JP2004059652A - ポリプロピレン樹脂組成物および延伸性を改良したポリプロピレン延伸フィルムとその製法 - Google Patents

ポリプロピレン樹脂組成物および延伸性を改良したポリプロピレン延伸フィルムとその製法 Download PDF

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高安 裕
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Abstract

【解決手段】本発明のポリプロピレン延伸フィルム用樹脂組成物は、プロピレンと炭素数2〜20のα−オレフィンとのランダム共重合により得られる重合体であって、示差走査熱量分析(DSC)で測定した融点範囲が40〜115℃であり、α−オレフィン含有量が5〜70モル%であるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)1〜20重量%およびポリプロピレン樹脂(B)80〜99wt%から形成される。また、本発明に係るポリプロピレン延伸フィルムは、これらの樹脂組成物から形成された単層構造の延伸フィルム、またはこの樹脂組成物から形成される層を少なくとも一層有する多層構造の延伸フィルムである。
【効果】本発明のポリプロピレン延伸フィルム用樹脂組成物は、延伸性を改良したことにより従来品よりも高速で延伸でき、さらに得られた延伸フィルムの機械物性の低下がほとんど見られない。

Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明はポリプロピレン延伸フィルム用樹脂組成物およびその成形方法に関するもので、詳しくはプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体とポリプロピレン樹脂を用いて得られる延伸性の良好なポリプロピレン延伸フィルム用樹脂組成物およびポリプロピレン延伸フィルムの製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレン延伸フィルムは、安価で透明性や機械物性(剛性、耐衝撃性)に優れているため各種の包装用材料、電気材料等に用いられており、その需要は急速に高まっている。このようなポリプロピレン延伸フィルムの一般的な製法は、チューブラー方式による同時二軸延伸法や加熱ロール/テンターによる逐次二軸延伸法(テンター方式)などである。テンター方式においては、フィルムの機械方向(MD)と横方向(TD)の延伸倍率は通常5〜12倍で行われている。またこのときの延伸速度は通常200m/minで行われるのが一般的である。
【0003】
現在、従来の延伸フィルムよりも薄くて高い剛性、透明性を有するポリプロピレン延伸フィルムの開発が研究されている。しかしながら従来使用されているポリプロピレン原料においては上記の生産条件がほぼ限界であり、これ以上の延伸倍率ではフィルムの破断がおきて安定に生産ができない。また、生産効率を挙げるために延伸速度をあげることが望ましいが、従来のポリプロピレン原料では上記の延伸速度がほぼ限界であり、これ以上の延伸速度では安定に生産できず、また最終製品の品質の悪化も懸念される。
【0004】
特表2002−514373ではポリプロピレンワックスの添加によるポリプロピレン延伸フィルムの延伸速度の改善を報告している。このようなワックスの添加は延伸速度の改善には効果があるが、得られるポリプロピレン延伸フィルムの製品物性(フィルムの剛性や表面のべた付き)は低下する傾向にある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を用いてポリプロピレン樹脂の延伸性を改良することにより高速でポリプロピレン延伸フィルムを生産することを可能とし、さらに延伸後のフィルムの機械物性が低下しないポリプロピレン延伸フィルムを実現することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するポリプロピレン延伸フィルムに用いる樹脂組成物は、プロピレンと炭素数2〜20のα−オレフィンとのランダム共重合により得られる重合体であって、示差走査熱量分析(DSC)で測定した融点範囲が40〜115℃であり、α−オレフィン含有量が5〜70モル%であるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)1〜20重量%およびポリプロピレン樹脂(B)80〜99wt%から形成される。また、本発明に係るポリプロピレン延伸フィルムは、これらの樹脂組成物から形成された単層構造の延伸フィルム、またはこの樹脂組成物から形成される層を少なくとも一層有する多層構造の延伸フィルムであることを特徴としている。以下、本発明に係るポリプロピレン延伸フィルム用ポリプロピレン樹脂組成物およびそのポリプロピレン延伸フィルムについて詳しく説明する。
