JP2001316614A - 含フッ素塗料用材料およびそれを用いた被覆方法 - Google Patents

含フッ素塗料用材料およびそれを用いた被覆方法

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孝之 荒木
Hisato Sanemasa
久人 実政
Masahiro Kumegawa
昌浩 久米川
Noritoshi Oka
憲俊 岡
Tetsuo Shimizu
哲男 清水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フッ素ポリマーの有する優れた耐熱性、耐薬
品性、非粘着性、低摩擦性などの特性を維持し、金属、
ガラスなどの基材に対して直接強固な接着力を与える含
フッ素塗料用材料を提供する。 【解決手段】 (a−1)ヒドロキシル基、カルボキシ
ル基もしくはカルボン酸塩もしくはカルボキシルエステ
ル基またはエポキシ基のいずれかの官能基を有する含フ
ッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体0.0
5〜30モル%と(b−1)前記の官能基を有さない含
フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体70
〜99.95モル%とを共重合してなる官能基を有する
含フッ素エチレン性重合体を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属やガラスなど
の基材への含フッ素ポリマーの塗装に際し、基材に強固
に接着しうる含フッ素塗料用材料、含フッ素塗料用プラ
イマー、含フッ素塗料用水性分散体、含フッ素粉体塗料
および含フッ素塗料用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】含フッ素ポリマーはその耐化学薬品性、
耐熱性、非粘着性などの優れた特性によって金属表面へ
の被覆材料として好ましく用いられており、たとえば耐
食性の要求される化学装置のライニングや、耐食性およ
び非粘着性の要求される炊飯、調理器具の内張りなどの
用途に用いられている。しかしながら、この優れた非粘
着性に起因して金属の表面との接着性が充分ではなく、
この金属の表面との接着性の改良のためにこれまで種々
の方策が講じられている。
【0003】そのひとつに、金属の表面を化学的または
物理的に粗面処理を行なうなどして含フッ素ポリマーと
基材とのアンカー効果を期待して密着させる方法がある
が、この方法は粗面化処理自体に手間がかかりまた接着
力も初期接着は可能でも、温度変化や高温時にアンカー
効果の減衰などをおこす。
【0004】またフッ素樹脂表面を、液体アンモニアに
金属ナトリウムを溶かした溶液で処理して、その表面を
化学的に活性化する方法が提案されている。ところがこ
の方法では、処理液自体が環境汚染を引き起こす恐れが
あるとともに、その取扱いに危険が伴なうという問題点
があった。また、フッ素樹脂表面にプラズマスパッタリ
ングなどの物理化学的処理を施したり、あるいはフッ素
樹脂表面を機械的に粗面化するなどの方法も提案されて
いるが、この方法では、処理に手間がかかったりあるい
はコスト上昇を伴なったり、意匠性を損ねたりするなど
の問題点があった。
【0005】また、含フッ素塗料に接着性を改良するた
めの種々の成分の添加やプライマーの検討も行われてい
る。
【0006】たとえば含フッ素ポリマーを含む塗料組成
物にクロム酸などの無機酸を加えて金属表面に化成皮膜
をつくり、密着を高めるなどの技術がある(特公昭63
−2675号公報)。しかし、クロム酸は6価クロムを
含有することから、食品安全性、作業安全性ともに充分
とはいえない。またリン酸などの他の無機酸を使用する
場合にはフッ素樹脂塗料の安全性を損なうという問題が
あった。
【0007】前記無機酸にかえて、フッ素樹脂を含む塗
料にポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルスル
ホン、PEEKなどの耐熱性樹脂、さらにそれらに加え
て金属粉末などを添加し、プライマーとして使用するこ
とが検討されている(特開平6−264000号公
報)。そもそもフッ素ポリマーと耐熱性樹脂類は相溶性
がほとんどなく、塗膜中で相分離などを起して、プライ
マーとトップコートの間で相間剥離を起こしやすい。ま
た、フッ素樹脂と耐熱性樹脂との熱収縮率の違いや、耐
熱性樹脂の添加による塗膜伸度の低下などにより、高温
加工時や使用時などのピンホールや、ひびわれなどの塗
膜欠陥などを生じやすい。またこれら耐熱性樹脂は、焼
付けにより、褐色化がおこるため、白色や鮮やかな着
色、透明性などを求められる用途では使用困難である。
【0008】また、フッ素樹脂が本来有する非粘着性や
低摩擦性も低下させる。
【0009】また、透明性を求められるガラスなどへの
フッ素樹脂塗料の接着に際し、基板をシランカップリン
グ剤処理を行なったり、シリコーン樹脂をフッ素樹脂塗
料に添加したりして接着性の改良を試みている(特公昭
54−42366号公報、特開平5−177768号公
報など)が、耐熱性や、接着性が不充分で高温時に剥離
や発泡、着色を起こしやすい。
【0010】一方、含フッ素塗料として、ヒドロキシル
基やカルボキシル基など官能基を含むハイドロカーボン
系単量体を共重合したものが検討されているが、これら
はそもそも、耐候性を主目的として検討されたもので、
本発明の目的とする200〜350℃といった耐熱性を
必要とする用途や、非粘着性、低摩擦性などを必要とす
る用途では使用困難である。
【0011】つまり官能基を含むハイドロカーボン系
(非フッ素系)単量体を共重合したものは高温で加工時
または使用時、その単量体構成部分から熱分解が起こり
やすく、塗膜破壊、着色、発泡、剥離などが起こりフッ
素樹脂塗装の目的を達成することができないものであ
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来の問題を解決し、フッ素ポリマーの有する優れた耐
熱性、耐薬品性、非粘着性、低摩擦性などの特性を維持
し、さらに金属やガラスなどの基材に対して直接強固な
接着力を与えうる含フッ素塗料用材料およびそれを用い
た被覆方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a−1)ヒ
ドロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩も
しくはカルボキシルエステル基またはエポキシ基のいず
れかの官能基を有する含フッ素エチレン性単量体の少な
くとも1種の単量体0.05〜30モル%と(b−1)
前記の官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体の少
なくとも1種の単量体70〜99.95モル%とを共重
合してなる官能基を有する含フッ素エチレン性重合体か
らなる含フッ素塗料用材料に関する。
【0014】また本発明は、(a−2)ヒドロキシル
基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩もしくはカル
ボキシルエステル基またはエポキシ基のいずれかの官能
基を有する含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種
の単量体0.05〜30モル%と(b−2)前記の官能
基を有さない含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1
種の単量体70〜99.95モル%とを共重合してなる
官能基を有する含フッ素エチレン性重合体からなる含フ
ッ素塗料用プライマーに関する。
【0015】また本発明は、(a−3)ヒドロキシル
基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩もしくはカル
ボキシルエステル基またはエポキシ基のいずれかの官能
基を有する含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種
の単量体0.05〜30モル%と(b−3)前記の官能
基を有さない含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1
種の単量体70〜99.95モル%とを共重合してなる
官能基を有する含フッ素エチレン性重合体からなる含フ
ッ素塗料用水性分散体に関する。
【0016】また本発明は、(a−4)ヒドロキシル
基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩もしくはカル
ボキシルエステル基またはエポキシ基のいずれかの官能
基を有する含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種
の単量体0.05〜30モル%と(b−4)前記の官能
基を有さない含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1
種の単量体70〜99.95モル%とを共重合してなる
官能基を有する含フッ素エチレン性重合体からなる含フ
ッ素粉体塗料に関する。
【0017】また本発明は、前記官能基を有する含フッ
素エチレン性単量体(a−1)が、ヒドロキシル基を有
する含フッ素エチレン性単量体であることが好ましい。
【0018】また本発明は、前記官能基を有する含フッ
素エチレン性単量体(a−1)が、式(1): CX2=CX1−Rf−Y (1) (式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸
