JP6949270B2 - 包装用積層フィルム及び熱収縮性積層フィルム - Google Patents

包装用積層フィルム及び熱収縮性積層フィルム Download PDF

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Description

本発明は、包装材に用いられる積層構成のフィルム、特に、ホットタック性、加工性に優れるとともに、溶断シール部にピンホール状のシール欠陥が発生することを抑制することができる包装用積層フィルム及び熱収縮性積層フィルムに関する。
従来、被包装物を熱収縮性フィルムで被覆し、接合部を溶断シールさせた後、加熱収縮オーブンを通過させる、熱風を吹き付けるなどの方法により、熱収縮性フィルムを熱収縮させ、被包装物を包装する熱収縮性フィルム包装が行われている。この熱収縮性フィルム包装は経済性、作業性、高速性に優れており、包装分野において盛んに使用されている。熱収縮性フィルム包装に用いる熱収縮性フィルムとして、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等からなる種々の熱収縮性フィルムが知られているが、低価格、使用後の廃棄処理の容易さなどの観点から、特に、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系熱収縮性フィルムが好んで用いられている。
しかしながら、ポリエチレン系熱収縮性フィルムは、比較的低温で収縮できること、特に直鎖状低密度ポリエチレンを用いた熱収縮性フィルムの場合には、溶断シール部の耐衝撃性が優れていること、透明性が優れていること等の特徴を有しているが、延伸加工が困難、耐熱性に劣る等の欠点を有している。一方、ポリプロピレン系熱収縮性フィルムは、低温収縮性、耐衝撃性、耐引裂性には乏しいが、延伸加工性や耐熱性に優れることから、それぞれの欠点を改善すべく、用途に応じて両者を積層した熱収縮性フィルムが使用されている。
例えば、特許文献1には、低温収縮性、耐熱性に優れた積層熱収縮性フィルムとして、両最外層が結晶性ポリプロピレン系樹脂からなり、中間層に密度が0.890〜0.905g/cmでビカット軟化点が60〜80℃の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、又は該樹脂を主成分とする樹脂組成物を用いたポリオレフィン系積層熱収縮性フィルムが記載されている。
特許文献2には、延伸加工性、低温収縮性、スリップ性に優れた積層熱収縮性フィルムとして、密度が0.90〜0.93g/cmのエチレン系共重合体と密度が0.87〜0.91g/cmのエチレン系共重合体とからなるポリエチレン系熱収縮性フィルム層と、ポリプロピレンを主成分とした樹脂からなるポリプロピレン系熱収縮性フィルム層とからなるポリオレフィン系積層熱収縮性フィルムが記載されている。
特開昭63−214446 特開昭63−173641
上述したポリオレフィン系積層熱収縮性フィルムは、低温収縮性と耐熱性に優れ、機械的強度も比較的高いという特徴を有している。しかしながら、自動包装機における溶断シール性は必ずしも満足できるものではなかった。例えば、L型半折自動包装機において、加熱収縮オーブン等を通過した後に、溶断シール部にピンホール状のシール欠陥(穴)が発生するという問題があった。このピンホール状の穴が発生すると熱収縮フィルムの熱収縮時にエア抜けが発生し、収縮不良(シワ、アバタ模様)を起こして包装仕上がりが悪化したり、穴の発生により被包装物の防塵性、ディスプレー性等が損なわれたりする問題を引き起こす。
また、L型半折自動包装機は、ピロー型自動包装機に比べて低速であるが小型であり、溶断シール後に包装体が加熱収縮オーブンへすぐに搬送されてフィルムが収縮される為、溶断シール直後のシール強度、つまりは溶断シール部の溶融粘着力(ホットタック性)が強いことが求められる。
本発明はこのような問題に鑑みなされたものであり、自動包装機等で溶断シールされた場合においても溶断シール部にピンホール状のシール欠陥が発生することを抑制することができる包装用積層フィルム及び熱収縮性積層フィルムを提供することを目的とする。
