JP2001522916A - タルク含有ポリプロピレン組成物 - Google Patents
タルク含有ポリプロピレン組成物Info
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Abstract
Description
リマーの組成物に関する。本発明はさらに、かかる組成物の製造法に関する。最
後に、本発明は、例えばブロー成形、熱成形、射出成形およびシートまたはフィ
ルム押出によって製品を製造するための新規プロピレンポリマーまたはコポリマ
ーの使用方法に関する。
抵抗性、ならびに魅力ある機械的特性、例えば剛性および耐衝撃性を有する。し
かしながら、ポリプロピレンを例えば射出成形、熱成形またはブロー成形によっ
て加工して薄壁の容器を形成すると、不充分な透明性を有する製品をもたらした
。これは、曇った品質の最終製品をもたらす、ポリプロピレンの半結晶性の性質
によって引き起こされる。 従来、ブロー成形されたポリプロピレンの透明性を、ポリマーを種々の核剤、例
えばジベンジリデンソルビトール(DBS)またはジ(アルキルベンジリデン)
ソルビトールとブレンドすることによって改善することが提案されてきた。これ
らの伝統的な核剤は、加工中にポリマー組成物から浸出する傾向があり、その多
くは不快な匂いを持つ煙霧を生じさせる。これらの問題の解決として、従来、ビ
ニル化合物、例えばビニルシクロアルカンおよび3-メチル-1-ブテンのポリマー を、プロピレンコポリマーまたはポリプロピレン化合物の形状で核剤として使用
することが示唆された。欧州特許第0,152,701号、同第0,151,883号、同第0,368,
577号および同第0,417,319号参照。しかしながら、これらの大いに核剤の入った
材料に関して行われた研究は、それらの加工特性は優れているが、凝固点の上昇
と共に収縮が増加することを示す。さらに、たとえ改善されたとしても、ポリマ
ー樹脂の凝固点および剛性は、多くの用途にはまだ低すぎる。
機械的特性を有し、したがって成形品の製造に非常に適する新規のプロピレンポ
リマーまたはコポリマーを提供することである。 本発明の第二の目的は、上記種類の新規プロピレンコポリマー組成物を製造する
ための新規方法を提供することである。 本発明のさらに別の目的は、プロピレンコポリマー組成物を含む、成形されまた
は押出された製品を提供することである。 以下の明細書から明らかになるであろうこれらおよび他の目的は、公知方法およ
び製品に対するその利点と共に、以下に記載および特許請求される本発明によっ
て達成される。
プロピレンを含有する組成物に、収縮減少成分としてタルクを使用するという考
えに基づく。
る。すなわち、欧州特許第0,152,701号は、ポリ(ビニルシクロアルカン)を含 むプロピレンコポリマーをマイカまたはタルクなどのフィラーとブレンドするこ
とを開示している。タルクを含む組成物のいかなる種類の実施例も示されておら
ず、また、明細書にはマイカまたはタルクのための濃度範囲を何ら示していない
。タルクがフィラーとして使用されるという事実を考慮すると、数十%の量が意
図されていると思われる。
の結晶核剤を0.0001〜1重量部含むポリプロピレン組成物を記載している
。実施例では、タルクの量は0.2重量部である。ポリプロピレン組成物の収縮
に関するタルクの有益な効果の指摘は、上記特許出願には何ら見出すことができ
ない。
るプロピレンポリマーと、剛性を増加させ、一方で収縮を許容され得るレベルに
減少させるのに十分な量でブレンドすることにより、驚くべく良好な機械的結果
が得られることが今分かった。好ましくは、0.1〜10重量%のタルクが使用
される。驚くべきことに、重合されたビニル化合物によって核形成されたポリプ
ロピレンの剛性は、0.5%のタルクによって核形成されたポリプロピレンと同
様であるが、両者を同量のタルク(例えば、2.5〜5%)とブレンドすると、
前者の剛性は、後者よりも多く増加する。
によって特徴付けられる。
項9の特徴部分に記載されたことによって特徴付けられる。
、成形品ならびにブロー成形、延伸ブロー成形、射出成形、圧縮成形およびシー
トまたはフィルム押出およびパイプまたはケーブル押出によって製造される製品
の製造に該組成物を適用することにより得られる。
10重量%の量のタルクの添加がプロピレンポリマー組成物の剛性を5%まで増
