JP2000245367A - 米飯用の結着防止剤 - Google Patents

米飯用の結着防止剤

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JP2000245367A
JP2000245367A JP11057439A JP5743999A JP2000245367A JP 2000245367 A JP2000245367 A JP 2000245367A JP 11057439 A JP11057439 A JP 11057439A JP 5743999 A JP5743999 A JP 5743999A JP 2000245367 A JP2000245367 A JP 2000245367A
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啓介 楠井
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 簡単な操作で米飯のホグレ性を向上させ得る
米飯用の結着防止剤の提供。 【解決手段】 (A)食用油脂及び/又は油溶性乳化
剤、(B)親水性乳化剤、及び(C)糖類及び/又は澱
粉分解物を含有する水中油型乳化液を噴霧乾燥して得ら
れる米飯用の結着防止剤であって、かつ水に乳化分散し
て得られる液の粒度分布のメディアン径が5〜120μ
mで、油溶性乳化剤は例えばグリセリン脂肪酸エステ
ル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン、
HLB8未満のポリグリセリン脂肪酸エステル等からな
る群より選ばれた少なくとも1種であり、親水性乳化剤
は例えば有機酸モノグリセリド、酵素処理レシチン、H
LB10以上のショ糖脂肪酸エステル、HLB5以上の
ソルビタン脂肪酸エステル等からなる群より選ばれた少
なくとも1種であり、糖類は例えば糖アルコール類、単
糖類、二糖類からなる群より選ばれた少なくとも1種で
ある結着防止剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は米飯用の結着防止剤
に関し、主として、冷凍、又はチルド流通の米飯の結着
防止剤に関し、詳しくは、ピラフ、チャーハン、混ぜご
飯など、米飯と具を混合したものや、おにぎり、焼きお
にぎり、弁当等に使用される白米飯あるいは味付け米飯
用の結着防止剤(ホグレ性改善剤)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、レトルトや冷凍のピラフ、チャー
ハン、混ぜご飯、チキンライスなどの加工米飯の製造に
おいては、米粒同士が結着するといった問題や油脂が均
一に分散しないなどの問題があった。
【0003】このような問題点を解決する方法として過
去にいくつか提案された。例えば、 乳化剤(界面活性剤)を使用する方法(特公昭60−
8103号) 油脂を添加する場合において、O/W型エマルション
とする方法(特開昭60−49754号) 油脂に乳化剤を添加する方法(特開平3−17594
0号)が提案された。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
の技術が開示された特公昭60−8103号公報には、
米飯のホグレ性を改善する油脂の添加について何ら触れ
られておらず、また乳化剤を使用する上で当該乳化剤を
一旦水に溶解して調製する必要があった。
【0005】ところで、日本で認可されている乳化剤は
水に難溶なものが多く、水溶液を調製するためには加熱
などの操作が必要なため、製造工程が煩雑であった。ま
た、油脂を加えず乳化剤のみを添加して炊飯した場合、
乳化剤は浸透力が強いため、炊き上がった米飯の表面を
著しく傷つけ、結果的には米飯の艶が全く無くなってし
まうなど実用上の問題点が生じた。従って、艶の保持
(付与)の為には、別途油脂を添加する必要があった。
【0006】の方法のようにエマルションとする場
合、当該エマルションの製造工程が別途必要になるとい
うばかりか、エマルション自体の経時的な安定性や腐敗