先ず、本発明者らは、溶断シール部にピンホール状のシール欠陥が発生する原因について検討したところ、この問題は溶断シール部のシール強度にバラつきがあり、部分的にシール強度が弱い箇所が存在する場合に、フィルム収縮時の応力によって発生することを見出した。つまり、自動包装機等の溶断シールは、加熱された鋭利な溶断刃(金属線、金属刃)の先端でフィルムを切断すると同時に、加熱された溶断刃の側面で切断面を溶かしてシールするものである為、溶断刃がフィルムから離れる際、厳密には溶断刃に溶融樹脂が部分的に取られる箇所とそうでない箇所が存在する。すると、溶断シール部における樹脂だまりが不均一となる為、溶断シール部にはシール強度の強い箇所と弱い箇所とが存在することとなり、このシール強度の弱い箇所がフィルム収縮時の応力によって破断し、ピンホール状のシール欠陥となる。
そこで、本発明者らは、溶断シールの際に溶断刃に溶融樹脂が部分的にとられ、溶断シール部における樹脂だまりが不均一となることを防ぐ方法について鋭意検討した結果、芯層に特定の樹脂を用いることで、理由は不明であるが各層の樹脂の結晶化温度よりもフィルム全体の結晶化温度が上昇することを見出した。更に当該性質を利用した特定の結晶化温度以上となるフィルムを用いることで、溶断シール部のシール欠陥を抑制することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、
(1)芯層の両面に表面層が積層された包装用積層フィルムであって、前記芯層が、ポリエチレン系樹脂(a1)を主成分として含むポリエチレン系樹脂組成物(A)からなり、前記表面層が、ポリプロピレン系樹脂(b1)を主成分として含むポリプロピレン系樹脂組成物(B)からなり、前記包装用積層フィルムは、示差走査熱量計(DSC)を用いた示差走査熱量分析における結晶化温度が106℃以上であることを特徴とする包装用積層フィルムが提供され、
(2)前記包装用積層フィルムは、示差走査熱量計(DSC)を用いた示差走査熱量分析における結晶化温度が117℃以下であることを特徴とする(1)の包装用積層フィルムが提供され、
(3)前記芯層の前記ポリエチレン系樹脂(a1)は、示差走査熱量計(DSC)を用いた示差走査熱量分析における結晶化温度が106℃以上であることを特徴とする(1)又は(2)の包装用積層フィルムが提供され、
(4)前記芯層の前記ポリエチレン系樹脂(a1)は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが4.98以上であることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の包装用積層フィルムが提供され、
(5)前記芯層の前記ポリエチレン系樹脂(a1)は、オリゴマー抽出量が前記ポリエチレン系樹脂(a1)の重量に対し1.6重量%以上であることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の包装用積層フィルムが提供され、
(6)前記ポリエチレン系樹脂(a1)は、植物由来のポリエチレン系樹脂であることを特徴とする(1)乃至(5)のいずれかに記載の包装用積層フィルムが提供され、
(7)前記ポリエチレン系樹脂(a1)は、植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂であることを特徴とする(6)の包装用積層フィルムが提供され、
(8)前記ポリエチレン系樹脂(a1)は、植物由来のエチレンと、化石燃料由来の炭素数4のα−オレフィンと、化石燃料由来の炭素数6のα−オレフィンとの共重合体であることを特徴とする(7)の包装用積層フィルムが提供され、
(9)前記ポリプロピレン系樹脂組成物(B)は、示差走査熱量計(DSC)を用いた示差走査熱量分析における結晶化温度が106℃未満であることを特徴とする(1)乃至(8)のいずれかに記載の包装用積層フィルムが提供され、
(10)(1)乃至(9)のいずれかに記載の包装用積層フィルムが熱収縮性を備えることを特徴とする熱収縮性積層フィルムが提供される。
本発明の包装用積層フィルムは、自動包装機等を用いて溶断シールされた場合においても、溶断シール部にピンホール状のシール欠陥が発生することを抑制することができる為、極めて良好な包装仕上がりを得ることができる。また、本発明の包装用積層フィルムは、ホットタック性に優れる為、L型半折自動包装機等に使用する包装材料として好適に用いることができる。
本発明の実施形態1に係る熱収縮性積層フィルムの拡大断面図である。 本発明の実施形態2に係る熱収縮性積層フィルムの拡大断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲において、種々の形態をとることができる。
本発明は、芯層の両面に表面層が積層された包装用積層フィルムであって、芯層が、ポリエチレン系樹脂(a1)を主成分として含むポリエチレン系樹脂組成物(A)からなり、表面層が、ポリプロピレン系樹脂(b1)を主成分として含むポリプロピレン系樹脂組成物(B)からなり、包装用積層フィルムは、示差走査熱量計(DSC)を用いた示差走査熱量分析における結晶化温度が106℃以上であることを特徴とする。
