JP2003344414A - Rcas1の測定方法、及びrcas1測定用キット - Google Patents

Rcas1の測定方法、及びrcas1測定用キット

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JP2003344414A
JP2003344414A JP2002147329A JP2002147329A JP2003344414A JP 2003344414 A JP2003344414 A JP 2003344414A JP 2002147329 A JP2002147329 A JP 2002147329A JP 2002147329 A JP2002147329 A JP 2002147329A JP 2003344414 A JP2003344414 A JP 2003344414A
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JP2002147329A
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Takeshi Watanabe
武 渡邊
Manabu Nakajima
学 中島
Kenzo Sonoda
顕三 園田
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IGAKU SEIBUTSUGAKU KENKYUSHO K
Medical and Biological Laboratories Co Ltd
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IGAKU SEIBUTSUGAKU KENKYUSHO K
Medical and Biological Laboratories Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便かつ高感度に腫瘍関連抗原RCAS1を測定
する方法及び測定キットを提供する。また、臨床病期を
反映した測定が可能なRCAS1の測定方法及び該方法を実
行するための測定用キットを提供する。 【解決手段】 A)検体をシアリダーゼで処理するステッ
プ、及び B)シアリダーゼ処理後の検体に含まれるRCAS1を、該RCA
S1と第1の抗RCAS1抗体との抗原抗体反応を利用して測
定するステップを含む方法により、検体中のRCAS1を測
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は腫瘍関連抗原RCAS1の測
定方法及びRCAS1測定用キットに関する。
【0002】
【従来の技術】ヒトの腫瘍の研究においては、これまで
CEA、CA19-9、α-フェトプロテイン等いくつかの腫瘍関
連抗原が報告されてきた。また、これらの腫瘍関連抗原
に対するモノクローナル抗体が作製され、これらモノク
ローナル抗体を用いた腫瘍関連抗原の検出が癌の診断に
有効であることも示されてきた。さらに、癌の治療への
応用として、これらモノクローナル抗体に抗癌剤や放射
性物質を結合させて、癌細胞を特異的に攻撃する方法も
検討されてきた。しかし、上記の腫瘍関連抗原は組織に
よってその発現は一様ではなく、広く癌を検出するとい
う意味において、当該腫瘍関連抗原に対する上記モノク
ローナル抗体を利用した治療方法ないし診断方法は十分
なものとはいい難いものであり、新規な腫瘍関連抗原及
びこれに対する抗体の研究が望まれている。
【0003】また、癌は種類によって、浸潤性の強い悪
性のもの、比較的予後の良好なもの、化学療法に対して
感受性の高いもの等、様々であり、これら癌の性質に応
じた診断法又は治療法を提供することが望まれている。
特に、予後の良否の判定は癌の治療において重要な意味
を持つものである。
【0004】一方、腺癌の5〜20%を占める子宮頸部
の腺癌についての研究が行われている。かかる癌は、子
宮頸部扁平細胞癌に比較して放射線療法及び化学療法に
対する感受性が低いことが知られており、その治療方法
の開発が望まれるているのは勿論のこと、当該腺癌の生
物学特性及び放射腺等に対する感受性を研究すること
は、他の癌における抗癌剤、診断方法等の開発において
も価値の高いものであると考えられる。
【0005】本発明者らは子宮頸部腺癌の生物学的特性
及び抗癌剤に対する感受性等を調べる目的でSiSo細胞株
を確立し、その特性について報告した(International
journal of Oncology 6:1099-1104,1995、Cancer vol.7
7 1501-1509,1996)。その後の研究において、SiSo細胞
に対するモノクローナル抗体(22-1-1モノクローナル抗
体)を作製し、これを利用して22-1-1モノクローナル抗
体の認識する抗原の組織分布及び生物学的特性が検討さ
れた。その結果、22-1-1モノクローナル抗体によって認
識される抗原は、子宮癌及び卵巣癌、特に浸潤性の癌に
強く発現していることが明らかとなった(Cancer vol.7
7 1501-1509,1996)。さらに、本発明者らは22-1-1モノ
クローナル抗体が認識する癌細胞上の抗原(RCAS1)を明
らかにするとともにその特性を検討した。その結果、RC
AS1が免疫系の細胞(T細胞、B細胞、NK細胞等)の
受容体にリガンドとして機能することがわかり、RCAS1
が免疫系細胞の増殖を阻害してアポトーシスによる細胞
死を誘導することにより、免疫監視機構をエスケープし
て進展する際の重要な役割を果たしている可能性が示唆
された。また、RCAS1又は抗RCAS1抗体は免疫系の疾患、
例えば自己免疫疾患等に関与している可能性も考えられ
る。
【0006】以上のように、RCAS1又は抗RCAS1抗体は、
癌及び自己免疫疾患等の診断並びに腫瘍の発達、浸潤の
研究に有用な対象となり、また、アポトーシスの機構を
研究するうえでも重要なものと考えられる。即ち、RCAS
1等の測定は、癌等の検出及び予後の推定、更にはそれ
らの疾患の治療方針の確立に有効であるとともに、アポ
トーシスの研究に貢献するものと考えられる。このよう
な考えに基づいて種々の検討を行った結果、本発明者ら
は先の特許出願(特開2001-215227号公報)において抗R
CAS1抗体を用いたRCAS1の免疫学的測定方法の開発に成
功したことを報告した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の背景の
下なされたものであって、検出感度がより高いRCAS1の
測定方法及び該方法を実行するための測定用キットを提
供することを目的とする。また、臨床病期を反映した測
定が可能なRCAS1の測定方法及び該方法を実行するため
の測定用キットを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは以上の目的
に鑑み鋭意検討を行った。その結果、測定に供する検体
を予めシアリダーゼによって処理することにより、抗RC
AS1抗体を用いて免疫学的に測定した場合の検出感度が
顕著に上昇することを見出した。また、このような測定
系による測定値と臨床病期との関連を検討したところ、
疾患症例によっては測定値が病期を反映したものであっ
た。本発明はこれらの知見に基づき完成されたものであ