加させるということである。ポリプロピレン組成物中のタルクは、標準的なPP
コポリマーにおけるタルクよりも高い引張弾性率を生じさせる。加熱撓み温度(
HDT値)も、タルクの添加によって上昇し、HDT値は、標準的なPPの場合
よりも、ビニル化合物によって核形成された本発明のポリプロピレン組成物の場
合の方が多く上昇する。本発明組成物の結晶化温度は、対応する量のタルクを含
む標準的なPPおよびビニル化合物で核形成されたポリプロピレン組成物よりも
高い。本発明組成物の収縮は、タルクを含む標準的なPPよりも幾分高いが、な
おも許容され得るレベルにあり、本発明は、優れた剛性(1600MPaまで、
またはそれ以上)、制御された収縮、より速い結晶化、および良好なサイクラス
ポテンシャル(cyclus potential)を付与する高いTcrのユニークな組み合わ せを提供する。本発明の文脈において、より速い結晶化は、単結晶のより速い生
成に必ずしも関系せず、むしろ、空間をより速く満たす結晶がより多くあるとい
う事実に関係する。
含むポリマー成分を、収縮減少成分であるタルクと共に含む。プロピレンポリマ
ーをビニル化合物によって核形成することにより、より高い結晶化度、より高い
結晶化温度、より小さい結晶サイズおよびより大きい結晶化速度を有するポリプ
ロピレンを提供することができる。このような種類の組成物は、成形品の製造に
使用され得る。それらは、改善された物理的特性を示す。
望によりコモノマーの存在下で、プロピレンの重合のためにその変性された触媒
を使用することにより行われて、ビニル化合物単位を含むポリマー約0.000
1〜1%(組成物の重量から計算)を含有するプロピレンポリマーまたはコポリ
マーを提供することができる。プロピレンポリマーの核形成を行うための別の方
法は、ポリプロピレンを、ビニル化合物単位を含むポリマーとブレンドすること
を含む。
:
環または6員環を形成し、あるいは、独立して1〜4個の炭素原子を含む低級ア
ルキルを示す。
ロアルカン、特にビニルシクロヘキサン、ビニルシクロペンタン、ビニル−2−
メチルシクロヘキサンおよびビニルノルボルナン、3−メチル−1−ブテン、ス
チレン、p−メチルスチレン、3−エチル−1−ヘキセンまたはそれらの混合物
である。ビニルシクロヘキサン(VCH)が特に好ましいモノマーであるが、例
えば3−メチル−1−ブテンをモノマーまたはコモノマーとして使用して結晶化
温度を調整することができる。
れかつ制御された度合の結晶化度を有し、かつ好ましくは、対応する核剤なしの
ポリマーのTcrより7℃を超えて高く、好ましくは10℃を超えて高く、特に1
3℃を超えて高い結晶化温度を有するポリマーを意味する。MgCl2−担持さ れた高収率チーグラー−ナッタ触媒を使用すると、120℃より上、好ましくは
124℃より上、特に126℃より上の結晶化温度を得ることができる。核剤効
果を有する着色顔料を含む組成物では、対応する核剤なしのポリマーよりも15
℃を超えて高い結晶化温度を有するポリマー(上記のZN−触媒を用いて製造さ
れたポリマーの場合、128℃)を使用することにより、特に有利な結果が得ら
れる。
下で重合させることによる触媒の変性は、生成したポリマー(例えば、ポリVC
H)を溶解しない不活性流体中で行われる。1つの特に好ましい重合媒体は、粘
性物質(以下では「蝋」)を含み、例えば油、あるいは油と固体または半固体ポ
リマーとの混合物(油−グリース)である。そのような粘性物質の粘度は通常、
室温で1,000〜15,000cPである。蝋前重合の利点は、触媒が同じ媒
体中で前重合され、貯蔵され、かつプロセスに供給され得るということ、および
触媒蝋の製造および前重合が同じプロセスデバイス中で行われるということであ
る。すなわち、洗浄、乾燥、ふるい分けおよび移動が必要でないという事実故に
、触媒活性が維持される(フィンランド特許第95387号を参照)。本発明方法は 、高い触媒濃度および高いPP生産能を使用することができるので、安価である
。また、ビニル化合物の重合中に使用される媒体は除去される必要がないので、
廃棄物の量が減少される。
ンポリマーとブレンドすることによるポリプロピレンの結晶化度および透明性を
改善するための方法は、結晶性ポリプロピレンを結晶核剤と共に溶融混練し、結
晶核剤を結晶性ポリプロピレンとコンパウンドし、フィルム形成中に混合物を溶
