JP2001512745A - インスリンc−ペプチドの組換え発現 - Google Patents

インスリンc−ペプチドの組換え発現

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、インスリンC−ペプチドを製造する方法において、インスリンC−ペプチドの多重コピーからなるマルチマーポリペプチドを宿主細胞中で発現させ、上記発現ポリペプチドを切断してインスリンC−ペプチドの単一コピーを放出させることからなる方法を提供する。また、このような方法に使用するための核酸分子、発現ベクターおよび宿主細胞、ならびにこのような方法で発現されたおよび切断されたマルチマーインスリンC−ペプチドが提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】
本発明はインスリンC−ペプチドをコードする遺伝子配列のマルチマーコピー
よりなる組換えDNA分子からのインスリンC−ペプチドの製造に関する。
【0002】
【背景技術】
インスリンは血糖レベルの調節に関与するタンパク質ホルモンである。インス
リンは肝臓においてインスリンのBおよびA鎖が連結C−ペプチドを介して互い
に連結して構成されるその前駆物質プロインスリンとして産生される(以下プロ
インスリン分子に由来するこのC−ペプチドは、「インスリンC−ペプチド」と
呼ぶ)。インスリン自体はB鎖およびA鎖のみからなる。いくつかの最近の研究
はC−ペプチドに臨床的関連があることを示している(Johanssonら, Diabetolo
gia35: 121-128, 1992 および J.Clin.Endocrinol.Metab. 77, 976-981, 1993)
。内因性C−ペプチドを欠く1型糖尿病の患者では、このペプチドの投与が腎機
能を改善し、筋肉およびグルコース利用を刺激し、血液−網膜関門の機能を改善
する(Johanssonら, 1992 および 1993, 前出)。
【0003】 まだ広く確認されているわけではないが、医療分野におけるインスリンC−ペ
プチドの治療的有用性は次第に知られるようになっている。したがって、インス
リンC−ペプチドの経済的かつ効率的な容易な合成方法の必要性がある。ペプチ
ドの化学的合成方法、たとえば固体支持体上におけるアミノ酸の段階的な付加に
よる方法は、現在では十分に開発され自動化されてはいるが、依然として時間が
かかり、特に重要な点は実施に経費がかかり、また、経済的で合成可能な信頼で
きる最大のペプチドの長さという点においては制限される。別法として組換えD
NAの発現によるペプチドの産生方法が開発されているが、これらにもたとえば
収率の点などで欠点がないわけではない。
【0004】 インスリンC−ペプチドの現在の製造スキームは、インスリンとC−ペプチド
の前駆体分子、プロインスリンの、通常はトリプシンおよびカルボキシペプチダ
ーゼBによるプロセッシングに基づくものである(Nilssonら, J.Biotechnol. 4
8:241-250, 1996;Jonassonら, Eur.J.Biochem. 236: 656-661, 1996)。プロイ
ンスリンは大腸菌内で高レベルに発現可能な融合タンパク質として製造され、こ
の融合タンパク質は融合パートナーがプロインスリンのインスリンとC−ペプチ
ドへのプロセッシングによって同時に切断できる方法によって操作されている。
プロインスリンは、IgG(免疫グロブリン)に結合するスタフィロコッカスの プロテインAに由来する合成の親和性融合タグ、ZZとの融合タンパク質として
製造される(Nilssonら, Prot.Eng, 1: 107-113, 1987)。この融合タグは、そ のタンパク分解に対する安定性、そのIgG−結合能力、その高い発現レベルお よび溶解性によって選択された。選択された製造戦略は、封入体の可溶化および
続いて再生ののちに、ZZ親和性タグの切断および除去のための付加的な単位操
作を行わないで、効率的な精製に親和性タグの使用を可能にした。タグは、プロ
インスリンのインスリンおよびC−ペプチドへのトリプシン/カルボキシペプチ
ダーゼB消化により同時に切断されることが証明された。しかしながら、大きな
融合タンパク質の発現による小さなペプチドの産生は、最終生成物が発現遺伝子
産物の小部分を構成するにすぎないので、一般的に収率はかなり低い。
【0005】 Shen は Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 81: 4627-4631, 1984 に、プロインスリ ンポリペプチドドメインの多重縦列連結コピーからなる融合または非融合遺伝子
産物の発現によるヒトプロインスリンの製造方法を記載している。この遺伝子産
物はシアノーゲンブロミド処理によって単一のプロインスリン単位に切断するこ
とができる。ヒトインスリンはプロインスリン単位のトリプシン/カルボキシペ
プチダーゼによる切断で調製できると提案されている。しかしながら、インスリ
ンC−ペプチドの収率の改良の問題は処理されていない。
【0006】 したがって、非融合生成物としてのインスリンC−ペプチドの収率を改良する
組換え発現方法の必要性が残されている。本発明はこの必要性を課題とする。
【0007】 本発明は、ペプチドの組換え発現の現存する方法の改良を探求し、本質的には
単一遺伝子産物として、標的ペプチド(インスリンC−ペプチド)の多重コピー
をもつマルチマー(すなわちマルチマーポリペプチド)を発現させ、ついでこの
ようなマルチマー遺伝子産物(すなわちマルチマーポリペプチド)を切断し標的
ペプチドを個々のモノマー単位として放出させることにより標的ペプチド(この
場合インスリンC−ペプチド)の発現量を増加させるとの考え方に基づいている
【0008】
【発明の開示】
したがって一態様において、本発明は、インスリンC−ペプチドの製造方法に
おいて、上記インスリンC−ペプチドの多重コピーからなるマルチマーポリペプ
チドを宿主細胞内において発現させ、上述の発現したポリペプチドを切断して、
インスリンC−ペプチドの単一コピーを放出させる(すなわち、マルチマーから
インスリンC−ペプチドモノマーを放出させる)ことからなる方法を提供する。
【0009】 マルチマーポリペプチド(遺伝子産物)はインスリンC−ペプチドをコードす
るヌクレオチド配列の多重コピーからなる遺伝子構築体(換言すれば核酸分子)
によりコードされる。多重コピーもしくはリピートは、構築体中において、それ
らが単一のマルチマー遺伝子産物(すなわち、マルチマーポリペプチド)と一緒
に転写および翻訳されるように連結される。すなわち、たとえば構築体中で読み
取り枠がマッチするように多重ヌクレオチド配列が連結される「読み取りフォー
マット」に連結される。本質的には遺伝子構築体(核酸分子)はインスリンC−
ペプチドをコードするヌクレオチド配列のコンカテマーから構成されるのが有利
である。好ましくは遺伝子構築体はコードされたヌクレオチド配列の縦列コピー
から構成される。したがって、このような遺伝子構築体が調製され、ついで標準
方法によって宿主細胞中に導入され、発現される。発現した遺伝子産物(ポリペ
プチド)は、ついで回収され、切断されて、インスリンC−ペプチドモノマーを
放出する。
【0010】 したがって、本発明のさらに他の態様においては、インスリンC−ペプチドを
コードするヌクレオチド配列の多重コピーからなる核酸分子を含有する宿主細胞
を上記核酸分子のマルチマーポリペプチドが発現する条件下に培養し、ついで、
上記発現ポリペプチドを切断して上記インスリンC−ペプチドの単一コピーを放
出させることからなるインスリンC−ペプチドの製造方法を提供する。
【0011】 本明細書で用いられる「多重」または「マルチマー」なる語は、インスリンC
−ペプチドまたはそれをコードするヌクレオチド配列の2またはそれ以上、好ま
しくは2〜50、2〜30または2〜20、さらに好ましくは2〜15または2