って、以下の構成を提供するものである。 [1] 以下のステップを含むRCAS1の測定方法、 A)検体をシアリダーゼで処理するステップ、及び B)シアリダーゼ処理後の検体に含まれるRCAS1を、RCAS1
と第1の抗RCAS1抗体との抗原抗体反応を利用して測定
するステップ。 [2] 前記ステップB)は以下のステップを含む、[1]に
記載の測定方法、 B1)シアリダーゼ処理後の検体と第1の抗RCAS1抗体とを
反応させるステップ、 B2)ステップB1)により生じた抗原抗体反応物を標識化す
るステップ、及び B3)標識量を測定するステップ。 [3] 前記標識化は、第2の抗RCAS1抗体を標識化して
なる標識化抗体を前記抗原抗体反応物に結合させること
により行われる、[2]に記載の測定方法。 [4] 前記標識化は、第2の抗RCAS1抗体を前記抗原抗
体反応物に結合させた後、標識化抗体を該第2の抗RCAS
1抗体に結合させることにより行われる、[2]に記載の
測定方法。 [5] 前記第1の抗RCAS1抗体は不溶性支持体に結合し
た固相化抗体である、[1]〜[4]のいずれかに記載の測
定方法。 [6] 前記ステップB)は以下のステップを含む、[1]に
記載の測定方法、 B4)第1の抗RCAS1抗体に、シアリダーゼ処理後の検体と
標識化RCAS1とを競合的に反応させるステップ、及び B5)前記第1の抗RCAS1抗体に結合した標識量を測定する
ステップ。 [7] 前記ステップB)は以下のステップを含む、[1]に
記載の測定方法、 B6)RCAS1に、シアリダーゼ処理後の検体と第1の抗RCAS
1抗体を標識してなる標識化抗体とを競合的に反応させ
るステップ、及び B7)前記RCAS1に結合した標識量を測定するステップ。 [8] 前記ステップB)は以下のステップを含む、[1]に
記載の測定方法、 B8)RCAS1に、シアリダーゼ処理後の検体と第1の抗RCAS
1抗体とを競合的に反応させるステップ、及び B9)前記RCAS1に結合した前記第1の抗RCAS1抗体を標識
化するステップ、及び B10)前記第1の抗RCAS1抗体を介して前記RCAS1に結合し
た標識量を測定するステップ。 [9] 以下のステップをさらに含む、ことを特徴とする
[1]〜[8]のいずれかに記載の測定方法、 C)第2のRCAS1を用いて検量線を作成するステップ、及
び D)該検量線と前記標識量とから前記検体中のRCAS1量を
求めるステップ。 [10] 前記第1の抗RCAS1抗体はモノクローナル抗体
である、[1]〜[9]のいずれかに記載の測定方法。 [11] 前記第1の抗RCAS1抗体は、受託番号FERM
BP−7002のハイブリドーマが産生するモノクロ
ーナル抗体である、[1]〜[9]のいずれかに記載の測定
方法。 [12] シアリダーゼと、固相化された第1の抗RCAS1
抗体と、標識化された第2の抗RCAS1抗体と、を含んで
なるRCAS1測定用キット。 [13] シアリダーゼと、固相化された第1の抗RCAS1
抗体と、第2の抗RCAS1抗体と、及び前記第2の抗RCAS1
抗体に特異的に結合する標識化抗体と、を含んでなるRC
AS1測定用キット。 [14] シアリダーゼと、固相化された第1の抗RCAS1
抗体と、標識化された第1のRCAS1と、を含んでなるRCA
S1測定用キット。 [15] シアリダーゼと、固相化された第1のRCAS1
と、標識化された第1の抗RCAS1抗体と、を含んでなるR
CAS1測定用キット。 [16] シアリダーゼと、固相化された第1のRCAS1
と、第1の抗RCAS1抗体と、該第1の抗RCAS1抗体に対す
る標識化抗体と、を含んでなるRCAS1測定用キット。 [17] 前記第1の抗RCAS1抗体はモノクローナル抗体
である、[12]〜[16]のいずれかに記載のRCAS1測定
用キット。 [18] 前記第1の抗RCAS1抗体は、受託番号FERM
BP−7002のハイブリドーマが産生するモノクロ
ーナル抗体である、[12]〜[16]のいずれかに記載の
RCAS1測定用キット。 [19] 標準物質としてのRCAS1をさらに含む、[12]
〜[18]のいずれかに記載のRCAS1測定用キット。 [20] 前記RCAS1はリコンビナントRCAS1である、[1
9]に記載のRCAS1測定用キット。
【0009】尚、本発明において「抗RCAS1抗体」とはRCA
S1を特異的に認識する抗体をいう。また、RCAS1とはSiS
o細胞に対する抗体(22-1-1抗体)によって認識される
抗原である。RCAS1は本発明者らの研究によりSDS-PAGE
により分子量78kDaのタンパク質であることが示されて
いる(Cancer vol.77 1501-1509,1996)。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の第1の局面は、A)検体を
シアリダーゼで処理するステップ、及びB)シアリダーゼ
処理後の検体に含まれるRCAS1を、RCAS1と第1の抗RCAS
1抗体との抗原抗体反応を利用して測定するステップを
含んでなるRCAS1の測定方法である。以下、各ステップ
について説明する。
【0011】1.ステップA) ステップA)では検体がシアリダーゼで処理される。検体
としては血清、血漿、尿、髄液、腹水、胸水等の生体液
が用いられる。好ましくは、血清が用いられる。血清を
用いれば簡便な測定が可能である。シアリダーゼとして
は公知のものを利用できる。例えば市販のArthrobacter
ureafaciens由来のシアリダーゼ(シグマ社製)を用い
ることができる。シアリダーゼの反応条件は添加したシ
アリダーゼが有効に作用し得る条件であれば特に限定さ
れず、使用するシアリダーゼの種類、測定に供される検
体の種類などを考慮して適宜設定することができる。例
えば、検体として血清を用いた場合においては検体を酢
酸バッファー等の適当な緩衝液で希釈した後、最終濃度
0.5mU/ml〜4mU/ml、好ましくは約1mU/mlのシアリダーゼ
を添加し、約37℃で1時間反応させる反応条件を挙げる
ことができる。尚、シアリダーゼ処理によって検体中の
RCAS1のコンフォメーション変化が生じ、その結果抗RCA
S1抗体に対する結合性が変動するものと予想される。
【0012】2.ステップB) シアリダーゼ処理後の検体は第1の抗RCAS1抗体を用い
た抗原抗体反応に供される。抗原抗体反応として、第1
の抗RCAS1抗体に対して検体中のRCAS1と別に用意したRC
AS1とを競合的に反応させる方法(競合法)、及び競合
的に反応させない方法(即ち、検体中のRCAS1のみを反
応させる方法:非競合法)のいずれを採用することもで
きる。前者の一例としては、第1の抗RCAS1抗体にシア
リダーゼ処理後の検体と標識化RCAS1とを競合的に反応
させた後、第1の抗RCAS1抗体に結合した標識量を測定
する方法を挙げることができる。かかる方法では、第1
の抗RCAS1抗体と結合した標識化RCAS1の量を測定するこ
とにより、検体中のRCAS1量が間接的に測定される。即
ち、検体中のRCAS1量が多い場合には相対的に第1の抗R
CAS1抗体に結合する標識化RCAS1の量は減少し、これと
は逆に検体中のRCAS1量が少ない場合には相対的に第1
の抗RCAS1抗体に結合する標識化RCAS1の量は増加するこ
ととなり、この増減から検体中のRCAS1量が求められ
る。ここで、操作の容易性や検出感度などの面から、第
1の抗RCAS1抗体が不溶性支持体に結合した固相化抗体
であることが好ましい。
