【発明の詳細な説明】
2−アミノ−2−イミダゾリン、グアニジン、および2−アミノ−3,4,5,
6−テトラヒドロピリミジン誘導体の製造法
発明の属する技術分野
本発明は、呼吸器疾患、眼疾患、胃腸疾患、鼻鬱血除去、高血圧症、偏頭痛、
交感神経系機能に関連する疾患、および物質乱用を含む、種々の医学的疾患の治
療において有用な化合物を作成するための化学的方法に関する。特に、本発明の
方法は、2−アミノ−2−イミダゾリン誘導体、グアニジン誘導体、および2−
アミノ−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン誘導体を作成するのに有用で
ある。
発明の背景
本発明は、2−アミノ−2−イミダゾリン誘導体、グアニジン誘導体、および
2−アミノ−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン誘導体(ここで、全てを
集合的に「2−アミノ−2−誘導体」と記載する)の製造法に関する。そのよう
な誘導体は、たとえば呼吸器疾患、眼疾患、胃腸疾患、鼻鬱血除去、高血圧症、
偏頭痛、交感神経系機能に関連する疾患、および物質乱用を含む、種々の医学的
疾患の治療において有用である。最も広く知られているこれらの誘導体の1つは
、α−2−アドレナリン作用性受容体の作働薬および抗高血圧剤であるクロニジ
ンである。同様に、イオピジン(Iopidine)は、眼内圧力を減少するのに有用な、
知られているα−2−アドレナリン作用性受容体の作働薬である:
クロニジンは、Boehringer,Ing.に対する米国特許第3,202,660号(1
965年)に開示されており、イオピジンはAlconに対する米国特許4,517
,199号(1985年);Timmermans P.B.M.W.M.,de Jonge,A.,Thoolen,M.J
.M.C.,Wilffert,B.,Batink,H.,van Zwieten,P.A.,"Quantitative Relationships
between α-Adrenergic Activity and Binding Affinity of α-Adrenoceptor
Agonists and Antagonists"Journal of Medicinel Chemistry,Vol.27(1984)pp.4
95-503;Physician's Desk Reference(50th ed.,1996)に開示されている。
α−2−アドレナリン作用性受容体作働薬の治療法に関する指示は、文献にお
いて議論されてきた。Ruffolo,R.R.,Nichols,A.J.,Stadel,J.M.and Hieble,J.P.
,"Pharmacologic and Therapeutic Applications of Alpha-2-AdrenoceptorSubt
ypes",Annual Review of Pharmacology & Toxicology,Vol.32(1993)pp.243-279
。
一般的に、αアドレナリン作用性受容体、作働薬、拮抗薬に関するさらなる情
報は、以下の文献に記載されている:Timmermans P.B.M.W.M.,Chiu,A.T.,and Th
oolen,M.J.M.C."12.1 α-Adrenergic Receptors",Comprehensive Medicinal Che mistry
,Vol.3,Membranes & Receptors,P.G.Sammes & J.B.Taylor,eds.,Pergamon
Press(1990),pp.133-185;Timmermans,P.B.M.WM.,and van Zwieten,P.A.,"α-A
drenoceptor Agonists and Antagonists",Drug of the Future,Vol.9,No.1(Janu
ary,1984),pp.41-55;Megens,A.A.H.P.,Leysen,J.E.,Awouters,F.H.L.,and Niem
egeers,C.J.E.,"Future Validation of in vivo
and in vitro Pharmacological Procedures for Assessing the α1andα2-Sele
ctivity of Test Compounds:(2)α-Adrenoceptor Agonists",European Journal of Pharmecology
,Vol.129(1986),pp.57-64;Timmermans,P.B.M.W.M.,de Jonge,A.
,Thoolen,M.J.M.C.,Wilffert,B.,Batink,H.,van Zwieten,P.A.,"Quantitative R
elationships between α-Adrenergic Activity and Binding Affinity ofα-Ad
renoceptor Agonists and Antagonists",Journal ofMedicinal Chemistry,Vol.2
7(1984)pp.495-503;van Meel,J.C.A.,de Jonge,A.,Timmermans,P.B.M.W.M.,an
d van Zwieten,P.A.,"Selectivity of SomeAlpha Adrenoceptor Agonists for P
eripheral Alpha-1 and Alpha-2 Adrenoceptors in the Normotensive Rat",The Journal of Phamacology and Experimental Therapeutics
,Vol.219,No.3(1981)
,pp.760-767;Chapleo,C.B.,et.al.,Effect of 1,4-Dioxanyl Substitution on
the Adrenergic Activity of Some Standardα-Adrenoreceptor Agents",Europe an Journal of Medicinal Chemistry
,Vol.24(1989),pp.619-622;Chapleo,C.
B.,et.al.,"Heteroaromatic Analogues of the α2-Adrenoreceptor Partial
AgonistClonidine",Journal of Medicinal Chemistry,Vol.32(1989),pp.1627-16
30;Clare,K.A.,Scrutton,M.C.,and Thompson,N.T.,"Effects of α2-Adre
noceptor Agonists and of Related Compounds on Aggregation of,and on Aden
ylate Cyclase Activity in,Human Platelets",British Journal of Pharmaco logy
,Vol.82(1984),pp.467-476;Danielewicz、SnareyおよびThomasに対して
1975年6月17日に発行された米国特許第3,890,319号;Gluchows
kiに対して1992年2月25日に発行された米国特許第5,091,528号
;CuppsおよびBogdanに対して1995年12月26日に発行された米国特許第
5,478,858号;およびCuppsおよびBogdanに対して1996年7月30
日に発行された米国特許第5,541,210号。
当該技術において、2−アミノ−2−誘導体は、多くの異なる方法によって合
成されてきた。Neumannに対して1983年8月9日に発行された米国特許第4
,398,028号;Chapleo,C.,et.al.,"Heteroaromatic Analogues of the
α2-Adrenoreceptor Partial Agonist Clonidinei",Journal of Medicinal Chemistry
,Vol.32(1989),pp.1627-1630;Gluchowskiに対して1992年7月
14日に発行された米国特許第5,130,441号;CuppsおよびBogdanに対
して1995年12月26日に発行された米国特許第5,478,858号。
たとえば、クロニジン類似体の合成は、大過剰のピリジンの存在下の2−チオ
メチル−2−イミダゾリンの芳香族第1級アミンとの反応を伴う。しかし、その
文献はこの反応における非常に低い収率を述べている。Chapleo,C.,et.al.,
"Heteroaromatic Analogues of the α2-Adrenoreceptor Partial Agonist Clon
idine",Journal of Medicinal Chemistry,Vol.32(1989),pp.1627-1630を参照せ
よ。
2−アミノ−2−誘導体の別の合成も行われている。しかし、これらの合成に
おいてさらなる不利益となるものは、これらの合成に要求される多くの時間を必
要とし、多大な費用を必要とする、多数の工程、および/または毒性の不純物の
存在をもたらすおそれのある水銀または別の遷移金属反応剤の使用である。
Neumannに対して1983年8月9日に発行された米国特許第4,398,02
8号;CuppsおよびBogdanに対して1995年12月26日に発行された米国特
許第5,478,858号。
2−アミノ−2−誘導体のさらに別の合成的調製が行われている。Gluchowski
に対して1992年7月14日に発行された米国特許第5,130,441号。Gluchowski
は、芳香族第1級アミンをイミダゾリンスルホン酸とカップリングす
ることにより、2−アミノ−2−誘導体の形成における収率をChapleoの方法を
越えて改良できることを見いだした。しかし、Gluchowskiの収率の改良は、中程
度に過ぎなかった。さらに、この合成は、イミダゾリンスルホン酸中間体の低収
