JP4088584B2 - 融合タンパク質から目的タンパク質を分離する方法。 - Google Patents

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Description

本発明は目的タンパク質と融合パートナーが結合した融合タンパク質から目的タンパク質を精製する方法、及びこれに有用な融合タンパク質に関する。
遺伝子の組換え技術が発展し、自然系では得難いタンパク質を組換え菌株の発酵工程を用いて大量生産することによって、人類の福祉増進に大きく寄与している。宿主細胞としては大腸菌をはじめとして酵母、動物細胞などが用いられている。特に大腸菌を用いたタンパク質生産の場合、遺伝的操作が容易で、生産性が高く、安価な培地を用いて培養できる長所がある。
組換え大腸菌を用いたタンパク質の生産において、目的タンパク質はその特性によって水溶性タンパク質形態で発現したり、または不溶性の封入体の形態で発現する。水溶性形態で発現したタンパク質は、タンパク質の折り畳みが効率的に行われて目的タンパク質本来の活性を発現する。3次元的構造を備える前に互いに凝集して不溶化したタンパク質は固有の活性を示さないので、様々な方法で封入体を可溶化させた後、再折り畳み(refolding)工程を遂行しなければならない。この場合、再折りたたみ工程の収率と生産性が低く、目的タンパク質内のジスルフィド結合(disulfide bond)個数が多い場合、正確な再折り畳みが不可能なので、目的タンパク質はできれば水溶性形態で発現することが有利である。また、目的タンパク質が水溶性形態で発現する場合、吸着流動床法(expanded bed absorption、以下、EBA)を用いて遠心分離、濾過などの初期精製工程を画期的に減らすことができて、収率及び生産性を大きく向上させることができる。目的タンパク質を水溶性形態で発現させるために水溶性でよく発現する融合パートナーと融合させて生産することもするが、この時、用いる融合パートナーとしてはGST、マルトース結合タンパク質、チオレドキシン、ユビキチンなどがある。ユビキチンは76個のアミノ酸で構成されている小さいペプチドであって、目的タンパク質をユビキチンと融合させて発現する場合、発現率が増大して特に水溶性形態の発現を促進させることによって活性型の目的タンパク質の生産が容易である。
反面、目的タンパク質を水溶性形態で発現させる場合、組換えタンパク質を純粋に回収し難しい短所がある。不溶性の封入体形態として発現した場合には初期精製工程において大腸菌由来の水溶性物質から分離が容易であるが、水溶性形態として発現したタンパク質は、宿主細胞のタンパク質、DNA、多糖体など多くの水溶性異物質と混合された状態で存在するので精製が非常に難しくなる。封入体として発現した場合にもEBA工程を適用するために尿素などの変性剤を添加して細胞破砕を実施し可溶化させることもするが、この場合、前述した封入体形成による一次精製効果を諦めなければならない。結論的に、目的タンパク質の効率的な折り畳みのために水溶性タンパク質形態で発現させる場合、またはEBA工程を利用しようとする場合、全ての目的タンパク質が多くの大腸菌由来の水溶性タンパク質、DNA、多糖体等と混合された状態でこの後の精製段階に入って目的タンパク質の分離が非常に難しくなるので効率的な分離精製工程が切実に要求される。
目的タンパク質を細胞内の他のタンパク質から回収する精製工程は一般に電荷、溶解度、大きさと疎水性などの差を用いる。このような精製方法は比較的安価な材料を用いるが、選択性が低下して多様な方法を組合せた多段階精製過程を経なければ所望の純度を得ることができず、精製収率は多段階の工程を経て顕著に低下するようになる。また、それぞれのタンパク質特性に合せて新たな工程を毎回構成して最適化させなければならない問題点がある。目的タンパク質に対する選択性を高めるために、目的タンパク質の固有な分子構造を認識する抗体を樹脂に結合させて分子構造によって変化する親和度を利用したり、特定担体に親和性があるタグ(tag)を融合パートナーに活用する精製方法もしばしば用いられている。このような目的で開発した融合パートナーとしてはGST、ポリヒスチジンなどがある(米国特許5、108、919、韓国特許第177304号)。抗体や融合パートナーを利用する場合には抗体生産の難しさと高価格、融合パートナーに選択的に親和的な樹脂の価格が高くて産業上の応用が制限される
また、このように融合タンパク質形態で発現させる場合、この後の段階で融合パートナーを切断などの方法によって融合タンパク質から除去しなければならない。特に、目的タンパク質が医療用タンパク質である場合、切断反応後、正確に目的タンパク質のN-末端またはC-末端が露出されるように、目的タンパク質と補助タンパク質の連結部位に適合した切断部位を挿入すると同時に、目的タンパク質内に同じ切断部位が存在しないように融合タンパク質を設計しなければならない。酸処理、CNBr処理などの化学的方法やファクターXa、エンテロキナーゼなどのタンパク質分解酵素を利用し切断反応を実施するが、この酵素なども選択性がよくなくて目的切断部位以外の位置で切断反応の起こることがあり、反応が効率的ではなくて酵素価格が非常に高い。
目的タンパク質と等電点の差を示すタンパク質またはペプチドを融合パートナーとして融合タンパク質を構成してイオン交換樹脂で分離する工程開発が試みられた。米国特許4、532、207ではEGFを生産するにあたって陰イオン性であるEGFのC-末端に陽イオン性アミノ酸であるアルギニンタグを付けた後、陽イオン交換樹脂を用いて精製をしたが、C-末端に数個のイオン性アミノ酸配列を添加する場合に、目的タンパク質のタンパク質立体構造的特性により融合タンパク質がイオン交換樹脂に効果的に吸着するのは難しくて収率が低下することがある。米国特許5,179,196と米国特許5,322,930では目的タンパク質と電気的性質が違う融合パートナーとして融合タンパク質を構成し、各々CNBr切断部位とステープV8タンパク質分解酵素切断部位を二つのタンパク質の間に挿入した。しかし、前記特許では融合タンパク質以外に同様の等電点を示す幾多の大腸菌由来のタンパク質がイオン交換樹脂に吸着して、前記で述べた切断方法は選択性が落ちて融合タンパク質以外のイオン交換樹脂に吸着された大腸菌由来タンパク質も一緒に分解されて溶出することにより、技術の目的を達成することがむずかしい。
本発明は高純度の目的タンパク質を簡便かつ効率的に分離できるDNA構造物を提供する。
本発明は高純度の目的タンパク質を簡便かつ効率的に分離できる融合パートナーと目的タンパク質を含む融合タンパク質を提供する。
本発明は高純度の目的タンパク質を簡便かつ効率的に分離する方法を提供する。
本発明はタンパク質の等電点変化の性質を利用してタンパク質を精製する方法を提供する。