【0013】上記の方法の他、以下の方法によっても競
合的な抗原抗体反応を利用した測定が可能である。即
ち、RCAS1にシアリダーゼ処理後の検体と標識化第1の
抗RCAS1抗体とを競合的に反応させた後、RCAS1に結合し
た標識量を測定する方法である。また、RCAS1にシアリ
ダーゼ処理後の検体と第1の抗RCAS1抗体とを競合的に
反応させた後、RCAS1に結合した前記第1の抗RCAS1抗体
を標識化し、最後に第1の抗RCAS1抗体を介してRCAS1に
結合した標識量を測定する方法である。第1の抗RCAS1
抗体の標識化は、第1の抗RCAS1抗体に対する標識化抗
体(2次抗体)を用いて行うことができる。
【0014】これらの方法においても、RCAS1に直接又
は間接的に結合した標識量を測定することにより検体中
のRCAS1量が求められる。ここで、操作の容易性や検出
感度などの面から、検体と競合的に反応させるRCAS1が
不溶性支持体に結合した固相化RCAS1であることが好ま
しい。
【0015】第1の抗RCAS1抗体又はRCAS1の固相化に使
用できる不溶性支持体としては、例えばポリスチレン樹
脂、ポリカーボネート樹脂、シリコン樹脂、ナイロン樹
脂等の樹脂や、ガラス等の水に不溶性の物質を挙げるこ
とができる。これら不溶性支持体への第1の抗RCAS1抗
体等の担持は物理吸着又は化学吸着によって行うことが
できる。
【0016】次に、非競合法の一例を示す。即ち、シア
リダーゼ処理後の検体と第1の抗RCAS1抗体とを反応さ
せ、生じた抗原抗体反応物を標識化した後、標識量を測
定する方法である。この方法では、第1の抗RCAS1抗体
に検体中のRCAS1が結合した抗原抗体反応物の量が直接
的に標識量として測定される。ここで抗原抗体反応物の
標識化は、第2の抗RCAS1抗体を標識化してなる標識化
抗体を抗原抗体反応物に結合させることにより行うこと
ができる。また、第2の抗RCAS1抗体を抗原抗体反応物
に結合させた後、標識化抗体(2次抗体)を第2の抗RC
AS1抗体に結合させることによっても標識化を行うこと
ができる。尚、第2の抗RCAS1抗体は第1の抗RCAS1抗体
が認識する部位と異なる部位を認識して特異的にRCAS1
に結合する抗体である。第2の抗RCAS1抗体としては、
例えばSiSo細胞由来のRCAS1やリコンビナントRCAS1を免
疫源としてウサギなどを免疫して得られるポリクローナ
ル抗体又はモノクローナル抗体を用いることができる。
但し、検体中のRCAS1が多量体を形成している場合に
は、第1の抗RCAS1抗体が認識する部位と同じ部位を認
識する抗体を第2の抗RCAS1抗体として用いることもで
きる。例えば第1の抗RCAS1抗体と同じ抗体を第2の抗R
CAS1抗体として用いてもよい。尚、非競合法において
も、測定感度や操作の容易性の面から第1の抗RCAS1抗
体が不溶性支持体に結合した固相化抗体であることが好
ましい。
【0017】以上の競合法あるいは非競合法において測
定される標識量と、別途作成した検量線とから検体中の
RCAS1量を求めることができる。検量線は検体の代わり
に種々の濃度(添加量)の第2のRCAS1(標準RCAS1)を
反応させ、得られた各標識量から作成することができ
る。以上において第1の抗RCAS1抗体には、RCAS1を認識
するモノクローナル抗体が好適に用いられる。その結
果、モノクローナル抗体の特異性の高さにより高精度の
測定が可能となる。例えば、以下のハイブリドーマによ
り産生されるモノクローナル抗体を第1の抗RCAS1抗体
として用いることができる。 受託番号:FERM BP−7002 国際寄託機関:通商産業省工業技術院生命工学工業技術
研究所(現在は独立行政法人産業技術総合研究所 特許
生物寄託センター、〒305-8566 茨城県つくば市東1丁
目1番3号 中央第6) 寄託日:2000年(平成12年)1月20日
【0018】また、RCAS1(標識化RCAS1、第2のRCAS1
を含む)にはSiSo細胞由来のRCAS1、リコンビナントRCA
S1(以下、「rRCAS1」ともいう)などを用いることがで
きる。rRCAS1は大量且つ均質に製造できる点で好まし
い。rRCAS1としては、rRCAS1-GST(glutathione-S-tran
sferase)融合タンパクを好適に用いることができる。
即ち、GSTとの融合プロテインとして発現されたもので
ある。かかるrRCAS1は、汎用的な方法により簡便に精製
することができる。また、GSTの代わりに、βガラクト
シダーゼ、マルトース結合タンパク、ヒスチジン(Hi
s)タグ等を用いることもできる。
【0019】抗原抗体反応における標識化にはペルオキ
シシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−D−ガラク
トシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコース−6
−リン酸脱水素酵素、及びマイクロペルオキシダーゼな
どの酵素、フルオレセインイソチオシアネート(FIT
C)、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRI
TC)、及びユーロピウムなどの蛍光物質、ルミノール、
イソルミノール、及びアクリジニウム誘導体などの化学
発光物質、NADなどの補酵素、ビオチン、並びに1 31I、
及び125Iなどの放射性物質などが標識物質として用いら
れる。特に、ビオチンを標識物質として用い、蛍光色素
や酵素で標識したアビジン(例えばアビジンペルオキシ
ダーゼ)を反応させる方法によれば、より高感度の測定
が可能である。
【0020】本発明の第2の局面は、以上の測定方法を
実行するためのRCAS1測定用キットを提供する。即ち、
競合法を利用するためのキットとして、(1)シアリダー
ゼ、固相化された第1の抗RCAS1抗体、及び標識化され
た第1のRCAS1を含んでなるRCAS1測定用キット、(2)シ
アリダーゼ、固相化された第1のRCAS1、及び標識化さ
れた第1の抗RCAS1抗体を含んでなるRCAS1測定用キッ
ト、又は(3) 固相化された第1のRCAS1、第1の抗RCAS1
抗体、及び第1の抗RCAS1抗体に対する標識化抗体を含
んでなるRCAS1測定用キットが提供される。他方、非競
合法を利用するためのキットとして、(1)シアリダー
ゼ、固相化された第1の抗RCAS1抗体、及び標識化され
た第2の抗RCAS1抗体とを含むRCAS1測定用キット、又は
(2)シアリダーゼ、固相化された第1の抗RCAS1抗体と、
第2の抗RCAS1抗体と、及び前記第2の抗RCAS1抗体に特
異的に結合する標識化抗体とを含むRCAS1測定用キット
が提供される。以上のキットにおいて、検出感度の高い
測定を行うために第1の抗RCAS1抗体はモノクローナル
抗体であることが好ましい。例えば第1の抗RCAS1抗体
として受託番号FERM BP−7002のハイブリド
ーマが産生するモノクローナル抗体を用いることができ
る。
【0021】ここで、標準物質としてのRCAS1(標準RCA
S1)をさらに含めてRCAS1測定用キットを構築すること
ができる。標準RCAS1は検量線の作成に利用でき、検体
中のRCAS1量の定量を容易に行うことができるキットと
なる。また、以上のキットにはシアリダーゼ反応用試薬
(緩衝液など)、抗原抗体反応用試薬(緩衝液、発色基
質、発色試薬、発色反応停止液等)などを含めることが
