JP2002019052A - 透明性に優れた耐熱非粘着性多層被膜および該被膜を有する物品 - Google Patents
透明性に優れた耐熱非粘着性多層被膜および該被膜を有する物品Info
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Abstract
(意匠性)にも優れ、また非粘着性や耐汚染性、耐薬品
性、耐摩耗性、耐熱性にも優れた含フッ素重合体の多層
被膜およびそれを有する被覆物品を提供する。 【解決手段】 基材上に設けられてなる含フッ素重合体
プライマー層および含フッ素重合体最外層からなる多層
被膜であって、含フッ素重合体プライマー層が、金属酸
化物の重縮合物と官能基含有含フッ素エチレン性重合体
とからなり、含フッ素重合体最外層が官能基を含まない
含フッ素エチレン性重合体からなる耐熱非粘着性多層被
膜。
Description
有する撥水性や耐熱性、非粘着性、耐摩耗性(摺動
性)、耐候性、耐薬品性、特に耐摩耗性と非粘着性、耐
薬品性が維持され、しかも基材との密着性および透明性
にも優れた含フッ素樹脂系の多層被膜およびそれを有す
る被覆物品に関する。
に透明性に優れた被膜が求められており、さらに耐熱性
や撥水撥油性を加味したコーティング剤が検討されてい
る。
報、特開平4−325446号公報、特開平5−248
85号公報には、ガラスなどの基材上にフルオロアルキ
ル基(Rf基)を含有するシラン化合物を塗布すること
が記載されている。また、特開平4−359086号公
報、特開平5−170486号公報、特開平5−213
633号公報には、フルオロアルキル基含有シラン化合
物またはフルオロアルキル基含有シラン化合物を混合し
た金属アルコキシドを酸などにより部分加水分解、重縮
合(ゾル化)させ、ガラス基板上に塗布し、焼成(ゲル
化)して撥水性酸化被膜を形成することが記載されてい
る。
て来るもののフルオロアルキル基含有シランに起因して
耐熱性や耐候性が低下する傾向にあり、また、調理器具
などへの用途では非粘着性の点で不充分である。
撥水性成分として官能基を有していない含フッ素樹脂粒
子を用い、いわゆるゾル−ゲル法でえられる金属酸化物
中に含フッ素樹脂粒子を分散させることによって、撥水
性被膜をうる方法が種々検討されている。たとえば特開
平5−51238号、特開平6−329442号、特開
平6−340451号、特開平7−102207号、特
開平7−157335号各公報などには、金属アルコキ
シド系化合物をアルコールなどの溶媒中で加水分解およ
び脱水縮合させたゾル溶液にポリテトラフルオロエチレ
ン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレ
ン重合体、含フッ素アクリル樹脂などの撥水性を有する
含フッ素樹脂粒子(粉末またはディスパージョン)を混
合することによってコーティング液を作製し、塗布し、
焼成(ゲル化)することによって、撥水性粒子がゾル−
ゲル膜中に分布した撥水性被膜をガラスなどの基材上に
形成させることが記載されている。
分散安定性がわるく、その結果、透明性に劣るものにな
ってしまう。さらに金属酸化物とフッ素樹脂粒子との界
面親和性がわるいため、得られた塗膜からフッ素樹脂粒
子が脱落してしまい、撥水性や非粘着性などのフッ素樹
脂の特性を持続できないという問題がある。
7/48774号パンフレットに、官能基含有含フッ素
エチレン性重合体と金属酸化物の重縮合物からなるコー
ティング剤を用いて最外層を形成することが提案されて
いる。この方法によれば、得られる塗膜は官能基含有含
フッ素エチレン性重合体と金属酸化物の重縮合物の親和
性がよくフッ素樹脂の脱落が防止でき、さらに耐熱性や
耐候性に優れたものである。
体を最外層に含んでいるため、苛酷な環境で使用される
調理器具などに要求される高度の非粘着性が持続できな
いという問題が生ずる。さらに、金属酸化物の重縮合物
を配合しているが、有機物である官能基含有含フッ素エ
チレン性重合体を含んでいるため金属マトリックスが形
成される高温での焼成ができず、アルカリなどの薬品に
対して金属酸化物が溶出するなどの問題が残っている。
7/48774号パンフレットに記載された被膜をさら
に改善し、調理器具などの苛酷な使用環境にも充分耐用
し得る多層被膜およびそれを有する被覆物品を提供する
ことにある。
上に設けられてなる含フッ素重合体プライマー層および
含フッ素重合体最外層からなる多層被膜であって、含フ
ッ素重合体プライマー層が、金属酸化物の重縮合物と官
能基含有含フッ素エチレン性重合体とからなり、含フッ
素重合体最外層が官能基を含まない含フッ素エチレン性
重合体からなる耐熱非粘着性多層被膜に関する。
層を構成する金属酸化物の重縮合物としては、金属アル
コキシド、金属アセチルアセテート、金属カルボキシレ
ート、硝酸金属塩および金属塩化物よりなる群から選ば
れた少なくとも1種の重縮合物が好ましく、前記含フッ
素エチレン性重合体プライマー層を構成する官能基含有
含フッ素重合体としては、ヒドロキシル基、カルボキシ
ル基、カルボン酸塩、カルボキシエステル基およびエポ
キシ基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基
を有する官能基含有含フッ素エチレン性単量体を共重合
して得られた重合体が好ましい。
レン性重合体が、(a)式(1): CX2=CX1−Rf−Y (1) (式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸
塩、カルボキシエステル基またはエポキシ基、Xおよび
X1は同じかまたは異なりいずれも水素原子またはフッ
