JP2648952B2 - 種々の病理的状態に於いてps2遺伝子から特異的に発現される蛋白質及びその断片、該蛋白質及び/又はその断片から得られる抗体、並びに病理的状態に対する検出、診断及び治療への該蛋白質、その断片及び抗体の適用 - Google Patents

種々の病理的状態に於いてps2遺伝子から特異的に発現される蛋白質及びその断片、該蛋白質及び/又はその断片から得られる抗体、並びに病理的状態に対する検出、診断及び治療への該蛋白質、その断片及び抗体の適用

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は異なるヒト組織及び体液で分泌されるpS2蛋
白質の配列の同定、及びこの蛋白質のペプチド断片に関
する;本発明はさらにpS2及びpS2蛋白質のペプチド断片
に対するポリクローナル及びモノクローナル抗体、及び
種々の病理学的状態と特にホルモン依存性乳癌及び胃癌
又は胃潰瘍の診断及び検出にこの蛋白質及びこれらのペ
プチド並びに抗体を適用することに関する。
乳癌がホルモン依存性であるという事実は、ビートソ
ン(Beatson)[ランセット(Lancet)(1986),2,104
−107]が卵巣摘出後まだ月経周期を有する婦人の手術
不可能な癌の後退を2例観察と報告した1896年から知ら
れていた。今日では約1/3の乳癌がホルモンに反応し種
々のホルモンの操作の後後退することがよく確立されて
いる。
近年になるまで、ホルモン依存性癌を患い、従って内
分泌療法の利益を得ることのできる婦人を確認するため
の、生物学的試験法は無かった。1971年にジェンセン
(Jensen)ら[NATL.CANCER INSTI.MONOGR.(1971)3
4,55−70]が、癌標本中のエストロゲン レセプターの
測定が副腎摘出に対する反応を予想するために有用であ
りうることを最初に示した。その後この観察は、癌がエ
ストロゲン レセプター(ER′s)を含む婦人の50から
65%が内分泌療法に反応し、一方癌がエストロゲン レ
セプターを含まない婦人はホルモン治療で助かる機会が
良くて10%しかないと、広く確認された。
実際、もしも癌性細胞が、あるホルモンに対し強い親
和性を持つ、乳腺に正常存在するような部位(即ちレセ
プター)を有するならば、それらの増殖は正常細胞のよ
うにホルモン環境によって調節できる。逆に、癌性細胞
が、その悪性転移の間に、そのレセプターを失うなら
ば、これらレセプターは、標的細胞としては認識されな
くなる。しかし、癌がレセプターを有する婦人の55%か
ら65%しかホルモン治療に好ましく反応しないので、エ
ストロゲン レセプター(ER′s)の測定結果は完全に
はホルモン療法に対する反応性を予測しない。その一つ
の説明は、脱分化の過程でいくつかの癌はそのエストロ
ゲン レセプターを失うかもしれないという事実に存す
る。もしもこれらのレセプターが存続するならば、癌は
エストラジオールに結合する能力を保持するが、エスト
ロゲンの反応の続くステップを行いとおすことが出来な
いのであろう。療法の場合共、ホルモンに自立的又はホ
ルモンに抵抗性の癌が関連する。この後者の仮説は初期
ステップ、即ちサイトゾル レセプターへの結合の後を
調べ、エストロゲンの細胞反応の最終産物を調べること
により証明された。例えば、MCF−7細胞(ヒト乳癌か
ら派生した細胞ライン)そして多分インビボでのヒト乳
癌細胞において、その合成がエストロゲンに依存するプ
ロゲステロン レセプター(PR)が、これにあたる。実
際、もしもプロゲステロンレセプターの割合が考慮され
るならば、ホルモン治療下の癌の軽減レベルは65%のオ
ーダーである。多数の臨床試験から、癌が両者のレセプ
ターを有する婦人の80%がホルモン療法に反応すること
が確立された。対照的に、もしも癌がエストロゲン レ
セプターを含むがプロゲステロン レセプターを含まな
いならば、反応の可能性は症例の1/3以下である。従っ
てプロゲステロン レセプター(PR′s)は治療反応性
の予測のための情報を付加する。
エストロゲンは、NCF−7のような細胞ラインのイン
キュベーション メディウム中に放出される多数の蛋白
質の合成を刺激する。分泌される蛋白質の大部分がイン
キュベーション メディウム中にエストラジオールの存
在又は非存在下で検出されるが、ホルモンが存在するな
らばそれらの活性は非常に増大する。これらは分子量3
7,000、46,000、54,000及び60,000Mに相当する[マイレ
ッセ(MAIRESSE)ら、リーセント リザルツ イン キ
ャンサー リサーチ(RECENT RESULTS IN CANCER R
ESEARCH)、ジー.ルクレルク(G.LECLERCQ)、エス.
トマ(S.TOMA)、アール.パリディーンズ(R.PARIDEAN
S)、ジェイ.シー.ヒューゼン(J.C.HEUSEN)91,(19
84)301−306]。これらの幾つか(46,000、54,000及び
60,000M)は、サイトゾルの蛋白質と同一である。50,00
0Mの蛋白質はエストラジオールで処理したインキュベー
ション メディウムにより豊富であるが、マイレッセの
研究から、これには誘導よりはむしろホルモンの作用下
でこの蛋白質の分泌の刺激が含まれることが示された。
さらに、これらの刺激された蛋白質はMCF−7細胞のイ
ンキュベーション メディウムに存在すると共に、エス
トロゲン非依存性のEvsa−T細胞のインキュベーション
メディウムにも存在するが、後者のメディウム中のエ
ストラジオールはこれらの合成及び/又は分泌に影響し
ない。従ってこの場合はホルモン影響下の新しい生成物
の誘導ではなくて、ただ存在している生成物の濃度の増
加のみである。
ロッシュフォール(ROCHEFORT)(上記と同じ刊行物
p.289−294)はインキュベーション メディウム中に高
レベルの52K蛋白質を見つけ、この蛋白質の誘導は生理
的濃度のエストラジオールの作用に特異的であり、一方
プロゲステロンとデキサメサジンは活性がないことを示
した。細胞増殖を阻害するタモキシフェンは52K蛋白質
の分泌を誘導せず、モル比10でエストラジオールの作用
を防止する。代謝物の一つであるモノヒドロキシタモキ
シフェンは、細胞増殖のブロックとMCF−7細胞での52K
の分泌に、タモキシフェンの200倍の活性がある。より
最近同じチームが、ER′sとPR′sは持つがその増殖は
エストロゲン阻害剤の作用を受けないMCF−7細胞の変
異体、即ちR−27細胞で、タモキシフェン又はモノヒド
ロキシタモキシフェンの存在下で52K蛋白質が分泌され
続けることを発見した。
本特許出願の発見者の幾人かを含む研究チームが、特
異的な遺伝子の発現を行うことになった。エストラジオ
