JP2002019855A - アダプターおよびアダプター付き容器 - Google Patents

アダプターおよびアダプター付き容器

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JP2002019855A
JP2002019855A JP2000202243A JP2000202243A JP2002019855A JP 2002019855 A JP2002019855 A JP 2002019855A JP 2000202243 A JP2000202243 A JP 2000202243A JP 2000202243 A JP2000202243 A JP 2000202243A JP 2002019855 A JP2002019855 A JP 2002019855A
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container
adapter
liquid
lid
reagent
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Hiroyuki Kaneko
浩之 金子
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フタの開閉動作など複雑な機構を付加するこ
となく、密閉状態を保ったままで、かつ必要以上にピペ
ット等を汚すことなく液体吸引ができるようにする。 【解決手段】 液体(10)を挿入する容器(15)
に、前記液体と外気とが接触しないようにせしめるアダ
プター(1)であって、アダプターは上部は開口、底部
は閉口の形状を有し、さらにアダプター底部は切り込み
(3)を有し、前記切り込みから液体の分取が可能であ
る。フタの開閉動作など複雑な機構を付加することな
く、アダプターフタを用いることで密閉状態を保ったま
まで、かつ必要以上にピペットを汚すことなく液体吸引
ができることを目的とした、容器内の液体の蒸発および
変成を防止する方法および容器を提供することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、アダプターおよび
アダプター付き容器に関するものであり、より詳しく
は、たとえば試薬容器における当該容器内の液体(試
薬)の蒸発、変成を防止するのに適用してこれの適切な
実現を可能ならしめたアダプター、およびこれを装着し
た容器に関するものである。 【0002】 【従来の技術】たとえば検査や分析を行う自動分析装置
(分析器)での液吸引等の分注操作などにおいて適用す
ることのできる提案技術として、特開平5−29435
4号公報(文献1)に開示の「ふた」、特開平5−99
931号公報(文献2)に開示の「試薬容器の蓋」、特
開平11−211711号公報(文献3)に開示の「安
定化試薬及び安定化方法」に関するものが既知である。 【0003】ここに、容器内に入っている液体が外気に
触れることを防止し、液体の蒸発や変成などを防止する
ことを狙って、以下のごとき手段を講ずることは、かか
る点を重視する場合に有用である。 【0004】すなわち、容器内の液体の蒸発を防止する
ため、分注時のみフタを開閉する機構を取り付け、でき
るだけ容器を密閉状態に保とうとする手段であり、かか
る手段を講ずることができる。 【0005】また、フタの穴をできるだけ微少な穴やス
リット形状として、外気と容器内部の空気交換量を抑え
ようとする手段を講ずることができる。 【0006】また、容器口元に先端が開口している筒状
の部品を差し込み容器内部の液体が外気と接触する面積
を極力減らすことで液体が蒸発する量を抑えようとする
手段を講ずることができる。 【発明が解決しようとする課題】 【0007】しかして、これらは、上述した見地から有
用なものであるが、次のような点から考察を加えると、
以下のようなことがいえる。 【0008】(イ)容器内部の液体と外気との接触を防
止するため分注時のみフタを開閉する機構を取り付け、
できるだけ容器を密閉しようとする手段の場合では、容
器の開閉可能なフタを取り付けるため容器口元はどうし
てもある程度の大きさを確保する必要があり、装置の小
型化には適さないし、さらに、分注時にそのフタを開閉
する機構を別にもたなければならず、その機構を駆動さ
せる動力、およびその動作管理が装置で必要となり、装
置の構成が複雑となってしまう。結果、かかる手法、方
法によるときは、装置構成の複雑化等をもたらさずに液
吸引を実現することはむずかしいものとなる。 【0009】(ロ)また、フタの穴をできるだけ微少な
