JP2001502669A - ヒトactおよびセリンプロテアーゼからなる複合体に対するモノクローナル抗体 - Google Patents

ヒトactおよびセリンプロテアーゼからなる複合体に対するモノクローナル抗体

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Abstract

(57)【要約】 この発明は、遊離型非複合ヒトACTや遊離型非複合PSAと本質的に交差反応を起こさない、ヒトACTとセリンプロテアーゼとの複合体に対する、好ましくはACT-PSAに対するモノクローナル抗体、およびこれらのモノクローナル抗体を用いてセリンプロテアーゼ-ACT複合体、特にPSA-ACTを検出するための診断検査方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 ヒトACTおよびセリンプロテアーゼからなる複合体に対する モノクローナル抗体 本発明は、α1-アンチキモトリプシン(ACT)およびセリンプロテアーゼ、特 に前立腺に特異的な抗原(PSA)からなる複合体に特異的に結合し、複合体を形 成していない(以下「非複合」)ACTおよび非複合セリンプロテアーゼとは本質的 に交差反応を起こさない、モノクローナル抗体(MAK)に関する。これらのモノ クローナル抗体は、ACT-セリンプロテアーゼ複合体を検出するため、特にPSA-AC Tを検出するために使用することができる。 前立腺に特異的な抗原は、分子量33kDaを有する糖タンパク質である。これは 、前立腺の上皮細胞内で形成される、精液の成分である。PSAは、中性セリンプ ロテアーゼの酵素活性を有する。 PSAの主な機能は、セミノゲリン(seminogelin)IおよびIIならびにフィブロ ネクチン(これらのタンパク質はゲル状タンパク質であり、射出精液の主成分と して精子の運動を妨げる)を切断することである。PSAは、これらのタンパク質 を加水分解して精液の凝塊を液化することにより、精子の運動を可能にする。 酵素活性なPSAは、血清内ではいわゆるセルピン(セリンプロテアーゼインヒ ビター)と呼ばれる様々なインヒビターにより、共有結合による複合体が形成さ れて不活性化される。免疫学的に検出可能なPSAの多くは、血清中ではα1-アン チキモトリプシン(60-95%)に結合する。さらに、α2-マクログロブリン、α1 -アンチトリプシン、インター-α-トリプシンインヒビターおよびプロテインC インヒビターと、複合体が形成される。さらに、セルピンとはもはや複合体を形 成しない酵素不活性なPSAも発生する。 α1-アンチキモトリプシンは、分子量約69kDaと炭水化物部分を有する糖タン パク質である。ACTは、急性期の炎症を調節する際の主なインヒビターとして重 要な役割を担っている。また、ACTはキモトリプシン、カテプシンGおよび腺性 カリクレインhK2とも複合体を形成する。ACTは、ヒト血清中に(モルベー スで)PSAの10,000倍の濃度で存在する。 遊離型PSAのほかに、PSA-ACT複合体が、血清中における免疫学的に検出可能な 総PSAの主な形態である。多くの場合、前立腺ガンは血清中のPSAレベルの上昇を 引き起こす。しかし、良性の前立腺過形成でもPSA血清値のわずかな上昇が見ら れるため、PSAは特に低濃度の範囲内においてはガンに特有のマーカーではない 。患者に前立腺癌がある可能性を調べるためにこれまで使用されていたスクリー ニングテストは常に、総PSAを検出するテストであった。PSAは通常、男性の血清 中に非常に低濃度で発生するため、このようなテストではいわゆるカットオフ( cut-off)を決めなければならなかった。このカットオフを超えるPSA値は、前立 腺癌の存在を示すものと評価される。PSA濃度は患者の年齢が高くなるにつれ上 昇するため、総PSA検出テストでは4〜6ng/mlのカットオフ値がこれまで使用さ れてきた。この結果、初期段階の前立腺癌を有する一部の患者はこれらのスクリ ーニングテストでは検出されなかった。 未審査の日本特許出願公開第62-46263号公報ではすでに、悪性の前立腺腫瘍を 有する患者におけるPSA複合体の値は、良性の前立腺過形成の患者に比べて高い ことが分かっている。この未審査の公開特許出願において、γ-セミノプロテイ ン(seminoprotein)(γ-セミノプロテインはPSAと全く同じものである;Schall erらのEur.J.Biochem.170,1987,111-120およびナカムラのCancer 74,1994,1655- 1659を参照のこと)に対する抗体とα1-アンチチプシン(antitypsin)に対する抗 体とを組み合わせて検出を行うイムノアッセイが記載された。 複合体形成されていない(非複合)PSAに結合し且つACTとの複合体中のPSAと結 合する抗体2E9およびACTに対する抗体の組み合わせを使用するPSA-ACTの検出方 法は、WO92-01936に記載されている。 さらに、遊離型PSA、非複合PSAおよび総PSA(すなわち遊離型PSAと複合体形成 された(複合体)PSAの合計)を検出するための診断テストがある。これらのテ ストは全て、遊離型PSAを検出する場合には複合体形成されていない形のPSAのみ を、または総PSAを検出する場合は複合体形成された形状および遊離型のPSAのみ を認識する抗体を含む。 セリンプロテイナーゼと複合体形成したACTの検出、特にPSA-ACTの検出 は、上述のように、従来は2つの抗体(うち一方はPSAに対する抗体であり、他 方はACTに対する抗体)を使用するサンドイッチテストを使用してのみ可能であ った。ヒト血清中にACTはPSAに比べて約10,000倍多く発生してPSAとACTとの複合 体も生じるため、この大過剰なACTによる負のテスト干渉を避けることは不可能 である。とくに、これら従来公知のPSA-ACT検出テストは、このテスト方法にお いてACT-特異的抗体を加える前に過剰なACTを除去するための少なくとも1つの 洗浄ステップを含むことが不可欠である。したがって、多くの自動診断テストで 望ましい1ステップ-テスト法は不可能である。 したがって本発明の目的は、PSA-セリンプロテアーゼ、特にPSA-ACTを検出す るための改良されたテストを提供することであり、この場合PSA-ACTは、可能で あれば、血清中に高濃度で存在するACTにより干渉を受けず、かつ前立腺癌を検 出するのに可能な限り高感度なスクリーニングを可能とするものでなければなら ない。 この目的は、遊離型非複合体ヒトACTおよび遊離型非複合体セリンプロテアー ゼと本質的に交差反応を起こさない、ヒトACTとセリンプロテアーゼとの複合体 に対するモノクローナル抗体により、達成される。 特にこの目的は、遊離型ヒトACTや遊離型セリンプロテアーゼと本質的に交差 反応を起こさず且つ他のセリンプロテアーゼ-ACT複合体、とくにキモトリプシン -ACTおよびカテプシン-G-ACTに対してよりもPSA-ACTに対して実質的により高い 親和性および特異性を有する、ACTとセリンプロテアーゼとの複合体に対するMAK により達成される。 当業者に公知である全てのタンパク質検出テストにおいて、このモノクローナ ル抗体を使用することができる。2つの抗体を用いた好適なテスト方法(サンド イッチテスト)において、テストは1ステップで、すなわち過剰なACTを除去す るための追加の洗浄ステップを行うことなく、行うことができる。これは、従来 可能であったテスト(これらはすべて、特にできるだけ素早く多くのサンプルを テストしなければならないスクリーニングテストで、過剰なACTを除去するため の洗浄ステップを含んでいた)に比べて決定的に改善された点である。 ヒトACTとセリンプロテアーゼとの複合体に対する本発明のモノクローナル 抗体は、遊離型ヒトACTおよび遊離型セリンプロテアーゼと本質的に交差反応を 起こさない。