JP2019028032A - 予兆検出装置、予兆検出方法、予兆検出プログラムおよび予兆検出システム - Google Patents

予兆検出装置、予兆検出方法、予兆検出プログラムおよび予兆検出システム Download PDF

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Abstract

【課題】故障の予兆を検出できる予兆検出装置、予兆検出方法、予兆検出プログラムおよび予兆検出システムを提供すること。【解決手段】予兆検出装置15は、記憶部33と、分析部52と、検出部53とを有する。記憶部33は、監視対象に設置された3つ以上の加速度センサにより、それぞれサンプリングの位相をずらしてサンプリングされた加速度の測定データ40を記憶する。分析部52は、測定データ40の分散分析を行う。検出部53は、分析結果に基づき、監視対象の故障の予兆を検出する。【選択図】図7

Description

本発明は、予兆検出装置、予兆検出方法、予兆検出プログラムおよび予兆検出システムに関する。
近年、設備の老朽化が、社会問題となっている。設備を運用・管理する事業者では、老朽設備の安定稼働とメンテナンスコストの削減とが重要な経営課題となっている。
動きのある設備は、振動している。また、動きのある設備は、故障が発生すると、振動が変化する。そこで、設備に加速度センサを設置して設備の振動を測定することで、設備の故障の予兆を検出することが考えられる。
特表2008−528112号公報
ところで、加速度センサにより検出される信号には、ノイズが含まれる。そこで、従来、加速度センサの信号ラインにアナログフィルタを設けてノイズの除去が行われる。
しかしながら、加速度センサの信号ラインにアナログフィルタを設けた場合、故障の予兆を検出できない場合がある。故障によって設備に発生する振動には、高い周波数から低い周波数まで様々な周波数がある。このため、加速度センサの信号ラインにアナログフィルタを設けた場合、設備の故障による振動がアナログフィルタによってカットまたは減衰されてしまい、故障の予兆を検出できない場合がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、故障の予兆を検出できる予兆検出装置、予兆検出方法、予兆検出プログラムおよび予兆検出システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の予兆検出装置は、監視対象に設置された3つ以上の加速度センサにより、それぞれサンプリングの位相をずらしてサンプリングされた加速度の測定データを記憶する記憶部と、測定データの分散分析を行う分析部と、分析部による分析結果に基づき、監視対象の故障の予兆を検出する検出部と、を有することを特徴とする。
本発明は、故障の予兆を検出できるという効果を奏する。
図1は、予兆検出システムの構成の一例を示す図である。 図2は、センサ装置の機能的な構成の一例を示す図である。 図3は、サンプリングレートと電気ノイズのノイズレベルとの関係の一例を示す図である。 図4は、エイリアシングを説明する図である。 図5は、サンプリングレートとエイリアシングのノイズレベルとの関係の一例を示す図である。 図6は、ノイズの関係の一例を示す図である。 図7は、予兆検出装置の機能的な構成の一例を示す図である。 図8は、測定データのデータ構成の一例を示す図である。 図9は、サンプリングされる波形の一例を示す図である。 図10は、不安定なエイリアシングが発生していない場合の一例を示す図である。 図11は、不安定なエイリアシングが発生している場合の一例を示す図である。 図12は、フーリエスペクトルの一例を示す図である。 図13は、異なる計測時期のフーリエスペクトルの一例を示す図である。 図14は、チューニング処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図15は、予兆検出処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図16は、予兆検出プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
以下に、本発明に係る予兆検出装置、予兆検出方法、予兆検出プログラムおよび予兆検出システムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。そして、各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
[予兆検出システムの代表的な構成]
最初に、本実施例に係る予兆検出システムの代表的な構成を説明する。図1は、予兆検出システムの構成の一例を示す図である。予兆検出システム10は、センサ装置11と、ゲートウェイ12と、予兆検出装置15とを有する。
センサ装置11は、振動の測定を行う装置である。予兆検出システム10では、センサ装置11を複数設けてもよい。図1の例では、センサ装置11を3つ図示したが、センサ装置11は任意の数とすることができる。センサ装置11は、それぞれ故障の発生を監視する監視対象にそれぞれ設置される。例えば、空調設備の故障の発生を監視する場合、センサ装置11は、監視対象となる空調設備のファンベルトなどに設置される。
センサ装置11は、無線通信によりゲートウェイ12と通信可能とされている。無線通信の方式としては、例えば、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、無線LAN、315MHz帯、400MHz帯、920MHz帯等の特定小電力無線などが挙げられる。センサ装置11は、所定の計測時期ごとに、振動を検出し、検出した測定データをゲートウェイ12へ送信する。
ゲートウェイ12は、センサ装置11と予兆検出装置15との通信を中継する装置である。ゲートウェイ12は、無線通信によりセンサ装置11と通信可能とされている。また、ゲートウェイ12は、例えば、3G、LTE(Long Term Evolution)等の移動体通信に対応しており、移動体通信の基地局13と通信可能とされている。ゲートウェイ12は、基地局13を介してネットワークNに通信可能とされている。かかるネットワークNには、有線または無線を問わず、移動体通信網、インターネット(Internet)を始め、LAN(Local Area Network)やVPN(Virtual Private Network)などの任意の種類の通信網を採用できる。ネットワークNには、予兆検出装置15が通信可能に接続されている。ゲートウェイ12は、各センサ装置11から受信した測定データを予兆検出装置15へ送信する。
予兆検出装置15は、監視対象の故障の予兆の検出を行う装置である。予兆検出装置15は、例えば、パーソナルコンピュータやサーバコンピュータなどのコンピュータである。予兆検出装置15は、1台のコンピュータとして実装してもよく、また、複数台のコンピュータによるコンピュータシステムとして実装してもよい。なお、本実施例では、予兆検出装置15を1台のコンピュータとした場合を例として説明する。
予兆検出装置15は、ゲートウェイ12を介して、センサ装置11から受信した測定データの分散分析を行い、分析結果に基づき、監視対象の故障の予兆を検出する。
[センサ装置の構成]
次に、センサ装置11の構成について説明する。図2は、センサ装置の機能的な構成の一例を示す図である。センサ装置11は、複数の加速度センサ20と、メモリ21と、マイコン22と、無線通信部23とを有する。
