JP2002006120A - 回転非対称面を有する光学素子およびその金型装置 - Google Patents

回転非対称面を有する光学素子およびその金型装置

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JP2002006120A
JP2002006120A JP2000191057A JP2000191057A JP2002006120A JP 2002006120 A JP2002006120 A JP 2002006120A JP 2000191057 A JP2000191057 A JP 2000191057A JP 2000191057 A JP2000191057 A JP 2000191057A JP 2002006120 A JP2002006120 A JP 2002006120A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スライド機構を有する自由曲面駒とそれに隣
り合う自由曲面駒との間に過大な負荷が作用するのを防
ぎ、光学面上の歪みの発生や、破損等のような不具合が
生じない回転非対称面を有する光学素子およびその金型
装置を提供する。 【解決手段】 回転非対称軸を有さない回転非対称面の
光学面を複数有する光学素子を成形する金型装置にあっ
て、金型の開閉方向40に対して平行でないアンダーカ
ット部となる光学素子の第1光学面を形成する第1形成
面14cと、上記第1光学面と隣り合う光学素子の第2
光学面を形成する第2形成面15aと、上記第1光学面
と第2光学面との間に設けた0.05mm以上の幅を持
つ非光学面を形成する第3形成面とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、極めて異形状であ
りながら、金型装置を破損することなく安定的な量産を
行うことができる回転非対称面を有する光学素子および
その金型装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トーリック面やアナモルフィック
面などのような、球面や平面から大きく逸脱する形状を
なす光学面を複数有する光学素子を形成する金型として
は、特開平11−99525号公報に記載されるような
発明がある。
【0003】この発明による金型装置は、互いに隣り合
う3つの自由曲面と、光学的に使用しない側壁としての
互いに対向する2つの平面との5つの面で主として構成
される自由曲面プリズムを形成するための成形用金型で
あって、固定側の金型および可動側の金型のそれぞれに
おいて、上記自由曲面と平面を形成する金型入れ駒相互
の合わせ面が、金型の主たるパーティング面に対して垂
直な平面、または上記主たるパーティング面に対して垂
直な円筒面、または上記主たるパーティング面に対して
垂直な2つ以上の平面もしくは円筒面の組み合わせとな
るように、キャビティ部分の上記金型入れ駒が分割され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記自由曲面
プリズムを構成する3つの自由曲面のうち、金型からの
離型方向に対して、アンダーカットとなりうる光学面を
有する場合は、その光学面を形成する金型入れ駒が離型
方向(金型の開閉方向)に対して直角方向に移動しうる
スライド機構を持つような金型構造としなければならな
い。
【0005】しかし、上記スライド機構を有する金型入
れ駒とそれと隣り合う金型入れ駒とを、金型の主たるパ
ーティング面に対して垂直な円筒面で当接するような金
型構成は、上記スライド機構を有する金型入れ駒に上記
パーティング面に対して当接するための垂直な円筒面を
設けることが不可能である以上、実現できない。
【0006】また、上記スライド機構を有する金型入れ
駒に当接するための垂直な円筒面を設けずに、ナイフエ
ッジ形状により隣り合う金型入れ駒と当接させる場合
は、金型の調整次第によっては、上記ナイフエッジ部に
は過大な負荷が作用して、光学面に歪みが生じたり、最
悪の場合は破損してしまうような結果を招く問題があっ
た。