「本質的に交差反応を起こさない」とは、ACT-セリンプロテアーゼ 複合体の検出テストが遊離型ACTまたは遊離型セリンプロテアーゼにより影響を 受けない程度の交差反応と解釈される。なお許容できる個々の成分との交差反応 レベルは、これらの成分がヒト血清中に生じ得る濃度に依存する。ACTはかなり 過剰に生じるため、交差反応性は微小(この場合即ち実質的に1%未満)でなけ ればならない。使用可能な方法を使用して本発明のモノクローナル抗体の交 を使用して交差反応を検出した。テストした物質に対して105l/mol未満の親 和性定数を有する抗体は大きな結合を示さず、従ってこのシステムでは検出可能 な交差反応は見られなかった。 シンおよびカテプシンGに対して交差反応を示さなかった。ヒト血清中に発生す る全ての潜在的干渉物質との交差反応を調べるために、このケースではヒト血清 をスクリーニングテストに加えた。ACT-PSA複合体が存在しないように、ヒトの 女性の血清を使用した。本発明のモノクローナル抗体は、この血清中に発生する 他の成分と検出可能な交差反応を示さなかった。 PSA-ACTは、最も臨床的に関連の深いセリンプロテアーゼ-ACT複合体を表すの で、本発明のモノクローナル抗体は、他のセリンプロテアーゼ-ACT複合体に対し てよりもPSA-ACTに対して、特に高い親和性および特異性を有する。 PSA-ACTに対する親和性の高さは、好ましくは少なくとも10倍以上、特に好まし くは50倍以上である。PSA-ACTに対するこれらの特異的モノクローナル抗体によ り、非複合PSAおよびACTにより臨床面での干渉を大きくまたは全く受けない1ス テップのPSA-ACT検出テストを設計することが可能となる。 本発明のモノクローナル抗体は、PSA-ACTに対して少なくとも107l/mol、特 に好ましくは少なくとも109l/molの親和性を有する。本発明のモノクローナ ル抗体の1つは、1010l/molもの親和性を有することさえ分かった。これは、 モノクローナル抗体では異常に高い親和性である。PSA-ACTに対するこのような 高親和性モノクローナル抗体は、通常比較的短い間モノクローナル抗体と一緒に サンプ ルをインキユベートする1ステップテストに優れて適している。この高親和性モ ノクローナル抗体のPSA-ACTへの結合は、非常に素早く行われる。 本発明のモノクローナル抗体は、全ての可能なIgクラスに属することができる 。このモノクローナル抗体は、好ましくはIgG1クラスに属する。不均一イムノア ッセイにおいて抗体を固相に結合させるための結合相手や例えば酵素などのラベ ルなどの他の成分を、IgG1抗体に好ましく結合させることができる。抗体フラグ メントの切断も、問題無くIgG1クラスである。 「本発明のモノクローナル抗体」という用語は、免疫学的テストや他の用途に 一般的に使用される完全な抗体、ならびにその全ての断片、たとえばF(ab')2お よびFabフラグメントなどであると理解される。またこの用語は、モノクローナ ル抗体を改変することにより生成された抗体も含む(ただし、抗原結合特性は大 きな影響を受けなかったものとする)。例えば一般にマウスで産生されるモノク ローナル抗体の一部を、これと対応するヒト抗体配列で遺伝子操作により置換し て、イムノアッセイにおける非特異的結合を最小にすることができる。このよう なキメラモノクローナル抗体の産生方法は、当業者に公知である(例えばJ.Mc C afferty,H.R.HoogenboomおよびD.J.Chiswell、The Practical ApproachSerie s,Series Editor:B.D.Hames,Oxford University Press(1996)よリAntibody E ngineeringを参照)。 本発明のモノクローナル抗体は、例えば1996年9月19日にDSM(Deutsche Samm lung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH,Mascheroder Weg1b,D-38124 Braunschweig)に寄託された細胞系MAK<PSA-ACT>M4.6.374、MAK<PSA-ACT>M4.3. 2およびMAK<PSA-ACT>M6.13.64から産生することができる。(MAK<PSA-ACT>M 4.6. 474=DSM ACC 2281;MAK<PSA-ACT>M6.13.64=DSM ACC 2282;MAK<PSA-ACT>M 4.3.2=D SM ACC 2283)。 また、本発明は、モノクローナル抗体4.6.374、4.3.2および6.13.64と同等に セリンプロテアーゼ-ACT複合体に結合する抗体、好ましくはモノクローナル抗体 に関する。「同等に結合する」とは、これらの抗体が、寄託されたモノクローナ ル抗体と同じエピトープを認識することを意昧すると理解される。これは例えば 本発明のモノクローナル抗体は、好適な実験動物をヒト由来PSA-ACTで免疫し たあと、この免疫した動物の脾臓細胞を骨髄腫細胞に融合することにより、公知 方法で産生することができる。しかし、セリンプロテアーゼ-ACT-特異的モノク ローナル抗体の産生率は非常に低い。雌の実験動物だけを用いることによってPS A-セリン-プロテアーゼ-特異的抗体の収量を増加させることが可能であった。こ の場合でも、約70%のモノクローナル抗体はなお、ACTとの高い交差反応性を有 し、約30%はPSAとの高い交差反応性を有していた。得られた全抗体の1%よりは るかに少ないものだけが、セリンプロテアーゼインヒビター複合体またはPSA-AC T複合体に対する必要な特異性を有していた。 リンパ球源としての脾臓以外に、免疫した動物(好ましくはマウスおよびラッ ト)のPBL(末梢血リンパ球)またはリンパ節の細胞を使用することも可能であ る。 あるいは、PSA-ACTに対する抗体または自己抗体を発生させたヒトドナー(例 えば前立腺腫瘍患者、授乳中の女性、PSA-分泌細胞/組織を有する患者)由来の リンパ球(PBL、脾臓細胞、リンパ節細胞)を不死化することも可能である。こ のような抗PSA-ACT産生リンパ球は、ヒト骨髄系との融合またはEBV(Epstein Bar r Virus)形質転換により不死化させて、抗体産生ハイブリドーマ細胞を形成する ことができる(MonoclonalAntibody and Immunosensor Technology,A.M. Baumgarten,Springer Verlag 1990;Monoclonal Antibody Production Techniqu es and Applications,ed.Lawrence B.Schook,Marcel Dekker Publisher 198 7)。 本発明の更なる主題は、サンプル、好ましくはヒトのサンプル(例えば血漿、 血清、血液、精液、前立腺液、精嚢液、唾液、髄液、ヒトの母乳、嚢胞、組織ホ モジェネート、組織切片、生検材料など)において、セリンプロテアーゼ-ACT複 合体、特にPSA-ACTを検出するための、本発明のモノクローナル抗体の使用であ る。 本発明のモノクローナル抗体は、セリンプロテアーゼとヒトACTの複合体を特 異的に認識することにより、本発明の全てのMAKは、この複合体中にのみ生 じるエピトープを認識するが、遊離型セリンプロテアーゼおよび遊離型ヒトACT 中のエピトープは認識しないため、タンパク質を検出するのに適した全ての一般 的なテスト構成を使用することが可能である。したがって当業者は、もう以前の ように2ステップ式のサンドイッチアッセイ(これはヒトACT-特異的抗体のイン キュベーションの前にさらに洗浄ステップを含まなければならなかった)にもっ ぱら縛られることはない。 