〜10のコピーを意味する。更なる例示的範囲には3〜20、3〜15または3
〜10も包含される。
【0012】 構築体は3またはそれ以上のコピーたとえば3〜7または5〜7のインスリン
C−ペプチドをコードするヌクレオチド配列のコピーからなるのが便利である。
7またはそれ以上の範囲たとえば7〜30、7〜20または7〜15も有用であ
る。
【0013】 本明細書において使用される「インスリンC−ペプチド」なる語は、ネイティ
ブなまたは合成のペプチドを包含するすべての型のインスリンC−ペプチドを包
含する。このようなインスリンC−ペプチドは、ヒトペプチドであってもまた他
の種および属の動物好ましくは哺乳動物からのペプチドであってもよい。すなわ
ちネイティブなインスリンC−ペプチドの変異体および修飾体も、それらがイン
スリンC−ペプチドの活性を維持する限り包含される。インスリンC−ペプチド
は、それらのネイティブな型、すなわち天然に他の種において見られるもしくは
幾何的変異等により異なる対立遺伝子変異体として、あるいは、それらのアミノ
酸のたとえば先端切除(たとえば、N−もしくはC−末端または両者から)また
は他のアミノ酸の欠失、付加もしくは置換により異なるそれらの機能的に均等な
変異体または誘導体として発現されてもよい。タンパク質またはペプチドの配列
の修飾は、それらの有用な活性を維持して、当該分野において標準であり文献に
広く記載されている方法、たとえば核酸等のランダムまたは部位特異的突然変異
誘発、切断およびライゲションーを用いて達成されることが周知である。すなわ
ち、ネイティブなインスリンC−ペプチド配列の機能性に均等な変異体または誘
導体は当該分野で周知の技術により容易に製造が容易であり、機能性、たとえば
ネイティブなインスリンC−ペプチドの生物活性を有するペプチド配列が包含さ
れる。すなわち、このような活性の語では、たとえばインスリンC−ペプチドは
、C−ペプチドについて報告されている治療活性たとえば糖尿病の処置または糖
尿病合併症たとえば糖尿病神経症、腎症および網膜症の処置または予防の各種治
療活性の基底にあるNa++ATPase刺激活性を有することが知られている。ネ
イティブなもしくは合成のインスリンC−ペプチド配列のフラグメントもまた、
それらが由来し、したがって同様に包含されるペプチドの所望の機能的活性を有
する。特に Wahrenらにより WO 98/13384 に記載されたインスリンC−ペプチ ドフラグメントを挙げることができる。このようなインスリンC−ペプチドのす
べての類縁体、変異体、誘導体またはフラグメントは、特に本発明の範囲内に包
含され、「インスリンC−ペプチド」の語のもとに包括される。
【0014】 ネイティブなヒトインスリンC−ペプチドを使用するのが便利で、このペプチ
ドは図2Cに示す(配列番号:1)。
【0015】 本発明の方法のさらに好ましい実施態様においては、遺伝子構築体はさらに、
たとえば、遺伝子発現の生成物のプロセッシング時に用いられるマトリックスに
結合できる融合パートナー(融合タグ)をコードする配列からなる。
【0016】 「融合パートナー」なる語は、その性質が発現した融合生成物の更なるプロセ
ッシングに使用することができるインスリンC−ペプチドと連続して翻訳される
任意のタンパク質もしくはペプチド分子またはその誘導体もしくはフラグメント
を意味する。
【0017】 融合パートナーとマトリックスの間の相互作用は、親和性、キレートペプチド
、疎水性もしくは電荷相互作用または当該分野で周知の任意の他の機構に基づく
ものである。融合パートナーは親和性結合パートナーまたはリガンドのペアの一
方、たとえばタンパク質、ポリペプチド、またはリガンドに選択的もしくは特異
的に結合もしくは反応できるペプチド配列であるのが便利である。適当な融合パ
ートナーにはたとえば、ストレプトコッカスのプロテインGおよびスタフィロコ
ッカスのプロテインAならびにそれらの誘導体、β−ガラクトシダーゼ、グルタ
チオン-S-トランスフェラーゼおよびアビジンまたはストレプトアビジン、また
は免疫グロブリンG、基質類縁体または抗体およびビオチンのそれぞれと強力な
親和性を有する上述の任意のタンパク質のフラグメントまたは誘導体が包含され
る。このような相互作用は融合タンパク質生成物を複雑な混合物から精製するた
めに使用することができる。プロテインAのZZフラグメント(Nilssonら, 前 出参照)は使用できるタンパク質フラグメントの一例である。ヒスチジンペプチ
ドはそれらが金属イオン、たとえばZn2+,Cu2+またはNi2+に結合し、溶出は pHを下げるか、またはEDTAによって実施できるので、融合パートナーとし
て使用することができる(Ljungquistら, Eur.J.Biochem. 186: 563-569, 1989 )。特に好ましいポリペプチド融合パートナーは、ストレプトコッカスのプロテ
インG(SpG)に由来する25kDaの血清アルブミン結合領域(BB)である か(Nygrenら, J.Mol.Recogn. 1: 69-74, 1988)または他のSpG−誘導アルブ ミン結合タグ(Stahl & Nygren, Path.Bio. 45: 66-76, 1997)である。Obergら
は、所望の生成物のBBとの融合タンパク質としての発現のための遺伝子フラグ
メントの挿入に適した発現ベクター,pTrp BB(配列番号:14)について を報告している(Proceedings of the 6th European Congress on Biotechnolog
y 179-182,1994)。これらの融合パートナーは、アルブミンに対して強力な親和
性を有し、したがって発現した融合タンパク質の精製は、たとえばアルブミンを
充填したカラムを用いるリガンド親和性クロマトグラフィーに基づいて実施でき
る。アルブミンは固体支持体上に固定化することが好ましい。
【0018】 切断工程、すなわちマルチマーポリペプチド、すなわち発現した遺伝子産物、
および存在すれば所望により融合パートナーからのモノマーインスリンC−ぺプ
チドの切断を達成するには、任意の簡便な方法を使用することができる。これは
酵素を用いて行うのが便利である。好ましくは、遺伝子発現の最初の生成物すな
わち融合パートナーおよびインスリンC−ぺプチドの多重コピー(モノマー)か
らなるマルチマーポリペプチドまたは融合生成物もしくは融合タンパク質を単一
プロセス工程で1種または2種以上のタンパク分解酵素により切断し、インスリ
ンC−ぺプチドの非融合単一コピーが生成される。トリプシンおよびカルボキシ
ペプチダーゼB(たとえばウシ、ブタまたは他のソースから)の併用処理は所望
の切断生成物を得るのに特に好ましい方法である。トリプシンはタンパク質を各
アルギニン残基のC末端で切断し、カルボキシペプチダーゼBはトリプシン消化
後に各ペプチド上に存在するC末端アルギニンを除去する。タンパク分解切断を
達成するための条件は当該分野で周知であり、他の適当なタンパク分解酵素には
、たとえばスブチリシン(その突然変異体を含む)、エンテロキナーゼ、第Xa因
子、トロンビン、IgAプロテアーゼ、プロテアーゼ3C、およびインテインが 包含される。たとえば、発現遺伝子産物のタンパク分解酵素(たとえば、トリプ
シンおよびカルボキシペプチダーゼB)との60分間のインキュベーションは、
発現タンパク質の完全なプロセッシングに十分である。融合もしくはマルチマー
タンパク質が慣用の SDS−PAGE によって検出されないような融合タンパク質の 適当なプロセッシングには5分間のインキュベーション時間が十分である。別法
として遺伝子発現の最初の生成物を化学試薬たとえばCNBr、ヒドロキシルア ミンまたはギ酸によって切断することができる。
【0019】 用いられるインスリンC−ぺプチドおよび核酸分子(遺伝子構築体)の正確な
性質に応じて、たとえばタンパク分解のための切断部位は、天然に存在するか、
