JP2002000242A - 顆粒状或いは粉末状のインスタントスープ又はインスタントソースとその製造方法 - Google Patents

顆粒状或いは粉末状のインスタントスープ又はインスタントソースとその製造方法

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JP2002000242A JP2000187357A JP2000187357A JP2002000242A JP 2002000242 A JP2002000242 A JP 2002000242A JP 2000187357 A JP2000187357 A JP 2000187357A JP 2000187357 A JP2000187357 A JP 2000187357A JP 2002000242 A JP2002000242 A JP 2002000242A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分散性を改良し、「ままこ(ダマ)」の発生
の抑えられた顆粒状或いは粉末状のインスタントスープ
又はインスタントソースを提供すること、並びにそのよ
うな顆粒状或いは粉末状のインスタントスープ又はイン
スタントソースを製造する方法を提供することを目的と
する。 【解決手段】 シュガーエステルを0.1〜1.0重
量%の割合で含有することを特徴とする顆粒状或いは粉
末状のインスタントスープ又はインスタントソースと、
顆粒状或いは粉末状のインスタントスープ又はインス
タントソースを製造するにあたり、シュガーエステルを
0.1〜1.0重量%の割合で添加することを特徴とす
る顆粒状或いは粉末状のインスタントスープ又はインス
タントソースの製造方法とを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顆粒状或いは粉末
状のインスタントスープ又はインスタントソースとその
製造方法に関し、詳しくは熱湯又は温水溶解時に「まま
こ(ダマ)」を生じにくい、顆粒状或いは粉末状のイン
スタントスープ又はインスタントソース、並びにそのよ
うな顆粒状或いは粉末状のインスタントスープ又はイン
スタントソースを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、加工食品技術の進歩に伴い、様々
な顆粒状或いは粉末状のインスタントスープ,インスタ
ントソースが開発されている。これら顆粒状或いは粉末
状のインスタントスープ,インスタントソースは、熱湯
又は温水を加えて攪拌するだけで、或いは熱湯又は温水
を加えて加熱するだけで、賞味することができる簡便性
をその大きな特徴としている。しかしながら、これら顆
粒状或いは粉末状のインスタントスープ,インスタント
ソースは、熱湯や温水で溶く際に攪拌が不十分である
と、完全に分散せず、調理後にいわゆる「ままこ(ダ
マ)」と呼ばれる塊が残ってしまうという問題がある。
【0003】そこで、この「ままこ(ダマ)」の発生を
抑える方法として、デキストリン,ラクトースなどの
分散剤を加える方法、食用油脂を添加する方法、顆
粒化する方法、などが提案されている。しかしながら、
これらの方法は、以下に述べるように、製造面或いはコ
スト面などにおいて制限されることが多く、完全な解決
には至っていないのが実状である。
【0004】まず上記の方法は、デキストリン,ラク
トースなどの分散剤を加え、製品中の難水分散性物の密
集度を下げることにより、分散性を改良し、「ままこ
(ダマ)」の発生を抑えようとするものである。しかし
ながら、上記の方法においては、これらを添加するこ
とにより、一食当たりの製品取り重量及び比容積が増え
ることから、原料費、加工費、包材費などのコストが高
くなると共に、過度に添加した場合には、溶解の面から
も規定量の熱湯又は温水に対して逆に溶解しにくくなる
という欠点がある。さらに、味覚面においても添加量を
増すごとに甘味が強まることから、味の調整が難しいと
いう問題がある。
【0005】次に、上記の方法は、食用油脂を添加す
ることにより、顆粒状或いは粉末状の製品の表面を疎水
化し、熱湯又は温水に対する反発力を高め、「ままこ
(ダマ)」の発生を抑えようとするものである。しかし
ながら、上記の方法においては、食用油脂の添加量を
増すほど、製造時(混合時或いは造粒時)の油ダマ(凝
集ダマ)の発生量も増加して、製品歩留まりが悪化する
と共に、製造後に油脂が染み出しやすくなることで、流
動性不良を引き起こしやすいという欠点がある。
【0006】さらに、上記のように、顆粒化する方法
の場合、分散性を向上させるには大きな顆粒を形成し、
重量当たりの比表面積を小さくすることが望ましいが、
このときには逆に溶解性は悪化してしまう。このように
分散性と溶解性とは相反しており、顆粒の粒径を操作す
ることで、双方を同時に満足し得ることは極めて難し
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題を解消したものであって、顆粒状或いは粉末状のイ
ンスタントスープ又はインスタントソースの分散性を改
良し、「ままこ(ダマ)」の発生の抑えられた顆粒状或
いは粉末状のインスタントスープ又はインスタントソー
