【発明の詳細な説明】
抗痙攣薬のイソキノリルベンズアミド誘導体
本発明は新規化合物、その製法およびその治療薬としての使用に関する。
米国第4022900号(Marion)は、抗高血圧活性および血管拡張活性を有
するベンズアミド−テトラヒドロイソキノリンを開示する。
本願の出願日前には未公開であるWO97/48683(SmithKline Beecham
)は、以下の式(A):
[式中、
nおよびpは、独立して1ないし4の整数であり、(n+p)は2ないし5で
あり;
R1はC1-6アルキルO−であり;
R2は水素、ハロゲン、CN、N3、トリフルオロメチルジアジリニル、CF3
、CF3O−、CF3S−、CF3CO−、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル
、C3-6シクロアルキル−C1-4アルキル−、C1-6アルキルO−、C1-6アルキル
CO−、C3-6シクロアルキルCO−、C3-6シクロアルキル−C1-4アルキルC
O−、フェニル、フェノキシ、ベンジルオキシ、ベンゾイル、フェニル−C1-4
アルキル−、C1-6アルキルS−、C1-6アルキルSO2−、(C1-4アルキル)2N
SO2−または(C1-4アルキル)NHSO2−であり;
R3は水素、ハロゲン、NO2、CN、N3、トリフルオロメチルジアジリニル
、C1-6アルキルO−、C1-6アルキルS−、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキ
ル、C3-6シクロアルキル−C1-4アルキル−、C1-6アルケニル、C1-6アルキニ
ル、
CF3CO−、C1-6アルキルCO−、C3-6シクロアルキルCO−、C3-6シクロ
アルキル−C1-4アルキルCO−、フェニル、フェノキシ、ベンジルオキシ、ベ
ンゾイル、フェニル−C1-4アルキル−であるか、または−NR5R6(ここで、
R5は水素またはC1-4アルキルであり、R6は水素、C1-4アルキル、−CHO、
−CO2C1-4アルキルまたは−COC1-4アルキルである)であり;
R4は水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニルまたはC1-6アルキニルを意味す
る]
で示されるベンズアミド化合物が抗痙攣薬活性を有し、よって不安症、躁病およ
び関連する鬱障害の治療および/または予防にて有用であると考えられると開示
する。
この度、意外にも、後記する式(I)で示されるカルボキシアミド化合物が抗
−痙攣薬活性を有することが見いだされ、したがって、不安症、躁病、鬱病、パ
ニック障害および/または攻撃、クモ膜下出血または神経ショックに伴う障害、
コカイン、ニコチン、アルコールおよびベンゾジアゼピンなどの濫用物質の禁断
症状に伴う作用、外傷後癲癇を含む、癲癇などの抗痙攣剤を用いて治療および/
または予防可能な障害、パーキンソン病、精神病、偏頭痛、脳虚血、アルツハイ
マー病およびハンチントン舞踏病などの他の変性的疾病、分裂病、強迫観念性疾
患(OCD)、AIDSに伴う神経学的欠損、睡眠障害(日周期リズム障害、不
眠症およびナルコレプシーを包含)、チック(例えば、ジル・ド・ラ・トュ−レ
ット症候群)、外傷性脳傷害、耳鳴り、神経痛、特に三叉神経痛、神経疾患性の
痛み、歯痛、癌の痛み、糖尿病、多発性硬化症(MS)および運動ニューロン病
などの疾患においてニューロジステシアス(neurodysthesias)をもたらす不当
なニューロン活性、運動失調、筋肉硬直(痙直)、顎関節機能不全ならびに筋委
縮性側索硬化(ALS)の治療および/または予防に有用であると考えられる。
したがって、本発明は、式(I):
[式中、
R1は水素、C1-6アルキル(ヒドロキシまたはC1-4アルコキシで置換されて
いてもよい)、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、C1-6アルキルCO−、ホ
ルミル、CF3CO−またはC1-6アルキルSO2−であり;
R2は水素またはハロゲン、NO2、CN、N3、CF3O−、CF3S−、CF3
CO−、トリフルオロメチルジアジリニル、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、
C1-6アルキニル、C1-6ペルフルオロアルキル、C3-6シクロアルキル、C3-6シ
クロアルキル−C1-4アルキル−、C1-6アルキルO−、C1-6アルキルCO−、
C3-6シクロアルキルO−、C3-6シクロアルキルCO−、C3-6シクロアルキル
−C1-4アルキルO−、C3-6シクロアルキル−C1-4アルキルCO−、フェニル
、フェノキシ、ベンジルオキシ、ベンゾイル、フェニル−C1-4アルキル−、C1 -6
アルキルS−、C1-6アルキルSO2−、(C1-4アルキル)2NSO2−、(C1-4
アルキル)NHSO2−、(C1-4アルキル)2NCO−、(C1-4アルキル)NHCO
−またはCONH2から選択される3個までの置換基であるか、または−NR5R6
(ここで、R5は水素またはC1-4アルキルであり、R6は水素、C1-4アルキル
、ホルミル、−CO2C1-4アルキルまたは−COC1-4アルキルである)である
か、あるいは2個のR2基が一緒になって、飽和または不飽和の非置換または−
OHもしくは=Oで置換されている炭素環式環を形成し;
2個のR3基および2個のR4基は、各々、独立して、水素またはC1-6アルキ
ルであるか、または2個のR3基および/または2個のR4基が一緒になってC3- 6
スピロアルキル基を形成する;ただし、R3およびR4基のうち少なくとも1個
は水素以外の基である]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。
本発明の化合物は、典型的には、イソキノリニル−カルボキシアミド、特に(
テトラヒドロイソキノリン−7−イル)カルボキシアミドである。カルボキシア
ミド部はベンズアミドであってもよい。2個のR2基が炭素環式環を形成する場
合、この環は、典型的には、5−7員環であり、カルボキシアミド部はナフタレ
ンカルボ
キシアミドまたはインダンもしくはインダノンカルボキシアミドであってもよい
。
式(I)において、アルコキシまたはアシルなどの他の部分の一部であるアル
キル基を含むアルキル基は、直鎖または分岐鎖のいずれであってもよい。R2の
、他の部分の一部であるフェニル基を含むフェニル基は、ハロゲン、C1-6アル
キル、C1-6アルコキシまたはC1-6アルキルカルボニルより独立して選択される
1またはそれ以上の置換基で置換されていてもよい。適当なC3-6シクロアルキ
ル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル
を包含する。適当なハロ置換基は、フルオロ、クロロ、ヨードおよびブロモを包
含する。
本発明の化合物がキラル中心を有し、それ自身が種々のエナンチオマー形態に
て存在してもよく、本発明が各エナンチオマー形態およびそのジアステレオマー
およびラセミ体を含む混合物にまで及ぶことは明らかであろう。
本発明の適当な一群の化合物は、式(IA):
[式中、
R1は水素、C1-6アルキル(ヒドロキシまたはC1-4アルコキシで置換されてい
てもよい)、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、ホルミル、C1-6アルキルC
O、C1-6アルキルSO2またはCF3CO−であり;
R22はC1-6アルキルO−、C3-6シクロアルキルO−またはC3-6シクロアル
キルC1-4アルキルO−であり;
R23は水素、ハロゲン、CN、N3、トリフルオロメチルジアジリニル、C1-6
ペルフルオロアルキル、CF3O−、CF3S−、CF3CO−、C1-6アルキル、
C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル−C1-4アルキル−、C1-6アルキル
O−、C1-6アルキルCO−、C3-6シクロアルキルCO−、C3-6シクロアルキ
ル−C1-4アルキルCO−、フェニル、フェノキシ、ベンジルオキシ、ベンゾイ
ル、
フェニル−C1-4アルキル−、C1-6アルキルS−、C1-6アルキルSO2−、(C1 -4
アルキル)2NSO2、(C1-4アルキル)NHSO2、(C1-4アルキル)2NCO−
、(C1-4アルキル)NHCO−またはCONH2であり;
R24は水素、ハロゲン、NO2、CN、N3、トリフルオロメチルジアジリニル