包装用積層フィルムの結晶化温度が106℃以上とすることで、溶断シールの際、溶断刃にとられる溶融樹脂を減らすことができることでシール強度のバラつきを小さくし、溶断シール部のピンホール状のシール欠陥を抑制することができる。一方、包装用積層フィルムの結晶化温度が106℃未満であると、溶断刃にとられる溶融樹脂を減らすことができないことから、シール強度にバラつきが生じてしまい、溶断シール部のピンホール状のシール欠陥を抑制することができない。尚、包装用積層フィルムの結晶化温度は、特に107℃以上が好ましい。
また、包装用積層フィルムの結晶化温度は117℃以下であることが好ましい。結晶化温度が高くなり過ぎると、低温収縮性が小さくなる恐れがある。包装用積層フィルムの結晶化温度は114℃以下であることが好ましく、さらに110℃以下であることがより好ましい。
尚、示差走査熱量計(DSC)を用いた示差走査熱量分析における結晶化温度の測定は、基本的にはJIS−K7121に準拠して行うが、本発明においては以下のように結晶化温度を求めることとする。まず試料約10mgをアルミパンに封入し、窒素気流下にて10℃/minの昇温速度で230℃まで昇温し、5分間保持の後、10℃/minの降温速度で0℃まで降温して結晶化させた時の最も高温側の結晶化ピークの頂点の温度とする。
[熱収縮性積層フィルム(実施形態1)]
以下は、本発明の包装用積層フィルムの1種である熱収縮性積層フィルムについて具体的に説明する。
図1は、本発明の実施形態1に係る熱収縮性積層フィルムの拡大断面図である。図1に示すように、本発明の熱収縮性積層フィルム1は、芯層2の両面に表面層3が積層された多層構成である。なお、本発明の目的を達成しうる範囲で各層の間に他の層を設けることも可能である。
[芯層]
芯層は、ポリエチレン系樹脂組成物(A)から形成されるものであり、主として熱収縮性積層フィルムの低温収縮性、機械的強度、溶断シール性、ホットタック性等に寄与する層である。
<ポリエチレン系樹脂組成物(A)>
ポリエチレン系樹脂組成物(A)は、ポリエチレン系樹脂(a1)を主成分として含む。尚、本発明において「主成分」とは、樹脂組成物を構成する樹脂成分のうち、構成比率が50重量%以上であることを意味するものであり、好ましくは60重量%以上であり、より好ましくは80重量%以上である。
樹脂組成物(A)には、第2成分としてポリプロピレン系樹脂(a2)が含まれていることが好ましい。ポリエチレン系樹脂(a1)とポリプロピレン系樹脂(a2)がブレンドされていることにより、延伸加工性が良好であると共に、ポリエチレン系樹脂(a1)により引き裂き強度に優れ、ポリプロピレン系樹脂(a2)により収縮応力と腰の強さに優れた、両方の特性を備えた熱収縮性フィルムが得られるので好ましい。
ポリプロピレン系樹脂(a2)の配合割合は1重量%以上50重量%未満であることが好ましく、更には3重量%以上30重量%以下、4重量%以上20重量%以下、5重量%以上15重量%以下であることが好ましい。
そして、本発明においては、芯層を形成するポリエチレン系樹脂組成物(A)の示差走査熱量計(DSC)を用いた示差走査熱量分析における結晶化温度が106℃以上であることが好ましい。ポリエチレン系樹脂組成物(A)の結晶化温度が106℃以上であれば、シール強度のバラつきが小さく、シール強度に優れたフィルムとすることができ、自動包装機等において、溶断シール後の被包装物を加熱収縮オーブン等に通過させた後に、溶断シール部にピンホール状のシール欠陥(穴)が発生することを抑制することができる。芯層を形成するポリエチレン系樹脂組成物(A)の結晶化温度は108℃以上であることがより好ましく、109℃以上、110℃以上であることが特に好ましい。結晶化温度の上限は特に制限するものではないが、直鎖状高密度ポリエチレンの結晶化温度が114℃程度、高密度ポリエチレンの結晶化温度が117℃程度のものまで入手可能であり、これが本発明におけるポリエチレン系樹脂組成物(A)の結晶化温度の現時点での上限となる。なお、ポリエチレン系樹脂組成物(A)の結晶化温度は、ポリエチレン系樹脂組成物(A)に含まれる各成分が溶融状態で混練された工程を得たペレットやフィルム等から測定すれば良く、例えば、東洋精機製作所製のラボプラストミルを用い、各成分を加工温度200℃、回転数60rpmの条件で混練したサンプルから測定した値とすれば良い。
