JP2002022579A - 応力検知センサおよび応力測定装置 - Google Patents

応力検知センサおよび応力測定装置

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JP2002022579A
JP2002022579A JP2000212479A JP2000212479A JP2002022579A JP 2002022579 A JP2002022579 A JP 2002022579A JP 2000212479 A JP2000212479 A JP 2000212479A JP 2000212479 A JP2000212479 A JP 2000212479A JP 2002022579 A JP2002022579 A JP 2002022579A
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stress
strain gauge
resistors
pair
strain
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JP2000212479A
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Osao Miyazaki
長生 宮崎
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Nihon Denshi Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複雑な形状で、しかも複数の異なる固定点を
有する構造体や、相互に異なった方向から外力が作用す
る構造体であっても、その構造体に作用する応力を精度
良く測定できる応力検知センサを提供する。 【解決手段】 少なくとも1つの主面1aを有する基体
1と、基体1の主面1a上に互いに絶縁された状態で十
字状に配置された1対の抵抗体4,5を有する第1の歪
ゲージ2と、基体1の主面1a上に互いに絶縁された状
態で十字状に配置された1対の抵抗体6,7を有し、こ
れら1対の抵抗体6,7のいずれもが、第1の歪ゲージ
2の1対の抵抗体4,5のいずれに対しても、一直線状
あるいは平行状でない第2の歪ゲージ3とを備えた

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造体に作用する
六分力、すなわち3次元直交座標系の各軸方向に作用す
る分力と、各軸回りに作用するモーメントとを、剪断応
力として分離して計測するための応力検知センサ、およ
びその応力検知センサを用いた応力測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、機械や構造物には圧縮と曲げ、あ
るいは捻りと曲げといったような二つ以上の荷重が同時
に作用している場合が多い。このような組合せ応力状態
にある物体内において、主応力と剪断応力との関係は、
以下のようであると考えられる。
【0003】物体内の任意の点における応力は、その点
を原点とする図13に示すような直交座標系(x,y,
z)で表示された微小立方体を考えれば、9個の垂直応
力成分および剪断応力成分からなる三次元応力(three
dimensional stress)で表される。但し、剪断応力のモ
ーメントの釣合いから、τxy=τyx、τyz=τzy、τzx
=τxzの関係が成立するので、物体内の応力状態は、結
局のところ6個の応力成分σx 、σy 、σz 、τxy、τ
yz、τxzで表される。
【0004】図13において、σz =0 、τzy=0 、τ
xz=0 であると仮定すれば、物体に作用する応力σx 、
σy 、τxyはx−y平面に平行な面内に存在する。この
ような応力を平面応力(plane stress)と呼称する。平
面応力状態にある物体について、任意の断面上に生ずる
法線応力と剪断応力とを求める。
【0005】図14および図15に示すように、x軸お
よびy軸を含む平面に引張応力σx、σy と剪断応力τx
y=τyxとが同時に作用すると、法線n がx軸に対して
時計方向にθの角度をなす断面K−L上の法線応力σn
と剪断応力τとは、三角形要素KLMに作用するx、y
軸方向の力の釣合いにより、下記数式1のように表され
る。
【0006】
【数1】
【0007】上記数式1は、三角関数を用いて、下記数
式2のように変形できる。
【0008】
【数2】
【0009】上記数式2より、断面K−L上の法線応力
σn と剪断応力τとは、下記数式3、4のようになる。
【0010】
【数3】
【0011】
【数4】
【0012】図14および図15に示す応力状態におい
て、上記数式3、4によって与えられた法線応力σn お
よび剪断応力τは、θの値とともに変化する。法線応力
σnが最大または最小となる面は、上記数式3のσn を
θで微分して下記数式5のように与えられる。
【0013】
【数5】
【0014】上記数式5を満足するθの値は、下記数式
6のようになる。
【0015】
【数6】
【0016】しかも、そのときのτの値は上記数式4よ
り何れも0 となるので、法線応力は剪断応力が0 となる
断面で最大または最小になるといえる。
【0017】剪断応力τ=0 となる断面上の法線応力σ
n のことを主応力(principal stress)、その働く面を
主応力面(principal plane of stress )、主応力の作
用方向を主応力軸(principal axis of stress)と呼称