素原子、Rfは炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキ
レン基または炭素数1〜40のエーテル結合を含有して
いる2価の含フッ素アルキレン基を表わす)で示される
少なくとも1種の官能基含有含フッ素エチレン性単量体
0.05〜50モル%と(b)該官能基含有含フッ素エ
チレン性単量体(a)と共重合可能な少なくとも1種の
含フッ素エチレン性単量体50〜99.95モル%を共
重合してえられる官能基を有している含フッ素重合体で
あることが好ましい。
単量体(a)が、式(2): CH2=CFCF2−Rf 1−Y1 (2) [式中、Y1は−CH2OH、−COOH、カルボン酸
塩、カルボキシエステル基またはエポキシ基、Rf 1は炭
素数1〜39の2価の含フッ素アルキレン基またはOR
f 2(Rf 2は炭素数1〜39の2価の含フッ素アルキレン
基または炭素数1〜39のエーテル基を含む2価の含フ
ッ素アルキレン基である)を表わす]で示される官能基
含有含フッ素エチレン性単量体であり、また官能基を有
しない含フッ素エチレン性単量体(b)がテトラフルオ
ロエチレン、またはテトラフルオロエチレン85〜9
9.7モル%と式(3): CF2=CF−Rf 3 (3) [式中、Rf 3はCF3またはORf 4(Rf 4は炭素数1〜
5のパーフルオロアルキル基である)を表わす]で示さ
れる単量体0.3〜15モル%の混合物であることが好
ましい。
外層の官能基不含有含フッ素エチレン性重合体として
は、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチ
レン−トリクロロトリフルオロエチレン共重合体、ポリ
クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン
−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロ
エチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共
重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロ
ピレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重
合体およびポリテトラフルオロエチレンよりなる群から
選ばれた少なくとも1種が好ましくあげられる。
基材上に有する被覆物品にも関する。
酸化物の重縮合物と官能基含有含フッ素エチレン性重合
体とからなるプライマーを塗布し乾燥した後焼成し、つ
いで官能基不含有含フッ素エチレン性重合体からなるコ
ーティング組成物をその上に塗布し乾燥した後焼成する
方法(2コート2ベーク法)、または基材に金属酸化物
の重縮合物と官能基含有含フッ素エチレン性重合体とか
らなるプライマーを塗布し乾燥し、ついで官能基不含有
含フッ素エチレン性重合体からなるコーティング組成物
をその上に塗布し乾燥した後2層を同時に焼成する方法
(2コート1ベーク法)によって製造できる。
須成分は、金属酸化物の重縮合物と官能基含有含フッ素
エチレン性重合体であり、プライマー層は金属酸化物の
重縮合物をマトリックスとし、そのマトリックス中に官
能基含有含フッ素エチレン性重合体に粒子が分散してい
るものである。
クスを形成する金属酸化物の重縮合物は、たとえば金属
の有機化合物や金属の無機化合物を出発原料とし、重縮
合することによって得られるものなどが好ましい。
酸化物としては、目的や用途により種々のものを用いる
ことができるが、たとえば元素周期表における Ia族:Li、Na、 Ib族:Cu、 IIa族:Ca、Sr、Ba、 IIb族:Zn、 IIIa族:Y、 IIIb族:B、Al、Ga、 IVa族:Ti、Zr、 IVb族:Si、Ge、 Va族:V、Ta、 Vb族:P、Sb、 VIa族:W、 ランタニド族:La、Nd などの金属の酸化物があげられ、また、2価以上の金属
であって、アルキル基、含フッ素アルキル基、アミノ
基、エポキシ基、ヒドロキシル基などの官能基を有して
いるアルキレン基などの有機基(R)が金属(M)に直
接結合した金属酸化物(R−MO)も用いることができ
る。
選択できるが、透明で硬度が高く、耐久性に富んだ被膜
を形成できる点からSi、Al、TiまたはZrから選
ばれるものが特に好ましい。
属アルコキシド、金属アセチルアセテート、金属カルボ
キシレート、金属硝酸塩、金属塩化物またはこれらのう
ちの2種以上を加水分解および/または重縮合すること
により調製することができる。
応性に富み、加水分解と重縮合反応を受けて、金属−酸
素結合を有している重合体(金属酸化物)を生成しやす
いため好ましい。
わち、合成が困難であったり、金属アルコキシドが一般
的に使用する水、アルコールなどの溶剤に不溶な場合
(たとえば銅のアルコキシドなど)、金属アセチルアセ
テートや金属酢酸塩などのカルボン酸塩、オキシ酸塩な
どを使用することができる。
有機金属化合物がない場合、金属硝酸塩や金属塩化物、
金属酸化物などの無機金属化合物を用いることができ
る。
中、Mは金属、Rはアルキル、nは該金属の原子価に相
当する数値である)で示される化合物であり、一般に金
属Mは、最終的にえられる相当する金属酸化物を含む被
膜の目的、用途により適宜選択することができ、アルキ
ル基Rは、溶剤に可溶であるかないか、加水分解反応
性、重縮合反応性などを左右するため、これらのことを
考慮して目的に応じて選択することができる。
H3、NaOCH3、Cu(OCH3)2、Ca(OC
