JP7516864B2 - 土留め構造及びその構築方法 - Google Patents

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本発明は、土留め構造及びその構築方法に関する。
供用中の道路又は鉄道線路等の近くで土木工事を行う際、道路又は線路の下の地盤の崩壊を防止するために土留め構造を構築する。土留めの技術として、例えば特許文献1に開示された技術がある。特許文献1に記載の技術では、円筒状の複数の鋼管杭が土留壁に沿って間隔を置いて配列されており、突片が隣接する両側の鋼管杭に向けて突出するように各鋼管杭の両側面に設けられている。そして、隣り合う鋼管杭の間には、矢板の両側端部が、鋼管杭の突片の地盤側の面に当接するように設けられている。かかる構成によれば、地盤の土圧は矢板及び突片を通じて鋼管杭に作用して、土留めがなされている。
実開昭52-150207号公報
しかしながら、矢板は、その側端面が鋼管杭の円柱状外周面に当接するのみであることから、矢板の設置の際に矢板の姿勢が安定しない上、矢板が傾いて上下に隣り合う矢板間に隙間が形成される虞がある。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、隣り合う鋼管杭の間に矢板を設ける際の矢板の姿勢を安定させることを目的とする。
以上の課題を解決するために、土留め構造は、地盤の壁面に沿って間隔を置いて配列された複数の鋼管杭と、隣り合う前記鋼管杭の間に設けられる矢板と、前記鋼管杭の軸方向に延在して、前記鋼管杭のそれぞれの側面に接合されて、前記矢板の前記壁面に沿った方向への動きを規制する当たり片と、前記当たり片のそれぞれから前記壁面に沿う方向に延出し、前記矢板の側端部の前記壁面とは反対側の面に当接する引掛片と、を備える。
また、土留め構造の構築方法は、複数の鋼管杭をこれらの間に間隔を置いて一列に配列するように、これら鋼管杭を地盤に埋め込む工程と、前記鋼管杭の列の脇の地盤を掘削することによって、壁面を前記鋼管杭の列に沿って前記地盤に形成するとともに前記鋼管杭の上部を露出させる工程と、当たり片を前記鋼管杭の軸方向に延在させるよう、引掛片を前記当たり片のそれぞれから前記壁面に沿う方向に延出させるよう、更に前記当たり片を前記引掛片から前記壁面に向けて延出させるようにして、前記鋼管杭のそれぞれの側面に前記当たり片を接合することによって、前記引掛片を前記壁面に対向させる工程と、矢板を前記鋼管杭の隣り同士の間に設けて前記壁面に当接させ、前記矢板を前記引掛片と前記壁面の間において前記引掛片に当接させ、前記矢板の前記壁面に沿った方向への動きを規制する前記当たり片によって規制する工程と、を含む。
以上の土留め構造及びその構築方法においては、当たり片が地盤の壁面に対向する引掛片から地盤の壁面に向けて延出し、隣り合う鋼管杭の間に設けられた矢板の壁面に沿った方向への動きが当たり片によって規制されるため、矢板の姿勢が安定する。よって、矢板の傾きの発生を防止でき、上下に隣り合う矢板の間に隙間が形成されない。
好ましくは、前記土留め構造が、前記引掛片よりも前記壁面寄りにおいて前記当たり片のそれぞれから前記壁面に沿う方向に延出し、前記引掛片に対向する第2の引掛片を更に備え、前記矢板の側部が前記引掛片と前記第2の引掛片との間に嵌め込まれている。
また、前記構築方法において、前記当たり片の接合に際して、前記引掛片よりも前記壁面寄りにおいて前記当たり片のそれぞれから前記壁面に沿う方向に第2の引掛片を延出させ、前記第2の引掛片を前記引掛片に対向させ、前記矢板を前記鋼管杭の隣り同士の間に嵌め込むに際して、前記矢板の側部を前記引掛片と前記第2の引掛片との間に嵌め込む。
よって、矢板の側部が、引掛片とそれに対向した第2の引掛片との間に嵌め込まれるため、矢板の姿勢が安定する。
好ましくは、前記土留め構造が、前記当たり片と前記鋼管杭の外周面との間の隙間に設けられたスペーサを更に備える。
また、前記土留め構造の構築方法において、前記当たり片の接合に際して、前記当たり片と前記鋼管杭の外周面との間の隙間にスペーサを設ける。
よって、スペーサが鋼管杭の外周面と当たり片との間の隙間に設けられていると、挿入すると、当たり片が安定するため、当たり片を鋼管杭の外周面に溶接しやすい。
本発明の実施形態によれば、隣り合う鋼管杭の間に矢板を設ける際の矢板の姿勢が安定するとともに、矢板の傾きの発生を防止できる。よって、上下に隣り合う矢板の間に隙間が形成されない。