またはそれらは既知の技術たとえば部位特異的突然変異誘発、適当な切断部位を
コードするヌクレオチド配列のライゲーション等を用いる遺伝子構築体の適当な
操作によって導入することができる。
【0020】 マルチマー発現ポリペプチドはリンカー領域、すなわち切断部位を導入または
提供するリンカー残基またはペプチドを含むのが便利である。切断部位はタンパ
ク分解酵素によって認識され切断される切断可能なモチーフからなるのが有利で
ある。リンカー領域は、マルチマー構築体中の各「モノマー」ペプチド間に、お
よび/または融合パートナーが存在すればそれとモノマーペプチドの間にも任意
に導入できる。各モノマーペプチドはリンカー領域と縦列にアレンジされるのが
有利である。マルチマー中のインスリンC−ぺプチドモノマーは、リンカー領域
残基を含まないインスリンC−ぺプチドの切断および放出が保証されるように、
適当なリンカー配列と隣接するのが有利である。リンカー領域が1〜15たとえ
ば1〜12または1〜10アミノ酸残基からなるが、長さは重要ではなく便宜上
または好みにより選択される。1〜8たとえば1、5および7のリンカー領域ガ
便利である。各構築体内の個々のリンカー領域は同じでも異なってもよいが、一
般的にそれらは同一であるのが便利である。すなわち、たとえばトリプシンおよ
びカルボキシペプチダーゼBの組合わせによる切断には、アルギニン残基で始ま
るかまたは終わるリンカーが提供される。
【0021】 別のリンカーは、もっぱらまたは長い配列の一部としてアミノ酸リジンからな
り、またトリプシン/カルボキシペプチダーゼBの組合わせにより切断される。
【0022】 インスリンC−ぺプチドモノマーの間に包含されるためには、このようなリン
カーは、付加的なアミノ酸をもたないインスリンC−ぺプチドモノマーの放出が
保証されるように、切断部位たとえばNおよびC末端の両者のアルギニン残基で
開始または終結するのが有利である。融合パートナーの間および/またはインス
リンC−ぺプチドマルチマーの末端に包含されるためには、単一の切断部位(た
とえばArg)がリンカーの適当な末端(または正確なリンカー配列および用いら
れる切断酵素に応じて相当する適当な切断部位)に存在することができる。
【0023】 代表的なリンカー領域の例には、C−ぺプチドモノマーの間に包含されるため
には−RTASQAR−(配列番号:2)、融合パートナーとC−ぺプチドマル
チマーの間に包含されるためには−ASQAR−(配列番号:3)およびマルチ
マーの末端では−RTASQAVD−(配列番号:4)が包含される。
【0024】 上述のように、リンカー配列の導入には、当該分野でよく知られた標準方法を
使用することができる。
【0025】 本発明のさらに他の態様は、インスリンC−ぺプチドをコードするヌクレオチ
ド配列の多重コピーからなる核酸分子であり、上記核酸分子は切断されて上記イ
ンスリンC−ぺプチドの単一コピーを産生できるマルチマーポリペプチドをコー
ドする。
【0026】 別の見方をすれば、本発明のこの態様は、インスリンC−ぺプチドをコードす
るヌクレオチド配列のコンカテマーからなる核酸分子を提供するものとみなすこ
ともできる。
【0027】 以上(以下)に掲げた本発明の様々な態様は、マルチマーポリペプチド(遺伝
子産物)は、インスリンAおよびインスリンBペプチドの両者は包含しないか、
または核酸分子はインスリンAおよびインスリンBペプチドの両者はコードしな
い実施態様を包含する。さらに詳しくはマルチマーポリペプチド中のまたは核酸
分子によってコードされたインスリンC−ペプチドのコピー数が2であるこのよ
うな実施態様においては、マルチマーポリペプチドはインスリンAおよびインス
リンBペプチドの両者は包含しないか、または核酸分子はインスリンAおよびイ
ンスリンBペプチドの両者をコードしない。
【0028】 特に好ましい本発明の実施態様においては核酸分子は、さらにコードされたマ
ルチマーポリペプチドの更なるプロセッシングを助ける融合パートナーをコード
するヌクレオチド配列、たとえば発現タンパク質生成物の精製に有用なヌクレオ
チドからなる。融合パートナーをコードする遺伝子はインスリンC−ペプチドの
多重コピーとともに翻訳されて初期の単一融合ペプチドを形成するように正しい
位置および方向にある。適当な融合タンパク質については上に述べた。
【0029】 核酸分子はまた、上述のように切断部位からなるリンカー領域をコードする1
または2以上のヌクレオチド配列からなるのが有利である。
【0030】 したがって、本発明の核酸分子の例としては、式(I) H2N−A−(C−X)n−COOH (I) 〔式中、CはインスリンC−ペプチドであり、Aは結合、または基F(Fは融合
パートナーである)もしくは基−(F−X)であり、Xは少なくとも1個の切断部
位からなるリンカー領域であり、各Xは同種または異種であり、nは2〜50の
整数である〕のポリペプチドをコードする核酸分子を挙げることができる。
【0031】 本発明のこの態様には、式(I)が、n=2の場合に上記ポリペプチド(I)
はインスリンAおよびB鎖からは構成されないという条件を含む実施態様を包含
する。
【0032】 インスリンC−ペプチド(基C)、融合パートナー(基F)、およびリンカー
領域(基X)は上に定義した通りでよい。同様に、nは「多重」および「マルチ
マー」なる語に関連して上に定義した通りである。
【0033】 本発明の方法に有用な核酸分子または遺伝子構築体は好ましくは、宿主細胞に
おいて発現を制御する適当な調節配列を含有する。このような調節もしくは発現
制御配列には、コード配列に読み取り枠がマッチして連結した、たとえば、転写
(たとえば、プロモーター−オペレーター領域、リボソーム結合部位、終結停止
配列、エンハンサーエレメント等)および翻訳(たとえば、開始および停止コド
ン)制御エレメントを包含する。
【0034】 原核および真核細胞を含め任意の適当な宿主細胞を使用することが可能で、た
とえば細菌、酵母、昆虫(たとえば、バキュロウイルスに基づく)または哺乳類
発現システムのような選択された発現システムに応じて選択することができる。
当該分野においては、きわめて多数の様々な発現システムが知られていて、文献
に広範に記載されている。たとえば大腸菌は、調節配列が、たとえば大腸菌tr
pプロモーターからなるペプチド産生のための宿主細胞として使用できる。他の
適当な宿主には、大腸菌以外のグラム陰性菌、グラム陽性菌、酵母、昆虫、植物
または動物細胞、たとえば遺伝子操作された細胞系が包含される。
【0035】 上述の核酸分子からなる発現ベクターはさらに、本発明の態様を構成する。
【0036】 本発明の方法により発現を達成するためには、任意の便利なベクターを使用す
ることが可能で、きわめて多くのベクターが当該分野において周知であり、文献
に記載されている。すなわち、適当なベクターには、プラスミド、コスミド、ま
たはウイルスベースのベクターが包含される。発現のために宿主細胞に導入され
たこれらのベクターはしかしながら、好ましくはプラスミド、ファージまたはウ
イルスベクターである。ベクターは、本発明の核酸分子と読み取り枠がマッチし
て連結した適当な制御配列を包含する。他の遺伝子エレメントたとえばレプリコ
ン、またはベクターの宿主細胞への移送を補助もしくは促進する配列、たとえば
宿主中でのベクターの維持を補助する安定化機能、クローニング部位、制限エン
ドヌクレアーゼ切断部位またはマーカーコード配列は、当該分野で周知の技術に
より包含させることができる。ベクターは、宿主細胞中に別個の実体として残さ
れていてもよく、また、プラスミド挿入ベクターもしくは他の挿入ベクターの場
合は、宿主細胞の染色体に挿入されていてもよい。宿主染色体へのランダムな非
特異的インテグレーションも可能であるが特異的な均一なインテグレーションが
好ましい。このための技術は当該分野で周知である(たとえば Pozziら, J.Res.
