JP2003329688A - キャップ及び該キャップを有する試薬容器ならびに該キャップを用いた試薬の蒸発等防止法 - Google Patents

キャップ及び該キャップを有する試薬容器ならびに該キャップを用いた試薬の蒸発等防止法

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JP2003329688A
JP2003329688A JP2002135002A JP2002135002A JP2003329688A JP 2003329688 A JP2003329688 A JP 2003329688A JP 2002135002 A JP2002135002 A JP 2002135002A JP 2002135002 A JP2002135002 A JP 2002135002A JP 2003329688 A JP2003329688 A JP 2003329688A
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cap
reagent
container
opening
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Koji Gotanda
光司 五反田
Yoshihisa Koyashiki
佳久 古屋敷
Hiroyuki Takahashi
弘之 高橋
Hideyuki Minagawa
英行 皆川
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Fujirebio Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種分析装置による繰り返し分取操作が可能
で、収容された液状試薬の蒸発や変質等を防止でき、分
取に際しても、開口部から取外すことのないキャップ等
を提供する。 【解決手段】 容器主体2の開口部3を覆い、かつ分析
装置の試薬プローブによる繰り返しの穿刺が可能であっ
て、試薬プローブの抜取り後は、穿刺された孔を自らの
弾性によって閉止するキャップ主体4aと、このキャッ
プ主体4aに連設され、前記開口部3の内周面又は外周
面と密着し、開口部3からキャップ主体4aが離脱する
ことを防止する筒状のスカート部材4bとをエラストマ
ーで一体的に形成してキャップ4を構成し、このキャッ
プ4を一旦容器主体2に装着した後は、キャップ4を取
外すことなく、随時、液状試薬の分取を可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内部に収容され
た、分析装置のために使用される液状試薬を、容器の開
口部に装着した後は、開口部から取外すことなく分取す
ることのできるキャップと、このキャップを有する試薬
容器ならびにこのキャップを用いた試薬の蒸発等防止法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】化学的又は生物学的分析や判定のために
使用される各種分析装置用の液状試薬は、通常、ガラス
製又は合成樹脂製の容器に収容され、収容された試薬の
蒸発乃至汚染を防止するため、容器の開口部は密封され
て出荷されるが、使用に際しては、開口部を閉止するキ
ャップを取除き、開口部を開放した状態で各種分析装置
の所定の温度に保持された保冷庫に架設収納され、必要
に応じて各種分析機が、分取用の試薬プローブで容器か
ら試薬を分取し、使用する方法が一般的である。
【0003】保冷庫内で保存されている試薬は、前記の
ように、容器の開口部が、基本的に開放されているの
で、収容された試薬は、常に、保冷庫内で汚染の危険性
に曝され、また、水分や揮発性成分の蒸発による試薬濃
度の経時変化や、取扱上の容器の転倒による試薬の流出
などの問題を内在しているので、これら試薬の汚染、蒸
発などを防止する手段が種々提案されている。
【0004】たとえば、特開平5−294354号公報
においては、開口を有する頂壁と、柔軟な材料で形成さ
れ、前記頂壁から下方に延在し、かつ容器上に滑り込
み、密閉的に係合するように構成されたネジなしのスカ
ート部と、前記開口を密閉するための密閉装置を有し、
密閉位置と非密閉位置との間を動く細長いアームと、こ
のアームを密閉位置の方に押付けるためのバイアス装置
からなる「ふた」が提案されている。
【0005】また、特開2000−137032号公報
においては、容器内に収容した試薬より比重が軽く、か