傾斜地に設置された土留め構造10を示す断面図である。 土留め構造10の斜視図である。 図2に示すA部の拡大図である。 土留め構造10の構築工程順序を示すフローチャートである。 鋼管杭101の施工手順を示すフローチャートである。 図6(a)は削孔工程S11における地盤102の状態を示し、図6(b)は内側ケーシング112を引き抜いた際の地盤102の地盤102の状態を示す。 図7(a)は鋼管建て込み工程S13における地盤102の状態を示し、図7(b)はグラウト注入工程S14及びケーシング引抜き・グラウト補充注入工程S15における地盤の状態を示す。 図8(a)は掘削工程S2における鋼管杭101の列の平面図であり、図8(b)は掘削工程S2における鋼管杭101の列の正面図である。 図9(a)は斫り工程S3における鋼管杭101の列の平面図であり、図9(b)は斫り工程S3における鋼管杭101の列の正面図である。 図10(a)は形鋼設置工程S4における鋼管杭101の列の平面図であり、図10(b)は形鋼設置工程S4における鋼管杭101の列の正面図である。 図11(a)は矢板設置工程S5における鋼管杭101の列の平面図であり、図11(b)は矢板設置工程S5における鋼管杭101の列の正面図である。 図12(a)は横架材302を設置した場合の鋼管杭101の列の平面図であり、図12(b)は横架材302を設置した場合の鋼管杭101の列の正面図である。 変形例の土留め構造の一部の拡大斜視図である。 図14(a),(b)は別の変形例の土留め構造の平面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
<<1.土留め構造の概要>>
図1は、土留め構造10が設置された傾斜地を示した断面図である。
傾斜地の中腹が盛土工法又は切土工法等によって整地されることによって、平坦な段102Aが傾斜地の中腹に造成されている。その段102Aの上に供用中の道路Rが敷設されているが、道路Rに代えて鉄道の線路が敷設されていてもよい。道路Rの脇の地盤が掘削されることによって凹所102Cが造成されており、凹所102Cの底102Bが段102Aよりも一段低く造成されている。以下では、凹所102Cの底102Bを下段102Bともいい、段102Aを上段102Aともいう。
下段102Bと上段102Aとの間には地盤の壁面Wがほぼ鉛直に切り立っており、壁面Wに沿って土留め構造10が設置されている。土留め構造10は道路Rの下の地盤を留め支えているとともに、壁面Wの崩壊を防止する。凹所102Cは土留め構造10の施工の際に掘られる。以下、土留め構造10について詳細に説明する。
<<2.土留め構造の構成>>
図2は土留め構造10の斜視図であり、図3は図2に示すA部の拡大図である。土留め構造10は、複数の鋼管杭101と、各鋼管杭101の内部に充填されたグラウト材109と、各鋼管杭101の外面の一部に外装されたグラウト材110と、各鋼管杭101の両側の側面に接合される複数の山形鋼201と、隣り合う鋼管杭101のそれぞれの間に配置される複数の横矢板301と、を備える。
鋼管杭101は、円筒状に設けられている。鋼管杭101は、壁面Wに沿って壁面Wの裾の下段102Bの上に略鉛直に立てられている。鋼管杭101の下部は、下段102Bの下の地盤に埋設されて、地盤の支持層又は岩盤層にまで到達している。鋼管杭101の上部は、下段102Bの地表から突き出ている。鋼管杭101の上端は、上段102Aに揃っているか、上段102Aよりも上に位置する。これら鋼管杭101は、それらの間に間隔を置いて、壁面Wに沿って一列に配列されている。なお、以下では、鋼管杭101が配列された方向を左右方向とする。
鋼管杭101の外周面と掘削孔103の内周面との間にはグラウト材110が充填されており、鋼管杭101の自立状態がグラウト材110によって安定する。グラウト材110は、地中のみならず地上においても鋼管杭101の外周面の一部に付着されている。鋼管杭101の内側にはグラウト材109が充填されており、鋼管杭101がグラウト材109によって補強されている。グラウト材109,110は、硬化したモルタルからなる。