率の調製を必要とした。
2−アミノ−2−誘導体を調製するより高収率でより経済的な方法が有利であ
るのは、当該技術から明らかである。驚くべきことには、プロトン源の存在下で
、第1級アミンまたはそれらの塩を、アシル化された2−チオ−置換−2−イミ
ダゾリン、−アミジン、または−テトラヒドロピリミジン中間体とカップリング
して、1工程で所望の2−アミノ−2−誘導体を与えることにより、これらの化
合物のその文献の合成の不利益を克服できることを見いだした。この反応におけ
る
収率は、Chapleoに報告されているものよりも著しく高い。その反応は、Neu man n
およびCuppsの方法よりも有利である。なぜなら、それは非常に長い合成を克服
し、および遷移金属反応剤を回避するからである。
さらに、本発明はGluchowskiの合成の欠陥も克服する。本発明は、2−アミノ
−2−誘導体の合成における中間体として、スルホン酸ではなく、むしろ2−チ
オ−置換−2−イミダゾリン、−アミジン、または−テトラヒドロピリミジンを
用いる。一般的に、アシル化された2−チオ−置換−2−イミダゾリンは知られ
ている。しかし、アシル化された2−チオ−置換−2−イミダゾリンの知られて
いる合成は、低収率を与える。Kohn,H.,et.al.,"Syntheses and Pharmacolo
gical Activity of Substituted Imidazolinethiones and Thioimidazolines",Journal of Medicinal Chemistry
,Vol.20(1977)pp.158-160;Kohn,H.,et.al
.,"Syntheses and Spectral Properties of Substituted Imidazolidones and
Imidazolines",Journal of Organic Chemistry,Vol.42(1977)pp.941-948。驚
くべきことに、アシル化された2−チオ−置換−2−イミダゾリン、−アミジン
、およびーテトラヒドロピリミジンを、2工程で、1ポットの方法において、高
収率で調製することができることを見いだした。この方法は、アシル化された2
−チオ−2−誘導体の合成を、Kohnの参考文献の方法よりも、高収率で、容易に
、およびより短い時間を要するものにする。
したがって、対応するアシル化された2−チオ−置換−2−誘導体を2工程で
、1ポットの方法において高収率で合成することにより、およびこの単離された
誘導体を、プロトン源の存在下で、適切なアミンまたはその塩とさらに反応する
ことにより、2−チオ−置換−2−イミダゾリン、グアニジン、または2−アミ
ノ−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジンを、高収率で便利に合成できるこ
とが今や見いだされた。本方法は、非常に長く、多大な費用を必要とし、あるい
は多数の低収率の工程、および猛毒の反応体の必要性を排除する反応条件下で、
2−アミノ−2−イミダゾリン、グアニジン、および2−アミノ−3,4,5,
6−テトラヒドロピリミジンの調製を可能にする。本方法は、改良された収率お
よび生成物の純度を可能にし、およびこれらの部類の化合物の調製における更な
る合成の融通性を提供する。
特に、本発明の好ましい方法は、2−アミノ−2−誘導体のスケールアップお
よび製造に特に適合する新規な方法論を提供する。本方法は、商業的に入手可能
なで、低コストの出発材料を用いる。アシル化された2−チオ−置換−2−イミ
ダゾリン、−アミジン、またはーテトラヒドロピリミジン中間体および対応する
2−アミノ−2−誘導体は、しばしば直接的沈殿によって得られ、したがって文
献記載の方法において遭遇する典型的な抽出および蒸発手順を回避することがで
きる。
発明の要旨
本発明は、以下の一般構造またはその互変異性体を有する2−アミノ−2−イ
ミダゾリン、グアニジン、および2−アミノ−3,4,5,6−テトラヒドロピ
リミジン誘導体の製造法を提供し、前記製造法は:
[式中、
(a) R1は、メチル、エチル、R1とR2とが5員環を形成するように単結合
を介してR2と結合するメチレン基、またはR1とR2とが6員環を形成する
ように別のメチレン基を介してR2と結合するメチレン基であり;
(b) R2は、メチル、エチル、R1とR2とが5員環を形成するように単結合
を介してR1と結合するメチレン基、またはR1とR2とが6員環を形成する
ように別のメチレン基を介してR1と結合するメチレン基であり;
(c) Zは、アルキル、あるいは、飽和の、不飽和のまたは芳香族の、単環
または多環の、炭素環またはO,NまたはSから選択される1つ以上のヘテ
ロ原子を含有するへテロ環であり;および
(d) R4は、水素、アルコキシ、アルキルチオ、アルキル、アルケニル、ア
ミノ、カルボキシル、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、およびチオ
ールを独立的に含む、Z上の1つまたは複数の置換基であり;
(e)あるいは、その保護された形態、塩、薬剤学的に許容できる塩、生加水
分解可能なエステル、溶媒和物である。]
(I)下記一般式を有する中間体を、 [式中、
(a) Rは、メチル、エチル、およびベンジルからなる群から選択され;
(b) R1は、メチル、エチル、R1とR2とが5員環を形成するように単結合
を介してR2と結合するメチレン基、またはR1とR2とが6員環を形成する
ように別のメチレン基を介してR2と結合するメチレン基であり;
(c) R2は、メチル、エチル、R1とR2とが5員環を形成するように単結合
を介してR1と結合するメチレン基、またはR1とR2とが6員環を形成する
ように別のメチレン基を介してR1と結合するメチレン基であり;
(d) R3は、−O−R5または−R6であり;
(e) R5は、アリル、メチル、エチル、ベンジル、tert-ブチル、およびフ
ェニルからなる群から選択され;および
(f) R6は、メチル、エチル、tert−ブチル、およびフェニルからなる
群から選択される。]
下記一般式を有するチオウレアから、
[式中、
(a) R1は、メチル、エチル、R1とR2とが5員環を形成するように単結
合を介してR2と結合するメチレン基、またはR1とR2とが6員環を形成す
るように別のメチレン基を介してR2と結合するメチレン基であり;
(b) R2は、メチル、エチル、R1とR2とが5員環を形成するように単結合
を介してR1と結合するメチレン基、またはR1とR2とが6員環を形成する
ように別のメチレン基を介してR1と結合するメチレン基である。]
a) 前記チオウレアをアルキル化剤を用いてアルキル化して、2−チオ−置換
−2−イミダゾリン、アミジン、または2−チオ−置換−3,4,5,6−テ
トラヒドロピリミジンを形成することと;
b) 工程(I) a)の前記2−チオ−置換−2−イミダゾリン、アミジン、また
は2−チオ−置換−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジンを、塩基の存在
下で、アシル化剤によりアシル化することと
による2工程、1ポット反応において調製する工程と;
(II)工程(I)の中間体を、有機酸の存在下で、下記構造のアミンまたはその塩と
カップリングする工程と
を具える。
発明の詳細な説明
本発明は、2−アミノ−2−イミダゾリン、グアニジン、および2−アミノ−
3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン誘導体の製造のための方法に関する。
そのような2−アミノ−2−誘導体は、呼吸器疾患、眼疾患、胃腸疾患、鼻鬱血
除去、高血圧症、偏頭痛、交感神経系機能に関連する疾患、および物質乱用を含
む、種々の医学的疾患を治療するのに有用である。これらの方法により作成され
た化合物がそのような疾患を治療することに用いられるとき、それらは薬剤学的
に許容できなければならない。ここで用いられるように、そのような「薬剤学的
に許容できる」成分は、合理的な利益/危険比に対応する、過度の有害な副作用
(毒性、刺激、およびアレルギー応答のようなもの)を伴わずに、人間および/
または動物に対する使用に適当であるものである。そのような薬剤学的に許容で
きる形熊は、塩、生加水分解可能なエステル、および溶媒和物を含む。
本発明の方法によって調製される2−アミノ−2−誘導体は、別の2−アミノ
−2−誘導体の調製のための中間体としても、用いることができる。すなわち、
調製された化合物を、知られている化学反応を用いてさらに反応して、他の活性
類似体を得ることができる。
術語の定義および用例
以下は、ここで用いられる術語の定義のリストである。
ここで用いられるように、「アシル化剤」とは、窒素原子をアシル化して、カ
ルバメートまたはアミド、好ましくはカルバメートを形成するのに適当な反応剤
を意味する。好ましいアシル化剤は、二炭酸ジtert-ブチル、ピロ炭酸ジエチル
、ピロ炭酸ジメチル、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸ベンジ
ル、クロロギ酸アリル、クロロギ酸フェニル、塩化アセチル、プロピオニルクロ
リド、無水酢酸、無水プロピオン酸、トリメチルアセチルクロリド、トリメチル
酢酸無水物、および塩化ベンゾイルを含む。より好ましいアシル化剤は、二炭酸
ジtert-ブチル、ピロ炭酸ジメチル、およびクロロギ酸メチルである。最も好ま
しいアシル化剤は、クロロギ酸メチルである。
ここで用いられるように、「アルケニル」とは、1つまたは複数の二重結合を
有し、直鎖または分枝鎖であり、無置換または置換されている炭化水素置換基を
意味する。
ここで用いられるように、「アルコキシ」とは、構造Q-O-を有する置換基を意
味し、ここでQはアルキルまたはアルケニルである。
ここで用いられているように、「アルキル」とは、直鎖または分枝鎖であり、
無置換または置換されている飽和炭化水素置換基を意味する。
ここで用いられるように、「アルキル化剤」とは、硫黄のようなヘテロ原子を