塩、カルボキシルエステル基またはエポキシ基、Xおよ
びX1は同じかまたは異なりいずれも水素原子またはフ
ッ素原子、Rfは、炭素数1〜40の2価のアルキレン
基、炭素数1〜40の含フッ素オキシアルキレン基、炭
素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素アルキレン
基または炭素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素
オキシアルキレン基を表わす)で示される少なくとも1
種の単量体であることが好ましい。
【0019】また本発明は、前記式(1)においてY
が、−CH2OHであることが好ましい。
【0020】また本発明は、前記官能基を有する含フッ
素エチレン性単量体(a−1)が、式(2): CH2=CFCF2−Rf 1−Y1 (2) [式中、Y1は−CH2OH、−COOH、カルボン酸
塩、カルボキシルエステル基またはエポキシ基、Rf 1
炭素数1〜39の2価の含フッ素アルキレン基または−
ORf 2(Rf 2は炭素数1〜39の2価の含フッ素アルキ
レン基または炭素数1〜39のエーテル結合を含む2価
の含フッ素アルキレン基)を表わす]で示される含フッ
素単量体であることが好ましい。
【0021】また本発明は、前記官能基を有さない含フ
ッ素エチレン性単量体(b−1)が、テトラフルオロエ
チレンであることが好ましい。
【0022】また本発明は、前記官能基を有さない含フ
ッ素エチレン性単量体(b−1)が、テトラフルオロエ
チレン85〜99.7モル%と式(3): CF2=CF−Rf 3 (3) [Rf 3は−CF3またはORf 4(Rf4は炭素数1〜5の
パーフルオロアルキル基)を表わす]で示される単量体
0.3〜15モル%との単量体混合物であることが好ま
しい。
【0023】また本発明は、前記官能基を有さない含フ
ッ素エチレン性単量体(b−1)が、テトラフルオロエ
チレンまたはクロロトリフルオロエチレン40〜80モ
ル%とエチレン20〜60モル%とこれらの単量体と共
重合可能な単量体0〜15モル%との単量体混合物であ
ることが好ましい。
【0024】また本発明は、(A−1)(a−5)ヒド
ロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩もし
くはカルボキシルエステル基またはエポキシ基のいずれ
かを有する含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種
の単量体0.05〜30モル%と(b−5)官能基を有
さない含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単
量体70〜99.95モル%とを共重合してなる官能基
を有する含フッ素エチレン性重合体1〜90重量%と
(B−1)側鎖に官能基を有さない含フッ素エチレン性
重合体10〜99重量%とからなる含フッ素塗料用樹脂
組成物に関する。
【0025】また本発明は、前記官能基を有する含フッ
素重合体(A−1)が、(a−5)式(1): CX2=CX1−Rf−Y (1) (式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸
塩、カルボキシルエステル基またはエポキシ基、Xおよ
びX1は同じかまたは異なりいずれも水素原子またはフ
ッ素原子、Rfは、炭素数1〜40の2価のアルキレン
基、炭素数1〜40の含フッ素オキシアルキレン基、炭
素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素アルキレン
基または炭素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素
オキシアルキレン基を表わす)で示される少なくとも1
種の官能基を有する含フッ素エチレン性単量体と(b−
5)テトラフルオロエチレンとの共重合体または前記官
能基を有する含フッ素単量体(a−5)と、(b−5)
として(a−5)を除く単量体全量に対してテトラフル
オロエチレン85〜99.7モル%と式(3): CF2=CF−Rf 3 (3) [Rf 3は−CF3またはORf 4(Rf 4は炭素数1〜5の
パーフルオロアルキル基)を表わす]で示される単量体
0.3〜15モル%との単量体混合物との共重合体のう
ちの少なくとも1種の官能基を有する含フッ素エチレン
性重合体であって、(B−1)が、ポリテトラフルオロ
エチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフル
オロ(アルキルビニルエーテル)共重合体のうちの少な
くとも1種であることが好ましい。
【0026】さらに本発明は、(A−2)(a−2)ヒ
ドロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩も
しくはカルボキシルエステル基またはエポキシ基のいず
れかを有する含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1
種の単量体0.05〜30モル%と(b−2)官能基を
有さない含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の
単量体70〜99.95モル%とを共重合してなる官能
基を有する含フッ素エチレン性重合体からなる含フッ素
塗料用プライマーからなる層を基材の表面に形成し、か
くして形成されたプライマー層の上に(B−1)側鎖に
官能基を有さない含フッ素エチレン性重合体からなる層
を形成したのち、プライマー層と側鎖に官能基を有さな
い含フッ素エチレン性重合体層とを焼成することを特徴
とする基材の表面への含フッ素重合体の被覆方法に好適
に適用できる。
【0027】さらに本発明は、前記含フッ素塗料用プラ
イマー(A−2)が、(a−2)式(1): CX2=CX1−Rf−Y (1) (式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸
塩、カルボキシルエステル基またはエポキシ基、Xおよ
びX1は同じかまたは異なり水素原子またはフッ素原
子、Rfは、炭素数1〜40の2価のアルキレン基、炭
素数1〜40の含フッ素オキシアルキレン基、炭素数1
〜40のエーテル結合を含む含フッ素アルキレン基また
は炭素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素オキシ
アルキレン基を表わす)で示される少なくとも1種の官
能基を有する含フッ素エチレン性単量体と(b−2)テ
トラフルオロエチレンとの共重合体または前記官能基を
有する含フッ素単量体(a−2)と、(b−2)として
(a−2)を除く単量体全量に対してテトラフルオロエ
チレン85〜99.7モル%と式(3): CF2=CF−Rf 3 (3) [Rf 3は−CF3またはORf 4(Rf 4は炭素数1〜5の
パーフルオロアルキル基)を表わす]で示される単量体
0.3〜15モル%との単量体混合物との共重合体のう
ちの少なくとも1種の官能基を有する含フッ素エチレン
性重合体であって、(B−2)が、ポリテトラフルオロ
エチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエ
チレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオ
ロ(アルキルビニルエーテル)共重合体のうちの少なく
とも1種であることが好ましい。
【0028】さらに本発明は、前記含フッ素重合体を被
覆する基材の表面が、金属の表面であることが好まし
い。
【0029】さらに本発明は、前記含フッ素重合体を被
覆する基材の表面が、ガラス系材料の表面である前記い
ずれかの基材の表面への被覆に好適である。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の含フッ素塗料用材料に用
いられる含フッ素重合体は、(a−1)ヒドロキシル
基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩もしくはカル
ボキシルエステル基またはエポキシ基のいずれかの官能
基を有する含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種
の単量体0.05〜30モル%と(b−1)前記の官能
基を有さない含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1
種の単量体70〜99.95モル%とを共重合してなる
官能基を有する含フッ素エチレン性重合体からなる含フ
ッ素塗料用材料である。
【0031】なお、本明細書において、塗料用材料と
は、たとえば塗料用のプライマー、水性分散体、樹脂組
成物や粉体塗料などをいう。
【0032】本発明者らは前記官能基を有する含フッ素
重合体が金属やガラス、その他の材料に対し、基材の表
面処理、プライマー層の塗布、塗料中への接着性を有す
る成分の添加などを行なわなくとも驚くべき強力な接着
性を有することを見出した。
【0033】本発明の含フッ素塗料用材料は、前記(a
−1)の官能基を有する含フッ素エチレン性単量体を用
いて、前記の官能基を有さない含フッ素エチレン性単量
体(b−1)と共重合し、含フッ素重合体に官能基を導
入することが重要であり、それによって従来、接着が不
充分または不可能であった種々の基材表面に対し直接優
れた接着性を与えうる。つまり、官能基を有する含フッ
