JP3975690B2 - 含フッ素塗料用材料およびそれを用いた被覆方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属やガラスなどの基材への含フッ素ポリマーの塗装に際し、基材に強固に接着しうる含フッ素塗料用材料、含フッ素塗料用プライマー、含フッ素塗料用水性分散体、含フッ素粉体塗料および含フッ素塗料用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
含フッ素ポリマーはその耐化学薬品性、耐熱性、非粘着性などの優れた特性によって金属表面への被覆材料として好ましく用いられており、たとえば耐食性の要求される化学装置のライニングや、耐食性および非粘着性の要求される炊飯、調理器具の内張りなどの用途に用いられている。しかしながら、この優れた非粘着性に起因して金属の表面との接着性が充分ではなく、この金属の表面との接着性の改良のためにこれまで種々の方策が講じられている。
【0003】
そのひとつに、金属の表面を化学的または物理的に粗面処理を行なうなどして含フッ素ポリマーと基材とのアンカー効果を期待して密着させる方法があるが、この方法は粗面化処理自体に手間がかかりまた接着力も初期接着は可能でも、温度変化や高温時にアンカー効果の減衰などをおこす。
【0004】
またフッ素樹脂表面を、液体アンモニアに金属ナトリウムを溶かした溶液で処理して、その表面を化学的に活性化する方法が提案されている。ところがこの方法では、処理液自体が環境汚染を引き起こす恐れがあるとともに、その取扱いに危険が伴なうという問題点があった。また、フッ素樹脂表面にプラズマスパッタリングなどの物理化学的処理を施したり、あるいはフッ素樹脂表面を機械的に粗面化するなどの方法も提案されているが、この方法では、処理に手間がかかったりあるいはコスト上昇を伴なったり、意匠性を損ねたりするなどの問題点があった。
【0005】
また、含フッ素塗料に接着性を改良するための種々の成分の添加やプライマーの検討も行われている。
【0006】
たとえば含フッ素ポリマーを含む塗料組成物にクロム酸などの無機酸を加えて金属表面に化成皮膜をつくり、密着を高めるなどの技術がある(特公昭63−2675号公報)。しかし、クロム酸は6価クロムを含有することから、食品安全性、作業安全性ともに充分とはいえない。またリン酸などの他の無機酸を使用する場合にはフッ素樹脂塗料の安全性を損なうという問題があった。
【0007】
前記無機酸にかえて、フッ素樹脂を含む塗料にポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、PEEKなどの耐熱性樹脂、さらにそれらに加えて金属粉末などを添加し、プライマーとして使用することが検討されている(特開平6−264000号公報)。そもそもフッ素ポリマーと耐熱性樹脂類は相溶性がほとんどなく、塗膜中で相分離などを起して、プライマーとトップコートの間で相間剥離を起こしやすい。また、フッ素樹脂と耐熱性樹脂との熱収縮率の違いや、耐熱性樹脂の添加による塗膜伸度の低下などにより、高温加工時や使用時などのピンホールや、ひびわれなどの塗膜欠陥などを生じやすい。またこれら耐熱性樹脂は、焼付けにより、褐色化がおこるため、白色や鮮やかな着色、透明性などを求められる用途では使用困難である。
【0008】
また、フッ素樹脂が本来有する非粘着性や低摩擦性も低下させる。
【0009】
また、透明性を求められるガラスなどへのフッ素樹脂塗料の接着に際し、基板をシランカップリング剤処理を行なったり、シリコーン樹脂をフッ素樹脂塗料に添加したりして接着性の改良を試みている(特公昭54−42366号公報、特開平5−177768号公報など)が、耐熱性や、接着性が不充分で高温時に剥離や発泡、着色を起こしやすい。
【0010】
一方、含フッ素塗料として、ヒドロキシル基やカルボキシル基など官能基を含むハイドロカーボン系単量体を共重合したものが検討されているが、これらはそもそも、耐候性を主目的として検討されたもので、本発明の目的とする200〜350℃といった耐熱性を必要とする用途や、非粘着性、低摩擦性などを必要とする用途では使用困難である。
【0011】
つまり官能基を含むハイドロカーボン系(非フッ素系)単量体を共重合したものは高温で加工時または使用時、その単量体構成部分から熱分解が起こりやすく、塗膜破壊、着色、発泡、剥離などが起こりフッ素樹脂塗装の目的を達成することができないものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前記従来の問題を解決し、フッ素ポリマーの有する優れた耐熱性、耐薬品性、非粘着性、低摩擦性などの特性を維持し、さらに金属やガラスなどの基材に対して直接強固な接着力を与えうる含フッ素塗料用材料およびそれを用いた被覆方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a−1)ヒドロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩またはエポキシ基のいずれかの官能基を有する含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体0.05〜30モル%と
(b−1)前記の官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体であって、テトラフルオロエチレン85〜99.7モル%と式(3):
CF2=CF−Rf3 (3)
[Rf3はORf4(Rf4は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)を表わす]で示される単量体0.3〜15モル%との単量体混合物70〜99.95モル%
とを共重合してなる官能基を有する含フッ素エチレン性重合体からなる含フッ素塗料に関する。
【0014】
また本発明は、(a−2)ヒドロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩またはエポキシ基のいずれかの官能基を有する含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体0.05〜30モル%と
(b−2)前記の官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体であって、テトラフルオロエチレン85〜99.7モル%と式(3a):
CF 2 =CF−Rf 3a (3a)
[Rf 3a はORf 4 (Rf 4 は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)を表わす]で示される単量体0.3〜15モル%との単量体混合物70〜99.95モル%
とを共重合してなる官能基を有する含フッ素エチレン性重合体からなる含フッ素塗料用プライマーに関する。
【0015】
また本発明は、(a−3)ヒドロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩またはエポキシ基のいずれかの官能基を有する含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体0.05〜30モル%と
(b−3)前記の官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体であって、テトラフルオロエチレン85〜99.7モル%と式(3a):
CF 2 =CF−Rf 3a (3a)
[Rf 3a はORf 4 (Rf 4 は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)を表わす]で示される単量体0.3〜15モル%との単量体混合物70〜99.95モル%
とを共重合してなる官能基を有する含フッ素エチレン性重合体からなる含フッ素塗料用水性分散体に関する。
【0016】
また本発明は、(a−4)ヒドロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩またはエポキシ基のいずれかの官能基を有する含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体0.05〜30モル%と
(b−4)前記の官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体であって、テトラフルオロエチレン85〜99.7モル%と式(3a):
CF 2 =CF−Rf 3a (3a)
[Rf 3a はORf 4 (Rf 4 は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)を表わす]で示される単量体0.3〜15モル%との単量体混合物70〜99.95モル%
とを共重合してなる官能基を有する含フッ素エチレン性重合体からなる含フッ素粉体塗料に関する。
【0017】
また本発明は、前記官能基を有する含フッ素エチレン性単量体(a−1)が、ヒドロキシル基を有する含フッ素エチレン性単量体であることが好ましい。
【0018】
また本発明は、前記官能基を有する含フッ素エチレン性単量体(a−1)が、式(1):
CX2=CX1−Rf−Y (1)
(式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸塩またはエポキシ基、XおよびX1は同じかまたは異なりいずれも水素原子またはフッ素原子、Rfは、炭素数1〜40の2価のアルキレン基、炭素数1〜40の含フッ素オキシアルキレン基、炭素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素アルキレン基または炭素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素オキシアルキレン基を表わす)
