JPH10264326A - 建材用複合材 - Google Patents

建材用複合材

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Publication number
JPH10264326A
JPH10264326A JP7634897A JP7634897A JPH10264326A JP H10264326 A JPH10264326 A JP H10264326A JP 7634897 A JP7634897 A JP 7634897A JP 7634897 A JP7634897 A JP 7634897A JP H10264326 A JPH10264326 A JP H10264326A
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JP
Japan
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composite material
building materials
materials according
functional group
fluorine
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Application number
JP7634897A
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English (en)
Inventor
Takayuki Araki
孝之 荒木
Yoshito Tanaka
義人 田中
Masahiro Kumegawa
昌浩 久米川
Noritoshi Oka
憲俊 岡
Hisato Sanemasa
久人 実政
Tetsuo Shimizu
哲男 清水
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複雑な工程を必要とすることなく、基材への
接着性にすぐれた含フッ素重合体からなる材料を基材に
適用してなる建材用の複合材であって、耐候性、耐熱
性、防汚性、非粘着性、透明性(意匠性)、防錆性、耐
水性、風化防止性、難燃性、耐摩耗性にすぐれた建材用
複合材をうること。 【解決手段】 (a)ヒドロキシル基、カルボキシル
基、カルボン酸塩、カルボキシエステル基およびエポキ
シ基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を
有する官能基含有含フッ素エチレン性単量体の少なくと
も1種の単量体0.05〜30モル%と(b)前記の官
能基を有さない含フッ素エチレン性単量体の少なくとも
1種の単量体70〜99.95モル%とを共重合してな
る官能基を有する官能基含有含フッ素エチレン性重合体
からなる材料を基材に適用してなる建材用複合材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐候性、非粘着
性、透明性(意匠性)、防汚性、耐摩耗性、防錆性、難
燃性、風化防止性および耐水性など、ならびに特に基材
への接着性にすぐれた含フッ素重合体を基材に適用して
なる建材用複合材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、建築用ガラス、各種内外壁
材、屋根材および内外装材などの建材、標識、信号機、
カードレール、電柱や防音壁などの土木用部材などは、
周囲、環境にさらされて使用されているため、その表面
には耐候性、ほこり、排気ガスや雨筋に対する防汚性、
透明性、意匠性などが求められている。また、各種家
具、ガステーブルやレンジフードなどの厨房用住設、シ
ステムキッチン、洗面台、トイレや浴室などの住宅設備
機器には、耐熱性、油、こげつきや水垢に対する非粘着
性および防汚性が求められている。本明細書において
は、前記のような製品をすべて「建材」というが、これ
ら建材を構成する基材はガラス、金属、セラミック、ゴ
ムやコンクリートなどからなり、その表面は何らの処理
も施されていないものもあるが、耐熱性向上、外観、美
観向上のため様々な被膜を施すことが多く、その中でも
とくに耐熱性、非粘着性、透明性(意匠性)、防汚性、
耐候性、撥水撥油性などにすぐれる含フッ素重合体が適
用されているものもある。これらの含フッ素重合体はた
とえばフィルムまたは塗料の形態で適用することが好ま
しく行なわれている。
【0003】しかし、前記含フッ素樹脂は、そのすぐれ
た非粘着性に起因して、金属またはガラスなどの基材と
の接着性が充分ではないという本質的な問題がある。
【0004】そこで、塗料の形態で含フッ素樹脂を適用
するばあいについては、金属の表面を化学的または物理
的に粗面処理を行なうなどして含フッ素樹脂と基材との
アンカー効果を期待して密着させる方法がある。しか
し、この方法は粗面化処理自体に手間がかかり、また接
着強度も初期にはえられても、繰り返し温度変化を与え
たり高温で使用したりしたときにアンカー効果の減衰な
どをおこす。
【0005】また含フッ素樹脂表面を、液体アンモニア
に金属ナトリウムを溶かした溶液で処理して、その表面
を化学的に活性化する方法も提案されている。ところが
この方法では、処理液自体が環境汚染を引き起こす恐れ
があるとともに、その取扱いに危険がともなうという問
題点がある。
【0006】また含フッ素樹脂表面にプラズマスパッタ
リングなどの物理化学的処理を施して表面を活性化する
方法も提案されているが、この方法では、処理に手間が
かかったりあるいはコスト上昇をともなうなどの問題点
があった。
【0007】また、含フッ素樹脂塗料に接着性を改良す
るための種々の成分を添加したり、プライマー層を形成
しておくことも検討されている。
【0008】たとえば含フッ素樹脂を含む塗料組成物に
クロム酸などの無機酸を加えて金属表面に化成皮膜をつ
くり、密着を高めるなどの技術がある(特公昭63−2
675号公報)。しかし、クロム酸は6価クロムを含有
することから、食品安全性、作業安全性ともに充分とは
いえない。またリン酸などの他の無機酸を使用するばあ
いには含フッ素樹脂塗料の安全性を損なうという問題が
あった。
【0009】前記無機酸にかえて、含フッ素樹脂を含む
塗料にポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルス
ルホン、ポリエーテルエーテルケトンなどの耐熱性樹脂
類、さらにそれらに加えて金属粉末などを添加し、プラ
イマー層を形成することが検討されている(特開平6−
264000号公報)。しかし、そもそも含フッ素樹脂
と耐熱性樹脂類は相溶性がほとんどなく、塗膜中で相分
離などをおこして、プライマー層と含フッ素樹脂のトッ
プコート層のあいだで相間剥離をおこしやすい。また、
含フッ素樹脂と耐熱性樹脂との熱収縮率の違いや、耐熱
性樹脂の添加による塗膜伸度の低下などにより、高温加
工時や使用時などのピンホールや、ひびわれなどの塗膜
欠陥などを生じやすい。またこれら耐熱性樹脂は、焼成
時に褐色化がおこるため意匠性に劣り、白色や鮮やかな
着色、透明性などを求められる用途では使用困難であ
る。また、耐熱性樹脂類をブレンドすると含フッ素樹脂
が本来有する非粘着性や低摩擦性も低下させる。
【0010】また、透明性を求められるガラス基材など
への含フッ素樹脂塗料の接着に際しては、基材表面をシ
ランカップリング剤で処理したり、シリコーン樹脂を含
フッ素樹脂塗料に添加したりして接着性の改良を試みて
いる(特公昭54−42366号公報、特開平5−17
7768号公報など)が、接着性の向上が不充分であ
り、かつ耐熱性が低下し、焼成時や高温使用時に剥離や
発泡、着色をおこしやすい。
【0011】一方、含フッ素樹脂塗料として、ヒドロキ
シル基やカルボキシル基など官能基を含むハイドロカー
ボン系(非フッ素系)単量体を共重合したものが検討さ
れているが、これらはそもそも、耐候性を主目的として
検討されたもので、本発明の目的とする200〜350
℃といった耐熱性を必要とする用途や、非粘着性、低摩
擦性などを必要とする用途では使用困難である。また、
防汚性、汚れふき取り性の点でも不充分である。
【0012】つまり官能基を含むハイドロカーボン系
(非フッ素系)単量体を共重合したものは、高温での加
工時または使用時にその単量体構成部分から熱分解がお
こりやすく、塗膜破壊、着色、発泡、剥離などがおこり
含フッ素樹脂塗装の目的を達成することができないもの
である。また、防汚性、非粘着性、撥水性も低下させて
しまう。
【0013】また、含フッ素樹脂は一般的に機械的強度
や寸法安定性が不充分であり、価格的に高価である。そ
こで、これらの欠点を最小とし、かつ含フッ素重合体が
本来有する前記長所を最大限に生かすために、フィルム
の形態での適用も検討されている。
【0014】しかし、含フッ素樹脂は本来接着力が低
く、含フッ素重合体をフィルムの形態で他の材料(基
材)と直接接着させることは困難である。たとえば、熱
融着などで接着を試みても、接着強度が不充分であった
り、ある程度の接着強度があったとしても基材の種類に
より接着強度がばらつきやすく、接着性の信頼性が不充
分であることが多かった。
【0015】含フッ素樹脂フィルムと基材とを接着させ
る方法として、 1.基材の表面をサンドフラスター処理などで物理的に
粗面化する方法、 2.含フッ素樹脂フィルムにナトリウムエッチングなど
の化学的処理、プラズマ処理、光化学的処理などの表面
処理を行なう方法、 3.接着剤を用いて接着させる方法 などが主に検討されているが、前記1、2については、
処理工程が必要となり、工程が複雑で生産性がわるい。
また、基材の種類や形状が限定される。そもそも接着力
も不充分であり、えられた複合体の着色や色などの外観
上の問題(意匠性)も生じやすい。また、ナトリウムエ
ッチングなどの薬品を使用する方法は安全性にも問題が
ある。
【0016】前記3の接着剤の検討も種々行なわれてい
る。一般のハイドロカーボン系(非フッ素系)の接着剤
は接着性が不充分であるとともに、それ自体の耐熱性が
不充分で、一般に高温での成形や加工を必要とする含フ
ッ素重合体フィルムの接着加工条件では、耐えられず、
分解による剥離や着色などをおこす。前記接着剤を用い
た積層体も接着剤層の耐熱性、耐薬品性、耐水性が不充
分であるために、温度変化や環境変化により接着強度が
維持できなくなり、信頼性に欠ける。
【0017】一方、官能基を有する含フッ素重合体を用
いた接着剤、接着剤組成物による接着の検討が行なわれ
ている。
【0018】たとえば含フッ素重合体に無水マレイン酸
やビニルトリメトキシシランなどに代表されるカルボキ
シル基、カルボン酸無水物残基、エポキシ基、加水分解
性シリル基を有するハイドロカーボン系単量体をグラフ
ト重合した含フッ素重合体を接着剤に用いた報告(たと
えば特開平7−18035号、特開平7−25952
号、特開平7−25954号、特開平7−173230
号、特開平7−173446号、特開平7−17344
7号各公報)やヒドロキシルアルキルビニルエーテルの
ような官能基を含むハイドロカーボン系単量体をテトラ
フルオロエチレンやクロロトリフルオロエチレンと共重
合した含フッ素共重合体と、イソシアナート系硬化剤と
の接着性組成物を硬化させ、塩ビとコロナ放電処理され
たETFEとの接着剤に用いた報告(たとえば特開平7
−228848号公報)がなされている。
【0019】これら、ハイドロカーボン系の官能基モノ
マーをグラフト重合または共重合した含フッ素樹脂を用
いた接着剤または接着剤組成物は耐熱性が不充分で、含
フッ素樹脂フィルムとの複合体を高温で加工するとき
や、高温で使用するときに分解・発泡などがおき接着強
度を低下させたり、剥離したり、着色したりする。また
前記特開平7−228848号公報記載の接着性組成物
では、含フッ素樹脂フィルムはコロナ放電処理を必要と
する。
【0020】このように、建材用の複合材として前記の
要請を満たす基材と強固に接着し、意匠性にすぐれた材
料はない。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】叙上の事実に鑑み、本
発明の目的は、複雑な工程を必要とすることなく、基材
への接着性にすぐれた含フッ素重合体からなる材料を基
材に適用してなる建材用の複合材を提供することにあ
る。
【0022】さらに本発明は、耐候性、防汚性、非粘着
性、透明性(意匠性)、耐摩耗性、防錆性、難燃性、風
化防止性および耐水性にすぐれた建材用の複合材を提供
することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)ヒドロ
キシル基、カルボキシル基、カルボン酸塩、カルボキシ
エステル基およびエポキシ基よりなる群から選ばれた少
なくとも1種の官能基を有する官能基含有含フッ素エチ
レン性単量体の少なくとも1種の単量体0.05〜30
モル%と(b)前記の官能基を有さない含フッ素エチレ
ン性単量体の少なくとも1種の単量体70〜99.95
モル%とを共重合してなる官能基を有する官能基含有含
フッ素エチレン性重合体からなる材料を基材に適用して
なる建材用複合材に関する。
【0024】このばあい、前記官能基含有含フッ素エチ
レン性単量体(a)が式(1): CX2=CX1−Rf−Y (1) (式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸
塩、カルボキシエステル基またはエポキシ基、Xおよび
1は同じかまたは異なり水素原子またはフッ素原子、
fは炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基、
炭素数1〜40の含フッ素オキシアルキレン基、炭素数
1〜40のエーテル基を含む含フッ素アルキレン基また
は炭素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素オキシ
アルキレン基を表す)で示される少なくとも1種の官能
基含有含フッ素エチレン性単量体であるのが好ましい。
【0025】また、前記官能基を有さない含フッ素エチ
レン性単量体(b)が、テトラフルオロエチレンである
のが好ましい。
【0026】さらに、前記官能基を有さない含フッ素エ
チレン性単量体(b)が、テトラフルオロエチレン85
〜99.7モル%と式(2): CF2=CF−Rf 1 (2) (式中、Rf 1はCF3またはORf 2(Rf 2は炭素数1〜
5のパーフルオロアルキル基)で示される単量体0.3
〜15モル%との混合単量体であるのが好ましい。
【0027】さらにまた、前記官能基を有さない含フッ
素エチレン性単量体(b)が、テトラフルオロエチレン
40〜80モル%とエチレン20〜60モル%とその他
の共重合可能な単量体0〜15モル%との混合単量体で
あるのが好ましい。
【0028】また本発明は、前記官能基含有含フッ素エ
チレン性単量体(a)0.01〜30モル%と前記官能
基を有さない含フッ素エチレン性単量体(b)としてフ
ッ化ビニリデン70〜99.9モル%とを共重合してな
る官能基含有含フッ素エチレン性重合体からなる材料を
基材に適用してなる建材用複合材にも関する。
【0029】このばあい、前記官能基を有さない含フッ
素エチレン性単量体(b)が、フッ化ビニリデン70〜
99モル%とテトラフルオロエチレン1〜30モル%と
の混合単量体、フッ化ビニリデン50〜99モル%とテ
トラフルオロエチレン0〜30モル%とクロロトリフル
オロエチレン1〜20モル%との混合単量体、またはフ
ッ化ビニリデン60〜99モル%とテトラフルオロエチ
レン0〜33モル%とヘキサフルオロプロピレン1〜1
0モル%との混合単量体であるのが好ましい。
【0030】本発明は、前記の官能基含有含フッ素エチ
レン性重合体が塗料の形態で基材に適用されてなる建材
用複合材にも関する。
【0031】また本発明は、前記の官能基含有含フッ素
エチレン性重合体がフィルムの形態で基材に適用されて
なる建材用複合材に関する。
