JP2002236065A - レール横方向水平力検出方法 - Google Patents

レール横方向水平力検出方法

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JP2002236065A
JP2002236065A JP2001029770A JP2001029770A JP2002236065A JP 2002236065 A JP2002236065 A JP 2002236065A JP 2001029770 A JP2001029770 A JP 2001029770A JP 2001029770 A JP2001029770 A JP 2001029770A JP 2002236065 A JP2002236065 A JP 2002236065A
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JP2001029770A
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English (en)
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Noritsugu Abe
則次 阿部
Takahiro Horiike
高広 堀池
Osamu Wakatsuki
修 若月
Shigeru Miura
重 三浦
Keiichi Kobayashi
恵一 小林
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NIPPON SENRO GIJUTSU KK
Railway Technical Research Institute
Original Assignee
NIPPON SENRO GIJUTSU KK
Railway Technical Research Institute
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ねじれモーメントに比例する出力を低減しレ
ール横方向水平力を高精度で検出することができる方法
を提供する。 【解決手段】 レール10の底部上面の第1位置P1〜
第4位置P4に基本ひずみゲージA〜Hの十字交差形ペ
アを4組貼り付けるとともに、レール腹部12の両側の
中立軸上の第5位置P5〜第8位置P8に補正用ひずみ
ゲージa1〜h1の十字交差形ペアを4組貼り付け、ゲ
ージA+B+c1+d1とゲージC+D+a1+b1と
ゲージE+F+g1+h1とゲージG+H+e1+f1
によりホイートストンブリッジ回路を構成しレール横方
向水平力Qの比例出力を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レールの側面の位
置である載荷位置においてレール長手方向に直角でかつ
水平に作用する力であるレール横方向水平力を検出する
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄道のレール(軌条)は、車両の車輪を
直接に支持するとともに、車両に滑らかな走行面を提供
し、車両を安全に誘導する線路の構成部材である。図1
3に示すように、レール10の断面は、頭部11と腹部
12と底部13により構成されている。
【0003】レール10の頭部11には、図13(A)
に示すように、力Pと力Qが作用する。力Pは、車両の
自重や、走行中の車両の動揺等により、レール10の頭
頂面11dに垂直に上方から下方に向けて作用する垂直
力であり、輪重とも呼ばれる。また、力Qは、走行中の
車両の動揺や、曲線区間を走行する際の遠心力等によ
り、レール10の頭部側面11cLの上部において、レ
ール長手方向に直角でかつ水平に作用する力であるレー
ル横方向水平力であり、横圧とも呼ばれる。レール長手
方向とは、図13の紙面手前から紙面の奥に向かう方向
である。図13は、左側を軌間内側(2本のレールの内
側)として図示している。
【0004】また、図示はしていないが、レール10に
は、レール長手方向に作用する力も加わる。この力は、
列車のけん引、制動等の際に車輪とレールの間に働く摩
擦力、温度変化によるレールの伸縮により発生する力等
である。
【0005】上記した力P、Q等は、レール10の底部
13をまくらぎ(図示せず)に取り付けるレール締結装
置(図示せず)に作用し、次にまくらぎに作用し、まく
らぎから道床(図示せず)に伝達される。これらの力
P、Q等は、軌道の各部に種々の変形を発生させる原因
となるため、線路保守と密接な関連がある。したがっ
て、適宜の場合にその値を検出する必要がある。このた
め、これらの値については、各種の検出方法が提案さ
れ、用いられている。
【0006】図14は、レール横方向水平力Qを検出す
る従来の方法におけるひずみゲージの貼り付け位置を示
す図である。図14(A)はレール10を軌間外側(2
本のレールの外側)から見た斜視図であり、図14
(B)はレール10を軌間内側(2本のレールの内側)
から見た斜視図である。また、図15(A)は、レール
10の頭部11を除去した状態で上方から見た平面図で
ある。
【0007】図14、図15に示すように、レール10
の軌間外側の底部上面13aRには、ひずみゲージD、
A、B、Cが貼り付けられ、レール10の軌間内側の底
部上面13aLには、ひずみゲージE、H、G、Fが貼
り付けられている。以下、ひずみゲージA〜Hを、「基
本ひずみゲージ」という。これらの基本ひずみゲージ
は、DとAが互いに交差角度が90°(直角)となり直
交するように配置されており、同様に、基本ひずみゲー
ジBとC、基本ひずみゲージEとH、基本ひずみゲージ
GとFが、互いに交差角度が90°(直角)となり直交
するように配置されている。ここに、レール10の軌間
外側の底部上面13aRは第1面に相当し、レール10
の軌間内側の底部上面13aLは第2面に相当してい
る。
【0008】また、基本ひずみゲージA、C、E、G
は、レール長手方向Lの進行方向に向かって先端が右側
に角度45°だけ傾斜するような状態で貼り付けられて
いる。この場合、レール長手方向Lの進行方向に対する
右側は、「第1の側」に相当している。また、基本ひず
みゲージAの長手方向は「A方向」に相当し、基本ひず
みゲージCの長手方向は「C方向」に相当し、基本ひず
みゲージEの長手方向は「E方向」に相当し、基本ひず
みゲージGの長手方向は「G方向」に相当している。一
方、基本ひずみゲージD、B、H、Fは、レール長手方
向Lの進行方向に向かって先端が左側に角度45°だけ
傾斜するような状態で貼り付けられている。また、基本
ひずみゲージDの長手方向は「D方向」に相当し、基本
ひずみゲージBの長手方向は「B方向」に相当し、基本
ひずみゲージHの長手方向は「H方向」に相当し、基本
ひずみゲージFの長手方向は「F方向」に相当してい
る。
【0009】また、基本ひずみゲージAとDが交差する
位置(以下、「第1位置」という。)P1のレール長手
方向Lの座標位置は、レール横方向水平力Qの載荷位置
PLからレール長手方向Lとは逆方向に第1距離δ1だ
け離れた位置となっている。基本ひずみゲージEとHが
交差する位置(以下、「第3位置」という。)P3のレ
ール長手方向Lの座標位置は、第1位置P1のx座標位
置と同一となっている。また、基本ひずみゲージBとC
が交差する位置(以下、「第2位置」という。)P2の
レール長手方向Lの座標位置は、レール横方向水平力Q
の載荷位置PLからレール長手方向Lに第2距離δ2だ
け離れた位置となっている。基本ひずみゲージFとGが
交差する位置(以下、「第4位置」という。)P4のレ
ール長手方向Lの座標位置は、第2位置P2のx座標位
置と同一となっている。
【0010】また、各ゲージ貼付位置P1、P2、P
3、P4は、レール10の腹部12の中心線(又は図1
3(A)に示すレール中央対称面14)に対して対称と
なっている。レール中央対称面14は、レール10の頭
部中央線11dと底部中央線13dを結ぶ平面である。
したがって、第1位置P1及び第2位置P2は、レール
中央対称面14に関して同一の側となる位置に配置され
ている。同様に、第3位置P3及び第4位置P4は、レ
ール中央対称面14に関して同一の側となる位置に配置
されており、第1位置P1及び第2位置P2とは逆側の
位置に配置されている。実際の測定においては、例え
ば、δ1=δ2=100mm程度として実施されてい
る。
【0011】図15(B)に示すように、基本ひずみゲ
ージAは、ゲージベース81と、抵抗部82と、リード
線83及び84を有して構成されている。ゲージベース
81は、紙、ポリエステル樹脂等の電気絶縁材料からな
り、薄膜状に形成されている。抵抗部82は、金属や半
導体等からなり、線状又は箔状に形成されている。抵抗
部82の長さLGはゲージ長と呼ばれる。基本ひずみゲ
ージAは、接着剤等により被測定物の表面に貼り付けて
使用される。
【0012】被測定物に外力が加わると、基本ひずみゲ
ージAの貼り付け位置である被測定物の表面に応力が発
生し、これに伴って抵抗部82のゲージ長LGに伸び又
は縮み量ΔLが発生する。ΔLとLGの比(ΔL/L
G)を「ひずみ」といい、被測定物の表面に発生する
「表面ひずみ」と等しい。金属等の抵抗は、ひずみに比
例して変化する。基本ひずみゲージAの抵抗値をRと
し、ひずみをε(=ΔL/LG)とし、ひずみεによる
基本ひずみゲージAの抵抗値の変化をΔRとすると、下
式(1)の関係が成立する。 ΔR/R=K×ε ………(1) ここに、Kは、比例定数であり、ゲージ率と呼ばれる。
【0013】リード線83及び84は、金属等の導体で
形成され、外部の電気回路等との接続に用いられ、上記
したゲージの抵抗変化を電圧等の変化として外部に出力
する。基本ひずみゲージB、C、D、E、F、G、H
も、ひずみゲージAと同様の構成及び作用を有してい
る。
【0014】図14、図15に示す位置P1等に配置し
た基本ひずみゲージを、図16に示すような「ホイート
ストンブリッジ回路」に接続することにより、レール1
0の底部13の表面におけるせん断ひずみを測定するこ
とができ、このせん断ひずみはレール横方向水平力Qに
比例するため、測定した表面せん断ひずみからレール横
方向水平力Qを算出することができる。
【0015】図16に示すホイートストンブリッジ回路
91は、4つの抵抗R1、R2、R3、R4を用い、抵抗R
1とR2を接続点t2で接続し、抵抗R2とR3を接続点t
3で接続し、抵抗R3とR4を接続点t4で接続し、抵抗
4とR1を接続点t1で接続することにより、環状に閉
じる閉回路を構成し、接続点t2とt4の間に電源21
を接続して入力電圧Eiを印加するとともに、接続点t
1とt3の間から出力電圧Eoを取り出すように構成し
た回路である。ここに、R1、R2、R3、R4は、その抵
抗の抵抗値も表している。
【0016】キルヒホッフの法則より、出力電圧E
oは、下式(2)で表される。
【数1】
【0017】ここで、R1×R3=R2×R4となるように
設定すると、このホイートストンブリッジ回路91は平
衡状態となり、出力電圧Eoは零となる。その後、抵抗
1がΔR1だけ変化し、抵抗R2がΔR2だけ変化し、抵
抗R3がΔR3だけ変化し、抵抗R4がΔR4だけ変化した
場合には、出力電圧の変化量ΔEoは、下式(3)で表
される。
【数2】
【0018】ここで、R1=R2=R3=R4=Rとし、Δ
1=ΔR2=ΔR3=ΔR4=ΔRとすれば、上式(3)
と上式(1)より、下式(4)となる。 ΔEo=(1/4)×K×ε×Ei ………(4) したがって、ひずみε(レール表面ひずみ)に比例する
出力電圧の変化量が得られ、温度変化の影響の補償や誤
差消去を行うことができる。
【0019】このホイートストンブリッジ回路91に、
上記した基本ひずみゲージA〜Hを結線したものが、図
17に示すホイートストンブリッジ回路92である。図
17に示すように、ホイートストンブリッジ回路92
は、ホイートストンブリッジ回路91におけるR1のか
わりに、基本ひずみゲージAと基本ひずみゲージBの直
列回路(以下、「第1ひずみ検出部」という。)61d
を用い、R2のかわりに、基本ひずみゲージCと基本ひ
ずみゲージDの直列回路(以下、「第2ひずみ検出部」
という。)62dを用い、R3のかわりに、基本ひずみ
ゲージEと基本ひずみゲージFの直列回路(以下、「第
3ひずみ検出部」という。)63dを用い、R4のかわ
りに、基本ひずみゲージGと基本ひずみゲージHの直列
回路(以下、「第4ひずみ検出部」という。)64dを
用いている。例えば、基本ひずみゲージAのリード線8
3を接続点t1に接続するとともに、基本ひずみゲージ
Aのリード線84を接続点t5に接続し、基本ひずみゲ
ージBのリード線85を接続点t5に接続するととも
に、基本ひずみゲージBのリード線86を接続点t2に
接続することにより、直列回路を構成している。他の基
本ひずみゲージCとD、EとF、GとHについても同様
である。
【0020】この場合、図13(A)に示すようにレー
ル横方向水平力Qが作用すると、各基本ひずみゲージA
〜Hに発生するひずみの極性は、伸びを正とし縮みを負
とすると、表1の中段に示すようになる。
【表1】
【0021】ここで、レール横方向水平力Qについて
は、基本ひずみゲージA、B、E、Fのひずみの値は、
δ1=δ2の場合には、理論的には等しくなると考えら
れるから、正の値ε51と仮定し、基本ひずみゲージ
C、D、G、Hのひずみの値は、δ1=δ2の場合に
は、理論的には等しくなると考えられるから、負の値ε
52と仮定すると、図17のホイートストンブリッジ回
路92における接続点t1とt2間の抵抗変化量Δ
1、接続点t2とt3間の抵抗変化量ΔR2、接続点t
3とt4間の抵抗変化量ΔR3、接続点t4とt1間の
抵抗変化量ΔR4は、基本ひずみゲージA〜Hの抵抗値
がすべてrの場合には、それぞれ下式(5)〜(8)の
ようになる。
【0022】 ΔR1=2r×K×ε51 ……(5) ΔR2=2r×K×ε52 ……(6) ΔR3=2r×K×ε51 ……(7) ΔR4=2r×K×ε52 ……(8)
【0023】したがって、この結果を上式(3)に代入
すると、この場合の出力電圧の変化量ΔEoは、下式
(9)で表される。 ΔEo=K×Ei×(ε52−ε51) ……(9)
【0024】基本ひずみゲージA〜Hからのひずみε5
1とε52は、レール横方向水平力Qに比例するから、
ホイートストンブリッジ回路92の出力電圧の変化量Δ
oは、レール横方向水平力Qに比例する値となる。こ
の値は、第1横力比例出力に相当している。
【0025】また、この場合には、基本ひずみゲージA
〜Hには、表1に示すように、垂直力(輪重)Pによる
伸縮も加わっている。垂直力Pが作用すると、各基本ひ
ずみゲージA〜Hに発生するひずみの極性は、表1の上
段に示すようになる。ここで、垂直力Pについては、基
本ひずみゲージA〜Dのひずみ値は、δ1=δ2の場合
には、理論的には等しくなると考えられるから、正の値
