JP2002021067A - 鋼管埋設杭 - Google Patents

鋼管埋設杭

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JP2002021067A JP2000211284A JP2000211284A JP2002021067A JP 2002021067 A JP2002021067 A JP 2002021067A JP 2000211284 A JP2000211284 A JP 2000211284A JP 2000211284 A JP2000211284 A JP 2000211284A JP 2002021067 A JP2002021067 A JP 2002021067A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】鋼管埋設杭を回転させて地中に埋設する際、バ
ランスよく掘削して施工精度を向上させるとともに地中
に強固に支持させ、地質に適した掘削羽根を用いて施工
量を増大させること。 【解決手段】鋼管埋設杭1は、下端部に開口部を有する
杭本体2と、杭本体2の先端部に形成される一対の掘削
刃3と、を有して構成している。各掘削刃3は、螺旋状
に形成された杭推進羽根4と杭推進羽根4の先端に固着
された掘削羽根5とを有し、杭本体2に対して対称位置
に形成されている。一対の掘削羽根5、5は、他端に管
閉塞壁52を装着した胴体部51の一端に固着して掘削
羽根体50として形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、特に軟弱地盤に
構造物を建築する際に基礎工事で使用される鋼管埋設杭
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、軟弱地盤に構造物を建築する場
合の基礎工事は、構造物を支え難いために杭打ちを行な
い、下層の堅固な地層に加重を伝達するようにしてい
る。杭打ちは、長尺状の杭を構造物に合わせて複数本地
中に埋設して行なわれる。杭を地中に埋設する方法とし
ては、杭を杭打機で叩いて圧入したり、筒状の杭を回転
させて埋設したりする。杭としては一般的に木材または
コンクリートあるいは鋼材が使用されているが、最近に
おいては主に軽量で強度を有する鋼管が使用されること
が多くなってきた。鋼管を埋設する場合には、特に、現
場近隣の環境に対して静音化や無振動化等を図るため
に、鋼管の外周面に螺旋状の羽根を形成し、施工機械に
支持された鋼管自体を回転させながら地中内に直接埋設
する方法が採用されている。この鋼管は一般的に鋼管埋
設杭と呼ばれる。この場合、鋼管埋設杭の先端部には掘
削された土が内部に侵入しないように蓋が取付けられて
いた。
【0003】従来、鋼管埋設杭11は、図10に示すよ
うに、パイプ状に形成された杭本体12の先端に閉塞蓋
13を介して先細り状の掘削刃14が形成され、先端部
外周面に掘削爪15が2か所形成されるとともに、掘削
爪15の元部から杭11の元部側に沿って螺旋状の杭先
端羽根16が形成されている。そして、鋼管埋設杭11
を回転させると掘削爪15と掘削刃14によって土を掘
削しながら、杭先端羽根16によって地中内を斜めに削
りながら埋設されていく。この方法においては、前述の
ように施工時振動が著しく少なくまた騒音も極めて少な
い。さらに狭い場所での深層支持杭の施工が可能である
とともに、施工時における排土がなく現場をきれいに保
つことができる。しかも鋼管は軽量のため持ち運びも便
利という利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、杭を埋設する
場合に重要なことの一つには、埋設されるすべての杭の
鉛直度を精度よく保たなければならないことにある。そ
のためには、埋設される鋼管埋設杭が地中に強固に支持
されていなければならなかった。特に、回転して埋設す
る場合に小さな障害物によって芯ずれを起こしやすいの
で、施工時には特に注意を要しなければならず、従来の
鋼管埋設杭11では、掘削爪刃14が杭の軸心に対して
2枚対向する位置に配置されているものの、杭先端羽根