したがって、本発明はさらに、サンプルを本発明の少なくとも1つのモノクロ ーナル抗体と共にインキュベートすることにより、ヒトACTとセリンプロテアー ゼとの複合体を測定するための方法に関する。IEMA原則に基づいた競合テストや サンドイッチなどの直接テストなどの、当業者に公知である全ての一般的なタン パク質検出方法が適している。アッセイの成分を固相に結合させて固相および液 相を分離させる不均一テストのほかに、タンパク質を検出するのに適した均一テ ストを使用することも可能である。この例としては、ラテックス凝集反応テスト やTINIA(turbidimetric inhibition immunoassays)などの比濁分析または濁度分 析テストなどが挙げられる。テスト試薬が液相中に存在するいわゆる湿式テスト のほかに、タンパク質を検出するのに適した全ての一般的な乾式テスト方式を使 用することも可能である。これらの乾式テストまたはテストストリップでは、テ スト成分は担体に塗布される。このような乾式テストは例えばEP-A 0 186799に 記載されている。 本発明の更なる主題は、他のセリンプロテアーゼ-ACT複合体に対するよりPSA- ACTに対する親和性が高い本発明のモノクローナル抗体と共にサンプルをインキ ュベートすることによる、PSA-ACT検出テストである。このMBAは好適には少なく とも10倍、特に好ましくは少なくとも50倍高いPSA-ACTへの親和性を有する。 幾つかの抗体(このうち1つは本発明のモノクローナル抗体である)の組み合 わせをテストで使用する場合、全てのセリンプロテアーゼ-ACT複合体を均等に良 く認識するモノクローナル抗体を使用する場合であっても、PSA-ACT-特異的テス トを設計することが可能である。したがって、本発明の主題は、本発明の少なく とも1つのモノクローナル抗体およびPSAに対する1つの抗体と共にサン プルをインキュベートすることによってPSA-ACTを測定するための方法である。 このようなPSA-特異的抗体は公知であり、PSAまたはγ-セミノプロテインを検出 するための診断テストで1985年以来すでに使用されている。これら2つの抗体を 組み合わせることにより、PSA-ACTを特異的に検出することが可能になる。この 従来のサンドイッチテストにおいて、2つのうちどちらの抗体がラベルされた形 で存在するか、あるいは固相に結合するか、は重要ではない。 ACTとセリンプロテアーゼの複合体、とくにACT-PSA複合体に特異的なモノクロ ーナル抗体の代わりに、PSA-ACTに対するレセプターをPSAに対する抗体とともに 使用することも可能である。PSAは、相互の相同性が高いプロテアーゼグループ であるカリクレインファミリーのメンバーである。これはセルピン(セリンプロ テアーゼインヒビター)と呼ばれるインヒビター(ACTを含む)によって結合され る。これらのPSA-セルピン複合体は、新生エピトープと呼ばれるエピトープを有 し、これはプロテアーゼに結合しなかった遊離型インヒビターには存在しない。 これらのPSA-ACT複合体、または一般にカリクレイン-セルピン複合体は、この新 生エピトープを認識するレセプターにより血液循環から排除される。この新生エ ピトープについては例えばPerlmutterらのJ.Biol.Chem.265,No.28,16713-1 6716,1990;PelmutterらのProc.Natl.Acad.Sci.USA,87,3753-3757,1990およびJos linらのJ.Biol.Chem.268,No.3,1886-1893,1993に記載されている。PSA-ACTおよ びカリクレイン-セルピンのためのレセプターがHepG2細胞中で検出されたが、こ のレセプターはこれらから単離することができる(Joslinら、1993)。したがって 、本発明のさらなる主題は、上記により詳しく説明した新生エピトープに結合す るPSA-ACTのためのレセプター、および好ましくはPSAに対するモノクローナル抗 体である抗体と共にサンプルをインキュベートすることにより、PSA-ACTを測定 するための方法である。この場合、レセプターまたは抗体がラベルされた形で存 在するかあるいは固相に結合するかは問題ではない。 セルピン-プロテアーゼレセプターを産生するために、所望のレセプターを発 現する細胞をまず初めに培養した。このレセプターは、例えばHashemiらのJ.Lab .Clin.Med.109-(1987),434-440に記載されているような細胞ELISAを用いて検 出される。このため、HepG2細胞を平底培養皿(Costar)中に2×104の細胞/m l濃度で接種する。10%ウシ胎児血清(FCS)を含むDMEMを培地として使用する 。HepG2細胞を総量70%にまで増殖させ、続いて固定させないで放置した。ACT-P SA(Scripps laboratories)をDMEM/1%BSA中で最終濃度が10μg/mlになる まで添加し、4℃で10分間放置して、レセプターと複合体形成させた。DMEM/1%B SAで2回洗浄したあと、ペルオキシダーゼ(1U/ml)でラベルした抗-PSAモノ クローナル抗体で細胞を4℃で30分間インキュベートする。つづいてこの細胞をD MEM/1%BSAで2回洗浄する。この細胞を、検出用の基質(TMB)と共にインキュベ ートした。 レセプターを単離するために、高いレセプター発現率を示すHep G2細胞をT150 培養フラスコ中で培養し、細胞を注意深く引っかき出して、形成された細胞層を 採取する。数個の培養皿から取り出した細胞をプールして総量109個の細胞を得 る。次に細胞をPBS中のTritonX100と共にインキュベートすることにより溶解す る。10,000×gで10分間遠心分離にかけたあと、細胞培養物の上清を分離し、核 および細胞膜のフラクションを含む沈殿物を1M塩化ナトリウムのPBS溶液中に再 懸濁する。10,000×gで10分間遠心分離にかけたあと、細胞の上清を回収し、−2 0℃で保存する。ELISA法においてレセプターを特徴付けるために、このレセプタ ー調製法を用いることができる。この粗製レセプター抽出物20μgを、1時間室 温で平底マイクロタイタープレート上に被覆した。PBS/0.1% 混合物を室温で1時間インキュベートする。プレートを洗浄したあとペルオキシ ダーゼでラベルした抗-PSA抗体と共にインキュベートする。つぎに、結合した る。 疎水性クロマトグラフィーを行い、さらに粗製レセプター抽出物を精製する。 ELISAを用いて上記のように個々のフラクションの活性を検出し、レセプター活 性を有するフラクションをプールする。つぎに、レセプター分子のNH2末端を公 知方法により配列決定し、遺伝子バンクからcDNAを取り出す。このため、精製し たレセプター調製物を最初にSDS-PAGEにより分離する。タンパク質のバン ドを切り出して溶出する。個々のバンドのレセプター活性を、細胞ELISAを用い た競合法により決定する。つぎに、公知方法と用いて活性バンドのNH2末端を配 列決定する。このアミノ酸配列から核酸配列を導き出して、それに対応するオリ ゴプライマーを合成する。また、ポリA領域の前の非翻訳領域に由来の第二の縮 重プライマーも、Hep G2 DNAをテンプレートとして用いたPCR増幅で使用される 。陽性クローンは増幅配列(約45個のヌクレオチド)の補助を得て識別され、精 製される。DNAは、制限分析およびサザンブロットにより特徴付けられる。EcoRI -XbaIフラグメントをBluescript SKにサブクローン化する。このクローンの配列 決定およびアミノ酸配列の誘導(derivation)により、レセプター特異性が分か る。