H3)2、Sr(OC2H5)2、Ba(OC2H5)2、Zn
(OC2H6)2、Y(OC4H9)3、B(OCH3)3、Al
(OCH3)3、Al(OC2H5)3、Al(iso−OC3
H7)3、Al(OC4H9)3、Ga(OC2H5)3、Ti
(OCH3)4、Ti(OC2H5)4、Ti(iso−OC3
H7)4、Ti(OC4H9)4、Zr(OCH3)4、Zr
(OC2H5)4、Zr(OC3H7)4、Zr(OC4H9)
4、Si(OCH3)4、Si(OC2H5)4、Si(iso
−OC3H7)4、Si(t−OC4H9)4、Ge(OC2
H5)4、Pb(OC4H9)4、P(OCH3)3、Sb
(OC2H5)3、VO(OC2H5)3、Ta(OC3H7)
5、W(OC2H5)6、La(OC3H7)3、Nb(OC2
H5)3、La[Al(iso−OC3H7)4]3、Mg[A
l(iso−OC3H7)4]2、Mg[Al(sec−OC
4H9)4]2、Ni[Al(iso−OC3H7)4]2、(C3
H7O)2Zr[Al(OC3H7)4]2、Ba[Zr
2(OC2H5)9]2などがあげられる。
アルコキシル基のみが結合した化合物のみならず、アル
コキシル基の一部をメチル基、エチル基などのアルキル
基で置換した化合物、含フッ素アルキル基で置換した化
合物、アミノ基、エポキシ基、ヒドロキシル基、メルカ
プト基などの官能基を有しているアルキレン基で置換し
た化合物も用いることができる。
セチルアセトネートたとえばZr(COCH2C
H3)4、In(COCH2COCH3)3、Zn(COC
H2COCH3)2;金属カルボキシレートたとえばPb
(CH3COO)2、Y(C17H35COO)3、Ba(H
COO)2などがあげられる。
塩たとえばY(NO3)3 ・6H2O、Ni(NO3)2・3
H2O;金属オキシ塩化物たとえばZrOCl2、AlO
Cl;金属塩化物たとえばTiCl4などがあげられ
る。また、フュームドシリカなどの金属酸化物を用い
て、再びゾル化して、ゾル−ゲル法を適用することもで
きる。
目的の金属酸化物の金属に相当する金属化合物を前記に
あげた化合物のうちから選択し、アルコール系の溶剤に
溶解する。この場合、金属化合物は溶剤に均一に溶解す
ることが望ましく、溶解する金属化合物を選択すること
が好ましい。
アルカリを触媒として加えることにより、加水分解と重
縮合が起こり、金属酸化物の粒子が生成し、金属酸化物
の重縮合物の溶液がえられる。
酸、硝酸、酢酸、フッ酸などが一般的に用いられ、前記
触媒としてのアルカリは、たとえば処理後揮発によって
除去できるアンモニアが好ましく用いられる。
の反応温度は、金属の種類、用いる金属化合物の種類、
目標とする重縮合物の縮合度などによって異なるが、一
般的に室温〜100℃、好ましくは室温〜80℃程度で
あり、固形分含量は0.5〜50重量%であることが好
ましい。
いで、空気中の水分で除々に加水分解と重縮合を生起さ
せ、金属酸化物重縮合物を調製することも可能である。
官能基含有含フッ素エチレン性重合体は、官能基として
ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボン酸塩、カル
ボキシエステル基およびエポキシ基のうちの少なくとも
1種であり、金属酸化物重縮合物の種類、金属酸化物重
縮合物を調製するときに用いる金属アルコキシドなどの
出発原料の種類、基材表面の種類など目的や用途によっ
て適宜選択されるが、プライマー層用組成物の分散安定
性、被膜焼成時の耐熱性の面でヒドロキシル基がもっと
も好ましい。
ては、具体的には(a)式(1): CX2=CX1−Rf−Y (1) (式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸
塩、カルボキシエステル基またはエポキシ基、Xおよび
X1は同じかまたは異なり水素原子またはフッ素原子、
Rfは炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基ま
たは炭素数1〜40のエーテル結合を含む2価の含フッ
素アルキレン基を表わす)で示される少なくとも1種の
官能基含有含フッ素エチレン性単量体0.05〜50モ
ル%と(b)該官能基含有含フッ素エチレン性単量体
(a)と共重合可能な少なくとも1種の含フッ素エチレ
ン性単量体50〜99.95モル%を共重合してえられ
る官能基含有含フッ素エチレン性重合体があげられ、耐
熱性、耐候性の点で優れている。
(a)は、具体的には式(4): CF2=CF−Rf 5−Y (4) [式中、Yは式(1)のYと同じ、Rf 5は炭素数1〜4
0の2価の含フッ素アルキレン基またはORf 6(Rf 6は
炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基または炭
素数1〜40のエーテル結合を含む2価の含フッ素アル
キレン基)を表わす]、式(5): CF2=CFCF2−ORf 7−Y (5) [式中、Yは式(1)のYと同じ、Rf 7は炭素数1〜3
9の2価の含フッ素アルキレン基または炭素数1〜39
のエーテル結合を含む2価の含フッ素アルキレン基を表
わす]、式(2): CH2=CFCF2−Rf 1−Y1 (2) [式中、Y1は式(1)のYと同じ、Rf 1は炭素数1〜
39の2価の含フッ素アルキレン基、またはORf 2(R
f 2は炭素数1〜39の2価の含フッ素アルキレン基また
は炭素数1〜39のエーテル結合を含む2価のアルキレ
ン基)を表わす]または式(6): CH2=CH−Rf 8−Y (6) [式中、Yは式(1)のYと同じ、Rf 8は炭素数1〜4
0の2価の含フッ素アルキレン基]で示される単量体な