、C1-6アルキルO−、C1-6アルキルS−、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキ
ル、C3-6シクロアルキル−C1-4アルキル−、C1-6アルケニル、C1-6アルキニ
ル、CF3CO−、C1-6アルキルCO−、C3-6シクロアルキルCO−、C3-6シ
クロアルキル−C1-4アルキルCO−フェニル、フェノキシ、ベンジルオキシ、
ベンゾイル、フェニル−C1-4アルキル−であるか、または−NR5R6(ここで
、R5は水素またはC1-4アルキルであり、R6は水素、C1-4アルキル、ホルミル
、−CO2C1-4アルキルまたは−COC1-4アルキルである)であるか、あるい
はR23およびR24は一緒になって、飽和または不飽和の、非置換であるかまたは
カルボニルもしくはヒドロキシルで置換されている炭素環式環を形成し;
R4はC1-6アルキルを意味する]
で示される化合物である。
もう一つ別の適当な一群の化合物は、式(IB):
[式中、
R1は水素、C1-6アルキル(ヒドロキシまたはC1-4アルコキシで置換されて
いてもよい)、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、C1-6アルキルCO−、ホ
ルミル、CF3CO−またはC1-6アルキルSO2−であり、
R2は水素またはハロゲン、NO2、CN、N3、CF3O−、CF3S−、CF3
CO−、トリフルオロメチルジアジリニル、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、
C1-6アルキニル、C1-6ペルフルオロアルキル、C3-6シクロアルキル、C3-6シ
クロアルキル−C1-4アルキル−、C1-6アルキルO−、C1-6アルキルCO−、
C3-6シクロアルキルO−、C3-6シクロアルキルCO−、C3-6シクロアルキル
−C1-4アルキルO−、C3-6シクロアルキル−C1-4アルキルCO−、フェニル
、フェノキシ、ベンジルオキシ、ベンゾイル、フェニル−C1-4アルキル−、C1 -6
アルキルS−、C1-6アルキルSO2−、(C1-4アルキル)2NSO2−、(C1-4
アルキル)NHSO2−、(C1-4アルキル)2NCO−、(C1-4アルキル)NHCO
−またはCONH2から選択される3個までの置換基であるか、または−NR5R6
(ここで、R5は水素またはC1-4アルキルであり、R6は水素、C1-4アルキル
、ホルミル、−CO2C1-4アルキルまたは−COC1-4アルキルである)である
か、あるいは2個のR2基が一緒になって、飽和または不飽和の、非置換または
−OHもしくは=Oで置換されている炭素環式環を形成し;
R3は、各々、C1-6アルキルを意味する]
で示される化合物である。
さらに適当な一群の化合物は、式(IC):
[式中、R1は水素、C1-6アルキル(ヒドロキシまたはC1-4アルコキシで置換
されていてもよい)、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、C1-6アルキルCO
−、ホルミル、CF3CO−またはC1-6アルキルSO2−であり、
R2は水素またはハロゲン、NO2、CN、N3、CF3O−、CF3S−、CF3
CO−、トリフルオロメチルジアジリニル、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、
C1-6アルキニル、C1-6ペルフルオロアルキル、C3-6シクロアルキル、C3-6シ
クロアルキル−C1-4アルキル−、C1-6アルキルO−、C1-6アルキルCO−、
C3-6シクロアルキルO−、C3-6シクロアルキルCO−、C3-6シクロアルキル
−C1-4アルキルO−、C3-6シクロアルキル−C1-4アルキルCO−、フェニル
、フェノキシ、ベンジルオキシ、ベンゾイル、フェニル−C1-4アルキル−、C1 -6
アル
キルS−、C1-6アルキルSO2−、(C1-4アルキル)2NSO2−、(C1-4アルキ
ル)NHSO2−、(C1-4アルキル)2NCO−、(C1-4アルキル)NHCO−また
はCONH2から選択される3個までの置換基であるか、または−NR5R6(こ
こで、R5は水素またはC1-4アルキルであり、R6は水素、C1-4アルキル、ホル
ミル、−CO2C1-4アルキルまたは−COC1-4アルキルである)であるか、あ
るいは2個のR2基が一緒になって、飽和または不飽和の、非置換または−OH
もしくは=Oで置換されている炭素環式環を形成し;
R4は、各々、C1-6アルキルを意味する]
で示される化合物である。
式(I)、(IB)および(IC)の適当な一群の化合物は、
R1が水素、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル
、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチルまたはメタンスルホニルであり、
R2が水素あるいは1またはそれ以上のメチル、エチル、n−ブチル、イソ−
プロピル、t−ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、イソ−プロポキシ、シ
クロプロピルメトキシ、n−ブトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、アミノ、
アセチルアミノ、ニトロ、アジド、シアノ、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード
、アセチル、ピバロイル、イソ−ブチロイル、ベンゾイル、ヨードベンゾイル、
トリフルオロメチル、ペルフルオロエチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオ
ロアセチル、メタンスルホニル、n−プロピルスルホニル、イソプロピルスルホ
ニルまたはジメチルスルファモイルであり、
R3が一方または両方でメチルであり、
R4が一方または両方がメチルである。
式(IA)の化合物において、R1およびR4基は、適当には、上記した群より
選択され、R22、R23およびR24は、R2について上記した群より適当な基とし
て選択される。
式(I)の好ましい一群の化合物は、
R1が水素、メチル、エチルであり、
R2が水素あるいは1またはそれ以上のメチル、エチル、i−プロピル、t−
ブ
チル、メトキシ、エトキシ、i−プロポキシ、ブロモ、クロロ、シアノ、トリフ
ルオロメチルであり、
R3が一方または両方でメチルであり、
R4が一方または両方でメチルである。
式(I)の化合物の一例として、
(±)N−(1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−5−イル)
−5−クロロ−4−エトキシ−2−メトキシ−ベンズアミド;
(±)N−(1,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−5−
イル)−5−ブロモ−2,4−ジメトキシ−ベンズアミド;
(±)N−(1,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−5−
イル)−5−クロロ−4−エトキシ−2−メトキシ−ベンズアミド;
(±)N−(1,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−5−
イル)−5−クロロ−4−イソ−プロポキシ−2−メトキシベンズアミド;
(±)N−(1,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−5−
イル)−4−tert−ブチル−2−メトキシベンズアミド;
(±)N−(1,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−5−
イル)−5−トリフルオロメチル−2−メトキシ−4−メチル−ベンズアミド;
N−(2,4,4−トリメチル−4H−イソキノリン−7−イル)−4−メトキシ−
3−トリフルオロメチルベンズアミド;
N−(2,4,4−トリメチル−4H−イソキノリン−7−イル)−3−シアノ−4
−イソ−プロピルベンズアミド;
N−(2,4,4,−トリメチル−4H−イソキノリン−7−イル)−3−ブロモ−
4−エチルベンズアミド;
N−(2,4,4−トリメチル−4H−イソキノリン−7−イル)−3−ブロモ−4
−エトキシベンズアミド;
