JP2021063162A - 延伸フィルムおよびその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、低温熱収縮性を有し、熱収縮率に優れ、かつ自然収縮率が低く、引張弾性率が高い延伸フィルムを得ることにある。【解決手段】本発明は、示差走査熱量測定(DSC)により測定した融点(Tm)が150〜180℃の範囲にあるプロピレン系重合体(A)を40〜90質量%、および示差走査熱量測定(DSC)により測定した融点(Tm)が120℃未満または融点が観測されないプロピレン系共重合体(B)を10〜60質量%〔但し、(A)と(B)の合計を100質量%とする。〕含む重合体組成物からなる縦方向(MD)の引張弾性率が1.5GPa以上であることを特徴とする延伸フィルムに係る。【選択図】なし

Description

本発明は、低温熱収縮性を有し、熱収縮率に優れ、かつ自然収縮率が低く、引張弾性率が高い延伸フィルムおよびその用途に関する。
食品包装に用いる延伸フィルムの用途の一つであるシュリンクフィルムは、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂が用いられている。ポリ塩化ビニルシュリンクフィルムは収縮性、透明性に優れるが、環境への問題が懸念されている。ポリエチレンシュリンクフィルムは収縮性や耐突き刺し強度に優れるものの、透明性、剛性、耐熱性等は高くない。一方、ポリプロピレンシュリンクフィルムは透明性、耐熱性、剛性に優れるが、成形に高温を要し、収縮性に乏しいという問題がある。
かかる問題点の解決方法として、低融点化したポリプロピレン(プロピレン・α‐オレフィンランダム共重合体)を主材、もしくは改質材として用いることで収縮率を向上させる方法が提案されている(たとえば、特許文献1、2)。さらには、柔軟性や収縮性を改良する方法として、プロピレン系重合体に、ポリブテン系重合体を加えたオレフィン系重合体組成物を使用する方法が提案されている(たとえば、特許文献3〜5)。
一方で、提案された手法においては、主材の弾性率や融点が低いために、フィルムの弾性率すなわちコシに乏しく、製膜後経時での自然収縮が発生する恐れがあることから、後工程における作業性に難点が残る。これを解決する方法として、主材に高剛性かつ高融点なポリプロピレンを用いることが考えられるが、加熱収縮率が不足する問題が生じる。
特開2003−306587号公報 特開2004−155482号公報 特開平11−245350号公報 特開平10-272747号公報 特開2015−174882号公報
本発明の目的は、低温熱収縮性を有し、熱収縮率に優れ、かつ自然収縮率が低く、引張弾性率が高い延伸フィルムを得ることにある。
本発明は、示差走査熱量測定(DSC)により測定した融点(Tm)が150〜180℃の範囲にあるプロピレン系重合体(A)を40〜90質量%、および示差走査熱量測定(DSC)により測定した融点(Tm)が120℃未満または融点が観測されないプロピレン系共重合体(B)を10〜60質量%〔但し、(A)と(B)の合計を100質量%とする。〕含む重合体組成物からなる縦方向(MD)の引張弾性率が1.5GPa以上であることを特徴とする延伸フィルムに係る。
本発明の延伸フィルムは、低温熱収縮性を有し、加熱収縮率に優れ、かつ自然収縮率が低く、引張弾性率が高いので、食品包装材等に好適に用い得る。
<プロピレン系重合体(A)>
本発明の延伸フィルムを形成する重合体組成物の成分の一つであるプロピレン系重合体(A)は、示差走査熱量測定(DSC)により測定した融点(Tm)が140〜180℃の範囲、好ましくは150〜170℃の範囲にある。
本発明に係わるプロピレン系重合体(A)の示差走査熱量測定(DSC)による融点(Tm)の測定は、実施例に記載する方法で行った値である。
本発明に係わるプロピレン系重合体(A)は、通常、プロピレンから導かれる構成単位が50モル%を超え、好ましくは60モル%以上、より好ましくは70モル%以上である。
本発明に係わるプロピレン系重合体(A)は、プロピレンの単独重合体(ホモポリプロピレン)であっても、プロピレンと炭素原子数2〜20のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)とのランダム共重合体であっても、プロピレンブロック共重合体であっても良い。
本発明に係わるプロピレン系重合体(A)は、延伸製膜後の引張弾性率が1.5GPa以上のものを得るため、プロピレン単独重合体であることがより好ましい。
プロピレンと共重合させる炭素数が2〜20のα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンが挙げられる。二種類以上のα−オレフィンを用いることも好ましい形態の一つである。