ε53と仮定し、基本ひずみゲージE〜Hのひずみ値
は、δ1=δ2の場合には、理論的には等しくなると考
えられるから、正の値ε54と仮定すると、図17のホ
イートストンブリッジ回路92における接続点t1とt
2間の抵抗変化量ΔR1、接続点t2とt3間の抵抗変
化量ΔR2、接続点t3とt4間の抵抗変化量ΔR3、接
続点t4とt1間の抵抗変化量ΔR4は、基本ひずみゲ
ージA〜Hの抵抗値がすべてrの場合には、それぞれ下
式(10)、(10)´のようになる。
【0026】 ΔR1=ΔR2=2r×K×ε53 ……(10) ΔR3=ΔR4=2r×K×ε54 ……(10)´
【0027】したがって、この結果を上式(3)に代入
すると、この場合の出力電圧の変化量ΔEoは零とな
り、レール横方向水平力Qには垂直力Pの影響は入らな
い。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図13(A)
に示すようにレール横方向水平力Qが作用すると、レー
ル10には、図13(B)に示すような「ねじれモーメ
ントT」が発生し、これにより、レール10の各部の表
面に、せん断ひずみτが発生する。このねじれモーメン
トTにより各基本ひずみゲージA〜Hに発生するせん断
ひずみτの極性は、表1の下段に示すようになる。
【0029】しかし、ねじれモーメントTにより各基本
ひずみゲージA〜Hに発生するせん断ひずみの極性は、
レール横方向水平力Qにより各基本ひずみゲージA〜H
に発生するせん断ひずみの極性とまったく同一である。
したがって、レール横方向水平力Qに比例する出力を取
り出すためのホイートストンブリッジ回路を構成する
と、ねじれモーメントTに比例する出力(以下、「第1
ねじれ比例出力」という。)も必ず重畳された出力(以
下、「第1出力」という。)となってしまい、この第1
ねじれ比例出力を除去することはできない。このため、
レール横方向水平力Qの正確な値を求めることができな
い、という問題があった。
【0030】本発明は上記の問題を解決するためになさ
れたものであり、本発明の解決しようとする課題は、ね
じれモーメントに比例する出力を低減しレール横方向水
平力を高精度で検出することができる方法を提供するこ
とにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係るレール横方向水平力検出方法は、レー
ルの側面の位置である載荷位置(PL)においてレール
長手方向(L)に直角でかつ水平に作用する力であるレ
ール横方向水平力(Q)を検出する方法であって、前記
レールの表面の位置であるとともに、前記レール長手方
向(L)の座標位置が前記載荷位置(PL)から前記レ
ール長手方向(L)に第1距離(δ1)だけ離れた位置
である第1位置(P1)において前記レール長手方向
(L)に対して斜交する方向であるA方向のレール表面
ひずみを計測する基本ひずみゲージ(A)と、前記第1
位置(P1)において前記A方向に対して斜交する方向
であるD方向のレール表面ひずみを計測する基本ひずみ
ゲージ(D)と、前記レールの表面の位置であり、前記
レール長手方向(L)の座標位置が前記載荷位置(P
L)から前記第1位置(P1)とは反対方向に第2距離
(δ2)だけ離れた位置であり、かつ前記レールの下端
からの高さが前記第1位置(P1)と等しい位置である
第2位置(P2)において前記レール長手方向(L)に
対して斜交する方向であるC方向のレール表面ひずみを
計測する基本ひずみゲージ(C)と、前記第2位置(P
2)において前記C方向に対して斜交する方向であるB
方向のレール表面ひずみを計測する基本ひずみゲージ
(B)と、前記レールの表面の位置であり、前記レール
の頭部中央線(11d)と底部中央線(13d)を結ぶ
平面であるレール中央対称面(14)に関して前記第1
位置(P1)と対称となる位置である第3位置(P3)
において前記レール長手方向(L)に対して斜交する方
向であるE方向のレール表面ひずみを計測する基本ひず
みゲージ(E)と、前記第3位置(P3)において前記
E方向に対して斜交する方向であるH方向のレール表面
ひずみを計測する基本ひずみゲージ(H)と、前記レー
ルの表面の位置であり、前記レール中央対称面(14)
に関して前記第2位置(P2)と対称となる位置である
第4位置(P4)において前記レール長手方向(L)に
対して斜交する方向であるG方向のレール表面ひずみを
計測する基本ひずみゲージ(G)と、前記第4位置(P
4)において前記G方向に対して斜交する方向であるF
方向のレール表面ひずみを計測する基本ひずみゲージ
(F)を用いて、前記レール横方向水平力(Q)に比例
する出力である第1横力比例出力に、前記レール横方向
水平力(Q)により前記レールに作用するねじれモーメ
ント(T)に比例する出力である第1ねじれ比例出力が
付加された出力である第1出力を測定し、前記第1位置
(P1)とは異なる前記レールの表面の位置であるとと
もに、前記レール中央対称面(14)に関して前記第1
位置(P1)と同一の側にあり、前記レール長手方向
(L)の座標位置が前記載荷位置(PL)から前記第1
距離(δ1)と同じ方向に第3距離(δ3)だけ離れた
位置となる第5位置(P5)において前記レール長手方
向(L)に対して斜交する方向であるa方向のレール表
面ひずみを計測する補正用ひずみゲージ(a)と、前記
第5位置(P5)において前記a方向に対して斜交する
方向であるd方向のレール表面ひずみを計測する補正用
ひずみゲージ(d)と、前記レールの表面の位置であ
り、前記レール長手方向(L)の座標位置が前記載荷位
置(PL)から前記第5位置(P5)とは反対方向に前
記第4距離(δ4)だけ離れた位置であり、かつ前記レ
ールの下端からの高さが前記第5位置(P5)と等しい
位置である第6位置(P6)において前記レール長手方
向(L)に対して斜交する方向であるc方向のレール表
面ひずみを計測する補正用ひずみゲージ(c)と、前記
第6位置(P6)において前記c方向に対して斜交する
方向であるb方向のレール表面ひずみを計測する補正用
ひずみゲージ(b)と、前記レールの表面の位置であ
り、前記レール中央対称面(14)に関して前記第5位
置(P5)と対称となる位置である第7位置(P7)に
おいて前記レール長手方向(L)に対して斜交する方向
であるe方向のレール表面ひずみを計測する補正用ひず
みゲージ(e)と、前記第7位置(P7)において前記
e方向に対して斜交する方向であるh方向のレール表面
ひずみを計測する補正用ひずみゲージ(h)と、前記レ
ールの表面の位置であり、前記レール中央対称面(1
4)に関して前記第6位置(P6)と対称となる位置で
ある第8位置(P8)において前記レール長手方向
(L)に対して斜交する方向であるg方向のレール表面
ひずみを計測する補正用ひずみゲージ(g)と、前記第
8位置(P8)において前記g方向に対して斜交する方
向であるf方向のレール表面ひずみを計測する補正用ひ
ずみゲージ(f)を用い、前記レール横方向水平力
(Q)に比例する出力である第2横力比例出力に、前記
ねじれモーメント(T)に比例する出力である第2ねじ
れ比例出力が付加された出力である第2出力を測定し、
前記第2出力を用いることにより、前記第1出力に含ま
れる前記第1ねじれ比例出力を減少させることを特徴と
する。
【0032】上記のレール横方向水平力検出方法におい
て、好ましくは、前記レールの底面の中央を通り前記レ
ールの長手方向(L)に平行な直線をx軸とし、前記載
荷位置(PL)の前記x軸への投影位置を空間座標の原
点とし、前記レールの底面上に位置し前記x軸に直角な
直線をy軸とし、前記レール中央対称面(14)上に位
置し前記x軸に直角な直線をz軸とし、δ1、δ2、δ
3、δ4、q、r、s、tを実数としたとき、δ1=δ
2=δ3=δ4であり、前記第1位置(P1)は、空間
座標(δ1,q,r)で表され、前記第2位置(P2)
は、空間座標(−δ1,q,r)で表され、前記第3位
置(P3)は、空間座標(δ1,−q,r)で表され、
前記第4位置(P4)は、空間座標(−δ1,−q,
r)で表され、前記第5位置(P5)は、空間座標(δ
1,s,t)で表され、前記第6位置(P6)は、空間
座標(−δ1,s,t)で表され、前記第7位置(P
7)は、空間座標(δ1,−s,t)で表され、前記第
8位置(P8)は、空間座標(−δ1,−s,t)で表
される。
【0033】また、上記のレール横方向水平力検出方法
において、好ましくは、前記A方向及び前記C方向は、
前記レールの第1面上で前記レール長手方向(L)に対
して第1の側に角度45度だけ傾斜した方向であり、前
記D方向及び前記B方向は、前記第1面上で前記A方向
及び前記C方向に対し直角な方向であり、前記E方向及
び前記G方向は、前記レール中央対称面(14)に関し
て前記第1面と対称となる第2面上で前記レール長手方
向(L)に対して前記第1の側に角度45度だけ傾斜し
た方向であり、前記H方向及び前記F方向は、前記第2
面上で前記E方向及び前記G方向に対し直角な方向であ
り、前記a方向及び前記c方向は、前記レールの第3面
上で前記レール長手方向(L)に対して第2の側に角度
45度だけ傾斜した方向であり、前記d方向及び前記b
方向は、前記第3面上で前記a方向及び前記c方向に対
し直角な方向であり、前記e方向及び前記g方向は、前
記レール中央対称面(14)に関して前記第3面と対称
となる第4面上で前記レール長手方向(L)に対して前
記第2の側に角度45度だけ傾斜した方向であり、前記
h方向及び前記f方向は、前記第4面上で前記e方向及
び前記g方向に対し直角な方向である。
【0034】また、上記のレール横方向水平力検出方法
において、好ましくは、前記基本ひずみゲージ(A)と
前記基本ひずみゲージ(B)を直列に接続して第1ひず
み検出部(61d)を構成し、前記基本ひずみゲージ
(C)と前記基本ひずみゲージ(D)を直列に接続して
第2ひずみ検出部(62d)を構成し、前記基本ひずみ
ゲージ(E)と前記基本ひずみゲージ(F)を直列に接
続して第3ひずみ検出部(63d)を構成し、前記基本
ひずみゲージ(G)と前記基本ひずみゲージ(H)を直
列に接続して第4ひずみ検出部(64d)を構成し、前
記第1ひずみ検出部(64d)と前記第2ひずみ検出部
(62d)と前記第3ひずみ検出部(63d)と前記第
4ひずみ検出部(64d)の端部を時計回り方向又は反
時計回り方向に順次接続して環状に閉じた第1ブリッジ
回路を構成し、前記補正用ひずみゲージ(a)と前記補
正用ひずみゲージ(b)と前記補正用ひずみゲージ
(c)と前記補正用ひずみゲージ(d)と前記補正用ひ
ずみゲージ(e)と前記補正用ひずみゲージ(f)と前
記補正用ひずみゲージ(g)と前記補正用ひずみゲージ
(h)のうちの各2個が、前記第1ひずみ検出部(61
d)又は前記第2ひずみ検出部(62d)又は前記第3
ひずみ検出部(63d)又は前記第4ひずみ検出部(6
4d)の中に直列に接続されるように結線される。
【0035】また、上記のレール横方向水平力検出方法
において、好ましくは、前記第1位置(P1)及び前記
第2位置(P2)は、前記レールの底部の上面であって
前記レール中央対称面(14)に関して同一の側となる
位置に配置され、前記第3位置(P3)及び前記第4位
置(P4)は、前記レールの底部の上面であって前記レ
ール中央対称面(14)に関して前記第1位置(P1)
及び前記第2位置(P2)とは異なる側となる位置に配
置され、前記第5位置(P5)及び前記第6位置(P
6)は、前記レールの腹部の側面の中立軸(12dR)
上の位置であって前記レール中央対称面(14)に関し
て前記第1位置(P1)及び前記第2位置(P2)と同
一の側となる位置に配置され、前記第7位置(P7)及
び前記第8位置(P8)は、前記レールの腹部の側面の
中立軸(12dL)上の位置であって前記レール中央対
称面(14)に関して前記第5位置(P5)及び前記第
6位置(P6)とは異なる側となる位置に配置される。
【0036】また、上記のレール横方向水平力検出方法
において、好ましくは、補正用ひずみゲージ(c1)と
補正用ひずみゲージ(d1)が前記第1ひずみ検出部
(61d)の適宜箇所に直列に接続されるように結線さ
れ、補正用ひずみゲージ(a1)と補正用ひずみゲージ
(b1)が前記第2ひずみ検出部(62d)の適宜箇所
に直列に接続されるように結線され、補正用ひずみゲー
ジ(g1)と補正用ひずみゲージ(h1)が前記第3ひ
ずみ検出部(63d)の適宜箇所に直列に接続されるよ
うに結線され、補正用ひずみゲージ(e1)と補正用ひ
ずみゲージ(f1)が前記第4ひずみ検出部(64d)
の適宜箇所に直列に接続されるように結線される。
【0037】また、上記のレール横方向水平力検出方法
において、好ましくは、前記第5位置(P5)及び前記
第6位置(P6)及び前記第7位置(P7)及び前記第
8位置(P8)は、その位置における前記第2ねじれ比
例出力が、前記第1位置(P1)及び前記第2位置(P
2)及び前記第3位置(P3)及び前記第4位置(P
4)における前記第1ねじれ比例出力とほぼ等しくなる
位置に配置され、前記第1出力に含まれる前記第1ねじ
れ比例出力がほぼ除去されるように結線される。
【0038】また、上記のレール横方向水平力検出方法
において、好ましくは、前記第1位置(P1)及び前記
第2位置(P2)は、前記レールの底部の上面であって
前記レール中央対称面(14)に関して同一の側となる
位置に配置され、前記第3位置(P3)及び前記第4位
置(P4)は、前記レールの底部の上面であって前記レ
ール中央対称面(14)に関して前記第1位置(P1)
及び前記第2位置(P2)とは異なる側となる位置に配
置され、前記第5位置(P5)は、前記レールの底部の
下面であって前記第1位置(P1)の直下となる位置に
配置され、前記第6位置(P6)は、前記レールの底部
の下面であって前記第2位置(P2)の直下となる位置
に配置され、前記第7位置(P7)は、前記レールの底
部の下面であって前記第3位置(P3)の直下となる位
置に配置され、前記第8位置(P8)は、前記レールの
底部の下面であって前記第4位置(P4)の直下となる
位置に配置される。
【0039】また、上記のレール横方向水平力検出方法
において、好ましくは、補正用ひずみゲージ(c2)と
補正用ひずみゲージ(d2)が前記第1ひずみ検出部
(61d)の適宜箇所に直列に接続されるように結線さ
れ、補正用ひずみゲージ(a2)と補正用ひずみゲージ
(b2)が前記第2ひずみ検出部(62d)の適宜箇所
に直列に接続されるように結線され、補正用ひずみゲー
ジ(g2)と補正用ひずみゲージ(h2)が前記第3ひ
ずみ検出部(63d)の適宜箇所に直列に接続されるよ
うに結線され、補正用ひずみゲージ(e2)と補正用ひ
ずみゲージ(f2)が前記第4ひずみ検出部(64d)
の適宜箇所に直列に接続されるように結線され、前記第
1出力に含まれる前記第1ねじれ比例出力がほぼ除去さ
れるように結線される。
【0040】また、上記のレール横方向水平力検出方法
において、好ましくは、前記第2ねじれ比例出力に乗算