【0007】
【発明形態の実施】
プロピレン α−オレフィンランダム共重合体(
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物の構成成分の一つであるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)としては、DSCで測定した融点範囲が40〜115℃、好ましくは65〜110℃である。プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)中のプロピレン成分量は30〜95モル%、好ましくは50〜80モル%であり、少なくとも1種の他のα−オレフィン成分の量は5〜70モル%、好ましくは20〜50モル%である。なお、共重合体(A)中のα−オレフィン含有量とは、α−オレフィンに起因する構造単位のことであり、この含有量は赤外分光法または13C−NMRによって求められる値である。このようなプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体のコモノマーとしてはエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセンなどを用いるが、好ましくはエチレンおよび/または1−ブテンである。
【0008】
本発明で用いられるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体の密度(ASTMD  1505、23℃)は、通常0.85〜0.91g/cm、好ましくは0.86〜0.89 g/cmであることが望ましい。また、本発明で用いられるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体のメルトフレート(MFR;ASTM D 1238,230℃,2.16kg荷重)は、通常0.1〜20g/10分であり、好ましくは0.5〜10g/10分である。
【0009】
上記のようなプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を製造する際に利用される重合触媒は、チタン系またはバナジウム系のチーグラー・ナッタ触媒や、チタン系、ジルコニウム系、ハフニウム系のメタロセン触媒、その他オレフィン重合に用いられる公知の立体規則性触媒を用いることができる。
【0010】
上記のようなプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)は通常5以下である。また、このようなプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を、例えば特開平7−138326号、WO 95/1417号などの公報に記載されているチタン系、ジルコニウム系、ハフニウムなどを用いたメタロセン系の触媒を用いて重合すると、より低融点かつゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が3以下、好ましくは2.8以下、より好ましくは2.5以下のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を得ることができ本発明の目的にも好適である。またメタロセン系の触媒を用いて得られたプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体はランダム性が良く、一般式(1)で表されるB値が0.95〜2.0、好ましくは1.0〜1.5の範囲にある。
【0011】
B=POE/(2P)                (1)
(式中、Pは共重合体中のプロピレン成分の含有モル分率を示し、Pはα−オレフィン成分の含有モル分率を示し、POEは全ダイアッド連鎖のプロピレン・α−オレフィン連鎖のモル分率を示す。)
メタロセン系の触媒を用いて得られたプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を本発明のポリプロピレン樹脂組成物に使用すると延伸性が向上するため好ましい。
【0012】
ポリプロピレン樹脂(
本発明に係るポリプロピレン樹脂(B)は、公知のポリプロピレン単独重合体、またはエチレンないしは炭素数4〜20のα−オレフィンとのランダムまたはブロック共重合体をあげることができる。これを用いて得られるポリプロピレン延伸フィルムの剛性の点で、好ましくは単独重合体が使用される。本発明に用いるポリプロピレン樹脂のメルトフレート(MFR;ASTM D 1238,230℃,2.16kg荷重)は、通常0.1〜10g/10分であり、好ましくは0.5〜5g/10分である。