16が1枚であるため、杭11が回転し始める際に慣性
力でその杭心をずらしたまま掘削したり、掘削中に障害
物に干渉して偏心したり、あるいは掘削したときの土が
羽根の裏に貼着され回転力の反対に反力が発生して偏心
したりして心ずれを起こしやすかった。その結果、埋設
する鋼管埋設杭11が支柱に強固に支持されず傾き施工
精度を低下させやすかった。しかも、従来の鋼管埋設杭
は、掘削爪15が多種類に設定されていないことから、
多種の地質に対応できなかった。
【0005】また、埋設された鋼管埋設杭は、地中から
杭を引き抜きしにくいように、埋設された鋼管埋設杭に
摩擦力を付与して強固に地中に支持する必要があるとと
もに、垂直方向の急激な振動(例えば、直下型の地震)
に対して基礎を保護するために免震可能に構成されてい
ることが必要であった。
【0006】従来の鋼管埋設杭11は、杭先端羽根16
が1枚で杭本体12から垂直方向に延設されていること
から、地中から杭を引き抜きやすく、垂直方向の振動を
吸収することができなかった。
【0007】この発明は、上述の課題を解決するもので
あり、回転して埋設する際に、埋設された鋼管埋設杭を
強固に地中に支持することによって、心ずれを起こすこ
となくバランスよく掘削ができ、しかも、垂直方向の急
激な振動を吸収することができて容易な構成で多種の地
質に対応できるように構成された鋼管埋設杭を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明にかかわる鋼管
埋設杭では、上記の課題を解決するために以下のように
構成するものである。即ち、円環状に形成されて下端部
が開口された杭本体と、前記杭本体の先端部に土を掘削
する掘削刃と、を有して地中に埋設される鋼管埋設杭で
あって、前記掘削刃が、前記杭本体の軸心に対して対称
位置に一対形成され、各掘削刃が、前記杭本体の外周面
に形成された螺旋状の杭推進羽根と、前記杭推進羽根の
先端に連接して配置されるとともに前記杭本体の先端面
より突出して形成された掘削羽根と、を有して形成さ
れ、前記掘削羽根に、前記杭本体内に配置される管閉塞
部が配設されていることを特徴とするものである。
【0009】また、前記掘削羽根と前記管閉塞部とは、
間に胴体部を配設して掘削羽根体を形成し、前記掘削羽
根体が、前記杭本体と別体で形成された後、前記管閉塞
部が、前記杭本体内の前記中間部位に配置されるととも
に、前記掘削羽根が前記杭推進羽根の先端に連接されて
前記掘削刃が構成されていることが望ましい。
【0010】また好ましくは、前記管閉塞部の外周面の
一部あるいは全部が、前記杭本体の内周面に固着されて
いればよい。
【0011】さらに、前記管閉塞部に、前記杭本体内に
挿通されるソイルセメント供給管の噴射ノズル用挿入口
が形成されていてもよい。
【0012】
【発明の効果】本発明の鋼管埋設杭は、回転された鋼管
埋設杭が土を掘削する際、螺旋状に形成された一対の杭
推進羽根は、土を斜め方向に削り鋼管埋設杭を地中に埋
設する推進力を発揮させて鋼管埋設杭を進行させる。ま
た、杭推進羽根に先端で連接された一対の掘削羽根は、
杭本体の回転により杭本体の先端で土を掘削することに
なる。対称位置に配置された一対の杭推進羽根は、土を
斜め方向に削ることから、バランスよく杭本体を推進さ
せるとともに排土を出さず、また、杭推進羽根に連接さ
れた一対の掘削羽根は、杭推進羽根との連接部位が杭本
体より大きな外径で形成されていることから、掘削する
際に、掘削した土を杭本体内に侵入させにくく、さらに
杭本体内に配置された管閉塞部により、土の他、地中内
の水やヘドロを杭本体内に侵入させない。従って、杭本
体内を空洞化させて杭本体周辺の土の圧密度を高めるこ
とによって、埋設された鋼管埋設杭を強固に支持でき
る。
【0013】しかも、掘削羽根の外側面が、杭推進羽根
の外側面から内方に向かって一対形成されていることか
ら、対称位置にある一対の掘削羽根は回転バランスを取
りながら地中内に侵入することができ、例え障害物があ
っても偏心することなく進むことができる。そのため、
鋼管埋設杭は鉛直度を保ちながら埋設される。
【0014】さらに、対称位置にある杭推進羽根の先端
