JPH10264328A - 非粘着性複合材 - Google Patents

非粘着性複合材

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JPH10264328A
JPH10264328A JP7761897A JP7761897A JPH10264328A JP H10264328 A JPH10264328 A JP H10264328A JP 7761897 A JP7761897 A JP 7761897A JP 7761897 A JP7761897 A JP 7761897A JP H10264328 A JPH10264328 A JP H10264328A
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JP
Japan
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fluorine
monomer
adhesive composite
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Application number
JP7761897A
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English (en)
Inventor
Takayuki Araki
孝之 荒木
Yoshito Tanaka
義人 田中
Masahiro Kumegawa
昌浩 久米川
Noritoshi Oka
憲俊 岡
Tetsuo Shimizu
哲男 清水
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非粘着性のほか耐熱性撥水性に優れ、かつ耐
摩耗性、耐傷付き性、透明性、撥水性に優れた高硬度な
被膜が強固に基材に接着されている非粘着性複合材を提
供する。 【解決手段】 ヒドロキシ基、カルボキシル基、カルボ
ン酸塩およびカルボキシエステル基のうちの少なくとも
1種を有している官能基含有含フッ素エチレン性単量体
と官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体を共重合
してえられる官能基含有含フッ素エチレン性重合体
(A)の微粒子が、金属酸化物(B)層中に分散してい
る被膜を基材表面に有する非粘着性複合材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に非粘着性に優
れ、さらに耐熱性、透明性(意匠性)、防汚性および撥
水撥油性など、ならびに基材への接着性および硬度に優
れた、含フッ素重合体の微粒子が金属酸化物層中に分散
している被膜を基材表面に有する非粘着性複合材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】食材の加工や加熱を行なう調理機器また
は食器、あるいは静電複写機に代表されるトナーを使用
する事務機器、さらには換気扇などの家電製品では、食
材やトナー、油などの使用材料が機器やその部分などに
付着すると、本来の機能や美観が損われてしまうため、
非粘着性の材料をそうした付着の可能性のある部位に使
用することが要請されている。
【0003】非粘着性の材料としてはフッ素系材料、と
くに含フッ素樹脂が最も一般的であり、また現実にも使
用されている。
【0004】しかし、前記含フッ素樹脂は、利用しよう
とするそのすぐれた非粘着性に起因して、金属またはガ
ラスなどの基材との接着性が充分ではないという本質的
な問題がある。
【0005】こうした要請に対し、たとえば調理機器な
どに用いる複合材に、耐熱性、耐薬品性、耐蝕性、耐候
性、表面特性(非粘着性、低摩擦性など)、電気絶縁性
などにすぐれている含フッ素重合体が炊飯器やホットプ
レートなどの調理機器の加熱面などに適用されている。
しかし含フッ素重合体はその優れた非粘着性に起因して
金属表面との接着性が充分ではなく、(1)接着剤を用
いるか、(2)基材表面にサンドブラストや電気化学的
な方法でエッチングを行ない、表面に凹凸を設け、投錨
(アンカー)効果で接着を行なう必要がある。
【0006】しかし、(1)のように接着剤を用いる方
法では、耐熱性があって、透明で高い接着力を有する接
着剤がないため、また、(2)のように基材表面に凹凸
を設ける方法では凹凸の生成により表面を著しく荒らす
ことになり、ガラス基材の透明性や金属系基材の金属光
沢などの色調を活かすことができないという意匠性の問
題がある。さらに、仮に、透明な接着剤が開発されたと
しても、加熱調理面などの表面の被膜を構成する含フッ
素重合体は柔らかいため、たとえば長時間使用中また
は、ヘラやタワシなどを用いて洗浄するうちに表面の被
膜に傷がついて透明性や意匠性が低下したり、また摩耗
することにより含フッ素重合体本来の非粘着性や撥水性
が低下したりする。
【0007】これらを解決する試みとして含フッ素重合
体からなる被膜にガラス系やアルミニウム系などの無機
充填材を添加して硬さを付与することが行なわれている
が、被膜がもろくなったり、透明性や意匠性などを低下
してしまうという問題があった。
【0008】また、雨天時などに車のウインドウガラス
やサイドミラーに付着した水滴をはじき、視界を良好に
することを目的として、ガラスに撥水性を付与する検討
が種々行なわれており、これらを非粘着性を求める分野
で利用することが考えられる。
【0009】たとえば、特開平4−124047号公
報、特開平4−325446号公報、特開平5−248
85号公報には、ガラスなどの基材上にフルオロアルキ
ル基(Rf基)を含有するシラン化合物を塗布すること
が記載されている。また、特開平4−359086号公
報、特開平5−170486号公報、特開平5−213
633号公報には、フルオロアルキル基含有シラン化合
物またはフルオロアルキル基含有シラン化合物を混合し
た金属アルコキシドを酸などにより部分加水分解、重縮
合(ゾル化)させ、ガラス基材上に塗布し、焼成して撥
水性酸化被膜を形成(ゲル化)することが記載されてい
る。
【0010】しかし、これらの処理法でえられた撥水性
ガラスは、撥水性基が被膜の最表面に分布しやすく、摩
耗によって非粘着性や撥水性が低下するといった問題が
ある。また、フルオロアルキル基含有シラン化合物やそ
の縮合体自体は、耐熱性が不充分で、長期間にわたって
使用すると劣化して非粘着性や撥水性能が維持できない
という問題がある。
【0011】これに対し、撥水性成分として官能基を有
していない含フッ素樹脂粒子を用い、いわゆるゾル−ゲ
ル法でえられる金属酸化物層中に含フッ素樹脂粒子を分
散させることによって、充分な硬さを有し、かつ撥水性
の被膜およびそれを施した撥水ガラスが開示されてい
る。たとえば特開平5−51238号、特開平6−32
9442号、特開平6−340451号、特開平7−1
02207号、特開平7−157335号各公報などに
は、金属アルコキシド系化合物をアルコールなどの溶媒
中で加水分解および脱水縮合させたゾル溶液にポリテト
ラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサ
フルオロプロピレン共重合体、含フッ素アクリル樹脂な
どの撥水性を有する含フッ素樹脂粒子(粉末またはディ
スパージョン)を混合することによってコーティング液
を作製し、塗布し、焼成(ゲル化)することによって、
撥水性粒子がゾル−ゲル膜中に分布した撥水性被膜をガ
ラスなどの基材上に形成させることが記載されている。
【0012】しかし、これらの方法では耐熱性において
は改善が期待できるが、つぎのような問題がある。
【0013】ゾル溶液に含フッ素樹脂粒子を混合して
作製したコーティング液中の含フッ素樹脂粒子の分散安
定性がわるく、含フッ素樹脂粒子が沈降しやすく、塗布
後の被膜が白濁したり透明性が著しく低下する。
【0014】見た目ではコーティング液が分散してい
ても、塗布し、焼成工程で塗膜が濃縮されるにしたがっ
て分散安定性が不充分なため、含フッ素樹脂粒子が凝集
し、白濁したり透明性のわるい被膜となる。
【0015】そもそも金属酸化物と含フッ素樹脂粒子
との界面親和性は低いため、えられた被膜中の含フッ素
樹脂粒子の分散性がわるく、被膜自体が強度的にもろく
なり、耐摩耗性がわるい被膜となる。
【0016】えられた被膜中の金属酸化物と含フッ素
樹脂粒子との界面接着力が弱く、耐摩耗性試験で含フッ
素樹脂粒子の脱落が起き、非粘着性や撥水性が低下す
る。
【0017】つまり、従来のゾル−ゲル法によっても、
透明性に優れ、かつ耐摩耗性、耐熱性、撥水撥油性、耐
傷付き性に優れた非粘着性の被膜はえられていない。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】叙上の事実に鑑み、本
発明の目的は、基本的にはゾル−ゲル法を採用するが、
特定の官能基含有含フッ素重合体を用いることにより、
その微粒子が均一に分散している金属酸化物層からなる
被膜を基材表面に有する非粘着性複合材を提供すること
にある。
【0019】さらに本発明の目的は、とくに耐摩耗性、
耐傷付き性、透明性(意匠性)に優れ、充分な硬さをも
つ非粘着性複合材を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)ヒドロ
キシル基、カルボキシル基、カルボン酸塩、カルボキシ
エステル基およびエポキシ基よりなる群から選ばれた少
なくとも1種の官能基を有する官能基含有含フッ素エチ
レン性単量体の少なくとも1種の単量体0.05〜50
モル%と(b)前記の官能基を有さない含フッ素エチレ
ン性単量体の少なくとも1種の単量体50〜99.95
モル%とを共重合してなる官能基含有含フッ素エチレン
性重合体(A)の微粒子が金属酸化物(B)層中に分散
している被膜を基材表面に有する非粘着性複合材に関す
る。
【0021】また本発明は、前記官能基含有含フッ素エ
チレン性単量体(a)が式(1): CX2=CX1−Rf−Y (1) (式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸
塩、カルボキシエステル基またはエポキシ基、Xおよび
1は同じかまたは異なり水素原子またはフッ素原子、
fは炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基、
炭素数1〜40の含フッ素オキシアルキレン基、炭素数
1〜40のエーテル基を含む含フッ素アルキレン基また
は炭素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素オキシ
アルキレン基を表す)で示される少なくとも1種の官能
基含有含フッ素エチレン性単量体である前記非粘着性複
合材に関する。
【0022】また本発明は、前記官能基を有さない含フ
ッ素エチレン性単量体(b)が、テトラフルオロエチレ
ンである前記非粘着性複合材に関する。
【0023】また本発明は、前記官能基を有さない含フ
ッ素エチレン性単量体(b)が、テトラフルオロエチレ
ン85〜99.7モル%と式(2): CF2=CF−Rf 1 (2) (式中、Rf 1はCF3またはORf 2(Rf 2は炭素数1〜
5のパーフルオロアルキル基)で示される単量体0.3
〜15モル%との混合単量体である前記非粘着性複合材
に関する。
【0024】また本発明は、前記官能基を有さない含フ
ッ素エチレン性単量体(b)が、テトラフルオロエチレ
ン40〜80モル%とエチレン20〜60モル%とその
他の共重合可能な単量体0〜15モル%との混合単量体
である前記非粘着性複合材に関する。
【0025】また本発明は、前記金属酸化物(B)がケ
イ素の酸化物である前記非粘着性複合材に関する。
【0026】また本発明は、前記金属酸化物(B)がア
ルミニウムの酸化物である前記非粘着性複合材に関す
る。
【0027】また本発明は、前記金属酸化物(B)がチ
タニウムの酸化物である前記非粘着性複合材に関する。
【0028】また本発明は、前記基材が金属系基材であ
る前記非粘着性複合材に関する。
【0029】また本発明は、前記基材がガラス基材であ
る前記非粘着性複合材に関する。
【0030】また本発明は、前記基材が合成樹脂基材で
ある前記非粘着性複合材に関する。
【0031】また本発明は、前記基材が陶磁器である前
記非粘着性複合材に関する。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明者らは前記目的を達成する
ため検討を重ねた結果、非粘着性を有し、撥水性、耐摩
耗性、耐傷付き性を改善した被膜をうることができ、さ
らにそれらが各種基材への接着性に優れていることを見
出した。
【0033】本発明の非粘着性複合材は、(a)ヒドロ
キシル基、カルボキシル基、カルボン酸塩、カルボキシ
エステル基およびエポキシ基よりなる群から選ばれた少
なくとも1種の官能基を有する官能基含有含フッ素エチ
レン性単量体の少なくとも1種の単量体0.05〜30
モル%と(b)前記の官能基を有さない含フッ素エチレ
ン性単量体の少なくとも1種の単量体70〜99.95
モル%とを共重合してなる官能基を有する含フッ素エチ
レン性重合体(A)の微粒子がマトリックスである金属
酸化物(B)層中に分散してなる被膜を基材表面に形成
したものである。
【0034】本発明の複合材をうるために用いる官能基
含有含フッ素重合体(A)は、前記(a)の官能基含有
含フッ素エチレン性単量体を用いて、前記の官能基を有
さない含フッ素エチレン性単量体(b)と共重合し、含
フッ素重合体に官能基を導入することが重要であり、そ
れによって従来の含フッ素重合体の接着が不充分または
不可能であったマトリックスである金属酸化物中での含
フッ素重合体の分散性、含フッ素重合体と金属酸化物の
界面接着性を改善し、被膜および該被膜を施した複合体
にすぐれた透明性、耐久性(耐摩耗性、耐傷付き性)を
与えうる。つまり、官能基含有含フッ素重合体であって
も、非フッ素系の官能基含有単量体を共重合したものに
比べ耐熱性にすぐれており、高温(たとえば200〜4
00℃など)での加工時の熱分解などがより少なく抑え
られ、着色や発泡、それによるピンホール、レベリング
不良などのない透明性、意匠性にすぐれた被膜を基材上
に形成することができる。また、複合材を高温で使用す
るばあいも、着色、白化、発泡、ピンホールなどの被膜
の欠陥が生じにくい。
【0035】また、前記官能基含有含フッ素重合体
(A)は、それ自体、耐熱性だけでなく、含フッ素重合
体がもつ非粘着性、耐薬品性、防汚性、低摩擦性、耐候
性、撥水撥油性などのすぐれた特性をも有しており、こ
れらのすぐれた特性を低下させずに与えうる。
【0036】つぎに、まず本発明の非粘着性複合材の材
料である官能基含有含フッ素エチレン性共重合体(A)
について説明する。
【0037】官能基含有含フッ素エチレン性重合体
(A)の官能基は、ヒドロキシル基、カルボキシル基、
カルボン酸塩、カルボキシエステル基およびエポキシ基
から選ばれる少なくとも1種であり、官能基の効果によ
り含フッ素重合体(A)が金属酸化物(B)からなるマ
トリックス中に良好な分散性を与え、さらに含フッ素重
合体(A)と金属酸化物の間に良好な界面接着性、親和
性を与えうるものである。官能基の種類や組合せはマト
リックスである金属酸化物(B)の種類、目的や用途に
より適宜選択されるが、耐熱性の面でヒドロキシル基を
有するものが最も好ましい。
【0038】本発明に用いることができる官能基含有含
フッ素エチレン性重合体(A)は、具体的には(a)式
(1): CX2=CX1−Rf−Y (1) (式中、YはCH2OHまたはCOOHもしくはカルボ
ン酸塩もしくはカルボキシエステル基、XおよびX1
同じかまたは異なりいずれも水素原子またはフッ素原
子、Rfは炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン
基または炭素数1〜40のエーテル結合を含有している
2価の含フッ素アルキレン基を表わす)で示される少な
くとも1種の官能基含有含フッ素エチレン性単量体0.