【0032】前記基材は金属系基材であるのが好まし
い。
【0033】また、前記基材が合成樹脂基材であるのが
好ましい。
【0034】該合成樹脂基材が透明であるのが好まし
い。
【0035】また、該合成樹脂基材がポリカーボネート
からなるのが好ましい。
【0036】また前記合成樹脂基材が人工大理石の形態
であるのが好ましい。
【0037】前記基材が非金属系無機基材であるのが好
ましい。
【0038】前記基材がガラス基材であるのが好まし
い。
【0039】また、前記非金属系無機基材がコンクリー
トからなるのが好ましい。
【0040】さらに、前記非金属系無機基材がセメント
からなるのが好ましい。
【0041】前記非金属系無機基材がタイルであるのが
好ましい。
【0042】前記非金属系無機基材が陶板であるのが好
ましい。
【0043】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる建築外装用部材にも関する。
【0044】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なるカーテンウォールに関する。
【0045】さらに、本発明は前記請求項2記載の建材
用複合材を用いてなる屋根用部材。
【0046】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる瓦に関する。
【0047】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる屋根材に関する。
【0048】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる窓用部材に関する。
【0049】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なるサッシ類に関する。
【0050】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる雨どいに関する。
【0051】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なるエクステリア類に関する。
【0052】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる開扉に関する。
【0053】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる外塀に関する。
【0054】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる建築内装用部材に関する。
【0055】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる壁材に関する。
【0056】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる床材に関する。
【0057】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる天井に関する。
【0058】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる造作材に関する。
【0059】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる内装ドアに関する。
【0060】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なるブラインドに関する。
【0061】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる住宅設備機器に関する。
【0062】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なるバス−トイレタリーに関する。
【0063】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる洗面台に関する。
【0064】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる便器に関する。
【0065】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる浴槽に関する。
【0066】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる厨房用部材に関する。
【0067】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なるシステムキッチンに関する。
【0068】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なるガステーブルに関する。
【0069】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なるレンジフードに関する。
【0070】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なるエレベーターに関する。
【0071】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なるエスカレーターに関する。
【0072】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる土木用建材に関する。
【0073】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる道路建設用部材に関する。
【0074】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる道路建設用防音壁に関する。
【0075】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる道路建設用標識に関する。
【0076】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる道路建設用ガードレールに関する。
【0077】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる道路建設用信号機カバーに関する。
【0078】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる道路建設用電灯カバーに関する。
【0079】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる上下水道施設部材に関する。
【0080】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる橋梁用部材に関する。
【0081】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる鉄道施設部材に関する。
【0082】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる鉄道施設用ボルトに関する。
【0083】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる鉄道施設用信号機カバーに関する。
【0084】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる鉄道施設用架線に関する。
【0085】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる鉄道施設用鉄塔に関する。
【0086】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる電力施設用部材に関する。
【0087】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる電力施設用ガラスに関する。
【0088】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる電力施設用電柱に関する。
【0089】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる電力施設用アームに関する。
【0090】また、本発明は前記建材用複合材を用いて
なる化学プラント用部材に関する。
【0091】
【発明の実施の形態】本発明者は前記目的を達成するた
めに検討を重ねた結果、含フッ素重合体本来の耐候性、
防汚性、非粘着性、撥水性を失なわないで、金属やガラ
スなどの様々の基材に直接に接着でき、その結果加工
性、透明性、意匠性を改善した被膜をうることができ、
さらにそれらが建材に適用できることを見出した。
【0092】本発明の建材用の複合材は、(a)ヒドロ
キシル基、カルボキシル基、カルボン酸塩、カルボキシ
ルエステル基およびエポキシ基よりなる群から選ばれた
少なくとも1種の官能基を有する官能基含有含フッ素エ
チレン性単量体の少なくとも1種の単量体0.05〜3
0モル%と(b)前記の官能基を有さない含フッ素エチ
レン性単量体の少なくとも1種の単量体70〜99.9
5モル%とを共重合してなる官能基を有する含フッ素エ
チレン性重合体からなる材料を基材に適用したものであ
る。
【0093】前記官能基含有含フッ素重合体からなる材
料は、塗料またはフィルムの形態で金属、合成樹脂やガ
ラス、その他の非金属系無機基材に対し、接着剤の使
用、基材の表面処理、プライマー層の形成、さらに当該
材料中への接着性を有する成分の添加などを行なわなく
とも驚くべき強力な接着性を有する。
【0094】本発明の複合材をうるために用いる官能基
含有含フッ素重合体は、前記(a)の官能基含有含フッ
素エチレン性単量体を用いて、前記の官能基を有さない
含フッ素エチレン性単量体(b)と共重合し、含フッ素
重合体に官能基を導入することが重要であり、それによ
って従来、接着が不充分または不可能であった種々の基
材表面に対し直接すぐれた接着性を与えうる。つまり、
官能基含有含フッ素重合体であっても、非フッ素系の官
能基含有単量体を共重合したものに比べ耐熱性にすぐれ
ており、高温(たとえば200〜400℃など)での加
工時の熱分解などがより少なく抑えられ、大きな接着強
度をうることができ、さらに着色や発泡、それによるピ
ンホール、レベリング不良などのない被覆層を基材上に
形成することができる。また、複合材を高温で使用する
ばあいも、接着性を維持し、さらに着色、白化、発泡、
ピンホールなどの被覆層の欠陥が生じにくい。
【0095】また、前記官能基含有含フッ素重合体は、
それ自体、耐熱性だけでなく、含フッ素ポリマーがもつ
耐候性、防汚性、非粘着性、耐薬品性、低摩擦性などの
すぐれた特性をも有しており、これらのすぐれた特性を
低下させずに与えうる。
【0096】つぎに、まず本発明の複合材の材料である
官能基含有含フッ素エチレン性共重合体について説明す
る。
【0097】官能基含有含フッ素エチレン性重合体の官
能基は、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボン酸
塩、カルボキシルエステル基およびエポキシ基から選ば
れる少なくとも1種であり、官能基の効果により種々の
基材との接着性を与えうるものである。官能基の種類や
組合せは基材の表面の種類、目的や用途により適宜選択
されるが、耐熱性の面でヒドロキシル基を有するものが
最も好ましい。
【0098】この官能基含有含フッ素エチレン性重合体
を構成する成分の1つである前記官能基含有含フッ素エ
チレン性単量体(a)としては式(1): CX2=CX1−Rf−Y (1) (式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸
塩、カルボキシエステル基またはエポキシ基、Xおよび
1は同じかまたは異なり水素原子またはフッ素原子、
fは炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基、
炭素数1〜40の含フッ素オキシアルキレン基、炭素数
1〜40のエーテル基を含む含フッ素アルキレン基また
は炭素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素オキシ
アルキレン基を表す)で示される官能基含有含フッ素エ
チレン性単量体であるのが好ましい。
【0099】また、官能基含有含フッ素エチレン性単量
体(a)の具体例としては、式(3): CF2=CF−Rf 3−Y (3) [式中、Yは式(1)のYと同じ、Rf 3は炭素数1〜4
0の2価の含フッ素アルキレン基またはORf 4(Rf 4
炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基または炭
素数1〜40のエーテル結合を含む2価の含フッ素アル
キレン基)を表わす]、式(4): CF2=CFCF2−ORf 5−Y (4) [式中、Yは式(1)のYと同じ、Rf 5は炭素数1〜3
9の2価の含フッ素アルキレン基または炭素数1〜39
のエーテル結合を含む2価の含フッ素アルキレン基を表
わす]、式(5): CH2=CFCF2−Rf 6−Y (5) [式中、Yは式(1)のYと同じ、Rf 6は炭素数1〜3
9の2価の含フッ素アルキレン基、またはORf 7(Rf 7
は炭素数1〜39の2価の含フッ素アルキレン基または
炭素数1〜39のエーテル結合を含む2価の含フッ素ア
ルキレン基)を表わす]または式(6): CH2=CH−Rf 8−Y (6) [式中、Yは式(1)のYと同じ、Rf 8は炭素数1〜4
0の2価の含フッ素アルキレン基]で示されるものなど
があげられる。
【0100】式(3)〜式(6)の官能基含有含フッ素
エチレン性単量体が、官能基を有さない含フッ素エチレ
ン性単量体(b)との共重合性が比較的良好な点で、ま
た、共重合してえられた重合体の耐熱性を著しく低下さ
せない理由で好ましい。
【0101】これらのなかでも、官能基を有さない含フ
ッ素エチレン性単量体(b)との共重合性や、えられた
重合体の耐熱性の面より式(3)、式(5)の化合物が
好ましく、とくに式(5)の化合物が好ましい。
【0102】式(3)で示される官能基含有含フッ素エ
チレン性単量体として、さらに詳しくは
【0103】
【化1】
【0104】などが例示される。
【0105】式(4)で示される官能基含有含フッ素単
量体としては、
【0106】
【化2】
【0107】などが例示される。
【0108】式(5)で示される官能基含有含フッ素単
量体としては、
【0109】
【化3】
【0110】などが例示される。
【0111】式(6)で示される官能基含有含フッ素単
量体としては、
【0112】
【化4】
【0113】などが例示される。
【0114】その他
【0115】
【化5】
【0116】などもあげられる。
【0117】官能基含有含フッ素エチレン性単量体
(a)と共重合する官能基を含有しない含フッ素エチレ
ン性単量体(b)は公知の単量体より適宜選択すること
ができ、耐候性、耐熱性、防汚性、非粘着性、耐薬品
性、低摩擦性を重合体に与える。
【0118】具体的な含フッ素エチレン性単量体(b)
としては、テトラフルオロエチレン、式(2):CF2
=CF−Rf 1[Rf 1はCF3またはORf 2(Rf 2は炭素
数1〜5のパーフルオロアルキル基)を表わす]、クロ
ロトリフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、フ
ッ化ビニル、ヘキサフルオロプロピレン、ヘキサフルオ
ロイソブテン、
【0119】
【化6】
【0120】(式中、X2は水素原子、塩素原子または
フッ素原子から選ばれる、nは1〜5の整数)などがあ
げられる。
【0121】また、官能基含有含フッ素エチレン性単量
体(a)と前記官能基を有さない含フッ素エチレン性単
