステップS16において、異常と判定された位相面データの異常の要因を推定する。異常の要因を推定する具体的な処理は、第1の実施形態と同様である。
また、異常判定部302は、位相面データP1A~P1Eの少なくとも一つが異常であると判定した場合、図9のステップS17において、機械系2に異常が発生していることを示す警告を出力する。異常判定部302は、例えば、異常の発生日時、異常であると判定された位相面データ及び閾値位相面を図示した表示データ、異常度特定部303が特定した異常度、及び異常要因推定部が推定した異常の要因を含む警告情報を表示部32に表示する。
以上のように、本実施形態に係る診断装置3において、閾値位相面作成部301は、異なるパラメータセットで表される複数種類の位相面データP1A~P1Eごとに閾値位相面P3A~P3Eを作成する。また、異常判定部302は、診断時に取得された複数種類の位相面データP1A~P1Eのうち、少なくとも一の種類の位相面データが対応する閾値位相面P3A~P3Eに含まれていない場合、当該位相面データに異常があると判定する。
このようにすることで、診断装置3は、ある一の種類の位相面データ(例えば、「トルク-ねじれ速度位相面データP1D」)からは検出することが困難であった異常が、他の種類の位相面データ(例えば、「トルク-機械角速度位相面データP1C」)から検出できる可能性を上昇させることができる。このため、診断装置3は、異常の有無を判定する精度をより向上させることができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態に係る診断装置3について図14を参照しながら説明する。
第1及び第2の実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
図14は、第3の実施形態に係る診断装置の機能を説明するための図である。
図14に示すように、第3の実施形態に係る閾値位相面作成部301は、例えば機械系2が往復運動を行うものである場合、機械系2の往路及び復路それぞれに関する、二つの閾値位相面P3F、P3Gを作成する。このため、本実施形態に係る診断装置3の各部は、閾値位相面を作成する一連の処理(図3のフローチャート)において、以下のように動作する。
データ取得部300は、図3のステップS01において、往路に関する複数の位相面データP1Fと、復路に関する複数の位相面データP1Gとを取得する。
また、閾値位相面作成部301は、図3のステップS02において、往路に関する複数の位相面データP1Fの最大位相面P1F_MAX(図14)を作成するとともに、復路に関する複数の位相面データP1Gの最小位相面P1G_MIN(図14)を作成する。最大位相面P1F_MAX及び最小位相面P1G_MINを作成する具体的な処理の内容は、第1の実施形態と同様である。
また、閾値位相面作成部301は、図3のステップS03~S05において、最大位相面P1F_MAXを縦軸方向及び横軸方向に拡張した位相面を、往路に対応する閾値位相面P3F(図14)として作成する。同様に、閾値位相面作成部301は、最小位相面P1G_MINを縦軸方向及び横軸方向に拡張した位相面を、復路に対応する閾値位相面P3G(図14)として作成する。閾値位相面を作成する具体的な処理の内容は、第1の実施形態と同様である。
更に、本実施形態に係る診断装置3の各部は、異常の有無を判定する一連の処理(図9のフローチャート)において、以下のように動作する。
データ取得部300は、図9のステップS11において、往路に対応する位相面データP1Fと、復路に対応する位相面データP1Gとを取得する。
また、異常判定部302は、図9のステップS12において、往路の位相面データP1Fが往路の閾値位相面P3F(図14)に含まれるか否かを判定するとともに、復路の位相面データP1Gが復路の閾値位相面P3G(図14)に含まれるか否かを判定する。異常判定部302は、往路及び復路の両方の位相面データP1F、P2Gが閾値位相面P3F、P3Gそれぞれの内側に含まれている場合(ステップS12:YES)、往路及び復路の位相面データP1F、P1Gは正常であると判定する(ステップS13)。この場合、診断装置3は、機械系2は正常であるとして処理を終了する。
一方、異常判定部302は、位相面データP1F、P1Gのうち少なくとも一方が閾値位相面P3F、P3Gに含まれていない場合、その位相面データは異常であると判定する(ステップS14)。例えば、図14に示すように、往路の位相面データP1Fは閾値位相面P3Fに含まれているが、復路の位相面データP1Gは閾値位相面P3Gから一部がはみ出ているとする。この場合、異常判定部302は、復路の位相面データP1Gは異常であると判定する。
また、異常度特定部303は、往路及び復路の位相面データP1F、P1Gの少なくとも一方が異常であると判定された場合、図9のステップS15において、異常と判定された位相面データの異常度を特定する。異常度を特定する具体的な処理は、第1の実施形態と同様である。