どがあげられる。
れる官能基含有含フッ素エチレン性単量体が、含フッ素
エチレン性単量体(b)との共重合性が比較的良好な点
で、また、共重合してえられた重合体の耐熱性を著しく
低下させない理由で好ましい。
性単量体との共重合性や、得られた重合体の耐熱性が優
れる点から、式(4)、式(2)で示される単量体が好
ましく、特に式(2)で示される単量体が好ましい。
チレン性単量体はさらに詳しくは、
チレン性単量体としては、
チレン性単量体としては、
チレン性単量体としては、
(a)と共重合可能なエチレン性単量体は、既知の単量
体より適宜選択することができるが、耐候性、耐熱性を
重合体に与えるためには、含フッ素エチレン性単量体
(b)から選ばれる。
としては、テトラフルオロエチレン、式(3): CF2=CF−Rf 3 (3) [式中、Rf 3はCF3またはORf 4(Rf 4は炭素数1〜
5のパーフルオロアルキレン基である)を表わす]、ヘ
キサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレ
ン、ビニリデンフルオライド、フッ化ビニル、パーフル
オロ(アルキルビニルエーテル)類、ヘキサフルオロイ
ソブテン、
子、塩素原子から選ばれ、nはともに1〜5の整数)な
どがあげられる。
体(a)と前記含フッ素エチレン性単量体(b)に加え
て、耐熱性を低下させない範囲でフッ素原子を有さない
エチレン性単量体を共重合してもよい。その場合フッ素
原子を有さないエチレン性単量体は、耐熱性を低下させ
ないためにも炭素数5以下のエチレン性単量体から選ば
れることが好ましく、具体的にはエチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、2−ブテンなどがあげられる。
いられる官能基含有含フッ素エチレン性重合体中の官能
基含有含フッ素エチレン性単量体(a)の含有量は、該
組成物中の金属酸化物重縮合物および金属酸化物重縮合
物の種類、官能基含有含フッ素重合体と金属酸化物重縮
合物との組成比率、固形分濃度、被膜中の官能基含有含
フッ素エチレン性重合体の組成比率、さらに目的や用途
によって適宜選択されるが、好ましくは0.05〜50
モル%、さらに好ましくは0.1〜20モル%、特に好
ましくは0.1〜10モル%である。
(a)の含有率が、0.05%未満であると、プライマ
ー層用組成物の分散安定性が不充分となり、凝析した
り、塗膜化後の被膜が白化したりする。また、プライマ
ー層中の金属酸化物マトリックスと分散している官能基
含有含フッ素エチレン性重合体粒子との界面接着性が不
充分となり、摩擦などにより官能基含有含フッ素エチレ
ン性重合体粒子が脱落し、最外層との密着性を低下させ
る。
体(a)の含有率が、50モル%を超えると、官能基含
有含フッ素エチレン性重合体が有している本来の耐熱性
が低下し、高温での焼成時に、熱分解し、着色、発泡、
ピンホールなどの塗膜不良を起こしやすい。
いられる官能基含有含フッ素エチレン性重合体の好まし
いものをつぎに例示する。
体(a)0.05〜50モル%とテトラフルオロエチレ
ン50〜99.95モル%との重合体(I)。たとえば
官能基を有するポリテトラフルオロエチレン(反応性P
TFE)。
体(a)を単量体の全量に対して0.05〜50モル%
含み、さらに該(a)を除く単量体の全量に対して、テ
トラフルオロエチレン85〜99.7モル%と前記式
(3): CF2=CF−Rf 3 (3) [式中、Rf 3はCF3またはORf 4(Rf 4は炭素数1〜
5のパーフルオロアルキル基である)を表わす]で示さ
れる単量体0.3〜15モル%との重合体(II)。たと
えば官能基を有するテトラフルオロエチレン−パーフル
オロ(アルキルビニルエーテル)重合体(反応性PF
A)または官能基を有するテトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロプロピレン重合体(反応性FEP)。
量体(a)を単量体の全量に対して0.05〜50モル
%含み、さらに該単量体(a)を除く単量体の全量に対
して、テトラフルオロエチレン40〜80モル%、エチ
レン20〜60モル%、その他の共重合可能な単量体0
〜15モル%との重合体(III)。たとえば官能基を有
するエチレン−テトラフルオロエチレン重合体(反応性
ETFE)。
有含フッ素エチレン性重合体は、200℃以上の高い融
点をもち、官能基含有含フッ素エチレン性重合体の微粒
子が分散されてなる、官能基含有含フッ素エチレン性重
合体と金属酸化物重縮合物からなるプライマー層を作製
する際、高温での焼成においても溶融せず、被膜中で微
粒子の形態を保持することができることから好ましい。
重合体として、たとえば特開平10−130395号公
報に記載されているような、シェル部に官能基含有単量
体を共重合して得られたコア−シェル構造の重合体も使
用できる。
含有含フッ素エチレン性重合体は、前記の官能基含有含
フッ素エチレン性単量体(a)と、エチレン性単量体
(b)を周知の重合方法で共重合することによって製造
することができる。なかでも主としてラジカル共重合に
よる方法が用いられる。すなわち、重合を開始するに
は、ラジカル的に進行するものであれば手段は何ら制限
されないが、たとえば有機、無機ラジカル重合開始剤、
熱、光あるいは電離放射線などによって開始される。重
合の種類も溶液重合、バルク重合、懸濁重合、乳化重合
などを用いることができる。また、分子量は、重合に用
いるモノマーの濃度、重合開始剤の濃度、連鎖移動剤の
濃度、温度によって制御される。生成する重合体の組成
は、仕込みモノマーの組成によって制御可能である。