本発明に係わるプロピレン系重合体(A)は、延伸製膜後の引張弾性率が1.5GPa以上のものを得るため、アイソタクティックプロピレン系重合体が好ましい。アイソタクティックプロピレン系重合体とは、NMR法により測定したアイソタクティックペンタッド分率が0.9以上、好ましくは0.95以上であるプロピレン系重合体である。このアイソタクティックペンタッド分率を百分率で表すと90%以上、好ましくは95%以上である。
アイソタクティックペンタッド分率(mmmm分率)は、13C−NMRを使用して測定される分子鎖中のペンタッド分率単位でのアイソタクティック連鎖の存在割合を示すものであり、プロピレンモノマー単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率である。具体的には、13C−NMRスペクトルで観測されるメチル炭素領域の全吸収ピーク中に占めるmmmmピークの分率として算出される。
mmmm分率は、13C−NMRスペクトルにおけるPmmmm(プロピレン単位が5単位連続してアイソタクティック結合した部位における第3番目のメチル基に由来する吸収強度)およびPw(プロピレン単位の全メチル基に由来する吸収強度)の吸収強度から下記式により求められる。
mmmm分率=Pmmmm/Pw
NMR測定は、NMR測定装置を用いて例えば次のようにして行われる。すなわち、試料0.35gをヘキサクロロブタジエン2.0mLに加熱溶解させる。この溶液をグラスフィルター(G2)で濾過した後、重水素化ベンゼン0.5mLを加え、内径10mmのNMRチューブに装入する。そして120℃で13C−NMR測定を行う。積算回数は10,000回以上とする。
本発明に係わるプロピレン系重合体(A)は、メルトフローレート(MFR)〔ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重下)は、後述のプロピレン系重合体(B)と混合して得られる重合体組成物がフィルム形成能を有する限り特に限定はされないが、0.1〜10g/10分が好適であり、中でも0.5〜8g/10分が特に好適である。このような範囲であれば、フィルム成形が良好である。
《プロピレン系重合体(A)の製造方法》
本発明に係るプロピレン系重合体(A)は、通常、ポリプロピレンとして、製造・販売されているオレフィン系重合体の一種であり、種々公知の製造方法、例えば、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系触媒などの公知の触媒の存在下に、モノマーを気相法、バルク法、スラリー法などの公知の重合法により製造し得る。
<プロピレン系共重合体(B)>
本発明の延伸フィルムを形成する重合体組成物の成分の一つであるプロピレン系共重合体(B)は、示差走査熱量測定(DSC)により測定した融点(Tm)が120℃未満または融点が観測されない。
本発明に係わるプロピレン系共重合体(B)は、好ましくは、示差走査熱量測定(DSC)により測定した融点(Tm)が110℃以下である。
本発明に係わるプロピレン系共重合体(B)は、好ましくは、13C−NMRで測定されるトリアドタクティシティ(mm分率)が85%以上、より好ましくは90〜98%の範囲にある。
本発明に係わるプロピレン系共重合体(B)の示差走査熱量測定(DSC)による融点(Tm)の測定は、実施例に記載する方法で行った値である。
本発明に係わるプロピレン系共重合体(B)のトリアドタクティシティ(mm分率)は、具体的にポリマー鎖中に存在するプロピレン単位を含む3連鎖として、(i)頭−尾結合したプロピレン単位3連鎖、および(ii)頭−尾結合したプロピレン単位とα−オレフィン単位とからなりかつ第2単位目がプロピレン単位であるプロピレン単位・α−オレフィン単位3連鎖について、mm分率が測定される。これら3連鎖(i)および(ii)中の第2単位目(プロピレン単位)の側鎖メチル基のピーク強度からmm分率が求められる。
本発明に係るプロピレン系共重合体(B)は、通常、プロピレンから導かれる構成単位10〜95モル%、好ましくは50〜95モル%、より好ましくは60〜90モル%並びに、炭素原子数2または4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位5〜90モル%、好ましくは5〜50モル%、より好ましくは10〜40モル%[ここで、プロピレンから導かれる構成単位と炭素原子数2または4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位の合計量は100モル%である。]を含有するプロピレン系重合体である。