本発明は具体的に、目的タンパク質と融合パートナーを含む融合タンパク質において、前記融合パートナーはユビキチン分解酵素によって切断されるアミノ酸配列をC-末端に含んで、前記目的タンパク質と融合パートナーの等電点の差が1以上である融合タンパク質を提供するものである。
本発明において、特別の説明がない限りタンパク質とペプチドは混用して用いられる。
本発明で"ユビキチン分解酵素”とは、真核細胞内に存在してタンパク質のC-末端アミノ酸配列RGGの次を切り出す酵素を意味し、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)由来のUBP1、UBP2、そして筋肉細胞内のUBP41などである。ユビキチン分解酵素は、ユビキチンの76番目のアミノ酸であるグリシンに続くペプチド結合を正確に切断するために目的タンパク質のN-末端に特定アミノ酸が現れるように正確に調節できる(米国特許5、847、097)。
本発明ではサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)由来のUBP1を用いてN-末端またはC-末端に6〜10個のヒスチジン、リシン及びアルギニンからなる群より選択された1種以上のアミノ酸からなるアミノ酸配列に構成されたタグがつくように変形させて用いることができる。例えば、ポリヒスチジン、ポリリシン、またはポリアルギニンなどを含む。
本発明で"目的タンパク質"とは、生産しようとするタンパク質を意味し、例えば、成長ホルモン、インターフェロン、インターロイキン、顆粒球コロニー刺激因子、エリトロポエチン、及びインシュリンのような生理学的活性があるタンパク質でもよい。
本発明で"融合パートナー”とは、C−末端でユビキチン分解酵素によって切断されるアミノ酸配列、例えば、RGGを含み、目的タンパク質と等電点の差が1以上、好ましくは1.5以上、更に好ましくは2以上であるペプチドを意味する。本発明で融合パートナーとしては、融合タンパク質を水溶性形態で発現できるようにするペプチドが好ましい。したがって、前記融合パートナーはi)C-末端にユビキチン分解酵素によって切断されるアミノ酸配列、つまり、ユビキチン切断部位、例えばユビキチン、ユビキチンの一部またはこれから由来したペプチドを含み、ii)前記ユビキチン切断部位のN-末端にグルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)、マルトース結合タンパク質、またはチオレドキシンなどのように融合タンパク質を水溶性形態で発現させることができるとわかっているペプチド、またはこれらの変形体に連結されたペプチドを融合パートナーとして用いることができる。
本発明の一例で、前記融合パートナー内の1以上のアミノ酸を置換、挿入、または欠失させることによって目的タンパク質との等電点の差を誘導できる。
本発明で前記融合パートナーは、前記目的タンパク質の電荷と異なる電荷を有するアミノ酸配列が、融合パートナーのN-末端または内部に含まれて電荷が変化したものであってもよく、前記目的タンパク質の電荷と異なる電荷を有するアミノ酸配列が、ヒスチジン、リシン及びアルギニンからなる群より選択された1種以上のアミノ酸からなるアミノ酸配列であってもよく、2-30個のアミノ酸からなる配列が好ましい。例えば、ポリヒスチジン、ポリリシン、またはポリアルギニンなどを含む。
または、前記目的タンパク質の電荷と異なる電荷を有するアミノ酸配列が、グルタミン酸、及びアスパラギン酸からなる群より選択された1種以上のアミノ酸からなるアミノ酸配列であってもよく、2-30個のアミノ酸からなる配列が好ましい。、例えば、ポリグルタミン酸塩、及びポリアスパラギン酸塩などを含むことができる。例えば、ユビキチンまたはユビキチン分解酵素によって切断されるアミノ酸配列を含むユビキチンの一部またはユビキチンの誘導体または合成ペプチドとして、製造しようとする目的タンパク質の電荷と異なる電荷を有するアミノ酸の配列をN-末端または内部に含むペプチドでもよい。
本発明で“目的タンパク質の電荷と異なる電荷を有するアミノ酸配列”とは、融合タンパク質または目的タンパク質の分離工程でのpH下で目的タンパク質の電荷と異なる電荷を有するアミノ酸配列であって、目的タンパク質と融合パートナーのマトリックスに対する吸着力の差をもたらすアミノ酸配列を意味する。目的タンパク質のpI値は分かるので、分離精製工程で用いられる溶媒のpHにおいて目的タンパク質の電荷と異なる電荷を有するようにするアミノ酸配列を決定できる。例えば、目的タンパク質のpIが7より低い場合、リシンまたはアルギニンのように正(+)電荷を有するアミノ酸を2つ以上連続的に含む配列を用いることができる。例えば、目的タンパク質のpIが7より高い場合、グルタミン酸またはアスパラギン酸のように負(−)電荷を有するアミノ酸を2つ以上連続的に含む配列を用いることができる。
このような“目的タンパク質の電荷と異なる電荷を有するアミノ酸配列”は、融合パートナーのN-末端または融合パートナーの内部に存在できる。このようなアミノ酸の配列が存在する場合、融合パートナーの一部分の電荷を容易に変化させることができて、融合パートナーと目的タンパク質のマトリックス、例えば、イオン交換樹脂またはメンブラン(膜)に対する吸着程度を容易に変化させることができる。
大多数の医療用タンパク質の等電点が7.0以下であるが、大腸菌の細胞内の大部分のタンパク質は等電点が7.0以下、であり、細胞抽出物に入っている核酸類とエンドトキシンも全て低い等電点分布を示すので、高いpI値の融合パートナーと目的タンパク質を結合させる場合、細胞由来不純物から融合タンパク質を分離できる。
一例として、ユビキチンの予想pIは6.56程度であってほとんど中性であり、pIが弱酸性である目的タンパク質と等電点の差をおいてイオン交換樹脂またはメンブランで精製するのがむずかしい。このような場合、ユビキチンのN-末端または内部に数個の陽イオン性ペプチドのタグを付けて融合タンパク質を生産し、融合タンパク質の等電点を高めることのより宿主細胞内のタンパク質から容易に精製できる。
本発明は、また、目的タンパク質とユビキチン分解酵素によって切断される融合タンパク質の等電点の差を誘導するためにユビキチンのN末端にイオン性アミノ酸が数多く連結されたタグを付けて発現させることができるが、ユビキチン内のアミノ酸を置換したりまたはイオン性アミノ酸をユビキチン内に挿入することで、同様な効果が期待できる。
本発明の融合パートナーは、また、ユビキチンの3次元構造上の表面に存在するアミノ酸が置換されて融合パートナーの電荷が変化したものでもよく、例えば、前記ユビキチンの3次元構造上の表面に存在する1つ以上のアミノ酸が、ヒスチジン、リシン、及びアルギニンからなる群より選択された1種以上のアミノ酸で置換されたものであったり、前記ユビキチンの3次元構造上の表面に存在する1つ以上のアミノ酸が、グルタミン酸塩、及びアスパラギン酸塩からなる群より選択された1種以上のアミノ酸で置換されたものでもよい。