つ当該試薬と混合しない液体を収容し、試薬の液面を液
体で覆って試薬の蒸発を防止する手段が、さらには、図
示しないが、容器の開口部に弾性体からなる薄いシール
部材を中栓として張設し、このシール部材の中心から放
射状にスリットを形成し、試薬分取用のプローブが下降
するとシール部材が、下方に押し開かれ、抜き去ると弾
性によってシール部材が水平状態に復帰して開口部を覆
う容器も知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
5−294354号公報に開示された「ふた」のように
機械的な開閉部を形成したものは、「ふた」自体の構造
がきわめて複雑で、各種分析装置に適用するに際して
は、容器にセットされた「ふた」を開閉するための装置
機能が不可欠で、装置に付加的機能が要求されること、
容器の製品コストなど実用面で解決すべき課題を有する
ものである。
【0007】一方、特開2000−137032号公報
で提案された試薬含有容器は、前記の「ふた」のように
機械的な構造はなく、試薬と空気との接触がなく、蒸発
も防止できる利点を奏するものの、開口部が常に開放さ
れているため、取扱上容器の転倒による試薬の漏れ出し
は回避できず、前記の中栓方式は、スリットを有するが
故にシール部材からなる中栓自体に隙間が存在し、試薬
の蒸発、容器外部の空気との完全遮断を達成することが
できず、キャップの除去後における中栓の取付け作業の
過程においても、試薬が汚染されないよう慎重な作業が
要求されるもので、いずれにしても実用面で解決すべき
課題を有するものである。
【0008】この発明はかかる現状に鑑み、容器の開口
部に装着することによって、収容された液状試薬を容器
外部の空気に曝すことなく、かつ蒸発等による試薬濃度
の変動や試薬の変質などを防止することができ、分析装
置の試薬プローブによる必要量の液体の分取に際して
も、開口部から取外すことなく、繰り返し分取操作が可
能なキャップを提供せんとするものである。
【0009】また、この発明は、容器の開口部に装着す
ることによって、収容された液状試薬を容器の外部の空
気に曝すことなく、かつ蒸発、等による試薬濃度の変動
や試薬の変質などを防止することができ、分析装置の試
薬プローブによる必要量の試薬の分取に際し、開口部に
装着したキャップを取外すことなく、繰り返し分取操作
が可能な試薬容器を提供せんとするものである。
【0010】さらに、この発明は、分析装置の試薬プロ
ーブによる必要量の試薬の分取に際しても、容器に装着
したキャップを取外すことなく分取作業を行うことがで
き、しかも収容された液状試薬を容器の外部の空気に曝
すことなく、かつ蒸発等による試薬濃度の変動や試薬の
変質などを防止することができる試薬の蒸発等防止法を
提供せんとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、この発明のキャップは、容器の開口部に密着状態で
装着され、収容された液状試薬を容器の外部の空気に曝
すことなく、かつ蒸発等による試薬濃度の変動や試薬の
変質などを防止し、分析装置の試薬プローブによる必要
量の分取に際しても、開口部から取外す必要がなく、繰
り返し分取操作が可能なものであって、エラストマーで
一体的に形成されているキャップ主体とスカート部材と
で構成され、キャップ主体は、前記容器の開口部の上面
を覆い、かつ分析装置の試薬プローブによる繰り返しの
穿刺が可能であって、試薬プローブの抜取り後は、穿刺
された孔を自らの弾性によって閉止し、スカート部材
は、前記キャップ主体に連設され、前記開口部の内周面
又は外周面と密着し、開口部からキャップ主体が離脱す
ることを防止するものであることを特徴とするものであ
る。
【0012】この発明の請求項2に記載の発明は、請求
項1に記載のキャップにおいて、前記キャップ主体は、
前記容器の開口部とほぼ同径の外径を有する円盤状のも
のであって、少なくとも分析装置の試薬プローブで穿刺
される中心部が、繰り返し行われる分取のための抜挿に
おいても、穿刺孔を自らの弾性で閉止することのできる
十分な厚みを有することを特徴とするものである。
【0013】この発明の請求項3に記載の発明は、請求
項1又は2に記載のキャップにおいて、前記スカート部
材は、前記キャップ主体の裏面側に一体的に連設され、
かつ容器の開口部の内径とほぼ同径の外径を有する筒状
体からなるものであって、少なくとも筒状部の一部にス