N−(2,4,4−トリメチル−4H−イソキノリン−7−イル)−3−クロロ−4
−イソ−プロポキシベンズアミド;
(±)N−(1,2−ジメチル−4H−イソキノリン−7−イル)−3−ブロモ−
4−
エチルベンズアミド;
(±)N−(1,2−ジメチル−4H−イソキノリン−7−イル)−3−ブロモ−
4−エトキシベンズアミド;
N−(1,1,2−トリメチル−4H−イソキノリン−7−イル)−4−メトキシ−
3−トリフルオロメチルベンズアミド
が挙げられる。
合成した場合、これらの化合物は、塩酸塩またはトリフルオロ酢酸塩などの塩
の形態であることも多く、かかる塩もまた本発明の一部を形成する。かかる塩を
医薬上許容される塩の製造に使用してもよい。化合物およびその塩を溶媒和物、
例えば水和物として得てもよく、これらも本発明の一部を形成する。
上記した化合物およびその医薬上許容される塩、特に塩酸塩、ならびに医薬上
許容される溶媒和物、特に水和物は、本発明の好ましい態様を形成する。
哺乳動物へのかかる化合物の投与は、経口、非経口、舌下、鼻腔内、経直腸、
局所または経皮投与経路であってもよい。
上記した疾患を治療する有効量は、治療すべき疾患の性質および重さならびに
哺乳動物の体重のごとき通常の因子に依存する。しかしながら、単位用量は、通
常、1ないし1000mg、適当には1ないし500mg、例えば、2、5、1
0、20、30、40、50、100、200、300および400mgのごと
き2ないし400mgの範囲の量の活性化合物を含有するであろう。通常、単位
用量を1日1回またはそれ以上の回数、例えば、1日に1、2、3、4、5また
は6回、より一般的には1日1ないし4回投与され、その結果、通常、1日の全
用量は、70キロの成人ならば1ないし1000mg、例えば1ないし500m
g、すなわち、約0.01ないし15mg/kg/日、より一般的には、0.1な
いし6mg/kg/日、例えば1ないし6mg/kg/日であろう。
式(I)の化合物は、単位用量の舌下を含む経口、経直腸、局所または非経口
(特に静脈内)組成物などの単位用量組成物の形態にて投与することが極めて好
ましい。
かかる組成物を混合により製造し、適当には、経口または非経口投与に適した
ものとし、それ自体が、錠剤、カプセル、経口液体製剤、散剤、顆粒、ロゼンジ
、復
元性散剤、注射可能および注入可能な溶液または懸濁液あるいは坐薬の形態であ
ってもよい。一般的使用に都合がよいため、経口投与可能な組成物、特に経口組
成物の形態のものが好ましい。
通常、経口投与用錠剤およびカプセルは単位用量として提供され、結合剤、充
填剤、希釈剤、錠剤化剤、滑沢剤、崩壊剤、着色料、フレーバーおよび湿潤剤の
ごとき慣用的賦形剤を含有する。当該分野においてよく知られた方法により錠剤
をコーティングしてもよい。
使用される適当な充填剤は、セルロース、マンニトール、ラクトースおよび他
の類似する物質を包含する。適当な崩壊剤は、澱粉、ポリビニルピロリドンおよ
び澱粉グリコール酸ナトリウムのごとき澱粉誘導体を包含する。適当な滑沢剤は
、例えば、ステアリン酸マグネシウムを包含する。適当な医薬上許容される湿潤
剤はラウリル硫酸ナトリウムを包含する。
これらの経口用固体組成物を、混合、充填、錠剤化等の慣用的方法により製造
してもよい。繰り返し混合操作を用い、大量の充填剤を使用して活性物質を組成
物中に均一に分散させてもよい。もちろん、かかる操作は当該分野において慣用
的である。
経口用液体製剤は、例えば、水性または油性懸濁液、溶液、エマルジョン、シ
ロップ、またはエリキシルの形態であってもよく、あるいは使用前に水または適
当なビヒクルで復元される乾燥品として提供してもよい。かかる液体製剤は、沈
殿防止剤、例えばソルビトール、シロップ、メチルセルロース、ゼラチン、ヒド
ロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニ
ウムゲルまたは水素添加食用油;乳化剤、例えばレシチン、モノオレイン酸ソル
ビタンまたはアラビアゴム;非水性ビヒクル(食用油を含んでいてもよい)、例
えばアーモンド油、分別ココヤシ油、グリセリンエステルのごとき油性エステル
、プロピレングリコールまたはエチルアルコール;保存料、例えばp−ヒドロキ
シ安息香酸メチルもしくはプロピル、またはソルビン酸、ならびに所望により、
慣用的なフレーバーまたは着色料のごとき慣用的添加物を含有していてもよい。
経口処方は、腸溶コーティングを有する錠剤または顆粒などの慣用的な除放性製
剤を包含する。
非経口投与の場合、化合物および滅菌ビヒクルを含有する流体単位投与形を製
造する。ビヒクルおよび濃度に応じて、化合物を懸濁または溶解させることがで
きる。通常、化合物をビヒクルに溶かし、フィルター滅菌し、ついで、適当なバ
イアルまたはアンプルに充填し、シールすることにより非経口用溶液を製造する
。局所麻酔剤、保存料および緩衝化剤などのアジュバントをビヒクルに溶かすこ
とも有利な操作である。安定性を向上させるために、バイアルに入れた後組成物
を凍結し、減圧下で水分を除去することができる。
化合物を溶解せずに懸濁し、滅菌された担体中に懸濁する前にエチレンオキシ
ドに曝すことにより滅菌すること以外は同様の方法で非経口用懸濁液を製造する
。有利には、界面活性剤または湿潤剤を組成物中に含めて本発明の化合物の均一
な分散を容易にする。
慣例として、通常、関連した医学的処置における手書きまたは印刷した使用説
明書を組成物に添付する。
したがって、本発明は、さらには、不安症、躁病、鬱病、パニック障害および
/または攻撃、クモ膜下出血または神経ショックに伴う障害、コカイン、ニコチ
ン、アルコールおよびベンゾジアゼピンなどの濫用物質の禁断症状に伴う作用、
外傷後癲癇を含む、癲癇などの抗痙攣剤を用いて治療および/または予防可能な
障害、パーキンソン病、精神病、偏頭痛、脳虚血、アルツハイマー病およびハン
チントン舞踏病などの他の変性的疾病、分裂病、強迫観念性疾患(OCD)、A
IDSに伴う神経学的欠損、睡眠障害(日周期リズム障害、不眠症およびナルコ
レプシーを包含)、チック(例えば、ジル・ド・ラ・トューレット症候群)、外
傷性脳傷害、耳鳴り、神経痛、特に三叉神経痛、神経疾患性の痛み、歯痛、癌の
痛み、糖尿病、多発性硬化症(MS)および運動ニューロン病などの疾患におい
てニューロジステシアスをもたらす不当なニューロン活性、運動失調、筋肉硬直
(痙直)、顎関節機能不全ならびに筋委縮性側索硬化(ALS)の治療および/ま
たは予防用の医薬組成物であって、式(I)の化合物またはその医薬上許容され
る塩もしくは溶媒和物、および医薬上許容される担体を含む医薬組成物を提供す
る。
本発明はまた、不安症、躁病、鬱病、パニック障害および/または攻撃、クモ
膜
下出血または神経ショックに伴う障害、コカイン、ニコチン、アルコールおよび
ベンゾジアゼピンなどの濫用物質の禁断症状に伴う作用、外傷後癲癇を含む、癲
癇などの抗痙攣剤を用いて治療および/または予防可能な障害、パーキンソン病
、精神病、偏頭痛、脳虚血、アルツハイマー病およびハンチントン舞踏病などの
他の変性的疾病、分裂病、強迫観念性疾患(OCD)、AIDSに伴う神経学的
欠損、睡眠障害(日周期リズム障害、不眠症およびナルコレプシーを包含)、チ
ック(例えば、ジル・ド・ラ・トューレット症候群)、外傷性脳傷害、耳鳴り、
神経痛、特に三叉神経痛、神経疾患性の痛み、歯痛、癌の痛み、糖尿病、多発性
硬化症(MS)および運動ニューロン病などの疾患においてニューロジステシア
スをもたらす不当なニューロン活性、運動失調、筋肉硬直(痙直)、顎関節機能
不全ならびに筋委縮性側索硬化(ALS)の治療および/または予防方法であっ
て、治療および/または予防を必要とする者に有効量または予防量の式(I)の
化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を投与することからなる
方法を提供する。
本発明のさらなる態様において、不安症、躁病、鬱病、パニック障害および/
または攻撃、クモ膜下出血または神経ショックに伴う障害、コカイン、ニコチン
、アルコールおよびベンゾジアゼピンなどの濫用物質の禁断症状に伴う作用、外
傷後癲癇を含む、癲癇などの抗痙攣剤を用いて治療および/または予防可能な障
害、パーキンソン病、精神病、偏頭痛、脳虚血、アルツハイマー病およびハンチ
ントン舞踏病などの他の変性的疾病、分裂病、強迫観念性疾患(OCD)、AI
DSに伴う神経学的欠損、睡眠障害(日周期リズム障害、不眠症およびナルコレ