ールに誘導されたMCF−7細胞から確立したcDNAライブ
ラリーから始めて、このホルモン存在下で合成されたmR
NAに対応するcDNA′sの分別クローニングを行うことが
できた。ホルモンの存在下又は非存在下で増殖している
細胞から作成したcDNAプローブを用いて、エストラジオ
ール存在下で培養したMCF−7細胞のみに存在するmRNA
に対応するcDNAクローンが単離され得た。これをpS2と
呼んだ。著者は、クローンしたcDNAの核酸配列の決定か
ら、これが、84個のアミノ酸から成り9140ダルトンの低
分子量を有する蛋白質であることを推論した[ジャカウ
リュー(JAKOWLEW)ら、ニュークレイック アシッド
リサーチ(NUCLEIC ACIDS RES.)、(1984)12,2861
−2878]。pS2遺伝子に作用するホルモン制御は転写レ
ベルに位置する。遺伝子はエストラジオール非存在下で
は転写されず、一方ホルモンが培養メディウムに添加さ
れてから8時間後にはmRNAの明確な蓄積がある。しか
し、著者らはまだpS2蛋白質を単離していなかった。MCF
−7細胞から確立したcDNAライブラリーのエストラジオ
ール誘導のスクリーニングは他の二つのクローン、36B4
及び3A5の単離も可能にした。これらの対応する遺伝子
は転写レベルでホルモンの制御を受けない。これらの二
つのクローンは“定常”クローンと呼ばれた。従って36
B4及び3A5プローブは、存在する全mRNA′sの量を調べ
るために使用でき、一方pS2プローブはMCF−7細胞の特
異的エストロゲン誘導RNAに対応する。pS2 RNAは、エ
ストロゲン及びプロゲステロン レセプターを有するが
後者のレセプターの存在はコンスティテューティブ(co
nstitutive)である、T47Dヒト乳癌細胞から抽出したRN
Aには存在しない。対照的に、36B4 RNAはT47D細胞に存
在する。
ジェルチ(FELTSCH)らは[ニュークレイック アシ
ッド リサーチ(NUCLEIC ACID RES.)(1987),15,
1401−1414]続いて胎盤細胞及びMCF−7ラインの細胞
のDNAからヒトpS2遺伝子をクローンし、その構造を研究
し確立し、その結果上記細胞ラインから得られたpS2Mク
ローン及び胎盤細胞から得られたpS2Pクローンをもとに
pS2遺伝子の核酸配列を確認した。
pS2 RNAがヒト乳癌から派生したMCF−7細胞ライン
で発現するが、T47D細胞ラインでは発現しないという観
察から、ホルモン依存性乳癌を同定する方法が示され
る。これが、pS2遺伝子の発現がホルモン依存性乳癌の
検出のための新たなマーカーとなり得るか否かを発明者
がチェックしようと試みた理由である。
より最近になって[リオ(RIO)ら、サイエンス(SCI
ENCE)、(1988)241,p.705−707]、pS2蛋白質が胃上
皮の粘膜細胞で検出された。胃液に分泌される蛋白質は
MCF−7細胞によって分泌された蛋白質に見られるもの
と同一の電気泳動の移動を示し、この論文で報告された
研究は、上記は二つの組織から単離されたmRNA′sのサ
イズと配列が厳密に同一であることを示すと述べてい
る。
mRNAからpS2蛋白質として決定された配列(I)は84
個のアミノ酸から成り、分子量が9140ダルトンのオーダ
ーであり、以下であることを思い出そう: 今、これがpS2ペプチドの分泌型ではないことが本発
明者によって確立され得た。
従って、本発明の目的は、異なる組織で分泌されるpS
2ペプチドの実際上の完全な一次配列を同定し、それに
より遺伝子工学、特に適当なベクターと適当な宿主内で
合成して生産し、及び、とりわけ病理学的検出及び診断
に使用できる抗体を作成することを可能にすることにあ
る。
本発明は上記で確認した配列(I)の蛋白質の60個の
アミノ酸に相当する断片から成り、分泌型に相当し、GL
Uが最初に確認された配列(I)の蛋白質のN−末端MET
から25位下流に位置する配列GLU−ALA−GLNに始まり、
分子量が約6600ダルトンである、ペプチドに関する。
本発明によれば、60個のアミノ酸を持つpS2ペプチド
は以下のアミノ酸配列(D)を有する: さらに本発明においては、配列(D)のペプチドは塩
基性アミノ酸Arg36、Arg38、Lys54及びArg63の下流に位
置する4個のトリプシン分解部位を含有する。
本発明はさらに、配列(D)のペプチドをトリプシン
分解部位で分解して得られる、いわゆる“トリプシン
ペプチド類”に関する。
これらのトリプシン ペプチド類のうち、本発明は特
に以下を包含する: −配列(D)のペプチドの12個のN−末端アミノ酸に相
当するトリプシン ペプチド。
−GLN39からLYS54にわたるアミノ酸配列に相当するトリ
プシン ペプチド。
−GLY55からARG63にわたるアミノ酸配列に相当するトリ
プシン ペプチド。
−該ペプチドの21個のC−末端アミノ酸に相当するトリ
プシン ペプチド。
本発明は、さらにpS2蛋白質が分泌された場合に、特
に乳癌、及び胃の病理学的状態の場合に、シグナル ペ
プチドを構成する、pS2蛋白質の24個のN−末端アミノ
酸に相当するペプチドに関する。
本発明は、さらに配列(D)のペプチドの31個のC−
末端アミノ酸に相当する断片から成り、分子量が約3450
ダルトンであるペプチドに関する。
本発明は、さらに配列(D)のペプチドの30個のN−
末端アミノ酸に相当する断片から成り、分子量が約3300
ダルトンであるペプチドに関する。
本発明は、さらに配列(D)のペプチドのC−末端の
28個のアミノ酸に相当する断片から成り、分子量が約31
00ダルトンであるペプチドに関する。
本発明においては、シグナル ペプチドは以下のアミ
ノ酸配列(G)を有する: 本発明においては、“トリプシン ペプチド類”と呼
ばれるペプチド断片は以下のアミノ酸配列(H),
(J),(K)及び(L)に相当する: 本発明においては、31個のアミノ酸から成る配列
(C)のペプチドは以下のとおりである: さらに本発明においては、30個のアミノ酸から成る配
列(E)のペプチドは以下のとおりである: さらに本発明においては、28個のアミノ酸から成る配
列(F)のペプチドは以下のとおりである。
本発明は、さらにウサギ又は他の適当な動物(ヒトを
除く)をpS2蛋白質又はその断片に対して免疫して得ら
れる、抗pS2ポリクローナル抗体に関する。
本発明はさらに、適当な哺乳動物(ヒトを除く)にpS
2蛋白質又はその断片を適切に注射して免疫し、その動
物の脾細胞を適当なミエローマの細胞と融合した結果得
られるハイブリドーマをクローニングして得られる抗pS
2モノクローナル抗体に関する。
もちろん、本発明の範囲内で保護される抗pS2モノク