レセプター配列に相関するDNAを、cDNAバンクの中のこのオリゴヌクレオチ ド(例えばλDR2(Clontech cat.No.HL1151x)の中のウシ胎児肝臓など)の補助を 得て識別する。同定したクローンを精製し、λDR2の中のBAMHI-XbaI領域の近傍 のプライマーを用いたPCRで分析する。ファージ懸濁液をテンプレートとして使 用する。プラスミドpDR2を単離し、BAMHIおよびXbaIを用いて制限分析にかける 。2本鎖DNAインサートを、色標識したジデキシヌクレオシド三リン酸ターミネ ーターおよび“ウォーキングプライマー(walking primer)”用の標準的な方法を 使用した自動配列決定装置(ABI373)で配列決定する。(Sangerら、PNAS(1997)7 4,5463-5467)。 つぎに、レセプターDNAを単離して発現システムを構築する。このため、該レ セプターのためのオープンリーディングフレームを含むcDNAを、pSV15.JD.LL中 の制限部位ClaIとSalIとの間にクローン化する。ベクターpSV15.JF.LL.SERCを 得る。 a)大腸菌中での発現 プラスミドは、レセプター遺伝子の上流に短いリーダー配列を含む。この リーダー配列は、高い翻訳速度および迅速精製を可能にする。トリプトファン プロモーターの導入後、多量の細胞内産生が開始する。発現プラスミドを使用 して、例えばマンデルらのJ.Mol Biol.53(1970),159-162)によるCaCl2熱ショ ック法の補助を得て大腸菌44C6を形質転換する。この方法により形質転換され た細胞を、50μg/mlのカルベニシリンを含むLB培地中37℃で、約600nm における光学密度が2〜3になるまで増殖させる。0.49%カザミノ酸および50μ g/mlのカルベニシリンを含むM9培地で懸濁液を20倍に希釈する。これらを さらに1時間30℃で通気して培養し、インドリル-3-アクリル酸を最終濃度50 μg/mlになるまで加える。さらに15時間培養したあと細胞を採取する。 b)CHOまたは他の哺乳動物の細胞における発現 NotIを用いてプラスミドを線状にし、エレクトロポレーションによりCHO細 胞をトランスフェクトする(Anderson,J.Tissue Culture Meth.15(1993), 56)。細胞をDHFR選択培地に移す。2週間後に個々のクローンを96-ウエルの マイクロタイタープレートに移す。競合ELISAにより発現を測定する。 c)公知方法によるバキュロウイルスシステムにおいても発現は起こり得る。 レセプターが発現したあと、これを単離し、精製し、特徴付けて、イムノアッ セイにおける結合相手としてのその使用を評価する。このため、トランスフェ クトされたCHO細胞の培養上清を回収し、シバクロムブルー-セファロースカラ ム(細胞上清の容量100部、カラム物質の容量1部)に加える。このカラムを 、尿素を含まない容量で5部のアプリケーション緩衝液で洗浄したあと、2Mの 尿素(容量で5部)を含むpH7.4の10mMリン酸緩衝液で洗浄する。組換え レセプターをpH7.4の10mMリン酸緩衝液、2M尿素および1MのNaClで溶出する 。 レセプターを含むフラクションを小麦胚芽レクチンカラムに加える。容量の5 部のアプリケーション緩衝液で洗浄したあと、10mMのpH7.4のリン酸緩衝 液、2M尿素および0.5N-アセチルDグルコサミンでレセプターを溶出する。 レセプターを含む混合フラクションを0.04%C12E8および0.1%TFAに調節す る。2つの連続的なアセトニトリル直線勾配(0.04%C12E8および0.1%TFA中 に0〜30%および30〜60%)を用いてC4逆相カラムでタンパク質を分離する。 SDS-PAGEによりフラクションを分析する。レセプターを含むフラクションを2 容の10mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7.4および150mMのNaClで希釈し、限 界濾過チャンバで6容の希釈緩衝液に対して透析し(排除サイズ30,000)、濃縮 する。 じ緩衝液中で精製して凝集物およびフラグメントを除去する。レセプターを含む フラクション(SDS-PAGEで検出)を滅菌濾過し(0.22μフィルター)、4℃で保存 する。 大腸菌中で発現したレセプターを以下のように単離する。大腸菌細胞を10容の 緩衝液(10mM Tris-HCl,5mM EDTA,pH8)中で均質化し、5000×gで30分間遠 心分離にかける。10容の緩衝液(10mM Tris-HCl,5mM EDTA,pH8)中に細胞を取 り入れ、例えばミクロフリューダイザー(microfluidizer)に通して遠心分離に かける。細胞ペレットを-70℃で凍結させるか、またはこれを直接使用する。 細胞ペレットを20mM Tris-HCl、8Mグアニジニウム(gianidinium)塩酸塩お よび25mM DTT(pH8)中に再懸濁し、4℃で12時間攪拌してレセプター分子を 可溶化する。可溶化したあとにこの溶液を30,000×gで30分間遠心分離にかける 。透明な細胞上清を単離し、G200 Sephadexカラム(ゲルクロマトグラフィーカ ラム)で10mM のDTTを含む20mMのNaリン酸緩衝液pH6中でこの溶液を精製 する。レセプターを含むフラクションを1つに合わせる(SDS-PAGEによるタンパ ク質検出)。これらのフラクションを上記のようにC4逆相カラムで分離する。レ セプターを含むフラクションを再び1つに合わせ、レセプターを復元する。この ため、溶液を9容の復元緩衝液(5mMEDTA,2%CHAPS界面活性剤、25%グリセ ロール、5mM酸化グルタチオンおよび1mM還元グルタチオン、pH8.3)で希釈 し、4℃で4日間透析する。復元したあと、溶液を0.2%TFAに調節し、0.45μフ ィルターで濾過して10%のアセトニトリルに調節する。このあと、上記のように C4逆相カラムで処理する。レセプターを含むフラクションを等張緩衝液(10mM Naリン酸緩衝液、する。 こうして得た組換えレセプターは、上記のようにイムノアッセイにおいてPSA- セルピン複合体を測定するために、その壁に結合されたまたはラベルされた結合 相手として使用することができる。 PSA-ACTを検出するための本発明のテスト(検査、試験)、とくに1ステップか らなるテストは、前立腺癌が存在するという証拠を得るために多数のサンプルを スクリーニングするのに極めて適している。本発明のテストを使用すると、総PS A検出のためのテストにおける従来の一般的なカットオフに比べてカットオフを 低くすることができることが分かった。従来一般的であつたカットオフ値未満の 範囲であっても、本発明のテストは、通常の患者と危険性のある患者とを見分け るための比較的信頼性の高い分別が可能である。しかし同時にまた、従来の一般 的なテストでは検出されなかった初期段階の前立腺癌を有する患者までよリ高い 率で検出されるようになる。本発明のテストのカットオフ値は、これに対応する 総PSAのカットオフ値よりもかなり低い。PSA-ACTのカットオフ値はPSAのカット オフ値の70%以下、好ましくは60%以下である(単位ng/ml)。同じ特異性(BPH に対して95%)では、総PSAのカットオフ値は例えば10.05ng/mlおよびPSA-ACT のカットオフ値は5.70ng/mlである。 本発明のテストのカットオフより高い値を有する患者では、良性疾患と前立腺 癌とを見分けるために、遊離型PSAを検出するための第二テストが行われる。こ のようなテストは1985年以来すでに利用されてきている。PSA-ACTに対する遊離 型PSAの比率を決定する。この比率が0.1〜0.17より上であれば、癌が存在する可 能性が高い。 以下の実施例によって、本発明の主題を説明する。