ここで、近年、センシング・モニタリング技術の発展は著しいものがある。特に、微小電気機械システム(Micro Electro Mechanical Systems:MEMS)は、センサの価格を大幅に安く提供可能としている。センサ装置11は、加速度センサ20と、メモリ21、マイコン22、無線通信部23などの各種の機能を有する各種のIC(Integrated Circuit)が基板上に配置されて構成されている。なお、センサ装置11は、各種のICが配置された複数の基板が接続されて構成されてもよい。例えば、センサ装置11は、複数の加速度センサ20およびメモリ21が配置された基板と、マイコン22および無線通信部23が配置された基板とが接続されて構成されてもよい。また、センサ装置11は、各種のICの機能を搭載した1チップの装置として構成されてもよい。
加速度センサ20は、加速度を計測するデバイスである。センサ装置11には、加速度センサ20が複数設けられている。図2の例では、4つの加速度センサ20(20A、20B、20C、20D)が設けられている。センサ装置11に設ける加速度センサ20の数は、後述する分散分析を行うため、3以上であれば何れであってもよい。
本実施例では、加速度センサ20は、互いに直交する3軸方向の加速度を測定可能な3軸加速度センサとされている。以下では、互いに直交する3軸方向をXYZ方向とする。加速度センサ20は、互いに直交するXYZ方向の加速度をそれぞれ測定する。
マイコン22は、センサ装置11を制御するデバイスである。マイコン22は、4つの加速度センサ20により、所定の計測時期ごとに、それぞれサンプリングの位相をずらして、所定期間、XYZ方向の加速度のサンプリングを行う。例えば、マイコン22は、計測時期ごとに、所定期間の間、4つの加速度センサ20により1つずつ順に加速度の計測を繰り返してXYZ方向の加速度のサンプリングを行う。計測時期は、例えば、1時間ごと、1日ごとなど、一定の期間ごとのタイミングであってもよい。また、計測時期は、例えば、9時、12時、17時、21時など所定の時刻となったタイミングであってもよい。所定期間は、監視対象の振動状態を測定可能な期間であればよく、例えば、10秒程度とする。
センサ装置11では、加速度を計測する加速度センサ20を1つずつ変えることにより、各加速度センサ20が加速度をサンプリングするサンプリングタイミングがずれる。これにより、各加速度センサ20では、サンプリングの位相がずれる。
メモリ21は、各種のデータを記憶するデバイスである。メモリ21は、各加速度センサ20により測定されたXYZ方向の加速度の測定データを記憶する。
無線通信部23は、無線により他の装置と各種の情報の送受信を行うデバイスである。無線通信部23は、マイコン22の制御の元、各加速度センサ20により測定され、メモリ21に記憶されたXYZ方向の加速度の測定データをゲートウェイ12へ送信する。この測定データは、ゲートウェイ12により、予兆検出装置15へ送信される。
ここで、加速度センサ20の測定結果に発生するノイズについて説明する。加速度センサ20は、加速度の測定に関する設定のパラメータとして、出力データレート(ODR:Output Data Rate)がある。出力データレートは、加速度センサ20の加速度の出力がどの程度頻繁に更新されるかを表すパラメータである。加速度を周期的に測定する場合、加速度センサ20には、加速度を測定するサンプリングレート以上に出力データレートを設定する必要がある。加速度センサ20は、出力データレートの設定を高くすると、加速度を測定するサンプリングレートを高くでき、高い周波数の振動まで検出できる。しかし、加速度センサ20は、出力データレートの設定を高くすると、電子の揺らぎが大きくなり、測定される加速度の値に含まれる電気ノイズが大きくなる。
図3は、サンプリングレートと電気ノイズのノイズレベルとの関係の一例を示す図である。図3には、加速度センサ20の出力データレート(ODR)の設定が高い場合に、測定が可能な振動の周波数の範囲R1と、測定した加速度の値に含まれる電気ノイズのレベルが示されている。また、図3には、加速度センサ20の出力データレートの設定が低い場合に、測定が可能な振動の周波数の範囲R2と、測定した加速度の値に含まれる電気ノイズのレベルが示されている。図3に示すように、出力データレートを高く設定した方が、高い周波数の振動まで測定が可能となる。一方、出力データレートを高く設定した方が、測定される加速度の値に含まれる電気ノイズのレベルが高くなる。
加速度センサ20は、電気ノイズのレベルを低くするには、出力データレートの設定が低い方が好ましい。しかし、出力データレートの設定を低くすると、サンプリングレートを高くできず、高い周波数帯の振動で不安定なエイリアシングを発生する場合がある。
図4は、エイリアシングを説明する図である。例えば、周波数finの交流信号をA/D変換したデータをD/A変換した場合に、データから元の交流信号を復元するには、少なくとも2×fin以上のサンプリングレートfsが必要となる。図4の(A)〜(D)には、それぞれ交流信号をサンプリングレートfsでA/D変換した状態を示している。各縦線は、交流信号をサンプリングするサンプリングタイミングを示している。縦線と交流信号が交差する点が、サンプリングで測定されるデータとなる。例えば、図4の(A)に示すように、fs>>finの場合、データから交流信号を復元できる。しかし、図4の(B)、(C)に示すように、fs≒2×finおよびfs=2×finの場合、交流信号の周波数finは再現できるが、振幅にうねり(ビート)が発生する。例えば、図4の(B)では、振幅にうねりが発生している。また、図4の(B)、(C)の場合、サンプリングの位相によっては、測定される振幅が小さくなる。fs=2×finのときのfinは、ナイキスト周波数である。また、図4の(D)に示すように、fs<finの場合、交流信号の周波数finよりも低い周波数の波形W1が観測される。この波形W1は、エイリアシング波形と呼ばれる。ナイキスト周波数よりも高い周波数の波形は、実際よりも低い周波数のエイリアシング波形として検出される。このエイリアシング波形は、実際には存在しない交流信号であり、ノイズとなる。
故障によって設備に発生する振動には、高い周波数から低い周波数まで様々な周波数がある。マイコン22が各加速度センサ20をそれぞれサンプリングレートfsでサンプリングした場合、サンプリングレートのナイキスト周波数よりも高い周波数の振動でエイリアシングを発生して、測定される加速度の値には、エイリアシングのノイズが含まれる。
図5は、サンプリングレートとエイリアシングのノイズレベルとの関係の一例を示す図である。図5には、加速度センサ20の出力データレート(ODR)を一定に設定して、サンプリングレートを低くした場合の復元が可能な振動の周波数の範囲R3およびエイリアシングによるノイズレベルと、サンプリングレートを高くした場合の復元が可能な振動の周波数の範囲R4およびエイリアシングによるノイズレベルとが示されている。サンプリングレートを低くした場合、低い周波数でもエイリアシングが発生する。このため、図5に示すように、サンプリングレートを低くした場合、測定される加速度の値に含まれるエイリアシングのノイズレベルが高くなる。
このため、従来、加速度センサの信号ラインに、サンプリングレートのナイキスト周波数よりも高い周波数の信号をカットするアナログフィルタを設けて、エイリアシングのノイズの除去が行われる。
一方、本実施例に係るセンサ装置11では、加速度センサ20の信号ラインにアナログフィルタを設けておらず、加速度センサ20により出力される加速度を示す信号をそのまま、サンプリングレートのタイミングでA/D変換してデータに変換している。このため、本実施例に係るセンサ装置11では、各加速度センサ20により測定される加速度の値に、エイリアシングのノイズが含まれる。
