JPH0462450A - ボールねじの異状検出方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、精密位置決め装置又はマニピュレータ及び直
交座標軸ロボットの分野に使用されるボールねじの異状
検出方法および装置に関する。

［従来の技術〕 近年、各種精密位置決め装置等に直線運動を円滑に行う
ボールねじが多用されるようになった。

しかし、従来、ボールねじの診断技術は未開拓であり、
有効なしかも現場で使い易い診断方法および装置は存在
しなかった。

〔発明が解決しようとする課題］ ボールねしは転動体である鋼球が螺旋状または直線状の
溝内を転がることにより、ナツトがねじ軸に沿って直線
運動を行っているので、ねじ軸または転動体に損傷があ
ると、ボールねじの運動によって損傷部分との擦れによ
り機械的な衝撃が発生する。このとき、ショックパルス
と呼ばれる強力な力の変動が生ずる。この衝撃の周波数
範囲は非常に高く、下は数十から上は数百ＫＨｚにまで
も達する。しかも、この衝撃による振動はボールねじの
各部品の固を振動数での振動となり、ボールねじの低減
衰特性のため、振動は各部へ伝達され、外部に振動や音
を発生する原因となる。

このように、転動体がねし溝内の軌道上を転がることに
よって発生する固有の転動体通過振動はボールねじの幾
何学的関係式により求められるはずである。しかし、現
在これら関係式は確立されていないし、仮に確立された
としても複雑な上にボールねじの寸法諸元を求めて関係
式に適用するのは非常に煩雑で現場技術として適用する
ことは極めて困難である。

従って、本発明の目的は、現場においても簡単に判別で
き、しかも定量的にボールねしの異状を検出することが
できる方法を得るにある。

（課題を解決するための手段〕 この目的を達成するため本発明によるボールねじ異状検
出方法は、ボールねじのナツトまたはねじ軸端軸受に振
動センサを取付け、このセンサの信号から確率密度関数
を算出し、その分布図並びに確率密度関数を積分化して
４次のモーメントを算出し、その算出結果の数値の大小
の判定によりボールねじの損傷の有無を決定することを
特徴とする。

更に、本発明ボールねし異状検出装置は、ボールねじの
ナツトまたはねじ軸の軸端に取付けた振動センサと、こ
の振動センサからのアナログ振動波形を出力するアナロ
グ振動計と、このアナログ振動計からの出力をディジタ
ル信号に変換するＡ／Ｄ変換器と、前記Ａ／Ｄ変換器か
らのディジタル信号波形から確率密度関数を発生する確
率密度関数発生手段と、この確率密度関数発生手段から
出力される確率密度関数を積分しかつこの積分値をもと
に４次のモーメントを算出し、分布曲線の偏平の程度を
表す大変Ｆ値を演算するＦ値発生手段と、このＦ値発生
手段からの出力を表示する表示手段とを具えたことを特
徴とする。

〔作　用〕

本発明によれば、第１図に示すように、ボールねじ１の
ナツト２及び／又はねじ軸の軸端部３に振動センサ４を
配置し、振動センサにより第２図に示すような振動加速
度信号のアナログ生波形をアナログ振動計４において採
取し、アナログ振動計４からの出力をＡ／Ｄ変換器６を
通してディジタル信号に変換した後、確率密度関数発生
手段７により確率密度関数ｐ　（ｘ）を算出する。この
確率密度関数ｐ　（ｘ）は、次のように定義する。即ち
、確率変数（Ｘ）の値Ｘの分布特性、広がりを求めるた
め、確率密度関数を積分化した下記の指標を定義する。

即ち、 μ；平均値　　　　　σ２　：分散 ｔｙ２　＝Ｓ　　（ｘ−μ）”ｐ（ｘ）ｄｘ更に、Ｘの
４次の中心モーメントを使って分布曲線の偏平の程度を
表す大変（偏平度）Ｆ即ちフートシス値を次のように定
義する。即ち、Ｆ　＝　Ｓ　　（Ｘ−ｕ　）’　ｐ　（
ｘ）ｄｘ／　ｔｙ　’の このＦの値をＦ値発生手段８により算出し、このＦ僅発
生手段８の結果を表示手段９に出力し、Ｆ値が基準値よ
りも小さいときは異状なし、Ｆ値が基準値よりも大きい
ときは異状有りと判定する。