また、異常要因推定部304は、往路及び復路の位相面データP1F、P1Gの少なくとも一方が異常であると判定された場合、図9のステップS16において、異常と判定された位相面データの異常の要因を推定する。異常の要因を推定する具体的な処理は、第1の実施形態と同様である。
また、異常判定部302は、往路及び復路の位相面データP1F、P1Gの少なくとも一方が異常であると判定した場合、図9のステップS17において、機械系2に異常が発生していることを示す警告を出力する。異常判定部302は、例えば、異常の発生日時、異常が発生した箇所(往路、復路、又は両方)、異常であると判定された位相面データ及び閾値位相面を図示した表示データ、異常度特定部303が特定した異常度、及び異常要因推定部が推定した異常の要因を含む警告情報を表示部32に表示する。
以上のように、本実施形態にかかる診断装置3において、閾値位相面作成部301は、往復運動の往路に関する位相面データP1Fと、復路に関する位相面データP1Gとのそれぞれに対応する閾値位相面P3F、P3Gを作成する。また、異常判定部302は、往路及び復路のうち少なくとも一方の位相面データP1F、P1Gが閾値位相面P3F、P3Gに含まれていない場合、当該位相面データに異常があると判定する。
このようにすることで、診断装置3は、往路と復路とでヒステリシスが交差するような場合であっても、異常の有無を精度よく判定することができる。
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態に係る診断装置3について図15を参照しながら説明する。
第1から第3の実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
図15は、第4の実施形態に係る診断装置の機能を説明するための図である。
図15に示すように、第4の実施形態に係る閾値位相面作成部301は、正常時に取得された複数の位相面データP1(例えば、「ねじれ角度-トルク位相面データ」)全てについて第1マージンM1をもって含むような閾値位相面P3H(第3の閾値位相面)と、第1マージンM1よりも大きい第2マージンM2をもって含むような閾値位相面P3I(第4の閾値位相面)とを作成する。本実施形態において、第3の閾値位相面P3Hは、今後異常が発生する可能性があるか否かを判定するための基準として用いられる。また、第4の閾値位相面P3Iは、現在以上が発生しているか否かを判定するための基準として用いられる。本実施形態に係る診断装置3の各部は、閾値位相面を作成する一連の処理(図3のフローチャート)において、以下のように動作する。
閾値位相面作成部301は、図3のステップS03において、最大位相面P1_MAX及び最小位相面P1_MINを縦軸方向に第1マージンM1分ずつ拡張した縦軸マージン閾値位相面P2と、第2マージンM2分ずつ拡張した縦軸マージン閾値位相面P2とを作成する。なお、なお、第1マージンM1及び第2マージンM2の値は、第1の実施形態と同様に、位相面データP1の統計データに基づいて設定される。
次に、閾値位相面作成部301は、図3のステップS04~S05の処理を実行し、第1マージンM1分を拡張した縦軸マージン閾値位相面P2を横軸方向にシフトした横軸マージン閾値位相面P2´を作成するとともに、この縦軸マージン閾値位相面P2と、横軸マージン閾値位相面P2´との論理和から得られる位相面を、閾値位相面P3H(第3の閾値位相面)として作成する。同様に、閾値位相面作成部301は、第2マージンM2分を拡張した縦軸マージン閾値位相面P2を横軸方向にシフトした横軸マージン閾値位相面P2´を作成するとともに、この縦軸マージン閾値位相面P2と、横軸マージン閾値位相面P2´との論理和から得られる位相面を、閾値位相面P3I(第4の閾値位相面)として作成する。
図16は、第4の実施形態に係る診断装置の処理の一例を示すフローチャートである。
更に、本実施形態に係る診断装置3の各部は、図9の診断処理に代えて、図16に示す診断処理を実行する。
図16に示すように、データ取得部300は、診断対象である機械系2の位相面データP1を取得する(ステップS21)。この処理は図9のステップS11と同様である。
次に、異常判定部302は、ステップS21において取得した位相面データP1に異常があるか否かを判定する。具体的には、まず、異常判定部302は、取得した位相面データP1が第3の閾値位相面P3Hの内側に含まれるか否を判定する(ステップS22)。
図17は、第4の実施形態に係る診断装置の機能を説明するための第2の図である。
例えば、図17に示すように、ある時点において位相面データP1_1を取得したとする。異常判定部302は、この位相面データP1_1を構成する複数のプロット全てが第3の閾値位相面P3Hの内側に含まれているので(ステップS22:YES)、この位相面データP1_1は正常であると判定する(ステップS23)。この場合、診断装置3は、機械系2は正常であるとして処理を終了する。
また、例えば、図17に示すように、ある時点において位相面データP1_2を取得したとする。異常判定部302は、位相面データP1_2を構成する複数のプロットのうち少なくとも一つが第3の閾値位相面P3Hの内側に含まれていない(第3の閾値位相面P3Hの外側に位置する)と判定する(ステップS22:NO)。この場合、異常判定部302は、更にこの位相面データP1_2が第4の閾値位相面P3Iの内側に含まれるか否かを判定する(ステップS24)。