穴として外気と容器内部の空気交換量を抑え、蒸発を防
止しようとする手段の場合では、分注ピペット先端が容
器内に入り込む大きさの穴が必要であり、容器内は密封
状態となり得ないため完全に蒸発を抑える効果は期待で
きない。それゆえ、かかる手法、方法によるときは、密
封状態を保ったままでの液吸引はしづらいものとなる。 【0010】(ハ)また、容器口元に筒状の部品を差し
込み容器内部の液体が外気と接触する面積を極力減らす
ことで液体が蒸発する量を抑えようとする手段の場合で
は、やはり容器内は密封状態となり得ないため完全に蒸
発を抑える効果は期待できない。それゆえ、同様に、か
かる手法、方法によるときも、密封状態を保ったままで
の液吸引はしづらいものとなる。 【0011】(ニ)なお、ピペットが入りこむ穴部を限
りなく微少にする方法として、フタの穴形状を穴部では
なくスリット形状とすることも一般的には知られるとこ
ろであるが、この場合でも、容器内の液体をピペットが
吸引したのち上昇する際、容器フタにピペット先端の液
が触り付着してしまうため次回の吸引時にはピペット下
降時、フタに触れる範囲では液がピペットに付着するこ
ととなり、必要以上にピペットを汚してしまうため、ピ
ペットを清潔に保つためのピペット洗浄範囲を広くする
装置構成としなければならず、装置の複雑化、巨大化、
さらには洗浄液を大量に使用しなくてはならない等の欠
点がある。したがって、この場合にあっても、装置機構
の複雑化等も招かずに、しかも必要以上にピペットを汚
してしまうこともなしに、これらを両立させつつ液体吸
引を実現することは困難である。 【0012】(ホ)よって、望ましいのは、容器内に入
っている液体が外気に触れることを防止し、液体の蒸
発、変成を防止しようとする場合で、しかも容器内の液
体の吸引は行えるようにしようとする場合、(イ)〜
(ニ)のような不利、欠点をもたらさずに、したがっ
て、装置、構成が複雑なものともならずに、しかし容器
内の液体吸引はこれを適切に行うことができることであ
り、しかも密閉状態を保ったままで、これをできること
であり、かつまた、必要以上にピペット等の分取具を汚
すことなく液体吸引ができることである。望ましいのは
また、上記のことを実現しつつ、試薬容器内の液体(試
薬)の蒸発および変成を防止する方法および試薬容器を
提供することができることである。 【0013】本発明は、上記のような考察に基づき、ま
た後記する考察にも基づき、これらの点から改善を加
え、上述のような不利等を解消し得て、フタの開閉動作
など複雑な機構を付加することなく、密閉状態を保った
ままで、かつ必要以上にピペット等を汚すことなく液体
吸引ができるようにしようというものである。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明によって、下記の
アダプターが提供される。すなわち、本発明は、液体を
挿入する容器に、前記液体と外気とが接触しないように
せしめるアダプターであって、アダプターは上部は開
口、底部は閉口の形状を有し、さらにアダプター底部は
切り込みを有し、前記切り込みから液体の分取が可能で
あることを特徴とするものである。また、前記アダプタ
ーが容器に対し着脱自在になるように、前記容器の開口
径に対し、前記アダプターの外径の方が小さくなるよう
にしたことを特徴とするものである。 【0015】また、本発明によって、試薬を挿入する容
器に、前記試薬と外気とが接触しないようにせしめるア
ダプターが挿入された当該試薬容器であって、該アダプ
ターは上部は開口、底部は閉口の形状を有し、さらにア
ダプター底部は切り込みを有し、前記切り込みから試薬
の分取が可能であることを特徴とするアダプター付き容
器が提供される。また、この場合において、本発明は、
前記アダプターが試薬容器に対し着脱自在になるよう
に、前記試薬容器の開口径に対し、前記アダプターの外
径の方が小さくなるようにしたことを特徴とするもので
ある。 【0016】本発明においては、容器内にアダプターを
挿入することにより容器内を密閉させる効果を生じ、容
器内の液体が外気と触れることを防止し、液体の蒸発、
変成を防止するものである。 【0017】本発明の好適例では、液体が入っている容
器に、口元先端が袋形状になっており、かつ、その先端
にすり割りが入っており、先端を押されるとそのすり割
り部が開く構造をもつアダプターフタを挿入する。 【0018】ここに、挿入したアダプターフタと容器口
元は圧力が漏れないように密閉する状態にするところ、
密閉状態にするためには、たとえばアダプターフタにフ
ランジ部を設けておいて容器口元に挿入後キャップを締