Microbiol. 143: 449-457, 1992 および Gene 169: 85-90, 1996 参照)。プラ スミド挿入ベクターは宿主細胞の染色体のDNAのセグメントからなるのでイン
テグレーションは「均一」である。
【0037】 遺伝子構築体の発現に適当な代表的プラスミドの例、または本発明による核酸
分子には、pTrpBB(Obergら, 前出)またはその誘導体が包含される。また このようなプラスミドは、所望により、融合パートナーをコードする配列を除去
するように修飾することができる。Trp−プロモーターまたは類似体を導入する
任意の高コピー数ベクターが使用できる。
【0038】 発現のため原核または真核細胞にこのようなベクターを導入するには、当該分
野では様々な技術が周知であり、たとえば細菌トランスフォーメーション法、ト
ランスフェクション、エレクトロポレーションが使用できる。トランスフォーム
またはトランスフェクトされた真核または原核宿主細胞すなわち本発明に従い上
述のように核酸分子を含有する宿主細胞は本発明の更なる態様を形成する。
【0039】 実施例にさらに詳細に記載するように、本発明の核酸分子を繋留した発現ベク
ター、特にプラスミドはそれらの宿主内において遺伝的に安定な利点を有し、高
細胞密度に増殖させた培養液から調製したプラスミドには、制限マッピングによ
り評価して、遺伝的な不安定性は検出されなかった。
【0040】 本発明のさらに他の態様は、インスリンC−ペプチドの多重コピーからなるマ
ルチマーポリペプチドをコードし、発現したマルチマーポリペプチドはついで切
断してインスリンC−ペプチドの単一コピーを生成できる核酸分子の製造方法に
おいて、マッチした読み取り枠で連結したインスリンC−ペプチドをコードする
ヌクレオチド配列の多重コピーからなる核酸分子を発生させることからなる方法
を提供する。
【0041】 本発明の方法に使用できる遺伝子もしくは遺伝子フラグメントのマルチマーコ
ピーを発生させるためには、当該分野で多くの方法が知られている。たとえば合
成DNAフラグメントは、設計された単一鎖非パリンドローム突出端を用いて頭
尾重合させることができる。重合したDNAフラグメントはついで、酵素的制限
から生じたマッチする突出部に直接ライゲートさせることができる(Ljungquist
ら, Eur.J.Biochem. 186: 563-569, 1989)。遺伝子フラグメントのマルチマー 化を達成するための他の方法は、クラスII S制限酵素たとえばBspMI(Stahl
ら, Gene 89: 87-193, 1990)またはBsmI(Haydn & Mandecki DNA 7: 571-577
, 1988)の使用に基づくものである。別の戦略では、遺伝子構築体の重合および
、更なるサブクローニングを可能にする制限部位を含有するアダプター分子のラ
イゲーションを包含する(Aslundら, Proc.Natl.Acad.Sci. USA 84: 1399-1403,
1987 および Irvingら, Technological Advances in Vaccine Development. A.
R. LissInc., New York, 97-105, 1988)。ポリメラーゼチェーン反応(PCR
)の使用を含むマルチマー遺伝子フラグメントの発生に適した遺伝子の新たな合
成方法も知られている(Majumder, Gene 110: 89-94, 1992 および Nguyenら, Advances in Biomagnetic Separation, Eaton Publishing Co., Natick, 73-78
, 1994)。
【0042】 本発明の方法の好ましい実施態様においては、精製された遺伝子フラグメント
(すなわち、インスリンC−ペプチドをコードするヌクレオチド配列)は設計さ
れた非パリンドローム突出部により頭尾様式での重合(マルチマー化)が可能で
あり、ついで、制限酵素好ましくはSfiIによって消化されたプラスミドにライ
ゲートされる。
【0043】 特に好ましい実施態様においては、インスリンC−ペプチドをコードするヌク
レオチド配列(たとえば遺伝子フラグメント)からなるプラスミドは、上記配列
または遺伝子フラグメントを切り出すように消化され、配列または遺伝子フラグ
メントのマルチマー化ののち、それらは消化されたプラスミド中に戻しライゲー
トされる。トランスフォーマントは、インスリンC−ペプチドの1または2以上
のコピーをコードするセグメントを増幅するPCRスクリーニング法(Stahlら,
Biotechniques 14: 424-434, 1993)を用いてスクリーニングするのが有利であ る。PCR増幅フラグメントは、アガロースゲル電気泳動によって比較できる。
さらに好ましい実施態様においては、コンカタマライズしたインスリンC−ペプ
チドの所望数、たとえば3または7をコードする遺伝子フラグメントを単離し、
インスリンC−ペプチドをコードするフラグメントを切り出すために用いたのと
同じ制限酵素を使用して消化した別のプラスミドにライゲートする。最も好まし
くは、宿主細胞のトランスフォーメーションに使用したこの後者のプラスミドは
付加的に適当なプロモーターおよびインスリンC−ペプチドの適当な融合パート
ナーをコードする配列からなる。
【0044】 本発明のさらに他の態様は、上述の方法の産物、すなわちインスリンC−ペプ
チドマルチマーおよび上記マルチマーから切断によって放出される個々のC−ペ
プチドを包含する。
【0045】 特に本発明のこの態様は、切断されてインスリンC−ペプチドの単一コピーを
放出できる上記インスリンC−ペプチドの多重コピーからなるマルチマーポリペ
プチドを提供する。このマルチマーポリペプチドは付加的に、融合パートナーお
よび/または上記各C−ペプチドモノマーに隣接する切断部位からなるリンカー
領域から任意に構成されてもよい。
【0046】 また、切断されてインスリンC−ペプチドの単一コピーを放出できる上記イン
スリンC−ペプチドの多重コピーからなるマルチマーポリペプチドを製造する方
法において、上記マルチマーポリペプチドをコードする核酸分子を含有する宿主
細胞を上記マルチマーポリペプチドが発現される条件下に培養し、発現したマル
チマーポリペプチドを回収することからなる方法が提供される。 宿主細胞は当該分野でよく知られた技術、たとえばバッチまたは連続的培養フ
ォーマットを用いて培養される。
【0047】 マルチマー遺伝子産物またはポリペプチドは、当該分野で周知の標準技術、た
とえば標準細胞溶解およびタンパク質精製技術を用いて宿主細胞培養液から回収
される。上述のように、融合パートナーはマルチマーポリペプチド中に包含され
、精製は融合パートナーの親和性結合に基づいて容易に達成される。
【0048】 ネイティブにおよび組換えにより発現されたいずれのポリペプチドを細胞また
は細胞培養メジウムから単離する様々な方法が当該分野において周知であり、こ
れらのいずれを用いてもよい。細胞内タンパク質/ポリペプチドを放出させるた
めの細胞溶解は、当該分野において周知の多くの方法および文献に記載された方
法のいずれかにより実施され、必要に応じて、さらに精製工程がバッチまたは連
続培養法のいずれが使用されたかに依存して、この場合も当該分野で周知の技術
に基づいて実施できる。
【0049】 細胞の溶解およびポリペプチドの回収のための熱処理方法は、本発明のインス
リンC−ペプチドのマルチマーポリペプチドの場合、たとえば WO 90/00200 に
記載の方法およびその修飾法において特に有効であることがわかっている。この
ような方法は、宿主細胞含有培養メジウムをたとえば50〜100℃にある時間
、一般に1時間を越えずに加熱し、発現したポリペプチドをメジウム中に有利に
は実質的に純粋な型で放出させることを包含する。これは、発現したポリペプチ
ドの選択的な放出から生じるものと考えられる。特に、このような方法は驚くべ
きことに熱処理に安定な可溶性ポリペプチド産物の場合によく働くことが観察さ
れ、組換えまたはそうでない場合に関係ない(したがって、この方法は一般的適
用性に優れている)が、特に本発明のインスリンC−ペプチドマルチマーポリペ
プチドの場合、驚くべきことに高い純度の産物が高収率に得られる。すなわち、
たとえばこのような熱処理は、80〜100℃、たとえば85〜99℃または9
0〜95℃に 5〜20分たとえば8〜10分加熱することによって行われ、つ いでたとえば0〜4℃または氷上で冷却する。
【0050】 マルチマーポリペプチドの回収後、個々のインスリンC−ペプチドのモノマー
を放出させるためにそれを切断する。したがって、本発明のさらに他の態様は、
インスリンC−ペプチドを製造する方法において、上に定義したマルチマーポリ
ペプチドを切断し、上記インスリンC−ペプチドの単一コピーを放出させること
からなる方法を提供する。
【0051】 上に述べたマルチマーポリペプチドの切断後に、個々のC−ペプチドモノマー
を生成させるためにこれらをさらに、精製の標準方法、たとえば限外ろ過、サイ
ズ排除クロマトグラフィー、澄明化、逆相クロマトグラフィー等を用いて均一に
(たとえば SDS−PAGE によって証明されるように)精製する。
【0052】 本発明のさらに他の態様は、上述の方法で切断されたペプチド生成物の治療に
おける使用である。切断されたインスリンC−ペプチドは1型糖尿病および/ま
たは糖尿病合併症の処置に使用することができる。したがって、上述のいずれか
の方法で製造されたインスリンC−ペプチドの投与からなる1型糖尿病および/
または糖尿病合併症の処置方法も本発明の範囲に包含される。
【0053】
【実施例】
次に非限定的実施例および添付の図面を参照しながら、本発明をさらに詳細に
説明する。
【0054】 実施例1 DNA構築体の調製 4種の合成オリゴヌクレオチド Jope 10(5′−CGGCCTCCCA GGCCCGCGAA GCTGA
GGACC TGCAAGTTGG TCAGGTTGAA CTGGGCGGTG GCCCGGGTGC AGGC−3′)(配列番号 :6),Jope 11(5′-TCTTTGCAGC CGCTGGCTTT AGAAGGTTCT CTTCAGCGTA CGGCCTC
CCA GGCCGTCGAC TAACTGCA−3′)(配列番号:7),Jope 12(3′−CATGGCCGGA
GGGTCCGGGC GCTTCGACTC CTGGACGTTC AACCAGTCCA ACTTGACCCG CCACCGGG−5′)(配
列番号:8)および Jope 13(3′−CCCACGTCCG AGAAACGTCG GCGACCGAAA TCTTCC
AAGA GAAGTCGCAT GCCGGAGGGT CCGGCAGCTG ATTG−5')(配列番号:9)をリン酸
化し、70℃で10分間インキュベートし、ついで室温に冷却してペア毎に(Jo
pe 10 : Jope 12 およびJope 11 : Jope 13)アニーリングさせた。創成された 2つのリンカーを混合し、KpnI−PstI消化プラスミドpUC18にライゲート
し(Yanish-Perronら, Gene33: 103-106, 1985)(図1)、ライゲーション混合 物を dcm−大腸菌株GM31にトランスフォームした(Marinus, Mol.Gen.Menet.