05〜50モル%と(b)該官能基含有含フッ素エチレ
ン性単量体(a)と共重合可能な少なくとも1種の含フ
ッ素エチレン性単量体50〜99.95モル%を共重合
してえられる官能基含有含フッ素エチレン性重合体があ
げられ、耐熱性、撥水性の点で優れている。
【0039】官能基含有含フッ素エチレン性単量体
(a)は、具体的には式(3): CF2=CF−Rf 3−Y (3) [式中、Yは式(1)のYと同じ、Rf 3は炭素数1〜4
0の2価の含フッ素アルキレン基またはORf 4(Rf 4
炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基または炭
素数1〜40のエーテル結合を含む2価の含フッ素アル
キレン基)を表わす]、式(4): CF2=CFCF2−ORf 5−Y (4) [式中、Yは式(1)のYと同じ、Rf 5は炭素数1〜3
9の2価の含フッ素アルキレン基または炭素数1〜39
のエーテル結合を含む2価の含フッ素アルキレン基を表
わす]、式(5): CH2=CFCF2−Rf 6−Y (5) [式中、Yは式(1)のYと同じ、Rf 6は炭素数1〜3
9の2価の含フッ素アルキレン基、またはORf 7(Rf 7
は炭素数1〜39の2価の含フッ素アルキレン基または
炭素数1〜39のエーテル結合を含む2価の含フッ素ア
ルキレン基)を表わす]または式(6): CH2=CH−Rf 8−Y (6) [式中、Yは式(1)のYと同じ、Rf 8は炭素数1〜4
0の2価の含フッ素アルキレン基]で示される単量体な
どがあげられる。
【0040】式(3)〜式(6)で示される官能基含有
含フッ素エチレン性単量体が、含フッ素エチレン性単量
体(b)との共重合性が比較的良好な点で、また、共重
合してえられた共重合体の耐熱性、撥水性を著しく低下
させない理由で好ましい。
【0041】これらのなかでも、他の含フッ素エチレン
性単量体との共重合性や、えられた共重合体の耐熱性の
面より式(3)、式(5)で示される単量体が好まし
く、とくに式(2)で示される単量体が好ましい。
【0042】式(3)で示される官能基含有含フッ素エ
チレン性単量体はさらに詳しくは
【0043】
【化1】
【0044】などが例示される。
【0045】式(4)で示される官能基含有含フッ素エ
チレン性単量体としては、
【0046】
【化2】
【0047】などが例示される。
【0048】式(5)で示される官能基含有含フッ素エ
チレン性単量体としては、
【0049】
【化3】
【0050】などが例示される。
【0051】式(6)で示される官能基含有含フッ素エ
チレン性単量体としては、
【0052】
【化4】
【0053】などが例示される。
【0054】その他の単量体としては、
【0055】
【化5】
【0056】などもあげられる。
【0057】官能基含有含フッ素エチレン性単量体
(a)と共重合可能なエチレン性単量体は、既知の単量
体より適宜選択することができるが、非粘着性のほか耐
熱性、撥水性、耐薬品性、低摩擦性を共重合体に与える
ためには、含フッ素エチレン性単量体(b)から選ばれ
る。
【0058】具体的な含フッ素エチレン性単量体(b)
としては、テトラフルオロエチレン、式(2): CF2=CF−Rf 1 (2) [式中、R1 fはCF3またはORf 2(Rf 2は炭素数1〜
5のパーフルオロアルキル基)を表わす]、ヘキサフル
オロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、ビニリ
デンフルオライド、フッ化ビニル、パーフルオロ(アル
キルビニルエーテル)類、ヘキサフルオロイソブテン、
【0059】
【化6】
【0060】(式中、X2はともに水素原子、フッ素原
子、塩素原子から選ばれる、nはともに1〜5の整数)
などがあげられる。
【0061】また、官能基含有フッ素エチレン性単量体
(a)と前記含フッ素エチレン性単量体(b)に加え
て、非粘着性や耐熱性、撥水性を低下させない範囲でフ
ッ素原子を有さないエチレン性単量体を共重合してもよ
い。そのばあいフッ素原子を有さないエチレン性単量体
は、非粘着性、耐熱性、撥水性を低下させないためにも
炭素数5以下のエチレン性単量体から選ばれることが好
ましく、具体的にはエチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、2−ブテンなどがあげられる。
【0062】本発明における被膜において、官能基含有
含フッ素エチレン性重合体(A)中の官能基含有含フッ
素エチレン性単量体(a)の含有率は、金属酸化物
(B)の種類、官能基含有含フッ素エチレン性重合体
(A)と金属酸化物(B)との組成比率、固形分濃度、
さらに目的や用途によって適宜選択されうるが、好まし
くは0.05〜50モル%、さらに好ましくは0.1〜
20モル%、とくに好ましくは0.1〜10モル%であ
る。
【0063】前記官能基含有含フッ素エチレン性単量体
(a)の含有率が、0.05%未満であると、被膜中で
の分散が不均一となり、被膜が白化したりする。また、
被膜中の金属酸化物と被膜中に分散している官能基含有
含フッ素エチレン性重合体(A)との界面接着性が不充
分となり、摩擦などにより官能基含有含フッ素エチレン
性重合体(A)が脱落し、非粘着性や撥水性などを低下
させることがある。
【0064】逆に、前記官能基含有含フッ素エチレン性
単量体(a)の含有率が、50モル%を超えると、官能
基含有含フッ素エチレン性重合体(A)が有している本
来の非粘着性、撥水性が失われたり、耐熱性が低下し、
高温での焼成時に、熱分解し、着色、発泡、ピンホール
などの塗膜不良や撥水性能の低下などをおこしやすい。
【0065】本発明で用いる非粘着性を付与する官能基
含有含フッ素エチレン性重合体(A)の好ましいものを
他の特性と共につぎに例示する。
【0066】(I)官能基含有含フッ素エチレン性単量
体(a)0.05〜50モル%とテトラフルオロエチレ
ン50〜99.95モル%との重合体(I)(反応性P
TFE)。
【0067】この重合体は耐熱性、耐薬品性に最もすぐ
れ、さらに低摩擦性にすぐれている。
【0068】(II)官能基含有含フッ素エチレン性単量
体(a)を単量体の全量に対して0.05〜50モル%
含み、さらに該単量体(a)を除く単量体の全量に対し
て、テトラフルオロエチレン85〜99.7モル%と前
記式(2): CF2=CF−Rf 1 (2) [Rf 1はCF3、ORf 2(Rf 2は炭素数1〜5のパーフ
ルオロアルキル基)から選ばれる]で示される単量体
0.3〜15モル%との重合体(II)。たとえば官能基
を有するテトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アル
キルビニルエーテル)共重合体(反応性PFA)または
官能基を有するテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオ
ロプロピレン重合体(反応性FEP)。
【0069】この重合体は耐熱性、耐薬品性にすぐれ、
撥水性が良好である。
【0070】(III)官能基含有含フッ素エチレン性単
量体(a)を単量体の全量に対して0.05〜50モル
%含み、さらに該単量体(a)を除く単量体の全量に対
して、テトラフルオロエチレン40〜80モル%、エチ
レン20〜60モル%、その他の共重合可能な前記単量
体0〜15モル%との重合体(III)(官能基を有する
エチレン−テトラフルオロエチレン重合体(反応性ET
FE))。
【0071】この重合体は防汚性にすぐれ、さらに透明
性、機械的特性にすぐれている。
【0072】またこれらの具体例としてあげた官能基含
有含フッ素エチレン性重合体は、200℃以上の高い融
点をもち、官能基含有含フッ素エチレン性重合体(A)
の微粒子が分散されてなる、官能基含有含フッ素エチレ
ン性重合体(A)と金属酸化物(B)からなる被膜を作
製する際、高温での焼成においても溶融せず、被膜中で
微粒子の形態を保持することができることから好まし
い。
【0073】本発明に用いることができる官能基含有含
フッ素エチレン性重合体(A)は、前述の官能基含有含
フッ素エチレン性単量体(a)と、エチレン性単量体
(b)を周知の重合方法で共重合することによってうる
ことができる。その中でも主としてラジカル共重合によ
る方法が用いられる。すなわち重合を開始するには、ラ
ジカル的に進行するものであれば手段は何ら制限されな
いが、たとえば有機、無機ラジカル重合開始剤、熱、光
あるいは電離放射線などによって開始される。重合の種
類も溶液重合、バルク重合、懸濁重合、乳化重合などを
用いることができる。また、分子量は、重合に用いるモ
ノマーの濃度、重合開始剤の濃度、連鎖移動剤の濃度、
温度によって制御される。生成する共重合体の組成は、
仕込みモノマーの組成によって制御可能である。
【0074】本発明において被膜のマトリックスを形成
するることができる金属酸化物(B)は、たとえば金属
の有機化合物や金属の無機化合物を出発原料とし、後述
する被覆組成物中の溶剤(C)により加水分解、重縮合
によってえられるものなどが好ましい。
【0075】このようにしてえられる金属酸化物(B)
としては、目的や用途により種々のものを用いることが
できるが、たとえば元素周期表における Ia族:Li、Na、 Ib族:Cu、 IIa族:Ca、Sr、Ba、 IIb族:Zn、 IIIa族:Y、 IIIb族:B、Al、Ga、 IVa族:Ti、Zr、 IVb族:Si、Ge、 Va族:V、Ta、 Vb族:P、Sb、 VIa族:W、 ランタニド族:La、Nd などの金属(M)の酸化物があげられ、また、2価以上
の金属であって、アルキル基、含フッ素アルキル基、ア
ミノ基やエポキシ基、ヒドロキシル基などの官能基を有
しているアルキレン基などの有機基(R)が金属(M)
に直接結合した金属酸化物(R−MO)も用いることが
できる。より具体的な金属酸化物(B)としては、後記
するものがあげられる。
【0076】前記金属(M)は、目的、用途により種々
選択できるが、透明で硬度が高く、耐久性に富んだ被膜
を形成できる点からSi、Al、TiまたはZrから選
ばれるものがとくに好ましい。
【0077】本発明における基材表面上の被膜中の官能
基含有含フッ素エチレン性重合体(A)と金属酸化物
(B)の割合(体積比)は、(A)/(B)が1〜85
/99〜15、特に透明性、被膜強度の点から5〜75
/25〜95であるのが好ましい。該重合体(A)が多
