JP2631888B2 - チエノピリミジン誘導体 - Google Patents

チエノピリミジン誘導体

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JP2631888B2
JP2631888B2 JP63507472A JP50747288A JP2631888B2 JP 2631888 B2 JP2631888 B2 JP 2631888B2 JP 63507472 A JP63507472 A JP 63507472A JP 50747288 A JP50747288 A JP 50747288A JP 2631888 B2 JP2631888 B2 JP 2631888B2
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lower alkyl
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和男 小川
一郎 山脇
洋一 松下
鳴夫 野村
一生 岡崎
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Taiho Pharmaceutical Co Ltd
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Taiho Pharmaceutical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、新規なチエノピリミジン誘導体又はその薬
学的に許容される塩並びにそれを含有する薬理組成物及
びアルドース・リダクターゼ阻害剤に関する。
背景技術 糖尿病合併症(例えば糖尿病性白内障、糖尿病性神経
症、糖尿病性腎症もしくは糖尿病性網膜症等)の発症、
進展には、Kinoshitaらによりアルドース・リダクター
ゼが関与していることが明らかにされている(J.H.Kino
shita et al,Journal of the American Medical Associ
ation,246,257(1981))。アルドース・リダクターゼ
はグルコースやガラクトースなどのアルドース類をソル
ビトールの様なポリオールに還元する。生成したポリオ
ールは比較的安定で細胞外へほとんど移行しないため、
細胞内に蓄積する。糖尿病のように高血糖状態では、ア
ルドース・リダクターゼの活性が亢進するため、ポリオ
ールが水晶体、神経組織、血管組織などに異常蓄積す
る。その結果、これらの組織の細胞内では浸透圧が上昇
し、細胞の膨潤が引き起こされて、細胞機能が損なわ
れ、組織障害を来す。そこで、アルドース・リダクター
ゼを阻害し、細胞内ポリオールの異常蓄積を回避するこ
とにより、糖尿病に合併する諸疾患の治療や予防に有用
な優れたアルドース・リダクターゼ阻害作用を有する化
合物の開発が要望されている。
発明の開示 本発明者は、上記従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究
を重ねた結果、下記一般式(I)で表わされる新規なチ
エノピリミジン誘導体およびその塩が優れたアルドース
・リダクターゼ阻害作用を有し、医薬として有用である
ことを見出し、本発明を完成した。
即ち本発明は、下記一般式(I) 〔式中、R1及びR2は、同一又は相異なり、水素原子、ハ
ロゲン原子、低級アルキル基、環状アルキル基又はフェ
ニル基を示す。また、R1とR2は、互いに結合してアルキ
レン鎖で環を形成していてもよい。R3は、低級アルキル
基又は基 (R4は、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲ
ン原子を示し、mは0、1又は2であり、R5は水素原子
又はハロゲン原子を示す。)を示す。Zは酸素原子又は
イオウ原子を示す。〕で表わされるチエノピリミジン誘
導体又はその薬学的に許容される塩を提供するものであ
る。
上記一般式(I)においてR1、R2、R4及びR5で示され
るハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素、沃素原子
を例示できる。R1、R2、R3及びR4で示される低級アルキ
ル基しては炭素数1〜6の直鎖状又は分枝状のアルキル
基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペ
ンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチ
ル、ヘキシル、イソヘキシル基等を例示できる。R1及び
R2で示される環状アルキル基としては、炭素数3〜7の
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シク
ロヘキシル基等を例示できる。また、R1とR2が互いに結
合してアルキレン鎖で環を形成する基としては、 等を例示できる。また、R4で示される低級アルコキシ基
としては炭素数1〜6の直鎖状又は分枝状のアルコキシ
基、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロ
ポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、ペ
ントキシ、ヘキシロキシ基等を例示できる。
本発明化合物の塩としては、例えばナトリウム、カリ
ウム、リチウム等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグ
ネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、テ
トラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、
テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウ
ム等のテトラアルキルアンモニウム塩、メチルアミン、
エチルアミン、イソプロピルアミン、tert−ブチルアミ
ン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン等のモノ〜トリアルキルアミン
塩、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン等の
シクロアルキルアミン塩、ベンジルアミン、フェネチル
アミン、フェニルプロピルアミン等のフェニル低級アル
キルアミン塩、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリ
ン、ピロール等のヘテロ原子として1〜2個の窒素原子
を環構造上に含む5〜6員複素環化合物塩、モノエタノ