素重合体であっても、非フッ素系の官能基含有単量体を
共重合したものに比べ耐熱性に優れており、高温(たと
えば200〜400℃など)での加工時の熱分解などが
より少なく抑えられ、大きな接着力をうることができ、
さらに着色や発泡、それによるピンホール、レベリング
不良などのない塗膜を形成することができる。また、塗
装物品を高温で使用する場合も、接着性を維持し、さら
に着色、白化、発泡、ピンホールなどの塗膜欠陥が生じ
にくい。
【0034】また、本発明の含フッ素塗料用材料に用い
る、前記の官能基を有する含フッ素重合体は、それ自
体、耐熱性だけでなく、含フッ素ポリマーがもつ耐薬品
性、非粘着性、低摩擦性、耐候性などの優れた特性を有
しており、塗装後の塗膜表面にこれら含フッ素ポリマー
の優れた特性を低下させずに与えうる。
【0035】本発明の塗料用材料に用いられる官能基を
有する含フッ素エチレン性重合体の官能基は、ヒドロキ
シル基、カルボキシル基、カルボン酸塩、カルボキシル
エステル基から選ばれるものであり、官能基の効果によ
り種々の基材との接着性を与えうるものであり、基材の
表面の種類、目的や用途により適宜選択されるが、耐熱
性の面でヒドロキシル基を有するものが最も好ましい。
【0036】本発明の塗料用材料で用いる含フッ素エチ
レン性重合体は、具体的には(a−1)式(1): CX2=CX1−Rf−Y (1) [X、X1、Rf、Yは前記式(1)と同じ]で示される
官能基を有する含フッ素エチレン性単量体0.05〜3
0モル%と(b−1)該(a−1)成分と共重合可能な
前記の官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体70
〜99.95モル%とを共重合してえられる含フッ素エ
チレン性重合体である。
【0037】官能基を有する含フッ素エチレン性単量体
(a−1)は、具体的には式(4): CF2=CF−Rf5−Y (4) [式中、Yは式(1)のYと同じ、Rf 5は炭素数1〜4
0の2価の含フッ素アルキレン基または−ORf 6(Rf 6
は炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基または
炭素数1〜40のエーテル結合を含む2価の含フッ素ア
ルキレン基)を表わす]、式(5): CF2=CFCF2−ORf 7−Y (5) [式中、Yは式(1)のYと同じ、−Rf 7は炭素数1〜
39の2価の含フッ素アルキレン基または炭素数1〜3
9のエーテル結合を含む2価の含フッ素アルキレン基を
表わす]、式(2): CH2=CFCF2−Rf1−Y1 (2) [式中、Y1は式(1)のYと同じ、−Rf 1は炭素数1
〜39の2価の含フッ素アルキレン基、または−ORf 2
(Rf 2は炭素数1〜39の2価の含フッ素アルキレン基
または炭素数1〜39のエーテル結合を含む2価のアル
キレン基)を表わす]または式(6): CH2=CH−Rf 8−Y (6) [式中、Yは式(1)のYと同じ、Rf8は炭素数1〜
40の2価の含フッ素アルキレン基]で示されるものな
どがあげられる。
【0038】式(2)および式(4)〜式(6)の官能
基含有含フッ素エチレン性単量体が、含フッ素エチレン
性単量体(b−1)との共重合性が比較的良好な点で、
また、共重合してえられた重合体の耐熱性を著しく低下
させない理由で好ましい。
【0039】これらのなかでも、他の含フッ素エチレン
性単量体との共重合性や、えられた重合体の耐熱性の面
より式(4)、式(2)の化合物が好ましく、とくに式
(2)の化合物が好ましい。
【0040】式(4)で示される官能基含有含フッ素単
量体はさらに詳しくは
【0041】
【化1】
【0042】などが例示される。式(5)で示される官
能基含有含フッ素単量体としては、
【0043】
【化2】
【0044】などが例示される。式(2)で示される官
能基含有含フッ素単量体としては、
【0045】
【化3】
【0046】などが例示される。式(6)で示される官
能基含有含フッ素単量体としては、
【0047】
【化4】
【0048】などが例示される。
【0049】その他
【0050】
【化5】
【0051】などもあげられる。
【0052】官能基を有する含フッ素エチレン性単量体
(a−1)と共重合するエチレン性単量体は、既知の単
量体より適宜選択することができるが、耐熱性、耐薬品
性、非粘着性、低摩擦性を共重合体に与えるためには、
含フッ素エチレン性単量体から選ばれる。
【0053】具体的な含フッ素エチレン性単量体として
は、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレ
ン、クロロトリフルオロエチレン、ビニリデンフルオラ
イド、フッ化ビニル、パーフルオロ(アルキルビニルエ
ーテル)類、ヘキサフルオロイソブテン、
【0054】
【化6】
【0055】(式中、XはともにH、Cl、Fから選ば
れる、nはともに1〜5までの整数)などがあげられ
る。
【0056】また、(a−1)と前記含フッ素エチレン
性単量体に加えて、耐熱性や、非粘着性を低下させない
範囲でフッ素を有さないエチレン性単量体を共重合して
もよい。その場合フッ素を有さないエチレン性単量体
は、耐熱性を低下させないためにも炭素数5以下のエチ
レン性単量体から選ばれることが好ましく、具体的には
エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテンなどが
あげられる。
【0057】本発明の塗料用材料に用いられる官能基を
有する含フッ素エチレン性重合体中の官能基の含有率
は、重合体中の単量体の全量の0.05〜30モル%で
ある。官能基の含有率は、基材の表面の種類、形状、塗
装方法、条件、目的や用途などの違いにより適宜選択さ
れるが、好ましくは0.05〜20モル%、とくに好ま
しくは0.1〜10モル%である。
【0058】官能基の含有率が0.05%未満である
と、基材の表面との接着性が充分えられにくく、温度変
化や薬品の浸透などにより剥離などを起こしやすい。ま
た、30モル%を超えると耐熱性を低下させ、高温での
焼成時または高温での使用時に、接着不良や着色、発
泡、ピンホールなどの塗膜破壊、剥離や溶出などをおこ
しやすい。
【0059】本発明の含フッ素塗料用材料に用いられる
含フッ素重合体の好ましい具体例としては、官能基を有
する含フッ素エチレン性単量体(a−1)0.05〜3
0モル%とテトラフルオロエチレン70〜99.95モ
ル%との共重合体(いわゆる官能基を有するポリテトラ
フルオロエチレン(官能基を有するPTFE))があげ
られ、単量体の全量に対して含フッ素エチレン性単量体
(a−1)を0.05〜30モル%含み、さらに該(a
−1)を除く単量体の全量に対して、テトラフルオロエ
チレン85〜99.7モル%と前記式(3): CF2=CF−Rf3 (3) [Rf 3は−CF3、ORf 4(Rf 4は炭素数1〜5のパー
フルオロアルキル基)から選ばれる]で示される単量体
0.3〜15モル%との共重合体(官能基を有するテト
ラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエ
ーテル)共重合体(官能基を有するPFA))または官
能基を有するテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体(官能基を有するFEP)、含フッ
素エチレン性単量体(a−1)を単量体の全量に対し
0.05〜30モル%含み、さらに単量体(a−1)を
除いた単量体の全量に対して、テトラフルオロエチレン
40〜80モル%、エチレン20〜60モル%、その他
の共重合可能な単量体0.15モル%との共重合体(官
能基を有するエチレン−テトラフルオロエチレン共重合
体(官能基を有するETFE))などがあげられる。
【0060】なお、ヒドロキシル基を有するエチレン−
テトラフルオロエチレン(またはクロロトリフルオロエ
チレン)共重合体に用いられるその他の共重合可能な単
量体として、ヘキサフルオロプロピレン、ヘキサフルオ
ロイソブテン、
【0061】
【化7】
【0062】(式中、XはH、ClまたはF、nは1〜
5の整数を表わす)およびパーフルオロ(アルキルビニ
ルエーテル)類などがあげられる。
【0063】これら例示の含フッ素エチレン性重合体
は、含フッ素ポリマーのなかでもとくに耐熱性、耐薬品
性、非粘着性や低摩擦性に優れている点で好ましい。ま
た前記例示の官能基を有さない含フッ素ポリマー(PT
FE、PFA、FEP、ETFE)は前述の優れた特性
をもつ反面、基材表面との接着性に関しては最も低い材
料であり、接着剤の改良や他材への被覆が求められてい
る点でもこれらの好ましいものである。
【0064】本発明の含フッ素塗料用材料に用いられる
官能基を有する含フッ素重合体は前述の官能基を有する
含フッ素エチレン性単量体(a−1)と、含フッ素エチ
レン性単量体(b−1)を周知の重合方法で共重合する
ことによってうることができる。その中でも主としてラ
ジカル共重合による方法が用いられる。すなわち重合を
開始するには、ラジカル的に進行するものであれば手段
は何ら制限されないが、たとえば有機、無機ラジカル重
合開始剤、熱、光あるいは電離放射線などによって開始
される。重合の種類も溶液重合、バルク重合、懸濁重
合、乳化重合などを用いることができる。また、分子量
は、重合に用いるモノマーの濃度、重合開始剤の濃度、
連鎖移動剤の濃度、温度によって制御される。生成する
共重合体の組成は、仕込みモノマーの組成によって制御
可能である。
【0065】本発明の含フッ素塗料用材料には含フッ素