した場合に前記第1ねじれ比例出力と等しくなる乗算係
数を解析で求め、前記第2出力に前記乗算係数を乗じる
演算を行い、乗算後の第2出力を前記第1出力から減じ
て差を求める演算を行うことにより、前記第1ねじれ比
例出力を除去し、前記レール横方向水平力に比例する出
力のみを抽出する。
【0041】また、上記のレール横方向水平力検出方法
において、好ましくは、前記第1位置(P1)及び前記
第2位置(P2)は、前記レールの底部の上面であって
前記レール中央対称面(14)に関して同一の側となる
位置に配置され、前記第3位置(P3)及び前記第4位
置(P4)は、前記レールの底部の上面であって前記レ
ール中央対称面(14)に関して前記第1位置(P1)
及び前記第2位置(P2)とは異なる側となる位置に配
置され、前記第5位置(P5)及び前記第6位置(P
6)は、前記レールの腹部の側面の中立軸(12dR)
上の位置であって前記レール中央対称面(14)に関し
て前記第1位置(P1)及び前記第2位置(P2)と同
一の側となる位置に配置され、前記第7位置(P7)及
び前記第8位置(P8)は、前記レールの腹部の側面の
中立軸(12dL)上の位置であって前記レール中央対
称面(14)に関して前記第5位置(P5)及び前記第
6位置(P6)とは異なる側となる位置に配置され、前
記第5位置(P5)及び前記第6位置(P6)及び前記
第7位置(P7)及び前記第8位置(P8)は、その位
置における前記第2ねじれ比例出力が、前記第1位置
(P1)及び前記第2位置(P2)及び前記第3位置
(P3)及び前記第4位置(P4)における前記第1ね
じれ比例出力とほぼ等しくなる位置に配置され、前記第
1出力と第2出力との差を求める演算を行うことによ
り、前記第1出力に含まれる前記第1ねじれ比例出力を
除去し、前記レール横方向水平力に比例する出力のみを
抽出する。
【0042】また、上記のレール横方向水平力検出方法
において、好ましくは、前記第1位置(P1)及び前記
第2位置(P2)は、前記レールの底部の上面であって
前記レール中央対称面(14)に関して同一の側となる
位置に配置され、前記第3位置(P3)及び前記第4位
置(P4)は、前記レールの底部の上面であって前記レ
ール中央対称面(14)に関して前記第1位置(P1)
及び前記第2位置(P2)とは異なる側となる位置に配
置され、前記第5位置(P5)は、前記レールの底部の
下面であって前記第1位置(P1)の直下となる位置に
配置され、前記第6位置(P6)は、前記レールの底部
の下面であって前記第2位置(P2)の直下となる位置
に配置され、前記第7位置(P7)は、前記レールの底
部の下面であって前記第3位置(P3)の直下となる位
置に配置され、前記第8位置(P8)は、前記レールの
底部の下面であって前記第4位置(P4)の直下となる
位置に配置され、前記第1出力と第2出力との差を求め
る演算を行うことにより、前記第1出力に含まれる前記
第1ねじれ比例出力を除去し、前記レール横方向水平力
に比例する出力のみを抽出する。
【0043】また、上記のレール横方向水平力検出方法
において、好ましくは、前記第1位置ないしは第8位置
の各位置における2つのひずみゲージには、2個の単軸
ひずみゲージ、又は複数のひずみゲージを一体化した組
み合わせゲージが適宜用いられる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0045】(1)第1実施形態 図1は、本発明の第1実施形態であるレール横方向水平
力検出方法におけるひずみゲージ貼り付け位置を示す図
である。図1(A)はレール10を軌間外側(2本のレ
ールの外側)から見た斜視図であり、図1(B)はレー
ル10を軌間内側(2本のレールの内側)から見た斜視
図である。また、図2は、図1のひずみゲージ貼り付け
位置のさらに詳細な関係を示す図であり、レール10の
左右の腹部側面と左右の底部上面を展開した図である。
【0046】図1及び図2に示すように、レール10の
軌間外側の底部上面13aRには、基本ひずみゲージ
D、A、B、Cが貼り付けられ、レール10の軌間内側
の底部上面13aLには、基本ひずみゲージE、H、
G、Fが貼り付けられている。これらの基本ひずみゲー
ジA〜Hの貼り付け位置、構成、及び作用は、図14及
び図15において説明したものとまったく同様であるの
で、その説明は省略する。
【0047】基本ひずみゲージA〜Hに加え、レール1
0の軌間外側の腹部側面12bRの中立軸12dR上に
は、ひずみゲージd1、a1、b1、c1が貼り付けら
れ、レール10の軌間内側の腹部側面12bLの中立軸
12dL上には、ひずみゲージe1、h1、g1、f1
が貼り付けられている。以下、ひずみゲージa1〜h1
を、「補正用ひずみゲージ」という。中立軸12dR、
12dLは、レール10に垂直力P等が作用して曲げが
加わった場合に、腹部表面の曲げひずみ、曲げ応力が零
となる位置を示す線であり、レールの底面と平行で、レ
ール底面(下端)からの高さはある所定値となってい
る。また、レール10の軌間外側の腹部側面12bRの
中立軸12dR上の面は第3面に相当し、レール10の
軌間内側の腹部側面12bLの中立軸12dL上の面は
第4面に相当している。
【0048】上記した補正用ひずみゲージa1〜h1の
うち、d1とa1は互いに交差角度が90°(直角)と
なり直交するように配置されており、同様に、補正用ひ
ずみゲージb1とc1、補正用ひずみゲージe1とh
1、補正用ひずみゲージg1とf1が、互いに交差角度
が90°(直角)となり直交するように配置されてい
る。
【0049】補正用ひずみゲージa1とc1は、レール
の腹部側面12bRがほぼ水平となるように見て、レー
ル長手方向Lの進行方向に向かって見た場合、すなわち
図2に示す状態では、先端が右側に角度45°だけ傾斜
するような状態で貼り付けられている。この場合、レー
ル長手方向Lの進行方向に対する右側は、「第2の側」
に相当している。また、補正用ひずみゲージe1とg1
は、レールの腹部側面12bLがほぼ水平となるように
見て、レール長手方向Lの進行方向に向かって見た場
合、すなわち図2に示す状態では、先端が右側に角度4
5°だけ傾斜するような状態で貼り付けられている。ま
た、補正用ひずみゲージa1の長手方向は「a方向」に
相当し、補正用ひずみゲージc1の長手方向は「c方
向」に相当し、補正用ひずみゲージe1の長手方向は
「e方向」に相当し、補正用ひずみゲージg1の長手方
向は「g方向」に相当している。
【0050】一方、補正用ひずみゲージd1とb1は、
レールの腹部側面12bRがほぼ水平となるように見
て、レール長手方向Lの進行方向に向かって見た場合、
すなわち図2に示す状態では、先端が左側に角度45°
だけ傾斜するような状態で貼り付けられている。また、
補正用ひずみゲージh1とf1は、レールの腹部側面1
2bLがほぼ水平となるように見て、レール長手方向L
の進行方向に向かって見た場合、すなわち図2に示す状
態では、先端が左側に角度45°だけ傾斜するような状
態で貼り付けられている。また、補正用ひずみゲージd
1の長手方向は「d方向」に相当し、補正用ひずみゲー
ジb1の長手方向は「b方向」に相当し、補正用ひずみ
ゲージh1の長手方向は「h方向」に相当し、補正用ひ
ずみゲージf1の長手方向は「f方向」に相当してい
る。
【0051】また、補正用ひずみゲージa1とd1が交
差する位置(以下、「第5位置」という。)P5のレー
ル長手方向Lの座標位置は、レール横方向水平力Qの載
荷位置PLからレール長手方向Lとは逆方向に第3距離
δ3だけ離れた位置となっている。また、補正用ひずみ
ゲージe1とh1が交差する位置(以下、「第7位置」
という。)P7のレール長手方向Lの座標位置は、第5
位置P5のx座標位置と同一となっている。また、補正
用ひずみゲージb1とc1が交差する位置(以下、「第
6位置」という。)P6のレール長手方向Lの座標位置
は、レール横方向水平力Qの載荷位置PLからレール長
手方向Lに第4距離δ4だけ離れた位置となっている。
また、補正用ひずみゲージf1とg1が交差する位置
(以下、「第8位置」という。)P8のレール長手方向
Lの座標位置は、第6位置P6のx座標位置と同一とな
っている。
【0052】また、各ゲージ貼付位置P5、P6、P
7、P8は、レール10の腹部12の中心線(又は図1
3(A)に示すレール中央対称面14)に対して対称と
なっている。したがって、第5位置P5及び第6位置P
6は、レール中央対称面14に関して同一の側となる位
置で、かつレール中央対称面14に関して第1位置P1
及び第2位置P2と同一の側となる位置に配置されてい
る。同様に、第7位置P7及び第8位置P8は、レール
中央対称面14に関して同一の側となる位置で、かつレ
ール中央対称面14に関して第3位置P3及び第4位置
P4と同一の側となる位置に配置されており、第5位置
P5及び第6位置P6とは逆側の位置に配置されてい
る。また、実際の測定においては、例えば、δ1=δ2
=δ3=δ4=100mm程度として実施されている。
【0053】上記した補正用ひずみゲージa1〜h1
は、図15(B)で説明した基本ひずみゲージAと同様
の構成及び作用を有している。
【0054】図3は、上記したホイートストンブリッジ
回路91に、基本ひずみゲージA〜H及びひずみゲージ
a1〜h1を結線したホイートストンブリッジ回路31
の構成を示している。図3に示すように、このホイート
ストンブリッジ回路31は、ホイートストンブリッジ回
路91におけるR1のかわりに、基本ひずみゲージAと
基本ひずみゲージBと補正用ひずみゲージc1と補正用
ひずみゲージd1からなる直列回路(以下、「第1ひず
み検出部」という。)61aを用い、R2のかわりに、
基本ひずみゲージCと基本ひずみゲージDと補正用ひず
みゲージa1と補正用ひずみゲージb1からなる直列回
路(以下、「第2ひずみ検出部」という。)62aを用
い、R3のかわりに、基本ひずみゲージEと基本ひずみ
ゲージFと補正用ひずみゲージg1と補正用ひずみゲー
ジh1からなる直列回路(以下、「第3ひずみ検出部」
という。)63aを用い、R4のかわりに、基本ひずみ
ゲージGと基本ひずみゲージHと補正用ひずみゲージe
1と補正用ひずみゲージf1からなる直列回路(以下、
「第4ひずみ検出部」という。)64aを用いている。
【0055】この場合、図13(A)に示すように垂直
力Pとレール横方向水平力Qが作用したときの、垂直力
Pにより補正用ひずみゲージa1〜h1に発生するひず
みの極性、レール横方向水平力Qにより補正用ひずみゲ
ージa1〜h1に発生するひずみの極性、ねじれモーメ
ントTにより補正用ひずみゲージa1〜h1に発生する
ひずみの極性は、伸びを正とし縮みを負とすると、表2
に示すようになる。
【表2】
【0056】表2に示すように、ねじれモーメントTに
より補正用ひずみゲージa1〜h1に発生する各ひずみ
の極性のパターンは、表1におけるレール横方向水平力
Qにより各ひずみゲージA〜Hに発生するひずみの極性
パターンと同じである。このことから、図17に示すホ
イートストンブリッジ回路92において、基本ひずみゲ
ージAのかわりに補正用ひずみゲージa1を接続し、基
本ひずみゲージBのかわりに補正用ひずみゲージb1を
接続し、基本ひずみゲージCのかわりに補正用ひずみゲ
ージc1を接続し、基本ひずみゲージDのかわりに補正
用ひずみゲージd1を接続し、基本ひずみゲージEのか
わりに補正用ひずみゲージe1を接続し、基本ひずみゲ
ージFのかわりに補正用ひずみゲージf1を接続し、基
本ひずみゲージGのかわりに補正用ひずみゲージg1を
接続し、基本ひずみゲージHのかわりに補正用ひずみゲ
ージh1を接続すれば、ねじれモーメントTに比例する
出力(以下、「第2ねじれ比例出力」という。)を得る
ことができる。
【0057】また、上式(3)から、ホイートストンブ
リッジ回路91において、抵抗R1と抵抗R2を互いに入
れ替え、抵抗R3と抵抗R4を互いに入れ替えれば、正負
の極性が反転し、出力電圧の変化量ΔEoの正負の極性
が反転することがわかる。
【0058】このことから、図17に示すホイートスト
ンブリッジ回路92において、基本ひずみゲージAのか
わりに補正用ひずみゲージc1を接続し、基本ひずみゲ
ージBのかわりに補正用ひずみゲージd1を接続し、基
本ひずみゲージCのかわりに補正用ひずみゲージa1を
接続し、基本ひずみゲージDのかわりに補正用ひずみゲ
ージb1を接続し、基本ひずみゲージEのかわりに補正
用ひずみゲージg1を接続し、基本ひずみゲージFのか
わりに補正用ひずみゲージh1を接続し、基本ひずみゲ
ージGのかわりに補正用ひずみゲージe1を接続し、基
本ひずみゲージHのかわりに補正用ひずみゲージf1を
接続すれば、−Tに比例する出力を得ることができる。
このようにして構成されたホイートストンブリッジ回路
が、図4に示すホイートストンブリッジ回路41であ
る。図3に示すホイートストンブリッジ回路31は、図
17に示すホイートストンブリッジ回路92に、図4に
示すホイートストンブリッジ回路41を組み合わせて合
成したホイートストンブリッジ回路である。
【0059】上記したホイートストンブリッジ回路41
において、垂直力Pの影響を検討する。垂直力Pが作用
すると、補正用ひずみゲージa1〜h1に発生するひず
みの極性は、表2の上段に示すようになる。ここで、垂
直力Pについては、補正用ひずみゲージa1、b1、g
1、h1のひずみの値は、δ3=δ4の場合には、理論
的には等しくなると考えられるから、正の値ε11と仮
定し、補正用ひずみゲージc1、d1、e1、f1のひ
ずみの値は、δ3=δ4の場合には、理論的には等しく
なると考えられるから、負の値ε12と仮定すると、ホ
イートストンブリッジ回路41における接続点t1とt
2間の抵抗変化量ΔR1、接続点t2とt3間の抵抗変
化量ΔR2、接続点t3とt4間の抵抗変化量ΔR3、接
続点t4とt1間の抵抗変化量ΔR4は、補正用ひずみ
ゲージa1〜h1の抵抗値がすべてrの場合には、それ
ぞれ下式(11)〜(14)のようになる。 ΔR1=2r×K×ε12 ……(11) ΔR2=2r×K×ε11 ……(12) ΔR3=2r×K×ε11 ……(13) ΔR4=2r×K×ε12 ……(14)
【0060】したがって、この結果を上式(3)に代入
すると、この場合の出力電圧の変化量ΔEoは零とな
り、ホイートストンブリッジ回路41の出力である−T
には垂直力Pの影響は入らない。
【0061】次に、上記したホイートストンブリッジ回
路41において、レール横方向水平力Qの影響を検討す
る。レール横方向水平力Qについては、補正用ひずみゲ
ージa1、b1、c1、d1のひずみの値は、δ3=δ
4の場合には、理論的には等しくなると考えられるか
ら、正の値ε13と仮定し、補正用ひずみゲージe1、
f1、g1、h1のひずみの値は、δ3=δ4の場合に
は、理論的には等しくなると考えられるから、負の値ε
14と仮定すると、ホイートストンブリッジ回路41に