本発明に係わるプロピレン系共重合体(B)において、プロピレンと共重合させる炭素数2または4〜20のα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンが挙げられる。これらα−オレフィンは二種類以上のα−オレフィンであってもよい。これらα−オレフィンの中では、1−ブテンがより好ましい。
本発明に係わるプロピレン系共重合体(B)のゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.0〜3.0、特に好ましくは2.0〜2.5である。Mw/Mnを上記範囲に設定することで、プロピレン系共重合体(B)中の低分子量成分の含有量を抑制できる。その結果、延伸フィルムの表層からブリードが起こり難くなり、延伸フィルムの保管時における表層のべた付き、ブロッキングを抑制できる。
本発明に係わるプロピレン系共重合体(B)のMw/Mnの測定方法は、実施例に記載した方法で測定した値である。
本発明に係わるプロピレン系共重合体(B)のメルトフローレート(MFR;ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重下)は、前記プロピレン系重合体(A)と混合して得られる重合体組成物がフィルム形成能を有する限り特に限定はされないが、好ましくは0.1〜30g/10分、より好ましくは0.5〜20g/10分、特に好ましくは1.0〜10g/10分である。
《プロピレン系共重合体(B)の製造方法》
本発明に係わるプロピレン系共重合体(B)は、プロピレンとα−オレフィンをメタロセン化合物を含む触媒の存在下に共重合することにより好適に製造できる。具体的には、例えば、WO2004/087775号パンフレットまたはWO2001/27124号パンフレットに記載の方法などに従いメタロセン触媒によって好適に製造できる。また、チーグラー・ナッタ触媒を用いてもよい。
<重合体組成物>
本発明の延伸フィルムを形成する重合体組成物は、本発明に係わる上記プロピレン系重合体(A)を40〜95質量%、好ましくは50〜95質量%、より好ましくは60〜90質量%、および、本発明に係わる上記プロピレン系共重合体(B)を5〜60質量%、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜40質量%の範囲で含む組成物である〔但し、(A)と(B)の合計を100質量%とする。〕。
本発明に係わる重合体組成物は、プロピレン系重合体(A)とプロピレン系共重合体(B)とを上記範囲で含むことにより、低温熱収縮性を有し、熱収縮率に優れ、かつ自然収縮率が低く、引張弾性率が高い延伸フィルムを得ることができる。
本発明に係わる重合体組成物は、あるいは、上記プロピレン系重合体(A)、上記プロピレン系共重合体(B)には、その目的を損なわない範囲内において通常用いられる耐熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、抗ブロッキング剤、スリップ剤、帯電防止剤、対候安定剤、防曇剤、結晶核剤、塩基吸収剤、滑剤、難燃剤などを、本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
本発明に係わる重合体組成物のメルトフローレート(MFR;ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重下)は、重合体組成物がフィルム形成能を有する限り特に限定はされないが、好ましくは0.1〜100g/10分、より好ましくは0.5〜30g/10分、特に好ましくは1〜10g/10分である。
<延伸フィルム>
本発明の延伸フィルムは、本発明に係わる上記重合体組成物を延伸してなる縦方向(MD)の引張弾性率が1.5GPa以上、好ましくは1.5〜6.0GPaの範囲にあることを特徴とする延伸フィルムである。
本発明の延伸フィルムは、一軸延伸フィルムであっても、二軸延伸フィルムであってもよい。
本発明の延伸フィルムは、好ましくは、130℃以上の温度で1分間加熱した際の熱収縮率が10%以上、より好ましくは10〜70%の範囲にある。
本発明の延伸フィルムは、好ましくは、40℃雰囲気下で7日間保管後の縦および横の収縮率がいずれも2.5%以下である。
本発明の延伸フィルムの厚さは、延伸フィルムの用途に応じて種々決め得るが、通常、1〜100μm、好ましくは5〜50μm、より好ましくは10〜30μmの範囲にある。
本発明の延伸フィルムは、上記重合体組成物からなる単層の延伸フィルムであってもよいが、延伸フィルムの用途によっては、当該延伸フィルムの片面、あるいは両面に熱融着層が積層された延伸フィルムであってもよい。
《熱融着層》