スを提供すること、並びにそのような顆粒状或いは粉末
状のインスタントスープ又はインスタントソースを製造
する方法を提供すること、を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、顆粒状或いは粉末
状のインスタントスープ又はインスタントソースに対し
て、シュガーエステルを特定量添加することにより、容
易に分散性が改良されることを見出し、この知見に基い
て本発明を完成するに至った。
【0009】なお、シュガーエステルやジグリセリン脂
肪酸モノエステル等の乳化剤は、食品分野に広く用いら
れている。しかしながら、本発明者らの知見とは正反対
に、シュガーエステル等の乳化剤はこれまで一般に「ま
まこ(ダマ)」を発生しやすい難水分散性物質として知
られており(例えば、特開平11−18698号公報の
[0003]、[0009]、[0010]参照)、本
発明のように、顆粒状或いは粉末状のインスタントスー
プ又はインスタントソースの分散性を改良し、「ままこ
(ダマ)」の発生を抑え得ることに関してはこれまで全
く知られていない。
【0010】即ち、請求項1に係る本発明は、シュガー
エステルを0.1〜1.0重量%の割合で含有すること
を特徴とする顆粒状或いは粉末状のインスタントスープ
又はインスタントソースを提供するものである。
【0011】請求項2に係る本発明は、シュガーエステ
ルが、ショ糖ベヘン酸エステルである請求項1記載の顆
粒状或いは粉末状のインスタントスープ又はインスタン
トソースを提供するものである。
【0012】請求項3に係る本発明は、顆粒状或いは粉
末状のインスタントスープ又はインスタントソースを製
造するにあたり、シュガーエステルを0.1〜1.0重
量%の割合で添加することを特徴とする顆粒状或いは粉
末状のインスタントスープ又はインスタントソースの製
造方法を提供するものである。
【0013】請求項4に係る本発明は、シュガーエステ
ルが、ショ糖ベヘン酸エステルである請求項3記載の顆
粒状或いは粉末状のインスタントスープ又はインスタン
トソースの製造方法を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、詳細に説
明する。まず、請求項1に係る本発明について説明す
る。請求項1に係る本発明は、熱湯又は温水を加えて攪
拌するだけで、或いは熱湯又は温水を加えて加熱するだ
けで、賞味することのできる、顆粒状或いは粉末状のイ
ンスタントスープ又はインスタントソースに関するもの
であって、シュガーエステルを0.1〜1.0重量%の
割合で含有することを特徴とするものである。
【0015】なお、ここで「顆粒状或いは粉末状のイン
スタントスープ又はインスタントソース」とは、顆粒状
のインスタントスープ、粉末状のインスタントスープ、
顆粒状のインスタントソース、及び粉末状のインスタン
トソースを包含する概念である。
【0016】請求項1に係る本発明は、このような「顆
粒状或いは粉末状のインスタントスープ又はインスタン
トソース」において、シュガーエステルを0.1〜1.
0重量%の割合で含有することを特徴とするものであっ
て、シュガーエステルを特定量含有すること以外は、通
常の「顆粒状或いは粉末状のインスタントスープ又はイ
ンスタントソース」と同様のものである。
【0017】請求項1に係る本発明においては、シュガ
ーエステルを含有することが必要であって、シュガーエ
ステル以外のものを含有させたとしても、その目的を達
成することはできない。ここでシュガーエステルとは、
ショ糖を親水基とし、脂肪酸を親油基としてエステル結
合するショ糖脂肪酸エステルを指し、様々なものが挙げ
られる。脂肪酸としては、ベヘン酸、ステアリン酸な
ど、長鎖の脂肪酸が挙げられる。このシュガーエステル
としては、モノエステル含量が少なく、ジ・トリエステ
ル以上を多く含有するものが好ましい。シュガーエステ
ルは、ショ糖の水酸基に、食用油脂由来の脂肪酸をエス
テル結合させたものであって、エステル結合度と脂肪酸
の種類を変化させることで、幅広いHLB値を有するも
のが得られる。
【0018】請求項1に係る本発明においては、それら
シュガーエステルの中でも、特に請求項2に記載したよ
うに、ショ糖ベヘン酸エステルが最も好ましい。このシ
ョ糖ベヘン酸エステルとしては、モノエステル含量が約
20%以下で、HLB値が3のものが特に好ましい。シ
ュガーエステルとしては、粉末状或いは微粉末状のもの
が好ましい。
【0019】なお、一般的にシュガーエステルは、親油
性から親水性まで幅広いHLB値を有するものが多い。
本発明において用いるショ糖ベヘン酸エステルは、HL
B値が3のものであり、例えばHLB値が11という両
性型のものや、HLB値が16という親水性のものを用
いたとしても、請求項1に係る本発明の目的を達成する
ことはできない。例えば、HLB値が16のショ糖パル
ミチン酸エステルなどは、分散性が一層劣るため、本発
明においては全く用いることはできない。
【0020】請求項1に係る本発明においては、シュガ
ーエステルを用いることに加えて、さらにこれを0.1
〜1.0重量%という特定の割合で、好ましくは0.1
〜0.5重量%の割合で、より好ましくは0.2〜0.
