JP6657256B2 - 送り軸の異常診断方法及び異常診断装置 - Google Patents

送り軸の異常診断方法及び異常診断装置 Download PDF

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Description

本発明は、ボールねじによる送り軸をもつ工作機械等の機械において、送り軸の異常を診断する方法及び装置に関する。
工作機械の送り軸では、モータの回転運動をボールねじに伝えて直線駆動させる方式が多く使用されている。しかしながら、数年間稼働した機械では、摩耗による予圧抜けや、異物の混入、潤滑不良などによる損傷等により、精度不良や異音等が発生する場合がある。このような状態となると、ワークの形状不良や加工目不良などが生じるといった不具合が発生する。したがって、送り軸を構成するボールねじや軸受、リニアガイドといった機械要素は、劣化や破損が生じ、不具合が発生する前に交換されることが望ましい。
機械要素の状態を知るために、振動センサによりボールねじや軸受、リニアガイドの振動を検知し診断する方法や、変位センサを内蔵し位置決め精度を測定する方法など、さまざまな診断を行う方法が提案されている。しかし、係る方法では診断したい部位の周辺にセンサを新たに追加する必要があるため、コスト増加の要因となる。また故障する可能性のある個所が増加するため、故障リスクの増加につながるといった課題もある。
そのため、診断用の追加センサを用いず、制御の為に使用しているサーボ情報を用いて診断する手法が提案されている。特許文献1では、減速機の異常を判定する方法として、制御における外乱推定値やトルク指令を周波数解析し、軸の回転周波数の整数倍に対応する周波数のスペクトルを比較する方法が提案されている。また、特許文献2では、モータにより駆動する機械において、トルク指令値をフーリエ変換し、スペクトルを求め、表示させ、モータが回転しているときの回転数および回転数に起因する高次モードのスペクトルに注目し、機械の破損を確認する方法が提案されている。
特許第4112594号公報 特開2009−68950号公報
ボールねじによる送り軸において、駆動部品は、ボールねじ、軸受、リニアガイドと複数あり、また、故障の状態も摩耗、損傷と多岐にわたる。前述の診断手法は、モータ一回転またはその高次モードのスペクトルに着目したものであり、回転の振れの悪化を検知している。すなわち、回転の振れの悪化は、組立不良や部品の精度不良がない正常な状態の機械では、ボールねじ、軸受の摩耗、または転送面の大半が損傷しているような摩耗状態に相当するほどの重度の損傷により発生するものである。しかし、工作機械に求められる加工精度を鑑みると、予防保全を行うためには、回転の振れの悪化に至る前の軽度の損傷を検知できることが望まれる。
そこで、本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、新たにセンサ等を追加することなく、軸受、ボールねじ、リニアガイドといった送り軸の異常診断を行う方法及び装置を提供するものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、サーボモータにより回転するボールねじを介して移動体を移動させる送り軸を有する機械において、送り軸の異常を診断する方法であって、
送り軸の周波数特性及び、損傷した送り軸が軸動作を行った際に発生する損傷周波数を取得する周波数取得ステップと、
取得された周波数特性から、損傷周波数のピークが検知できる送り速度を算出する送り速度算出ステップと、
算出された送り速度で送り軸を軸動作させる軸動作ステップと、
軸動作時にサーボモータの制御に係るサーボ情報を周波数解析する周波数解析ステップと、
周波数解析の結果から損傷周波数のピークの有無を確認して、ピークがある場合に異常と判断する判断ステップと、を実行することを特徴とする。
また、送り速度算出ステップでは、送り速度として、取得された周波数特性においてゲインが最大となる周波数と損傷周波数とが一致する送り速度を算出することが望ましい。