すぎると被膜の透明性が低下したり被膜がもろくなった
りする。逆に少なすぎると撥水性、非粘着性、防汚性と
いったフッ素樹脂本来の優れた性能が低下する。
【0078】本発明における被膜を形成することのでき
る基材としては、金属系基材、セラミックス系基材、合
成樹脂系基材があげられる。
【0079】金属系基材の金属には金属および2種以上
の金属による合金類、金属酸化物、金属水酸化物、炭酸
塩、硫酸塩などの金属塩類も含まれる。そのなかでも金
属および金属酸化物、合金類が接着性においてより好ま
しい。
【0080】金属系基材の具体例としては、アルミニウ
ム、鉄、ニッケル、チタン、モリブテン、マグネシウ
ム、マンガン、銅、銀、鉛、スズ、クロム、ベリリウ
ム、タングステン、コバルトなど金属や金属化合物およ
びこれらの2種以上からなる合金類などがあげられる。
【0081】合金類の具体例としては炭素鋼、Ni鋼、
Cr鋼、Ni−Cr鋼、Cr−Mo鋼、ステンレス鋼、
ケイ素鋼、パーマロイなどの合金鋼、Al−Cl、Al
−Mg、Al−Si、Al−Cu−Ni−Mg、Al−
Si−Cu−Ni−Mgなどのアルミニウム合金、黄
銅、青銅(ブロンズ)、ケイ素青銅、ケイ素黄銅、洋
白、ニッケル青銅などの銅合金、ニッケルマンガン(D
ニッケル)、ニッケル−アルミニウム(Zニッケル)、
ニッケル−ケイ素、モネルメタル、コンスタンタン、ニ
クロムインコネル、ハステロイなどのニッケル合金など
があげられる。
【0082】さらにアルミニウム系金属については、純
アルミニウム、アルミニウムの酸化物、Al−Cu系、
Al−Si系、Al−Mg系およびAl−Cu−Ni−
Mg系、Al−Si−Cu−Ni−Mg系合金、高力ア
ルミニウム合金、耐食アルミニウム合金などの鋳造用ま
たは展伸用のアルミニウム合金を用いることができる。
【0083】さらにまた鉄系金属としては、純鉄、酸化
鉄、炭素鋼、Ni鋼、Cr鋼、Ni−Cr鋼、Cr−M
o鋼、Ni−Cr−Mo鋼、ステンレス鋼、ケイ素鋼、
パーマロイ、不感磁性鋼、磁石鋼、鋳鉄類などを用いる
ことができる。
【0084】また、金属の腐食防止などを目的として、
金属表面に電気メッキ、溶融メッキ、クロマイジング、
シリコナイジング、カロライジング、シェラダイジン
グ、溶射などを施して他の金属を被膜したり、リン酸塩
処理によりリン酸塩被膜を形成させたり、陽極酸化や加
熱酸化により金属酸化物を形成させたり、電気化学的防
食を施した基材へも接着できる。
【0085】さらに、接着性をさらに向上させることを
目的として、金属基材表面をリン酸塩、硫酸、クロム
酸、シュウ酸などによる化成処理を施したり、サンドブ
ラスト、ショットブラスト、グリットブラスト、ホーニ
ンク、ペーパースクラッチ、ワイヤースクラッチ、ヘア
ーライン処理などの表面粗面化処理を施してもよく、意
匠性を目的として、金属表面に、着色、印刷、エッチン
グなどを施してもよい。
【0086】また、さらに上記アルミニウムまたはアル
ミニウム合金系基材のばあい、その表面に防食、表面硬
化、接着性の向上などを目的に、苛性ソーダ、シュウ
酸、硫酸、クロム酸を用いた陽極酸化を行なって酸化皮
膜を形成させたもの(アルマイト)や、その他前述の表
面処理を施したものも用いることもできる。
【0087】さらに前述と同様に、表面に他の金属をメ
ッキしたもの、たとえば溶融亜鉛メッキ鋼板、合金化溶
融亜鉛メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、亜鉛ニッ
ケルメッキ鋼板、亜鉛アルミニウム鋼板など、浸透法、
溶射法により他の金属を被膜したもの、クロム酸系やリ
ン酸系の化成処理または加熱処理により酸化被膜を形成
させたもの、電気的防食法を施したもの(たとえばカル
バニック鋼板)などでもよい。
【0088】セラミックス系基材としては、たとえばガ
ラス類、陶器、磁器、陶磁器などがあげられる。
【0089】ガラス類は特に組成は限定されず、石英ガ
ラス、鉛ガラス、アルカリガラス、無アルカリガラスな
どがあげられる。
【0090】合成樹脂系基材としては、たとえばアクリ
ル樹脂、ポリカーボネート、人工大理石、耐熱エンジニ
アリングプラスチック、熱硬化性樹脂などがあげられ
る。
【0091】本発明の非粘着性複合材の基材としては、
前記の基材のすべてが採用できるが、特に多く使用され
るものとしては、たとえば金属系基材として 冷延鋼板、 メッキ鋼板、たとえば、Znメッキ鋼板あるいはZn
合金メッキ鋼板、Alメッキ鋼板あるいはAl合金メッ
キ鋼板、Crメッキ鋼板(TFS)、Niメッキ鋼板、
Cuメッキ鋼板、ガルバニウム鋼板など、 アルミニウム板、 チタン板、 ステンレス板、 などのものがあげられる。
【0092】そのほか、透明性が要求される部分にセラ
ミックス系基材のガラス類、合成樹脂系基材のアクリル
樹脂やポリカーボネートなどが通常使用されている。
【0093】前記金属酸化物被膜の膜厚は、適用する機
器や器具の種類や部位により異なるが、0.01〜10
0μmであり、好ましくは0.01〜50μmであり、
とくに好ましくは0.02〜20μmである。
【0094】本発明における被膜は、いわゆるゾル−ゲ
ル法で作製した金属酸化物被膜であって、前記官能基含
有含フッ素エチレン性重合体(A)の微粒子と前記金属
酸化物(B)の前駆体である金属酸化物ゾル(B−1)
(ゲル化前の低分子縮合体)と溶剤(C)とからなる被
覆用組成物を基材に適用することにより形成できる。
【0095】この被覆用組成物に用いることができる溶
剤(C)は、種々のものがあげられるが、金属酸化物ゾ
ル(B−1)を均質に調製することができる点から、メ
タノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、イソブタノールなどのアルコール類、
また加水分解を促進するための水などから選ばれるもの
が主として用いられる。
【0096】なお、これらの溶剤(C)に不溶な金属化
合物を金属酸化物ゾル(B−1)(つまり金属酸化物被
膜)の出発原料として用いるばあい、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、トリエタノールアミン、キ
シレンなどを用いてもよい。また、被膜のき裂などを防
ぐためなどにホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジ
オキサン、シュウ酸などを使用してもよい。
【0097】かかる被覆用組成物において、官能基含有
含フッ素エチレン性重合体(A)、金属酸化物ゾル(B
−1)、溶剤(C)の各成分の組成比率は、調理機器の
種類や部位により適宜選択されうるが、官能基含有含フ
ッ素エチレン性重合体(A)と金属酸化物ゾル(B−
1)の合計量に対し、該重合体(A)1〜85容量%、
金属酸化物ゾル(B−1)15〜99容量%であり、該
重合体(A)5〜75容量%、金属酸化物ゾル(B−
1)25〜95容量%であることがさらに好ましい。
【0098】また、組成物全体に占める官能基含有含フ
ッ素エチレン性重合体(A)と金属酸化物(B)の合計
量は、0.1〜70重量%であり、好ましくは0.5〜
50重量%である。
【0099】本発明に用いる被覆用組成物において、官
能基含有含フッ素エチレン性重合体(A)は、微粒子で
あることが好ましく、塗布後の金属酸化物被膜中に微粒
子の形態で、分散しており、とくに非粘着性、耐摩耗
性、撥水性に優れた被膜を与えることができる。
【0100】官能基含有含フッ素エチレン性重合体
(A)の微粒子の平均粒子径は、0.01〜1.0μm
程度であり、好ましくは0.6μm以下であり、この範
囲内においてとくに透明性を必要とするばあい0.4μ
m以下であることが好ましく、また、被覆用組成物の分
散安定性、貯蔵安定性、さらに被膜の透明性を必要とす
るばあい0.2μm以下であることがもっとも好まし
い。
【0101】これらの官能基含有含フッ素エチレン性重
合体(A)の微粒子は、種々の方法で製造されるが、粒
子径を細かく、また均一に制御できることから、乳化重
合法によって製造することが好ましい。このばあい、乳
化重合によってえられた官能基含有含フッ素エチレン性
重合体(A)の水性ディスパージョンを、予め作製して
おいた金属酸化物ゾル(B−1)の溶液に直接混合する
か、または官能基含有含フッ素エチレン性重合体(A)
の水性ディスパージョンを含む溶剤中で出発原料の金属
化合物の加水分解、重縮合を行なうことにより、被覆用
組成物をうることができる。
【0102】なお、被覆用組成物には、たとえば界面活
性剤、顔料、染料、増粘剤などの添加剤を加えてもよ
い。
【0103】本発明において基材上に形成される被膜
は、前記官能基含有含フッ素エチレン性重合体(A)の
微粒子および金属酸化物ゾル(B−1)を含む被覆用組
成物(ゾル溶液)を、ガラスや金属などの基材に塗布
し、焼成(ゲル化)すること(すなわち、ゾル−ゲル
法)により、金属酸化物ゾル(B−1)の重縮合がさら
に進み、硬質で高強度の金属酸化物(B)の被膜が形成
され、その被膜中に含フッ素共重合体(A)が粒子状で
均一に分散した金属酸化物被膜となったものである。
【0104】本発明の金属酸化物被膜は、官能基含有含
フッ素エチレン性重合体(A)の微粒子が該被膜内部ま
で均一に分布しているため、該被膜表面が摩耗され、削
れたとしても、該被膜内部までフッ素樹脂の優れた非粘
着性、撥水性などを発揮し、この特性が低下しないもの
である。
【0105】前記焼成は、前記金属酸化物被膜中に粒子
状で均一に分散させるために、官能基含有含フッ素エチ
レン性重合体(A)の融点以下で行なうことが好まし
い。しかしながら、溶融粘度が高く溶融しないもの(た
とえばPTFEなど)を微粒子として用いるばあい、官
能基含有含フッ素エチレン性重合体(A)の分解温度を
超えない限り、融点以上でも焼成することができる。
【0106】かかる金属酸化物被膜は、たとえば金属ア
ルコキシド、金属アセチルアセテート、金属カルボキシ
レート、金属硝酸塩、金属塩化物よりなる群から選ばれ
た少なくとも1種を出発原料とし、加水分解および縮合
反応によりえられる金属酸化物ゾル(B−1)と乳化重
合法によりえられる前記官能基含有含フッ素エチレン性
重合体(A)の微粒子を含む水性ディスパージョンを用
いることによって製造でき、(1)該金属酸化物(B)
ゾルと該水性ディスパージョンを混合してコーティング
液を調製するコーティング液調製工程、(2)該コーテ