127: 47-55, 1973)。挿入されたインスリンC−ペプチドをコードする遺伝子フ
ラグメント中に正しいヌクレオチド配列を有するトランスフォーマント(pUC
−C1)をPCRベースの固相DNA配列決定法を使用して同定した(Hultmanら
, Nucl.Acids Res. 17: 4937-4946, 1989)。pUC−C1 からプラスミドDN Aを調製し、SfiIで制限したのち、切り出したインスリンC−ペプチド−コー
ド遺伝子フラグメントおよびベクター部分の両者を Mermaid−キット(ガラス−
ミルク)(BIO 101 Inc., CA, USA)または GeneClean-キット(BIO 101 Inc.,
CA, USA)をそれぞれ用いて精製した。
【0055】 精製されたインスリンC−ペプチド遺伝子フラグメントを設計した非パリンド
ローム突出部により頭尾様式で重合させ、ついで精製したSfiI−消化プラスミ
ドに戻しライゲートした。大腸菌RRIΔM15 細胞(Ruther, Nucl.Acids Res.
10: 5765-5772, 1982)をライゲーション混合物でトランスフォームし、得られ たトランスフォーマントをPCR−スクリーニング法を用いてスクリーニングし
た(Stahlら, 1993, 前出)。略述すれば、単一のコロニーを、50μlのPCR
反応混合物[20mM TAPS,20℃においてpH 9.3,2mM MgCl2,50mM KCl,0.1% T
ween-20,0.2mM dNTP,6ピコモルの各プライマー(RIT27:5′−GCTTCCGGCTCGT
ATGTGTG−3′, 配列番号:10)およびRIT28:5′−AAAGGGGGATGTGCTGCAAG GCG−
3′,配列番号:11)および1.0単位のTaqポリメラーゼ]を含有するPCR試験 管に取った。2種のPCRプライマーRIT27 とRIT 28 は、インスリンC −ペプチドフラグメントの挿入点に隣接してpUC18 にアニーリング部位を有 する。クローンからの様々な数の挿入されたオリゴヌクレオチドを有するPCR
増幅フラグメントをアガロースゲル電気泳動によりpUC18を対照に比較すると
、1〜7の挿入体をもつトランスフォーマントを同定することができた。したが
って、得られたプラスミドはpUC−C1、pUC−C2 等と命名された。
【0056】 プラスミドを調製し、所望の数の挿入体を含む遺伝子フラグメントをKpnI−
PstI消化によって切り出した。それぞれ1、3または7個のコンカタマライズ
されたインスリンC−ペプチドをコードする遺伝子フラグメントを単離し、同様
に消化したpTrpBB−T1T2 にライゲートし、得られたプラスミドをそれぞ れpTrpBB−C1,pTrpBB−C3 およびpTrpBB−C7 と命名した。プ ラスミドpTrpBB−T1T2 はプラスミドpKK223−3(Pharmacia Biotech,
Uppsala, Sweden)から誘導される転写ターミネーター配列の挿入によって、プ ラスミドpTrpBB(oebergら, Proc. 6th Eur. Congress Biotechnol; Elsevi
er Science B.V. 179-182, 1994)から構築された。転写ターミネーター配列は 標準PCR増幅プロトコール(Hultmanら, 1989, 前出)ならびにオリゴヌクレ オチド HEAN−19, 5′−CCCCCTGCAGCTCGAGCGCCTTTA ACCTGTTTTGGCGGATG−3′(配
列番号:12)、およびHEAN−20, 5′-CCCCAAGCTTAGAGTTTGTAG AAACGC−3′(
配列番号:13)を使用して、pKK223−3 から得られた。
【0057】 PCRによって導入された制限部位をPstIおよびHind III で消化し、つい
で予め同一の酵素によって消化したpTrpBBに挿入した。得られた発現ベクタ
ーpTrpBBT1T2 はtrpオペロン誘導リーダー配列(8アミノ酸)からな る親和性ハンドルおよびストレプトコッカスのプロテインGに由来する血清アル
ブミン結合領域BB(25kDa)(Nygrenら, 1988, 前出)をコードする。転写は
大腸菌 trp プロモーターの制御下にある。さらに、プラスミドはカナマイシン 抵抗性の遺伝子を有する。
【0058】 実施例2 タンパク質の発現および精製 pTrpBB−C3 およびpTrpBB−C7 を繋留し、したがって、融合タンパ
ク質BB−C3 およびBB−C7 をそれぞれコードする大腸菌細胞を、酵母エキ
ス(Difco)(5g/L)およびカナマイシン一硫酸塩(50mg/L)を補充したトリ プシン大豆ブロス(Difco, USA)(30g/L)10mlを含有する振盪フラスコ中、
37℃で一夜増殖させた。一夜培養液を10倍の100mlに同じ種類のメジウム
を有するバッフル装置付き振盪フラスコに希釈し、37℃で増殖させた。遺伝子
発現を、中対数期(A600nm=1)にβ−インドールアクリル酸25g/mlを加 え誘導した。細胞を2.0時間誘導後約6000gで10分間遠心分離して収穫し
た。細胞をついでTST(50mM Tris-HCl pH 8.0, 200mMのNaCl, 0.05% Tween
20, 1mMのEDTA)中培養容量の1/20 に再懸濁し、超音波処理して溶解し、約4
0,000gで遠心分離した。超音波処理のサンプルは振盪フラスコ培養液を遠心分 離で沈降させ、ついで細胞を30mlの冷TST緩衝液に再懸濁して調製した。サ
ンプルは、Sonics & Materials Inc.(Danbury, Connecticut, USA)Vibra Cell
(500W)上13mmの標準ホーンチップ、70%義務サイクル(20kHz)および出
力制御セット6.5で実施した2分間のパルス超音波処理の間氷上に保存した。 可溶性細胞質タンパク質を含む上清をろ過し(0.45μm)、TSTで100mlに希
釈した。可溶性融合タンパク質は、Stahlら, J.Immunol.Meth. 124: 43-52, 198
9 の記載のようにしてヒト−血清−アルブミン(HSA)−Sepharose上親和性クロマ
トグラフィーによって単離した(Nygrenら, 1988, 前出)。溶出した分画は、2 80nmにおける吸収の測定によってタンパク質含量についてモニターし、関連分
画を凍結乾燥した。
【0059】 図3は、HSA-Sepharose 上単一工程で精製後、親和性精製したBB−C3 およ
びBB−C7 をそれぞれ示す。両融合タンパク質について完全長生成物が優先し
、それらもそれらの分子量:それぞれ39.1および54.2kDaに従い移動した
。振盪フラスコ培養での発現レベルは、2つの融合タンパク質についてほぼ同一
であり、BB−C3 について130mg/L、BB−C7 について120mg/Lであ
った。
【0060】 実施例3 融合タンパク質のタンパク分解消化 塩基性アミノ酸残基のC−末端を切断するトリプシンは、融合タンパク質の切
断にずっと以前から使用されている。期待された低い特異性にもかかわらず、ト
リプシンは、融合タンパク質の特異的切断に有用であり、フォールディングされ
たタンパク質ドメイン内に、塩基性残基は切断されないまま残ることが示された
(Wangら, J.Biol.Chem. 264: 21116-21121, 1989)。トリプシンはさらに安価 で容易に利用できるという利点がある。ここでは本発明者らは、ネイティブな、
ヒトインスリンC−ペプチドを得るため、それぞれBB−C3 およびBB−C7
のプロセッシングにカルボキシペプチダーゼBと組合わせたトリプシンを使用し
た。すなわちトリプシンは融合タンパク質を各アルギニン残基のC−末端で切断
し、カルボキシペプチダーゼBは、トリプシン消化後に各インスリンC−ペプチ
ドモノマー上に存在するC−末端アルギニンを除去する。
【0061】 プロセッシングの効率を分析するためには、2つの融合タンパク質、BB−C
3およびBB−C7 を様々な時間、トリプシンおよびカルボキシペプチダーゼB とインキュベートし、SDS/PAGE分析に付した。両融合タンパク質とも速やかに 処理され、5分間のプロセッシング後に融合タンパク質は SDS/PAGE分析では可