ールアミン、モノプロパノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン等のモノ〜トリアルカノー
ルアミン塩、リジン、アルギニン、ヒスチジン等の塩基
性アミノ酸塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタ
ン等の有機アミン塩等の薬学的に許容される塩が例示で
きる。
上記一般式(I)の化合物のうち、好ましい化合物は
R1が水素原子、メチル基、イソプロピル基又はハロゲン
原子であり、R2が水素又はメチル基であり、R3が3,4−
ジクロロベンジル基、2,4−ジクロロベンジル基又は4
−ブロモ−2−フルオベンジル基であり、Zが酸素又は
イオウ原子である化合物である。また最も好ましい化合
物は、R1がイソプロピル基、塩素又は臭素原子であり、
R2が水素原子であり、R3が4−ブロモ−2−フルオロベ
ンジル基であり、Zが酸素である化合物である。
一般式(I)で表わされる本発明の化合物及びその薬
学的に許容される塩は、優れたアルドース・リダクター
ゼ阻害作用を有しており、特に糖尿病に伴う慢性症状及
び合併症に有用である。
従って、本発明は、上記一般式(I)の化合物又はそ
の薬学的に許容される塩の有効量と薬学的担体とを含有
するアルドース・リダクターゼ阻害剤を提供するもので
ある。
更に、本発明は、一般式(I)の化合物又はその薬学
的に許容される塩の有効量を患者に投与することを特徴
とするアルドース・リダクターゼ阻害方法を提供するも
のである。
本発明のチエノピリミジン誘導体(I)中Zが酸素で
ある化合物は、例えば下記反応工程式(1)に示す方法
に従い製造することができ、又前記一般式(I)中R1
R2の少なくともいずれか一方がハロゲン原子の場合は下
記反応工程式(1)又は(2)に示す方法のいずれかで
製造することができる。また、前記一般式(I)中Zが
イオウ原子で示される化合物は下記反応工程式(3)に
示す方法で製造することができる。
<反応工程式(1)> 〔式中、R1、R2及びR3は、前記に同じ。R7はカルボキシ
保護基を示す。〕 化合物(II)は公知であり、例えば、John M.Barker
及びPatrick R.Huddleston著、Salo Gronowitz編、“H
eterocyclic Compounds,volume44,Part3:Thiophene and
its derviatives",p565−973,John Wiley & Sons,In
c.,New York(1986)に開示される。
上記においてR7で示されるカルボキシ保護基として
は、通常公知のものでよく、例えばメチル、エチル、プ
ロピル、ブチル、tert−ブチル、トリクロロエチル等の
置換又は非置換アルキル基;ベンジル、ジフェニルメチ
ル、p−ニトロベンジル、p−メトキシベンジル等の置
換又は非置換アラルキル基;アセトキシメチル、アセト
キシエチル、プロピオニルオキシエチル、ピバロイルオ
キシメチル、ピバロイルオキシプロピル、ベンゾイルオ
キシメチル、ベンゾイルオキシエチル、ベンジルカルボ
ニルオキシメチル、シクロヘキシルカルボニルオキシメ
チル等のアシルオキシアルキル;メトキシメチル、エト
キシエチル、ベンジルオキシメチル等のアルコキシアル
キル;その他、テトラヒドロピラニル基、ジメチルアミ
ノエチル基、ジメチルクロロシリル基、トリクロロシリ
ル基等が例示される。
上記反応工程式における各工程は、より詳細には以下
の如くして実施される。
A工程 一般式(II)で表わされるチオフェン誘導体と一般式 R3NH2 (V) 〔式中、R3は前記に同じ。〕 で表わされるアミンを、適当な溶媒中で塩基の存在下又
は不存在下に、反応させることにより、一般式(III)
で表わされるチエノピリミジン誘導体を得る。
上記一般式(V)で表わされるアミンとしては、メチ
ルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピ
ルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ベンジル
アミン、4−クロロベンジルアミン、2,4−ジクロロベ
ンジルアミン、3,4−ジクロロベンジルアミン、4−メ
トキシベンジルアミン、4−メチルベンジルアミン、2
−フルオロ−4−ブロモベンジルアミン、2,4−ジフル
オロベンジルアミン等が例示できる。溶媒としては、本
反応に関与しないものであれば特に限定はされないが、
例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプ
ロパノール等のアルコール類、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセドアミド、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル類あるいはこれらの混合溶
媒が好適に用いられる。本反応に使用される塩基として
は、例えばナトリウムメトキサイド、カリウムメトキサ
イド、カリウムt−ブトキサイド、ナトリウムエトキサ
イド、ナトリウムイソプロポキサイド、マグネシウムメ
トキサイド等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属のア
ルコキサイド、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水
素化リチウム等の水素化物、リチウムジイソプロピルア
ミド、リチウムジシクロヘキシルアミド、ナトリウムア
ミド、カリウムアミド等のアミド化合物等或いはトリエ
チルアミン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、
ヒドロキシピリジン等の有機塩基が用いられる。塩基
は、アミン(V)に対し1.0〜1.5倍モル程度使用するの
が好ましい。チオフェン誘導体(II)とアミン(V)の
使用割合は適宜選択できるが、通常チオフェン誘導体
(II)に対しアミン(V)を1.0〜2.0倍モル程度使用す
るのが好ましい。反応は、通常60〜300℃程度の加熱下
で行なわれ、一般には200〜250℃において有利に進行す
る。
B工程 一般式(III)で表わされるチエノピリミジン誘導体
と一般式 XCH2COOR7 (VI) 〔式中、R7は前記に同じ。Xは、塩素原子、臭素原子又
はヨウ素原子を示す。〕 で表わされる酢酸誘導体を、適当な溶媒中で塩基の存在
下に反応させることにより、一般式(IV)で表わされる
チエノピリミジン酢酸エステル誘導体を得る。溶媒とし
ては、本反応に関与しないものであれば特に限定はされ
ないが、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル類、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、N,