で示される少なくとも1種の単量体であることが好ましい。
【0019】
また本発明は、前記式(1)においてYが、−CH2OHであることが好ましい。
【0020】
また本発明は、前記官能基を有する含フッ素エチレン性単量体(a−1)が、式(2):
CH2=CFCF2−Rf 1−Y1 (2)
[式中、Y1は−CH2OH、−COOH、カルボン酸塩またはエポキシ基、Rf 1は炭素数1〜39の2価の含フッ素アルキレン基または−ORf 2(Rf 2は炭素数1〜39の2価の含フッ素アルキレン基または炭素数1〜39のエーテル結合を含む2価の含フッ素アルキレン基)を表わす]
で示される含フッ素単量体であることが好ましい。
【0021】
また本発明は、前記官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体(b−1)が、テトラフルオロエチレンであることが好ましい。
【0022】
また本発明は、前記官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体(b−1)が、テトラフルオロエチレン85〜99.7モル%と式(3):
CF2=CF−Rf 3 (3)
[Rf 3は−CF3またはORf 4(Rf4は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)を表わす]
で示される単量体0.3〜15モル%との単量体混合物であることが好ましい。
【0023】
また本発明は、前記官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体(b−1)が、テトラフルオロエチレンまたはクロロトリフルオロエチレン40〜80モル%とエチレン20〜60モル%とこれらの単量体と共重合可能な単量体0〜15モル%との単量体混合物であることが好ましい。
【0024】
また本発明は、(A−1)(a−5)ヒドロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩またはエポキシ基のいずれかを有する含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体0.05〜30モル%と
(b−5)官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体70〜99.95モル%とを共重合してなる官能基を有する含フッ素エチレン性重合体1〜90重量%と
(B−1)側鎖に官能基を有さない含フッ素エチレン性重合体10〜99重量%とからなる含フッ素塗料用樹脂組成物に関する。
【0025】
また本発明は、前記官能基を有する含フッ素重合体(A−1)が、(a−5)式(1):
CX2=CX1−Rf−Y (1)
(式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸塩またはエポキシ基、XおよびX1は同じかまたは異なりいずれも水素原子またはフッ素原子、Rfは、炭素数1〜40の2価のアルキレン基、炭素数1〜40の含フッ素オキシアルキレン基、炭素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素アルキレン基または炭素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素オキシアルキレン基を表わす)
で示される少なくとも1種の官能基を有する含フッ素エチレン性単量体と(b−5)テトラフルオロエチレンとの共重合体
または前記官能基を有する含フッ素単量体(a−5)と、
(b−5)として(a−5)を除く単量体全量に対してテトラフルオロエチレン85〜99.7モル%と式(3):
CF2=CF−Rf 3 (3)
[Rf 3は−CF3またはORf 4(Rf 4は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)を表わす]
で示される単量体0.3〜15モル%との単量体混合物との共重合体のうちの少なくとも1種の官能基を有する含フッ素エチレン性重合体であって、
(B−1)が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体のうちの少なくとも1種であることが好ましい。
【0026】
さらに本発明は、(A−2)(a−2)ヒドロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩またはエポキシ基のいずれかを有する含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体0.05〜30モル%と
(b−2)官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体70〜99.95モル%とを共重合してなる官能基を有する含フッ素エチレン性重合体からなる含フッ素塗料用プライマーからなる層を基材の表面に形成し、かくして形成されたプライマー層の上に
(B−1)側鎖に官能基を有さない含フッ素エチレン性重合体からなる層を形成したのち、プライマー層と側鎖に官能基を有さない含フッ素エチレン性重合体層とを焼成することを特徴とする基材の表面への含フッ素重合体の被覆方法に好適に適用できる。
【0027】
さらに本発明は、前記含フッ素塗料用プライマー(A−2)が、(a−2)式(1):
CX2=CX1−Rf−Y (1)
(式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸塩またはエポキシ基、XおよびX1は同じかまたは異なり水素原子またはフッ素原子、Rfは、炭素数1〜40の2価のアルキレン基、炭素数1〜40の含フッ素オキシアルキレン基、炭素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素アルキレン基または炭素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素オキシアルキレン基を表わす)
で示される少なくとも1種の官能基を有する含フッ素エチレン性単量体と(b−2)テトラフルオロエチレンとの共重合体
または前記官能基を有する含フッ素単量体(a−2)と、
(b−2)として(a−2)を除く単量体全量に対してテトラフルオロエチレン85〜99.7モル%と式(3):
CF2=CF−Rf 3 (3)
[Rf 3は−CF3またはORf 4(Rf 4は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)を表わす]
で示される単量体0.3〜15モル%との単量体混合物との共重合体のうちの少なくとも1種の官能基を有する含フッ素エチレン性重合体であって、
(B−2)が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体のうちの少なくとも1種であることが好ましい。
【0028】
さらに本発明は、前記含フッ素重合体を被覆する基材の表面が、金属の表面であることが好ましい。
【0029】
さらに本発明は、前記含フッ素重合体を被覆する基材の表面が、ガラス系材料の表面である前記いずれかの基材の表面への被覆に好適である。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の含フッ素塗料用材料に用いられる含フッ素重合体は、
(a−1)ヒドロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩またはエポキシ基のいずれかの官能基を有する含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体0.05〜30モル%と
(b−1)前記の官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体70〜99.95モル%とを共重合してなる官能基を有する含フッ素エチレン性重合体からなる含フッ素塗料用材料である。
【0031】
なお、本明細書において、塗料用材料とは、たとえば塗料用のプライマー、水性分散体、樹脂組成物や粉体塗料などをいう。
【0032】
本発明者らは前記官能基を有する含フッ素重合体が金属やガラス、その他の材料に対し、基材の表面処理、プライマー層の塗布、塗料中への接着性を有する成分の添加などを行なわなくとも驚くべき強力な接着性を有することを見出した。
【0033】
本発明の含フッ素塗料用材料は、前記(a−1)の官能基を有する含フッ素エチレン性単量体を用いて、前記の官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体(b−1)と共重合し、含フッ素重合体に官能基を導入することが重要であり、それによって従来、接着が不充分または不可能であった種々の基材表面に対し直接優れた接着性を与えうる。つまり、官能基を有する含フッ素重合体であっても、非フッ素系の官能基含有単量体を共重合したものに比べ耐熱性に優れており、高温(たとえば200〜400℃など)での加工時の熱分解などがより少なく抑えられ、大きな接着力をうることができ、さらに着色や発泡、それによるピンホール、レベリング不良などのない塗膜を形成することができる。また、塗装物品を高温で使用する場合も、接着性を維持し、さらに着色、白化、発泡、ピンホールなどの塗膜欠陥が生じにくい。