する。
【0018】次に、剪断応力τが最大または最小となる
条件は、上記数式4において(d τ)/ (d θ)=0 を
満足する。このときのθの値をθ´とすれば、上記数式
4より下記数式7のようになる。
【0019】
【数7】
【0020】上記数式5および上記数式7より、(tan2
θ) ×(tan2 θ´) =−1 の関係が導かれるので、θ´
=θ±( π/4) となり、剪断応力が最大または最小にな
る面は、主応力面に対して45度の傾きを為していると
いえる。また、このような関係が成立する場合の剪断応
力を主剪断応力と呼称する。
【0021】上記数式3および上記数式4を簡略化する
ために、図16および図17に示すように、剪断応力τ
xyが作用せず、垂直抗力σx と垂直抗力σy とのみが作
用する場合のσn とτとを考える。
【0022】上記数式3および上記数式4において、τ
xy=0 とおけば、下記数式8および下記数式9のように
なる。
【0023】
【数8】
【0024】
【数9】
【0025】但し、τの符号は物体を時計回りに回転さ
せようとする方向を正にする。すなわち、上記数式9よ
り、τの値はσx <σy のときに0 <θ<( π/2) で
正、σx >σy のときに0 <θ<( π/2) で負となるの
で、σx >σy のときにはτの向きは図17に示す方向
とは逆になる。
【0026】また、主応力σと剪断応力τとの関係は、
上記数式8および上記数式9より、下記数式10で表さ
れる。
【0027】
【数10】
【0028】上記数式10は、σx >σy の場合、図1
9に示すように、横軸にσを、縦軸の上向き方向にτを
各々とれば、中心の座標Cを{( σx+σy)/2,0}とし、
( σx-σy)/2を半径とする円になる。この場合、τは0
<θ<( π/2) で負となり、円周上のP 点の座標値が図
18における断面KL上の応力σn とτを表す。このよ
うな円をモールの応力円(Mohr's stress circle)と呼
称する。
【0029】一方、σx <σy の場合における断面KL
上の応力σn とτとは、モールの応力円において、σ=
σx の位置より時計方向に 2θ回転させた円周上の座標
で与えられる。なお、モールの応力円では時計方向に回
転する向きを正とする。
【0030】ところで、従来の応力検知センサは、図2
0に示すように、基体101の両面に、それぞれ1対の
抵抗体102、103を、十字状に、かつ基体101の
中心軸に対して45度の傾きを持つように配置したもの
であった(たとえば特開平4−331336号公報参
照)。これは、上記のように、主応力軸が抵抗体10
2、103の長さ方向に沿って、換言すれば基体101
の中心軸に対して45度の傾きを持って分布していると
の仮定に基づいて設定されたものであり、このときの主
剪断応力τは基体101の中心軸に沿った方向すなわち
主応力軸に対して45度の傾きを持った方向に作用して
いる。すなわち、主応力軸に沿って歪ゲージを配置する
ことで、主剪断応力τを計測することが初めて実現され
る訳であって、これについては上記のモールの応力円理
論からも実証される。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、理想構
造体であれば、上記従来の応力検知センサのように基体
101の中心軸に対して45度の傾きを持って抵抗体1
02、103を形成すれば主剪断応力を計測することが
可能であるが、たとえば車輌のサスペンションのよう
に、複雑な形状で、しかも複数の異なる固定点を有する
部材に作用する主剪断応力を測定する場合、それらの要
因が微妙に相互干渉し合って、一概に主応力軸が45度
の傾きを為しているとは言えない。正確な外力を計測す
るためには、正確な主剪断応力を計測することが前提条
件であり、それを実現し得るには正確な主応力方向の把
握が必要不可欠であることから、上記従来の応力検知セ
ンサの構造では精度良く主剪断応力を計測できていると
は言えなかった。また、異なった方向から幾つもの力が
与えられて一つの応力の場を形成しているような構造体
においては、主応力の方向自体を見出すことは非常に困
難である。
【0032】
【発明の開示】本発明は、上記した事情のもとで考え出
されたものであって、複雑な形状で、しかも複数の異な
る固定点を有する構造体や、相互に異なった方向から外
力が作用する構造体であっても、その構造体に作用する
応力を精度良く測定できる応力検知センサおよび応力測
定装置を提供することを、その課題とする。
【0033】上記の課題を解決する為、本発明では、次
の技術的手段を講じている。
【0034】本発明の第1の側面によれば、少なくとも
1つの平面を有する基体と、基体の平面上に互いに絶縁
された状態で十字状に配置された1対の抵抗体を有する
第1の歪ゲージと、基体の平面上に互いに絶縁された状
態で十字状に配置された1対の抵抗体を有し、これら1
対の抵抗体の何れもが、第1の歪ゲージの1対の抵抗体
の何れに対しても、一直線状あるいは平行状でない第2
の歪ゲージとを備えたことを特徴とする、応力検知セン
サが提供される。
【0035】好ましい実施の形態によれば、第1および
第2の歪ゲージの各抵抗体は、各々1個の抵抗素子によ
り構成されている。
【0036】他の好ましい実施の形態によれば、第1お
よび第2の歪ゲージの各抵抗体は、各々複数の抵抗素子
と、それらの抵抗素子を直列に接続する導体とにより構
成されている。
【0037】他の好ましい実施の形態によれば、第1の
歪ゲージの1対の抵抗体と第2の歪ゲージの1対の抵抗