実施例1 PSA-ACT に対するモノクローナル抗体の調製 a)マウスの免疫化 12週齢の雌のBalb/cマウスを、アジュバントCFA(フロイントの完全アジュ バント)とともに100μgのPSA-ACT(Centro CO.,サンディエゴ、製品コード CB3074-01、batch 50 10 70)で腹腔内初回免疫を行う。続いて6週間後以降 lヶ月おきにさらに3回腹腔内免疫を行う。この場合、各マウスにIFA(フロイ ントの不完全アジュバント)とともにPSA-ACT100μgを投与する。つぎに、PBS 緩衝液中のPSA-ACT(100μg)を用いて、融合前の3日目および2 日目および前日に静脈内に最後の免疫化を行う。 b)融合およびクローニング 3)に従って、骨髄腫細胞と融合させる。免疫したマウスの約1×108個の脾臓 細胞を2×107個の骨髄腫細胞(P3X63-Ag8-653,ATCC CRL 1580)と混合し、遠心 分離にかける(300g、4℃で10分間)。つぎにウシ胎児血清(FCS)を含まな いRPMI1640培地で細胞を1回洗浄し、50mlの円錐形チューブの中で400gで再 び遠心分離にかける。つづいて、1mlのPEG(ポリエチレングリコール )(分子量4000,Merck,Darmstadt)を加え、ピペッティングにより混合する。37 ℃の水浴中で1分後、FCSを含まない5mlのRPMIを滴下により加え、混合し、 培地(RPMI 1640+10%FCS)で50mlにし、つぎに遠心分離にかける。沈殿した 細胞を、10%FCSを含むRPMI 1640培地中に取り入れ、ヒポキサンチン-アザセ リン選択培地(100mmol/lヒポキサンチン、RPMI1640+10%FCS中の1μg/ RPMI1640+10%FCS中の1μg/mlアザセリン)の中に接種する。インターロイキ ン6(100U/ml)を成長因子として培地に加える。 約10日後、一次培養物について特異的抗体合成のテストを行う(実施例2参 照)。PSA-ACTと陽性の反応を示し且つ非複合PSAもしくは非複合ACTまたは他全 ての血清成分との交差反応を示さない一次培養物を、蛍光活性化細胞選別機を 使って96-ウエルの細胞培養プレート中でクローン化する。インターロイキン 6(100U/ml)を成長因子として培地に添加する。 このようにして、表1に挙げる寄託された細胞系/クローンが得られた。c)細胞培養上清からのイムノグロブリン単離 得られたハイブリドーマ細胞を、10%FCSを含むRPMI 640培地中に1mlあた り1×105個の密度で接種し、発酵槽(Thermodux Co.,Wertheim/Main,model MCS-104XL,オーダーNo.144-050)の中で7日間増殖させる。培養上清中のモノ クローナル抗体の平均濃度は100μg/mlに達した。この抗体を、タ ンパク質化学において一般的な方法により(たとえばEnzymology 121(1986), 587-695に記載された方法に従って)培養上清から精製する。実施例2 抗PSA-ACT抗体のスクリーニングテスト ストレプトアビジンを被覆したMTPを、PSAおよびPSA-ACTを結合する“捕獲(c apture)抗体”で被覆する。つぎに、これらを被分析物[a)の場合PSA-ACTまた は(b)の場合PSA]と共にインキュベートする。つぎに、テストする抗PSA-ACT 抗体と共にインキュベーションを行う。最後に、抗マウスIgG-PODを用いて基質 を変換することにより、通常の方法で、結合した抗体を検出する。 a) PSA-ACTとの特異性の決定 ハイブリドーマ細胞の培養上清中の抗体の特異性を決定するために、組換 えストレプトアビジン(MicroCoat Co.Penznerg,オーダーNo.12-K 96N,ba tch MC289)をコーティングしたMTPに、PBS+0.5%クロテイン(crotein)C( ウェルあたり100μl、振盪しながら室温で10分間インキュベーション)中 のモノクローナル抗体1またはモノクローナル抗体2(両抗体とも非複合PSA および複合体中のPSAを認識する)のビオチニル化Fabフラグメント10μg/m lで被覆したあと、0.9%NaCl/0.05%Tween20で3回洗浄する。 次にこれらを、PBS+0.5%クロテインC中に溶解した100ng/ml PSA-ACT (Scripps Co.,San Diego,cat No.P0624,batch 66 15 64またはCentro Co., San Diego,cat.No.CB 30 75 01,batch 50 10 70)と共にインキュベートす る(ウェルあたり100μl、振盪しながら室温で1時間)。つぎに、これらを0 .9%NaC 0.9%NaCl/0.05%Tween20で3回洗浄する。 次のステップでは、検査する100μlの抗体溶液(培養上清中)を被覆し たウェルに添加し、振盪しながら室温で1時間インキュベートする。0.9% 塩化 ナトリウム/0.05%Tween20で3回洗浄したあと、マウスFcγ(Boehringer Mannheim GmbH、25mU/mlに対応するオーダーNo.1431323)に対する羊由 来ポリクローナル抗体のPODでラベルしたFabフラグメント(100μl)を各 ウェルに添加し、サンプルから結合抗体を検出し、振盪しながら室温で 回洗浄する。 No.1204521およびNo.1204530)を加え、MR700マイクロプレートリーダー(Dy natech Companyより)中で室温で30分間放置したあと、405/492nmでの吸光 度を測定する。 b) PSAとの反応性/交差反応の決定 PSAとの反応性/交差反応を決定するために、a)で記載したインキュベーシ ョンでPSA-ACTではなく非複合PSAを使用する。 このため、組換えストレプトアビジン(MicroCoat Co.Penzberg,オーダ ーNo.12-K 96N,batch MC289)で被覆したMTPを、PBS+0.5%クロテインC(ウ ェルあたり100μl、振盪しながら室温で1時間インキュベーション)中のモ ノクローナル抗体1またはモノクローナル抗体2(両抗体とも非複合PSAおよ び複合体中のPSAを認識する)のビオンチニル化した(biotinylated)Fabフラ グメント10μg/mlで被覆したあと、0.9%NaCl 次にこれらを、PBS+0.5%クロテインC中に溶解した50ng/ml PSA(Scri pps Co.,San Diego,cat No.P 0714,batch 98 43 64)と共にインキュベート する(ウェルあたり100μl、振盪しながら室温で1時間)。つぎに、 次のステップでは、検査する抗体溶液100μl(培養上清中)を被覆した ウェルに添加し、振盪しながら室温で1時間インキュベートする。0.9%塩 化ナ Mannheim GmbH、25mU/mlに相当するオーダーNo.1431323)に対する羊由来 ポリクローナル抗体のPODでラベルしたFabフラグメント(100μl) を各ウェルに添加し、結合した抗体をサンプルから検出し、振盪しながら室 で3回洗浄する。 No.1204521およびNo.1204530)を加え、MR700マイクロプレートリーダー( Dynatech Companyより)中で室温で30分後、405/492nmでの吸光度を測定 する。 c) ACTとの反応性の決定 ACTとの反応性を決定するために、a)で記載したテストで過剰となったACT と共に、検査する抗体を予めインキュベートしておく。測定信号のレベルが 変化しないままであれば交差反応はなく、測定信号が低下した場合は交差反 応がある。 このため、組換えストレプトアビジン(MicroCoat Co.Penzberg,オーダ ーNo.12-K 96N,batch MC289)で被覆したMTPを、PBS+0.5%クロテインC(ウ ェルあたり100μl、振盪しながら室温で10分間インキュベーション)中のモ ノクローナル抗体1またはモノクローナル抗体2(両抗体とも非複合PSAおよ び複合体中のPSAを認識する)のビオンチニル化したFabフ 浄する。 