JP2002012732A - ポリオレフィン系熱収縮性チューブ - Google Patents

ポリオレフィン系熱収縮性チューブ

Info

Publication number
JP2002012732A
JP2002012732A JP2000196251A JP2000196251A JP2002012732A JP 2002012732 A JP2002012732 A JP 2002012732A JP 2000196251 A JP2000196251 A JP 2000196251A JP 2000196251 A JP2000196251 A JP 2000196251A JP 2002012732 A JP2002012732 A JP 2002012732A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cyclic olefin
polymer
tube
heat
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000196251A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichiro Taniguchi
浩一郎 谷口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Plastics Inc
Original Assignee
Mitsubishi Plastics Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Plastics Inc filed Critical Mitsubishi Plastics Inc
Priority to JP2000196251A priority Critical patent/JP2002012732A/ja
Publication of JP2002012732A publication Critical patent/JP2002012732A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Wrappers (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】被覆加工性が良好であり、耐熱性、柔軟性、被
覆仕上がり性などに優れるポリオレフィン系熱収縮性チ
ューブを得る。 【解決手段】ガラス転移温度(Tg)が50〜90℃で
ある環状オレフィン系重合体(A)100重量部に対し
13C−NMRスペクトルから求められるメソトリアッ
ド分率(mm)が35〜75%で、結晶融解ピーク温度
(Tm)が130℃以上であるポリプロピレン系重合体
(A)60〜200重量部とからなる混合樹脂組成物を
延伸してなることを特徴とするポリオレフィン系熱収縮
性チューブ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主にコンデンサな
どの電気部品の絶縁被覆用途に好適に使用される熱収縮
性チューブに関し、さらに詳細には、耐熱性、柔軟性、
被覆仕上がり性などに優れるポリオレフィン系熱収縮性
チューブに関する。
【0002】
【従来の技術】従来からコンデンサの絶縁用熱収縮性チ
ューブとしては、ポリ塩化ビニル(PVC)からなるチ
ューブが広く使用されている。PVCチューブは優れた
実用特性とコスト性を有しているものの、廃棄後焼却す
ると塩素を含んだガスを発生するということ等から、近
年PVC以外の材料(非PVC材料)が要望されつつあ
る。また電子機器の発展に伴って、その電気部品として
使用されるコンデンサにおいても高性能、高信頼化が進
んでおり、たとえばアルミ電解コンデンサにおいては、
125℃以上の雰囲気温度で、長時間使用される用途が
ある。
【0003】そのため、これらに使用されるチューブは
非PVC材料で且つ高耐熱性が必要となるが、チューブ
の耐熱性を上げるために、材料の融点やガラス転移温度
の高いものを選択すると、その結果、低温延伸性、低温
収縮性が損なわれるという欠点がある。チューブの延伸
及び収縮は、低温且つ短時間で行われた方が、製造、被
覆時とも作業性、コスト性が優れており望ましい。これ
らを解決し得る方法として、ポリエチレン系樹脂を主成
分としたチューブに、電子線等の電離放射線照射を行っ
て、低温延伸性、低温収縮性と耐熱性を同時に付与する
方法が開示されているが、その設備投資費用やランニン