融混練し、結晶核剤のマスターバッチを結晶性ポリプロピレンとコンパウンドす
ることにより行われる。
の実施態様に関して上記式Iで認められる単位のいずれかから誘導することがで
きる。
でき、それは、10〜100バール、特に25〜80バールの圧力および40〜
110℃、特に60〜100℃の温度で、プロピレンおよびコモノマーの重合お
よび共重合を触媒することができる。チーグラー−ナッタ触媒およびメタロセン
触媒を使用することができる。
分、外部ドナーを含み、触媒系の触媒成分は主としてマグネシウム、チタン、ハ
ロゲンおよび内部ドナーを含む。
第88047号および同第88048号に記載されている。
に開示されている。別の好ましい触媒は、フィンランド特許出願No.963707に開 示されている。
および内部ドナーと反応させることにより製造され得る。ハロゲン化マグネシウ
ム化合物は、例えば、塩化マグネシウム、塩化マグネシウムと低級アルカノール
との複合体および塩化マグネシウムの他の誘導体の群から選択される。MgCl 2 は、そのままで使用することができ、または、例えばMgCl2を含む溶液また
はスラリーによってシリカを吸収することにより、シリカと組み合わせることが
できる。使用される低級アルカノールは、好ましくはメタノールまたはエタノー
ルであり、特にエタノールである。
た、他の遷移金属化合物、例えばバナジウム、ジルコニウム、クロム、モリブデ
ンおよびタングステン化合物などを、チタン化合物と混合することもできる。チ
タン化合物は通常、ハライドまたはオキシハライド、有機金属ハライド、または
、有機リガンドのみが遷移金属に結合している純粋に金属有機化合物である。特
に好ましいのは、チタンハライド、特にTiCl4である。好ましくは、チタネ ート化は2または3工程で行なわれる。
ムクロライドなどのアルミニウム−クロライド−アルキルで活性化されるデルタ
結晶形の固体のTiCl3である。固体のTiCl3触媒は、典型的には、TiC
l4をアルミニウム−アルキルおよび/またはアルミニウム−クロライド−アル キルで還元し、恐らくは熱処理と組み合わせて所望のデルタ結晶形のTiCl3 を最大にすることにより製造される。これらの触媒の性能、特に立体特異性は、
エステル、エーテルまたはアミンなどのルイス塩基(電子ドナー)を使用するこ
とにより改善され得る。
残渣からの精製およびあるアタクチック非結晶性ポリマーの除去を必要とするほ
ど低い。
好ましくは少なくとも8個の炭素原子を含む。すなわち、エステルとして、例え
ばプロピルへキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ジノニルフタレート、
ジイソデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、
またはジテトラデシルフタレートを使用することができる。
、またはプロ触媒組成物を損なわない触媒によって、高められた温度で触媒をエ
ステル交換するフタル酸エステル−低級アルコール対を選択することにより行な
われ得る。エステル交換は、110〜150℃の範囲、好ましくは120〜14
0℃の範囲の温度で行うのが好ましい。
使用される。一般に、外部ドナーは式IVを有する。
式の脂肪族または芳香族基を表し;R”はメチルまたはエチルであり;nは0〜
3の整数であり;mは0〜3の整数であり;n+mは1〜3である。
C1〜C12炭化水素としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチルお よびデカニルが挙げられる。適する飽和分岐状C1-8アルキル基の例としては、 下記のものが挙げられる。すなわち、イソプロピル、イソブチル、イソペンチル
、t−ブチル、t−アミルおよびネオペンチルである。4〜8個の炭素原子を含
む環式脂肪族基は、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロペ
ンチルおよびシクロヘプチルを包含する。
び立体的に大きくかつ保護的な炭化水素(R’)を特徴とする。そのような外部
ドナーは、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラ
ン、ジイソブチルジメトキシシランおよびジ−t−ブチルジメトキシシランから
成る群から選択され得る。