視化できないことが見いだされた(図4AおよびB)。
【0062】 さらに、融合タンパク質、BB−C3 およびBB−C7 それぞれの切断後のイ
ンスリンC−ペプチドモノマーの相対収率の比較を実施した。等モル量のBB−
C3 およびBB−C7 それぞれをトリプシンおよびカルボキシペプチダーゼBで
処理したのちの切断混合物を逆相HPLC(250mm, Kromasil C8 カラム,4.6
mm内径,粒子サイズ7μm,Hewlett Packard 1090)で分析した。溶出は0.1%
トリフルオロ酢酸含有10〜40%アセトニトリル勾配を用いて、30分間40
℃で実施した。図5から明らかなように、BB−C3 融合タンパク質の切断に比
べてBB−C7 融合タンパク質の切断によって、インスリンC−ペプチド生成物
(溶出時間約25.4分)と他の切断生成物(BB融合パートナー起源)の間に有意
に高い比が得られた。インスリンC−ペプチドピーク面積の積分(C7:C3)で
は理論値2.33に近いピーク面積比2.43が得られた。
【0063】 これは融合タンパク質が完全にプロセッシングされた場合について何ら情報を
提供しない。トリプシンおよびカルボキシペプチダーゼB処理が何時完結に到達
したかを検討するためには、融合タンパク質、BB−C7 を様々な時間酵素的プ
ロセッシングに付した。凍結乾燥したBB−C7 融合タンパク質を、0.1%( 容量%)Tween 20含有100mMリン酸塩緩衝液、pH7.5に、タンパク質濃 度1mg/mlに溶解し、トリプシン(T-2395, Sigma, St.Louis, Mo, USA)および
カルボキシペプチダーゼB(Boehringer Mannheim)をそれぞれ、トリプシン/ 融合タンパク質比1/5000(質量比)とカルボキシペプチダーゼB/融合タンパ
ク質比1/2000(質量比)で加えた。15、30、60および120分後に、サ
ンプルを切断混合物から採取し、HAcを加えてpHを3に低下させて消化を停 止させた。切断生成物を安定化するためにアセトニトリルを20%(容量%)加
えた。
【0064】 切断材料をサイズ排除クロマトグラフィー[SMART(登録商標)システム
上 Superdex Peptide カラム、Pharmacia Biotech, Uppsala, Sweden]によって
分析し、クロマトグラムのオーバーレイプロット作成することにより(図6)、
インキュベーション時間を増加させてもさらにインスリンC−ペプチドが得られ
なかったことから、BB−C7 はこれらの条件下に60分後に完全にプロセッシ
ングされたと結論することができた。これらの結果はまた、インスリンC−ペプ
チドのマルチマー型からなる融合タンパク質から定量的収率でインスリンC−ペ
プチドを得ることが可能なことを指示している。
【0065】 実施例4 得られたインスリンC−ペプチドの特性:逆相クロマトグラフィー(
RPC)および質量スペクトル 得られたペプチドが実際にネイティブなヒトインスリンC−ペプチドに相当す
るかを確認するため、2つの異なる分析を実施した。第一に、BB−C7 のプロ
セッシングにより得られたRPC−精製インスリンC−ペプチドのインスリンC
−ペプチド標準との比較のために逆相クロマトグラフィー(RPC)分析を使用
した。上記標準は Eli Lilly(CA, USA)から入手したC−ペプチドおよび市販 品を入手できるインスリンC−ペプチドのフラグメント 3-33(Sigma, USA)で ある。インスリンC−ペプチドプレパレーションは Sephasil C8 5μm SC2
.1/10カラム上SMART(登録商標,Pharmacia Biotech, Uppsala, Swede
n)システムを用いてRPCにより分析した。溶出は0.1%(容量%)トリフル
オロ酢酸を含有する26〜36%アセトニトリル勾配を用いて、20分間25℃
で実施した。流速は100μl/分とし、吸収は214nmで測定した。3つのす べてのプレパレーションは同じ保持時間および不純物の同じ低レベルを示し、同
一に近かった(図7)。第二に、BB−C7 から得られたインスリンC−ペプチ
ドを質量スペクトルの測定に付した(表1)。タンパク質の質量の測定には、エ
レクトロスプレー装置を付したJEOL SX102 質量分析計(JEOL, Japan)を用いて
実施した。質量における良好な一致(表1)は、比較RPC分析におけるインス
リンC−ペプチド標準との観察された類似性とともにネイティブなヒトインスリ
ンC−ペプチドが得られたことを示唆するものである。
【0066】
【表1】 表 1 インスリンC−ペプチドの分子量(Da) 計 算 値 3020.3 実 験 値 3019.7±1.8
【0067】 実施例5 得られたインスリンC−ペプチドモノマーの特性:ラジオイムノアッ
セイ(RIA) 融合タンパク質BB-C7 の切断によって得られたインスリンC−ペプチドモ ノマーを、たとえば血中および尿中のヒトインスリンC−ペプチドレベルのモニ
ター用に開発された市販品のラジオイムノアッセイ(Euro-Diagnostica, Malmo,
Sweden;cat. no. MD 315)を用いて分析した。比較のため、予め生物学的に活 性であることが証明された(Johanssonら, Diabetologia 35: 1151-1158, 1992 )インスリンC−ペプチドプレパレーション(Eli-Lilly Co, Indianapolis, In
d. USA)も分析した。分析用サンプルは、秤量し、0.05Mリン酸−Na塩緩衝
液pH7.4、5%ヒトアルブミン血清(HSA)および0.02%チメロサール
中、最終濃度それぞれ3.31および3.30ナノモル/リットルに希釈して2種
類のC−ペプチドのプレパレーションを調製した。略述すれば、アッセイは、標
準曲線の構築後、アッセイサンプル中に、ウサギ抗−ヒトC−ペプチド抗血清、 125 I−ヒトインスリンC−ペプチドトレーサー、ヤギ抗−ウサギIg抗血清− PEG試薬、ヒトインスリンC−ペプチド標準、およびインスリンC−ペプチド
を定量するための対照サンプルを包含する。2つのサンプルの分析の結果を以下
の表2にまとめる。結果は、2つのプレパレーションは、RIAアッセイにより
等しく認識され定量された。
【0068】
【表2】
【0069】 実施例6 融合タンパク質BB−C1、BB−C3 およびBB−C7 の発現、精 製およびタンパク分解消化 本実施例は、実施例2および3に示した実験のBB−C1 融合タンパク質に関
してさらに比較的結果を提供する。
【0070】 プラスミドpTrpBB−C1、pTrpBB−C3 またはpTrpBB−C7 をそ れぞれ繋留する大腸菌細胞(実施例1参照)を増殖させ、融合タンパク質を実施
例2に記載のようにして発現させ、収穫し、精製し、分析した。
【0071】 pTrpBB−C1、pTrpBB−C3 またはpTrpBB−C7 のいずれかでト ランスフォームした大腸菌細胞の分析はコードされた融合タンパク質BB−C1 、BB−C3 およびBB−C7 が細胞内に可溶性遺伝子産物として蓄積すること
を示した(データは示していない)。細胞の破壊後、生成した融合タンパク質は
HSA-親和性クロマトグラフィーにより効率的に精製された。図9はHSA−S
epharose上での一工程精製後の親和性精製されたBB−C1、BB−C3 および BB−C7 融合タンパク質をそれぞれ示す。3種の融合タンパク質について完全
長の生成物が優先していて、それらはまた、それらの分子量;31.5、39.1
および54.2kDaに応じてそれぞれ移動した。振盪フラスコ培養の発現レベル は3種の異なる融合タンパク質について、40〜60mg/Lの範囲で再現性があ り、類似していた。
【0072】 3種類の親和性精製融合タンパク質のプロセッシングの効率を分析するため、
BB−C1、BB−C3 およびBB−C7 を、トリプシンおよびカルボキシペプ チダーゼBと様々な時間インキュベートし、SDS−PAGE分析に付した。3種の融 合タンパク質は迅速にプロセッシングされ、処理5分後には、残った完全長融合
タンパク質はSDS−PAGEでは検出されなかった(データは示していない)。