樹脂の耐熱性や耐薬品性、非粘着性を低下させない程度
に、通常塗料組成物に使用される顔料、界面活性剤、粘
度調整剤、レベリング剤、熱安定剤などを配合すること
ができる。
【0066】本発明の含フッ素塗料用材料に用いられる
官能基を有する含フッ素エチレン性重合体は、その接着
力を利用し、金属やガラスなどの基材の表面へフッ素樹
脂コーティングする際の良好な耐熱性を有する含フッ素
塗料用プライマーとして用いることができる。
【0067】本発明の含フッ素プライマーは、(a−
2)ヒドロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン
酸塩もしくはカルボキシルエステル基またはエポキシ基
のいずれかを有する含フッ素エチレン性単量体の少なく
とも1種の単量体0.05〜30モル%と(b−2)官
能基を有さない含フッ素エチレン性単量体の少なくとも
1種の単量体70〜99.95モル%とを共重合してな
る官能基を有する含フッ素エチレン性重合体からなる。
【0068】本発明の含フッ素プライマーは、前述の含
フッ素塗料用材料と同様のものが具体的に利用でき、基
材の表面の種類や、プライマーを介して被覆する含フッ
素ポリマーの種類(トップコートの種類)などにより適
宜選択される。一般に含フッ素塗料用プライマーは、そ
の上に被覆する含フッ素ポリマーの構造と同等の構造を
有するものに官能基を含んだものが好ましい。
【0069】この組合せは、プライマーに用いられる含
フッ素重合体とその上に被覆される含フッ素ポリマーの
相溶性が良好なものであり基材の表面との接着性だけで
はなくプライマー層とトップコート層との層間接着力も
良好なものとなりうる。また、高温での使用において
も、他の樹脂成分を加えたプライマーを用いた場合のよ
うに、ポリマーの熱収縮率の違いなどによる層間剥離や
クラック、ピンホールなどを起こしにくい。また、そも
そも塗膜全体が、フッ素ポリマーで構成されるため、透
明性や鮮やかな着色を有し、意匠性を必要とする用途に
も充分対応でき、さらに塗膜の最表面に官能基を含まな
い含フッ素ポリマー層を形成するための優れた耐熱性、
耐薬品性、非粘着性、および低摩擦性をより効果的に発
揮することができる。
【0070】本発明の含フッ素塗料用プライマーは具体
的には、前述の含フッ素塗料用材料と同様なものを用い
ることができるが、基材の表面にPTFEを被覆する場
合は、請求項9、10記載の塗料用材料(官能基を有す
るPTFE、PFA、FEP)から選ばれるものをプラ
イマーとして用いるのが好ましく、とくに熱溶融性の請
求項10記載の塗料用材料(官能基を有するPFAまた
はFEP)をプライマーに用いるのが、焼成により基材
の表面に強固に熱溶融させて接着させることができより
好ましい。基材の表面にPFAやFEPを被覆する場合
は請求項10記載の塗料用材料(官能基を有するPF
A、FEP)をプライマーに用いるのが好ましい。
【0071】本発明の含フッ素塗料用材料は水性分散
体、有機溶剤分散体、粉末、粒状、オルガノゾル、オル
ガノゾルの水中エマルジョンなどの形態をとることがで
きる。そのなかでも環境上、安全上、水性分散体や、粉
末の形態をもつ塗料用水性分散体や粉体塗料が好ましく
用いられる。
【0072】本発明の含フッ素塗料用水性分散体は、
(a−3)ヒドロキシル基、カルボキシル基もしくはカ
ルボン酸塩もしくはカルボキシルエステル基またはエポ
キシ基のいずれかの官能基を有する含フッ素エチレン性
単量体の少なくとも1種の単量体0.05〜30モル%
と(b−3)前記の官能基を有さない含フッ素エチレン
性単量体の少なくとも1種の単量体70〜99.95モ
ル%とを共重合してなる官能基を有する含フッ素エチレ
ン性重合体からなるものであり、詳しくは前記重合体の
0.01〜1.0μmの微粒子が、水中に、分散された
形態のものであり、一般にその中に分散安定化のための
界面活性剤が配合されてなる組成物である。本発明の水
性分散体に耐熱性や耐薬品性、非粘着性、低摩擦性を著
しく低下させない範囲で通常使用される顔料、界面活性
剤、消泡剤、粘度調整剤、レベリング剤などの添加物を
配合することができる。
【0073】本発明の塗料用水性分散体に用いられる官
能基を有する含フッ素重合体の具体例は、前述の含フッ
素塗料用材料と同様なものがあげられる。
【0074】官能基を有するPTFE(請求項9記載の
塗料用材料)、官能基を有するPFAまたは官能基を有
するFEP(請求項10記載の塗料用材料)の水性分散
体が好ましい例示である。
【0075】本発明の含フッ素塗料用水性分散体は、種
々の方法で製造できる。具体的にはたとえば、 ・懸濁重合法などでえられた官能基を有する含フッ素重
合体の粉末を微粉砕し、それを水性分散媒中へ、界面活
性剤によって均一に分散させる方法、 ・乳化重合法により重合と同時に含フッ素水性分散体を
製造し、必要に応じてさらに界面活性剤や添加剤を配合
する方法、 などがあげられるが、生産性や品質面(小粒径化や、均
一粉径化)から、乳化重合法により直接水性分散体を製
造する方法が好ましい。
【0076】本発明の粉体塗料は、(a−4)ヒドロキ
シル基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩もしくは
カルボキシルエステル基またはエポキシ基のいずれかの
官能基を有する含フッ素エチレン性単量体の少なくとも
1種の単量体0.05〜30モル%と(b−4)前記の
官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体の少なくと
も1種の単量体70〜99.95モル%とを共重合して
なる官能基を有する含フッ素エチレン性重合体からなる
ものである。
【0077】本発明の含フッ素粉体塗料は粒径10μm
〜1000μm、見掛密度0.2〜1.2g/ccの形
状の粉末または粒状のものが好ましく用いられる。
【0078】本発明の含フッ素粉体塗料は、耐熱性など
のフッ素樹脂の性能を著しく低下させない範囲で、たと
えばカーボン粉末、酸化チタン、酸化コバルトなどの顔
料、ガラス繊維、カーボン繊維などの粉末、マイカなど
の補強剤、アミン系酸化防止剤、有機イオウ系化合物、
有機錫系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、金属石
ケンなどの熱安定剤、レベリング剤、帯電防止剤などの
添加剤を適宜配合できる。
【0079】本発明の含フッ素粉体塗料と前記添加剤と
の配合は、粉末状で混合(乾式)してもよいし、スラリ
ー状で混合(湿式)してもよいが、粉末の状態で行なう
のが好ましい。混合用機器としては、たとえばサンドミ
ル、V型ブレンダー、リボン型ブレンダーなどの通常の
混合機および粉砕機が使用しうる。
【0080】本発明の含フッ素粉体塗料の塗装は、一般
に静電吹付、流動層浸漬、回転ライニングなどの方法な
どにより行なわれたのち、焼成により良好な塗膜を形成
することができる。
【0081】一般に静電粉体塗装の場合、膜厚10〜2
000μm、回転ライニングの場合、膜厚200〜10
000μmの塗膜が形成される。
【0082】本発明の含フッ素粉末塗料に用いられる含
フッ素重合体は、前記含フッ素塗料用材料と同様なもの
が好ましく用いられ、とくに官能基を有するPTFE、
官能基を有するPFA、官能基を有するFEP、官能基
を有するETFEそれぞれの塗料用材料(請求項9、1
0または11記載の塗料用材料)からなる含フッ素粉体
塗料が好ましい具体例である。
【0083】本発明の含フッ素塗料用材料は、側鎖に官
能基を含まない含フッ素重合体と混合し、含フッ素塗料
用樹脂組成物とすることができ、えられた組成物を塗布
することによって種々の基材の表面に良好な接着力を有
する塗膜をうることができる。
【0084】本発明の含フッ素樹脂組成物は、(A−
1)(a−5)ヒドロキシル基、カルボキシル基もしく
はカルボン酸塩もしくはカルボキシルエステル基または
エポキシ基のいずれかの官能基を有する含フッ素エチレ
ン性単量体の少なくとも1種の単量体0.05〜30モ
ル%と(b−5)前記の官能基を含まない含フッ素エチ
レン性単量体の少なくとも1種の単量体70〜99.9
5モル%とを共重合してなる官能基を有する含フッ素エ
チレン性重合体1〜99重量%と(B−1)側鎖に官能
基を含まない含フッ素エチレン性重合体10〜99重量
%とからなる含フッ素塗料用樹脂組成物である。
【0085】そのなかでも好ましい具体例は、官能基を
有する含フッ素エチレン性重合体(A−1)が、(a−
5)式(1): CX2=CX1−Rf−Y (1) (式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸
塩、カルボキシルエステル基またはエポキシ基、Xおよ
びX1は同じかまたは異なりいずれも水素原子またはフ
ッ素原子、Rfは、炭素数1〜40の2価のアルキレン
基、炭素数1〜40の含フッ素オキシアルキレン基、炭
素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素アルキレン
基または炭素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素
オキシアルキレン基を表わす)で示される少なくとも1
種の官能基を有する含フッ素エチレン性単量体と(b−
5)テトラフルオロエチレンとの共重合体、または前記
官能基を有する含フッ素単量体(a−5)と、(b−
5)として(a−5)を除く単量体に対しテトラフルオ
ロエチレン85〜99.7モル%と式(3): CF2=CF−Rf 3 (3) [Rf 3は−CF3またはORf 4(Rf 4は炭素数1〜5の