グコストが高く、また製造工程の小スペース化が難かし
い等の問題点があった。
【0004】また、特開平7−32503号公報、特開
平9−278974号公報では、環状ポリオレフィンを
主体とした熱収縮性チューブが開示されているが、これ
らのチューブでは、自動機に適した腰(剛性)を保持す
る目的から、環状ポリオレフィンに混合する他のポリオ
レフィン系樹脂の添加量や特性等が制限されているため
低温収縮性は付与できるが、低温収縮性、耐熱性および
柔軟性を同時に満たすことができない等の問題点があっ
た。これらのことにより、柔軟性、耐熱性、製造コス
ト、低温延伸性、低温収縮特性を有するバランスに優れ
た熱収縮性チューブは見出されてなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐熱
性、柔軟性、被覆仕上がり性などに優れるポリオレフィ
ン系熱収縮性チューブを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、特定の立体規則性および熱特性を有する
ポリプロピレン系重合体と環状オレフィン系重合体を用
いることで上記課題を達成することができることを見出
したものであり、その要旨は、ガラス転移温度(Tg)
が50〜90℃である環状オレフィン系重合体(A)1
00重量部に対して13C−NMRスペクトルから求めら
れるメソトリアッド分率(mm)が35〜75%で、結
晶融解ピーク温度(Tm)が130℃以上であるポリプ
ロピレン系重合体(A)60〜200重量部とからなる
混合樹脂組成物を延伸してなることを特徴とするポリオ
レフィン系熱収縮性チューブに存する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の熱収縮性チューブは、環状オレフィン系重合体
(A)とポリプロピレン系重合体(B)からなるポリオ
レフィン系熱収縮性チューブである。(A)成分である
環状オレフィン系重合体は、ガラス転移温度(Tg)が
50〜90℃である環状オレフィン系樹脂である。ここ
でガラス転移温度が50℃未満では得られた熱収縮性チ
ューブの自然収縮(常温よりもやや高い温度、例えば夏
場において本来の使用目的前にチューブが収縮するこ
と)が大きくなり寸法安定性に欠けるチューブとなりや
すく実用上好ましくない。また90℃を越えると低温延
伸が困難になり、その結果低温熱収縮性が得られず好ま
しくない。このことから好適なガラス転移温度の範囲は
60〜85℃である。
【0008】なお、本発明において使用するガラス転移
温度(Tg)は、次のようにして求めた値である。すな
わち、岩本製作所(株)製「粘弾性スペクトロメーター
VES−F3」を用い、振動周波数10Hz、昇温速度
1℃/分で測定し、得られたデータから損失弾性率
(E”)のピーク値を求め、その時の温度をガラス転移
温度(Tg)とした。
【0009】
【式1】
【0010】(A)成分である環状オレフィン系重合体
の結合形態は、上述した条件を満足すれば特に制限はな
く、上記一般式(1)で表される環状オレフインとエチ
レンとのランダム共重合体、環状オレフィン開環(共)
重合体、環状オレフィン開環(共)重合体の水素化物、
およびこれらの(共)重合体のグラフト変性物などが挙
げられる。ここで上記一般式(1)で表される環状オレ
フインの例としては、下記式(2)のビシクロヘプト−
2−エン(2−ノルボルネン)およびその誘導体、例え
ばノルボルネン、6−メチルノルボルネン、6−エチル
ノルボルネン、6−n−ブチルノルボルネン、5−プロ
ピルノルボルネン、1−メチルノルボルネン、7−メチ
ルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、5−
フエニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネンなど
を挙げることができる。
【0011】また下記式(3)のテトラシクロ−3−ド
デセンおよびその誘導体としては、例えば8−メチルテ
トラシクロ−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ−
3−ドデセン、8−ヘキシルテトラシクロ−3−ドデセ
ン、2,10−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン、
5,10−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセンなどを
挙げることができる。
【0012】
【式2】
【0013】本発明チューブにおいては、エチレンと環
状オレフィンとのランダム共重合体を好適に使用するこ
とができ、例えば、上記一般式(1)で表される環状オ
レフインを20〜50モル%程度含有するエチレンとの
共重合体を例示することができる。また、エチレン以外
のα−オレフインを含むものや、第3成分としてブタジ
エン、イソプレンなどを含有するものであってもよい。
環状オレフインの含有量により各種のガラス転移温度を
有するものがあり、具体的には、三井化学(株)製の商
品名「アペル」やTicona社製の商品名「Topa
s」等を例示することができる。なお、環状オレフィン
系重合体は、例えば、特開昭60−168708号公
報、特開昭61−120816号公報、特開昭61−1
15912号公報、特開昭61−115916号公報、
特開昭61−271308号公報、特開昭61−272
216号公報、特開昭62−252406号公報、特開
昭62−252407号公報などに記載されている公知
の方法に準じて製造することができる。
【0014】さらに、本発明において、環状オレフィン
系樹脂としては、上記のような環状オレフィン系ランダ
ム共重合体、環状オレフィン開環(共)重合体あるいは
環状オレフィン開環(共)重合体の水添物を、例えば無
水マレイン酸、マレイン酸、無水イタコン酸、イタコン
酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸あるいは
その無水物等の変性剤で変性したグラフト重合体も使用
することができる。これらの変性剤は単独であるいは組
み合わせて使用することができる。次に(B)成分であ
るポリプロピレン系重合体は、13C−NMRスペクトル
から求められるメソトリアッド分率(mm)が35〜7
5%で、結晶融解ピーク温度(Tm)が130℃以上で
ある条件を満足するポリプロピレン系樹脂である。ここ
でメソトリアッド分率(mm)が35%未満では、耐熱
性が不充分となりやすく、また、原料ペレットがブロッ
キングしやすくなるなどハンドリング性も低下する。一
方75%を超えると低温(100℃以下)での延伸応力
が高いために延伸性が低下し、低温収縮性が不充分とな
りやすく好ましくない。このことから好適なメソトリア
ッド分率(mm)は、40〜70%である。また結晶融
解ピーク温度が130℃未満では耐熱性が不充分となり
やすく、好ましい結晶融解ピーク温度範囲は140〜1
65℃である。
【0015】なお、本発明において使用するメソトリア
ッド分率(mm)と結晶融解ピーク温度は、次のように
して求めた値である。メソトリアッド分率(mm)につ
いては、13C−NMR(核磁気共鳴)スペクトルを測定
し、メチル基の立体規則性によるケミカルシフトの違い
により、22.5ppm〜19.5ppm領域に現れる
各分裂ピークのシグナル強度比から求めた。上記メソト
リアッド分率(mm)とは、ポリマー鎖中の任意のプロ
ピレン単位3連鎖のうち、プロピレン単位中のメチル分
岐の方向が同一で、かつ各プロピレン単位が頭−尾で結
合しているプロピレン単位3連鎖の割合を意味する。な
お、スペクトル中の各ピークは、文献(Polymer, 30,13
50,(1989))を参考にして帰属した。また結晶融解ピー
ク温度については、試料10mgをJIS−K7121
に準じて、加熱速度10℃/分で昇温したときのサーモ
グラムから求めた。
【0016】(B)成分であるポリプロピレン系重合体
の結合形態は、上述した条件を満足すれば特に制限はな
く、プロピレンの単独重合体あるいはプロピレンと共重
合可能な他の単量体とのランダム共重合体又はブロック
共重合体などを使用することができる。ここで共重合可
能な他の単量体としては、エチレンやブテン−1、ヘキ
セン−1、4−メチル−ペンテン−1、オクテン−1等
の炭素数4〜12のα−オレフィンおよびジビニルベン
ゼン、1,4−シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジ
エン、シクロオクタジエン、エチリデンノルボルネン等
のジエン類等が挙げられるが、これらのうちエチレンや
ブテン−1であるのが好ましい。
【0017】上記の中で、熱収縮性チューブとしての収
縮特性、延伸特性および経済性の点からプロピレン単独
重合体、プロピレン−エチレン共重合体およびプロピレ
ン−ブテン−1共重合体の中から選ばれる少なくとも一
種のポリプロピレン系樹脂が好適に使用される。また、
このようなポリプロピレン系樹脂の製造方法としては、