次にこれらを、PBS+0.5%クロテインC中に溶解したPSA-ACT(Scripps Co .,San DiegoまたはCentro Co.)100ng/mlと共にインキユベートする(ウェル あたり100μl、振盪しながら室温で1時間)。つぎに、これらを0.9% 交差反応をテストする抗体を、それぞれ濃度0、10μg、50μg、100μg/ mlの一連のACT(Athens Co.,Athens、オーダーNo.16-16-012400,batch AX9501)と共に予めインキュベートしておく。このプレインキュベーション は、未被覆の96-ウェルMTPウェル中で振盪しながら室温で1時間行われる。 次のステップでは、被覆したウェルにこの溶液100μl(抗体+過剰ACT) を添加し、振盪しながら室温で1時間インキュベートする。0.9%塩化ナト リ Mannheim GmbH、25mU/mlに対応するオーダーNo.1431323)に対する羊由 来ポリクローナル抗体のPODでラベルしたFabフラグメント(100μl)を各 ウェルに添加し、サンプルから結合抗体を検出し、振盪しながら室温で 回洗浄する。 No.1204521およびNo.1204530)を加え、MR700マイクロプレートリーダー(D ynatech Companyより)中で室温で30分後、405/492nmでの吸光度を測定す る。 d) 他の血清成分との反応性の決定 他の血清成分との反応性を決定するために、a)で記載したテストにおいて ヒトの女性の血清で、検査する抗体を予めインキュベートしておく。測定信 号のレベルが変化しないままであれば交差反応はなく、測定信号が低下した 場合は交差反応がある。 このため、組換えストレプトアビジン(MicroCoat Co.Penzberg,オーダ ーNo.12-K 96N,batch MC289)で被覆したMTPを、PBS+0.5%クロテインC(ウ ェルあたり100μl、振盪しながら室温で10分間インキュベーション)中のモ ノクローナル抗体1またはモノクローナル抗体2(両抗体とも非複合PSAおよ び複合体中のPSAを認識する)のビオチニル化Fabフラグメ 回洗浄する。 次にこれらを、PBS+0.5%クロテインC中に溶解した100ng/ml PSA-ACT (Scripps Co.,San DiegoまたはCentro Co.)と共にインキュベートする( ウェルあたり100μl、振盪しながら室温で1時間)。つぎに、これらを0.9 % 交差反応をテストする抗体を、一連の濃度(1:1〜1:10)のヒトの女性 の血清(4人のPSA-陰性女性ドナーの血清を混合したもの)で予めインキュ ベート(プレインキュベート)しておく。このプレインキュベーションは、 未被覆の96-ウェルMTPウェル中で振盪しながら室温で1時間行う。 次のステップでは、被覆したウェルにこの溶液100μl(抗体+女性ヒト 血清)を添加し、振盪しながら室温で1時間インキュベートする。0.9%塩 化ナ Mannheim GmbH、25mU/mlに対応するオーダーNo.1431323)に対する羊由来 ポリクローナル抗体のPODでラベルしたFabフラグメント(100μl)を各ウ ェルに添加し、サンプルから結合抗体を検出し、振盪しながら室温で 回洗浄する。 No.1204521およびNo.1204530)を加え、MR700マイクロプレートリーダー(D ynatech Companyより)中で室温で30分後、405/492nmでの吸光度を測定す る。 全ての寄託したモノクローナル抗体は、PSA-ACTと強い反応性を示した。PSA、 ACTおよび他の血清成分との臨床的に関連のある反応性は、寄託したモノクロー ナル抗体のいずれを用いても、これらのテスト方法では検出不可能であった。数 千ものモノクローナル抗体のスクリーニングにおいて、寄託されたモノクローナ ル抗体を見出したが、該数千ものモノクローナル抗体のうち約70%がACTと強く 交差反応し、約30%がPSAと強く交差反応するものであった。実施例3 産生された抗体の親和性定数ならびにその会合および解離の速度定数の決定 産生された抗体の親和性定数ならびにその会合および解離の速度定数は、 action analysisの略である)を用いて決定した。測定原理は、表面プラスモン 共鳴に基づく。測定は、センサーチップと呼ばれるバイオセンサーで行う。この 方法では、マウスIgGのFcγ部分に対するポリクローナルウサギ抗体が、そのア ミノ基を介して、カルボキシメチル化デキストランで被覆したセンサーチップ (CM5,Parmacia Biosensor)の表面に共有結合する。測定する抗体の溶液をこの センサーチップに通すと、この間に非共有結合的相互作用力で固定化捕獲抗体に 抗体が結合する。つぎに、検査する抗原をセンサーチップに通すと、抗原もまた 、非共有結合的相互作用力によって、捕獲抗体により固定化された抗体に結合す る。 個々の成分の結合により、センサーチップの表面の質量密度が増加し、これは 、該装置により比例測定信号に変換される。時間に対する信号の変化(センサー グラフ)により、会合および解離の速度定数を計算することができ、またこれら の定数から親和性定数を計算することができる。 抗原-抗体複合体は、捕獲抗体を該表面に結合された捕獲抗体を損傷すること なく単純な手段で再び脱着することができる。こうすることにより、同じ境界条 件において同じセンサーチップで更に結合実験を行うことができる。 捕獲抗体をセンサーチップ(CM5、Pharmacia Biosensor)に結合させるために 、10mM酢酸ナトリウム緩衝液pH5.0中の濃度60μg/mlの抗体(BIAで認証され たウサギの抗マウスFcγ、Pharmacia Biosensor)の溶液を、予めNHS/EDCで活性 化させたセンサーチップ上に流速5μl/分で通過させた。 つぎに、少なくとも600の共鳴ユニットの表面へ結合する質量の増加が生じる ように、抗体を加える。流速10μl/分で抗体への抗原の結合をモニターし、そ の製造業社のソフトウェア(BIAevaluation 2.1,Pharmacia Biosensor)を使っ てセンサーグラフから抗体の結合の会合および解離の速度定数を計算する。Ka=k on/koffから親和性定数を計算する。PSA-ACT、キモトリプシン-ACTおよびカテプ シンG-ACTを抗原として用いてこのようにして決定した本発明の抗体の値を、以 下の表2にまとめている。非複合PSA、キモトリプシン、カテプシンG、および 遊離型ヒトACTを抗原とした場合、結合を検出することができない。すなわち、 これらの化合物の親和性定数は105l/mol未満である。 表2 実施例4 前立腺癌の疑いを検出するためのスクリーニング a)スクリーニングテスト 276人の健康な男性、456人の良性前立腺過形成患者(BPH)、および348人の 前立腺癌と判明した患者(PCa)のグループを検査した。Enzymunテス の検出抗体の代わりにPSA-ACTに特異的な(PODで標識したあとの)抗体4.6. 374を用いてPSA-ACTを測定した。あるいは、パッケージインサートの指示に 従って処理を行った。 b)結果 これら3つのグループのPSA値の分布を表3に表す。健康な人のうち90% 、 BPH患者のうち38%、および癌患者のうち16%が通常のカットオフ値4ngPSA/ ml未満であった。PSA値がカットオフより高かった被験者をさらに検査し たが、PSA濃度が決定値未満であった被験者は、健康な前立腺を有するもの とみなした。 4ng/ml PSAのかわりに3ng/ml PSA-ACTを制限値とすると、健康な人の うち90%が再びこの値未満となるが、この場合3人の前立腺癌患者がさらに 正確に識別される(表4を参照のこと)。 