前記融合パートナーで置換できるアミノ酸の位置は、図1に現れたユビキチン3次元構造を参考にし(Vijay-Kumarら、J Mol Biol 194:pp.531(1987))、ユビキチン融合タンパク質をユビキチン分解酵素が認識できるようにユビキチンの3次元的構造を維持しながらユビキチンの表面電荷を入れ替えるためにアルファヘリックスとベータシートの2次元的構造内に存在することのないループ上のアミノ酸のうちで、表面に露出されているアミノ酸の中から選択できる。
前記融合パートナーは、ユビキチンのアミノ酸Glu16、Glu18、及びGlu64位置のアミノ酸からなる群より選択された1種以上の部位に位置するアミノ酸が置換されたものでよく、好ましくはユビキチンのアミノ酸Glu16がアルギニンで、Glu18がリシンで、更にGlu64がアルギニンで置換されたものがよい。
本発明で"細胞抽出物"とは、細胞破砕物または目的タンパク質を含む融合タンパク質を含有する培地溶液を全て意味する。
本発明は前記融合タンパク質を用いて融合タンパク質から目的タンパク質を分離する方法に関する。
また、本発明は
a)本発明による目的タンパク質と融合パートナーからなる融合タンパク質を宿主細胞において発現させ、
b)前記融合パートナーが吸着するマトリックスに融合タンパク質をローディングし、
c)前記マトリックスでユビキチン分解酵素で処理し、
d)前記マトリックスから目的タンパク質を溶出させるものを含み、融合タンパク質から目的タンパク質を分離する方法に関する。
本発明はまた、a)本発明による目的タンパク質と融合パートナーからなる融合タンパク質を宿主細胞において発現させ、
b)前記融合パートナーが吸着するマトリックスに融合タンパク質をローディングし、
c)前記マトリックスから融合タンパク質を回収し、
d)回収した融合タンパク質をユビキチン分解酵素で処理し、
e)マトリックスに対する吸着力の差によって前記融合パートナーから目的タンパク質を分離することを含み、融合タンパク質から目的タンパク質を分離する方法に関する。
前記目的タンパク質を分離する方法の中の段階b)の融合パートナーをマトリックスにローディングする段階は、i)前記融合タンパク質を含む細胞抽出物を融合タンパク質が吸着するマトリックスにローディングしたり、ii)前記融合タンパク質を含む細胞抽出物を目的タンパク質が吸着するマトリックスにローディングし、前記マトリックスから融合タンパク質を回収し、前記回収した融合タンパク質を融合パートナーが吸着するマトリックスにローディングする段階として遂行することもできる。
前記マトリックスはイオン交換樹脂または電荷を有するメンブランでよい。また、本発明で適用できる目的タンパク質と融合パートナーは等電点差が1以上、好ましくは1.5以上、更に好ましくは2以上のものである。例えば、前記目的タンパク質のpIが7.0以下のタンパク質や、pIが7.0以上のタンパク質でもよい。
本発明の具体的な一例において、a)宿主細胞において目的タンパク質と前記目的タンパク質の電荷と異なる電荷を有するアミノ酸配列をN-末端または内部に含んでユビキチン分解酵素によって切断されるアミノ酸配列をC-末端に含む融合パートナーからなる融合タンパク質を発現させ、b)融合タンパク質を含む細胞抽出物を融合パートナーが吸着するマトリックスにローディングし、c)前記マトリックスをユビキチン分解酵素で処理し、d)マトリックスから目的タンパク質を溶出させることからなる、目的タンパク質を効率的に分離精製できる方法に関する。
また、本発明はa)宿主細胞において目的タンパク質と前記目的タンパク質の電荷と異なる電荷を有するアミノ酸配列をN-末端または内部に含んでユビキチン分解酵素によって切断されるアミノ酸配列をC-末端に含む融合パートナーからなる融合タンパク質を発現させ、b)前記融合タンパク質を含む細胞抽出物を融合パートナーが吸着するマトリックスにローディングし、c)前記融合タンパク質をマトリックスから回収し、d)回収した融合タンパク質をユビキチン分解酵素で処理し、e)マトリックスに対する吸着力の差によって前記融合パートナーから目的タンパク質を分離することからなる、目的タンパク質を効率的に分離精製できる方法に関する。
本発明の、また他の具体的な一例において、pIが7.0以下である目的タンパク質を生産する方法に関する。さらに詳しくは、目的タンパク質を含む融合タンパク質をマトリックスに吸着させた後、融合タンパク質を溶出させる過程なしで陽イオン交換樹脂またはメンブランに吸着された状態でユビキチン分解酵素で処理して、溶出液で切断された目的タンパク質を溶出することによって高純度の目的タンパク質の分画を得ることができる。このような本発明の方法は宿主細胞においてC-末端にユビキチン分解酵素によって切断されるアミノ酸配列を含み、N-末端または内部に正電荷を有する2つ以上のアミノ酸を含む融合パートナーとpIが7より低い目的タンパク質からなる融合タンパク質を発現させ、前記融合タンパク質を含む細胞抽出物を融合パートナーが吸着する陽イオン交換樹脂またはメンブランにローディングし、前記イオン交換樹脂にユビキチン分解酵素を処理して前記陽イオン交換樹脂またはメンブランから目的タンパク質を溶出させることから構成される。
ユビキチン分解酵素で処理する前に、融合タンパク質が解離しない程度に低濃度の塩溶液を樹脂トップに流して、弱く吸着された宿主細胞由来のタンパク質またはエンドトキシンなどを解離させることによって最終目的タンパク質の純度を更に高めることができる。融合タンパク質の分解反応後、目的タンパク質以外のタンパク質が溶出されない程度の低い塩溶液で溶出させれば目的タンパク質が選択的に溶出されて高純度に得ることができる。
本発明の方法のまた他の例は、pIが7.0以下である目的タンパク質を生産する方法に関し、宿主細胞においてC-末端にユビキチン分解酵素によって切断されるアミノ酸配列を含み、N-末端または内部に正電荷を有する2つ以上のアミノ酸を含む融合パートナーとpIが7より低い目的タンパク質からなる融合タンパク質を発現させ、前記融合タンパク質を含む細胞抽出物を融合パートナーが吸着する陽イオン交換樹脂にローディングし、前記融合タンパク質を陽イオン交換樹脂またはメンブランから回収し、回収した融合タンパク質をユビキチン分解酵素で処理し、イオン交換樹脂に対する吸着力差によって前記融合パートナーから目的タンパク質を分離することからなる。マトリックスに対する吸着力の差によって融合パートナーから目的タンパク質を分離することは、例えば、ユビキチン分解酵素で処理された融合タンパク質を陰イオン交換樹脂にローディングし、まず、融合パートナーを溶出させて目的タンパク質を吸着させた後、目的タンパク質を再び溶出させたり、ユビキチン分解酵素で処理された融合タンパク質を陽イオン交換樹脂にローディングして融合パートナーは吸着させて目的タンパク質を溶出させることにより達成できる。