できる。尚、使用できるシアリダーゼの種類、第2の抗
RCAS1抗体、第1の抗RCAS1抗体等の固相化方法、第1の
RCAS1等の標識化方法等は上述の本発明の第1の局面に
おけるものと同様である。
【0022】
【実施例】[実施例1] 抗RCAS1モノクローナル抗体
の作製 抗RCAS1モノクローナル抗体の作製は、本発明者らが先
の論文で報告した方法に従って行った(International
journal of Oncology 6:1099-1104,1995、Cancer vol.7
7 1501-1509,1996)。以下に、その方法を示す。 (1−1) 子宮頸部癌由来SiSo細胞株の確立 まず、閉経後の性器出血を訴えていた67歳の日本人女
性より摘出した腫瘍組織をハサミで細かく裁断し、0.25
%のトリプシンと0.02%のEDTAを含むハンクスバランス塩
溶液(ギブコ社製)中で30分間攪拌した。これを遠心
した後、沈殿を20%FCS(Whittaker Bioproduct社
製)、100unit/mlのペニシリン及び100μg/mlのストレ
プトマイシンを含むRPMI-1640培養液中に懸濁した。細
胞を25mm2の組織培養フラスコ内において、5%CO2の湿潤
空気中、37℃で培養した。腫瘍細胞のコロニーが観察さ
れた後、培養液を10%FCS添加のRPMI-1640培養液に換
え、継代培養を5日ごとに行った。腫瘍細胞は初代培養
において、非常にゆっくりと成長し、コンフルーエント
には達しなかった。約1月後、腫瘍細胞のコロニーをト
リプシン処理によって繊維芽細胞から分離し、新しいフ
ラスコに移した。繊維芽細胞の数は徐々に減少し、in v
ivoの腫瘍細胞群から消滅した。この時点で腫瘍細胞は
急速に成長を始め、5日ごとに継代培養を行った。尚、
この腫瘍細胞株は確立後36月以上維持され、SiSo細胞
株と命名されている。
【0023】(1−2) 抗体産生細胞の調製 1×106個のSiSo細胞を0.5mlの完全アジュバントと共にB
alb/cマウス(6週令、メス)に皮下注射した。2週間
の後、2度目の免疫として、1×106個のSiSo細胞と不完
全フロインドアジュバント(オルガノンテクニカ社製)
の混合物を腹腔内注射した。追加免疫には超音波処理し
た1×106個のSiSo細胞(PBS(pH7)中1ml)を用いた。追
加免疫の4日後、脾臓細胞を摘出した。摘出した脾臓細
胞を無血清RPMI-1640培養液中でステンレスメッシュ上
ですりつぶした後、脾臓細胞液を遠心分離(1500rpm、7
分間)した。遠心残査を回収し、無血清RPMI-1640培養
液に懸濁させた。さらに、無血清RPMI-1640培養液で2
回洗浄し、抗体産生マウス脾臓細胞を取得した。
【0024】(1−3) マウスミエローマ細胞の調製 マウスミエローマ細胞には、マウスミエローマ細胞株X6
3.Ag8.653を用いた。マウスミエローマ細胞は、L−グル
タミン酸(1mM、フローラボラトリー社製)、β-メルカ
プトエタノール(5×10-6、ギブコ社製)、N-2-ヒドロ
キシエチルピペラジン-N’-2-エタンスルホン酸(Hepes)
(pH7.2)(10mM、ギブコ社製)、非必須アミノ酸(0.1m
M、ギブコ社製)及びピルビン酸ナトリウム(1mM、ギブ
コ社製)を含む10%(v/v) FCSを添加したRPMI-1640完全
培地(ウイッタカーバイオプロダクツ社製)で培養し
た。
【0025】(1−4) モノクロ−ナル抗体産生ハイ
ブリド−マの調製及び22-1-1モノクローナル抗体(抗RC
AS1モノクローナル抗体)の調製 上記のように調製した抗体産生マウス脾臓細胞とマウス
ミエローマ細胞を、ポリエチレングリコール4000を
用いて融合し(脾臓細胞:マウスミエローマ細胞=5:
1)、複数のハイブリドーマのコロニーを得た。SiSo細
胞に対するモノクローナル抗体を産生しているハイブリ
ドーマをスクリーニングするために各ハイブリドーマの
培養上清を採取し、これを用いてSiSo細胞を間接蛍光抗
体法で染色した。陽性を示したハイブリドーマを限界希
釈法によってサブクローニングし、ハイブリドーマクロ
ーンを得た。クローン化したハイブリドーマの培養上清
を子宮あるいは卵巣癌に結合し、他の腫瘍細胞には結合
しないことを利用して間接免疫蛍光法によってスクリー
ニングした。その結果得られた陽性クローンは22-1-1と
命名されている。ハイブリドーマクローン22-1-1の培養
上清より22-1-1モノクローナル抗体を調製した。尚、22
-1-1モノクローナル抗体はIgMクラスであることが確認
されている。
【0026】[実施例2] 標準物質としてのリコンビ
ナントRCAS1(rRCAS1-GST融合タンパク)の調製 (2−1) RCAS1のcDNAクローニング及びcDNA分析 全RNAをSiSo細胞からグアニジウムイソチオシアネート
−塩化セシウムグラジエント法で抽出した。全RNAをオ
リゴdTカラム(ファルマシア社製)で精製して得られた
poly(a)+RNAを、ZAP-cDNA合成キット(ストラタジーン
社製)を用いて転写してcDNAを得た。分子量ごとに分画
したcDNAを哺乳動物発現ベクターであるpME-18SF(-),py
ori-,ER-発現ベクター(H.Maruyamaより提供)にsense
orientation(EcoRI-XhoI)に挿入し、cDNAライブラリー
を作製した。続いて、cDNAライブラリーからの精製プラ
スミドとリポフェクチン(ライフテクノロジーズ社製)
の混合物を無血清DMEM中で37℃、5時間処理することに
より、トリプシン処理した293T細胞(5×10)を形質
転換した。当該細胞を1回洗浄した後、10%FCSを含むRP
MI-1640中で48時間培養した。培養後の細胞をトリプシ
ン処理し、上記の22-1-1抗体を加えて氷上30分間インキ
ュベートした。インキュベート後のサンプルを洗浄し、
続いて二次抗体を反応させた。二次抗体にはFITC標識ヤ
ギ抗マウスIgMを用いた。5μg/mlのプロピディウムイオ
ダイドを加えて死細胞を染色した。抗原を発現している
生細胞をフローサイトメーターで分離した後、プラスミ
ドDNAをハート(Hirt)らの方法により抽出した。その
後、抽出したプラスミドDNAからDyeDeoxy ターミネー
ター・サイクル・シークエンスキット(Terminator Cy
cle Sequencing kit)及び337 DNA シークエンサー
システム(Sequencer system)を用いて目的のcDNAの
塩基配列を調べた。その結果、RCAS1をコードするcDNA
は5’側非翻訳領域の242ヌクレオチド、639ヌクレオチ
ドのコーディングリージョン(配列番号1)及び3’側
非翻訳領域の639ヌクレオチドを含んでいた。配列番号
2は当該cDNAのコードするアミノ酸配列である(213ア
ミノ酸)。図14にRCAS1をコードするcDNAの塩基配列
及びアミノ酸配列を示す。
【0027】(2−2) rRCAS1-GST融合タンパクの作
製 rRCAS1-GST融合タンパク産生のために、上記(2−1)
で調製した全長RCAS1のcDNAをNotIとXhoIで消化して平
滑末端を作り、これを原核生物発現ベクターpGEX5x-1
(ファルマシア社製)のSmaIサイト内にin-frame結合さ
せた。この発現ベクターを用いて大腸菌BLR(DE3)pLysS
を形質転換し、0.1Mイソプロピル-β-D-チオガラクトピ