体とは、十字状の中心位置が互いに異なっており、互い
に重なり合うことなく隣接配置されている。
【0038】他の好ましい実施の形態によれば、第1の
歪ゲージの1対の抵抗体と第2の歪ゲージの1対の抵抗
体とは、十字状の中心位置が互いに一致しており、互い
に絶縁された状態で配置されている。
【0039】他の好ましい実施の形態によれば、第1の
歪ゲージの1対の抵抗体および/または第2の歪ゲージ
の1対の抵抗体は、複数組設けられており、これら複数
組の1対の抵抗体は、十字状の中心点の回りに所定角度
ずつ順次ずらせた状態で配置されている。
【0040】他の好ましい実施の形態によれば、基体
は、直方体であり、第1の歪ゲージおよび第2の歪ゲー
ジは、基体の複数の平面にそれぞれ設けられている。
【0041】他の好ましい実施の形態によれば、基体の
複数の平面は、互いに対向する平面を含む。
【0042】本発明の第2の側面によれば、直方体状の
基体と、基体の内部に立体的に配置され、基体の何れの
面への投影像も十字形状になる1対の抵抗体を有する第
1の歪ゲージと、基体の内部に立体的に配置され、基体
の何れの面への投影像も十字形状になる1対の抵抗体で
あって、これら1対の抵抗体の何れもが、基体の何れの
面への投影像においても、第1の歪ゲージの1対の抵抗
体の何れに対しても、一直線状あるいは平行状でない1
対の抵抗体を有する第2の歪ゲージとを備えたことを特
徴とする、応力検知センサが提供される。
【0043】本発明の第3の側面によれば、請求項1な
いし7のいずれかに記載の応力検知センサを備え、構造
体に作用する六分力を剪断応力として分離して計測する
応力測定装置であって、第1の歪ゲージが、外力により
構造体内部に生じる主応力を主因として歪による抵抗値
変化を生じ、かつ、第2の歪ゲージが、外力により構造
体内部に生じる剪断応力を主因として歪による抵抗値変
化を生じるように、基体を構造体に配置し、第1の歪ゲ
ージから得られる出力信号値と第2の歪ゲージからの出
力信号値とに基づいて主剪断応力値を演算する演算部を
設けたことを特徴とする、応力測定装置が提供される。
【0044】本発明の第4の側面によれば、請求項8に
記載の応力検知センサを備え、構造体に作用する六分力
を剪断応力として分離して計測する応力測定装置であっ
て、第1の歪ゲージが、外力により構造体内部に生じる
主応力を主因として歪による抵抗値変化を生じ、かつ、
第2の歪ゲージが、外力により構造体内部に生じる剪断
応力を主因として歪による抵抗値変化を生じるように、
基体を構造体に配置し、第1の歪ゲージから得られる出
力信号値と第2の歪ゲージからの出力信号値とに基づい
て、主剪断応力値を演算すると共に、基体の互いに対向
する平面にそれぞれ設けられた第1の歪ゲージの抵抗値
と第2の歪ゲージの抵抗値との差に基づいて、所定の軸
芯回りに作用するモーメントを演算する演算部を設けた
ことを特徴とする、応力測定装置が提供される。
【0045】好ましい実施の形態によれば、演算部が、
複数組設けられた第1の歪ゲージの1対の抵抗体および
/または第2の歪ゲージの1対の抵抗体から得られる歪
み量に対応した出力信号値をそれぞれ比較し、最も大き
な変化量を示した1対の抵抗体からの出力信号値に基づ
いて、主剪断応力値を演算する。
【0046】本発明の第5の側面によれば、請求項9に
記載の応力検知センサを備え、構造体に作用する六分力
を剪断応力として分離して計測する応力測定装置であっ
て、第1の歪ゲージが、外力により構造体内部に生じる
主応力を主因として歪による抵抗値変化を生じ、かつ、
第2の歪ゲージが、外力により構造体内部に生じる剪断
応力を主因として歪による抵抗値変化を生じるように、
基体を構造体に配置し、第1の歪ゲージから得られる出
力信号値と第2の歪ゲージからの出力信号値とに基づい
て、主剪断応力値と基体の稜線と平行な軸芯回りに作用
するモーメントとを演算する演算部を設けたことを特徴
とする、応力測定装置が提供される。
【0047】好ましい実施の形態によれば、構造体は、
車輌のサスペンションであり、基体は、サスペンション
に形成された孔に埋設固定されており、第1および第2
の歪ゲージは、サスペンション内部のニュートラルスポ
ットに一致あるいは内包される位置に配設されている。
【0048】本発明によれば、一つの測定点につき少な
くとも3つの異なった方向の歪を測定して、主応力に相
当する主歪みの大きさとその方向を求め、モールの応力
円の理論から主剪断応力を算出することが可能となるの
で、複雑な形状で、しかも複数の異なる固定点を有する
構造体や、相互に異なった方向から外力が作用する構造
体であっても、その構造体に作用する応力を精度良く測
定できる。
【0049】本発明のその他の特徴および利点は、添付
図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明
らかとなろう。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0051】図1は、本発明の一実施形態における応力
検知センサの平面図であって、平板状の基体1の一方の
主面1aには、第1の歪ゲージ2と第2の歪ゲージ3と
が隣接配置されている。第1の歪ゲージ2は、十字状に
配置された1対の抵抗体4、5からなり、第2の歪ゲー
ジ3は、十字状に配置された1対の抵抗体6、7からな
る。抵抗体4、5、6、7は、基体1の一方の主面1a
にスパッタ蒸着法等による半導体プロセスを用いて形成
されている。抵抗体4、5、6、7は、それぞれ1個の