また、送り速度算出ステップでは、送り速度として、取得された周波数特性においてゲインが一定値以上となる周波数帯域内に損傷周波数の最大値が含まれる送り速度を算出することが望ましい。
また、送り速度算出ステップでは、算出された送り速度に対して非整数倍の関係となる送り速度をさらに算出し、軸動作ステップでは、複数の送り速度で送り軸を軸動作させ、周波数解析ステップでは、各送り速度ごとに得られるサーボ情報を周波数解析し、判断ステップでは、各送り速度ごとの周波数解析の結果から損傷周波数のピークの有無を確認することが望ましい。
また、周波数解析ステップで得られた周波数解析の結果に基づき、周波数表示と送り軸の回転周波数に対する周波数比表示との2種類のグラフを作成し、各送り速度ごとの周波数解析の結果を一括表示する表示ステップをさらに実行することが望ましい。
また、周波数解析ステップで周波数解析するサーボ情報は、トルク波形であることが望ましい。
また、周波数解析ステップで周波数解析するサーボ情報は、損傷周波数が所定値未満の場合は、送り軸への位置指令とサーボモータの現在位置との間の位置偏差であり、損傷周波数が所定値以上の場合は、トルク波形であることが望ましい。
上記目的を達成するために、請求項8に記載の発明は、サーボモータにより回転するボールねじを介して移動体を移動させる送り軸を有する機械において、送り軸の異常を診断する装置であって、
送り軸の周波数特性及び、損傷した送り軸が軸動作を行った際に発生する損傷周波数を記憶する記憶手段と、
記憶された周波数特性から、損傷周波数のピークが検知できる送り速度を算出する送り速度算出手段と、
算出された送り速度で送り軸を軸動作させる軸動作実行手段と、
軸動作時にサーボモータの制御に係るサーボ情報を周波数解析する周波数解析手段と、
周波数解析の結果から損傷周波数のピークの有無を確認して、ピークがある場合に異常と判断する判断手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、新たにセンサ等を追加することなく、低コストで軸受、ボールねじ、リニアガイドといった送り軸の異常診断が可能となる。
送り軸の位置制御装置及び異常診断装置のブロック図である。 形態1の異常診断方法のフローチャートである。 送り軸の周波数応答特性の例を示した図である。 形態2の異常診断方法のフローチャートである。 軸受の損傷周波数を示した図である。 送り速度F7500[mm/min]でのトルク波形のFFT解析結果を示した図である。 送り速度F20000[mm/min]でのトルク波形のFFT解析結果を示した図である。 複数の送り速度において診断を実施した際の結果表示例を示した図で、(a)は周波数表示、(b)は回転周波数に対する周波数比表示である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[形態1]
図1は、本発明を適用する工作機械の送り軸の位置制御装置及び異常診断装置の一例を示すブロック図である。
工作機械の送り軸1は、NC装置内に形成される異常診断装置20の送り軸制御部21からの位置指令を受けて、サーボモータ3により回転駆動するボールねじ2と、ボールねじ2にナット4を介して螺合し、ボールねじ2の回転によって軸方向へネジ送り移動する移動体5とを備える。ボールネジ2の両端は、図示しない軸受によって軸支されており、移動体5は、図示しないリニアガイドによって直線移動が案内される。サーボモータ3には、位置検出器6が取り付けられている。
位置制御装置10は、加算器11と、位置制御器12と、微分器13と、速度制御器14と、電流制御器15とを備えている。加算器11は、送り軸制御部21からの位置指令と位置検出器6からの現在位置とが入力されて位置偏差を演算し、位置制御器12は、加算器11で演算された位置偏差に応じた速度指令値を生成する。速度制御器14は、位置制御器12で生成された速度指令値と、位置検出器6からの現在位置を微分器13で演算して得られる速度検出値とに応じてトルク指令値を生成する。電流制御器15は、速度制御器14から入力されるトルク指令値に基づきサーボモータ3への電流を制御する。位置検出器6で検出された現在位置をはじめ、この位置制御装置10内で使用された情報は、異常診断装置20内の記憶部22に記録し、表示部23で表示することが可能である。
