JP2002004148A - ポリエステル系織物 - Google Patents
ポリエステル系織物Info
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Abstract
優れるとともに、洗濯耐久性に優れた抗菌性能をも有す
る織物を提供する。 【解決手段】一方がポリトリメチレンテレフタレートを
主体としたポリエステルである2種類のポリエステル系
重合体が繊維長さ方向に沿ってサイドバイサイド型に貼
り合わされた複合繊維のマルチフィラメント糸を経糸お
よび緯糸の少なくとも一方に使用した織物であって、無
機性/有機性値が0.3以上、1.4以下である抗菌剤
を含むことを特徴とするポリエステル系織物。
Description
性を有し着用快適性に優れるとともに、洗濯耐久性に優
れた抗菌性能を有するポリエステル系織物に関するもの
である。
な優れた特性を有しているため、衣料用途のみならず幅
広く展開されている。また、近年のストレッチブームに
よりポリエステル系織物にもより優れたストレッチ性を
付与することが望まれている。
する手段として、仮撚加工糸や、弾性繊維の混用他に、
サイドバイサイド型複合繊維が種々提案されている。サ
イドバイサイド型複合繊維は、仮撚加工糸のようなガサ
ツキ、フカツキ感もなく、またポリウレタン系のような
弾性繊維の混用のように、風合いやドレープ性、染色性
に劣るといった問題もない。
開平4−308271号公報には固有粘度差あるいは極
限粘度差を有するポリエチレンテレフタレート(以下P
ETと略す)のサイドバイサイド型複合糸、特開平5−
295634号公報にはPETとそれより高収縮性の共
重合PETのサイドバイサイド型複合糸が記載されてい
る。このようなサイドバイサイド型複合繊維を用いれ
ば、ある程度のストレッチ性のある糸を得ることはでき
るが、織物にした際のストレッチ性が不充分となり、満
足なストレッチ性織物が得られにくいという問題があっ
た。これは、上記したようなサイドバイサイド型複合糸
は織物拘束中での捲縮発現能力が低い、あるいは捲縮が
外力によりヘタリ易いためである。サイドバイサイド型
複合糸はポリウレタン系繊維のように繊維自身の伸縮に
よるストレッチ性を利用しているのではなく、複合ポリ
マ間の収縮率差によって生じる3次元コイルの伸縮をス
トレッチ性に利用している。このため、例えば、ポリマ
ーの収縮が制限される織物拘束下で熱処理を受けるとそ
のまま熱固定され、それ以上の収縮能を失いコイルが十
分に発現せず、上記問題が発生すると考えられる。
チ性織物は、各種衣料、芯地、裏地、などに広く展開さ
れている。近年、メチシリン耐性黄色ブドウ状球菌(以
下、MRSAという。)による病院内感染が問題となっ
ており、白衣などの病院用衣料や介護衣料などに抗菌性
を付与する必要があるが、これらの衣料は通常60〜8
5℃の工業洗濯が多数繰り返されるため、従来技術では
十分な耐久性を有するものはほとんど得られていない。
などの無機系抗菌剤を合成繊維の紡糸段階で練り込む方
法と、第四級アンモニウム塩などの有機系抗菌剤をスプ
レーあるいはパディング処理して付与する後加工の方法
がとられてきた。前者の場合は、洗濯耐久性という面で
は優れているが、布などの製品には抗菌加工をすること
ができない。また、紡糸段階で口金面に抗菌剤が結晶と
して析出するため、糸切れが多発するなどの製糸上の問
題があった。一方、後者の場合は、布などの製品に抗菌
加工ができるという利点はあるものの、抗菌性の洗濯耐
久性という面では劣っており、従来技術では十分な耐久
性を有するものはほとんど得られていない。
な従来技術では得られなかった、表面にシボ感がなく、
着用快適性に優れた高ソフトストレッチ性と回復性を有
し、更に洗濯耐久性に優れた抗菌性能を有するポリエス
テル系織物を提供するものである。
ため本発明のポリエステル系織物は、主として次の構成