量体(b)に加えて、耐候性、耐熱性や、防汚性、非粘
着性を低下させない範囲でフッ素原子を有さないエチレ
ン性単量体を共重合してもよい。このばあいフッ素原子
を有さないエチレン性単量体は、耐候性、耐熱性を低下
させないためにも炭素数5以下のエチレン性単量体から
選ぶことが好ましく、具体的にはエチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、2−ブテンなどがあげられる。
【0122】本発明において用いられる官能基含有含フ
ッ素エチレン性重合体(A)中の官能基含有含フッ素エ
チレン性単量体(a)の含有率は、重合体中の単量体の
全量の0.05〜30モル%である。官能基含有含フッ
素エチレン性単量体(a)の含有率は、建材用の基材の
表面の種類、形状、塗装方法、フィルム形成方法、条
件、目的や用途などの違いにより適宜選択されるが、好
ましくは0.05〜20モル%、特に好ましくは0.1
〜10モル%である。
【0123】官能基含有含フッ素エチレン性単量体
(a)の含有率が0.05%未満であると、基材の表面
との接着性が充分えられにくく、温度変化や薬品の浸透
などにより、また外装に用いたばあいは気候、天候変化
により剥離などをおこしやすい。また、30モル%を超
えると耐熱性、耐候性を低下させ、高温での焼成時また
は高温での使用時に、接着不良や着色、発泡、ピンホー
ルなどが発生し、意匠性を低下させたり、被覆層の剥離
や熱分解生成物の溶出などをおこしやすい。
【0124】本発明で用いる官能基含有含フッ素エチレ
ン性重合体の好ましいものをつぎにあげる。
【0125】(I)官能基含有含フッ素エチレン性単量
体(a−1)0.05〜30モル%とテトラフルオロエ
チレン70〜99.95モル%との重合体(I)(反応
性PTFE)。
【0126】この重合体は耐熱性、耐候性、防汚性、耐
薬品性、非粘着性が最もすぐれており、さらに摺動性
(低摩擦性、耐摩耗性)を有する点ですぐれている。
【0127】(II)官能基含有含フッ素エチレン性単量
体(a−1)を単量体の全量に対して0.05〜30モ
ル%含み、さらに該単量体(a−1)を除く単量体の全
量に対して、テトラフルオロエチレン85〜99.7モ
ル%と前記式(2): CF2=CF−Rf 1 (2) [Rf 1はCF3、ORf 2(Rf 2は炭素数1〜5のパーフ
ルオロアルキル基)から選ばれる]で示される単量体
0.3〜15モル%との重合体(II)。たとえば官能基
を有するテトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アル
キルビニルエーテル)共重合体(反応性PFA)または
官能基を有するテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオ
ロプロピレン重合体(反応性FEP)。
【0128】この重合体は前記(I)の反応性PTFE
とほぼ同等の耐熱性、耐候性、防汚性、耐薬品性、非粘
着性を有し、さらに透明性を有する点ならびに溶融成形
可能であり、塗料の形態で塗布しても熱により透明化お
よび表面平滑化が可能な点ですぐれている。
【0129】(III)官能基含有含フッ素エチレン性単
量体(a)を単量体の全量に対して0.05〜30モル
%含み、さらに該単量体(a)を除く単量体の全量に対
して、テトラフルオロエチレン40〜80モル%、エチ
レン20〜60モル%、その他の共重合可能な単量体0
〜15モル%との重合体(官能基を有するエチレン−テ
トラフルオロエチレン重合体(III)(反応性ETF
E))。
【0130】この重合体はすぐれた耐熱性、防汚性、耐
候性をもち、透明性にすぐれている点、さらにすぐれた
機械的強度を有し、硬く強靭である点、ならびに溶融流
動性がすぐれているために成形加工や、他の基材との複
合化(積層など)が容易である点ですぐれている。
【0131】(IV)官能基含有含フッ素エチレン性単量
体(a)0.05〜30モル%とフッ化ビニリデン70
〜99.9モル%との重合体(III)(反応性PVd
F)。
【0132】この重合体(IV)は含フッ素樹脂の優れた
耐候性を保ちつつ、なかでもとくに優れた機械的強度を
有し、硬く、強靭である点で、また溶融流動性が優れて
いるため、比較的低温での成形加工や、他のポリマーと
の複合化(積層など)をしやすい点で優れている。
【0133】(V)単量体の全量に対して0.01〜3
0モル%の官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)
と、該単量体(a)を除く単量体の全量に対してフッ化
ビニリデン70〜99モル%、テトラフルオロエチレン
1〜30モル%の混合単量体、前記単量体(a)を除く
単量体の全量に対してフッ化ビニリデン50〜99モル
%、テトラフルオロエチレン0〜33モル%、クロロト
リフルオロエチレン1〜20モル%の混合単量体、また
は前記単量体(a)を除く単量体の全量に対してフッ化
ビニリデン60〜99モル%、テトラフルオロエチレン
0〜30モル%、ヘキサフルオロプロピレン1〜10モ
ル%の混合単量体との重合体(IV)(反応性VdF共重
合体)。
【0134】この重合体(IV)は含フッ素樹脂の優れた
耐候性を保ちつつ、低融点であるため、室温〜100℃
程度の低い温度での加工が可能であり、とくに塗料の形
態で低い温度で造膜、成膜が可能である点で好ましい。
またその結果、耐熱性を有さない非フッ素ポリマーとの
複合(積層など)のばあい好ましい。またさらに可撓
性、柔軟性、透明性に優れている。また本発明の含フッ
素重合体の反応性基を利用して接着機能のみならず硬化
剤との架橋も容易に可能であり、機械特性の改善も可能
である点で好ましい。
【0135】前記官能基含有含フッ素重合体は前述の官
能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)と、官能基を
有さない含フッ素エチレン性単量体(b)とを周知の重
合方法で共重合することによってうることができる。そ
の中でも主としてラジカル共重合による方法が用いられ
る。すなわち重合を開始するには、ラジカル的に進行す
るものであれば手段は何ら制限されないが、たとえば有
機、無機ラジカル重合開始剤、熱、光あるいは電離放射
線などによって開始される。重合の種類も溶液重合、バ
ルク重合、懸濁重合、乳化重合などを用いることができ
る。また、分子量は、重合に用いるモノマーの濃度、重
合開始剤の濃度、連鎖移動剤の濃度、温度によって制御
される。生成する共重合体の組成は、仕込みモノマーの
組成によって制御可能である。
【0136】以上に説明した官能基含有含フッ素エチレ
ン性重合体は基材に適用するための材料として種々の形
態をとりうる。代表的には塗料用材料またはフィルム状
材料の形態があげられるが、成形品の形態としてもよ
い。
【0137】本発明においては前記官能基含有含フッ素
エチレン性重合体を塗料の形態で基材に適用し、建材用
複合材をうることができる。
【0138】本発明において、基材に塗料の形態で適用
するばあい、水性分散液、有機溶剤分散液、粉末(造粒
物も含む)、有機溶剤可溶体、オルガノゾル、オルガノ
ゾルの水性エマルジョンの形態をとりうる。これらのう
ち、環境および安全性の面から、水性分散液または粉末
(粉体塗料)の形態で適用するのが好ましい。
【0139】なお、塗料は前記官能基含有含フッ素エチ
レン性重合体が基材との接着性にすぐれるという性質が
発揮される形で適用されればよく、単層でもよく、また
プライマー層として用いてもよい。
【0140】本発明における含フッ素塗料用水性分散液
は、前記官能基含有含フッ素エチレン性重合体の粒子を
水中に分散させてなるものである。含フッ素重合体に官
能基を導入することによって水性分散液中の微粒子の分
散安定性が向上し、貯蔵安定性のよい塗料がえられ、さ
らに塗布後の被膜のレベリング性および透明性が向上す
る。
【0141】前記水性分散液は0.01〜1.0μmの
前記重合体の微粒子が、水中に、分散された形態の組成
物であるのが好ましい。一般にその中に分散安定化のた
めの界面活性剤が配合されていてもよい。また、水性分
散液に耐熱性や耐薬品性、非粘着性、低摩擦性を著しく
低下させない範囲で通常使用される顔料、界面活性剤、
消泡剤、粘度調整剤、レベリング剤などの添加物を配合
することができる。
【0142】含フッ素塗料用水性分散液は、種々の方法
で製造することができる。具体的にはたとえば、 ・懸濁重合法などでえられた官能基を有する含フッ素重
合体の粉末を微粉砕し、それを水性分散媒中へ、界面活
性剤によって均一に分散させる方法、 ・乳化重合法により重合と同時に含フッ素水性分散液を
製造し、必要に応じてさらに界面活性剤や添加剤を配合
する方法 などがあげられるが、生産性や品質面(小粒径化や、均
一粉径化)から、乳化重合法により直接水性分散液を製
造する方法が好ましい。
【0143】水性分散液の重合体濃度は目標とする膜
厚、塗料の濃度、粘度、塗布方法などにより異なるが、
通常、約5〜70重量%の範囲内で選べばよい。
【0144】塗装方法は特に限定されず、ハケ塗り法、
スプレー法、ロールコート法などで塗布後、重合体の種
類に応じて乾燥し、重合体の融点以上、分解温度以下の
温度で焼成して成膜したり、常温または重合体の融点以
下の温度に加温して成膜することもできる。
【0145】また塗膜の膜厚は用途、目的、基材などに
よって適宜選択すればよく、たとえば約1〜200μ
m、好ましくは5〜100μmである。
【0146】本発明における粉体塗料は、前記官能基含
有含フッ素エチレン性重合体の粉末からなるものであ
る。粉体塗料に用いられる官能基含有含フッ素エチレン
性重合体の具体例は、用途、目的、基材などにより、前
述の(I)〜(V)の重合体が好ましく用いることがで
きる。
【0147】特に耐候性、耐熱性、防汚性、非粘着性、
耐食性、耐薬品性の点から反応性PFAまたは反応性F
EP(II)が、耐候性、防汚性、加工性、透明性の点か
ら反応性ETFE(III)が好ましい。
【0148】含フッ素粉体塗料は粒径10μm〜100
0μm、見かけ密度0.3〜1.2g/ccの形状の粉
末または粒状のものが好ましく用いられる。
【0149】この含フッ素粉体塗料には、耐熱性などの
フッ素樹脂の性能を著しく低下させない範囲で、たとえ
ばカーボン粉末、酸化チタン、酸化コバルトなどの顔
料、ガラス繊維、カーボン繊維などの粉末、マイカなど
の補強剤、アミン系酸化防止剤、有機イオウ系化合物、
有機スズ系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、金属
石ケンなどの熱安定剤、レベリング剤、帯電防止剤など
の添加剤を適宜配合できる。
【0150】含フッ素粉体塗料への前記添加剤の配合
は、粉末状で混合(乾式)してもよいし、スラリー状で
混合(湿式)してもよいが、粉末の状態で行なうのが好
ましい。混合用機器としては、たとえばサンドミル、V
型ブレンダー、リボン型ブレンダーなどの通常の混合機
および粉砕機を使用することができる。
【0151】含フッ素粉体塗料の塗装は、一般に静電吹
付、流動層浸漬、回転ライニングなどの方法などにより
行なったのち、重合体の種類に応じて重合体の融点以
上、分解温度以下の温度での焼成により良好な塗膜を形
成することができる。
【0152】一般に静電粉体塗装のばあい、膜厚10〜
200μm、回転ライニングのばあい、膜厚200〜1
000μmの塗膜が形成される。
【0153】また、前記含フッ素塗料用材料に用いられ
る官能基含有含フッ素エチレン性重合体は、その接着性
を利用し、金属やガラスなどの基材の表面へ官能基を有
さないフッ素樹脂を被覆する際の良好な耐熱性を有する
含フッ素塗料用プライマー層としても用いることができ
る。
【0154】含フッ素塗料用プライマーは、前記官能基
含有含フッ素エチレン性重合体からなる。
【0155】プライマーは、前述の含フッ素重合体と同
様のものが具体的に利用でき、基材の表面の種類や、プ
ライマーを介して被覆する含フッ素重合体の種類(トッ
プコートの種類)などにより適宜選択される。一般に含
フッ素塗料用プライマーは、その上に被覆する含フッ素
重合体の構造と同等の構造を有するものに官能基を含ん
だものが好ましい。
【0156】この組合せは、プライマーに用いられる含
フッ素重合体とその上に被覆される含フッ素重合体との
相溶性が良好なものであり基材の表面との接着性だけで
はなくプライマー層とトップコート層との層間接着強度
も良好なものとなりうる。また、高温での使用において
も、他の樹脂成分を加えたプライマーを用いたばあいの
ように、重合体の熱収縮率の違いなどによる層間剥離や
クラック、ピンホールなどをおこしにくい。また、そも
そも塗膜全体が、含フッ素重合体で構成されるため、透
明性や鮮やかな着色を有する用途にも充分対応でき、さ
らに塗膜の最表面に官能基を含まない含フッ素重合体層
を形成するためのすぐれた耐候性、耐熱性、防汚性、耐
薬品性、非粘着性、および低摩擦性をより効果的に発揮
することができる。
【0157】トップコート層に用いる官能基を含まない
含フッ素重合体としては、PTFE、PFA、FEP、
ETFE、PVdF、VdF系共重合体などがあげられ
る。
【0158】含フッ素塗料用プライマーとしては具体的
には、前記官能基含有含フッ素エチレン性重合体を用い
ることができるが、基材をPTFEで被覆するばあい
は、反応性PTFE(I)、反応性PFAまたはFEP
(II)から選ばれるものをプライマーとして用いるのが
好ましく、特に熱溶融性の反応性PFAまたはFEP
(II)をプライマーに用いるのが、焼成により基材の表
面に強固に熱溶融させて接着させることができより好ま
しい。基材をPFAやFEPで被覆するばあいは反応性
PFAまたはFEP(II)をプライマーに用いるのが好
ましい。さらに基材をETFEで被覆するばあい、とく
に反応性ETFE(III)をプライマーに用いるのが、
接着性、透明性の点から好ましい。また、さらに基材を
VdF系重合体(PVdF、VdF系共重合体など)で
被覆するばあい、反応性PVdF(IV)や反応性VdF
共重合体(V)をプライマーに用いるのが接着性、透明
性の点から好ましい。
【0159】プライマー層を利用する被覆方法として
は、(第1工程)前記官能基を有する含フッ素重合体か
らなる含フッ素塗料用プライマーを基材の表面に塗布す
る工程、(第2工程)第1工程で形成されたプライマー
層上に、官能基を有さない含フッ素重合体からなる含フ
ッ素塗料を塗布する工程、(第3工程)第1工程と第2
工程でえられた積層体を焼成する工程の大きく3つの工
程からなる含フッ素重合体の被覆方法を好ましく用いる
ことができる。さらに第1工程で塗布されたプライマー
層は、80〜150℃、5〜30分間程度かけて指触乾
燥し、つぎの第2工程に進め(2コート1ベーク)ても
よいし、プライマー層をたとえば溶融温度以上の高温で
焼成したのち、第2工程に進め(2コート2ベーク)て
もよい。
【0160】第1工程においてプライマーの塗布方法
は、プライマーの形態に応じて適宜選択され、たとえば
含フッ素プライマーが水性分散液の形態のばあい、スプ
レーコーティング、スピンコーティング、はけ塗り、デ
ィッピングなどの方法が用いられる。また、粉体塗料の
形態のばあいは静電塗装法、流動浸漬法、回転ライニン
グ法などの方法が用いられる。
【0161】プライマー層の厚さは、目的、用途、基材
の表面の種類、塗装の形態により異なってよいが、1〜
50μm、好ましくは2〜20μmである。このように
プライマーは一般に低膜厚であるため、プライマーは水
性分散体の形態としスプレー塗装などにより塗布するこ
とが好ましい。
【0162】第2工程のプライマー層上への官能基を含
まない含フッ素重合体からなる塗料の塗装方法は、含フ
ッ素重合体の種類や塗料の形態、目的や用途により適宜
選択され、たとえば水性分散液や有機溶剤分散液などの
ばあい、一般にスプレー塗料、はけ塗り、ロールコー
ト、スピンコーティングなどが通常行なわれ、粉体塗料