地上において、鋼管杭101の前面及び左右側面はグラウト材110によって被覆されておらず、山形鋼201が鋼管杭101の左右側面に溶接等によって接合されている。ここで、山形鋼201は鋼管杭101の軸方向に対して平行に延在していて、山形鋼201の長手方向が鋼管杭101の軸方向に対して平行である。山形鋼201の断面形状がL字型であり、その山形鋼201は、そのL字型の一方の辺を成す引掛片201aと、他方の辺を成す当たり片201bと、を有する。引掛片201a及び当たり片201bは、共に帯板状に設けられており、それらの長辺同士で連繋して、互いに垂直になっている。
前述のように山形鋼201が鋼管杭101の側面に接合されているが、より具体的には当たり片201bが、鋼管杭101の軸方向に延在するとともに、鋼管杭101の側面に接合されている。鋼管杭101の両側の山形鋼201の当たり片201bは、互いに平行に設けられているとともに、壁面Wに対して垂直に設けられている。隣り合う鋼管杭101の間にある2本の山形鋼201については、当たり片201bが互いに対向している。引掛片201aは、当たり片201bの2本の長辺のうち壁面Wに対して遠位の長辺から壁面Wに沿って鋼管杭101の側方へ延出するため、当たり片201bは.引掛片201aから壁面Wに向かって延出する。引掛片201aは、壁面Wから離れて壁面Wに対向する。
横矢板301は、矩形状に設けられた木板であるが、鋼板等の金属板であってもよい。横矢板301は、壁面Wに対向して当接しつつ、隣り合う鋼管杭101の間に嵌め込まれて、多段に積み重ねられている。なお、図2及び図3では、土留め構造10の各構成要素を把握しやすくするために横矢板301の段数が4であるが、更に多くの段数であってもよい。
横矢板301の左右側部が壁面Wと山形鋼201の引掛片201aとの間に嵌め込まれて、横矢板301の壁面Wとは反対側の面が引掛片201aに当接する。そのため、上段102Aの下の地盤が横矢板301に留められて、その地盤の土圧が横矢板301、山形鋼201及び鋼管杭101を介して下段102B下の地盤に負担される。よって、壁面Wの崩壊が防止される。
横矢板301が横矢板301の左右両側にある山形鋼201の当たり片201bの間に嵌め込まれており、横矢板301の左右の側端面が山形鋼201の当たり片201bに突き当てられて、横矢板301が壁面Wに沿って左右方向に移動することが当たり片201bによって規制される。そのため、横矢板301の姿勢が安定する。つまり、鋼管杭101の外周面が円柱面であるため、横矢板301の側端面が仮に鋼管杭101の外周面に当てられていると、設置の際の横矢板301の姿勢が不安定であるところ、そのような姿勢の不安定さは当たり片201bによって解消される。横矢板301の姿勢が安定すれば、横矢板301が傾いて設置されず、上下に隣り合う横矢板301の間に隙間が発生しにくい。
なお、横矢板301に作用する土圧が大きい場合には、H形鋼又はL形鋼からなる横架材が鋼管杭101に関して壁面Wの反対側において鋼管杭101の間に架設されていてもよい。
<<3.土留め構造の構築方法>>
続いて、土留め構造10の構築方法について説明する。
土留め構造10の構築前、道路Rの脇の地盤が掘削されておらず、図1に示す凹所102Cに相当する領域には土砂或いは岩盤が存在する。土留め構造10を以下のように構築しながら、道路Rの脇の地盤を掘削することによって、道路Rの下の地盤の崩壊を防止する。
図4は、土留め構造10の構築工程順序を示したフローチャートである。図4に示すように、杭施工工程S1の後に、順に掘削工程S2、斫り工程S3、形鋼設置工程S4及び矢板設置工程S5を経るとともに、これら工程S2~S5を繰り返す。以下、これらの工程S1~S5について詳細に説明する。
(1) 杭施工工程S1
杭施工工程S1では、未だ山形鋼201が溶接されていない複数本の鋼管杭101を道路Rに沿って一列に配列するように、これら鋼管杭101をマイクロパイル工法により道路Rの脇の地盤102に打ち込む。以下、各鋼管杭101の打ち込みについて、図5~図7を参照して詳細に説明する。ここで、図5は、各鋼管杭101の施工手順を示したフローチャートである。図6(a)、図6(b)、図7(a)及び図7(b)は、図5に示す各工程S11~工程S15における道路Rの脇の地盤102の状態を工程順に示した断面である。
(1-1) 削孔工程S11