物は、好ましくは、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムクロラ
イドおよびアルキルアルミニウムセスキクロライドから成る群から選択される。
ン/活性剤反応生成物を含む。触媒複合体は、典型的には架橋されたリガンドお
よびIVA…VIA族の遷移金属、典型的には金属ハライド、およびアルミニウムアル
キルを含む。リガンドは、ヘテロ環の置換されたまたは置換されていない化合物
、例えばインドセン、ナフテン、または、リガンドがシランまたは他の化学結合
と共に架橋されるときに特に触媒の立体選択性を制御することができる他の嵩高
い化合物の群に属し得る。活性剤は、水ならびにアルミニウムアルキル(例えば
、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムおよびトリ−t−ブチルア
ルミニウム)または、複合体を活性化し得る別の化合物の誘導体である群から選
択される。メタロセン/活性剤反応生成物、それを溶解し得る溶媒および多孔性
担体を相互に接触させ、溶媒を除去し、多孔性担体に、その最大量が担体の細孔
容積に対応するメタロセン/活性剤反応生成物を含浸させる。国際特許出願No.P
CT/FI94/00499を参照。
’−インデニル)MCl2である。ここで、RおよびR’は共に、1〜18個の 炭素原子を有する脂肪族、脂環式または芳香族炭化水素であり、R’は典型的に
は、フェニルまたはナフチルであり、Rは典型的には、メチルまたはエチルであ
る。Mは遷移金属であり、典型的にはチタン、ジルコニウムまたはハフニウムで
ある。RおよびR’は、ケイ素、窒素、リンまたはゲルマニウムなどのヘテロ原
子を含み得る。インデニル間の架橋は、炭素、ケイ素、窒素、リンまたはゲルマ
ニウムなどの1〜3個の原子で作られる。典型的な架橋は、ジメチルシリルまた
はエチルである。そのようなメタロセン化合物の例は、ジメチルシリル−ビス(
2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロライドである。
触媒は、所望により、プロピレンおよび/または別の1−オレフィンと前重合さ
れて、前重合された触媒組成物を提供し、それは、所望によりコモノマーと共に
、プロピレンの重合に使用される。
modal)の分子量分布を有し得る。すなわち、重合法の装置は、プロピレンホモ −またはコポリマーを製造するための通常の設計の任意の重合反応器を含み得る
。本発明の目的に関して、言葉「スラリー反応器」は、バルクまたはスラリーで
運転し、ポリマーが粒状で生じる、連続式または簡単なバッチ式の攪拌されるタ
ンク反応器あるいはループ(loop)反応器などの任意の反応器を指す。言葉「バ
ルク」は、少なくとも60重量%のモノマーを含む反応媒体での重合を意味する
。好ましい実施態様によれば、スラリー反応器は、バルクループ反応器を含む。
言葉「気相反応器」は、任意の機械的に混合されるまたは流動床の反応器を意味
する。好ましくは、気相反応器は、少なくとも0.2m/秒の気体速度で機械的
に攪拌される流動床反応器を含む。
れるタンクスラリー反応器、または1以上の気相反応器をを含み得る。好ましく
は、使用される反応器は、ループ反応器および気相反応器の群から選択され、特
に、本発明方法は、少なくとも1個のループ反応器および少なくとも1個の気相
反応器を使用する。この代替は、双峰形のポリプロピレンの製造に特に適する。
種々の量の水素の存在下、種々の重合反応器で重合を行うことにより、生成物の
MWDを広げることができ、その機械的特性を改善することができる。また、各
タイプのいくつかの反応器、例えば1個のループ反応器および2または3個の気
相反応器、あるいは2個のループ反応器および1個の気相反応器を直列で使用す
ることもできる。
ンなどおよびそれらの混合物の群から選択されるコモノマーを使用することもで
きる。
応器の他に、重合反応系は、多数の追加の反応器、例えば前および/または後反
応器などを含み得る。前反応器は、触媒をプロピレンおよび/または他の1‐オ
レフィンと前重合させるための任意の反応器を包含する。後反応器は、ポリマー
生成物の特性を調節し、改善するために使用される反応器を包含する。反応器系
の全ての反応器は、好ましくは、直列に配置される。
使用することができる。流動床反応器では、床は、形成されたポリマー粒子およ
び生成途中のポリマー粒子から成ると共に、まだ活性な触媒がポリマー画分と一