本発明の延伸フィルムに積層される熱融着層は、延伸フィルムにヒートシール性、好ましくは低温ヒートシール性を付与するための層であり、通常、上記プロピレン系重合体(A)より低い温度で融着し得る重合体であり、例えば、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、結晶性あるいは低結晶性のエチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体あるいはプロピレンとエチレンもしくは炭素数4以上のα−オレフィンとのランダム共重合体、ポリブテン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の低融点の重合体を単独あるいはそれらの組成物からなる層である。
本発明の延伸フィルムに積層される熱融着層の厚さは、用途に応じて種々決め得るが、通常、0.1〜10μm、好ましくは0.5〜5μm、より好ましくは1〜3μmの範囲にある。
《基材層》
本発明の延伸フィルムは、延伸フィルムの用途によっては、基材層を積層した積層フィルムであってもよい。
本発明に係わる基材層は、熱可塑性樹脂からなるシート状またはフィルム状のもの、紙、アルミニウム箔等からなる。熱可塑性樹脂としては、種々公知の熱可塑性樹脂、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチル・1−ペンテン、ポリブテン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66、ポリメタキシレンアジパミド等)、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体の鹸化物、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、アイオノマー、あるいはこれらの混合物等を例示することができる。これらのうちでは、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等、延伸性、透明性が良好な熱可塑性樹脂が好ましい。又、かかる熱可塑性樹脂フィルムからなる基材は、無延伸フィルムであっても、延伸フィルムであっても良いし、1種或いは2種以上の共押し出し品、押出しラミ品、ドライラミ品等の積層体であっても良い。
又、基材層の片面あるいは両面を、本発明の延伸フィルムとの接着性を改良するために、例えば、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、アンダーコート処理、プライマーコート処理、フレーム処理等の表面活性化処理を行っておいてもよい。基材層の厚さは、通常5〜1000μm、好ましくは9〜100μmの範囲にある。
《延伸フィルムの製造方法》
本発明の延伸フィルムは、種々公知の方法、例えば、上記重合体組成物を押出し成形して得たシートを、公知の一軸延伸方法、同時二軸延伸方法あるいは逐次二軸延伸方法等の延伸フィルム製造方法により得られる。
また、本発明の延伸フィルムが上記熱融着層を有する場合は、上記重合体組成物と上記熱融着層を形成する重合体とを共押出し成形してなるシートを用いればよい。
延伸フィルムは、低い温度で延伸するほど低温熱収縮性を有す延伸フィルムを得ることができる。
したがって、本発明の延伸フィルムが二軸延伸フィルムである場合は、その二軸延伸の条件は、公知の二軸延伸ポリプロピレンの製造条件より低い温度で延伸可能である。
本発明に係わる重合体組成物は、上記プロピレン系重合体(A)と上記プロピレン系共重合体(B)との組成比で、延伸可能な温度が異なるので、延伸可能な温度を探るために、シートの予熱温度を90〜150℃の範囲で行い、予め適正(製膜可能な最も低い温度)を選択すればよい。
本発明の延伸フィルムは、逐次二軸延伸法では、縦延伸温度100℃〜145℃、延伸倍率を4〜7倍の範囲、横延伸温度を110〜190℃、延伸倍率を8〜11倍の範囲にすればよい。また、同時二軸延伸法では、延伸温度を100〜145℃、延伸(面)倍率を20〜80倍の範囲にすればよい。
本発明の延伸フィルムが一軸延伸フィルムである場合は、ラベル等や易カット包装フィルム等への適用が考えられ、
本発明の延伸フィルムが二軸延伸フィルムある場合は、食品包装用、非食品包装用、加飾フィルム、キャパシタフィルム等の産業用フィルムへの適用に好適に使用し得る。
《延伸フィルムの用途》
本発明の延伸フィルムは、一般の包装用フィルムとしても用い得るが、シュリンクフィルム(収縮フィルム)として特に好適に用い得る。収縮包装用とは、包装しようとする物品全体を本発明のシュリンクフィルムが覆うように包装する用途ばかりではなく、包装しようとする物品の一部をシュリンクフィルムが覆うように包装する用途(シュリンクラベルなど)も含む。具体的には、食品包装、日用雑貨品、文具の包装、パレット包装などに用いられる。
本発明の収縮包装体は、延伸フィルムを熱収縮させて物品を包装する。
延伸フィルムを用いるにあたり、熱収縮に用いる収縮温度に特に制限はないが、例えば70〜160℃の範囲の雰囲気で(例えばオーブン中などで)加熱する。