図6(a)に示すように、二重管削孔工法を実施することによって、道路Rの脇の地盤102に掘削孔103を掘削する。具体的には、円管状の外側ケーシング111及びその内側の円管状の内側ケーシング112を立てた状態にしてボーリングマシンに装着し、ボーリングマシンを用いて外側ケーシング111を回転させながら下方に推進させ、併せて内側ケーシング112を回転させながら内側ケーシング112の下端から地盤102に打撃力を与える。これにより、外側ケーシング111及び内側ケーシング112の下端に設けられたカッタービットによって地盤102を掘削して、掘削孔103を地盤102に形成する。掘削により生じた掘り屑は、内側ケーシング112内に与えられた空圧又は汚泥圧によって、内側ケーシング112と外側ケーシング111との間の隙間を通って地上に排出される。
(1-2) 内側ケーシング引抜き工程S12
掘削孔103が所定の深さに到達したら、ボーリングマシンを停止し、図6(b)に示すように、内側ケーシング112を掘削孔103から引き抜くところ、掘り屑113が掘削孔103の底に残留する。掘削孔103には外側ケーシング111が残っているため、掘削孔103の孔壁105が保護されて、崩壊しない上、道路Rの下の地盤も安定する。
(1-3) 鋼管建て込み工程S13
次に、図7(a)に示すように、鋼管杭101を外側ケーシング111の内側に掘削孔103の底面104まで挿入する。
(1-4) グラウト注入工程S14
図7(b)に示すように、生のグラウト材191を外側ケーシング103の内側の掘削孔103の上端開口又はその近傍まで注入すると、グラウト材191が鋼管杭101の内側と外側の両方に充填される。
(1-5) ケーシング引抜き・グラウト補充注入工程S15
次に、外側ケーシング111を掘削孔103から引き抜く。外側ケーシング111の引き抜きと同時又はその後に、外側ケーシング111の体積分だけグラウト材191の上端表面レベルが低下するため、掘削孔103内にグラウト材191を補充する。
以上により、鋼管杭101の内側の空間がグラウト材191によって満たされるとともに、鋼管杭101の外周面と掘削孔103の孔壁105との間の隙間もグラウト材191によって満たされる。
その後、グラウト材191を静置して硬化させる。鋼管杭101の内側のグラウト材191が硬化したものがグラウト材109であり、鋼管杭101の外側のグラウト材191が硬化したものがグラウト材110である。
なお、鋼管杭101の上端の開口をキャップによって閉塞してもよい。
(2) 掘削工程S2
図8(a)及び図8(b)に示すように、道路Rの脇、特に鋼管杭101の列の脇の地盤102を油圧ショベル等の掘削機によって掘削して、鋼管杭101の上部を土砂から露出させる。掘削に際して、鋼管杭101の列に沿って壁面Wを形成するところ、その壁面Wの位置は、鋼管杭101の軸を結んだ面よりも僅かに道路R寄りである。
(3) 斫り工程S3
壁面Wの高さが横矢板301の1枚分又は数枚分の高さに相当するまで掘削が進行したら、図9(a)及び図9(b)に示すように、土砂から露出した各鋼管杭101の左右側面及び前面のグラウト材110を斫って、鋼管杭101の左右側面及び前面を露出させる。なお、掘削工程S2の際に、掘削機によってグラウト材110を斫るものとしてもよい。
(4) 形鋼設置工程S4
図10(a)及び図10(b)に示すように、斫り工程S3の後、1本の鋼管杭101ごとに2本の山形鋼201の当たり片201bを鋼管杭101の左右側面に溶接する。
ここで、溶接の際の山形鋼201の向き・姿勢については、山形鋼201の長手方向を鋼管杭101の軸方向に対して平行にして、山形鋼201の引掛片201aを壁面Wに対向させて、引掛片201aと壁面Wの間に隙間を形成し、更に当たり片201bを引掛片201aから壁面Wに向けて延出させる。また、2本の山形鋼201の当たり片201bによって鋼管杭101を挟み込むとともに、これら当たり片201bを互いに平行にする。隣り合う鋼管杭101の間にある2本の山形鋼201については、当たり片201bを互いに対向させる。また、何れの山形鋼201の引掛片201aも面一に配置することが好ましい。
(5) 矢板設置工程S5
図11(a)及び図11(b)に示すように、隣り合う鋼管杭101の間にある山形鋼201の引掛片201aの間を通じて、横矢板301を鋼管杭101の間に嵌め込んで、横矢板301を壁面Wに当接させる。そして、横矢板301の姿勢を整えて、横矢板301の前面の左右側部を山形鋼201の引掛片201aに当接させるとともに、横矢板301の左右の側端面を横矢板301の左右の側端面を山形鋼201の当たり片201bに突き当てる。