の防止など、解決しなければならない問題点が多々あっ
た。
【0007】の方法のように油脂に乳化剤を添加する
場合、用いる乳化剤は油溶性のものが主体となる。つま
り、HLB値の低い乳化剤である。ところが炊飯に油脂
を用いる場合、水に油脂を分散させるため、低HLB値
の乳化剤では、O/W型乳化力が不足する。したがっ
て、油脂に乳化剤を添加する方法では、油脂がまんべん
なく米飯にいき渡らず、期待した効果が得られなかっ
た。
【0008】このように、従来の方法のいずれにおいて
も、米飯のホグレ性について充分に満足のいく結果が得
られてはおらず、これにより食感についても悪いものと
なった。
【0009】すなわち、冷凍米飯の製造において、炊き
上げた後、冷却工程により米飯を冷却するが、米飯同士
の結着により、団子状になった部分の冷却が不十分とな
り、塊のまま冷凍されてしまう。できた塊部分は、解凍
されても解れることが無く、見た目(外観性)も食感も
悪いものとなってしまった。あるいは、米飯を容器に充
填する場合に、米飯のホグレが悪いと容器に定量充填が
できないという問題があった。また、米飯に混ぜご飯の
具(又は液)をかけて食する場合に、米飯のホグレが悪
いと、具や液との混合が悪く、見た目や食感が悪いもの
となった。
【0010】油脂を米飯に混合することにより、上記の
問題はある程度改善されるが、米飯の表面は親水性であ
り、親油性の油脂を米飯に均一に混合させることは非常
に困難であり、また米飯同士の細かい隙間に入り込むこ
ともできない。多量の油脂を投入してこの問題に対処す
ることもできるが、結果的には油っぽい食感となってし
まう。油脂を乳化することによりその改善は可能である
が、事前に油脂を乳化し、米飯に添加することは煩雑で
あり、一般的には採用されにくい。
【0011】そこで、本発明者らは上記の実情を鑑み鋭
意検討を行った結果、乳化液を噴霧乾燥することによ
り、すなわちエマルションの形態を保ったまま乾燥する
方法を採れば、得られる噴霧乾燥品は加熱溶解の工程を
必要とすることなく低温の水にも溶解し得、容易に乳化
液が得られることを発見した。しかし、ここでも新たな
問題が発生した。すなわち、従来から提案されている粉
末油脂の製造条件において、噴霧乾燥効率を良くするた
めにカゼインナトリウム等の蛋白質が一般に使用される
が、肝心の米飯のホグレ性に対しては悪影響を及ぼし、
添加効果が不十分であった。また、粉末油脂を水に分散
させた液の平均粒径は非常に小さいものが得られるが、
小さすぎてもホグレ性に対する効果が小さかった。
【0012】さらに、油脂を使用時に添加する方法など
では、乳化が不十分なために、乳化液の平均粒径が大き
いなどの問題があり、このため油脂の米飯粒の間への浸
透が困難となり、上記と同様、ホグレ性への効果が不十
分であった。
【0013】そして、さらなる検討を重ねた結果、使用
時に水に分散させた時の液(再生液)の粒度分布のメデ
ィアン径が5〜120μmの範囲にある場合に限り、米
飯のホグレ性に対して効果的に作用することを見い出
し、そして本発明に至った。
【0014】[発明の目的]本発明の目的は、何ら煩雑
な操作を行わずに米飯のホグレ性の改良を行わしめる米
飯用の結着防止剤を提供するところにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の米飯用の結着防
止剤は、(A)食用油脂及び/又は油溶性乳化剤、
(B)親水性乳化剤、及び(C)糖類及び/又は澱粉分
解物を含有する水中油型乳化液を噴霧乾燥して得られ、
かつこの乾燥物を水に乳化分散して得られる再生液の粒
度分布のメディアン径が5〜120μmであることを特
徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】(A)成分[食用油脂、油溶性乳
化剤] 本発明の(A)成分に使用される食用油脂は、たとえ
ば、大豆油、菜種油、サフラワー油、トウモロコシ油、
パーム油、パーム核油、ヤシ油などの植物油、牛脂、豚
脂、魚油などの動物油脂又はそれらの部分水素添加又は
完全水素添加したものが挙げられる。これらは単独で使