【0034】
また、本発明の含フッ素塗料用材料に用いる、前記の官能基を有する含フッ素重合体は、それ自体、耐熱性だけでなく、含フッ素ポリマーがもつ耐薬品性、非粘着性、低摩擦性、耐候性などの優れた特性を有しており、塗装後の塗膜表面にこれら含フッ素ポリマーの優れた特性を低下させずに与えうる。
【0035】
本発明の塗料用材料に用いられる官能基を有する含フッ素エチレン性重合体の官能基は、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボン酸塩、エポキシ基から選ばれるものであり、官能基の効果により種々の基材との接着性を与えうるものであり、基材の表面の種類、目的や用途により適宜選択されるが、耐熱性の面でヒドロキシル基を有するものが最も好ましい。
【0036】
本発明の塗料用材料で用いる含フッ素エチレン性重合体は、具体的には(a−1)式(1):
CX2=CX1−Rf−Y (1)
[X、X1、Rf、Yは前記式(1)と同じ]で示される官能基を有する含フッ素エチレン性単量体0.05〜30モル%と
(b−1)該(a−1)成分と共重合可能な前記の官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体70〜99.95モル%とを共重合してえられる含フッ素エチレン性重合体である。
【0037】
官能基を有する含フッ素エチレン性単量体(a−1)は、具体的には式(4):
CF2=CF−Rf5−Y (4)
[式中、Yは式(1)のYと同じ、Rf 5は炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基または−ORf 6(Rf 6は炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基または炭素数1〜40のエーテル結合を含む2価の含フッ素アルキレン基)を表わす]、式(5):
CF2=CFCF2−ORf 7−Y (5)
[式中、Yは式(1)のYと同じ、−Rf 7は炭素数1〜39の2価の含フッ素アルキレン基または炭素数1〜39のエーテル結合を含む2価の含フッ素アルキレン基を表わす]、式(2):
CH2=CFCF2−Rf1−Y1 (2)
[式中、Y1は式(1)のYと同じ、−Rf 1は炭素数1〜39の2価の含フッ素アルキレン基、または−ORf 2(Rf 2は炭素数1〜39の2価の含フッ素アルキレン基または炭素数1〜39のエーテル結合を含む2価のアルキレン基)を表わす]または式(6):
CH2=CH−Rf 8−Y (6)
[式中、Yは式(1)のYと同じ、Rf8は炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基]で示されるものなどがあげられる。
【0038】
式(2)および式(4)〜式(6)の官能基含有含フッ素エチレン性単量体が、含フッ素エチレン性単量体(b−1)との共重合性が比較的良好な点で、また、共重合してえられた重合体の耐熱性を著しく低下させない理由で好ましい。
【0039】
これらのなかでも、他の含フッ素エチレン性単量体との共重合性や、えられた重合体の耐熱性の面より式(4)、式(2)の化合物が好ましく、とくに式(2)の化合物が好ましい。
【0040】
式(4)で示される官能基含有含フッ素単量体はさらに詳しくは
【0041】
【化1】
Figure 0003975690
【0042】
などが例示される。式(5)で示される官能基含有含フッ素単量体としては、
【0043】
【化2】
Figure 0003975690
【0044】
などが例示される。式(2)で示される官能基含有含フッ素単量体としては、
【0045】
【化3】
Figure 0003975690
【0046】
などが例示される。式(6)で示される官能基含有含フッ素単量体としては、
【0047】
【化4】
Figure 0003975690
【0048】
などが例示される。
【0049】
その他
【0050】
【化5】
Figure 0003975690
【0051】
などもあげられる。
【0052】
官能基を有する含フッ素エチレン性単量体(a−1)と共重合するエチレン性単量体は、既知の単量体より適宜選択することができるが、耐熱性、耐薬品性、非粘着性、低摩擦性を共重合体に与えるためには、含フッ素エチレン性単量体から選ばれる。
【0053】
具体的な含フッ素エチレン性単量体としては、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、フッ化ビニル、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類、ヘキサフルオロイソブテン、
【0054】
【化6】
Figure 0003975690
【0055】
(式中、XはともにH、Cl、Fから選ばれる、nはともに1〜5までの整数)などがあげられる。
【0056】
また、(a−1)と前記含フッ素エチレン性単量体に加えて、耐熱性や、非粘着性を低下させない範囲でフッ素を有さないエチレン性単量体を共重合してもよい。その場合フッ素を有さないエチレン性単量体は、耐熱性を低下させないためにも炭素数5以下のエチレン性単量体から選ばれることが好ましく、具体的にはエチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテンなどがあげられる。
【0057】
本発明の塗料用材料に用いられる官能基を有する含フッ素エチレン性重合体中の官能基の含有率は、重合体中の単量体の全量の0.05〜30モル%である。官能基の含有率は、基材の表面の種類、形状、塗装方法、条件、目的や用途などの違いにより適宜選択されるが、好ましくは0.05〜20モル%、とくに好ましくは0.1〜10モル%である。
【0058】
官能基の含有率が0.05%未満であると、基材の表面との接着性が充分えられにくく、温度変化や薬品の浸透などにより剥離などを起こしやすい。また、30モル%を超えると耐熱性を低下させ、高温での焼成時または高温での使用時に、接着不良や着色、発泡、ピンホールなどの塗膜破壊、剥離や溶出などをおこしやすい。
【0059】
本発明の含フッ素塗料用材料に用いられる含フッ素重合体の好ましい具体例としては、官能基を有する含フッ素エチレン性単量体(a−1)0.05〜30モル%とテトラフルオロエチレン70〜99.95モル%との共重合体(いわゆる官能基を有するポリテトラフルオロエチレン(官能基を有するPTFE))があげられ、単量体の全量に対して含フッ素エチレン性単量体(a−1)を0.05〜30モル%含み、さらに該(a−1)を除く単量体の全量に対して、テトラフルオロエチレン85〜99.7モル%と前記式(3):
CF2=CF−Rf3 (3)
[Rf 3は−CF3、ORf 4(Rf 4は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)から選ばれる]
で示される単量体0.3〜15モル%との共重合体(官能基を有するテトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(官能基を有するPFA))または官能基を有するテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(官能基を有するFEP)、含フッ素エチレン性単量体(a−1)を単量体の全量に対し0.05〜30モル%含み、さらに単量体(a−1)を除いた単量体の全量に対して、テトラフルオロエチレン40〜80モル%、エチレン20〜60モル%、その他の共重合可能な単量体0.15モル%との共重合体(官能基を有するエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(官能基を有するETFE))などがあげられる。
【0060】
なお、ヒドロキシル基を有するエチレン−テトラフルオロエチレン(またはクロロトリフルオロエチレン)共重合体に用いられるその他の共重合可能な単量体として、ヘキサフルオロプロピレン、ヘキサフルオロイソブテン、
【0061】
【化7】
Figure 0003975690
【0062】
(式中、XはH、ClまたはF、nは1〜5の整数を表わす)およびパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類などがあげられる。
【0063】
これら例示の含フッ素エチレン性重合体は、含フッ素ポリマーのなかでもとくに耐熱性、耐薬品性、非粘着性や低摩擦性に優れている点で好ましい。また前記例示の官能基を有さない含フッ素ポリマー(PTFE、PFA、FEP、ETFE)は前述の優れた特性をもつ反面、基材表面との接着性に関しては最も低い材料であり、接着剤の改良や他材への被覆が求められている点でもこれらの好ましいものである。
【0064】
本発明の含フッ素塗料用材料に用いられる官能基を有する含フッ素重合体は前述の官能基を有する含フッ素エチレン性単量体(a−1)と、含フッ素エチレン性単量体(b−1)を周知の重合方法で共重合することによってうることができる。その中でも主としてラジカル共重合による方法が用いられる。すなわち重合を開始するには、ラジカル的に進行するものであれば手段は何ら制限されないが、たとえば有機、無機ラジカル重合開始剤、熱、光あるいは電離放射線などによって開始される。重合の種類も溶液重合、バルク重合、懸濁重合、乳化重合などを用いることができる。また、分子量は、重合に用いるモノマーの濃度、重合開始剤の濃度、連鎖移動剤の濃度、温度によって制御される。生成する共重合体の組成は、仕込みモノマーの組成によって制御可能である。