リットが形成されたものであることを特徴とするもので
ある。
【0014】この発明の請求項4に記載の発明は、請求
項1〜3のいずれかに記載のキャップにおいて、前記エ
ラストマーは、天然ゴム、合成ゴム又は熱可塑性エラス
トマーであることを特徴とするものである。
【0015】さらに、この発明の請求項5に記載の試薬
容器は、液状試薬を収容する容器主体と、エラストマー
で一体的に形成されているキャップ主体とスカート部材
とで構成され、キャップ主体は、前記容器の開口部の上
面を覆い、かつ分析装置の試薬プローブによる繰り返し
の穿刺が可能であって、試薬プローブの抜取り後は、穿
刺された孔を自らの弾性によって閉止し、スカート部材
は、前記キャップ主体に連設され、前記開口部の内周面
又は外周面と密着し、開口部からキャップ主体が離脱す
ることを防止するキャップとで構成され、前記容器の開
口部にキャップを密着状態で装着したのちは、収容され
た液状試薬を容器の外部の空気に曝すことなく、かつ蒸
発等による試薬濃度の変動や試薬の変質などを防止する
ことができ、分析装置の試薬プローブによる必要量の分
取に際しても、開口部からキャップを取外すことなく、
繰り返し分取操作が可能なものであることを特徴とする
ものである。
【0016】この発明の請求項6に記載の発明は、請求
項5に記載の試薬容器において、前記容器主体は、試薬
を収容する収容部の上部を縮径させて首部を形成し、こ
の首部の開口部の外周部に、前記キャップの一部および
首部の外周部を覆って、キャップを容器主体の開口部に
保持する補助キャップの係合縁部と係合する係合段部が
形成されたものであることを特徴とするものである
【0017】この発明の請求項7に記載の発明は、請求
項6に記載の試薬容器において、前記補助キャップは、
アルミニウム又は合成樹脂製であって、中央部に透孔が
形成された頂面部の外周に沿って下方に延出するスカー
ト部が形成され、このスカート部の開口縁部の内側に、
前記容器主体の首部に形成された係合段部と係合する係
合縁部が設けられ開口部からキャップ主体が離脱するこ
とを防止することを特徴とするものである。
【0018】この発明の請求項8に記載の発明は、請求
項5〜7のいずれかに記載の試薬容器において、前記容
器主体の開口部に密着状態で装着されるキャップは、そ
の上面部が、直接的にもしくは前記補助キャップを介し
てシール部材で覆われていることを特徴するものであ
る。
【0019】さらにまた、この発明の請求項9に記載の
試薬の蒸発等防止法は、分析装置の試薬プローブによる
繰り返しの穿刺が可能であって、試薬プローブの抜取り
後は、穿刺された孔を自らの弾性によって閉止するキャ
ップ主体及び、このキャップ主体に連設され、容器の開
口部の内周面又は外周面と密着し、開口部からキャップ
主体が離脱することを防止するスカート部材とをエラス
トマーで一体的に形成したキャップを、液状試薬を収容
する容器の開口部に密着状態で装着することによって、
収容された試薬を容器の外部の空気に曝すことなく、か
つ蒸発、等による試薬濃度の変動や試薬の変質などを防
止することを特徴とするものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好ましい実施の
形態について、添付の図面を参照して説明するが、この
発明は、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更を
加えることができるものである。
【0021】図1はこの発明にかかる試薬容器の一例を
示す一部切欠き断面図、図2は図1に示される試薬容器の
要部の分解正面図であって、試薬容器1は、試薬を収容
する容器主体2と、この容器主体2の開口部3に装着さ
れるキャップ4と、このキャップ4を容器主体2の開口
部に密着保持する補助キャップ5と、この補助キャップ
5の上面部に貼着されるシール部材6とから構成された
ものである。
【0022】前記試薬容器1を構成する容器主体2は、
その材質や形状ならびに大きさなどについては、特段の
制限はないが、たとえば、プラスチック又はガラス製で
あって、自立可能な有底筒状のもので、試薬を収容する
収容部2aの上部を縮径させて首部2bを形成し、この
首部2bの開口部3の縁部にフランジを一体的に形成し
て係合段部2cを形成したものが好ましい。
【0023】この容器主体2の開口部3に密着状態で装
着されるキャップ4は、収容された液状試薬を容器外部
の空気に曝すことなく、試薬溶媒の蒸発等による試薬濃