出力データレートの設定による電気ノイズと、サンプリングレートの設定によるエイリアシングのノイズには、トレードオフの関係がある。
図6は、ノイズの関係の一例を示す図である。加速度センサ20は、出力データレートを高く設定するとノイズが大きくなる。しかし、出力データレートを高く設定しないと、高い周波数帯域の振動を評価できない。
一方、加速度センサ20は、サンプリングレートの周波数が高いほうがエイリアシング波形を低減され、エイリアシングのノイズが低減される。
センサ装置11は、着目したい周波数帯域に合わせて、各加速度センサ20の出力データレートおよびサンプリングレートが設定される。本実施例では、センサ装置11は、各加速度センサ20の出力データレートおよびサンプリングレートが予兆検出装置15から動的に調整可能とされている。
センサ装置11は、MEMS型の加速度センサ20の特性により、サンプリングレートが非常に限られた帯域でしか計測することができない。これに加え、センサ装置11は、出力データレートが高周波数になるほど、ノイズレベルが大きくなる特性を有する。ノイズレベルが大きくなるほど、一般に設備故障の兆候が、ノイズなのかシグナルなのかを判別することが難しくなる。
このような問題に対処するために、限られたサンプリング周波数でも計測が可能で再現性のある安定したエイリアシング波形に着目する。実施例1に係る予兆検出システム10では、例えば、再現性のある安定したエイリアシング波形の信号が得られるように、各加速度センサ20の出力データレートおよびサンプリングレートを予兆検出装置15から調整する。
[予兆検出装置の構成]
次に、予兆検出装置15の構成について説明する。図7は、予兆検出装置の機能的な構成の一例を示す図である。予兆検出装置15は、通信部30と、操作部31と、表示部32と、記憶部33と、制御部34とを有する。
通信部30は、他の装置と各種の情報を送受信するインタフェースである。通信部30は、ネットワークNに接続され、各種の情報を送受信する。例えば、通信部30は、ネットワークNを介して各センサ装置11により計測された測定データを受信する。
操作部31は、各種の操作の入力を受け付ける入力デバイスである。操作部31としては、マウスやキーボードなどの操作の入力を受け付ける入力デバイスが挙げられる。操作部31は、各種の情報の入力を受付ける。操作部31は、ユーザからの操作入力を受け付け、受け付けた操作内容を示す操作情報を制御部34に入力する。
表示部32は、各種情報を表示する表示デバイスである。表示部32としては、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)などの表示デバイスが挙げられる。表示部32は、各種情報を表示する。例えば、表示部32は、操作画面など各種の画面を表示する。なお、予兆検出装置15は、管理者等が使用する外部の端末装置からアクセスを受付け、操作画面など各種の画面を端末装置に表示し、各種の画面から操作入力を受け付けるものとしてもよい。
記憶部33は、各種のデータを記憶する記憶デバイスである。例えば、記憶部33は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、光ディスクなどの記憶装置である。なお、記憶部33は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、NVSRAM(Non Volatile Static Random Access Memory)などのデータを書き換え可能な半導体メモリであってもよい。
記憶部33は、制御部34で実行されるOS(Operating System)や各種プログラムを記憶する。例えば、記憶部33は、後述する予兆検出処理を実行する予兆検出プログラムを含む各種のプログラムを記憶する。さらに、記憶部33は、制御部34で実行されるプログラムで用いられる各種データを記憶する。例えば、記憶部33は、測定データ40を記憶する。
測定データ40は、監視対象に設置されたセンサ装置11により計測された加速度の値を含んだデータである。例えば、測定データ40は、各計測時期に、センサ装置11の各加速度センサ20により測定された3軸方向の加速度が計測時間に対応付けて記憶される。
図8は、測定データのデータ構成の一例を示す図である。図8に示すように、測定データ40は、年月日、時分秒、サンプリングNO、システムNO、センサNO、X軸加速度、Y軸加速度、Z軸加速度の各項目を有する。なお、測定データ40は、上記以外にも各種の情報を含んでもよい。
年月日の項目は、加速度が測定された年月日を記憶する領域である。時分秒の項目は、加速度が測定された時分秒を記憶する領域である。サンプリングNOは、加速度の計測が何回目であるかを示す番号を記憶する領域である。センサ装置11は、加速度センサ20ごとに、加速度を計測した際に計測が何回目であるかを示す番号を順に付与する。番号は、使用可能な数値の範囲が定められており、範囲の下限値から順に付与され、範囲の上限値まで付与されると再度下限値が付与される。図8の例では、サンプリングNOの番号は、1〜9999まで使用可能とされており、1から順に付与され、9999まで付与されると1に戻る。システムNOの項目は、各センサ装置11を識別する識別情報を記憶する領域である。センサ装置11には、各センサ装置11を識別する識別情報として、例えば、ユニークなシステムNOが付与される。システムNOの項目には、加速度を測定したセンサ装置11のシステムNOが格納される。センサNOの項目は、センサ装置11に設けられた加速度センサ20を識別する識別情報を記憶する領域である。加速度センサ20には、センサ装置11ごとに、加速度センサ20を識別する識別情報として、例えば、ユニークなセンサNOが付与される。センサNOの項目には、加速度を測定した加速度センサ20のセンサNOが格納される。X軸加速度、Y軸加速度およびZ軸加速度の項目は、測定されたXYZ方向の加速度の値を記憶する領域である。
図7に戻る。制御部34は、予兆検出装置15を制御するデバイスである。制御部34としては、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路を採用できる。制御部34は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。制御部34は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。例えば、制御部34は、調整部50と、格納部51と、分析部52と、検出部53と、報知部54とを有する。
調整部50は、再現性のある安定したエイリアシング波形が得られるよう、センサ装置11の各加速度センサ20のサンプリングレートおよび出力データレートを調整する。例えば、調整部50は、所定の調整タイミングで、各センサ装置11に対して、チューニング開始を指示する指示情報と、変更するサンプリングレートおよび出力データレートの設定情報を送信する。例えば、調整部50は、センサ装置11に対して、変更するサンプリングレートおよび出力データレートの値を含んだ設定情報を送信する。
各センサ装置11のマイコン22は、無線通信部23を介して、チューニング開始を指示する指示情報と、設定情報とを受信すると、設定情報に含まれる出力データレートの値を各加速度センサ20に設定する。そして、マイコン22は、それぞれサンプリングの位相をずらして、設定情報に含まれるサンプリングレートで各加速度センサ20により加速度のサンプリングを所定期間行う。マイコン22は、サンプリングされた加速度の測定データを無線通信部23により予兆検出装置15へ送信する。