<ポリエチレン系樹脂(a1)>
ポリエチレン系樹脂組成物(A)に含まれるポリエチレン系樹脂(a1)としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンが挙げられる。
本発明におけるポリエチレン系樹脂(a1)としては、示差走査熱量計(DSC)を用いた示差走査熱量分析における結晶化温度が106℃以上であることが好ましい。ポリエチレン系樹脂(a1)の結晶化温度が106℃以上である樹脂を用いることで、芯層を形成するポリエチレン系樹脂組成物(A)の結晶化温度を106℃以上とすることができ、上述のように、シール強度のバラつきが小さく、シール強度に優れたフィルムとすることができ、自動包装機等において、溶断シール後の被包装物を加熱収縮オーブン等に通過させた後に、溶断シール部にピンホール状のシール欠陥(穴)が発生することを抑制することができる。
結晶化温度が106℃以上であるポリエチレン系樹脂組成物(A)としては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンが挙げられる。このうち、高密度ポリエチレンよりも延伸性に優れる直鎖状低密度ポリエチレンが特に好ましい。直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレンに基づく単量体単位とα−オレフィンに基づく単量体単位とが共重合された重合体であり、エチレンに基づく単量体単位の含有量が直鎖状低密度ポリエチレンの全重量(100重量%)に対して50重量%以上の重合体である。直鎖状低密度ポリエチレンにおけるα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどを例示することができるが、1−ヘキセンや1−オクテンが製膜性安定性の観点から望ましく、特に、エチレンと1−ブテンと1−ヘキセンの共重合体であることが特に好ましい。
直鎖状低密度ポリエチレンは、密度が0.915〜0.930g/cm、特に0.915〜0.925g/cmであることが好ましく、0.915〜0.923g/cmであることがより好ましい。密度が上記範囲の直鎖状低密度ポリエチレンは、低温収縮性、機械的強度(引張破断強度、引張弾性率、伸び、引裂荷重、溶断シール部の耐衝撃性)に優れる。密度が上記範囲より小さいと、機械的強度が低くなるため好ましくなく、密度が上記範囲より大きいと、低温収縮性が悪くなる恐れがある。なお、本発明における密度はJIS−K7112に準拠して測定された値をいう。
また、ポリエチレン系樹脂(a1)は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが4.98以上であることが好ましく、またオリゴマー抽出量が1.6重量%以上であることが好ましい。Mw/Mnが4.98以上と分子量分布が大きい樹脂を用いることで、加工温度範囲が広く加工性が良好である。また、オリゴマー抽出量が1.6重量%以上であることで、低分子量成分のブリードによってホットタック性が向上する。
尚、オリゴマー抽出量は、次のような条件で抽出される量をいう。試料を23±2℃、湿度65%±15%の条件下で24時間以上放置し、試料約15gを秤量する。一方、500mlの丸底フラスコをシリカゲル入りのデシケーターに入れ、23±2℃の条件下で24時間以上放置し、重量を秤量する。当該丸底フラスコにヘキサン(試薬特級)を約200ml入れ前記秤量した試料を所定位置に封入してソックスレー抽出器をセットする。水温約90℃のウォーターバスに前記ソックスレー抽出器の丸底フラスコを浸漬して6時間抽出する。抽出後、ヘキサンを蒸発させ、100℃の条件の下、2時間丸底フラスコを減圧乾燥させる。乾燥後、丸底フラスコをシリカゲル入りのデシケーターに入れ、23±2℃の条件下で24時間以上放置し、重量を秤量する。以下の数式でオリゴマー抽出量(重量%)を求める。
・オリゴマー抽出量(重量%)={(抽出処理後の丸底フラスコの重量−抽出処理前の丸底フラスコの重量)/試料の重量}×100
Mw/Mnが4.98以上でありオリゴマー抽出量が1.6重量%以上であるポリエチレン系樹脂(a1)としては、例えば、植物由来の直鎖状低密度ポリエチレンがある。植物由来の直鎖状低密度ポリエチレンは、分子量分布が大きくオリゴマー抽出量が多いことから上述した効果を奏し好ましい。また、植物由来の直鎖状低密度ポリエチレンは、同じ密度の石油由来の直鎖状低密度ポリエチレンよりも結晶化温度が高い。よって、植物由来の直鎖状低密度ポリエチレンを用いることでポリエチレン系樹脂組成物(A)の結晶化温度を高くすることができ、上述のように、シール強度のバラつきが小さく、シール強度に優れたフィルムとすることができ、自動包装機等において、溶断シール後の被包装物を加熱収縮オーブン等に通過させた後に、溶断シール部にピンホール状のシール欠陥(穴)が発生することを抑制することができる。