N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルホキサイド等が好適に用いられる。
本反応に用いられる塩基としては、カリウムメトキサ
イド、カリウムエトキサイド、カリウムt−ブトキサイ
ド、ナトリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイ
ド、ナトリウムプロポキサイド、ナトリウムイソプロポ
キサイド、リチウムメトキサイド、マグネシウムエトキ
サイド等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属のアルコ
キサイド、水素化カリウム、水素化ナトリウム、水素化
リチウム等の水素化物、ナトリウムアミド、リチウムア
ミド、カリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド
等のアミド化合物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、
炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の炭酸塩等が例示され
る。塩基は酢酸誘導体(VI)に対し1.0〜1.5倍モル程度
使用するのが好ましい。またチエノピリミジン誘導体
(III)と酢酸誘導体(VI)の使用割合は、適宜選択で
きるが、通常チエノピリミジン誘導体(III)に対し酢
酸誘導体(VI)を1.0〜2.0倍モル程度使用するのが好ま
しい。反応温度は、特に限定されないが、通常は室温乃
至冷却下に行なわれる。
C工程 得られた一般式(IV)で表わされるチエノピリミジン
酢酸エステル誘導体を、B工程の反応系より単離するか
或いは単離しないで、脱エステル反応に供し、一般式
(I)で表わされるチエノピリミジン誘導体を得る。脱
エステルの方法としては、酸による方法や塩基による方
法等一般的な公知の方法が適用できる。
ここで酸による方法の際に用いられる酸としては、蟻
酸、酢酸、プロピオン酸等の低級脂肪酸、トリクロロ酢
酸、トリフルオロ酢酸等のトリハロ酢酸、塩酸、臭素水
素酸、弗化水素酸等のハロゲン化水素酸、p−トルエン
スルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の有機ス
ルホン酸、またはこれらの混合物等が例示される。
酸を用いる上記反応は、液体の酸を使用するときには
特に他の溶媒を必要としないが、ジクロロメタン、クロ
ロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水
素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテ
ル類、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、水また
はこれらの混合溶媒等のこの反応に関与しない溶媒を使
用して実施することも可能である。
また塩基による方法の際に用いられる塩基としては、
水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化バリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウ
ム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、
炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の炭酸塩、1,8−ジア
ザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン等が例示され
る。溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロ
パノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジメ
トキシエタン、ジオキサン等のエーテル類、N,N−ジメ
チルホルムアミドまたはこれらの混合物と水の混合溶媒
等のこの反応に関与しないものが用いられる。
上記反応工程式(1)において、化合物(III)は、
下記反応式の如く、一般式(II′)で表わされるチオフ
ェン誘導体からも合成することができる。
(式中、R1、R2及びR3は前記に同じである。) 化合物(II′)は公知であって例えば、John M.Barke
r及びPatrick R.Huddleston著、Salo Gronowitz編、
“Heterocyclic Compounds,volume44,Part3:Thiophene
and its derivatives",p565−973,John Wiley & Sons,
Inc.,New York(1986)等に開示される。
一般式(II′)のチオフェン誘導体をホスゲン又はト
リクロロメチルクロロホーメイトの存在下に、適当な溶
媒中で50〜120℃に加熱したのち、溶媒を留去すること
により、イソシアネート誘導体(II″)を得る。この時
用いられる溶媒としては、キシレン、トルエン、ベンゼ
ン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、1,2−ジクロ
ロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、酢酸
エチル、酢酸イソプロピル等のエステル類又はジオキサ
ン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類、ジメトキ
シエタン等の反応に関与しない溶媒が例示できる。化合
物(II″)と一般式(V)で表わされるアミンを溶媒中
にて反応させ、ウレイド誘導体(II)を得る。この際
の反応溶媒としてはジエチルエーテル、ジイソプロピル
エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテ
ル類、キシレン、トルエン、ベンゼン、クロロベンゼン
等の芳香族炭化水素類又はクロロホルム、1,2−ジクロ
ロエタン、四塩化炭素、ジクロロメタン等のハロゲン化
炭化水素類が好適に用いられる。通常反応は室温で発熱
的に進行するが、反応の終了時に加熱するかあるいは4
−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、ピリジン、トリ
エチルアミン、N−メチルピペリジン、ジイソプロピル
エチルアミン、ジシクロヘキシルエチルアミン等の塩基
を加えても良い。この塩基の使用量はアミン(V)に対
し0.1〜3.0倍当量程度であり、アミン(V)の使用量は