【0007】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、スライド機構を有する自由曲面駒とそれに隣り合
う自由曲面駒との間に過大な負荷が作用するのを防ぎ、
光学面上の歪みの発生や、破損等のような不具合が生じ
ない回転非対称面を有する光学素子およびその金型装置
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、第1の発明に係る回転非対称面を有する光学素子
は、回転対称軸を有さない回転非対称面の光学面を複数
有する光学素子において、離型方向に対してアンダーカ
ット部となる第1光学面と、上記第1光学面と隣り合う
第2光学面と、上記第1光学面と第2光学面との間に設
けた0.05mm以上の幅を持つ非光学面と、を有する
こととした。
【0009】また、第2の発明に係る回転対称面を有す
る光学素子の金型装置は、回転非対称軸を有さない回転
非対称面の光学面を複数有する光学素子を成形する金型
装置において、離型方向に対してアンダーカット部とな
る第1光学面を形成する第1形成面と、上記第1光学面
と隣り合う第2光学面を形成する第2形成面と、上記第
1光学面と第2光学面との間に0.05mm以上の幅を
持つ非光学面を形成する第3形成面と、を有することと
した。
【0010】さらに、第3の発明に係る回転非対称を有
する光学素子の金型装置には、第3の発明に係る回転非
対称を有する光学素子の金型装置おいて、上記第1光学
面と第2光学面との間の非光学面が所定幅となるよう
に、上記第1形成面の位置決めをする調整手段をさらに
具備することとした。
【0011】すなわち、第1の発明に係る回転非対称面
を有する光学素子にあっては、第1光学面と第2光学面
の間に0.05mm以上の幅で非光学面を持たせたの
で、第1光学面と第2光学面を形成する第1成形面と第
2成形面が当接して、成形面に塑性歪みの発生や、成形
面が破損することがなくなり、高品質な光学素子が得ら
れる。
【0012】また、第2の発明に係る回転非対称面を有
する光学素子の金型装置にあっては、第1光学面と第2
光学面の間に0.05mm以上の幅で非光学面を形成す
る第3形成面を設けたので、第1光学面と第2光学面を
形成する第1成形面と第2成形面が当接して、成形面に
塑性歪みの発生や、成形面が破損することがなくなり、
高品質な光学素子を長期にわたって成形するのを可能に
する。
【0013】さらに、第3の発明に係る回転非対称面を
有する光学素子の金型装置にあっては、第1成形面を有
する部材の長さが、所望する値と異なっていても、調整
手段で非光学面の幅を所定幅に調整することができ、高
品質な光学素子を長期にわたって成形するのを可能にす
る。
【0014】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)本発明の実施の
形態1を図1〜3に基づいて説明する。図1は本実施の
形態の光学素子を示す斜視図、図2は本実施の形態の金
型装置を概略的に示す一部断面図、図3は本実施の形態
の金型装置の要部を示す断面図である。すなわち、本実
施の形態の金型装置で形成される光学素子としてのプリ
ズムの斜視図を図1に示し、このプリズムを成形する金
型装置の概略図を図2に示す。
【0015】図1において、プリズム1は、2つの回転
非対称の自由曲面2、自由曲面(第1光学面)3と、1
つの回転対称の非球面(第2光学面)4の計3つの光学
面を有している。
【0016】この自由曲面2,3は、対称面を1面のみ
有する回転非対称な非球面で、いずれも凸形状をなして
いる。また、自由曲面3は、アンダーカット部となるよ
うに、後述する開閉方向(矢印40で示す水平方向)に
対して平行でない面とし、本実施の形態では近似曲率半
径が極めて小さい凸形状としている。
【0017】なお、回転非対称面としては、上記自由曲
面以外にもアナモフィック面やトーリック面等であって
も良い。また、開閉方向40と平行でない面としては、
上記回転非対称面以外の例えば回転対称非球面や球面等
の凹凸面あるいは平面であっても良い。
【0018】一方、非球面4は凹形状をなしている。こ
の非球面4と自由曲面3とが交差している部分の詳細は
後述する。そして、3つの光学面以外の側面は、互いに