度の変動や試薬の変質などを防止することができ、さら
に分析装置の試薬プローブによる繰り返しの穿刺が可能
で、試薬プローブの抜取り後は、穿刺された孔を自らの
弾性によって閉止する自閉性を有する材料、具体的に
は、天然ゴム、合成ゴム又は熱可塑性エラストマーなど
のエラストマーで一体成型されたものである。
【0024】このキャップ4は、容器主体2の開口部3
の外周部とほぼ同径で、少なくとも分析装置の試薬プロ
ーブが穿刺される中心部が、繰り返し行われる分取のた
めの試薬プローブの抜挿においても、穿刺孔を自らの弾
性で閉止するに十分な厚みを有する円盤状のキャップ主
体4aと、このキャップ主体4aの裏面側に一体的に連
設され、かつ容器主体2の開口部3の内径とほぼ同径、
もしくは若干径の大きい外径とするとともに、所要の長
さを有する筒状のスカート部材4bとからなるものであ
って、少なくともスカート部材4bの周壁の一部、より
好ましくは相対する周壁に、開口部3内への挿入を容易
にし、かつ弾性による復元力によって開口部3に密着さ
せるためのスリット4cが形成されたものである。
【0025】このキャップ4を構成するキャップ主体4
aは、たとえば、分析装置の保冷庫の外側に配置される
試薬プローブによって穿刺される中心部が、繰り返し行
われる分取のための試薬プローブの挿入によって形成さ
れる穿刺孔を、試薬プローブが抜き取られると直ちに自
らの弾性で閉止するに十分な厚みを有するものであれ
ば、その厚みについては特段の制限はないものの、厚す
ぎると試薬プローブの挿入が困難で、コスト的にも問題
があり、薄すぎると形成された穿刺孔が、自閉性があっ
ても完全に塞がらないおそれがあるので、使用するエラ
ストマーによって異なるが、通常1.5〜3mm程度が
好ましい。
【0026】なお、エラストマーに代えて、発泡プラス
チック、たとえば、独立発泡型のプラスチックも使用す
ることが可能であるが、この場合には、キャップ主体4
aの厚みは、エラストマーを使用する場合に比して厚く
することが必要となる。
【0027】また、キャップ主体4aを、容器主体2の
開口部3に密着保持させるためのスカート部材4bは、
必ずしも前記のように円筒状である必要がなく、その内
周面又は外周面が、開口部3の外周面又は内周面と緊密
に接触し、キャップ主体4aが開口部から容易に離脱し
ない形状であれば、その形状についてはなんら限定がな
いものである。
【0028】かかる構成のキャップ4は、基本的には、
スカート部材4bを容器主体2の開口部3内に密着状態
で挿入し、かつキャップ主体4aの裏面部を容器主体2
の開口縁部に確実に密着固定し、キャップ主体4aの表
面に、収容されている試薬の品名などを記載した非透湿
性の材料からなるシール部材6を貼着して出荷されるも
ので、この状態が保持されることによって、収容された
液状試薬は、容器外部の空気に曝すことなく、かつ蒸発
等による試薬濃度の変動や試薬の変質などが防止され
る。
【0029】その際、容器主体2の開口部3に、より確
実にキャップ4を密着保持させるために、中央部に透孔
5aが形成された頂面部5bの外周に沿って下方に延出
するスカート部5cが形成され、このスカート部5cの
開口縁部の内側に、前記容器主体2の首部に形成された
係合段部2cと係合する係合縁部5dを一体的に形成し
たアルミニウム又は合成樹脂製の補助キャップ5を、キ
ャップ4の上から装着し、補助キャップ5の係合縁部5
dを、容器主体2の首部に形成された係合段部2cに係
合させることが望ましい。
【0030】前記構成からなる試薬容器は、使用に際し
ては、まず、補助キャップ5の頂面部5b、もしくはキ
ャップ主体4aの上面に直接貼着されているシール部材
6を除去し、補助キャップ5の透孔5aを介して、もし
くは直接顕出したキャップ主体4aの中心部に、分析装
置の試薬プローブの先端部を当接しながら下方に押圧す
れば、試薬プローブの先端部は、キャップ主体4aを貫
通して液面に達するので、必要量の液状試薬を分取す
る。
【0031】試薬の分取が完了すると、試薬プローブを
上方に引き上げれば、挿通によってキャップ主体4aに
生じた試薬プローブの穿刺孔は、キャップ主体4aが有
する自閉性、すなわち、弾性力によって元の状態に復帰
して直ちに閉止されるので、収容された液状試薬は、容
器の外部の空気に曝されることなく、かつ蒸発等による
試薬濃度の変動や試薬の変質などがほぼ完璧に防止され
る。
【0032】なお、前記試薬プローブとしては、前記キ