おける接続点t1とt2間の抵抗変化量ΔR1、接続点
t2とt3間の抵抗変化量ΔR2、接続点t3とt4間
の抵抗変化量ΔR3、接続点t4とt1間の抵抗変化量
ΔR4は、補正用ひずみゲージa1〜h1の抵抗値がす
べてrの場合には、それぞれ下式(15)〜(18)の
ようになる。
【0062】 ΔR1=2r×K×ε13 ……(15) ΔR2=2r×K×ε13 ……(16) ΔR3=2r×K×ε14 ……(17) ΔR4=2r×K×ε14 ……(18)
【0063】したがって、この結果を上式(3)に代入
すると、この場合の出力電圧の変化量ΔEoは零とな
り、ホイートストンブリッジ回路41の出力である−T
にはレール横方向水平力Qの影響は入らない。すなわ
ち、この場合には、レール横方向水平力Qに比例する出
力(以下、「第2横力比例出力」という。)は零とな
る。
【0064】このことから、ホイートストンブリッジ回
路41により、垂直力Pやレール横方向水平力Qの影響
が入らないねじれモーメントTの極性を反転させた−T
に比例する出力を得ることができる。しかし、基本ひず
みゲージA〜Hの貼り付け位置と、補正用ひずみゲージ
a1〜h1の貼り付け位置は異なるため、基本ひずみゲ
ージA〜Hとホイートストンブリッジ回路92により得
られる出力中のねじれモーメントTに比例する出力(第
1ねじれ比例出力)の値と、補正用ひずみゲージa1〜
h1とホイートストンブリッジ回路41により得られる
出力中のねじれモーメントTに比例する出力(第2ねじ
れ比例出力)の絶対値は、一般的には一致しない。
【0065】しかし、図3に示すホイートストンブリッ
ジ回路31を構成した場合には、基本ひずみゲージA〜
Hとホイートストンブリッジ回路92により得られる出
力中のレール横方向水平力Qに比例する出力(第1横力
比例出力)に重畳された一種の誤差である第1ねじれ比
例出力の値を減少させる効果がある。
【0066】このため、上記の第1ねじれ比例出力の値
と、第2ねじれ比例出力の絶対値が等しくなるようなゲ
ージ貼り付け位置を検討する。補正用ひずみゲージa1
〜h1については、レール10の腹部側面の中立軸上に
貼り付けることにより、出力中のレール横方向水平力Q
に比例する出力(第2横力比例出力)をキャンセルする
効果があるため、補正用ひずみゲージa1〜h1の貼り
付け位置は変えず、基本ひずみゲージA〜Hの貼り付け
位置を変えることを検討する。
【0067】一般に、棒状部材に作用する「ねじれ」に
よるせん断ひずみは、応力関数Φを用い、下式(19)
〜(22)により表すことができる。
【0068】
【数3】
【0069】
【数4】
【0070】
【数5】
【0071】 Φ=Φ0=一定(棒状部材の外周部において) ……(22)
【0072】上式(19)〜(22)において、τ
xyは、x軸に垂直な面内のy方向のせん断ひずみを表
し、τzxは、z軸に垂直な面内のx方向のせん断ひずみ
を表している。また、Gはせん断弾性係数を表し、ψは
x軸周りのねじれ角を表している。上式(21)及び上
式(22)は、ポアソンの方程式として知られているも
ので、この式により、断面各部のせん断ひずみを算出す
ることができる。レール10のような断面の場合には、
応力関数Φを数値計算により求めることができる。
【0073】レールの場合の近似計算として、図5
(A)に示すようなI型断面を考えると、せん断応力分
布は、図5(A)において矢印で示すような分布とな
り、せん断応力σSixの値は、下式(23)により表さ
れる。
【数6】
【0074】上式(23)において、TSは、ねじれモ
ーメントであり、下式(24)で表される。
【数7】 ここに、Gはせん断弾性係数を表し、ψはねじれ角を表
している。
【0075】また、上式(24)において、Jは、サン
・ブナンのねじれ定数と呼ばれ、下式(25)で表され
る。
【数8】 ここに、biは、各板要素の幅を、tiは、各板要素の板
厚を、それぞれ表している。
【0076】したがって、上式(25)から、I型断面
の場合には、ねじれに伴う表面せん断応力は、測定箇所
の板厚に依存し、板厚が等しい箇所どうしでは、表面せ
ん断ひずみは同一値となる。レール10の断面は、I型
断面とは厳密には異なる断面である。しかし、補正用ひ
ずみゲージa1〜h1の貼り付け位置(レール腹部の中
立軸上)におけるレール腹部12の厚さと等しい厚さと
なるようなレール底部上面の位置の付近の適切な位置に
基本ひずみゲージA〜Hを貼り付ければ、基本ひずみゲ
ージA〜Hからの出力中の第1ねじれ比例出力の値と、
補正用ひずみゲージa1〜h1からの出力中の第2ねじ
れ比例出力の値を等しくすることができ、図3に示すホ
イートストンブリッジ回路31により、ねじれ比例出力
(誤差成分)をほとんど含まず、レール横方向水平力Q
に比例する第1横力比例出力に近い出力を検出すること
ができると考えられる。
【0077】図5(B)は、いわゆる60kgレールの
場合を示したものであり、レール腹部の中立軸上での厚
さは、約16.5mmである。一方、厚さが約16.5
mmとなるレール底部の位置は、レール底部の端部から
の距離が約17.5mmとなる位置である。したがっ
て、60kgレールの場合は、レール底部の端部からの
距離w1が約5〜30mm程度の範囲のうちの適切な位
置となるレール底部上面箇所に基本ひずみゲージA〜H
を貼り付ければ、図3に示すホイートストンブリッジ回
路31により、ねじれ比例出力(誤差成分)をほとんど
含まず、レール横方向水平力Qに比例する第1横力比例
出力に近い出力を検出することができると考えられる。
【0078】また、図5(C)は、いわゆる50kgN
レールの場合を示したものであり、レール腹部の中立軸
上での厚さは、約16.0mmである。一方、厚さが約
15.0mmとなるレール底部の位置は、レール底部の
端部からの距離が約22.3mmとなる位置である。し
たがって、50kgNレールの場合は、レール底部の端
部からの距離w2が約10〜40mm程度の範囲のうち
の適切な位置となるレール底部上面箇所に基本ひずみゲ
ージA〜Hを貼り付ければ、図3に示すホイートストン
ブリッジ回路31により、ねじれ比例出力(誤差成分)
をほとんど含まず、レール横方向水平力Qに比例する第
1横力比例出力に近い出力を検出することができると考
えられる。
【0079】(2)第2実施形態 次に、本発明の他の実施形態について説明を行う。図6
は、本発明の第2実施形態であるレール横方向水平力検
出方法におけるひずみゲージ貼り付け位置を示す図であ
る。図6(A)はレール10を底部下面側から見た斜視
図であり、図6(B)は、レール10の頭部11を除去
した状態で上方から見た平面図である。図6(B)にお
いて点線で図示されているのは、レール底部下面に配置
されたひずみゲージを上から透過させて見た図であり、
レール底部上面のゲージとの区別を明確にするため、両
者をややずらして図示してある。
【0080】図6(A)及び図6(B)に示すように、
レール10の軌間外側の底部上面13aRには、基本ひ
ずみゲージD、A、B、Cが貼り付けられ、レール10
の軌間内側の底部上面13aLには、基本ひずみゲージ
E、H、G、Fが貼り付けられている。これらの基本ひ
ずみゲージA〜Hの貼り付け位置、構成、及び作用は、
図14及び図15において説明したものとまったく同様
であるので、その説明は省略する。
【0081】基本ひずみゲージA〜Hに加え、レール1
0の軌間外側の底部下面13cRには、ひずみゲージa
2、d2、c2、b2が貼り付けられ、レール10の軌
間内側の底部下面13cLには、ひずみゲージh2、e
2、f2、g2が貼り付けられている。以下、ひずみゲ
ージa2〜h2を、「補正用ひずみゲージ」という。こ
こに、レール10の軌間外側の底部下面13cRは第3
面に相当し、レール10の軌間内側の底部下面13cL
は第4面に相当している。
【0082】上記した補正用ひずみゲージa2〜h2の
うち、a2とd2は互いに交差角度が90°(直角)と
なり直交するように配置されており、同様に、補正用ひ
ずみゲージc2とb2、補正用ひずみゲージh2とe
2、補正用ひずみゲージf2とg2が、互いに交差角度
が90°(直角)となり直交するように配置されてい
る。
【0083】補正用ひずみゲージa2とc2とe2とg
2は、レールの底部下面13cR及び13cLがほぼ水
平となるように見て、レール長手方向Lの進行方向に向
かって見た場合、すなわち図6(A)を逆に見た状態で
は、先端が右側に角度45°だけ傾斜するような状態で
貼り付けられている。この場合、レール長手方向Lに対
する右側は、「第2の側」に相当している。また、補正
用ひずみゲージa2の長手方向は「a方向」に相当し、
補正用ひずみゲージc2の長手方向は「c方向」に相当
し、補正用ひずみゲージe2の長手方向は「e方向」に
相当し、補正用ひずみゲージg2の長手方向は「g方
向」に相当している。
【0084】一方、補正用ひずみゲージd2とb2とh
2とf2は、レールの底部下面13cR及び13cLが
ほぼ水平となるように見て、レール長手方向Lの進行方
向に向かって見た場合、すなわち図6(A)を逆に見た
状態では、先端が左側に角度45°だけ傾斜するような
状態で貼り付けられている。また、補正用ひずみゲージ
d2の長手方向は「d方向」に相当し、補正用ひずみゲ
ージb2の長手方向は「b方向」に相当し、補正用ひず
みゲージh2の長手方向は「h方向」に相当し、補正用
ひずみゲージf2の長手方向は「f方向」に相当してい
る。
【0085】また、補正用ひずみゲージa2とd2が交
差する位置(以下、「第5位置」という。)P5のレー
ル長手方向Lの座標位置は、レール横方向水平力Qの載
荷位置PLからレール長手方向Lとは逆方向に第3距離
δ3だけ離れた位置となっているが、δ3は上記した第
1距離δ1と等しい値となっている。また、補正用ひず
みゲージe2とh2が交差する位置(以下、「第7位
置」という。)P7のレール長手方向Lの座標位置は、
第5位置P5のx座標位置と同一となっている。また、
補正用ひずみゲージb2とc2が交差する位置(以下、
「第6位置」という。)P6のレール長手方向Lの座標
位置は、レール横方向水平力Qの載荷位置PLからレー
ル長手方向Lに第4距離δ4だけ離れた位置となってい
るが、δ4は上記した第2距離δ2と等しい値となって
いる。また、補正用ひずみゲージf2とg2が交差する
位置(以下、「第8位置」という。)P8のレール長手
方向Lの座標位置は、第6位置P6のx座標位置と同一
となっている。
【0086】また、各ゲージ貼付位置P5、P6、P
7、P8は、レール10の腹部12の中心線(又は図1
3(A)に示すレール中央対称面14)に対して対称と
なっている。したがって、第5位置P5及び第6位置P
6は、レール中央対称面14に関して同一の側となる位
置で、かつレール中央対称面14に関して第1位置P1
及び第2位置P2と同一の側となる位置に配置されてい
る。同様に、第7位置P7及び第8位置P8は、レール
中央対称面14に関して同一の側となる位置で、かつレ
ール中央対称面14に関して第3位置P3及び第4位置
P4と同一の側となる位置に配置されており、第5位置
P5及び第6位置P6とは逆側の位置に配置されてい
る。また、実際の測定においては、例えば、δ1=δ2
=δ3=δ4=100mm程度として実施されている。
【0087】したがって、第5位置P5は第1位置P1
の直下の位置となり、第6位置P6は第2位置P2の直
下の位置となり、第7位置P7は第3位置P3の直下の
位置となり、第8位置P8は第4位置P4の直下の位置
となっている。また、補正用ひずみゲージd2は、基本
ひずみゲージAを直下に投影した状態と等しい配置とな
っている。また、補正用ひずみゲージa2は、基本ひず
みゲージDを直下に投影した状態と等しい配置となって
いる。また、補正用ひずみゲージb2は、基本ひずみゲ
ージCを直下に投影した状態と等しい配置となってい
る。また、補正用ひずみゲージc2は、基本ひずみゲー
ジBを直下に投影した状態と等しい配置となっている。
また、補正用ひずみゲージh2は、基本ひずみゲージE
を直下に投影した状態と等しい配置となっている。ま
た、補正用ひずみゲージe2は、基本ひずみゲージHを
直下に投影した状態と等しい配置となっている。また、
補正用ひずみゲージf2は、基本ひずみゲージGを直下
に投影した状態と等しい配置となっている。また、補正
用ひずみゲージg2は、基本ひずみゲージFを直下に投
影した状態と等しい配置となっている。実際の測定にお
いては、例えば、δ1=δ2=δ3=δ4=100mm
程度として実施されている。
【0088】上記した補正用ひずみゲージa2〜h2
は、図15(B)で説明した基本ひずみゲージAと同様
の構成及び作用を有している。
【0089】図7は、上記したホイートストンブリッジ
回路91に、基本ひずみゲージA〜H及び補正用ひずみ
ゲージa2〜h2を結線したホイートストンブリッジ回
路32の構成を示している。図7に示すように、このホ
イートストンブリッジ回路32は、ホイートストンブリ
ッジ回路91におけるR1のかわりに、基本ひずみゲー
ジAと基本ひずみゲージBと補正用ひずみゲージc2と
補正用ひずみゲージd2からなる直列回路(以下、「第
1ひずみ検出部」という。)61bを用い、R 2のかわ
りに、基本ひずみゲージCと基本ひずみゲージDと補正
用ひずみゲージa2と補正用ひずみゲージb2からなる
直列回路(以下、「第2ひずみ検出部」という。)62
bを用い、R3のかわりに、基本ひずみゲージEと基本
ひずみゲージFと補正用ひずみゲージg2と補正用ひず
みゲージh2からなる直列回路(以下、「第3ひずみ検
出部」という。)63bを用い、R4のかわりに、基本
ひずみゲージGと基本ひずみゲージHと補正用ひずみゲ
ージe2と補正用ひずみゲージf2からなる直列回路
(以下、「第4ひずみ検出部」という。)64bを用い
ている。
【0090】この場合、図13(A)に示すように垂直
力Pとレール横方向水平力Qが作用したときの、垂直力
Pにより補正用ひずみゲージa2〜h2に発生するひず
みの極性、レール横方向水平力Qにより補正用ひずみゲ
ージa2〜h2に発生するひずみの極性、ねじれモーメ
ントTにより補正用ひずみゲージa2〜h2に発生する
ひずみの極性は、伸びを正とし縮みを負とすると、表3
に示すようになる。
【表3】
【0091】表3に示すように、ねじれモーメントTに
より補正用ひずみゲージa2〜h2に発生する各ひずみ
の極性のパターンは、表1におけるレール横方向水平力
Qにより基本ひずみゲージA〜Hに発生するひずみの極
性パターンと同じである。このことから、図17に示す
ホイートストンブリッジ回路92において、基本ひずみ
ゲージAのかわりに補正用ひずみゲージa2を接続し、
基本ひずみゲージBのかわりに補正用ひずみゲージb2
を接続し、基本ひずみゲージCのかわりに補正用ひずみ
ゲージc2を接続し、基本ひずみゲージDのかわりに補
正用ひずみゲージd2を接続し、基本ひずみゲージEの
かわりに補正用ひずみゲージe2を接続し、基本ひずみ