対向した平面形状であり、光学的に使用しない。
【0019】図2において、金型10は、固定型11と
開閉方向40に移動可能な可動型12とが対向して配置
されており、この固定型11と可動型12とをパーティ
ング面30で当接させた状態いわゆる型締め状態でプリ
ズム1(図1参照)のキャビティ19を形成するように
構成されている。
【0020】固定型11の固定側型部18のパーティン
グ面30側には、自由曲面駒用穴20が穿設されてい
る。この穴20内には、プリズム1の自由曲面2を形成
する自由曲面駒13がその形成面13aをパーティング
面30側に向けて装填されている。
【0021】一方、可動型12の可動側型部17のパー
ティング面30側には、非球面駒用穴21が穿設されて
いる。この穴21内には、プリズム1の非球面4を形成
する非球面駒15がその形成面(第2形成面)15aを
パーティング面30側に向けて装填されている。
【0022】さらに、この穴21内には、プリズム1の
自由曲面3を形成する自由曲面駒14がその形成面(第
1形成面)14cをキャビティ19に向けて、開閉方向
40に対して垂直なスライド方向(矢印41で示す方
向)へ移動可能に装填されている。なお、自由曲面駒1
4がスライド方向41へ移動するときに、自由曲面駒1
4の側面である摺動面14a(図3参照)は可動側型部
17の摺動べース面(第3形成面)17a上を摺動す
る。そして、上記摺動面14aの反対側となる自由曲面
駒14の側面は、可動側型部17側のパーティング面3
0の一部を形成しており、型締め時に固定側型部18と
当接するようになっている。
【0023】また、自由曲面駒14の形成面14cは、
自由曲面3がアンダーカット部となるように、開閉方向
40に対して平行でない面とし、本実施の形態では近似
曲率半径が極めて小さい凹形状としている。
【0024】さらに、自由曲面駒14の背面は、スライ
ド方向41へ移動可能なスライド駒26に固定されてい
る。このスライド駒26には、開閉方向40に対して傾
いたアンギュラピン穴57が穿設されている。そして、
スライド駒26の背面には、アンギュラピン穴57の傾
きと平行な傾斜面26aが形成されている。
【0025】一方、固定型11の固定側型部18には、
上記アンギュラピン穴57に挿通するアンギュラピン5
1が埋設されている。このアンギュラピン51は、アン
ギュラ穴57と同じ方向に同じ角度傾けられており、固
定側型部18から突出させた突出部分の長さは、アンギ
ュラ穴57より少し短くなっている。また、固定側型部
18には、上記スライド駒26の傾斜面26aに当接し
てスライド駒26の位置決めをするための傾斜面52a
を有するバックアップブロック52が固定されている。
【0026】このアンギュラピン51とアンギュラピン
穴57の作用により、スライド駒26に固定されている
自由曲面駒14は、型締めしたときにはキャビティ19
の一部を形成し、型開きしたときにはスライド方向41
へ摺動して後退し、成形されたプリズム1から離型す
る。
【0027】また、固定型11および可動型12には、
キャビティ19に連通した通路すなわちゲート55、ラ
ンナ54およびスプル53が形成されており、固定型1
1側の樹脂供給口から溶融樹脂をスプル53、ランナ5
4およびゲート55を介してキャビティ19に注入でき
るようになっている。
【0028】一方、可動型12の可動側型部17の内部
には、エジェクタ装置25のエジェクタピンが開閉方向
40と同じ方向に摺動可能となっている。このエジェク
タピンの先端面は、スプル53の端部を塞いでおり、エ
ジェクタピンでスプル53内の樹脂部を突き上げること
により、成形されたプリズム1を可動型12から離型さ
せる。
【0029】次に、キャビティ19付近の詳細を図3に
基づいて説明する。図3において、型締めしたときに
は、非球面4を形成する非球面駒15の形成面15a
と、自由曲面3を形成する自由曲面駒14の形成面14
cとの交差角は90°となり、自由曲面駒14の摺動面
14a側のエッジ部14bと非球面駒15との隙間35
が0.05mmとなる。
【0030】なお、上記交差角が90°でなく、120
°以下のプリズムであっても良い。また、隙間35は、