【0065】
本発明の含フッ素塗料用材料には含フッ素樹脂の耐熱性や耐薬品性、非粘着性を低下させない程度に、通常塗料組成物に使用される顔料、界面活性剤、粘度調整剤、レベリング剤、熱安定剤などを配合することができる。
【0066】
本発明の含フッ素塗料用材料に用いられる官能基を有する含フッ素エチレン性重合体は、その接着力を利用し、金属やガラスなどの基材の表面へフッ素樹脂コーティングする際の良好な耐熱性を有する含フッ素塗料用プライマーとして用いることができる。
【0067】
本発明の含フッ素プライマーは、
(a−2)ヒドロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩またはエポキシ基のいずれかを有する含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体0.05〜30モル%と
(b−2)官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体70〜99.95モル%とを共重合してなる官能基を有する含フッ素エチレン性重合体からなる。
【0068】
本発明の含フッ素プライマーは、前述の含フッ素塗料用材料と同様のものが具体的に利用でき、基材の表面の種類や、プライマーを介して被覆する含フッ素ポリマーの種類(トップコートの種類)などにより適宜選択される。一般に含フッ素塗料用プライマーは、その上に被覆する含フッ素ポリマーの構造と同等の構造を有するものに官能基を含んだものが好ましい。
【0069】
この組合せは、プライマーに用いられる含フッ素重合体とその上に被覆される含フッ素ポリマーの相溶性が良好なものであり基材の表面との接着性だけではなくプライマー層とトップコート層との層間接着力も良好なものとなりうる。また、高温での使用においても、他の樹脂成分を加えたプライマーを用いた場合のように、ポリマーの熱収縮率の違いなどによる層間剥離やクラック、ピンホールなどを起こしにくい。また、そもそも塗膜全体が、フッ素ポリマーで構成されるため、透明性や鮮やかな着色を有し、意匠性を必要とする用途にも充分対応でき、さらに塗膜の最表面に官能基を含まない含フッ素ポリマー層を形成するための優れた耐熱性、耐薬品性、非粘着性、および低摩擦性をより効果的に発揮することができる。
【0070】
本発明の含フッ素塗料用プライマーは具体的には、前述の含フッ素塗料用材料と同様なものを用いることができるが、基材の表面にPTFEを被覆する場合は、請求項9、10記載の塗料用材料(官能基を有するPTFE、PFA、FEP)から選ばれるものをプライマーとして用いるのが好ましく、とくに熱溶融性の請求項10記載の塗料用材料(官能基を有するPFAまたはFEP)をプライマーに用いるのが、焼成により基材の表面に強固に熱溶融させて接着させることができより好ましい。基材の表面にPFAやFEPを被覆する場合は請求項10記載の塗料用材料(官能基を有するPFA、FEP)をプライマーに用いるのが好ましい。
【0071】
本発明の含フッ素塗料用材料は水性分散体、有機溶剤分散体、粉末、粒状、オルガノゾル、オルガノゾルの水中エマルジョンなどの形態をとることができる。そのなかでも環境上、安全上、水性分散体や、粉末の形態をもつ塗料用水性分散体や粉体塗料が好ましく用いられる。
【0072】
本発明の含フッ素塗料用水性分散体は、
(a−3)ヒドロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩またはエポキシ基のいずれかの官能基を有する含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体0.05〜30モル%と
(b−3)前記の官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体70〜99.95モル%とを共重合してなる官能基を有する含フッ素エチレン性重合体
からなるものであり、詳しくは
前記重合体の0.01〜1.0μmの微粒子が、水中に、分散された形態のものであり、一般にその中に分散安定化のための界面活性剤が配合されてなる組成物である。本発明の水性分散体に耐熱性や耐薬品性、非粘着性、低摩擦性を著しく低下させない範囲で通常使用される顔料、界面活性剤、消泡剤、粘度調整剤、レベリング剤などの添加物を配合することができる。
【0073】
本発明の塗料用水性分散体に用いられる官能基を有する含フッ素重合体の具体例は、前述の含フッ素塗料用材料と同様なものがあげられる。
【0074】
官能基を有するPTFE(請求項9記載の塗料用材料)、官能基を有するPFAまたは官能基を有するFEP(請求項10記載の塗料用材料)の水性分散体が好ましい例示である。
【0075】
本発明の含フッ素塗料用水性分散体は、種々の方法で製造できる。具体的にはたとえば、
・懸濁重合法などでえられた官能基を有する含フッ素重合体の粉末を微粉砕し、
それを水性分散媒中へ、界面活性剤によって均一に分散させる方法、
・乳化重合法により重合と同時に含フッ素水性分散体を製造し、必要に応じてさ
らに界面活性剤や添加剤を配合する方法、
などがあげられるが、生産性や品質面(小粒径化や、均一粉径化)から、乳化重合法により直接水性分散体を製造する方法が好ましい。
【0076】
本発明の粉体塗料は、
(a−4)ヒドロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩またはエポキシ基のいずれかの官能基を有する含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体0.05〜30モル%と
(b−4)前記の官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体70〜99.95モル%とを共重合してなる官能基を有する含フッ素エチレン性重合体
からなるものである。
【0077】
本発明の含フッ素粉体塗料は粒径10μm〜1000μm、見掛密度0.2〜1.2g/ccの形状の粉末または粒状のものが好ましく用いられる。
【0078】
本発明の含フッ素粉体塗料は、耐熱性などのフッ素樹脂の性能を著しく低下させない範囲で、たとえばカーボン粉末、酸化チタン、酸化コバルトなどの顔料、ガラス繊維、カーボン繊維などの粉末、マイカなどの補強剤、アミン系酸化防止剤、有機イオウ系化合物、有機錫系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、金属石ケンなどの熱安定剤、レベリング剤、帯電防止剤などの添加剤を適宜配合できる。
【0079】
本発明の含フッ素粉体塗料と前記添加剤との配合は、粉末状で混合(乾式)してもよいし、スラリー状で混合(湿式)してもよいが、粉末の状態で行なうのが好ましい。混合用機器としては、たとえばサンドミル、V型ブレンダー、リボン型ブレンダーなどの通常の混合機および粉砕機が使用しうる。
【0080】
本発明の含フッ素粉体塗料の塗装は、一般に静電吹付、流動層浸漬、回転ライニングなどの方法などにより行なわれたのち、焼成により良好な塗膜を形成することができる。
【0081】
一般に静電粉体塗装の場合、膜厚10〜2000μm、回転ライニングの場合、膜厚200〜10000μmの塗膜が形成される。
【0082】
本発明の含フッ素粉末塗料に用いられる含フッ素重合体は、前記含フッ素塗料用材料と同様なものが好ましく用いられ、とくに官能基を有するPTFE、官能基を有するPFA、官能基を有するFEP、官能基を有するETFEそれぞれの塗料用材料(請求項9、10または11記載の塗料用材料)からなる含フッ素粉体塗料が好ましい具体例である。
【0083】
本発明の含フッ素塗料用材料は、側鎖に官能基を含まない含フッ素重合体と混合し、含フッ素塗料用樹脂組成物とすることができ、えられた組成物を塗布することによって種々の基材の表面に良好な接着力を有する塗膜をうることができる。
【0084】
本発明の含フッ素樹脂組成物は、
(A−1)(a−5)ヒドロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩またはエポキシ基のいずれかの官能基を有する含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体0.05〜30モル%と
(b−5)前記の官能基を含まない含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体70〜99.95モル%とを共重合してなる官能基を有する含フッ素エチレン性重合体1〜99重量%と
(B−1)側鎖に官能基を含まない含フッ素エチレン性重合体10〜99重量%とからなる含フッ素塗料用樹脂組成物である。
【0085】
そのなかでも好ましい具体例は、官能基を有する含フッ素エチレン性重合体(A−1)が、(a−5)式(1):
CX2=CX1−Rf−Y (1)
(式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸塩またはエポキシ基、XおよびX1は同じかまたは異なりいずれも水素原子またはフッ素原子、Rfは、炭素数1〜40の2価のアルキレン基、炭素数1〜40の含フッ素オキシアルキレン基、炭素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素アルキレン基または炭素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素オキシアルキレン基を表わす)