を有する。すなわち、一方がポリトリメチレンテレフタ
レートを主体としたポリエステルである2種類のポリエ
ステル系重合体が繊維長さ方向に沿ってサイドバイサイ
ド型に貼り合わされた複合繊維のマルチフィラメント糸
を経糸および緯糸の少なくとも一方に使用した織物であ
って、無機性/有機性値が0.3以上、1.4以下であ
る抗菌剤を含むことを特徴とするポリエステル系織物。
経糸および緯糸の少なくとも一方にポリエステル系のサ
イドバイサイド型複合繊維を用いる。
度や共重合成分、共重合率等が異なる重合体を貼り合わ
せ、それらの弾性回復特性や収縮特性の差によって、捲
縮を発現するものである。固有粘度差を有するサイドバ
イサイド型複合の場合、紡糸、延伸時に高固有粘度側に
応力が集中するため、2成分間で内部歪みが異なる。そ
のため、延伸後の弾性回復率差および織物の熱処理工程
での熱収縮率差により高粘度側が大きく収縮し、単繊維
内で歪みが生じて3次元コイル捲縮の形態をとる。この
3次元コイルの径および単位繊維長当たりのコイル数
は、高収縮成分と低収縮成分との収縮差(弾性回復率差
を含む)によって決まると言ってもよく、収縮差が大き
いほどコイル径が小さく、単位繊維長当たりのコイル数
が多くなる。
縮は、コイル径が小さく、単位繊維長当たりのコイル数
が多い(伸長特性に優れ、見映えが良い)、コイルの耐
へたり性が良い(伸縮回数に応じたコイルのへたり量が
小さく、ストレッチ保持性に優れる)、さらにはコイル
の伸長回復時におけるヒステリシスロスが小さい(弾発
性に優れ、フィット感がよい)等である。これらの要求
を全て満足しつつ、ポリエステルとしての特性、例えば
適度な張り腰、ドレープ性、高染色堅牢性を有すること
で、トータルバランスに優れたストレッチ素材とするこ
とができる。
には高収縮成分(高粘度成分)の特性が重要となる。コ
イルの伸縮特性は、低収縮成分を支点とした高収縮成分
の伸縮特性が支配的となるため、高収縮成分に用いる重
合体には高い伸長性および回復性が要求される。
を損なうことなく前記特性を満足させるために鋭意検討
した結果、高収縮成分にポリトリメチレンテレフタレー
ト(以下PTTと略記する)を主体としたポリエステル
を用いることを見出した。PTT繊維は、代表的なポリ
エステル繊維であるポリエチレンテレフタレート(以下
PETと略記する)やポリブチレンテレフタレート(以
下PBTと略記する)繊維と同等の力学的特性や化学的
特性を有しつつ、伸長回復性が極めて優れている。これ
は、PTTの結晶構造においてアルキレングリコール部
のメチレン鎖がゴーシュ−ゴーシュの構造(分子鎖が9
0度に屈曲)であること、さらにはベンゼン環同士の相
互作用(スタッキング、並列)による拘束点密度が低
く、フレキシビリティーが高いことから、メチレン基の
回転により分子鎖が容易に伸長・回復するためと考えて
いる。
酸を主たる酸成分とし、1,3−プロパンジオールを主
たるグリコール成分として得られるポリエステルであ
る。ただし、20モル%以下、より好ましくは10モル
%以下の割合で他のエステル結合の形成が可能な共重合
成分を含むものであってもよい。共重合可能な化合物と
して、例えばイソフタル酸、コハク酸、シクロヘキサン
ジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン酸、5
−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボン酸
類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン
ジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコールなどのジオール類を挙げることができる
が、これらに限定されるものではない。また、必要に応
じて、艶消し剤となる二酸化チタン、滑剤としてのシリ
カやアルミナの微粒子、抗酸化剤としてヒンダードフェ