異常診断装置20は、記憶手段としての記憶部22に記憶された周波数特性や損傷周波数に基づいて、異常診断用の送り速度を算出する送り速度算出手段としての送り速度算出部24と、送り速度算出部24で算出された送り速度で軸動作実行手段としての送り軸制御部21が送り軸1を軸動作させた際に、位置制御装置10から得られるサーボモータ3の制御に係るサーボ情報を周波数解析する周波数解析手段としての周波数解析部25と、周波数解析部25での解析結果から異常の有無を判断する判断手段としての判断部26とを備えている。
この異常診断装置20が、オペレータにより診断モードの指令を受けると、送り軸1の周波数応答特性を考慮した送り速度を算出し、当該送り速度において送り軸1を軸動作させてサーボ情報の周波数解析を行い、異常診断を行うようになっている。以下、この異常診断方法を図2のフローチャートに基づいて説明する。
まず、S1で送り軸1の周波数特性及び診断対象の損傷周波数を取得して記憶部22に記憶する(周波数取得ステップ)。送り軸1の周波数特性を知る方法として、例えば、周波数が連続的に変化するサイン波の速度入力を行い、入出力の応答を確認するスイープ試験などがある。但し、周波数特性及び損傷周波数は、予め記憶部22に記憶しておいても、診断動作の直前に取得してもよい。
図3に、取得した送り軸1の周波数特性の例を示す。横軸が周波数、縦軸が入力に対するゲインを示している。
また、軸受、ボールねじ、リニアガイドといった機械要素の損傷時に発生する振動の周波数(損傷周波数)は、幾何学的な式により算出される。例えば、軸受の損傷においては、内輪(レース面の損傷)、外輪(レース面の損傷)、転動体(表面の損傷)ごとに下記式(1)〜(3)で算出される。また、ボールねじやナットの損傷は、軸受と類似の式から、リニアガイドの損傷は転動体ピッチからそれぞれ求めることができる。
Figure 0006657256
次に、S2で、送り速度算出部24において、周波数特性の結果よりゲインが最大となる周波数fgを算出し、S3で、各損傷周波数が当該ゲインが最大となる周波数fgと一致する送り速度Fgを算出する(S2,S3:送り速度算出ステップ)。この送り速度Fgは、上記式で用いる送り軸の回転周波数fr×ボールねじのリード×60により算出できる。
図3の周波数特性を例とすると、ゲインが最大となる周波数fgは、142Hzであり、軸受の損傷を診断する送り速度Fgは、下記のようになる。
内輪:10650[mm/min]
外輪:12241[mm/min]
転動体:11451[mm/min]
なお、予め周波数特性を取得する場合は、送り速度Fgも予め算出して記憶部22に記憶させておいてもよい。
次に、S4で、送り軸制御部21により、各送り速度Fgで送り軸1の動作を実施し(軸動作ステップ)、S5で、周波数解析部25により、軸動作時のサーボ情報(ここではトルク波形)を周波数解析する(周波数解析ステップ)。
そして、S6で、判断部26により、周波数解析結果から損傷周波数のピークがあるか否かを判別する(判断ステップ)。このピークの有無は、例えば、損傷周波数の絶対値が予め設定してある閾値を越えた場合にピーク有りと判断する。また、軸受に損傷の無い正常状態における周波数解析結果を予め取得しておいて、この正常時の周波数解析結果と比較し、正常状態との差分が予め設定してある閾値を越えた場合にピーク有りと判断することもできる。なお、損傷個所により加工に影響の与える程度が異なるため、損傷個所ごとにこれらの閾値を設けると、より精度よく損傷の検出を行うことができる。
こうしてS6で損傷周波数のピークが確認されると、S7で異常(損傷有り)と判断し、損傷周波数のピークが確認されなければ、S8で正常(損傷無し)と判断して、判断結果を表示部23に表示する。