図17の例では、位相面データP1_2は、第3の閾値位相面P3Hを超えるが、第4の閾値位相面P3Iの内側に含まれている(ステップS24:YES)。この場合、異常判定部302は、この位相面データP1_2は、今後異常が発生する可能性があることを示す「注意(第1レベルの異常)」であると判定する(ステップS25)。
また、例えば、図17に示すように、ある時点において位相面データP1_3を取得したとする。異常判定部302は、位相面データP1_3を構成する複数のプロットのうち少なくとも一つが第4の閾値位相面P3Iの内側に含まれていない(第4の閾値位相面P3Iの外側に位置する)と判定する(ステップS24:NO)。この場合、異常判定部302は、この位相面データP1_3は、異常が発生中であることを示す「異常(第2レベルの異常)」であると判定する(ステップS26)。
次に、異常度特定部303は、位相面データP1が「注意」又は「異常」であると判定された場合、この位相面データP1の異常度を特定する(ステップS27)。具体的な処理の内容は、図9のステップS15と同様である。
次に、異常要因推定部304は、位相面データP1が「注意」又は「異常」であると判定された場合、この位相面データP1の異常の要因を特定する(ステップS28)。具体的な処理の内容は、図9のステップS16と同様である。
次に、異常判定部302は、位相面データP1が「注意」又は「異常」であると判定した場合、機械系2に異常が発生したことを示す警告を出力する(ステップS29)。異常判定部302は、例えば、異常の発生日時、「注意」又は「異常」を示す情報、注意又は異常と判定された位相面データP1及び閾値位相面P3を図示した表示データ、異常度特定部303が特定した異常度、及び異常要因推定部が推定した異常の要因を含む警告情報を表示部32に表示する。
診断装置3は、上述の一連の処理を所定時間ごとに実行することにより、機械系2が「正常」、「注意」、「異常」の何れの状態であるかを常時、診断することができる。
以上のように、本実施形態に係る診断装置3において、閾値位相面作成部301は、閾値位相面P3として、正常時に取得された複数の位相面データP1全てについて第1マージンM1をもって含むような第3の閾値位相面P3Hと、第1マージンM1よりも大きい第2マージンM2をもって含むような第4の閾値位相面P3Iとを作成する。
また、異常判定部302は、診断時に取得された位相面データP1が第3の閾値位相面P3Hに含まれず、且つ第4の閾値位相面P3Iに含まれる場合、当該位相面データP1は第1レベルの異常(「注意」)であると判定し、診断時に取得された位相面データP1が第4の閾値位相面P3Iに含まれない場合、当該位相面データP1は第2レベルの異常(「異常」)であると判定する。
このように、診断装置3は、大きさの異なる二種類の閾値位相面P3H、P3Iにより、段階的な異常判定を行うことができる。これにより、診断装置3は、機械系2において現実に異常が発生していない場合であっても、今後、異常が発生する可能性がある「注意」の状態であることを、ユーザに認識させることができる。これにより、ユーザは、現実に異常が発生する前に対策を検討、実行することができる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の技術的思想を逸脱しない限り、これらに限定されることはなく、多少の設計変更等も可能である。
例えば、上述の実施形態において、閾値位相面作成部301が、二つの信号の値からなる二次元の閾値位相面P3を作成する例について説明したが、これに限られることはない。他の実施形態では、閾値位相面作成部301は、三つ以上の信号の値を用いて多次元空間で閾値位相面を作成するようにしてもよい。
1 モータ制御システム
2 機械系
20 モータ
21 負荷
22 軸
3 診断装置
30 CPU
300 データ取得部
301 閾値位相面作成部
302 異常判定部
303 異常度特定部
304 異常要因推定部
31 メモリ
32 表示部
33 操作部
34 接続インタフェース
35 記録媒体

Claims (10)

  1. 位相面データを取得するデータ取得部と、
    正常時に取得された複数の前記位相面データ全てについて、位相面の縦軸方向及び横軸方向に所定のマージンをもって含むような閾値位相面を作成する閾値位相面作成部と、
    診断時に取得された前記位相面データが前記閾値位相面に含まれるか否かに基づいて、当該位相面データに異常があるか否かを判定する異常判定部と、
    を備え
    前記閾値位相面作成部は、
    正常時に取得された複数の前記位相面データの前記縦軸方向における最大値からなる最大位相面と、最小値からなる最小位相面とを作成し、
    前記最大位相面及び前記最小位相面を前記縦軸方向に前記マージン分ずつ拡張した縦軸マージン閾値位相面を作成し、