【0073】 タンパク分解プロセッシングの効率を実施例3に記載のようにさらに分析し、
BB−C7 は60分後には完全に切断されることを見いだした。
【0074】 BB−C1、BB−C3 およびBB−C7 融合タンパク質それぞれの切断後の C−ペプチドモノマーの相対的収率をさらに適切に比較するために、逆相HPL
C分析を実施した(実施例3に記載のように)。ほぼ等モル量のBB−C1、B B−C3およびBB−C7 それぞれを120分間トリプシン+カルボキシペプチ ダーゼBで処理した切断混合物を分析した(A220nmをモニター)。結果(図1 0)はC−ペプチド生成物とBB−C7 およびBB−C3 融合タンパク質の他の
切断生成物の間に、BB−C1 融合タンパク質の切断に比べて有意に高い比が証
明された。3種のクロマトグラムに可視化されたトリプシン消化BB−タグ由来
の等しいピーク高によって証明されるように、各融合タンパク質のほぼ等モル量
をRPCカラム上に負荷した(図10)。C−ペプチドピーク面積の積分(BB
−C1、BB−C3 およびBB−C7 それぞれにつき、940、2324および 5647の吸収単位×s×10-3)はC3:C1 について2.5およびC7:C1 に ついて6.0の比を生じ、これは理論値のそれぞれ3および7に近似していた。
【0075】 結果はさらに、モノマー融合タンパク質(C1)に比較してインスリンC−ペ プチドマルチマー(C3, C7)からのC−ペプチドモノマーの改良された収率を
示す。
【0076】 実施例7 BB−C7 融合タンパク質をコードするプラスミドpTrpBB−C7
の遺伝子安定性の検討 本実施例はBB−C7 融合タンパク質をコードするプラスミドpTrpBB−C
7 の遺伝子安定性を評価する方法を記載する。プラスミドpTrpBB−C7 を繋
留する大腸菌細胞を様々な時間増殖させ、培養0、7、27および31時間後に
、サンプルを採取した。31時間はBB−C7 の大規模発酵製造における培養時
間に類似する。プラスミドを標準プロトコール(Sambrookら, A Laboratory Man
ual,Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York)に従 いサンプルから回収した。C7 コンカタマーをコードするフラグメントを切り出
すために、プラスミドをKpnI−PstI制限に付した(図1参照)。大腸菌細胞
の初期のトランスフォーメーションに使用された最初のpTrpBB−C7 プラス
ミドが対照として包含され、したがってKpnI−PstI制限に付された。図11
から明らかなように、すべてのサンプルからの制限フラグメントは、同じサイズ
を有し、プラスミドpTrpBB−C7 は延長期間の培養時、遺伝子として安定で
あることが確証される。
【0077】 実施例8 BB−C7 の培養メジウム中への選択的放出のための熱処理 本実施例はBB−C7 融合タンパク質を熱処理により培養メジウム中に放出で
きる方法、およびそれによりBB−C7 の更なる精製のための出発原料の純度を
有意に改良する方法を記載する。バックグランド:大腸菌の細胞内に産生された
組換えタンパク質を放出させるため最も広く用いられている方法(遠心分離、適
当な緩衝液中への細胞ペレットの再懸濁、および高圧ホモジネーションによる細
胞破壊の単位操作を含む)に比較して、熱処理法による遺伝子産物の放出は多く
の利点を有する。 (i)熱処理を含む製造スキームは澄明化工程が一つ少なくてすむ、(ii)遺伝子
産物の安定性は宿主細胞のプロテアーゼの熱変性により増大する、(iii)遺伝子
産物の重要な初期の精製は他の大腸菌タンパク質の沈殿によって得られる、およ
び(iv)核酸の放出は細胞の総分解に比較して低下する。 この方法は、高発現レベルで同じく可溶性であり、タンパク質の放出に要求さ
れる熱処理に安定な、他の細胞内発現組換えタンパク質の放出にも適している。
【0078】 BB−C7 をコードするプラスミドpTrpBB−C7 を繋留する大腸菌細胞を
実施例2に記載のように培養した。細胞の破壊のために記載の超音波処理方法(
実施例2)の別法として、熱処理工程はBB−C7 の培養メジウム中への選択的
かつ効率的な放出に利用することができる。培養液は深部培養の終わりに沸騰水
の水浴中に8〜10分間置いた。この時点ののち培養液は約90℃の温度に到達
した。ついで、振盪フラスコを氷上に置いた。図12(レーン3)から明らかな
ように、この温度でBB−C7 融合タンパク質は、宿主のタンパク質の実質的な
量が放出されることなく、培養メジウム中に放出される。宿主のタンパク質は、
この処理によって大部分が完全に変性されるものと考えられる。これに反して、
細胞を破壊するための超音波処理(図12,レーン2)および他の機械的方法は
すべての宿主タンパク質ならびに核酸を放出させ、BB−C7 の更なる精製のた
めにきわめて不均一な出発原料を生じる。正常時には培養大腸菌によってはきわ
めてわずかなタンパク質しか分泌されない(図12,レーン1)。BB−C7 は
熱処理に対して安定で、実施例1〜3に記載のように、C−ぺプチドモノマーの
放出のためにさらに精製およびプロセッシングできることが見いだされた。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 C−ペプチドコード遺伝子フラグメントのマルチマー化を含めて本発明の遺伝
子構築体の製造を示す模式的説明である。
【図2】 2つの遺伝子産物、BB−C3(A)およびBB−C7(B)と、単一文字記
号で指示されたC−ペプチドに隣接するリンカー領域の模式的説明であり、アル
ギニン残基(ボールド体)は各C−ペプチドに隣接する。そして(C)は単一文
字記号でのC−ペプチドのアミノ酸配列(配列番号:1)を示す。
【図3】 HSA−Sepharose 上親和性精製後の2つの融合タンパク質、BB−C3(レーン
1)、およびBB−C7(レーン2)それぞれの、還元条件下におけるSDS-P
AGE(10〜15%)ゲルの写真である。分子量それぞれ94、67、43、30
、20および14kDaのマーカータンパク質はレーンMに示す。
【図4】 (A)は、トリプシンおよびカルボキシペプチダーゼBと様々な時間インキュベ
ートしたのち、BB-C3 の還元条件下における SDS−PAGE(10〜15%)ゲルの 写真である。レーン1は非消化融合タンパク質、レーン2はトリプシンおよびカ
ルボキシペプチダーゼBで5分間プロセッシングしたのちのタンパク質消化物で
ある。レーンMは分子量それぞれ94、67、43、30、20および14kDa
のマーカータンパク質を示す。(B)は、融合生成物BB−C7 がここで調べられ るほかは(A)の場合と同じである。
【図5】 それぞれ、等モル量のBB−C7(上部)ならびにBB−C3(中央部)からの
トリプシンおよびカルボキシペプチダーゼB切断混合物の逆相クロマトグラフィ
ー(RPC)分析を示す。Sigma からのインスリンC−ペプチド(下部)は対照
として分析した。
【図6】 様々な時間トリプシン(質量比 5000:1)およびカルボキシペプチダーゼB (質量比 2000:1)でプロセッシングしたBB-C7 融合生成物のサイズ排除ク
ロマトグラム(Superdex Peptide, Pharmacia Biotech, Uppsala, Sweden)のオ
ーバーレイプロットを示す。
【図7】 Eli Lilly によって提供された(B)または Sigma から購入した(C)イン スリンC−ペプチド標準との比較によるプロセッシングされたBB−C7(A) に由来するインスリンC−ペプチドの逆相クロマトグラフィー分析を示す。
【図8】 融合パートナーBBおよびインスリンC−ペプチドの7個のコピーからなるペ
プチド生成物の単一文字記号でのアミノ酸配列(配列番号:5)を例示する。
【図9】 合成された融合タンパク質、BB−C1(レーン1)、BB−C3(レーン2)
およびBB−C7(レーン3)の HSA−Sepharose 上での親和性精製後の、SD S−10〜15%PAGEによる分析を示す。分子量はkDaで指示する。
【図10】 それぞれ等モル量のBB−C1、BB−C3 ならびにBB−C7 からのトリプ シン+カルボキシペプチダーゼB切断混合物のRPC分析を示す。市販のC−ペ