適宜選択できるが、通常チオフェン誘導体(II″)に対
し1.0〜2.0倍モル程度使用するのが好ましい。得られた
ウレイド誘導体(II)を適当な溶媒中そのままあるい
は塩基により環化させて、一般式(III)のチエノピリ
ミジン誘導体を得る。塩基としては、トリエチルアミ
ン、ピリジン、N−メチルピペリジン、ジイソプロピル
エチルアミン、ジシクロヘキシルエチルアミン等の有機
アミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアル
カリ金属の水酸化物、ナトリウムメトキサイド、ナトリ
ウムエトキサイド、ナトリウムイソプロポキサイド、カ
リウムメトキサイド、カリウムエトキサイド、カリウム
t−ブトキサイド、リチウムメトキサイド等のアルカリ
金属のアルコキサイド、水素化カリウム、水素化リチウ
ム、水素化ナトリウム等のアルカリ金属の水素化物など
の一般的な塩基を挙げることができる。溶媒としては、
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノ
ール、ブタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラ
ン、ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル類、N,
N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド
等のアミド類、ジメチルスルホキサイドまたはこれらの
混合溶媒が好適に用いられる。塩基は、ウレイド誘導体
に対し1.0〜3.0倍モル程度使用するのが好ましく、反応
温度は、通常50〜150℃である。
<反応工程式(2)> 〔式中、R1′及びR2′はR1及びR2中の少なくともいずれ
か一方が水素原子の場合を示し、R7′は水素原子または
R7を示し、R1″及びR2″はR1及びR2中の少なくともいず
れか一方がハロゲン原子の場合を示す。R3及びR7は、前
記に同じ。〕 D工程 一般式(IV)で表わされる化合物のチオフェン環部分
に1個又は2個の水素原子が存在する化合物(IV′)の
チオフェン環部分のハロゲン化は、チオフェンをハロゲ
ン化する場合に一般的に使用される方法を用いて実施で
きる。これにより、ハロゲン原子を1個又は2個チオフ
ェン環部分に持つ化合物(IV″)あるいは(I)を製造
することができる。ハロゲン化は、例えば塩素、塩化ス
ルフリル、臭素、沃素等のハロゲン化剤を触媒の存在下
又は不存在下に、本反応に関与しない溶媒中で作用させ
ることにより、行なうことができる。溶媒としては、例
えば酢酸、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル
類、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭
素、ジクロルメタン等のハロゲン化炭化水素類、水等あ
るいはこれらの混合溶媒が好適に用いられる。この場合
の反応温度は、特に限定はされない。触媒としては、硫
酸、過沃素酸などの無機酸や塩化アルミニウム、塩化水
銀、塩化スズなどのルイス酸等が用いられる。また、ハ
ロゲン化剤として、N−ハロゲノコハク酸イミド、例え
ばN−クロロコハク酸イミド、N−ブロモコハク酸イミ
ド等を上記溶媒中で室温から溶媒の還流温度で化合物
(IV′)と反応させる方法も好適である。ハロゲン化剤
の量は、化合物(IV′)に対して通常1.0〜2.5倍モル量
程度使用される。また、一般式(IV″)で表わされる化
合物は反応工程式(1)中のC工程の方法により一般式
(I)で表わされる化合物へと導くことができる。
<反応工程式(3)> 〔式中、R1、R2、R3及びR7は前記に同じ。〕 E工程 一般式(VII)で表わされる化合物のN,N−ジメチルホ
ルムアミド溶液に室温以下の温度で1.0〜2.0当量の水素
化ナトリウムを加えた後、一般式(VI)の酢酸誘導体を
反応させる。次いで一般式(V)で表わされるアミンを
加え室温から100℃で反応させ、一般式(VIII)で表わ
される化合物を得る。一般式(VI)及び(V)で表わさ
れる化合物は、一般式(VII)で表わされる化合物に対
し1.0〜2.0倍モル程度が好ましい。
一般式(VII)で表わされる化合物は、公知の相当す
る2−アミノ−3−チオフェンカルボン酸(John M.Bar
ker及びPatrick R.Huddleston著、Salo Gronowitz編、
“Heterocyclic Compounds,volume44,Part3:Thiophene
and its derivatives",p565−973,John Wiley & Sons,
Inc.,New York(1986))にホスゲン又はトリクロロメ
チルクロロホーメイトを作用させることにより無水イサ
ト酸を合成する一般的方法に従って、得られる。すなわ
ち、ホスゲンによる方法は、例えば、E.C.Wagner and
M.F.Fegley,Organic Syntheses,vol.III,488(1955)
に記載され、またトリクロロメチルクロロホーメイトに
よる方法は、例えば、K.Kurita,T.Matsumura,and Y.Iwa
kura,Journal of Organic Chemisty,vol.41,2070(197
6)に記載される。
F工程 一般式(VIII)で表わされる化合物と2.0〜3.0倍モル
の1,1′−チオカルボニルジイミダゾールをジオキサン
に溶解し、浴温150℃に加熱し1〜4時間反応させ、一
般式(IV)で示されるチエノピリミジン誘導体を得
る。この化合物を反応工程式(1)中のC工程の方法と
同様に処理して、一般式(I)で表わされる化合物へと
導くことができる。
上記反応により生成した本発明の新規チエノピリミジ
ン誘導体は、通常の分離手段、例えば再結晶、カラムク
ロマトグラフィー等により容易に単離可能である。
本発明のチエノピリミジン誘導体をアルドース・リダ
クターゼに起因する疾病、具体的には糖尿病性白内障、
神経障害、腎障害、網膜症等の予防又は治療の目的で人
を含む哺乳動物に投与する際の薬学的形態としては、例
えば、経口剤、注射剤、坐剤、点眼剤等のいずれでも良
く、これらの投与形態は、夫々当業者に公知慣用の製剤
方法により製造できる。
経口用固型製剤を調製する場合は、本発明化合物に賦
形剤、必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、
矯味剤、矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、被覆錠
剤、顆粒剤、拡散、カプセル剤等を製造することができ
る。そのような添加剤としては、この分野で一般的に使
用されるもので良く、例えば、賦形剤としては乳糖、白
糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖液、デンプン、炭酸カル
シウム、カオリン、結晶セルロース、珪酸等を、結合剤
としては水、エタノール、プロパノール、ブドウ糖、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロー
ス、メチルセルロース、エチルセルロース、シエラツ
ク、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等を、崩壊
剤としては乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カン
テン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリ
ル硫酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセリン、乳糖
等を、滑沢剤としては精製タルク、ステアリン酸塩、ホ
ウ砂、ポリエチレングリコール等を、矯味剤としては白
糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等を例示できる。
経口用液体製剤を調製する場合は、本発明化合物に矯
味剤、緩衝剤、安定化剤、矯臭剤等を加えて常法によ
り、内服液剤、シロップ剤等を製造することができる。
この場合の矯味剤としては上記に挙げられたもので良
く、緩衝剤としては、クエン酸ナトリウム等が、安定化
剤としてはトラガント、アラビアゴム、ゼラチン等が挙
げられる。
注射剤を調製する場合は、本発明化合物にpH調製剤、
緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤等を添加し、
常法により皮下、筋肉内、静脈内用注射剤を製造するこ
とができる。この場合のpH調製剤及び緩衝剤としてはク
エン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム
等が挙げられる。安定化剤としてはピロ亜硫酸ナトリウ
ム、EDTA、チオグリコール酸、チオ乳酸等が挙げられ
る。局所麻酔剤としては塩酸プロカイン、塩酸リドカイ
ン等が挙げられる。
坐剤を調製する場合は、本発明化合物に例えば、不飽
和脂肪酸トリグリセライドのような賦形剤、更に必要に
応じてツイーンのような界面活性剤等を加えた後、常法
により製造することができる。
点眼剤を調製する場合は、滅菌蒸留水、生理的食塩水
等の希釈剤を用い、更にできればpH調製剤、緩衝剤等で
等張し、常法により製造することができる。
上記の各投与単位形態中に配合されるべき本発明化合
物の量は、これを適用すべき患者の症状により或はその
剤型等により一定でないが、一般に投与単位形態当り経
口剤では約10〜300mg、注射剤では約10〜50mg、坐剤で
は約10〜200mg、点眼剤では約5〜50mgとするのが望ま
しい。又、上記投与形態を有する薬剤の1日当りの投与
量は、患者の症状、体重、年齢、性別等によって異なり
一概に決定できないが、通常成人1日当り約5〜900mg
とすれば良く、1回又は2〜4回程度に分けて投与する
のが好ましい。
次に、参考例及び実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明する。
参考例1 3−(4−クロロベンジル)−5,6−ジメチルチエノ
〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−(1H,3H)−ジオン(化
合物III−1)の合成 エチル 2−エトキシカルボニルアミノ−4,5−ジメ
チル−3−チオフェンカルボキシレート1gと4−クロロ
ベンジルアミン1gをエタノール3ml−N,N−ジメチルホル
ムアミド1mlの混合溶媒に溶解し、封管中230℃で7時間
反応させた。反応液を濃縮し、残渣をアセトン−エタノ
ール−ジメチルホルムアミド混合溶媒より再結晶して、
3−(4−クロロベンジル)−5,6−ジメチルチエノ
〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−(1H,3H)−ジオン0.8g
(収率68%)を得た。
mp.291〜292℃ 元素分析:C15H13N2O2SClとして C H N 計算値(%) 56.16 4.08 8.73 実測値(%) 56.12 4.00 8.83 参考例2 参考例1と同様にして第1表に示す化合物III−2〜I
II−9を合成した。
参考例3 3−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)−5−メチ
ルチエノ〔2,3−d〕−ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジ
オン(化合物III−17)の合成 エチル 2−アミノ−4−メチル−3−チオフェンカ
ルボキシレート3.71gとトリクロロメチルクロロホーメ
イト7.91gのジオキサン(50ml)溶液を浴温80℃〜100℃
で3時間攪拌したのち、減圧下に乾固した。これにジエ
チルエーテル30mlを加え溶解し、氷冷下に4−ブロモ−
2−フルオロベンジルアミン4.49gを滴下した後、室温
に戻し3時間攪拌した。n−ヘキサン20mlを追加し、析
出した無色沈澱を集し、下式のウレイド体 5.4g(収
率68%)を得た。
このウレイド化合物5.3gをエタノール70mlに溶解しナ
トリウムメトキサイド1.58gを加え5時間還流後、溶媒
を半量まで濃縮した。水20mlを追加し均一溶解し、この
溶液を濃塩酸で酸性に中和すると無色結晶が析出した。
集し水洗後真空乾燥して、化合物III−17を4.75g(収
率97%)得た。
m.p.296〜297.5℃ 元素分析:C14H10BrFN2O2Sとして C H N 計算値(%) 45.54 2.73 7.59 実測値(%) 45.51 2.61 7.64 参考例4 参考例3と同様にして第1表に示す化合物III−10〜I
II−16、III−18及びIII−19を合成した。
参考例5 3−(4−クロロベンジル)−1−エトキシカルボニル
メチル−5,6−ジメチルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン−
2,4−(1H,3H)−ジオン(化合物IV−1)の合成 参考例1で合成した3−(4−クロロベンジル)−5,
6−ジメチルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン−2,4(1H,3
H)−ジオン(III−1)0.6gを無水N,N−ジメチルホル
ムアミド20mlに溶解し、室温で50%水素化ナトリウム0.