プシーを包含)、チック(例えば、ジル・ド・ラ・トューレット症候群)、外傷
性脳傷害、耳鳴り、神経痛、特に三叉神経痛、神経疾患性の痛み、歯痛、癌の痛
み、糖尿病、多発性硬化症(MS)および運動ニューロン病などの疾患において
ニューロジステシアスをもたらす不当なニューロン活性、運動失調、筋肉硬直(
痙直)、顎関節機能不全ならびに筋委縮性側索硬化(ALS)の治療および/ま
たは予防用医薬の製造のための、式(I)の化合物またはその医薬上許容される
塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。
さらなる態様において、本発明は、治療薬としての、特に、不安症、躁病、鬱
病、
パニック障害および/または攻撃、クモ膜下出血または神経ショックに伴う障害
、コカイン、ニコチン、アルコールおよびベンゾジアゼピンなどの濫用物質の禁
断症状に伴う作用、外傷後癲癇を含む、癲癇などの抗痙攣剤を用いて治療および
/または予防可能な障害、パーキンソン病、精神病、偏頭痛、脳虚血、アルツハ
イマー病およびハンチントン舞踏病などの他の変性的疾病、分裂病、強迫観念性
疾患(OCD)、AIDSに伴う神経学的欠損、睡眠障害(日周期リズム障害、
不眠症およびナルコレプシーを包含)、チック(例えば、ジル・ド・ラ・トュー
レット症候群)、外傷性脳傷害、耳鳴り、神経痛、特に三叉神経痛、神経疾患性
の痛み、歯痛、癌の痛み、糖尿病、多発性硬化症(MS)および運動ニューロン
病などの疾患においてニューロジステシアスをもたらす不当なニューロン活性、
運動失調、筋肉硬直(痙直)、顎関節機能不全ならびに筋委縮性側索硬化(AL
S)の治療および/または予防するための、式(I)の化合物またはその医薬上
許容される塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。
本発明のもう一つ別の態様は、上記した式(I)の化合物の製法であって、
式(II):[式中、R1A、R3A、R4Aは、式(I)について上記されているR1、R3、R4
と同じであるか、あるいはR1、R3、R4に変換できる基を意味する]
で示される化合物を、式(III):
[式中、YはClまたはOHであり、R2A基は、独立して、式(I)について上
記
されているR2と同じであるか、あるいはR2に変換可能な基を意味する]
で示される化合物と反応させ、要すれば、R1A、R2A、R3A、R4A基をR1、R2
、R3、R4基に変換するか、一のR1、R2、R3、R4基をもう一つ別のR1、R2
、R3、R4基に変換するか、塩生成物を遊離塩基または別の医薬上許容される塩
に変換するか、エナンチオマーを分離するか、または遊離塩基生成物を医薬上許
容される塩に変換することからなる方法にある。
塩化ベンゾイル誘導体(Y=Cl)である式(III)の化合物と反応させるこ
とで直接塩酸塩が得られるであろう。適当な溶媒として、トリエチルアミンなど
の塩基が含まれていてもよい、酢酸エチルまたはジクロロメタンが挙げられる。
式(III)の化合物が安息香酸誘導体(Y=OH)である場合、例えば、ジメチ
ルホルムアミドなどの適当な不活性溶媒中、エチル(ジメチルアミノプロピル)カ
ルボジイミド/ヒドロキシベンゾトリアゾールの混合物の成分を反応させる、芳
香族酸とアミンとの縮合のための慣用的条件を用いてもよい。
R1A、R2A、R3A、R4A基のR1、R2、R3、R4基への変換は、典型的には、
上記したカップリング反応の間、あるいは下記する操作により反応体を調製する
間で、保護基が必要とされる場合に生じる。一のR1、R2、R3、R4基のもう一
つ別の基への相互変換は、典型的には、式(I)の一の化合物が式(I)のもう
一つ別の化合物の直前の前駆体として用いられる場合に、あるいは合成経路の最
後により複雑なまたは反応性に富む置換基を導入することが容易である場合に生
じる。
R4=Hまたはアルキルである、式(II)の化合物は、式(IV):
で示される対応するイソキノリンを、式:R1AZ(ここで、Zは離脱基、例え
ばハロゲン、特にヨウ素またはトシレートである)の化合物と反応させ、式(V
):
の中間体を得、それを慣用的条件下でR4A含有のグリニャール試薬と反応させ、
式(VI):
で示されるジヒドロイソキノリンを得、それを、例えば、水素とパラジウム/活
性炭触媒を用いて水素添加し、式(IA)の化合物の前駆体である式(II)のテ
トラヒドロイソキノリンを得ることができる。
別法として、式(IV)の化合物は、ニトロ-イソキノリンであってもよく、そ
のニトロ基を水素添加工程にてアミノ基に変換する。
意図するR1が水素である場合、イソキノリンの窒素は、通常、グリニャール
試薬を介してR4基を導入する間に、例えば、R1Aベンジルまたは4-メトキシベ
ンジルを形成することで保護されていることが好ましい。ベンズアミドを形成す
る前に、例えば、tert-ブトキシカルボニルで再度保護し、標準的条件下、例え
ば、トリフルオロ酢酸/塩化メチレンを用いて脱保護することが好ましい。
式(IV)のアミノ/ニトロ-イソキノリンおよび使用される試薬は、商業上入
手可能であるか、または文献(例えば、I.W.Mathesonら、J.Med.Chem.1973,16
,332)に記載の慣用的操作を用いて市販の物質から調製することができる。
式(IB)の化合物の前駆体である式(II)の化合物は、ジ-R3置換基を有す
る対応する式(VII)のニトロ-イソキノリンジオンを、上記した接触水素添加に
よりそのニトロ基をアミノ基に変換し、その後、ジボランで還元することでジオ
ン基を除去することにより調製することができる。ニトロ-ジオンは、ジ-R3イ
ソキノリンジオン[H.Takechiら、Synthesis.1992,778の操作に従って調製]を
発煙硝酸と反応させることにより得ることができる。R1A基は上気したように導
入してもよい。
式(IC)の化合物の前駆体である式(II)の化合物は、対応するニトロ-3,
4-ジヒドロイソキノリンを塩化錫(II)を用いてアミノ化合物に還元し、つづ
いてR1A−Xハライドを用いて4級化し、その後、R4グリニャール試薬で処理
することにより調製することができる。R4が共にアルキルである式(II)の化
合物は、対応する1-アルキル-3,4-ジヒドロイソキノリンをニトロ化し[R.D.L
arsenら、J.Org.Chem.,1991 56 6034、ならびにA.P.VenkovおおびS.S.Abeghe,
Syn.Commun.,1996 26 127の操作を用いる]、つづいて4級化し、上記したよう
にR4グリニャール試薬で処理することにより調製してもよい。
式(III)の化合物は、慣用的操作を用いて市販されている安息香酸誘導体を
さらに置換することで、あるいは対応する置換ベンジルアルコールを酸化するこ
とで調製してもよい。別法として、相応して置換されているフェノールを、例え
ば、アセテートを形成させ、アセトフェノンに、ついで所望の酸に変換すること
により、安息香酸を調製することもできる。
上記した中間体が新規化合物である場合、その化合物もまた本発明の一部を形
成する。
本発明の化合物の調製を、以下の調製例、記載例および実施例を用いて説明す
る。本発明の化合物の有用性は、実施例の後に記載の薬理学的データで明らかで
ある。
記載例1
(±)5−アミノ−2−ベンジル−1−メチル−1,2−ジヒドロイソキノリン
5−アミノイソキノリン(15g、104ミリモル)のアセトン(400ml
)中溶液に、臭化ベンジル(18.6ml、156ミリモル)を添加した。その
混合物を室温で2時間攪拌し、沈殿物を濾過し、橙色固体(8.64g)を得た
。さらに2時間後に、第2の収量物(4.02g)を濾過した。この臭化5−ア
ミノ−2
−ベンジル−イソキノリニウムン(8.46g)26.8ミリモル)の、アルゴン
下、0℃でのTHF(75ml)中溶液に、塩化メチルマグネシウム(17.8
9ml、56.6ミリモル)を滴下した。混合物を室温に加温し、2時間攪拌し
た。ついで、その混合物を塩化アンモニウム溶液に注ぎ、エーテルで抽出した。
有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮して明褐色固体の標記化合
物(5.0g)を得た。
記載例2
(±)5−アミノ−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン
5−アミノ−2−ベンジル−1−メチル−1,2−ジヒドロイソキノリン(4.