ャップの反復穿刺が可能な先端形状及び強度を有するも
のが好適に適用可能である。
【0033】
【発明の効果】この発明のキャップは、分析装置の試薬
プローブによる繰り返しの穿刺が可能であって、試薬プ
ローブの抜取り後は、穿刺された孔を自らの弾性によっ
て閉止することができるので、試薬プローブによる液状
試薬の分取に際し、キャップを容器の開口部から取外す
必要がなく、分取作業中はもちろんのこと、分取後に試
薬プローブを抜き去っても、穿刺孔が自動的に塞がれる
ので、収容された液状試薬は、容器外部の空気にほとん
ど曝されることがなく、また、蒸発等による試薬濃度の
変動や試薬の変質などがほぼ完璧に防止される。
【0034】特に、この発明のキャップは、分析装置の
試薬プローブによる穿刺孔を自らの弾性で閉止すること
のできるエラストマーで形成したので、分析装置用の試
薬を分析装置の保冷庫に架設するに際して、従来のよう
にキャップを容器から取外す必要がなく、不用意な取扱
による容器の転倒に際しても、試薬が一切流れ出すおそ
れがなく、容器内に収容された液状試薬は、充填密封さ
れたのちは、汚染や、蒸発等の試薬濃度の変動や試薬の
変質といった危険性を考慮することなく随時各種分析装
置での試薬分取を可能とすることができる。
【0035】また、この発明の試薬容器は、構成がきわ
めて簡易であるとともに、分析装置の試薬プローブによ
る繰り返しの穿刺が可能であって、試薬プローブの抜取
り後は、穿刺された孔を自らの弾性によって閉止するこ
とができるキャップが開口部に装着されているので、分
取に際して生ずる試薬プローブによる穿刺孔も、自らの
弾性による復元力でほぼ完全に閉止されるので、収容さ
れた液状試薬は、一旦密封された後は、容器の外部の空
気に曝されるおそれがなく、汚染や、蒸発等の試薬濃度
の変動や試薬の変質が一切生ずるおそれがない。
【0036】また、キャップの容器開口部への密着保持
に際し、補助キャップを使用することによって、キャッ
プをより確実に容器に保持させ、キャップの不用意な除
去が防止できるとともに、試薬プローブ抜取り時のキャ
ップの離脱を防止でき、液状試薬の汚染、蒸発等による
試薬濃度の変動や試薬の変質が一切生ずるおそれがな
く、シール部材を直接的又は間接的にキャップの上面に
貼着することによって、キャップから試薬容器への湿気
の透湿を完全に防止し、シール部材の有無によって試薬
が未使用なものか否かを即座に判断することができる。
【0037】さらに、この発明の試薬の蒸発等防止法
は、液状試薬を収容する容器の開口部に、分析装置の試
薬プローブによる繰り返しの穿刺が可能であって、試薬
プローブの抜取り後は、穿刺された孔を自らの弾性によ
って閉止するキャップを密着状態で装着させるという、
きわめて簡単な手段によって、分析装置での試薬の分取
の前後を通じて収容された液状試薬を容器外部の空気に
曝すことなく、かつ蒸発等による試薬濃度の変動や試薬
の変質、容器の転倒による試薬の流れ出しなどを確実に
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる試薬容器の一例を示す一部切
欠き断面図である。
【図2】図1に示される試薬容器の要部の分解正面図で
ある。
【符号の説明】
1 試薬容器 2 容器主体 2a 収容部 2b 首部 2c 係合段部 3 開口部 4 キャップ 4a キャップ主体 4b スカート部材 4c スリット 5 補助キャップ 5a 透孔 5b 頂面部 5c スカート部 5d 係合縁部 6 シール部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 弘之 東京都中央区日本橋浜町2丁目62番5号 富士レビオ株式会社内 (72)発明者 皆川 英行 東京都中央区日本橋浜町2丁目62番5号 富士レビオ株式会社内 Fターム(参考) 2G058 CE02 EA06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】容器の開口部に密着状態で装着され、収容
    された液状試薬を該容器外部の空気に曝すことなく、か
    つ蒸発等による試薬濃度の変動や試薬の変質などを防止
    し、分析装置の試薬プローブによる必要量の分取に際し
    ても、開口部から取外す必要がなく、繰り返し分取操作
    が可能なものであって、 エラストマーで一体的に形成されているキャップ主体と
    スカート部材とで構成され、キャップ主体は、前記容器