アルキル化するのに適当な反応剤を意味する。好ましいアルキル化剤は、ヨウ化
メチル、臭化メチル、塩化メチル、ジメチル硫酸、ヨウ化エチル、臭化エチル、
塩化エチル、ジエチル硫酸、および臭化ベンジルを含む。より好ましいアルキル
化剤は、ヨウ化メチル、臭化メチル、ジメチル硫酸、ヨウ化エチル、およびジエ
チル硫酸を含む。最も好ましいアルキル化剤は、ヨウ化メチルおよびジメチル硫
酸である。
ここで用いられるように、「アルキルチオ」とは、構造Q-S-を有する置換基を
意味し、ここでQはアルキルまたはアルケニルである。
ここで用いられるように、「塩基」とは、反応混合物に添加されてアシル化剤
を用いる窒素のアシル化を容易にする塩基性反応剤を意味する。塩基は、窒素塩
基および無機塩基を含む。好ましい塩基は、容易に濾過可能な、あるいは別の方
法で除去可能な塩を有するものを含む。具体的には、好ましい塩基は、N,N−
ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、4−ジメ
チルアミノピリジン、ピリジン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸カリウ
ム、および重炭酸ナトリウムを含む。より好ましい塩基は、トリエチルアミン、
トリメチルアミン、および炭酸カリウムである。最も好ましい塩基は、炭酸カリ
ウムである。
ここで用いられるように、「生加水分解可能なエステル」とは、その化合物の
治療活性を妨害しない、または、人間または他の哺乳類により容易に代謝される
エステル部分を意味する。
ここで用いられるように、「炭素環式の環」とは、飽和の、不飽和のまたは芳
香族の炭化水素環基である。炭素環式の環は、単環式の、あるいは縮合した、架
橋したまたはスピロの多環式の環系である。単環式の環は、3から9原子、好ま
しくは4から7原子、および最も好ましくは5または6原子を含有する。多環式
の環は、7から17原子、好ましくは7から14原子、および最も好ましくは9
または10原子を含有する。
ここで用いられるように、「エーテル溶媒」とは、1つの酸素に結合されてい
る2つのアルキル基を有する溶媒であり、そのアルキル基および酸素原子が環の
一部であるものを含む。好ましいエーテル溶媒は、ジエチルエーテル、メチルte
rt-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、およびイソプロピルエーテルを含む
。より好ましいエーテル溶媒は、メチルtert-ブチルエーテルおよびイソプロピ
ルエーテルを含む。最も好ましいエーテル溶媒は、メチルtert-ブチルエーテ
ルである。
ここで用いられるように、「ハロカーボン溶媒」とは炭素鎖に結合した1つ以
上のハロゲンを有する溶媒である。好ましいハロカーボン溶媒は、ジクロロメタ
ン、エチレンジクロリド、クロロホルム、および四塩化炭素を含む。より好まし
いものは、ジクロロメタンおよびエチレンジクロリドである。さらにより好まし
いものは、エチレンジクロリドである。
ここで用いられるように、「ハロゲン」とはクロロ、ブロモ、フルオロ、また
はヨウ素原子基である。ブロモ、クロロおよびフルオロが好ましいハロゲンであ
る。
ここで用いられるように、「ヘテロ環式の環」とは、その環内に炭素原子およ
び1つ以上のヘテロ原子を含む飽和の、不飽和のまたは芳香族の環基である。ヘ
テロ環式の環は、単環式であるか、あるいは、縮合した、架橋したまたはスピロ
の多環式の環系である。単環式の環は、3から9原子、好ましくは4から7原子
、および最も好ましくは5または6原子を含有する。多環式の環は、7から17
原子、好ましくは7から14原子、および最も好ましくは9または10原子を含
有する。
ここで用いられるように、「メチレン」とは、-CH2-基である。
ここで用いられるように、「有機酸」とは、ギ酸、酢酸、クロロ酢酸、ジクロ
ロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、および酒
石酸のような有機カルボン酸である。好ましい有機酸は、酢酸、プロピオン酸お
よびクロロ酢酸を含む。最も好ましい有機酸は、酢酸である。
ここで用いられるように、「極性非プロトン性溶媒」とは、高極性の特性を有
するが、プロトンを供与する能力を持たない溶媒である。好ましい極性非プロト
ン性溶媒は、アセトニトリル、メチルエチルケトン、N,N-ジメチルホルムアミド
、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリジノン、およびメチルスルホキシ
ドを含む。最も好ましい極性非プロトン性溶媒は、アセトニトリルおよびN,N-ジ
メチルアセトアミドである。
ここで用いられるように、「プロトン性溶媒」とは、酸素または窒素原子に結
合している水素原子を含有する溶媒である。好ましいプロトン性溶媒は、メタ
ノール、エタノール、2-プロパノール、ブタノール、sec-ブタノール、およびイ
ソアミルアルコールを含む。最も好ましいプロトン性溶媒は、エタノールおよび
メタノールである。
上記で定義したように、およびここで用いられるように、置換基は、それら自
身が置換されてもよい。そのような置換は、1つ以上の置換基によってもよい。
そのような置換基は、参照により本明細書の一部をなすものとするC.Hansch an
d A.Leo,Substituent Constants for Correlation Analysis Chemstsry and Bi ology
(1979)に記載されるものを含む。好ましい置換基は、(たとえば)アルキ
ル、アルケニル、アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、アミノアルキル(たとえば
、アミノメチルなど)、シアノ、ハロゲン、アルコキシ、アルコキシアシル(た
とえば、カルボエトキシなど)、チオール、アリール、シクロアルキル、ヘテロ
アリール、ヘテロシクロアルキル(たとえば、ピペリジニル、モルホリニル、ピ
ロリジニルなど)、イミノ、チオキソ、ヒドロキシアルキル、アリールオキシ、
アリールアルキル、およびそれらの組み合わせを含む。
本方法を用いて調製される化合物
本発明の方法により作成される化合物は、種々のヘテロ芳香族の2−アミノ−
2−イミダゾリン類、グアニジン類、および2−アミノ−3,4,5,6−テト
ラヒドロピリミジン類のいずれのものをも包含する。これらの化合物は、以下の
一般構造またはその互変異性体である。
[式中、
(a) R1は、メチル、エチル、R1とR2とが5員環を形成するように単結合
を介してR2と結合するメチレン基、またはR1とR2とが6員環を形成す
るように別のメチレン基を介してR2と結合するメチレン基であり;
(b) R2は、メチル、エチル、R1とR2とが5員環を形成するように単結合
を介してR1と結合するメチレン基、またはR1とR2とが6員環を形成する
ように別のメチレン基を介してR1と結合するメチレン基であり;
(c) Zは、アルキル、あるいは、飽和の、不飽和のまたは芳香族の、単環
または多環の、炭素環またはO、NまたはSから選択される1つ以上のヘテ
ロ原子を含有するヘテロ環であり;および
(d) R4は、水素、アルコキシ、アルキルチオ、アルキル、アルケニル、ア
ミノ、カルボキシル、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、およびチオールを独
立的に含むZ上の1つまたは複数の置換基であり;
(e)あるいは、その保護された形態、塩、薬剤学的に許容できる塩、生加水
分解可能なエステル、溶媒和物である。]
ここで用いられるように、R1およびR2は、より好ましくは、単結合または別
のメチレン基を介して互いに結合されるメチレン基であり、それぞれ、5員環ま
たは6員環のいずれかを形成する。さらに、R1またはR2の一方がメチルであり
、他方の置換基がエチルであることも、同様により好ましい。R1およびR2は、
最も好ましくは、単結合を介して互いに結合されるメチレン基であり、5員環を
形成する。
ここで用いられるように、Zは、より好ましくは芳香族の単環式または多環式
の環である。Zが単環式であるときには、Zは好ましくは5または6員環であり
、最も好ましくは6員環である。Zが多環式であるときには、Zは、好ましくは
1つまたは2つの5または6員環と縮合した6員環である。Zが多環式であると
きには、Zは、最も好ましくは5員環が縮合した6員環である。
ここで用いられるように、R4は、好ましくは、水素、アルコキシ、アルキル
チオ、アルキル、アルケニル、アミノ、カルボキシル、シアノ、ハロゲン、ヒド
ロキシ、ニトロ、またはチオールである。R4は、より好ましくは、水素、シア
ノ、アルコキシ、アルキルチオ、アミノ、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルケニ
ル、ハロゲンまたはヒドロキシである。R4は、最も好ましくは、水素、シアノ
、アルコキシ、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルケニル、またはハロゲンで
ある。
本方法を用いて合成された化合物が中間体として用いられる場合には、アミン
類、イミン類、またはアルコール類のような基は、当該技術においてよく知られ
ている方法により官能基化されてもよい。
当業者は、本発明の特定の化合物において互変異性形態が存在することを認識
するであろう。その分子の互変異性体Aが示されるときには、具体的に示されて
いないとしても、互変異性体BおよびCが含まれることは理解されるべきである
。
例示のために:
本発明の方法を用いて調製することができる化合物の例を、以下に示す。これ
らの化合物は、例示的な目的のみのために示され、決して可能性の網羅的一覧を
示していない。上記分子は、参照により本明細書の一部をなす以下の出典において開示されてい
る:Boehringer,Ing.に対する米国特許第3,708,485号(1973)に開示さ
れたアリニジン:Alconに対する米国特許第4,517,199号(1985)に開示