から延設された掘削羽根は、杭本体の下方で両側に開く
ように配置されることから、垂直方向の急激な振動(例
えば、直下型地震)に対してばね作用を有することとな
り、免震効果を得ることができる。従って、掘削羽根の
免震効果により基礎を保護することが可能となる。
【0015】また、この鋼管埋設杭は、杭推進羽根に連
接される掘削羽根体が、杭本体と別体で製作できること
から、部品点数を少なくして管理を容易にできるととも
に、地質に適する掘削羽根を適宜選定して現地作業で鋼
管埋設杭を製作することもできる。
【0016】さらに、管閉塞部の外周面が、杭本体の内
周面に、一部または全部を固着していれば、埋設された
杭本体の強度を向上することができる。
【0017】また、上記のように構成された鋼管埋設杭
を地中に埋設した後、筒状の杭本体内に、ソイルセメン
ト球根を構築させる場合、管閉塞部に形成された挿入口
により、ソイルセメントの噴射ノズルを挿通させること
ができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施の形態を
図面に基づいて説明する。
【0019】本形態の鋼管埋設杭(以下、埋設杭とい
う)1は、図1〜3に示すように、先端面2aに開口部
2bを有する円筒状の杭本体2と、杭本体2の先端部に
形成される一対の掘削刃3と、を有して構成されてい
る。一対の掘削刃3は、杭本体2の軸心に対して相対す
る位置に形成され、それぞれ杭推進羽根4と、杭推進羽
根4と一体的に固着される掘削羽根5と、を有して形成
され、さらに、杭本体2の元部には埋設杭1を回転する
ための回転機に係合する係合突起部6が形成されてい
る。
【0020】杭推進羽根4は、杭本体2の外径の約2倍
程の大きさで形成されるとともに杭本体2の先端部外周
面に沿って杭本体2の先端面2aに対して約10°前後
の傾斜角度α1を有して杭本体2の約半周分を螺旋状に
形成されるように配置されている。なお、杭推進羽根4
の長さは特に限定するものではなく、杭本体2の半周以
上、あるいは半周以下に形成されていてもよい。
【0021】各杭推進羽根4、4の先端部に固着される
それぞれの掘削羽根5、5は、本形態においては、図2
または図4に示すように、矩形状に形成された1枚の胴
体部51の一端に連接されて一体的に形成された掘削羽
根体50として杭本体2に固着されている。胴体部51
は筒状の杭本体2の内径と略同一寸法の幅を有して杭本
体2内に挿入されて杭本体2に溶着され、各掘削羽根
5、5はお互いに相対する方向に向かって胴体部51か
ら所定角度を有して屈折するように形成されるととも
に、図3中、各掘削羽根5、5は、上面5a、5aの幅
寸法がそれぞれ杭推進羽根4、4の幅寸法と略同一に形
成され、上面5a、5aから下面5b、5bに向かって
軸心側に傾斜する傾斜面5c、5cを有して形成されて
いる。従って、各掘削羽根5、5は台形状に形成され
る。
【0022】一端に掘削羽根5、5が固着された胴体部
51の他端には、管閉塞壁52が固着されている。管閉
塞壁52は、杭本体2内に挿入して、掘削羽根5によっ
て掘削された土、または水あるいはヘドロ等を杭本体2
内に侵入するのを防止するために、杭本体2内を覆うよ
うに、胴体部51に対して直交するように形成されてい
る。
【0023】掘削羽根5が胴体部51と一体的に形成さ
れた掘削羽根体50は強度を有するために、掘削する際
に破損するおそれがなく使用でき、また、2枚の掘削羽
根5、5を1個の部品として扱えるので部品管理を容易
にすることができる。
【0024】さらに、掘削羽根5の、胴体部51からの
屈折角度(杭本体2に固着した場合には杭本体2の先端
面2aに対する角度)α2は、掘削抵抗を小さくして掘
削しやすくするために前述の杭推進羽根の傾斜角度α1
より大きく設定されることが望ましく、また、地質の種
類によって各種の角度に設定される。例えば、砂質の場
合には約15〜20°ぐらいが適当であり、粘土質の場
合では約20〜25°、固結シルトの場合では約25〜
30°が適当である。従って、地質が軟弱であればある
ほど屈折角度を小さく形成すればよい。
【0025】掘削羽根体50の胴体部51を杭本体2に