3重量%の割合で含有することが必要である。シュガー
エステルの含有量が0.1重量%未満であると(好まし
くは0.1重量%未満であると、より好ましくは0.2
重量%未満であると)、分散性を改良し「ままこ(ダ
マ)」の発生を抑えることはできない。シュガーエステ
ルは、製品に異味、異臭を発生させるものではないが、
シュガーエステルの含有量が1.0重量%を超えると
(好ましくは0.5重量%を超えると、より好ましくは
0.3重量%を超えると)、味覚の点で悪影響を及ぼす
(後味を若干マスクする)ので好ましくない。
【0021】前記したように、請求項1に係る本発明
は、「顆粒状或いは粉末状のインスタントスープ又はイ
ンスタントソース」において、シュガーエステルを0.
1〜1.0重量%の割合で含有することを特徴とするも
のであって、シュガーエステルを特定量含有すること以
外は、通常の「顆粒状或いは粉末状のインスタントスー
プ又はインスタントソース」と同様のものである。ここ
で、通常の「顆粒状或いは粉末状のインスタントスープ
又はインスタントソース」は、一般に原料として澱粉
類、穀粉・野菜パウダー、調味料、糖類、食塩、食用油
脂、野菜パウダーなどを含むものであるが、これに限定
されるものではない。なお、スープ、ソースの原料は、
そのほとんどが親水性である。これに対し、ココアパウ
ダーや脱脂粉乳自体は、疎水性である。このような疎水
性原料を水や熱湯に分散させるために、ココアパウダー
や粉ミルクなどでは、本発明とは逆の親水性界面活性剤
や特異的にレシチンなどの両性界面活性剤が使用されて
おり、分散の仕方が異なっている。
【0022】請求項1に係る本発明の「顆粒状或いは粉
末状のインスタントスープ又はインスタントソース」に
おいて、原料として用いられる澱粉類としては、食用の
ものであれば、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、タピオカ
澱粉、小麦粉又は小麦粉澱粉など、原料穀物は問わず、
未加工のものであっても良いし、加工したものであって
も良い。化工澱粉やα化澱粉を用いることもできる。こ
のような澱粉類は一般に顆粒状或いは粉末状製品の分散
を悪化させる傾向がある。
【0023】また、穀粉・野菜パウダーのうち、穀粉と
しては、コーンパウダー、小麦粉などのように、穀物を
粉砕し、乾燥して得られる粉末が挙げられ、食用のもの
であれば任意に使用することができる。野菜パウダーと
しては、キャベツ、オニオン、ネギ、ニンジンなどのホ
ールパウダーや各種エキスパウダー、さらにはパンプキ
ンパウダー、ポテトパウダーなどを挙げることができ
る。
【0024】次に、本発明で用いる食塩や調味料など
は、通常の料理・調理に使用されているものであれば、
好みに応じて任意に使用することができる。また、これ
らの使用量も常法に従えば良い。
【0025】糖類としては、砂糖,果糖,ブドウ糖,液
糖など、食品に用いることが可能なものであれば、いず
れも使用することができ、その使用量も既知の範囲内で
選定すれば良い。
【0026】食用油脂としては、食用として使用が認め
られているものであれば、植物性油脂、動物性油脂、或
いはそれらの水素添加油脂であっても良い。具体的に
は、植物性油脂としては、例えばコーン油,大豆油,ナ
タネ油,パーム油などを挙げることができる。また、動
物性油脂としては、例えばヘット,ラード,チキンファ
ットなどを挙げることができる。
【0027】使用する食用油脂としては、融点が30〜
50℃、好ましくは38〜45℃のものが挙げられる。
ここで食用油脂の融点が30℃未満のものであると、夏
期などのように保管温度が上昇した場合、溶け出して製
品の流動性悪化を引き起こすばかりでなく、商品価値を
も損なう恐れがあるため好ましくない。一方、食用油脂
の融点が50℃を超えたものであると、粉末混合物に添
加したときに油温が下がった場合、粉末混合物に均一に
馴染む前に固化して油ダマを形成しやすいことから好ま
しくない。
【0028】食用油脂の含有量としては、顆粒状或いは
粉末状のインスタントスープ又はインスタントソース全
量に対して、1〜12重量%、好ましくは2〜10重量