のばあいは静電塗装、流動浸漬法、回転ライニング法な
どの方法で塗装される。
【0163】この工程での含フッ素重合体の塗装塗膜
は、目的や用途、塗装方法により全く異なるが、一般に
スプレー塗装などによる1〜100μm、好ましくは5
〜50μm程度であり、粉体塗料を用いた厚膜化を目標
とするばあい、静電塗装法で20μm〜2000μm、
回転ライニング法により0.3〜10mmの膜厚の被覆
が可能である。
【0164】第3工程の焼成条件は、プライマー層、そ
の上のトップ層の含フッ素重合体の種類(組成、融点な
ど)により適宜選択されるが、一般に両者の含フッ素重
合体の融点以上の温度で焼成される。焼成時間は、焼成
温度により異なるが5分間〜3時間、好ましくは10〜
30分間程度である。たとえばPTFE、PFA、FE
Pなどを被覆するばあいは、320〜400℃、好まし
くは350〜400℃で焼成され、PVdFを被覆する
ばあいは200〜280℃、VdF系共重合体を被覆す
るばあいは、共重合組成により種々選択できるが一般に
室温〜200℃で成膜される。
【0165】つぎに、前記官能基含有含フッ素エチレン
性重合体をフィルムの形態で適用し、建材用複合材を作
製する技術について説明する。
【0166】フィルムの形態で適用する利点は、つぎの
とおりである。
【0167】官能基含有含フッ素エチレン性重合体か
らなるフィルムは、ホットメルト型接着剤には必須のア
プリケーターを必要とせず基材の上またはあいだに挟み
込み熱圧着することにより接着でき、工程的にも有利で
ある。
【0168】また、基材の全面に均一な接着層を形成
するため、接着むらのない均一な接着強度がえられ、相
溶性のないまたはわるい基材にも対応できる。
【0169】さらに、種々の形状にカットして使用で
き、作業ロスが少なく作業環境もよく、コスト的にも有
利である。
【0170】本発明の含フッ素重合体フィルムは、前記
官能基含有含フッ素エチレン性重合体を成形してなる含
フッ素重合体フィルムであるのがよく、表面処理や一般
の接着剤の使用を行なわなくとも、他の種々の基材と接
着させることができ、それによって基材に含フッ素重合
体のすぐれた特性を与えうる。
【0171】前記官能基含有含フッ素重合体のなかか
ら、用途や目的、フィルム製造工程、接着方法に応じて
種々の接着剤を用いた接着性フィルムの製造が可能であ
るが、接着性フィルム自体が耐熱性、耐薬品性、機械特
性、非粘着性などを有すること、溶融成形などに代表さ
れる効率的なフィルム成形が可能であり、良好な成形性
をもち、薄膜化や均一化が可能であること、また種々の
熱圧着法により溶融し、種々の基材に強固に、きれいに
接着させることができること、などの理由で、前記共重
合体(II)(反応性PFAまたは反応性FEP)または
前記共重合体(III)(反応性ETFE)が好ましい。
さらにより低温で加工でき、耐候性、防汚性などを有す
る点で前記重合体(IV)(反応性PVdF)、前記重合
体(V)(反応性VdF共重合体)が好ましい。また、
官能基としては、耐熱性の点から特にヒドロキシル基が
好ましい。
【0172】含フッ素フィルムの厚さは、目的や用途に
より選択され、特に限定されないが、10〜3000μ
mのものが用いられ、好ましくは20〜500μm、特
に好ましくは40〜300μmである。
【0173】薄すぎるフィルムは、特殊な製造方法が必
要であったり、接着操作を行なうときの取扱いが困難で
しわや破損、外観不良が起こりやすく、また接着強度、
機械的強度、耐候性、耐薬品性の点でも不充分となるば
あいがある。厚すぎるフィルムはコスト、接合して一体
化するときの作業性の点で不利となる。
【0174】本発明において含フッ素重合体フィルムは
単独で使用してもよいし、前述の官能基を有する含フッ
素エチレン性重合体フィルム(接着層)と官能基を有さ
ない含フッ素エチレン性重合体フィルム(表面層)とを
積層してなる含フッ素重合体積層フィルムの形で適用す
ることもできる。
【0175】つまり、一面は、官能基含有含フッ素エチ
レン性重合体からなる層により、他の基材との接着性を
与え、もう一方の面は、一般の含フッ素重合体からなる
層とする。前記官能基含有含フッ素エチレン性重合体の
面を基材に接触させ、熱圧着などの操作により接着させ
ることにより、含フッ素重合体のすぐれた耐候性、防汚
性、非粘着性、耐薬品性、低摩擦性などのすぐれた特性
を建材用基材または基材を含めた複合材に与えうる。
【0176】本発明における2層からなる含フッ素重合
体積層フィルムの厚さは、目的や用途により選択され、
とくに限定されないが、2層合わせて20〜5000μ
m、好ましくは40〜1000μm、とくに好ましくは
100〜500μmである。
【0177】各層の厚さは、接着層5〜1000μm、
含フッ素重合体層(表面層)15〜4995μm程度の
ものが使用でき、好ましくは接着層10〜500μm、
表面層30〜990μm、とくに好ましくは接着層10
〜200μm、表面層90〜490μmである。
【0178】なお、接着層用のフィルムを基材に接着し
たのち、表面層用のフィルムを被覆してもよい。
【0179】官能基含有含フッ素重合体フィルム中に、
特性を損なわない範囲で適当な補強剤、充填剤、安定
剤、紫外線吸収剤、顔料その他適宜添加剤を含有せしめ
ることも可能である。かかる添加剤によって、熱安定性
の改良、表面硬度の改良、耐摩耗性の改良、耐候性の改
良、帯電性の改良、その他を向上せしめることも可能で
ある。
【0180】本発明における含フッ素フィルムは、それ
に用いた重合体の種類や、目的となるフィルムの形状に
より、熱溶融法、押出法、切削法、溶剤キャスティン
グ、粉体、水性または有機溶剤分散体を塗装したのち連
続した皮膜とし、フィルムをうる方法など種々の製法に
よりうることができる。
【0181】たとえば、前述の反応性PTFEからなる
溶融成形が困難な重合体は、圧縮成形、押出成形(ラム
押出、ペースト押出と圧延加工など)などにより成形で
き、また、反応性のPFA、FEP、ETFE、PVd
F、VdF系共重合体などのように溶融成形可能な重合
体においては、圧縮成形、押出成形などが採用され、と
くに生産性、品質面などの理由から溶融押出成形が好ま
しい方法である。
【0182】積層フィルムの接合一体化は、接着層用と
表面層用のそれぞれの成形フィルムを重ね合わせて圧縮
成形する方法、また一方の成形フィルム上に他方を塗装
する方法、多層共押出成形法により、フィルム成形と同
時に接合一体化を達成する方法などが採用でき、なかで
も生産性や品質面で多層共押出成形法が好ましい。
【0183】官能基含有含フッ素重合体フィルムの基材
との接着は、加熱などによる熱活性化によって達成さ
れ、さらには熱溶融接着が好ましい。代表的な接着方法
として熱ロール法や、熱プレス法であり、その他、高周
波加熱法、マイクロ法、真空圧着法(真空プレスな
ど)、空気圧法などがあり、基材の種類や形状やフィル
ムの状態と種類などによって適宜選択できる。
【0184】前記官能基含有含フッ素エチレン性重合体
が接着可能な基材としては、金属系基材、樹脂系基材、
非金属系無機基材があげられる。
【0185】金属系基材の金属には金属および2種以上
の金属による合金類、金属酸化物、金属水酸化物、炭酸
塩、硫酸塩などの金属塩類も含まれる。そのなかでも金
属および金属酸化物、合金類が接着性においてより好ま
しい。
【0186】金属系基材の具体例としては、アルミニウ
ム、鉄、ニッケル、チタン、モリブテン、マグネシウ
ム、マンガン、銅、銀、鉛、スズ、クロム、ベリリウ
ム、タングステン、コバルトなど金属や金属化合物およ
びこれらの2種以上からなる合金類などがあげられる。
【0187】合金類の具体例としては炭素鋼、Ni鋼、
Cr鋼、Ni−Cr鋼、Cr−Mo鋼、ステンレス鋼、
ケイ素鋼、パーマロイなどの合金鋼、Al−Cl、Al
−Mg、Al−Si、Al−Cu−Ni−Mg、Al−
Si−Cu−Ni−Mgなどのアルミニウム合金、黄
銅、青銅(ブロンズ)、ケイ素青銅、ケイ素黄銅、洋
白、ニッケル青銅などの銅合金、ニッケルマンガン(D
ニッケル)、ニッケル−アルミニウム(Zニッケル)、
ニッケル−ケイ素、モネルメタル、コンスタンタン、ニ
クロムインコネル、ハステロイなどのニッケル合金など
があげられる。
【0188】さらにアルミニウム系金属については、純
アルミニウム、アルミニウムの酸化物、Al−Cu系、
Al−Si系、Al−Mg系およびAl−Cu−Ni−
Mg系、Al−Si−Cu−Ni−Mg系合金、高力ア
ルミニウム合金、耐食アルミニウム合金などの鋳造用ま
たは展伸用のアルミニウム合金を用いることができる。
【0189】さらにまた鉄系金属としては、純鉄、酸化
鉄、炭素鋼、Ni鋼、Cr鋼、Ni−Cr鋼、Cr−M
o鋼、Ni−Cr−Mo鋼、ステンレス鋼、ケイ素鋼、
パーマロイ、不感磁性鋼、磁石鋼、鋳鉄類などを用いる
ことができる。
【0190】また、金属の腐食防止などを目的として、
金属表面に電気メッキ、溶融メッキ、クロマイジング、
シリコナイジング、カロライジング、シェラダイジン
グ、溶射などを施して他の金属を被膜したり、リン酸塩
処理によりリン酸塩被膜を形成させたり、陽極酸化や加
熱酸化により金属酸化物を形成させたり、電気化学的防
食を施した基材へも接着できる。
【0191】さらに、接着性をさらに向上させることを
目的として、金属基材表面をリン酸塩、硫酸、クロム
酸、シュウ酸などによる化成処理を施したり、サンドブ
ラスト、ショットブラスト、グリットブラスト、ホーニ
ンク、ペーパースクラッチ、ワイヤースクラッチ、ヘア
ーライン処理などの表面粗面化処理を施してもよく、意
匠性を目的として、金属表面に、着色、印刷、エッチン
グなどを施してもよい。
【0192】また、さらに上記アルミニウムまたはアル
ミニウム合金系基材のばあい、その表面に防食、表面硬
化、接着性の向上などを目的に、苛性ソーダ、シュウ
酸、硫酸、クロム酸を用いた陽極酸化を行なって酸化皮
膜を形成させたもの(アルマイト)や、その他前述の表
面処理を施したものも用いることもできる。
【0193】さらに前述と同様に、表面に他の金属をメ
ッキしたもの、たとえば溶融亜鉛メッキ鋼板、合金化溶
融亜鉛メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、亜鉛ニッ
ケルメッキ鋼板、亜鉛アルミニウム鋼板など、浸透法、
溶射法により他の金属を被膜したもの、クロム酸系やリ
ン酸系の化成処理または加熱処理により酸化被膜を形成
させたもの、電気的防食法を施したもの(たとえばカル
バニック鋼板)などでもよい。
【0194】樹脂系基材としては、たとえばアクリル樹
脂、ポリカーボネート、耐熱性エンジニアリングプラス
チック、熱硬化性樹脂などがあげられる。
【0195】非金属系無機系基材としては、たとえばガ
ラス類、陶器、磁器などがあげられる。ガラス類は特に
組成は限定されず、石英ガラス、鉛ガラス、無アルカリ
ガラス、アルカリガラスなどがあげられる。
【0196】本発明の建材用複合材の基材としては、前
記の基材のうち、金属系基材としては、アルミニウム、
ステンレス、鉄、チタンなどの鋼板およびこれらに溶融
亜鉛メッキ、アルミニウムメッキなどを施したメッキ鋼
板、クロム酸、リン酸などの酸化処理をした化成処理鋼
板、陽極酸化を施したアルマイト処理鋼板などのものが
通常用いられている。
【0197】また、非金属系無機基材としては結晶化ガ
ラス、発泡ガラス、熱線反射ガラス、熱線吸収ガラス、
複層ガラスなどのガラス系基材、タイル、大型陶板、セ
ラミックパネル、レンガなどの窯業系基材、御影石、大
理石などの天然石、高強度コンクリート、ガラス繊維強
化コンクリート(GRC)、炭素繊維強化コンクリート
(CFRC)、軽量気泡発泡コンクリート(ALC)、
複合ALCなどのコンクリート系基材、押出成形セメン
ト、複合成形セメントなどのセメント系基材、その他石
綿スレート、ホーロー鋼板などのものが通常用いられて
いる。
【0198】さらにまた、合成樹脂基材としてはポリカ
ーボネート、ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ア
クリル樹脂、塩化ビニル樹脂、人工大理石(不飽和ポリ
エステル樹脂、アクリル樹脂を主体とする)、その他塩
化ビニル樹脂、アクリル樹脂またはウレタン樹脂を塗装
した塗装鋼板などのものが通常用いられている。
【0199】そのほか、透明性が要求される部分に非金
属系無機基材のガラス類、合成樹脂系基材のアクリル樹
脂やポリカーボネートなどが通常使用されている。
【0200】なお、本発明における前記基材の形状は、
シート、フィルム、チューブ、パイプ、板、管、棒その
他の異形であってもよいが、建材の種類によっては加工
が困難なばあいがあるため、基材は最終製品の形状とす
るのが好ましい。
【0201】本発明における複合材は、第1に含フッ素
樹脂が良好な接着性をもって基材に適用されていること
から、第2に該含フッ素樹脂が良好な耐候性、防汚性、
非粘着性、透明性(意匠性)、防錆性、難燃性、耐摩耗
性、風化防止性および耐水性などを有することから、た
とえば建築用ガラス、建材、厨房用住設、住宅設備機
器、土木の分野における各種部材を含む各種建材に用い
ることができる。
【0202】本発明の建材用複合材を用いることのでき
る好適な建材およびその部分を以下に具体的に建材の分
野別に列挙する。したがって、本発明は後述する建材お
よび各種部分にも関する。
【0203】また、それらを項目ごとに分類して整理
し、表1〜9に示した。
【0204】建築用ガラス 安全ガラス(防爆ガラス)、ならびに建築用磨き板ガラ
ス(窓ガラス)、ステンドグラスの窓、風防ガラス、遮
光割合調節機能をもつガラスなどを含む建築用ガラスな
ど。
【0205】これらにおいては、本発明の建材用複合材
のもつ透明性、飛散防止性、防汚性、難燃性をとくに効
果的に利用することができる。
【0206】外壁材、屋根材および内外装材(金属
製) (a)金属性建築材料、建築用金属製内外装パネル、金
属製フェンス、金属製タイルおよび金属製建築板などを
含む壁用金属製外装建材。
【0207】(b)ソーラーシステム内蔵屋根材などを
含む金属製屋根材。
【0208】(c)金属製格子、金属製シャッター、金
属製柵および金属製ポーチ(建築用)などを含む金属製
開扉。
【0209】(e)金属製ブラインド(野外用、屋外
用)、とい、サッシおよび雨戸などを含む金属製ブライ
ンド。
【0210】(f)金属製床タイル、塩化ビニル化粧シ
ートを表面にコーティングした金属製壁板などを含む金
属製天井板。
【0211】(g)その他自動車用金属製駐車設備、一
般的な金属製美術品など。
【0212】これらにおいては、本発明の建材用複合材
のもつ耐候性、防汚性、透明性(意匠性)をとくに効果
的に使用することができる。
【0213】外壁材、屋根材および内外装材(非金属
無機製) (a)セグメント状またはタイルもしくはスライスした
天然石を貼り付けたコンクリートブロック、セグメント
状または表面がゴム素材からなるコンクリート舗装板、
GRC(繊維補強コンクリート製壁材などを含む(鉄筋
トラストによって補強された)コンクリート板。
【0214】(b)表面がタイル調のセメントなどを含
むセメント(押出成形物)。
【0215】(c)人造石材などを含む建築用石材。
【0216】(d)建築用タイル、ラスター釉タイル、
床タイル、セラミックタイルおよび陶磁製ボーダータイ
ルなどを含むタイル。
【0217】(e)非金属製の建築用外装材、建築材、
建築用パネルおよび建築用壁タイルなどを含む建築用な
らびに壁用外装材。
【0218】(f)ソーラーシステム内蔵セラミック製
屋根材などを含む屋根材 (g)墓碑、墓標などを含む墓石。
【0219】(h)石、コンクリートまたは大理石製の
小像、小立像、像、胸像およびその他の美術品。
【0220】これらにおいては、本発明の建材用複合材
のもつ耐候性、防汚性、防水性、透明性(意匠性)、加
工性、密着性、前記(c)についてはさらに耐摩耗性、