抵抗素子からなり、各抵抗素子は、細長い矩形のシート
状である。第1の歪ゲージ2の抵抗体4と抵抗体5と
は、十字状の中心部で互いに重なっており、この重なっ
た部分は互いに絶縁体により絶縁されている。第2の歪
ゲージ3の抵抗体6と抵抗体7も同様で、十字状の中心
部で互いに重なっており、この重なった部分は互いに絶
縁体により絶縁されている。絶縁体としては、例えば抵
抗体4と抵抗体6、抵抗体5と抵抗体7との間にSiO
2 に代表される絶縁層が形成される構成としてもよい。
第1の歪ゲージ2の抵抗体4は、基体1の主面1aの長
辺と平行であり、第1の歪ゲージ2の抵抗体5は、基体
1の主面1aの短辺と平行である。また、第2の歪ゲー
ジ3の抵抗体6および抵抗体7は、基体1の主面1aの
長辺および短辺と45度の傾きを為している。基体1
は、たとえばエポキシ系樹脂などの有機材料あるいは金
属により構成されている。なお、図1には図示していな
いが、各抵抗体4、5、6、7の両端には、たとえばA
l配線から構成される導体の一端が接続されており、こ
れら導体の他端は、基体1の外部に設けられる演算回路
に接続されている。
【0052】図2は、本発明の別の実施形態における応
力検知センサの平面図である。図1においては、第1の
歪ゲージ2と第2の歪ゲージ3とを隣接配置したが、図
2に示すように、第1の歪ゲージ42と第2の歪ゲージ
43とを十字状の中心点が互いに重なるように配置して
もよい。図2に示す応力検知センサ13においては、基
体41の一方の主面41aに、第1の歪ゲージ42を構
成する抵抗体44、45を十字状に配置し、さらに、十
字状の中心が一致するように、第2の歪ゲージ43を構
成する抵抗体46、47が十字状に配置されている。第
1の歪ゲージ42を構成する抵抗体44、45と、第2
の歪ゲージ43を構成する抵抗体46、47とは、互い
に45度の角度を為して配列されている。抵抗体44、
45、46、47は、スパッタ蒸着法等の半導体プロセ
スを用いて基体41の一方の主面41aに形成されてお
り、各抵抗体が重なり合う部分は、SiO2 等による絶
縁層を介して電気的に絶縁されている。基体41は、た
とえばエポキシ系樹脂などの有機材料あるいは金属によ
り構成されている。なお、図2には図示されていない
が、各抵抗体44、45、46、47の両端には、たと
えばAl導体の一端が接続されており、これら導体の他
端は、基体41の外部に設けられる演算回路に接続され
る。
【0053】図3は、本発明に係る応力測定装置の概略
構成図であって、この実施形態では、乗用車に多く用い
られるマルチリンク型のウィッシュボーン式サスペンシ
ョン構造を有する自動車のステアリングナックル12
に、応力検知センサ13を配設している。この応力検知
センサ13は、図2に示す応力検知センサと同じであ
る。図3においては、ステアリングナックル12にy軸
方向に沿って断面円形の貫通孔14が形成されている。
貫通孔14の直径としては、5mm〜10mm程度である。
貫通孔の内部には、所定の位置に所定の姿勢で応力検知
センサ13が内臓されており、応力検知センサ13は、
貫通孔14に充填された充填材16によって埋設固着さ
れている。充填材16の材質は、応力検知センサ13の
基体41と同等の機械的性質を有する材質であるのが望
ましい。
【0054】いま、車輌の進行方向に平行なx軸、車輪
の軸芯方向、すなわち車幅方向に平行なy軸、x軸とy
軸との双方に直交するz軸とを仮想すると、車輌走行若
しくは制動時にタイヤと路面との間に作用する路面摩擦
力(x軸方向)と、横力(y軸方向)と、垂直抗力(z
軸方向)とがベクトル的に合算された状態で、ステアリ
ングナックル12に同時作用する。これら各軸方向の力
のうち、たとえば横力(y軸方向力)のみを分離測定し
ようとする場合、図4に示すように応力検知センサ13
を設置すればよい。すなわち、基体41の主面41aが
y−z平面と平行になり、かつ第1の歪ゲージ42を構
成する抵抗体44、45のうちの一方がy軸と平行にな
るように、応力検知センサ13を貫通孔14の内部に配
置する。このような姿勢で応力検知センサ13を配置す
ることにより、第1の歪ゲージ42の抵抗体44、45
は、その長さ方向が主応力軸に対してほぼ45度の傾き
を持つように配置され、第2の歪ゲージ3の抵抗体4
6、47は、その長さ方向が主応力軸とほぼ平行に位置
するように配置されることになる。ここで、主応力軸と
は、剪断応力τが0となる断面であり、最大または最小
となる法線応力すなわち主応力が作用している方向を示
している。もちろん、ステアリングナックル12を含む
サスペンション構造が極めて複雑であること、しかも固
定点が複数存在することから正確な主応力軸は不明なの
であるが、理想的には主応力軸の方向は、y−z平面内
でx軸およびy軸双方に45度の角度を為す方向であ
る。また、横力と同時に路面摩擦力、垂直抗力を分離計
測する場合には、外力が作用する方向に対応した各軸に
沿ってステアリングナックル12に個別の貫通孔を形成
し、それに応力検知センサを適切な姿勢で埋設固着すれ
ばよい。ここでの適切な姿勢とは、たとえば路面摩擦力
の場合はx−y平面に、垂直抗力の場合ではx−z平面
に平行となる姿勢であって、このように基体41の主面
41aを配設してやればよい。
【0055】貫通孔14は、ニュートラルスポットを内
包する位置に形成されており、応力検知センサ13は、
ニュートラルスポットと一致するか、あるいはニュート
ラルスポットに内包される位置に配置されている。ニュ
ートラルスポットとは、ステアリングナックル12に同