緒に通る。床は、気体状成分、例えばモノマーを、粒子を流体として作用させる
ような流速で導入することにより流動状態に保たれる。流動している気体は、窒
素などの不活性な担体気体および調節剤としての水素をも含み得る。流動式気相
反応器は、機械的ミキサーを備え得る。
範囲および5〜50バールの反応圧力および2〜45バールのモノマー分圧で運
転され得る。
シュタンク中の生成物の気体状成分および可能な揮発性成分の一部を所望により
分離するために、気相反応器後に開放され得る。オーバーヘッド流(overhead s
tream)またはその一部は反応器に再循環される。
Dおよび0.01〜1000g/10分、特に0.05〜500g/10分の範
囲のMFR2(ISO1133によって、230℃、2.16kg荷重で測定) を有する。
コポリマーが、ビニル化合物単位を含むポリマーとブレンドされ、コンパウンド
されるが、ブレンドは、該ポリマー状核剤を使用して従来公知であるように行な
われる。
剤なしのポリマーよりも7℃を超えて高く、好ましくは10℃を超えて高く、特
に13℃を超えて高い結晶化温度(DSCによって測定)を有するプロピレンホ
モ−またはコポリマーが製造される。プロピレンホモポリマーの結晶化度は一般
に48%より上であり、しばしば50%より上であり、弾性率は約2,000M
Pa以上である。約12重量%のゴム様成分を含むヘテロ相(heterophasic)コ
ポリマーの弾性率は約1,500MPa以上である。
供されて、変性された重合生成物を生じる気相反応器へと供給することができる
。この重合反応は、重合生成物に、例えば改善された衝撃強度の特性を与える。
エラストマーを提供する段階は、種々のやり方で行うことができる。すなわち、
好ましくはエラストマーは、少なくともプロピレンおよびエチレンをエラストマ
ーへと共重合することによって製造される。共重合の条件は、例えばエンサイク
ロペディア オブ ポリマー サイエンス アンド エンジニアリング(Encyclo
pedia of Polymer Science and Engineering)、第2版、vol.6, p.545-558に開 示されているような慣用のEPM製造条件の範囲内である。ポリマー中のエチレ
ン繰り返し単位含量がある範囲内にあると、ゴム様生成物が形成される。すなわ
ち、好ましくは、コポリマーが10〜70重量%のエチレン単位を含むような比
で、エチレンおよびプロピレンをエラストマーへと共重合する。特に、エチレン
単位含量は、非晶質コポリマーであるプロピレン/エチレンエラストマーの30
〜50重量%である。言い換えれば、エチレン対プロピレンのモル比30/70
〜50/50にて、エチレンおよびプロピレンをエラストマーへと共重合する。
ゴム様コポリマーを気相反応器に添加することによって変性されたポリマーは典
型的には、ポリプロピレンブロックコポリマーまたはヘテロ相(heterophasic)コ
ポリマーといわれる。 ポリマー状核剤の量は、プロピレンコポリマーの場合、約0.0001〜1重
量%であり、ポリプロピレンブレンドの場合、約0.0001〜0.5重量%で
ある。
約0.5〜9重量%、特に1〜8重量%(組成物の総重量から計算)の量のタル
クとブレンドされる。使用されるタルクは、0.01〜100μm、好ましくは
0.1〜10μmの範囲の粒径を有する。
スを使用してポリマー成分をタルクと所望の重量関係で混合することによって製
造することができる。典型的なバッチ式ミキサーの例として、バンバリーおよび
加熱ロールミルを挙げることができる。連続式ミキサーの例としては、ファレル
(Farrel)ミキサー、バス(Buss)コ−ニーダーおよび単軸または二軸スクリュ 押出機が挙げられる。
まない組成物より少なくとも約10%、好ましくは約12%〜約25%小さい収
縮を示す。この減少される収縮は、流れ方向に対して横の方向に特に現れる。タ
ルクの多すぎる充填は、剛性のさらなる増加を損ない、収縮を、溶融物段階での
加工で通常使用される型の下方許容限界より下に制限する。
である。すなわち、1〜8重量のタルクの充填により、約12%のゴム様成分を
含むヘテロ相プロピレンコポリマーのポリマー組成物は、1500MPaを超え
る剛性(引張弾性率)および106℃を超えるHDTを有する。一般に、2.5
%のタルクの充填は、引張弾性率を例えば1440MPaから1600MPaへ