ローナル抗体を得ることが可能である限り、モノクロー
ナル抗体を得る他の方法が、本発明の構成に包含され
る。
本発明は、さらにその液体に含まれる蛋白質を低温
下、特に約−20℃でアセトンで沈殿させ、ペプチドを含
む分画を回収するためにペプチドを含む残査をクロマト
グラフィで精製し、これを必要ならば凍結及び/又は濃
縮する、生物起源の液体から式(D)のペプチドを得る
方法に関する。
本発明に従って式(D)のペプチドを得る方法を行う
一つの態様では、生物起源の液体を精製する前に、MCF
−7細胞を取得し、エストラジオールの存在下で培養
し、培養上清を集め、含まれる本質的な残屑を除いた
後、上記精製過程に供する。
本発明に従って式(D)のペプチドを得る方法を行う
他の態様では、使用する生物起源の液体が胃組織から分
泌された上記ペプチドを含む胃液であり、上記精製過程
に供する前にこれを約pH9.6の適当な緩衝液で中和す
る。
本発明に従って式(D)のペプチドを得る方法を行う
有利な態様では、該ペプチドはpS2蛋白質又はその断片
に対する抗体を用いて、生物起源の液体又は上記ペプチ
ドを含む細胞の抽出物から免疫学的精製により単離す
る。
本発明は、さらにpS2蛋白質及びその断片を合成、特
に化学合成又は生合成によって製造する方法に関する。
特に、メリフィールドによって開発された固相法[メ
リフィールドの方法は“ザ ペプチド:アナリシス、シ
ンセシス、バイオロジー(THE PEPTIDES:Analysis,Syn
thesis,Biology)”第2巻、パートA、1−254頁、ア
カデミック プレス(Academic Press)、ニューヨー
ク、中のイー.グロス(E.GROSS)及びジェイ.マイエ
ンホーパー(J.MEIENHOPER)著、1980年刊“スペシャル
メソッド イン ペプチド シンセシス(Special M
ethods in Peptide Synthesis)”に記載されてい
る]又は他の合成法(生合成、特に遺伝子工学)を用い
ることができる。
本発明は、さらにその組織で発現され得る式(D)の
ペプチド、その前駆体又はその断片を生じるある組織の
病理学的状態を検出及び診断する、これらのペプチドの
1つの存在がそのペプチドに対する抗体を用いた生物標
本での免疫学的方法によって検出される方法に関する。
本発明を効果的にする他の態様では、検出及び診断は
体液を使用して行われる。
本発明による検出と診断の方法の一つの有利な実施態
様では、pS2遺伝子の発現が免疫細胞化学により検出さ
れる。
上記検出方法の他の有利な実施態様では、pS2遺伝子
の発現が癌標本で検出される。
さらに本発明による検出と診断の方法の他の有利な実
施態様では、使用する癌標本がとりわけ組織切片又はサ
イトゾルでもよい。
この実施態様の有利な手法に従えば、使用する癌標本
はパラフィンに包埋することにより保存及び安定化され
ホルマリンで固定された組織切片であり、これは非常に
高度の感受性と低いバックグラウンドを診断法に与え、
組織病理学的構造を保存する。
本発明による検出と診断の方法の一つの有利な実施態
様は、例で示せば、免疫細胞化学的方法が以下の様にし
て行われる。即ち、非特異的染色を減らすためヒツジ
(又は他の適当な動物)の血清とインキュベートした
後、上記標本をpS2又はpS2断片に対するウサギ又は他の
適当な動物(ヒトを除く)のポリクローナル又はモノク
ローナル抗体と共にインキュベートし、その後続いて数
回、抗ウサギ ヒツジIgGの後ラベル化のための適当な
系とインキュベートし、抗体を現出させる。
本発明の有利な手法においては、ラベル化と抗体現出
のための上記系はウサギPAP(ペロキシダーゼ−抗ペロ
キシダーゼ)系を含むことができ、これと共に上記標本
をインキュベートした後、DAB(3,3′−ジアミノベンジ
ジン塩酸塩)とインキュベートし、これらの操作の後、
必要ならば、切片をヘマトキシリン又は類似物で染色
し、得られた染色を染色強度スケール及び全癌細胞に対
するパーセントとして出した染色癌細胞の割合(1−10
0%)で評価する。一方染色指数は染色された細胞のパ
ーセントに染色スコアをかけて得られる(1−300)。
本発明はさらに、 −pS2蛋白質及び/又はその断片に対する適当な用量の
ポリクローナル又はモノクローナル抗体; −使用する抗体がそれに対するものである適当な用量の
pS2蛋白質及び/又はその断片; −適当な用量のウサギ又は他の適当な動物(ヒトを除
く)の免疫クロブリンに対する抗体; −抗原抗体反応を進展させるための(特にPAP(ペロキ
シダーゼ−抗ペロキシダーゼ系)のような)酵素系; −酵素反応を進展させるための、特にDABのような基
質; −もしも生物標本が組織切片であり、それを染色する必
要があれば、必要ならば癌細胞を染色するための物質;
及び −検出及び診断試験を行うための有用な量の適当な緩衝
液 から成る、免疫細胞化学によって病理学的状態を検出及
び診断するための、レディー−トゥ−ユース(ready−t
o−use)キットにも関する。
もちろん、抗体を直接的又は間接的な方法でラベル化
し現出させるための他の適当な系(特に、サンドイッチ
法、アビジンとビオチンのラベル化系の方法、蛍光、燐
光、プロテイネート(Proteinate)、RIA、ELISA、その
他)を用いることができる。
ある種の乳癌がホルモン依存性であることはよく知ら
れているが、ER′s(エストロゲン レセプター)を含
む癌を有する患者のすべてでは無いが大多数がホルモン
治療の利益を受けることができる。一方、富ER(ER−ri
ch)の癌を有する患者の30〜40%がホルモン治療に負の
反応を示すという事実は、癌の非同一性又はER′sが機
能的でないという事実に帰された。さらに、正常な生殖
組織及び乳癌から派生したMCF−7細胞ラインにおける
その発現がエストロゲン依存性であることが知られてい
るPR′s(プロゲステロン レセプター)の割合の測定
が、機能的レセプターを持つ癌を同定することを可能に
し得ることが示唆されている。実際、ER(+)かつPR
(+)の乳癌がすべてホルモン療法に反応するわけでは
ない(80%のみが反応する)。これは、ホルモン療法の
利益を受けられる乳癌をより容易に同定するために、ホ
ルモン療法への反応性に対する新たなマーカーが必要で
あることを示す。
本発明による検出及び診断法の有利な一実施態様で
は、乳癌の検出に使用される生物標本には同時にER′
s、PR′s、及びpS2蛋白質又はその断片の一つの免疫
細胞化学的検出を行い、一方でER(+)乳癌の新たな機
能的不均一性(ER(+)癌の約60%だけがPR′s及びpS
2遺伝子の発現にもまた陽性であること)を明らかに