込み密閉する構造でも良いし、アダプターフタを接着し
密閉する構造でも良い。 【0019】また、アダプターフタの先端のすり割り部
は弾性変形が可能な比較的柔らかい材料で構成すること
が望ましい。 【0020】また、液体を入れる容器は容器内の圧力を
保つことができる形状、材料で構成することが望まし
い。 【0021】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。図1〜図3は、本発明の一実施例の
説明に供する図であり、このうち、図1は本発明の一実
施例に係るアダプターの一例を示す斜視図、図2は該ア
ダプターを容器に挿入された(組み込んだ)アダプター
付き容器の一例を示す図であり、また、図3は該アダプ
ターを用いた容器内の液体の蒸発および変成を防止する
方法の説明に供する図であるとともに、該アダプター付
き容器としての当該容器の使用方法の説明に供するもの
でもある。 【0022】図1〜3中、参照符号1を付して示すもの
は、本発明に従うアダプター(すなわち、液体を挿入す
る容器に、液体と外気とが接触しないようにせしめるも
のであって、その上部は開口、底部は閉口の形状を有
し、さらに該底部は切り込みを有し、当該切り込みから
液体の分取が可能であるアダプター)で、これは、先に
も触れたごとく、適用する容器内にこれを挿入すること
により当該容器内を密閉させようとするものゆえに、か
かる点からは、一種のフタ機能をも果たすもの(以下、
アダプターフタともいう)であり、適用する容器内の液
体が外気と触れることを防止し、液体の蒸発、変成を防
止するものである。他方、図2、3中、参照符号15を
付して示すものは、これと組み合わされて、内部に挿入
される側の容器で、たとえば内部に試薬たる液体10を
収容する試料容器である。 【0023】本実施例において、たとえば試薬を挿入す
る容器15と着脱自在に取り付けられるアダプターフタ
1は試薬と外気とが接触しないようにさせる試薬蒸発防
止用アダプターフタとして使用することができるもの
で、その基本的形態は、円筒状の筒である。さらに、こ
こでは、かかる円筒状のアダプターフタ1は先端(各図
面中下側のアダプター底部)が半球形状部2で袋形状に
なっており(したがって、先端が閉口する形状でその反
対側の端部(各図面中上方のアダプター上部)が開口す
る形状をなす)、かつ、その先端の半球形状部2に、切
り込みとしての十字のすり割り部3が入っており、先端
を押されるとそのすり割り部3が開く柔らかいたとえば
シリコン系ゴムで構成されている構造となっている。 【0024】こうしたアダプターフタ1は、容器15と
の関係では、次のようにして利用されることができる。 【0025】すなわち、アダプターフタ1は、液体10
が入っている容器15に対し、口元先端が袋形状になっ
ており、かつ、その先端にすり割りが入っており、先端
を押されるとそのすり割り部3が開く構造の当該アダプ
ターフタを挿入するようにして使用する。 【0026】その時、挿入したアダプターフタ1と容器
15口元は圧力が漏れないように密閉する状態にする。
密閉状態にするためには、たとえば、アダプターフタ1
にフランジ部を設けておいて容器15口元に挿入後キャ
ップを締込み密閉する構造でも良いし、アダプターフタ
1を接着し密閉する構造でも良い(本実施例では、図示
もし後述もするのごとく後者の態様を採用する)。 【0027】また、アダプターフタ1の先端のすり割り
部3は弾性変形が可能な比較的柔らかい材料で構成する
ことが望ましいものであり、前述のように、本実施例で
は、シリコン系ゴムを使用するものとし、また、液体1
0を入れる容器15は容器内の圧力を保つことができる
形状、材料で構成することが望ましいことから、本実施
例では、後述もするように、ガラス材を用いるものとす
る。 【0028】さて、図2をみると、容器15およびこれ
に挿入されたアダプターフタ1の組み合わせ体が示され
ている。かかるアダプターフタ1付き容器15におい
て、図示のごとく、アダプターフタ1は液体10が入っ
ている容器15の口元に挿入されており、本実施例で
は、容器15の口元外側は雄ネジ形状となっている。こ
こで、容器15は、本実施例では、容器内の圧力を保つ
ことができる形状である円筒形で、圧力差で変形するこ
とのないガラス材料で構成されている。 【0029】アダプターフタ1の開口している端部は、
先にも触れたように、フランジ形状部4となっており、
内側が雌ネジ形状となっている容器フタ17で該フラン
ジ形状部4は挟み込まれ、容器フタ17を容器15に閉
じ込むことで該フランジ形状部4は変形し容器15の口