5g、17.9ミリモル)をエタノール(250ml)に溶かし;活性炭上10
%パラジウム触媒(1g)を加え、その混合物を外界圧で24時間水素添加した
。ついで触媒をキーゼルガー(Kieselguhr)を介する濾過により除去し、溶媒を
真空下で除去して褐色固体を得た。この残渣を5ないし10%メタノール−ジク
ロロメタンで溶出するカラムクロマトグラフィーに付した。関連するフラクショ
ンを合し、真空下で濃縮して褐色固体(1.26g)を得た。
記載例3
(±)5−アミノ−2−(t−ブトキシカルボニル)−1−メチル−1,2,3,4−
テトラヒドロイソキノリン
5−アミノ−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(0.39
g、2.4ミリモル)を1,4−ジオキサン(25ml)および水酸化ナトリウム
溶液(3M、0.8ml)に溶かし、氷浴中で冷却した。ジ炭酸ジ−t−ブチル(0
.53g、2.4ミリモル)を加え、混合物を室温で2時間攪拌した。ついで、該
混合物を水中に注ぎ、エーテルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥さ
せ、真空下で濃縮して白色固体(0.251g)を得た。
記載例4
(±)5−アミノ−1,2−ジヒドロ−1,2−ジメチルイソキノリン
5−アミノイソキノリン(25g、173ミリモル)をアセトン(500ml
)に溶かし、ヨウ化メチル(25ml、410ミリモル)を加えた。室温で1時
間攪
拌した後、橙色沈殿物を濾過し、アセトンで洗浄し、真空下で乾燥させて橙色固
体(40.3g)を得た。2時間後、第2の収量物を濾過し、橙色固体(0.84
g)を得た。このヨウ化5−アミノ−2−メチルイソキノリニウム(21.01
3g、73.19ミリモル)の、アルゴン下、0℃でのTHF(150ml)中
溶液に、塩化メチルマグネシウム(36.6ml、109.8ミリモル)を滴下し
た。この混合物を室温で2時間攪拌し、塩化アンモニウム中に注ぎ、エーテルで
抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮させて暗褐色油(
8.52g)を得た。
記載例5
(±)5−アミノ−1,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン
5−アミノ−1,2−ジヒドロ−1,2−ジメチルイソキノリン(4g、23.
2ミリモル)のメタノール(80ml)中氷冷溶液に、ホウ水素化ナトリウム(
3.51g、92.8ミリモル)を滴下した。混合物を室温で一夜攪拌して真空下
で濃縮し、残渣を水とジクロロメタンの間に分配した。有機層を硫酸ナトリウム
上で乾燥させ、真空下で濃縮して明褐色油(4.023g)を得た。
記載例6
7−ニトロ−2,4,4−トリメチル−4H−イソキノリン−1,3−ジオン
2,4,4−トリメチル−4H−イソキノリン−1,3−ジオン(5g、24.6
ミリモル)[H.Takechiら、Synthesis.1992,778に従って調製]を、0℃で濃
硫酸(50ml)に溶かした。発煙硝酸(2.5ml)を5分間にわたって滴下
し、反応物を25℃に加温した。25℃で30分間攪拌した後、反応混合物を氷
水(100ml)中に注ぎ、有機層をジクロロメタン(3x50ml)で抽出し
た。合した有機抽出液を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空下で蒸発させ、標
記化合物(5.31g、86%)を得た。
記載例7
7−アミノ−2,4,4−トリメチル−4H−イソキノリン−1,3−ジオン
7−ニトロ−2,4,4−トリメチル−4H−イソキノリン−1,3−ジオン(4
5g、20ミリモル)をメタノール(500ml)/ジクロロメタン(100ml)
の混合液に溶かし、10%Pd/C(0.5g)で処理した。反応混合物を2時間
水素添加し、セライト(Celite)を介して濾過することでパラジウム触媒を除去
した。濾液を真空下で蒸発乾固させて標記化合物(4.4g、定量)を得た。
記載例8
7−アミノ−2,4,4−トリメチル−4H−イソキノリン・塩酸塩
7−アミノ−2,4,4−トリメチル−4H−イソキノリン−1,3−ジオン(
4g、18.3ミリモル)をテトラヒドロフラン(400ml)に溶かし、還流
温度(〜61℃)に加熱した。ボロン−テトラヒドロフラン複合体(88ml、
THF中1M溶液)を該混合物に滴下し、加熱をさらに3時間続けた。冷却した
反応物(0℃)をメタノール(400ml)で滴下処理し、残りのボロンを破壊
し、つづいて真空下で蒸発させた。得られた残渣を3N塩酸(400ml)中還
流温度で3時間加熱した。混合物を0℃に冷却し、塩基性(pH9)となるまで
水酸化ナトリウムのペレットで処理した。遊離アミンをジクロロメタン(4x1
00ml)中に抽出し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空下で蒸発させた。
得られた明褐色油をジクロロメタン(50ml)に溶かし、酸性(pH2)になる
まで塩化水素(エーテル中1M溶液)で処理した。真空下で溶媒を除去し、つづ
いてエーテルでトリチュレーションし、灰白色粉末として標記化合物(3.3g
、79%)を得た。
記載例9
7−アミノ−3,4−ジヒドロイソキノリン
7−ニトロ−3,4−ジヒドロイソキノリン(0.60g、3.4ミリモル)[A.
P.Venkovら、Syn.Commun.,1996 26 127の操作に従って調製]をエタノール(1
00ml)に溶かし、60℃に加熱した。この熱溶液を塩化錫(II)・二水和物
(3.08g、13.7ミリモル)の濃塩酸(10ml)中溶液で処理した。得ら
れた混合物を60℃で1時間加熱した。冷却後、反応混合物を水(100ml)
中に注ぎ、水酸化カリウムのペレットで塩基性(pH9)とし、油状残渣を遊離
させた。この残渣をジクロロメタン中に抽出し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ
た。シリカゲル上、0.5%濃アンモニア:4.5%メタノール:95%ジクロロ
メタンで溶出する、クロマトグラフィーで精製し、暗黄色油としての標記化合物
(0.44g、88%)を得た。
記載例10
ヨウ化7−アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロイソキノリニウム
アセトン(125ml)中の7−アミノ−3,4−ジヒドロイソキノリン(0.
40g、2.74ミリモル)をヨードメタン(0.50ml、8.03ミリモル)
で処理し、室温で18時間攪拌を続けた。得られた黄色沈殿物を濾過で集め、真
空下、外界温度で乾燥させた(0.73g、92%)。
m/z(API)=161(M)+
記載例11
(±)7−アミノ−1,2−ジメチル−テトラヒドロイソキノリン
(±)ヨウ化7−アミノ−2−メチル−3,4−ジクロロイソキノリニウム(
0.50g、1.7ミリモル)を無水テトラヒドロフラン(50ml)に懸濁させ
、−78℃に冷却した。その冷却溶液に塩化メチルマグネシウム(2.14ml
、TH
F中3M溶液、6.96ミリモル)を一度に加えて処理した。反応物を18時間
にわたって室温にし、水(50ml)中に注いだ。有機溶媒を真空下で除去し、
有機生成物をジクロロメタン中で抽出した。硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真
空下で蒸発させて淡黄色油としての標記化合物(0.3g、98%)を得た。操
作を容易にするために、生成物をモノ塩酸塩に変換した。記載例12
(±)1−メチル−7−ニトロ−3,4−ジヒドロイソキノリン
(±)1−メチル−3,4−ジヒドロイソキノリン(2.57g、17.7ミリモ
ル)の濃硫酸(10ml)中溶液を、硝酸カリウム(1.93g、19.1ミリモ
ル)の、−5℃での濃硫酸(10ml)中攪拌混合物に滴下した。混合物を2時
間にわたって室温とし、60℃で4時間加熱した。反応混合物を氷水(100m
l)中に注ぎ、水酸化カリウムのペレットで塩基性(pH9)とした。ジクロロ
メタン(3x50ml)中で抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下
で蒸発させて粗生成物を得た。シリカゲルを介して、0.5%0.88NH3:4.