本発明の延伸フィルムは、シュリンクフィルム(収縮フィルム)として用い得るが、収縮包装以外にも、種々OPPフィルムが使用されている分野、例えば、医薬、あるいは食品(被包装材料)などの包装材としても用い得る。
《キャパシタフィルム》
本発明の延伸フィルムは、容易に薄肉化することができるので、キャパシタの小型化や、コンデンサー容量の増加に対する要望に対応するキャパシタフィルムとして好適に使用することができる。
《リサイクル品を含む成形体》
本発明の延伸フィルムは、延伸フィルムを成形する際の熱履歴による分子量の低下が少ないので、延伸フィルムあるいはその端材、組成物等を成形体のリサイクル原料として用い、当該リサイクル品を含む成形体とすることができる。
本発明の延伸フィルムついて実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例および比較例で用いた(共)重合体を以下に示す。
〔プロピレン系重合体(A)〕
プロピレン系重合体(A)として、以下の重合体を用いた。
(1)プロピレン単独重合体(A−1)〔hPP〕
融点(Tm):160℃、MFR:3g/10分。
〔プロピレン系重合体(B)〕
プロピレン系重合体(B)として、以下の製造方法で得たプロピレン・1−ブテン共重合体(B−1)〔PBR−1〕およびプロピレン・1−ブテン共重合体(B−2)〔PBR−2〕を用いた。
[合成例]−メタロセン型錯体の合成−
(1)1−tert−ブチル−3−メチルシクロペンタジエンの調製
窒素雰囲気下で、tert−ブチルマグネシウムクロライド0.90mol/ジエチルエーテル450ml溶液(2.0mol/L溶液)に脱水ジエチルエーテル350mlを加え、氷冷下で0℃を保ちながら3−メチルシクロペンテノン43.7g(0.45mol)/脱水ジエチルエーテル150ml溶液を滴下し、その後室温で15時間攪拌した。さらにこの反応溶液に、氷冷下で0℃を保ちながら塩化アンモニウム80.0g(1.50mol)/水350ml溶液を滴下し、その後水2500mlを加えて攪拌した。得られた液の有機相を分離し、水で洗浄した。さらにこの有機相に、氷冷下で0℃を保ちながら10%塩酸水溶液82mlを加え、その後室温で6時間攪拌した。得られた液の有機相をさらに分離し、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水をこの順で用いて洗浄した。次いで無水硫酸マグネシウム(乾燥剤)で乾燥し、乾燥剤を濾過し、濾液から溶媒を留去して液体を得た。この液体を減圧蒸留(45〜47℃/10mmHg)することにより14.6gの淡黄色の液体を得た。その分析値を以下に示す。
1H−NMR(270MHz、CDCl3中、TMS基準)δ6.31+6.13+5.94+5.87(s+s+t+d、2H)、3.04+2.95(s+s、2H)、2.17+2.09(s+s、3H)、1.27(d、9H)
(2)3−tert−ブチル−1,6,6−トリメチルフルベンの調製
窒素雰囲気下で、上記方法(1)で得られた1−tert−ブチル−3−メチルシクロペンタジエン13.0g(95.6mmol)/脱水メタノール130ml溶液に、氷冷下で0℃を保ちながら脱水アセトン55.2g(950.4mmol)を滴下し、次いでピロリジン68.0g(956.1mmol)を滴下し、その後室温で4日間攪拌した。この反応液をジエチルエーテル400mlで希釈し、さらに水400mlを加えた。得られた液の有機相を分離し、0.5Nの塩酸水溶液150mlで4回、水200mlで3回、飽和食塩水150mlで1回洗浄した。次いで無水硫酸マグネシウム(乾燥剤)で乾燥し、乾燥剤を濾過し、濾液から溶媒を留去して液体を得た。この液体を減圧蒸留(70〜80℃/0.1mmHg)することにより10.5gの黄色の液体を得た。その分析値を以下に示す。
1H−NMR(270MHz、CDCl3中、TMS基準)δ6.23(s、1H)、6.05(d、1H)、2.23(s、3H)、2.17(d、6H)、1.17(s、9H)
(3)2−(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)−2−フルオレニルプロパンの調製
フルオレン10.1g(60.8mmol)/THF300ml溶液に、氷冷下でn−ブチルリチウム61.6mmol/ヘキサン40ml溶液を窒素雰囲気下で滴下し、その後室温で5時間攪拌した。得られた濃褐色溶液を再度氷冷し、上記方法(2)で得られた3−tert−ブチル−1,6,6−トリメチルフルベン11.7g(66.5mmol)/THF300ml溶液を窒素雰囲気下で滴下し、その後室温で14時間攪拌した。さらにこの褐色溶液を氷冷し、水200mlを加えた。得られた液の有機相を、ジエチルエーテルを用いて抽出、分離した。次いでこの有機相を硫酸マグネシウム(乾燥剤)で乾燥し、乾燥剤を濾過し、濾液から溶媒を減圧下で除去して橙褐色のオイルを得た。このオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン)で精製して、3.8gの黄色オイルを得た。その分析値を以下に示す。