増加させ、5%の充填は引張弾性率を1750MPaにさらに増加させる(引張
弾性率はISO527−2を使用して測定された)。耐衝撃特性は、示した範囲
のタルクの添加によって、特にタルクの量が5%未満の場合、影響を受けない。
ロー成形、熱成形、射出成形、およびシートまたはフィルム押出、またはパイプ
またはケーブル押出によって加工処理される物品の製造に使用され得る。本発明
の組成物は、無圧下水または加圧用途のためのパイプおよび管継手、ならびに緩
衝管(例えば、光ファイバー用)に特に適し、ここで、プロピレンポリマー中の
重合されたビニル化合物の量は0.01重量%未満である。
TiCl4チーグラー−ナッタ触媒を油およびグリースの混合物(Shell Ondina
Oil N 68 および Fuchs Vaseline Grease SW;3.2:1の油/グリース体積比
)に分散させた。触媒のチタン含量は2.5重量%であり、油−グリース混合物
中の触媒の濃度は189g触媒/dm3であった。トリエチルアルミニウム(T EAL)を触媒分散物に1.5のTEAL:チタンモル比で添加した。その後、
ビニルシクロヘキサン(VCH)を反応混合物に添加し、VCH:触媒の重量比
は1:1であった。反応混合物を、反応混合物中の未反応VCHの濃度が100
0ppm(重量)になるまで55℃の温度で混合した。
、ループ反応器および流動床気相反応器から成るプロセスに連続的に供給した。 触媒マッドと混合する前に、TEALおよびジシクロペンチルジメトキシシラ
ンを3.2の重量対重量比で接触させた。その後、混合物を、所望量の水素を分
子量調節剤として含むプロピレンを用いて、連続撹拌前重合反応器へとフラッシ
ュした。前重合後、反応混合物を、さらなるプロピレンおよび水素と共に、68
℃で運転されている連続ループ反応器へ供給した。得られた、触媒を含むPPホ
モポリマー‐プロピレンスラリーを、ループ反応器からフラッシュ装置へと連続
して回収し、そこで、液体プロピレンを気化させ、残留する固体ポリマー粒子(
活性な変性触媒を含む)を連続流動床気相反応器へさらに供給し、そこで、耐衝
撃性調節のためのゴム様プロピレンエチレンコポリマーを製造した。気相反応器
は77℃で運転された。所望の量のプロピレンとエチレンを反応器に連続的に供
給し、製造されたコポリマーの分子量を、所望の量の水素で制御した。最終的な
ポリマーを気相反応器から連続して回収した。未反応のモノマーをパージした後
、必要な安定剤および他の添加剤を加え、ポリマー粉末を押出機でペレット化し
た。 最終的なポリマーは、15g/10分のMFR2および8重量%のエチレン含量 を有していた。23℃キシレン中の可溶物(XS)からアセトンで沈殿させたポ
リマー(AM)の量は、13.9重量%であり、これは、気相反応器中で製造さ
れたゴム様コポリマーの量に対応する。ループ反応器から回収されたポリマーの
MFR2は20g/10分であった。23℃キシレン中の可溶物からアセトンで 沈殿させたポリマーのエチレン含量は、37.4重量%であった。25℃キシレ
ン中のポリマー可溶物は、ポリマーを135℃のキシレンに溶解し、溶液を25
℃に冷却した後、不溶部分を濾別することにより測定された。非晶質部分(AM
)は、上記のキシレン可溶画分を分離し、非晶質部分をアセトンで析出させるこ
とにより測定された。
出機でコンパウンドした。本発明組成物の剛性を、標準の核剤入りPPコポリマ
ーと比較した。標準コポリマーの核剤は、タルク(<0.5%)または安息香酸
ナトリウム(<0.1%)であった。 引張弾性率をISO527−2に従って測定した。
)容器から測定される。 結果は、重合されたビニル化合物によって核形成されたコポリマーおよびタルク
をブレンドすることにより、引張弾性率の驚くべき増加が得られることを示す。
実施例2のプロピレンコポリマーは、標準PPコポリマーよりもかなり高い弾性
率によってタルクに応答した。収縮値は、本発明が優れた剛性および制御された
収縮のユニークな組み合わせを提供することを示す。
出機でコンパウンドした。本発明組成物の剛性を、標準の核剤入りPPコポリマ
ーと比較した。標準コポリマーの核剤は、タルク(<0.5%)または安息香酸
ナトリウム(<0.1%)であった。 加熱撓み温度(HDT)は、ISO−75−2(方法B/0.45MPa)に従