このように、上記形態1の送り軸1の異常診断方法及び装置によれば、送り軸1の周波数特性及び損傷周波数を取得し、取得された周波数特性から損傷周波数のピークが検知できる送り速度Fgを算出し、算出された送り速度Fgで送り軸1を軸動作させて、軸動作時にサーボモータ3の制御に係るサーボ情報を周波数解析し、周波数解析の結果から損傷周波数のピークの有無を確認して、ピークがある場合に異常と判断することで、新たにセンサ等を追加することなく、低コストで軸受、ボールねじ、リニアガイドといった送り軸の損傷の判定が可能となる。
特にここでは、送り速度Fgとして、取得された周波数特性においてゲインが最大となる周波数と損傷周波数とが一致する送り速度を用いるため、損傷周波数のピークの有無を明確に検知することができる。
[形態2]
上記形態1では、主に軸受に関する損傷を例として説明をしているが、検知可能な損傷は、ボールねじやナット、リニアガイド等、多岐にわたるため、診断を行う送り速度の種類が多くなり、診断時間が長くなるという課題もある。この課題に対応した方法を形態2として説明する。但し、送り軸1の位置制御装置10及び異常診断装置20の構成自体は形態1と同様であるため、重複する説明は省略して、異常診断装置20による異常診断方法を図4のフローチャートに基づいて説明する。
まず、S11で、送り軸1の周波数特性及び診断対象の損傷周波数を取得して記憶部22に記憶する(周波数取得ステップ)。これは形態1と同様である。
次に、S12で、送り速度算出部24により、取得した周波数特性からゲインが一定値以上となる周波数帯域を算出する。ここでは図3の周波数特性において、ゲインを−5dB以上と設定し、5〜200Hzを応答性の良い周波数帯域Aとしている。
次に、S13で、送り速度算出部24により、軸受の諸元に基づいて、複数の診断したい箇所の損傷周波数の最大値が周波数帯域Aに含まれる送り速度Fgを算出する(S12,S13:送り速度算出ステップ)。例えば、内輪、外輪、転動体についてそれぞれ形態1と同様に送り速度を算出し、3つの送り速度で規定される送り速度の範囲から送り速度Fgを選択することが考えられる。
例として、図5に、送り速度Fg7500[mm/min]および送り速度Fg20000[mm/min]における軸受の損傷周波数を示し、図6、図7に、送り速度Fg7500[mm/min]および送り速度Fg20000[mm/min]におけるトルク波形を周波数解析したグラフを示す。
この送り軸では、軸受の内輪と外輪とにキズがある。送り速度Fg7500[mm/min]では、87Hz、100Hzにピークがあり、組み込まれている軸受の内外輪における損傷が検知できる。しかし、送り速度Fg20000[mm/min]では、軸受の内外輪の損傷周波数が231Hz、268Hzであり、応答性の良い周波数帯域の上限である200Hzを超えている為、ピークは確認できないことがわかる。
従って、ここで算出される送り速度Fgは、7500[mm/min]となる。
但し、正常な送り軸においても、機械の動作における振動や、外乱の振動などの影響により、トルク波形の周波数解析をした結果、ピークを持つ場合がある。このピークと損傷周波数が重なると、正常時と診断時のピーク値の変化が分かりにくくなるという課題もある。
このような場合に対処し、異常の検出精度を高めるためには、送り速度算出部24により、S13で算出された送り速度Fg7500[mm/min]に加え、各送り速度の関係が非整数倍となる複数の送り速度Fgを算出すればよい。例えば、Fg7500[mm/min]を基準とした場合、Fg7500[mm/min]に加え、この0.6倍となる4500[mm/min]と、1.4倍となる10500[mm/min]とを送り速度Fgとして設定する。機械動作による振動や外乱の振動は送り速度によって変化しないため、非整数倍となる複数の送り速度で実施することにより、送り速度と比例関係で変化する機械要素の損傷と分離した状態把握が容易に行えるようになる。
後の処理は形態1と同様で、S14で、送り軸制御部21により、設定した複数の送り速度Fgによって送り軸1の動作を実施し(軸動作ステップ)、S15で、周波数解析部25により、軸動作時のサーボ情報(トルク波形)を周波数解析する(周波数取得ステップ)。