また、pIが7.0以上である目的タンパク質を生産する方法に関し、宿主細胞においてC−末端でユビキチン分解酵素によって切断されるアミノ酸配列を含み、N−末端または内部に負電荷を有する2つ以上のアミノ酸を含む融合パートナーと、pIが7より高い目的タンパク質からなる融合タンパク質を発現させ、前記融合タンパク質を含む細胞抽出物を目的タンパク質が吸着する陽イオン交換樹脂にローディングし、前記融合タンパク質を陽イオン交換樹脂から回収し、前記融合タンパク質を再び融合パートナーが吸着する陰イオン交換樹脂にローディングし、前記融合タンパク質を陰イオン交換樹脂から回収し、回収した融合タンパク質をユビキチン分解酵素で処理し、イオン交換樹脂に対する吸着力の差によって前記融合パートナーから目的タンパク質を分離することからなる。イオン交換樹脂に対する吸着力の差によって融合パートナーから目的タンパク質を分離することは、例えば、ユビキチン分解酵素で処理された融合タンパク質を陽イオン交換樹脂にローディングし、まず、融合パートナーを溶出させて目的タンパク質を吸着させた後、目的タンパク質を再び溶出させたり、ユビキチン分解酵素で処理された融合タンパク質を陰イオン交換樹脂にローディングして、融合パートナーを吸着させて目的タンパク質を溶出させることにより達成できる。
特に大腸菌細胞内タンパク質の大部分は弱酸性pHに等電点が存在してpH7.0で90%以上の細胞内タンパク質は負に荷電されて細胞抽出物に入っている核酸類とエンドトキシンも全て負に荷電されている。従って、本発明で提示するように、融合パートナーに正電荷を有するアミノ酸配列が存在するようになって、融合タンパク質を含む細胞抽出物を陽イオン交換樹脂を通過させることにより大部分の細胞内タンパク質、核酸類及び/またはエンドトキシンなどを容易に除去できる。
本発明の陽イオン交換樹脂はCMセファロース、SPセファロースなどを用いることができて陰イオン交換樹脂を使用する場合にはQセファロース、DEAEセファロースなどを用いることができる。
本発明では融合タンパク質を宿主細胞において生産した後、得た細胞抽出物を直ちに吸着流動床法(EBA)に導入して遠心分離、濾過などの初期精製段階を削減し融合タンパク質の吸着、切断を一度に実施できる。吸着流動床クロマトグラフィーは細胞抽出物から固体不純物を除去すると同時に所望のタンパク質を得る単一段階工程で既存の遠心分離、濾過などの初期精製工程を代替できる。
目的タンパク質の純度は逆相高速液体クロマトグラフィーを用いて測定できて本発明の方法によってDNAとエンドトキシンの濃度も低減できる。 本発明で様々な目的タンパク質が融合パートナーに融合されて原核または真核細胞において適切な発現システムを通じて発現できる。
本発明によって目的タンパク質を簡単で経済的な方法によって効果的に精製できる。
以下、実施例を通じて本発明を詳細に説明する。これら実施例は単に発明を説明するためのものであって、これら実施例によって発明の範囲が限られるわけではない。
実施例1:K6Ub-hGH発現ベクターの製造
ヒト成長ホルモン遺伝子は(Genbank番号K02382、Human growth hormone synthetic gene、complete cds)をpGNX2(韓国登録特許公報第0319529号)にクローニングしてpGNX2hGHを製造した。これを鋳型としてhGHN及びhGHCBプライマ−(表1)を用いて400bpの重合酵素連鎖反応物を得てBamH1で切断した。
ユビキチン遺伝子はGenbank番号M17524(Synthetic human ubiquitin gene、complete cds)の遺伝子を鋳型として、正方向プライマ−5’-GCAGCATATGCAGATTTTCGTC-3’(UBF)及び逆方向プライマ−である5’-CGACGGCGCCACCTCTTAGCC-3’(UBR)の両方向プライマ−を用いて重合酵素連鎖反応(PCR)をした後、その230bp生成物をNdeIで切断した。これをHindIIIで切断したpUC18と結合してpUC18Ubqを合成した。これをhGH遺伝子と連結するためにSfo1とBamH1で切断した後、400bp重合酵素連鎖反応物と連結してpUC18ubhGHを得た。これを発現ベクターに移すためにpGNX4(韓国登録特許公報第0319529号)とpUC18ubhGHをNde1及びBamH1のような酵素で切断してpGNX4ubhGHを製造した。pGNX4ubhGHでE.coli XL1-Blue MRを形質転換させ、カナマイシンが含まれた選択培地で選別をしてLB液体培地で培養した。OD600=0.6において0.5mM IPTGで発現を誘導してSDS-PAGE分析により発現の有無を確認した。
陽イオン性アミノ酸であるリシン6個で構成されたペプチドを融合タンパク質のN-末端に結合させるために、リシン・タグ・オリゴヌクレオチドKTT(表1)を合成して鋳型として用いて5’−プライマ−(KTN)と3’−プライマ−(KTC)を用いて重合酵素連鎖反応を実施して45bpの大きさを有する帯状物を得た。制限酵素Nde1(NEB、England)とAse1(NEB、England)で切断した後、Nde1で切断したpGNX4UbhGHと連結してpGNX4K6UbhGHを得た。pGNX4K6UbhGHでE.coli XL1blue MRを形質転換させてカナマイシン選択培地で形質転換体を選別した。LB液体培地で振盪培養して1mM IPTGで発現を誘導した後、発現の有無をSDS-PAGEにより確認した。発現した菌株のプラスミドDNAを配列分析した結果、N-末端の6個のリシンがAAGAAAAAAAAGAAAAAGのコドンからなることを確認した。
実施例2:K10-UBP発現ベクターの製造
UBP1遺伝子をクローニングするためにS.セレビジエ(S.cerevisiae)ATCC番号208275のゲノムを鋳型でプライマ−UBPNとUBPC(表1)を用いて重合酵素連鎖反応(PCR)で2400bpのUBP1遺伝子を得た後、pRSETcベクターのNdeIとBamH1の部位にクローニングした。クローニングされたものをNde1とBamH1で切断して同じ酵素で切断されたpGNX4ベクターと連結してpGNX4UBP1を製造した。これをE.coli XL1-Blue MRに形質転換させた。これによって得たクローンをカナマイシンが含まれた培地で選別して、カナマイシンを含んだLB液体培地で培養してOD600=0.6で0.5mM IPTGで発現誘導し、発現したUBP1を用いて実施例1の融合タンパク質を基質とした切断反応により活性を確認した。
UBP1の活性を有しながら容易な精製のためにリシン10個をN-末端に付けた。まず、10個のAAGコドンを有するオリゴヌクレオチド10K(表1)を合成して前後方向のNde1とAse1酵素部位を制限酵素で切断した後、Nde1とCIPで処理されたpGNX4UBP1を連結してpGNX410KUBP1を合成した。これはpGNX4UBP1と同様な方法で活性を確認した。本実施例1及び2で使用したプライマ−配列を下記表1に示した。
Figure 0004088584