し、他方でPR′s及びpS2の発現に関するER(−)癌の
大きな同一性(約96%にエストロゲン誘導性のこれら2
つの遺伝子が発現しないこと)を明らかにする。
この実施態様の有利な手法に従って、ER及びPRの免疫
細胞化学的検出試験は−180℃で好ましくはイソペンタ
ン中で凍結した組織切片を使用して行われる。
ER′s及びPR′sの免疫細胞化学的検出のための実際
の技術は既知であり、文献に記載されている。
本発明を実施する他の手段では、胃の病理学的状態、
特に癌と潰瘍が検出及び診断される。
実際、本発明者は胃癌中に配列(D)のペプチドの存
在を検出した。
この観察から、特に胃癌を検出し診断し、転移の起源
を決めることが可能になる。
本発明によれば、検出及び診断の方法は、本発明によ
る抗体を用いた免疫シンチグラフィによるある器官の病
理学的状態のインビボでの測定に適用される。
本発明はさらに、本発明による一又は二以上の抗体を
含む治療剤に関する。
本発明に於いては、上記抗体は他の治療剤と組み合わ
せても良い。
上記の手法に加えて、本発明は以下の記載から明らか
になる他の手法も含有する。
本発明は本発明の主題の実際の実施例に関連した以下
の記載に基いて、より明確に理解されるであろうが、い
かなる場合もこれに限定されない。
しかし、これらの実際の実施例は本発明の主題を説明
するためにのみ示されているものであり、いかなる場合
にも限定を意味するものではないことは言うまでもな
い。
実施例1−MCF−7細胞の産生するペプチド(D)の精
製 MCF−7細胞を10-9Mのエストラジオール存在下で4日
間培養する。
上記細胞により培養メディウム中に分泌されたペプチ
ド(D)の豊富な培養上清を集め、 −高分子量の蛋白質を沈殿させるための−20℃のアセト
ン(IV)及び −このpHで溶解しない蛋白質を沈殿させるための(約pH
1の)12N HCl を引き続き作用させる。
残査を除去するために二つの沈殿を続いて遠心し、ペ
プチド(D)を含む上清のみを得る。ペプチド(D)を
含む、存在する他の蛋白質を沈殿させるため、この上清
を−20℃の4倍量アセトンで処理する。遠心後上清を除
去しペプチド(D)を含む残査を集する。
残査を凍結乾燥し;凍結乾燥物に3mlのKCl緩衝液、50
mM EDTAを加え、;続いて混合物をG3000のHPLCと逆層H
PLCにかける。
各々1.5mlの120個の分画を回収しウエスタンブロッテ
ィング(イミュノフィンガープリント)にかける。ペプ
チド(D)のC−末端アミノ酸31個に相当する合成ペプ
チドに対するウサギ ポリクローナル抗体を用いてペプ
チド(D)を含む分画を同定する。
陽性の分画をプールし、ブラウンリー−アクアポアー
(BROWNLEE−AQUAPORE)RP 300型の逆層HPLCに再びか
け、−20℃で凍結するか又は減圧下で遠心して濃縮す
る。試料をSDS−ポリアクリルアミド ゲルでチェック
し、硝酸銀で蛋白質を染色し現出させる。
純度80%のペプチド(D)が単離される。
実施例2−胃粘膜細胞から分泌されるペプチド(D)の
胃液からの精製 絶食中の個体から胃液を集め(pH1)、炭酸/重炭酸
緩衝液でpH9.6に中和し、遠心して残屑を除く。上清に −上清の4倍量の割合の−20℃のアセトン を作用させる。
遠心後上清を除去し、ペプチド(D)を含む残査を集
め凍結乾燥する。
この残査をG3000のHPLCにかける。回収した分画をウ
エスタン ブロッティングで同定し、陽性の分画をプー
ルし、減圧下で遠心し濃縮する。これらを再びブラウン
リー−アクアポアー PR 300型の逆層HPLCにかけ、ド
ット−ブロットにより陽性の分画を同定し、減圧下で遠
心し再濃縮する。
実施例3−式Iの蛋白質及びその断片、とくに式
(C)、(D)、(E)及び(F)のペプチドの合成 これらの物質のそれぞれをメリフィールド(MERRIFIE
LD)の固層法を用いて合成する。凍結乾燥後、合成した
蛋白質またはペプチドを各々尿素/β−メルカプトエタ
ノール混合物の存在下で還元し、脱塩して塩を除去し、
再び凍結乾燥し、これらのアミノ酸配列を確認した。
実施例4−式(C)のペプチドを用いたポリクローナル
抗体の調製 蛋白質(I)のカルボキシ−末端の31個のアミノ酸か
ら成り、実施例3に従って合成されたペプチド(C)
を、2週間間隔で3回、200μgの量で、ウサギに腹腔
内投与する。初めの2回は上記ペプチドをフロイント完
全アジュバントに混合して投与する。最後の投与の2週
間後に血清を集め、適当な希釈して使用する。
同じ方法を用いて、蛋白質(I)の全ての断片、特に
式(D)、(E)及び(F)のペプチドからポリクロー
ナル抗体を調製する。
実施例5−特異的モノクローナル抗体の調製 A)マウスの免疫 ビオッジ(Biozzi)マウスをpS2蛋白質のC末端の28
個のアミノ酸に相当する配列(F)の合成ペプチドで免
疫した。
初めの2回の投与はグルタルアルデヒドによって(F
−OVA,Neosystem Laboratory)卵アルブミンにカップ
ルさせたペプチド(F)(100μg)を用いて行った。
得られたカップリング比は卵アルブミン1molに対しペプ
チド(F)25molである。その後、投与をペプチド
(F)(100μg)単独で続けた。この投与は15日ごと
に全て腹腔内に、初めの投与にはフロイントの完全アジ
ュバントを添加し、2回目と3回目の投与にはフロイン
トの不完全アジュバントを添加して行った。3回目の投
与の10日後に動物の目から1滴の血液を採り、凝固後に
得られた血清を、精製しヨード化したペプチド(D)に
対するRIAで試験する。もしも血清の力価が適当なら
ば、マウスに2回、融合の2日及び4日前に再投与す
る。
もしも血清の力価が適当でなければ、試験が陽性にな
るまで3週間ごとにマウスに再投与する。
B)ハイブリドーマの調製 2個の脾細胞に対し1個のミエローマ細胞の割合で、
X63ミエローマ細胞を用いてPEG存在下で融合を行った。
得られたハイブリドーマを24ウェルのプレート3個に分
配した。融合の4時間後にHATを培養メディウムに添加
することにより、ハイブリドーマを選別することができ
る。培養をマクロファージの存在下で続けた。融合の8
日後に、培養上清に最初の試験を行った。上記試験は血
清に行ったものと同一であり、即ち天然の蛋白質に対す
るRIA技術を用いる。さらに産生した抗体のクラスを厳
密なサブクラスに対する第二抗体を用いるELISA技術に
よって決定した。
一又は二個以上のハイブリドーマを含む13ウェルを以
下の方法で選別した:そのうち4個、即ちCIB3、CIB6、
CIC4及びCIIID5をクローンした。初めのクローニングの
後、両方ともRIA−陽性であるCIC4−12及びCIID5−20の