ィング液を基板に塗布して塗膜を形成する塗膜形成工程
および(3)該塗膜を焼成して該官能基含有含フッ素エ
チレン性重合体(A)の微粒子が分散してなる被膜を形
成する被膜形成工程をへる被膜の製法によりうることが
できる。
【0107】(金属酸化物ゾル溶液の調製)前記金属酸
化物ゾルは、相当する金属アルコキシド、金属アセチル
アセテート、金属カルボキシレート、金属硝酸塩、金属
塩化物またはこれらのうちの2種以上の加水分解、重縮
合により調製することができる。
【0108】これらのうちでも金属アルコキシドが、反
応性に富み、加水分解と重縮合反応を受けて、金属−酸
素結合を有している重合体(金属酸化物)を生成しやす
いため好ましい。
【0109】適当な金属アルコキシドがないばあい、す
なわち、合成が困難であったり、金属アルコキシドが一
般的に使用する水、アルコールなどの溶剤に不溶なばあ
い(たとえば銅のアルコキシドなど)、金属アセチルア
セテートや金属酢酸塩などのカルボン酸塩、オキシ酸塩
などを使用することができる。
【0110】さらに適当な金属アルコキシドやその他の
有機金属化合物がないばあい、金属硝酸塩や金属塩化
物、金属酸化物などの無機金属化合物を用いることがで
きる。
【0111】金属アルコキシドは、M(OR)n(式
中、Mは金属、Rはアルキル、nは該金属の原子価に相
当する数値である)で示される化合物であり、一般に金
属Mは、最終的にえられる相当する金属酸化物を含む被
膜の目的、用途により適宜選択することができ、アルキ
ル基Rは、溶剤に可溶であるかないか、加水分解反応
性、重縮合反応性などを左右するため、これらのことを
考慮して目的に応じて選択することができる。
【0112】金属アルコキシドは、具体的にはLiOC
3、NaOCH3、Cu(OCH32、Ca(OC
32、Sr(OC252、Ba(OC252、Zn
(OC262、Y(OC493、B(OCH33、A
l(OCH33、Al(OC253、Al(iso−OC
373、Al(OC493、Ga(OC253、T
i(OCH34、Ti(OC254、Ti(iso−OC
374、Ti(OC494、Zr(OCH34、Zr
(OC254、Zr(OC374、Zr(OC49
4、Si(OCH34、Si(OC254、Si(iso
−OC374、Si(t−OC494、Ge(OC2
54、Pb(OC494、P(OCH33、Sb
(OC253、VO(OC253、Ta(OC37
5、W(OC256、La(OC373、Nb(OC2
53、La[Al(iso−OC3743、Mg[A
l(iso−OC3742、Mg[Al(sec−OC
4942、Ni[Al(iso−OC3742、(C3
7O)2Zr[Al(OC3742、Ba[Zr
2(OC2592などがあげられる。
【0113】さらに金属アルコキシドとしては、金属に
アルコキシル基のみが結合した化合物のみならず、アル
コキシル基の一部をメチル基、エチル基などのアルキル
基で置換した化合物、含フッ素アルキル基で置換した化
合物、アミノ基、エポキシ基、ヒドロキシル基、メルカ
プト基などの官能基を有しているアルキレン基で置換し
た化合物も用いることができる。
【0114】これらの具体例として、
【0115】
【化7】
【0116】などがあげられる。
【0117】その他、有機金属化合物としては、金属ア
セチルアセトネートたとえばZr(COCH2
34、In(COCH2COCH33、Zn(COC
2COCH32、金属カルボキシレートたとえばPb
(CH3COO)2、Y(C1735COO)3、Ba(H
COO)2などがあげられる。
【0118】また、無機金属化合物としては、金属硝酸
塩たとえばY(NO33・6H2O、Ni(NO32
3H2O、金属オキシ塩化物たとえばZrOCl2、Al
OCl、金属塩化物たとえばTiCl4などがあげられ
る。また、フュームドシリカなどの金属酸化物を用い
て、再びゾル化して、ゾル−ゲル法を適用することもで
きる。
【0119】金属酸化物ゾル溶液の調製は、まず目的の
金属酸化物の金属に相当する金属化合物を前記にあげた
化合物のうちから選択し、アルコール系の溶剤に溶解す
る。このばあい、金属化合物は前記溶剤に均一に溶解す
ることが望ましく、溶解する金属化合物を選択すること
が好ましい。
【0120】この金属化合物溶液に、水および酸または
アルカリを触媒として加えることにより、加水分解、重
縮合がおこり、金属酸化物(B)の粒子が生成し、金属
酸化物ゾル(B−1)の溶液がえられる。
【0121】前記触媒としての酸は、たとえば塩酸、硫
酸、硝酸、酢酸、フッ酸などが一般的に用いられ、前記
触媒としてのアルカリは、たとえば処理後揮発によって
除去できるアンモニアが好ましく用いられる。
【0122】金属酸化物ゾル溶液を調製するときの反応
温度は、金属の種類、用いる金属化合物の種類、目標と
するゾルの重合度などによって異なるが、一般的に室温
〜100℃、好ましくは室温〜80℃程度であり、固形
分含量は0.5〜50重量%であることが好ましい。
【0123】また、ばあいによっては、水や触媒を加え
ないで、空気中の水分で除々に加水分解、重縮合させ、
金属酸化物ゾル(B−1)を調製することも可能であ
る。
【0124】(官能基含有含フッ素エチレン性重合体水
性ディスパージョンの調製)金属酸化物ゾル(B−1)
と混合する官能基含有含フッ素エチレン性重合体(A)
の微粒子は、種々の方法で製造できる。
【0125】具体的には、(イ)懸濁重合法などでえら
れた官能基含有含フッ素エチレン性重合体(A)の粉末
を微粉砕し、金属酸化物ゾル(B−1)溶液へ、界面活
性剤などとともに加えて均一に混合する方法(このばあ
い、ディスパージョンと同時に後記コーティン液ができ
る)、(ロ)乳化重合法により重合と同時に官能基含有
含フッ素エチレン性重合体の水性ディスパージョンを製
造する(このばあい、直接、金属酸化物ゾル(B−1)
溶液と混合することができる)方法などがあげられる
が、生産性や品質面(小粒径化や、均一粒径化)から、
乳化重合法により水性ディスパージョンを調製し、水性
ディスパージョンの状態で直接、金属酸化物ゾル(B−
1)溶液に混合することが好ましい。混合する官能基含
有含フッ素エチレン性重合体(A)の微粒子の水性ディ
スパージョンは、通常1〜70重量%の固形分含量を有
し、好ましくは5〜50重量%である。
【0126】(コーティング液の調製工程)官能基含有
含フッ素エチレン性重合体(A)の微粒子を含む金属酸
化物ゾル(B−1)溶液(コーティング液)を調製する
方法として、(ハ)官能基含有含フッ素エチレン性重合
体(A)の微粒子を含む水性ディスパージョンを含むア
ルコール溶液中で金属化合物を加水分解および重縮合さ
せ、金属酸化物ゾル(B−1)を形成し、コーティング
液を調製する方法、(ニ)予め加水分解、重縮合により
調製した金属酸化物ゾル(B−1)溶液と官能基含有含
フッ素エチレン性重合体(A)の微粒子を含む水性ディ
スパージョンを混合し、コーティング液を調製する方法
のいずれかを採用することができる。
【0127】本発明者らは、前記官能基含有含フッ素エ
チレン性重合体(A)の微粒子を含むディスパージョン
は、この重合体が有している官能基の効果により、アル
コール系や他の非水系溶剤に対し、高い分散安定性を有
し、前記いずれかの方法によるコーティング液の調製工
程においても、微粒子の沈降や凝析などを起こさないこ
とを見出している。また、塗布に先立ち、目標の膜厚、
基材の種類や形状により、コーティング液の固形分濃度
を調整したり、増粘剤の添加などによるコーティング液
の粘度の調整を行なってもよい。
【0128】(塗布工程)対象とする非粘着性を要求す
る機器の種類や部位に応じて、前記基材に塗布する。焼
成すると加工が難しいので、基材は最終製品の形状とす
るのが好ましい。
【0129】塗布法としては、ディッピング、スピンコ
ート、スプレー、ハケ塗り、ロールコートなど公知の塗
布法が採用できる。
【0130】(焼成工程)塗膜を焼成して官能基含有含
フッ素エチレン性重合体(A)の微粒子が分散してなる
被膜を基材表面に形成する。通常、焼成に先立って水や
溶剤を除去する乾燥工程が行なわれる。乾燥は、通常室
温〜100℃、好ましくは室温〜80℃程度で行なう。
【0131】焼成は、目的、用途、官能基含有含フッ素
エチレン性重合体(A)の種類によって異なるが、10
0℃以上、官能基含有含フッ素エチレン性重合体(A)
の分解温度未満、好ましくは150℃以上、官能基含有
含フッ素エチレン性重合体(A)の融点未満で行なわれ
る。100℃以下で行なうと、金属酸化物の縮重合(ゲ
ル化)が充分に進行しないため、架橋が不充分であり、
高硬度、高強度の被膜がえられにくい。
【0132】また、官能基含有含フッ素エチレン性重合
体(A)の分解温度を超えると、発泡や着色のみでな
く、撥水性などのフッ素樹脂の優れた特性が失なわれ
る。
【0133】また、金属酸化物(B)と官能基含有含フ
ッ素エチレン性重合体(A)の微粒子からなる被膜中
に、官能基含有含フッ素エチレン性重合体(A)を粒子
状で分散させるために、焼成は官能基含有含フッ素エチ
レン性重合体(A)の融点以下で行なうことが好まし
い。しかしながら、溶融粘度が高く、溶融しないもの
(たとえばPTFEなどのようなもの)を微粒子として
用いるばあい、官能基含有含フッ素エチレン性重合体
(A)の分解温度を超えない限り、融点以上でも焼成す
ることができる。
【0134】かくして本発明の非粘着性複合材を製造す
ることができる。
【0135】なお、非粘着性複合材はさらに撥水性が要
求されることが多く、そのため官能基含有含フッ素エチ
レン性重合体(A)の微粒子として、官能基含有含フッ
素エチレン性重合体(A)自体の対水接触角が80度以
上、とくに95度以上のものを含む撥水性を併せもつ被
覆用組成物を用いるのが好ましい。また、金属酸化物
(B)と官能基含有含フッ素エチレン性重合体(A)の
撥水性微粒子からなる被膜中で、該撥水性微粒子の形状
を保持するためには、高温での焼成工程において、熱分
解や溶融しない含フッ素共重合体が好ましく、詳しくは
融点が150℃以上、好ましくは200℃以上、とくに
好ましくは250℃以上のものが用いられる。
【0136】特に非粘着性、撥水性に優れた被膜を与え
る官能基含有含フッ素エチレン性重合体(A)として
は、具体的には前述のいわゆる反応性PTFE、反応性
PFA、反応性FEP、反応性ETFEなどが好ましく
あげられる。
【0137】また、これらの官能基含有含フッ素エチレ