って測定された。 結晶化の温度は、示差走査熱量計(DSC)を用いて10℃/分の冷却速度で測
定された。
れたポリマーは、純粋な核剤入りPPポリマーおよび3%タルクをブレンドした
標準PPコポリマーよりも良好な特性を有することを明らかに示す。 すなわち、上記結果は、ポリマー状核剤入りPPおよびタルクをブレンドするこ
とにより、加熱撓み温度(HDT)および結晶化温度(Tcr)に対する相乗効
果が得られることを示す。
Claims (15)
- 【請求項1】 ビニル化合物単位を含有するポリマー状核剤で核形成されたプロ
ピレンポリマー;および 組成物の収縮を減少させ、かつ剛性を改善するための、組成物の重量から計算し
て0.1〜10%のタルク を含むポリマー組成物。 - 【請求項2】 プロピレンポリマーが下記式のビニル化合物を約0.0001
〜1重量%含有する、請求項1記載のポリマー組成物: 【化1】 ここで、R1およびR2は一緒になって飽和もしくは不飽和のまたは芳香族の5員
環または6員環を形成し、あるいは、独立して1〜4個の炭素原子を含む低級ア
ルキルを示す。 - 【請求項3】 プロピレンポリマーが、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロ
ペンタン、ビニル−2−メチルシクロヘキサンおよびビニルノルボルナン、また
は他のシクロアルカン単位、3−メチル−1−ブテン、スチレン、p−メチルス
チレンまたは3−エチル−1−ヘキセン単位あるいはそれらの混合物を含む、請
求項2記載のポリマー組成物。 - 【請求項4】 核形成されたプロピレンポリマーが、ビニル化合物単位を含む
プロピレンコポリマーを含む、請求項1〜3のいずれか1項記載のポリマー組成
物。 - 【請求項5】 核形成されたプロピレンポリマーが、ビニル化合物単位を含む
ポリマー状核剤とブレンドされたプロピレンホモ−またはコポリマーを含む、請
求項1〜3のいずれか1項記載のポリマー組成物。 - 【請求項6】 組成物の核形成されたプロピレンホモポリマー成分が0.1〜
100g/10分のメルトフローレート(MFR2)、対応する核剤なしのポリ マーより7℃を超えて高いTc、48%より上の結晶化度および2000MPa
より上の弾性率を示す、請求項1〜5のいずれか1項記載のポリマー組成物。 - 【請求項7】 1〜8重量%のタルクを含み、対応する、タルクを含まない組
成物よりも10%、好ましくは12%〜20%小さい収縮を示す、請求項1〜6
のいずれか1項記載のポリマー組成物。 - 【請求項8】 組成物の核形成されたプロピレンヘテロ相コポリマー成分が1
500MPaより大きい剛性(引張弾性率)および106℃より高いHDTを示
す、請求項1〜7のいずれか1項記載のポリマー組成物。 - 【請求項9】 ビニル化合物単位を含むポリマー状核剤で核形成されたプロピ
レンポリマーを含み、かつ減少された収縮および改善された剛性を示すポリマー
組成物の製造法において、プロピレンポリマーを組成物の重量から計算して0.
1〜10%のタルクとブレンドすることを特徴とする方法。 - 【請求項10】 プロピレンポリマーが0.5〜9重量%、好ましくは1〜8
重量%のタルクとブレンドされる、請求項9記載の方法。 - 【請求項11】 0.1〜10μmの粒径分布を有するタルクが使用される、
請求項9または10記載の方法。 - 【請求項12】 1〜8重量%のタルクが、ビニル化合物単位を含むポリマー
状核剤で核形成されたプロピレンポリマーとブレンドされて、対応する、タルク
を含まない組成物よりも10%、好ましくは12%〜20%小さい収縮を示す組
成物を提供する、請求項9〜11のいずれか1項記載の方法。 - 【請求項13】 ブロー成形、熱成形、射出成形、圧縮成形、およびシートも
しくはフィルム押出、またはパイプもしくはケーブル押出によってポリマー物品
を製造するために請求項1〜8のいずれか1項記載のポリマー組成物を使用する
方法。 - 【請求項14】 ポリマー組成物が、無圧下水または加圧用途のためのパイプ
および管継手の製造に使用される、請求項13記載の方法。 - 【請求項15】 ポリマー組成物が光ファイバーケーブルのための緩衝管の製
造に使用され、該ポリマー組成物が0.01重量%未満の重合されたビニル化合
物を含む、請求項13記載の方法。
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