そして、S16で、判断部26により、各周波数解析結果から損傷周波数のピークがあるか否かを判別する(判断ステップ)。ここで損傷周波数のピークが確認されると、S17で異常(損傷有り)と判断し、損傷周波数のピークが確認されなければ、S18で正常(損傷無し)と判断して、判断結果を表示部23に表示することになる。
ここで、表示部23への表示方法について説明する。
図8に、複数の送り速度で診断を実施した場合の結果の表示例を示す。(a)は横軸を周波数、(b)は横軸を送り軸の回転周波数に対する周波数比として表示している。回転周波数は、送り速度/ボールねじのリード/60により算出され、周波数比は、周波数/回転周波数で算出される。縦軸はどちらも周波数解析後の強度であり、複数の送り速度を便宜上一つのグラフ内で表示できるように上下にオフセットさせている。
マーカM1は、軸受の内輪損傷による影響であり、周波数表示のグラフ(a)では送り速度によりピーク位置が変化しているのに対し、回転周波数に対する周波数比表示のグラフ(b)では、送り速度によるピーク位置の変化はない。
なお、マーカM2は、軸動作による振動の影響であり、周波数表示のグラフ(a)では送り速度によるピーク位置の変化はないのに対し、回転周波数に対する周波数比表示のグラフ(b)では、送り速度によるピーク位置が変化している。
このように、判断ステップの実施後、横軸を周波数で表示したグラフと回転周波数に対する周波数比で表示したグラフとを並べて一括表示することにより(表示ステップ)、機械要素による損傷の影響か否かが区別でき、状態の把握が容易に行えるようになる。また、軸受、ボールねじ、リニアガイドといった機械要素の損傷に対応したマーカを表示させてもよい。
このように、上記形態2の送り軸1の異常診断方法及び装置においても、送り軸1の周波数特性及び損傷周波数を取得し、取得された周波数特性から損傷周波数のピークが検知できる送り速度Fgを算出し、算出された送り速度Fgで送り軸1を軸動作させて、軸動作時にサーボモータ3の制御に係るサーボ情報を周波数解析し、周波数解析の結果から損傷周波数のピークの有無を確認して、ピークがある場合に異常と判断することで、新たにセンサ等を追加することなく、低コストで軸受、ボールねじ、リニアガイドといった送り軸の損傷の判定が可能となる。
特にここでは、送り速度Fgとして、取得された周波数特性においてゲインが一定値以上となる周波数帯域A内に損傷周波数の最大値が含まれる送り速度を用いるため、診断したい箇所が複数あっても短時間で損傷周波数のピークの有無を検知することができる。
なお、上記形態1,2では、サーボ情報としてトルク波形を周波数解析しているが、位置検出器の変位情報をもとに算出される位置偏差や速度においても、同様の手法は実施可能である。但し、変位情報で検知しやすい周波数は、トルク波形で検知するよりも低い周波数となるため、例えば損傷周波数が20Hz未満の場合は位置偏差から検出し、20Hz以上の場合はトルク波形から検出するなど、検知したい損傷周波数に応じて、トルク波形で検知するか、位置偏差等で検知するかの使い分けを行うことにより損傷検出の精度を上げることも可能である。この使い分ける周波数の所定値は適宜変更できる。
また、上記形態1,2では、工作機械内に異常診断装置を形成して異常診断を行うようにしているが、外部PC等の外部機器に送り軸の周波数特性や損傷周波数を記憶させ、軸動作時のサーボ情報を有線又は無線で外部機器に送信して、外部機器で周波数解析を行い、異常診断を行うようにしてもよい。すなわち、本発明の異常診断装置は、診断対象の送り軸を有する工作機械と外部機器とを含めて構成可能である。このように外部機器を用いて異常診断装置を構成すれば、複数の工作機械の異常診断が同時に行え、診断データも集中管理できる利点がある。
そして、本発明は工作機械に限らず、送り軸を備えた機械であれば適用可能である。