時且つ複数の方向から外力が作用したときの内部応力の
分布を考えた場合、測定を目的とする方向の外力による
応力が存在し、かつそれ以外の方向の外力により作用す
る内部応力の影響が無いか若しくは極めて小さい分布帯
であると定義される。このニュートラルスポットを求め
るに際しては、たとえば計算力学的手法の一つとされる
有限要素法を用いたFEM(finite element method) 解
析を利用する方法が一般的である。すなわち、路面摩擦
力、垂直抗力、および横力がそれぞれ単独で作用した場
合の剪断応力分布図をFEM解析によって求め、たとえ
ば横力のみを計測しようとする場合においては、その他
の路面摩擦力、垂直抗力による応力分布図を重ね合わせ
て、両外力による剪断応力が共に最小である範囲を決定
し、その決定範囲と横力による剪断応力分布図とを照合
して、横力による剪断応力のみが最大に検知される最適
位置を含むように決定すればよい(特開平7−3563
2号公報参照)。
【0056】このようにして応力検知センサ13の装着
位置を決定することによって、測定すべき方向の力以外
の外力による影響を良好に低減でき、測定精度を一層向
上させることができる。さらに、材料力学の応力分布の
観点から、剪断応力はそれに作用する構造体に対して一
様に分布することが公知であることから、このような剪
断応力を計測対象とすることで、力点とは異なるステア
リングナックル12に応力検知センサ13を配設しても
精度の高い計測が可能となる。
【0057】図5は、本発明に係る応力測定装置の回路
ブロック図であって、第1の歪ゲージ42の抵抗体4
4、45、および第2の歪ゲージ43の抵抗体46、4
7は、それぞれブリッジ回路に組み込まれている。すな
わち、抵抗体44は、抵抗器21a、21b、21cと
共にブリッジ回路21を構成している。抵抗器21a、
21b、21cのうちのいずれか1以上は、可変抵抗器
であってもよい。抵抗体45は、抵抗器22a、22
b、22cと共にブリッジ回路22を構成している。抵
抗器22a、22b、22cのうちのいずれか1以上
は、可変抵抗器であってもよい。抵抗体46は、抵抗器
23a、23b、23cと共にブリッジ回路23を構成
している。抵抗器23a、23b、23cのうちのいず
れか1以上は、可変抵抗器であってもよい。抵抗体47
は、抵抗器24a、24b、24cと共にブリッジ回路
24を構成している。抵抗器24a、24b、24cの
うちのいずれか1以上は、可変抵抗器であってもよい。
【0058】ブリッジ回路21、22、23、24に
は、直流電源25から所定の直流電圧が供給される。ブ
リッジ回路21の出力は、増幅器26によって増幅され
る。ブリッジ回路22の出力は、増幅器27によって増
幅される。ブリッジ回路23の出力は、増幅器28によ
って増幅される。ブリッジ回路24の出力は、増幅器2
9によって増幅される。増幅器26、27、28、29
の出力は、マイクロコンピュータあるいはパーソナルコ
ンピュータ等のコンピュータを備えた演算部31に供給
される。
【0059】次に動作を説明する。ステアリングナック
ル12に作用する横力によって、応力検知センサ13の
基体41の主面41aに剪断歪が発生する。第1の歪ゲ
ージ42および第2の歪ゲージ43は、この剪断歪を検
知する。すなわち、第1および第2の歪ゲージ42、4
3の抵抗体44、45、46、47の抵抗値が、それぞ
れの歪に伴なう微小な変形量に応じて変化する。そし
て、それらの抵抗値の変化に応じてブリッジ回路21〜
24の出力電圧が変化する。演算部31は、ブリッジ回
路21〜24の出力電圧に基づいて、抵抗体44、4
5、46、47に作用した歪量を演算し、その演算結果
に基づいて垂直抗力の大きさと作用方向とを特定して、
結果を出力する。この出力は、図外の記憶媒体に記憶さ
れ、また図外のディスプレイ装置に表示され、さらには
図外のプリンタによって印字出力される。
【0060】すなわち本実施形態においては、一つの測
定点につき少なくとも3つの異なった方向の歪を測定し
て、主応力に相当する主歪ε1 、ε2 の大きさと方向と
を求め、モールの応力円の理論から主剪断応力を算出す
ることにより、ステアリングナックル12に作用する横
力を正確に検出するのである。
【0061】以下に、抵抗体44、45、46、47の
抵抗値変化に基づいて主剪断応力τを演算可能である理
論について述べる。なお、理論的には3つの抵抗値を用
いればよいので、説明を判り易くするために、抵抗体4
4、45、46の抵抗値を用いて説明する。
【0062】図6のように、抵抗体44、45、46か
ら得られる各軸方向の測定歪値をそれぞれεa 、εb
εc とし、それぞれの軸から主歪の1つへの角度を
θa 、θ b 、θc とすると、εa 、εb 、εc は、主歪
の大きさをε1(max)、ε2(min)として下記数式11のよ
うになる。
【0063】
【数11】
【0064】図6における反時計回りの方向を正の角度
とすると、θa −θb =45度、θ a −θc =90度で
あるから、上記数式11より、下記数式12が成立す
る。
【0065】
【数12】
【0066】また、最大剪断歪γmax 、および主剪断応
力τmax は、主応力面から45度傾いた面に働くことか
ら、下記数式13で与えられる。
【0067】
【数13】
【0068】すなわち、演算部31により、抵抗体4
4、45、46の抵抗値に基づいて、主剪断応力τmax
を演算できることがわかる。
【0069】なお、演算部31により、抵抗体44、4
5、46の抵抗値に基づいて、モールの応力円を規定