1gを加え、ついでブロム酢酸エチルエステル0.4gを加え
た。室温で17時間攪拌後、反応液を濃縮し、氷冷下希塩
酸を加え酸性とした。析出する結晶を取し、エタノー
ルより再結晶して、3−(4−クロロベンジル)−1−
エトキシカルボニルメチル−5,6−ジメチルチエノ〔2,3
−d〕ピリミジン−2,4−(1H,3H)−ジオン0.7g(収率
92%)を得た。
mp.151〜152℃ 元素分析:C19H19ClN2O4として C H N 計算値(%) 56.09 4.71 6.88 実測値(%) 55.84 4.50 6.89 参考例6 参考例5と同様にして第2表に示す化合物IV−2〜IV
−8及びIV−12〜IV−22を合成した。
参考例7 1−エトキシカルボニルメチル−3−ヘキシル−5,6,7,
8−テトラハイドロベンゾチエノ〔2,3−d〕ピリミジン
−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物IV−9の合成 参考例2で合成した3−ヘキシル−5,6,7,8−テトラ
ハイドロベンゾチエノ〔2,3−d〕ピリミジン−2,4(1
H,3H)−ジオン(III−9)1.2g、50%水素化ナトリウ
ム0.14g及びブロム酢酸エチルエステル1.0を参考例5と
同様に反応後、濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーにかけ、クロロホルムで溶出して
1−エトキシカルボニルメチル−3−ヘキシル−5,6,7,
8−テトラハイドロベンゾチエノ〔2,3−d〕ピリミジン
−2,4(1H,3H)−ジオン1.2g(収率77%)を得た。
核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6) δ(ppm); 0.85(3H,t) 1.0〜2.0(12H,m) 1.21(3H,t) 2.5〜2.9(4H,m) 3.84(2H,t) 4.17(2H,q) 4.7(2H,s) 参考例8 1−エトキシカルボニルメチル−3−(3,4−ジクロロ
ベンジル)−6−ブロモ−5−メチルエチノ〔2,3−
d〕ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物IV″−
10)の合成 参考例6で合成した1−エトキシカルボニルメチル−
3−(3,4−ジクロロベンジル)−5−メチルチエノ
〔2,3−d〕ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(IV−
5)0.3gとN−ブロモコハク酸イミド0.137gを無水四塩
化炭素30mlにとかし2時間還流反応させた後、減圧下に
溶媒を留去して得られる残固体をシリカゲルクロマトグ
ラフィー(溶出液:クロロホルム:n−ヘキサン=2:1)
により精製し、1−エトキシカルボニルメチル−3−
(3,4−ジクロロベンジル)−6−ブロモ−5−メチル
チエノ〔2,3−d〕ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
0.30g(収率85%)を得た。
mp.165.5〜167℃ 元素分析:C18H15N2O4BrCl2Sとして C H N 計算値(%) 47.21 2.99 5.53 実測値(%) 47.50 2.84 5.42 参考例9 参考例8と同様にして、第2表中の化合物IV″−23を
合成した。
参考例10 1−エトキシカルボニルメチル−3−(3,4−ジクロロ
ベンジル)−6−クロロ−5−メチルチエノ〔2,3−
d〕ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン化合物(IV″−
11)の合成 参考例6で合成した1−エトキシカルボニルメチル−
3−(3,4−ジクロロベンジル)−5−メチルチエノ
〔2,3−d〕ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(IV−
5)0.427gと塩化スルフリル0.162gを無水四塩化炭素30
mlに溶解し、50〜70℃で6時間反応させた。反応液を濃
縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーにかけ、クロロホルム:n−ヘキサン(2:1)で溶出
して、1−エトキシカルボニルメチル−3−(3,4−ジ
クロロベンジル)−6−クロロ−5−メチルチエノ〔2,
3−d〕ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン0.30g(収率
65%)を得た。
mp.141〜145℃ 元素分析:C18H15N2O4Cl3Sとして C H N 計算値(%) 46.82 3.27 6.07 実測値(%) 46.65 3.12 5.92 参考例11 参考例10と同様にして第2表中の化合物IV″−24を合
成した。
参考例12 1−エトキシカルボニルメチル−3−(4−ブロモ−2
−フルオロベンジル)−6−イソプロピル−4(3H)−
オキソ−2(1H)−チオキソチエノ〔2,3−d〕ピリミ
ジン(化合物IV−25)の合成 2−アミノ−5−イソプロピルチオフェンカルボン酸
7.8gとトリクロロメチルクロロホーメイト25gをジオキ
サン80mlに溶解し、6時間還流した後、減圧下に乾固し
た。得られた淡褐色固体をエーテル中で砕き集し真空
乾燥した。下記式の化合物を淡黄色固体として5.6g(収
率74%)得た。
mp.180〜181℃(CO2発生) 元素分析:C9H9NO3Sとして C H N 計算値(%) 51.17 4.29 6.63 実測値(%) 51.21 4.36 6.65 この化合物5.4gをN,N−ジメチルホルムアミド40mlに
溶解し、氷冷下に60%水素化ナトリウム1.45gを加え
た。40分間攪拌後ブロモ酢酸エチル4.34mlを加えた後室
温に戻し2時間反応させた。次いで4−ブロモ−2−フ