ノール誘導体、着色顔料などを添加してもよい。
縮成分であるPTTとの界面接着性が良好で、製糸性が
安定している繊維形成性ポリエステルであれば特に限定
されることなく用いられるが、力学的特性、化学的特性
および原料価格を考慮すると、繊維形成能のあるPET
が好ましい。
維長さ方向のコイルの寸法均質性の点で、高収縮成分:
低収縮成分=75:25〜35:65(重量%)の範囲
が好ましく、65:35〜45:55の範囲がより好ま
しい。
てコイル捲縮を発現させるためには、サイドバイサイド
型複合繊維の収縮応力が高いことが好ましい。布帛の熱
処理工程で捲縮発現性を高めるには、収縮応力の極大を
示す温度は110℃以上、応力の極大値は0.25cN/dtex
以上であることが好ましく、より好ましくは応力の極大
値は0.28cN/dtex以上、更に好ましくは0.30cN/dtex以
上である。また、シボの抑制という点では、0.50cN/dt
ex以下とすることが好ましい。
維は、荷重下捲縮発現伸長率が15%以上であることが
好ましい。従来は、特開平6-322661号公報等に記載され
ているように、潜在捲縮発現性ポリエステル繊維を荷重
フリーに近い状態で熱処理し、そこでの捲縮特性を規定
していたが、これでは布帛拘束下での捲縮特性を必ずし
も反映しているとは言えない。そこで本発明者らは、布
帛拘束下での捲縮発現能力が重要であることに着目し、
実施例中の「測定方法」に示すような方法で熱処理を行
う荷重下捲縮発現伸長率を定義した。
発現能力が高いことを示しており、15%以上であるこ
とが、本発明の目的とする適度なストレッチ特性を発現
する上で好ましい。捲縮伸長率は織物に求められるスト
レッチ性能と同様、より好ましくは20%以上、更に好
ましくは25%以上である。
維は、下記式で示す撚係数Kとして、3000以上、1
5000以下の範囲で加撚することが好ましい。 T=K×[1/D1/2 ] T:1m当たりの撚数、D:糸条の繊度(dtex)×
0.9 上記条件で加撚を施すことにより、織物にした際のシボ
の発生など、表面品位の低下を防ぎやすくすることがで
きる。
を抑制しにくい。撚係数Kが15000を超えると、目
的とするストレッチが減少する傾向にある。
織の交錯点が少ない場合には撚係数Kは上記範囲内で小
さい傾向が好ましく、織密度が大きく交錯点が多い場合
には撚係数Kは上記範囲内で大きい傾向が好ましい。例
えば朱子織物のように交錯点の少ない組織においては撚
係数Kは3000以上が好ましく、より好ましくは50
00以上である。また、平織物のように交錯点の多い組
織においては好ましくは撚係数5000以上、より好ま
しくは8000以上である。また、ストレッチを充分に
維持する点では、より好ましくは13000以下であ
る。
く、公知の技術で実施できる。また撚糸後、より止めセ
ットを実施しても良いが、セット温度は捲縮発現や製織
に問題無い程度の低温が望ましい。製織する織機は、特
に制限するものではなく、ウォータージェットルーム、
エアージェットルーム、レピアルームなどを用いること
ができる。
複合繊維のマルチフィラメント糸は、経糸、緯糸の少な
くとも一方に用いられるが、マルチフィラメント糸の糸
方向における織物伸長率が15%以上であることが好ま
しい。織物伸長率とは、実施例中の「測定方法」にて定
義されるストレッチ性のパラメータである。織物伸長率
が15%未満である場合には、人体の運動時の皮膚の伸
縮に追随しにくい。
維の断面形状は、丸断面、三角断面、マルチローバル断
面、偏平断面、ダルマ型断面、X型断面、その他公知の
異形断面であってもよく、何等限定されるものではない
が、捲縮発現性と風合いのバランスから、丸断面の半円
状サイドバイサイドや軽量、保温を狙った中空サイドバ
イサイド、ドライ風合いを狙った三角断面サイドバイサ
イド等が好ましく用いられる。
機性/有機性値が0.3〜1.4の抗菌剤を含むもので
ある。
藤田稔氏が考案した各種有機化合物の極性を有機概念的