実施例3:融合タンパク質の生産及び精製
実施例1で製造された発現ベクターpGNX4K6UbhGHにE.coli TG1を形質転換させた後、コロニーを得てLB培地(カナマイシン50mg/L包含)5mLに接種した。37℃で培養した後、その中の1mLを5g/Lのブドウ糖が含まれた100mLのR培地(培地組成:表2)に再び接種して30℃で培養した。これを15g/Lのブドウ糖が含まれたR培地1。4Lに再び接種してブドウ糖が消耗される時点で500g/Lのブドウ糖溶液を注入するフェッドバッチ(fed−batch)培養を実施した。培養液の吸光度が70に到達すればIPTG1mMを添加してタンパク質の発現を誘導した。遠心分離して収穫した細胞を20mMリン酸塩緩衝液(pH7.5)に懸濁させてマイクロフルイダイザーを用いて破砕した。15、000rpmの回転速度で60分間遠心分離して可溶性細胞抽出液である上層液を回収した後、イオン交換樹脂を用いて精製を試みた。
Figure 0004088584
イコノパックカラム(Econo-Pack、Bio-Rad、USA)にSP-セファロース高速流(SP-Sepharose Fast Flow、Pharmacia、Sweden)陽イオン交換樹脂2mLを充填した後、流速1mL/minで運転した。移動相はリン酸塩緩衝液(pH7.5)を用い、試料を注入する前に樹脂体積の15倍に相当する緩衝液で樹脂を平衡化させた。上記の上層液を注入した後、樹脂体積の3倍に相当する緩衝液で洗い落として同一な移動相に様々な濃度にNaClが添加された溶液を用いて段階別溶出を実施した。200、400、600、800、1000mMの濃度でNaClが添加された緩衝液各々6mlを用いて溶出させ、樹脂体積の6倍に相当する1MNaCl溶液で洗浄した。様々な塩濃度において溶出した分画をSDS-PAGEで分析して図2に示した(SM:分子量マーカー、1:細胞破砕液注入後の溶出液、2:洗浄液、3:200mM NaCl+緩衝液で洗浄した後の溶出液、4:400mM NaCl+緩衝液で洗浄した後の溶出液、5:600mM NaCl+緩衝液で洗浄した後の溶出液、6:800mM NaCl+緩衝液で洗浄した後の溶出液、7:1MNaCl+緩衝液で洗浄した後の溶出液)。
図2に示したように、融合タンパク質であるK6Ub-hGHは400mMの高い塩濃度において溶出してほとんど全ての大腸菌由来タンパク質を除去できたが、多くの種類の陽イオン性タンパク質が共に吸着した。
実施例4:ユビキチン分解酵素生産
実施例2において製造した発現ベクターpGNX4K10UBP1でE.coli TG1を形質転換させ得た組換え大腸菌を実施例3の方法で培養してリシン10個のタグが融合されたユビキチン分解酵素(K10-UBP)を生産した。実施例3の方法で処理して得た組換え大腸菌細胞抽出液を確保して陽イオン交換樹脂を利用して酵素を分離した。実施例1においてK6Ub-hGHは400mMで溶出したが、K10-UBPも400mM分画で力価を示し二つの融合タンパク質を含んだ溶液のイオン強度を同一に合せることができた。
実施例5:ユビキチン切断反応と陽イオン交換樹脂を用いた精製工程
実施例3において部分精製されたK6Ub-hGH400mM分画と実施例4において部分精製されたK10-UBP400mM分画を50対1の比率で混合して30℃で1時間切断反応を実施してSDS-PAGEで分析した(図3のレーン2)。
20mMリン酸塩緩衝液(pH7.5)と反応液を1対1に混合し、イオン強度を低くしてSP-セファロース高速流の陽イオン交換樹脂カラムに注入した結果、ヒト成長ホルモンだけが樹脂に吸着されないで直ちに溶出した。他のタンパク質などは陽イオン交換樹脂に吸着されて高い純度と収率でヒト成長ホルモンを分離できた(図3。レーン、1:K6Ub-hGH400mM分画、2:K6Ub-hGH400mM分画をUBPで処理した液、3:K6Ub-hGH400mM分画をUBPで処理した液をカラムに注入した後の溶出液、4:緩衝液で洗浄した液、5:200mMNaCl+緩衝液で洗浄した液、6:1MNaCl+緩衝液で洗浄した液)
実施例6:ユビキチン切断反応と陰イオン交換樹脂を用いた精製工程
実施例3において部分精製されたK6Ub-hGH400mM分画と、実施例4において部分精製されたK10-UBP400mM分画を、50対1の比率で混合して30℃で1時間切断反応を実施して反応液内でヒト成長ホルモンが陰イオン交換樹脂によく吸着するようにPD-10カラム(Pharmacia)を用いて脱塩させた。脱塩された切断反応液をQ-セファロース高速流の陰イオン交換樹脂カラムに注入して20mMリン酸塩緩衝液を洗浄して吸着されないタンパク質を溶出した。200mM塩溶液を流しヒト成長ホルモンを溶出した(図4、レーン1:K6Ub-hGH400mM分画をUBP処理した液、2:K6Ub-hGH400mM分画をUBP処理した液をカラムに注入した後の溶出液、3:緩衝液で洗浄した液、4:50mM NaCl+緩衝液で洗浄した液、5:200mM NaCl+緩衝液で洗浄した液、6:1M NaCl+緩衝液で洗浄した液)。
実施例7:逆相高速液体ウロマトグラフィーを利用した分析
実施例5の方法で分離したヒト成長ホルモンの純度を確認するために逆相高速液体クロマトグラフィーを実施した。図3のレーン3番に該当する分画を試料として用い、カラムはVydac(登録商標)C4(300A、5um、4.6mm id x250mm、USA)を用いて分析した。分析条件はヨーロッパ薬局方に記載されたヒト成長ホルモン分析条件を参照して設定した(ヨーロッパ薬局方1999:0951)。カラム温度は45℃で維持し、移動相で29%イソプロパノール71%50mMトリス緩衝液(pH7.5)を使用し、流速は250μm/minで固定した。図5にクロマトグラムを示したが2段階イオン交換樹脂精製工程を通じて99%以上の純度でヒト成長ホルモンを生産できた。
実施例8。樹脂トップ内切断反応
SP-セファロース高速流の陽イオン交換樹脂カラムを実施例3のように構成し、pH7.5のリン酸塩緩衝液で平衡化させた後、実施例3の方法で部分精製したK6UbhGHを含む400mM分画3mLを同一体積の緩衝液で希釈してイオン強度を低くした後、樹脂トップ内に注入した。吸着されないタンパク質などを除去するために6mLの緩衝液で洗浄した。実施例4の方法で得たK10-UBPが含まれた400mM分画1mLを同一体積の緩衝液で希釈した後、樹脂トップに注入し、常温で1時間反応した。反応後、200mMのNaClが含まれた緩衝液6mLを流し切断されたヒト成長ホルモンを溶出させて1MのNaClが含まれた緩衝液6mLに残りの吸着タンパク質を溶出させた。各段階で出てきた分画のSDS-PAGE分析結果を図6に示した(SM:分子量マーカー、1:K6UbhGHを含む400mM分画、2:緩衝液で洗浄した液、3:K10-UBPが含まれた400mM分画注入後、溶出液、4:200mM NaClが含まれた緩衝液で洗浄した液、5:1M NaClが含まれている緩衝液で洗浄した液)。K6Ub-hGHを含む400mMの塩濃度で溶出した分画内のタンパク質などは陽イオン交換樹脂によく吸着して、緩衝液を用いた全洗浄過程でタンパク質が溶出しなかった(レーン2)。同様に400mMの塩濃度で溶出したK10-UBPを含む分画内のタンパク質などもよく吸着した(レーン3)。ユビキチン分解酵素を利用した切断反応後、ヒト成長ホルモンは融合タンパク質から遊離されるが、切断反応後、200mMのNaClが含まれた緩衝液を流すと溶出された分画に切断されたヒト成長ホルモンが非常に高い純度で存在することを確認できた(レーン4)。