ン性重合体(A)中の官能基の含有率は、0.1〜10
モル%であることがとくに好ましい。
【0138】前述のようにしてえられる本発明の複合材
は、第1に優れた非粘着性を長期間維持できることか
ら、第2に官能基含有含フッ素エチレン性重合体(A)
の微粒子が良好な界面接着性をもって金属酸化物(B)
からなる被膜中で均一に分散し該被膜が充分な硬さ、透
明性および接着性を有することから、第3に官能基含有
含フッ素エチレン性重合体(A)の微粒子(B)からな
る被膜が良好な耐熱性、耐摩耗性、耐傷付き性、防汚
性、撥水性および抗菌性などを有することから、各種機
器や器具、建材などに用いることができる。
【0139】本発明の非粘着性複合材を用いることので
きる好適な機器や器具、建材およびその部分を以下に具
体的に分野別に列挙するが、これらのみに限られるもの
ではない。
【0140】[1]調理機器および調理器具(食器も含
む) 調理機器や器具は粘着性の油や食材を使用することも多
く、特に非粘着性が要求されるものである。以下、それ
らの代表例をあげるがこれらのみに限られるものではな
い。
【0141】ジャーおよびポット (a)電気式湯沸かし機などを含む電気ポットの内面お
よび内蓋など。
【0142】これらにおいては、本発明の非粘着性複合
材のもつ非粘着性(湯垢に対する防汚性)、耐熱水性お
よび抗菌性をとくに効果的に利用することができる。
【0143】(b)ガスおよび電気炊飯器、ならびに洗
米機構を有する炊飯器などの内釜内面ならびに内蓋な
ど。
【0144】これらにおいては、本発明の非粘着性複合
材のもつ非粘着性(御飯粒、焦げつきに対する)防汚性
および耐熱性をとくに効果的に利用することができ、さ
らにたわしなどでの洗浄時の被膜の摩耗、傷つきなどに
よる性能低下を改善できる。
【0145】調理機器 (a)フライパン、バット、調理用・家庭用手動ミキサ
ー、ざる、包丁、パン用モルダー、パン用リバースシー
ト、パン用分割丸め機などの表面ならびにボールおよび
米びつなどの内面、前記ミキサーにあってはその羽根な
ど。
【0146】これらにおいては、本発明の非粘着性複合
材のもつ非粘着性(焦げつき、こびりつき汚れに対す
る)、防汚性および耐熱性をとくに効果的に利用するこ
とができる。さらに金属ヘラなどでの摩耗や傷つきによ
る性能低下を改善できる。
【0147】(b)家庭用電気食品粉砕機、電気フード
クラッシャー、台所電気式肉ひき機、台所用電気式ブレ
ンダーおよび台所用電気式ミキサーなどの電気式フード
プロセッサーなどの内面ならびに羽根など。
【0148】これらにおいては、本発明の非粘着性複合
材のもつ非粘着性(野菜や肉汁に対する)および防汚性
をとくに効果的に利用することができる。
【0149】ガステーブル (a)ガスボンベ組込式ガスコンロなどのガスコンロの
天板、側面、表面およびそれらの汁受皿覆いの表面な
ど。
【0150】これらにおいては、本発明の非粘着性複合
材のもつ非粘着性(油汚れに対する)、耐熱性および透
明性(色、模様などに関する意匠性)をとくに効果的に
利用することができ、さらにたわしなどで磨いたばあい
の摩耗や傷つきによる性能低下を改善できる。
【0151】トースター、レンジなどを含むオーブン
レンジ類 (a)業務用オーブン、電気オーブン(業務用を含
む)、業務用温蔵庫付電気オーブン、業務用炊事オーブ
ン、業務用炊事レンジなどのオーブン(台所用レン
ジ)、業務用パン焼きがま、家庭用自動パン焼き器など
の製パン用オーブン、トースター、パン用トースターな
どの電気オーブントースターおよび業務用電子レンジ、
電子オーブンレンジなどの電子レンジの内面(金属部
分)ならびにレンジ用パンなど。
【0152】これらにおいては、本発明の非粘着性複合
材のもつ非粘着性(油や焦げつきに対する)、防汚性、
耐熱性をとくに効果的に利用することができ、さらにへ
らやたわしなどでの摩耗や傷つきを改善できる。
【0153】(b)前記(a)にあげたオーブンレンジ
類の扉内面など。
【0154】これらにおいては、本発明の非粘着性複合
材のもつ非粘着性、耐熱性、透明性、および電子レンジ
のばあいは耐エネルギー線性をとくに効果的に利用する
ことができる。
【0155】鍋および釜 (a)ガラス鍋、ホーロー鍋、アルミ鍋、電気式揚げな
べ、電気てんぷら鍋、電気式圧力なべおよび電気式圧力
シチューなべなどの鍋ならびに釜などの内面など。
【0156】これらにおいては、本発明の非粘着性複合
材のもつ非粘着性(焦げつき、こびりつき汚れ、前記揚
げなべおよびてんぷら鍋にあっては油に対する)および
耐熱性をとくに効果的に利用することができ、さらにへ
らやたわしなどでの摩耗や傷つきを改善できる。
【0157】(b)前記(a)にあげた鍋および釜の蓋
など。
【0158】これらにおいては、本発明の非粘着性複合
材のもつ前記(a)にあげた性質のほか、透明性をとく
に効果的に利用することができる。
【0159】生ごみ処理機 家庭用調理くず処理機、生ごみの堆肥化装置などの調理
くず(廃棄物)処理機の内面など。
【0160】これらにおいては、本発明の非粘着性複合
材のもつ非粘着性および防汚性をとくに効果的に利用す
ることができる。
【0161】その他の加熱調理機器 (a)ホットプレートの加熱面および蓋など。
【0162】これらにおいては、本発明の非粘着性複合
材のもつ非粘着性(焦げつき、こびりつき汚れに対す
る)、耐熱性および蓋にあっては透明性をとくに効果的
に利用することができ、金属へらなどでの摩耗や、傷つ
きによる性能低下、外観悪化を改善できる。
【0163】(b)電磁レンジ、電磁コンロなどの電磁
調理機の調理面など。
【0164】これらにおいては、本発明の非粘着性複合
材のもつ非粘着性、耐熱性および透明性をとくに効果的
に利用することができ、たわしなどによる摩耗や傷つき
を改善できる。
【0165】(c)業務用食品蒸器などの電気蒸し器な
どの内面、扉内卯および蓋など。
【0166】これらにおいては、本発明の非粘着性複合
材のもつ非粘着性、防汚性、耐熱性および耐スチーム性
をとくに効果的に利用することができ、たわしなどによ
る摩耗や傷つきを改善できる。
【0167】(d)業務用茹で麺器の内面および蓋な
ど。
【0168】これらにおいては、本発明の非粘着性複合
材のもつ非粘着性、防汚性、耐熱性および耐熱水性をと
くに効果的に利用することができ、たわしなどによる摩
耗や傷つきを改善できる。
【0169】(e)業務用調理焼物器の内面、内面(金
属部分)、扉内面およびレンジ用パンなど。
【0170】これらにおいては、本発明の非粘着性複合
材のもつ非粘着性(焦げつき、こびりつき汚れに対す
る)および耐熱性をとくに効果的に利用することがで
き、たわしなどによる摩耗や傷つきを改善できる。
【0171】(f)業務用食器、食缶洗浄機などの内面
など。
【0172】これらにおいては、本発明の非粘着性複合
材のもつ非粘着性、防汚性および耐熱水性をとくに効果
的に利用することができる。
【0173】(g)業務用温蔵庫の内面および扉内面な
ど。
【0174】これらにおいては、本発明の非粘着性複合
材のもつ非粘着性、防汚性、透明性および耐熱性をとく
に効果的に利用することができる。
【0175】さらに、本発明の非粘着性複合材を好まし
く適用できる前記以外の調理機器としてはつぎのような
ものもあげられる。
【0176】前記(b)の範囲のものとして、粥調理
機、ライスウォーマーなど。
【0177】前記(a)の範囲のものとして、各種調
理用具(薄切り用など)、調理道具、調理機械器具、調
理用装置(食品用など)、調理用鉄板、調理用機器およ
び設備、バーベキュー用具、食品加工機械器具(加圧装
置付きなど)、チョコレート製造機およびそれに付随す
る原料処理用温調器具など。
【0178】前記(b)の範囲のものとして、合成調
理機、ベジタブルスライサー、フードスライサー、ピー
ラー、サイの目カッター、フードカッター、ミートチョ
ッパー、ミートスライサー、ミートテンダライザー、カ
ッターミキサー、ミキサー、フードミキサー、ブレン、
りんご調理機、連続割卵機、豆腐切断食品成形機、パン
粉付け機、野菜洗浄機など。
【0179】前記の範囲のものとして、ローレンジ、
テーブルコンロ、電気レンジ、ガスレンジ、ガステーブ
ル、電気テーブルなど。
【0180】前記の範囲のものとして、ガスサラマン
ダー、電気サラマンダー、コンベクションオーブン、製
パン製ホイロなど。
【0181】前記の範囲のものとして、中華なべ、片
手なべ、両手なべ、ガスフライヤー、天ぷらフライヤ
ー、オイルフィルターユニット、そば鍋、回転鍋など。
【0182】前記の範囲のものとして、ぎょうざ焼き
器、電磁ローレンジ、ガス蒸器、蒸気蒸器など。
【0183】[2]OA関連機器 OA関連機器はトナーを使用する部分のほか、ほこりな
どの付着を特にきらう部分も多い。以下、それらの代表
例をあげるが、これらのみに限られるものではない。
【0184】(1)電子複写機、ファクシミリ、ワープ
ロ、その他印刷機能をもつ機器 トナーを使用またはトナーが付着しうる部分の材料とし
て好適である。たとえばつぎのものがあげられる。
【0185】定着ロール (a)モノクロ用 アルミニウムやSUSなどの金属基材からなるロール形
状の本発明の複合材を用いると、トナー非粘着性、耐熱
性に優れた定着ロールをうることができ、本発明の被膜
が接着性に優れることからプライマーを設けなくてよ
く、製造加工性にも優れる。さらに表面硬度が高く耐摩
耗性などの耐久性にも優れる。
【0186】(b)カラー・モノクロ共用 基材:金属をシリコンゴムまたはウレタンゴムで被覆
し、さらに離型シリコンオイルを塗布したもの 官能基含有含フッ素重合体:反応性PFAもしくはFE
P、または反応性フッ素ゴム 適用形態:塗料、チューブまたはシート 本発明の複合材を用いると、トナー非粘着性、紙の離型
性、弾性、耐摩耗性に優れた定着ロールをうることがで
き、また、本発明の被膜が接着性に優れることから、プ
ライマー層を設けなくてもよいため、製造加工性にも優
れる。
【0187】加圧ロール(カラー・モノクロ共用) 基材:金属をシリコンゴムまたはウレタンゴムで被覆し
たもの 上記基材からなる本発明の複合材を用いると、トナー非
粘着性、弾性、耐摩耗性に優れた加圧ロールをうること
ができ、また、本発明の被膜がプライマー層を設けなく
てよく、接着性に優れるため製造加工性も良好である。
【0188】帯電ロール(カラー・モノクロ共用) 基材:ウレタンゴムからなるもの 上記基材からなる本発明の複合材を用いると、トナー非