ラノシドで3時間インキュベートした。その後、大腸菌
を細胞溶解バッファー(0.1 %(v/v)TritonX-100含有1×
PBS)中で超音波処理した。遠心して未処理の細胞と不
純物を除去した後、グルタチオン-セファロースビーズ
(ファルマシア社製)を用いてrRCAS1-GST融合タンパク
を精製した。残存する界面活性剤を除去するため、精製
した融合タンパクをAmpure DTカラム(アマシャム社
製)にかけた後、1×PBSで透析した。融合蛋白質を0.2
μmのフィルターを通して滅菌した後、小分けして-80℃
で凍結した。
【0028】[実施例3] 抗RCAS1ポリクローナル抗
体の作製 (3−1) 免疫及び抗血清の採取 実施例2で得たrRCAS1-GST融合タンパクを用いて、ウサ
ギ(日本白色メス 3.5kg)に対し皮下免疫を行い(約
10箇所、1回/週)、5回免疫後に耳下静脈より少量
の採血を行い、血清を分離しELISA法により抗体価をチ
ェックした。即ち、1/100M生理的リン酸化緩衝食塩液
(PBS)にrRCAS1-GST融合タンパクを溶解して0.1mg/ml
の溶液を調製し、この溶液をヌンク社製96穴マイクロプ
レート「マキシソープ」に100μl添加し、室温(20〜2
5℃)で3時間放置した後、溶液を吸引除去し、5%のウ
シ血清アルブミンを含むPBS 30μlを加えて約18時間4℃
に静置し、カップの未反応部分をブロックした。ブロッ
キング液を除きPBS 300μlで3回洗浄した後、PBSで希
釈した抗血清の系列を作製し、この溶液100μlを各カッ
プに加えて室温(20〜25℃)で1時間静置した後反応液
を除き、続いてPBS30μlで4回洗浄した。次に、希釈し
たペルオキシダーゼ標識抗ウサギIgG((株)医学生物
学研究所製)100μlを加え室温(20〜25℃)で1時間静
置反応させた後、再度同様に洗浄した。3,3',5,5'-テト
ラメチルベンジジンと過酸化水素の溶液100μlを発色基
質として加え一定時間反応させた後1.5Mリン酸を添加し
て反応を停止し、波長450nmにおける吸光度を測定し
た。測定結果を図1のグラフに示す。図1のグラフから
明らかなように、得られた抗血清は十分な抗体価を示す
ものである。十分な抗体価を示したウサギの耳下静脈よ
り70mlの採血を行い、約30mlの抗血清を得た。
【0029】(3−2) 抗血清の精製 rRCAS1-GSTを免疫した場合、RCAS1のみならずGSTに対す
る反応性も惹起されることから、(3−1)で得られた
抗血清中には、GSTに対する抗体も混在する。かかる抗
体を除去するため(GSTに対する反応性を除去ないし吸
収するため)、まず抗血清をrGSTを結合させたセファロ
ース4Bゲルにアプライした。続いて、十分量のPBSで
洗浄した後の溶出分画についてGSTとの反応性をチェッ
クした。尚、rGST結合セファロース4Bゲルの作製はフ
ァルマシア社の操作指示書に従った。上記溶出分画のGS
Tとの反応性は(3−1)と同様のELISA法により行っ
た。ここでは、(3−1)におけるrRCAS1-GSTに代えて
rGSTをマイクロプレートに結合させ、これへ当該溶出分
画を添加した。その後は(3−1)と同様の手順で洗
浄、標識化等を行い、吸光度を測定した。PBSで十分洗
浄することによりGSTとの反応性が除去されたのを確認
した後、ゲルに結合した免疫グロブリンを0.17Mグリシ
ン-HCl緩衝液pH2.3により溶出させた。溶出液中の免疫
グロブリンの変性(抗体活性の低下)を防止するため、
速やかに1/10量の1M Tris-HCl緩衝液pH9.0を加えて溶出
液を中和した。
【0030】[実施例4] モノクローナル抗体固相化
マイクロプレートの作製 実施例1で得た22-1-1モノクローナル抗体を0.1M炭酸緩
衝液pH9.0で5μg/mlの濃度に調製し、ヌンク社製96穴マ
イクロプレート「マキシソープ」の各ウエルに100μlず
つ加え、4℃で20時間静置反応させた。その後、抗体溶
液を除去し、1%BSA、5%ショ糖を含むPBSを各ウエル200
μlずつ加え、室温(20〜25℃)で2時間静置してブロ
ッキングを行った。ブロッキング液を除去した後、プレ
ートを風乾して22-1-1モノクローナル抗体固相化マイク
ロプレートを得た。この固相化抗体を乾燥剤と共に密封
して保存した。
【0031】[実施例5] 標識化抗体の作製 実施例1で得たモノクローナル抗体22-1-1にメタ過ヨウ
素酸ナトリウムにより酸化してアルデヒドを導入し、こ
れにbiotin hydrazydeを結合させてビオチン化抗体を得
た。具体的には、氷冷した1mlのメタ過ヨウ酸溶液を1ml
の氷冷したモノクローナル抗体22-1-1に加えてよく混合
し、0℃、暗所で30分間酸化反応を行った後、最終濃度
が15mMとなるようにグリセロールを添加し0℃で5分間イ
ンキュベートして酸化反応を停止した。この溶液を0.1M
の酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)で一晩透析し、最終
濃度5mMとなるようにbiotin hydrazideを加えて室温で2
時間攪拌した。これから透析によって未反応の分子を除
き、ビオチン標識抗体を得た。
【0032】[実施例6] RCAS1の測定におけるシア
リダーゼ処理の影響の検討 各種癌患者の血清中のRCAS1量をELISA法を用いて測定し
た。ELISA法に供する検体として肺癌患者血清23検体、
卵巣癌患者血清3検体、大腸癌患者血清5検体、乳癌患
者血清1検体、SiSo細胞上清、健常者検体7検体を用い
た。各検体について事前にシアリダーゼ処理を行った群
(シアリダーゼ処理群)とシアリダーゼ処理を行わない
群(対照群)とを比較し、シアリダーゼ処理がRCAS1の
測定に与える影響を検討した。
【0033】(シアリダーゼ処理)シアリダーゼ処理の
方法は次のように行った。まず4μlの検体と46μlのシ
アリダーゼ消化用緩衝液を混合し、37℃で10分間インキ
ュベートした。次に、反応液に50μlのシアリダーゼ溶
液(20mU/mlとなるようにシアリダーゼ(シグマ社製)
をシアリダーゼ消化用緩衝液に溶解したもの)を添加
し、37℃で1時間インキュベートした。その後、100μl
の2倍濃縮TBS-T(pH 7.5)を添加した。この結果得られ
た溶液を、以下のELISA法に供した。
【0034】(ELISA法)シアリダーゼ処理後の各検体
を2倍濃縮TBS-T(pH 7.5)で最終50倍となるように希釈
し、実施例4で得られた固相化マイクロプレートの各ウ
ェルに100μlずつ添加した。尚、対照群においては各癌
患者の血清を2倍濃縮TBS-T(pH 7.5)で最終50倍となるよ
うに希釈した後に分注した。次に、マイクロプレートを
室温(20〜25℃)で1時間反応させた。各ウェルの溶液
を除去した後、0.1% tween20を含むPBS 300μlを用いて
各ウェルを洗浄した。この洗浄操作は5回行った。洗浄
後、実施例5で得られたビオチン標識抗体を、BSAを含
むTBS緩衝液(pH 7.5)で0.2μg/mlに希釈し、これを各
ウエルに100μlずつ添加し、室温(20〜25℃)で1時間
緩やかに振盪しながら反応させた。各ウェルより反応液
を除去した後、0.1% tween20を含むPBSで上記同様に洗
浄した。洗浄液を除去した後、ストレプトアビジン−ペ
ルオキシダーゼ溶液100μlを加え、室温で1時間緩やか