0.05mm以上であれば良く、特に0.05mm以上
で0.20mm以下が良好である。
【0031】そして、可動側型部17の摺動べース面1
7aは、上記隙間35に相当する部分でプリズム1の非
光学面を成形する。また、可動側型部17の摺動べース
面17aは、開閉方向40に対して略垂直に形成されて
いる。
【0032】次に、上記構成の金型装置でプリズムを射
出成形する方法を図4(a)(b)に基づいて説明す
る。まず、図4(a)に示すように、金型10は、固定
型11と可動型12とが開いたいわゆる型開き状態とな
っている。そして、可動型12を開閉方向40に移動さ
せ、固定型11に接近させる。この接近に伴い、可動型
12に取り付けられているスライド駒26のアンギュラ
ピン穴57に、固定型11に埋設されているアンギュラ
ピン51が挿通する。
【0033】さらに、可動型12を固定型11に向かっ
て移動させることにより、アンギュラピン51がアンギ
ュラ穴57に入って行くため、スライド駒26がスライ
ド方向41に移動し、スライド駒26に固定されている
自由曲面駒14がキャビティ19を形成するように前進
する。
【0034】そして、図4(b)に示すように、可動型
12が固定型11に当接したいわゆる型締め状態になっ
たとき、スライド駒26がバックアップブロック52に
よってスライド方向41の位置決めがされ、自由曲面駒
14が所定位置に固定される。
【0035】このとき、図3に示すように、自由曲面駒
13の形成面13a、自由曲面駒14の形成面14c、
非球面駒15の形成面15aおよび可動側型部17の摺
動べース面17aにより、キャビティ19が形成され
る。
【0036】この際、仮に自由曲面駒14の摺動面14
a側のエッジ部14bと非球面駒15との間に隙間35
が設けられていない場合、スライドブロック26のスラ
イド方向41における繰り返し位置決め精度が悪かった
り、最初の金型組立時の調整具合が悪かったりすると、
エッジ部14bと非球面駒15とは接触してしまうこと
となる。特に、エッジ部14bに関しては形状的に強度
が低いため、最悪な場合、エッジ部14bの変形や破損
を招いてしまうことになる。
【0037】しかし、本金型10では、エッジ部14b
と非球面駒15との間に、0.05mmの隙間を設けて
いるため、エッジ部14bと非球面駒15の接触による
変形や破損を回避することができる。
【0038】固定型11と可動型12を型締めした後、
金型10のスプル53、ランナ54、ゲート55を通し
て溶融樹脂がキャビティ19に射出され、充填状態にな
る。そして、溶融樹脂は、キャビティ19内やスプル5
3、ランナ54、ゲート55内で冷却固化され、図1に
示すプリズム1の形状にキャビティ19内で形成され
る。
【0039】その後、可動型12を開閉方向40に移動
して、固定型1と可動型12を開いたのち、エジェクタ
装置25のエジェクタピンを開閉方向40に移動して固
定型11の方向に突出させ、スプル53で固化している
樹脂部を突き出す。そして、この突出しにより、ランナ
54およびゲート55で固化している樹脂部を介してプ
リズムを可動型12から離型し、金型10から取り出
す。
【0040】本実施の形態によれば、スライド機能を持
つ自由曲面駒14の摺動面14a側のエッジ部14bと
非球面駒15との間に隙間35を設けてあるので、型締
め後においても上記エッジ部14bと非球面駒15が接
触しないため、確実に金型10の故障を回避することが
可能になり、長期にわたって安定した自由曲面プリズム
の量産を実現することができる。そして、光学面上の歪
みや破損等の不具合がないプリズム1を得ることができ
る。
【0041】(実施の形態2)本発明の実施の形態2を
図5に基づいて説明する。図5は本実施の形態の金型装
置を概略的に示す一部断面図である。
【0042】本実施の形態の金型装置は、図1に示すよ
うな、2つの回転非対称の自由曲面2、自由曲面(第2
光学面)3と、1つの回転対称の非球面(第1光学面)
4の計3つの光学面を有するプリズムを成形するもの
で、基本的には実施の形態1の金型装置と同じ構成であ
り、その構成部分には同一番号を付して、その説明を省
略し、実施の形態1と異なる部分のみを、以下に説明す