用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
【0017】また油溶性乳化剤としては、親水基がグリ
セリン、ポリグリセリン、プロピレングリコール、ソル
ビタン、ショ糖などの多価アルコール類又はリン脂質で
あり、脂肪酸残基の炭素数が8〜22の飽和又は不飽和
のものが使用でき、具体的には、グリセリン脂肪酸エス
テル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチ
ン、HLB8未満のポリグリセリン脂肪酸エステルまた
はHLB5未満のソルビタン脂肪酸エステルが挙げられ
る。
【0018】以下、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグ
リセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、
及びレシチンに関し、改めて説明を加える。
【0019】グリセリン脂肪酸エステル(モノグリセリ
ド)は、グリセリンと脂肪酸のモノエステルであり、脂
肪酸は炭素数が8〜22の飽和脂肪酸または不飽和脂肪
酸あるいはこれらの混合物が挙げられる。
【0020】ポリグリセリン脂肪酸エステルは、平均重
合度が3〜10のポリグリセリンに脂肪酸がエステル結
合したものである。構成する脂肪酸は炭素数が8〜22
の飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸あるいはこれらの混合
物が挙げられる。
【0021】ソルビタン脂肪酸エステルは、ソルビタン
やソルビットまたはソルビドと脂肪酸がエステル結合し
たものである。構成する脂肪酸は炭素数が8〜22の飽
和脂肪酸または不飽和脂肪酸あるいはこれらの混合物が
挙げられる。
【0022】レシチンとは、ホスファチジルコリン、ホ
スファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシ
トール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリンなど
のリン脂質の混合物である。レシチンには、油脂を含ん
だクルードレシチンや溶剤により精製した高純度レシチ
ン等があるがいずれも用いることができる。
【0023】(B)成分[親水性乳化剤] (B)成分として使用される親水性乳化剤は、親水基が
グリセリン、ポリグリセリン、ソルビタン、ショ糖など
の多価アルコール類又はリン脂質であり、脂肪酸残基
は、C(炭素数、以下同様)12〜C22の飽和又は不
飽和のものが使用できる。味の点からC14〜C22の
飽和脂肪酸がより好ましい。具体的には有機酸モノグリ
セリド、酵素処理レシチン、酵素分解レシチン、HLB
10以上のショ糖脂肪酸エステル、HLB5以上のソル
ビタン脂肪酸エステルまたはHLB8以上のポリグリセ
リン脂肪酸エステルが挙げられる。
【0024】有機酸モノグリセリドは、前述のモノグリ
セリドにさらに有機酸がエステル結合したものであり、
乳酸モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、コハク
酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリドな
どが挙げられる。
【0025】(C)成分[糖類、澱粉分解物] 次に(C)成分として使用される糖類とは、ソルビトー
ル、キシリトール、マルチトール等の糖アルコール類、
ブドウ糖、果糖等の単糖類、ショ糖、乳糖、トレハロー
ス等の二糖類が挙げられる。これらは単独で使用しても
よいし、2種以上を併用することもできる。
【0026】また澱粉分解物とは、澱粉を酸又は酵素で
加水分解したものであって、具体的にはデキストリンが
挙げられる。分解物の分解度(DE、以下同様)は5未
満では溶解性が悪い為に所定の機能が発揮できないため
5以上であることが好ましく、5〜80であることがさ
らに好ましい。この分解度はソモギ法、ベルトラン法に
より定量される還元糖%として測定される。還元糖を硫
酸銅のアルカリ性溶液とともに加熱すると、銅(II)