ルオロベンジルアミン7.96gを加え80℃で2時間反応
し、さらにトリエチルアミン5.4mlを追加し1時間反応
させた。減圧下に溶媒を留去し、クロロホルム120mlで
抽出し、水洗後無水炭酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し
た。残渣をクロロホルム/イソプロピルエーテル/n−ヘ
キサンの混合溶媒から再結し淡黄色針状結晶の下記式の
化合物8.92g(収率65%)を得た。
mp.135.5〜137.5℃ 元素分析:C19H22BrFN2O3Sとして C H N 計算値(%) 49.90 4.85 6.13 実測値(%) 49.63 4.65 6.16 この化合物2.29gと1,1′チオカルボニルジイミダゾー
ル1.96gをジオキサン20mlに溶解し、150℃の浴上で攪拌
しながらジオキサンを留去し、2時間反応させた。熱時
に反応溶液にエタノールを加え、室温に戻し、析出した
結晶を集した。シリカゲル75gを用いクロロホルムを
溶媒としてカラムクロマトグラフィーにより精製し、無
色結晶の化合物(IV−25)2.11g(収率85%)を得
た。
mp.177〜179℃ 元素分析:C20H20HrFN2O3S2として C H N 計算値(%) 48.10 4.04 5.61 実測値(%) 48.30 3.94 5.64 実施例1 1−カルボキシメチル−3−(4−クロロベンジル)−
5,6−ジメチルエチノ〔2,3−d〕ピリミジン−2,4(1H,
3H)−ジオン(化合物I−1)の合成 参考例5で合成した3−(4−クロロベンジル)−1
−エトキシカルボニルメチル−5,6−ジメチルチエノ
〔2,3−d〕ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(IV−
1)0.7gをメタノール30mlに溶解し、水20mlに溶解した
0.3gの水酸化ナトリウムを加えた。60℃で30分間反応
後、反応液を濃縮した。氷冷下希酸塩を加え、酸性とし
て過した。取した結晶をメタノールより再結晶して
1−カルボキシメチル−3−(4−クロロベンジル)−
5,6−ジメチルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン−2,4(1H,
3H)−ジオン0.4g(収率61%)を得た。
mp.173〜176℃ 元素分析:C17H15ClN2O4Sとして C H N 計算値(%) 53.90 3.99 7.39 実測値(%) 53.75 4.04 7.31 実施例2 実施例1と同様にして第3表に示す化合物I−2〜I
−11を合成した。
実施例3 1−カルボキシメチル−3−(4−ブロモ−2−フルオ
ロベンジル)−5−メチルチエノ〔2,3−d〕ピリミジ
ン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物I−20)の合成 参考例6で合成した化合物IV−20 4.60gに酢酸20ml
および濃塩酸10mlを加え4時間還流した。濃塩酸10mlを
加え、さらに4時間還流後、水10mlを追加し、室温にて
1夜静置した。析出した結晶を集し水洗後、80%エタ
ノールより再結し化合物I−20を3.75g(収率87%)を
得た。
mp.206.5〜208℃ 元素分析:C16H12BrFN2O4Sとして C H N 計算値(%) 44.98 2.83 6.56 実測値(%) 45.02 2.78 6.38 実施例4 実施例3と同様にして第3表に示す化合物I−12〜I
−19及びI−21〜I−25を合成した。
実施例5 1−カルボキシメチル−3−(4−ブロモ−2−フルオ
ロベンジル)−6−クロロチエノ〔2,3−d〕ピリミジ
ン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物I−24)の化合物の
L−アルギニン塩の合成 0.45gの化合物I−24をエタノール10mlに還流して溶
解し、L−アルギニン0.174gの水溶液(1ml)を加え、
その後放冷し室温に1日間放置した。析出した結晶を集
めエタノールで洗浄後、100℃で6時間真空乾燥し、化
合物I−24のL−アルギニン塩を0.49g(収率76%)得
た。
mp.224〜225.5℃ 元素分析:C21H23BrClFN6O6Sとして C H N 計算値(%) 40.56 3.73 13.51 実測値(%) 40.27 3.65 13.51 実施例6 実施例5と同様にして化合物I−24のL−リジン塩を
合成した(収率82%)。
mp.213〜214℃ 元素分析:C21H23BrClFN4O6S・1H2Oとして C H N 計算値(%) 41.22 4.12 9.16 実測値(%) 41.55 4.04 9.19 実施例7 1−カルボキシメチル−3−(4−ブロモ−2−フルオ
ロベンジル)−6−クロロ−4(3H)−オキソ−2(1
H)−チオキソチエノ〔2,3−d〕ピリミジン(I−26)
の合成 参考例12の方法に従って、N−(4−ブロモ−2−フ
ルオロベンジル)−5−クロロ−エトキシカルボニルメ
チルアミノ−3−チオフェンカルボキサイド2.5g、1,
1′−チオカルボニルジイミダゾール2.0g及びジオキサ
ン20mlを混合した後、150℃の浴上で2時間反応後、エ
タノール80mlを加え室温に戻し、析出した結晶を集
し、粗精製の1−エトキシカルボニルメチル−3−(4
−ブロモ−2−フルオロベンジル)−6−クロロ−4
(3H)−オキソ−2(1H)−チオキソチエノ〔2,3−
d〕ピリミジン1.4gを得た。この粗生成物を実施例3と
同様の方法で加水分解した。すなわち該粗生成物に酢酸
15ml及び濃塩酸15mlを加え、8時間還流させた後、水15
mlを加え室温に戻し、析出した結晶を集した。80%エ
タノールから再結晶することにより、1−カルボキシメ
チル−3−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)−6