1・・送り軸、2・・ボールねじ、3・・サーボモータ、4・・ナット、5・・移動体、6・・位置検出器、10・・位置制御装置、11・・加算器、12・・位置制御器、13・・微分器、14・・速度制御器、15・・電流制御器、20・・異常診断装置、21・・送り軸制御部、22・・記憶部、23・・表示部、24・・送り速度算出部、25・・周波数解析部、26・・判断部。

Claims (8)

  1. サーボモータにより回転するボールねじを介して移動体を移動させる送り軸を有する機械において、前記送り軸の異常を診断する方法であって、
    前記送り軸の周波数特性及び、損傷した前記送り軸が軸動作を行った際に発生する損傷周波数を取得する周波数取得ステップと、
    取得された前記周波数特性から、前記損傷周波数のピークが検知できる送り速度を算出する送り速度算出ステップと、
    算出された送り速度で前記送り軸を軸動作させる軸動作ステップと、
    軸動作時に前記サーボモータの制御に係るサーボ情報を周波数解析する周波数解析ステップと、
    前記周波数解析の結果から前記損傷周波数のピークの有無を確認して、前記ピークがある場合に異常と判断する判断ステップと、
    を実行することを特徴とする送り軸の異常診断方法。
  2. 前記送り速度算出ステップでは、前記送り速度として、取得された前記周波数特性においてゲインが最大となる周波数と前記損傷周波数とが一致する送り速度を算出することを特徴とする請求項1に記載の送り軸の異常診断方法。
  3. 前記送り速度算出ステップでは、前記送り速度として、取得された前記周波数特性においてゲインが一定値以上となる周波数帯域内に前記損傷周波数の最大値が含まれる送り速度を算出することを特徴とする請求項1に記載の送り軸の異常診断方法。
  4. 前記送り速度算出ステップでは、算出された前記送り速度に対して非整数倍の関係となる送り速度をさらに算出し、
    前記軸動作ステップでは、複数の前記送り速度で前記送り軸を軸動作させ、前記周波数解析ステップでは、各前記送り速度ごとに得られる前記サーボ情報を周波数解析し、前記判断ステップでは、各前記送り速度ごとの周波数解析の結果から前記損傷周波数のピークの有無を確認することを特徴とする請求項3に記載の送り軸の異常診断方法。
  5. 前記周波数解析ステップで得られた周波数解析の結果に基づき、周波数表示と前記送り軸の回転周波数に対する周波数比表示との2種類のグラフを作成し、各前記送り速度ごとの周波数解析の結果を一括表示する表示ステップをさらに実行することを特徴とする請求項4に記載の送り軸の異常診断方法。
  6. 前記周波数解析ステップで周波数解析する前記サーボ情報は、トルク波形であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の送り軸の異常診断方法。
  7. 前記周波数解析ステップで周波数解析する前記サーボ情報は、前記損傷周波数が所定値未満の場合は、前記送り軸への位置指令と前記サーボモータの現在位置との間の位置偏差であり、前記損傷周波数が前記所定値以上の場合は、トルク波形であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の送り軸の異常診断方法。
  8. サーボモータにより回転するボールねじを介して移動体を移動させる送り軸を有する機械において、前記送り軸の異常を診断する装置であって、
    前記送り軸の周波数特性及び、損傷した前記送り軸が軸動作を行った際に発生する損傷周波数を記憶する記憶手段と、
    記憶された前記周波数特性から、前記損傷周波数のピークが検知できる送り速度を算出する送り速度算出手段と、
    算出された送り速度で前記送り軸を軸動作させる軸動作実行手段と、
    軸動作時に前記サーボモータの制御に係るサーボ情報を周波数解析する周波数解析手段と、
    前記周波数解析の結果から前記損傷周波数のピークの有無を確認して、前記ピークがある場合に異常と判断する判断手段と、
    を備えることを特徴とする送り軸の異常診断装置。
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