イオンの一部が糖により還元されて銅(I)となり、同
時に加えておいたヨウ素液中のKIは還元されてI
なる。このIをチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し、糖
量を計算する配合割合 前記(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の配合比
率(%)は、重量比で5〜60/3〜50/92〜10
であることが好ましく、10〜45/5〜45/85〜
15であることがより好ましい。(A)成分が5%未満
では、効果が充分期待できず、60%を超えると再生液
の粒度分布のメディアン径を満たすことができない。
(B)成分が3%未満では再生液の粒度分布のメディア
ン径を満たすことができなく、50%を超えるとそれ以
上の効果が期待できない。(C)成分が92%を超える
と有効成分の含有量が少ないために添加量が増加し、効
率的でなく、10%未満では被膜形成が不十分なため、
乾燥物の溶解性が悪くなり、充分な効果が期待できな
い。
【0027】調製方法、その他 上記(B)成分および(C)成分を水に加熱溶解し、撹
拌しながら(A)成分を溶解又はそのまま滴下添加し、
ホモミキサー又はホモディスパー等により乳化させる。
更に必要に応じて圧力式ホモジナイザーにより均質化
し、水中油型乳化液を調製し、これを公知の方法により
噴霧乾燥を行い、粉末状または顆粒状の結着防止剤を得
る。
【0028】本発明の結着防止剤は、水に乳化分散した
再生液の粒度分布のメディアン径が5〜120μmであ
ることを必要とする。このメディアン径は島津製作所製
SALD−2000や堀場製作所製CAPA−300等
の粒度分布測定装置により測定する。メディアン径が5
μm未満では粒子が小さくなり過ぎ、必要な性能が発揮
されない。また120μmを超えると粒子が大きくなり
過ぎ、米表面に油脂が浮き出るため、商品価値が低下す
る。
【0029】本発明の結着防止剤が対象とする米飯食品
は、冷凍、又はチルド流通の米飯に関するものであっ
て、具体的には、ピラフ、チャーハン、混ぜご飯、チキ
ンライスなど、米飯と具を混合したもの、あるいは、お
にぎり、焼きおにぎり、弁当等に使用される白米飯また
は味付け米飯である。
【0030】本発明の結着防止剤の米飯への添加量は、
対原料米0.01〜10重量%が好ましく、0.1〜3
重量%がより好ましい。0.01重量%未満では効果が
充分でなく、10重量%を超える場合ではそれ以上の効
果が期待できないため、経済的不利を招く。
【0031】[作用]乳化液を所定の条件において噴霧
乾燥したものは、水に溶解して得られた再生液において
も乳化状態を保持しており、外側を親水基とした油脂乳
化物となるため、親水性である米飯表面に対して乳化物
が微細に配向できる。その結果、米飯粒同士の間に油脂
が緻密に分散することになり、これにより米飯粒同士の
結着が防止されて米飯のホグレ性が改善される。
【0032】しかし、その時の油脂粒子の大きさが、期
待できる効果に影響する大きな要因であり、組織中に適
度に分散できることにより、その効果が著しく増大す
る。従って、通常の粉末油脂のように蛋白質を多量に含
み、再生液の平均粒子径が小さすぎてもその効果が期待
できない。食品に添加した時の油脂、又は油溶性乳化剤
の粒子径が適度な大きさであることが必須条件となる。
【0033】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定される
ものではない。なお、実施例、比較例中、部及び%は特
に断らない限り重量基準である。
【0034】実施例1 HLB15のショ糖脂肪酸エステル17.5kgおよび
デキストリン(DE=20)30kgを水道水75kg
に室温分散後、70℃まで加熱撹拌し、完全溶解させ
た。その後、TKホモディスパー(特殊機化工業製)で
撹拌しながら、菜種油24kgにステアリン酸モノグリ
セリド2.5kgを70℃で溶解させたものを滴下乳化
し、圧力式ホモジナイザー(圧力=15MPa)で均質
化後、噴霧乾燥により乾燥し、これにより本発明の粉末