る。
【0043】図5において、自由曲面駒14の背面すな
わち形成面14cの反対面には、調整手段(調整板)と
しての平行平板58が、スライドブロック26と挟まれ
る状態で位置するように固定されている。この平行平板
58は、自由曲面駒14のエッジ部14b位置が、この
エッジ部14bと非球面駒15との間に0.05mm以
上(好ましくは0.05〜0.20mm)の隙間35
(図3参照)を保つように、その厚さが適宜調整されて
いる。
【0044】仮に平行平板58が存在しない場合、自由
曲面駒14の軸方向長さ(形成面14cとその反対面間
の長さ)の仕上がりによっては、隙間35は大きくなる
こともあれば、小さくなることもある。隙間35が大き
くなりすぎた場合には、プリズム1に、光学性能上、フ
レア等の不良現象が生じてしまい、小さくなりすぎた場
合には、金型破損を引き起こすこととなる。
【0045】そこで、平行平板58を自由曲面駒14と
スライドブロック26との間に配置し、この平行平板5
9の厚さ調整を行うことで、自由曲面駒14のエッジ部
14b位置を非球面駒15に対して確実に所望の位置に
調整することができ、上記の隙間35の確保が行えるよ
うになる。
【0046】本実施の形態によれば、例え自由曲面駒1
4の仕上がり長さに誤差が生じても、平行平板58によ
り、スライド機構を持つ自由曲面駒14と非球面駒15
との間に、所望の隙間35を確実に持たせることがで
き、プリズム1の製品上、光学的不良を発生したり、金
型上、破損等の故障を回避することが可能となるため、
高品質かつ長期にわたって安定した自由曲面プリズムの
量産を実現することができる。
【0047】(実施の形態3)本発明の実施の形態3を
図6に基づいて説明する。図6は本実施の形態の金型装
置の要部を示す断面図である。
【0048】本実施の形態の金型装置は、図1に示すよ
うな、2つの回転非対称の自由曲面2、自由曲面(第2
光学面)3と、1つの回転対称の非球面(第1光学面)
4の計3つの光学面を有するプリズムを成形するもの
で、基本的には実施の形態1の金型装置と同じ構成であ
り、その構成部分には同一番号を付して、その説明を省
略し、実施の形態1と異なる部分のみを、以下に説明す
る。
【0049】図6において、可動側型部17の摺動ベー
ス面(第3形成面)17b上を摺動する自由曲面駒14
の摺動面14aには、可動側型部17の摺動べース面1
7bから0.005mm程度離れるように、0.005
mmの深さを有する凹部59が、エッジ部14bに到達
させて部分的に設けられている。
【0050】上記構成の金型装置にあって、型締めの際
には、自由曲面駒14が、その摺動面14aを可動側型
部17の摺動べース面17b上を摺動させて非球面駒1
5に接近し、キャビティ19を形成しようとする。この
とき、自由曲面駒14の摺動面14aには、凹部59が
形成されているため、自由曲面駒14の摺動面14aと
可動側型部17の摺動べース面17bとの間には、凹部
59の深さ分だけの隙間が得られていることになる。な
お、自由曲面駒14の摺動面14a側のエッジ部14b
と非球面駒15とは、実施の形態1,2と同様の隙間3
5が形成されている。
【0051】従って、この場合、摺動面14aと摺動べ
ース面17bの間に摩擦が発生することはない。このこ
とにより、自由曲面駒14の摺動面14aおよび可動側
型部17の摺動面17bには、摩擦による形状劣化等が
発生することはない。
【0052】本実施の形態によれば、スライド機構を持
つ自由曲面駒14と非球面駒15との間に所望の隙間3
5を確実に持たせるだけでなく、さらに自由曲面駒14
の摺動面14aに凹部59を形成し、自由曲面駒14に
は、可動側型部17の摺動べース面17b上を摺動する
際に摩擦等の負荷がかかり難いようにしてあるので、金
型上、破損等の故障を回避することが可能となるため、
高品質かつ長期にわたって安定した自由曲面プリズムの
量産を実現することができる。
【0053】なお、上記した具体的実施の形態から次の
ような構成の技術的思想が導き出される。 (付記) (1)回転対称軸を有さない回転非対称面の光学面を複
数有する光学素子であって、上記光学素子の少なくとも