で示される少なくとも1種の官能基を有する含フッ素エチレン性単量体と(b−5)テトラフルオロエチレンとの共重合体、または前記官能基を有する含フッ素単量体(a−5)と、(b−5)として(a−5)を除く単量体に対しテトラフルオロエチレン85〜99.7モル%と式(3):
CF2=CF−Rf 3 (3)
[Rf 3は−CF3またはORf 4(Rf 4は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)を表わす]
で示される単量体0.3〜15モル%の単量体混合物との共重合体のうちの少なくとも1種の官能基を有する含フッ素エチレン性重合体であって、
(B−1)が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体のうちの少なくとも1種である含フッ素塗料用樹脂組成物であり、この組成物は(A−1)と(B−1)の互いの相溶性も良好な組合せでもあり、塗布により基材表面に良好な接着性を与えるとともに、用途に応じて透明性の高い塗膜、鮮やかな着色を有する塗膜をうることができる。
【0086】
また、フッ素樹脂本来の耐熱性、耐薬品性、非粘着性、低摩擦性などの特性を効果的に発揮しやすい。
【0087】
本発明の含フッ素塗料用樹脂組成物は前記と同様に、水性分散体、有機溶剤分散体、粉末、粉状、オルガノゾル、オルガノゾルの水性エマルジョンなどの形態をとることができる。
【0088】
さらに含フッ素ポリマーの性能を著しく低下させない範囲で塗料組成物に通常使用される顔料、界面活性剤、粘度調整剤、レベリング剤、熱安定剤などを配合できる。
【0089】
本発明の塗料用樹脂組成物は、
(A−2)(a−2)ヒドロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩またはエポキシ基のいずれかの官能基を有する含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体0.05〜30モル%と
(b−2)前記の官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体70〜99.95モル%とを共重合してなる官能基を有する含フッ素エチレン性重合体からなる含フッ素塗料用プライマーからなる層を基材の表面に形成し、かくして形成されたプライマー層の上に
(B−1)側鎖に官能基を有さない含フッ素エチレン性重合体からなる層を形成し、プライマー層と側鎖に官能基を有さない含フッ素エチレン性重合体層とを焼成することを特徴とする基材の表面への含フッ素重合体の被覆方法に好適に適用される。
【0090】
含フッ素重合体の被覆方法は、
(第1工程)請求項2記載の官能基を有する含フッ素重合体からなる含フッ素塗料用プライマーを基材の表面に塗布する工程、
(第2工程)第1工程で形成されたプライマー層上に、官能基を有さない含フッ素重合体からなる含フッ素塗料を塗布する工程、
(第3工程)第1工程と第2工程でえられた積層体を焼成する工程の大きく3つの工程からなる含フッ素重合体の被覆方法である。さらに第1工程で塗布されたプライマー層は、80〜150℃、5〜30分間程度かけて、指触乾燥し、つぎの第2工程に進め(2コート1ベーク)てもよいし、プライマー層をたとえば溶融温度以上の高温で焼成したのち、第2工程に進め(2コート2ベーク)てもよい。
【0091】
第1工程においてプライマーの塗布方法は、プライマーの形態に応じて適宜選択され、たとえば含フッ素プライマーが水性分散体の形態の場合、スプレーコーティング、スピンコーティング、はけ塗り、ディッピングなどの方法が用いられる。また、粉体塗料の形態の場合は静電塗装法、流動浸漬法、回転ライニング法などの方法が用いられる。
【0092】
プライマー層の厚さは、目的、用途、基材の表面の種類、塗装の形態により異なってよいが、1〜50μm、好ましくは2〜20μmである。このようにプライマーは一般に低膜厚であるため、プライマーは水性分散体の形態としスプレー塗装などにより塗布することが好ましい。
【0093】
第2工程のプライマー層上への官能基を含まない含フッ素重合体からなる塗料の塗装方法は、含フッ素重合体の種類や塗料の形態、目的や用途により適宜選択され、たとえば水性分散体や有機溶剤分散体などの場合、一般にスプレー塗料、はけ塗り、ロールコート、スピンコーティングなどが通常行なわれ、粉体塗料の場合は静電塗装、流動浸漬法、回転ライニング法などの方法で塗装される。
【0094】
この工程での含フッ素重合体の塗装塗膜は、目的や用途、塗装方法により全く異なるが、一般にスプレー塗装などによる5〜50μm、好ましくは10〜30μm程度であり、粉体塗料を用いた厚膜化を目標とする場合、静電塗装法で20μm〜2000μm、回転ライニング法により0.3〜10mmの膜厚の被覆が可能である。
【0095】
第3工程の焼成条件は、プライマー層、その上のトップ層の含フッ素重合体の種類(組成、融点など)により適宜選択されるが、一般に両者の含フッ素重合体の融点以上の温度で焼成される。焼成時間は、焼成温度により異なるが5分〜3時間、好ましくは10〜30分程度である。たとえばPTFE、PFA、FEPなどを被覆する場合は、300〜400℃、好ましくは320〜400℃で焼成される。
【0096】
含フッ素重合体の被覆方法は、前記官能基を有する含フッ素重合体をプライマー層に用いることが重要であり、それによって接着が困難であった種々の基材の表面に含フッ素ポリマーを被覆することが可能となる。またとくにプライマー層に用いる官能基を含む含フッ素重合体は、トップ層に用いる含フッ素重合体と同種の組成に官能基を導入したものが好ましい。
【0097】
たとえば、PTFE、PFA、FEPなどは、含フッ素ポリマーの中でも最も耐熱性、耐薬品性、非粘着性、低摩擦性に優れ、種々の基材の表面に被覆することが求められている。これらのフッ素樹脂を被覆する場合は、官能基を有するPTFE、官能基を有するPFA、官能基を有するFEPのなかから選ばれる少なくとも1種の重合体からなるプライマーを用いることが好ましい。
【0098】
これらの被覆方法により種々の基材の表面たとえば、鉄、アルミニウム、銅、すず、亜鉛などおよびステンレスや真ちゅう、アルミニウム合金などの金属系材料やガラス、陶器、コンクリート、シリコン類などの無機系材料、繊維、紙、木材、皮革、合成樹脂(とくにポリアミド、PEEKなどの耐熱樹脂、耐熱エンプラなど)合成ゴムなどの有機材料などに含フッ素ポリマーを被覆することができる。
【0099】
かかる被覆方法において、含フッ素プライマーと基材の表面との接着性をさらに向上させるために、基材の表面にサンドブラスト、ショットブラスト、グリットブラスト、ホーニング、ペーパースクラッチ、ワイヤースクラッチ、ヘアーライン処理、化学処理、メッキ処理、電気化学的処理、化学エッチングなどの表面処理を行なってもよい。
【0100】
【実施例】
つぎに、本発明を参考例、実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにのみ限定されるものではない。
【0101】
参考例1
(ヒドロキシル基を有するPFAからなる水性分散体の製造)
撹拌機、バルブ、圧力ゲージ、温度計を備えた3リットルガラスライニング製オートクレーブに純水1500ml、パーフルオロオクタン酸アンモニウム9.0gを入れ、窒素ガスで充分置換したのち、真空にし、エタンガス20mlを仕込んだ。
【0102】
ついで、パーフルオロ−(1,1,9,9−テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式(7))
【0103】
【化8】
Figure 0003975690
【0104】
の3.8g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)18g、を窒素ガスを用いて圧入し、系内の温度を70℃に保った。
【0105】
撹拌を行ないながらテトラフルオロエチレンガス(TFE)を内圧が8.5kgf/cm2Gとなるように圧入した。
【0106】
ついで、過硫酸アンモニウム0.15gを水5.0gに溶かした溶液を窒素を用いて圧入して反応を開始した。
【0107】
重合反応の進行に伴って圧力が低下するので、7.5kgf/cm2Gまで低下した時点でテトラフルオロエチレンガスで8.5kgf/cm2まで再加圧し、降圧、昇圧を繰り返した。
【0108】
テトラフルオロエチレンの供給を続けながら、重合開始からテトラフルオロエチレンガスが約40g消費されるごとに、前記のヒドロキシ基を有する含フッ素エチレン性単量体(前記式(7)で示される化合物)の1.9gを計3回(計5.7g)圧入して重合を継続し、重合開始よりテトラフルオロエチレンが約160g消費された時点で供給を止めオートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出し、青みかかった半透明の水性分散体1702gをえた。
【0109】
えられた水性分散体中のポリマーの濃度は10.9%、動的光散乱法で測定した粒子径は70.7nmであった。
【0110】
また、えられた水性分散体の一部をとり凍結凝析を行ない、析出したポリマーを洗浄、乾燥し白色固体を単離した。えられた共重合体の組成は、19F−NMR分析、IR分析により、TFE/PPVE/(式(7)で示されるヒドロキシル基を有する含フッ素エチレン性単量体)=97.7/1.2/1.1モル%であった。
【0111】
また赤外スペクトルは3620〜3400cm-1に−OHの特性吸収が観測された。
【0112】