調整部50は、各センサ装置11から測定データを受信すると、サンプリングレートおよび出力データレートを変えて、各センサ装置11に対して、設定情報を送信することを所定回繰り返す。
調整部50は、センサ装置11ごとに、サンプリングレートおよび出力データレートの組み合わせ別に、サンプリングされた測定データの分散分析をそれぞれ行い、F値を算出する。例えば、調整部50は、センサ装置11ごとに、サンプリングレートおよび出力データレートの組み合わせ別に、測定データに記憶された3軸方向の加速度から、所定方向に対する加速度の振幅を求め、加速度の分散分析を行う。所定方向は、例えば、重力方向であってもよく、重力方向に直交する何れかの方向であってもよく、加速度の振幅が最も大きくなる方向であってよく、予め定めた方向であってもよい。また、調整部50は、3軸方向のそれぞれの軸方向ごとに加速度の分散分析を行ってもよい。
ここで、サンプリングされる波形について説明する。センサ装置11の各加速度センサ20により検出される信号には、エイリアシング波形を含む様々な周波数の波形が含まれる。図9は、サンプリングされる波形の一例を示す図である。図9の(A)〜(D)の実線で示した波形は、アナログ入力した信号を模擬している。図9の(A)〜(D)の丸(「○」)で示した各部分は、サンプリングしたデジタル値を模擬している。図9の(A)〜(D)の破線で示した波形は、サンプリングしたデジタル値を線形補完した値を示している。
サンプリング定理では、アナログ入力信号を、サンプリングデータでほぼ再現するために、ナイキスト周波数の少なくとも2倍以上のサンプリングレートが必要となる。例えば、図9の(A)は、ほぼアナログの入力信号を再現したサンプリング状態となる。一方、サンプリングレートがナイキスト周波数の2倍より低い周波数でサンプルすると、図9の(B)、(C)に示すように位相のずれによって振幅にうねりが発生し、時系列に大きな変動が発生する場合もある。
さらに、図9の(D)のようにターゲットとなる周波数よりも低い周波数をもつ波形が観測される場合もある。図9の(B)、(C)に示す波形は、サンプリングの位相のずれに対して変動が大きく、位相のずれに対して波形が安定せず、不安定なエイリアシングとなる。一方、図9の(D)に示す波形は、サンプリングの位相のずれに対して変動が小さく、位相のずれに対して波形が安定している。位相のずれに対して波形が安定している場合、F値が小さな値となる。
ここで、分散分析について説明する。分散分析では、以下の(1)式のような分散構造モデルを設定できる。
ij=μ+τi+εij (1)
ijは、水準iのj番目の測定値である。μは、全ての測定値の平均である。τiは、水準iによる偏り効果である。εijは、水準iのj番目の測定値による誤差である。
また、分散には、以下のような関係がある。σ2Totalは、Xijの分散を表す。σ2Aは、τiの分散を表す。σ2Errorは、εijの分散を表す。σ2Totalは、全分散と呼ばれる。σ2Aは、要因分散と呼ばれる。σ2Errorは、誤差分散と呼ばれる。
Figure 2019028032
位相のずれに対して波形が安定していない場合、各加速度センサ20によりサンプリングされる波形は、サンプリングの位相のずれに対して変動が大きい。このため、各加速度センサ20によりサンプリングされる波形のフーリエスペクトルの変化も大きくなる。よって、個々の加速度センサ20のフーリエスペクトルの偏り度合を評価することで、位相のずれに対して波形が安定しているかを判定できる。個々の加速度センサ20のフーリエスペクトルの偏り度合は、分散分析を用いてF値を求めることで評価できる。
調整部50は、センサ装置11ごとに、サンプリングレートおよび出力データレートの組み合わせ別に、各加速度センサ20によりサンプリングされた測定データの分散分析をそれぞれ行い、F値を算出する。例えば、調整部50は、サンプリングされた測定データから、加速度センサ20ごとに、加速度の変化を示す波形についての所定の対象帯域のフーリエスペクトルを算出する。そして、調整部50は、算出した加速度センサ20ごとのフーリエスペクトルの分散分析を行ってF値を算出する。所定の対象帯域は、例えば、0Hzからナイキスト周波数の範囲とする。
例えば、上記の(1)式について、加速度センサ20の違いを水準iで識別するものとし、iの加速度センサ20の周波数jのフーリエスペクトルの分散値をXijとする。調整部50は、4つの加速度センサ20のフーリエスペクトルの全体平均μ ̄を求める。また、調整部50は、それぞれの加速度センサ20について、iの加速度センサ20のフーリエスペクトルの平均μi ̄を求める。そして、調整部50は、以下の(2)〜(4)式から、4つの加速度センサ20のフーリエスペクトルの全体の平方和SSTotalと、個々の加速度センサ20のフーリエスペクトルの平方和SSAと、誤差の平方和SSErrorとを求める。nは、各加速度センサ20の測定値のサンプリング数である。
Figure 2019028032
分散分析では、SSTotalとSSAとSSErrorに以下の(5)式の関係が成り立つ。
SSTotal=SSA+SSError (5)
調整部50は、平方和SSAを平方和SSAの自由度で除算して、加速度センサ20の違いを要因とする平均平方MSAを算出する。また、調整部50は、平方和SSErrorを平方和SSErrorの自由度で除算して、誤差の違いを要因とする平均平方MSErrorを算出する。平方和SSAの自由度は、加速度センサ20の数から1引いた値となる。本実施例では、加速度センサ20が4つのため、平方和SSAの自由度は、3(=4−1)となる。SSErrorの自由度は、それぞれの加速度センサ20で計測した加速度のデータ数から1引いた値の合計値となる。
調整部50は、平均平方MSAと、平均平方MSErrorから、以下の(6)式の演算を行ってF値を算出する。
F=MSA/MSError (6)
算出されたF値は、加速度センサ20の違いを要因とする有意差を示している。
調整部50は、センサ装置11ごとに、サンプリングレートおよび出力データレートの組み合わせ別にそれぞれ算出されたF値を比較し、センサ装置11ごとに、F値が最も小さくなるサンプリングレートおよび出力データレートを特定する。
調整部50は、センサ装置11ごとに、チューニング終了を指示する指示情報と、特定したサンプリングレートおよび出力データレートを含んだ設定情報とを送信する。なお、調整部50は、F値が1よりも十分小さくなるサンプリングレートおよび出力データレートの組み合わせが複数ある場合、何れかのF値のサンプリングレートおよび出力データレートを含んだ設定情報を送信してもよい。また、調整部50は、F値が第1の閾値未満となるサンプリングレートおよび出力データレートがある場合、当該F値のサンプリングレートおよび出力データレートを含んだ設定情報を送信してもよい。また、調整部50は、F値が第1の閾値未満となるまで、サンプリングレートおよび出力データレートの変更を、所定回を上限として繰り返してもよい。第1の閾値は、例えば、1とするが、これに限定されるものではなく、安定したエイリアシング波形が得られているとみなすF値に応じて定めればよい。また、第1の閾値は、外部から設定可能としてもよい。例えば、第1の閾値は、操作部31を用いて操作画面等から設定可能としてもよい。
センサ装置11のマイコン22は、無線通信部23を介して、チューニング終了を指示する指示情報と、設定情報とを受信すると、設定情報に含まれる出力データレートの値を各加速度センサ20に設定する。
これにより、各センサ装置11は、加速度センサ20の違いを要因とする有意差を示すF値が小さくなるように、サンプリングレートおよび出力データレートが調整される。加速度センサ20の違いを要因とする有意差を示すF値は、再現性のある安定したエイリアシング波形が得られる場合、小さくなる。よって、各センサ装置11は、再現性のある安定したエイリアシング波形が得られるように、サンプリングレートおよび出力データレートが調整される。