されたイオピジン;Pfizerに対するドイツ特許第2,538,620号に開示さ
れたブリモニジン;Boehringer,Ing.に対する米国特許第3,202,660号
(1965)に開示されたクロニジン;Nordmarkに対する米国特許第3,882,22
9号に開示されたインダナゾリン;Beiersdorf Aktiengesellschaftに対する米
国特許第4,323,570号(1982)に開示されたモキゾニジン;Hoechstに
対する米国特許第3,758,476号(1973)に開示されたチアメンジン;Wa
nder-Sandozに対する米国特許第3,843,668号(1974)に開示されたチ
ザニジン;Boehringer,Ing.に対する米国特許第3,236,857号(1966)に
開示されたトロニジン;Thomaeに対するドイツ特許第1,191,381号(196
5)に開示されたトラマゾリン。
製造の方法
一般的に、本反応の方法は、有機酸の存在下で適切なアミンまたはその塩とそ
のアシル化された中間体のカップリングが続いて起こる、アシル化された2−チ
オ−置換−2−イミダゾリン、−アミジン、または−3,4,5,6−テトラヒ
ドロピリミジン中間体(これ以後、アシル化された中間体として記載する)の新
規な合成を具える。その合成に用いられるアシル化された中間体は、新規な2工
程、1ポットの反応により、適切なチオウレアから高収率で適宜調製される。
この方法を、以下の一般的スキームにより例示する。上記の一般的スキームにおいて:
(a) R1は、メチル、エチル、R1とR2とが5員環を形成するように単結合を
介してR2と結合するメチレン基、またはR1とR2とが6員環を形成するように
別のメチレン基を介してR2と結合するメチレン基であり;
(b) R2は、メチル、エチル、R1とR2とが5員環を形成するように単結合を
介してR1と結合するメチレン基、またはR1とR2とが6員環を形成するように
別のメチレン基を介してR1と結合するメチレン基であり;および
R1およびR2は、より好ましくは、単結合または別のメチレン基を介して互い
に結合されるメチレン基であり、それぞれ、5員環または6員環のいずれかを形
成する。R1およびR2は、最も好ましくは、単結合を介して互いに結合されるメ
チレン基であり、5員環を形成する。
上記の一般的スキームにおいて、Rは、本方法において用いられるアルキル化
剤から誘導されるアルキルまたは芳香族の置換基である。Rは、好ましくは、メ
チル、エチル、またはベンジル基である。Rは、最も好ましくはメチル基である
。
上記の一般的スキームにおいて、R3は、本方法において用いられるアシル化
剤から誘導される。R3は、−O−R5または−R6であってもよく、ここでR5お
よびR6も同様に、本方法において用いられるアシル化剤から誘導される。R3
は、好ましくは−O−R5である。R5は、好ましくは、アリル、メチル、エチ
ル、ベンジル、tert-ブチル、またはフェニル基である。R5は、最も好ましくは
、メチル基である。R6は、好ましくはメチル、エチル、tert-ブチル、またはフ
ェニル基である。
上記の一般的スキームにおいて、Zはアルキル、あるいは飽和の、不飽和のま
たは芳香族の、単環式または多環式の、炭素環またはO、NまたはSから選択さ
れる1つ以上のヘテロ原子を含有するヘテロ環である。Zは、好ましくは芳香族
の単環式または多環式の環である。Zが単環式であるときには、Zは、好ましく
は5または6員環であり、および最も好ましくは6員環である。Zが多環式であ
るときには、Zは、好ましくは1つまたは2つの5または6員環のいずれかと縮
合した6員環である。Zが多環式であるときには、Zは、最も好ましくは5員環
が縮合した6員環である。
上記の一般的スキームにおいて、R4は、水素、アルコキシ、アルキルチオ、
アルキル、アルケニル、アミノ、カルボキシル、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ
、ニトロ、およびチオールを独立的に含む、Z上の1つ以上の置換基である。R4
は、より好ましくは、水素、シアノ、アルコキシ、アルキルチオ、アミノ、C1
〜C4アルキル、C1〜C4アルケニル、ハロゲンまたはヒドロキシである。R4は
、最も好ましくは、水素、シアノ、アルコキシ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ア
ルケニル、またはハロゲンである。
上記の一般的なスキームにおいて、アルキル化反応が進行することが可能な溶
媒中で、チオウレアをアルキル化剤と反応させる。より好ましいアルキル化剤は
、ヨウ化メチル、臭化メチル、ジメチル硫酸、ヨウ化エチルおよびジエチル硫酸
を含む。最も好ましいアルキル化剤は、ヨウ化メチルおよびジメチル硫酸である
。好ましい溶媒は、エステル溶媒(たとえば、酢酸ブチル、酢酸エチル、または
酢酸メチルのような、好ましくは酢酸エチル)、エーテル溶媒、プロトン性溶媒
、および極性非プロトン性溶媒を含む。より好ましい溶媒は、エーテル溶媒、プ
ロトン性溶媒、および極性非プロトン性溶媒を含む。最も好ましい溶媒は、プロ
トン性溶媒である。最も好ましい溶媒はエタノールである。その混合物は、好ま
しくは約0℃と約150℃との間の、より好ましくは室温と約100℃との間の
、
最も好ましくは約30℃と約70℃との間の温度において、進行させられる。
抽出、溶媒濃縮、蒸留、または結晶化手順を含む方法を用いるような、当業者
にとって自明の方法により、そのように得られたチオ−置換化合物を単離するこ
とができる。最も好ましくは、その2−チオ−2−置換誘導体は、単離なしに、
同一の容器内および同一の溶媒内でさらに反応させられる。2−チオ−2−置換
誘導体のさらなる反応の前に、その反応混合物は、好ましくは約−10℃から約
75℃までに冷却され、より好ましくは約0℃から約40℃までに冷却され、お
よび最も好ましくは室温に冷却される。
次に、その反応が進行することが可能ないずれかの溶媒中で、塩基の存在下で
、2−チオ−2−置換誘導体をアシル化剤と反応させる。好ましいアシル化剤は
、二炭酸ジtert-ブチル、ピロ炭酸ジエチル、ピロ炭酸ジメチル、クロロギ酸メ
チル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸アリル、クロロギ酸フェニル、塩化アセチ
ル、プロピオニルクロリド、無水酢酸、無水プロピオン酸、トリメチルアセチル
クロリド、トリメチル酢酸無水物、および塩化ベンゾイルを含む。より好ましい
アシル化剤は、二炭酸ジtert-ブチル、ピロ炭酸ジメチル、クロロギ酸メチル、
および無水酢酸である。最も好ましいアシル化剤は、クロロギ酸メチルである。
好ましい塩基は、容易に濾過可能な、あるいは別の方法で除去可能な塩を有する
ものを含む。具体的には、より好ましい塩基は、トリエチルアミン、および炭酸
カリウムである。最も好ましい塩基は、炭酸カリウムである。好ましい溶媒は、
エステル溶媒(たとえば、酢酸ブチル、酢酸エチル、または酢酸メチルのような
、好ましくは酢酸エチル)、エーテル溶媒、プロトン性溶媒、および極性非プロ
トン性溶媒を含む。より好ましい溶媒は、エーテル溶媒、プロトン性溶媒(特に
エタノールおよびイソプロパノール)、および極性非プロトン性溶媒(特にN,N-
ジメチルアセトアミド)を含む。最も好ましい溶媒は、プロトン性溶媒である。
最も好ましい溶媒はエタノールである。好ましくは、その反応混合物に対して、
塩基を最初に添加し、アシル化剤がそれに続き、好ましくは約0℃と約50℃と
の間に、より好ましくは約20℃と約35℃との間に、その混合物の温度を維持
する。その反応を、好ましくは約20℃と約60℃との間の、より好ましくは約
40℃と約55℃との間の温度において、進行させる。
その反応の完了時に、抽出、溶媒濃縮、蒸留、または結晶化手順を含む方法の
ような、当業者に知られている方法により、そのように得られたアシル化された
中間体を単離することができる。より好ましくは、約30℃と約70℃との間の
、より好ましくは約50℃と約60℃との間の温度において、その反応混合物を
濾過して、副生成物の塩を除去する。次に、好ましくはエステル溶媒(たとえば
、酢酸ブチル、酢酸エチル、または酢酸メチルのような、好ましくは酢酸エチル
)、プロトン性溶媒、または極性非プロトン性溶媒により、より好ましくはプロ
トン性またはエステルの溶媒により、その副生成物の塩を洗浄する。濾過の後に
、抽出、溶媒濃縮、蒸留、または結晶化手順を含む方法を用いるような、当業者
に知られている方法により、そのように得られたアシル化された中間体を単離す
ることができる。好ましくは、約−30℃から室温までの、より好ましくは約−
20℃から約0℃までの温度に濾液を冷却することにより、生成物を固体として
単離する。そのように得られた固体を濾取し、および、約−30℃と室温との間
の、より好ましくは約−20℃と約20℃との間に予備冷却されたプロトン性溶
媒またはエステル溶媒を用いて、洗浄する。好ましくは、その固体は、当業者に
知られている方法により乾燥される。
次に、有機酸の存在下、プロトン性溶媒または極性非プロトン性溶媒またはそ
れらの混合物中で、アシル化された中間体を、適切なアミンまたはその塩とさら
に反応させる。同様にアシル化された中間体を、その有機酸単独の溶液中の適切
なアミンまたはその塩と、さらに反応させてもよい。好ましい酸は、ギ酸、酢酸
、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸
、コハク酸または酒石酸を含む。好ましいプロトン性溶媒は、メタノールおよび
エタノールを含む。最も好ましい極性非プロトン性溶媒はアセトニトリルである
。好ましくは室温と約150℃との間の、より好ましくは約40℃と約100℃
との間の、さらにより好ましくは約55℃と約80℃との間の温度において、そ
の反応は実施される。R3が容易に除去可能ではないいくつかの場合においては
、HClまたはHBrのような無機酸、さらなる量の有機酸、若しくはより極性
の溶媒を添加し、および/または反応混合物に増大した熱を加えて、アシル基の