    の開口部の上面を覆い、かつ分析装置の試薬プローブに
    よる繰り返しの穿刺が可能であって、試薬プローブの抜
    取り後は、穿刺された孔を自らの弾性によって閉止し、
    スカート部材は、前記キャップ主体に連設され、前記開
    口部の内周面又は外周面と密着し、開口部からキャップ
    主体が離脱することを防止するものであることを特徴と
    するキャップ。
  2. 【請求項2】前記キャップ主体は、 前記容器の開口部とほぼ同径の外径を有する円盤状のも
    のであって、少なくとも分析装置の試薬プローブで穿刺
    される中心部が、繰り返し行われる分取のための抜挿に
    おいても、穿刺孔を自らの弾性で閉止することのできる
    十分な厚みを有することを特徴とする請求項1に記載の
    キャップ。
  3. 【請求項3】前記スカート部材は、 前記キャップ主体の裏面側に一体的に連設され、かつ容
    器の開口部の内径とほぼ同径の外径を有する筒状体から
    なるものであって、少なくとも筒状部の一部にスリット
    が形成されたものであることを特徴とする請求項1又は
    2に記載のキャップ。
  4. 【請求項4】前記エラストマーは、 天然ゴム、合成ゴム又は熱可塑性エラストマーであるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のキャッ
    プ。
  5. 【請求項5】液状試薬を収容する容器主体と、 エラストマーで一体的に形成されているキャップ主体と
    スカート部材とで構成され、キャップ主体は、前記容器
    の開口部の上面を覆い、かつ分析装置の試薬プローブに
    よる繰り返しの穿刺が可能であって、試薬プローブの抜
    取り後は、穿刺された孔を自らの弾性によって閉止し、
    スカート部材は、前記キャップ主体に連設され、前記開
    口部の内周面又は外周面と密着し、開口部からキャップ
    主体が離脱することを防止するキャップとで構成され、 前記容器の開口部にキャップを密着状態で装着したのち
    は、収容された液状試薬を該容器外部の空気に曝すこと
    なく、かつ蒸発等による試薬濃度の変動や試薬の変質な
    どを防止することができ、分析装置の試薬プローブによ
    る必要量の分取に際しても、開口部からキャップを取外
    すことなく、繰り返し分取操作が可能なものであること
    を特徴とする試薬容器。
  6. 【請求項6】前記容器主体は、 液状試薬を収容する収容部の上部を縮径させて首部を形
    成し、この首部の開口部の外周部に、前記キャップの一
    部および首部の外周部を覆って、キャップを容器主体の
    開口部に保持する補助キャップの係合縁部と係合する係
    合段部が形成されたものであることを特徴とする請求項
    5に記載の試薬容器。
  7. 【請求項7】前記補助キャップは、 アルミニウム又は合成樹脂製であって、中央部に透孔が
    形成された頂面部の外周に沿って下方に延出するスカー
    ト部が形成され、このスカート部の開口縁部の内側に、
    前記容器主体の首部に形成された係合段部と係合する係
    合縁部が設けられ、開口部からキャップ主体が離脱する
    ことを防止することを特徴とする請求項6に記載の試薬
    容器。
  8. 【請求項8】前記容器主体の開口部に密着状態で装着さ
    れるキャップは、 その上面部が、直接的にもしくは前記補助キャップを介
    してシール部材で覆われていることを特徴する請求項5
    〜7のいずれかに記載の試薬容器。
  9. 【請求項9】分析装置の試薬プローブによる繰り返しの
    穿刺が可能であって、試薬プローブの抜取り後は、穿刺
    された孔を自らの弾性によって閉止するキャップ主体及
    び、このキャップ主体に連設され、容器の開口部の内周
    面又は外周面と密着し、開口部からキャップ主体が離脱
    することを防止するスカート部材とをエラストマーで一
    体的に形成したキャップを、液状試薬を収容する容器の
    開口部に密着状態で装着することによって、収容された
    試薬を該容器外部の空気に曝すことなく、かつ蒸発等に
    よる試薬濃度の変動や試薬の変質などを防止することを
    特徴とする試薬の蒸発等防止法。
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