粘着性、導電性の制御性、抵抗値の均一性、紙の離型
性、耐摩耗性に優れた帯電ロールをうることができ、ま
た、本発明の被膜が接着性に優れるためプライマー層を
設けなくてよく、製造加工性もよい。
【0189】転写ロール(カラー・モノクロ共用) 基材:ウレタンゴムからなるもの 上記基材からなる本発明の複合材を用いると、トナー非
粘着性、導電性の制御性、抵抗値の均一性、紙の離型
性、耐摩耗性、弾性に優れた転写ロールをうることがで
き、また、本発明の被膜が接着性に優れるためプライマ
ー層を設けなくてよく、製造加工性もよい。
【0190】転写ベルト(カラー・モノクロ共用) 基材:ポリイミドからなるもの 上記基材からなる本発明の複合材を用いると、トナー非
粘着性、導電性の制御性、抵抗値の均一性、耐摩耗性に
優れた転写ベルトをうることができ、また、本発明の被
膜が接着性に優れるためプライマー層を設けなくてよ
く、製造加工性に優れる。
【0191】分離爪および定着軸受け(表面) 基材:耐熱性樹脂(たとえばポリフェニレンサルファイ
ド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、POMま
たはPEEKなど)からなるもの 上記基材からなる本発明の複合材を用いると、トナー非
粘着性、耐摩耗性、紙送り性に優れ、ロールを傷付けに
くい分離爪および低摩擦性、耐摩耗性、耐熱性に優れた
定着軸受けをうることができ、本発明の被膜が接着性に
優れることからプライマー層を必要とせず製造加工性に
も優れる。
【0192】排紙コロおよび排紙ガイド 基材:樹脂(たとえばポリフェニレンサルファイド、ポ
リアミドイミド、ポリエーテルイミド、POMまたはP
EEKなど)からなるもの 本発明の複合材を用いると、トナー非粘着性、耐摩耗性
に優れる排紙コロおよび排紙ガイドをうることができ、
本発明の被膜が接着性に優れるためにプライマー層を必
要とせず製造加工性にも優れる。
【0193】また、本発明の複合材は、とくにその良好
な透明性を利用してつぎのようなOA関連機器用の部品
にも用いることができる。
【0194】ブラウン管、液晶パネルおよびプラズマ
ディスプレイ(前面) この複合材を用いると、透明性、ほこりや指紋などに対
する非粘着性および防汚性、優れたブラウン管、液晶パ
ネルおよびプラズマディスプレイをうることができ、ま
たプライマー層を設ける必要がなく製造加工性に優れ
る。さらに表面硬度も高く、耐摩耗性、耐瘍体性にも優
れる。
【0195】コンタクトガラス(表面) 本発明の複合材を用いると、透明性、ほこりや指紋など
に対する非粘着性および防汚性、修正液、インクなどに
対する非粘着性に優れたコンタクトガラスをうることが
でき、本発明の被膜が接着性に優れるためにプライマー
層を設ける必要がなく製造加工性に優れる。さらに表面
硬度も高く、耐摩耗性、耐瘍体性にも優れる。
【0196】[3]建材 建材についても非粘着性が要求される材料設備などがあ
る。以下、各建材について、非粘着性に加えて奏される
効果に触れつつ例示する。
【0197】建築用ガラス 建築用ガラスのほか、建築用磨き板ガラス(窓ガラ
ス)、ステンドグラスの窓、風防ガラス、遮光割合調節
機能をもつガラスなど。
【0198】これらにおいては、本発明の複合材のもつ
透明性、防汚性、難燃性をとくに効果的に利用すること
ができる。
【0199】外壁材、屋根材および内外装材(金属
製) (a)壁用金属製外装建材のほか、金属性建築材料、建
築用金属製内外装パネル、金属製フェンス、金属製タイ
ルおよび金属製建築板など。
【0200】(b)金属製屋根材のほか、ソーラーシス
テム内蔵屋根材など。
【0201】(c)金属製開扉のほか、金属製格子、金
属製シャッター、金属製柵および金属製ポーチ(建築
用)など。
【0202】(d)金属製ブラインド(野外用、屋外
用)、とい、サッシおよび雨戸など。
【0203】(e)金属製天井板のほか、金属製床タイ
ル、塩化ビニル化粧シートを表面にコーティングした金
属製壁板など。
【0204】(f)その他自動車用金属製駐車設備、一
般的な金属製美術品など。
【0205】これらにおいては、本発明の複合材のもつ
耐候性、防汚性、透明性(意匠性)をとくに効果的に使
用することができる。
【0206】外壁材、屋根材および内外装材(非金属
無機製) (a)セグメント状またはタイルもしくはスライスした
天然石を貼り付けたコンクリートブロック、セグメント
状または表面がゴム素材からなるコンクリート舗装板、
GRC(繊維補強コンクリート)製壁材などの補強され
ていてもよいコンクリート板。
【0207】(b)表面がタイル調のセメントなどのセ
メント押出成形物。
【0208】(c)人造石材などの建築用石材。
【0209】(d)建築用タイル、ラスター釉タイル、
床タイル、セラミックタイルおよび陶磁製ボーダータイ
ルなどのタイル。
【0210】(e)非金属製の建築用外装材、建築材、
建築用パネルおよび建築用壁タイルなどの建築用ならび
に壁用外装材。
【0211】(f)ソーラーシステム内蔵セラミック製
屋根材などの屋根材。
【0212】(g)墓碑、墓標などの墓石。
【0213】(h)石、コンクリートまたは大理石製の
小像、小立像、像、胸像およびその他の美術品。
【0214】これらにおいては、本発明の複合材のもつ
耐候性、防汚性、防水性、透明性(意匠性)、加工性、
密着性、前記(c)についてはさらに耐摩耗性、ならび
に前記(g)および(h)についてはさらに風化防止性
をとくに効果的に利用することができる。
【0215】外壁材、屋根材および内外装剤(樹脂
性) (a)床板および天井板など。
【0216】(b)格子、とい、室内用を含むブライン
ドおよび扉など。
【0217】(c)コンクリート用プラスチック製パネ
ル。
【0218】(d)建築用ガスケット。
【0219】(e)防虫、紫外線・熱線遮断および飛散
防止用フィルム付きカーテン、覆いならびに日よけな
ど。
【0220】(f)石または表面に石の模様を付したポ
リ塩化ビニル製床材。
【0221】(g)ソーラーシステム内蔵プラスチック
製屋根材。
【0222】(h)隙間を有し、かつ水はけ可能な組合
わせ式ポリビニルクロライド製タイル。
【0223】(i)合成樹脂製サッシ。
【0224】(j)カウンター、家具、しきい、壁板、
バックスプラッシュ、はば木、浴室およびシャワー室な
どの囲い壁用の化粧板。
【0225】(k)洗面所、シャワー室、トイレ室、便
所、移動式簡易便所、簡易公衆便所などの組立セット。
【0226】(l)サウナ室、車庫などの組立てセッ
ト。
【0227】これらにおいては、本発明の複合材のもつ
耐候性、防汚性、透明性(意匠性)、耐水性、加工性、
密着性をとくに効果的に利用することができる。
【0228】外壁材および屋根材(木製) (a)家庭用具の製造用木材、ベニヤ板、木製パネルな
どの建築用木材板および化粧板など。
【0229】(b)木製フェンス、室内取付用ドアおよ
び木製窓枠など。
【0230】(c)合板の裏面にゴム製弾性材を貼り付
けてなる木製建材。
【0231】(d)木製の建築用組立てセット。
【0232】これらにおいても、本発明の建材用複合材
のもつ耐候性、防汚性、透明性(意匠性)、耐水性、加
工性および密着性をとくに効果的に利用することができ
る。
【0233】家具 (a)ガラスショーケース、ワゴン、商品陳列用ワゴ
ン、商品陳列用パネル、商品陳列台、食事運搬用ワゴ
ン、花台など。
【0234】(b)棚、つい立て、机、長いすおよび整
理だんす用棚板など。
【0235】(c)金属製または各種基材からなる電話
ボックス。
【0236】これらにおいても、本発明の複合材のもつ
防汚性、透明性(意匠性)、耐水性、加工性、前記
(c)についてはさらに貼り紙付着防止性、密着性、耐
摩耗性をとくに効果的に利用することができる。
【0237】家庭用または業務用住設 (a)ガステーブル、レンジフードおよび換気フードな
ど。
【0238】(b)セントラルヒーティング用、換気装
置用および空気調和装置用などの金属製ダクト。
【0239】これらにおいては、本発明の複合材のもつ
防汚性、加工性および密着性をとくに効果的に利用する
ことができる。
【0240】住宅設備機器 (a)台所用レンジ(オーブン)、流しなどを含むシス
テムキッチン。
【0241】(b)電気、ガスおよび石油湯沸器(瞬間
湯沸器を含む)。
【0242】(c)取付け用洗面台、洗面化粧台、家庭
用洗髪機、洗髪機能を有する洗面化粧台、洗面台用洗面
器、天板付洗面器および出窓式洗面台などの洗面台。
【0243】(d)水洗用便器、車用小型用便器、小便
用便器、尿中成分測定装置付便器および幼児用便器など
の便器、温水洗浄機能付便器、脱臭装置および付便座な
どの便座、ならびに水洗便器用水タンク。
【0244】これらにおいては、本発明の複合材のもつ
防汚性、意匠性(透明性)、加工性、耐摩耗性および抗
菌性を効果的に利用することができる。
【0245】(e)シャワー室、家庭用サウナおよび業
務用サウナバスなどを含む浴室にて用いられるライニン
グ、簡易浴槽および気泡発生装置付浴槽などの浴槽、浴
槽に取付ける取手、石鹸置などの浴室用家具。
【0246】(f)その他エスカレーター、およびエレ
ベーター(個人住宅用を含む)など。
【0247】これらにおいては、本発明の建材用複合材
のもつ防汚性、意匠性(透明性)、加工性、前記
(a)、(b)および(e)についてはさらに耐熱性、
前記(c)〜(e)についてはさらに耐摩耗性、前記
(f)についてはさらに滑性または防錆性をとくに効果
的に利用することができる。
【0248】土木 (a)バス停留所用標識、街路用標識およびガードレー
ル取付用標識などの標識。
【0249】(b)発行式信号機および機械式信号機な
どの信号機。
【0250】(c)各種基材からなるガードレール。
【0251】(d)各種基材からなる電柱。
【0252】(e)防音壁。
【0253】(f)その他建築用または構築用のプラス
チック製コンクリート型枠など。
【0254】これらにおいては、本発明の複合材のもつ
耐候性、防汚性、透明性、加工性、密着性、前記(f)
については離型性をとくに効果的に利用することができ
る。
【0255】[4]家電(調理機器以外) 調理家電以外の家電製品においてもよごれ、ほこり、油
などに対する非粘着性を必要とする部位が数多くある。
たとえば以下のものがあげられる。
【0256】換気扇(羽根、枠、カバーなど) 基材:樹脂(PPなど)、アルミニウム、ガルバニウム