開裂を容易にする必要がある。当業者は、このアシル基の加水分解が、同様に塩
基
性条件下で達成されてもよいことを、認識するであろう。その反応の完了時に、
抽出、溶媒濃縮、蒸留、または結晶化手順を含む方法のような、当業者に知られ
ている方法により、そのように得られた2−アミノ−2−中間体を単離すること
ができる。当業者は、その方法の最終段階に種々の酸が添加されて、単離および
取扱いを容易にすることができる種々の塩の形態を形成してもよいことも、同様
に認識するであろう。
以下の非制限的な実施例が、本発明の方法を例示する:
実施例1 a. 2−チオメチル−2−イミダゾリン:
2−イミダゾリジンチオン(150グラム、1.5モル)およびN,N−ジメ
チルアセトアミド(1.1L)を、丸底フラスコ中で組み合わせる。これに対し
て、室温においてジメチル硫酸(213グラム、1.7モル)を添加する。この
反応を、2時間にわたって攪拌した。
b. N−カルボメトキシ−2−チオメチル−2−イミダゾリン:
工程(a)の反応混合物を氷浴中で冷却し、そしてこの攪拌されている溶液に
対して、トリエチルアミン(376グラム、3.7モル)を滴下する。この混合
物に対して、クロロギ酸メチル(166.7g、1.8モル)を滴下する。添加
の終了後に、反応混合物を室温まで温まるままにする。5時間の攪拌の後に、そ
の混合物を冷水(3L)中に注加する。その生成物を酢酸エチル(4×2.5L
)中に抽出する。組み合わされた抽出液を、冷水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリ
ウム上で乾燥し、および減圧下で濃縮した。その残渣を減圧下で乾燥することが
、所望のN−カルボメトキシ−2−チオメチル−2−イミダゾリンを与える。
c. 4−(2−イミダゾリニルアミノ)−1,3,2−ベンゾチアジアゾール
、酢酸塩:
N−カルボメトキシ−2−チオメチル−2−イミダゾリン(19.2グラム、
11ミリモル)および4−アミノ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(11.
1グラム、73ミリモル)を、2−プロパノール中の氷酢酸10%溶液(500
mL)中に溶解させる。得られる溶液を、19時間にわたって還流近く(90〜
95℃)に加熱する。その混合物を、減圧下で濃縮し、2−プロパノールに再溶
解し、そして再沈殿させて4−(2−イミダゾリニルアミノ)−1,3,2−ベ
ンゾチアジアゾール、酢酸塩を与える。実施例2 a.2−チオメチル−2−イミダゾリン:
2−イミダゾリジンチオン(50グラム)と無水エタノール(400mL)と
を、攪拌しながら組み合わせる。その攪拌している混合物に対して、ヨウ化メチ
ル(43mL,1.4当量)を速やかに添加する。次に、2−チオメチル−2−
イミダゾリンの形成が完了するまで、反応混合物を35℃に温める。
b.N−カルボメトキシ−2−チオメチル−2−イミダゾリン:
上記の工程(a)の混合物に対して、炭酸カリウム(101グラム)を添加し
、攪拌しながら、クロロギ酸メチル(42mL)の添加を引き続いて行う。45
分後に、反応混合物を55℃に加熱し、そして不溶性塩を濾別する。これらの塩
を無水エタノールで洗浄する。濾液(およびエタノール洗液)を−20℃に冷却
し、最終生成物を濾過により単離する。最終生成物を、冷(−20℃)無水エタ
ノールで洗浄する。生成物を、室温における減圧下で、、終夜で乾燥し、N−カ
ルボメトキシ−2−チオメチル−2−イミダゾリンを得る。
c.2−[(2,6−ジクロロフェニル)アミノ]−2−イミダゾリン、酢酸塩
:
2,6−ジクロロアニリン(2g)とN−カルボメトキシ−2−チオメチル−
2−イミダゾリン(2.68g)とを、氷酢酸(40mL)中に溶解させ、およ
びカップリング工程が完了するまで、その反応を65から75℃において攪拌す
る。反応混合物を、70%メタノール−水(40mL)で稀釈し、脱保護が完了
するまで還流させ、そして次に減圧下で濃縮し、油状の残渣を与える。その油状
の残渣に対する酢酸エチルの添加が、濾過により分離される不純物を沈殿させる
。濾液の濃縮が、酢酸塩として2−[(2,6−ジクロロフェニル)アミノ]−
2−イミダゾリンを与える。
実施例3 a.N,N−ジメチル−(2−チオメチル)アミジン:
1,3−ジメチル−2−チオウレア(50グラム、480ミリモル)に対して
、攪拌しながら無水エタノール(400mL)を添加する。ヨウ化メチル(43
mL,690ミリモル)を速やかに添加する。N,N−ジメチル−(2−チオメ
チル)アミジンの形成が完了するまで、反応混合物を、30〜35℃に温め、お
よび攪拌する。
b.N,N’−ジメチル−(N−メトキシカルボニル−2−チオメチル)アミジ
ン:
上記工程(a)の混合物に対して、炭酸カリウム(101グラム)を添加する
。次に、クロロギ酸メチル(42mL,540ミリモル)を添加する。1時間後
に、反応混合物を55℃に加熱し、不溶性塩を濾過する。その塩をエタノール(
100mL)で洗浄する。濾液(およびエタノール洗液)を−20℃まで冷却し
、そして最終生成物を濾過により単離する。最終生成物を100mLの冷(−2
0℃)無水エタノールで洗浄する。その2−チオメチルアミジンを、室温におけ
る減圧下で、終夜で乾燥する。
c.N,N’−ジメチル−N”−(8−メチルキノリン−7−イル)グアニジン
、酢酸塩:
上記工程(b)で調製した中間体を、エタノール中の氷酢酸10%溶液(2L
)中で、0.7当量の7−アミノ−8−メチルキノリン(参照により本明細書の
一部をなすCuppsおよびBogdanに対して1996年11月19日に発行された米
国特許第5,576,437号において調製された)を組み合わせる。混合物を
加熱して還流させ、および出発アミンが消費された後に、非活性化した炭素を用
いてその混合物を脱色する。生成物を室温まで冷却し、濾取し、乾燥し、そして
アセトニトリルおよび水から再結晶する。高真空下で乾燥するときに、N,N’
−ジメチル−N”−(8−メチルキノリン−7−イル)グアニジン、酢酸塩が得
られる。実施例4 a.2−チオメチル−2−イミダゾリン:
イソプロパノール(750mL)中の2−イミダゾリジンチオン(120g)
の攪拌されている溶液に対して、室温において、ジメチル硫酸(111mL)を
ゆっくりと添加する。2−チオメチル−2−イミダゾリン硫酸水素塩の形成が完
了するまで、反応混合物を70℃に加熱する。
b.N−カルボエトキシ−2−チオメチル−2−イミダゾリン:
工程(a)の反応混合物を、室温まで冷却するままにし、その時点で炭酸ナト
リウム(249g)を添加し、クロロギ酸エチル(168mL)の添加を続いて
行う。完了するまで、反応混合物を40℃において攪拌し、その時点で反応混合
物を55℃に加熱し、そして熱混合物を濾過して不溶性塩を除去する。これらの
塩を、冷イソプロパノールで洗浄する。濾液(および洗液)を−20℃に冷却し
、そして2時間にわたって攪拌する。得られた固体を濾取し、そして冷水、次に
冷無水エタノールで洗浄する。生成物を室温において減圧下で乾燥し、固体とし
てN−カルボエトキシ−2−チオメチル−2−イミダゾリンを与える。
c.6−(2−イミダゾリニルアミノ)−4,5,8−トリメチルキノリン、塩
酸塩:
6−アミノ−4,5,8−トリメチルキノリン(115.5g)(同時係属中
の米国特許出願番号08/169,343号の実施例2において調製される)と
N−カルボエトキシ−2−チオメチル−2−イミダゾリン(140g)とを、メ
タノール中の10%(w/w)クロロ酢酸溶液(2.8L)中に溶解し、そして
完了するまで65℃において攪拌する。反応混合物を室温まで冷却し、HClガ
スを添加する。反応混合物を2時間にわたって攪拌し、そして次に−20℃に冷
却し、そして生成物が完全に沈殿するまで攪拌する。そのようにして得られる粗
生成物を濾取し、エタノール/水から再結晶し、そして乾燥(減圧、40℃)し
て、所望の精製された6−(2−イミダゾリニルアミノ)−4,5,8−トリメ
チルキノリン、塩酸塩を与える。
実施例5 a.2−チオメチル−2−イミダゾリン:
2−イミダゾリジンチオン(68グラム、670ミリモル)とN,N−ジメチ
ルアセトアミド(700mL)とを、丸底フラスコ中で組み合わせる。これに対
して、室温においてヨウ化メチル(50mL、810ミリモル)を添加する。そ
の
反応を、2時間にわたって攪拌したままにする。
b.N−カルボエトキシ−2−チオメチル−2−イミダゾリン:
反応混合物を氷浴中で冷却し、そしてこの攪拌されている溶液に対して、トリ
エチルアミン(250mL、1.8モル)を滴下した。この混合物に対して、−
5℃において、クロロギ酸エチル(81mL、850ミリモル)を滴下した。添
加終了5分後に、反応混合物を室温まで温まるままにし、および6時間にわたっ
て攪拌する。その反応を、氷冷水(4L)中に注加する。生成物を酢酸エチル(
4×2.5L)中に抽出する。合わせた抽出液を、冷水(3×2L)、食塩水(
2L)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして減圧下で濃縮して油状の残
渣を得る。その残渣を減圧下で乾燥することが、所望のN−カルボエトキシ−2
−チオメチル−2−イミダゾリンを与える。
c.2−(1’、3’−ベンゾジオキソリル−5’−アミノ)イミダゾリン:
N−カルボエトキシ−2−チオメチル−2−イミダゾリン(22.5グラム、
104ミリモル)をメタノール(1L)中に溶解し、そしてこれに対して氷酢酸
(12mL、208ミリモル)を添加する。反応混合物を10分間にわたって攪
拌しておく。この溶液に対して、3,4−(メチレンジオキシ)アニリン(14
.3グラム、104ミリモル)を添加し、そして反応が完了するまで、室温にお
いて反応を攪拌したままにする。溶媒を減圧下で除去する。粗生成物を酢酸エチ
ル中に抽出し、乾燥し、そして濃縮して、2−(1’、3’−ベンゾジオキソリ
ル−5’−アミノ)イミダゾリンを得る。実施例6 a.2−チオメチル−2−イミダゾリン
還流冷却器を取付けた丸底フラスコ中で、2−イミダゾリジンチオン(10.