元に密着し、容器15の内部は密閉状態に保たれる。か
くして、アダプターフタ1付き容器15の使用にあた
り、挿入したアダプターフタ1と容器15口元は圧力が
漏れないように密閉状態にされる。 【0030】また、本実施例では、容器フタ17の中央
には穴19が空いており、穴19からはアダプターフタ
1の先端の十字のすり割り部3を覗き込むことができる
構造となっている。また、アダプターフタ1は容器輸送
時の振動等のさまざまな問題を回避可能なように、容器
フタ17を緩めることで再び容器15に自在に着脱し直
すことが可能であり、さらに、液体10の入った容器1
5と別梱包の輸送で使用時に容器15に取り付けること
も可能となっている。ここに、本実施例による容器構造
では、アダプターフタ1はこれを接着し密閉するタイプ
ではなく、上記のように容器15に対し着脱自在であ
り、この場合、アダプターフタ1が容器15に対し着脱
自在になるように、容器15の開口径に対し、アダプタ
ーフタ1の外径の方が小さくなるように選定されること
ができる。 【0031】次に、上記構成のようなアダプターフタ付
き容器により密閉状態を保つ等しながら容器内の液体吸
引を行う方法を述べると、これは以下のような作用、機
能のもと、下記〔1〕〜〔8〕の順で行うことができ
る。 【0032】〔1〕:容器15内の液体10は、本アダ
プターフタ1を挿入し、容器15口元が密閉された状態
では、容器15内の圧力と大気圧の圧力平衡、および液
体10の表面張力で本アダプターフタ先端のすり割り部
3からの液体10の染み出しはなく、液体10は容器1
5内側と本アダプターフタ外側で密閉された空間の中に
保つことができる。アダプター内と本体容器内は同じ大
気圧で平衡で、かかる平衡がくずれ、本体容器内が減圧
になると、アダプタースリットから空気が入り平衡に戻
る。本方法は、こうした本発明に従うアダプターフタ1
付き容器15の作用、機能を効果的に利用する。 【0033】〔2〕:ここで、まず、容器15内の液体
10を取り分けるために、たとえばピペットを容器15
口元から本アダプターフタ1の先端のすり割りに向かっ
て挿入する。 【0034】〔3〕:ピペットが本アダプターフタ1の
すり割り部3に当接すると、本アダプターフタ1のすり
割り部3が弾性変形して開き、ピペットの先端は容器1
5内の液体10に接することができる。 【0035】〔4〕:この時、本アダプターフタ1の外
側は液体10である状態であるので必要以上にピペット
先端をすり割り部3より容器15内側に押し込む必要は
ない。このことは、本アダプターフタ1を用いることで
密閉状態を保ったままで、かつ必要以上にピペットを汚
すことなく液体吸引ができることに、有利に働くものと
なる。 【0036】〔5〕:さらには、以下のような作用、機
能があることも本方法は利用することができる。すなわ
ち、まず、上記の〔3〕、〔4〕で、ピペット先端によ
り本アダプターフタ1の先端のすり割り部3が開かれた
状態でも、容器15内の液体は、容器15内の圧力と大
気圧の圧力平衡、および液体10の表面張力ですり割り
部3の隙間から依然液体が染み出すことはなく、容器1
5内側と本アダプターフタ外側で密閉された空間の中に
保つことができる(アダプター内と本体容器内は同じ大
気圧で平衡で、かかる平衡がくずれ、本体容器内が減圧
になると、次に述べるように、アダプタースリットから
空気が入り平衡に戻る)。 【0037】〔6〕:そして、容器15内の液体10の
取り分けのため、ピペットにより容器15内の液体10
を吸引すると、容器15内の液体10は吸引分だけ体積
が減り、平衡していた圧力に変化が発生する。 【0038】〔7〕:しかして、かかる圧力の変化によ
り、吸引された液体10と同等量分の体積の空気が本ア
ダプターフタ1のすり割り部3から容器15内に入りこ
む。 【0039】〔8〕:すると、再び圧力は平衡状態に保
たれ、容器15内の状態は初期の状態に再び保たれるこ
ととなる。 【0040】〔9〕:上記〔1〕〜〔8〕が繰り返され
ることで、容器15内の液体10は常に密閉された状態
を保ちながらピペットにより取り分けられることが可能
となる。 【0041】かくして、明細書冒頭で述べた考察事項の
観点からの良好な解決策が実現でき、既述のごとくの考
察事項(イ)〜(ニ)のような欠点も解消され、フタの
開閉動作など複雑な機構を付加することなく、本アダプ
ターフタ1を用いることで密閉状態を保ったままで、か
つ必要以上にピペットを汚すことなく液体吸引が可能
で、かように液体吸引ができることを目的とした、容器
内の液体の蒸発および変成を防止する方法および容器を