一つの光学面が離型方向に対してアンダーカットとなる
ような面構成となる光学素子において、上記離型方向に
対してアンダーカットとなる光学面と隣り合わせた光学
面との間に、少なくとも0.05mm以上の幅を有する
非光学面が設けられていることを特徴とする回転非対称
面を有する光学素子。
【0054】(2)回転対称軸を有さない回転非対称面
の光学面を複数有する光学素子の金型装置であって、上
記光学素子の少なくとも一つの光学面が離型方向に対し
てアンダーカットとなるような面構成となる光学素子の
金型装置において、上記離型方向に対してアンダーカッ
トとなる光学面と隣り合わせた光学面との間に少なくと
も0.05mm以上の幅を有する非光学面が形成される
ように構成されていることを特徴とする回転非対称面を
有する光学素子の金型装置。
【0055】(3)上記離型方向に対してアンダーカッ
トとなる光学面を形成する自由曲面駒の離型方向に対し
て直角方向の位置を決めるために、自由曲面駒背面に調
整板が挿入されていることを特徴とする付記(2)に記
載の回転非対称面を有する光学素子の金型装置。
【0056】(4)回転対称軸を有さない回転非対称面
の光学面を複数有する光学素子を成形する金型装置にお
いて、金型の開閉方向に対して平行でないアンダーカッ
ト部となる第1光学面を形成する第1形成面と、上記開
閉方向と略直交する方向に移動し、上記第1光学面と隣
り合う第2光学面を形成する第2形成面と、上記第1光
学面と第2光学面との間に0.05mm以上の幅を持つ
非光学面を形成する第3形成面と、を有することを特徴
とする回転非対称面を有する光学素子の金型装置。
【0057】(5)上記第1形成面と上記第2形成面と
の交差角が120°以下にすることを特徴とする付記
(4)に記載の回転非対称面を有する光学素子の金型装
置。
【0058】(6)上記第3形成面は、上記開閉方向と
略直交した平面であることを特徴とする付記(4)また
は(5)に記載の回転非対称面を有する光学素子の金型
装置。
【0059】(7)上記第1形成面を有する部材は、上
記第3形成面上を上記幅になるまで摺動可能なことを特
徴とする付記(4)から(6)のいずれかに記載の回転
非対称面を有する光学素子の金型装置。
【0060】(8)上記第1形成面を有する部材は、上
記第3形成面との摺動面に0.005mmの深さを有す
る凹部を一部に設けたことを特徴とする付記(4)から
(7)のいずれかに記載の回転非対称面を有する光学素
子の金型装置。
【0061】付記(1)の回転非対称面を有する光学素
子によれば、光学面上の歪みや破損等の不具合をなくす
ことができる。
【0062】付記(2)の回転非対称面を有する光学素
子の金型装置によれば、離型方向に対してアンダーカッ
トとなる光学面と隣り合わせた光学面との間に少なくと
も0.05mm以上の幅を有する非光学面を形成するよ
うにしたので、上記両光学面を形成する部材が当接する
の防ぐことができる。従って、金型上、形成面の歪みや
破損等の故障を回避することが可能になり、長期にわた
って安定した自由曲面プリズムの量産を実現することが
できる。
【0063】付記(3)の回転非対称面を有する光学素
子の金型装置によれば、第1成形面を有する部材の長さ
が、所望する値と異なっていても、調整板で0.05m
m以上の非光学面を形成するように調整することがで
き、高品質な回転非対称面を有する光学素子を長期にわ
たって成形することができる。
【0064】付記(4)の回転非対称面を有する光学素
子の金型装置によれば、第3形成面により、第1光学面
と第2光学面との間に少なくとも0.05mm以上の幅
を形成できるので、第1形成面と第2形成面が当接する
の防ぐことができる。従って、金型上、形成面の歪みや
破損等の故障を回避することが可能になり、長期にわた
って安定した自由曲面プリズムの量産を実現することが
できる。
【0065】付記(5)の回転非対称面を有する光学素
子の金型装置によれば、第1光学面と第2光学面との交
差角を120°以下にした回転非対称面を有する光学素
子を成形することができる。
【0066】付記(6)の回転非対称面を有する光学素
子の金型装置によれば、第1の光学面を形成する第1形