し、その半径を求めることによって最大剪断応力を演算
するように構成してもよい。このようにすれば、上記の
ような複雑な演算手法を用いる必要が無く、演算部31
の負荷が軽減される。
【0070】このように、一つの測定点につき少なくと
も3つの異なった方向の歪を測定して、主応力に相当す
る主歪の大きさとその方向とを求め、モールの応力円の
理論から主剪断応力を算出するので、複雑な形状を有
し、しかも複数の異なる固定点を有する構造体や、相互
に異なった方向から同時に外力が作用する構造体であっ
ても、その構造体に作用する応力を精度良く測定するこ
とが出来る。
【0071】なお、上記実施形態においては、第1及び
第2の歪ゲージ42、43の抵抗体44、45、46、
47をそれぞれ1つの抵抗素子により構成したが、各抵
抗体44、45、46、47を、図7に示すように複数
の抵抗体32、33、34、35、36、37により構
成し、それらを導体30により直列的に接続してもよ
い。たとえば、各抵抗体44、45、46、47をそれ
ぞれ2個の抵抗素子によって構成する場合、抵抗体44
に代わるものとして抵抗体32と抵抗体33、抵抗体4
5に代わるものとして抵抗体34と抵抗体35、抵抗体
46に代わるものとして抵抗体36と抵抗体37、抵抗
体47に代わるものとして抵抗体38と抵抗体39とを
それぞれ各別に導体30を介して電気的に直列接続する
ことにより、図2のような抵抗体44と抵抗体45との
重なり合う部分や、抵抗体46と抵抗体47との重なり
合う部分をなくすることが出来る。
【0072】また、上記実施形態においては、第1の歪
ゲージ42と第2の歪ゲージ43とを各々1個設けた
が、図8に示すように、1個の第1の歪ゲージ52と、
複数の第2の歪ゲージ53とを設けてもよい。図8に示
す実施形態では、基体51の一方の主面51aに、第1
の歪ゲージ52を構成する抵抗体54、55を十字状に
配置し、さらに、十字状の中心が一致するように第2の
歪ゲージ53を構成する抵抗体56、57を十字状に多
数配置している。多数の第2の歪ゲージ53を構成する
複数の抵抗体56、57は、各第2の歪ゲージ53毎に
十字状の中心点の回りに互いに所定角度づつずらせた状
態で配置されている。図8においては、各抵抗体を2
2.5度間隔でずらした場合の構成を示しているが、そ
の限りではなく、たとえば15度間隔でずらしたような
構成にしてもよい。もちろん、複数の第1の歪ゲージ5
2と、1個の第2の歪ゲージ53とを設ける構成として
もよい。また、複数の第1の歪ゲージ52と、複数の第
2の歪ゲージ53とを、十字状の中心を一致させずに隣
接配置してもよい。
【0073】このような構成にすることにより、演算部
31が処理する主剪断応力τの大きさとその方向の算出
はより容易なものとなる。すなわち、主剪断応力τに応
じた剪断歪γは、その平面における剪断歪の最大または
最小の値であることから、複数組設けられた第1の歪ゲ
ージ52と第2の歪ゲージ53を構成する全ての抵抗体
から得られる出力信号値より、十字状に配置された各対
の抵抗体に応じた剪断歪量を算出し、それらを相互比較
することによって、その最大値を最大剪断歪γmax とし
て主剪断応力τを演算すればよい。
【0074】以下に、図8に示すような構成を有した応
力検知センサ13での主剪断応力τの演算例を、具体的
に説明する。たとえば、十字状に配置された1対の抵抗
体54、55を有する第1の歪ゲージ52と、同じく十
字状に配置された3対の抵抗体56aと57a、56b
と57b、56cと57cを有する第2の歪ゲージ53
a、53b、53cとから応力検知センサが構成されて
いるものとする。各抵抗体から得られる測定歪量をそれ
ぞれε54、ε55、ε56a 、ε56b 、ε56c 、ε 57a 、ε
57b 、ε57c とすると、各歪ゲージ52、53a、53
b、53cから得られる剪断歪γ52、γ53a 、γ53b
γ53c は下記数式14より求められる。
【0075】
【数14】
【0076】各剪断歪γ52、γ53a 、γ53b 、γ53c
相互比較し、その数値が最も大きな剪断歪量を最大剪断
歪γmax として上記の数式13に代入することにより、
主剪断応力τを得ることが出来る。また、主剪断応力τ
を伴なう外力の作用方向は、主応力方向に対して45度
の角度を為すことはモールの応力円理論から明らかであ
ることから、最大剪断歪γmax を出力した抵抗体が配置
されている方向が主応力方向であり、それに対して45
度の傾きを有する角度方向に外力が作用していることが
分かる。このようにすれば、のような複雑な演算手法を
用いる必要が無く、演算部31の負荷がより一層軽減さ
れる。
【0077】図9は、さらに別の実施形態における応力
検知センサの外観斜視図を示したものである。上記の実
施形態では、基体41の一方の主面41aのみに第1の
歪ゲージ42と第2の歪ゲージ43とを設ける構成とし
ていたが、図9に示すように、基体41の一方の主面4
1aと他方の主面41bとの双方に面対称となる位置に
第1の歪ゲージ42と第2の歪ゲージ43とをそれぞれ
設ける構成としてもよい。
【0078】さらには、図10に示すように、立方体状
の基体61を構成する6つの平面61a、61b、61
c、61d、61e、61fに、それぞれ第1の歪ゲー
ジ62と第2の歪ゲージ63とを設けてもよい。図10
においては、平面61aは面ABCDを、平面61bは
面EFGHを、平面61cは面CDHGを、平面61d
は面ABFEを、平面61eは面ADHEを、平面61
fは面BCGFをそれぞれ構成している。また、平面6