この表示手段９は、任意のアラーム発生手段１０例えば
、インジケータランプまたはブザーまたは異状表示デイ
スプレーを有するものとして構成し、異状有りのときア
ラーム表示を行うことができるようにするとよい。

上述の確率密度関数発生手段７およびＦ値発生手段８は
例えばマイクロプロセッサにより構成することができる
。

上述の確率密度関数発生手段７およびＦ値発生手段８は
例えばマイクロプロセッサにより構成することができる
。

〔実施例〕

次に、実際にボールねしに損傷を与える前と損傷を与え
た後の状況を本発明方法および装置により検出した実例
を説明する。

第３図（ａ）、（ｂ）および（Ｃ）は、それぞれボール
ねじが正常時の振動加速度の生波形、確率密度分布およ
び確率分布関数である。第３図（ｂ）の確率密度分布を
見ると山形が尖っており、また第３図（Ｃ）の確率分布
関数から算出した大変Ｆは４．６８の値を示した。

第４図（ａ）、（ｂ）および（Ｃ）は、それぞれボール
ねじのねじ軸に僅かに傷を付けたときの振動加速度の生
波形、確率密度分布および確率分布関数である。

第４図（ｂ）の確率密度分布を見ると山形が低くしかも
広がりがあり、また第４図（Ｃ）の確率分布関数から算
出した大変Ｆは１０．１１　と正常時に比べて極めて大
きい値を示している。

これら２つの実例は同一のボールねじの正常時と損傷時
の検出結果であり、その差異は大変Ｆの値から明瞭に区
別することができ、このことがら大変Ｆが７〜８の値を
示すときは「有意の異状あり」と定量的に決定すること
ができる。

［発明の効果〕 このように、本発明によれば設備診断の専門家でなくと
も、現場における保全・運転に従事する人達にも容易に
定量的に異状の有無の判別を行うことができる。

更に、正常時の生波形と見比べることにより、振幅の増
加している位置から振幅ピーク間の時間が分かり、ボー
ルねじのボー・ルの傷かまたはねじ軸の傷かのおおよそ
の判別も可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、振動センサから得られた生の振動波形と確率
密度関数ｐ　（ｘ）を導出するための変数との関係を示
すグラフ、 第２図は、ボールねじの振動からボールねじの異状を検
出するプロセスを示すブロック図、第３図（ａ）、（ｂ
）および（Ｃ）は、それぞれボールねじが正常時の振動
加速度の生波形、確率密度分布および確率分布関数のグ
ラフ、 第４図（ａ）、（ｂ）および（Ｃ）は、それぞれボール
ねじのねじ軸に僅かに傷を付けたときの振動加速度の生
波形、確率密度分布および確率分布関数のグラフである
。 第１図 特許出願人　　川鉄アトバンチツク株式会社同　出願人 日産自動車株式会社

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、ボールねじのナットまたはねじ軸の端軸に取付けた
   振動センサから信号を抽出し、この抽出信号から確率密
   度関数を算出し、その分布図並びに確率密度関数を積分
   化して４次のモーメントを算出し、その算出結果の数値
   の大小の判定によりボールねじの損傷の有無を決定する
   ことを特徴とするボールねじの異状検出方法。 ２、ボールねじのナットまたはねじ軸の軸端に取付けた
   振動センサと、この振動センサからのアナログ振動波形
   を出力するアナログ振動計と、このアナログ振動計から
   の出力をディジタル信号に変換するＡ／Ｄ変換器と、前
   記Ａ／Ｄ変換器からのディジタル信号波形から確率密度
   関数を発生する確率密度関数発生手段と、この確率密度
   関数発生手段から出力される確率密度関数を積分しかつ
   この積分値をもとに４次のモーメントを算出し、分布曲
   線の偏平の程度を表す尖度Ｆ値を演算するＦ値発生手段
   と、このＦ値発生手段からの出力を表示する表示手段と
   を具えたことを特徴とするボールねじの異状検出装置。