【0013】
このようなポリプロピレン樹脂は、典型的には固体状のチタン触媒と有機金属化合物を主成分とする触媒、またはメタロセン化合物を触媒の一成分として用いたメタロセン触媒の存在下でプロピレンを単独重合あるいはプロピレンと他のα−オレフィンを共重合して製造することができる。
【0014】
メタロセン触媒の存在下で得られるポリプロピレン樹脂(B)としては、メルトフローレート(MFR、ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)が0.1〜10(g/10分)、好ましくは0.5〜5(g/10分)、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が70〜165℃、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定した分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜3.0、好ましくは1.5〜2.5の範囲であるプロピレン系共重合体である。このような組成を有するプロピレン系重合体としては、メタロセン触媒の存在下にプロピレンの単独重合、またはプロピレンとプロピレンを除く炭素数2〜20までのα−オレフィンとを共重合して得られるブロックないしはランダム共重合体が使用される。メタロセン触媒の存在下にプロピレンとプロピレンを除く炭素数2〜20までのα−オレフィンとを共重合して得られるランダム共重合体の場合、プロピレンとともに用いられるα−オレフィンの好ましい具体例としては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどを挙げることができ、これらは複数種同時に用いることもでき、中でもエチレン、1−ブテンが好適に用いられる。共重合体中のプロピレン成分は90〜100モル%、好ましくは94〜100モル%の量で、α−オレフィン成分が0〜10モル%、好ましくは0〜6モル%の量で存在する。
【0015】
メタロセン触媒の存在下で得られるポリプロピレン樹脂(B)はその示差走査熱量計で測定した融点[Tm]が
70<Tm<155−4.6(100−P)
好ましくは
70<Tm<150−4.6(100−P)
(式中Pは重合体中のプロピレン成分量(モル%)である)
の範囲にある。またメタロセン触媒の存在下で得られたポリプロピレンの沸騰トリクロロエチレン不溶分量が5重量%以下であることが好ましい。
このようなプロピレン系重合体は、例えば特開平173016号公報等の記載の方法により得られることができる。
【0016】
このようなプロピレン系共重合体を使用することで低温ヒートシール性に優れ、ヒートシール強度が高く、加熱後のエージングによるシール強度の低下が少ないフィルムを得ることができる。
【0017】
ポリプロピレン樹脂組成物
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物は、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)とポリプロピレン樹脂(B)からなる。ポリプロピレン樹脂組成物中に占めるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)は通常1〜20wt%、好ましくは3〜6wt%であり、ポリプロピレン樹脂(B)の占める割合は通常80〜99wt%、好ましくは94〜97wt%である。プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)のブレンド量がこれよりも多いと、延伸性は改善されるが製品フィルムの機械物性が低下するため本発明の目的を損なう。
【0018】
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)のブレンド量がこれよりも少ないと、フィルムの機械物性の低下は少ないが延伸性は改善されない。
【0019】
また最終製品の加工性および取り扱い性を改善するために、これらの中に耐熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、抗ブロッキング剤、スリップ剤、帯電防止剤、対候安定剤、防曇剤、結晶核剤、塩基吸収剤、滑剤、難燃剤、石油樹脂などの添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で添加する事ができる。
【0020】
ポリプロピレン延伸フィルム