1aと平面61b、平面61cと平面61d、平面61
eと平面61fとに配設された各第1および第2の歪ゲ
ージ62、63は、それぞれ面対称な位置関係を有して
いる。このような構成を備えた応力検知センサ73を用
いれば、ステアリングナックル12に1つの貫通孔14
のみを形成して、その貫通孔14に1つの応力検知セン
サ73を埋設固定するだけで、ステアリングナックル1
2に作用する路面摩擦力、垂直抗力、および横力に相当
するx、y、z軸方向の外力を精度良く測定することが
可能となる。さらには、同一軸上に配置されている面
(たとえば平面61aと平面61b)に配設された第1
の歪ゲージ62および第2の歪ゲージ63とから算出さ
れる各主剪断応力τの相互差と、各面間距離とを乗算す
ることにより、基体61の各稜線と平行なx軸、y軸、
z軸回りに作用するモーメントを演算することが出来
る。
【0079】また、図11に示すように、立方体状の基
体81の内部に、第1の歪ゲージ82と第2の歪ゲージ
83とを立体的に設けてもよい。すなわち、立方体状の
基体81の各平面すなわち6つの各表面への投影像が、
いずれも図12に示すような形状になるように、各抵抗
体を基体81の内部に立体的に配置する。このような応
力検知センサ93は、たとえば、シリコン基体81の内
部に、イオンドーピング法により添加物(BやP等)の
ドーピング深さを制御しながら各抵抗体を形成すること
により実現可能である。この応力検知センサ93を用い
れば、ステアリングナックル12に1つの貫通孔14を
形成して、その貫通孔14に1つの応力検知センサ93
を埋設固定するだけで、各面毎に第1および第2の歪ゲ
ージを形成すること無く、ステアリングナックル12に
作用する路面摩擦力、垂直抗力、および横力に相当する
x、y、z軸方向の外力を精度良く測定することが可能
となる。さらには、第1の歪ゲージ82および第2の歪
ゲージ83からの信号に基づいて、同一軸上に配置され
ている面、すなわち互いに平行な面における主剪断応力
τをそれぞれ算出し、それらの主剪断応力τの相互差
と、それらの面の面間距離とを乗算することにより、基
体81の各稜線と平行なx軸、y軸、z軸回りに作用す
るモーメントを演算することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における応力検知センサの
平面図である。
【図2】他の実施形態における応力検知センサの平面図
である。
【図3】本発明に係る応力測定装置の概略構成図であ
る。
【図4】図3に示す応力測定装置における応力検知セン
サの配置状態を説明する説明図である。
【図5】図3に示す応力測定装置の回路ブロック図であ
る。
【図6】図3に示す応力測定装置における応力検知セン
サによって検出される歪に係わる説明図である。
【図7】さらに他の実施形態における応力検知センサの
平面図である。
【図8】さらに他の実施形態における応力検知センサの
平面図である。
【図9】さらに他の実施形態における応力検知センサの
外観斜視図である。
【図10】さらに他の実施形態における応力検知センサ
の外観斜視図である。
【図11】さらに他の実施形態における応力検知センサ
の外観斜視図である。
【図12】図11に示す応力検知センサに備えられた歪
ゲージの各面への投影像を説明する説明図である。
【図13】構造体に作用する三次元応力状態を説明する
ための説明図である。
【図14】図13に示す構造体のx−y平面に作用する
平面応力状態を説明するための説明図である。
【図15】図14に示すx−y平面を構成する三角要素
KLMに作用する主応力および剪断応力を説明するため
の説明図である。
【図16】図13に示す構造体のx−y平面に作用する
平面応力状態を説明するための説明図である。
【図17】図16に示すx−y平面を構成する三角要素
KLMに作用する主応力および剪断応力を説明するため
の説明図である。
【図18】モールの応力円を説明するための説明図であ
る。
【図19】モールの応力円を説明するための説明図であ
る。
【図20】従来の応力検知センサの外観斜視図である。
【符号の説明】
1、41、51、61、81 基体 1a、41a、41b、51a、61a〜61f、81
a〜81f 主面 2、42、52、62、82 第1の歪ゲージ 3、43、53、63、83 第2の歪ゲージ 12 ステアリングナックル 13、73、93 応力検知センサ 14 貫通孔 16 充填材 31 演算部

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの平面を有する基体と、 前記基体の前記平面上に互いに絶縁された状態で十字状
    に配置された1対の抵抗体を有する第1の歪ゲージと、 前記基体の前記平面上に互いに絶縁された状態で十字状
    に配置された1対の抵抗体を有し、これら1対の抵抗体
    の何れもが、前記第1の歪ゲージの前記1対の抵抗体の
    何れに対しても、一直線状あるいは平行状でない第2の
    歪ゲージとを備えたことを特徴とする、応力検知セン
    サ。
  2. 【請求項2】 前記第1および第2の歪ゲージの前記各
    抵抗体は、各々1個の抵抗素子により構成されている、
    請求項1に記載の応力検知センサ。
  3. 【請求項3】 前記第1および第2の歪ゲージの前記各
    抵抗体は、各々複数の抵抗素子と、それらの抵抗素子を
    直列に接続する導体とにより構成されている、請求項1
    に記載の応力検知センサ。
  4. 【請求項4】 前記第1の歪ゲージの前記1対の抵抗体