パーフルオロアルキル基)を表わす]で示される単量体
0.3〜15モル%の単量体混合物との共重合体のうち
の少なくとも1種の官能基を有する含フッ素エチレン性
重合体であって、(B−1)が、ポリテトラフルオロエ
チレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチ
レン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
(アルキルビニルエーテル)共重合体のうちの少なくと
も1種である含フッ素塗料用樹脂組成物であり、この組
成物は(A−1)と(B−1)の互いの相溶性も良好な
組合せでもあり、塗布により基材表面に良好な接着性を
与えるとともに、用途に応じて透明性の高い塗膜、鮮や
かな着色を有する塗膜をうることができる。
【0086】また、フッ素樹脂本来の耐熱性、耐薬品
性、非粘着性、低摩擦性などの特性を効果的に発揮しや
すい。
【0087】本発明の含フッ素塗料用樹脂組成物は前記
と同様に、水性分散体、有機溶剤分散体、粉末、粉状、
オルガノゾル、オルガノゾルの水性エマルジョンなどの
形態をとることができる。
【0088】さらに含フッ素ポリマーの性能を著しく低
下させない範囲で塗料組成物に通常使用される顔料、界
面活性剤、粘度調整剤、レベリング剤、熱安定剤などを
配合できる。
【0089】本発明の塗料用樹脂組成物は、(A−2)
(a−2)ヒドロキシル基、カルボキシル基もしくはカ
ルボン酸塩もしくはカルボキシルエステル基またはエポ
キシ基のいずれかの官能基を有する含フッ素エチレン性
単量体の少なくとも1種の単量体0.05〜30モル%
と(b−2)前記の官能基を有さない含フッ素エチレン
性単量体の少なくとも1種の単量体70〜99.95モ
ル%とを共重合してなる官能基を有する含フッ素エチレ
ン性重合体からなる含フッ素塗料用プライマーからなる
層を基材の表面に形成し、かくして形成されたプライマ
ー層の上に(B−1)側鎖に官能基を有さない含フッ素
エチレン性重合体からなる層を形成し、プライマー層と
側鎖に官能基を有さない含フッ素エチレン性重合体層と
を焼成することを特徴とする基材の表面への含フッ素重
合体の被覆方法に好適に適用される。
【0090】含フッ素重合体の被覆方法は、 (第1工程)請求項2記載の官能基を有する含フッ素重
合体からなる含フッ素塗料用プライマーを基材の表面に
塗布する工程、 (第2工程)第1工程で形成されたプライマー層上に、
官能基を有さない含フッ素重合体からなる含フッ素塗料
を塗布する工程、 (第3工程)第1工程と第2工程でえられた積層体を焼
成する工程 の大きく3つの工程からなる含フッ素重合体の被覆方法
である。さらに第1工程で塗布されたプライマー層は、
80〜150℃、5〜30分間程度かけて、指触乾燥
し、つぎの第2工程に進め(2コート1ベーク)てもよ
いし、プライマー層をたとえば溶融温度以上の高温で焼
成したのち、第2工程に進め(2コート2ベーク)ても
よい。
【0091】第1工程においてプライマーの塗布方法
は、プライマーの形態に応じて適宜選択され、たとえば
含フッ素プライマーが水性分散体の形態の場合、スプレ
ーコーティング、スピンコーティング、はけ塗り、ディ
ッピングなどの方法が用いられる。また、粉体塗料の形
態の場合は静電塗装法、流動浸漬法、回転ライニング法
などの方法が用いられる。
【0092】プライマー層の厚さは、目的、用途、基材
の表面の種類、塗装の形態により異なってよいが、1〜
50μm、好ましくは2〜20μmである。このように
プライマーは一般に低膜厚であるため、プライマーは水
性分散体の形態としスプレー塗装などにより塗布するこ
とが好ましい。
【0093】第2工程のプライマー層上への官能基を含
まない含フッ素重合体からなる塗料の塗装方法は、含フ
ッ素重合体の種類や塗料の形態、目的や用途により適宜
選択され、たとえば水性分散体や有機溶剤分散体などの
場合、一般にスプレー塗料、はけ塗り、ロールコート、
スピンコーティングなどが通常行なわれ、粉体塗料の場
合は静電塗装、流動浸漬法、回転ライニング法などの方
法で塗装される。
【0094】この工程での含フッ素重合体の塗装塗膜
は、目的や用途、塗装方法により全く異なるが、一般に
スプレー塗装などによる5〜50μm、好ましくは10
〜30μm程度であり、粉体塗料を用いた厚膜化を目標
とする場合、静電塗装法で20μm〜2000μm、回
転ライニング法により0.3〜10mmの膜厚の被覆が
可能である。
【0095】第3工程の焼成条件は、プライマー層、そ
の上のトップ層の含フッ素重合体の種類(組成、融点な
ど)により適宜選択されるが、一般に両者の含フッ素重
合体の融点以上の温度で焼成される。焼成時間は、焼成
温度により異なるが5分〜3時間、好ましくは10〜3
0分程度である。たとえばPTFE、PFA、FEPな
どを被覆する場合は、300〜400℃、好ましくは3
20〜400℃で焼成される。
【0096】含フッ素重合体の被覆方法は、前記官能基
を有する含フッ素重合体をプライマー層に用いることが
重要であり、それによって接着が困難であった種々の基
材の表面に含フッ素ポリマーを被覆することが可能とな
る。またとくにプライマー層に用いる官能基を含む含フ
ッ素重合体は、トップ層に用いる含フッ素重合体と同種
の組成に官能基を導入したものが好ましい。
【0097】たとえば、PTFE、PFA、FEPなど
は、含フッ素ポリマーの中でも最も耐熱性、耐薬品性、
非粘着性、低摩擦性に優れ、種々の基材の表面に被覆す
ることが求められている。これらのフッ素樹脂を被覆す
る場合は、官能基を有するPTFE、官能基を有するP
FA、官能基を有するFEPのなかから選ばれる少なく
とも1種の重合体からなるプライマーを用いることが好
ましい。
【0098】これらの被覆方法により種々の基材の表面
たとえば、鉄、アルミニウム、銅、すず、亜鉛などおよ
びステンレスや真ちゅう、アルミニウム合金などの金属
系材料やガラス、陶器、コンクリート、シリコン類など
の無機系材料、繊維、紙、木材、皮革、合成樹脂(とく
にポリアミド、PEEKなどの耐熱樹脂、耐熱エンプラ
など)合成ゴムなどの有機材料などに含フッ素ポリマー
を被覆することができる。
【0099】かかる被覆方法において、含フッ素プライ
マーと基材の表面との接着性をさらに向上させるため
に、基材の表面にサンドブラスト、ショットブラスト、
グリットブラスト、ホーニング、ペーパースクラッチ、
ワイヤースクラッチ、ヘアーライン処理、化学処理、メ
ッキ処理、電気化学的処理、化学エッチングなどの表面
処理を行なってもよい。
【0100】
【実施例】つぎに、本発明を参考例、実施例に基づいて
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらにのみ限定
されるものではない。
【0101】参考例1 (ヒドロキシル基を有するPFAからなる水性分散体の
製造)撹拌機、バルブ、圧力ゲージ、温度計を備えた3
リットルガラスライニング製オートクレーブに純水15
00ml、パーフルオロオクタン酸アンモニウム9.0
gを入れ、窒素ガスで充分置換したのち、真空にし、エ
タンガス20mlを仕込んだ。
【0102】ついで、パーフルオロ−(1,1,9,9
−テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−
3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式(7))
【0103】
【化8】
【0104】の3.8g、パーフルオロ(プロピルビニ
ルエーテル)(PPVE)18g、を窒素ガスを用いて
圧入し、系内の温度を70℃に保った。
【0105】撹拌を行ないながらテトラフルオロエチレ
ンガス(TFE)を内圧が8.5kgf/cm2Gとな
るように圧入した。
【0106】ついで、過硫酸アンモニウム0.15gを
水5.0gに溶かした溶液を窒素を用いて圧入して反応
を開始した。
【0107】重合反応の進行に伴って圧力が低下するの
で、7.5kgf/cm2Gまで低下した時点でテトラ
フルオロエチレンガスで8.5kgf/cm2まで再加
圧し、降圧、昇圧を繰り返した。
【0108】テトラフルオロエチレンの供給を続けなが
ら、重合開始からテトラフルオロエチレンガスが約40
g消費されるごとに、前記のヒドロキシ基を有する含フ
ッ素エチレン性単量体(前記式(7)で示される化合
物)の1.9gを計3回(計5.7g)圧入して重合を
継続し、重合開始よりテトラフルオロエチレンが約16
0g消費された時点で供給を止めオートクレーブを冷却
し、未反応モノマーを放出し、青みかかった半透明の水
性分散体1702gをえた。
【0109】えられた水性分散体中のポリマーの濃度は
10.9%、動的光散乱法で測定した粒子径は70.7
nmであった。
【0110】また、えられた水性分散体の一部をとり凍
結凝析を行ない、析出したポリマーを洗浄、乾燥し白色
固体を単離した。えられた共重合体の組成は、19F−N
MR分析、IR分析により、TFE/PPVE/(式
(7)で示されるヒドロキシル基を有する含フッ素エチ
レン性単量体)=97.7/1.2/1.1モル%であ
った。
【0111】また赤外スペクトルは3620〜3400
cm-1に−OHの特性吸収が観測された。
【0112】DSC分析により、Tm=310℃、DT
GA分析により1%熱分解温度Td=368℃であっ
た。高化式フローテスターを用いて2mm、長さ8mm
のノズルを用い、372℃で予熱5分間、荷重7kgf
/cm2でメルトフローレートを測定したところ12.