に振盪しながら反応させた。各ウェルより反応液を除去
した後、0.1% tween20を含むPBSで上記同様に洗浄し
た。続いて、発色基質であるオルトフェニレンジアミン
溶液(使用直前に過酸化水素を最終濃度が0.03%になる
ように添加したもの)を各ウェルに100μlずつ添加し、
室温で3〜5分反応させた。最後に20%リン酸溶液を100
μlずつ添加して発色を停止させた。以上のようにして
得られた各ウェルの波長450nm及び620nmにおける吸光度
を測定した。また、実施例1で得られたSiSo細胞培養上
清を上記と同様に処理して得られた測定値を基にスタン
ダードカーブ(標準曲線)を作製し(図2)、これを用
いて各検体中のRCAS1濃度を求めた。尚、SiSo細胞培養
上清1mlあたりに含まれるRCAS1量を100Uとした。
【0035】測定結果をまとめた表を図3に示す。図3
の左欄は各検体のOD450/620の値をまとめた表であり、
右欄はスタンダードカーブから換算した濃度(U/ml)を
まとめた表である。図3の各表からわかるように、シア
リダーゼ処理をすることによりすべての癌患者検体にお
いて測定値が上昇した。特に、大腸癌検体及び肺癌検体
において測定値の顕著な上昇が認められた。尚、図4は
図3の左欄の表をグラフ化したものである。
【0036】[実施例7] シアリダーゼ処理と臨床ス
テージとの関連の検討 肺癌患者の血清を用いて、シアリダーゼ処理を行うこと
によるELISA測定値の変化と臨床ステージ(病期)との
関連を検討した。肺癌患者の血清を臨床ステージごと
(ステージ1〜4)に5検体ずつ用意し、シアリダーゼ
処理の後ELISA法で検出する群(シアリダーゼ処理群)
とシアリダーゼ処理を行わずにELISA法で検出する群
(対照群)との間で測定値の比較を行った。尚、シアリ
ダーゼ処理及びELISA法の手順は実施例6と同様とし
た。測定結果をまとめた表を図5に示す。また、各測定
値をプロットしたグラフを図6に示す。尚、これらの表
及びグラフでは、実施例6で作製したスタンダードカー
ブを用いて換算した濃度(U/ml)を用いた。図5及び6
に示されるように、シアリダーゼ処理によって測定値が
上昇することが認められる。その結果、ステージ2〜4
に分類される検体とステージ1に分類される検体との間
のRCAS1濃度(測定値から換算した濃度)の相違がより
明らかなものとなった。一方、ステージが高くなるにし
たがってRCAS1濃度が増加する傾向が認められる。これ
はRCAS1量を経時的に測定することにより疾患の進行を
モニターできる可能性を示唆するものであり、このこと
からRCAS1の腫瘍マーカーとしての有用性は極めて高い
と考えられる。
【0037】[実施例8] 各種癌患者血清中のRCAS1
濃度の測定 実施例6の測定系(即ちシアリダーゼ処理の後ELISA法
を行う測定系)を用いて健常者血清及び癌患者血清中の
RCAS1濃度を測定した。まず、健常者血清200検体を実施
例6に記載した方法でシアリダーゼ処理した。即ち、各
検体4μlに46μlのシアリダーゼ消化用緩衝液を混合
し、37℃で10分間インキュベートした。次に、反応液に
50μlのシアリダーゼ溶液(20mU/mlとなるようにシアリ
ダーゼ(シグマ社製)をシアリダーゼ消化用緩衝液に溶
解したもの)を添加し、37℃で1時間インキュベートし
た。その後、100μlの2倍濃縮TBS-T(pH 7.5)を添加し
た。この結果得られた溶液を用いて、実施例6に記載し
た方法でElISA法を行い、SiSo細胞の培養上清を用いて
作製したスタンダードカーブを用いて各検体中のRCAS1
濃度を求めた。測定結果をまとめたグラフを図7に示
す。平均値及びSD(標準偏差)を求めたところ、それぞ
れ4.9 U/ml及び3.4 U/mlであった。
【0038】次に、同様にして各種癌患者(皮膚癌患者
血清20検体、卵巣癌患者血清42検体、肺癌患者血清25検
体、大腸癌患者血清29検体、乳癌患者血清29検体、前立
腺癌患者血清20検体、子宮内膜癌患者血清20検体、睾丸
癌患者血清20検体、腎臓癌患者血清20検体)の血清中の
RCAS1濃度を測定した。測定結果を診断名ごとに集計
し、それぞれの平均値、SD値(標準偏差)、中央値、最
小値及び最大値を求めた。一方、上記の健常者検体の測
定結果より健常者検体における平均値+3SD、即ち15U/m
lをカットオフ値に設定し、この値より高い検体を陽性
とした。図8の表は診断名ごとに平均値等の各値、陽性
検体数、及び陽性率をまとめたものである。また、図9
のグラフは診断名ごとに各検体のRCAS1濃度をプロット
したグラフである。図8の表より、子宮内膜癌を除き高
い陽性率で各疾患の測定が可能であることがわかる。特
に、皮膚癌、肺癌、大腸癌、及び腎臓癌においては陽性
率が非常に高く、本実施例の方法がこれらの疾患の診断
に極めて有効であることが確認された。
【0039】[実施例9] RCAS1と他の腫瘍マーカー
との比較 次に、各種膵臓疾患を測定対象として感度、特異度、及
び正確度の観点から、RCAS1と腫瘍マーカーとして知ら
れるCA19-9とを比較した。まず、膵臓導管腺癌患者血清
20検体、膵臓腺管内乳頭状腺腫患者血清6検体、慢性膵
炎患者血清10検体、急性膵炎患者血清5検体、及び自己
免疫性膵炎患者血清5検体を用いて、実施例6に記載し
た方法でシアリダーゼ処理及びElISA法を行い、各検体
中のRCAS1濃度を測定した。尚、RCAS1濃度(U/ml)はSi
So細胞の培養上清を用いて作製したスタンダードカーブ
を利用して求めた。測定結果を診断名ごとに集計し、Me
an(平均値)、SD(標準偏差)、Range(範囲:最小値
及び最大値)、Median(中央値)を求めた。また、カッ
トオフ値を15 U/mlに設定し、この値より高い検体を陽
性とした。図10の表は診断名ごとに平均値等の各値、
陽性検体数、及び陽性率をまとめたものである。また、
図11のグラフは診断名ごとに各検体のRCAS1濃度をプ
ロットしたグラフである。
【0040】一方、CA19-9についてはデーターシートに
記載されていた測定値を用いてMean(平均値)、SD(標
準偏差)、Range(範囲:最小値及び最大値)、Median
(中央値)、陽性検体数、及び陽性率を求め、図12の
表にまとめた。また、この表及び図10の表に示したデ
ータを基にRCAS1とCA19-9の感度、特異度、及び正確度
を求めた(図13の表)。尚、感度は膵臓導管腺癌及び
膵臓腺管内乳頭状腺腫のうち陽性と判定された検体の割
合(有病正診率)で求めた。同様に特異度は慢性膵炎と
急性膵炎及び自己免疫性膵炎のうち陰性と判定された検
体の割合(無病正診率)で求め、正確度は両者の和で求
めた。 陽性率=(17+5)/(20+6)=22/26=84.6%≒85% 特異度=(10+4+5)/(10+5+5)=19/20=95% 正確度=(22+19)/(26+20)=41/46=89.1%≒89%
【0041】図10の表より、RCAS1は膵臓導管腺癌、
膵臓腺管内乳頭状腺腫において非常に高い陽性率で検出
されることがわかる。また、RCAS1の陽性率は診断名間
で大きく異なり、CA19-9に比較して特異性、正確度が非
常に優れることがわかる(図13を参照)。このことか
ら、RCAS1は特異性の高い腫瘍マーカーとして利用でき
ると考えられる。
【0042】本発明は、上記発明の実施の形態及び実施
例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範
囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で
種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【0043】
【発明の効果】本発明では癌患者や自己免疫性疾患者に
おいて発現が認められるRCAS1を簡便かつ高感度に測定
する方法が提供される。RCAS1はアポトーシス関連分子
として研究が行われており、これを簡便かつ高感度に測
定できることはアポトーシスの機能解明のための有用な
手段を提供することをも意味する。また、疾患によって
は臨床ステージとRCAS1の測定値との間に相関が認めら
れ、本発明で提供される高感度のRCAS1測定方法によれ
ば、より細かな病状の診断や病状の進行をモニターする
ことが可能となる。
【0044】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> MEDICAL & BIOLOGICAL LABORATORIES CO., LTD WATANABE, Takeshi NAKAJIMA, Manabu <120> A method and a kit for immunologically measuring RCAS1 <130> RCAS1 <140> <141> <160> 2 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 642 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 1 atggccatca cccagtttcg gttatttaaa ttttgtacct gcctagcaac agtattctca 60 ttcctaaaga gattaatatg cagatctggc agaggacgga aattaagtgg agaccaaata 120 actttgccaa ctacagttga ttattcatca gttcctaagc agacagatgt tgaagagtgg 180 acttcctggg atgaagatgc acccaccagt gtaaagatcg aaggagggaa tgggaatgtg 240 gcaacacaac aaaattcttt ggaacaactg gaacctgact attttaagga catgacacca 300 actattagga aaactcagaa aattgttatt aagaagagag aaccattgaa ttttggcatc 360 ccagatggga gcacaggttt ctctagtaga ttagcagcta cacaagatct gccttttatt 420 catcagtctt ctgaattagg tgacttagat acctggcagg aaaataccaa tgcatgggaa 480 gaagaagaag atgcagcctg gcaagcagaa gaagttctga gacagcagaa actagcagac 540 agagaaaaga gagcagccga acaacaaagg aagaaaatgg aaaaggaagc acaacggcta 600 atgaagaagg aacaaaacaa aattggtgtg aaactttcat aa 642 <210> 2 <211> 213 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 2 Met Ala Ile Thr Gln Phe Arg Leu Phe Lys Phe Cys Thr Cys Leu Ala 1 5 10 15 Thr Val Phe Ser Phe Leu Lys Arg Leu Ile Cys Arg Ser Gly Arg Gly 20 25 30 Arg Lys Leu Ser Gly Asp Gln Ile Thr Leu Pro Thr Thr Val Asp Tyr 35 40 45 Ser Ser Val Pro Lys Gln Thr Asp Val Glu Glu Trp Thr Ser Trp Asp 50 55 60 Glu Asp Ala Pro Thr Ser Val Lys Ile Glu Gly Gly Asn Gly Asn Val 65 70 75 80 Ala Thr Gln Gln Asn Ser Leu Glu Gln Leu Glu Pro Asp Tyr Phe Lys 85 90 95 Asp Met Thr Pro Thr Ile Arg Lys Thr Gln Lys Ile Val Ile Lys Lys 100 105 110 Arg Glu Pro Leu Asn Phe Gly Ile Pro Asp Gly Ser Thr Gly Phe Ser 115 120 125 Ser Arg Leu Ala Ala Thr Gln Asp Leu Pro Phe Ile His Gln Ser Ser 130 135 140 Glu Leu Gly Asp Leu Asp Thr Trp Gln Glu Asn Thr Asn Ala Trp Glu 145 150 155 160 Glu Glu Glu Asp Ala Ala Trp Gln Ala Glu Glu Val Leu Arg Gln Gln 165 170 175 Lys Leu Ala Asp Arg Glu Lys Arg Ala Ala Glu Gln Gln Arg Lys Lys 180 185 190 Met Glu Lys Glu Ala Gln Arg Leu Met Lys Lys Glu Gln Asn Lys Ile 195 200 205 Gly Val Lys Leu Ser 210
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例3における抗血清の抗体価を測定
した結果のグラフである。
【図2】図2はSiSo細胞培養上清を用いて作製したスタ
ンダードカーブ(標準曲線)である。
【図3】図3は各種癌患者の血清中のRCAS1量をELISA法
を用いて測定した結果をまとめた表である。図3の左欄
は各検体のOD450/620の値をまとめた表であり、右欄は
スタンダードカーブから換算した濃度(U/ml)をまとめ
た表である。
【図4】図4は図3の左欄の表をグラフ化したものであ
る。
【図5】図5は臨床ステージの異なる肺癌患者の血清中
のRCAS1量をELISA法を用いて測定した結果をまとめた表
である。
【図6】図6は図5の表をグラフ化したものである。
【図7】図7は健常者血清200検体中のRCAS1量をELISA
法を用いて測定した結果をまとめたグラフである。
【図8】図8は各種癌患者(皮膚癌患者血清20検体、卵
巣癌患者血清42検体、肺癌患者血清25検体、大腸癌患者
血清29検体、乳癌患者血清29検体、前立腺癌患者血清20
検体、子宮内膜癌患者血清20検体、睾丸癌患者血清20検
体、腎臓癌患者血清20検体)の血清中のRCAS1濃度を測
定した結果をまとめた表である。
【図9】図9は各種癌患者血清中のRCAS1量をグラフに
表したものであり、診断名ごとに各検体のRCAS1濃度が
プロットされる。
【図10】図10は各種膵臓疾患患者血清中のRCAS1濃
度を測定した結果をまとめた表であり、診断名ごとにMe