ならびに前記(g)および(h)についてはさらに風化
防止性をとくに効果的に利用することができる。
【0221】外壁材、屋根材および内外装剤(樹脂
性) (a)床板および天井板など。
【0222】(b)格子、とい、室内用を含むブライン
ドおよび扉など。
【0223】(c)コンクリート用プラスチック製パネ
ル。
【0224】(d)建築用ガスケット。
【0225】(e)防虫、紫外線・熱線遮断および飛散
防止用フィルム付きカーテン、おおいならびに日よけな
ど。
【0226】(f)石または表面に石の模様を付した塩
化ビニル製床材。
【0227】(g)ソーラーシステム内蔵プラスチック
製屋根材。
【0228】(h)隙間を有し、かつ水はけ可能な組合
わせ式ポリビニルクロライド製タイル。
【0229】(i)合成樹脂製サッシ。
【0230】(j)カウンター、家具、しきい、壁板、
バックスプラッシュ、はば木、浴室およびシャワー室な
どの囲い壁用の化粧板。
【0231】(k)洗面所、シャワー室、トイレ室、便
所、移動式簡易便所、簡易公衆便所などの組立セット。
【0232】(l)サウナ室、車庫などの組立てセッ
ト。
【0233】これらにおいては、本発明の建材用複合材
のもつ耐候性、防汚性、透明性(意匠性)、耐水性、加
工性、密着性をとくに効果的に利用することができる。
【0234】外壁材および屋根材(木製) (a)家庭用具の製造用木材、ベニヤ板、木製パネルな
どを含む建築用木材板および化粧板など。
【0235】(b)木製フェンス、室内取付用ドアおよ
び木製窓枠など。
【0236】(c)合板の裏面にゴム製弾性材を貼り付
けてなる木製建材。
【0237】(d)木製の建築用組立てセット。
【0238】これらにおいても、本発明の建材用複合材
のもつ耐候性、防汚性、透明性(意匠性)、耐水性、加
工性および密着性をとくに効果的に利用することができ
る。
【0239】家具 (a)ガラスショーケース、ワゴン、商品陳列用ワゴ
ン、商品陳列用パネル、商品陳列台、食事運搬用ワゴ
ン、花台など。
【0240】(b)棚、つい立て、机、長いすおよび整
理だんす用棚板など。
【0241】(c)金属製または各種基材からなる電話
ボックス。
【0242】これらにおいても、本発明の建材用複合材
のもつ防汚性、透明性(意匠性)、耐水性、加工性、前
記(c)についてはさらに貼り紙付着防止性、密着性、
耐摩耗性をとくに効果的に利用することができる。
【0243】家庭用または業務用住設 (a)ガステーブル、レンジフードおよび換気フードな
ど。
【0244】(b)セントラルヒーティング用、換気装
置用および空気調和装置用などの金属製ダクト。
【0245】これらにおいては、本発明の建材用複合材
のもつ防汚性、非粘着性(油汚れに対する)、加工性お
よび密着性をとくに効果的に利用することができる。
【0246】住宅設備機器 (a)台所用レンジ(オーブン)、流しなどを含むシス
テムキッチン。
【0247】(b)電気、ガスおよび石油湯沸器(瞬間
湯沸器を含む)。
【0248】(c)取付け用洗面台、洗面化粧台、家庭
用洗髪機、洗髪機能を有する洗面化粧台、洗面台用洗面
器、天板付洗面器および出窓式洗面台などの洗面台。
【0249】(d)水洗用便器、車用小型用便器、小便
用便器、尿中成分測定装置付便器および幼児用便器など
の便器、温水洗浄機能付便器、脱臭装置および付便座な
どの便座、ならびに水洗便器用水タンク。
【0250】これらにおいては、本発明の建材用複合材
のもつ防汚性、意匠性(透明性)、加工性、耐摩耗性お
よび抗菌性を効果的に利用することができる。
【0251】(e)シャワー室、家庭用サウナおよび業
務用サウナバスなどを含む浴室にて用いられるライニン
グ、簡易浴槽および気泡発生装置付浴槽などの浴槽、浴
槽に取付ける取手、石鹸置などの浴室用家具。
【0252】(f)その他エスカレーター、およびエレ
ベーター(個人住宅用を含む)など。
【0253】これらにおいては、本発明の建材用複合材
のもつ防汚性、意匠性(透明性)、加工性、前記
(a)、(b)および(e)についてはさらに耐熱性、
前記(c)〜(e)についてはさらに耐摩耗性、前記
(f)についてはさらに滑り性または防錆性をとくに効
果的に利用することができる。
【0254】(9)土木 (a)バス停留所用標識、街路用標識およびガードレー
ル取付用標識などの金属製道路標識を含む標識。
【0255】(b)発行式信号機および機械式信号機を
含む信号機。
【0256】(c)各種基材からなるガードレール。
【0257】(d)各種基材からなる電柱。
【0258】(e)防音壁。
【0259】(f)その他建築用または構築用のプラス
チック製コンクリート型枠など。
【0260】これらにおいては、本発明の建材用複合材
のもつ耐候性、防汚性、透明性、加工性、密着性、前記
(f)については離型性をとくに効果的に利用すること
ができる。
【0261】
【表1】
【0262】
【表2】
【0263】
【表3】
【0264】
【表4】
【0265】
【表5】
【0266】
【表6】
【0267】
【表7】
【0268】
【表8】
【0269】
【表9】
【0270】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を説明するが、
本発明はこれらのみに制限されるものではない。
【0271】製造例1 (ヒドロキシル基を有するPFAからなる水性分散体の
製造)撹拌機、バルブ、圧力ゲージ、温度計を備えた3
リットルガラスライニング製オートクレーブに純水15
00ml、パーフルオロオクタン酸アンモニウム9.0
gを入れ、窒素ガスで充分置換したのち、真空にし、エ
タンガス20mlを仕込んだ。
【0272】ついで、パーフルオロ−(1,1,9,9
−テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−
3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式(7))
【0273】
【化7】
【0274】の3.8g、パーフルオロ(プロピルビニ
ルエーテル)(PPVE)18g、を窒素ガスを用いて
圧入し、系内の温度を70℃に保った。
【0275】撹拌を行ないながらテトラフルオロエチレ
ンガス(TFE)を内圧が8.5kgf/cm2Gとな
るように圧入した。
【0276】ついで、過硫酸アンモニウム0.15gを
水5.0gに溶かした溶液を窒素を用いて圧入して反応
を開始した。
【0277】重合反応の進行に伴って圧力が低下するの
で、7.5kgf/cm2Gまで低下した時点でテトラ
フルオロエチレンガスで8.5kgf/cm2まで再加
圧し、降圧、昇圧を繰り返した。
【0278】テトラフルオロエチレンの供給を続けなが
ら、重合開始からテトラフルオロエチレンガスが約40
g消費されるごとに、前記のヒドロキシ基を有する含フ
ッ素エチレン性単量体(前記式(7)で示される化合
物)の1.9gを計3回(計5.7g)圧入して重合を
継続し、重合開始よりテトラフルオロエチレンが約16
0g消費された時点で供給を止めオートクレーブを冷却
し、未反応モノマーを放出し、青みかかった半透明の水
性分散体1702gをえた。
【0279】えられた水性分散体中のポリマーの濃度は
10.9%、動的光散乱法で測定した粒子径は70.7
nmであった。
【0280】また、えられた水性分散体の一部をとり凍
結凝析を行ない、析出したポリマーを洗浄、乾燥し白色
固体を単離した。えられた共重合体の組成は、19F−N
MR分析、IR分析により、TFE/PPVE/(式
(7)で示されるヒドロキシル基を有する含フッ素エチ
レン性単量体)=97.7/1.2/1.1モル%であ
った。
【0281】また赤外スペクトルは3620〜3400
cm-1に−OHの特性吸収が観測された。
【0282】DSC分析により、Tm=310℃、DT
GA分析により1%熱分解温度Td=368℃であっ
た。高化式フローテスターを用いて2mm、長さ8mm
のノズルを用い、372℃で予熱5分間、荷重7kgf
/cm2でメルトフローレートを測定したところ12.
0g/10minであった。
【0283】製造例2 (ヒドロキシル基を有するPFAからなる水性分散体の
製造)製造例1と同じオートクレーブに純水1500m
l、パーフルオロオクタン酸アンモニウム9.0gを入
れ、窒素ガスで充分置換したのち真空にし、エタンガス
20mlを仕込んだ。
【0284】ついで、パーフルオロ−(1,1,9,9
−テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−
3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式(7)の化合
物)1.9g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル
(PPVE)16.1gを窒素ガスを用いて圧入し系内
の温度を70℃に保った。
【0285】撹拌を行いながらテトラフルオロエチレン
(TFE)を内圧8.5kgf/cm2Gとなるように
圧入した。
【0286】ついで、過硫酸アンモニウム0.15gを
水5.0gに溶かした溶液を窒素を用いて圧入して反応
を開始した。
【0287】重合反応の進行に伴って圧力が低下するの
で、7.5kgf/cm2Gまで低下した時点で、テト
ラフルオロエチレンガスで8.5kgf/cm2Gまで
再加圧し、降圧、昇圧を繰り返した。
【0288】テトラフルオロエチレンの供給を続けなが
ら重合開始からテトラフルオロエチレンガスが40g消
費されるごとに、前記のヒドロキシル基を有する含フッ
素エチレン性単量体(式(7)で示される化合物)の
0.95gを計3回(計2.85g)を圧入して重合を
継続し、重合開始よりテトラフルオロエチレンが160
g消費された時点で供給を止めオートクレーブを冷却
し、未反応モノマーを放出した。水性分散体1692g
をえた。えられた水性分散体中のポリマーの濃度は1
0.6%、粒子径は76.8nmであった。
【0289】製造例1と同様にして、水性分散体の一部
をとり白色固体を単離した。
【0290】同様にしてえられた白色固体を分析したと
ころ、 TFE/PPVE/(式(7)のヒドロキシル基を有す
る含フッ素単量体)=98.3/1.1/0.6モル% Tm=310℃ 1%熱分解温度Td=374℃ メルトフローレート:9.5g/10min なお、赤外スペクトルは3620〜3400cm-1に−
OHの特性吸収が観測された。
【0291】製造例3 (官能基を有さないPFAの水性分散体の合成)製造例
1において、パーフルオロ−(1、1、9、9−テトラ
ハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−
ジオキサ−8−ノネノール)(式(7)で示される化合
物)を用いなかったこと以外は、製造例1と同様にして
乳化重合を行い、官能基を含まないPFAの水性分散体
1662gをえた。
【0292】水性分散対中のポリマーの濃度は9.7
%、粒子径は115nmであった。
【0293】製造例1と同様に白色固体を単離し、分析
した。
【0294】 TFE/PPVE=98.9/1.1mol% Tm=310℃ 1%熱分解温度Td=479℃ メルトフローレート=19.2g/10min なお赤外スペクトルでは−OHの特性吸収は観測されな
かった。
【0295】製造例4 (ヒドロキシル基を有するPFAの合成)撹拌機、バル
ブ、圧力ゲージ、温度計を備えた6リットルのガラスラ
イニング製オートクレーブに純水1500mlを入れ、
窒素ガスで充分置換したのち、真空にし、1,2−ジク
ロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R−1
14)1500gを仕込んだ。
【0296】ついで、パーフルオロ−(1,1,9,9
−テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−
3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式7で示される
化合物)の5.0g、パーフルオロ(プロピルビニルエ
ーテル)(PPVE)130g、メタノール180gを
窒素ガスを用いて圧入し、系内の温度を35℃に保っ
た。
【0297】撹拌を行ないながらテトラフルオロエチレ
ンガス(TFE)を内圧が8.0kgf/cm2Gとな
るように圧入した。ついで、ジ−n−プロピルパーオキ
シジカーボネートの50%メタノール溶液0.5gを窒
素を用いて圧入して反応を開始した。
【0298】重合反応の進行に伴って圧力が低下するの
で、7.5kgf/cm2Gまで低下した時点でテトラ
フルオロエチレンガスで8.0kgf/cm2まで再加
圧し、降圧、昇圧を繰り返した。
【0299】テトラフルオロエチレンの供給を続けなが
ら、重合開始からテトラフルオロエチレンガスが約60
g消費されるごとに、前記のヒドロキシ基を有する含フ
ッ素エチレン性単量体(前記式(7)で示される化合
物)の2.5gを計9回(計22.5g)圧入して重合
を継続し、重合開始よりテトラフルオロエチレンが約6
00g消費された時点で供給を止めオートクレーブを冷
却し、未反応モノマーおよびR−114を放出した。
【0300】えられた共重合体を水洗、メタノール洗浄
を行なったのち、真空乾燥することにより710gの白
色固体をえた。えられた共重合体の組成は19F−NM
R分析、IR分析によりTFE/PPVE/(式(7)
で示されるヒドロキシ基を有する含フッ素エチレン性単
量体)=97.0/2.0/1.0モル%であった。ま
た、赤外スペクトルは3620〜3400cm-1に−O
Hの特性吸収が観測された。DSC分析によりTm=3
05℃、DTGA分析により1%熱分解温度Td=37
5℃であった。高化式フローテスターを用いて直径2m
m、長さ8mmのノズルを用い、372℃で予熱5分
間、荷重7kgf/cm2でメルトフローレートを測定
したところ32g/10minであった。
【0301】製造例5 (ヒドロキシル基を有するPFAの合成)撹拌機、バル
ブ、圧力ゲージ、温度計を備えた6リットルのガラスラ
イニング製オートクレーブに純水1500mlを入れ、
窒素ガスで充分置換したのち、真空にし、1,2−ジク
ロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R−1
14)1500gを仕込んだ。
【0302】ついで、パーフルオロ−(1,1,9,9
−テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−
3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式(7))を
2.5g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)
(PPVE)を132g、メタノールを230gとした
以外は製造例4と同様にして反応を開始し、温度を35
℃に保った。
【0303】撹拌を行ないながらテトラフルオロエチレ
ンエチレンガス(TFE)を内圧が8.0kgf/cm
2Gとなるように圧入した。ついで、ジ−n−プロピル
パーオキシジカーボネートの50%メタノール溶液0.
5gを窒素を用いて圧入して反応を開始した。
【0304】重合反応の進行に伴って圧力が低下するの
で、7.5kgf/cm2Gまで低下した時点でテトラ
フルオロエチレンガスで8.0kgf/cm2まで再加
圧し、降圧、昇圧を繰り返した。
【0305】さらに、重合開始からテトラフルオロエチ
レンガスが約60g消費されるごとに圧入する前記のヒ
ドロキシ基を有する含フッ素エチレン性重合体(前記式
(7)で示される化合物)の量を1.23gを計9回
(計11.10g)とした以外は製造例4と同様にして
680gの共重合体の白色固体をえた。えられた共重合
体の組成は19F−NMR分析、IR分析によりTFE/
PPVE/(式(7)で示されるヒドロキシ基を有する
含フッ素エチレン性単量体)=97.6/2.0/0.
