JP3983458B2 - ポリオレフィン系熱収縮性チューブ - Google Patents

ポリオレフィン系熱収縮性チューブ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主にコンデンサなどの電気部品の絶縁被覆用途に好適に使用される熱収縮性チューブに関し、さらに詳細には、耐熱性、柔軟性、被覆仕上がり性などに優れるポリオレフィン系熱収縮性チューブに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からコンデンサの絶縁用熱収縮性チューブとしては、ポリ塩化ビニル(PVC)からなるチューブが広く使用されている。PVCチューブは優れた実用特性とコスト性を有しているものの、廃棄後焼却すると塩素を含んだガスを発生するということなどから、近年PVC以外の材料(非PVC材料)が要望されつつある。
また電子機器の発展に伴って、その電気部品として使用されるコンデンサにおいても高性能、高信頼化が進んでおり、たとえばアルミ電解コンデンサにおいては、125℃以上の雰囲気温度で、長時間使用される用途がある。
【0003】
そのため、これらに使用されるチューブは非PVC材料で且つ高耐熱性が必要となるが、チューブの耐熱性を上げるために、材料の融点やガラス転移温度の高いものを選択すると、その結果、低温延伸性、低温収縮性が損なわれるという欠点がある。チューブの延伸及び収縮は、低温且つ短時間で行われた方が、製造、被覆時とも作業性、コスト性が優れており望ましい。
これらを解決し得る方法として、ポリエチレン系樹脂を主成分としたチューブに、電子線等の電離放射線照射を行って、低温延伸性、低温収縮性と耐熱性を同時に付与する方法が開示されているが、その設備投資費用やランニングコストが高く、また製造工程の小スペース化が難かしい等の問題点があった。
【0004】
また、特開平7−32503号公報、特開平9−278974号公報では、環状ポリオレフィンを主体とした熱収縮性チューブが開示されているが、これらのチューブでは、自動機に適した腰(剛性)を保持する目的から、環状ポリオレフィンに混合する他のポリオレフィン系樹脂の添加量や特性等が制限されているため低温収縮性は付与できるが、低温収縮性、耐熱性および柔軟性を同時に満たすことができない等の問題点があった。
これらのことにより、柔軟性、耐熱性、製造コスト、低温延伸性、低温収縮特性を有するバランスに優れた熱収縮性チューブは見出されてなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐熱性、柔軟性、被覆仕上がり性などに優れるポリオレフィン系熱収縮性チューブを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、特定の熱特性を有するポリプロピレン系重合体と環状オレフィン系重合体を用いることで上記課題を達成することができることを見出したものであり、その要旨は、ガラス転移温度(Tg)が50〜90℃である環状オレフィン系重合体(A)100重量部に対して示差走査熱量計(DSC)にて測定される結晶化熱量が10〜50J/gで、結晶融解ピーク温度(Tm)が125℃以上であるポリプロピレン系重合体(A)60〜200重量部とからなる混合樹脂組成物を延伸してなることを特徴とするポリオレフィン系熱収縮性チューブに存する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の熱収縮性チューブは、環状オレフィン系重合体(A)とポリプロピレン系重合体(B)からなるポリオレフィン系熱収縮性チューブであって、(A)成分である環状オレフィン系重合体は、ガラス転移温度(Tg)が50〜90℃である環状オレフィン系樹脂である。
ここでガラス転移温度が50℃未満では得られた熱収縮性チューブの自然収縮(常温よりもやや高い温度、例えば夏場においてチューブが収縮すること)が大きくなり寸法安定性に欠けるチューブとなりやすく実用上好ましくない。また90℃を越えると低温延伸、その結果低温熱収縮性が得られず好ましくない。このことから好適なガラス転移温度の範囲は60〜85℃である。
【0008】
なお、本発明において使用するガラス転移温度(Tg)は、次のようにして求めた値である。すなわち、岩本製作所(株)製「粘弾性スペクトロメーターVES−F3」を用い、振動周波数10Hz、昇温速度1℃/分で測定し、得られたデータから損失弾性率(E”)のピーク値を求め、その時の温度をガラス転移温度(Tg)とした。
【0009】
【式1】
Figure 0003983458
【0010】
(A)成分である環状オレフィン系重合体の結合形態は、上述した条件を満足すれば特に制限はなく、上記一般式(1)で表される環状オレフインとエチレンとのランダム共重合体、環状オレフィン開環(共)重合体、環状オレフィン開環(共)重合体の水素化物、およびこれらの(共)重合体のグラフト変性物などが挙げられる。