%である。ここで食用油脂の含有量が1重量%未満であ
ると、混合物の飛散性が増して、粉立ちが激しくなるた
め好ましくない。一方、食用油脂の含有量が12重量%
を超えると、逆に混合物の付着性が増して、流動性の悪
化や多量の油ダマが発生するため好ましくない。
【0029】請求項1に係る本発明の顆粒状或いは粉末
状のインスタントスープ又はインスタントソースは、上
記の如きものであるが、必要に応じて、その機能を妨げ
ない範囲内で、他の既知の原材料、例えば増粘剤として
ガム類等を含有したりすることができる。ここでガム類
としては、グアーガムやキサンタンガムなどを挙げるこ
とができる。但し、ガム類は、熱湯、冷水に関係なく、
接触した瞬間に粘度を発現し(ベトツキ)、顆粒状或い
は粉末状製品の分散を妨げる傾向が強い。
【0030】このような請求項1に係る本発明の顆粒状
或いは粉末状のインスタントスープ又はインスタントソ
ースは、例えば請求項3に係る本発明の方法により、好
適に製造することができる。請求項3に係る本発明は、
顆粒状或いは粉末状のインスタントスープ又はインスタ
ントソースの製造方法に関し、顆粒状或いは粉末状のイ
ンスタントスープ又はインスタントソースを製造するに
あたり、シュガーエステルを0.1〜1.0重量%の割
合で添加することを特徴とするものである。
【0031】請求項3に係る本発明においては、シュガ
ーエステルを0.1〜1.0重量%の割合で添加するこ
と以外は、通常の顆粒状或いは粉末状のインスタントス
ープ又はインスタントソースの製造方法と同様にして行
えば良い。なお、前記したように、通常の「顆粒状或い
は粉末状のインスタントスープ又はインスタントソー
ス」は、一般に澱粉類、穀粉、調味料、糖類、食塩、食
用油脂、野菜パウダーなどを含むものであるので、原材
料としては、これらを用いれば良いが、これに限定され
るものではない。澱粉類、穀粉、調味料、糖類、食塩、
食用油脂、野菜パウダーについては、前記した通りであ
る。
【0032】通常の顆粒状或いは粉末状のインスタント
スープ又はインスタントソースの製造方法においては、
基本的には、食用油脂を除く原材料については、粉末状
のものを用い、これらを混合した粉末混合物に、食用油
脂を加熱溶解した状態で添加、混合する。請求項3に係
る本発明においては、食用油脂としては、前記したよう
に、融点が30〜50℃、好ましくは38〜45℃のも
のを用い、このような食用油脂を50〜80℃に加熱溶
解した状態で前記粉末混合物に添加、混合することが好
ましい。なお、混合は、ミキサーなどを用いて行えば良
い。
【0033】なお、請求項3に係る本発明において、シ
ュガーエステルとしては、粉末状或いは微粉末状のもの
を用いることが好ましく、このような粉末状又は微粉末
状のシュガーエステルを前記粉末混合物や食用油脂と混
合すれば良い。シュガーエステルとしては、前記した通
りのものであり、特に請求項4に記載したように、ショ
糖ベヘン酸エステルが最も好ましい。
【0034】シュガーエステルの添加方法としては特に
制限はなく、前記粉末混合物と粉末状又は微粉末状の
シュガーエステルとの混合物に、加熱溶解した食用油脂
を添加し、混合或いは混合・造粒しても良いし、或いは
前記粉末混合物に、加熱溶解した食用油脂と粉末状又
は微粉末状のシュガーエステルとの混合物を加え、混合
或いは混合・造粒しても良いし、また前記粉末混合物
に、加熱溶解した食用油脂を添加して混合した後、シュ
ガーエステルのエマルジョン液を噴霧しながら造粒して
も良いし、さらには前記粉末混合物に加熱溶解した食
用油脂を加えたものを混合或いは混合・造粒した後に、
粉末状又は微粉末状のシュガーエステルを加えても良
い。
【0035】なお、造粒方法としては特に制限されない
が、分散性を保持する見地からは、分散性を損なう恐れ
のある転動・押出し造粒などよりも、より分散性を向上
させることのできる流動層造粒を行うことが好ましいこ
とは言うまでもない。
【0036】以上の如き請求項3に係る本発明の方法に
より、目的とする顆粒状或いは粉末状のインスタントス
ープ又はインスタントソース、即ち請求項1に係る本発