4モル%であった。また、赤外スペクトルは3620〜
3400cm-1に−OHの特性吸収が観測された。DS
C分析によりTm=310℃、DTGA分析により分解
開始温度368℃、1%熱分解温度Td=375℃であ
った。高化式フローテスターを用いて直径2mm、長さ
8mmのノズルを用い、372℃で予熱5分間、荷重7
kgf/cm2でメルトフローレートを測定したところ
42g/10minであった。
【0306】製造例6 (官能基を含まないPFAの合成)製造例4において、
パーフルオロ(1,1,9,9−テトラハイドロ−2,
5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−
ノネノール)(式(7)で示される化合物)を用いない
こと、さらにメタノールを240g使用すること以外
は、製造例4と同様にして合成を行ない、官能基を含ま
ないPFA597gをえた。
【0307】製造例4と同様にして、えられたPFAを
分析したところ TFE/PPVE=98.2/1.8モル% Tm=310℃ Td=469℃(1%重量減) メルトフローレート=24g/10min であった。
【0308】製造例7 (ヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料の製造)製造
例4でえたヒドロキシル基を有するPFA粉末(見掛比
重0.5、真比重2.1、平均粒径600ミクロン)を
ローラーコンパクター(新東工業(株)製BCS−25
型)で幅60mm、厚さ5mmにシート状に圧縮した。
つぎに解砕機で約10mm径に解砕し、さらに粉砕機
(奈良機械製作所製コスモマイザーN−1型)を用い
て、室温で11000rpmで微粉砕した。つぎに分級
機(新東京機械(株)製ハイボルダー300SD型)で
170メッシュ(88ミクロン目開き)以上の粗粉子を
取り除き、ヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料をえ
た。その粉末の見掛密度は0.7g/ml、平均粒径2
0μmであった。
【0309】製造例8 (官能基を含まないPFA粉体塗料の製造)製造例4で
えたヒドロキシル基を有するPFA粉末にかえて製造例
6でえた官能基を含まないPFA粉末(見掛比重0.
6、真比重2.1、平均粒径400ミクロン)を用いた
以外は製造例7と同様にしてPFA粉体塗料を作成し
た。その粉末の見掛密度は0.73g/ml、平均粒径
20μmであった。
【0310】製造例9 (フッ素を有さない官能基含有単量体を用いた、含フッ
素重合体の合成)撹拌機、バルブ、圧力ゲージ、温度計
を備えた1リットルのステンレス製オートクレーブに、
酢酸ブチル250g、ピバリン酸ビニル(VPi)3
6.4g、フッ素を有さないヒドロキシル基含有単量体
として、4−ヒドロキシルブチルビニルエーテル(HB
VE)32.5g、イソプロポキシカルボニルパーオキ
サイド4.0gを仕込み、0℃に氷冷し、窒素ガスで充
填置換したのち真空にし、イソブチレン(IB)47.
5gとテトラフルオロエチレン(TFE)142gを仕
込んだ。
【0311】撹拌を行いながら40℃に加熱し、30時
間反応させ、反応容器内圧力が2.0kg/cm2以下
に下がった時点で反応を停止した。オートクレーブを冷
却し、未反応のガスモノマーを放出したところ、含フッ
素重合体の酢酸ブチル溶液がえられた。ポリマー濃度は
45%であった。
【0312】えられた含フッ素重合体の酢酸ブチル溶液
から、再沈法により含フッ素重合体を取り出し、充分減
圧および乾燥させることにより白色固体として単離し
た。1H−NMR、19F−NMR元素分析によりえられ
た含フッ素重合体を分析したところ、TFE/IB/V
Pi/HBVE=44/34/15/7モルからなる共
重合体であった。
【0313】製造例10 (ヒドロキシル基を有するPFAのフィルムの作製)製
造例4でえた白色固体8.0gを100mmφの金型に
入れ350℃に設定したプレス機にセットし予熱を30
分間行なったのち、70kg/cm2で1分間圧縮成形
を行ない、厚さ0.5mmのフィルムをえた。
【0314】製造例11 (ヒドロキシル基を有するPFAのフィルムの作製)製
造例5でえた白色固体を用いたこと以外は製造例10と
同様にして厚さ0.5mmのフィルムをえた。
【0315】製造例12 (官能基を含まないPFAのフィルムの作製)製造例6
でえた白色固体を用いたこと以外は製造例10と同様に
して厚さ0.5mmのフィルムをえた。
【0316】製造例13 (ヒドロキシル基を有するPFAの押出によるフィルム
の作製)製造例4でえた白色固体から2軸押出機(東洋
精機(株)製ラボプラストミル)を用いて350〜37
0℃で押出しを行いペレットを作製した。そのペレット
を用い、単軸押出機(東洋精機(株)製ラボプラストミ
ル)にて360℃〜380℃、ロール温度120℃で押
出を行ない、幅10cm、厚さ100〜150μmのフ
ィルムをえた。
【0317】製造例14 (官能基を含まないPFAの押出によるフィルムの作
製)製造例6でえた白色固体を用いたこと以外は製造例
13と同様にしてペレットを作製し、さらに押出により
製造例17と同様にして幅10cm、厚さ100〜15
0μmのフィルムをえた。
【0318】製造例15 (ヒドロキシル基を有するPFAとPTFEとの積層フ
ィルム)製造例13でえたヒドロキシル基を有するPF
Aフィルムと厚さ0.5mmのPTFEフィルムを重ね
合わせ、製造例10と同様にして圧縮成形した。
【0319】2層は互いに強固に接着していた。
【0320】実施例1 (1)基材の前処理 厚さ1.5mmの純アルミニウム板(A1050P)お
よび厚さ1.5mmのSUS304を用い、それぞれア
セトンにより脱脂を行なった。
【0321】(2)官能基を有する含フッ素重合体から
なるプライマー層の形成 製造例1でえたヒドロキシル基を有するPFAからなる
水性分散体を用いて、エアスプレーで、膜厚が約5μm
になるように塗装し、90℃で10分間赤外乾燥したの
ち、380℃で20分間焼成した。
【0322】(3)官能基を有さない含フッ素重合体か
らなる層(トップ層)の形成 (2)でえたプライマー層の上に官能基を有さない含フ
ッ素重合体からなる塗料として、PTFEからなる水性
塗料(ダイキン工業(株)製 ポリフロン TFEエナ
メルEK4300CRN)をエアスプレーにて膜厚が約
20μmになるように塗装し、90℃で10分間赤外乾
燥したのち380℃で20分間焼成した。
【0323】(4)接着性の評価 評価方法は、つぎのとおりである。
【0324】(碁盤目試験)コーティング面にJIS
K 5400 1990,8.5.2に規定された碁盤
目100マスを作成し、この面にセロテープ(ニチバン
(株)製の粘着テープ)を充分に密着させ、ただちに引
き剥がす。新しいセロテープでこの引き剥がしを10回
行ない、100マス中何マスが残存しているかを評価す
る。結果を表10に示した。
【0325】実施例2 官能基を有する含フッ素重合体からなるプライマーを、
製造例2でえたヒドロキシル基を有するPFAからなる
水性分散体を用いてプライマー層を形成したこと以外
は、実施例1と同様にして塗板を作製し、接着性の評価
を行なった。結果を表10に示す。
【0326】比較例1 官能基を有する含フッ素重合体からなるプライマーに代
えて、製造例3でえた官能基を有さないPFAからなる
水性分散体を用いてプライマー層を形成させたこと以外
は、実施例1と同様にして塗板を作製し、接着性の評価
を行なった。結果を表10に示す。
【0327】実施例3、4および比較例2 官能基を有さない含フッ素重合体からなる塗料としてF
EPからなる水性塗料(ダイキン工業(株)製 ネオフ
ロンFEPディスパージョン ND−1)を用いてトッ
プ層を形成したこと以外は、実施例3は実施例1と、実
施例4は実施例2と、比較例2は比較例1とそれぞれ同
様にして塗板を作製し、接着性の評価を行なった。結果
を表10に示す。
【0328】実施例5 (1)基材の前処理 実施例1と同様にして行なった。
【0329】(2)官能基を有する含フッ素重合体から
なるプライマー層の形成 製造例1でえたヒドロキシル基を有するPFAからなる
水性分散体をエアスプレーで膜厚が約5μmになるよう
に塗装し、90℃で10分間赤外乾燥した。
【0330】(3)官能基を有さない含フッ素重合体か
らなる層(トップ層)の形成 前記(2)でえたプライマー層の上に官能基を有さない
含フッ素重合体からなる塗料として、PFAの粉体塗料
(ダイキン工業(株)製 ネオフロンPFA粉体塗料
ACX−31)を用い静電塗装により、膜厚が40μm
となるように塗装し、380℃で20分間焼成した。
【0331】(4)接着性の評価 実施例1と同様にして行なった。結果を表10に示す。
【0332】実施例6 官能基を有する含フッ素重合体からなるプライマーを、
製造例2でえたヒドロキシル基を有するPFAからなる
水性分散体を用いてプライマー層を形成したこと以外
は、実施例5と同様にして塗板を作製し、接着性の評価
を行なった。結果を表10に示す。
【0333】比較例3 官能基を有する含フッ素重合体からなるプライマーに代
えて、製造例3でえた官能基を有さないPFAからなる
水性分散体を用いてプライマー層を形成させたこと以外
は、実施例5と同様にして塗板を作製し、接着性の評価
を行なった。結果を表10に示す。
【0334】
【表10】
【0335】実施例7 (ヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料の接着性評
価) (1)接着試験用のプレスシートの作製 製造例7でえたヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料
約4gを直径60mmの円筒型金型に入れ、プレス機を
用い室温にて300kgf/cm2の圧力で圧縮成形
し、円盤型のコールドプレスシート(以下、「PFAシ
ート」ともいう)をえた。
【0336】(2)基板の前処理 100×100×1(mm)の純アルミニウム板をアセ
トンで脱脂した後サンドブラスト処理を行なった。
【0337】(3)接着サンプル作成 上記(1)でえたPFAシートをアルミニウム板(上記
(2))の上に置き、熱風乾燥機に入れ、330℃10
分間加熱溶融させた。膜厚約450μmのPFAシート
がアルミニウム板に接着したサンプルがえられた。図1
にPFAシート1とアルミニウム板2とからなる接着サ
ンプルの概略平面図を示す。
【0338】(4)接着強度の測定 図1に示すように、前記(3)でえた接着サンプルのP
FAシート1に幅a(10mm)の間隔でカッターで切
れ目を入れ、各短冊状のシート1の一方の端をめくり、
接着強度測定用の測定具をえた。図2にえられた接着測
定用の測定具の概略斜視図を示す。図2に示すように、
アルミニウム板2に対してシート1を90°の角度で引
っぱり、剥離強度を測定した。テンシロン万能試験機
(オリエンテック(株)製)を用い、室温下、クロスヘ
ッドスピード50mm/minで測定したところ、面積
法による平均剥離荷重で5.5kgf/cmの接着強度
を示した。
【0339】比較例4 (官能基を含まないPFA粉体塗料の接着性評価)製造
例7でえたヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料にか
えて製造例8でえた官能基を含まないPFA粉体塗料を
用いた以外は実施例7と同様にして接着試験用プレスシ
ートの作製、基材の前処理、接着サンプル作製を行ない
接着強度の測定を行なった。
【0340】官能基を含まないPFA粉体塗料の接着強
度は、0.8kgf/cmであった。
【0341】実施例8 (ヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料の静電塗装)
実施例7と同様に前処理したアルミニウム板に、製造例
7でえたヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料を、静
電粉体塗装機(岩田塗装(株)製GX3300型)を用
い、室温で印加電圧40kVで静電塗装した。塗装板を
330℃15分間熱風乾燥機にて焼成し塗装膜をえた。
【0342】塗膜は、透明で均一な連続膜であって、基
剤のアルミニウム板とも強固に密着した。
【0343】比較例5 (フッ素を有さない官能基含有単量体を用いた含フッ素
重合体の耐熱性)製造例9でえられた含フッ素重合体の
熱分解温度をTGA分析により測定したところ、1%熱
分解温度で220℃であった。これより、製造例9でえ
たようなフッ素を有さない官能基含有単量体を用いた含
フッ素重合体は耐熱性が低いことがわかった。
【0344】さらに製造例9でえられた含フッ素共重合
体を酢酸ブチルに10重量%の濃度に溶解させた。
【0345】つぎに実施例5において、プライマー層に
用いたヒドロキシル基を有するPFAの水性分散体にか
えて、上記製造例9の含フッ素共重合体の酢酸ブチル溶
液を用いた以外は実施例5と同様、純アルミ基材に基材
の前処理、製造例9の含フッ素共重合体を用いたプライ
マー層の塗布、トップ層の塗布(PFA粉体塗料の静電
塗装)を行なった。
【0346】塗布後380℃、20分間焼成によってえ
た塗膜は黄褐色に着色し、発泡、剥離も見られ、均一な
透明被膜はえられなかった。
【0347】実施例9〜12 (ヒドロキシル基含有PFAフィルムと金属との接着性
試験)金属板として、厚さ0.5mmの脱脂したクロム
酸処理アルミ、純アルミ、鋼板を用いて、ヒドロキシル
基を有するPFAフィルム(製造例10または11のフ
ィルム)との接着性試験を以下のように行なった。結果
を表11に示した。
【0348】(剥離試験用の試験片の作製)図3に剥離
試験用の試験片を作製するために作製した積層体の概略
斜視図を示す。図3に示すように、製造例10〜11で
えたヒドロキシル基含有PFAフィルムを接着剤層3と
して、厚さ0.1mmのスペーサー(アルミ箔)4を2
枚の金属板5の間にはさみ、350℃に設定したプレス
機にセットし、予熱(20分間)したのち、50kg/
cm2で1分間加圧して、長さb(150mm)、幅c
(70mm)の積層体をえた。
【0349】えられた積層体の接着剤層3の層の厚さは
いずれも0.1mmであった。さらに積層体を幅25m
mに切断し、一方の端から距離e(100mm)のとこ
ろでスペーサー部分をT型に曲げ、剥離試験用の試験片
とした。図4にえられた剥離試験用の試験片の概略斜視