5%CH3OH:95%CH2Cl2で溶出する、クロマトグラフィーに付して精製
し、暗褐色油として標記化合物(1.92g、57%)を得た。
記載例13
(±)7−アミノ−1−メチル−3,4−ジヒドロイソキノリン
(±)1−メチル−7−ニトロ−3,4−ジヒドロイソキノリン(2.0g、1
0.5ミリモル)をエタノール(150ml)に溶かし、60℃に加熱して、塩化錫
(II)・
二水和物(9.5g、42.1ミリモル)の濃塩酸(30ml)中溶液で処理した
。得られた混合物を60℃で1時間加熱した。冷却後、反応混合物を水(200
ml)中に注ぎ、水酸化カリウムのペレットで塩基性(pH9)とし、油状残渣
を遊離させた。この残渣をジクロロメタン中で抽出し、硫酸マグネシウム上で乾
燥させた。シリカゲルを介し、0.5%0.88NH3:4.5%CH3OH:95
%CH2Cl2で溶出する、クロマトグラフィーに付して精製し、暗褐色油として
の標記化合物(0.93g、55%)を得た。
記載例14
(±)ヨウ化7−アミノ−1,2−ジメチル−3,4−ジヒドロイソキノリニウム
アセトン(125ml)およびヨードメタン(1.0ml、16ミリモル)中
の(±)7−アミノ−1−メチル−3,4−ジヒドロイソキノリン(0.90g、
5.6ミリモル)を室温で18時間攪拌した。得られた沈殿物を濾過で集め、真
空下、外界温度で乾燥させた。標記化合物を橙色粉末(1.44g、85%)と
して単離した。
m/z(API):175(M)+
記載例15
7−アミノ−1,1,2−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン
ヨウ化7−アミノ−1,2−ジメチル−3,4−ジヒドロイソキノリニウム(1
.44g、4.8ミリモル)をTHF(200ml)に懸濁させ、−78℃に冷却
し、塩化メチルマグネシウム(10ml、THF中3M溶液)を一度に加えて処
理した。反応物を18時間にわたって室温とし、水(200ml)中に注いだ。
有機溶媒を真空下で除去し、得られた油状残渣をジクロロメタン(3x50ml
)中で抽出した。真空下で蒸発させ、シリカゲルを介し、0.5%0.88NH3
:4.5%CH3OH:95%CH2Cl2で溶出するクロマトグラフィーに付し、
黄色油として標記
化合物(0.07g、8%)を得た。操作を容易にするために、生成物をモノ塩
酸塩とした。調製例1
3−クロロ−4−イソ−プロボキシ安息香酸メチル
DMF(45ml)中の3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸メチル(5g、
26.8ミリモル)を炭酸カリウム(7.41g、53.6ミリモル)、2−ヨー
ドプロパン(3.85ml、40.2ミリモル)で処理し、25℃で18時間攪拌
した。酢酸エチルで後処理し、標記化合物(6.1g)を得た。
調製例2
3−クロロ−4−イソ−プロポキシ安息香酸
3−クロロ−4−イソ−プロポキシ安息香酸メチル(5.5g、24.1ミリモ
ル)をメタノール(80ml)中1M水酸化ナトリウム(36ml)を用いて加
水分解した。酢酸エチルを用いて抽出および後処理に付し、標記化合物(4.3
g)を得た。
調製例3
3−ブロモ−4−エトキシ安息香酸
操作例1の方法と同様の方法にて、4−エトキシ安息香酸より標記化合物を得
た。
調製例4
3−ブロモ−4−エチル安息香酸
操作例1の方法と同様の方法にて、4−エチル安息香酸より標記化合物を得た
。
調製例5
3−シアノ−4−イソ−プロピル安息香酸
操作例1および5の方法と同様の方法にて、4−イソ−プロピル安息香酸より
標記化合物を得た。
調製例6
4−メトキシ−3−トリフルオロメチル安息香酸
操作例3および4の方法と同様の方法にて、3−ブロモ−4−メトキシ安息香
酸およびトリフルオロ酢酸カリウムより標記化合物を得た。
調製例7
塩化4−メトキシ−3−トリフルオロメチルベンゾイル
標記化合物を、4−メトキシ−3−トリフルオロメチル安息香酸と、室温での
クロロホルム中の塩化オキサリルおよびDMFとから調製し、つづいて真空下で
蒸発させた。
操作例1
5−ブロモ−2,4−ジメトキシ安息香酸
2,4−ジメトキシ安息香酸(4.0g、0.022モル)のクロロホルム(6
0
ml)中溶液に、クロロホルム(20ml)中の臭素(1.13ml、0.022
モル)を滴下した。室温で一夜攪拌した後、沈殿物を濾過し、乾燥させて白色固
体の標記化合物(2.87g)を得た。
操作例2
5−ブロモ−4−イソ−プロピル−2−メトキシ安息香酸
2−メトキシ−4−イソ−プロピル安息香酸(7.0g、36.0ミリモル)の
クロロホルム(100ml)中溶液に、クロロホルム(20ml)中の臭素(1
.86ml)を滴下した。反応物を室温で一夜攪拌した。真空下で蒸発させて油
状物(9.27g)を得た。
m/z(CI):275、273(MH+;70%)
操作例3
5−ブロモ−4−イソ−プロピル−2−メトキシ安息香酸メチル
5−ブロモ−4−イソ−プロピル−2−メトキシ安息香酸(9.268g、3
4.0ミリモル)をエタノール(250ml)に溶かし、濃硫酸(2ml)を加
えた。混合物を5時間還流し、真空下で濃縮した。残りの物質を酢酸エチルおよ
び水に溶かし、有機層を乾燥(硫酸マグネシウム)させた。真空下で濃縮して油
状物を得、それをシリカゲル上のヘキサン中10%エーテルを用いる、バイオテ
ージ・カラム・クロマトグラフイー(Biotage Column Chromatography)に付して
精製し、油状物(5.5g)を得た。
操作例4
2,4−ジメトキシ−5−トリフルオロメチル安息香酸
DMF(25ml)およびトルエン(8ml)中、アルゴン下の、2,4−ジ
メトキシ−5−ブロモ安息香酸メチルエステル(1.5g;5.4ミリモル)を、
トリフルオロ酢酸カリウム(1.53g;10.1ミリモル)およびヨウ化銅(I
)(2.1g、10.9ミリモル)で処理した。混合物を水を除去しながら(Dean
/Stark)170℃に加熱し、ついで155℃で一夜加熱した。混合物を冷却し
、エーテルおよび水中に注ぎ、キーゼルガーを介して濾過した。有機層を乾燥(
硫酸ナトリウム)させ、真空下で濃縮して褐色固体を得た。キーゼルゲル60(K
ieselgel 60)上、
エーテル/ペトロール(1:1)を用いるクロマトグラフィーに付して白色固体(1.