実施例9:EBA方式の精製工程適用
100mlのSTREAMLINE(登録商標)SP樹脂が詰められたSTREAMLINE(登録商標)25のカラムにpH7.5のリン酸塩緩衝液で平衡化させた後、実施例3のK6Ub-hGH融合タンパク質が含まれた細胞破砕液(400ml)をカラムベッドの膨脹比率が2になるように下から上の方向に注入した。試料注入後、樹脂体積の2倍に相当するリン酸塩緩衝液で洗浄して細胞クズなどの固形物質と大腸菌細胞タンパク質、DNAなどを除去した。樹脂に吸着された融合タンパク質でヒト成長ホルモンを切断するために、樹脂を沈降させて上の実施例4により得られたK10-UBP溶液50mlを緩衝液で希釈した後、カラム内部に注入して反応を始めた。ペリスタルティックポンプを用いてカラムの内部液を循環させながら反応させて吸光分光計を通過させて吸光度を測定することにより、反応の進行程度を測定した。反応が進むに連れて吸着された融合タンパク質から切断されて緩衝液に遊離されたヒト成長ホルモンが増加するようになって吸光度が増加し、3時間経過後に、これ以上の吸光度増加がなく反応が完了したことを確認した。反応後、100mM NaClが含まれた緩衝液を注入しながら遊離されたヒト成長ホルモンを溶出させて各々600mM、1mM NaClが含まれた緩衝液100mlで洗浄した(図7、1:分子量マーカー、2:細胞破砕液、3:細胞破砕液注入後、洗浄した液、4:UBP処理後、溶出液、5:100mM NaClが含まれている緩衝液で洗浄した液、6:600mM NaClが含まれている緩衝液で洗浄した液、7:1M NaClが含まれている緩衝液で洗浄した液)。
実施例10:pGNX4K6UbIFNalpha-2b発現ベクターの製造
ユビキチンタンパク質とヒトインターフェロンタンパク質の融合のために2段階の重合酵素連鎖反応を用いた。
最初の段階にユビキチン遺伝子(Genbank番号M17524、Synthetic human ubiquitin gene、complete cds)を有するベクターを鋳型にしてプライマ−F6KUb(表3、制限酵素Nde I部位、6個のリシンとユビキチン遺伝子の5’−末端包含)とプライマ−ORIFN(表3、ユビキチン遺伝子の3’−末端とヒトインターフェロン遺伝子の5’−末端を包含)を用いてユビキチン遺伝子を増幅し、ヒトインターフェロン遺伝子(genebank番号.V00538、Messenger RNA for human leukocyte(alpha)interferon)を含んだベクターを鋳型としてプライマ−OFIFN(表3、ユビキチン遺伝子の3’−末端とヒトインターフェロン遺伝子の5’−末端を包含)とプライマ−RIFN(表3、ヒトインターフェロン遺伝子の3’−末端と制限酵素Bam HI部位包含)を用いてヒトインターフェロン遺伝子を増幅して各々250塩基500に相当する大きさの重合酵素連鎖反応の反応物を得た。
第2の段階には、二つの反応物を連結するために最初の段階で得たそれぞれの産物を一緒に鋳型としてプライマ−F6KUb(Nde I部位と6個のリシンとユビキチン遺伝子の5’−末端包含)とプライマ−RIFN(ヒトインターフェロン遺伝子の3’−末端と制限酵素Bam HI部位包含)を用いて、もう一度重合酵素連鎖反応で二つの遺伝子が連結された750塩基程度の反応物を得ることができた。この反応物と発現ベクターであるpGNX4を制限酵素NdeIとBam HIで各々切断し、連結してpGNX4K6UbIFNalpha-2bというベクターを製造した。ベクターのDNA塩基配列を分析した結果、6個のリシン、ユビキチンとヒトインターフェロンが一つのタンパク質として発現できることを確認できた。
このように確認されたベクターpGNX4K6UbIFNalpha-2bをTG1という大腸菌に形質転換させ、0.5mM IPTGで発現を誘導してSDS-PAGE分析により発現の有無を確認した。本実施例で用いたプライマ−配列を下記表3に示した。
Figure 0004088584
実施例11:陽イオン交換メンブランを用いたインターフェロンの精製
リシン6個がN−末端に追加されたユビキチンとインターフェロンが融合されているDNAを含むpGNX4K6UbIFNalpha-2bプラスミドにTG1宿主細胞を形質転換させ融合タンパク質が発現するクローンを選抜した。5ml LB培地で培養し、100ml LB培地に3%接種を実施した。吸光度1.5〜2 になった時、IPTGを用いてインターフェロンを発現させ、IPTG添加後、4時間経過してから細胞を収穫した。13000rpmの回転速度で3分間遠心分離を実施して菌体を回収し、4mlの20mMリン酸塩バッファーに懸濁させた後、超音波破砕機で細胞を破砕した。破砕液を13000rpmの回転速度で30分間遠心分離した後、上澄み液を回収して精製した。インターフェロンの精製にはイオン性機能団を有するVivapure S mini H(Vivascience、Germany)陽イオン交換メンブランを用い、20mMリン酸塩バッファーで平衡化させた後に用いた。先に得たインターフェロンが含まれた上澄み液0.4mlをメンブランにローディングして1200gで遠心分離して吸着させた。リン酸塩バッファー0.4mlで2回メンブランを洗浄して1M NaClが含まれたリン酸塩バッファーで溶出させた。溶出されて出た分画の中の0.1mlをモレキュラーカットオフ3500規格の透析装置(Slide-A-Lyzer mini、Pierce、USA)を用いて1時間続けて脱塩させ、UBP1を用いて切断反応を実施した。2時間の反応後、反応液を20mMリン酸塩バッファーで平衡化させたメンブランに再びローディングした後1200g回転速度で5分遠心分離した。この時、吸着しなくてメンブランを通過した分画に非常に高い純度でインターフェロンが存在することを確認できた(図8:レーン、1:ローディングサンプル1/10希釈、2:1M NaCl溶出液、3:脱塩後のUBP切断反応、4:切断反応液がメンブランを通過した分画)。
実施例12:ユビキチンの変形
ユビキチンの3次元構造図を参考にして、ユビキチン融合タンパク質をユビキチン分解酵素が認識できるようにユビキチンの3次元的構造を維持しながらユビキチン表面電荷を入れ替えるために、ユビキチン内の16、18、64番位置に存在する陰イオン性グルタメートから、これをアルギニンまたはリシンに置換して等電点の変化を誘導した。ユビキチンの変形のために二回の重合酵素連鎖反応を利用した。