図を示す。図4中、3は接着剤層で5は金属板である。
【0350】(剥離試験)JIS K6854−197
7のT型剥離試験方法に基づき、オリエンテック(株)
製テンシロン万能試験機を用い、室温下、クロスヘット
スピード50mm/minで測定した。測定は最大剥離
強度(kgf/25mm)と最小剥離強度(kgf/2
5mm)を示した。
【0351】比較例6〜8 (官能基を含まないPFAフィルムと金属との接着性試
験)製造例10または11のヒドロキシル基を有するP
FAフィルムにかえて製造例12でえた官能基を含まな
いPFAフィルムを用いたこと以外は実施例9と同様に
して試験片の作製および剥離試験を行なった。結果を表
11に示した。
【0352】
【表11】
【0353】実施例13〜14 (ヒドロキシル基含有PFAフィルムとガラスとの接着
性試験)ガラス板として30×20×5mmのパイレッ
クスガラスを用いて、ヒドロキシル基を有するPFAと
の接着性試験を以下のように行なった。
【0354】さらに接着後の積層体の耐温水性試験およ
びメタノール浸漬試験も行なった。結果を表12に示し
た。
【0355】(引張剪断試験用の試験片の作製)図5に
引張剪断試験用の試験片の概略斜視図を示す。図5に示
すように製造例10〜11でえたヒドロキシル基含有P
FAフィルム(長さfが10m、幅gが20mm、厚さ
hが0.1mm)を接着剤層3としてパイレックスガラ
ス板6(長さiが30m、幅gが20mm、厚さjが5
mm)の間にはさみ、3kgの荷重をのせ、電気炉のな
かで350℃、30分間放置し、試験片をえた。接着剤
層3の厚さは、スペーサーにより0.1mmに調整し
た。
【0356】(接着強度)図6に引張剪断法により接着
強度を測定するために用いる試験装置を説明するための
概略説明図を示す。図6に示すように、前述のようにし
てえられた試験片7の形状にあわせた試験用治具8をオ
リエンテック(株)製テンシロン万能試験機9にセット
し、クロスヘッドスピード20mm/minで引張剪断
試験を行なった。測定は最大接着強度(kgf/c
2)を示した。
【0357】(耐温水性試験)前記に示した方法で作製
した試験片を用いて、50℃の温水に浸漬し、6時間後
の接着性を観察し、72時間後の接着強度(kgf/c
2)を測定した。
【0358】(メタノール浸漬試験)前記に示した方法
で作製した試験片を用いて室温でメタノール中に浸漬さ
せ接着性を観察した。
【0359】比較例9 (官能基を含まないPFAフィルムとガラスとの接着
性)製造例10または11のヒドロキシル基を有するP
FAフィルムにかえて製造例12でえた官能基を含まな
いPFAフィルムを用いたこと以外は実施例13と同様
にして試験片の作製および各種試験を行なった。結果を
表12に示す。
【0360】
【表12】
【0361】実施例15 (ヒドロキシル基含有PFAフィルムとステンレスとの
接着性、後加工性試験)金属板として、長さ150m
m、幅70mm、厚さ0.5mmの脱脂したSUS30
4鋼板を用いて以下のようにしてラミネート試験板を作
成した。製造例13でえたヒドロキシル基を含むPFA
フィルムと製造例14でえた官能基を含まないPFAフ
ィルムを前記SUS板と同じサイズに切断した。
【0362】さらに離型用フィルムとしてポリイミドフ
ィルム(デュポン製カプトン200−H)も同様のサイ
ズに切断した。
【0363】図7にえられたラミネート試験板の概略断
面図を示す。図7に示すように2枚のSUS板11の間
に、前記のヒドロキシル基含有PFAフィルム12、官
能基を含まないPFAフィルム13、ポリイミドフィル
ム14をはさみ、350℃に設定したプレス機にセット
し、予熱(20分間)したのち、50kg/cm2で1
分間加圧してラミネート試験板をえた。
【0364】冷却後、ポリイミドフィルム14に接する
SUS板11を取り除いたところ、ポリイミドフィルム
が官能基を含まないPFAフィルム14の界面で自然剥
離した。
【0365】その結果、ヒドロキシル基含有PFAフィ
ルム12を接着層とした、透明性の良好なSUS板11
とPFAフィルム13との3層積層体がえられた。図8
に、えられた3層積層体の概略断面図を示す。
【0366】さらに、えられた3層積層体にカッターナ
イフで素地であるSUS板1に達するまで1mm角の基
盤目を100個つくり、基盤目の中央をエリクセン試験
機で5mm押し出した。その結果、ヒドロキシル基含有
PFAフィルム12は全く剥離せず、素地であるSUS
板11に強固に密着した。
【0367】PFAフィルム12はSUS板11に強固
な接着性を示した。
【0368】比較例10 (官能基を含まないPFAフィルムとステンレスとの接
着性、後加工性試験)ヒドロキシル基を有するPFAフ
ィルムを用いないこと以外は実施例15と同様にしてS
US板11と官能基を含まないPFAフィルム13との
積層体をえた。図9にえられた積層体の概略断面図を示
す。
【0369】えられた積層体は見た目では接着している
が、官能基を含まないPFAフィルム13をSUS板1
1から容易に剥離させることができた。
【0370】さらに、実施例15と同様にエリクセン試
験を行った。基盤目100個中60個において、切り目
を中心に剥離した。
【0371】実施例16 (ヒドロキシル基含有PFAフィルムとポリイミドフィ
ルムとの接着性試験)製造例13でえたヒドロキシル基
含有PFAフィルム12、製造例14でえた官能基を含
まないPFAフィルム13およびポリイミドフィルム1
4を実施例15と同様の大きさに切断し、2枚のSUS
板11の間にはさみ、実施例15と同様にしてプレス機
で加熱してラミネート試験板をえた。図10にえられた
ラミネート試験板の概略断面図を示す。ついで、冷却後
SUS板11をはがして積層体をえた。図11にえられ
た積層体の概略断面図を示す。さらに積層体を幅25m
mに切断した。
【0372】ついで図12にT型剥離試験に供する前記
積層体の概略断面図を示す。図12において、ポリイミ
ドフィルム14とヒドロキシル基含有PFAフィルム1
2の界面を一部はがし、図12に示す矢印の方向で、実
施例1と同様にT型剥離試験を行なったところ、面積法
による平均剥離荷重で4.0kgf/25mmの接着性
を示した。
【0373】比較例11 (官能基を含まないPFAフィルムとポリイミドフィル
ムとの接着性試験)図13に実施例1と同様にしてT型
剥離試験に供する積層体の概略断面図を示す。図13に
おいて、実施例16でえた幅25mmの積層体のポリイ
ミドフィルム14と官能基を含まないPFAフィルム1
3の界面を一部はがし、図13に示す矢印の方向で実施
例16と同様にT型剥離試験を行なったが、接着力を示
さなかった。
【0374】比較例12 (フッ素を有さない官能基含有単量体を用いた含フッ素
重合体の耐熱性)製造例9でえられた含フッ素重合体の
熱分解温度をTGA分析により測定したところ1%熱分
解温度で220℃であった。これより、製造例9でえた
ようなフッ素を有さない官能基含有単量体を用いた含フ
ッ素重合体は耐熱性が低いことがわかった。
【0375】さらに、製造例9でえられた含フッ素重合
体を酢酸ブチルに10重量%の濃度に溶解させた。
【0376】実施例9と同じ前処理を行なったアルミニ
ウム板に上記製造例9の含フッ素重合体の酢酸ブチル溶
液をエアスプレーで膜厚が約10μmとなるように塗装
し90℃で10分間赤外乾燥した。
【0377】塗装してえたフッ素を含まない官能基含有
単量体を用いた含フッ素重合体の被膜16の上に製造例
14でえた官能基を含まないPFAフィルム13、離型
用のポリイミドフィルム14(実施例15と同じ)、ア
ルミニウム板15を順に重ね、実施例15と同様プレス
機で350℃で加熱、加圧しラミネート試験板をえた。
えられたラミネート試験板の概略断面図を図14に示
す。
【0378】該ラミネート試験板を冷却後、ポリイミド
フィルム14に接するアルミニウム板15、およびポリ
イミドフィルム14を取り除いて積層体をえた。
【0379】えられた積層体は、黄褐色に着色し、PF
Aフィルム13とアルミニウム板15の間で発泡や剥離
なども生じ、均一で透明な積層体はえられなかった。
【0380】実施例17〜18 実施例8でえたヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料
を静電塗装した塗板(実施例17)、製造例13でえた
ヒドロキシル基を有するPFAの押出フィルム(実施例
18)を試験板として用いて以下に示す方法で非粘着性
試験を行なった。結果を表13に示す。
【0381】(非粘着性試験)測定は23℃±2℃で行
なった。図15に非粘着性試験に用いる試験片の概略斜
視図を示す。試験板17は長さ150mm以上で、表面
の汚れは、アセトンでふきとった。まず、18mm幅の
粘着テープ18(JIS Z 1522)を300mm
切り取り、150mmの長さkの部分だけを試験板17
の上にのせ、テープ18の上から JIS S 605
0の消しゴムでこすり、圧着させて接着部分19をう
る。残った150mmの部分には紙をはり(図示せ
ず)、取り扱いしやすいようにした。圧着後約20分放
置し、テープ18を試験板17に馴染ませた。テープ1
8を試験板17の端から幅mが25mmのところまでは
がし、試験板17を引張試験機の下側のつかみ具へ取り
付けた。剥がしたテープ18の先端を180°折り返
し、上側つかみ具へ、テープ18が真っ直ぐ剥がれるよ
うに取り付けた。引張速度20mm/分で、試験機で試
験板17からテープ18が剥がれる力を測定した。値は
テープ18が滑らかに剥がれている部分の平均を測定値
とした。結果を表13に示す。
【0382】比較例13〜14 (官能基を有さないPFAフィルムの非粘着性試験)製
造例14でえた官能基を含まないPFAの押出フィルム
(比較例13)および何も被覆していないガラス板(比
較例14)を用いて実施例17と同様にして非粘着性試
験を行なった。結果を表13に示す。
【0383】
【表13】
【0384】表13より、OH基を含有するPFAも官
能基を含まないPFAとほぼ同様なすぐれた非粘着性を
有することがわかった。
【0385】実施例19〜20 実施例8でえたヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料
を静電塗装した塗装板(実施例17)、製造例13でえ
たヒドロキシル基を有するPFAの押出フィルム(実施
例18)を用いて以下に示す方法でカーボン汚染試験お
よび耐候性試験(実施例20のみ)を行なった。
【0386】カーボン汚染性試験 (カーボン溶液の調製)カーボン粉末(三菱化学(株)
製 MA100)10gをイオン交換水90gに加え、
ガラスビーズを用いて分散、混合し、カーボン分散液を
えた。
【0387】(カーボンの塗布)前記カーボン分散液を
スプレーにて前記塗装板またはフィルムに約50g/m
2塗装し80℃で2時間加熱して、黒色の試験板をえ
た。
【0388】(評価)えられた黒色の試験板を、流水に
さらしながら、ハケでなぞり洗浄した。ついで目視にて
汚染の度合を観察し、以下の基準で評価した。結果を表
14に示す。
【0389】○:洗浄により汚染の除去が可能であり、
ほぼ汚染試験前の塗装板またはフィルムにもどった。
【0390】△:洗浄により汚染の一部を除去できた
が、塗装板またはフィルム全面に灰色の汚れがしみ込ん
だように付着しており、その汚れは除去できなかった。
【0391】×:塗装板またはフィルム全面に黒色の汚
れが残り、水洗では除去できなかった。
【0392】耐候性試験 前記塗装板またはフィルムをアイスーパーUVテスター
(岩崎電機(株)製)に投入し、促進耐候性試験を行な
い、500時間試験後の塗装板の対水接着角を測定し
た。結果を表14に示す。
【0393】比較例15 実施例7と同じアルミニウム板を80〜120メッシュ
のサンドブラスト処理した後、プライマー(ダイキン工
業(株)製、ポリフロンTFEエナメル EK−195
9 DGN)をスプレー塗装を行ない、赤外乾燥炉で9
0℃で乾燥させ、プライマー層を設けた。
【0394】前記プライマー層上にPFA粉体塗料(ダ
イキン工業(株)製、ネオフロン粉体塗料ACX−3
1)を静電塗装した後350℃で30分間焼成し、被膜
を形成したPFA粉体塗装板をえた。プライマーの灰褐
色の被膜がえられた。
【0395】また、前記PFA粉体塗装板を用いて、実
施例19と同様にしてカーボン汚染性試験を行った。結
果を表14に示す。
【0396】比較例16 常温硬化型フッ素樹脂塗料用ワニスであるゼッフルGK
510(ダイキン工業(株)製、OH価60)100
g、イソシアネート硬化剤コロネートHX、(日本ポリ
ウレタン(株)製)10.5gおよび酢酸ブチル120
gを混合し、OH/NCO比=1:1に調整したクリア
塗装用塗料を作製した。
【0397】比較例15と同様にサンドブラスト処理を
したアルミニウム板に、前記クリア塗装用塗料をスプレ
ー塗装した後、120℃で30分間焼成して被膜を形成
した塗装板をえた。また、該塗装板を用いて実施例20
と同様の試験を行なった。結果を表14に示す。
【0398】比較例17 常温硬化型アクリル樹脂塗料用ワニスであるアクリディ
ックA801(大日本インキ(株)製、OH価100)
100gとイソシアネート硬化剤コロネートHX(比較
例4と同じ)17g、酢酸ブチル120gを混合し、O
H/NCO比=1:1に調整した塗料を作製した。この
塗料を用いて比較例16と同様にしてアルミニウム板に
スプレー塗装、焼成を行なって被膜を形成した塗装板を
えた。
【0399】また、該塗装板を用いて実施例20と同様
の試験を行なった。結果を表14に示す。
【0400】
【表14】
【0401】製造例16 (ヒドロキシル基を有するPFAの合成)撹拌機、バル
ブ、圧力ゲージ、温度計を備えた6リットルのガラスラ
イニング製オートクレーブに純水1500mlを入れ、
窒素ガスで充分置換したのち、真空にし、1,2−ジク
ロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R−1
14)1500gを仕込んだ。
【0402】ついで、パーフルオロ−(1,1,9,9
−テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−
3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式7)の10.