03g)を得、それをメタノール性:水性水酸化ナトリウム(50ml)中にて
50℃で加水分解した。後処理を行い、白色固体の標記化合物(1g)を得た。
操作例5a
2−メトキシ−5−シアノ−4−イソ−プロピル安息香酸メチル
シアン化銅(I)(550mg、6ミリモル)を、2−メトキシ−5−ブロモ
−4−イソ−プロピル安息香酸メチル(861mg)のN−メチル−2−ピロリ
ジノン(30ml)中溶液に添加した。混合物をアルゴン下で攪拌し、還流温度
の下で4時間沸騰させた。その混合物を冷却し、過剰量の氷/水および酢酸エチ
ル中に注ぎ、濾過した。有機相を分離し、水、ブラインで洗浄し、乾燥(硫酸マ
グネシウム)させた。蒸発させて粗製褐色固体を得、それをシリカゲル上酢酸エ
チル/n−ヘキサン(1:4)で溶出するクロマトグラフィーに付して精製した
。生成物を白色固体(523mg)として得た。
操作例5b
2−メトキシ−5−シアノ−4−イソ−プロピル安息香酸
2N水酸化ナトリウム(1.25ml)をメチルエステルP5a(490mg
)のメタノール(10ml)中溶液に添加した。その溶液を室温で一夜攪拌した
。ついで、その溶液を水で希釈し、真空下で濃縮し、酢酸エチルで洗浄した。つ
いで、水相を2N塩酸で酸性化し、酢酸エチルで抽出した。抽出液をブラインで
洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)させ、蒸発乾固させて白色固体の生成物(4
18mg)を得た。操作例6a
2−エトキシ−4−イソ−プロピル−5−シアノ安息香酸エチル
2−エトキシ−4−イソ−プロピル−5−ブロモ安息香酸エチル(1.2g、
3.8ミリモル)を、操作例5に記載されるように、シアン化銅(I)(682
mg、7.6ミリモル)とN−メチル−2−ピロリジノン(40ml)中で反応
させ、油状物の標記化合物(400mg)を得た。
操作例6b
2−エトキシ−4−イソ−プロピル−5−シアノ安息香酸
エステルP6a(370mg、1.41ミリモル)をメタノール(5ml)に
溶かし、24時間にわたって1N水酸化ナトリウム(2.1ml、2.1ミリモル
)を加えた。溶液を真空下で濃縮し、水で希釈し、酢酸エチルで洗浄した。水相
を2N塩酸で酸性化し、酢酸エチルで抽出した。抽出液をブラインで洗浄し、乾
燥(硫酸マグネシウム)させ、蒸発させて標記した酸(306mg)を得た。
操作例7
4−エトキシ−2−メトキシ−5−メチルスルホニル安息香酸
4−エトキシ−2−メトキシ−5−クロロスルホニル安息香酸(収率49%)
を、M.W.Harroldら、J.Med.Chem.,1989,32 874の操作に従って49%収率に
て調製した。この化合物をR.W.Brown、J.Org.Chem.,1991,56,4974の方法に
従って用い、標記化合物を19%収率にて得た。
操作例8
4−イソ−プロピル−2−メトキシ−5−メチルスルホニル安息香酸
この化合物を、C.Hansch、B.Schmidhalter、F.Reiter、W.Saltonstall、J.Org
.Chem.,1956,21,265の操作と同様の方法にて、中間体として5−クロロスル
ホニル−4−イソプロピル−2−メトキシ安息香酸を得、それを操作例7の方法
を用いて標記化合物に変換して調製した。
実施例1
(a)(±)2−(t−ブトキシカルボニル)−N−(1−メチル−1,2,3,4−テ
トラヒドロイソキノリン−5−イル)−5−クロロ−4−エトキシ−2−メトキ
シベンズアミド
5−アミノ−2−(t−ブトキシカルボニル)−1−メチル−1,2,3,4−テト
ラヒドロ−イソキノリン(0.251g、0.9ミリモル)のジクロロメタン(8
ml)およびトリエチルアミン(0.75ml)中溶液に、塩化5−クロロ−4
−エトキシ−2−メトキシベンゾイル(0.262g、1.05ミリモル)を加え
、その混合物を室温で一夜攪拌した。ジクロロメタンでさらに希釈した後、その
混合物を炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥
させ、真空下で濃縮させて灰白色固体を得た。ついで、この物質を酢酸エチルお
よびペトロールから再結晶に付し、白色固体(0.124g)を得た。
(b)(±)N−(1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−5−イ
ル)−5−クロロ−4−エトキシ−2−メトキシベンズアミド・トリフルオロ酢
酸塩
上記したboc保護化合物(0.124g、0.47ミリモル)の、0℃でのジ
クロロメタン(5ml)中溶液に、トリフルオロ酢酸(0.37ml)を滴下し
た。その溶液を室温で3時間攪拌し、ついで溶媒を真空下で除去して灰白色固体
(0.192g)を得た。
実施例2
(±)N−(1,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−5−
イル)−5−ブロモ−2,4−ジメトキシ−ベンズアミド・塩酸塩
実施例1と同様の方法にて、5−アミノ−1,2−ジメチル−1,2,3,4−テ
トラヒドロイソキノリンおよび2,4−ジメトキシ−5−ブロモ安息香酸から標
記化合物を調製した。粗生成物をメタノールおよび酢酸エチルから再結晶し、白
色固体(101mg)を得た。
実施例3
(±)N−(1,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−5−
イル)−5−クロロ−4−エトキシ−2−メトキシベンズアミド・塩酸塩
実施例1と同様の方法にて、5−アミノ−1,2−ジメチル−1,2,3,4−テ
トラヒドロイソキノリンおよび5−クロロ−4−エトキシ−2−メトキシ安息香
酸から標記化合物を調製した。粗生成物をメタノールおよび酢酸エチルから再結
晶し、淡褐色固体(319mg)を得た。 以下の実施例は上記した方法と同様の方法を用いて調製した。
実施例4
(±)N−(1,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−5−
イル)−5−クロロ−4−イソ−プロポキシ−2−メトキシベンズアミド・塩酸
塩
実施例5
(±)N−(1,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−5−
イル)−4−tert−ブチル−2−メトキシ−ベンズアミド・塩酸塩
実施例6
(±)N−(1,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−5−
イル)−5−トリフルオロメチル−2−メトキシ−4−メチル ベンズアミド・塩
酸塩実施例7
N−(2,4,4−トリメチル−4H−イソキノリン−7−イル)−4−メトキシ−
3−トリフルオロメチルベンズアミド・塩酸塩
ジクロロメタン(10ml)中のアミン塩酸塩D8(226mg、1.0ミリ
モル)を、塩化4−メトキシ−3−トリフルオロメチルベンゾイル(283mg
、1.0ミリモル)およびトリエチルアミン(0.4ml、2.9ミリモル)と続
けて処理した。その混合物を25℃で18時間攪拌し、真空下で蒸発させた。得
られた残渣をシリカゲル上のアンモニア:メタノール:ジクロロメタン(0.5
%濃アンモニア:4.5%メタノール:95%ジクロロメタン)で溶出するクロ
マトグラフィーに付して精製した。標記化合物を灰白色泡沫体(337mg、8
6%)として得、それを塩酸塩に変換した。
実施例8
N−(2,4,4−トリメチル−4H−イソキノリン−7−イル)−3−シアノ−4
−イソ−プロピルベンズアミド
塩化3−シアノ−4−イソ−プロピルベンゾイルを用い、実施例7と同様の方
法にて調製し、70%収率にて単離した。実施例9
N−(2,4,4−トリメチル−4H−イソキノリン−7−イル)−3−ブロモ−4
−エチルベンズアミド
塩化3−ブロモ−4−エチルベンゾイルを用い、実施例7と同様の方法にて調
製し、収率89%にて単離した。
実施例10
N−(2,4,4−トリメチル−4H−イソキノリン−7−イル)−3−ブロモ−4
−エトキシベンズアミド
ジクロロメタン(10ml)中のアミン塩酸塩D8(226mg、1.0ミリ
モル)を、塩化3−ブロモ−4−エトキシベンゾイル(270mg、1.0ミリ
モル)およびトリエチルアミン(0.4ml、2.9ミリモル)と続けて処理した
。その混合物を25℃で18時間攪拌し、真空下で蒸発させた。得られた残渣を
シリカゲル上のアンモニア:メタノール:ジクロロメタン(0.5%0.88アン
モニア:4.5%メタノール:95%ジクロロメタン)で溶出するクロマトグラ
フィーに付して精製した。標記化合物を灰白色泡沫体(291mg、70%)と
して得た。 標記化合物の一部をその塩酸塩に変換した。
実施例11
N−(2,4,4−トリメチル−4H−イソキノリン−7−イル)−3−クロロ−4
−イソ−プロポキシベンズアミド
塩化3−クロロ−4−イソ−プロポキシベンゾイルを用い、実施例7と同様の
方法にて調製し、収率84%にて単離した。
実施例12
(±)N−(1,2−ジメチル−4H−イソキノリン−7−イル)−3−ブロモ−
4−エチルベンズアミド
ジクロロメタン(10ml)中の(±)7−アミノ−1,2−ジメチル−テトラ
ヒドロイソキノリン・モノ塩酸塩(0.106g、0.50ミリモル)を、塩化3