提供することができる。 【0042】〔動作〕:以下、図3(a),(b),
(c)をも参照し、さらに具体的に説明する。まず、図
2のアダプターフタ1を取り付けた容器15の状態か
ら、図3(a)以下に示すごとく、本アダプターフタ付
き容器15の内部の液体10を取り分けるためにピペッ
ト20を容器フタ17の穴19からアダプターフタ1の
先端のすり割り部3に向かって挿入する。 【0043】ピペット20がアダプターフタ1のすり割
り部3に接するとアダプターフタ1のすり割り部3が開
き、ピペット20の先端は本容器15の内部の液体10
に接することができる(図3(a))。 【0044】この時、アダプターフタ1の外側は液体1
0である状態であるので必要以上にピペット20の先端
をすり割り部3より押し入れる必要はない(図3
(a))。 【0045】ピペット20の先端によりアダプターフタ
1の先端のすり割り部3が開かれた状態でも、本容器1
5の内部の液体10は、本容器15内の圧力と大気圧の
圧力平衡、および液体の表面張力ですり割り部3の隙間
から液体4が染み出すことはなく、本容器15の内側と
アダプターフタ1の外側で密閉された空間の中に依然保
つことができる(図3(a))。アダプター内と本体容
器内は同じ大気圧で平衡で、かかる平衡がくずれ、本体
容器内が減圧になると、図3(b),(c)に示される
ように、アダプタースリットから空気が入り平衡に戻
る。 【0046】本容器15の内部の液体10の取り分けの
ため、ピペット20により本容器15内部の液体10を
吸引すると、本容器15の内部の液体10は吸引分だけ
体積が減り、平衡していた圧力に変化が発生する。 【0047】上記圧力の変化により、吸引された液体1
0と同等量分の体積の空気がアダプターフタ1のすり割
り部3から本容器15の内部に泡状となって入り込む
(図3(b))。ここに、図3(b)中、参照符号11
を付して示したのが、そのように泡状となって入り込ん
だ空気を表す。 【0048】泡状になった空気11は,アダプターフタ
1の先端の半球形状部2にそって液体10の液上に(液
面方向に)移動し(図3(c))、アダプターフタ1の
外側は再び液体10で包まれ、再び圧力は平衡状態に保
たれる(図3(c))。吸引が終了したピペット20が
上昇するのと共にアダプターフタ1のすり割り部3は再
び閉じ(図3(c))、かくて本アダプターフタフタ付
き容器15の内部の状態は初期の状態に再び保たれるこ
ととなる。 【0049】上記が繰り返されることで、本アダプター
フタフタ付き容器15の内部の液体10は密閉された状
態を保ちながらピペット20により取り分けられること
が可能となる。 【0050】以上により、フタの開閉構造など複雑な機
構を必要とせず密閉状態を保ち、かつ必要以上にピペッ
ト20の外壁を汚すことなく液体吸引ができることを目
的とした、アダプターフタ1を用いた容器内の液体の蒸
発および変成を防止する方法および容器15を提供する
ことができる。フタの開閉がいらなくなり、また、ピペ
ット外壁の余計な洗浄がいらなくなるので、(たとえば
フタまたは洗浄装置などの)周辺装置を小型化簡素化で
きる。また、ピペットの洗浄が少なく抑えられるため洗
浄時間の短縮化も図れる。 【0051】また、本実施例の容器構造ではアダプター
フタ1は着脱自在であるため、輸送時の振動等で容器1
5内の条件が変わった場合は着脱し直したり、あらかじ
め輸送後に装着すると決めることで、輸送時のさまざま
な問題点を回避できる効果ももっている。また、各試薬
容器内の液量がばらついていたり、同一の試薬容器内の
残量が変化したり、試薬容器間の形状またはサイズもし
くは分注量の少なくとも1つの違いにより液面の変化が
ばらばらであっても、常に各容器内のアダプターの下端
位置から吸引を行えるので、ピペットをアダプター底部
に当接させるだけの簡単な操作で液切れになるまで使用
できるという利点もある。また、試薬の充てん工程を従
来と変わらず容易にできる、アダプターは成形などで安
価にできる、アダプターを洗浄して使い回しも可能にな
るという効果も有する。 【0052】〔変形例〕:なお、本発明は、以上の実施
の態様に限定されるものではない。たとえば、アダプタ
ーフタ1は、断面が中空構造になっている形状であれば
円筒状でなくても良い。例として、断面が四角、六角等
の中空構造の筒があげられる。アダプターフタ1の先端
の形状は、半球形状でなくても良い。例として、斜面形
状や多角錘形状等があげられる。 【0053】また、たとえば、アダプターフタ1の先端
のすり割り部3は、弾性変形が可能な比較的柔らかい材
料で構成されていれば、材料はシリコン系ゴム材でなく