に取り扱った値であり〔改編 化学実験学−有機化学篇
−河出書房(1971)参照〕、炭素(C)1個を有機
性20とし、それに対し各種極性基の無機性、有機性の
値を表1の如く定め、無機性値の和と有機性値の和を求
め両者の比をとった値をいう。
レフタレートの無機性/有機性値を算出すると0.7、
本発明は、かかる有機概念で算出された値をもとにして
合成繊維と抗菌剤との親和性に注目し、無機性/有機性
値が所定の範囲内にある抗菌剤を合成繊維に付着または
吸尽・拡散させたものである。
機性が強くなりすぎて、逆に1.4を超える場合は無機
性が強くなりすぎて、合成繊維に付着または吸尽・拡散
しにくくなる。無機性/有機性値は0.35〜1.3で
あることが好ましく、0.4〜1.2であることがより
好ましい。
4−ヒドロキシピリジンの場合、ベンゼン核を1つ、−
Cl基を4つ、−OH基を1つ、−NR2基を1つ含む
ため無機性値は265となる。また有機性値は、C(炭
素)を5つ、−Cl基を4つ含むため180となり、無
機性値/有機性値は1.47となる。また、2−ピリジ
ルチオール−1−オキシド亜鉛はキレート錯体として存
在し、電気陰性度の点から亜鉛と硫黄は共有結合をして
いると考えるので、この化合物の無機性値は85、有機
性値は190となり無機性値/有機性値は0.45と計
算できる。一方、同じピリジン系抗菌剤である2−ピリ
ジルチオール−1−オキシドナトリウムは、ナトリウム
と硫黄は電気陰性度差が1.6以上あり、この結合はイ
オン結合となり、この場合、ナトリウムは軽金属塩とし
て働くため無機性値は585、有機性値は190と算出
でき、無機性値/有機性値は3.0となることから、ポ
リエステルとの親和性は悪くなる。
ロ−6−トリクロロメチルピリジン、2−クロロ−4−
トリクロロメチル−6−メトキシピリジン、2−クロロ
−4−トリクロロメチル−6−(2−フリルメトキシ)
ピリジン、ジ(4−クロロフェニル)ピリジルメタノー
ル、2,3,5−トリクロロ−4−(n−プロピルスル
フォニル)ピリジン、2−ピリジルチオール−1−オキ
シド亜鉛、ジ(2−ピリジルチオール−1−オキシド)
等のピリジン系化合物を用いることができる。その中で
も特に、2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛が、
繊維との親和性がよく、繊維に対して強固に付着、吸尽
するため洗濯耐久性が良く、MRSAをはじめ効果を示
す対象菌種の広さの点で好ましい。
は吸尽・拡散し易くする観点から、分子量が200〜7
00であることが好ましく、より好ましくは300〜5
00である。分子量が200未満では、抗菌剤が繊維に
付着または吸尽・拡散するが洗濯耐久性は低くなる傾向
がある。一方、分子量が700を超えるときは、抗菌剤
が繊維に付着または吸尽しにくい。
2μm以下のものを用いることが好ましい。平均粒径が
2μmを超えると、繊維に付着または吸尽しにくくなる
上に、加工液にした時に粒子の沈降が起こり、液の安定
性に欠ける傾向を示すものである。好ましくは、抗菌剤
の平均粒径は1μm以下である。
ド型複合繊維の単繊維繊度は、1.1〜10dtexで
あることが好ましく、より好ましくは1.5〜6dte
xである。1.1dtexより小さいと、コイル捲縮形
成に限界があり、ストレッチ性が得られにくい。また1
0dtexを超えると、トルクが大きくなるため本来の
目的とするシボ感の少ない織物が得にくくなる。また、
抗菌剤が付着または吸尽・拡散する作用は単繊維繊度に
依存し、1.1〜10dtexとすることにより、洗濯
耐久性に優れた抗菌性能を有するポリエステル系織物を
得ることができる。
ては、過酷な洗濯処理条件である過酸化物、強アルカリ
剤、界面活性剤を混合した洗液を用いた工業洗濯(80
〜85℃で12〜15分/回×50回)後でも、SEK
(繊維製品新機能評価協議会)の定める制菌評価方法