状の結着防止剤を得た(噴霧乾燥条件:入り口温度=1
50℃、アトマイザーの回転速度=21000rp
m)。
【0035】得られた結着防止剤10gを水990gに
分散させ、粒度分布とメディアン径を測定した。
【0036】次に米6kgを水洗し、2時間漬せきした
後、水8.4kgを加えた。のち、結着防止剤60gを
軽く分散させて自動炊飯器で炊飯した。
【0037】一方、えび、にんじん、玉ねぎ、ピーマン
を炒め、これにより作成した具に前記炊飯米を加え、更
に炒めた。冷風で粗熱を取った後、急速冷凍にかけ、2
00gずつに分けて密封した後、−30℃で冷凍保存し
た。2週間保存後、電子レンジで解凍し、食味試験に供
した。また、炊飯米の一部をトレーに移し、室温まで冷
却後、120gを目開き26mmJIS篩でふるい、通
過した重量を120gで除し、ホグレ率として表示し
た。
【0038】実施例2 HLB11のショ糖脂肪酸エステル11.5kgとHL
B11.6のポリグリセリン脂肪酸エステル(SYグリ
スターMS−500)6.5kg、HLB7のソルビタ
ン脂肪酸エステル(ソルゲン−FS−700)1.2k
g、デキストリン(DE=10)10kg、粉末ソルビ
ット5kgを水道水75kgに室温分散後、70℃まで
加熱撹拌し、完全溶解させた。その後、TKホモディス
パー(特殊機化工業製)で撹拌しながら、コーン油14
kgにレシチン4kgを70℃で溶解させたものを滴下
乳化し、圧力式ホモジナイザー(圧力=15MPa)で
均質化後、噴霧乾燥により乾燥し、これにより本発明の
粉末状の結着防止剤を得た(噴霧乾燥条件:入り口温度
=150℃、アトマイザーの回転速度=21000rp
m)。
【0039】次に米6kgを水洗し、2時間漬せきした
後、水8.6kgを加えた。のち、結着防止剤12gを
軽く分散させて自動炊飯器で炊飯した。炊飯米を軽くほ
ぐして粗熱を取った後、弁当容器に充填した。2時間室
温放置後、食味試験に供した。また、実施例1と同様に
メディアン径とホグレ率を測定した。
【0040】実施例3 HLB13のショ糖脂肪酸エステル3.6kg、クエン
酸モノグリセリド(ポエムK−30)8.6kg、デキ
ストリン(DE=40)15kgを水道水75kgに室
温分散後、70℃まで加熱撹拌し、完全溶解させた。そ
の後、TKホモディスパー(特殊機化工業製)で撹拌し
ながら、パーム油4kgにHLB5.5のポリグリセリ
ン脂肪酸エステル(ポエムJ2681)1kgを70℃
で溶解させたものを滴下乳化し、圧力式ホモジナイザー
(圧力=15MPa)で均質化後、噴霧乾燥により乾燥
し、これにより本発明の粉末状の結着防止剤を得た(噴
霧乾燥条件:入り口温度=150℃、アトマイザーの回
転速度=21000rpm)。
【0041】次に米6kgを水洗し、2時間漬せきした
後、薄口醤油で味付けした水8.6kgを加え、結着防
止剤12gを軽く分散させた後、自動炊飯器で炊飯し
た。炊飯米を軽くほぐし、粗熱を取った後、成形機でお
にぎりを成形し、焼き色を付けた後包装した。2時間室
温放置後、食味試験に供した。また、実施例1と同様に
メディアン径とホグレ率を測定した。
【0042】実施例4 HLB11のショ糖脂肪酸エステル9.2kg、酵素処
理レシチン(エルマイザーA)1.6kg、デキストリ
ン(DE=10)10kg、ショ糖3kgを水道水75
kgに室温分散後、70℃まで加熱撹拌し、完全溶解さ
せた。その後、TKホモディスパー(特殊機化工業製)
で撹拌しながら、大豆硬化油(融点=34℃)15.4
kgを70℃に加熱したものを滴下乳化し、圧力式ホモ
ジナイザー(圧力=15MPa)で均質化後、噴霧乾燥
により乾燥し、これにより本発明の粉末状の結着防止剤
を得た(噴霧乾燥条件:入り口温度=150℃、アトマ
イザーの回転速度=21000rpm)。
【0043】米6kgを水洗し、2時間漬せきした後、
水8.6kgを加え、結着防止剤48gを軽く分散させ
た後、自動炊飯器で炊飯した。炊飯米を軽くほぐし、粗
熱を取った後、カップに充填し、急速冷凍した。別途作
成したとんかつ、及びどんぶり用調味液をパックしたも
のを同梱し、シールした。その後、−30℃で2週間保