0g/10minであった。
【0113】参考例2 (ヒドロキシル基を有するPFAからなる水性分散体の
製造)参考例1と同じオートクレーブに純水1500m
l、パーフルオロオクタン酸アンモニウム9.0gを入
れ、窒素ガスで充分置換したのち真空にし、エタンガス
20mlを仕込んだ。
【0114】ついで、パーフルオロ−(1,1,9,9
−テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−
3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式(7)の化合
物)1.9g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル
(PPVE)16.1gを窒素ガスを用いて圧入し系内
の温度を70℃に保った。
【0115】撹拌を行いながらテトラフルオロエチレン
(TFE)を内圧8.5kgf/cm2Gとなるように
圧入した。
【0116】ついで、過硫酸アンモニウム0.15gを
水5.0gに溶かした溶液を窒素を用いて圧入して反応
を開始した。
【0117】重合反応の進行に伴って圧力が低下するの
で、7.5kgf/cm2Gまで低下した時点で、テト
ラフルオロエチレンガスで8.5kgf/cm2Gまで
再加圧し、降圧、昇圧を繰り返した。
【0118】テトラフルオロエチレンの供給を続けなが
ら重合開始からテトラフルオロエチレンガスが40g消
費されるごとに、前記のヒドロキシル基を有する含フッ
素エチレン性単量体(式(7)で示される化合物)の
0.95gを計3回(計2.85g)を圧入して重合を
継続し、重合開始よりテトラフルオロエチレンが160
g消費された時点で供給を止めオートクレーブを冷却
し、未反応モノマーを放出した。水性分散体1692g
をえた。えられた水性分散体中のポリマーの濃度は1
0.6%、粒子径は76.8nmであった。
【0119】参考例1と同様にして、水性分散体の一部
をとり白色固体を単離した。
【0120】同様にしてえられた白色固体を分析したと
ころ、 TFE/PPVE/(式(7)のヒドロキシル基を有す
る含フッ素単量体)=98.3/1.1/0.6モル% Tm=310℃ 1%熱分解温度Td=374℃ メルトフローレート:9.5g/10min なお、赤外スペクトルは3620〜3400cm-1に−
OHの特性吸収が観測された。
【0121】参考例3 (官能基を有さないPFAの水性分散体の合成)参考例
1において、パーフルオロ−(1、1、9、9−テトラ
ハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−
ジオキサ−8−ノネノール)(式(7)で示される化合
物)を用いなかったこと以外は、参考例1と同様にして
乳化重合を行い、官能基を含まないPFAの水性分散体
1662gをえた。
【0122】水性分散対中のポリマーの濃度は9.7
%、粒子径は115nmであった。
【0123】参考例1と同様に白色固体を単離し、分析
した。 TFE/PPVE=98.9/1.1mol% Tm=310℃ 1%熱分解温度Td=479℃ メルトフローレート=19.2g/10min なお赤外スペクトルでは−OHの特性吸収は観測されな
かった。
【0124】参考例4 (ヒドロキシル基を有するPFAの合成)撹拌機、バル
ブ、圧力ゲージ、温度計を備えた6リットルのガラスラ
イニング製オートクレーブに純水1500mlを入れ、
窒素ガスで充分置換したのち、真空にし、1,2−ジク
ロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R−1
14)1500gを仕込んだ。
【0125】ついで、パーフルオロ−(1,1,9,9
−テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−
3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式7で示される
化合物)の5.0g、パーフルオロ(プロピルビニルエ
ーテル)(PPVE)130g、メタノール180gを
窒素ガスを用いて圧入し、系内の温度を35℃に保っ
た。
【0126】撹拌を行ないながらテトラフルオロエチレ
ンガス(TFE)を内圧が8.0kgf/cm2Gとな
るように圧入した。ついで、ジ−n−プロピルパーオキ
シジカーボネートの50%メタノール溶液0.5gを窒
素を用いて圧入して反応を開始した。
【0127】重合反応の進行に伴って圧力が低下するの
で、7.5kgf/cm2Gまで低下した時点でテトラ
フルオロエチレンガスで8.0kgf/cm2まで再加
圧し、降圧、昇圧を繰り返した。
【0128】テトラフルオロエチレンの供給を続けなが
ら、重合開始からテトラフルオロエチレンガスが約60
g消費されるごとに、前記のヒドロキシ基を有する含フ
ッ素エチレン性単量体(前記式(7)で示される化合
物)の2.5gを計9回(計22.5g)圧入して重合
を継続し、重合開始よりテトラフルオロエチレンが約6
00g消費された時点で供給を止めオートクレーブを冷
却し、未反応モノマーおよびR−114を放出した。
【0129】えられた共重合体を水洗、メタノール洗浄
を行なったのち、真空乾燥することにより710gの白
色固体をえた。えられた共重合体の組成は19F−NMR
分析、IR分析によりTFE/PPVE/(式(7)で
示されるヒドロキシ基を有する含フッ素エチレン性単量
体)=97.0/2.0/1.0モル%であった。ま
た、赤外スペクトルは3620〜3400cm-1に−O
Hの特性吸収が観測された。DSC分析によりTm=3
05℃、DTGA分析により1%熱分解温度Td=37
5℃であった。高化式フローテスターを用いて直径2m
m、長さ8mmのノズルを用い、372℃で予熱5分
間、荷重7kgf/cm2でメルトフローレートを測定
したところ32g/10minであった。
【0130】参考例5 (官能基を含まないPFAの合成)参考例1において、
パーフルオロ(1,1,9,9−テトラハイドロ−2,
5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−
ノネノール)(式(7)で示される化合物)を用いない
こと、さらにメタノールを240g使用すること以外
は、参考例1と同様にして合成を行ない、官能基を含ま
ないPFA597gをえた。
【0131】参考例1と同様にして、えられたPFAを
分析したところ TFE/PPVE=98.2/1.8モル% Tm=310℃ Td=469℃(1%重量減) メルトフローレート=24g/10min であった。
【0132】参考例6 (ヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料の作製)参考
例4でえたヒドロキシル基を有するPFA粉末(見掛比
重0.5、真比重2.1、平均粒径600ミクロン)を
ローラーコンパクター(新東工業(株)製BCS−25
型)で幅60mm、厚さ5mmにシート状に圧縮した。
つぎに解砕機で約10mm径に解砕し、さらに粉砕機
(奈良機械製作所製コスモマイザーN−1型)を用い
て、室温で11000rpmで微粉砕した。つぎに分級
機(新東京機械(株)製ハイボルダー300SD型)で
170メッシュ(88ミクロン目開き)以上の粗粉子を
取り除き、ヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料をえ
た。その粉末の見掛密度は0.7g/ml、平均粒径2
0μmであった。
【0133】参考例7 (官能基を含まないPFA粉体塗料の作製)参考例4で
えたヒドロキシル基を有するPFA粉末にかえて参考例
5でえた官能基を含まないPFA粉末(見掛比重0.
6、真比重2.1、平均粒径400ミクロン)を用いた
以外は参考例6と同様にしてPFA粉体塗料を作成し
た。その粉末の見掛密度は0.73g/ml、平均粒径
20μmであった。
【0134】参考例8 (フッ素を有さない官能基含有単量体を用いた、含フッ
素重合体の合成)撹拌機、バルブ、圧力ゲージ、温度計
を備えた1リットルのステンレス製オートクレーブに、
酢酸ブチル250g、ピバリン酸ビニル(VPi)3
6.4g、フッ素を有さないヒドロキシル基含有単量体
として、4−ヒドロキシルブチルビニルエーテル(HB
VE)32.5g、イソプロポキシカルボニルパーオキ
サイド4.0gを仕込み、0℃に氷冷し、窒素ガスで充
填置換したのち真空にし、イソブチレン(IB)47.