本発明のポリプロピレン延伸フィルムは、ポリプロピレン樹脂組成物から得られる。本発明のポリプロピレン延伸フィルムの一般的な製法は以下のようなものである。
【0021】
ポリプロピレン樹脂組成物を溶融押出ししてT型のダイスからカーテン状に垂らし、直後にこの溶融膜を冷却ロールによって硬化させ一次フィルムを得る。続いて、後続の延伸装置により延伸を行う。
【0022】
テンター法では、この一時フィルムを延伸に適した温度に再加熱され、遅(前)ロールと速(後)ロール間で縦方向に延伸される。次いで、テンター部に入り、フィルムの両端を保持したまま加熱され、横方向に延伸される。最後にこのフィルムを熱処理することでフィルム物性を安定化させ巻き取り機によって巻き上げる。また、上記に示したような縦および横方向の延伸を同時に行うニ軸同時テンター式延伸方式を用いても、本発明のポリプロピレン延伸フィルムを得ることが可能である。
【0023】
延伸倍率は通常5(縦)〜10(横)倍であるが、本発明のポリプロピレン樹脂組成物を用いると、より延伸性が向上するためこれ以上の延伸倍率、例えば12倍以上さらには15倍以上の延伸倍率が可能となる。このように高倍率に延伸されたフィルムは、薄くても剛性、透明性に優れ、また延伸後のフィルムの収縮を抑えることが可能である。
【0024】
また、本発明におけるポリプロピレン延伸フィルムの製法は、従来使用されているポリプロピレン原料を用いて上記のような方法によってポリプロピレン延伸フィルムを成形する際に、本発明に用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)を従来使用されているポリプロピレン原料に1〜20重量部添加して成形することである。本発明のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は狭組成、狭分子量分布であるため室温でもペレットとして扱える。したがって、従来使用されているポリプロピレン原料にプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体をドライブレンドしても成形が可能である。
【0025】
本発明のポリプロピレン延伸フィルムは、上記ポリプロピレン樹脂組成物からなる層を少なくとも一層有するものであり、ポリプロピレン樹脂組成物からなる層に隣接する層にシーラント層およびスキン層として働くポリオレフィン樹脂組成物を積層し、多層フィルムとすることができる。本発明のポリプロピレン延伸フィルムの厚みに特に制限はないが、通常5〜50μm、好ましくは8〜30μmである。
【0026】
【実施例】
実施例および比較例で用いたフィルム原料成分は次のとおりである。
【0027】
プロピレン・α オレフィンランダム共重合体(
1)特開平7−13826号に記載(製造例5)されているTi系触媒および重合方法に基づいて 製造したプロピレン・1−ブテンランダム共重合体(A1)
・ブテン含量=26モル%
・MFR(ASTM D 1238,230℃,2.16kg)=6.0g/10分
・融点=110℃(DSC法)
・Mw/Mn=4.50
2)特開平7−13826号(製造例1)に記載されているメタロセン系触媒および重合方法に基づいて製造したプロピレン・1−ブテンランダム共重合体(A2)
・ブテン含量=30モル%
・MFR(ASTM D 1238,230℃,2.16kg)=4.9g/10分
・融点=85℃(DSC法)
・Mw/Mn=1.97
3)特開平7−13826号に記載されているメタロセン系触媒および重合方法に基づいて製造 したプロピレン・1−ブテンランダム共重合体(A3)
・ブテン含量=43.3モル%
・MFR(ASTM D 1238,230℃,2.16kg)=6.7g/10分
・融点=72℃(DSC法)
・Mw/Mn=1.85  。
【0028】
ポリプロピレン樹脂(
4)三井・住友ポリオレフィン製のプロピレン単独重合体(商品名「F142Z」)(B1)
・MFR(ASTM D 1238,230℃,2.16kg)=1.95g/10分   。
【0029】
【実施例1】
上記プロピレン・1−ブテンランダム共重合体(A1)5重量%とランダム・ポリプロピレン(B1)95重量%からなる樹脂組成物をブレンドし、単軸押出し機を用いて混練しポリプロピレン樹脂組成物を作成した。ついで、得られたペレットをキャストフィルム成形機によって250℃で押出しながら、250μm厚の単層フィルムを作成した。このとき、冷却ロールの温度は70℃であった。このようにして得たフィルムから9cm角のシートを切り出し、東洋精機社製の卓上二軸延伸機を用いて、延伸倍率と延伸温度を変えて同時延伸を行いフィルムの延伸性を評価した。延伸性の評価は、同一条件で10回延伸を行い、破断および延伸ムラのみられなかったものを成功回数として評価した。延伸評価試験の条件を以下に示す。