最初の重合酵素連鎖反応では目的位置に他のDNA塩基配列を有するプライマ−を用いた。ユビキチンタンパク質16、18番目グルタメートの変形のためのプライマ−FMUB1と64番目のグルタメートの変形のためのプライマ−RMUB1を用いた。この反応で得た反応物をユビキチンの順方向プライマ−FMUB2(ATGとNde I包含)と逆方向プライマ−RMUB2(Sfo I site包含)を用いた重合酵素連鎖反応で変形ユビキチンを得ることができた。これをpGEM-Tイージベクターに入れてpGEM-Mubというベクターを作り、DNA塩基配列分析を通じて目的した変形ユビキチン遺伝子配列を確認した。
変形ユビキチンタンパク質とヒト成長ホルモンタンパク質の融合のために2段階の重合酵素連鎖反応を用いた。最初の段階として変形ユビキチン遺伝子を有するベクター(pGEM-Mub)を鋳型としてプライマ−FMUB2(制限酵素Nde I 部位、ATGと変形ユビキチン遺伝子の5’−末端包含)とプライマ−ORhGH(変形ユビキチン遺伝子の3’−末端とヒト成長ホルモン遺伝子の5’−末端を包含)を用いて変形ユビキチン遺伝子を増幅し、ヒト成長ホルモン遺伝子(Genbank番号K02382、Human growth hormone synthetic gene、complete cds)を含んだベクターを鋳型としてプライマ−OFhGH(変形ユビキチン遺伝子の3’−末端とヒト成長ホルモン遺伝子の5’−末端を包含)とプライマ−RhGH(ヒト成長ホルモン遺伝子の3’−末端と制限酵素Bam HI部位包含)を用いてヒト成長ホルモン遺伝子を増幅して各々250塩基と6000塩基に相当する大きさの重合酵素連鎖反応の反応物を得た。2番目の段階としては二つの反応物を連結するために最初の段階で得たそれぞれの生成物を一緒に鋳型としてプライマ−FMUB2(Nde I部位と変形ユビキチン遺伝子の5’−末端包含)とプライマ−RhGH(ヒト成長ホルモン遺伝子の3’−末端と制限酵素Bam HI部位包含)を用いて、もう一度の重合酵素連鎖反応で二つの遺伝子が連結された900塩基程度の反応物を取得できた。この反応物と発現ベクターであるpGNX4(韓国出願1999-17920)を制限酵素Nde IとBam HIで各々切断し連結してpGNX4MUbhGHというベクターを製造した。ベクターのDNA塩基配列を分析した結果、変形ユビキチンとヒト成長ホルモンの遺伝子が融合されていることが確認できた。
実施例13:変形ユビキチンを用いたヒト成長ホルモンの精製
タンパク質配列を変化させた変形ユビキチンとヒト成長ホルモンが融合されているDNAを含むpGNX4MUbhGHプラスミドで大腸菌宿主細胞を形質転換させ融合タンパク質が発現するクローンを選抜した。5mlLB培地で予め培養して100mlLB培地に3%接種を実施した。吸光度1.5−2になった時、IPTGを用いて融合タンパク質を発現させ、IPTG添加後、4時間経過してから、細胞を収穫した。13000rpmの回転速度で3分間遠心分離を実施し菌体を回収して吸光度50程度に20mM MESバッファーに懸濁させた後、超音波破砕機で細胞を破砕した。破砕液を13000rpmの回転速度で30分間遠心分離した後、上澄み液を回収して精製に使用した。
融合タンパク質の精製にはイオン性機能団を有するVivapure S mini H(Vivascience、Germany)の陽イオン交換メンブランを利用し、20mM MESバッファーに平衡化させた後使用した。先に得た融合タンパク質が含まれた上澄み液0.4mlをメンブランにローディングし900gで遠心分離して吸着させた。MESバッファー0.4mlで2回メンブランを洗浄して1M NaClが含まれたMESバッファーで溶出させた。溶出されて出た分画の中の0.1mlをモレキュラーカットオフ3500規格の透析装置(Slide-A-Lyzer mini、Pierce、USA)を用いて1時間続けて脱塩させ、UBP1を用いて切断反応を実施した。反応後、反応液を20mM MESバッファーで平衡化させたメンブランに再びローディングした後、900g回転速度で5分遠心分離して精製されたヒト成長ホルモンを得ることができた。
ユビキチンN末端にイオン性タグを付けたことと同様に、ユビキチン内部のアミノ酸を置換することによって等電点を上げて陽イオン交換樹脂に吸着させることができて、ユビキチン分解酵素によって切断されることを確認できた。(図9。レーン、1:ローディングサンプル1/10希釈、2:1M NaCl溶出液、3:脱塩後、UBP切断反応、4:切断反応液がメンブランを通過した分画)。本実施例で使用したプライマ−配列を下記表4に示し、下表に示した塩基配列のうちの濃く下線表示した文字は変形された部分を示す。
Figure 0004088584
ユビキチンの概略的な3次元構造図である。 実施例3によって組換え大腸菌で発現した融合タンパク質の陽イオン交換樹脂を通じた精製時の様々な塩濃度で溶出する分画のSDS-PAGE分析写真である。 実施例5によって融合タンパク質が含まれた細胞破砕液を陽イオン交換樹脂に吸着させた後、400mMの塩濃度で溶出させて得た分画を同じ方法で得たユビキチン分解酵素と反応させた後、陽イオン交換樹脂にローディングして得たSDS-PAGE分析写真である。 実施例6によって融合タンパク質が含まれた細胞破砕液を陽イオン交換樹脂に吸着させた後、400mMの塩濃度で溶出させて得た分画を同じ方法で得たユビキチン分解酵素と反応させた後、陰イオン交換樹脂にローディングして得たSDS-PAGE分析写真である。 実施例7によって図3のレーン3番に該当する分画を逆相高速液体クロマトグラフィーに分析して得たクロマトグラムである。 融合タンパク質が含まれた細胞破砕液を陽イオン交換樹脂に吸着させて低い塩濃度で洗浄した後、ユビキチン分解酵素を陽イオン交換樹脂に吸着させ反応させることによって目的タンパク質を高純度に得ることができることを示すSDS-PAGE分析写真である。 細胞抽出液を吸着流動床法(EBA)を用いて陽イオン交換樹脂に吸着させた後、沈降させてユビキチン分解酵素を用いて陽イオン交換樹脂トップ内で反応させた後、各分画をSDS-PAGEに分析した写真である。 実施例11によってメンブランにローディングした試料、NaCl溶出液、脱塩後のUBP切断反応液、及び切断反応液をメンブランに通過させた分画をSDS-PAGEに分析した写真である。 実施例13によってメンブランにローディングした試料、NaCl溶出液、脱塩後のUBP切断反応液、及び切断反応液をメンブランに通過させた分画をSDS-PAGEに分析した写真である。

Claims (15)

  1. (a)目的タンパク質が融合パートナーのC−末端に連結された融合タンパク質を宿主細胞において発現させる段階であって、