ここで上記一般式(1)で表される環状オレフインの例としては、下記式(2)のビシクロヘプト−2−エン(2−ノルボルネン)およびその誘導体、例えばノルボルネン、6−メチルノルボルネン、6−エチルノルボルネン、6−n−ブチルノルボルネン、5−プロピルノルボルネン、1−メチルノルボルネン、7−メチルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、5−フエニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネンなどを挙げることができる。
【0011】
また下記式(3)のテトラシクロ−3−ドデセンおよびその誘導体としては、例えば8−メチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−ヘキシルテトラシクロ−3−ドデセン、2,10−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン、5,10−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセンなどを挙げることができる。
【0012】
【式2】
Figure 0003983458
【0013】
本発明チューブにおいては、エチレンと環状オレフィンとのランダム共重合体を好適に使用することができ、例えば、上記一般式(1)で表される環状オレフインを20〜50モル%程度含有するエチレンとの共重合体を例示することができる。また、エチレン以外のα−オレフインを含むものや、第3成分としてブタジエン、イソプレンなどを含有するものであってもよい。環状オレフインの含有量により各種のガラス転移温度を有するものがあり、具体的には、三井化学(株)製の商品名「アペル」やTicona社製の商品名「Topas」等を例示することができる。
なお、環状オレフィン系重合体は、例えば、特開昭60−168708号公報、特開昭61−120816号公報、特開昭61−115912号公報、特開昭61−115916号公報、特開昭61−271308号公報、特開昭61−272216号公報、特開昭62−252406号公報、特開昭62−252407号公報などに記載されている公知の方法に準じて製造することができる。
【0014】
さらに、本発明において、環状オレフィン系樹脂としては、上記のような環状オレフィン系ランダム共重合体、環状オレフィン開環(共)重合体あるいは環状オレフィン開環(共)重合体の水添物を、例えば無水マレイン酸、マレイン酸、無水イタコン酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸あるいはその無水物等の変性剤で変性したグラフト重合体も使用することができる。これらの変性剤は単独であるいは組み合わせて使用することができる。
【0015】
次に(B)成分であるポリプロピレン系重合体は、示差走査熱量計(DSC)にて測定される結晶化熱量が10〜50J/gで、結晶融解ピーク温度(Tm)が125℃以上である条件を満足するポリプロピレン系樹脂である。
ここで結晶化熱量が10J/g未満では、耐熱性が不充分となり、一方50J/gを超えると低温での延伸特性が低下し、低温収縮性が不充分となりやすく好ましくない。このことから好適な結晶化熱量の範囲は15〜45J/gである。また結晶融解ピーク温度が125℃未満では耐熱性が不充分となる。
また、低温での延伸性からポリプロピレン系重合体(B)単体での動的粘弾性測定により周波数10Hz、温度100℃で測定した貯蔵弾性率(E’)が3.0×10〜3.0×10Paであることが好ましい。貯蔵弾性率(E’)が3.0×10Pa未満では弾性率が低すぎるため、延伸時に加えられる熱量により、内面が密着して開口性が悪くなり、チューブラー延伸が難しい。一方、3.0×10Paを超えると延伸応力が高くなりすぎ、延伸性が低下するため好ましくない。
【0016】
以上より耐熱性と低温延伸性および低温収縮性とのバランスから好適なポリプロピレン系重合体の特性は、示差走査熱量計(DSC)にて測定される結晶化熱量が15〜45J/gで、結晶融解ピーク温度範が135〜170℃、かつ動的粘弾性測定により周波数10Hz、温度100℃で測定した貯蔵弾性率(E’)が5.0×10〜2.0×10Paである。
なお、本発明において使用する結晶化熱量と結晶融解ピーク温度は、次のようにして求めた値である。すなわち、結晶化熱量については、パーキンエルマー社製DSC−7を用いて、試料10mgをJIS−K7122に準じて、加熱速度10℃/分で結晶融解後、200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、冷却速度10℃/分で室温まで降温したときのサーモグラムから求めた。また結晶融解ピーク温度については、試料10mgをJIS−K7121に準じて、加熱速度10℃/分で昇温したときのサーモグラムから求めた。
【0017】