植物由来の直鎖状低密度ポリエチレンとしては、例えば、植物由来のエチレンと、化石燃料由来の炭素数4のα−オレフィンとの共重合体(C4LL)や植物由来のエチレンと、化石燃料由来の炭素数4のα−オレフィンと、化石燃料由来の炭素数6のα−オレフィンとの共重合体(C4/C6LL)が挙げられる。これらのうち、植物由来のC4/C6LLを用いる方が、フィルム製膜性やフィルムの機械的強度、特に引裂荷重が良好である点で好ましい。
ポリエチレン系樹脂(a1)のMFR(メルトフローレート:溶融流量)は、特に制限するものではないが、製膜加工、延伸加工の安定性の観点から、0.1〜10g/10分であることが好ましい。MFRは0.3〜8g/10分であることがより好ましく、0.5〜5g/10分であることが特に好ましい。MFRが上記範囲より小さいと、押出時のモーター負荷が大きくなる等の問題点があり、MFRが上記範囲より大きいと、延伸安定性が低下する恐れがある。なお、本発明におけるMFRはJIS−K7210に準拠して測定された値をいう。
<ポリプロピレン系樹脂(a2)>
芯層に含まれるポリプロピレン系樹脂(a2)は、ホモポリプロピレン、又はプロピレンに基づく単量体単位とα−オレフィンに基づく単量体単位とが共重合された共重合体であり、プロピレンに基づく単量体単位の含有量がポリプロピレン系樹脂(a2)の全重量(100重量%)に対して50重量%以上の樹脂である。またプロピレン−α−オレフィン共重合体は、その単量体の配列によりブロック共重合体、ランダム共重合体、ランダムブロック共重合体に分けられるが、本発明においてはこのいずれであっても構わない。プロピレンと共重合するα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどを例示することができるが、エチレンが製膜加工・延伸加工の安定性の観点から望ましい。
ポリエチレン系樹脂組成物(A)は、ポリエチレン系樹脂(a1)、ポリプロピレン系樹脂(a2)以外に他の熱可塑性樹脂を配合しても良い。他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。他の熱可塑性樹脂の配合量としては、0.1〜30重量%、0.5〜20重量%であることがより好ましく、0.5〜10重量%であることがさらに好ましい。
[表面層]
表面層はポリプロピレン系樹脂組成物(B)から形成されるものであり、主として熱収縮性積層フィルムの耐熱性、製膜加工・延伸加工の安定性等に寄与する層である。
<ポリプロピレン系樹脂組成物(B)>
ポリプロピレン系樹脂組成物(B)は、ポリプロピレン系樹脂(b)を主成分として含むものである。なお、本発明において、「主成分とする」とは、樹脂組成物を構成する樹脂成分のうち、構成比率が50重量%以上であることを意味するものであり、好ましくは60重量%以上であり、より好ましくは80重量%以上であり、さらに好ましくは90重量%以上であり、特に好ましくは95重量%以上である。
<ポリプロピレン系樹脂(b)>
ポリプロピレン系樹脂(b)は、ホモポリプロピレン、又はプロピレンに基づく単量体単位とα−オレフィンに基づく単量体単位とが共重合された共重合体であり、プロピレンに基づく単量体単位の含有量がポリプロピレン系樹脂(b)の全重量(100重量%)に対して50重量%以上の樹脂である。またプロピレン−α−オレフィン共重合体は、その単量体の配列によりブロック共重合体、ランダム共重合体、ランダムブロック共重合体に分けられるが、本発明においてはこのいずれであっても構わない。プロピレンと共重合するα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどを例示することができるが、エチレンが製膜加工・延伸加工の安定性の観点から望ましい。
ポリプロピレン系樹脂(b)は、プロピレン−エチレンランダム共重合体(b1)であることが好ましく、プロピレン−エチレンランダム共重合体(b1)を主成分として含むポリプロピレン系樹脂組成物(B)を表面層に用いた熱収縮性積層フィルムは、製膜加工・延伸加工の安定性に優れる。プロピレン−エチレンランダム共重合体(b1)は、エチレン含有量が2〜10重量%であることが好ましく、エチレン含有量は3〜7重量%であることがより好ましく、4〜6重量%であることがさらに好ましい。エチレン含有量が上記範囲より小さいと、収縮率が足りず、所望の収縮率とした熱収縮性積層フィルムが得られない恐れがあり、エチレン含有量が上記範囲より大きいと、被包装物を熱収縮性積層フィルムで被覆し、熱収縮させた際にタイトな包装仕上がりが得られない恐れがある。