−ブロモ−4−エチルベンゾイル(0.124g、0.50ミリモル)およびトリ
エチルアミン(0.3ml、2.2ミリモル)と続けて反応させた。その混合物を
室温で18時間攪拌した。真空下で蒸発させて油状残渣を得、それをシリカゲル
を介する0.5%濃アンモニア:4.5%メタノール:95%ジクロロメタンで溶
出するクロマトグラフィーに付して精製した。標記化合物を灰白色泡沫体(0.1
49g、77%)として得た。
実施例13
(±)N−(1,2−ジメチル−4H−イソキノリン−7−イル)−3−ブロモ−
4−
エトキシベンズアミド
塩化3−ブロモ−4−エトキシベンゾイルを用い、実施例12の記載に従って
調製し、収率90%にて単離した。
実施例14
N−(1,1,2−トリメチル−4H−イソキノリン−7−イル)−4−メトキシ−
3−トリフルオロメチルベンズアミド
実施例12の方法と同様の方法にて、7−アミノ−1,1,2−ドリメチル−テ
トラヒドロイソキノリン・モノ塩酸塩(0.077g、0.3ミリモル)および塩
化3−トリフルオロメチル−4−メトキシベンゾイル(0.083g)0.3ミリ
モル)から、灰白色泡沫体として標記化合物(0.132g、99%)を調製し
た。
薬理学的データ
1.結合アッセイ法
WO92/22293(SmithKline Beecham)には、抗痙攣薬活性を有する化
合物、とりわけ、トランス−(+)−6−アセチル−4S−(4−フルオロベン
ゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラ
ン−3R−オール(以下、化合物Aという)が開示されている。WO92/22
293の
化合物は、WO96/18650(SmithKline Beecham)に記載されるように、
ラット前脳組織から得られる新規レセプターに結合することがわかっている。試
験化合物のその新規レセプター部位に対するアフィニティーを次のように評価す
る。
方法
全前脳組織をラットから得る。最初に、組織をバッファー(通常、50mMト
リス/HCl,pH7.4)中でホモジナイズする。ホモジナイズされた組織を
遠心分離により洗浄し、同じバッファーに再び懸濁させ、使用するまで−70℃
で貯蔵する。
放射性リガンド結合アッセイを行うために、上記のごとく調製した組織のアリ
コート(通常、1〜2mgタンパク質/mlの濃度)を、バッファーに溶かした
[3H]−化合物Aのアリコートと混合する。混合物中の[3H]−化合物Aの最
終濃度は、通常、20nMである。混合物を室温で1時間インキュベーションす
る。ついで、Whatman GF/Bガラスファイバーフィルターでの濾過により、組織結
合[3H]−化合物Aを未結合[3H]−化合物Aから分離する。ついで、フィル
ターを氷冷バッファーで速やかに洗浄する。液体シンチレーションカクテルをフ
ィルターに添加し、つづいて、液体シンチレーションカウンターで計数すること
により、フィルター上にトラップされた組織結合の放射活性量を測定する。
[3H]−化合物Aの「特異的」結合量を測定するために、未標識化合物A(
通常、3μM)の存在下で[3H]−化合物Aおよび組織を一緒にインキュベー
ションするパラレルアッセイを行う。この未標識化合物の存在下で残っている[3
H]−化合物Aの結合量を「非特異的」結合と定義する。この量を[3H]−化
合物A全結合量(すなわち、未標識化合物不存在下での結合量)から差し引いて
、[3H]−化合物Aの新規部位への「特異的」結合量を得る。
一連の濃度の試験すべき化合物の存在下で、[3H]−化合物Aおよび組織を
一緒にインキュベーションすることにより、試験化合物の新規部位への結合アフ
ィニティーを評価することができる。試験下にある化合物の濃度を上昇させるこ
とによる競合の結果として特異的[3H]−化合物Aの結合レベルの低下をグラ
フにプロットし、得られた曲線の非線形回帰分析を用い、pKi値に換算して化
合物のアフィ
ニティーの評価を行う。
結果
本発明の化合物はこの試験において活性であった。例えば、実施例1ないし1
4の化合物は7よりも大きいpKi値を示した。
2.MEST試験
齧歯動物における最大電気ショック痙攣閾値(MEST)試験は、潜在的な抗
痙攣薬特性を検出する場合に特に高感度である1。この実験において、抗痙攣薬
は、電気的に誘発された痙攣に対する閾値を上昇させるが、前痙攣薬(proconvul
sants)は痙攣閾値を低下させる。
マウス実験についての方法
マウス(無処理の雄、英国,Charles River,CD−1系統、体重25〜30
g)を無作為に一群10〜20匹の群に分け、種々の投与量の化合物(0.3〜
300mg/kg)またはビヒクルを10ml/kgの容量で経口または腹腔内
投与する。ついで、投与30または60分後に、角膜電極を介してマウスに電気
ショック(0.1秒、50Hz、正弦波形)を1回与える。特定の処理群におけ
る50%のマウスに緊張性痙攣を誘発するのに必要な平均電流(CC50)および
標準偏差を、DixonおよひMood(1948)の「アップ・アンド・ダウン」法2により
決定する。LitchfieldおよびWilcoxon(1949)の方法3を用いてビヒクル群およ
び薬剤処理群の統計学的比較を行う。
対照動物において、CC50は、通常、14〜18mAである。それゆえ、対照
群の最初の動物に16mAの電流を与える。緊張性痙攣が確認されない場合、次
のマウスに対して電流を増加させる。緊張性痙攣が起これば、電流を減少させ、
群のすべての動物を試験するまでその操作を行う。
研究は、通常、0〜300mAのショックレベルで、2mA刻みで全体として
可変的に制御される、Hugo Sachs Elecrtonik Constant Current Shock Generat
orを使用して行われる。
結果
本発明の化合物をメチルセルロース中の懸濁液として経口経路にょり10mg
/kgで投与し、投与の1時間後に試験し、発作閾値の上昇を示した。容量10
mg/kg/経口投与で、2時間後、実施例4、5および6の化合物は、各々、
47,46および36%の%増加を示した。
ラット実験についての方法
雄ラット(Sprague Dawley、体重80−150g、6週齢)における最大(緊
張性後脚伸長)電気ショック痙攣閾値を、一定電流(0.3秒間;1−300m
Aを5−20mA刻みで流す)を流す、Hugo Sachs Electronik刺激装置で測定
した。その操作はマウスについて記載されている操作と同様であり、詳細はUpto
nら4により開示されているとおりである。
各群を対照と比較した場合のCC50の増加または減少%を算定する
薬物を1%メチルセルロースに懸濁させる。
結果
2mg/kg経口投与の投与量で、2時間後、実施例7ないし11の化合物は
表に列挙する増加を示す。
表
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
A61P 25/08 A61P 25/08
25/14 25/14
25/16 25/16
25/18 25/18
25/20 25/20
25/22 25/22
25/24 25/24
25/28 25/28
25/30 25/30
C07D 217/02 C07D 217/02
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M
W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY
,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM
,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,
CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E
S,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU,ID
,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,
LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M
G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT
,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,
TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,V
N,YU,ZW
(72)発明者 オーレック,バリー・シドニー
イギリス、シーエム19・5エイダブリュ
ー、エセックス、ハーロウ、サード・アベ
ニュー、ニュー・フロンティアーズ・サイ
エンス・パーク・サウス、スミスクライ
ン・ビーチャム・ファーマシューティカル
ズ
(72)発明者 トンプソン,マービン
イギリス、シーエム19・5エイダブリュ
ー、エセックス、ハーロウ、サード・アベ
ニュー、ニュー・フロンティアーズ・サイ
エンス・パーク・サウス、スミスクライ
ン・ビーチャム・ファーマシューティカル
ズ