存し、電子レンジで解凍したものを、米飯の上にとんか
つを乗せ、調味液を上からかけたものを食味試験に供し
た。また、炊飯米のみについて、実施例1と同様にメデ
ィアン径とホグレ率を測定した。
【0044】実施例5 HLB=11のショ糖脂肪酸エステル6.5kg、HL
B=7のソルビタン脂肪酸エステル6.5kg、ソルビ
トール70%液25kg、ショ糖5kgを水道水75k
gに室温分散後、70℃まで加熱撹拌し、完全溶解させ
た。その後、TKホモディスパー(特殊機化工業製)で
撹拌しながら、菜種油7.5kgを70℃に加熱したも
のを滴下乳化し、圧力式ホモジナイザー(圧力=15M
Pa)で均質化後、噴霧乾燥により乾燥し、これにより
本発明の結着防止剤を得た(噴霧乾燥条件:入り口温度
=150℃、アトマイザーの回転速度=21000rp
m)。
【0045】次に米6kgを水洗し、2時間漬せきした
後、水8.4kgを加えた。その後、結着防止剤60g
を軽く分散させた後、自動炊飯器で炊飯した。
【0046】一方、えび、にんじん、玉ねぎ、グリンピ
ースを炒め、これにより作成した具に前記炊飯米を加
え、更に炒め、玉子を加えてチャーハンを作成した。冷
風で粗熱を取った後、急速冷凍にかけ、200gずつに
分けて密封した後、−30℃で冷凍保存した。2週間保
存後、電子レンジで解凍し、食味試験に供した。また、
実施例1と同様にメディアン径とホグレ率を測定した。
【0047】実施例1〜5における(A)〜(C)成分
の種類と配合割合を、再度、下記の[表1]にて表わ
す。
【0048】
【表1】
【0049】比較例1 HLB15のショ糖脂肪酸エステル0.2kg、カゼイ
ンナトリウム2.0kg、デキストリン(DE=20)
30kgを水道水75kgに室温分散後、70℃まで加
熱撹拌し、完全溶解させた。その後、TKホモディスパ
ー(特殊機化工業製)で撹拌しながら、大豆油25kg
を70℃に加熱したものを滴下乳化し、圧力式ホモジナ
イザー(圧力=15MPa)で均質化後、噴霧乾燥によ
り乾燥し、これにより比較用の結着防止剤を得た(噴霧
乾燥条件:入り口温度=150℃、アトマイザーの回転
速度=21000rpm)。
【0050】結着防止剤が比較例1で得られた結着防止
剤である点を除いて、実施例1と同様に冷凍ピラフを作
製した。また、実施例1と同様にメディアン径とホグレ
率を測定した。
【0051】比較例2 HLB7のソルビタン脂肪酸エステル2.5kg、デキ
ストリン(DE=10)10kg、粉末ソルビット5k
gを水道水75kgに室温分散後、70℃まで加熱撹拌
し、完全溶解させた後、70℃まで加熱撹拌し、完全溶
解させた。その後、圧力式ホモジナイザー(圧力=15
MPa)で均質化後、噴霧乾燥により乾燥し、これによ
り比較用の結着防止剤を得た(噴霧乾燥条件:入り口温
度=150℃、アトマイザーの回転速度=21000r
pm)。
【0052】得られた改質剤10gを水990gに分散
させ、次いで、コーン油3gを混合し、粒度分布を測定
し、ついでメディアン径を測定した。
【0053】結着防止剤が比較例2で得られた結着防止
剤である点を除いて、実施例2と同様に弁当を作製し
た。但し、結着防止剤を添加する時に、コーン油3.2
gを加えた。また、実施例1と同様にホグレ率を測定し
た。
【0054】比較例3 クエン酸モノグリセリド(ポエムK−30)0.6k
g、カゼインナトリウム1.5kg、デキストリン(D
E=40)15kgを水道水75kgに室温分散後、7
0℃まで加熱撹拌し、完全溶解させた。その後、TKホ
モディスパー(特殊機化工業製)で撹拌しながら、パー
ム油5kgを70℃に加熱したものを滴下乳化し、圧力
式ホモジナイザー(圧力=15MPa)で均質化後、噴
霧乾燥により乾燥し、これにより比較用の結着防止剤を
得た(噴霧乾燥条件:入り口温度=150℃、アトマイ
ザーの回転速度=21000rpm)。
【0055】結着防止剤が比較例3で得られた結着防止
剤である点を除いて、実施例3と同様に味付けおにぎり
を作製した。また、実施例1と同様にメディアン径とホ
グレ率を測定した。
【0056】比較例4 酵素処理レシチン(エルマイザーA)0.6kg、アラ