明の顆粒状或いは粉末状のインスタントスープ又はイン
スタントソースが得られる。このような顆粒状或いは粉
末状のインスタントスープ又はインスタントソースは、
熱湯又は温水溶解時に「ままこ(ダマ)」を生じにくい
ものである。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳しく説明する
が、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでな
いことは言うまでもない。
【0038】実験例1(分散性に及ぼすHLB値の影響
についての検討) この実験1では、分散性に及ぼすHLB値の影響につい
て調べてみた。即ち、以下の配合表1に示す原料のう
ち、シュガーエステル(市販ショ糖ステアリン酸エステ
ル)以外の原料をミキサーで混合し、これにシュガーエ
ステルとして、市販のHLB値が16〜3の範囲の粉末
状ショ糖ステアリン酸エステル(HLB値:順に16、
11、5、3)を0.5重量%添加、混合した後、大川
原製作所製の流動層造粒機(WSG−5型)を用い、造
粒時吸気温度60℃、乾燥時吸気温度100℃、冷却時
吸気温度24℃、市水噴霧空気圧270kPa、市水流
速140mL/minの条件で造粒、乾燥、冷却を行
い、顆粒状のインスタントスープA〜D(製品A〜D)
を得た。一方、対照として、シュガーエステルを添加し
なかったこと以外は、上記と同様にして顆粒状のインス
タントスープE(製品E)を得た。
【0039】
【表1】配合表1
【0040】得られた顆粒状のインスタントスープA〜
D、及びE(製品A〜D、及びE)について、その分散
性を以下の方法により測定した。結果を第1表に示す。
[分散性の測定方法]200mL容カップに、顆粒状の
インスタントスープを17g入れ、90℃の熱湯150
mLをシリンダーで計量し、カップに注ぐ。次いで、テ
ィースプーンにて120rpmで15秒間攪拌したの
ち、10メッシュフィルターにあけて、該フィルター上
に残ったダマの量を測定する。ダマの量は、「 g/on 10
メッシュフィルター」と表記した。ダマの量が2g/on 1
0メッシュフィルター以下であれば、製品の分散性は極
めて良好である。
【0041】
【表2】第1表
【0042】第1表によれば、幅広いHLB値を有する
乳化剤(ショ糖ステアリン酸エステル)を用いて実験を
行ってみた結果、HLB値が小さい(親油性)乳化剤を
用いた製品ほどダマ量は減少し、HLB値が高い(親水
性)乳化剤を用いた製品ほどダマ量は増加することが分
かる。また、強親水性のHLB16のショ糖ステアリン
酸エステルを用いた製品Aでは、シュガーエステル無添
加の製品Eよりも、ダマ量が多くなってしまうことが分
かる。従って、この実験1の結果からは、ダマ量を減ら
し、分散性を改良するためには、HLB値のより小さい
(親油性)乳化剤を用いることが好ましいことが明らか
である。
【0043】実験2(分散性に及ぼすシュガーエステル
の種類の検討) 上記実験1の結果からは、ダマ量を減らし、分散性を改
良するためには、HLB値のより小さい(親油性)乳化
剤を用いることが好ましいことが明らかであることか
ら、この実験2では、HLB値が5以下の各種シュガー
エステルについてスクリーニングを行い、分散性に及ぼ
すシュガーエステルの種類について調べてみた。
【0044】具体的には、実験例1において、実験例1
で用いたシュガーエステルの代わりに、第2表に示すH
LB値が5以下の市販の各種シュガーエステルを用いた
こと以外は、実験例1と同様にして行い、顆粒状のイン
スタントスープF〜L(製品F〜L)を得、その分散性
を測定した。結果を第2表に示す。なお、上記実験例1
で得られた製品D(市販ショ糖ステアリン酸エステルH
LB3.0添加)と製品E(シュガーエステル無添加)
の結果も併せて第2表に示した。
【0045】
【表3】第2表
【0046】前記したように、ダマの量が2g/on 10メ
ッシュフィルター以下であれば、製品の分散性は極めて
良好であることから、第2表によれば、HLB値が小さ
い(親油性)乳化剤を用いた製品の中でも、特にHLB