DSC分析により、Tm=310℃、DTGA分析により1%熱分解温度Td=368℃であった。高化式フローテスターを用いて2mm、長さ8mmのノズルを用い、372℃で予熱5分間、荷重7kgf/cm2でメルトフローレートを測定したところ12.0g/10minであった。
【0113】
参考例2
(ヒドロキシル基を有するPFAからなる水性分散体の製造)
参考例1と同じオートクレーブに純水1500ml、パーフルオロオクタン酸アンモニウム9.0gを入れ、窒素ガスで充分置換したのち真空にし、エタンガス20mlを仕込んだ。
【0114】
ついで、パーフルオロ−(1,1,9,9−テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式(7)の化合物)1.9g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル(PPVE)16.1gを窒素ガスを用いて圧入し系内の温度を70℃に保った。
【0115】
撹拌を行いながらテトラフルオロエチレン(TFE)を内圧8.5kgf/cm2Gとなるように圧入した。
【0116】
ついで、過硫酸アンモニウム0.15gを水5.0gに溶かした溶液を窒素を用いて圧入して反応を開始した。
【0117】
重合反応の進行に伴って圧力が低下するので、7.5kgf/cm2Gまで低下した時点で、テトラフルオロエチレンガスで8.5kgf/cm2Gまで再加圧し、降圧、昇圧を繰り返した。
【0118】
テトラフルオロエチレンの供給を続けながら重合開始からテトラフルオロエチレンガスが40g消費されるごとに、前記のヒドロキシル基を有する含フッ素エチレン性単量体(式(7)で示される化合物)の0.95gを計3回(計2.85g)を圧入して重合を継続し、重合開始よりテトラフルオロエチレンが160g消費された時点で供給を止めオートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出した。水性分散体1692gをえた。えられた水性分散体中のポリマーの濃度は10.6%、粒子径は76.8nmであった。
【0119】
参考例1と同様にして、水性分散体の一部をとり白色固体を単離した。
【0120】
同様にしてえられた白色固体を分析したところ、
TFE/PPVE/(式(7)のヒドロキシル基を有する含フッ素単量体)
=98.3/1.1/0.6モル%
Tm=310℃
1%熱分解温度Td=374℃
メルトフローレート:9.5g/10min
なお、赤外スペクトルは3620〜3400cm-1に−OHの特性吸収が観測された。
【0121】
参考例3
(官能基を有さないPFAの水性分散体の合成)
参考例1において、パーフルオロ−(1、1、9、9−テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式(7)で示される化合物)を用いなかったこと以外は、参考例1と同様にして乳化重合を行い、官能基を含まないPFAの水性分散体1662gをえた。
【0122】
水性分散対中のポリマーの濃度は9.7%、粒子径は115nmであった。
【0123】
参考例1と同様に白色固体を単離し、分析した。
TFE/PPVE=98.9/1.1mol%
Tm=310℃
1%熱分解温度Td=479℃
メルトフローレート=19.2g/10min
なお赤外スペクトルでは−OHの特性吸収は観測されなかった。
【0124】
参考例4
(ヒドロキシル基を有するPFAの合成)
撹拌機、バルブ、圧力ゲージ、温度計を備えた6リットルのガラスライニング製オートクレーブに純水1500mlを入れ、窒素ガスで充分置換したのち、真空にし、1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R−114)1500gを仕込んだ。
【0125】
ついで、パーフルオロ−(1,1,9,9−テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式7で示される化合物)の5.0g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)
(PPVE)130g、メタノール180gを窒素ガスを用いて圧入し、系内の温度を35℃に保った。
【0126】
撹拌を行ないながらテトラフルオロエチレンガス(TFE)を内圧が8.0kgf/cm2Gとなるように圧入した。ついで、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネートの50%メタノール溶液0.5gを窒素を用いて圧入して反応を開始した。
【0127】
重合反応の進行に伴って圧力が低下するので、7.5kgf/cm2Gまで低下した時点でテトラフルオロエチレンガスで8.0kgf/cm2まで再加圧し、降圧、昇圧を繰り返した。
【0128】
テトラフルオロエチレンの供給を続けながら、重合開始からテトラフルオロエチレンガスが約60g消費されるごとに、前記のヒドロキシ基を有する含フッ素エチレン性単量体(前記式(7)で示される化合物)の2.5gを計9回(計22.5g)圧入して重合を継続し、重合開始よりテトラフルオロエチレンが約600g消費された時点で供給を止めオートクレーブを冷却し、未反応モノマーおよびR−114を放出した。
【0129】
えられた共重合体を水洗、メタノール洗浄を行なったのち、真空乾燥することにより710gの白色固体をえた。えられた共重合体の組成は19F−NMR分析、IR分析によりTFE/PPVE/(式(7)で示されるヒドロキシ基を有する含フッ素エチレン性単量体)=97.0/2.0/1.0モル%であった。また、赤外スペクトルは3620〜3400cm-1に−OHの特性吸収が観測された。DSC分析によりTm=305℃、DTGA分析により1%熱分解温度Td=375℃であった。高化式フローテスターを用いて直径2mm、長さ8mmのノズルを用い、372℃で予熱5分間、荷重7kgf/cm2でメルトフローレートを測定したところ32g/10minであった。
【0130】
参考例5
(官能基を含まないPFAの合成)
参考例1において、パーフルオロ(1,1,9,9−テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式(7)で示される化合物)を用いないこと、さらにメタノールを240g使用すること以外は、参考例1と同様にして合成を行ない、官能基を含まないPFA597gをえた。
【0131】
参考例1と同様にして、えられたPFAを分析したところ
TFE/PPVE=98.2/1.8モル%
Tm=310℃
Td=469℃(1%重量減)
メルトフローレート=24g/10min
であった。
【0132】
参考例6
(ヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料の作製)
参考例4でえたヒドロキシル基を有するPFA粉末(見掛比重0.5、真比重2.1、平均粒径600ミクロン)をローラーコンパクター(新東工業(株)製BCS−25型)で幅60mm、厚さ5mmにシート状に圧縮した。つぎに解砕機で約10mm径に解砕し、さらに粉砕機(奈良機械製作所製コスモマイザーN−1型)を用いて、室温で11000rpmで微粉砕した。つぎに分級機(新東京機械(株)製ハイボルダー300SD型)で170メッシュ(88ミクロン目開き)以上の粗粉子を取り除き、ヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料をえた。その粉末の見掛密度は0.7g/ml、平均粒径20μmであった。
【0133】
参考例7
(官能基を含まないPFA粉体塗料の作製)
参考例4でえたヒドロキシル基を有するPFA粉末にかえて参考例5でえた官能基を含まないPFA粉末(見掛比重0.6、真比重2.1、平均粒径400ミクロン)を用いた以外は参考例6と同様にしてPFA粉体塗料を作成した。その粉末の見掛密度は0.73g/ml、平均粒径20μmであった。
【0134】
参考例8
(フッ素を有さない官能基含有単量体を用いた、含フッ素重合体の合成)
撹拌機、バルブ、圧力ゲージ、温度計を備えた1リットルのステンレス製オートクレーブに、酢酸ブチル250g、ピバリン酸ビニル(VPi)36.4g、フッ素を有さないヒドロキシル基含有単量体として、4−ヒドロキシルブチルビニルエーテル(HBVE)32.5g、イソプロポキシカルボニルパーオキサイド4.0gを仕込み、0℃に氷冷し、窒素ガスで充填置換したのち真空にし、イソブチレン(IB)47.5gとテトラフルオロエチレン(TFE)142gを仕込んだ。
【0135】
撹拌を行いながら40℃に加熱し、30時間反応させ、反応容器内圧力が2.0kg/cm2以下に下がった時点で反応を停止した。オートクレーブを冷却し、未反応のガスモノマーを放出したところ、含フッ素共重合体の酢酸ブチル溶液がえられた。ポリマー濃度は45%であった。
【0136】
えられた、含フッ素共重合体の酢酸ブチル溶液から、再沈法により含フッ素共重合体を取り出し、充分減圧乾燥させることにより単離した。1H−NMR、19F−NMR元素分析によりえられた含フッ素共重合体を分析したところ、TFE/IB/VPi/HBVE=44/34/15/7モルからなる共重合体であった。
【0137】
参考例9
(メチルエステル基を有するPFAの合成)
撹拌機、バルブ、圧力ゲージ、温度計を備えた6リットルのガラスライニング製オートクレーブに純水1500mlを入れ、窒素ガスで充分置換したのち、真空にし、1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R−114)1500gを仕込んだ。