なお、調整部50は、加速度センサ20のサンプリングレートおよび出力データレートの何れか一方の設定を調整するものとしてもよい。
各センサ装置11は、それぞれ計測時期ごとに、サンプリングの位相をずらして、各加速度センサ20により、加速度のサンプリングを行い、測定データを予兆検出装置15へ送信する。
ここで、具体的な一例を用いて説明する。図10は、不安定なエイリアシングが発生していない場合の一例を示す図である。図10の(A)〜(D)には、固有振動数振が10HzのSin波を100Hzで位相を変えて10秒間サンプリングしたデータによる波形60A〜60Dが示されている。Sin波は、小型の振動台で発生させ、振動台に固定したセンサ装置11により加速度の計測を行った。
波形60A〜60Dは、サンプリングした際の位相が異なるため、位相にずれが発生している。図10の(A)〜(D)には、波形60A〜60Dそれぞれの周波数ごとの振幅を示すフーリエスペクトル61A〜61Dが示されている。フーリエスペクトル61A〜61Dは、例えば、波形60A〜60Dに対して、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)により1Hz〜25Hzのバンドパスフィルタのフィルタリングを行って、フーリエスペクトルを算出したものである。不安定なエイリアシングが発生していない場合、図10に示ように、フーリエスペクトル61A〜61Dは、サンプリングの位相がずれていても類似しており、10Hzで振幅に顕著なピークがある。図10に示したフーリエスペクトル61A〜61Dでは、F値が0.2と算出される。
図11は、不安定なエイリアシングが発生している場合の一例を示す図である。図11の(A)〜(D)には、固有振動数振が75HzのSin波を100Hzで位相を変えて10秒間サンプリングしたデータによる波形62A〜62Dが示されている。Sin波は、小型の振動台で発生させ、振動台に固定したセンサ装置11により加速度の計測を行った。
波形62A〜62Dも、サンプリングした際の位相が異なるため、位相にずれが発生している。図11の(A)〜(D)には、波形62A〜62Dそれぞれの周波数ごとの振幅を示すフーリエスペクトル63A〜63Dが示されている。フーリエスペクトル63A〜63Dは、例えば、波形62A〜62Dに対して、高速フーリエ変換により1Hz〜25Hzのバンドパスフィルタのフィルタリングを行って、フーリエスペクトルを算出したものである。不安定なエイリアシングが発生している場合、図11に示ように、フーリエスペクトル63A〜63Dは、サンプリングの位相がずれたことにより、波形が変化して様々な周波数にノイズが発生している。図11に示したフーリエスペクトル63A〜63Dでは、F値が5.02と算出される。
F値が小さくなるように各センサ装置11の加速度センサ20のサンプリングレートおよび出力データレートを調整することにより、予兆検出装置15は、各センサ装置11から再現性のある安定したエイリアシング波形の測定データが得られるようになる。
図7の説明に戻る。格納部51は、各種のデータの格納を行う。例えば、格納部51は、ゲートウェイ12から受信される各センサ装置11の測定データを測定データ40として記憶部33に格納する。
分析部52は、測定データ40の分散分析を行う。例えば、分析部52は、測定データ40に記憶された3軸方向の加速度から、所定方向に対する加速度の振幅を求め、加速度の分散分析を行う。所定方向は、例えば、重力方向であってもよく、重力方向に直交する何れかの方向であってもよく、加速度の振幅が最も大きくなる方向であってよく、予め定めた方向であってもよい。また、分析部52は、3軸方向のそれぞれの軸方向ごとに加速度の分散分析を行ってもよい。
ここで、設備は、故障が発生しつつあると、振動が変化する。そこで、測定データ40に記憶された複数の計測時期のデータの分散分析を行うことで、振動が変化しているかを判別できる。
分析部52は、測定データ40に基づき、計測時期別に、各加速度センサ20により計測された加速度の変化を示す波形についての所定の対象帯域のフーリエスペクトルを算出する。そして、分析部52は、算出した各フーリエスペクトルから、計測時期別に、フーリエスペクトルの振動数ごとの分散値を算出する。
図12は、フーリエスペクトルの一例を示す図である。図12の(A)〜(D)には、固有振動数振が10HzのSin波を100Hzで位相を変えて10秒間サンプリングしたデータによる波形64A〜64Dが示されている。Sin波は、小型の振動台で発生させ、振動台に固定したセンサ装置11により加速度の計測を行った。
波形64A〜64Dは、サンプリングした際の位相が異なるため、位相にずれが発生している。図12の(A)〜(D)には、波形64A〜64Dそれぞれの周波数ごとの振幅を示すフーリエスペクトル65A〜65Dが示されている。分析部52は、周波数ごとに、フーリエスペクトル65A〜65Dの値の分散を算出する。例えば、分析部52は、同じ周波数ごとに、フーリエスペクトル65A〜65Dの値の分散値を算出する。図12の(E)には、フーリエスペクトル65A〜65Dの周波数ごとの分散値を示した波形67が示されている。以下では、波形67のように、フーリエスペクトルの周波数ごとの分散値を示した波形を「フーリエスペクトル分散波形」とも称する。
分析部52は、各計測時期のフーリエスペクトルの周波数ごとの分散値の分散分析を行ってF値を算出する。例えば、分析部52は、測定データ40から3つ以上の計測時期について、計測時期別にフーリエスペクトルの周波数ごとの分散値を算出する。これにより、計測時期ごとに、図12の(E)に示すフーリエスペクトル分散波形67が算出される。そして、分析部52は、算出した3つ以上の計測時期のフーリエスペクトルの周波数ごとの分散値の分散分析を行ってF値を算出する。
例えば、上記の(1)式について、計測時期の違いを水準iで識別するものとし、iの計測時期の周波数jのフーリエスペクトルの分散値をXijとする。分析部52は、分散分析の対象とする全ての計測時期のフーリエスペクトル分散波形の全体平均μ ̄を求める。例えば、分析部52は、全ての計測時期のフーリエスペクトルの周波数ごとの分散値の全体平均μ ̄を求める。また、分析部52は、分散分析の対象とする各計測時期について、iの計測時期のフーリエスペクトル分散波形の平均μi ̄を求める。例えば、分析部52は、iの計測時期のフーリエスペクトルの周波数ごとの分散値の平均μi ̄を求める。そして、分析部52は、上記の(2)〜(4)式を用いて、分散分析の対象とする全ての計測時期のフーリエスペクトル分散波形の全体の平方和SSTotalと、個々の計測時期のフーリエスペクトル分散波形の平方和SSAと、誤差の平方和SSErrorとを求める。nは、各計測時期の測定値のサンプリング数である。
分析部52は、平方和SSAを平方和SSAの自由度で除算して、計測時期の違いを要因とする平均平方MSAを算出する。また、分析部52は、平方和SSErrorを平方和SSErrorの自由度で除算して、誤差の違いを要因とする平均平方MSErrorを算出する。平方和SSAの自由度は、分散分析の対象とする計測時期の数から1引いた値となる。SSErrorの自由度は、それぞれの計測時期で計測した加速度のデータ数から1引いた値の合計値となる。
分析部52は、平均平方MSAと、平均平方MSErrorから、上記の(6)式を用いて、F値を算出する。
算出されたF値は、計測時期の違いを要因とする有意差を示している。