値が3.0のショ糖ベヘン酸エステルを用いることによ
り、分散性の極めて良好な製品(製品F)が得られるこ
とが分かる。
【0047】従って、上記実験1、2の結果からは、ダ
マ量を減らし、分散性を著しく改良するためには、乳化
剤として、特にHLB値が3.0のショ糖ベヘン酸エス
テルを用いることが好ましいことが明らかである。
【0048】実験例3(ショ糖ベヘン酸エステルの最適
添加量の検討) 上記実験1、2の結果からは、ダマ量を減らし、分散性
を改良するためには、乳化剤として、特にHLB値が
3.0のショ糖ベヘン酸エステルを用いることが好まし
いことが明らかであることから、この実験3では、HL
B値が3.0のショ糖ベヘン酸エステルを用いたときの
最適添加量を、製品の分散性及び官能面の双方より検証
した。
【0049】具体的には、実験例2において、実験例2
で用いたHLB値が3.0のショ糖ベヘン酸エステルに
ついて、第3表に示す添加量としたものを用いたこと以
外は、実験例2と同様にして行い、顆粒状のインスタン
トスープM〜S(製品M〜S)を得、その分散性を測定
した。また、官能評価に関しては、シュガーエステル無
添加製品(製品E)をコントロールとし、このコントロ
ールとの味覚差を専門パネル10名により評価し、ショ
糖ベヘン酸エステルを添加することによる製品への影響
を調べた。これらの結果を第3表に示す。
【0050】
【表4】第3表
【0051】第3表の結果によれば、分散性及び官能面
(味覚面)の双方を満足する製品を得るには、好ましく
は0.1〜0.5重量%の割合で、より好ましくは0.
2〜0.3重量%の割合で、ショ糖ベヘン酸エステルを
用いると良いことが分かる。
【0052】
【発明の効果】請求項1に係る本発明の顆粒状或いは粉
末状のインスタントスープ又はインスタントソースは、
分散性が改良されており、「ままこ(ダマ)」の発生の
抑えられたものである。また、請求項3に係る本発明の
方法によれば、分散性が改良され、「ままこ(ダマ)」
の発生の抑えられた顆粒状或いは粉末状のインスタント
スープ又はインスタントソースを製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上村 拓也 神奈川県川崎市高津区下野毛2−12−1 クノール食品株式会社商品開発研究所内 (72)発明者 丸山 一宏 神奈川県川崎市高津区下野毛2−12−1 クノール食品株式会社商品開発研究所内 Fターム(参考) 4B036 LC03 LE01 LF01 LF03 LH08 LH09 LK03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シュガーエステルを0.1〜1.0重量
    %の割合で含有することを特徴とする顆粒状或いは粉末
    状のインスタントスープ又はインスタントソース。
  2. 【請求項2】 シュガーエステルが、ショ糖ベヘン酸エ
    ステルである請求項1記載の顆粒状或いは粉末状のイン
    スタントスープ又はインスタントソース。
  3. 【請求項3】 顆粒状或いは粉末状のインスタントスー
    プ又はインスタントソースを製造するにあたり、シュガ
    ーエステルを0.1〜1.0重量%の割合で添加するこ
    とを特徴とする顆粒状或いは粉末状のインスタントスー
    プ又はインスタントソースの製造方法。
  4. 【請求項4】 シュガーエステルが、ショ糖ベヘン酸エ
    ステルである請求項3記載の顆粒状或いは粉末状のイン
    スタントスープ又はインスタントソースの製造方法。
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JP2008104435A (ja) * 2006-10-27 2008-05-08 Asahi Breweries Ltd 顆粒状組成物の製造方法
JP2015133986A (ja) * 2006-05-24 2015-07-27 株式会社明治 液状食品増粘化剤及びその製造法

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