安価なプロピレンモノマーを主成分とし、各種のシング
ルサイト触媒(メタロセン系触媒など)や固体状チタン
系触媒等を用い、成形加工性の良好な立体規則性を制御
した軟質ポリプロピレン系樹脂を効率的、かつ低コスト
で重合する方法が提案されており、使用する樹脂として
は、本発明の主旨を満足するものであれば特に限定され
ないが、具体的商品としては、Huntsman Po
lymer Corporationの商品名「REX
flex」が例示できる。
【0018】なおこれらのポリプロピレン系樹脂は1種
のみを単独で、または2種以上を組み合わせて用いるこ
とができる。また、そのメルトフローレート(MFR)
(JISK7210、230℃、21.18N荷重)は
通常0.4〜20g/10分、好ましくは0.5〜5g
/10分のものが用いられる。本発明の熱収縮性チュー
ブは、上述した環状オレフィン系重合体(A)100重
量部に対してポリプロピレン系重合体(B)60〜20
0重量部とからなる混合樹脂組成物を延伸してなること
を特徴とするポリオレフィン系熱収縮性チューブであ
る。
【0019】ここで環状オレフィン系重合体(A)10
0重量部に対してポリプロピレン系重合体(B)が60
重量部未満では、柔軟性が不充分となり、肉厚のチュー
ブでは、巻き取る際に折れ跡が残ったり、被覆時の作業
性が低下したり、収縮時の被覆物体への形状追随性が低
下する等の不具合が発生しやすく、また125℃雰囲気
中での耐熱性が不充分となり好ましくない。一方、20
0重量部を超えると熱収縮率が不充分となりやすく、ま
た自然収縮率も大きくなり好ましくない。このことから
好適なポリプロピレン系重合体(B)の含有量は、環状
オレフィン系重合体(A)100重量部に対して65〜
180重量部である。
【0020】本発明のチューブには、成形加工性やチュ
ーブの物性を改良・調整する目的で、本発明の効果を著
しく阻害しない範囲で、例えば、石油樹脂類、パラフィ
ン系オイル、液状ポリブテン、ビニル芳香族系化合物と
共役ジエンとの共重合体(ブロックおよびランダム)ま
たはその水素添加誘導体、芳香族モノマーとエチレンお
よび/または他のα−オレフィンとの共重合体などやそ
の他の相容化剤、難燃剤、耐候性安定剤、耐熱安定剤、
帯電防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤、核剤、可塑
剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤等の添加剤を
適宜添加してもかまわない。
【0021】以上説明した各成分からなる組成物は、環
状ダイを備えた各種押出機によってチューブ状に押出さ
れる。その未延伸チューブを長さ方向および径方向にチ
ューブラー延伸する。その際の延伸倍率は目的とする熱
収縮率により決められるが、一般に長さ方向には1〜
1.7倍、好ましくは1〜1.4倍とし、径方向には
1.7〜4倍、好ましくは1.8〜3.5倍の範囲であ
る。延伸温度は組成物の特性、特にガラス転移温度によ
り異なるが、通常75〜100℃の範囲から選ばれる。
上記のようにして得られるチューブの厚さは特に限定さ
れないが、一般にコンデンサに使用されるチューブの厚
みは、コンデンサの定格電圧に応じて、おおよそ0.0
5mm〜1.0mm、代表的には0.1mm〜0.7m
mであるものが使用されている。本発明チューブは、柔
軟性が高いため特に厚みが0.3mm以上でも、次のよ
うな不具合が発生しにくい。すなわち、剛性(腰)の強
いチューブでは、厚みが増加すると、チューブを巻き取
る際に折れ曲がらなかったり、被覆時の作業性が低下し
たり、収縮時の被覆物体への形状追随性が低下する等の
不具合が発生するため好ましくない。
【0022】本発明チューブの熱収縮特性は主に上記延
伸条件により決まるが、例えば乾電池や他の電池の内缶
あるいはコンデンサの被覆のようなスリーブ被覆用とし
ては、100℃熱水中30秒間での収縮率が長さ方向で
40%以下、好ましくは20%以下、径方向には40%
以上、好ましくは45%以上であることが必要である。
100℃×30秒での径方向の熱収縮率が40%未満で
は、スリーブ端部が密着せず立ち上がった状態となり外
観不良となり好ましくない。また径方向の収縮率が40
%以上でも、長さ方向の収縮率が40%を超えるもので
は、被覆したときに被覆位置がずれてしまったり、また
カツト長さを長くしなければならずコストアップにもつ
ながるため好ましくない。
【0023】