鋼板、亜鉛メッキ鋼板など 上記基材からなる本発明の複合材を用いると、油汚れ、
こびりつきなどに対する優れた非粘着性、ふきとり性を
効果的に利用でき、特に透明性、意匠性に優れ、さらに
たわしなどに対する摩耗や傷つきを改善できる。
【0257】エアコン(室内機の吹出口、フィルタ
ー、室外機の外装、吹出口、プロペラなど) 基材:樹脂(PPなど)、アルミニウム、ガルバニウム
鋼板、亜鉛メッキ鋼板など 上記基材からなる本発明の複合材を用いると、ほこり、
ばい煙、たばこのやになどの汚れに対する優れた非粘着
性、ふきとり性を効果的に利用でき、とくに透明性、意
匠性、加工性を改善できる。
【0258】冷蔵庫(外装、内装の表面) 基材:樹脂(PPなど)、アルミニウム、SUS、ガル
バニウム鋼板、亜鉛メッキ鋼板など 上記基材からなる本発明の複合材を用いると、食品、調
味料などの汚れ、こびりつきなどに対する優れた非粘着
性、ふきとり性を効果的に利用でき、とくに透明性、意
匠性、加工性を改善できる。
【0259】
【実施例】つぎに、本発明の非粘着性複合材について実
施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はこ
れらのみに限定されるものではない。
【0260】製造例1 (ヒドロキシル基を有しているPFAからなる水性ディ
スパージョンの製造) 撹拌機、バルブ、圧力ゲージ、温度計を備えた3リット
ルガラスライニング製オートクレーブに純水1500m
l、パーフルオロオクタン酸アンモニウム9.0g、パ
ラフィン60gを入れ、窒素ガスで充分置換したのち、
真空にし、エタンガス20mlを仕込んだ。
【0261】ついで、パーフルオロ−(1,1,9,9
−テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−
3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式(7))
【0262】
【化8】
【0263】の1.9g、パーフルオロ(プロピルビニ
ルエーテル)(PPVE)16.1gを窒素ガスを用い
て圧入し、系内の温度を70℃に保った。
【0264】撹拌を行ないながらテトラフルオロエチレ
ンガス(TFE)を内圧が8.5kgf/cm2Gとな
るように圧入した。
【0265】ついで、過硫酸アンモニウム0.15gを
水5.0gに溶かした溶液を窒素を用いて圧入して反応
を開始した。
【0266】重合反応の進行に伴って圧力が低下するの
で、7.5kgf/cm2Gまで低下した時点でテトラ
フルオロエチレンガスで8.5kgf/cm2まで再加
圧し、降圧、昇圧を繰り返した。
【0267】テトラフルオロエチレンの供給を続けなが
ら、重合開始からテトラフルオロエチレンガスが約40
g消費されるごとに、前記のヒドロキシ基を有している
含フッ素エチレン性単量体(前記式(7)で示される化
合物)の0.96gを計9回(計8.64g)圧入して
重合を継続し、重合開始よりテトラフルオロエチレンが
約400g消費された時点で供給を止めオートクレーブ
を冷却し、未反応モノマーを放出し、青みかかった半透
明の水性ディスパージョン1978gをえた。
【0268】えられた水性ディスパージョン中のポリマ
ーの濃度は21.1%、動的光散乱法で測定した粒子径
は97nmであった。
【0269】また、えられた水性ディスパージョンの一
部をとり凍結凝析を行ない、析出したポリマーを洗浄、
乾燥し白色固体を単離した。えられた共重合体の組成
は、19F−NMR分析、IR分析により、TFE/PP
VE/(式(7)で示されるヒドロキシル基を有してい
る含フッ素エチレン性単量体)=99.2/0.3/
0.5モル%であった。
【0270】また赤外スペクトルは3620〜3400
cm-1に−OHの特性吸収が観測された。
【0271】DSC分析により、Tm=313℃、DT
GA分析により1%熱分解温度Td=357℃であっ
た。高化式フローテスターを用いて2mm、長さ8mm
のノズルを用い、372℃で予熱5分間、荷重7kgf
/cm2でメルトフローレートを測定したところ1.5
g/10minであった。
【0272】製造例2(ヒドロキシル基を有しているP
FAからなる水性ディスパージョンの製造) 製造例1と同じオートクレーブに純水1500ml、パ
ーフルオロオクタン酸アンモニウム9.0g、パラフィ
ン60gを入れ、窒素ガスで充分置換したのち真空に
し、エタンガス20mlを仕込んだ。
【0273】ついで、パーフルオロ−(1,1,9,9
−テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−
3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式(7)で示さ
れる化合物)3.6g、パーフルオロ(プロピルビニル
エーテル(PPVE)16.5gを窒素ガスを用いて圧
入し系内の温度を70℃に保った。
【0274】撹拌を行いながらテトラフルオロエチレン
(TFE)を内圧8.5kgf/cm2Gとなるように
圧入した。
【0275】ついで、過硫酸アンモニウム0.15gを
水5.0gに溶かした溶液を窒素を用いて圧入して反応
を開始した。
【0276】重合反応の進行に伴って圧力が低下するの
で、7.5kgf/cm2Gまで低下した時点で、テト
ラフルオロエチレンガスで8.5kgf/cm2Gまで
再加圧し、降圧、昇圧を繰り返した。
【0277】テトラフルオロエチレンの供給を続けなが
ら重合開始からテトラフルオロエチレンガスが40g消
費されるごとに、前記のヒドロキシル基を有している含
フッ素エチレン性単量体(式(7)で示される化合物)
の1.8gを計9回(計16.2g)を圧入して重合を
継続し、重合開始よりテトラフルオロエチレンが400
g消費された時点で供給を止めオートクレーブを冷却
し、未反応モノマーを放出した。水性ディスパージョン
1997gをえた。えられた水性ディスパージョン中の
ポリマーの濃度は22.1%、粒子径は141nmであ
った。
【0278】製造例1と同様にして、水性ディスパージ
ョンの一部をとり白色固体を単離した。
【0279】同様にしてえられた白色固体を分析したと
ころ、 TFE/PPVE/(式(7)で示されるヒドロキシル
基を有している含フッ素単量体)=98.2/0.7/
1.1モル% Tm=314℃ 1%熱分解温度Td=366℃ メルトフローレート:1.3g/10min なお、赤外スペクトルは3620〜3400cm-1に−
OHの特性吸収が観測された。
【0280】製造例3(ヒドロキシル基を有しているP
FAからなる水性ディスパージョンの製造) 製造例1と同じオートクレーブに純水1500ml、パ
ーフルオロオクタン酸アンモニウム9.0g、パラフィ
ン60gを入れ、窒素ガスで充分置換したのち真空に
し、エタンガス20mlを仕込んだ。
【0281】ついで、パーフルオロ−(1,1,9,9
−テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−
3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式(7)で示さ
れる化合物)3.6g、パーフルオロ(プロピルビニル
エーテル(PPVE)18.4gを窒素ガスを用いて圧
入し系内の温度を70℃に保った。
【0282】撹拌を行いながらテトラフルオロエチレン
(TFE)を内圧8.5kgf/cm2Gとなるように
圧入した。
【0283】ついで、過硫酸アンモニウム0.15gを
水5.0gに溶かした溶液を窒素を用いて圧入して反応
を開始した。
【0284】重合反応の進行に伴って圧力が低下するの
で、7.5kgf/cm2Gまで低下した時点で、テト
ラフルオロエチレンガスで8.5kgf/cm2Gまで
再加圧し、降圧、昇圧を繰り返した。
【0285】テトラフルオロエチレンの供給を続けなが
ら重合開始からテトラフルオロエチレンガスが40g消
費されるごとに、前記のヒドロキシル基を有している含
フッ素エチレン性単量体(式(7)で示される化合物)
の3.6gを計9回(計32.4g)を圧入して重合を
継続し、重合開始よりテトラフルオロエチレンが400
g消費された時点で供給を止めオートクレーブを冷却
し、未反応モノマーを放出した。水性ディスパージョン
1988gをえた。えられた水性ディスパージョン中の
ポリマーの濃度は22.3%、粒子径は85nmであっ
た。
【0286】製造例1と同様にして、水性ディスパージ
ョンの一部をとり白色固体を単離した。
【0287】同様にしてえられた白色固体を分析したと
ころ、 TFE/PPVE/(式(7)で示されるヒドロキシル
基を有している含フッ素単量体)=97.3/0.9/
1.8モル% Tm=314℃ 1%熱分解温度Td=371℃ メルトフローレート:1.1g/10min なお、赤外スペクトルは3620〜3400cm-1に−
OHの特性吸収が観測された。
【0288】製造例4(官能基を有していないPFAの
水性ディスパージョンの合成) 製造例1において、パラフィン、パーフルオロ−(1、
1、9、9−テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオ
ロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式
(7)で示される化合物)を用いなかったこと以外は、
製造例1と同様にして乳化重合を行い、官能基を含まな
いPFAの水性ディスパージョン1922gをえた。
【0289】水性ディスパージョン中のポリマーの濃度
は21.6%、粒子径は156nmであった。
【0290】製造例1と同様に白色固体を単離し、分析
した。
【0291】 TFE/PPVE=99.3/0.7mol% Tm=317℃ 1%熱分解温度Td=479℃ メルトフローレート=19.2g/10min なお、赤外スペクトルでは−OHの特性吸収は観測され
なかった。
【0292】実施例1 (1)金属酸化物ゾルの調製 テトラエトキシシラン54g、トリエトキシメチルシラ
ン46g、エタノール200gを500mlのビーカー
に入れ室温で1時間撹拌した。つぎに、0.1N塩酸水
溶液50gを加え50℃で3時間撹拌し、シリカゾル溶
液をえた。
【0293】(2)コーティング液の調製 製造例3でえられたPFAのディスパージョン44.8
gのなかに前記(1)でえられたシリカゾル溶液87.