物重縮合物と官能基含有含フッ素エチレン性重合体の組
成割合は、金属酸化物重縮合物と官能基含有含フッ素エ
チレン性重合体の合計重量に基づいて、金属酸化物重縮
合物が5〜90重量%で官能基含有含フッ素エチレン性
重合体が10〜95重量%、好ましくは金属酸化物重縮
合物が10〜50重量%で官能基含有含フッ素エチレン
性重合体が50〜90重量%である。官能基含有含フッ
素エチレン性重合体が10重量%未満の場合、最外層を
構成する官能基不含有含フッ素エチレン性重合体との層
間密着性が低下し、一方95重量%を超えるときは基材
との密着性が低下する。
重縮合物のマトリックス中に官能基含有含フッ素エチレ
ン性重合体の微粒子が分散した状態である。その官能基
含有含フッ素エチレン性重合体微粒子の平均粒子径は、
0.01〜1.0μm程度であり、好ましくは0.6μ
m以下であり、この範囲内において特に透明性を必要と
するばあい0.4μm以下であることが好ましく、ま
た、プライマー層用組成物の分散安定性、貯蔵安定性、
さらに被膜の透明性を必要とするばあい0.2μm以下
であることがもっとも好ましい。
粒子は、種々の方法で製造されるが、粒子径を細かく、
また均一に制御できることから、乳化重合法によって製
造することが好ましい。このばあい、乳化重合によって
得られた官能基含有含フッ素エチレン性重合体微粒子の
水性ディスパージョンを、予め作製しておいた金属酸化
物重縮合物溶液に直接混合するか、または官能基含有含
フッ素エチレン性重合体微粒子の水性ディスパージョン
を含む溶剤中で前記金属化合物の加水分解と重縮合を行
なうことにより、プライマー層用組成物を得ることがで
きる。生産性や品質面(小粒径化や粒径の均一化など)
から、前者の調製法が好ましい。官能基含有含フッ素エ
チレン性重合体微粒子の水性ディスパージョンは、通常
1〜70重量%の固形分含量、特に5〜50重量%の固
形分含量のものが好ましい。
子を含む金属酸化物重縮合物溶液(プライマー層用コー
ティング液)を調製する方法としては、(ア)官能基含
有含フッ素エチレン性重合体微粒子を含む水性ディスパ
ージョンを含む溶液中で金属化合物を加水分解および重
縮合させ、金属酸化物重縮合物を形成し、コーティング
液を調製する方法、(イ)予め加水分解、重縮合により
調製した金属酸化物重縮合物溶液と官能基含有含フッ素
エチレン性重合体微粒子を含む水性ディスパージョンを
混合し、コーティング液を調製する方法のいずれかを採
用することができる。
子を含むディスパージョンは、この重合体が有している
官能基の効果により、前記いずれかの方法によるコーテ
ィング液の調製工程においても、微粒子の沈降や凝析な
どを起こさない。また、塗布に先立ち、目標の膜厚、基
材の種類や形状により、コーティング液の固形分濃度を
調整したり、増粘剤の添加などによるコーティング液の
粘度の調整を行なってもよい。
説明する。かかる最外層は、官能基を含有しない含フッ
素エチレン性重合体を必須の成分として有している。こ
の官能基不含有含フッ素エチレン性重合体は官能基を有
していないため、官能基含有含フッ素エチレン性重合体
に比して非粘着性や耐熱性に優れている。しかし、前記
のとおり、通常のフッ素樹脂を含めて他の樹脂および無
機材料(金属酸化物重縮合体や金属など)との接着性に
劣っている。
重合体粒子がプライマー層表面に存在しているので、そ
の官能基含有含フッ素エチレン性重合体の改善された接
着性を利用でき、最外層とプライマー層との密着性は大
幅に向上する。
しては、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、
エチレン−トリクロロトリフルオロエチレン共重合体、
ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチ
レン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフル
オロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテ
ル)共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオ
ロプロピレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテ
ル)共重合体、ポリテトラフルオロエチレンなどの1種
または2種以上が好ましくあげられる。これらのうち、
得られる塗膜が透明性や耐熱性に優れる点から、テトラ
フルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキル
ビニルエーテル)共重合体、テトラフルオロエチレン−
ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロ(アルキルビ
ニルエーテル)共重合体が特に好ましい。
は、コーティング液の形態でも粉体塗料の形態でもよ
い。
化重合により得られる水性ディスパージョンまたは懸濁
重合により得られる粉末を界面活性剤、増粘剤、各種塗
料添加剤を用いて水性分散体とする方法、懸濁重合によ
り得られる粉末を溶剤に分散させる方法、または水生デ
ィスパージョンからオルガノゾルへ転相させる方法で調
製できる。
粉体塗料をそのまま適用できる。
れる。基材としては特に限定されず目的および用途など
によって適宜選定すればよい。具体的には、ステンレス
スチールやアルミニウムなどの金属基材;ガラス、スレ
ート、各種セラミックなどのセラミック基材;ポリイミ
ド、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルホンなどのプ
ラスチック基材などがあげられる。本発明の多層被膜の
プライマー層が金属酸化物重縮合物を含有しているの
で、ガラス基材や金属基材との密着性に特に優れる。
の方法で行なうことができる。 (1)2コート2ベーク法 基材に前記の方法で調製したプライマー層用コーティン
グ液を塗布し、乾燥させた後、焼成する。ついで前記の
方法で調製した最外層用のコーティング液を塗布し、乾
燥後焼成する。 (2)2コート1ベーク法 基材に前記の方法で調製したプライマー層用コーティン
グ液を塗布し、乾燥させた後焼成せずに、前記の方法で
調製した最外層用のコーティング液を塗布し、乾燥後、
両層を同時に焼成する。
ート、スプレー、ハケ塗り、ロールコートなど公知の塗
布手段で行なうことができる。
官能基含有含フッ素エチレン性重合体の微粒子が金属酸
化物重縮合物のマトリックス中に分散してなる被膜が、
最外層では官能基不含有含フッ素エチレン性重合体の被
膜が形成される。通常、焼成に先立って水や溶剤を除去
する乾燥工程が行なわれる。乾燥は、通常室温〜100
℃、好ましくは室温〜80℃程度で行なう。なお、最外
層形成用に粉体塗料を使用する場合は、最外層用の塗料
を塗布した後の乾燥工程は省略できる。
エチレン性重合体または官能基不含有含フッ素エチレン
性重合体の種類によって異なるが、100℃以上、(官
能基含有または不含有)含フッ素エチレン性重合体の分
解温度未満、好ましくは150℃以上、(官能基含有ま
たは不含有)含フッ素エチレン性重合体の熱分解温度未
満(たとえば400℃)で行なわれる。100℃以下で
行なうと、金属酸化物の縮重合(ゲル化)が充分に進行
しないため、架橋が不充分であり、高硬度、高強度のプ
ライマー層が得られにくい。
素エチレン性重合体の分解温度を超えると、発泡や着色
のみでなく、最外層との接着性が失なわれる。
物と官能基含有含フッ素エチレン性重合体の微粒子から
なる被膜中に、官能基含有含フッ素エチレン性重合体を
粒子状で分散させるために、焼成は官能基含有含フッ素
エチレン性重合体の融点以下で行なうことが好ましい。
しかし、溶融粘度が高く、溶融流動しないもの(たとえ
ばPTFEなどのようなもの)を微粒子として用いるば
あい、官能基含有含フッ素エチレン性重合体の分解温度
を超えない限り、融点以上でも焼成することができる。
用途などによって異なるが、通常プライマー層を0.1
〜10μmとし最外層を5〜100μm、好ましくはプ
ライマー層を0.1〜5μmとし最外層を5〜50μm
とする。
特に透明性の持続性に優れるので、基材の模様や素材感
をクリアに表現でき、意匠性に優れたものである。さら
に、官能基を有しない含フッ素エチレン性重合体を最外
層にもつので、非粘着性、撥水性、耐薬品性といったフ
ッ素樹脂の利点を充分に利用できる。また、プライマー
層が金属酸化物の重縮合体を主たる成分とするものであ
るため、耐熱接着性にも優れている。
器;耐薬品性が要求される工業用のガラスなどに最適で
ある。
が、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではな
い。
ン46g、エタノール100gを500mlのビーカー
に入れ室温で1時間撹拌した。つぎに、0.05N塩酸
水溶液60gを加え25℃で3時間撹拌し、加水分解と
重縮合を行ないシリカゾル溶液を得た。
重合体の製造) 撹拌機、バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた内容
量3リットルのガラスライニング製オートクレーブに純
水1500ml、パーフルオロオクタン酸アンモニウム
9.0g、パラフィン60gを入れ、窒素ガスで充分置
換したのち真空にし、エタンガス20mlを仕込んだ。
−テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−
3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式(7)で示さ
れる化合物)3.6g、パーフルオロ(プロピルビニル
エーテル)(PPVE)16.5gを窒素ガスを用いて
圧入し系内の温度を70℃に保った。
(TFE)を内圧0.833MPaG(8.5kgf/
cm2G)となるように圧入した。
水5.0gに溶かした溶液を窒素を用いて圧入して反応
を開始した。
で、0.735MPaG(7.5kgf/cm2G)ま
で低 下した時点で、テトラフルオロエチレンガスで
0.833MPaG(8.5kgf/cm2G)まで再
加圧し、降圧、昇圧を繰り返した。
ら重合開始からテトラフルオロエチレンガスが40g消
費されるごとに、前記のヒドロキシル基を有している含
フッ素エチレン性単量体(式(7)で示される化合物)
の1.8gを計9回(計16.2g)を圧入して重合を
継続し、重合開始よりテトラフルオロエチレンが400
g消費された時点で供給を止めオートクレーブを冷却
し、未反応モノマーを放出した。水性ディスパージョン
1997gをえた。えられた水性ディスパージョン中の
ポリマーの濃度は22.1%、動的光散乱法で測定した
粒子径は141nmであった。
り凍結乾燥を行ない、析出した重合体を洗浄乾燥し、白
色固体を単離した。
IR分析により、TFE/PPVE/(式(7)で示さ
れるヒドロキシル基を有している含フッ素エチレン性単
量体)=98.2/0.7/1.1モル%であった。
cm-1に−OHの特性吸収が観測された。
GA分析により1%熱分解温度Td=366℃であっ
た。高化式フローテスターを用いて内径2mm、長さ8
mmのノズルを用い、372℃で予熱5分間、荷重0.