−クロロ−4(3H)−オキソ−2(1H)−チオキソチエ
ノ〔2,3−d〕ピリミジン0.54g(収率41%)を得た。
元素分析:C15H9BrClFN2O3S2として C H N 計算値(%) 38.85 1.95 6.04 実測値(%) 38.47 2.10 5.77 薬理試験 本発明の化合物(I)について行った薬理試験を以下
に示す。
アルドース・リダクターゼ阻害作用 アルドース・リダクターゼ(AR)の活性はBiochemica
l Pharmacology 25 2505〜2513(1976)の方法に従っ
て、波長340nmにおける基質グリセルアルデヒドの還元
に伴うNADPHの吸光度の減少速度を分光光度計にて測定
することにより求めた。
ウェスター系雄性ラットの眼球水晶体1個当りに0.1M
リン酸緩衝液(pH6.2)0.5mlを加え、ガラスホモジナイ
ザーにてホモジナイズし、10000rpmにて10分間遠心分離
して得られた上清をARとして用いた。
AR活性の測定は以下の様に行われた。即ち、分光光度
計の試料側のセルに0.1Mリン酸緩衝液(pH6.2)700μ
、2.21mM NADPH100μ、AR100μ及び各濃度の被検
化合物を含むDMSO5μを投入し、対照側のセルには0.1
Mリン酸緩衝液(pH6.2)800μ、2.21mM NADPH100μ
、AR100μ及びDMSO5μを投入し、各々よく混合し
30℃に保温した。次いで、試料側のセルに30℃に保温し
た100mMグリセルアルデヒド100μを添加し、素早く混
ぜて反応を開始させた。反応開始後1分から3分までの
吸光度変化の直線部分における1分間当りの吸光度変化
率よりAR活性を求め、用量作用曲線を作成した。50%阻
害濃度(IC50)を用量作用曲線から算出した。
以下の製剤例は、本発明によって提供される化合物の
薬剤調製物である。
製剤例1(錠剤) 錠剤を下記配合割合で製造した。
化合物 I−17 100mg 乳糖 47mg トウモロコシデンプン 50mg 結晶セルロース 50mg ヒドロキシプロピルセルロース 15mg タルク 2mg ステアリン酸マグネシウム 2mg エチルセルロース 30mg 不飽和脂肪酸グリセリド 2mg 酸化チタン 2mg 計 300mg 製剤例2(カプセル剤) カプセル剤を下記配合割合で製造した。
化合物 I−24 50mg 乳糖 50mg トウモロコシデンプン 47mg 結晶セルロース 50mg タルク 2mg ステアリン酸マグネシウム 1mg 計 200mg

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔式中、R1及びR2は、同一又は相異なり、水素原子、ハ
    ロゲン原子、低級アルキル基、環状アルキル基又はフェ
    ニル基を示す。また、R1とR2は、互いに結合してアルキ
    レン鎖で環を形成していてもよい。R3は、低級アルキル
    基又は基 (R4は、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲ
    ン原子を示し、mは0、1又は2であり、R5は水素原子
    又はハロゲン原子を示す。)を示す。Zは酸素原子又は
    イオウ原子を示す。〕で表わされるチエノピリミジン誘
    導体又はその薬学的に許容される塩。
  2. 【請求項2】R1が水素原子、メチル基、イソプロピル基
    又はハロゲン原子であり、R2が水素原子又はメチル基で
    あり、R3が3,4−ジクロロベンジル基、2,4−ジクロロベ
    ンジル基又は4−ブロモ−2−フルオロベンジル基であ
    り、Zは酸素又はイオウ原子である請求の範囲第1項に
    記載のチエノピリミジン誘導体又はその薬学的に許容さ
    れる塩。
  3. 【請求項3】R1がイソプロピル基、塩素又は臭素原子で
    あり、R2が水素原子であり、R3が4−ブロモ−2−フル
    オロベンジル基であり、Zは酸素原子である請求の範囲
    第1項又は第2項に記載のチエノピリミジン誘導体又は
    その薬学的に許容される塩。
  4. 【請求項4】一般式 〔式中、R1及びR2は、同一又は相異なり、水素原子、ハ
    ロゲン原子、低級アルキル基、環状アルキル基又はフェ
    ニル基を示す。また、R1とR2は、互いに結合してアルキ
    レン鎖で環を形成していてもよい。R3は、低級アルキル
    基又は基 (R4は、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲ
    ン原子を示し、mは0、1又は2であり、R5は水素原子
    又はハロゲン原子である。)を示す。Zは酸素原子又は
    イオウ原子を示す。〕で表わされるチエノピリミジン誘
    導体又はその薬学的に許容される塩の有効量と薬学的に
    許容される担体又は賦形剤とを含有する糖尿病合併症の
    治療及び予防剤。
  5. 【請求項5】一般式 〔式中、R1及びR2は、同一又は相異なり、水素原子、ハ
    ロゲン原子、低級アルキル基、環状アルキル基又はフェ
    ニル基を示す。また、R1とR2は、互いに結合してアルキ
    レン鎖で環を形成していてもよい。R3は、低級アルキル
    基又は基 (R4は、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲ
    ン原子を示し、mは0、1又は2であり、R5は水素原子
    又はハロゲン原子である。)を示す。Zは酸素原子又は
    イオウ原子を示す。〕で表わされるチエノピリミジン誘
    導体又はその薬学的に許容される塩の有効量と薬学的に
    許容される担体又は賦形剤とを含有するアルドース・リ
    ダクターゼ阻害剤。
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