(B)成分であるポリプロピレン系重合体の結合形態は、上述した条件を満足すれば特に制限はなく、プロピレンの単独重合体あるいはプロピレンと共重合可能な他の単量体とのランダム共重合体又はブロック共重合体などが挙げられる。また、これらの立体構造には特に制限がなく、イソタクチック、アタクチック、シンジオタクチックあるいはこれらの混在した構造の重合体でもかまわない。
ここで共重合可能な他の単量体としては、エチレンやブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1、オクテン−1等の炭素数4〜12のα−オレフィンおよびジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、シクロオクタジエン、エチリデンノルボルネン等のジエン類等が挙げられるが、これらのうちエチレンであるのが好ましい。またポリプロピレン系樹脂が、プロピレンと共重合可能な他の単量体との共重合体である場合の、他の単量体の含有量は、通常40重量%以下、好ましくは30重量%以下である。
【0018】
上記ランダム共重合体としては、プロピレン−エチレンランダム共重合体やプロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体などが挙げられ、またブロック共重合体としては、プロピレン−エチレンブロック共重合体やリアクタータイプのポリプロピレン系エラストマーなどが挙げられ、具体的な商品としては、(株)トクヤマの商品名「P.E.R.」、チッソ(株)の商品名「NEWCON」、モンテル・エスディーケイ・サンライズ(株)の商品名「Adflex」(キャタロイプロセス)、住友化学工業(株)の商品名「EXCELLEN EPX」等が市販されている。
【0019】
上記の中で、熱収縮性チューブとしての収縮特性、延伸特性および経済性の点からプロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体およびリアクタータイプのポリプロピレン系エラストマーの中から選ばれる少なくとも一種のポリプロピレン系樹脂が好適に使用される。
なおこれらのポリプロピレン系樹脂は1種のみを単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、そのメルトフローレート(MFR)(JISK7210、230℃、21.18N荷重)は通常0.4〜20g/10分、好ましくは0.5〜5g/10分のものが用いられる。
【0020】
本発明の熱収縮性チューブは、上述した環状オレフィン系重合体(A)100重量部に対してポリプロピレン系重合体(B)60〜200重量部ととからなる混合樹脂組成物を延伸してなることを特徴とするポリオレフィン系熱収縮性チューブである。
ここで環状オレフィン系重合体(A)100重量部に対してポリプロピレン系重合体(B)が60重量部未満では、柔軟性が不充分となり、肉厚のチューブでは、巻き取る際に折れ跡が残ったり、被覆時の作業性が低下したり、収縮時の被覆物体への形状追随性が低下する等の不具合が発生しやすく、また、125℃雰囲気中での耐熱性が不充分となり好ましくない。一方、200重量部を超えると熱収縮率が不充分となりやすく、また自然収縮率も大きくなり好ましくない。このことから好適なポリプロピレン系重合体(B)の含有量は、環状オレフィン系重合体(A)100重量部に対して65〜180重量部である。
【0021】
本発明のチューブには、成形加工性やチューブの物性を改良・調整する目的で、本発明の効果を著しく阻害しない範囲で、例えば、石油樹脂類、パラフィン系オイル、液状ポリブテン、ビニル芳香族系化合物と共役ジエンとの共重合体(ブロックおよびランダム)またはその水素添加誘導体、芳香族モノマーとエチレンおよび/または他のα−オレフィンとの共重合体などやその他の相容化剤、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤、核剤、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤、難燃剤等の添加剤を適宜添加してもかまわない。
【0022】
以上説明した各成分からなる組成物は、環状ダイを備えた各種押出機によってチューブ状に押出される。その未延伸チューブを長さ方向および径方向にチューブラー延伸する。その際の延伸倍率は目的とする熱収縮率により決められるが、一般に長さ方向には1〜1.7倍、好ましくは1〜1.4倍とし、径方向には1.7〜4倍、好ましくは1.8〜3.5倍の範囲である。延伸温度は組成物の特性、特にガラス転移温度により異なるが、通常75〜100℃の範囲から選ばれる。上記のようにして得られるチューブの厚さは特に限定されないが、一般にコンデンサに使用されるチューブの厚みは、コンデンサの定格電圧に応じて、おおよそ0.05mm〜1.0mm、代表的には0.1mm〜0.7mmであるものが使用されている。本発明チューブは、柔軟性が高いため特に厚みが0.3mm以上でも、次のような不具合が発生しにくい。すなわち、剛性(腰)の強いチューブでは、厚みが増加すると、チューブを巻き取る際に折れ曲がらなかったり、被覆時の作業性が低下したり、収縮時の被覆物体への形状追随性が低下する等の不具合が発生するため好ましくない。