ポリプロピレン系樹脂(b)のMFRは、特に制限するものではないが、製膜加工、延伸加工の安定性の観点から、MFRが0.1〜10g/10分であることが好ましい。MFRは0.3〜8g/10分であることがより好ましく、0.5〜5g/10分であることが特に好ましい。MFRが上記範囲より小さいと、押出時のモーター負荷が大きくなる等の問題点があり、MFRが上記範囲より大きいと、延伸安定性が低下する恐れがある。
ポリプロピレン系樹脂(b)は、示差走査熱量計(DSC)を用いた示差走査熱量分析における結晶化温度が90〜106℃であることが好ましい。結晶化温度は95〜104℃であることがより好ましく、97〜102℃であることがさらに好ましい。
ポリプロピレン系樹脂組成物(B)は、示差走査熱量計(DSC)を用いた示差走査熱量分析における結晶化温度が106℃未満である。結晶化温度は105℃未満であることが好ましく、104℃未満であることがより好ましく、102℃未満であることが特に好ましい。理由は定かではないが、ポリプロピレン系樹脂組成物(B)の結晶化温度が106℃以上であると、溶断シール部にピンホール状のシール欠陥が発生しやすくなる。結晶化温度の下限は特に制限するものではないが、ポリプロピレン系樹脂(b)はその結晶化温度が90℃程度のものが入手可能であり、これが本発明におけるポリプロピレン系樹脂組成物(B)の結晶化温度の現時点での下限となる。なお、ポリプロピレン系樹脂組成物(B)の結晶化温度は、上述した方法で測定すれば良い。
ポリプロピレン系樹脂組成物(B)は、組成物中に含まれる造核剤の配合量が2500ppm未満であることが好ましい。理由は定かではないが、ポリプロピレン系樹脂組成物(B)に含まれる造核剤の配合量が2500ppmを超えると、溶断シール部にピンホール状のシール欠陥が発生しやすくなる。ポリプロピレン系樹脂組成物(B)に含まれる造核剤は2000ppm未満であることがより好ましい。造核剤の種類は、特に制限するものではなく、従来公知のものを使用することができ、例えば、安息香酸類の金属塩、芳香族リン酸エステル金属塩、芳香族リン酸エステル金属塩とアルカリ金属塩との混合物、ジベンジリンデンソルビトール類、アミノ酸金属塩、ロジン酸金属塩などの有機系造核剤、タルク、クレイ、炭酸カルシウムなどの無機系造核剤が挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂組成物(B)は、ポリプロピレン系樹脂(b)以外に他の熱可塑性樹脂を配合しても良い。他の熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン又はプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体等が挙げられ、これらの中から選ばれる1種、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱収縮性積層フィルムは、熱収縮性積層フィルム全体(100重量%)に含まれるポリエチレン系樹脂を30〜50重量とすることが好ましい。熱収縮性積層フィルム全体に含まれるポリエチレン系樹脂を30〜50重量とすることにより、低温収縮性、耐熱性、機械的度、透明性に優れるとともに、結晶化温度が高く、結晶化速度が速い熱収縮性積層フィルムとすることができ、延いては溶断シール部のシール強度のバラつきが小さく、シール強度に優れる熱収縮性積層フィルムとすることができる。また、被包装物を熱収縮性積層フィルムで被覆し、接合部を溶断シールして加熱収縮オーブン等で熱収縮させると、溶断シール部の端部に略円錐状の膨らみ(ツノ)が発生するが、このツノが硬いと消費者等がケガをする恐れがある為、このツノは小さく、又柔らかいことが求められる。ポリエチレン系樹脂を30〜50重量%含む熱収縮性積層フィルムであれば、溶断シール部の端部に発生するツノを小さく、又柔らかくすることができる。
熱収縮性積層フィルムの厚みは、特に制限するものではないが、機械的強度や作業性等の観点から、5〜50μmであることが好ましく、7〜30μmであることがより好ましい。