ゲージFのかわりに補正用ひずみゲージf2を接続し、
基本ひずみゲージGのかわりに補正用ひずみゲージg2
を接続し、基本ひずみゲージHのかわりに補正用ひずみ
ゲージh2を接続すれば、ねじれモーメントTに比例す
る出力(第2ねじれ比例出力)を得ることができる。
【0092】また、上式(3)から、ホイートストンブ
リッジ回路91において、抵抗R1と抵抗R2を互いに入
れ替え、抵抗R3と抵抗R4を互いに入れ替えれば、正負
の極性が反転し、出力電圧の変化量ΔEoの極性が反転
することがわかる。
【0093】このことから、図17に示すホイートスト
ンブリッジ回路92において、基本ひずみゲージAのか
わりに補正用ひずみゲージc2を接続し、基本ひずみゲ
ージBのかわりに補正用ひずみゲージd2を接続し、基
本ひずみゲージCのかわりに補正用ひずみゲージa2を
接続し、基本ひずみゲージDのかわりに補正用ひずみゲ
ージb2を接続し、基本ひずみゲージEのかわりに補正
用ひずみゲージg2を接続し、基本ひずみゲージFのか
わりに補正用ひずみゲージh2を接続し、基本ひずみゲ
ージGのかわりに補正用ひずみゲージe2を接続し、基
本ひずみゲージHのかわりに補正用ひずみゲージf2を
接続すれば、−Tに比例する出力を得ることができる。
このようにして構成されたホイートストンブリッジ回路
が、図8に示すホイートストンブリッジ回路42であ
る。図7に示すホイートストンブリッジ回路32は、図
17に示すホイートストンブリッジ回路92に、図8に
示すホイートストンブリッジ回路42を組み合わせて合
成したホイートストンブリッジ回路である。
【0094】上記したホイートストンブリッジ回路42
において、垂直力Pの影響を検討する。垂直力Pが作用
すると、補正用ひずみゲージa2〜h2に発生するひず
みの極性は、表3の上段に示すようになる。ここで、垂
直力Pについては、補正用ひずみゲージa2〜d2のひ
ずみ値は、δ3=δ4の場合には、理論的には等しくな
ると考えられるから、正の値ε20と仮定し、補正用ひ
ずみゲージe2〜h2のひずみ値は、δ3=δ4の場合
には、理論的には等しくなると考えられるから、正の値
ε21と仮定すると、ホイートストンブリッジ回路41
における接続点t1とt2間の抵抗変化量ΔR1、接続
点t2とt3間の抵抗変化量ΔR2、接続点t3とt4
間の抵抗変化量ΔR3、接続点t4とt1間の抵抗変化
量ΔR4は、補正用ひずみゲージa2〜h2の抵抗値が
すべてrの場合には、それぞれ下式(26)、(26)
´のようになる。
【0095】 ΔR1=ΔR2=2r×K×ε20 ……(26) ΔR3=ΔR4=2r×K×ε21 ……(26)´
【0096】したがって、この結果を上式(3)に代入
すると、この場合の出力電圧の変化量ΔEoは零とな
り、ホイートストンブリッジ回路42の出力である−T
には垂直力Pの影響は入らない。
【0097】次に、上記したホイートストンブリッジ回
路42において、レール横方向水平力Qの影響を検討す
る。レール横方向水平力Qについては、補正用ひずみゲ
ージc2、d2、g2、h2のひずみの値は、δ3=δ
4の場合には、理論的には等しくなると考えられるか
ら、正の値ε22と仮定し、補正用ひずみゲージa2、
b2、e2、f2のひずみの値は、δ3=δ4の場合に
は、理論的には等しくなると考えられるから、負の値ε
23と仮定すると、ホイートストンブリッジ回路42に
おける接続点t1とt2間の抵抗変化量ΔR1、接続点
t2とt3間の抵抗変化量ΔR2、接続点t3とt4間
の抵抗変化量ΔR3、接続点t4とt1間の抵抗変化量
ΔR4は、補正用ひずみゲージa2〜h2の抵抗値がす
べてrの場合には、それぞれ下式(27)〜(30)の
ようになる。
【0098】 ΔR1=2r×K×ε22 ……(27) ΔR2=2r×K×ε23 ……(28) ΔR3=2r×K×ε22 ……(29) ΔR4=2r×K×ε23 ……(30)
【0099】したがって、この結果を上式(3)に代入
すると、この場合の出力電圧の変化量ΔEoは、下式
(31)で表される。 ΔEo=K×Ei×(ε23−ε22) ……(31)
【0100】ここで、補正用ひずみゲージa2〜h2の
貼り付け位置P5〜P8が、基本ひずみゲージA〜Hの
貼り付け位置P1〜P4の直下位置であり、補正用ひず
みゲージd2は、基本ひずみゲージAを直下に投影した
配置となっており、補正用ひずみゲージa2は、基本ひ
ずみゲージDを直下に投影した配置となっており、補正
用ひずみゲージb2は、基本ひずみゲージCを直下に投
影した配置となっており、補正用ひずみゲージc2は、
基本ひずみゲージBを直下に投影した配置となってお
り、補正用ひずみゲージh2は、基本ひずみゲージEを
直下に投影した配置となっており、補正用ひずみゲージ
e2は、基本ひずみゲージHを直下に投影した配置とな
っており、補正用ひずみゲージf2は、基本ひずみゲー
ジGを直下に投影した配置となっており、補正用ひずみ
ゲージg2は、基本ひずみゲージFを直下に投影した配
置となっていることから、補正用ひずみゲージc2、d
2、g2、h2のひずみの値ε22は上記したひずみε
51と等しく、補正用ひずみゲージa2、b2、e2、
f2のひずみの値ε23は、上記したひずみε52と等
しい。
【0101】したがって、上式(31)は、下式(3
2)のように表すことができる。 ΔEo=K×Ei×(ε52−ε51) ……(32)
【0102】上式(32)の値は、レール横方向水平力
Qに比例する出力(第2横力比例出力)である。この値
は、上式(9)に示した基本ひずみゲージA〜Hとホイ
ートストンブリッジ回路92によって得られる出力のう
ちのレール横方向水平力Qに比例する出力(第1横力比
例出力)とほぼ等しい。したがって、基本ひずみゲージ
A〜H及び補正用ひずみゲージa2〜h2とホイートス
トンブリッジ回路32によれば、基本ひずみゲージA〜
Hとホイートストンブリッジ回路92の出力中の第1横
力比例出力の約2倍の出力を得ることができる。また、
ホイートストンブリッジ回路32の出力は、第2横力比
例出力に、第2ねじれ比例出力が付加された出力(第2
出力)に近い値となっている。
【0103】また、図13(B)に示すように、ねじれ
モーメントTによる表面せん断応力は、レール底部の上
面と下面とでは、互いに極性が逆となっている。表面せ
ん断ひずみについても同様である。このことと、基本ひ
ずみゲージA〜Hと補正用ひずみゲージa2〜h2の上
記した関係を考慮すると、補正用ひずみゲージa2〜h
2とホイートストンブリッジ回路42により得られる出
力中のねじれモーメントTに比例する出力(第2ねじれ
比例出力)の値は、基本ひずみゲージA〜Hとホイート
ストンブリッジ回路92により得られる出力中のねじれ
モーメントTに比例する出力(第1ねじれ比例出力)の
値と絶対値が等しく正負の極性が逆となることがわか
る。
【0104】したがって、基本ひずみゲージA〜H及び
補正用ひずみゲージa2〜h2とホイートストンブリッ
ジ回路32によれば、基本ひずみゲージA〜Hとホイー
トストンブリッジ回路92によって得られる出力中の第
1ねじれ比例出力をほとんど相殺(キャンセル)してほ
ぼ除去することができる。
【0105】(3)他の実施形態 本発明は、上記した実施形態以外の他の構成によっても
実現可能である。第1実施形態の場合は、図9に示すレ
ール10において、ゲージ貼り付け位置50(レール腹
部12を挟んで両側の底部上面。図13(A)における
13aL及び13aR)となる第1位置P1〜第4位置
P4に基本ひずみゲージA〜Hを2個ずつ十字形に交差
させた4つのペアを貼り付けるとともに、ゲージ貼り付
け位置51(レール腹部12の両側面の中立軸上。図1
3(A)における12bL及び12bR)となる第5位
置P5〜第8位置P8に補正用ひずみゲージa1〜h1
を2個ずつ十字形に交差させた4つのペアを貼り付け、
ひずみゲージ(A+B+c1+d1)からなる第1ひず
み検出部61aを接続点t1とt2の間に接続し、ひず
みゲージ(C+D+a1+b1)からなる第2ひずみ検
出部62aを接続点t2とt3の間に接続し、ひずみゲ
ージ(E+F+g1+h1)からなる第3ひずみ検出部
63aを接続点t3とt4の間に接続し、ひずみゲージ
(G+H+e1+f1)からなる第4ひずみ検出部64
aを接続点t4とt1の間に接続してホイートストンブ
リッジ回路31を構成し、出力電圧の変化量ΔEoを得
ることにより、第1出力に含まれるねじれモーメントの
影響である第1ねじれ比例出力を減少させ、レール横方
向水平力Qに比例する出力である第1横力比例出力に近
い出力を検出することができる。この場合、ゲージ貼り
付け位置50を適切に設定することにより、第1ねじれ
比例出力をほぼ除去することができる。
【0106】また、第2実施形態の場合は、図9に示す
レール10において、ゲージ貼り付け位置50となる第
1位置P1〜第4位置P4に基本ひずみゲージA〜Hを
2個ずつ十字形に交差させた4つのペアを貼り付けると
ともに、ゲージ貼り付け位置52(レール腹部12を挟
んで両側の底部下面。図13(A)における13cL及
び13cR)となる第5位置P5〜第8位置P8に補正
用ひずみゲージa2〜h2を2個ずつ十字形に交差させ
た4つのペアを貼り付け、ひずみゲージ(A+B+c2
+d2)からなる第1ひずみ検出部61bを接続点t1
とt2の間に接続し、ひずみゲージ(C+D+a2+b
2)からなる第2ひずみ検出部62bを接続点t2とt
3の間に接続し、ひずみゲージ(E+F+g2+h2)
からなる第3ひずみ検出部63bを接続点t3とt4の
間に接続し、ひずみゲージ(G+H+e2+f2)から
なる第4ひずみ検出部64bを接続点t4とt1の間に
接続してホイートストンブリッジ回路32を構成し、出
力電圧の変化量ΔEoを得ることにより、第1出力に含
まれる第1ねじれ比例出力をほぼ除去するとともに、第
1出力に含まれるレール横方向水平力Qに比例する出力
である第1横力比例出力に、第2出力に含まれるレール
横方向水平力Qに比例する出力である第2横力比例出力
を加えた値に近い値を出力させることができ、検出感度
を向上させることができる。
【0107】第2実施形態の場合における補正用ひずみ
ゲージa2〜h2の配置形状は、図9における位置51
に貼り付けられていた補正用ひずみゲージa1〜h1
を、レール10の表面に沿って、図9の矢印に示すよう
に滑らせ、レール底部下面の位置52に持っていくこと
により実現される。したがって、ねじれモーメントに比
例する出力を低減するための補正用ひずみゲージ(以
下、「a〜h」という。)は、a1〜h1、a2〜h2
以外にも可能であり、図9における位置53(レール腹
部12を挟んで両側の頭部下面。図13(A)における
11cL及び11cR)に対応する第5位置P5〜第8
位置P8に貼り付けてもよい。
【0108】また、図9における位置54(レール腹部
12を挟んで両側の頭部側面。図13(A)における1
1bL及び11bR)、又は図9における位置55(レ
ール腹部12を挟んで両側の底部側面。図13(A)に
おける13bL及び13bR)、又は図9における位置
56(レール腹部12を挟んで両側の腹部上首面。図1
3(A)における12aL及び12aR)、又は図9に
おける位置57(レール腹部12を挟んで両側の腹部下
首面。図13(A)における12cL及び12cR)に
対応する第5位置P5〜第8位置P8に貼り付けてもよ
い。
【0109】さらに、図9における位置51(レール腹
部12を挟んで両側)で、中立軸上でない第5位置P5
〜第8位置P8に貼り付けてもよい。そのほか、図9に
おける位置50(レール腹部12を挟んで両側)で、ひ
ずみゲージA〜Hの貼り付け位置とは異なる第5位置P
5〜第8位置P8に貼り付けてもよい。また、図9にお
ける位置52(レール腹部12を挟んで両側)で、基本
ひずみゲージA〜Hの直下位置とは異なる第5位置P5
〜第8位置P8に貼り付けてもよい。
【0110】また、ホイートストンブリッジ回路につい
ては、補正用ひずみゲージa1〜h1又はa2〜h2の
かわりに、一般にa〜hとすれば、図10に示すよう
に、ひずみゲージ(A+B+c+d)からなる第1ひず
み検出部61cを接続点t1とt2の間に接続し、ひず
みゲージ(C+D+a+b)からなる第2ひずみ検出部
62cを接続点t2とt3の間に接続し、ひずみゲージ
(E+F+g+h)からなる第3ひずみ検出部63cを
接続点t3とt4の間に接続し、ひずみゲージ(G+H
+e+f)からなる第4ひずみ検出部64cを接続点t
4とt1の間に接続してホイートストンブリッジ回路3
3を構成し、出力電圧の変化量ΔEoを得ることによ
り、第1出力に含まれるねじれモーメントTに比例する
出力である第1ねじれ比例出力を低減し、レール横方向
水平力Qに比例する出力に近い出力を検出することがで
きる。
【0111】さらに他の構成も可能である。上記した他
の実施形態においては、基本ひずみゲージA〜Hを、レ
ール横方向水平力Qに比例する出力を得るためのひずみ
ゲージとし、補正用ひずみゲージa〜hを、ねじれモー
メントTに比例する出力を低減させるためのひずみゲー
ジとし、基本ひずみゲージA〜Hの貼り付け位置は、第
1実施形態、第2実施形態と同じ位置(図9における位
置50)としていた。しかし、基本ひずみゲージは、他
の貼り付け位置に貼り付けてもよい。
【0112】上記の説明から明らかなように、レール腹
部の中立軸上の位置(第1実施形態における補正用ひず
みゲージa1〜h1の貼り付け位置)にひずみゲージを
2個ずつ十字形に交差させた4つのペアを貼り付け、図
17の92に示すようにホイートストンブリッジ回路を
構成した場合には、レール横方向水平力Qに比例する出
力はつねに零となるために得ることができない。しか
し、この位置以外の位置では、レール横方向水平力Qに
比例する出力は零とはならないため、必ず得ることがで
きる。したがって、基本ひずみゲージA〜Hは、レール
腹部の中立軸上の位置(第1実施形態における補正用ひ
ずみゲージa1〜h1の貼り付け位置)以外で、レール
腹部12を挟んで両側となる第1位置P1〜第4位置P
4であれば、どの位置に貼り付けてもよい。
【0113】一般に、第1位置P1は、レール10の表
面の位置であって、レール長手方向Lの座標位置が、レ
ール横方向水平力Qの載荷位置PLからレール長手方向
Lに第1距離δ1だけ離れた位置となる。また、第2位
置P2は、レール10の表面の位置であって、レール長
手方向Lの座標位置が、レール横方向水平力Qの載荷位
置PLから第1位置P1とは反対方向に第2距離δ2だ
け離れた位置であり、かつレール10の下端からの高さ
が第1位置P1と等しい位置である。また、第3位置P
3は、レール10の表面の位置であって、レールの頭部
中央線11dと底部中央線13dを結ぶ平面であるレー
ル中央対称面14(図13(A)参照)に関して第1位
置P1と対称となる位置である。また、第4位置P4
は、レール10の表面の位置であって、レール中央対称
面14に関して第2位置P2と対称となる位置である。