(統一試験法)で、静菌活性値が2.2以上であること
が望ましい。
方法について述べる。
処理は、サイドバイサイド型複合繊維の潜在捲縮がスプ
リング構造として発現するように処理温度を80℃以上
とすることが好ましい。
料と抗菌剤とを含む染浴中で染色同時処理することが好
ましく、抗菌剤を染料と同じ様に繊維に付着させ、繊維
内部に吸尽・拡散させることができる。処理温度、処理
時間は、90〜160℃、10〜120分間処理するこ
とが好ましい。その後、テンター等で160〜200℃
の乾熱処理をすることが好ましく、抗菌剤を更に繊維表
面から内部に拡散させ、抗菌性を損なうことなく洗濯耐
久性を向上させることができる。
後の織物に抗菌剤を含む液をパディング処理またはスプ
レー処理などで付着させた後、160〜200℃で乾熱
または湿熱の加熱処理を行うことにより、抗菌剤を繊維
表面に付着もしくは繊維内部に吸尽・拡散させることが
できる。
は、次の方法で得たものである。
は、次のコロイド化処理を行ったものを使用する。すな
わち、抗菌剤50gとナフタレンスルホン酸のホルマリ
ン縮合物20gおよびリグニンスルホン酸ナトリウム3
0gを水300gと共にスラリー化し、次いでガラスビ
ーズを用いて湿式粉砕処理を施し、平均粒径1μmのコ
ロイド状態の組成物を得た。 <織物伸長率>JIS L 1096に示される伸長率
A法(定速伸長法)で測定を行った。 <収縮応力>カネボウエンジニアリング(株)社製熱応
力測定機で、昇温速度150℃/分で測定した。サンプルは
10cm×2のループとし、初期張力は繊度(デシテック
ス)×0.9×(1/30)gfとした。 <荷重下捲縮発現伸長率> 荷重下捲縮発現伸長率(%)=[(L0−L1)/L0]
×100 L0:繊維カセに0.9×10-3cN/dtexの荷重を吊した状態
で沸騰水処理を15分間行い、風乾し、さらに160℃乾熱
処理を15分間行った後、前記熱処理荷重を取り除き、18
0×10-3cN/dtexの荷重を吊した時のカセ長。
いて再び0.9×10-3cN/dtexの荷重を吊した時のカセ長。 <工業洗濯方法>ドラム染色機を用い、花王(株)製洗
剤“ザブ”2g/l、過酸化水素水(35%工業用)3
cc/l、過炭酸ナトリウム1.5g/l、温度85±
2℃、浴比1:20で15分間洗濯し、排液、脱水し、
その後、オーバーフロー水洗を10分間実施し、脱水を
行った。これを洗濯1回とした。最後にタンブラー・ド
ライヤーを用いて20分間で乾燥した。 <抗菌試験方法>試験方法は統一試験法を採用し、試験
菌体はMRSA臨床分離株を用いた。試験方法は、滅菌
試料布に上記試験菌のブイヨン懸濁液を注加し、密閉容
器中で37℃、18時間培養後の生菌数を計測し、殖菌
数に対する菌数を求め、次の基準に従った。
g(B/C)を菌数増減値差とし、2.2以上を合格レ
ベルとした。
した菌数、Bは無加工品の18時間培養後分散回収した
菌数、Cは加工品の18時間培養後分散回収した菌数を
表す。 (実施例1)固有粘度(IV)が1.18のホモPTT
と固有粘度(IV)が0.60のホモPETをそれぞれ
別々に溶融し、紡糸温度280℃で24孔の複合紡糸口
金から複合比(重量%)50:50で吐出し、紡糸速度
1400m/分で引取り165デシテックス、24フィラメ
ントのサイドバイサイド型複合未延伸糸を得た。さらに
ホットロール−熱板系延伸機(接糸長:20cm、表面
粗度:3S)を用い、ホットロール温度85℃、熱板温
度145℃、延伸倍率3.0倍で延伸して55デシテッ
クス、24フィラメント(単繊維繊度d:2.3デシテ
ックス)の延伸糸を得た。紡糸、延伸とも製糸性は良好
であり、糸切れは発生しなかった。
は、 収縮応力の極大温度 :130℃ 収縮応力の極大値 :0.33cN/dtex 荷重下捲縮発現伸長率:20.5% と優れた捲縮発現能力を示した。
2本引き揃えて110デシテックスとし、引き続いて、
経糸と、緯糸の両方にこのマルチフィラメント糸を使用