ここで、動きのある設備の振動は、正常に動作している場合でも一定ではなく、設備の動作状態によって変化する場合がある。例えば、監視対象が空調設備の場合、空調設備は、気温の変化等の影響により、一日のうちの時刻によっても動作状態が変化する。F値の算出に用いる3つ以上の計測時期は、監視対象が同様の動作状態である計測時期とすることが好ましい。例えば、監視対象が空調設備のファンベルトであり、空調設備が経時的に動作状態が変化するものの、各日において同様の時刻に同様の動作状態となる場合、分析部52は、各日の同じ時刻を計測時期とするデータからF値を算出することが好ましい。
また、F値の算出に用いる計測時期は、監視対象が正常に動作している動作状態の計測時期を含むことが好ましい。例えば、監視対象が空調設備のファンベルトであり、計測時期Aにおいて空調設備が正常に動作している場合、分析部52は、計測時期Aを含む複数の計測時期の測定データ40からF値を算出することが好ましい。
ここで、具体的な一例を用いて説明する。図13は、異なる計測時期のフーリエスペクトルの一例を示す図である。図13の(A)〜(D)には、計測時期1〜4の周波数ごとの分散値を示したフーリエスペクトル分散波形68A〜68Dが示されている。図13の(A)〜(D)は、固有振動数振が10HzのSin波を200Hzで位相を変えて10秒間サンプリングした測定データからフーリエスペクトルを算出し、算出した各フーリエスペクトルから計測時期別にフーリエスペクトルの振動数ごとの分散値を算出したものである。Sin波は、小型の振動台で発生させ、振動台に固定したセンサ装置11により加速度の計測を行った。ただし、計測時期4では、設備の故障予兆を模擬するために、振動台とセンサ装置11を固定しているボルトをゆるめ、多少がたを与えて計測した。
分析部52は、計測時期ごとのフーリエスペクトルの分散分析を行ってF値を算出する。例えば、図13に示したフーリエスペクトル分散波形68A〜68Cの分散分析を行った場合、F値が0.15と算出される。一方、図13に示したフーリエスペクトル分散波形68A〜68Dの分散分析を行った場合、F値が1.29と算出される。このように、設備の故障を模擬したフーリエスペクトル分散波形68Dを加えて分散分析を行った場合、F値が大きく算出される。
このように、設備に異常が発生しておらず、各計測時期の振動に変化が小さい場合、分析部52により算出されるF値は、小さな値となる。一方、設備に異常が発生しつつあり、各計測時期の振動が変化している場合、分析部52により算出されるF値は、大きな値となる。よって、F値を評価することにより、振動が変化しているかを判別でき、故障が発生しつつあると判別できる。
図7の説明に戻る。検出部53は、分析部52による分析結果に基づき、監視対象の故障の予兆を検出する。例えば、検出部53は、分析部52により、計測時期ごとのフーリエスペクトルの分散分析を行って算出された、計測時期の違いを要因とする有意差を示すF値が所定の第2の閾値以上であるか判定する。そして、検出部53は、F値が第2の閾値以上である場合、故障の予兆がありと検出する。第2の閾値は、例えば、1とするが、これに限定されるものではなく、故障の予兆とみなすF値に応じて定めればよい。また、第2の閾値も、外部から設定可能としてもよい。
報知部54は、検出部53により、監視対象の故障の予兆が検出された場合、監視対象に対する故障の検出を報知する。例えば、報知部54は、表示部32に監視対象に対する故障の検出を報知するメッセージ等を表示する。また、報知部54は、管理者等が使用する外部の端末装置へ監視対象に対する故障の検出を報知する情報を送信する。
これにより、予兆検出装置15は、故障の予兆を検出できる。
[処理の流れ]
予兆検出装置15が実施する各種の処理について説明する。最初に、予兆検出装置15がセンサ装置11の加速度センサ20のサンプリングレートおよび出力データレートをチューニングするチューニング処理の流れについて説明する。
図14は、チューニング処理の手順の一例を示すフローチャートである。このチューニング処理は、所定の調整タイミング、例えば、センサ装置11を設置したタイミングや、日時や月次などの定期的なタイミング、管理者によって指示されたタイミングで実行される。
調整部50は、所定の調整タイミングで、センサ装置11に対して、チューニング開始を指示する指示情報と、変更するサンプリングレートおよび出力データレートの設定情報を送信する(ステップS10)。
センサ装置11は、チューニング開始を指示する指示情報と、設定情報とを受信すると、設定情報に含まれる出力データレートの値を各加速度センサ20に設定して加速度のサンプリングを所定期間行う。そして、センサ装置11は、サンプリングされた加速度の測定データを予兆検出装置15へ送信する。
調整部50は、測定データを受信したか否かを判定する(ステップS11)。測定データを受信していない場合(ステップS11:No)、再度ステップS11へ移行する。
測定データを受信した場合(ステップS11:Yes)、調整部50は、受信した測定データから、加速度センサ20ごとに、加速度の変化を示す波形についての所定の対象帯域のフーリエスペクトルを算出する(ステップS12)。調整部50は、加速度センサ20ごとのフーリエスペクトルの分散分析を行って、加速度センサ20の違いを要因とする有意差を示すF値を算出する(ステップS13)。
調整部50は、算出したF値が第1の閾値未満であるか判定する(ステップS14)。F値が第1の閾値未満ではない場合(ステップS14:No)、調整部50は、サンプリングレートおよび出力データレートの変更回数が所定回以上となったか否かを判定する(ステップS15)。変更回数が所定回以上となっていない場合(ステップS15:No)、調整部50は、サンプリングレートおよび出力データレートを変更する(ステップS16)。例えば、調整部50は、現在設定しているサンプリングレートよりもレートの高いサンプリングレートに変更する。また、調整部50は、変更するサンプリングレート以上の頻度で更新される出力データレートのうち、最も低い出力データレートに変更する。
調整部50は、変更したサンプリングレートおよび出力データレートの設定情報をセンサ装置11に対して送信し(ステップS17)、上述のステップS11へ移行する。
一方、変更回数が所定回以上となった場合(ステップS15:Yes)、調整部50は、算出されたF値が最も小さくなるサンプリングレートおよび出力データレートを特定する(ステップS18)。調整部50は、チューニング終了を指示する指示情報と、特定したサンプリングレートおよび出力データレートを含んだ設定情報とを送信し(ステップS19)、処理を終了する。
一方、F値が第1の閾値未満となった場合(ステップS14:Yes)、調整部50は、F値が算出されたサンプリングレートおよび出力データレートを特定する(ステップS20)。調整部50は、チューニング終了を指示する指示情報と、特定したサンプリングレートおよび出力データレートを含んだ設定情報とを送信し(ステップS21)、処理を終了する。
次に、予兆検出装置15が故障の予兆を検出する予兆検出処理の流れについて説明する。図15は、予兆検出処理の手順の一例を示すフローチャートである。この予兆検出処理は、所定のタイミング、例えば、各センサ装置11から測定データが受信したタイミングで実行される。
格納部51は、受信したセンサ装置11の測定データを測定データ40として記憶部33に格納する(ステップS50)。
分析部52は、センサ装置11別に、センサ装置11から3つ以上の計測時期の測定データが得られているか判定する(ステップS51)。3つ以上の計測時期の測定データが得られていない場合(ステップS51:No)、処理を終了する。