5gを加え室温で1時間撹拌し、コーティング液をえ
た。
【0294】(3)塗布 前記(2)でえられたコーティング液を10milアプ
リケーターを用いてパイレックスガラス板上に塗布し、
ウェット塗膜を形成した。
【0295】(4)焼成 前記(3)でえられたウェット塗膜を室温にて風乾し、
ガラス基板上の水やエタノールを乾燥させた後、大気下
250℃にて60分間焼成し、約6μmの被膜を有する
試験板をえた。
【0296】(5)試験 実施例1においてえられたコーティング液および被膜に
ついてつぎの試験を行なった。
【0297】コーティング液の分散安定性 前記(2)でえられたコーティング液を室温で3時間静
置し、分散性を観察し、液全体が透明〜半透明のときを
「○」、液全体が白濁しているときを「△」、部分的に
含フッ素共重合体が沈降しているかまたは液全体が凝析
しているときを「×」として評価した。
【0298】被膜の透明性 前記(4)でえられた焼成後の被膜の透明性をヘイズー
メーターによりヘイズ値を測定した。
【0299】被膜の硬さ JIS K5401にしたがい、鉛筆引っかき試験によ
り室温での鉛筆硬度を測定した。
【0300】密着性 JIS K5400にしたがって、被膜上にクロスカッ
ト100目を作りクロスカット面にセロハン粘着テープ
を貼りつけ、これを被膜に対して垂直方向に強く引っぱ
り、被膜の剥離状態を観察し、被膜の残り数/100で
表示した。
【0301】非粘着性試験 測定は室温にて行なった。図1に非粘着性試験に用いる
試験片の概略斜視図を示す。試験板1は前述の(4)で
えられた試験板であり、長さaは150mm以上で、表
面の汚れは、アセトンでふきとった。まず、18mm幅
の粘着テープ2(JIS Z 1522)を300mm
切り取り、150mmの長さaの部分だけを試験板1の
上にのせ、テープ2の上から JIS S 6050の
消しゴムでこすり、圧着させて接着部分3をうる。残っ
た150mmの部分には紙をはり(図示せず)、取り扱
いしやすいようにした。圧着後約20分放置し、テープ
20を試験板1に馴染ませた。テープ2を試験板1の端
から幅b(25mm)のところまではがし、試験板1を
引張試験機の下側のつかみ具へ取り付けた。剥がしたテ
ープ2の先端を180°折り返し、上側つかみ具へ、テ
ープ2が真っ直ぐ剥がれるように取り付けた。引張速度
20mm/分で、試験機で試験板1からテープ2が剥が
れる力を測定した。値はテープ2が滑らかに剥がれてい
る部分の平均を測定値とした。
【0302】被膜の撥水性 接触角計で前記被膜の対水接触角を測定した。
【0303】耐摩耗試験 ネル布(綿300番)を用い1.5kg/4cm2の荷
重にて、前記被膜を3000回摩擦した後の対水接触角
を前記と同様にして測定した。
【0304】前記試験の結果を表1に示す。
【0305】実施例2 製造例2でえられた含フッ素共重合体(A)の水性ディ
スパージョンを用いて、表1に示す組成のコーティング
液を実施例1と同様により調製した。
【0306】このコーティング液を6milのアプリケ
ーターを用いて塗布したこと以外は、実施例1と同様に
して塗布、焼成、試験を行なった。結果を表1に示す。
【0307】実施例3 製造例1でえられた含フッ素共重合体(A)の水性ディ
スパージョンを用い、表1に示す組成のコーティング液
を調製したこと以外は、実施例2と同様にしてコーティ
ング液の調製、塗布、焼成、試験を行なった。結果を表
1に示す。
【0308】比較例1 製造例4でえられた官能基を有していない含フッ素共重
合体の水性ディスパージョンを用い、表1に示す組成で
コーティング液を調製したこと以外は、実施例1と同様
にしてコーティング液の調製、塗布、焼成、試験を行な
った。結果を表1に示す。
【0309】比較例2 含フッ素共重合体の水性ディスパージョンを添加してい
ないシリカゾル溶液のみを用いて、実施例1と同様にし
て塗布、焼成、評価を行なった。結果を表1に示す。
【0310】
【表1】
【0311】表1の結果から明らかなように、本発明の
被覆用組成物は分散安定性に優れ、該組成物からえられ
る被膜は硬く透明性、非粘着性、撥水性、耐磨耗性に優
れていることがわかる。
【0312】実施例4 実施例1においてパイレックスガラス板にかえて、アセ
トンで脱脂した厚さ1.5mmの純アルミニウム板(A
1050P)を用いた以外は、実施例1と同様にしてコ
ーティング液の調整、塗布、焼成を行ない、アルミニウ
ム板上に被膜を形成した。透明で、下地のアルミが鮮か
に写った意匠性の良好な被膜がえられた。
【0313】前記塗装板を用い、実施例1と同様にし
て、被膜の厚さ、密着性、非粘着性、撥水性の試験を行
なった。さらに下記に示す方法で汚染性および耐候性試
験を行なった。
【0314】カーボン汚染試験 (カーボン溶液の調製)カーボン粉末(三菱化学(株)
製 MA100)10gをイオン交換水90gに加え、
ガラスビーズを用いて分散、混合し、カーボン分散液を
えた。
【0315】(カーボンの塗布)前記カーボン分散液を
スプレーにて前記塗装板に約50g/m2塗装し80℃
で2時間加熱して、黒色の試験板をえた。
【0316】(評価)えられた黒色の試験板を、流水に
さらしながら、ハケでなぞり洗浄した。ついで目視にて
汚染の度合を観察し、以下の基準で評価した。結果を表
2に示す。
【0317】 ○:洗浄により汚染の除去が可能であり、ほぼ汚染試験
前の塗装板にもどった。 △:洗浄により汚染の一部を除去できたが、塗装板全面
に灰色の汚れがしみ込んだように付着しており、その汚
れは除去できなかった。 ×:塗装板全面に黒色の汚れが残り、水洗では除去でき
なかった。
【0318】耐候性試験 前記塗装板をアイスーパーUVテスター(岩崎電機
(株)製)に投入し、促進耐候性試験を行ない、500
時間試験後の塗装板の対水接着角を測定した。結果を表
2に示す。
【0319】比較例3 実施例4と同じアルミニウム板を80〜120メッシュ
のサンドブラスト処理した後、プライマー(ダイキン工
業(株)製、ポリフロンTFEエナメル EK−195
9 DGN)をスプレー塗装を行ない、赤外乾燥炉で9
0℃で乾燥させ、プライマー層を設けた。
【0320】前記プライマー層上にPFA粉体塗料(ダ
イキン工業(株)製、ネオフロン粉体塗料ACX−3
1)を静電塗装した後350℃で30分間焼成し、被膜
を形成したPFA粉体塗装板をえた。プライマーの灰褐
色の被膜がえられた。
【0321】また、前記PFA粉体塗装板を用いて、実
施例4と同様の試験を行った。結果を表2に示す。
【0322】比較例4 常温硬化型フッ素樹脂塗料用ワニスであるゼッフルGK
510(ダイキン工業(株)製、OH価60)100
g、イソシアネート硬化剤コロネートHX、(日本ポリ
ウレタン(株)製)10.5gおよび酢酸ブチル120
gを混合し、OH/NCO比=1:1に調整したクリア
塗装用塗料を作製した。
【0323】比較例3と同様にサンドブラスト処理をし
たアルミニウム板に、前記クリア塗装用塗料をスプレー
塗装した後、120℃で30分間焼成して被膜を形成し
た塗装板をえた。また、該塗装板を用いて実施例4と同
様の試験を行なった。結果を表2に示す。
【0324】比較例5 常温硬化型アクリル樹脂塗料用ワニスであるアクリディ
ックA801(大日本インキ(株)製、OH価100)
100gとイソシアネート硬化剤コロネートHX(比較
例4と同じ)17g、酢酸ブチル120gを混合し、O
H/NCO比=1:1に調整した塗料を作製した。この
塗料を用いて比較例4と同様にしてアルミニウム板にス
プレー塗装、焼成を行なって被膜を形成した塗装板をえ
た。
【0325】また、該塗装板を用いて実施例4と同様の
試験を行なった。結果を表2に示す。
【0326】
【表2】
【0327】
【発明の効果】本発明者らは、含フッ素共重合体に前記
特定の官能基を導入し、金属酸化物および溶剤と組み合
せることによってえられる被覆用組成物、それを用いて
えられる被膜について、つぎの効果を見出した。
【0328】フッ素樹脂は、本来水や溶剤に対する親
和性が低く、乳化剤を含む、フッ素樹脂微粒子のディス
パージョンにおいても、これを溶剤に添加することによ
り不安定となり凝析することが多いが、前記のように特
定の官能基を導入することによって、官能基含有含フッ
素エチレン性重合体(A)のディスパージョンの分散安
定性が向上し、本発明の被覆性組成物において用いるよ
うなアルコール系溶剤に対しても凝析などしない安定な
組成物をうることができた。
【0329】また、金属酸化物ゾル(B−1)溶液の
調製時や加水分解後の縮重合反応過程において、官能基
含有含フッ素エチレン性重合体(A)の官能基が金属酸
化物ゾル(B−1)と部分的にでも反応に関与し、金属
酸化物ゾル(B−1)と官能基含有含フッ素エチレン性
重合体(A)の分散安定性が向上した。
【0330】塗布後の焼成工程における金属酸化物
(B)の重縮合をさらに進める過程において、前記と
同様な反応が起き、結合により被膜中の官能基含有含フ
ッ素エチレン性重合体(A)と金属酸化物(B)(ゲ
ル)との分散性、界面接着性、さらには基材との接着性
が改善された。
【0331】以上のことにより、前記官能基含有含フッ
素エチレン性重合体(A)と金属酸化物(B)からなる
被膜はガラスのみならず金属、樹脂類、セラミックなど
種々のものにほどこすことができ、各種の基材に強固に
接着した複合材を与えるものである。
【0332】その結果、本発明の非粘着性複合材は、密
着性の優れた被膜をその表面に有するものであり、非粘
着性、撥水性、透明性のみならず、耐熱性、防汚性、耐
薬品性、低摩擦性、低屈折性、反射防止性などの性能を
与えることができ、各種の機器、材料に多大な付加価値
を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における非粘着性試験に供する
試験片の概略斜視図である。
【符号の説明】
1 試験板 2 粘着テープ 3 接着部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久米川 昌浩 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 岡 憲俊 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 清水 哲男 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ヒドロキシル基、カルボキシル
    基、カルボン酸塩、カルボキシエステル基およびエポキ
    シ基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を
    有する官能基含有含フッ素エチレン性単量体の少なくと
    も1種の単量体0.05〜50モル%と(b)前記の官
    能基を有さない含フッ素エチレン性単量体の少なくとも
    1種の単量体50〜99.95モル%とを共重合してな
    る官能基含有含フッ素エチレン性重合体(A)の微粒子
    が金属酸化物(B)層中に分散している被膜を基材表面
    に有する非粘着性複合材。
  2. 【請求項2】 前記官能基含有含フッ素エチレン性単量
    体(a)が式(1): CX2=CX1−Rf−Y (1) (式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸
    塩、カルボキシエステル基またはエポキシ基、Xおよび
    1は同じかまたは異なり水素原子またはフッ素原子、
    fは炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基、
    炭素数1〜40の含フッ素オキシアルキレン基、炭素数
    1〜40のエーテル基を含む含フッ素アルキレン基また
    は炭素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素オキシ
    アルキレン基を表す)で示される少なくとも1種の官能
    基含有含フッ素エチレン性単量体である請求項1記載の
    非粘着性複合材。
  3. 【請求項3】 前記官能基を有さない含フッ素エチレン
    性単量体(b)が、テトラフルオロエチレンである請求
    項1または2記載の非粘着性複合材。
  4. 【請求項4】 前記官能基を有さない含フッ素エチレン
    性単量体(b)が、テトラフルオロエチレン85〜9
    9.7モル%と式(2): CF2=CF−Rf 1 (2) (式中、Rf 1はCF3またはORf 2(Rf 2は炭素数1〜
    5のパーフルオロアルキル基)で示される単量体0.3
    〜15モル%との混合単量体である請求項1または2記
    載の非粘着性複合材。
  5. 【請求項5】 前記官能基を有さない含フッ素エチレン
    性単量体(b)が、テトラフルオロエチレン40〜80
    モル%とエチレン20〜60モル%とその他の共重合可
    能な単量体0〜15モル%との混合単量体である請求項
    1または2記載の非粘着性複合材。
  6. 【請求項6】 前記金属酸化物(B)がケイ素の酸化物
    である請求項1〜5のいずれかに記載の非粘着性複合
    材。
  7. 【請求項7】 前記金属酸化物(B)がアルミニウムの
    酸化物である請求項1〜5のいずれかに記載の非粘着性
    複合材。
  8. 【請求項8】 前記金属酸化物(B)がチタニウムの酸
    化物である請求項1〜5のいずれかに記載の非粘着性複
    合材。
  9. 【請求項9】 前記基材が金属系基材である請求項1〜
    8のいずれかに記載の非粘着性複合材。
  10. 【請求項10】 前記基材がガラス基材である請求項1
    〜8のいずれかに記載の非粘着性複合材。
  11. 【請求項11】 前記基材が合成樹脂基材である請求項
    1記載の非粘着性複合材。
  12. 【請求項12】 前記基材が陶磁器である請求項1記載
    の非粘着性複合材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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