【0114】また、一般に、第5位置P1は、第1位置
P1とは異なるレール10の表面の位置であって、レー
ル中央対称面14に関して第1位置P1と同一の側にあ
り、レール長手方向Lの座標位置が載荷位置PLから第
1距離δ1と同じ方向に第3距離δ3だけ離れた位置で
ある。また、第6位置P6は、レール10の表面の位置
であり、レール長手方向Lの座標位置が載荷位置PLか
ら第5位置P5とは反対方向に第4距離δ4だけ離れた
位置であり、かつレール10の下端からの高さが第5位
置P5と等しい位置である。また、第7位置P7は、レ
ール10の表面の位置であり、レール中央対称面14に
関して第5位置P5と対称となる位置である。また、第
8位置P8は、レール10の表面の位置であり、レール
中央対称面14に関して第6位置P6と対称となる位置
である。
【0115】また、これらの第1位置P1〜第8位置P
8のうち、δ1=δ2=δ3=δ4の場合は、レール1
0の底面の中央を通りレールの長手方向Lに平行な直線
(例えば、図6(A)における直線13d)をx軸と
し、載荷位置PLのx軸への投影位置(例えば、図6
(A)における点O)を空間座標の原点とし、レール1
0の底面上に位置しx軸に直角な直線(例えば、図6
(A)における直線13e)をy軸とし、レール中央対
称面14上に位置しx軸に直角な直線をz軸とし、δ
1、q、r、s、tを実数としたとき、第1位置P1の
空間座標は、(δ1,q,r)で表される。
【0116】また、同様にして、第2位置P2の空間座
標は(−δ1,q,r)で表され、第3位置P3の空間
座標は(δ1,−q,r)で表され、第4位置P4の空
間座標は(−δ1,−q,r)で表され、第5位置P5
の空間座標は(δ1,s,t)で表され、第6位置P6
の空間座標は(−δ1,s,t)で表され、第7位置P
7の空間座標は(δ1,−s,t)で表され、第8位置
P8の空間座標は(−δ1,−s,t)で表される。
【0117】また、図11(A)は、図10に示すホイ
ートストンブリッジ回路33のひずみ検出部61c〜6
4cの構成を略図で示したものである。図10に示すホ
イートストンブリッジ回路33の構成についても、他の
構成が可能である。すなわち、上式(3)に示すホイー
トストンブリッジ回路の式より、R1とR2を入れ替える
とともにR3とR4を入れ替えても、ΔEoの極性が変わ
る場合はあるが、絶対値は変わらない。図11(H)
は、この場合のホイートストンブリッジ回路33のひず
み検出部61c〜64cの構成を略図で示したものであ
る。
【0118】また、R1とR4を入れ替えるとともにR2
とR3を入れ替えても、ΔEoの極性は変わる場合はある
が、絶対値は変わらない。図11(F)は、この場合の
ホイートストンブリッジ回路33のひずみ検出部61c
〜64cの構成を略図で示したものである。
【0119】また、R1をR2に替え、R2をR3に替え、
3をR4に替え、R4をR1に替えるように、順序を変え
ずにずらしても、ΔEoの極性は変わる場合はあるが、
絶対値は変わらない。図11(B)は、この場合のホイ
ートストンブリッジ回路33のひずみ検出部61c〜6
4cの構成を略図で示したものである。
【0120】これらのことから、ホイートストンブリッ
ジ回路33のひずみ検出部61c〜64cは、61c→
62c→63c→64cの順序を変えずに、これらを時
計回り方向又は反時計回り方向に順次接続して環状に閉
じた閉回路を構成するようにすれば、どのような回路で
あってもよいことがわかる。これを図示したものが図1
1(A)〜図11(H)である。
【0121】上記した実施形態は、ホイートストンブリ
ッジ回路内の結線によってねじれモーメントTの影響を
低減し、より正確なレール横方向水平力Qに比例する出
力を検出するようにしたものであるが、この効果は、ホ
イートストンブリッジ回路内の結線以外の方法によって
も実現可能である。
【0122】この方法は、以下の手順による。
【0123】1)まず、レール横方向水平力Qに比例す
る出力を検出するための基本となるホイートストンブリ
ッジ回路(例えば図17に示す92)の出力中のねじれ
モーメントTに比例する第1ねじれ比例出力の絶対値
(例えば、α1とする。α1:α1>0の実数)と、ホ
イートストンブリッジ回路41からの第2出力の絶対値
(例えば、α2とする。α2:α2>0の実数)を、理
論解析(例えば、コンピュータによる数値計算等)によ
ってあらかじめ算出し、乗算係数(例えば、α1/α2
とする)を算出しておく。
【0124】2)次に、基本ひずみゲージA〜Hと基本
ホイートストンブリッジ回路(例えば図17に示す9
2)による実際の出力の絶対値(例えば、β1とする。
β1:β1>0の実数)をコンピュータ等に入力する。
【0125】3)次に、補正用ひずみゲージa1〜h1
と補正用ホイートストンブリッジ回路(例えば図4に示
す41)による実際の出力の絶対値(例えば、β2とす
る。β2:β2>0の実数)をコンピュータ等に入力す
る。
【0126】4)次に、コンピュータ等により、下式
(33)を計算する。 β3=β1−(α1/α2)×β2 ………(33)
【0127】ホイートストンブリッジ回路41からの出
力である第2出力は、ねじれモーメントに比例する出力
である第2ねじれ比例出力のみで、他の出力を含まない
から、上記の手順により、基本ホイートストンブリッジ
回路の出力中のねじれモーメントTの影響である第1ね
じれ比例出力を除去するとともに、温度等の影響も除去
し、より正確なレール横方向水平力Qに比例する出力で
ある第1横力比例出力のみを検出することができる。
【0128】なお、図4に示す補正用ホイートストンブ
リッジ回路41の場合には、ねじれモーメントTの極性
を逆にした−Tに比例する出力(例えば、−β4とす
る。β4:実数)が得られるので、差を演算する上式
(33)のかわりに、和を演算する下式(34)によっ
て計算するようにしてもよい。 β3´=β1+(α1/α2)×(−β4) ………(34)
【0129】この場合、ホイートストンブリッジ回路4
1のひずみ検出部71a〜74aは、71a→72a→
73a→74aの順序を変えずに、これらを時計回り方
向又は反時計回り方向に順次接続して環状に閉じた閉回
路を構成するようにすれば、どのような回路であっても
よい。
【0130】さらに一般化すれば、以下の手順となる。
【0131】a)まず、上記した一般的なレール表面上
の第1位置P1〜第4位置P4に、基本ひずみゲージA
〜Hを2個ずつ十字形に交差させた4つのペアを貼り付
け、各ひずみゲージA〜Hをレール横方向水平力Qに比
例する出力を検出するための基本となるホイートストン
ブリッジ回路に結線する。この基本ホイートストンブリ
ッジ回路は、図17に示すホイートストンブリッジ回路
92のひずみ検出部61c〜64cを、61d→62d
→63d→64dの順序を変えずに、これらを時計回り
方向又は反時計回り方向に順次接続して環状に閉じた閉
回路を構成するようにすれば、どのような回路であって
もよい。このようにしてホイートストンブリッジ回路9
2を一般化又は概念拡張した回路は、第1ブリッジ回路
に相当している。
【0132】また、上記した一般的なレール表面上の第
5位置P5〜第8位置P8に、補正用ひずみゲージa〜
hを2個ずつ十字形に交差させた4つのペアを貼り付
け、各ひずみゲージa〜hをねじれモーメントTに比例
する出力を検出するための補正用ホイートストンブリッ
ジ回路に結線する。この補正用ホイートストンブリッジ
回路は、図12に示すホイートストンブリッジ回路43
のひずみ検出部71c〜74cを、71c→72c→7
3c→74cの順序を変えずに、これらを時計回り方向
又は反時計回り方向に順次接続して環状に閉じた閉回路
を構成するようにすれば、どのような回路であってもよ
い。
【0133】b)次に、基本ホイートストンブリッジ回
路の出力中のねじれモーメントTに比例する第1ねじれ
比例出力の絶対値(例えば、α3とする。α3:α3>
0の実数)と、補正用ホイートストンブリッジ回路の出
力中のねじれモーメントTに比例する第2ねじれ比例出
力の絶対値(例えば、α4とする。α4:α4>0の実
数)を、理論解析(例えば、コンピュータによる数値計
算等)によってあらかじめ算出し、乗算係数(例えば、
α3/α4とする)を算出しておく。
【0134】c)次に、基本ひずみゲージA〜Hと基本
ホイートストンブリッジ回路による実際の出力の絶対値
(例えば、β5とする。β5:β5>0の実数)をコン
ピュータ等に入力する。
【0135】d)次に、補正用ひずみゲージa〜hと補
正用ホイートストンブリッジ回路による実際の出力の絶
対値(例えば、β6とする。β6:β6>0の実数)を
コンピュータ等に入力する。
【0136】e)次に、コンピュータ等により、下式
(35)を計算する。 β7=β5−(α3/α4)×β6 ………(35)
【0137】このような手順により、基本ホイートスト
ンブリッジ回路の出力中のねじれモーメントTの影響で
ある第1ねじれ比例出力を除去するとともに、温度等の
影響も除去し、より正確なレール横方向水平力Qに比例
する出力のみを検出することができる。
【0138】なお、図4に示す補正用ホイートストンブ
リッジ回路41の場合には、ねじれモーメントTの極性
を逆にした−Tに比例する出力(例えば、−β8とす
る。β8:実数)が得られるので、差を演算する上式
(35)のかわりに、和を演算する下式(36)によっ
て計算するようにしてもよい。 β7´=β5+(α3/α4)×(−β8) ………(36)
【0139】なお、本発明は、上記各実施形態に限定さ
れるものではない。上記各実施形態は、例示であり、本
発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的
に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、
いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含され
る。
【0140】例えば、上記各実施形態においては、基本
ひずみゲージA〜H、補正用ひずみゲージa1〜h1等
は、1方向のひずみを検出するいわゆる「単軸ひずみゲ
ージ」であり、第1位置P1等においては、2つのゲー
ジを交差させるように貼り付けていたが、本発明はこの
例には限定されず、他の構成のひずみゲージ、例えば、
2つ以上の単軸ひずみゲージが一体化され2以上の方向
のひずみを1つのゲージで検出し得るいわゆる「多軸ゲ
ージ」又は「組み合わせゲージ」を第1位置P1等に貼
り付けるように構成してもよい。また、「多軸ゲージ」
又は「組み合わせゲージ」においては、交差角度は、9
0°(直角)以外でもよく、任意の交差角度のものが使
用可能である。
【0141】また、第1位置P1等において、各ゲージ
がレール長手方向Lに対してなす傾斜角度についても、
45°以外の適宜の角度とすることが可能である。要
は、基本ひずみゲージAは、第1位置P1においてレー
ル長手方向Lに対して斜交する方向であるA方向に設置
され、A方向のレール表面ひずみを計測するひずみゲー
ジであればよい。また、基本ひずみゲージDは、第1位
置P1においてレール長手方向Lに対して斜交する方向
であるD方向に設置され、D方向のレール表面ひずみを
計測するひずみゲージであればよい。また、基本ひずみ
ゲージCは、第2位置P2においてレール長手方向Lに
対して斜交する方向であるC方向に設置され、C方向の
レール表面ひずみを計測するひずみゲージであればよ
い。また、基本ひずみゲージBは、第2位置P2におい
てレール長手方向Lに対して斜交する方向であるB方向
に設置され、B方向のレール表面ひずみを計測するひず
みゲージであればよい。
【0142】また、基本ひずみゲージEは、第3位置P
3においてレール長手方向Lに対して斜交する方向であ
るE方向に設置され、E方向のレール表面ひずみを計測
するひずみゲージであればよい。また、基本ひずみゲー
ジHは、第3位置P3においてレール長手方向Lに対し
て斜交する方向であるH方向に設置され、H方向のレー
ル表面ひずみを計測するひずみゲージであればよい。ま
た、基本ひずみゲージGは、第4位置P4においてレー
ル長手方向Lに対して斜交する方向であるG方向に設置
され、G方向のレール表面ひずみを計測するひずみゲー
ジであればよい。また、基本ひずみゲージFは、第4位
置P4においてレール長手方向Lに対して斜交する方向
であるF方向に設置され、F方向のレール表面ひずみを
計測するひずみゲージであればよい。
【0143】また、補正用ひずみゲージa(例えばa
1、又はa2)は、第5位置P5においてレール長手方
向Lに対して斜交する方向であるa方向(例えばa1方
向、又はa2方向)に設置され、a方向のレール表面ひ
ずみを計測するひずみゲージであればよい。また、補正
用ひずみゲージd(例えばd1、又はd2)は、第5位
置P5においてレール長手方向Lに対して斜交する方向
であるd方向(例えばd1方向、又はd2方向)に設置
され、d方向のレール表面ひずみを計測するひずみゲー
ジであればよい。また、補正用ひずみゲージc(例えば
c1、又はc2)は、第6位置P6においてレール長手
方向Lに対して斜交する方向であるc方向(例えばc1
方向、又はc2方向)に設置され、c方向のレール表面
ひずみを計測するひずみゲージであればよい。また、補
正用ひずみゲージb(例えばb1、又はb2)は、第6
位置P6においてレール長手方向Lに対して斜交する方
向であるb方向(例えばb1方向、又はb2方向)に設
置され、b方向のレール表面ひずみを計測するひずみゲ
ージであればよい。
【0144】また、補正用ひずみゲージe(例えばe
1、又はe2)は、第7位置P7においてレール長手方
向Lに対して斜交する方向であるe方向(例えばe1方
向、又はe2方向)に設置され、e方向のレール表面ひ
ずみを計測するひずみゲージであればよい。また、補正
用ひずみゲージh(例えばh1、又はh2)は、第7位
置P7においてレール長手方向Lに対して斜交する方向
であるh方向(例えばh1方向、又はh2方向)に設置
され、h方向のレール表面ひずみを計測するひずみゲー
ジであればよい。また、補正用ひずみゲージg(例えば
g1、又はg2)は、第8位置P8においてレール長手
方向Lに対して斜交する方向であるg方向(例えばg1
方向、又はg2方向)に設置され、g方向のレール表面
ひずみを計測するひずみゲージであればよい。また、補
正用ひずみゲージf(例えばf1、又はf2)は、第8
位置P8においてレール長手方向Lに対して斜交する方
向であるf方向(例えばf1方向、又はf2方向)に設
置され、f方向のレール表面ひずみを計測するひずみゲ
ージであればよい。
【0145】また、図5(B)、図5(C)に示す第1
実施形態の応用例においては、補正用ひずみゲージa1
〜h1の貼り付け位置は、レール10の両側の腹部側面
の中立軸上の位置(図1及び図2を参照)としておき、
第1ねじれ比例出力の値と第2ねじれ比例出力の値(極
性が逆の値)が等しくなるように基本ひずみゲージA〜