【0030】
予熱温度、延伸温度、延伸後の熱処理温度:150℃
延伸前の予熱時間:2分
延伸後の熱処理時間:3分
延伸倍率:6(機械)×6(横)
延伸速度:1.5〜20m/min
延伸評価試験の結果を表1に示す。また、試験後の延伸フィルムを用いて引張試験(JIS K6781に準拠、引張速度200mm/min)を行いフィルム物性を評価した。このとき結果を表2に示す。
【0031】
【実施例2】
上記プロピレン・1−ブテンランダム共重合体(A1)10重量%とランダム・ポリプロピレン(B1)90重量%からなる樹脂組成物をブレンドし、実施例1と同様の方法でポリプロピレン樹脂組成物を作成した。さらに、実施例1と同様の方法でフィルムの延伸性および延伸フィルムの物性を評価した。結果を表1および2に示す。
【0032】
【実施例3】
上記プロピレン・1−ブテンランダム共重合体(A2)5重量%とランダム・ポリプロピレン(B1)95重量%からなる樹脂組成物をブレンドし、実施例1と同様の方法でポリプロピレン樹脂組成物を作成した。さらに、実施例1と同様の方法でフィルムの延伸性および延伸フィルムの物性を評価した。結果を表1および2に示す。
【0033】
【実施例4】
上記プロピレン・1−ブテンランダム共重合体(A2)10重量%とランダム・ポリプロピレン(B1)90重量%からなる樹脂組成物をブレンドし、実施例1と同様の方法でポリプロピレン樹脂組成物を作成した。さらに、実施例1と同様の方法でフィルムの延伸性および延伸フィルムの物性を評価した。結果を表1および2に示す。
【0034】
【実施例5】
上記プロピレン・1−ブテンランダム共重合体(A3)5重量%とランダム・ポリプロピレン(B1)95重量%からなる樹脂組成物をブレンドし、実施例1と同様の方法でポリプロピレン樹脂組成物を作成した。さらに、実施例1と同様の方法でフィルムの延伸性および延伸フィルムの物性を評価した。結果を表1および2に示す。
【0035】
【実施例6】
上記プロピレン・1−ブテンランダム共重合体(A3)10重量%とランダム・ポリプロピレン(B1)90重量%からなる樹脂組成物をブレンドし、実施例1と同様の方法でポリプロピレン樹脂組成物を作成した。さらに、実施例1と同様の方法でフィルムの延伸性および延伸フィルムの物性を評価した。結果を表1および2に示す。
【0036】
【比較例1】
上記ランダム・ポリプロピレン(B1)単体にて、実施例1と同様の方法でフィルムの延伸性および延伸フィルムの物性を評価した。結果を表1および2に示す。
【0037】
【表1】
Figure 2004059652
【0038】
【表2】
Figure 2004059652
【0039】
ポリプロピレン単独共重合体を用いた比較例1では、3.0m/minの延伸速度が限界であったが、プロピレン・1−ブテンランダム共重合体をブレンドすることで20m/minの延伸速度まで可能となり、延伸性が改良できることが確認できた。また表2から、プロピレン・1−ブテンランダム共重合体のブレンド量が5wt%であれば、機械物性の低下がほとんど見られないことも確認できた。
【0040】
【発明の効果】
本発明によって、プロピレン・1−ブテンランダム共重合体、好ましくはメタロセン触媒によって重合した低融点さらには狭組成、狭分子量分布をもつプロピレン・1−ブテンランダム共重合体を用いることで高速延伸が可能なポリプロピレン延伸フィルムが実現できた。

Claims (4)

  1. プロピレンとプロピレンを除く炭素数2〜20のα−オレフィンとのランダム共重合により得られる重合体であって、示差走査熱量分析(DSC)で測定した融点範囲が40〜115℃であり、プロピレン以外のα−オレフィン含有量が5〜70モル%であるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)1〜20wt%およびポリプロピレン樹脂(B)80〜99wt%から形成されるポリプロピレン樹脂組成物。
  2. プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が5以下であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 請求項1または2記載の樹脂組成物から形成されるフィルムを少なくとも一層とし、これを一軸ないしはニ軸方向へ配向させたポリプロピレン延伸フィルム。
  4. 請求項1または2記載の樹脂組成物から形成されるフィルムを再加熱して一軸ないしはニ軸方向へ同時ないしは逐次延伸して得るポリプロピレン延伸フィルムの製造法。
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