    前記融合パートナーはi)C−末端にユビキチン切断部位が存在し、ii)ユビキチンのN−末端に2〜30個の正電荷を有するアミノ酸からなるペプチドを含む、またはユビキチン内部のアミノ酸が正電荷を有するアミノ酸に置換された、目的タンパク質との等電点差が1以上であるものであり;
    (b)前記発現された融合タンパク質を含む細胞抽出物を融合パートナーが吸着するメンブランまたはイオン交換樹脂にローディングし、前記融合タンパク質をメンブランまたはイオン交換樹脂に吸着させる段階;及び
    (c)前記吸着された融合タンパク質をユビキチン切断酵素で処理して、融合タンパク質から分離された目的タンパク質を収得する段階;
    を含む目的タンパク質の分離方法。
  2. (a)目的タンパク質が融合パートナーのC−末端に連結された融合タンパク質を宿主細胞において水溶性形態で発現させる段階であって、
    前記融合パートナーはi)C−末端にユビキチン切断部位が存在し、ii)ユビキチンのN−末端に2〜30個の正電荷を有するアミノ酸からなるペプチドを含む、またはユビキチン内部のアミノ酸が正電荷を有するアミノ酸に置換された、目的タンパク質との等電点差が1以上であるものであり ;
    (b)前記発現された融合タンパク質を含む細胞抽出物を融合パートナーが吸着するメンブランまたはイオン交換樹脂にローディングし、前記融合タンパク質をメンブランまたはイオン交換樹脂に吸着させた後、融合タンパク質を回収する段階;及び
    (c)前記回収された融合タンパク質をユビキチン切断酵素で処理した後、融合パートナーが吸着されるイオン交換樹脂または目的タンパク質が吸着されるイオン交換樹脂を利用して目的タンパク質を分離及び収得する段階;
    を含む目的タンパク質の分離方法。
  3. (a)目的タンパク質が融合パートナーのC−末端に連結された融合タンパク質を宿主細胞において発現させる段階であって、
    前記融合パートナーはi)C−末端にユビキチン切断部位が存在し、ii)ユビキチンのN−末端に2〜30個の負電荷を有するアミノ酸からなるペプチドを含む、またはユビキチン内部のアミノ酸が負電荷を有するアミノ酸に置換されたものであり;
    (b)前記発現された融合タンパク質を含む細胞抽出物を目的タンパク質が吸着するメンブランまたは陽イオン交換樹脂にローディングし、前記融合タンパク質を回収する段階;及び
    (c)前記回収された融合タンパク質をユビキチン切断酵素で処理して、融合タンパク質を目的タンパク質及び融合パートナーにそれぞれ切断し、イオン交換樹脂を利用して目的タンパク質を分離及び収得する段階であって、
    前記イオン交換樹脂が陰イオン交換樹脂である場合、前記樹脂に吸着されない目的タンパク質を回収し、前記イオン交換樹脂が陽イオン交換樹脂である場合、前記樹脂に目的タンパク質のみを吸着させた後、吸着された目的タンパク質を回収する段階;
    を含む目的タンパク質の分離方法。
  4. (a)目的タンパク質が融合パートナーのC−末端に連結された融合タンパク質を宿主細胞において発現させる段階であって、
    前記融合パートナーはi)C−末端にユビキチン切断部位が存在し、ii)ユビキチンのN−末端に2〜30個の負電荷を有するアミノ酸からなるペプチドを含む、またはユビキチン内部のアミノ酸が負電荷を有するアミノ酸に置換されたものであり;
    (b)前記発現された融合タンパク質を含む細胞抽出物を目的タンパク質が吸着するメンブランまたは陽イオン交換樹脂にローディングし、前記融合タンパク質を回収する段階;及び
    (c)前記回収された融合タンパク質を融合パートナーが吸着される陰イオン交換樹脂 に通過させて融合タンパク質を前記樹脂に吸着させる段階;及び
    (d)前記吸着された融合タンパク質をユビキチン切断酵素で処理して、融合タンパク質から分離される目的タンパク質を収得する段階;
    を含む目的タンパク質の分離方法。
  5. 前記正電荷を有するアミノ酸は、ヒスチジン、リシン及びアルギニンからなる群より選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の目的タンパク質の分離方法。
  6. 前記負電荷を有するアミノ酸は、グルタメートまたはアスパラギン酸(aspartate)であることを特徴とする、請求項3または4に記載の目的タンパク質の分離方法。
  7. 前記融合パートナーのユビキチンは、N−末端にGST(Glutathione transferase)、マルトース結合タンパク質、またはチオレドキシンが追加的に連結されたものであることを特徴とする、請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の目的タンパク質の分離方法。
  8. 前記目的タンパク質は、ヒト成長ホルモン、インターフェロン、インターロイキン、顆粒球コロニー刺激因子、エリトロポエチン、及びインシュリンから構成される群より選択されることを特徴とする、請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の目的タンパク質の分離方法。
  9. 前記融合パートナーは、ユビキチンの16、18及び64番目アミノ酸からなる群より1種以上選択されたアミノ酸が、ヒスチジン、リシン及びアルギニンからなる群より選択される1種以上のアミノ酸に置換されたものであることを特徴とする、請求項1または2に記載の目的タンパク質の分離方法。
  10. 前記融合パートナーは、ユビキチンの16、18及び64番目アミノ酸からなる群より1種以上選択されたアミノ酸が、グルタメート及びアスパラギン酸(aspartate)からなる群より選択される1種以上のアミノ酸に置換されたものであることを特徴とする、請求項3または4に記載の目的タンパク質の分離方法。
  11. 前記ユビキチン切断部位は、RGGアミノ酸からなることを特徴とする、請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の目的タンパク質の分離方法。
  12. 前記目的タンパク質は、等電点が7.0以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の目的タンパク質の分離方法。
  13. 前記目的タンパク質は、等電点が7.0以上であることを特徴とする、請求項3または4に記載の目的タンパク質の分離方法。
  14. 前記目的タンパク質と融合パートナーとの等電点差が1以上であることを特徴とする、請求項3または4に記載の目的タンパク質の分離方法。
  15. 前記融合タンパク質は、宿主細胞において水溶性形態で発現することを特徴とする、請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の目的タンパク質の分離方法。
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