一方、3つ以上の計測時期の測定データが得られている場合(ステップS51:Yes)、分析部52は、計測時期別に、各加速度センサ20により計測された加速度の変化を示す波形についての所定の対象帯域のフーリエスペクトルを算出する(ステップS52)。そして、分析部52は、算出した各フーリエスペクトルから、計測時期別に、フーリエスペクトルの振動数ごとの分散値を算出する(ステップS53)。分析部52は、各計測時期のフーリエスペクトルの周波数ごとの分散値の分散分析を行って、計測時期の違いを要因とする有意差を示すF値を算出する(ステップS54)。
検出部53は、算出された計測時期の違いを要因とする有意差を示すF値が第2の閾値以上であるか判定する(ステップS55)。F値が第2の閾値未満である場合(ステップS55:No)、処理を終了する。
一方、F値が第2の閾値以上である場合(ステップS55:Yes)、検出部53は、監視対象の故障の予兆があると検出する(ステップS56)。報知部54は、監視対象に対する故障の検出を報知し(ステップS57)、処理を終了する。
[効果]
上述してきたように、本実施例に係る予兆検出装置15は、監視対象に設置された3つ以上の加速度センサ20により、それぞれサンプリングの位相をずらしてサンプリングされた加速度の測定データ40を記憶部33に記憶する。予兆検出装置15は、測定データ40の分散分析を行う。予兆検出装置15は、析結果に基づき、監視対象の故障の予兆を検出する。これにより、予兆検出装置15は、故障の予兆を検出できる。
また、本実施例に係る予兆検出装置15は、3つ以上の加速度センサ20によりそれぞれサンプリングされる加速度の変化を示す波形についての所定の対象帯域のフーリエスペクトルを算出する。予兆検出装置15は、算出した加速度センサ20ごとのフーリエスペクトルの分散分析を行って加速度センサ20の違いを要因とする有意差を示すF値を算出する。予兆検出装置15は、F値が最も小さくなるように、または、F値が第1の閾値未満となるように、加速度センサ20のサンプリングレートおよび出力データレートの何れか一方または両方の設定を調整する。これにより、予兆検出装置15は、再現性のある安定したエイリアシング波形の信号が得られるように、センサ装置11の加速度センサ20の出力データレートおよびサンプリングレートを調整できる。これにより、予兆検出装置15は、センサ装置11から再現性のある安定したエイリアシング波形の測定データが得られるようになるため、故障の予兆の検出精度を向上させることができる。
また、本実施例に係る予兆検出装置15は、3つ以上の加速度センサ20により、それぞれサンプリングの位相をずらして所定の計測時期ごとに所定期間サンプリングされた加速度の測定データ40を記憶する。予兆検出装置15は、測定データ40から、計測時期別に各加速度センサ20により計測された加速度の変化を示す波形についての所定の対象帯域のフーリエスペクトルを算出する。予兆検出装置15は、算出した各フーリエスペクトルから計測時期別にフーリエスペクトルの振動数ごとの分散値を算出する。予兆検出装置15は、算出した各計測時期のフーリエスペクトルの周波数ごとの分散値の分散分析を行って計測時期の違いを要因とする有意差を示すF値を算出する。予兆検出装置15は、算出されたF値が所定の第2の閾値以上の場合、故障の予兆がありと検出する。これにより、予兆検出装置15は、故障の予兆を検出できる。
また、本実施例に係る予兆検出装置15は、測定データ40から3つ以上の計測時期について、計測時期別に各フーリエスペクトルの振動数ごとの分散値を算出する。予兆検出装置15は、算出した3つ以上の計測時期のフーリエスペクトルの周波数ごとの分散値の分散分析を行って計測時期の違いを要因とする有意差を示すF値を算出する。これにより、予兆検出装置15は、分散分析により、計測時期の違いを要因とする有意差を示すF値を算出できる。
また、本実施例に係る予兆検出装置15は、監視対象が同様の動作状態の複数の計測時期の測定データ40から計測時期別に各フーリエスペクトルの振動数ごとの分散値を算出する。予兆検出装置15は、算出した複数の計測時期のフーリエスペクトルの周波数ごとの分散値の分散分析を行って計測時期の違いを要因とする有意差を示すF値を算出する。これにより、予兆検出装置15は、故障の予兆を精度よく検出できる。
また、本実施例に係る予兆検出装置15は、監視対象が正常に動作している動作状態の計測時期を含む複数の計測時期の測定データから計測時期の違いを要因とする有意差を示すF値を算出する。これにより、予兆検出装置15は、正常に動作している動作状態からの振動の変化を精度よく検出でき、故障の予兆を精度よく検出できる。
また、本実施例に係るセンサ装置11は、3つ以上の加速度センサ20が同一の基板に設けられ、サンプリングの期間中、3つ以上の加速度センサ20により1つずつ順に加速度の計測を繰り返す。これにより、センサ装置11は、サンプリングの位相をずらして各加速度センサ20により加速度を計測できる。
さて、これまで開示の装置に関する実施例について説明したが、開示の技術は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
例えば、上記の実施例では、センサ装置11が、ゲートウェイ12およびネットワークNを介して予兆検出装置15と通信する場合について説明したが、開示の装置はこれに限定されない。例えば、センサ装置11と予兆検出装置15とが直接無線通信を行ってもよい。また、センサ装置11が、例えば、920MHz帯マルチホップ無線などのマルチホップ無線通信に対応してマルチホップ無線ネットワークを構成し、各センサ装置11が直接または他のセンサ装置11を介して予兆検出装置15と通信を行ってもよい。
また、上記の実施例では、センサ装置11が測定データを予兆検出装置15へ送信し、予兆検出装置15が測定データの分散分析を行って、故障の予兆を検出する場合について説明したが、開示の装置はこれに限定されない。例えば、センサ装置11に分析部52、検出部53および報知部54の機能を持たせて、センサ装置11が測定データの分散分析を行い、故障の予兆の検出を行ってもよい。この場合、センサ装置11が本発明の予兆検出装置に該当する。また、センサ装置11に調整部50の機能を持たせて、センサ装置11が各加速度センサ20の出力データレートおよびサンプリングレートのチューニングを自立的に行ってもよい。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的状態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、調整部50、格納部51、分析部52、検出部53および報知部54の各処理部が適宜統合されてもよい。また、各処理部の処理が適宜複数の処理部の処理に分離されてもよい。さらに、各処理部にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
[予兆検出プログラム]
また、上記の実施例で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することもできる。そこで、以下では、上記の実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータシステムの一例を説明する。図16は、予兆検出プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
図16に示すように、コンピュータ300は、CPU(Central Processing Unit)310、HDD(Hard Disk Drive)320、RAM(Random Access Memory)340を有する。これら300〜340の各部は、バス400を介して接続される。