【0138】
ついで、パーフルオロ−(9,9−ジハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネン酸)メチル(式8)
【0139】
【化9】
Figure 0003975690
【0140】
の2.7g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)130g、メタノール220gを窒素ガスを用いて圧入し、系内の温度を35℃に保った。
【0141】
撹拌を行ないながらテトラフルオロエチレンガス(TFE)を内圧が8.0kgf/cm2Gとなるように圧入した。
【0142】
ついで、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネートの50%メタノール溶液0.5gを窒素を用いて圧入して反応を開始した。
【0143】
重合反応の進行に伴って圧力が低下するので、7.5kgf/cm2Gまで低下した時点でテトラフルオロエチレンガスで8.0kgf/cm2まで再加圧し、降圧、昇圧を繰り返した。
【0144】
テトラフルオロエチレンの供給を続けながら、重合開始からテトラフルオロエチレンガスが約60g消費されるごとに、前記のヒドロキシ基を有する含フッ素エチレン性単量体(前記式(7)で示される化合物)の2.7gを計9回(計24.3g)圧入して重合を継続し、重合開始よりテトラフルオロエチレンが約600g消費された時点で供給を止めオートクレーブを冷却し、未反応モノマーおよびR−114を放出した。
【0145】
えられた共重合体を水洗、メタノール洗浄を行なったのち、真空乾燥することにより710gの白色固体をえた。えられた共重合体の組成は19F−NMR分析、IR分析により、TFE/PPVE/(式(8)で示されるメチルエステル基を有する含フッ素エチレン性単量体)=97.8/1.0/1.2モル%であった。また、赤外スペクトルは1795cm-1に−COOMeの特性吸収が観測された。DSC分析によりTm=308℃、DTGA分析により1%熱分解温度Td=376℃であった。高化式フローテスターを用いて2mm、長さ8mmのノズルを用い、372℃で予熱5分間、荷重7kgf/cm2でメルトフローレートを測定したところ29g/10minであった。
【0146】
参考例10
(カルボキシル基を有するPFAの合成)
参考例9でえたメチルエステル基を有するPFAの白色粉末10gを、NaOH40gをメタノール600ml、水200ml混合溶剤に溶かしたものに加え、70〜75℃で5時間撹拌した。
【0147】
冷却後、2N−HCl水を溶液のpHが2となるまで加え、3時間撹拌した。
【0148】
白色粉末をとり出し、水洗、メタノール洗浄を行い、100℃で乾燥した。
【0149】
IR分析よりカルボキシル基のカルボニル基の吸収が1700cm-1に、OH基の吸収が3200〜3700cm-1に新たに観測された。DSC分解によりTm=308℃、DTGA分析により1%熱分解温度335℃であった。
【0150】
参考例11
(メチルエステル基を有するPFA粉体の塗料の作製)
参考例4でえたヒドロキシル基を有するPFA粉末にかえて参考例9でえたメチルエステル基を有するPFA粉末(見掛比重0.5、真比重2.1、平均粒径650ミクロン)を用いた以外は参考例6と同様にしてメチルエステル基を有する粉末塗料(見掛密度0.71g/l、平均粒径20μm)をえた。
【0151】
参考例12
(カルボキシル基を有するPFA粉体塗料の作製)
参考例4でえたヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料にかえて参考例10でえたカルボキシル基を有するPFA粉末(見掛比重0.52、真比重2.1、平均粒径670ミクロン)を用いた以外は参考例6と同様にしてカルボキシル基を有する粉体塗料(見掛密度0.73g/l平均粒径22μm)をえた。
【0152】
実施例1
(1)基材の前処理
厚さ1.5mmの純アルミニウム板(A1050P)および厚さ1.5mmのSUS304を用い、それぞれアセトンにより脱脂を行なった。
【0153】
(2)官能基を有する含フッ素重合体からなるプライマー層の形成
参考例1および参考例2でえたヒドロキシル基を有するPFAからなる水性分散体を用いて、エアスプレーで、膜厚が約5μmになるように塗装し、90℃で10分間赤外乾燥したのち、380℃で20分間焼成した。
【0154】
(3)官能基を有さない含フッ素重合体からなる層(トップ層)の形成
(2)でえたプイラマー層の上に官能基を有さない含フッ素重合体からなる塗料として、PTFEからなる水性塗料(ダイキン工業(株)製 ポリフロン TFEエナメルEK4300CRN)をエアスプレーにて膜厚が約20μmになるように塗装し、90℃で10分間赤外乾燥したのち380℃で20分間焼成した。
【0155】
(4)接着性の評価
評価方法は、つぎのとおりである。
【0156】
(碁盤目試験)
コーティング面にJIS K 5400 1990,8.5.2に規定された碁盤目100ますを作成し、この面にセロテープ(ニチバン(株))を充分に密着させ、ただちに引き剥がす。新しいセロテープでこの引き剥がしを10回行ない、100ます中何ますが残存しているかを評価する。結果を表1に示した。
【0157】
実施例2
官能基を有する含フッ素重合体からなるプライマーを、参考例2でえたヒドロキシル基を有するPFAからなる水性分散体を用いてプライマー層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして塗板を作製し、接着性の評価を行なった。結果を表1に示す。
【0158】
比較例1
官能基を有する含フッ素重合体からなるプライマーに代えて、参考例3でえた官能基を有さないPFAからなる水性分散体を用いてプライマー層を形成させたこと以外は、実施例1と同様にして塗板を作製し、接着性の評価を行なった。結果を表1に示す。
【0159】
実施例3、4および比較例2
官能基を有さない含フッ素重合体からなる塗料としてFEPからなる水性塗料(ダイキン工業(株)製 ネオフロンFEPディスパージョン ND−1)を用いてトップ層を形成したこと以外は、実施例3は実施例1と、実施例4は実施例2と、比較例2は比較例1とそれぞれ同様にして塗板を作製し、接着性の評価を行なった。結果を表1に示す。
【0160】
実施例5
(1)基材の前処理
実施例1と同様にして行なった。
【0161】
(2)官能基を有する含フッ素重合体からなるプライマー層の形成
参考例1でえたヒドロキシル基を有するPFAからなる水性分散体をエアスプレーで膜厚が約5μmになるように塗装し、90℃で10分間赤外乾燥した。
【0162】
(3)官能基を有さない含フッ素重合体からなる層(トップ層)の形成
前記(2)でえたプイラマー層の上に官能基を有さない含フッ素重合体からなる塗料として、PFAの粉体塗料(ダイキン工業(株)製 ネオフロンPFA粉体塗料 ACX−3)を用い静電塗装により、膜厚が40μmとなるように塗装し、380℃で20分間焼成した。
【0163】
(4)接着性の評価
実施例1と同様にして行なった。
【0164】
結果を表1に示す。
【0165】
実施例6
官能基を有する含フッ素重合体からなるプライマーを、参考例2でえたヒドロキシル基を有するPFAからなる水性分散体を用いてプライマー層を形成したこと以外は、実施例5と同様にして塗板を作製し、接着性の評価を行なった。結果を表1に示す。
【0166】
比較例3
官能基を有する含フッ素重合体からなるプライマーに代えて、参考例3でえた官能基を有さないPFAからなる水性分散体を用いてプライマー層を形成させたこと以外は、実施例5と同様にして塗板を作製し、接着性の評価を行なった。結果を表1に示す。
【0167】
実施例7
(ヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料の接着性評価)
(1)接着試験用のプレスシートの作成
参考例6でえたヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料約4gを直径60mmの円筒型金型に入れ、プレス機を用い室温にて300kgf/cm2の圧力で圧縮成形し、円盤型のコールドプレスシートをえた。
【0168】
(2)基板の前処理
100×100×1(mm)の純アルミニウム板をアセトンで脱脂した後サンドブラスト処理を行なった。
【0169】
(3)接着サンプル作成
上記(1)でえた試験用プラスシートをアルミニウム板(上記(2))の上に置き、熱風乾燥機に入れ、330℃10分間加熱溶融させた。膜厚約450μmのシートがアルミニウム板に接着したサンプルがえられた。
【0170】
(4)接着強度の測定
図1に示すように、アルミ板2上の接着サンプルのPFAシート1に幅10mの間隔でカッターで切れ目を入れ、各短冊状のシートの一方の端をめくり、図2に示すようにアルミ板2に対しPFAシート1を90°の角度で引っぱり、剥離強度を測定した。テンシロン万能試験機(オリエンテック(株)製)を用い、室温下、クロスヘッドスピード50mm/minで測定したところ、面積法による平均剥離荷重で5.5kgf/cmの接着強度を示した。
【0171】
比較例4
(官能基を含まないPFA粉体塗料の接着性評価)
参考例6でえたヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料にかえて参考例7でえた官能基を含まないPFA粉体塗料を用いた以外は実施例7と同様にして接着試験用プレスシートの作製、基材の前処理、接着サンプル作製を行ない接着強度の測定を行なった。