2g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PP
VE)130g、メタノール180gを窒素ガスを用い
て圧入し、系内の温度を35℃に保った。
【0403】撹拌を行ないながらテトラフルオロエチレ
ンガス(TFE)を内圧が8.0kgf/cm2Gとな
るように圧入した。ついで、ジ−n−プロピルパーオキ
シジカーボネートの50%メタノール溶液0.5gを窒
素を用いて圧入して反応を開始した。
【0404】重合反応の進行に伴って圧力が低下するの
で、7.5kgf/cm2Gまで低下した時点でテトラ
フルオロエチレンガスで8.0kgf/cm2まで再加
圧し、降圧、昇圧を繰り返した。
【0405】テトラフルオロエチレンの供給を続けなが
ら、重合開始からテトラフルオロエチレンガスが約60
g消費されるごとに、前記のヒドロキシ基を有する含フ
ッ素エチレン性単量体(前記式7で示される化合物)の
5.14gを計9回(計46.3g)圧入して重合を継
続し、重合開始よりテトラフルオロエチレンが約600
g消費された時点で供給を止めオートクレーブを冷却
し、未反応モノマーおよびR−114を放出した。
【0406】えられた重合体を水洗、メタノール洗浄を
行なったのち、真空乾燥することにより721gの白色
固体(粉末)をえた。えられた共重合体の組成は19F−
NMR分析、IR分析によりTFE/PPVE/(式7
で示されるヒドロキシ基を有する含フッ素エチレン性単
量体)=97.6/2.0/1.8モル%であった。ま
た、赤外スペクトルは3620〜3400cm-1に−O
Hの特性吸収が観測された。DSC分析によりTm=3
11℃、DTGA分析により分解開始温度368℃、1
%熱分解温度Td=362℃であった。高化式フローテ
スターを用いて直径2mm、長さ8mmのノズルを用
い、372℃で予熱5分間、荷重7kgf/cm2でメ
ルトフローレートを測定したところ85g/10min
であった。
【0407】えられた白色粉末を2軸押出機(東洋精機
(株)ラボプラストミル)にて350〜370℃で押出
しを行ないペレットを作製した後、製造例3と同様にし
て押出により幅10cm、厚さ100〜150μmのフ
ィルムをえた。
【0408】実施例21 (ヒドロキシル基含有PFAフィルムとガラスとの接着
耐久性) (接着耐久性試験用積層体の作製)図16に接着耐久性
試験用積層体をうるために作製したラミネート試験板の
概略断面図を示す。図16に示すように長さ150m
m、幅70mmのガラス板23の中央に長さ120m
m、幅40mmに切断した製造例16でえたヒドロキシ
ル基を有するPFAフィルム20をのせ、その上に同じ
大きさの官能基を有さないPFAフィルム21(製造例
14のフィルム)およびポリイミドフィルム22(実施
例15と同じもの)を重ね、さらに上記ガラス板23と
同じ大きさのアルミニウム板24を重ね、350℃に設
定したプレス機にセットし、予熱(20分)したのち、
約20kg/cm2で1分間加圧してラミネート試験板
をえた。冷却後アルミニウム板24およびポリイミドフ
ィルム22を取り除いて接着耐久性試験用積層体をえ
た。
【0409】図17にえられた接着耐久性試験用積層体
の概略断面図を示す。
【0410】(耐候性試験)上記のヒドロキシル基含有
PFAフィルム20を接着層にして官能基を有さないP
FAフィルム21をガラス板23に積層した積層体をア
イスーパーUVテスター(岩崎電機(株)製)に投入
し、促進耐候性試験を行なった。外観変化のないものを
○とした。
【0411】(耐熱性試験)上記積層体を150℃の雰
囲気中に12時間放置した。外観上変化のないものを○
とした。
【0412】(温湿度サイクル)−40℃/1時間、8
5℃/85%RH/4時間の温湿度サイクル試験を20
サイクル行なった。外観上変化のないものを○とした。
【0413】以上の各種試験結果を表15に示す。
【0414】比較例18 (官能基を含まないPFAフィルムとガラスとの接着耐
久性)ヒドロキシル基含有PFAフィルムにかえて、参
考例3でえた官能基をもたないPFAフィルムを用いた
以外は、実施例21と同様にして、試験用積層体を作製
して耐久性試験を行なった。結果を表15に示す。
【0415】比較例19 (表面処理FEP/EVAフィルム/ガラス積層体の接
着耐久性)ヒドロキシル基含有PFAフィルムにかえて
EVAフィルム(住友化学工業(株)製、ボンドファー
スト7B、厚さ200μm)を接着層として、官能基を
含まないPFAフィルムにかえてFEPの片面表面処理
フィルム(ダイキン工業(株)製、ネオフロンFEPフ
ィルム NF−0100B1)を、表面処理面をEVA
フィルム層に接触させて重ね、180℃の温度でプレス
接着させた以外は実施例21と同様にして、表面処理F
EP/EVA/ガラスの積層体をえた。これを用い実施
例21と同様の耐久性試験を行なった。結果を表15に
示す。
【0416】
【表15】
【0417】
【発明の効果】本発明によれば、複雑な工程を必要とす
ることなく、基材への接着性にすぐれた含フッ素重合体
からなる材料を基材に適用してなる建材用の複合材をう
ることができる。また、本発明によれば、耐候性、防汚
性、非粘着性、透明性(意匠性)、防錆性、耐水性、風
化防止性、難燃性、耐摩耗性などにすぐれた建材用の複
合材をうることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例7において接着強度を測定する
ために作製した接着サンプルの概略平面図である。
【図2】本発明の実施例7における接着強度の測定に用
いた測定具の概略斜視図である。
【図3】本発明における接着性試験(T型剥離試験)に
供する試験片をうるために作製した積層体の概略斜視図
である。
【図4】本発明における接着性試験(T型剥離試験)に
供する試験片の概略斜視図である。
【図5】本発明における接着性試験(引張剪断試験)に
供する試験片の概略斜視図である。
【図6】本発明における接着性試験(引張剪断試験)に
用いる試験装置の概略説明図である。
【図7】本発明の実施例15において作製したラミネー
ト試験板の概略断面図である。
【図8】本発明の実施例15においてえられた3層積層
体の概略断面図である
【図9】本発明の比較例10においてえられた積層体の
概略断面図である。
【図10】本発明の実施例16における積層体をうるた
めに作製したラミネート試験板の概略断面図である。
【図11】本発明の実施例16においてえられた積層体
の概略断面図である。
【図12】本発明の実施例16において行なったT型剥
離試験に供する積層体の概略断面図である。
【図13】本発明の比較例10において行なったT型剥
離試験に供する積層体の概略断面図である。
【図14】本発明の比較例12において作製したラミネ
ート試験板の概略断面図である。
【図15】本発明の実施例における非粘着性試験に供す
る試験片の概略斜視図である。
【図16】本発明の実施例21において接着耐久性試験
用積層体をうるために作製したラミネート試験板の概略
断面図である。
【図17】本発明の実施例21においてえられた接着耐
久性試験用積層体の概略断面図である。
【符号の説明】
1 PFAシート 2、15、24 アルミニウム板 3 接着剤層 4 スペーサー 5 金属板 6 パイレックスガラス板 7 試験片 8 試験用治具 9 試験機 11 SUS板 12、20 ヒドロキシ基含有PFAフィルム 13、21 官能基を含まないPFAフィルム 14、22 ポリイミドフィルム 16 フッ素を含まない官能基含有単量体を用いた含フ
ッ素重合体の被膜 17 試験板 18 粘着テープ 19 接着部分 23 ガラス板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久米川 昌浩 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 岡 憲俊 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 実政 久人 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 清水 哲男 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内

Claims (68)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ヒドロキシル基、カルボキシル
    基、カルボン酸塩、カルボキシエステル基およびエポキ
    シ基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を
    有する官能基含有含フッ素エチレン性単量体の少なくと
    も1種の単量体0.05〜30モル%と (b)前記の官能基を有さない含フッ素エチレン性単量
    体の少なくとも1種の単量体70〜99.95モル%と
    を共重合してなる官能基を有する官能基含有含フッ素エ
    チレン性重合体からなる材料を基材に適用してなる建材
    用複合材。
  2. 【請求項2】 前記官能基含有含フッ素エチレン性単量
    体(a)が式(1): CX2=CX1−Rf−Y (1) (式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸
    塩、カルボキシエステル基またはエポキシ基、Xおよび
    1は同じかまたは異なり水素原子またはフッ素原子、
    fは炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基、
    炭素数1〜40の含フッ素オキシアルキレン基、炭素数
    1〜40のエーテル基を含む含フッ素アルキレン基また
    は炭素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素オキシ
    アルキレン基を表す)で示される少なくとも1種の官能
    基含有含フッ素エチレン性単量体である官能基含有含フ
    ッ素エチレン性重合体を基材に適用してなる請求項1記
    載の建材用複合材。
  3. 【請求項3】 前記官能基を有さない含フッ素エチレン
    性単量体(b)が、テトラフルオロエチレンである官能
    基含有含フッ素エチレン性共重合体を基材に適用してな
    る請求項1または2記載の建材用複合材。
  4. 【請求項4】 前記官能基を有さない含フッ素エチレン
    性単量体(b)が、テトラフルオロエチレン85〜9
    9.7モル%と式(2): CF2=CF−Rf 1 (2) (式中、Rf 1はCF3またはORf 2(Rf 2は炭素数1〜
    5のパーフルオロアルキル基)で示される単量体0.3
    〜15モル%との混合単量体である官能基含有含フッ素
    エチレン性重合体を基材に適用してなる請求項1または
    2記載の建材用複合材。
  5. 【請求項5】 前記官能基を有さない含フッ素エチレン
    性単量体(b)が、テトラフルオロエチレン40〜80
    モル%とエチレン20〜60モル%とその他の共重合可
    能な単量体0〜15モル%との混合単量体である官能基
    含有含フッ素エチレン性重合体を基材に適用してなる請
    求項1または2記載の建材用複合材。
  6. 【請求項6】 前記官能基含有含フッ素エチレン性単量
    体(a)0.01〜30モル%と前記官能基を有さない
    含フッ素エチレン性単量体(b)としてフッ化ビニリデ
    ン70〜99.9モル%とを共重合してなる官能基含有
    含フッ素エチレン性重合体からなる材料を基材に適用し
    てなる請求項1または2記載の建材用複合材。
  7. 【請求項7】 前記官能基を有さない含フッ素エチレン
    性単量体(b)が、フッ化ビニリデン70〜99モル%
    とテトラフルオロエチレン1〜30モル%との混合単量
    体、フッ化ビニリデン50〜99モル%とテトラフルオ
    ロエチレン0〜30モル%とクロロトリフルオロエチレ
    ン1〜20モル%との混合単量体、またはフッ化ビニリ
    デン60〜99モル%とテトラフルオロエチレン0〜3
    3モル%とヘキサフルオロプロピレン1〜10モル%と
    の混合単量体である請求項1または2記載の建材用複合
    材。
  8. 【請求項8】 前記官能基含有含フッ素エチレン性重合
    体が塗料の形態で基材に適用されてなる請求項1〜7の
    いずれかに記載の建材用複合材。
  9. 【請求項9】 前記官能基含有含フッ素エチレン性重合
    体がフィルムの形態で基材に適用されてなる請求項1〜
    7のいずれかに記載の建材用複合材。
  10. 【請求項10】 前記基材が金属系基材である請求項1
    〜7のいずれかに記載の建材用複合材。
  11. 【請求項11】 前記基材が合成樹脂基材である請求項
    1〜7のいずれかに記載の建材用複合材。
  12. 【請求項12】 前記合成樹脂基材が透明である請求項
    11記載の建材用複合材。
  13. 【請求項13】 前記合成樹脂基材がポリカーボネート
    からなる請求項12記載の建材用複合材。
  14. 【請求項14】 前記合成樹脂基材が人工大理石の形態
    である請求項11記載の建材用複合材。
  15. 【請求項15】 前記基材が非金属系無機基材である請
    求項1〜7のいずれかに記載の建材用複合材。
  16. 【請求項16】 前記基材がガラス基材である請求項1
    5記載の建材用複合材。
  17. 【請求項17】 前記非金属系無機基材がコンクリート
    からなる請求項15記載の建材用複合材。
  18. 【請求項18】 前記非金属系無機基材がセメントから
    なる請求項15記載の建材用複合材。
  19. 【請求項19】 前記非金属系無機基材がタイルである
    請求項15記載の建材用複合材。
  20. 【請求項20】 前記非金属系無機基材が陶板である請
    求項15記載の建材用複合材。
  21. 【請求項21】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる建築外装用部材。
  22. 【請求項22】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなるカーテンウォール。
  23. 【請求項23】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる屋根用部材。
  24. 【請求項24】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる瓦。
  25. 【請求項25】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる屋根材。
  26. 【請求項26】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる窓用部材。
  27. 【請求項27】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなるサッシ類。
  28. 【請求項28】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる雨どい。
  29. 【請求項29】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなるエクステリア類。
  30. 【請求項30】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる開扉。
  31. 【請求項31】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる外塀。
  32. 【請求項32】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる建築内装用部材。
  33. 【請求項33】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる壁材。
  34. 【請求項34】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる床材。
  35. 【請求項35】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる天井。
  36. 【請求項36】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる造作材。
  37. 【請求項37】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる内装ドア。
  38. 【請求項38】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなるブラインド。
  39. 【請求項39】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる住宅設備機器。
  40. 【請求項40】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなるバス−トイレタリー。
  41. 【請求項41】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる洗面台。
  42. 【請求項42】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる便器。
  43. 【請求項43】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる浴槽。
  44. 【請求項44】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる厨房用部材。
  45. 【請求項45】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなるシステムキッチン。
  46. 【請求項46】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなるガステーブル。
  47. 【請求項47】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなるレンジフード。
  48. 【請求項48】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなるエレベーター。
  49. 【請求項49】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなるエスカレーター。
  50. 【請求項50】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる土木用建材。
  51. 【請求項51】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる道路建設用部材。
  52. 【請求項52】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる道路建設用防音壁。
  53. 【請求項53】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる道路建設用標識。
  54. 【請求項54】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる道路建設用ガードレール。
  55. 【請求項55】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる道路建設用信号機カバー。
  56. 【請求項56】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる道路建設用電灯カバー。
  57. 【請求項57】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる上下水道施設部材。
  58. 【請求項58】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる橋梁用部材。
  59. 【請求項59】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる鉄道施設部材。
  60. 【請求項60】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる鉄道施設用ボルト。
  61. 【請求項61】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる鉄道施設用信号機カバー。
  62. 【請求項62】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる鉄道施設用架線。
  63. 【請求項63】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる鉄道施設用鉄塔。
  64. 【請求項64】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる電力施設用部材。
  65. 【請求項65】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる電力施設用ガラス。
  66. 【請求項66】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる電力施設用電柱。
  67. 【請求項67】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる電力施設用アーム。
  68. 【請求項68】 請求項1〜7記載の建材用複合材を用
    いてなる化学プラント用部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016188484A (ja) * 2015-03-30 2016-11-04 旭コンステック株式会社 床用下地材

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