クローンを再びクローンした。この2回目のクローニン
グの後、ペプチド(F)に対する抗体を含むCIIID5−20
から12個のクローンのうち10個を再培養した。これらの
うちCIID5−20−9(p281O2)を培養基準に従って選択
した。他方のクローニングが12個のうち3個しか陽性ク
ローンを検出できなかったので、3回目のクローニング
を行い、12個のクローンのうち11個が陽性であった。上
記のように、これらのうちから1個を選択した:CIC4−1
2−4−7(p282O3)。
得られたクローンの幾つかは、乳癌生検切片上の配列
(D)のペプチドの免疫組織化学の検出に優れた結果を
示し、この検出は合成ペプチド、特にペプチド(C)に
対するポリクローナル抗体で既に得られていたものに、
全ての点で同一である。
C)ペプチド(D)に対する抗体を検出するためRIA(r
adioimmunoassay) ペプチド(D)の存在の確認及びハイブリドーマの選
択に使用したRIAは以下のように行った: MCF−7培養メディウムからペプチド(D)を抽出し
た後、HPLCを繰り返して部分的に精製した。こうして80
%のペプチド(D)を含む分画が得られる。その後、こ
の濃縮された分画をクロラミンT法によりヨード125(O
RIS Lapam)でラベルする。ラベル化の収率は2000Ci/m
molのオーダーである。
ヨード化したペプチド(D)を、セファロースCN4Bに
ウサギ ポリクローナル抗体をカップリングして調製し
たアフィニティ カラムに通し、遊離ヨードから分離す
る。ペプチドはpH2.8のHCl−グリシン メディウムに溶
離させて回収する。その後これを部分に別けて、使用に
備える。
試験では以下を加える: 200μのPBS BSA 0.3%、 100μの125I(F)トレーサー(約30,000cpm)及び
供試抗体を含む100μのメディウム。
混合液を振盪し室温で一昼夜放置する。
次の日に以下を加える: 50μのNHS(正常ヒト血清)及び 50μのAMSS(抗マウス ヒツジ血清)。
混合液を振盪し室温で15分間放置する。
これを15分間3000rpmで遠心し(Jouan)、残査をガン
マ カウンターカウントする。
各回の試験について以下を調製した。
−使用する最大のcpm(約30,000cpm)を与える、ヨード
化ペプチドのみを含む試験管(T);及び −操作のバックグラウンド(約600cpm)を与える、抗D
抗体を加えない試験管(NBS)。供試血清は1/100及び1/
1000に希釈する。
実施例6−配列(D)のペプチドの特徴付け エストラジオール存在下で培養したMCF−7細胞の70
から90%融合した単一層を35S−システイン(添付した
第1図を参照)又は35S−メチオニン(添付した第2図
を参照)でラベルし、メディウムを細胞抽出物と共に一
定の時間間隔で集めた。部分をpS2抗血清で免疫沈殿さ
せ、15から25%のSDS−ポリアクリルアミド ゲルで分
析した。35S−システインに関する時間経過は(第1
図、A及びB)、約7KDに位置する単一バンドの存在を
示す。細胞抽出物中には(第1図のパートB)、15分の
ラベル化でシグナルを既に見ることができる。全培養メ
ディウムの同一部分に相当するメディウムの試料を分析
すると(第1図のパートA)、シグナルはラベル化の1
時間後に見られるようになった。このことは、分泌過程
にいくらかの遅れのあることを示唆する。第1図Cでメ
ディウム中のペプチド(D)の免疫沈殿は(レーン
2)、ペプチド(D)のバンドが合成ペプチド(C)
(レーン1)に競合することを示し、特に注意を要す
る。
対照的に、35S−メチオニンによるラベル化及び抗血
清での免疫沈殿の後には、ペプチド(D)に期待される
大きさのバンドが、メディウム中にも或いは細胞抽出物
中にも、どの経過時間にも検出できなかった(第2図、
パートA)。ゲル上部に存在するバンド パターンは非
免疫的対照血清を使用した後も残り(レーン7及び1
5)、合成ペプチド(C)を添加して免疫沈殿反応を行
っても競合しなかった。このことは、それが非特異的吸
収に相当することを示唆する。さらに培養メディウムと
細胞抽出物とを免疫沈殿なしに35S−システイン(第2B
図、レーン1及び4参照)又は35S−メチオニン(レー
ン5)でラベル化した後分析した。培養メディウム中
に、メチオニンによってラベル化されず(レーン2)、
システインによってラベル化される(レーン1)1つの
バンド(矢印で示す)が明確に見え、それは免疫沈殿し
たペプチド(D)(レーン3)と同じ位置に移動した。
対照的に、全細胞抽出物の中には他と区別されるラベル
は無かった。このことは、この位置に移動する分子量の
蛋白質がペプチド(D)に相当しないことを示唆する。
上記の結果から、cDNAから推測されたpS2蛋白質の配
列のアミノ末端に位置する3個のメチオニン残基はシグ
ナル ペプチドに属し、これは迅速に分離する、という
仮説の基礎が形成される。
第1図は35S−システインによるペプチド(D)のラ
ベル化の時間経過を示す。パートAとパートBは共に、
MCF−7細胞をエストラジオール及びフェノール レッ
ドの存在下で培養し、異なる時間:レーン1〜6でそれ
ぞれ15分、30分、1時間、2時間、4時間及び6時間35
S−システインでラベル化したものを示す。全培養物と
同一の画分に相当する、一部のメディウム(200μ)
(パートA)及び細胞抽出物(25μ)(パートB)を
免疫沈殿した後、15〜25%の勾配のSDS−ポリアクリル
アミド ゲル及びフルオログラフィで分析した。Mは分
子量マーカーを示す。パートCは16時間の35S−システ
インによるラベル化を示し;レーン2はメディウムの一
部の免疫沈殿;レーン1は競合する合成ペプチド(C)
が存在する以外はレーン2と同様である。
第2図のパートAは35S−メチオニンによって、メデ
ィウム中(レーン1〜8)及び細胞抽出物中の(レーン
9〜16)ペプチド(D)をラベルする試みを示す。実験
は第1図と同様であるが、35S−メチオニンの存在下で
行う。レーン0は第1図Aのレーン5と同一であり、ラ
ベルする時間は示した通り、15分、30分、1時間、2時
間、3時間、4時間及び6時間であった。免疫沈殿は非
免疫血清(メディウムはレーン7、細胞抽出物はレーン
15)又は免疫血清を用い、競合する合成ペプチド(C)
の存在下で(メディウムはレーン8、細胞抽出物はレー
ン16)行った。Mは分子量マーカーを示す。
パートB:ペプチド(D)はメディウム中に直接検出でき
る。MCF−7細胞による蛋白質の合成は35S−システイン
(レーン1及びレーン4)または35S−メチオニン(レ
ヘン2及び5)の存在下で行った。細胞はフェノール