    と前記第2の歪ゲージの前記1対の抵抗体とは、十字状
    の中心位置が互いに異なっており、互いに重なり合うこ
    となく隣接配置されている、請求項1ないし3のいずれ
    かに記載の応力検知センサ。
  5. 【請求項5】 前記第1の歪ゲージの前記1対の抵抗体
    と前記第2の歪ゲージの前記1対の抵抗体とは、十字状
    の中心位置が互いに一致しており、互いに絶縁された状
    態で配置されている、請求項1ないし3のいずれかに記
    載の応力検知センサ。
  6. 【請求項6】 前記第1の歪ゲージの前記1対の抵抗体
    および/または前記第2の歪ゲージの前記1対の抵抗体
    は、複数組設けられており、これら複数組の1対の抵抗
    体は、十字状の中心点の回りに所定角度ずつ順次ずらせ
    た状態で配置されている、請求項5に記載の応力検知セ
    ンサ。
  7. 【請求項7】 前記基体は、直方体であり、 前記第1の歪ゲージおよび前記第2の歪ゲージは、前記
    基体の複数の平面にそれぞれ設けられている、請求項1
    ないし6のいずれかに記載の応力検知センサ。
  8. 【請求項8】 前記基体の前記複数の平面は、互いに対
    向する平面を含む、請求項7に記載の応力検知センサ。
  9. 【請求項9】 直方体状の基体と、 前記基体の内部に立体的に配置され、前記基体の何れの
    面への投影像も十字形状になる1対の抵抗体を有する第
    1の歪ゲージと、 前記基体の内部に立体的に配置され、前記基体の何れの
    面への投影像も十字形状になる1対の抵抗体であって、
    これら1対の抵抗体の何れもが、前記基体の何れの面へ
    の投影像においても、前記第1の歪ゲージの前記1対の
    抵抗体の何れに対しても、一直線状あるいは平行状でな
    い1対の抵抗体を有する第2の歪ゲージとを備えたこと
    を特徴とする、応力検知センサ。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし7のいずれかに記載の
    応力検知センサを備え、構造体に作用する六分力を剪断
    応力として分離して計測する応力測定装置であって、 前記第1の歪ゲージが、外力により前記構造体内部に生
    じる主応力を主因として歪による抵抗値変化を生じ、か
    つ、前記第2の歪ゲージが、外力により前記構造体内部
    に生じる剪断応力を主因として歪による抵抗値変化を生
    じるように、前記基体を前記構造体に配置し、 前記第1の歪ゲージから得られる出力信号値と前記第2
    の歪ゲージからの出力信号値とに基づいて主剪断応力値
    を演算する演算部を設けたことを特徴とする、応力測定
    装置。
  11. 【請求項11】 請求項8に記載の応力検知センサを備
    え、構造体に作用する六分力を剪断応力として分離して
    計測する応力測定装置であって、 前記第1の歪ゲージが、外力により前記構造体内部に生
    じる主応力を主因として歪による抵抗値変化を生じ、か
    つ、前記第2の歪ゲージが、外力により前記構造体内部
    に生じる剪断応力を主因として歪による抵抗値変化を生
    じるように、前記基体を前記構造体に配置し、 前記第1の歪ゲージから得られる出力信号値と前記第2
    の歪ゲージからの出力信号値とに基づいて、主剪断応力
    値を演算すると共に、前記基体の互いに対向する平面に
    それぞれ設けられた前記第1の歪ゲージの抵抗値と前記
    第2の歪ゲージの抵抗値との差に基づいて、所定の軸芯
    回りに作用するモーメントを演算する演算部を設けたこ
    とを特徴とする、応力測定装置。
  12. 【請求項12】 前記演算部が、複数組設けられた前記
    第1の歪ゲージの前記1対の抵抗体および/または前記
    第2の歪ゲージの前記1対の抵抗体から得られる歪み量
    に対応した出力信号値をそれぞれ比較し、最も大きな変
    化量を示した前記1対の抵抗体からの前記出力信号値に
    基づいて、主剪断応力値を演算する構成とした、 請求項
    10または11に記載の応力測定装置。
  13. 【請求項13】 請求項9に記載の応力検知センサを備
    え、構造体に作用する六分力を剪断応力として分離して
    計測する応力測定装置であって、 前記第1の歪ゲージが、外力により前記構造体内部に生
    じる主応力を主因として歪による抵抗値変化を生じ、か
    つ、前記第2の歪ゲージが、外力により前記構造体内部
    に生じる剪断応力を主因として歪による抵抗値変化を生
    じるように、前記基体を前記構造体に配置し、 前記第1の歪ゲージから得られる出力信号値と前記第2
    の歪ゲージからの出力信号値とに基づいて、主剪断応力
    値と前記基体の稜線と平行な軸芯回りに作用するモーメ
    ントとを演算する演算部を設けたことを特徴とする、応
    力測定装置。
  14. 【請求項14】 前記構造体は、車輌のサスペンション
    であり、 前記基体は、前記サスペンションに形成された孔に埋設
    固定されており、 前記第1および第2の歪ゲージは、前記サスペンション
    内部のニュートラルスポットに一致あるいは内包される
    位置に配設されている、請求項10ないし13のいずれ
    かに記載の応力測定装置。
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