2グラム、100ミリモル)とジクロロメタン(400mL)とを組み合わせる
。ヨウ化メチル(8.7mL、140ミリモル)を速やかに添加する。2−チオ
メチル−2−イミダゾリンの形成が完了するまで、反応混合物を30℃〜35℃
に温める。
b.N−t−ブトキシカルボニル−2−チオメチル−2−イミダゾリン:
上記工程(a)の反応混合物を室温まで冷却するままにする。次に、その攪拌
している混合物に対して、トリエチルアミン(14mL)を添加する。この溶液
に対して、室温において、4−ジメチルアミノピリジン(12.2グラム、10
0ミリモル)および次に二炭酸ジtert-ブチル(65.4グラム、300ミリモ
ル)を添加する。その反応を、6時間にわたって攪拌したままにする。溶媒を減
圧下で除去して固体を残し、その固体を減圧下でさらに乾燥する。粗製の物質を
酢酸エチル中に抽出し、水で洗浄し、乾燥し、そして蒸発させて純粋なN−t−
ブトキシカルボニル−2−チオメチル−2−イミダゾリンを得る。
c.5−(2−イミダゾリニルアミノ)−ベンゾイミダゾール、臭化水素酸塩:
5−アミノベンゾイミダゾール(5グラム、38ミリモル)およびN−t−ブ
トキシカルボニル−2−チオメチル−2−イミダゾリン(9.4グラム、42ミ
リモル)をメタノール中の10%酢酸溶液(400mL)中に溶解し、そして室
温において24時間にわたって攪拌する。この溶液に対して、30%HBr/酢
酸(100mL)を添加し、そして反応をさらに4時間にわたって攪拌する。得
られる溶液を減圧下で濃縮し、メタノール中に再溶解し、そしてメタノール/ジ
エチルエーテルから再結晶して、所望の生成物を臭化水素酸塩として与える。
実施例7 a.2−チオメチル−2−イミダゾリン
圧力反応器中で、メチルエチルケトン(175mL)中の2−イミダゾリジン
チオン(17g)の溶液に対して、室温において攪拌しながら臭化メチル(32
g)をゆっくりと添加する。2−チオメチル−2−イミダゾリン臭化水素酸塩の
形成が完了するまで、反応混合物を、加圧下で65℃に加熱する。
b.N−カルボエトキシ−2−チオメチル−2−イミダゾリン:
工程(a)の反応混合物を室温まで冷却するままにし、そして過剰の臭化メチ
ルを解放しおよび捕捉する。この混合物に対して炭酸ナトリウム(26.5g)
を添加し、ピロ炭酸ジエチル(42mL)の添加を続いて行う。完了するまで、
反応混合物を40℃において攪拌し、その時点で反応混合物を55℃に加熱し、
そしてその熱溶液を濾過して、不溶性塩を除去する。これらの塩を冷無水エタノ
ールで洗浄する。濾液(およびエタノール洗液)を−20℃に冷却し、そして2
時間にわたって攪拌する。得られた固体を濾取し、そして冷水および次に冷無水
エタノールで洗浄する。生成物を室温において減圧下で乾燥して、固体としてN
−カルボエトキシ−2−チオメチル−2−イミダゾリンを与える。
c.5−(2−イミダゾリニルアミノ)−4−メチル−1,3−ベンゾジオキソ
ール、塩酸塩:
5−アミノ−4−メチル−1,3−ベンゾジオキソール(13.25g)(出
願番号08/478,708号において調製される)およびN−カルボエトキシ
−2−チオメチル−2−イミダゾリン(20g)を、イソアミルアルコール中の
10%(w/w)プロピオン酸溶液(325mL)中に溶解し、そして完了する
まで反応混合物を65℃において攪拌する。反応混合物を室温まで冷却し、そし
て塩化水素ガス(13g)をゆっくりと添加する。その混合物を、さらに2時間
にわたって攪拌し、そこで次に−20℃に冷却し、そして生成物が沈殿するまで
攪拌する。得られた粗生成物を濾取し、メタノール/ジエチルエーテルから再結
晶し、そして乾燥(減圧、40℃)して、所望の精製された5−(2−イミダゾ
リニルアミノ)−4−メチル−1,3−ベンゾジオキソール、塩酸塩を与える。実施例8 a.2−チオメチル−2−イミダゾリン:
2−イミダゾリジンチオン(50グラム)と無水エタノール(400mL)と
を、攪拌しながら組み合わせる。その攪拌している混合物に対して、ヨウ化メチ
ル(43mL,1.4当量)を速やかに添加する。次に、2−チオメチル−2−
イミダゾリンの形成が完了するまで、反応混合物を35℃に温める。
b.N−カルボメトキシ−2−チオメチル−2−イミダゾリン:
上記の工程(a)の混合物に対して、攪拌しながら、炭酸カリウム(101グ
ラム)を添加し、クロロギ酸メチル(42mL)の添加を引き続いて行う。45
分後に、反応混合物を55℃に加熱し、そして不溶性塩を濾別する。これらの塩
を無水エタノールで洗浄する。濾液(およびエタノール洗液)を−20℃に冷却
し、最終生成物を濾過により単離する。最終生成物を、冷(−20℃)無水エタ
ノールで洗浄する。生成物を、室温における減圧下で、終夜で乾燥し、N−カル
ボメトキシ−2−チオメチル−2−イミダゾリンを得る。
c.4−エチル−5−(2−イミダゾリニルアミノ)ベンゾイミダゾール、マレ
イン酸塩:
還流冷却器を取付けたフラスコ中で、N−カルボメトキシ−2−チオメチル−
2−イミダゾリン(23.8グラム、140ミリモル)を、5−アミノ−4−エ
チルベンゾイミダゾール(20グラム、124ミリモル)(当該技術において知
られている標準の脱保護条件下で、(参照により本明細書の一部をなす)Cupps
およびBogdanに対して1995年12月26日に発行された米国特許第5,47
8,858号において調製された中間体のtert-ブトキシカルボニル保護基を脱
保護することにより調製される)およびエタノール中の10%酢酸溶液(500
mL)と組み合わせる。その混合物を1時間にわたって攪拌する。次に、12時
間にわたって、その混合物を65℃に加熱する。この時点で、反応を室温まで冷
却し、そしてマレイン酸(48グラム、410ミリモル)を添加する。得られる
混合物を2時間にわたって攪拌し、そして次に0℃に冷却する。生成物が完全に
沈殿するまで(およそ1時間)、その混合物を攪拌し、その時点で混合物を濾過
する。粗生成物を、冷エタノールで洗浄し、そして次にアセトニトリル/水から
再結晶して4−エチル−5−(2−イミダゾリニルアミノ)ベンゾイミダゾール
、マレイン酸塩を得る。
実施例9 a.2−チオメチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン:
エタノール(600mL)中の3,4,5,6−テトラヒドロ−2−ピリミジ
ンチオール(100g)の攪拌されている溶液に対して、室温において、ヨウ化
メチル(75mL)をゆっくりと添加する。2−チオメチル−3,4,5,6−
テトラヒドロピリミジンヨウ化水素酸塩の形成が完了するまで、反応混合物を4
0℃に加熱する。
b.N−3−カルボメトキシ−2−チオメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ
ピリミジン:
上記工程(a)の混合物を室温まで冷却し、そして攪拌しながら、炭酸カリウ
ム(178g)を添加し、クロロギ酸メチル(73.2mL)の添加を続いて行
う。完了するまで、反応混合物を40℃で攪拌し、そのときに反応混合物を55
℃まで加熱し、そしてその熱溶液を濾過して、不溶性塩を除去する。これらの塩
を、冷無水エタノールで洗浄する。濾液(およびエタノール洗液)を−20℃ま
で冷却し、そして2時間にわたって攪拌する。得られた固体を濾取し、冷水およ
び次に冷無水エタノールで洗浄する。生成物を室温において減圧下で乾燥して、
N−3−カルボメトキシ−2−チオメチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリ
ミジンを与える。
c.2−(5−メチル−6−キノキサリニルアミノ)−3,4,5,6−テトラ
ヒドロピリミジン:
6−アミノ−5−メチルキノキサリン(73.8g)(同時継続中の米国特許
出願番号第08/478,708号において調製される)およびN−3−カルボ
メトキシ−2−チオメチル−4,5,6−テトラヒドロピリミジン(113.5
g)を、エタノール中の10%酢酸溶液(1.1L)中に溶解し、完了するまで
65℃において攪拌する。反応混合物を室温まで冷却し、そしてフマル酸(18
9g)を添加する。その混合物を2時間にわたって攪拌し、そして次に−20℃