レッド及びエストラジオールの存在下で培養し、6時間
ラベルした。同じ数量の沈殿カウントのTCAを含むメデ
ィウム及び細胞抽出物の部分を直接15〜25%の勾配のSD
S−ポリアクリルアミド ゲルで分析した。レーン1及
び2:培養メディウム;レーン4及び5:細胞抽出物。レー
ン3及び矢印:インビボで35S−システインでラベルし
た免疫沈殿pS2蛋白質。
パートC:ペプチド(D)を14C−ロイシンでラベルする
試み。エストラジオール及びフェノール レッドの存在
下で培養したMCF−7細胞を14C−ロイシンで6時間ラベ
ルした。培養メディウム(レーン2)または細胞抽出物
(レーン3)の200μを第1図及び第2図Aと同様に
免疫沈殿した。レーン1及び矢印はインビボで35S−シ
ステインでラベルした免疫沈殿ペプチド(D)の位置を
示す。フイルム暴露:2ヶ月。
実施例7−MCF−7細胞から単離したペプチド(D)(p
S2M)の配列決定 フリードマン法によってシステインを還元及びアルキ
ル化してS−(β−ピリド−4−イレチル)システイン
を形成した後、トリプシンで分解し、6個の主なペプチ
ドを得、これをC8逆層クロマトグラフィで分離する。
システインは、トリプシン分解で得たそれぞれのペプ
チドが少くとも一つのS−(β−ピリド−4−イレチ
ル)システインを含むように蛋白質中に分布し、これは
254nmの波長で測定される。
この方法からT1〜T6と呼ばれる6つのトリプシン断片
を得られる。(第5図、上方の曲線) 第5図は、S−(β−ピリド−4−イレチル)システ
イン残基を持つ胃液(pS2G)及びMCF−7細胞(pS2M)
から単離したペプチド(D)のトリプシンペプチドを、
0.1%のTFA溶液(トリフルオロ酢酸、pH2)を含む緩衝
液で平衡化したアクアポア ブラウンリー RP300 マ
イクロボア カラム(7μC8/2.1×30mm)のクロマトグ
ラフにかけて分別したものを示す。カラムは0.1%のTFA
を含むアセトニトリルからなる緩衝液Bの0〜80%の勾
配で60分間溶出した。カラムへの添加量は0.1ml/minで
あり、異なるペプチドを254nmの吸光度で、出現する時
間の関数として検出した。
これらのトリプシン ペプチドを配列決定し、MCF−
7細胞から単離したペプチド(D)のマップを得た(第
6図)。第6図はpS2蛋白質の配列であり、ペプチド
(D)を生じるシグナル ペプチダーゼによる分解部位 、トリプシンによる分解部位(▲)、これら2つの酵素
に帰されない分解部位(△)を示す。
このペプチドの配列から、塩基性アミノ酸Arg36、Arg
38、Lys54及びArg63の下流に位置する4個のトリプシン
分解部位を決定できる。
従ってトリプシンの作用は以下の5ペプチド:GLU25
ARG36、GLU37−ARG38、GLN39−LYS54、GLY55−ARG63
びGLY64−PHE84を生じる筈である。実際、観察された6
ピークのうち、T1、T3及びT4のみは予期されるトリプシ
ン ペプチド:それぞれGLU25−ARG36、GLY55−ARG63
びGLN39−LYS54に相当する。
他のピーク(T2、T5及びT6)は予期されない分解から
生じる: −TRP67とCYS68間の分解はpS2M分子のただ30%のみに生
じ、トリプシン標品へのキモトリプシンの混入から発生
する; −ASN72とTHR73間の分解はトリプシンからもキモトリプ
シンからはも生じず、トリプシンと共に分泌され、又は
混入するペプチダーゼの作用である。
さらに、ジペプチドGLU37ARG38はカラムに保持される
には小さすぎ、そのため検出されず、その存在は修飾し
ない蛋白質の配列から推定された。
これらのトリプシン ペプチドの末端と末端を繋いで
得られた配列と84個のアミノ酸の修飾しない蛋白質の配
列との比較から、シグナル ペプチダーゼは初期蛋白質
を、N−末端メチオニンの24位下流に位置するALA残基
の後ろで切断することが示された。従って分泌型はGLU
−ALA−GLNの配列から始まる。
実施例8−胃液から単離したペプチド(D)(pS2G)の
配列決定 胃液から単離したペプチド(D)(pS2G)の配列決定
における、システインの還元とアルキル化及びその後の
トリプシン溶解のプロトコールは、pS2Mの配列決定に用
いたものと同一である。
得られた溶解物のクロマトグラフィは、pS2Mの場合に
得られたものと比較して、二三の相違点のあるトレース
を示した。
−断片T1、T3、T4及びT6を配列決定し、これらは両者で
同一であった。
−T2及びT5に相当する配列はこの場合発見されなかっ
た。
−新たなピークT7から配列は得られなかった。
pS2M標品と比較してT2ペプチドの不存在は、このペプ
チドが混入の結果であることから、驚くべきことではな
い。
従って、シグナル ペプチダーゼによる分解部位は、
2つの異なる型の細胞から単離したペプチドで同一であ
る。
蛋白質のN−末端に位置するGLU残基に関して、pS2M
とpS2Gの相違が見られた。実際、pS2Gの場合、このアミ
ノ酸は環化してピロ−GLUを形成し、修飾しない型で配
列決定することを妨げている。しかし、トリプシン ペ
プチドのN−末端は配列決定でき、このことは、このN
−末端がブロックされてないことを示唆している。
実施例9−ペプチド(D)の免疫細胞化学的検出 1)組織切片の調製 4 手術標本を薄片に切り、これをER′s、PR′s及び
ペプチド(D)の免疫細胞化学的検出に使用した。ER′
s及びPR′sの免疫細胞化学的検出のための標本はイソ
ペンタン中で−180℃で凍結し、一方ペプチド(D)の
免疫細胞化学的検出のための標本はパラフィンに包埋
し、10%ホルマリンで24時間固定した。
2)ペプチド(D)の免疫細胞化学的染色 パラフィンに包埋し、ホルマリンで固定し標本を切片
に切り、パラフィンをトルエンで除去し、標本を無水エ
タノールで完全にすすいだ。水とPBSで洗浄跡、切片を
ヒツジ血清(0.5%のウシ ガンマグロブリンを含むPBS
中に2.5%溶解)と共にインキュベートして非特異的染
色を減じた。抗ペプチド ウサギ ポリクローナル抗体
(1:640の濃度)と共にインキュベートした後、切片を
抗ウサギ ヒツジIgG′s及びウサギペロキシダーゼ−
抗ペロキシダーゼ系と共に、IgG′sは1:10の濃度で、
ペロキシダーゼ−抗ペロキシダーゼ系は1:50の濃度で順
次インキュベートした。各々のインキュベートの後には
PBSで洗浄した。最後のPBS洗浄後、切片をDABでインキ
ュベートし、1:10の濃度のヘマトキシリンで染色した。
ER′s及びPR′sの免疫細胞化学的測定は凍結切片で、
各々アボット(Abbot)及びトランスビオ(Ttansbio)
から供給されたモノクローナル抗体キットを用いて、こ