熱収縮性積層フィルムの各層の厚み比は、特に制限するものではないが、例えば、芯層厚さをta、両表面層の厚さをそれぞれtb、tbとしたとき、tb+tb≦ta≦2(tb+tb)であることが好ましい。芯層の厚さを両表面層の厚さ以上とすることにより、結晶化温度が高く、結晶化速度が速い熱収縮性積層フィルムとすることができ、延いては溶断シール部のシール強度のバラつきが小さく、シール強度に優れる熱収縮性積層フィルムとすることができる。なお、芯層に積層一体化されている両表面層の厚みは、同じであることが好ましいが、必ずしも同一でなくても良い。
本発明の熱収縮性積層フィルムを構成する各層には、本発明の目的を損なわない範囲において、通常熱可塑性樹脂に使用する公知の酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、造核剤、防曇剤、帯電防止剤、可塑剤、光安定剤、紫外線吸収剤、充填剤、着色剤などの添加剤を配合することができる。
[熱収縮性積層フィルム(実施形態2)]
図2は、本発明の実施形態2に係る熱収縮性積層フィルムの拡大断面図である。本発明の熱収縮性積層フィルムは上述したように芯層の両面に表面層がそれぞれ積層一体化されて成るものであるが、層間接着強度や再生還元等を考慮して芯層と表面層との間に中間層を設けても良い。具体的には図2に示すように、熱収縮性積層フィルム11は、第1表面層13/第1中間層14/芯層12/第2中間層14/第2表面層13の順に積層された多層構成である。なお、本発明の目的を達成しうる範囲で各層の間に他の層を設けることも可能である。
[中間層]
中間層は、生産時に生じる不適合品等を溶融して再生還元したものであり、中間層には芯層を形成するポリエチレン系樹脂組成物(A)及び表面層を形成するポリプロピレン系樹脂組成物(B)が含まれる。
中間層の厚さは、生産時に生じる不適合品等の量を考慮して決めればよく、特に制限するものではないが、例えば、全層の厚さをt、第1中間層の厚さをtc、第2中間層の厚さをtcとしたとき、0.2t≦(tc+tc)≦0.6tであることが好ましい。なお、中間層の厚みは、それぞれ同じであることが好ましいが、必ずしも同一でなくても良い。
[熱収縮性積層フィルムの製造方法]
本発明の熱収縮性積層フィルムの製造方法は、従来公知の方法を採用することができ、特に制限するものではないが、例えば上述した両表面層を形成するためのポリプロピレン系樹脂組成物(B)と、芯層を形成するためのポリエチレン系樹脂組成物(A)と、必要に応じて中間層を形成するための再生還元樹脂とを、別々の押出機の供給し、1つのダイスから押出すインフレーション共押出法やTダイ共押出法等により未延伸の多層フィルムを製膜し、次工程で延伸する方法が挙げられる。未延伸の多層フィルムの厚みは、特に制限するものではないが、例えば、200〜500μmである。
また上記共押出法にて製膜された未延伸多層フィルムは、延伸処理を施すことにより、熱収縮性を有するフィルムとすることができる。延伸方法としては、従来公知の方法を採用することができ、特に制限するものではないが、例えばテンター式二軸延伸成型法、チューブラー式二軸延伸成型法等の方法が挙げられる。未延伸多層フィルムの延伸条件は、要求される性能等にあわせて適宜決定すれば良く、特に制限するものではないが、例えば延伸速度10〜100m/分、延伸温度90〜130℃の条件にて、多層フィルムを縦横各2〜10倍に延伸すれば良い。
以下、本発明の包装フィルムについて、実施例に基づき説明する。なお、各熱収縮性積層フィルムにおいて行った測定・評価方法は以下の通りである。
(1)結晶化温度
示差走査熱量計(DSC)を用いた示差走査熱量分析における結晶化温度の測定は、基本的にはJIS−K7121に準拠して行うが、本発明においては以下のように結晶化温度を求めることとした。まず試料約10mgをアルミパンに封入し、窒素気流下にて10℃/minの昇温速度で230℃まで昇温し、5分間保持の後、10℃/minの降温速度で0℃まで降温して結晶化させた時の最も高温側の結晶化ピークの頂点の温度とする。
(2)引張強度、引張伸び、引張弾性率
ASTM D 882に準拠し、引張速度5mm/min、初期つかみ具間隔50mmで測定した。
(3)引裂荷重
ASTM D 1922に準拠して測定した。
(4)ヘイズ
日本電色工業株式会社製「NDH2000」にて、JIS−K7105に準拠して測定した。尚、光源はD65を用いた。
(5)熱収縮率
JIS Z1709−1995に準拠して測定した。なお、熱溶媒はグリセリン、浸漬時間は10秒として、90℃、100℃、110℃、120℃における熱収縮率を測定した。
(6)溶断シール部のシール欠陥評価