Hの貼り付け位置を選択することにより、第1ねじれ比
例出力をほぼ除去することができる。しかし、本発明
は、この例には限定されず、他の方法によっても実現可
能である。例えば、基本ひずみゲージA〜Hの貼り付け
位置を所定の位置(図5(B)、図5(C)に示す位置
以外の位置)に指定しておき、この場合の第1ねじれ比
例出力の値と第2ねじれ比例出力の値を数値計算等によ
って求めておく。そして、基本ひずみゲージA〜Hのひ
ずみ検出感度と補正用ひずみゲージa1〜h1のひずみ
検出感度を、第1ねじれ比例出力と第2ねじれ比例出力
の絶対値が等しくなるように、それぞれ異なる適宜の値
に調整しておくことにより、上記と同様の効果(第1ね
じれ比例出力の除去効果)を得ることができる。
【0146】この場合、ひずみ検出感度を変える第1の
方法としては、基本ひずみゲージA〜Hの抵抗値をすべ
てr1とし、補正用ひずみゲージa1〜h1の抵抗値
を、第1ねじれ比例出力と第2ねじれ比例出力の絶対値
が等しくなるように、すべてr2とする方法が挙げられ
る。この第1の方法は、まず、図3に示すホイートスト
ンブリッジ回路31のように、基本ひずみゲージA〜H
と補正用ひずみゲージa1〜h1を組み合わせて1つの
合成ホイートストンブリッジ回路を構成する方法に適用
することができる。さらに、この第1の方法は、基本ひ
ずみゲージA〜Hによるホイートストンブリッジ回路
(例えば92)と、補正用ひずみゲージa1〜h1よる
ホイートストンブリッジ回路(例えば41)の2つのホ
イートストンブリッジ回路を用い、2つのホイートスト
ンブリッジ回路からの出力を用いて第1ねじれ比例出力
を除去する方法にも適用することができる。
【0147】また、ひずみ検出感度を変える第2の方法
としては、基本ひずみゲージA〜Hによるホイートスト
ンブリッジ回路(例えば92)と、補正用ひずみゲージ
a1〜h1によるホイートストンブリッジ回路(例えば
41)の2つのホイートストンブリッジ回路を用い、基
本ひずみゲージA〜Hと補正用ひずみゲージa1〜h1
の抵抗値をすべて等しくr3とするものの、基本ひずみ
ゲージA〜Hによるホイートストンブリッジ回路(例え
ば92)の電源(例えば、図17における21)の電圧
値(例えば、図17におけるEi)と補正用ひずみゲー
ジa1〜h1によるホイートストンブリッジ回路(例え
ば41)の電源(例えば、図4における21)の電圧値
(例えば、図4におけるEi)を、第1ねじれ比例出力
と第2ねじれ比例出力の絶対値が等しくなるように、そ
れぞれ異なる適宜の値に調整しておき、2つのホイート
ストンブリッジ回路からの出力を用いて第1ねじれ比例
出力を除去する、という方法が挙げられる。
【0148】なお、上記した各ひずみゲージのひずみ検
出感度を変える方法は、第2実施形態以下の他の実施形
態の場合にも適宜応用可能である。
【0149】また、上記各実施形態においては、図3、
図4、図7、図8、図10、図11、図12、図17に
示すようにして、各ひずみゲージを用いてホイートスト
ンブリッジ回路31、41、32、42、33、92等
を結線する例について説明したが、本発明はこれらの例
には限定されず、他の構成によって実現してもよい。例
えば、図3、図4、図7、図8、図10〜12、図17
における各ホイートストンブリッジ回路のひずみゲージ
とひずみゲージの間の結線部分(例えば、図17におけ
る第1ひずみ検出部61dにおける符号83、84、8
5、86の部分を参照。他の第2〜第4ひずみ検出部6
2d〜64dにおける結線部分も同様。)を、あらかじ
めプリント基板等によって一体的に作製した基板(以
下、「ホイートストンブリッジ回路結線部分基板」とい
う。)を用意しておき、各ひずみゲージからのリード線
を接続するための端子を上記のホイートストンブリッジ
回路結線部分基板に設けておき、各ひずみゲージからの
リード線をこのホイートストンブリッジ回路結線部分基
板の所定の端子に接続するだけで所要のホイートストン
ブリッジ回路31、41、32、42、33、92等が
形成されるようにしておいてもよい。このようにすれ
ば、レール横方向水平力Qを実際の鉄道の線路で計測す
る場合に手間がかからず便利であるとともに、結線ミス
を防止することができる。
【0150】また、上記のホイートストンブリッジ回路
結線部分基板を用いる場合には、ひずみゲージの側も、
1つの位置(例えば第1位置P1等)に2つの単軸ゲー
ジを貼り付けるのではなく、1つの位置(例えば第1位
置P1等)に組み合わせゲージ(例えば、2つの単軸ゲ
ージの機能を互いに直交する+字状に一体化した、いわ
ゆる「クロスゲージ」など)を貼り付けるようにしてお
けば、軌道現場での計測はさらに簡易かつ確実となる。
【0151】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
8個の基本ひずみゲージからの第1出力のほか、8個の
補正用ひずみゲージからの第2出力を利用するため、第
1出力に含まれるねじれモーメントTに比例する第1ね
じれ比例出力を減少させることができ、レール横方向水
平力Qに比例する出力の誤差を減少させることができ
る、という利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるレール横方向水平
力検出方法におけるひずみゲージ貼り付け位置を示す図
である。
【図2】図1のひずみゲージ貼り付け位置のさらに詳細
な関係を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態であるレール横方向水平
力検出方法におけるホイートストンブリッジ回路の各ひ
ずみゲージの結線パターンの構成を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態であるレール横方向水平
力検出方法におけるねじれ補償出力を得るためのホイー
トストンブリッジ回路の各ひずみゲージの結線パターン
の構成を示す図である。
【図5】ねじれ比例出力をほぼ除去するためのひずみゲ
ージ貼り付け位置を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態であるレール横方向水平
力検出方法におけるひずみゲージ貼り付け位置を示す図
である。
【図7】本発明の第2実施形態であるレール横方向水平
力検出方法におけるホイートストンブリッジ回路の各ひ
ずみゲージの結線パターンの構成を示す図である。
【図8】本発明の第2実施形態であるレール横方向水平
力検出方法におけるねじれ補償出力を得るためのホイー
トストンブリッジ回路の各ひずみゲージの結線パターン
の構成を示す図である。
【図9】本発明の他の実施形態のレール横方向水平力検
出方法におけるひずみゲージ貼り付け位置を説明する図
である。
【図10】本発明の他の実施形態のレール横方向水平力
検出方法におけるホイートストンブリッジ回路の各ひず
みゲージの結線パターンの構成を示す図である。
【図11】本発明の他の実施形態のレール横方向水平力
検出方法におけるホイートストンブリッジ回路の各ひず
み検出部の結線パターンの構成を示す図である。
【図12】本発明の他の実施形態のレール横方向水平力
検出方法におけるねじれ補償出力を得るためのホイート
ストンブリッジ回路の各ひずみゲージの結線パターンの
構成を示す図である。
【図13】鉄道のレールに作用する力を説明する図であ
る。
【図14】従来のレール横方向水平力検出方法における
ひずみゲージ貼り付け位置を示す図である。
【図15】図14におけるひずみゲージの配置位置及び
構成の詳細図である。
【図16】ホイートストンブリッジ回路の構成を示す図
である。
【図17】従来のレール横方向水平力検出方法における
ホイートストンブリッジ回路の各ひずみゲージの結線パ
ターンの構成を示す図である。
【符号の説明】
10 レール 11 頭部 11a 頭頂面 11bL 軌間内側の頭部側面 11bR 軌間外側の頭部側面 11cL 軌間内側の頭部下面 11cR 軌間外側の頭部下面 11d 頭部中央線 12 腹部 12aL 軌間内側の腹部上首面 12aR 軌間外側の腹部上首面 12bL 軌間内側の腹部側面 12bR 軌間外側の腹部側面 12cL 軌間内側の腹部下首面 12cR 軌間外側の腹部下首面 12dL 軌間内側の中立軸 12dR 軌間外側の中立軸 13 底部 13aL 軌間内側の底部上面 13aR 軌間外側の底部上面 13bL 軌間内側の底部側面 13bR 軌間外側の底部側面 13cL 軌間内側の底部下面 13cR 軌間外側の底部下面 13d 底部中央線 14 レール中央対称面 21 電源 31〜33 ホイートストンブリッジ回路 41〜43 ホイートストンブリッジ回路 50〜55 ゲージ貼り付け位置 61a〜61d 第1ひずみ検出部 62a〜62d 第2ひずみ検出部 63a〜63d 第3ひずみ検出部 64a〜64d 第4ひずみ検出部 71a〜71c 第1ひずみ検出部 72a〜72c 第2ひずみ検出部 73a〜73c 第3ひずみ検出部 74a〜74c 第4ひずみ検出部 81 ゲージベース 82 抵抗部 83〜86 リード線 91、92 ホイートストンブリッジ回路 A〜H 基本ひずみゲージ a1〜h1、a2〜h2 補正用ひずみゲージ L レール長手方向 LG ゲージ長 P レール垂直力 PL レール横方向水平力の載荷位置 P1 第1位置 P2 第2位置 P3 第3位置 P4 第4位置 P5 第5位置 P6 第6位置 P7 第7位置 P8 第8位置 Q レール横方向水平力 T ねじれモーメント t1〜t5 接続点 w1、w2 レール底部の端部からの距離 δ1 第1距離 τ せん断応力
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀池 高広 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 若月 修 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 三浦 重 東京都豊島区駒込1丁目35番地1号田村ビ ル 株式会社日本線路技術内 (72)発明者 小林 恵一 東京都豊島区駒込1丁目35番地1号田村ビ ル 株式会社日本線路技術内 Fターム(参考) 2F051 AA02 AB09 DA01 DA02 DB01

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レールの側面の位置である載荷位置(P
    L)においてレール長手方向(L)に直角でかつ水平に
    作用する力であるレール横方向水平力(Q)を検出する
    方法であって、 前記レールの表面の位置であるとともに、前記レール長
    手方向(L)の座標位置が前記載荷位置(PL)から前
    記レール長手方向(L)に第1距離(δ1)だけ離れた
    位置である第1位置(P1)において前記レール長手方
    向(L)に対して斜交する方向であるA方向のレール表
    面ひずみを計測する基本ひずみゲージ(A)と、 前記第1位置(P1)において前記A方向に対して斜交
    する方向であるD方向のレール表面ひずみを計測する基
    本ひずみゲージ(D)と、 前記レールの表面の位置であり、前記レール長手方向
    (L)の座標位置が前記載荷位置(PL)から前記第1
    位置(P1)とは反対方向に第2距離(δ2)だけ離れ
    た位置であり、かつ前記レールの下端からの高さが前記
    第1位置(P1)と等しい位置である第2位置(P2)
    において前記レール長手方向(L)に対して斜交する方
    向であるC方向のレール表面ひずみを計測する基本ひず
    みゲージ(C)と、 前記第2位置(P2)において前記C方向に対して斜交
    する方向であるB方向のレール表面ひずみを計測する基
    本ひずみゲージ(B)と、 前記レールの表面の位置であり、前記レールの頭部中央
    線(11d)と底部中央線(13d)を結ぶ平面である
    レール中央対称面(14)に関して前記第1位置(P
    1)と対称となる位置である第3位置(P3)において
    前記レール長手方向(L)に対して斜交する方向である
    E方向のレール表面ひずみを計測する基本ひずみゲージ
    (E)と、 前記第3位置(P3)において前記E方向に対して斜交
    する方向であるH方向のレール表面ひずみを計測する基
    本ひずみゲージ(H)と、 前記レールの表面の位置であり、前記レール中央対称面
    (14)に関して前記第2位置(P2)と対称となる位
    置である第4位置(P4)において前記レール長手方向
    (L)に対して斜交する方向であるG方向のレール表面
    ひずみを計測する基本ひずみゲージ(G)と、 前記第4位置(P4)において前記G方向に対して斜交
    する方向であるF方向のレール表面ひずみを計測する基
    本ひずみゲージ(F)を用いて、 前記レール横方向水平力(Q)に比例する出力である第
    1横力比例出力に、前記レール横方向水平力(Q)によ
    り前記レールに作用するねじれモーメント(T)に比例
    する出力である第1ねじれ比例出力が付加された出力で
    ある第1出力を測定し、 前記第1位置(P1)とは異なる前記レールの表面の位
    置であるとともに、前記レール中央対称面(14)に関
    して前記第1位置(P1)と同一の側にあり、前記レー
    ル長手方向(L)の座標位置が前記載荷位置(PL)か
    ら前記第1距離(δ1)と同じ方向に第3距離(δ3)
    だけ離れた位置となる第5位置(P5)において前記レ
    ール長手方向(L)に対して斜交する方向であるa方向
    のレール表面ひずみを計測する補正用ひずみゲージ
    (a)と、 前記第5位置(P5)において前記a方向に対して斜交
    する方向であるd方向のレール表面ひずみを計測する補
    正用ひずみゲージ(d)と、 前記レールの表面の位置であり、前記レール長手方向
    (L)の座標位置が前記載荷位置(PL)から前記第5
    位置(P5)とは反対方向に前記第4距離(δ4)だけ
    離れた位置であり、かつ前記レールの下端からの高さが
    前記第5位置(P5)と等しい位置である第6位置(P
    6)において前記レール長手方向(L)に対して斜交す
    る方向であるc方向のレール表面ひずみを計測する補正
    用ひずみゲージ(c)と、 前記第6位置(P6)において前記c方向に対して斜交
    する方向であるb方向のレール表面ひずみを計測する補
    正用ひずみゲージ(b)と、 前記レールの表面の位置であり、前記レール中央対称面
    (14)に関して前記第5位置(P5)と対称となる位
    置である第7位置(P7)において前記レール長手方向
    (L)に対して斜交する方向であるe方向のレール表面
    ひずみを計測する補正用ひずみゲージ(e)と、 前記第7位置(P7)において前記e方向に対して斜交