れらの供給者の推薦する方法に従って行った。染色強度
は4−ポイント スケール(0〜3+)で評価し、染色
陽性の癌細胞の割合を全癌細胞に対するパーセント(1
〜100%)で表した;染色指数は染色された細胞のパー
セントに染色スコアに掛けて算出した(1〜300)。
3)ペプチド(D)染色試験は乳癌細胞切片及び転移結
節切片で細胞質的であることが分った(第3図、パート
A、E及びF)。しかし、染色の細胞質的分布は一様で
なく、しばしば核付近に濃縮が見られ(第3図パートF
の矢印参照)、これはペプチド(D)が分泌するとして
知られているゴルジ装置に相当するものであろう。さら
に、染色強度は与えられた切片の区域の中でも細胞ごと
に異なっていた(第3図A及びF)。同様のことがER′
sの特異的核染色でもいえた(第3図B)。しかし、全
ての乳癌がペプチド(D)の特異的な染色に対して陽性
であるわけではない。抗原を生じる時に使用した合成ペ
プチドの一つ(この場合このペプチドは、31個のアミノ
酸からなるペプチド(C)と競合させると抑制されるこ
とから、この染色はペプチド(D)に特異的であること
が分った(第3図パートC)。さらに、正常の小管上皮
(ductular epithelium)細胞(第3図の“N")及び良
性の乳腫瘍細胞は染色されなかった。
ペプチド(D)の染色指数と、文献記載のRNAのノー
ザン ブロット分析から決めたpS2 mRNAの強度得点と
の間に、良い相関が見られた。このことはペプチド
(D)の存在が、文献中でMCF−7乳癌細胞ラインを用
いて既に示されている転写の増加を、非常に良く反映す
ることを示唆する。この誘導がER依存性であることが、
ペプチド(D)の染色指数とER′sの染色指数との間の
良い相関から、強く支持される(第4図及び第1表参
照)。このことから、乳癌でのpS2遺伝子の発現が、MCF
−7細胞ラインの場合のように、エストロゲンに依存す
る可能性が極めて高いことが結論できる。
実施例10−エストロゲン及びプロゲステロン レセプタ
ー、及びerbB−2腫瘍遺伝子の発現に対するpS2遺伝子
の相対的発現 添付した第1表は、180の乳癌標本について得られた
結果の要約を示す。これらについては、ER′s(エスト
ロゲン レセプター)、PR′s(プロゲステロン レセ
プター)、pS2遺伝子(pS2)及びerbB−2腫瘍遺伝子の
発現に関して、少数の例外を除いて全てのパラメーター
を明確に決定した。ER′sとPR′sの割合は以下の全ア
ッセイを使用して決定し:ER−DCC、PR−DCC、ER−ICA及
びPR−ICA、例外として7例、即ちER(+)、PR(−)
かつpS2(+)、うちの2例はPR′sをPR−DCCのみで試
験した[DCC=デキストラン−コーテッド チャーコー
ル ステロイド バインディング アッセイ:ICA=免疫
細胞化学アッセイ]。pS2遺伝子の発現はpS2 mRNA及び
pS2−ICAを用いた分析を使用して決定した。erbB−2遺
伝子の過剰発現(陽性)と非検出又は非常に少ない程度
の発現(陰性)はmRNAを用いた分析によって決定した。
腋下リンパ節(ALN)の転移の分布は第1表最右欄に示
す。ER(+)及びPR(+)はER及びPR試験の少なくとも
一つを使用して陽性であった標本に相当する;pS2(+)
はpS2 mRNA及び/又はpS2の免疫細胞化学アッセイ(通
常両者)で陽性の標本に相当し、erbB−2−(+)の過
剰発現はmRNAを用いた分析から決定した。
ALN(+)は一つ以上の転移リンパ節の存在を示す。
()中に示したパーセントは全腫瘍数(180症例)に
対するものであり、一方[]中に示したパーセントはER
(+)腫瘍(129症例、第1表上部)又はER(−)腫瘍
(51症例、第1表下部)に対するものである。
全ての乳癌は、第1表に示すように、重要性の異なる
6つのサブクラスに分類できる。72%の腫瘍はER(+)
であり、その内88%はPR(+)で12%はPR(−)であ
る。しかし、PR(+)癌の全てがpS2(+)である訳で
はなく、またPR(−)癌の全てがpS2(−)である訳で
はない。実際、ER(+)腫瘍のただ62%のみがPR及びS2
の発現が共に陽性であり、26%のER(+)腫瘍がPR
(+)でpS2(−)であった。さらに、幾つかのER
(+)、PR(−)腫瘍はpS2(+)或いはpS2(−)であ
った。これらの観察は、MCF−7細胞においてPR遺伝子
とpS2遺伝子の両方の転写がエストロゲンによって誘導
されることを考えると、非常に興味深い。このように、
ER、PR及びpS2遺伝子の発現の同時決定はER(+)乳癌
の新たな機能的非同一性を明らかにする。このことは、
PR遺伝子とpS2遺伝子の両方を誘導できるものと、その
どちらも誘導できないものの、ER′s自身の不均一性、
又はエストロゲンに対するPR及びpS2遺伝子の反応能力
の不均一性を反映するのであろう。一方ER(−)癌は、
96%のそれがエストロゲンに誘導され得るこれら2つの
遺伝子をどちらも発現しないことから、PR及びpS2の発
現に関して非常に均一であるように見える。過剰のerbB
−2発現もまた種々のサブクラスに分布した。ER′s、
PR′s及びペプチド(D)の免疫細胞科学的測定は、そ
のエストロゲンに対する反応性と、結果として、乳癌の
ホルモン療法に対する適応性に関して、腫瘍の不均一性
を評価するために非常に有用であることを強調すべきで
ある。
実施例11−細胞質中のペプチド(D)の測定 乳癌から生体穿刺又は組織粉砕で得、ホルモン レセ
プターの測定で記録したように1.5mMのEDTA、10mMのモ
ノチオグリセロール及び10mMのモリブデン酸ナトリウム
pH7.4を含む10mMのトリス緩衝液中に凍結した標本か
ら、細胞質を調製する。これは細胞質の特定のプレパレ
ーション無しで、既に常法により測定したレセプターに
加えてペプチド(D)の測定を可能にする。
上記記載から、本発明は決してこれらの具体的方法、
実施態様及び、上記適用方法に限定されないことは明ら
かである;反応反対に、本発明の精神及び範囲から外れ
ることなく当業者がなす全ての変更を包含する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A61K 39/395 A61K 39/395 ADUE ADU 9282−4B C12N 15/00 ZNAC (72)発明者 ベロック ジャン‐ピエール フランス国、F‐67200 ストラスブル ク、リュ デュ レンゲルブライト、39 (56)参考文献 Nucleic Acids Re s.,15[4](1987)P.1401−1414 Science,241(1988)P.705 −708 (54)【発明の名称】 種々の病理的状態に於いてPS2遺伝子から特異的に発現される蛋白質及びその断片、該蛋白質 及び/又はその断片から得られる抗体、並びに病理的状態に対する検出、診断及び治療への該蛋 白質、その断片及び抗体の適用