成面を金型の開閉方向と略直交した方向に移動させて、
回転非対称面を有する光学素子を成形することができ
る。
【0067】付記(7)の回転非対称面を有する光学素
子の金型装置によれば、第1形成面でアンダーカット部
となる第1光学面を形成しても、金型から回転非対称面
を有する光学素子を取り出すことができる。
【0068】付記(8)の回転非対称面を有する光学素
子の金型装置によれば、第1形成面を有する部材と第3
形成面との間で摩擦等の負荷が少なくなり、摩擦による
形状劣化等を防ぐことができる。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
の回転非対称面を有する光学素子によれば、第1光学面
と第2光学面の歪みや破損等がない回転非対称面を有す
る光学素子を得ることができる。
【0070】また、本発明の請求項2の回転非対称面を
有する光学素子の金型装置によれば、第1光学面と第2
光学面との間に0.05mm以上の幅を持つ非光学面を
形成するので、第1形成面と第2形成面が当接するの防
ぐことができる。従って、金型上、形成面の歪みや破損
等の故障を回避することが可能になり、長期にわたって
安定した自由曲面プリズムの量産を実現することができ
る。
【0071】さらに、本発明の請求項3の回転非対称面
を有する光学素子の金型装置によれば、第1成形面を有
する部材の長さが、所望する値と異なっていても、調整
手段で0.05mm以上の非光学面を形成するように調
整することができ、高品質な回転非対称面を有する光学
素子を長期にわたって成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のプリズムを示す斜視図
である。
【図2】本発明の実施の形態1の金型装置を概略的に示
す一部断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1の金型装置の要部を示す
断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1の金型装置を概略的に示
す一部断面図で、(a)は型開き状態を示し、(b)は
型締め状態を示している。
【図5】本発明の実施の形態2の金型装置を概略的に示
す一部断面図である。
【図6】本発明の実施の形態3の金型装置の要部を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 プリズム 2 自由曲面 3 自由曲面(第1光学面) 4 非球面(第2光学面) 10 金型 13 自由曲面駒 13a 形成面 14 自由曲面駒 14a 摺動面 14b エッジ部 14c 形成面(第1形成面) 15 非球面駒 15a 形成面(第2形成面) 17 可動側型

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転対称軸を有さない回転非対称面の光
    学面を複数有する光学素子において、 離型方向に対してアンダーカット部となる第1光学面
    と、 上記第1光学面と隣り合う第2光学面と、 上記第1光学面と第2光学面との間に設けた0.05m
    m以上の幅を持つ非光学面と、を有することを特徴とす
    る回転非対称面を有する光学素子。
  2. 【請求項2】 回転対称軸を有さない回転非対称面の光
    学面を複数有する光学素子を成形する金型装置におい
    て、 離型方向に対してアンダーカット部となる第1光学面を
    形成する第1形成面と、 上記第1光学面と隣り合う第2光学面を形成する第2形
    成面と、 上記第1光学面と第2光学面との間に0.05mm以上
    の幅を持つ非光学面を形成する第3形成面と、を有する
    ことを特徴とする回転非対称面を有する光学素子の金型
    装置。
  3. 【請求項3】 上記第1光学面と第2光学面との間の非
    光学面が所定幅となるように、上記第1形成面の位置決
    めをする調整手段をさらに具備することを特徴とする請
    求項2に記載の回転非対称面を有する光学素子の金型装
    置。
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