壁面Wの高さが横矢板301の複数枚分の高さに相当する場合には、既に設置済みの横矢板301の上又は下に更に横矢板301を同様にして設置するため、これら複数枚の横矢板301が積み重ねられる。当たり片201bによって横矢板301の姿勢が安定するため、上下に積み重ねられた横矢板301の隣り同士の間に隙間が形成されにくい。
なお、横矢板301にかかる土圧が大きい場合は、図12(a)及び図12(b)に示すように、横矢板301の設置後、横架材302を複数の鋼管杭101にまたがって架設してもよい。
以後、道路Rの脇の地盤102の掘削が所定深さ進行する毎に、斫り工程S3、形鋼設置工程S4及び矢板設置工程S5を実施する。
<<4.効果>>
(1) 横矢板301の左右の側端面が山形鋼201の当たり片201bに突き当てられているため、横矢板301の設置の際に横矢板301の姿勢が安定する。横矢板301の傾きの発生を防止でき、上下に隣り合う横矢板301の間に隙間が形成されない。
(2) 山形鋼201の溶接の際には、山形鋼201の帯板状の当たり片201bを鋼管杭101の側面に当接させているため、引掛片201aを壁面Wに対向した状態で鋼管杭101に固定させることが容易である。よって、山形鋼201の引掛片201aが壁面Wに対して大きく傾くことなく、横矢板301の側部を引掛片201aと壁面Wとの間に簡単に嵌め込むことができる。
(3) 地中では、グラウト材110が鋼管杭101の外周面と掘削孔103の孔壁105との間に充填されているため、大きな土圧が土留め構造10に受けられる。
(4) 鋼管杭101及び山形鋼201が入手しやすい汎用品であるため、低コストで土留め構造10を構築することができる。
(5) 鋼管杭101の打ち込み際には山形鋼201が鋼管杭101に取り付けられていないため、鋼管杭101の打ち込みが容易である。
(6) 鋼管杭101の打ち込み工法がマイクロパイル工法である。そのマイクロパイル工法では、使用重機が小型で済み、狭隘地でも或いは空頭制限のある中でも鋼管杭101を打ち込むことができる。更に、マイクロパイル工法は、工期の短期化及び低コスト化に貢献し、周囲への振動或いは騒音の影響を抑えられる。
<<5.変形例>>
以上、本発明を実施するための形態について説明した。上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであって、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明の実施形態は本発明の趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。以上の実施形態からの変更点について以下に説明する。以下に説明する各変更点を組み合わせて適用してもよい。
(1) 上記実施形態では、断面L字型の山形鋼201が各鋼管杭101の左右の側面に溶接されている。それに対して、図13(a)及び図13(b)に示すように、山形鋼201に代えて断面コ字型の溝形鋼501の長手方向が鋼管杭101の軸方向に対して平行になって溝形鋼501が各鋼管杭101の左右の側面に溶接されてもよい。ここで、溝形鋼501は、何れも帯板状のウエブ501b、第1フランジ501a及び第2フランジ501cを有する。第1フランジ501a及び第2フランジ501cがウエブ501bの長辺からウエブ501bの垂直方向にそれぞれ延び出て、互いに対向する。
溝形鋼501の向き・姿勢については、ウエブ501b及びフランジ501a,501cの長手方向が鋼管杭101の軸方向に対して平行であり、第2フランジ501cが壁面Wに当接して、第1フランジ501aが壁面Wから離間している。そのような姿勢で、ウエブ501bが溝形鋼501の側面に溶接されている。横矢板301の左右側部が、フランジ501a,501cの間に嵌め込まれて、フランジ501a,501cに引っ掛かっている。これにより、地盤の土圧が横矢板301、溝形鋼501及び鋼管杭101を介して下段102Bの下の地盤に負担される。また、横矢板301の左右の側端面がウエブ501bに突き当てられている。これにより、横矢板301の姿勢が安定するとともに、横矢板301が壁面Wに沿って左右方向に移動することが規制される。なお、第1フランジ501aが引掛片に相当し、ウエブ501bが当たり片に相当し、第2フランジ501cが第2の引掛片に相当する。