686N/mm2(7kgf/cm2)でメルトフローレ
ートを測定したところ1.3g/10minであった。
体の水性ディスパージョン130g中に製造例1で得ら
れたシリカゾル26gを加え、10分間撹拌してプライ
マー層用のコーティング液を調製した。
ス板に乾燥膜厚が1μmとなるようにスプレー塗装し、
風乾した後300℃にて30分間焼成してプライマー層
を形成した。
ディスパージョン(ダイキン工業(株)製のAD−2C
R、平均粒径0.3μm、濃度50重量%)を乾燥膜厚
が15μmとなるようにスプレー塗装し、風乾した後3
80℃にて20分間焼成して、本発明の多層被膜を形成
した。
調べた。結果を表1に示す。 被膜の透明性 得られた焼成後の多層被膜の透明性をヘイズ−メーター
により測定したヘイズ値および全光線透過率によって評
価する。 密着性 JIS K5400にしたがって、被膜上にクロスカッ
ト100目を作りクロスカット面にセロハン粘着テープ
を貼りつけ、これを被膜に対して垂直方向に強く引っぱ
り、被膜の剥離状態を観察し、被膜の残り数/100で
表示する。 耐摩耗試験 ネル布(綿300番)を用い1.0kg/4cm2の荷
重にて多層被膜を3 000回摩擦した後、その対水接
触角を接触角計で測定する。 耐汚染性 砂糖/醤油=1/1の汚染液を多層被膜上に10g滴下
し、260℃にて30分間加熱した後、拭き取る。完全
に拭き取ることができた拭取り回数で耐汚染性を評価す
る。 耐アルカリ性 5%水酸化ナトリウム水溶液に常温(約25℃)にて2
4時間浸漬した後、その対水接触角を接触角計で測定す
る。 耐熱性 250℃で100時間保持した後、その対水接触角を接
触角計で測定する。
体の水性ディスパージョン130g中に製造例1で得ら
れたシリカゾル26gを加え、10分間撹拌してプライ
マー層用のコーティング液を調製した。
ス板に乾燥膜厚が1μmとなるようにスプレー塗装し、
風乾した後300℃にて30分間焼成してプライマー層
を形成した。
ディスパージョン(ダイキン工業(株)製のND−1、平
均粒径0.1μm、濃度50重量%)を乾燥膜厚が15
μmとなるようにスプレー塗装し、風乾した後380℃
にて20分間焼成して、本発明の多層被膜を形成した。
様にして各特性を調べた。結果を表1に示す。
体の水性ディスパージョン130g中に製造例1で得ら
れたシリカゾル54gを加え、10分間撹拌してプライ
マー層用のコーティング液を調製した。
ス板に乾燥膜厚が1μmとなるようにスプレー塗装し、
風乾した後300℃にて30分間焼成してプライマー層
を形成した。
能基不含有PFAディスパージョン(AD−2CR)を
乾燥膜厚が15μmとなるようにスプレー塗装し、風乾
した後380℃にて20分間焼成して、本発明の多層被
膜を形成した。
様にして各特性を調べた。結果を表1に示す。
体の水性ディスパージョン130g中に製造例1で得ら
れたシリカゾル104gを加え、10分間撹拌してプラ
イマー層用のコーティング液を調製した。
ス板に乾燥膜厚が1μmとなるようにスプレー塗装し、
風乾した後300℃にて30分間焼成してプライマー層
を形成した。
能基不含有PFAディスパージョン(AD−2CR)を
乾燥膜厚が15μmとなるようにスプレー塗装し、風乾
した後380℃にて20分間焼成して、本発明の多層被
膜を形成した。
様にして各特性を調べた。結果を表1に示す。
体の水性ディスパージョン130g中に製造例1で得ら
れたシリカゾル21gを加え、10分間撹拌してプライ
マー層用のコーティング液を調製した。
ス板に乾燥膜厚が1μmとなるようにスプレー塗装し、
風乾した後300℃にて30分間焼成してプライマー層
を形成した。
能基不含有PFAディスパージョン(AD−2CR)を
乾燥膜厚が15μmとなるようにスプレー塗装し、風乾
した後380℃にて20分間焼成して、本発明の多層被
膜を形成した。
様にして各特性を調べた。結果を表1に示す。
体の水性ディスパージョン130g中に製造例1で得ら
れたシリカゾル26gを加え、10分間撹拌してコーテ
ィング液を調製した。
が1μmとなるようにスプレー塗装し、風乾した後30
0℃にて30分間焼成して被覆層を形成した。
実施例1と同様にして各特性を調べた。結果を表1に示
す。
体の水性ディスパージョン130g中に製造例1で得ら
れたシリカゾル54gを加え、10分間撹拌してコーテ
ィング液を調製した。
が1μmとなるようにスプレー塗装し、風乾した後30
0℃にて30分間焼成して被覆層を形成した。
実施例1と同様にして各特性を調べた。結果を表1に示
す。
が0.1μmとなるようにスピンコートし、ついでフル
オロアルキルシランをさらにスピンコートした後、25
0℃にて60分間焼成して、多層シリカ被膜を形成し
た。
て、実施例1と同様にして各特性を調べた。結果を表1
に示す。
性重合体(PFA)の水性ディスパージョン130g中
に製造例1で得られたシリカゾル26gを加え、10分
間撹拌してプライマー層用のコーティング液を調製し
た。
ス板に乾燥膜厚が1μmとなるようにスプレー塗装し、
風乾した後300℃にて30分間焼成してプライマー層
を形成した。
能基不含有PFAディスパージョン(AD−2CR)を
乾燥膜厚が15μmとなるようにスプレー塗装し、風乾