プチド標準(Sigma)を対照として包含した(最下部参照)。
【図11】 0時間(レーン1)、7時間(レーン2)、27時間(レーン3)、または 31 時間(レーン4)増幅させた大腸菌培養液からのpTrpBB−C7 プラスミドプ
レパレーションのKpnI−PstI制限のアガロースゲル(1%)電気泳動分析を
示す。レーン5は大腸菌細胞の最初のトランスフォーメーションに使用した元の
pTrpBB−C7 プラスミドのKpnI−PstI制限であり、レーン6は 31 時間
培養後の非切断pTrpBB−C7 を示す。マーカー(M)レーンはPstI−制限
λファージDNAを含有する。矢印はC7 フラグメントの位置を指示する。
【図12】 BB−C7 培養からのサンプルのSDS-PAGE分析(還元条件下)を示す 。レーン1:非処置培養液からの2μlメジウム;レーン2:0.5μlの超音波処 理培養液;レーン3:培養液の熱処理後のメジウム0.5μl。矢印はBB−C7
融合タンパク質の位置を指示する。レーンMは分子量94、67、43、30、
20および14kDaのマーカータンパク質を示す。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年2月4日(2000.2.4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 15/09 ZNA C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U S,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 マティーアス・ユーレン スウェーデン国エス−100 44 ストック ホルム.デパートメント・オブ・バイオケ ミストリ.ロイアル・インスティチュー ト・オブ・テクノロジー (72)発明者 ペル−オーケ・ニュグレン スウェーデン国エス−100 44 ストック ホルム.デパートメント・オブ・バイオケ ミストリ.ロイアル・インスティチュー ト・オブ・テクノロジー (72)発明者 ペル・ユーナソン スウェーデン国エス−100 44 ストック ホルム.デパートメント・オブ・バイオケ ミストリ.ロイアル・インスティチュー ト・オブ・テクノロジー Fターム(参考) 4B024 AA01 BA02 CA01 DA06 EA04 FA03 FA07 FA13 GA11 GA19 HA01 4B065 AA26X AB01 BA02 BD01 BD15 BD16 CA24 CA44 4H045 AA10 AA20 BA41 DA37 EA27 FA70 FA74 GA01 GA15 GA25

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インスリンC−ペプチドの多重コピーからなるマルチマーポ
    リペプチドを宿主細胞内で発現させ、発現したポリペプチドを切断してインスリ
    ンC−ペプチドの単一コピーを放出することからなるインスリンC−ペプチドの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 核酸分子が、インスリンC−ペプチドの単一コピーを産生で
    きる切断可能なマルチマーポリペプチドをコードする、インスリンC−ペプチド
    をコードするヌクレオチド配列の多重コピーからなる核酸分子。
  3. 【請求項3】 発現したマルチマーポリペプチドはついで切断されてインス
    リンC−ペプチドの単一コピーを産生できるインスリンC−ペプチドの多重コピ
    ーからなるマルチマーポリペプチドをコードする核酸分子の製造方法において、
    読み取り枠がマッチして連結するインスリンC−ペプチドをコードするヌクレオ
    チド配列の多重コピーからなる核酸分子を発生させることからなる方法。
  4. 【請求項4】 インスリンC−ペプチドの単一コピーを放出するように切断
    することができるインスリンC−ペプチドの多重コピーからなるマルチマーポリ
    ペプチド。
  5. 【請求項5】 インスリンC−ペプチドの単一コピーを放出するように切断
    することができるインスリンC−ペプチドの多重コピーからなるマルチマーポリ
    ペプチドを製造する方法において、上記マルチマーポリペプチドをコードする核
    酸分子を含有する宿主細胞を、上記マルチマーポリペプチドが発現するような条
    件下に培養し、発現したマルチマーポリペプチドを回収することからなる方法。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載のマルチマーポリペプチドを切断することか
    らなるインスリンC−ペプチドの製造方法。
  7. 【請求項7】 上記インスリンC−ペプチドまたはインスリンC−ペプチド
    をコードするヌクレオチド配列の多重コピーが縦列にアレンジされている請求項
    1〜6のいずれか1項に記載の方法、核酸分子またはマルチマーポリペプチド。
  8. 【請求項8】 上記マルチマーポリペプチドは上記インスリンC−ペプチド
    の2〜30コピーからなる請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法、核酸分子
    またはマルチマーポリペプチド。
  9. 【請求項9】 上記マルチマーポリペプチドは上記インスリンC−ペプチド
    の3〜7コピーからなる請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法、核酸分子ま
    たはマルチマーポリペプチド。
  10. 【請求項10】 上記マルチマーポリペプチドは、さらに融合パートナーか
    らなる請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法、核酸分子またはマルチマーポ
    リペプチド。
  11. 【請求項11】 上記融合パートナーは親和性結合パートナーまたはリガン
    ドのペアの一つである請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法、核酸分子ま
    たはマルチマーポリペプチド。
  12. 【請求項12】 上記融合パートナーはストレプトコッカスのプロテインG
    由来の25kDa血清アルブミン結合領域(BB)である請求項1〜11のいずれ
    か1項に記載の方法、核酸分子またはマルチマーポリペプチド。
  13. 【請求項13】 上記マルチマーポリペプチド中のインスリンC−ペプチド
    モノマーは切断部位からなるリンカー領域に隣接する請求項1〜12のいずれか
    1項に記載の方法、核酸分子またはマルチマーポリペプチド。
  14. 【請求項14】 上記切断部位はタンパク分解酵素によって切断可能である
    請求項13に記載の方法、核酸分子またはマルチマーポリペプチド。
  15. 【請求項15】 上記切断部位はトリプシンおよびカルボキシペプチダーゼ
    Bによって切断可能なアルギニン残基からなる請求項13に記載の方法、核酸分
    子またはマルチマーポリペプチド。
  16. 【請求項16】 上記核酸分子はさらに1個または2個以上の調節または発
    現制御配列からなる請求項1〜3および7〜14のいずれか1項に記載の方法ま
    たは核酸分子。
  17. 【請求項17】 請求項2および7〜16のいずれか1項に記載された核酸
    分子からなる発現ベクター。
  18. 【請求項18】 プラスミドである請求項17に記載の発現ベクター。
  19. 【請求項19】 プラスミドpTrpBB(配列番号:14)またはその誘導
    体に基づく請求項18に記載の発現ベクター。
  20. 【請求項20】 請求項2および7〜16のいずれか1項に記載された核酸
    分子を含有する宿主細胞。
  21. 【請求項21】 請求項1または6に記載の方法によって産生されたインス
    リンC−ペプチド。
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