【実施例】以下に実施例でさらに詳しく説明するが、こ
れらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。な
お、本明細書中に表示されるチューブについての種々の
測定値および評価は次のようにして行った。ここで、チ
ューブの押出機からの流れ方向を縦方向、その直交方向
を径方向とよぶ。
【0024】1) メソトリアッド分率(mm) 日本電子社製のJNM−GSX−270(13C−核磁気
共鳴周波数67.8MHz)を用い、次の条件で測定し
た。 測定モード: 1H−完全デカップリング パルス幅:8.6マイクロ秒 パルス繰り返し時間:30秒 積算回数:7200回 溶媒:オルトジクロロベンゼン/重ベンゼンの混合溶媒
(80/20容量%) 試料濃度:100mg/1ミリリットル溶媒 測定温度:130℃
【0025】2) 結晶融解ピーク温度(Tm) パーキンエルマー社製DSC−7を用いて、試料10m
gをJIS−K7121に準じて、加熱速度10℃/分
で昇温したときのサーモグラムから求めた。
【0026】3) 結晶化温度(Tc)、結晶化熱量
(ΔHc) パーキンエルマー社製DSC−7を用いて、試料10m
gをJIS−K7121、JIS−K7122に準じ
て、加熱速度10℃/分で結晶融解後、200℃まで昇
温し、200℃で5分間保持した後、冷却速度10℃/
分で室温まで降温したときのサーモグラムから求めた。
【0027】4) ガラス転移温度(Tg) 岩本製作所(株)製「粘弾性スペクトロメーターVES
−F3」を用い、振動周波数10Hz、昇温速度1℃/
分で測定し、得られたデータから損失弾性率(E”)の
ピーク値を求め、その時の温度をガラス転移温度(T
g)とした。
【0028】5) 貯蔵弾性率(E’) 岩本製作所(株)製「粘弾性スペクトロメーターVES
−F3」を用い、振動周波数10Hz、昇温速度1℃/
分で−50℃から150℃まで測定し、得られたデータ
から温度30℃での値を表示した。
【0029】6) 熱収縮率(%) 100℃の熱水に30秒浸漬した後、長さ方向および径
方向について下式に基づいて算出した。 熱収縮率(%)=[(L0 −L1 )/L0 ]×100 L0 :収縮前の寸法 L1 :収縮後の寸法
【0030】7) 自然収縮率(%) チューブを30℃×80%RHの恒温槽に30日間放置
後、径方向の収縮率を前記6)と同様にして算出したも
のが、2%未満なら「○」、2%以上なら「×」と表示
した。
【0031】8) 巻き取り性 外径130mmの巻芯に、得られたチューブを30m巻
き取って、チューブを目視で観察したとき、チューブに
折れが発生して折れ跡が残るものを「×」、折れ跡が残
らず良好なものを「○」と表示した。
【0032】9) 被覆仕上がり性 長さ33mmにカットしたチューブに、直径18mm、
長さ25mmのアルミ電解コンデンサを手挿入し、加熱
収縮させたとき、端部が密着せず立ち上がった状態とな
ったり、被覆位置がずれて被覆されたものを「×」、軽
微なものを「△」、これらの不都合が全くなかったもの
を「○」と表示した。
【0033】10)耐熱性 被覆仕上がり性テスト後のアルミ電解コンデンサを、J
IS C5102に準拠して、125℃の恒温槽で10
0時間経過後取り出し、外観を目視にて確認した。テス
ト後、チューブ外観に変化がなく、コンデンサの絶縁性
能が保持されているものを「○」、また外観が変化した
りチューブのずれ、割れ、溶融等により、短絡の恐れが
あるものを「×」と表示した。なお被覆仕上がり性テス
トにて評価が「×」だったものについては、耐熱性評価
は省略した。
【0034】(実施例1)表1に示すように環状オレフ
ィン系重合体としてエチレン成分と環状オレフイン成分
からなるランダム共重体(三井化学(株)製、「APL
8008T」、Tg:75℃)(以下、環状PO1と略
称する)100重量部にポリプロピレン系重合体として
プロピレン単独重合体(Huntsman Polym
er Corporation製、「REXflex
WL111」、mm:58.9%、Tc:95.6℃、
ΔHc:23.2J/g、Tm:159.2℃、MF
R:2.0g/10min、E’:8.5×10
a)(以下、PP1と略称する)150重量部を配合
し、さらに酸化防止剤0.3重量部を加え、同方向2軸
押出機を用いて溶融混合し組成物のペレツトを得た。こ
の組成物を、環状ダイからチューブラー押出して、外径
9mm、厚さ0.8mmの未延伸チューブを得た。これ
を延伸温度98℃で長さ方向に1.1倍、径方向に2.