【0023】
本発明チューブの熱収縮特性は主に上記延伸条件により決まるが、例えば乾電池や他の電池の内缶あるいはコンデンサの被覆用としては、100℃熱水中30秒間での収縮率が長さ方向で40%以下、好ましくは20%以下、径方向には40%以上、好ましくは45%以上であることが必要である。100℃×30秒での径方向の熱収縮率が40%未満では、チューブ端部が密着せず立ち上がった状態で外観不良となり好ましくない。また径方向の収縮率が40%以上でも、長さ方向の収縮率が40%を超えるものでは、被覆したときに被覆位置がずれてしまったり、またカット長さを長くしなければならずコストアップにもつながるため好ましくない。
【0024】
【実施例】
以下に実施例でさらに詳しく説明するが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。なお、本明細書中に表示されるチューブについての種々の測定値および評価は次のようにして行った。ここで、チューブの押出機からの流れ方向を縦方向、その直交方向を径方向とよぶ。
【0025】
1) 結晶融解ピーク温度(Tm)
パーキンエルマー社製DSC−7を用いて、試料10mgをJIS−K7121に準じて、加熱速度10℃/分で昇温したときのサーモグラムから求めた。
【0026】
2) 結晶化温度(Tc)、結晶化熱量(ΔHc)
パーキンエルマー社製DSC−7を用いて、試料10mgをJIS−K7121、JIS−K7122に準じて、加熱速度10℃/分で結晶融解後、200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、冷却速度10℃/分で室温まで降温したときのサーモグラムから求めた。
【0027】
3) ガラス転移温度(Tg)
岩本製作所(株)製「粘弾性スペクトロメーターVES−F3」を用い、振動周波数10Hz、昇温速度1℃/分で測定し、得られたデータから損失弾性率(E”)のピーク値を求め、その時の温度をガラス転移温度(Tg)とした。
【0028】
4) 貯蔵弾性率(E’)
岩本製作所(株)製「粘弾性スペクトロメーターVES−F3」を用い、振動周波数10Hz、昇温速度1℃/分で−50℃から150℃まで測定し、得られたデータから温度30℃(E’30)及び100℃(E’100)での値を表示した。
【0029】
5) 熱収縮率(%)
100℃の熱水に30秒浸漬した後、長さ方向および径方向について下式に基づいて算出した。
熱収縮率(%)=[(L0 −L1 )/L0 ]×100
L0 :収縮前の寸法
L1 :収縮後の寸法
【0030】
6) 自然収縮率(%)
チューブを30℃×80%RHの恒温槽に30日間放置後、径方向の収縮率を前記5)と同様にして算出したものが、2%未満なら「○」、2%以上なら「×」と表示した。
【0031】
7) 巻き外観
外径130mmの巻芯に、肉厚0.4mmのチューブを30m巻き取って、チューブを目視で観察したとき、チューブに折れが発生して折れ跡が残るものを「×」、折れ跡が残らず良好なものを「○」と表示した。
【0032】
8) 被覆仕上がり性
長さ33mmにカットしたチューブに、直径18mm、長さ25mmのアルミ電解コンデンサを手挿入し、加熱収縮させたとき、端部が密着せず立ち上がった状態となったり、被覆位置がずれて被覆されたものを「×」、軽微なものを「△」、これらの不都合が全くなかったものを「○」と表示した。
【0033】
9) 耐熱性
被覆仕上がり性テスト後のアルミ電解コンデンサを、JIS C5102に準拠して、125℃の恒温槽で100時間経過後取り出し、外観を目視にて確認した。テスト後、チューブ外観に変化がなく、コンデンサの絶縁性能が保持されているものを「○」、また外観が変化したりチューブのずれ、割れ、溶融等により、短絡の恐れがあるものを「×」と表示した。なお被覆仕上がり性テストにて評価が「×」だったものについては、耐熱性評価は省略した。
【0034】
(実施例1)
表1に示すように、環状オレフィン系重合体としてエチレン成分と環状オレフイン成分からなるランダム共重体(三井化学(株)製、商品名:アペル8008T;Tg:75℃)(以下、環状POと略称する)100重量部に、ポリプロピレン系重合体としてプロピレン−エチレン−プロピレン共重合体エラストマー(■トクヤマ製、商品名P.E.R.310J:、ΔHc:31J/g、Tc:105℃、Tm:155℃、MFR:1.5g/10分、E’30:1.7×10Pa、E’100:1.0×10Pa)(以下、PP1と略称する)70重量部を配合し、同方向2軸押出機を用いて溶融混合し組成物のペレツトを得た。この組成物を、環状ダイからチューブラー押出して、内径9mm、厚さ0.8mmの未延伸チューブを得た。これを延伸温度98℃で長さ方向に1.1倍、径方向に2.1倍チューブラー延伸し、内径19mm、厚み0.4mmの延伸チューブを得た。得られたチューブの評価を行った。また、得られた結果について総合評価も行い、すべての評価が良好であり、実用上問題のないものを「○」、いずれか1つでも不良であるものを「×」として表示し、その結果を表1に示した。