溶着する際、図4中に示す掘削羽根体50を、各掘削羽
根5、5の上面5a、5aを杭推進羽根4、4の先端部
に連接するように合わせて胴体部51を杭本体2の下端
部に形成された開口部2b内に挿入して溶着する。これ
によって、杭推進羽根4と掘削羽根5とが一体的に形成
され掘削刃3を構成することになる。
【0026】この際、杭推進羽根4の杭本体2の先端面
2aに対する傾斜角度α1は前述のように約10°前後
であるため、掘削羽根5は杭推進羽根4の延長線上に対
して、図1中、下方に傾斜するように形成される。さら
に、杭推進羽根4の外径と略同一径の下面5aを有する
掘削羽根5が、杭本体2の先端面2aより前方に突出さ
れた位置で土を掘削するため、掘削された土は杭本体2
の開口部2b内に侵入しにくくなる。
【0027】管閉塞壁52は、図2に示すように、杭本
体2内において推進羽根4、4の上端部とほぼ同一高さ
かあるいはそれより上方に位置するように配置され、杭
本体2の内周面に隙間を有して配置されていてもよく、
あるいは管閉塞壁52の外周面の一部あるいは全部が、
杭本体2の内周面に固着するように配置されていてもよ
い。杭本体2の内周面に一部または全部が固着されてい
れば、埋設された杭本体2の強度を向上させることがで
きる。従って、管閉塞壁52の配置によって、土はさら
に杭本体2内に侵入しにくくなり、また土の他、水やヘ
ドロも杭本体2内に侵入されにくくなる。これによっ
て、杭本体2内は空洞化ができて、杭本体2周辺の土の
圧密度が向上して杭本体を強固に支持することができ
る。
【0028】なお、管閉塞壁52は、杭本体2内の空間
部を1か所でほぼ塞ぐものであればその形状は限定され
るものではなく、図5に示すように丸板状の管閉塞壁5
2Aでもよく、また、図6に示すように矩形板状の管閉
塞壁52Bでもよい。矩形板状の管閉塞壁52Bの場合
では、4頂点部を杭本体2の内周面に溶接で固着すれ
ば、杭本体2の強度を向上することができて望ましい。
【0029】さらに、図7に示すように、三角板状の管
閉塞壁52Cを形成して3頂点部を杭本体2内に溶接し
てもよく、図8に示すように丸板状に複数(図例では2
か所)の切欠孔53Dを形成した管閉塞壁52Dでもよ
い。
【0030】上記埋設杭1を埋設した後で、セメント球
根を構築する場合には、管閉塞壁52は、図6〜8に示
すような、管閉塞壁52と杭本体2の内周面との間に空
間部を有しているものを使用する。セメント球根を構築
する際に、埋設された杭本体2内にソイルセメントを供
給する供給管が挿通され、ソイルセメント供給管の先端
部には噴射ノズルが装着されている。この噴射ノズル
を、図6における4か所の空間部(挿入口)53B、ま
たは図7における空間部53C(挿入口)あるいは図8
における切欠孔53D(挿入口)のいずれかに挿入し
て、埋設された掘削羽根5、5の裏側から供給すること
となる。
【0031】従って、各種の屈折角度で形成された掘削
羽根5を有する各掘削羽根体50を予め備えていれば、
施工工事前に予め行なわれた地質調査に基づいて適宜な
掘削羽根体50を固着した埋設杭1を用意することがで
きる。掘削する地質に適した埋設杭1を埋設することに
より、掘削時、埋設杭1の回転抵抗値を従来の1枚刃よ
り小さいトルクで施工することができる。また、この埋
設杭1は、予め杭推進羽根4を固着した杭本体2に、地
質に適する掘削羽根5を別に持ち運び現場で製作するこ
とができる。
【0032】しかも、杭本体2の下方で両側に開くよう
に配置された掘削羽根5、5は、垂直方向の急激な振動
(例えば、直下型地震)に対してばね作用を有すること
となり、免震効果を得ることができる。従って、掘削羽
根5、5の免震効果により、基礎を保護することが可能
となる。
【0033】この免震効果は、鋼管径(杭本体2の外
径)によって掘削羽根の厚み寸法を対応させることで、
それぞれの鋼管ごとにおいてさらに増長することができ
る。例えば、JIS規格で規定されている杭本体径が1
14.3mmの場合では、掘削羽根5の厚みが9mmで
あればよく、また杭本体径が139.8mmの場合で
は、掘削羽根5の厚みが13mm、杭本体径が165.