1H−NMR(270MHz、CDCl3中、TMS基準)δ7.70(d、4H)、7.34〜7.26(m、6H)、7.18〜7.11(m、6H)、6.17(s、1H)、6.01(s、1H)、4.42(s、1H)、4.27(s、1H)、3.01(s、2H)、2.87(s、2H)、2.17(s、3H)、1.99(s、3H)、2.10(s、9H)、1.99(s、9H)、1.10(s、6H)、1.07(s、6H)
(4)ジメチルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロリド(メタロセン型錯体)の調製
氷冷下で、上記方法(3)で得られた2−(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)−2−フルオレニルプロパン1.14g(3.3mmol)/ジエチルエーテル25ml溶液に、n−ブチルリチウム7.7mmol/ヘキサン5.0ml溶液を窒素雰囲気下で滴下し、その後室温で14時間攪拌した。得られた桃色のスラリーに、−78℃でジルコニウムテトラクロライド0.77g(3.3mmol)を加え、−78℃で数時間攪拌し、次いで室温で65時間撹拌した。得られた黒褐色スラリーを濾過し、濾物をジエチルエーテル10mlで洗浄し、ジクロロメタンで抽出して赤色溶液を得た。この溶液の溶媒を減圧留去して、0.53gの赤橙色の固体状のメタロセン触媒であるジメチルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロリド(メタロセン型錯体)を得た。その分析値を以下に示す。
1H−NMR(270MHz、CDCl3中、TMS基準)δ8.11〜8.02(m、3H)、7.82(d、1H)、7.56〜7.45(m、2H)、7.23〜7.17(m、2H)、6.08(d、1H)、5.72(d、1H)、2.59(s、3H)、2.41(s、3H)、2.30(s、3H)、1.08(s、9H)
[調製例1]
プロピレン・1−ブテン共重合体(B−1)〔PBR−1〕の調製
充分に窒素置換した2000mlの重合装置に、乾燥ヘキサン875ml、1−ブテン75gおよびトリイソブチルアルミニウム1.0mmolを常温で仕込み、重合装置内温を65℃に昇温し、プロピレンで0.7MPaに加圧した。次いで、上記合成例で得られたメタロセン触媒であるジメチルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロリド0.002mmolと、アルミニウム換算で0.6mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)とを接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温65℃、プロピレン圧0.75MPaを保ちながら30分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、2Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥し、15.2gのプロピレン・1−ブテン共重合体を得た。以下の説明では、このプロピレン・1−ブテン共重合体を「PBR−1」と略称する。
PBR−1の1−ブテン含量(M)は25モル%、メルトフローレート(MFR)は6.5g/10分、分子量分布(Mw/Mn)は2.11、融点(Tm)は75.3℃であった。
[調製例2]
プロピレン・1−ブテン共重合体(B−2)〔PBR−2〕の調製
前記調製例1において、1−ブテンの使用量を45gに、重合時(触媒添加後)のプロピレン圧を0.7MPaに変更した以外は調製例1と同様にしてプロピレン・1−ブテン共重合体を得た。以下の説明では、このプロピレン・1−ブテン共重合体を「PBR−2」と略称する。
PBR−2の1−ブテン含量(M)は15モル%、メルトフローレート(MFR)は6.7g/10分、分子量分布(Mw/Mn)は2.12、融点(Tm)は98.4℃であった。
〔プロピレン系重合体(C)〕
プロピレン系重合体として、以下の共重合体を用いた。
(1)プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体〔terPP〕
プロピレンターポリマー(MFR(230℃、2.16kg荷重、ASTM D1238に準拠):5.5g/10min、融点:132℃、プロピレン含量:91モル%)。