L型半折自動包装機(ハナガタ社製 標品名「HP−10」、溶断刃:先端の鋭利な金属刃、刃受け:フッ素樹脂シート)を用いて直方体の包装箱(幅200mm×奥行120mm×高さ30mm)20個をフィルムによって連続的に被覆して溶断シール(溶断刃温度:190℃、シール時間:1秒)し、次いで加熱収縮オーブン(オーブン温度:160℃、通過時間:6秒)に通して熱収縮包装した後、各包装体における溶断シール部のシール欠陥の発生状況を、目視により確認した。評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
シール部に異常がないものを5点、シール部にピンホール等のシール欠陥が発生したものを1点、シール部が全幅に亘って裂けたものを0点とし、各包装体の点数の合計点で評価。
〇:70点を超え、100点以下
△:50点を超え、70点以下
各実施例、比較例で使用した原料は以下の通りである。
<直鎖状低密度ポリエチレン>
・LLDPE(1)[密度:0.916g/cm、結晶化温度:107.5℃](植物由来C4/C6直鎖状低密度ポリエチレン:ブラスケム社製「SLH118」)
・LLDPE(2)[密度:0.916g/cm、結晶化温度:102.2℃]
<ポリプロピレン系樹脂>
・r−PP[プロピレン−エチレンランダム共重合体、MFR:2.3g/10min、エチレン含有量:4.2〜5.0%、結晶化温度:101.7℃]
尚、密度はJIS−K7112に準拠して測定された値であり、MFRはJIS−K7210に準拠して測定された値である。
[実施例1乃至6、比較例1乃至2]
表1に示す樹脂組成物を用いて、インフレーション共押出法にて、第1表面層/第1中間層/芯層/第2中間層/第2表面層の未延伸フィルムを製膜し、次いで、チューブラー延伸法によって同時二軸延伸(縦4.3倍、横4.5倍)を行い、表1に示す各層の厚み比及び厚みのフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
Figure 0006949270
表1に示すように、芯層のポリエチレン系樹脂(a1)に結晶化温度が106℃以上である植物由来のC4/C6直鎖状低密度ポリエチレンを用い、フィルム全体の結晶化温度が106℃以上である実施例1乃至6の熱収縮性積層フィルムは、低温収縮性、機械的強度、透明性に優れるとともに、L型半折自動包装機による溶断シールにおいて、溶断シール部に発生するピンホール状のシール欠陥を効果的に抑制する結果を示した。一方、芯層のポリエチレン系樹脂(a1)の結晶化温度が106℃に満たない又は芯層にポリエチレン系樹脂(a1)を含まず、フィルム全体の結晶化温度が106℃に満たない比較例1及び2の熱収縮性積層フィルムは、低温収縮性、機械的強度、透明性は実施例1乃至6と同程度であるものの、L型半折自動包装による溶断シールにおけるピンホール状のシール欠陥について、実施例1乃至6よりも劣るものであった。
1、11:包装用積層フィルム
2、12:芯層
3、13:表面層
14:中間層

Claims (4)

  1. 表面層/芯層/表面層の3層、または、表面層/中間層/芯層/中間層/表面層の5層に積層された熱収縮性積層フィルムであって、
    前記芯層が、ポリエチレン系樹脂(a1)を主成分として含み、さらにポリプロピレン系樹脂(b1)を含有した樹脂組成物(A)からなり、
    前記表面層が、ポリプロピレン系樹脂(b1)を主成分として含むポリプロピレン系樹脂組成物(B)からなり、
    前記ポリプロピレン系樹脂組成物(B)は、示差走査熱量計(DSC)を用いた示差走査熱量分析における結晶化温度が106℃未満であり、
    前記熱収縮性積層フィルムは、示差走査熱量計(DSC)を用いた示差走査熱量分析における結晶化温度が106℃以上であることを特徴とする熱収縮性積層フィルム。
  2. 前記熱収縮性積層フィルムは、示差走査熱量計(DSC)を用いた示差走査熱量分析における結晶化温度が117℃以下であることを特徴とする請求項1記載の熱収縮性積層フィルム。
  3. 前記芯層の前記ポリエチレン系樹脂(a1)は、示差走査熱量計(DSC)を示差走査熱量分析における結晶化温度が106℃以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の熱収縮性積層フィルム。
  4. 前記ポリエチレン系樹脂(a1)は、植物由来の直鎖状低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の熱収縮性積層フィルム。
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