したがって、スクリーニングのパラメーターを置きかえることにより、正 常のグループに関して同じ特異性を有する癌グループで、より感度が高くな った。 表3 カットオフ:PSA 4ng/ml表4 カットオフ:PSA-ACT 3ng/ml 実施例5 PSA-ACT を決定するためのイムノアッセイ a)ES300(Boehringer Manheim GmbH)でのイムノアッセイ方法 50μlの血清サンプルまたはPSA-ACT標準を、700μlの試薬(1)(40mmol /lのリン酸ナトリウム緩衝液、pH7.4/0.2%(w/v)のウシ血清アルブミン/1 .2μg/mlのビオチニル化モノクローナル抗PSA抗体M10、Fab断片)と共に、 ス トしたあと、洗浄した。 その後、700μlの試薬(2)(40mmol/lのリン酸ナトリウム緩衝液、pH7 .4/0.2%(w/v)のウシ血清アルブミン/0.1%ウシIgG/モノクローナル抗PSA- ACT抗体,クローン4.6.374、(Fab)2'-PODコンジュゲート、95mU/ml)を加 え、30分間インキュベートしたあと洗浄した。 エン酸/リン酸緩衝液)を用いて30分間発色させたあと、光度計で422nmで 色を測定した。 図1は典型的な較正曲線を表す。 b)テスト中の関連する交差反応 a)で記載したテストシステムにおいて内因性PSAが測定されない雌の血清を サンプルとして使用した。精製したACT(Serva Co.)またはキモトリプシン-A CT複合体(各ケースで50μg/ml)を加えてこの血清のアリコートを分離した 。内因性PSA含量が上昇したヒト血清にも同じように加えた。さらに、血清の かわりにこのテストではリン酸緩衝液中の22ng/ml遊離型PSAを使用 した。 これらのサンプルにおいて測定されたPSA-ACT含量が表5に示されている。 このテストで測定されたPSAおよびACTの交差反応は、全てのケースで0.003% 未満であり、加えた材料はどれもPSA.ACTの生成にはつながらず、サンプルの 評価が正確に行えなかった。 c)健康な女性および様々な炎症を起こしている女性からの血清の測定 a)で記載したテストを使用して40人の健康な女性の血清および様々な炎症を 起こしている18人の女性患者からの血清中の、PSA-ACT濃度を測定した。第一 グループでは、PSA-ACTレベルは平均0.01ng/ml(標準偏差±0.03ng/ml)で あったのに対し、炎症を起こしているグループでは平均0.03(±0.04)ng PSA-A CT/mlであった。 これは、他のACT複合体(例えばカテプシンG-ACT)が炎症サンプル中におい て増加したこと、または他の天然に生じるACT-プロテアーゼ複合体がテストの 干渉につながらないことを示す。 表5 実施例6 前立腺癌の同定の感度および特異性 良性前立腺過形成(BPH)患者48人の血清のグループおよび前立腺癌患者45 f PSAを決定し、実施例5に従ってPSA-ACTを決定した。両グループとも、PSA含 量は20ng/ml未満であった。前立腺癌とBPHとを見分けるための情報を得るため に、ROC評価を行い(Zweig,M.H.,Clin.Chem.39(1993)561-577:“Receiver-Op erating Characteristic(ROC)Plots:A Fundamental Tool in Clinical Medicine ”)、感度および特異性に対応する値を、それぞれの曲線から読み取った。さら に、対応する腫瘍グループと良性の病気のグループとを見分けるためのパラメー ターの能力の尺度であるROC曲線下面積を計算した。この面積が大きいほど、未 知のサンプルを正確にクラス分けできる可能性が高い。 表6:ROC評価の結果 0〜20ng PSA/mlの範囲のROC評価 BPH:n=48,PCa:n=45 良性前立腺過形成に比べた前立腺癌の検出感度は、同じ特異性95%においてtP SAの29%に比べてPSA-ACTを測定した場合、40%であった。また、tPSAではなくP SA-ACTを考慮した場合、曲線下面積も0.709から0.748に増大した。 唯一のパラメータとして遊離型PSAを測定することは、感度が低いため、不適 切と思われる。また、f PSA曲線下面積は、他の2つのパラメーターのそれより も非常に低かった。実施例7 PSA-ACT の計算値と測定値の相関関係 免疫学的に測定可能な総PSAが2つの主な成分つまりf PSAおよびPSA-ACTで 構成されると仮定すると、最初の2つのパラメーターを測定したあとに第3のパ ラメーターを算出することができ、この結果を第3のパラメーターの測定値と と、これらの差を計算し、実施例5に従って測定したPSA-ACTとの相関関係を決 定した。 表7:PSA-ACT含量の測定値と計算値の相関関係 PSA-ACT含量の測定値および計算値は、264個の値全てにおいてr=0.974と非常 に良く相関しており、個々のグループにおける0.946より常に高かった。これは 、新しいモノクローナル抗体を用いたPSA-ACTテストが非常に説得力のある結果 を出すことを示す。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成10年10月1日(1998.10.1) 【補正内容】 複合体形成されていない(非複合)PSAに結合し且つACTとの複合体中のPSAと結 合する抗体2E9およびACTに対する抗体の組み合わせを使用するPSA-ACTの検出方 法は、WO92-01936に記載されている。 さらに、遊離型PSA、非複合PSAおよび総PSA(すなわち遊離型PSAと複合体形成 された(複合体)PSAの合計)を検出するための診断テストがある。これらのテス トは全て、遊離型PSAを検出する場合には複合体形成されていない形のPSAのみを 、または総PSAを検出する場合は複合体形成された形状および遊離型のPSAのみを 認識する抗体を含む。 セリンプロテイナーゼと複合体形成したACTの検出、特にPSA-ACTの検出は、上 述のように、従来は2つの抗体(うち一方はPSAに対する抗体であり、他方はACT に対する抗体)を使用するサンドイッチテストを使用してのみ可能であった。ヒ ト血清中にACTはPSAに比べて約10,000倍多く発生してPSAとACTとの複合体も生じ るため、この大過剰なACTによる負のテスト干渉を避けることは不可能である。 とくに、これら従来公知のPSA-ACT検出テストは、このテスト方法においてACT- 特異的抗体を加える前に過剰なACTを除去するための少なくとも1つの洗浄ステ ップを含むことが不可欠である。したがって、多くの自動診断テストで望ましい 1ステップ-テスト法は不可能である。 サンドイッチテストにより遊離型PSAおよび全量PSA(総PSA)を検出するPSAの 検出方法が、WO95/18381に記載されているが、遊離型PSAに特異的な抗体のみ または遊離型PSAおよびPSA-ACT複合体の双方と反応する抗体のみを使用するため 、PSA-ACTの特異的検出は不可能である。 したがって本発明の目的は、PSA-セリンプロテアーゼ、特にPSA-ACTを検出す るための改良されたテストを提供することであり、この場合PSA-ACTは、可能で あれば、血清中に高濃度で存在するACTにより干渉を受けず、かつ前立腺癌を検 出するのに可能な限り高感度なスクリーニングを可能とするものでなければなら ない。 この目的は、遊離型非複合体ヒトACTおよび遊離型非複合体セリンプロテアー ゼと本質的に交差反応を起こさない、ヒトACTとセリンプロテアーゼとの複合体 に対するモノクローナル抗体により、達成される。 レセプターを含むフラクションを小麦胚芽レクチンカラムに加える。