まで冷却し、そして生成物が完全に沈殿するまで攪拌する。そのようにして得ら
れる粗生成物をアセトニトリル/水から再結晶して、所望の精製された2−(5
−メチル−6−キノキサリニルアミノ)−3,4,5,6−テトラヒドロピリミ
ジン、フマル酸塩を与えた。実施例10 a.2−チオエチル−2−イミダゾリン硫酸水素塩:
イソプロパノール(250mL)中の2−イミダゾリジンチオン(30g)の
溶液に対して、室温において攪拌しながら、ジエチル硫酸(47.75mL)を
ゆっくりと添加する。2−チオエチル−2−イミダゾリン硫酸水素塩の形成が完
了するまで、反応混合物を50℃に加熱する。
b.N−tert-ブトキシカルボニル−2−チオエチル−2−イミダゾリン:
工程(a)の反応混合物を室温まで冷却するままにし、その時点でトリエチル
アミン(105mL)および次に二炭酸ジtert-ブチル(74.25mL)を添
加する。完了するまで、反応混合物を55℃に加熱し、および攪拌する。次に、
反応混合物を熱濾過して、不溶性塩を除去する。これらの塩を、冷イソプロパノ
ールで洗浄する。濾液(およびイソプロパノール洗液)を−20℃に冷却し、そ
して2時間にわたって攪拌する。得られる固体を濾取し、そして水および冷無水
エタノールで洗浄する。生成物を室温において減圧下で乾燥して、固体としてN
−tert-ブトキシカルボニル−2−チオエチル−2−イミダゾリンを与える。
c.5−(2−イミダゾリニルアミノ)−4−メトキシベンゾチアゾール、コハ
ク酸塩:
5−アミノ−4−メトキシベンゾチアゾール(18g)(同時係属中の米国特
許出願番号60/031,756号の実施例5において調製される)およびN−
tert-ブトキシカルボニル−2−チオエチル−2−イミダゾリン(32.5g)
を、N−メチルピロリジノン中の10%(w/w)クロロ酢酸溶液(390mL
)中に溶解する。次に、反応が完了するまで、その混合物を50℃において攪拌
する。その混合物を室温まで冷却し、そしてコハク酸(47.5g)を添加し、
そしてその混合物をさらに4時間にわたって攪拌する。得られる溶液を−20℃
に冷却し、そして生成物が完全に沈殿するまで攪拌する。次に粗生成物を濾取し
、エタノール/水から再結晶して、所望の精製された5−(2−イミダゾリニル
アミノ)−4−メトキシベンゾチアゾールの塩を与える。
実施例11 a.2−チオメチル−2−イミダゾリン臭化水素酸塩:
加圧反応器内で、メチルtert-ブチルエーテル(120mL)中の2−イミダ
ゾリジンチオン(15g)の攪拌されている溶液に対して、室温において臭化メ
チル(20.5g)をゆっくりと添加する。2−チオメチル−2−イミダゾリン
臭化水素酸塩の形成が完了するまで、その反応混合物を、加圧下で70℃に加熱
する。
b.N−カルボメトキシ−2−チオメチル−2−イミダゾリン:
工程(a)の反応混合物を室温まで冷却するままにし、そして過剰の臭化メチ
ルを解放しおよび捕捉する。この混合物に対して、トリエチルアミン(53.2
mL)を添加し、クロロギ酸メチル(13.6mL)の添加を続いて行う。完了
するまで、その反応混合物を40℃において攪拌し、その時点で反応混合物を5
5℃に加熱し、そしてその熱溶液を濾過して、不溶性塩を除去する。これらの塩
を、冷メチルtert-ブチルエーテルで洗浄する。濾液(および洗液)を−20℃
に冷却し、そして2時間にわたって攪拌する。得られた固体を濾取し、そして冷
水および次に冷無水エタノールで洗浄する。生成物を、室温における減圧下で、
終夜で乾燥して、固体としてN−カルボメトキシ−2−チオメチル−2−イミダ
ゾリンを与える。
c.7−エチル−6−(2−イミダゾリニルアミノ)インダゾール、クエン酸塩
:
6−アミノ−7−エチルインダゾール(9.9g)(同時係属中の米国特許出
願番号60/031,470号の実施例1において調製される)およびN−カル
ボメトキシ−2−チオメチル−2−イミダゾリン(14g)を、イソプロパノー
ル中の10%(w/w)酢酸溶液(210mL)中に溶解し、そして反応が完了
するまで60℃において攪拌する。反応混合物を室温まで冷却し、そしてクエン
酸(41.5g)を添加する。得られる混合物を2時間にわたって攪拌する。そ
の溶液を−20℃に冷却し、そして生成物が完全に沈殿するまで攪拌する。その
ようにして得られた粗生成物を濾取し、エタノール/水から再結晶し、そして乾
燥(減圧、40℃)して、所望の精製された7−エチル−6−(2−イミダゾリ
ニルアミノ)インダゾール、クエン酸塩を与える。実施例12 a.2−チオメチル−2−イミダゾリンヨウ化水素酸塩:
エタノール(1.2L)中の2−イミダゾリジンチオン(210g)の溶液に
対して、室温において攪拌しながら、ヨウ化メチル(91mL)をゆっくりと添
加する。2−チオメチル−2−イミダゾリンヨウ化水素酸塩の形成が完了するま
で、その反応混合物を40℃に加熱する。
b.N−カルボメトキシ−2−チオメチル−2−イミダゾリン:
工程(a)の反応混合物を室温まで冷却するままにし、その時点で炭酸カリウ
ム(426g)を添加し、ピロ炭酸ジメチル(442mL)の添加を続いて行う
。完了するまで、その反応混合物を55℃に加熱する。その熱溶液を濾過して、
不溶性塩を除去する。これらの塩を、冷無水エタノールで洗浄する。濾液(およ
びエタノール洗液)を−20℃に冷却し、そして2時間にわたって攪拌する。得
られた固体を濾取し、そして冷水、続いて冷無水エタノールで洗浄する。生成物
を、室温において減圧下で乾燥して、固体としてN−カルボメトキシ−2−チオ
メチル−2−イミダゾリンを与える。
c.3−シアノ−6−(2−イミダゾリニルアミノ)−7−メチルインドール、
臭化水素酸塩:
6−アミノ−3−シアノ−7−メチルインドール(34g)(同時係属中の米国
特許出願番号60/031,774号の実施例3において調製される)およびN
−カルボメトキシ−2−チオメチル−2−イミダゾリン(38g)を、N,N−
ジメチルホルムアミド中の10%(w/w)クロロ酢酸溶液(480mL)中に
溶解し、そして反応が完了するまで50℃において攪拌する。この溶液を室温ま
で冷却し、そして酢酸中の30%HBr溶液(140mL)を添加し、そしてそ
の混合物をさらに4時間にわたって攪拌する。得られる溶液を−20℃に冷却し
、そして生成物が沈殿するまで攪拌する。粗生成物を濾取し、そしてエタノール
/水から再結晶して、所望の精製された3−シアノ−6−(2−イミダゾリニル
アミノ)−7−メチルインドール、臭化水素酸塩を与える。
実施例13 a.2−チオメチル−2−イミダゾリン:
エタノール(2L)中の2−イミダゾリジンチオン(200g)の攪拌されて
いる溶液に対して、ジメチル硫酸(200mL)を添加する。2−チオメチル−
2−イミダゾリンの形成が完了するまで、その反応混合物を75℃に加熱する。
b.N−プロピオニル−2−チオメチル−2−イミダゾリン:
工程(a)の混合物を室温まで冷却し、そしてこの攪拌されている溶液に対し
て、トリエチルアミン(1.36L)、続いて無水プロピオン酸(360mL)
を添加する。完了するまでその反応混合物を攪拌し、その時点でその混合物を5
0℃に加熱する。その熱溶液を濾過して、不溶性塩を除去し、そしてその塩を冷
無水エタノールで洗浄する。合わせた濾液を、−20℃に冷却し、そして2時間
にわたって攪拌する。得られた固体を濾取し、そして冷水および次に冷無水エタ
ノールで洗浄する。生成物を室温において減圧下で乾燥して、固体としてN−プ
ロピオニル−2−チオメチル−2−イミダゾリンを与える。
c.4−メチル−5−(2−イミダゾリニルアミノ)ベンゾイミダゾール、酢酸
塩:
N−プロピオニル−2−チオメチル−2−イミダゾリン(206.4g)を、
エタノール中の10%酢酸溶液(3L)中の5−アミノ−4−メチルベンゾイミ
ダゾール(147g)(当該技術において知られている標準の脱保護条件下で、
(参照により本明細書の一部をなす)CuppsおよびBogdanに対して1995年1
2月26日に発行された米国特許第5,478,858号において調製された中
間体の、tert-ブトキシカルボニル保護基を脱保護することにより調製される)