【0035】
(実施例2)
実施例1で使用したポリプロピレン系重合体の配合量を150重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして延伸チューブを得た。得られたチューブの評価結果を表1に示した。
【0036】
(実施例3)
実施例1で使用したポリプロピレン系重合体(PP1)を、プロピレン−エチレンブロック共重合体(モンテル・エスディーケイ・サンライズ(株)製、商品名:「Adflex KS−353P」、ΔHc:25J/g、Tc:100℃、Tm:141℃、MFR:0.5g/10分、E’30:6.7×10Pa、E’100:8.5×10Pa)(以下、PP2と略称する)に変更した以外は、実施例1と同様にして延伸チューブを得た。得られたチューブの評価結果を表1に示した。
【0037】
(比較例1)
実施例1で使用したポリプロピレン系重合体(PP1)を、プロピレン−エチレン−ブテン−1三元共重合体(モンテル・エスディーケイ・サンライズ(株)製、商品名:「Adsyl 5C30F」、ΔHc:67J/g、Tc:94℃、Tm:146℃、MFR:5.5g/10分、E’30:6.7×10Pa、E’100:4.6×10Pa)(以下、PP3と略称する)に変更した以外は、実施例1と同様にして延伸チューブを得た。得られたチューブの評価結果を表1に示した。
【0038】
(比較例2)
実施例1で使用したポリプロピレン系重合体(PP1)の配合量を50重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして延伸チューブを得た。得られたチューブの評価結果を表1に示した。
【0039】
(比較例3)
実施例1で使用したポリプロピレン系重合体(PP1)の配合量を230重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして延伸チューブを得た。各々のチューブの評価結果を表1に示した。
【0040】
【表1】
Figure 0003983458
【0041】
表1より、本発明で規定する成分を有し、かつ規定する範囲にある実施例1乃至3のチューブは、いずれも耐熱性、柔軟性(巻き外観)、被覆仕上がり性に総合的に優れていることが分かる。これに対して、成分が異なるか(比較例1)、本発明で規定する範囲外(比較例2、3)のチューブは、柔軟性(巻き外観)、熱収縮率、自然収縮率、耐熱性のうち1つ以上の特性に劣ることが分かる。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、耐熱性、柔軟性、被覆仕上がり性などに優れるポリオレフィン系熱収縮性チューブが提供できる。

Claims (6)

  1. ガラス転移温度(Tg)が50〜90℃である環状オレフィン系重合体(A)100重量部に対して示差走査熱量計(DSC)にて測定される結晶化熱量が1545J/gで、結晶融解ピーク温度(Tm)が125℃以上であるポリプロピレン系重合体(B)65180重量部とからなる混合樹脂組成物を延伸してなることを特徴とするポリオレフィン系熱収縮性チューブ。
  2. 環状オレフィン系重合体(A)が、エチレンと環状オレフィンとのランダム共重合体、環状オレフィン開環(共)重合体、環状オレフィン開環(共)重合体の水素化物、およびこれらの(共)重合体のグラフト変性物よりなる群から選ばれる少なくとも一種の環状オレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1記載のポリオレフィン系熱収縮性チューブ。
  3. ポリプロピレン系重合体(B)が、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体およびリアクタータイプのポリプロピレン系エラストマーの中から選ばれる少なくとも一種のポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする請求項1記載のポリオレフィン系熱収縮性チューブ。
  4. ポリプロピレン系重合体(B)が、結晶融解ピーク温度(Tm)が135〜170℃であり、かつ動的粘弾性測定により周波数10Hz、温度100℃で測定した貯蔵弾性率(E’)が3.0×10〜3.0×10Paであることを特徴とする請求項1記載のポリオレフィン系熱収縮性チューブ。
  5. 100℃×30秒での径方向の熱収縮率が40%以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のポリオレフィン系熱収縮性チューブ。
  6. 厚みが0.05mm〜1.0mmのコンデンサ被覆用であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のポリオレフィン系熱収縮性チューブ。
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