    前記縦軸マージン閾値位相面と、当該縦軸マージン閾値位相面を前記横軸方向の一方側に所定量移動させた位相面と、当該縦軸マージン閾値位相面を前記横軸方向の他方側に所定量移動させた位相面との論理和により得られる位相面を前記閾値位相面として作成する、
    診断装置。
  2. 前記閾値位相面作成部は、正常時に取得された複数の前記位相面データ全てが含まれない第2の閾値位相面を更に作成し、
    前記異常判定部は、診断時に取得された前記位相面データが前記第2の閾値位相面に含まれる場合、当該位相面データに異常があると判定する、
    請求項に記載の診断装置。
  3. 前記閾値位相面作成部は、異なるパラメータセットで表される複数種類の前記位相面データごとに前記閾値位相面を作成し、
    前記異常判定部は、診断時に取得された複数種類の前記位相面データのうち、少なくとも一の種類の位相面データが対応する前記閾値位相面に含まれていない場合、当該位相面データに異常があると判定する、
    請求項1又はに記載の診断装置。
  4. 前記閾値位相面作成部は、往復運動の往路に関する前記位相面データと、復路に関する前記位相面データとのそれぞれに対応する前記閾値位相面を作成し、
    前記異常判定部は、往路及び復路のうち少なくとも一方の前記位相面データが前記閾値位相面に含まれていない場合、当該位相面データに異常があると判定する、
    請求項1からの何れか一項に記載の診断装置。
  5. 前記閾値位相面作成部は、前記閾値位相面として、正常時に取得された複数の前記位相面データ全てについて第1マージンをもって含むような第3の閾値位相面と、前記第1マージンよりも大きい第2マージンをもって含むような第4の閾値位相面とを作成する、
    請求項1からの何れか一項に記載の診断装置。
  6. 前記異常判定部は、
    診断時に取得された前記位相面データが前記第3の閾値位相面に含まれず、且つ前記第4の閾値位相面に含まれる場合、当該位相面データは第1レベルの異常であると判定し、
    診断時に取得された前記位相面データが前記第4の閾値位相面に含まれない場合、当該位相面データは第2レベルの異常であると判定する、
    請求項に記載の診断装置。
  7. 診断時に取得された前記位相面データを構成する複数のプロットのうち、前記閾値位相面に含まれていないプロットごとに当該閾値位相面からの距離を算出し、当該距離の最大値を異常の度合いを示す異常度として特定する異常度特定部を更に備える、
    請求項1からの何れか一項に記載の診断装置。
  8. 診断時に取得された前記位相面データに異常があると判定された場合、当該位相面データの形状に基づいて、異常の要因を推定する異常要因推定部を更に備える、
    請求項1からの何れか一項に記載の診断装置。
  9. 位相面データを取得するステップと、
    正常時に取得された複数の前記位相面データ全てについて、位相面の縦軸方向及び横軸方向に所定のマージンをもって含むような閾値位相面を作成するステップと、
    診断時に取得された前記位相面データが前記閾値位相面に含まれるか否かに基づいて、当該位相面データに異常があるか否かを判定するステップと、
    を有し、
    前記閾値位相面を作成するステップにおいて、
    正常時に取得された複数の前記位相面データの前記縦軸方向における最大値からなる最大位相面と、最小値からなる最小位相面とを作成し、
    前記最大位相面及び前記最小位相面を前記縦軸方向に前記マージン分ずつ拡張した縦軸マージン閾値位相面を作成し、
    前記縦軸マージン閾値位相面と、当該縦軸マージン閾値位相面を前記横軸方向の一方側に所定量移動させた位相面と、当該縦軸マージン閾値位相面を前記横軸方向の他方側に所定量移動させた位相面との論理和により得られる位相面を前記閾値位相面として作成する、
    診断方法。
  10. 診断装置のコンピュータを機能させるプログラムであって、前記コンピュータに、
    位相面データを取得するステップと、
    正常時に取得された複数の前記位相面データ全てについて、位相面の縦軸方向及び横軸方向に所定のマージンをもって含むような閾値位相面を作成するステップと、
    診断時に取得された前記位相面データが前記閾値位相面に含まれるか否かに基づいて、当該位相面データに異常があるか否かを判定するステップと、
    を実行させ
    前記閾値位相面を作成するステップにおいて、
    正常時に取得された複数の前記位相面データの前記縦軸方向における最大値からなる最大位相面と、最小値からなる最小位相面とを作成し、
    前記最大位相面及び前記最小位相面を前記縦軸方向に前記マージン分ずつ拡張した縦軸マージン閾値位相面を作成し、
    前記縦軸マージン閾値位相面と、当該縦軸マージン閾値位相面を前記横軸方向の一方側に所定量移動させた位相面と、当該縦軸マージン閾値位相面を前記横軸方向の他方側に所定量移動させた位相面との論理和により得られる位相面を前記閾値位相面として作成する、
    プログラム。
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