【0172】
官能基を含まないPFA粉体塗料の接着強度は、0.8kgf/cmであった。
【0173】
実施例8
(ヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料の静電塗装) 実施例7と同様に前処理したアルミ板に、参考例6でえたヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料を、静電粉体塗装機(岩田塗装(株)製GX3300型)を用い、室温で印加電圧40kVで静電塗装した。塗装板を330℃15分間熱風乾燥機にて焼成し塗装膜をえた。
【0174】
塗膜は、透明で均一な連続膜であって、基剤のアルミ板とも強固に密着した。
【0175】
比較例5
(フッ素を有さない官能基含有単量体を用いた含フッ素重合体の耐熱性)
参考例8でえられた含フッ素共重合体の熱分解温度をTGA分析により測定したところ1%熱分解温度で220℃であった。参考例8でえたようなフッ素を有さない官能基含有単量体を用いた含フッ素共重合体は耐熱性が低いことがわかった。
【0176】
さらに参考例8でえられた含フッ素共重合体を酢酸ブチルに10重量%の濃度に溶解させた。
【0177】
つぎに実施例5において、プライマー層に用いたヒドロキシル基を有するPFAの水性分散体にかえて、上記参考例8の含フッ素共重合体の酢酸ブチル溶液を用いた以外は実施例5と同様、純アルミ基材に基材の前処理、参考例8の含フッ素共重合体を用いたプライマー層の塗布、トップ層の塗布(PFA粉体塗料の静電塗装)を行なった。
【0178】
塗布後380℃、20分間焼成によってえた塗膜は黄褐色に着色し、発泡、剥離も見られ、均一な透明被膜はえられなかった。
【0179】
【表1】
Figure 0003975690
【0180】
【発明の効果】
本発明の含フッ素塗料用材料を用いることによって、種々の基材の表面、種々の形状物に対して、優れた接着性を有する被覆物をうることができ、基材に含フッ素ポリマーの優れた耐熱性、耐薬品性、非粘着性や低摩擦性、その他電気、光学特性などを付与することができ、種々の用途への展開ができる。
【0181】
本発明の含フッ素塗料用材料を被覆することによって、たとえばアルミニウムや鉄、合金類などの金属表面に対しては、耐食性、防錆性、耐薬品性、耐候性、非粘着性、摺動性を与えることができ、建材、化学プラント、食品加工、調理機器、自動車関連部品、OA関連部品など種々の用途への展開が可能である。
【0182】
銅系金属の表面に対しては、フッ素樹脂の優れた電気特性(とくに高周波電気絶縁性)を与え、高周波用プリント基板、電気電子部品などの電気電子関連用への展開が可能である。
【0183】
ガラス系材料に対しては、透明性を失わず、さらにガラス系材料の表面に、撥水性、撥油性、反射防止性、低屈折率性などを与え、光学関連部品、液晶関連部品、建材用ガラス、自動車用ガラスなどに用いることができる。また、ガラスの破損防止の役割もはたし、照明関連機器建材用防爆ガラスなどに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において接着強度を測定するために作製した接着サンプルを説明するための概略平面図である。
【図2】本発明の実施例における接着強度の測定に用いた測定具の概略斜視図である。
【符号の説明】
1 PFAシート
2 アルミ板

Claims (8)

  1. (a−1)ヒドロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩またはエポキシ基のいずれかの官能基を有する含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体0.05〜30モル%と
    (b−1)前記の官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体であって、テトラフルオロエチレン85〜99.7モル%と式(3a):
    CF2=CF−Rf3a (3a)
    [Rf3aはORf4(Rf4は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)を表わす]で示される単量体0.3〜15モル%との単量体混合物70〜99.95モル%
    とを共重合してなる官能基を有する含フッ素エチレン性重合体からなる含フッ素塗料。
  2. (a−2)ヒドロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩またはエポキシ基のいずれかの官能基を有する含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体0.05〜30モル%と
    (b−2)前記の官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体であって、テトラフルオロエチレン85〜99.7モル%と式(3a):
    CF2=CF−Rf3a (3a)
    [Rf3aはORf4(Rf4は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)を表わす]で示される単量体0.3〜15モル%との単量体混合物70〜99.95モル%
    とを共重合してなる官能基を有する含フッ素エチレン性重合体からなる含フッ素塗料用プライマー。
  3. (a−3)ヒドロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩またはエポキシ基のいずれかの官能基を有する含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体0.05〜30モル%と
    (b−3)前記の官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体であって、テトラフルオロエチレン85〜99.7モル%と式(3a):
    CF2=CF−Rf3a (3a)
    [Rf3aはORf4(Rf4は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)を表わす]で示される単量体0.3〜15モル%との単量体混合物70〜99.95モル%
    とを共重合してなる官能基を有する含フッ素エチレン性重合体からなる含フッ素塗料用水性分散体。
  4. (a−4)ヒドロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩またはエポキシ基のいずれかの官能基を有する含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体0.05〜30モル%と
    (b−4)前記の官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体であって、テトラフルオロエチレン85〜99.7モル%と式(3a):
    CF2=CF−Rf3a (3a)
    [Rf3aはORf4(Rf4は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)を表わす]で示される単量体0.3〜15モル%との単量体混合物70〜99.95モル%
    とを共重合してなる官能基を有する含フッ素エチレン性重合体からなる含フッ素粉体塗料。
  5. 官能基を有する含フッ素エチレン性単量体(a−1)、(a−2)、(a−3)または(a−4)が、ヒドロキシル基を有する含フッ素エチレン性単量体である請求項1〜4のいずれかに記載の含フッ素塗料。
  6. 官能基を有する含フッ素エチレン性単量体(a−1)、(a−2)、(a−3)または(a−4)が、式(1):
    CX2=CX1−Rf−Y (1)
    (式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸塩またはエポキシ基、XおよびX1は同じかまたは異なりいずれも水素原子またはフッ素原子、Rfは、炭素数1〜40の2価のアルキレン基、炭素数1〜40の含フッ素オキシアルキレン基、炭素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素アルキレン基または炭素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素オキシアルキレン基を表わす。ただし、X、X 1 およびR f の少なくとも1つはフッ素原子を含む
    で示される少なくとも1種の単量体である請求項1〜4のいずれかに記載の含フッ素塗料。
  7. 式(1)においてYが、−CH2OHである請求項6記載の含フッ素塗料。
  8. 官能基を有する含フッ素エチレン性単量体(a−1)、(a−2)、(a−3)または(a−4)が、式(2):
    CH2=CFCF2−Rf 1−Y1 (2)
    [式中、Y1は−CH2OH、−COOH、カルボン酸塩またはエポキシ基、Rf 1は炭素数1〜39の2価の含フッ素アルキレン基または−ORf 2(Rf 2は炭素数1〜39の2価の含フッ素アルキレン基または炭素数1〜39のエーテル結合を含む2価の含フッ素アルキレン基)を表わす]
    で示される含フッ素単量体である請求項1〜4、6のいずれかに記載の含フッ素塗料。
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