し、2/2綾組織の織物をウォータージェットルームに
てタテ109×ヨコ73(本/2.54cm)の生機密
度で製織した。
110℃でリラックス熱処理し、乾熱ピンテンター方式
により190℃で中間セットし、減量率15%のアルカ
リ減量を行った後、抗菌剤として、コロイド化処理した
2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛を1%owf
用い、市販の分散染料とともに120℃で染色同時処理
を行い、160℃で仕上げセットした。仕上げ反の密度
はタテ145×ヨコ94(本/2.54cm)であっ
た。
合いを有し、経緯方向にソフトなストレッチを有すると
ともに、洗濯耐久性に優れた抗菌性を有する織物が得ら
れた。 (実施例2)実施例1において得られた高捲縮性ポリエ
ステル複合繊維を800t/m(撚係数K=8000に
相当)の撚数で2本合撚して110デシテックスとし
て、次いで、70℃で40分間真空スチームセットによ
り撚り止めセットを行った。引き続いて、経糸と、緯糸
の両方にこのマルチフィラメント糸を使用し、2/2綾
組織の織物をウォータージェットルームにてタテ98×
ヨコ76(本/2.54cm)の生機密度で製織した。
110℃でリラックス熱処理し、乾熱ピンテンター方式
により190℃で中間セットし、減量率15%のアルカ
リ減量を行った後、抗菌剤としてコロイド化処理した2
−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛を1%owf用
い、市販の分散染料とともに120℃で染色同時処理を
行い、160℃で仕上げセットした。仕上げ反の密度は
タテ134×ヨコ98(本/2.54cm)であった。
風合いを有し、経緯方向にソフトなストレッチを有する
とともに、洗濯耐久性に優れた抗菌性を有する織物が得
られた。 (実施例3)実施例2と同じ生機を使用し、抗菌剤とし
てコロイド化処理した2−クロロ−6−トリクロロメチ
ルピリジンを用いた以外は、実施例2と全く同じ処理を
行った。
風合いを有し、経緯方向にソフトなストレッチを有する
とともに、洗濯耐久性に優れた抗菌性を有する織物が得
られた。 (比較例1)経糸と緯糸の両方に84デシテックス72
フィラメントの交絡を有するポリエステル仮撚加工糸を
用い、2/1綾組織の織物をウォータージェットルーム
にてタテ110×ヨコ80(本/2.54cm)の生機
密度で製織した。
った。この時の仕上げ反の密度はタテ155×ヨコ90
(本/2.54cm)であった。
菌性を有するが、ストレッチ性に劣るものであった。 (比較例2)実施例2と同じ生機を使用し、抗菌剤とし
てコロイド化処理した2−ピリジルチオール−1−オキ
シドナトリウムを用いた以外は、実施例2と全く同じ処
理を行った。
風合いを有し、経緯方向にソフトなストレッチを有する
が、抗菌性の洗濯耐久性の劣るものであった。
し、着用快適性に優れるとともに、洗濯耐久性に優れた
抗菌性能をも有する織物を得ることができる。
Claims (8)
- 【請求項1】一方がポリトリメチレンテレフタレートを
主体としたポリエステルである2種類のポリエステル系
重合体が繊維長さ方向に沿ってサイドバイサイド型に貼
り合わされた複合繊維のマルチフィラメント糸を経糸お
よび緯糸の少なくとも一方に使用した織物であって、無
機性/有機性値が0.3以上、1.4以下である抗菌剤
を含むことを特徴とするポリエステル系織物。 - 【請求項2】請求項1に記載の複合繊維のマルチフィラ
メント糸が、下記式で示す撚係数Kとして、3000以
上、15000以下の範囲で加撚した糸条であることを
特徴とするポリエステル系織物。 T=K×[1/D1/2 ] T:1m当たりの撚数、D:糸条の繊度(dtex)×
0.9 - 【請求項3】請求項1に記載の複合繊維のマルチフィラ
メント糸が無撚であることを特徴とするポリエステル系
織物。 - 【請求項4】複合繊維のマルチフィラメント糸の糸方向