1倍チューブラー延伸し、延伸チューブを得た。得られ
たチューブの評価を行った。また、得られた結果につい
て総合評価も行い、すべての評価が良好であり、実用上
問題のないものを「○」、いずれか1つでも不良である
ものを「×」として表示した。結果を表1に示した。
【0035】(実施例2)表1に示すように実施例1で
使用したポリプロピレン系重合体(PP1)の配合量を
70重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして延
伸チューブを得た。得られたチューブの評価結果を表1
に示した。
【0036】(実施例3)表1に示すように実施例1で
使用したポリプロピレン系重合体(PP1)をプロピレ
ン−エチレンランダム共重合体(Huntsman P
olymer Corporation製、「REXf
lex WL203」、エチレン含量:2.3重量%、
mm:50.5%、Tc:92.2℃、ΔHc:18.
0J/g、Tm:149.5℃、MFR:1.5g/1
0min、E’:3.8×10Pa)(以下、PP2
と略称する)に変更した以外は、実施例1と同様にして
延伸チューブを得た。得られたチューブの評価結果を表
1に示した。
【0037】(実施例4)表1に示すように実施例1で
使用した環状オレフィン系重合体(環状PO1)をエチ
レン成分と環状オレフイン成分からなるランダム共重合
体(三井化学(株)製、「APL6509T」、Tg:
83℃)(以下、環状PO2と略称する)に変更し、さ
らに液状ポリブテン(分子量500)を5重量部添加し
た以外は、実施例1と同様にして延伸チューブを得た。
得られたチューブの評価結果を表1に示した。
【0038】(比較例1)表1に示すように実施例1で
使用したポリプロピレン系重合体(PP1)をプロピレ
ン単独重合体(出光石油化学製、「出光TPO E−2
900」、mm:79.4%、Tc:109.0℃、Δ
Hc:66.8J/g、Tm:162.4℃、MFR:
2.5g/10min、E’:5.7×10Pa)
(以下、PP3と略称する)に変更した以外は、実施例
1と同様にして延伸チューブを得た。得られたチューブ
の評価結果を表1に示した。
【0039】(比較例2)表1に示すように実施例1で
使用したポリプロピレン系重合体(PP1)の配合量を
230重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして
延伸チューブを得た。得られたチューブの評価結果を表
1に示した。
【0040】(比較例3)表1に示すように実施例1で
使用したポリプロピレン系重合体(PP1)の配合量を
50重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして延
伸チューブを得た。得られたチューブの評価結果を表1
に示した。
【0041】
【表1】
【0042】表1より、本発明で規定する成分を有し、
かつ規定する範囲にある実施例1乃至4のチューブは、
いずれも耐熱性、柔軟性(巻き外観)、被覆仕上がり性
に総合的に優れていることが分かる。これに対して、成
分が異なるか、本発明で規定する範囲外(比較例1〜
3)のチューブは、柔軟性(巻き外観)熱収縮率、耐熱
性、自然収縮率のうち1つ以上の特性に劣ることが分か
る。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、耐熱性、柔軟性、被覆
仕上がり性などに優れるポリオレフィン系熱収縮性チュ
ーブが提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 65/00 C08L 65/00 // B29K 23:00 B29K 23:00 B29L 23:24 B29L 23:24

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス転移温度(Tg)が50〜90℃
    である環状オレフィン系重合体(A)100重量部に対
    して13C−NMRスペクトルから求められるメソトリア
    ッド分率(mm)が35〜75%で、結晶融解ピーク温
    度(Tm)が130℃以上であるポリプロピレン系重合
    体(A)60〜200重量部とからなる混合樹脂組成物
    を延伸してなることを特徴とするポリオレフィン系熱収
    縮性チューブ。
  2. 【請求項2】 環状オレフィン系重合体(A)が、エチ
    レンと環状オレフィンとのランダム共重合体、環状オレ
    フィン開環(共)重合体、環状オレフィン開環(共)重
    合体の水素化物、およびこれらの(共)重合体のグラフ
    ト変性物よりなる群から選ばれる少なくとも一種の環状
    オレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1記載
    のポリオレフィン系熱収縮性チューブ。
  3. 【請求項3】 ポリプロピレン系重合体(B)が、プロ
    ピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体およ
    びプロピレン−ブテン−1共重合体の中から選ばれる少
    なくとも一種のポリプロピレン系樹脂であることを特徴
    とする請求項1記載のポリオレフィン系熱収縮性チュー
    ブ。
  4. 【請求項4】 100℃×30秒での径方向の熱収縮率
    が40%以上であることを特徴とする請求項1乃至3記