5gとテトラフルオロエチレン(TFE)142gを仕
込んだ。
【0135】撹拌を行いながら40℃に加熱し、30時
間反応させ、反応容器内圧力が2.0kg/cm2以下
に下がった時点で反応を停止した。オートクレーブを冷
却し、未反応のガスモノマーを放出したところ、含フッ
素共重合体の酢酸ブチル溶液がえられた。ポリマー濃度
は45%であった。
【0136】えられた、含フッ素共重合体の酢酸ブチル
溶液から、再沈法により含フッ素共重合体を取り出し、
充分減圧乾燥させることにより単離した。1H−NM
R、19F−NMR元素分析によりえられた含フッ素共重
合体を分析したところ、TFE/IB/VPi/HBV
E=44/34/15/7モルからなる共重合体であっ
た。
【0137】参考例9 (メチルエステル基を有するPFAの合成)撹拌機、バ
ルブ、圧力ゲージ、温度計を備えた6リットルのガラス
ライニング製オートクレーブに純水1500mlを入
れ、窒素ガスで充分置換したのち、真空にし、1,2−
ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R
−114)1500gを仕込んだ。
【0138】ついで、パーフルオロ−(9,9−ジハイ
ドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオ
キサ−8−ノネン酸)メチル(式8)
【0139】
【化9】
【0140】の2.7g、パーフルオロ(プロピルビニ
ルエーテル)(PPVE)130g、メタノール220
gを窒素ガスを用いて圧入し、系内の温度を35℃に保
った。
【0141】撹拌を行ないながらテトラフルオロエチレ
ンガス(TFE)を内圧が8.0kgf/cm2Gとな
るように圧入した。
【0142】ついで、ジ−n−プロピルパーオキシジカ
ーボネートの50%メタノール溶液0.5gを窒素を用
いて圧入して反応を開始した。
【0143】重合反応の進行に伴って圧力が低下するの
で、7.5kgf/cm2Gまで低下した時点でテトラ
フルオロエチレンガスで8.0kgf/cm2まで再加
圧し、降圧、昇圧を繰り返した。
【0144】テトラフルオロエチレンの供給を続けなが
ら、重合開始からテトラフルオロエチレンガスが約60
g消費されるごとに、前記のヒドロキシ基を有する含フ
ッ素エチレン性単量体(前記式(7)で示される化合
物)の2.7gを計9回(計24.3g)圧入して重合
を継続し、重合開始よりテトラフルオロエチレンが約6
00g消費された時点で供給を止めオートクレーブを冷
却し、未反応モノマーおよびR−114を放出した。
【0145】えられた共重合体を水洗、メタノール洗浄
を行なったのち、真空乾燥することにより710gの白
色固体をえた。えられた共重合体の組成は19F−NMR
分析、IR分析により、TFE/PPVE/(式(8)
で示されるメチルエステル基を有する含フッ素エチレン
性単量体)=97.8/1.0/1.2モル%であっ
た。また、赤外スペクトルは1795cm-1に−COO
Meの特性吸収が観測された。DSC分析によりTm=
308℃、DTGA分析により1%熱分解温度Td=3
76℃であった。高化式フローテスターを用いて2m
m、長さ8mmのノズルを用い、372℃で予熱5分
間、荷重7kgf/cm2でメルトフローレートを測定
したところ29g/10minであった。
【0146】参考例10 (カルボキシル基を有するPFAの合成)参考例9でえ
たメチルエステル基を有するPFAの白色粉末10g
を、NaOH40gをメタノール600ml、水200
ml混合溶剤に溶かしたものに加え、70〜75℃で5
時間撹拌した。
【0147】冷却後、2N−HCl水を溶液のpHが2
となるまで加え、3時間撹拌した。
【0148】白色粉末をとり出し、水洗、メタノール洗
浄を行い、100℃で乾燥した。
【0149】IR分析よりカルボキシル基のカルボニル
基の吸収が1700cm-1に、OH基の吸収が3200
〜3700cm-1に新たに観測された。DSC分解によ
りTm=308℃、DTGA分析により1%熱分解温度
335℃であった。
【0150】参考例11 (メチルエステル基を有するPFA粉体の塗料の作製)
参考例4でえたヒドロキシル基を有するPFA粉末にか
えて参考例9でえたメチルエステル基を有するPFA粉
末(見掛比重0.5、真比重2.1、平均粒径650ミ
クロン)を用いた以外は参考例6と同様にしてメチルエ
ステル基を有する粉末塗料(見掛密度0.71g/l、
平均粒径20μm)をえた。
【0151】参考例12 (カルボキシル基を有するPFA粉体塗料の作製)参考
例4でえたヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料にか
えて参考例10でえたカルボキシル基を有するPFA粉
末(見掛比重0.52、真比重2.1、平均粒径670
ミクロン)を用いた以外は参考例6と同様にしてカルボ
キシル基を有する粉体塗料(見掛密度0.73g/l平
均粒径22μm)をえた。
【0152】実施例1 (1)基材の前処理 厚さ1.5mmの純アルミニウム板(A1050P)お
よび厚さ1.5mmのSUS304を用い、それぞれア
セトンにより脱脂を行なった。
【0153】(2)官能基を有する含フッ素重合体から
なるプライマー層の形成 参考例1および参考例2でえたヒドロキシル基を有する
PFAからなる水性分散体を用いて、エアスプレーで、
膜厚が約5μmになるように塗装し、90℃で10分間
赤外乾燥したのち、380℃で20分間焼成した。
【0154】(3)官能基を有さない含フッ素重合体か
らなる層(トップ層)の形成 (2)でえたプイラマー層の上に官能基を有さない含フ
ッ素重合体からなる塗料として、PTFEからなる水性
塗料(ダイキン工業(株)製 ポリフロン TFEエナ
メルEK4300CRN)をエアスプレーにて膜厚が約
20μmになるように塗装し、90℃で10分間赤外乾
燥したのち380℃で20分間焼成した。
【0155】(4)接着性の評価 評価方法は、つぎのとおりである。
【0156】(碁盤目試験)コーティング面にJIS
K 5400 1990,8.5.2に規定された碁盤
目100ますを作成し、この面にセロテープ(ニチバン
(株))を充分に密着させ、ただちに引き剥がす。新し
いセロテープでこの引き剥がしを10回行ない、100
ます中何ますが残存しているかを評価する。結果を表1
に示した。
【0157】実施例2 官能基を有する含フッ素重合体からなるプライマーを、
参考例2でえたヒドロキシル基を有するPFAからなる
水性分散体を用いてプライマー層を形成したこと以外
は、実施例1と同様にして塗板を作製し、接着性の評価
を行なった。結果を表1に示す。
【0158】比較例1 官能基を有する含フッ素重合体からなるプライマーに代
えて、参考例3でえた官能基を有さないPFAからなる
水性分散体を用いてプライマー層を形成させたこと以外
は、実施例1と同様にして塗板を作製し、接着性の評価
を行なった。結果を表1に示す。
【0159】実施例3、4および比較例2 官能基を有さない含フッ素重合体からなる塗料としてF
EPからなる水性塗料(ダイキン工業(株)製 ネオフ
ロンFEPディスパージョン ND−1)を用いてトッ
プ層を形成したこと以外は、実施例3は実施例1と、実
施例4は実施例2と、比較例2は比較例1とそれぞれ同
様にして塗板を作製し、接着性の評価を行なった。結果
を表1に示す。
【0160】実施例5 (1)基材の前処理 実施例1と同様にして行なった。
【0161】(2)官能基を有する含フッ素重合体から
なるプライマー層の形成 参考例1でえたヒドロキシル基を有するPFAからなる
水性分散体をエアスプレーで膜厚が約5μmになるよう
に塗装し、90℃で10分間赤外乾燥した。
【0162】(3)官能基を有さない含フッ素重合体か
らなる層(トップ層)の形成 前記(2)でえたプイラマー層の上に官能基を有さない
含フッ素重合体からなる塗料として、PFAの粉体塗料
(ダイキン工業(株)製 ネオフロンPFA粉体塗料
ACX−3)を用い静電塗装により、膜厚が40μmと
なるように塗装し、380℃で20分間焼成した。
【0163】(4)接着性の評価 実施例1と同様にして行なった。
【0164】結果を表1に示す。
【0165】実施例6 官能基を有する含フッ素重合体からなるプライマーを、
参考例2でえたヒドロキシル基を有するPFAからなる
水性分散体を用いてプライマー層を形成したこと以外
は、実施例5と同様にして塗板を作製し、接着性の評価
を行なった。結果を表1に示す。
【0166】比較例3 官能基を有する含フッ素重合体からなるプライマーに代
えて、参考例3でえた官能基を有さないPFAからなる
水性分散体を用いてプライマー層を形成させたこと以外
は、実施例5と同様にして塗板を作製し、接着性の評価
を行なった。結果を表1に示す。
【0167】実施例7 (ヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料の接着性評
価) (1)接着試験用のプレスシートの作成 参考例6でえたヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料
約4gを直径60mmの円筒型金型に入れ、プレス機を
用い室温にて300kgf/cm2の圧力で圧縮成形
し、円盤型のコールドプレスシートをえた。
【0168】(2)基板の前処理 100×100×1(mm)の純アルミニウム板をアセ
トンで脱脂した後サンドブラスト処理を行なった。
【0169】(3)接着サンプル作成 上記(1)でえた試験用プラスシートをアルミニウム板
(上記(2))の上に置き、熱風乾燥機に入れ、330
℃10分間加熱溶融させた。膜厚約450μmのシート
がアルミニウム板に接着したサンプルがえられた。
【0170】(4)接着強度の測定 図1に示すように、アルミ板2上の接着サンプルのPF
Aシート1に幅10mの間隔でカッターで切れ目を入
れ、各短冊状のシートの一方の端をめくり、図2に示す
ようにアルミ板2に対しPFAシート1を90°の角度
で引っぱり、剥離強度を測定した。テンシロン万能試験
機(オリエンテック(株)製)を用い、室温下、クロス
ヘッドスピード50mm/minで測定したところ、面
積法による平均剥離荷重で5.5kgf/cmの接着強
度を示した。
【0171】比較例4 (官能基を含まないPFA粉体塗料の接着性評価)参考
例6でえたヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料にか
えて参考例7でえた官能基を含まないPFA粉体塗料を
用いた以外は実施例7と同様にして接着試験用プレスシ
ートの作製、基材の前処理、接着サンプル作製を行ない
接着強度の測定を行なった。
【0172】官能基を含まないPFA粉体塗料の接着強
度は、0.8kgf/cmであった。
【0173】実施例8 (ヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料の静電塗装)
実施例7と同様に前処理したアルミ板に、参考例6で
えたヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料を、静電粉
体塗装機(岩田塗装(株)製GX3300型)を用い、
室温で印加電圧40kVで静電塗装した。塗装板を33
0℃15分間熱風乾燥機にて焼成し塗装膜をえた。
【0174】塗膜は、透明で均一な連続膜であって、基
剤のアルミ板とも強固に密着した。
【0175】比較例5 (フッ素を有さない官能基含有単量体を用いた含フッ素
重合体の耐熱性)参考例8でえられた含フッ素共重合体
の熱分解温度をTGA分析により測定したところ1%熱
分解温度で220℃であった。参考例8でえたようなフ
ッ素を有さない官能基含有単量体を用いた含フッ素共重
合体は耐熱性が低いことがわかった。
【0176】さらに参考例8でえられた含フッ素共重合
体を酢酸ブチルに10重量%の濃度に溶解させた。
【0177】つぎに実施例5において、プライマー層に
用いたヒドロキシル基を有するPFAの水性分散体にか
えて、上記参考例8の含フッ素共重合体の酢酸ブチル溶
液を用いた以外は実施例5と同様、純アルミ基材に基材
の前処理、参考例8の含フッ素共重合体を用いたプライ
マー層の塗布、トップ層の塗布(PFA粉体塗料の静電
塗装)を行なった。
【0178】塗布後380℃、20分間焼成によってえ