HDD320には上記の格納部51、分析部52、検出部53、報知部54および調整部50と同様の機能を発揮する予兆検出プログラム320aが予め記憶される。なお、予兆検出プログラム320aについては、適宜分離してもよい。
また、HDD320は、各種情報を記憶する。例えば、HDD320は、上述の測定データ40など故障の予兆の検出に用いる各種データを記憶する。
そして、CPU310が、予兆検出プログラム320aをHDD320から読み出して実行することで、実施例の各処理部と同様の動作を実行する。すなわち、予兆検出プログラム320aは、格納部51、分析部52、検出部53、報知部54および調整部50と同様の動作を実行する。
なお、上記した予兆検出プログラム320aについては、必ずしも最初からHDD320に記憶させることを要しない。
例えば、コンピュータ300に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」にプログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ300がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
さらには、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ300に接続される「他のコンピュータ(またはサーバ)」などにプログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ300がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
10 予兆検出システム
11 センサ装置
15 予兆検出装置
20 加速度センサ
21 メモリ
22 マイコン
23 無線通信部
30 通信部
31 操作部
32 表示部
33 記憶部
34 制御部
40 測定データ
50 調整部
51 格納部
52 分析部
53 検出部
54 報知部

Claims (11)

  1. 監視対象に設置された3つ以上の加速度センサにより、それぞれサンプリングの位相をずらしてサンプリングされた加速度の測定データを記憶する記憶部と、
    前記測定データの分散分析を行う分析部と、
    前記分析部による分析結果に基づき、前記監視対象の故障の予兆を検出する検出部と、
    を有することを特徴とする予兆検出装置。
  2. 前記3つ以上の加速度センサによりそれぞれサンプリングされる加速度の変化を示す波形についての所定の対象帯域のフーリエスペクトルを算出し、算出した前記加速度センサごとのフーリエスペクトルの分散分析を行って前記加速度センサの違いを要因とする有意差を示すF値を算出し、当該F値が最も小さくなるように、または、前記F値が第1の閾値未満となるように、前記加速度センサのサンプリングレートおよび出力データレートの何れか一方または両方の設定を調整する調整部をさらに有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の予兆検出装置。
  3. 前記記憶部は、前記3つ以上の加速度センサにより、それぞれサンプリングの位相をずらして所定の計測時期ごとに所定期間サンプリングされた加速度の測定データを記憶し、
    前記分析部は、前記測定データから、前記計測時期別に各加速度センサにより計測された加速度の変化を示す波形についての所定の対象帯域のフーリエスペクトルを算出し、算出した各フーリエスペクトルから前記計測時期別にフーリエスペクトルの振動数ごとの分散値を算出し、算出した各計測時期のフーリエスペクトルの周波数ごとの分散値の分散分析を行って前記計測時期の違いを要因とする有意差を示すF値を算出し、
    前記検出部は、前記分析部により算出されたF値が所定の第2の閾値以上の場合、故障の予兆がありと検出する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の予兆検出装置。
  4. 前記分析部は、前記測定データから3つ以上の計測時期について、前記計測時期別にフーリエスペクトルの振動数ごとの分散値を算出し、算出した前記3つ以上の計測時期のフーリエスペクトルの周波数ごとの分散値の分散分析を行って前記計測時期の違いを要因とする有意差を示すF値を算出する
    ことを特徴とする請求項3に記載の予兆検出装置。
  5. 前記分析部は、前記監視対象が同様の動作状態の複数の計測時期の測定データから前記計測時期別にフーリエスペクトルの振動数ごとの分散値を算出し、算出した前記複数の計測時期のフーリエスペクトルの周波数ごとの分散値の分散分析を行って前記計測時期の違いを要因とする有意差を示すF値を算出する
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の予兆検出装置。
  6. 前記分析部は、前記監視対象が正常に動作している動作状態の計測時期を含む複数の計測時期の測定データから前記計測時期の違いを要因とする有意差を示すF値を算出する
    ことを特徴とする請求項3から5の何れか1つに記載の予兆検出装置。
  7. 監視対象に設置された3つ以上の加速度センサにより、それぞれサンプリングの位相をずらしてサンプリングされた加速度の測定データを記憶する記憶部に記載された前記測定データの分散分析を行い、
    分析結果に基づき、前記監視対象の故障の予兆を検出する、
    処理をコンピュータが実行することを特徴とする予兆検出方法。
  8. 監視対象に設置された3つ以上の加速度センサにより、それぞれサンプリングの位相をずらしてサンプリングされた加速度の測定データを記憶する記憶部に記載された前記測定データの分散分析を行い、
    分析結果に基づき、前記監視対象の故障の予兆を検出する、
    処理をコンピュータに実行させることを特徴とする予兆検出プログラム。
  9. 監視対象に設置され、3つ以上の加速度センサにより、それぞれサンプリングの位相をずらしてサンプリングされた加速度の測定データを送信するセンサ装置と、
    前記センサ装置から受信した前記測定データを記憶する記憶部と、前記測定データの分散分析を行う分析部と、前記分析部による分析結果に基づき、前記監視対象の故障の予兆を検出する検出部と、を有する予兆検出装置と、
    を備えたことを特徴とする予兆検出システム。
  10. 前記センサ装置は、3つ以上の加速度センサが同一の基板に設けられ、サンプリングの期間中、前記3つ以上の加速度センサにより1つずつ順に加速度の計測を繰り返す
    ことを特徴とする請求項9に記載の予兆検出システム。
  11. 前記予兆検出装置は、
    前記3つ以上の加速度センサによりそれぞれサンプリングされる加速度の変化を示す波形についての所定の対象帯域のフーリエスペクトルを算出し、算出した前記加速度センサごとのフーリエスペクトルの分散分析を行って各加速度センサによりサンプリングされる波形の有意差を示すF値を算出し、当該F値が最も小さくなるように、または、前記F値が第1の閾値未満となるように、前記加速度センサのサンプリングレートおよび出力データレートの何れか一方または両方の設定を調整する調整部をさらに有し、
    前記センサ装置は、前記3つ以上の加速度センサが、前記調整部により調整されたサンプリングレートおよび出力データレートの何れか一方または両方の設定でそれぞれサンプリングの位相をずらして加速度をサンプリングする
    ことを特徴とする請求項9または10に記載の予兆検出システム。
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