と組み合わせる。反応が完了するまで、その反応混合物を60℃に加熱する。そ
の混合物を−20℃に冷却し、そして生成物が完全に沈殿するまで攪拌する。そ
のようにして得られた粗生成物を濾取し、エタノール/水から再結晶し、そして
乾燥(減圧、室温)して、所望の精製された4−メチル−5−(2−イミダゾリ
ニルアミノ)ベンゾイミダゾール、酢酸塩を与える。実施例14 a.2−チオメチル−2−イミダゾリン:
ジメチルアセトアミド(5L)中の2−イミダゾリジンチオン(500g)の
攪拌されている混合物に対して、ジメチル硫酸(693g)を添加する。2−チ
オメチル−2−イミダゾリンの形成が完了するまで、その反応混合物を室温にお
いて攪拌する。
b.N−ベンゾイル−2−チオメチル−2−イミダゾリン:
工程(a)の混合物を室温に冷却し、そしてこの攪拌されている溶液に対して
、トリエチルアミン(2.47kg)、続いて塩化ベンゾイル(964g)を添
加する。完了するまで、その反応混合物を室温において攪拌する。冷水に対して
、その反応混合物を加え、そして形成する沈殿を濾取し、および冷水で2回洗浄
する。得られた固体を乾燥(減圧、室温)して、N−ベンゾイル−2−チオメチ
ル−2−イミダゾリンを与える。
c.7−メチル−6−(2−イミダゾリニルアミノ)インダゾール塩酸塩:
N−ベンゾイル−2−チオメチル−2−イミダゾリン(264g)を、エタノ
ール中の酢酸の10%溶液(3L)中の6−アミノ−7−メチルインダゾール(
147g)(同時係属中の米国特許出願番号60/031,470号の実施例
2において調製される)と組み合わせる。完了するまで、その反応混合物を60
℃に加熱する。その反応混合物を室温まで冷却し、そして塩化水素ガス(128
g)を添加する。その混合物を室温において2時間にわたって攪拌し、−20℃
に冷却し、そして生成物の沈殿が完了するまで攪拌する。粗生成物を、メチルte
rt-ブチルエーテル/メタノールから再結晶して、所望の精製された7−メチル
−6−(2−イミダゾリニルアミノ)インダゾール塩酸塩を与える。
実施例15 [(4−ニトロフェニル)アミノ]−2−イミダゾリン酢酸塩:
4−ニトロアニリン(2g)および(実施例2に記載されるように調製される
)N−メトキシカルボニル−2−チオメチル−2−イミダゾリン(3.15g)
を、氷酢酸(40mL)中に溶解し、そしてカップリング工程が完了するまで、
その反応混合物を60から70℃において攪拌する。反応混合物をメタノール(
20mL)で稀釈し、脱保護が完了するまで還流し、そして次に減圧下で濃縮す
る。得られる残渣を、酢酸エチルおよびヘキサンから結晶化して、[(4−ニト
ロフエニル)アミノ]−2−イミダゾリン、モノ酢酸塩を与える。実施例16 N−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−7−シアノ−4−
メチル−1H−ベンゾイミダゾール−5−アミン、硫酸塩:
メタノール(200mL)中の7−シアノ−4−メチル−5−ニトロベンゾイ
ミダゾール(0.91g、0.0045モル)および10%Pd/C(100m
g)の不均一溶液を、14時間にわたって水素ガス雰囲気(1気圧、風船)にお
いて処理することにより、5−アミノ−7−シアノ−4−メチルベンゾイミダゾ
ール(4g)を調製する。得られる混合物をセライトを通して濾過し、回転濃
縮により濃縮して、黄色の残渣を得る。この残渣を、クロマトグラフ(シリカゲ
ル、95:5酢酸エチル:メタノール)にかけて、5−アミノ−7−シアノ−4
−メチルベンゾイミダゾールを得る。5−アミノ−7−シアノ−4−メチルベン
ゾイミダゾールおよび(実施例2に記載されるように調製される)N−メトキシ
カルボニル−2−チオメチル−2−イミダゾリン(4.45g、1.1当量)を
、アセトニトリル(100mL)および氷酢酸(10mL)中に溶解し、そして
カップリング工程が完了するまで、その反応混合物を70℃において攪拌する。
その反応混合物をメタノール(50mL)で稀釈し、そして脱保護が完了するま
で還流させ、そして次に減圧下でアセトニトリルを蒸発させる。得られる酢酸溶
液を、水(9.25mL)中に溶解させ、そして得られる混合物を0℃に冷却す
る。その冷混合物に対して、硫酸の5モル水溶液(5.1mL)を滴下する。そ
の混合物を次に65℃に加熱し、そして曇りが観察されるまで無水エタノールを
添加する。その混合物を室温になるままにし、そして次に5℃に冷却する。得ら
れる固体を濾取し、エタノールで洗浄し、そして乾燥して、その硫酸塩としてN
−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−7−シアノ−4−メ
チル−1H−べンゾイミダゾール−5−アミンを与える。
実施例17 a.4−メチル−5−アミノ−7−フルオロベンゾイミダゾール塩酸塩:
(参照により本明細書の一部をなす、CuppsおよびBogdanに対して1995年
12月26日に発行された米国特許第5,478,858号において調製される
)1−tert-ブトキシカルボニル−4−メチル−5−アミノ−7−フルオロベン
ゾイミダゾール(1g)および6N塩酸(10mL)を組み合わせて、攪拌
しながら加熱して還流させる。t-BOC基の脱保護の完了の後に、その反応混合物
を減圧下で濃縮し、そして乾燥して4−メチル−5−アミノ−7−フルオロべン
ゾイミダゾール塩酸塩を与える。
b.4−メチル−7−フルオロ−5−(2−イミダゾリニルアミノ)ベンゾイミ
ダゾール、二塩酸塩:
工程aで得られた固体に対して、N−メトキシカルボニル−2−チオメチル−
2−イミダゾリン(0.78g)および氷酢酸(20mL)を添加する。カップ
リング工程が完了するまで、その混合物を60から70℃において攪拌する。次
に、その反応混合物をメタノール(10mL)で稀釈し、脱保護が完了するまで
還流させ、そして次に減圧下で濃縮する。得られた残渣をメタノール性塩化水素
(20mL)で稀釈し、そして次に無水エーテルで処理して、4−メチル−7−
フルオロ−5−(2−イミダゾリニルアミノ)ベンゾイミダゾール二塩酸塩を沈
殿させる。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C07D 417/12 C07D 417/12
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S
D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG
,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT
,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,
CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F
I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP
,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,
LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M
W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD
,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,
TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW
(72)発明者 クロッフェンスタイン,シーン,リーズ.
アメリカ合衆国 45140 オハイオ州 ラ
ブランド ジステルヒル ドライブ
11721
(72)発明者 マンドラ,スクリーニバーサ,レディー.
アメリカ合衆国 13815 ニューヨーク州
ノーウィック ミッドランド ドライブ
30 アパートメント ナンバー ダブリ
ュ 12
(72)発明者 シーベル,ウィリアム,リー.
アメリカ合衆国 45011 オハイオ州 ハ
ミルトン サマーセット ドライブ 5704