    載のポリオレフィン系熱収縮性チューブ。
  5. 【請求項5】 厚みが0.05mm〜1.0mmのコン
    デンサ被覆用であることを特徴とする請求項1乃至4記
    載のポリオレフィン系熱収縮性チューブ。
JP2000196251A 2000-06-29 2000-06-29 ポリオレフィン系熱収縮性チューブ Pending JP2002012732A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000196251A JP2002012732A (ja) 2000-06-29 2000-06-29 ポリオレフィン系熱収縮性チューブ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000196251A JP2002012732A (ja) 2000-06-29 2000-06-29 ポリオレフィン系熱収縮性チューブ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002012732A true JP2002012732A (ja) 2002-01-15

Family

ID=18694782

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000196251A Pending JP2002012732A (ja) 2000-06-29 2000-06-29 ポリオレフィン系熱収縮性チューブ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002012732A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007302871A (ja) * 2006-04-10 2007-11-22 Sumitomo Electric Ind Ltd 樹脂組成物、該樹脂組成物から形成された熱収縮チューブおよび該熱収縮チューブで絶縁被覆された電池

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007302871A (ja) * 2006-04-10 2007-11-22 Sumitomo Electric Ind Ltd 樹脂組成物、該樹脂組成物から形成された熱収縮チューブおよび該熱収縮チューブで絶縁被覆された電池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100491456B1 (ko) 폴리올레핀 수지 조성물 및 이것을 이용한 수축 필름
US6727000B2 (en) Multilayer heat-shrinkable sealable films
JP3566114B2 (ja) レトルト食品包装用フィルムおよびその製造方法
JP2006299060A (ja) ポリプロピレン系延伸粘着フィルム
JP2001162737A (ja) 包装用多層フィルム
US20230212361A1 (en) Biaxially oriented polypropylene film
JP3747151B2 (ja) ポリオレフィン系熱収縮性積層チューブ
JP6949270B2 (ja) 包装用積層フィルム及び熱収縮性積層フィルム
JP3983458B2 (ja) ポリオレフィン系熱収縮性チューブ
JP2002012732A (ja) ポリオレフィン系熱収縮性チューブ
JP4892784B2 (ja) レトルト包装用多層フィルム
JP3384460B2 (ja) スリップ性の改良されたポリプロピレンフィルム
JP4013555B2 (ja) 収縮包装用フィルムおよびラベル
EP0809674B1 (en) Lldpe-based thermoshrinkable films
JP4507807B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなるフィルム
JP4601988B2 (ja) 二軸延伸エチレン重合体フィルム
EP3555206B1 (en) Polyolefin composition for non-oriented film with improved oxygen barrier property
JP4815755B2 (ja) フィルム成形用樹脂組成物およびそれからなるフィルム
JP3879513B2 (ja) 収縮包装用フィルムおよびラベル
JP2001220513A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPH07232417A (ja) ポリオレフィン系熱収縮性積層フィルムおよびその製 造方法
JPS61112627A (ja) 低温熱収縮性フイルム
KR102093566B1 (ko) 열수축성 블로운 필름용 폴리프로필렌 수지 조성물 및 그로부터 제조된 열수축성 블로운 필름
JPH11245350A (ja) ポリプロピレン系多層シュリンクラベル
JP2002069266A (ja) 収縮包装用フィルムおよびラベル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040506

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060509

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060911