    する方向であるh方向のレール表面ひずみを計測する補
    正用ひずみゲージ(h)と、 前記レールの表面の位置であり、前記レール中央対称面
    (14)に関して前記第6位置(P6)と対称となる位
    置である第8位置(P8)において前記レール長手方向
    (L)に対して斜交する方向であるg方向のレール表面
    ひずみを計測する補正用ひずみゲージ(g)と、 前記第8位置(P8)において前記g方向に対して斜交
    する方向であるf方向のレール表面ひずみを計測する補
    正用ひずみゲージ(f)を用い、 前記レール横方向水平力(Q)に比例する出力である第
    2横力比例出力に、前記ねじれモーメント(T)に比例
    する出力である第2ねじれ比例出力が付加された出力で
    ある第2出力を測定し、 前記第2出力を用いることにより、前記第1出力に含ま
    れる前記第1ねじれ比例出力を減少させることを特徴と
    するレール横方向水平力検出方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のレール横方向水平力検出
    方法において、 前記レールの底面の中央を通り前記レールの長手方向
    (L)に平行な直線をx軸とし、前記載荷位置(PL)
    の前記x軸への投影位置を空間座標の原点とし、前記レ
    ールの底面上に位置し前記x軸に直角な直線をy軸と
    し、前記レール中央対称面(14)上に位置し前記x軸
    に直角な直線をz軸とし、δ1、δ2、δ3、δ4、
    q、r、s、tを実数としたとき、 δ1=δ2=δ3=δ4であり、 前記第1位置(P1)は、空間座標(δ1,q,r)で
    表され、 前記第2位置(P2)は、空間座標(−δ1,q,r)
    で表され、 前記第3位置(P3)は、空間座標(δ1,−q,r)
    で表され、 前記第4位置(P4)は、空間座標(−δ1,−q,
    r)で表され、 前記第5位置(P5)は、空間座標(δ1,s,t)で
    表され、 前記第6位置(P6)は、空間座標(−δ1,s,t)
    で表され、 前記第7位置(P7)は、空間座標(δ1,−s,t)
    で表され、 前記第8位置(P8)は、空間座標(−δ1,−s,
    t)で表されることを特徴とするレール横方向水平力検
    出方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のレール横方向水平力検出
    方法において、 前記A方向及び前記C方向は、前記レールの第1面上で
    前記レール長手方向(L)に対して第1の側に角度45
    度だけ傾斜した方向であり、前記D方向及び前記B方向
    は、前記第1面上で前記A方向及び前記C方向に対し直
    角な方向であり、 前記E方向及び前記G方向は、前記レール中央対称面
    (14)に関して前記第1面と対称となる第2面上で前
    記レール長手方向(L)に対して前記第1の側に角度4
    5度だけ傾斜した方向であり、前記H方向及び前記F方
    向は、前記第2面上で前記E方向及び前記G方向に対し
    直角な方向であり、 前記a方向及び前記c方向は、前記レールの第3面上で
    前記レール長手方向(L)に対して第2の側に角度45
    度だけ傾斜した方向であり、前記d方向及び前記b方向
    は、前記第3面上で前記a方向及び前記c方向に対し直
    角な方向であり、 前記e方向及び前記g方向は、前記レール中央対称面
    (14)に関して前記第3面と対称となる第4面上で前
    記レール長手方向(L)に対して前記第2の側に角度4
    5度だけ傾斜した方向であり、前記h方向及び前記f方
    向は、前記第4面上で前記e方向及び前記g方向に対し
    直角な方向であることを特徴とするレール横方向水平力
    検出方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のレール横方向水平力検出
    方法において、 前記基本ひずみゲージ(A)と前記基本ひずみゲージ
    (B)を直列に接続して第1ひずみ検出部(61d)を
    構成し、 前記基本ひずみゲージ(C)と前記基本ひずみゲージ
    (D)を直列に接続して第2ひずみ検出部(62d)を
    構成し、 前記基本ひずみゲージ(E)と前記基本ひずみゲージ
    (F)を直列に接続して第3ひずみ検出部(63d)を
    構成し、 前記基本ひずみゲージ(G)と前記基本ひずみゲージ
    (H)を直列に接続して第4ひずみ検出部(64d)を
    構成し、 前記第1ひずみ検出部(64d)と前記第2ひずみ検出
    部(62d)と前記第3ひずみ検出部(63d)と前記
    第4ひずみ検出部(64d)の端部を時計回り方向又は
    反時計回り方向に順次接続して環状に閉じた第1ブリッ
    ジ回路を構成し、 前記補正用ひずみゲージ(a)と前記補正用ひずみゲー
    ジ(b)と前記補正用ひずみゲージ(c)と前記補正用
    ひずみゲージ(d)と前記補正用ひずみゲージ(e)と
    前記補正用ひずみゲージ(f)と前記補正用ひずみゲー
    ジ(g)と前記補正用ひずみゲージ(h)のうちの各2
    個が、前記第1ひずみ検出部(61d)又は前記第2ひ
    ずみ検出部(62d)又は前記第3ひずみ検出部(63
    d)又は前記第4ひずみ検出部(64d)の中に直列に
    接続されるように結線されることを特徴とするレール横
    方向水平力検出方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のレール横方向水平力検出
    方法において、 前記第1位置(P1)及び前記第2位置(P2)は、前
    記レールの底部の上面であって前記レール中央対称面
    (14)に関して同一の側となる位置に配置され、 前記第3位置(P3)及び前記第4位置(P4)は、前
    記レールの底部の上面であって前記レール中央対称面
    (14)に関して前記第1位置(P1)及び前記第2位
    置(P2)とは異なる側となる位置に配置され、 前記第5位置(P5)及び前記第6位置(P6)は、前
    記レールの腹部の側面の中立軸(12dR)上の位置で
    あって前記レール中央対称面(14)に関して前記第1
    位置(P1)及び前記第2位置(P2)と同一の側とな
    る位置に配置され、 前記第7位置(P7)及び前記第8位置(P8)は、前
    記レールの腹部の側面の中立軸(12dL)上の位置で
    あって前記レール中央対称面(14)に関して前記第5
    位置(P5)及び前記第6位置(P6)とは異なる側と
    なる位置に配置されることを特徴とするレール横方向水
    平力検出方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のレール横方向水平力検出
    方法において、 補正用ひずみゲージ(c1)と補正用ひずみゲージ(d
    1)が前記第1ひずみ検出部(61d)の適宜箇所に直
    列に接続されるように結線され、 補正用ひずみゲージ(a1)と補正用ひずみゲージ(b
    1)が前記第2ひずみ検出部(62d)の適宜箇所に直
    列に接続されるように結線され、 補正用ひずみゲージ(g1)と補正用ひずみゲージ(h
    1)が前記第3ひずみ検出部(63d)の適宜箇所に直
    列に接続されるように結線され、 補正用ひずみゲージ(e1)と補正用ひずみゲージ(f
    1)が前記第4ひずみ検出部(64d)の適宜箇所に直
    列に接続されるように結線されることを特徴とするレー
    ル横方向水平力検出方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のレール横方向水平力検出
    方法において、 前記第5位置(P5)及び前記第6位置(P6)及び前
    記第7位置(P7)及び前記第8位置(P8)は、その
    位置における前記第2ねじれ比例出力が、前記第1位置
    (P1)及び前記第2位置(P2)及び前記第3位置
    (P3)及び前記第4位置(P4)における前記第1ね
    じれ比例出力とほぼ等しくなる位置に配置され、前記第
    1出力に含まれる前記第1ねじれ比例出力がほぼ除去さ
    れるように結線されることを特徴とするレール横方向水
    平力検出方法。
  8. 【請求項8】 請求項4記載のレール横方向水平力検出
    方法において、 前記第1位置(P1)及び前記第2位置(P2)は、前
    記レールの底部の上面であって前記レール中央対称面
    (14)に関して同一の側となる位置に配置され、 前記第3位置(P3)及び前記第4位置(P4)は、前
    記レールの底部の上面であって前記レール中央対称面
    (14)に関して前記第1位置(P1)及び前記第2位
    置(P2)とは異なる側となる位置に配置され、 前記第5位置(P5)は、前記レールの底部の下面であ
    って前記第1位置(P1)の直下となる位置に配置さ
    れ、 前記第6位置(P6)は、前記レールの底部の下面であ
    って前記第2位置(P2)の直下となる位置に配置さ
    れ、 前記第7位置(P7)は、前記レールの底部の下面であ
    って前記第3位置(P3)の直下となる位置に配置さ
    れ、 前記第8位置(P8)は、前記レールの底部の下面であ
    って前記第4位置(P4)の直下となる位置に配置され
    ることを特徴とするレール横方向水平力検出方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のレール横方向水平力検出
    方法において、 補正用ひずみゲージ(c2)と補正用ひずみゲージ(d
    2)が前記第1ひずみ検出部(61d)の適宜箇所に直
    列に接続されるように結線され、 補正用ひずみゲージ(a2)と補正用ひずみゲージ(b
    2)が前記第2ひずみ検出部(62d)の適宜箇所に直
    列に接続されるように結線され、 補正用ひずみゲージ(g2)と補正用ひずみゲージ(h
    2)が前記第3ひずみ検出部(63d)の適宜箇所に直
    列に接続されるように結線され、 補正用ひずみゲージ(e2)と補正用ひずみゲージ(f
    2)が前記第4ひずみ検出部(64d)の適宜箇所に直
    列に接続されるように結線され、 前記第1出力に含まれる前記第1ねじれ比例出力がほぼ
    除去されるように結線されることを特徴とするレール横
    方向水平力検出方法。
  10. 【請求項10】 請求項1記載のレール横方向水平力検
    出方法において、 前記第2ねじれ比例出力に乗算した場合に前記第1ねじ
    れ比例出力と等しくなる乗算係数を解析で求め、前記第
    2出力に前記乗算係数を乗じる演算を行い、乗算後の第
    2出力を前記第1出力から減じて差を求める演算を行う
    ことにより、前記第1ねじれ比例出力を除去し、前記レ
    ール横方向水平力に比例する出力のみを抽出することを
    特徴とするレール横方向水平力検出方法。
  11. 【請求項11】 請求項3記載のレール横方向水平力検
    出方法において、 前記第1位置(P1)及び前記第2位置(P2)は、前
    記レールの底部の上面であって前記レール中央対称面
    (14)に関して同一の側となる位置に配置され、 前記第3位置(P3)及び前記第4位置(P4)は、前
    記レールの底部の上面であって前記レール中央対称面
    (14)に関して前記第1位置(P1)及び前記第2位
    置(P2)とは異なる側となる位置に配置され、 前記第5位置(P5)及び前記第6位置(P6)は、前
    記レールの腹部の側面の中立軸(12dR)上の位置で
    あって前記レール中央対称面(14)に関して前記第1
    位置(P1)及び前記第2位置(P2)と同一の側とな
    る位置に配置され、 前記第7位置(P7)及び前記第8位置(P8)は、前
    記レールの腹部の側面の中立軸(12dL)上の位置で
    あって前記レール中央対称面(14)に関して前記第5
    位置(P5)及び前記第6位置(P6)とは異なる側と
    なる位置に配置され、 前記第5位置(P5)及び前記第6位置(P6)及び前
    記第7位置(P7)及び前記第8位置(P8)は、その
    位置における前記第2ねじれ比例出力が、前記第1位置
    (P1)及び前記第2位置(P2)及び前記第3位置
    (P3)及び前記第4位置(P4)における前記第1ね
    じれ比例出力とほぼ等しくなる位置に配置され、 前記第1出力と第2出力との差を求める演算を行うこと
    により、前記第1出力に含まれる前記第1ねじれ比例出
    力を除去し、前記レール横方向水平力に比例する出力の
    みを抽出することを特徴とするレール横方向水平力検出
    方法。
  12. 【請求項12】 請求項3記載のレール横方向水平力検
    出方法において、 前記第1位置(P1)及び前記第2位置(P2)は、前
    記レールの底部の上面であって前記レール中央対称面
    (14)に関して同一の側となる位置に配置され、 前記第3位置(P3)及び前記第4位置(P4)は、前
    記レールの底部の上面であって前記レール中央対称面
    (14)に関して前記第1位置(P1)及び前記第2位
    置(P2)とは異なる側となる位置に配置され、 前記第5位置(P5)は、前記レールの底部の下面であ
    って前記第1位置(P1)の直下となる位置に配置さ
    れ、 前記第6位置(P6)は、前記レールの底部の下面であ
    って前記第2位置(P2)の直下となる位置に配置さ
    れ、 前記第7位置(P7)は、前記レールの底部の下面であ
    って前記第3位置(P3)の直下となる位置に配置さ
    れ、 前記第8位置(P8)は、前記レールの底部の下面であ
    って前記第4位置(P4)の直下となる位置に配置さ
    れ、 前記第1出力と第2出力との差を求める演算を行うこと
    により、前記第1出力に含まれる前記第1ねじれ比例出
    力を除去し、前記レール横方向水平力に比例する出力の
    みを抽出することを特徴とするレール横方向水平力検出
    方法。
  13. 【請求項13】 請求項1記載のレール横方向水平力検
    出方法において、 前記第1位置ないしは第8位置の各位置における2つの
    ひずみゲージには、2個の単軸ひずみゲージ、又は複数
    のひずみゲージを一体化した組み合わせゲージが適宜用
    いられることを特徴とするレール横方向水平力検出方
    法。
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