ビアガム0.2kg,デキストリン(DE=10)10
kg、ショ糖3kgを水道水75kgに室温分散後、7
0℃まで加熱撹拌し、完全溶解させた。その後、TKホ
モディスパー(特殊機化工業製)で撹拌しながら、大豆
硬化油(融点=34℃)15.4kgを70℃に加熱し
たものを滴下乳化し、圧力式ホモジナイザー(圧力=1
5MPa)で均質化後、噴霧乾燥により乾燥し、これに
より比較用の結着防止剤を得た(噴霧乾燥条件:入り口
温度=150℃、アトマイザーの回転速度=21000
rpm)。
【0057】結着防止剤が比較例4で得られた結着防止
剤である点を除いて、実施例4と同様にカップどんぶり
を調製した。また、炊飯米について、実施例1と同様に
メディアン径とホグレ率を測定した。
【0058】比較例5 HLB=11のショ糖脂肪酸エステル0.2kg、カゼ
インナトリウム2.0kg、ソルビトール70%液25
kg、ショ糖5kgを水道水75kgに室温分散後、7
0℃まで加熱撹拌し、完全溶解させた。その後、TKホ
モディスパー(特殊機化工業製)で撹拌しながら、菜種
油7.5kgを70℃に加熱したものを滴下乳化し、圧
力式ホモジナイザー(圧力=15MPa)で均質化後、
噴霧乾燥により乾燥し、これにより比較用の結着防止剤
を得た(噴霧乾燥条件:入り口温度=150℃、アトマ
イザーの回転速度=21000rpm)。
【0059】結着防止剤が比較例5で得られた結着防止
剤である点を除いて、実施例5と同様に冷凍チャーハン
を調製した。また、炊飯米について、実施例1と同様に
メディアン径とホグレ率を測定した。
【0060】各々の結果を、下記[表2][表3]に記
載する。なお、食味試験(食感評価試験)は、次のよう
にして行なった。
【0061】すなわち、15人のパネラーにて比較例に
対する評価を行った(実施例1は比較例1と、実施例2
は比較例2と、実施例3は比較例3と、実施例4は比較
例4と、実施例5は比較例5と比較した)。
【0062】 5点:(比較例のものに比べて)極めて良好 4点:(比較例のものに比べて)良好 3点:比較例と同等 2点:(比較例のものより)悪い 1点:(比較例のものより)極めて悪い
【表2】
【表3】
【0063】
【発明の効果】本発明により、何ら煩雑な操作を行わず
に米飯のホグレ性を向上させることのできる米飯用の結
着防止剤を提供することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)食用油脂及び/又は油溶性乳化剤 (B)親水性乳化剤、及び (C)糖類及び/又は澱粉分解物 を含有する水中油型乳化液を噴霧乾燥して得られる米飯
    用の結着防止剤であって、かつ水に乳化分散して得られ
    る液の粒度分布のメディアン径が5〜120μmである
    ことを特徴とする米飯用の結着防止剤。
  2. 【請求項2】油溶性乳化剤が、グリセリン脂肪酸エステ
    ル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン、
    HLB8未満のポリグリセリン脂肪酸エステル、及びH
    LB5未満のソルビタン脂肪酸エステルからなる群より
    選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の結着防止
    剤。
  3. 【請求項3】親水性乳化剤が、有機酸モノグリセリド、
    酵素処理レシチン、酵素分解レシチン、HLB10以上
    のショ糖脂肪酸エステル、HLB5以上のソルビタン脂
    肪酸エステル、及びHLB8以上のポリグリセリン脂肪
    酸エステルからなる群より選ばれた少なくとも1種であ
    る請求項1又は2記載の結着防止剤。
  4. 【請求項4】糖類が糖アルコール類、単糖類及び二糖類
    からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1
    〜3のいずれか1項に記載の結着防止剤。
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