実施例および比較例で用いた(共)重合体の各物性値の測定方法を以下に示す。
[分子量分布(Mw/Mn)]
分子量分布(Mw/Mn)は、Waters社製ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC−2000型を用い、以下のようにして測定した。分離カラムとしては、東ソー社製のTSKgel(登録商標)GNH6−HTを2本およびTSKgel(登録商標)GNH6−HTLを2本用い、カラムサイズはいずれも直径7.5mm、長さ300mmとし、カラム温度は140℃とし、移動相にはo−ジクロロベンゼン(和光純薬工業社製)および酸化防止剤としてBHT(武田薬品社製)0.025質量%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は15mg/10mLとし、試料注入量は500マイクロリットルとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、分子量Mw<103およびMw>4×106については東ソー社製を用い、103≦Mw≦4×106についてはプレッシャーケミカル社製を用いた。
[重合体のエチレン、プロピレン、α−オレフィン含量]
エチレン、プロピレン、α−オレフィン含量の定量は、日本電子(株)製JNM GX−500型NMR測定装置を用いて、以下のようにして測定した。試料0.35gをヘキサクロロブタジエン2.0mlに加熱溶解させた。この溶液をグラスフィルター(G2)で濾過した後、重水素化ベンゼン0.5mlを加え、内径10mmのNMRチューブに装入して、120℃で13C−NMR測定を行った。積算回数は、10,000回以上とした。得られた13C−NMRスペクトルにより、エチレン、プロピレン、α−オレフィンの組成を定量化した。
[プロピレン系重合体(A)およびプロピレン系重合体(C)の融点(Tm)]
パーキンエルマー社製DSC8000を用い、窒素雰囲気下(20ml/min)、約5mgの試料を200℃まで昇温・10分間保持し、その後10℃/分で−100℃まで冷却した。−100℃で1分間保持した後、10℃/分で200℃まで昇温させた時の結晶溶融ピークのピーク頂点から融点(Tm)を求めた。
[プロピレン系共重合体(B)の融点(Tm)]
セイコーインスツル社製DSCを用い、測定用アルミパンに約5mgの試料をつめて、100℃/minで200℃まで昇温し、200℃で5分間保持し、その後10℃/minで−100℃まで降温し、次いで10℃/minで200℃まで昇温し、その吸熱曲線より融点(Tm)を求めた。
[メルトフローレート(MFR)]
メルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238に準拠し、230℃、2.16kg荷重下にて測定を行った。
実施例および比較例で得られた延伸フィルムの物性は、以下の測定方法で行った。
〔引張弾性率〕
JIS K7127に準拠し、試験片タイプ2(幅15mm)を用いた。測定には、株式会社島津製作所AG−X−5を用いて、23℃で、スパン間:100mm、引張り速度200mm/minで延伸フィルムを引張り〔T−ダイにおける押出方向(MD)〕、引張弾性率は、5回の平均値をとった。
〔熱収縮率〕
延伸フィルムを10mm×100mm(延伸方向)にスリットして得た試験サンプルをオーブンを用い、100℃、130℃、140℃、150℃、160℃、170℃の空気雰囲気下に1分間静置し、この熱処理前後のフィルム寸法差を元の寸法で割り、熱収縮率として算出した。
〔自然収縮率〕
延伸フィルムの自然収縮率は、熱収縮率試験と同寸法の試験サンプルを、オーブンを用いて40℃、空気雰囲気下、常圧の条件で7日間熱処理し、熱処理前後のフィルム寸法差を元の寸法で割り、自然収縮率として算出した。
[実施例1]
プロピレン単独重合体(A−1)80質量%および調製例1で得たプロピレン・1−ブテン共重合体(B−1)〔PBR−1〕20質量%を造粒機(モダンマシナリー社製 E−40)によってブレンドして造粒した。ついで、得られたペレット(組成物)をキャストフィルム成形機(モダンマシナリー社製)によって200℃で押出しながら、厚さ350μmの単層フィルムを作成した。
このフィルムから9cm角の試験片を切り出し、二軸延伸試験機(ブルックナー社製)を用いて同時二軸延伸した。130℃で、1分間予熱した後、同温度で、10m/分の速度で二軸方向へ5倍に延伸した。その後、室温で30秒間応力緩和させた後に延伸フィルムサンプルとして機器から取り外した。
得られた延伸フィルムの物性を上記記載の方法で評価した。評価結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1で得た単層フィルムを用いて、予熱温度、および延伸温度を120℃で二軸延伸フィルムを得た。