容量5部の アプリケーション緩衝液で洗浄したあと、10mMのpH7.4のリン酸緩衝液、2M尿 素および0.5N-アセチルDグルコサミンでレセプターを溶出する。 レセプターを含む混合フラクションを0.04%C12E8および0.1%TFAに調節する 。2つの連続的なアセトニトリル直線勾配(0.04%C12E8および0.1%TFA中に0〜 30%および30〜60%)を用いてC4逆相カラムでタンパク質を分離する。SDS-PAGE によりフラクションを分析する。レセプターを含むフラクションを2容の10mM リン酸ナトリウム緩衝液pH7.4および150mMのNaClで希釈し、限界濾過チャン バで6容の希釈緩衝液に対して透析し(排除サイズ30,000)、濃縮する。 緩衝液中で精製して凝集物およびフラグメントを除去する。レセプターを含むフ ラクション(SDS-PAGEで検出)を滅菌濾過し(孔径0.22μmのフィルター)、4℃ で保存する。 大腸菌中で発現したレセプターを以下のように単離する。大腸菌細胞を10容の 緩衝液(10mM Tris-HCl,5mM EDTA,pH8)中で均質化し、5000×gで30分 間遠心分離にかける。10容の緩衝液(10mM Tris-HCl,5mM EDTA,pH8)中に細 胞を取り入れ、例えばミクロフリューダイザー(microfluidizer)に通して遠心分 離にかける。細胞ペレットを-70℃で凍結させるか、またはこれを直接使用する 。 細胞ペレットを20mM Tris-HCl、8Mグアニジニウム(gianidinium)塩酸塩およ び25mM DTT(pH8)中に再懸濁し、4℃で12時間攪拌してレセプター分子を可 溶化する。可溶化したあとにこの溶液を30,000×gで30分間遠心分離にかける。 透明な細胞上清を単離し、G200 Sephadexカラム(ゲルクロマトグラフィーカラム )で10mMのDTTを含む20mMのNaリン酸緩衝液pH6中でこの溶液を精製する。 レセプターを含むフラクションを1つに合わせる(SDS-PAGEによるタンパク質検 出)。これらのフラクションを上記のようにC4逆相カラムで分離する。レセプタ ーを含むフラクションを再び1つに合わせ、レセプターを復元する。 14.PSA-ACT複合体が測定される、請求項13に記載の方法。 15.さらにPSAに対する抗体が使用される、請求項14に記載の方法。 16.非悪性サンプルを除外するためのカットオフが2.2〜3.2ngPSA-ACT/mlに設 定される、請求項14に記載の方法を用いた前立腺癌の有無を検出するための スクリーニング検査。 【図1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12Q 1/37 G01N 33/573 Z G01N 33/573 33/574 Z 33/574 33/577 B 33/577 C12P 21/08 // C12N 5/10 C12N 15/00 C C12P 21/08 5/00 B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 キエンテッシュ―エンゲル,ローズマリー ドイツ連邦共和国 ディー―82340 フェ ルダフィング,アウミラーシュトラーセ 9エー (72)発明者 マイアー,トマス ドイツ連邦共和国 ディー―80634 ミュ ンヘン,サフェルリングシュトラーセ 5 (72)発明者 カウフマン,マルティン ドイツ連邦共和国 ディー―82362 ヴァ イルハイム,フィッシェルリエド 29 (72)発明者 ガルーセル,アンドレアス ドイツ連邦共和国 ディー―82377 ペン ツベルグ,アン フェルシェンホルツ 10 (72)発明者 ディーグ,ロルフ ドイツ連邦共和国 ディー―82347 ベル ンリエド,ヒルテンシュトラーセ 7

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.非複合ヒトACTおよび遊離型セリンプロテアーゼとは検出可能な交差反応を本 質的に起こさない、ヒトACTとセリンプロテアーゼの複合体に対するモノクロ ーナル抗体。 2.PSA-ACTに対する親和性および特異性が他のセリンプロテアーゼ-ACT複合体に 対するものよりも高い、請求項1に記載のモノクローナル抗体。 3.PSA-ACTに対する親和性がキモトリプシン-ACTおよびカテプシン-G-ACTに対す るものよりも少なくとも10倍高い、請求項1および2のいずれかに記載のモノ クローナル抗体。 4.ヒト血清中の他の成分とは交差反応を起こさない、請求項1から請求項3のい ずれかに記載のモノクローナル抗体。 5.血漿、血清、血液、精液、前立腺液、精嚢液、唾液、髄液、ヒトの母乳、嚢胞 、組織ホモジェネート、組織切片および生検材料などのヒト由来サンプルの他 の成分と交差反応を起こさない、請求項1から請求項4のいずれかに記載のモ ノクローナル抗体。 6.PSA-ACTに対して107/molを超える親和性を有する、請求項1から請求項5 のいずれかに記載のモノクローナル抗体。 7.PSAに対して109/molを超える親和性を有する、請求項1から請求項6のい ずれかに記載のモノクローナル抗体。 8.寄託番号DSM ACC2281、DSM ACC2283およびDSMA CC2282を有する細胞系MAK<PSA -ACT>M4.6.374、MAK<PSA-ACT>M4.3.2またはMAK<PSA-ACT>M6.13.64のいずれか 1つにより産生される、請求項1に記載のモノクローナル。 9.寄託番号DSM ACC2281、DSM ACC2283およびDSM ACC2282を有する細胞系MAK<PSA -ACT>M4.6.374、MAK<PSA-ACT>M4.3.2およびMAK<PSA-ACT>M6.13.64により産生 されるモノクローナル抗体と同等に結合する、請求項1に記載のモノクローナ ル抗体。 10.IgG1タイプである、請求項1から請求項9のいずれかに記載のモノクローナ ル抗体。 11.好適な実験動物を免疫したあと、該免疫動物の脾臓細胞と骨髄腫細胞とを融 合することにより得られる、請求項1から請求項10のいずれかに記載のモノク ローナル抗体。 12.PSA-ACTを検出するための診断検査における、請求項1から請求項11のいず れかに記載のモノクローナル抗体の使用。 13.請求項1から請求項11のいずれかに記載された少なくとも1つのモノクロー ナル抗体と共にサンプルをインキュベートすることにより、ACTとセリンプロ テアーゼとの複合体を測定するための方法。 14.請求項2または請求項3に記載された少なくとも1つのモノクローナル抗体 と共にサンプルをインキュベートすることにより、PSA-ACTを測定するための 方法。 15.請求項1から請求項11のいずれかに記載された少なくとも1つのモノクロー ナル抗体およびPSAに対する抗体と共にサンプルをインキュベートすることに より、PSA-ACTを測定するための方法。 16.請求項1から請求項11のいずれかに記載された少なくとも1つのモノクロー ナル抗体と共にインキュベートすることによりサンプル中のヒトACTとPSAとの 複合体を検出し、非悪性サンプルを除外するためのカットオフが2.2〜3.2ng PSA-ACT/mlに設定される、前立腺癌の存在を検出するためのスクリーニング 検査。 17.ヒトACTとPSAとの複合体を検出するための検査が、過剰ACTを除去するため の洗浄ステップを行うことなく実行される、請求項16に記載のスクリーニング 検査。 18.PSA-ACTの新生エピトープに対する少なくとも1つのレセプターおよびPSAに 対する抗体と共にサンプルをインキュベートすることによりPSA-ACTを測定す するための方法。
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