2mmの場合では、掘削羽根5の厚みが16mm…とい
うように、杭本体径が大きくなるにつれて、掘削羽根5
の板厚を大きくすればよい。
【0034】上記のように形成された埋設杭1は、図9
に示す杭打ち手順により、地中に埋設される。なお、本
形態の杭打ちは複数の杭をつなぎ合わせて1本の埋設杭
1を形成するように行なわれる。もちろん1本の長い埋
設杭1を1回で杭打ちすることもできる。まず、持ち運
ばれた埋設杭1は図示しない施工機械にセットされ、図
9(a)に示すように、埋設杭1を吊り込んで杭心に合
わせてセットする建て込みが行なわれる。建て込みが行
なわれた後、図9(b)のように埋設杭1を固定する。
この固定は、施工機械に装着された振れ止め装置7を杭
本体2に取り付けることによって行なわれる。
【0035】次に、図9(c)のように埋設杭1の回転
埋設が行なわれる。埋設杭1の回転前に埋設杭1の鉛直
度を確認するとともに一対の掘削刃3の中心位置を確認
する。埋設杭1の元部側一端は施工機械の減速機モータ
8に取付けられ、減速機モータ8の駆動により埋設杭1
は正回転され地中に埋設される。この際、杭本体2の回
転とともに螺旋状に形成された一対の掘削羽根5は、土
を斜めの方向から削りとるとともに、杭推進羽根4の推
進力によって、埋設杭1は、地中内を奥に向かって押し
進み埋設される。
【0036】一方、一対の掘削羽根5は、先端を先細り
状に形成されているため、回転することによって、土を
掘削しながら土中を奥深く進行する。この際、元部側の
上面5aが杭推進羽根4の外径と略同一の径であり、杭
本体2の外径より大きい掘削羽根5は、掘削した土を掘
削羽根5の外側に排土して、土を杭本体2の内部に挿入
させず埋設杭1の回りを汚すことがなく土中深く進行す
ることとなる。
【0037】従って、対称位置に、一対配置されて先細
り状の掘削羽根5が、土に対して抵抗を少なくして押し
進めるとともに、心ずれを起こしにくいために、例え障
害物があっても垂直方向に進行することができる。
【0038】なお、掘削羽根5の杭本体2の下面に対す
る傾斜角度は、掘削される地質により、適宜設定されて
いる。
【0039】1本目の埋設杭1の元部側端面が地表面よ
り僅かに上方の位置まで埋設されれば、図9(d)に示
すように2本目の埋設杭1Aを減速機モータにセットし
1本目の埋設杭1に溶接して継ぎ足しを行なう。なお2
本目の埋設杭1Aには、掘削刃は形成されておらず、一
本目の杭本体2の上端面に2本目の杭本体2Aの下端面
を当接させた状態で溶接することとなる。
【0040】この際、2本目の埋設杭1Aの鉛直度を確
認して溶接作業を行なう。そして、前述と同様に埋設杭
1を回転させてさらに深く埋設杭1を埋設する。複数の
埋設杭1を継ぎ足して所定の深さまで埋設杭1が埋設さ
れれば、図9(e)に示すように、減速機モータ8を逆
転させて埋設杭1の係合突起部6(図1参照)を係合解
除させた後、減速機モータ8を埋設杭1から外して埋設
完了となる。
【0041】上記のように、埋設杭1に対称位置に配置
された一対の杭推進羽根4は,土を斜め方向に削ること
から、バランスよく杭本体2を推進させるとともに排土
を出さず、杭推進羽根4に連接された一対の掘削羽根5
は、杭推進羽根4との連接部位が杭本体2より大きな外
径で形成されていることから、掘削する際に、掘削した
土を杭本体2内に侵入させにくく、さらに杭本体2内に
配置された管閉塞壁52により、土の他、地中内の水や
ヘドロを杭管内に侵入させない。従って、杭本体2内を
空洞化させて杭本体2周辺の土の圧密度を高めることに
よって、埋設された埋設杭1を強固に支持できる。
【0042】しかも、掘削羽根5、5の外側面が、杭推
進羽根4、4の外側面から内方に向かって一対形成され
ていることから、対称位置にある一対の掘削羽根5、5
は回転バランスを取りながら地中内に侵入することがで
き、例え障害物があっても偏心することなく進むことが
できる。そのため、埋設杭1は鉛直度を保ちながら埋設
される。
【0043】さらに、対称位置にある杭推進羽根4、4
の先端から延設された掘削羽根5、5は、杭本体2の下