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蛋白質pS2の分泌型として同定され、該蛋
    白質pS2の60個のアミノ酸に相当する断片からなり、GLU
    が蛋白質pS2のN末端METから25位下流に位置する配列GL
    U−ALA−GLNから始まり、分子量が約6600ダルトンであ
    るペプチド。
  2. 【請求項2】以下のアミノ酸配列(D)を有する、請求
    項1に従うペプチド。
  3. 【請求項3】塩基性アミノ酸Arg36、Arg38、Lys54およ
    びArg63の下流に位置する4個のトリプシン分解部位を
    有する、請求項1又は2に従うペプチド。
  4. 【請求項4】請求項2に従う配列(D)のペプチドの31
    個のC−末端アミノ酸に相当する断片からなり、分子量
    が約3450ダルトンであるペプチド。
  5. 【請求項5】以下のアミノ酸配列(C)を有する、請求
    項4に従うペプチド。
  6. 【請求項6】請求項2に従う配列(D)のペプチドの28
    個のC−末端アミノ酸に相当する断片からなり、分子量
    が約3100ダルトンであるペプチド。
  7. 【請求項7】以下のアミノ酸配列(F)を有する、請求
    項6に従うペプチド。
  8. 【請求項8】ウサギ又は他の適当な動物(ヒトを除く)
    を、請求項2に従う配列(D)のペプチド又は請求項4
    から請求項7のいずれかに従うその断片に対して免疫し
    て得られる、抗pS2ポリクローナル抗体。
  9. 【請求項9】適当な哺乳動物(ヒトを除く)を、請求項
    2に従う配列(D)のペプチド又は請求項4から請求項
    7のいずれかに従うその断片で適切に注射して免疫し、
    その動物の脾細胞を適当なミエローマの細胞と融合した
    結果得られるハイブリドーマをクローニングして得られ
    る抗pS2モノクローナル抗体。
  10. 【請求項10】MCF−7細胞の培養上清又は胃液から請
    求項2に従う配列(D)のペプチドを得る方法であっ
    て、該上清又は該胃液に含まれる蛋白質を低温下でアセ
    トンで沈殿させ、該ペプチドを含む分画を回収するため
    に配列(D)のペプチドを含む残渣をクロマトグラフィ
    で精製し、これを必要ならば凍結及び/又は濃縮する方
    法。
  11. 【請求項11】MCF−7細胞の培養上清を、エストラジ
    オールの存在下で培養されたMCF−7細胞の培養物から
    集められる、請求項10に従う配列(D)のペプチドを得
    る方法。
  12. 【請求項12】胃液を、請求項10に従う精製過程に供す
    る前にこれを約pH9.6の適当な精製用緩衝液で中和す
    る、請求項10に従う配列(D)のペプチドを得る方法。
  13. 【請求項13】請求項2に従う配列(D)のペプチド及
    び請求項4から請求項7のいずれかに従うその断片を、
    合成、特に化学合成又は生合成によって製造する方法。
  14. 【請求項14】その組織で発現され得る請求項2に従う
    配列(D)のペプチドを生じる組織の病理学的状態を検
    出する方法であって、該配列(D)のペプチドの存在が
    請求項8又は請求項9に従う抗体を用いた生物学的標本
    の免疫学的方法によって検出される方法。
  15. 【請求項15】検出が、体液を使用して行われる、請求
    項14に従う方法。
  16. 【請求項16】免疫学的方法が免疫細胞化学的方法であ
    る、請求項14に従う方法。
  17. 【請求項17】免疫学的方法が癌標本で検出される、請
    求項14に従う方法。
  18. 【請求項18】使用する癌標本が組織切片である、請求
    項17に従う方法。
  19. 【請求項19】使用する癌標本がパラフィンに包埋する
    ことにより保存及び安定化されホルマリンで固定された
    組織切片である、請求項18に従う方法。
  20. 【請求項20】使用する癌標本がサイトゾルである、請
    求項18に従う方法。
  21. 【請求項21】免疫細胞化学的方法が、配列(D)のペ
    プチド又は請求項4から請求項7のいずれかに従うその
    断片に対するウサギ又は他の適当な動物(ヒトを除く)
    のポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体と供に生
    物学的標本をインキュベートした後、該抗体をラベルし
    明確にするために適当なシステムと共に行われる、請求
    項16に従う方法。
  22. 【請求項22】生物学的標本が、エストロゲンおよびプ
    ロゲステロン・レセプターの免疫学的検出に供される、
    請求項14から21のいずれかに従う方法。
  23. 【請求項23】配列(D)のペプチドの存在が、請求項
    8又は請求項9に従う抗体の少なくとも1つを用いたシ
    ンチグラフィにより検出される請求項14から22のいずれ
    かに従う検出方法。
  24. 【請求項24】−請求項2に従う配列(D)のペプチド
    及び/又は請求項4から請求項7のいずれかに従うその
    断片に対する適当な用量のポリクローナル又はモノクロ
    ーナル抗体; −使用する抗体がそれに対するものである適当な用量の
    配列(D)のペプチド及び/又はその断片; −適当な用量のウサギ又は他の適当な哺乳動物(ヒトを
    除く)の免疫グロブリンに対する抗体; −抗原抗体反応を進展させるための酵素系; −酵素反応を進展させるための基質;及び −有用な量の適当な緩衝液 から成る、免疫細胞化学によって組織の病理学的状態を
    請求項14から23のいずれかに従い検出するための、レデ
    ィー−トゥ−ユース(ready−to−use)キット。
JP63509232A 1987-10-30 1988-10-28 種々の病理的状態に於いてps2遺伝子から特異的に発現される蛋白質及びその断片、該蛋白質及び/又はその断片から得られる抗体、並びに病理的状態に対する検出、診断及び治療への該蛋白質、その断片及び抗体の適用 Expired - Fee Related JP2648952B2 (ja)

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