ても良い。例として、フッ素ゴム、ネオプレン(登録商
標)ゴム、ウレタン等の材料があげられる。 【0054】また、たとえば、アダプターフタ1の先端
のすり割り部3の形状は、すり割り部が弾性変形で元に
戻る形状であれば十字形状でなくても良い。例として、
米印や一文字の形状等があげられ、そのような切り込み
であっても良い。 【0055】また、たとえば、容器15の形状、材質
は、容器15の内部の圧力を保つことができる形状、材
料であれば円筒、ガラス材でなくても良い。また、容器
15のサイズは、使用する試薬の必要量に応じて任意に
選んで構わない。例として、ポリエチレン、ポリプロピ
レン等のプラスチック材料があげられる。 【0056】また、たとえば、アダプターフタ1の容器
15の密閉方法は、容器の密閉が保てる方法であればフ
ランジ形状部6で密閉する方法でなくても良い。例とし
て、接着や一体成形、密閉するためのパッキンを用いる
等があげられる。 【0057】また、試薬用の試薬容器に限らず、広く、
容器内に入っている液体が外気に触れることを防止し、
液体の蒸発、あるいは蒸発および変成を防止しようとす
る方法、容器、ならびに該容器に挿入される着脱可能な
もしくは一体のアダプターとして本発明は実施すること
が可能である。なお、以上の記載された内容は、以下の
ような発明と捉えることもできる。 【0058】〔付記項1〕 試薬を挿入する容器に、前
記試薬と外気とが接触しないようにせしめるアダプター
であって、アダプターは上部は開口、底部は閉口の形状
を有し、さらにアダプター底部は切り込みを有し、前記
切り込みから試薬の分取が可能である試薬容器およびこ
れに挿入されるアダプター。 【0059】〔付記項2〕 前記アダプターが試薬容器
に対し着脱自在になるように、前記試薬容器の開口径に
対し、前記アダプターの外径の方が小さくなるようにし
た〔付記項1〕記載の試薬容器およびアダプター。 【0060】 【発明の効果】本発明によれば、フタの開閉構造など複
雑な機構を必要とせず密閉状態を保ち、かつ必要以上に
ピペット等の分取具を汚すことなく液体吸引ができ、ア
ダプターを用いた容器内液体の蒸発および変成を防止す
るのに好適な容器を提供することができる。また、容器
に対しアダプターを着脱自在とするときは、試薬の充て
ん工程を従来と変わらず容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係るアダプターの一例
(アダプターフタ)を示す斜視図である。
【図2】 図1のアダプターフタを容器に挿入されたア
ダプター付き容器の一例を示す図である。
【図3】 図1のアダプターフタを用いた容器内の液体
の蒸発および変成を防止する方法の説明に供する図であ
るとともに、図2のアダプター付き容器としての容器の
使用方法の説明に供する説明図でもある。
【符号の説明】
1 アダプターフタ(アダプター) 2 半球形状部(半球形状) 3 すり割り部 4 フランジ形状部 10 液体(試薬) 11 空気(泡状空気) 15 容器(試薬容器) 17 容器フタ 19 穴 20 ピペット

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を挿入する容器に、前記液体と外気
    とが接触しないようにせしめるアダプターであって、 アダプターは上部は開口、底部は閉口の形状を有し、さ
    らにアダプター底部は切り込みを有し、前記切り込みか
    ら液体の分取が可能であることを特徴とするアダプタ
    ー。
  2. 【請求項2】 前記アダプターが容器に対し着脱自在に
    なるように、前記容器の開口径に対し、前記アダプター
    の外径の方が小さくなるようにしたことを特徴とする請
    求項1に記載のアダプター。
  3. 【請求項3】 試薬を挿入する容器に、前記試薬と外気
    とが接触しないようにせしめるアダプターが挿入された
    当該試薬容器であって、 該アダプターは上部は開口、底部は閉口の形状を有し、
    さらにアダプター底部は切り込みを有し、前記切り込み
    から試薬の分取が可能であることを特徴とするアダプタ
    ー付き容器。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 前記アダプターが試薬容器に対し着脱自在になるよう
    に、前記試薬容器の開口径に対し、前記アダプターの外
    径の方が小さくなるようにしたことを特徴とするアダプ
    ター付き容器。
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