(2) 山形鋼201の溶接の際、山形鋼201の当たり片201bが鋼管杭101の外周面に線接触するため、山形鋼201の姿勢が安定しない。そこで、図14(a)及び図14(b)に示すように、スペーサ401を鋼管杭101の外周面と当たり片201bとの間の隙間に挿入すると、山形鋼201が安定するため、当たり片201bを鋼管杭101の外周面に溶接しやすい。図14(a)に示す例では、スペーサ401が当たり片201bと鋼管杭101の線接触箇所よりも壁面W側に寄っている。図14(b)に示す例では、スペーサ401が当たり片201bと鋼管杭101の線接触箇所よりも壁面Wの反対側に離れている。
(3) 上記実施形態では、鋼管杭101の施工法として、マイクロパイル工法を挙げた。それに対して、他の工法、例えばバイブロハンマー工法、打撃工法、中堀工法又はプレボーリング杭工法によって鋼管杭101を道路Rの脇の地盤に施工してもよい。
10…土留め構造
101…鋼管杭
102…地盤
201…山形鋼
201a…引掛片
201b…当たり片
301…矢板
401…スペーサ
501…溝形鋼
501a…第1フランジ(引掛片)
501b…ウエブ(当たり片)
501c…第2フランジ(第2の引掛片)

Claims (6)

  1. 地盤に一部分が埋設され、前記地盤に対して鉛直な前記壁面に沿って間隔を置いて配列された複数の鋼管杭と、
    隣り合う前記鋼管杭の間に設けられる矢板と、
    前記鋼管杭の軸方向に延在して、前記鋼管杭のそれぞれの側面に接合されて、前記矢板の前記壁面に沿った方向への動きを規制する当たり片と、
    前記当たり片のそれぞれから前記壁面に沿う方向に延出し、前記矢板の側端部の前記壁面とは反対側の面に当接する引掛片と、
    前記鋼管杭の外周面と前記地盤との間に充填されるグラウト材と、
    を備え
    前記当たり片及び前記引掛片は、前記グラウト材によって被覆されていない
    土留め構造。
  2. 前記引掛片よりも前記壁面寄りにおいて前記当たり片のそれぞれから前記壁面に沿う方向に延出し、前記引掛片に対向する第2の引掛片を更に備え、
    前記矢板の側部が前記引掛片と前記第2の引掛片との間に嵌め込まれている
    請求項1に記載の土留め構造。
  3. 前記当たり片と前記鋼管杭の外周面との間の隙間に設けられたスペーサを更に備える
    請求項1又は2に記載の土留め構造。
  4. 複数の鋼管杭をこれらの間に間隔を置いて一列に配列するように、これら鋼管杭を地盤に埋め込む第1工程と、
    前記第1工程の後で、前記鋼管杭の外周面と前記地盤との間にグラウト材を充填する第2工程と、
    前記第2工程の後で、前記鋼管杭の列の脇の地盤を掘削することによって、壁面を前記鋼管杭の列に沿って前記地盤に形成するとともに前記鋼管杭の上部を露出させる第3工程と、
    前記第3工程の後で、当たり片を前記鋼管杭の軸方向に延在させるよう、引掛片を前記当たり片のそれぞれから前記壁面に沿う方向に延出させるよう、更に前記当たり片を前記引掛片から前記壁面に向けて延出させるようにして、前記鋼管杭のそれぞれの側面に前記当たり片を接合することによって、前記引掛片を前記壁面に対向させる第4工程と、
    前記第4工程の後で、矢板を前記鋼管杭の隣り同士の間に設けて前記壁面に当接させ、前記矢板を前記引掛片と前記壁面の間において前記引掛片に当接させ、前記矢板の前記壁面に沿った方向への動きを規制する前記当たり片によって規制する第5工程と、
    を含む土留め構造の構築方法。
  5. 前記当たり片の接合に際して、前記引掛片よりも前記壁面寄りにおいて前記当たり片のそれぞれから前記壁面に沿う方向に第2の引掛片を延出させ、前記第2の引掛片を前記引掛片に対向させ、
    前記矢板を前記鋼管杭の隣り同士の間に嵌め込むに際して、前記矢板の側部を前記引掛片と前記第2の引掛片との間に嵌め込む
    請求項4に記載の土留め構造の構築方法。
  6. 前記当たり片の接合に際して、前記当たり片と前記鋼管杭の外周面との間の隙間にスペーサを設ける
    請求項4又は5に記載の土留め構造の構築方法。
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WO2010032485A1 (ja) 2008-09-18 2010-03-25 新日本製鐵株式会社 鋼管矢板、鋼管矢板の継手構造、及び壁構造並びに鋼管矢板の引き抜き方法
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