した後380℃にて20分間焼成して、比較用の多層被
膜を形成した。
様にして各特性を調べた。結果を表1に示す。
が0.1μmとなるようにスピンコートし、プライマー
層を形成した。
能基不含有PFAディスパージョン(AD−2CR)を
乾燥膜厚が15μmとなるようにスプレー塗装し、風乾
した後380℃にて20分間焼成して、比較用の多層被
膜を形成した。
様にして各特性を調べた。結果を表1に示す。
たうえでさらに透明性(意匠性)にも優れ、また非粘着
性や耐汚染性、耐薬品性、耐熱性にも優れた含フッ素重
合体の多層被膜およびそれを有する被覆物品を提供する
ことができる。
Claims (9)
- 【請求項1】 基材上に設けられてなる含フッ素重合体
プライマー層および含フッ素重合体最外層からなる多層
被膜であって、含フッ素重合体プライマー層が、金属酸
化物の重縮合物と官能基含有含フッ素エチレン性重合体
とからなり、含フッ素重合体最外層が官能基を含まない
含フッ素エチレン性重合体からなる耐熱非粘着性多層被
膜。 - 【請求項2】 前記含フッ素エチレン性重合体プライマ
ー層を構成する金属酸化物の重縮合物が、金属アルコキ
シド、金属アセチルアセテート、金属カルボキシレー
ト、硝酸金属塩および金属塩化物よりなる群から選ばれ
た少なくとも1種の重縮合物である請求項1記載の多層
被膜。 - 【請求項3】 前記含フッ素エチレン性重合体プライマ
ー層を構成する官能基含有含フッ素重合体が、ヒドロキ
シル基、カルボキシル基、カルボン酸塩、カルボキシエ
ステル基およびエポキシ基よりなる群から選ばれた少な
くとも1種の官能基を有する官能基含有含フッ素エチレ
ン性単量体を共重合して得られた重合体である請求項1
または2記載の多層被膜。 - 【請求項4】 官能基含有含フッ素エチレン性重合体
が、(a)式(1): CX2=CX1−Rf−Y (1) (式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸
塩、カルボキシエステル基またはエポキシ基、Xおよび
X1は同じかまたは異なりいずれも水素原子またはフッ
素原子、Rfは炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキ
レン基または炭素数1〜40のエーテル結合を含有して
いる2価の含フッ素アルキレン基を表わす)で示される
少なくとも1種の官能基含有含フッ素エチレン性単量体
0.05〜50モル%と(b)該官能基含有含フッ素エ
チレン性単量体(a)と共重合可能な少なくとも1種の
含フッ素エチレン性単量体50〜99.95モル%を共
重合してえられる官能基を有している含フッ素重合体で
ある請求項1〜3のいずれかに記載の多層被膜。 - 【請求項5】 官能基含有含フッ素エチレン性単量体
(a)が、式(2): CH2=CFCF2−Rf 1−Y1 (2) [式中、Y1は−CH2OH、−COOH、カルボン酸
塩、カルボキシエステル基またはエポキシ基、Rf 1は炭
素数1〜39の2価の含フッ素アルキレン基またはOR
f 2(Rf 2は炭素数1〜39の2価の含フッ素アルキレン
基または炭素数1〜39のエーテル基を含む2価の含フ
ッ素アルキレン基である)を表わす]で示される官能基
含有含フッ素エチレン性単量体である請求項4記載の多
層被膜。 - 【請求項6】 官能基を有しない含フッ素エチレン性単
量体(b)がテトラフルオロエチレンである請求項4記
載の多層被膜。 - 【請求項7】 官能基を有しない含フッ素エチレン性単
量体(b)がテトラフルオロエチレン85〜99.7モ
ル%と式(3): CF2=CF−Rf 3 (3) [式中、Rf 3はCF3またはORf 4(Rf 4は炭素数1〜
5のパーフルオロアルキル基である)を表わす]で示さ
れる単量体0.3〜15モル%の混合物である請求項4
または5記載の多層被膜。 - 【請求項8】 前記含フッ素エチレン性重合体最外層の
官能基不含有含フッ素エチレン性重合体が、エチレン−
テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−トリクロ
ロトリフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフル
オロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パー
フルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体、テトラ
フルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフ
ルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体およびポリ
テトラフルオロエチレンよりなる群から選ばれた少なく
とも1種である請求項1〜7のいずれかに記載の多層被
膜。 - 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の多層被
覆を基材上に有する被覆物品。
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