の織物伸長率が15%以上であることを特徴とする請求
項1〜3のいずれかに記載のポリエステル系織物。 - 【請求項5】該サイドバイサイド型複合繊維における、
その収縮応力の極大を示す温度が110℃以上であり、
かつその収縮応力の極大値が0.25cN/dtex以
上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
載のポリエステル系織物。 - 【請求項6】該サイドバイサイド型複合繊維の荷重下捲
縮発現伸張率が、15%以上であることを特徴とする請
求項1〜5のいずれかに記載のポリエステル系織物。 - 【請求項7】該抗菌剤が、2−クロロ−6−トリクロロ
メチルピリジン、2−クロロ−4−トリクロロメチル−
6−メトキシピリジン、2−クロロ−4−トリクロロメ
チル−6−(2−フリルメトキシ)ピリジン、ジ(4−
クロロフェニル)ピリジルメタノール、2,3,5−ト
リクロロ−4−(n−プロピルスルフォニル)ピリジ
ン、2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛およびジ
(2−ピリジルチオール−1−オキシド)から選ばれた
少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜6の
いずれかに記載のポリエステル系織物。 - 【請求項8】該抗菌剤が、2−ピリジルチオール−1−
オキシド亜鉛であることを特徴とする請求項1〜7のい
ずれかに記載のポリエステル系織物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000189050A JP2002004148A (ja) | 2000-06-23 | 2000-06-23 | ポリエステル系織物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000189050A JP2002004148A (ja) | 2000-06-23 | 2000-06-23 | ポリエステル系織物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2002004148A true JP2002004148A (ja) | 2002-01-09 |
Family
ID=18688728
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2000189050A Pending JP2002004148A (ja) | 2000-06-23 | 2000-06-23 | ポリエステル系織物 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2002004148A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002030568A (ja) * | 2000-07-14 | 2002-01-31 | Toray Ind Inc | ポリエステル系繊維構造物 |
JP2009084719A (ja) * | 2007-09-28 | 2009-04-23 | Atsugi Co Ltd | 繊維製品への機能剤の付与方法とその製品 |
-
2000
- 2000-06-23 JP JP2000189050A patent/JP2002004148A/ja active Pending
Cited By (2)
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JP2002030568A (ja) * | 2000-07-14 | 2002-01-31 | Toray Ind Inc | ポリエステル系繊維構造物 |
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