た塗膜は黄褐色に着色し、発泡、剥離も見られ、均一な
透明被膜はえられなかった。
【0179】
【表1】
【0180】
【発明の効果】本発明の含フッ素塗料用材料を用いるこ
とによって、種々の基材の表面、種々の形状物に対し
て、優れた接着性を有する被覆物をうることができ、基
材に含フッ素ポリマーの優れた耐熱性、耐薬品性、非粘
着性や低摩擦性、その他電気、光学特性などを付与する
ことができ、種々の用途への展開ができる。
【0181】本発明の含フッ素塗料用材料を被覆するこ
とによって、たとえばアルミニウムや鉄、合金類などの
金属表面に対しては、耐食性、防錆性、耐薬品性、耐候
性、非粘着性、摺動性を与えることができ、建材、化学
プラント、食品加工、調理機器、自動車関連部品、OA
関連部品など種々の用途への展開が可能である。
【0182】銅系金属の表面に対しては、フッ素樹脂の
優れた電気特性(とくに高周波電気絶縁性)を与え、高
周波用プリント基板、電気電子部品などの電気電子関連
用への展開が可能である。
【0183】ガラス系材料に対しては、透明性を失わ
ず、さらにガラス系材料の表面に、撥水性、撥油性、反
射防止性、低屈折率性などを与え、光学関連部品、液晶
関連部品、建材用ガラス、自動車用ガラスなどに用いる
ことができる。また、ガラスの破損防止の役割もはた
し、照明関連機器建材用防爆ガラスなどに用いることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において接着強度を測定するた
めに作製した接着サンプルを説明するための概略平面図
である。
【図2】本発明の実施例における接着強度の測定に用い
た測定具の概略斜視図である。
【符号の説明】
1 PFAシート 2 アルミ板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 127/18 C09D 127/18 157/10 157/10 (72)発明者 久米川 昌浩 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 岡 憲俊 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 清水 哲男 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 Fターム(参考) 4J038 CD091 CD121 GA02 GA06 GA07 GA16 MA08 MA10 NA12 PA02 PC02 PC04

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a−1)ヒドロキシル基、カルボキシ
    ル基もしくはカルボン酸塩もしくはカルボキシルエステ
    ル基またはエポキシ基のいずれかの官能基を有する含フ
    ッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体0.0
    5〜30モル%と(b−1)前記の官能基を有さない含
    フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体70
    〜99.95モル%とを共重合してなる官能基を有する
    含フッ素エチレン性重合体からなる含フッ素塗料用材
    料。
  2. 【請求項2】 (a−2)ヒドロキシル基、カルボキシ
    ル基もしくはカルボン酸塩もしくはカルボキシルエステ
    ル基またはエポキシ基のいずれかの官能基を有する含フ
    ッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体0.0
    5〜30モル%と(b−2)前記の官能基を有さない含
    フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体70
    〜99.95モル%とを共重合してなる官能基を有する
    含フッ素エチレン性重合体からなる含フッ素塗料用プラ
    イマー。
  3. 【請求項3】 (a−3)ヒドロキシル基、カルボキシ
    ル基もしくはカルボン酸塩もしくはカルボキシルエステ
    ル基またはエポキシ基のいずれかの官能基を有する含フ
    ッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体0.0
    5〜30モル%と(b−3)前記の官能基を有さない含
    フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体70
    〜99.95モル%とを共重合してなる官能基を有する
    含フッ素エチレン性重合体からなる含フッ素塗料用水性
    分散体。
  4. 【請求項4】 (a−4)ヒドロキシル基、カルボキシ
    ル基もしくはカルボン酸塩もしくはカルボキシルエステ
    ル基またはエポキシ基のいずれかの官能基を有する含フ
    ッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体0.0
    5〜30モル%と(b−4)前記の官能基を有さない含
    フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体70
    〜99.95モル%とを共重合してなる官能基を有する
    含フッ素エチレン性重合体からなる含フッ素粉体塗料。
  5. 【請求項5】 官能基を有する含フッ素エチレン性単量
    体(a−1)が、ヒドロキシル基を有する含フッ素エチ
    レン性単量体である請求項1〜4のいずれかに記載の含
    フッ素塗料用材料。
  6. 【請求項6】 官能基を有する含フッ素エチレン性単量
    体(a−1)が、式(1): CX2=CX1−Rf−Y (1) (式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸
    塩、カルボキシルエステル基またはエポキシ基、Xおよ
    びX1は同じかまたは異なりいずれも水素原子またはフ
    ッ素原子、Rfは、炭素数1〜40の2価のアルキレン
    基、炭素数1〜40の含フッ素オキシアルキレン基、炭
    素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素アルキレン
    基または炭素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素
    オキシアルキレン基を表わす)で示される少なくとも1
    種の単量体である請求項1〜4のいずれかに記載の含フ
    ッ素塗料用材料。
  7. 【請求項7】 式(1)においてYが、−CH2OHで
    ある請求項6記載の含フッ素塗料用材料。
  8. 【請求項8】 官能基を有する含フッ素エチレン性単量
    体(a−1)が、式(2): CH2=CFCF2−Rf 1−Y1 (2) [式中、Y1は−CH2OH、−COOH、カルボン酸
    塩、カルボキシルエステル基またはエポキシ基、Rf 1
    炭素数1〜39の2価の含フッ素アルキレン基または−
    ORf 2(Rf 2は炭素数1〜39の2価の含フッ素アルキ
    レン基または炭素数1〜39のエーテル結合を含む2価
    の含フッ素アルキレン基)を表わす]で示される含フッ
    素単量体である請求項1〜7のいずれかに記載の含フッ
    素塗料用材料。
  9. 【請求項9】 官能基を有さない含フッ素エチレン性単
    量体(b−1)が、テトラフルオロエチレンである請求
    項1〜8のいずれかに記載の含フッ素塗料用材料。
  10. 【請求項10】 官能基を有さない含フッ素エチレン性
    単量体(b−1)が、テトラフルオロエチレン85〜9
    9.7モル%と式(3): CF2=CF−Rf3 (3) [Rf3は−CF3またはORf4(Rf4は炭素数1〜5
    のパーフルオロアルキル基)を表わす]で示される単量
    体0.3〜15モル%との単量体混合物である請求項1
    〜8のいずれかに記載の含フッ素塗料用材料。
  11. 【請求項11】 官能基を有さない含フッ素エチレン性
    単量体(b−1)が、テトラフルオロエチレンまたはク
    ロロトリフルオロエチレン40〜80モル%とエチレン
    20〜60モル%とこれらの単量体と共重合可能な単量
    体0〜15モル%との単量体混合物である請求項1〜8
    のいずれかに記載の含フッ素塗料用材料。
  12. 【請求項12】 (A−1)(a−5)ヒドロキシル
    基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩もしくはカル
    ボキシルエステル基またはエポキシ基のいずれかを有す
    る含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体
    0.05〜30モル%と(b−5)官能基を有さない含
    フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体70
    〜99.95モル%とを共重合してなる官能基を有する
    含フッ素エチレン性重合体1〜90重量%と(B−1)
    側鎖に官能基を有さない含フッ素エチレン性重合体10
    〜99重量%とからなる含フッ素塗料用樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 官能基を有する含フッ素重合体(A−
    1)が、(a−5)式(1): CX2=CX1−Rf−Y (1) (式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸
    塩、カルボキシルエステル基またはエポキシ基、Xおよ
    びX1は同じかまたは異なりいずれも水素原子またはフ
    ッ素原子、Rfは、炭素数1〜40の2価のアルキレン
    基、炭素数1〜40の含フッ素オキシアルキレン基、炭
    素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素アルキレン
    基または炭素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素
    オキシアルキレン基を表わす)で示される少なくとも1
    種の官能基を有する含フッ素エチレン性単量体と(b−
    5)テトラフルオロエチレンとの共重合体または前記官
    能基を有する含フッ素単量体(a−5)と、(b−5)
    として(a−5)を除く単量体全量に対してテトラフル
    オロエチレン85〜99.7モル%と式(3): CF2=CF−Rf 3 (3) [Rf 3は−CF3またはORf 4(Rf 4は炭素数1〜5の
    パーフルオロアルキル基)を表わす]で示される単量体
    0.3〜15モル%との単量体混合物との共重合体のう
    ちの少なくとも1種の官能基を有する含フッ素エチレン
    性重合体であって、(B−1)が、ポリテトラフルオロ
    エチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプ
    ロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフル
    オロ(アルキルビニルエーテル)共重合体のうちの少な
    くとも1種である請求項12記載の含フッ素塗料用樹脂
    組成物。
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JP2014151535A (ja) * 2013-02-07 2014-08-25 Toho Kasei Kk フッ素樹脂コーティング構造体およびその製造方法
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JP2018162413A (ja) * 2017-03-27 2018-10-18 Agc株式会社 粉体塗料

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