得られた延伸フィルムの物性を上記記載の方法で評価した。評価結果を表1に示す。
[実施例3〕
実施例1で用いたプロピレン・1−ブテン共重合体(B−1)〔PBR−1〕に替えて、調整例2で得たプロピレン・1−ブテン共重合体(B−2)〔PBR−2〕を用いる以外は実施例1と同様に行い、二軸延伸フィルムを得た。
得られた延伸フィルムの物性を上記記載の方法で評価した。評価結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例3で用いたプロピレン・1−ブテン共重合体(B−1)〔PBR−1〕に替えて、調整例2で得たプロピレン・1−ブテン共重合体(B−2)〔PBR−2〕を用いる以外は実施例3と同様に行い、二軸延伸フィルムを得た。
得られた延伸フィルムの物性を上記記載の方法で評価した。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1で用いた組成物に替えて、プロピレン単独重合体(A−1)を単独で用い、予熱温度および延伸温度を158℃とする以外は、実施例1と同様に行い、二軸延伸フィルムを得た。
プロピレン単独重合体(A−1)を単独では実施例1および実施例2で採用した120〜130℃の温度では、延伸できないので158℃で行った。
得られた延伸フィルムの物性を上記記載の方法で評価した。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
比較例1の予熱温度および延伸温度に替えて、予熱温度および延伸温度を140℃に替える以外は、比較例2と同様に行い延伸フィルムを得た。
得られた延伸フィルムの物性を上記記載の方法で評価した。評価結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例1で用いた組成物に替えて、プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体〔terPP〕を単独で用い、予熱温度および延伸温度を90℃とする以外は、実施例1と同様に行い、二軸延伸フィルムを得た。
得られた延伸フィルムの物性を上記記載の方法で評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 2021063162
表1から明らかなように、実施例1〜4で得られた延伸フィルムは、加熱温度が140℃でも熱収縮し、加熱温度が160〜170℃では熱収縮率が30〜50%と大きく収縮しており、自然収縮率も低く、引張弾性率は1.5GPaを超えている。
それに対し、プロピレン単独重合体から得られる延伸フィルム(比較例1、2)は。自然収縮率は低く、引張弾性率は高いものの、130〜170℃の加熱温度での熱収縮率が低い。
一方、融点が132℃と低いプロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体から得られる延伸フィルム(比較例3)は、加熱温度が100℃でも熱収縮率は40%と低温熱収縮性に優れるが、自然収縮率が大きく、引張弾性率も低い。
本発明に係る延伸フィルムは食品容器、産業部材の集積包装時に十分な加熱収縮率によって物品の集積を可能とし、十分な剛性をもって外部からの変形に対し内容物を保護することに加え、フィルム加工、包装工程におけるハンドリング性に優れる延伸フィルムとして用いることができる。

Claims (7)

  1. 示差走査熱量測定(DSC)により測定した融点(Tm)が150〜180℃の範囲にあるプロピレン系重合体(A)を40〜90質量%、および示差走査熱量測定(DSC)により測定した融点(Tm)が120℃未満または融点が観測されないプロピレン系共重合体(B)を10〜60質量%〔但し、(A)と(B)の合計を100質量%とする。〕含む重合体組成物からなる縦方向(MD)の引張弾性率が1.5GPa以上であることを特徴とする延伸フィルム。
  2. 130℃で1分間加熱した際の熱収縮率が10%以上である請求項1に記載の延伸フィルム。
  3. 40℃雰囲気下で7日間保管後の縦および横の収縮率がいずれも2.5%以下である請求項1または2に記載の延伸フィルム。
  4. 延伸フィルムの両面または片面に熱融着層を有してなる請求項1〜3の何れか1項に記載の延伸フィルム。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の延伸フィルムを用いてなる収縮包装体。
  6. 請求項1〜4の何れか1項に記載の延伸フィルムを用いてなるキャパシタフィルム。
  7. 請求項1〜4の何れか1項に記載の延伸フィルムのリサイクル品を含む成形体。
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