方でそれぞれ両側に開くように配置されることから、垂
直方向の急激な振動(例えば、直下型地震)に対してば
ね作用を有することとなり、免震効果を得ることができ
る。従って、掘削羽根5の免震効果により基礎を保護す
ることが可能となる。
【0044】また、この埋設杭1は、杭推進羽根4に連
接される掘削羽根体5が、杭本体2と別体で製作できる
ことから、部品点数を少なくして管理を容易にできると
ともに、地質に適する掘削羽根5を適宜選定して現地作
業で埋設杭1を製作することもできる。
【0045】さらに、管閉塞壁52の外周面が、杭本体
2の内周面に、一部または全部を固着していれば、埋設
された杭本体2の強度を向上することができる。
【0046】また、上記のように構成された埋設杭1を
地中に埋設した後、筒状の杭本体2内に、ソイルセメン
ト球根を構築させる場合、管閉塞壁52に形成された挿
入口により、ソイルセメントの噴射ノズルを挿通させる
ことができる。
【0047】なお、上記形態の埋設杭1は一形態を示す
ものであり、上記形態に限定されるものではない。例え
ば、管閉塞壁52を杭本体2の先端面に固着させてもよ
く、また、上記の掘削羽根5が2枚一体ではなくそれぞ
れの杭推進羽根4に傾斜角度を有して別々に溶着される
ように形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一形態による鋼管埋設杭を示す正面図
【図2】図1における要部断面図
【図3】図1における底面図
【図4】図2における掘削羽根体を示す斜視図
【図5】図2における管閉塞壁の一形態を示す断面図
【図6】同管閉塞壁の別の形態を示す断面図
【図7】同管閉塞壁の別の形態を示す断面図
【図8】同管閉塞壁のさらに別の形態を示す断面図
【図9】図1の鋼管埋設杭の施工手順を示す作用図
【図10】従来の鋼管埋設杭を示す一部正面図
【符号の説明】 1…鋼管埋設杭 2…杭本体 2b…開口部 3…掘削刃 4…杭推進羽根 5…掘削羽根 50…掘削羽根体 51…胴体部 52…管閉塞壁 53…空間部(挿入口)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円環状に形成されて下端部が開口された
    杭本体と、前記杭本体の先端部に土を掘削する掘削刃
    と、を有して地中に埋設される鋼管埋設杭であって、 前記掘削刃が、前記杭本体の軸心に対して対称位置に一
    対形成され、 各掘削刃が、前記杭本体の外周面に形成された螺旋状の
    杭推進羽根と、前記杭推進羽根の先端に連接して配置さ
    れるとともに前記杭本体の先端面より突出して形成され
    た掘削羽根と、を有して形成され、 前記掘削羽根に、前記杭本体内に配置される管閉塞部が
    配設されていることを特徴とする鋼管埋設杭。
  2. 【請求項2】 前記掘削羽根と前記管閉塞部とは、間に
    胴体部を配設して掘削羽根体を形成し、前記掘削羽根体
    が、前記杭本体と別体で形成された後、前記管閉塞部
    が、前記杭本体内の上下両端間の中間部位に配置される
    とともに、前記掘削羽根が前記杭推進羽根の先端に連接
    されて前記掘削刃が構成されることを特徴とする請求項
    1記載の鋼管埋設杭。
  3. 【請求項3】 前記管閉塞部の外周面の一部あるいは全
    部が、前記杭本体の内周面に固着されていることを特徴
    とする請求項1又は2記載の鋼管埋設杭。
  4. 【請求項4】 前記管閉塞部に、前記杭本体内に挿通さ
    れるソイルセメント供給管の噴射ノズル用挿入口が形成
    されていることを特徴とする請求項1,2,又は3記載
    の鋼管埋設杭。
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JP2016125316A (ja) * 2015-01-08 2016-07-11 新日鐵住金株式会社 螺旋翼付鋼管杭、杭施工方法及び建築物

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