an(平均値)、SD(標準偏差)、Range(範囲:最小値
及び最大値)、Median(中央値)、陽性検体数、及び陽
性率が示される。
【図11】図11は各種膵臓疾患患者血清中のRCAS1濃
度を測定した結果を診断名ごとにプロットしたグラフで
ある。
【図12】図12は各種膵臓疾患患者血清中の腫瘍マー
カーCA19-9量のMean(平均値)、SD(標準偏差)、Rang
e(範囲:最小値及び最大値)、Median(中央値)、陽
性検体数、及び陽性率をまとめた表である。
【図13】図13はRCAS1とCA19-9を感度、特異度、及
び正確度について比較した表である。
【図14】図14はRCAS1をコードするcDNAの塩基配列
及びアミノ酸配列を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 500049358 中島 学 福岡市東区馬出3−1−1 九州大学生体 防御医学研究所内 (72)発明者 渡邊 武 福岡市東区馬出3−1−1 九州大学生体 防御医学研究所内 (72)発明者 中島 学 福岡市東区馬出3−1−1 九州大学生体 防御医学研究所内 (72)発明者 園田 顕三 福岡市東区馬出3−1−1 九州大学生体 防御医学研究所内 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA12 BA36 CA04 CA11 DA03 GA13 HA11

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下のステップを含むRCAS1の測定方
    法、 A)検体をシアリダーゼで処理するステップ、及び B)シアリダーゼ処理後の検体に含まれるRCAS1を、RCAS1
    と第1の抗RCAS1抗体との抗原抗体反応を利用して測定
    するステップ。
  2. 【請求項2】 前記ステップB)は以下のステップを含
    む、請求項1に記載の測定方法、 B1)シアリダーゼ処理後の検体と第1の抗RCAS1抗体とを
    反応させるステップ、 B2)ステップB1)により生じた抗原抗体反応物を標識化す
    るステップ、及び B3)標識量を測定するステップ。
  3. 【請求項3】 前記標識化は、第2の抗RCAS1抗体を標
    識化してなる標識化抗体を前記抗原抗体反応物に結合さ
    せることにより行われる、請求項2に記載の測定方法。
  4. 【請求項4】 前記標識化は、第2の抗RCAS1抗体を前
    記抗原抗体反応物に結合させた後、標識化抗体を該第2
    の抗RCAS1抗体に結合させることにより行われる、請求
    項2に記載の測定方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の抗RCAS1抗体は不溶性支持体
    に結合した固相化抗体である、請求項1〜4のいずれか
    に記載の測定方法。
  6. 【請求項6】 前記ステップB)は以下のステップを含
    む、請求項1に記載の測定方法、 B4)第1の抗RCAS1抗体に、シアリダーゼ処理後の検体と
    標識化RCAS1とを競合的に反応させるステップ、及び B5)前記第1の抗RCAS1抗体に結合した標識量を測定する
    ステップ。
  7. 【請求項7】 前記ステップB)は以下のステップを含
    む、請求項1に記載の測定方法、 B6)RCAS1に、シアリダーゼ処理後の検体と第1の抗RCAS
    1抗体を標識してなる標識化抗体とを競合的に反応させ
    るステップ、及び B7)前記RCAS1に結合した標識量を測定するステップ。
  8. 【請求項8】 前記ステップB)は以下のステップを含
    む、請求項1に記載の測定方法、 B8)RCAS1に、シアリダーゼ処理後の検体と第1の抗RCAS
    1抗体とを競合的に反応させるステップ、及び B9)前記RCAS1に結合した前記第1の抗RCAS1抗体を標識
    化するステップ、及び B10)前記第1の抗RCAS1を介して前記RCAS1抗体に結合し
    た標識量を測定するステップ。
  9. 【請求項9】 以下のステップをさらに含む、ことを特
    徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の測定方法、 C)第2のRCAS1を用いて検量線を作成するステップ、及
    び D)該検量線と前記標識量とから前記検体中のRCAS1量を
    求めるステップ。
  10. 【請求項10】 前記第1の抗RCAS1抗体はモノクロー
    ナル抗体である、請求項1〜9のいずれかに記載の測定
    方法。
  11. 【請求項11】 前記第1の抗RCAS1抗体は、受託番号
    FERM BP−7002のハイブリドーマが産生する
    モノクローナル抗体である、請求項1〜9のいずれかに
    記載の測定方法。
  12. 【請求項12】 シアリダーゼと、 固相化された第1の抗RCAS1抗体と、及び標識化された
    第2の抗RCAS1抗体と、を含んでなるRCAS1測定用キッ
    ト。
  13. 【請求項13】 シアリダーゼと、 固相化された第1の抗RCAS1抗体と、 第2の抗RCAS1抗体と、及び前記第2の抗RCAS1抗体に特
    異的に結合する標識化抗体と、を含んでなるRCAS1測定
    用キット。
  14. 【請求項14】 シアリダーゼと、 固相化された第1の抗RCAS1抗体と、及び標識化された
    第1のRCAS1と、を含んでなるRCAS1測定用キット。
  15. 【請求項15】 シアリダーゼと、 固相化された第1のRCAS1と、及び標識化された第1の
    抗RCAS1抗体と、を含んでなるRCAS1測定用キット。
  16. 【請求項16】 シアリダーゼと、 固相化された第1のRCAS1と、 第1の抗RCAS1抗体と、及び該第1の抗RCAS1抗体に対す
    る標識化抗体と、を含んでなるRCAS1測定用キット。
  17. 【請求項17】 前記第1の抗RCAS1抗体はモノクロー
    ナル抗体である、請求項12〜16のいずれかに記載の
    RCAS1測定用キット。
  18. 【請求項18】 前記第1の抗RCAS1抗体は、受託番号
    FERM BP−7002のハイブリドーマが産生する
    モノクローナル抗体である、請求項12〜16のいずれ
    かに記載のRCAS1測定用キット。
  19. 【請求項19】 標準物質としてのRCAS1をさらに含
    む、請求項12〜18のいずれかに記載のRCAS1測定用
    キット。
  20. 【請求項20】 前記RCAS1はリコンビナントRCAS1であ
    る、請求項19に記載のRCAS1測定用キット。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012155458A (ja) * 2011-01-25 2012-08-16 Nec System Technologies Ltd 診断病名登録支援システム及びその方法並びに電子カルテ装置及び電子カルテプログラム
JP2021531763A (ja) * 2018-07-27 2021-11-25 モロジック・リミテッドMologic Limited 細菌性膣炎の診断

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