JP2001500381A - 新規な宿主細胞およびタンパク質生産方法 - Google Patents

新規な宿主細胞およびタンパク質生産方法

Info

Publication number
JP2001500381A
JP2001500381A JP10514203A JP51420398A JP2001500381A JP 2001500381 A JP2001500381 A JP 2001500381A JP 10514203 A JP10514203 A JP 10514203A JP 51420398 A JP51420398 A JP 51420398A JP 2001500381 A JP2001500381 A JP 2001500381A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
host cell
metalloprotease
cell
aspergillus
protein
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10514203A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4091119B2 (ja
Inventor
レムベック,ヤン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Novo Nordisk AS
Original Assignee
Novo Nordisk AS
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Novo Nordisk AS filed Critical Novo Nordisk AS
Publication of JP2001500381A publication Critical patent/JP2001500381A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4091119B2 publication Critical patent/JP4091119B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/14Hydrolases (3)
    • C12N9/48Hydrolases (3) acting on peptide bonds (3.4)
    • C12N9/50Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25)
    • C12N9/58Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25) derived from fungi
    • C12N9/62Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25) derived from fungi from Aspergillus
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/80Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for fungi
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/14Hydrolases (3)
    • C12N9/16Hydrolases (3) acting on ester bonds (3.1)
    • C12N9/18Carboxylic ester hydrolases (3.1.1)
    • C12N9/20Triglyceride splitting, e.g. by means of lipase
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/14Hydrolases (3)
    • C12N9/48Hydrolases (3) acting on peptide bonds (3.4)
    • C12N9/50Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25)
    • C12N9/58Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25) derived from fungi

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規な宿主細胞およびタンパク質の生産方法に関する。詳しくは、本発明は、異種性タンパク質を発現させるために有用な宿主細胞であって、メタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼの発現レベルを有意に低下させる様に遺伝的に修飾した前記宿主細胞に関する。さらに、本発明は、適当な培地中で前記宿主細胞を培養すること、続いて前記の希望タンパク質を回収することを含んで成る、異種性タンパク質を生産する方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 新規な宿主細胞およびタンパク質生産方法 発明の分野 本発明は、新規な真菌宿主細胞およびタンパク質の生産方法に関する。詳しく は、本発明は、異種性タンパク質を発現させるために有用な宿主細胞であって、 メタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼの発現レベルを有意に低下さ せるために遺伝的に修飾した前記宿主細胞に関する。さらに、本発明は、本発明 の前記真菌を用いて、注目のタンパク質を高収率に生産する方法であって、適当 な培地中で前記宿主細胞を培養すること、続いて前記の希望タンパク質を回収す ることを含んで成る前記方法に関する。さらに本発明は、前記真菌および前記方 法で用いるDNA構成体を作成する方法も含む。 発明の背景 最近、異種性タンパク質の発現において組換え宿主細胞を利用することによっ て、市場価値のあるタンパク質を非常に簡単に大量生産することができる。これ を利用しなければ、その様なタンパク質を、天然の素材から精製して得なければ ならない。現在、任意のタンパク質を生産するための発現系は、多種類あり、例 えば、細菌宿主および真核生物宿主がある。適当な発現系の選択は、多くの場合 、活性のあるタンパク質を適当な収率で生産する宿主細胞能力に依るだけではな く、そのタンパク質の最終使用目的にも非常に支配され得る。 この主要な問題点は、宿主細胞によって生産されるか、または培 地中に存在する高レベルのタンパク質分解酵素である。特異的なタンパク質分解 性化合物の生産能力を除去した宿主生物が提供され得ることが示唆されている。 例えば、国際特許出願WO90/0192(Genencor)には、酵素活性を有するアスパラギ ン酸プロティナーゼを分泌できない糸状真菌宿主が記載されていて、EP574 347( Ciba Geigy AG)には、ズブチリシン型セリンプロテアーゼを欠失したアスペルギ ラス属(Aspergillus)宿主が記載されている。 メタロプロテアーゼは、多くの真核生物から単離されている。アスペルギラス 属から単離された中性メタロプロテアーゼ、すなわちpHが中性の時に至適活性を 示すメタロプロテアーゼも報告されている。アスペルギルス・ソジャエ(Aspergi llus sojae)から単離された2つのメタロプロテアーゼ、NpIおよびNpIIの物理化 学特性が、一連の研究から報告されている(Sekine,H.1972.Agric.Biol.Chem.36: 198-206,207-216;Sekine,H.1972.Agric.Biol.Chem.36:2143-2150)。NpIの酵素 特性および物理化学特性は、バチルス・サーモプロテオリチカス(Batillus ther moproteolyticus)のサーモリシンの特性に似ているが、NpIIの特性は、それに似 ていないことが明らかにされた。最近、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus o ryzae)から単離された中性メタロプロテアーゼNpIIのcDNA配列が開示された(Tat sumi H,et al.1991.Mol.Gen.Genet.228:97-103)。しかし、A.オリゼからのNpI類 に属する中性メタロプロテアーゼのcDNA配列は、開示されていない。 アルカリ性プロテアーゼは、至適pHがアルカリ性であるセリンプロテアーゼで ある(Nakagawa,Y.1970.Methods Enzymol.19:581-591)。これは、ズブチリシンの 類似体であり、そしてA.オリゼにおいて、主要な細胞外のアルカリ性エンドペプ チダーゼである。この遺伝子は単離されていて、配列特性が明らかにされている (Murakami,et al.1991.Agric.Biol.Chem.55:2807-2811)。アスペルギルス属の他の2種、A.フ ラブス(A.flavus)およびA.ソジャエは、同一酵素かまたは近縁の酵素を発現し ている。 アスペルギラス属から得られるタンパク質生産物の安定性を低下させることに 関する、メタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼの潜在的な役割は、 報告されていない。 発明の要約 本発明では、メタロプロテアーゼIおよびアルカリ性プロテアーゼのタンパク 質分解活性は、各々単独で、または組み合わさって、細胞が生産する注目のタン パク質生産物の安定性を有意に低下させ、前記タンパク質の収量を減少させる可 能性があることを見出した。 従って、本発明は、異種性タンパク質生産物の発現に有用な宿主細胞であって 、親細胞に比べて、メタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼの両レベ ルが有意に低下する様に遺伝的に修飾した前記細胞を提供する。 別の点では、本発明は、本発明の宿主細胞において異種性タンパク質生産物を 生産する方法であって、前記タンパク質をコードする核酸配列を前記宿主細胞に 導入すること、適当な培地中で前記宿主細胞を培養すること、および前記異種性 タンパク質生産物を回収することを含んで成る前記方法を提供する。 本発明の方法によって、メタロプロテアーゼIおよびアルカリ性プロテアーゼ に起因するタンパク質分解活性が有意に低下し、その結果、本方法によって得ら れるタンパク質の安定性および収量が向上する。さらに、本発明の方法によって 得られるタンパク質は、前駆体タンパク質、例えばチモーゲン、融合タンパク質 、プロ配列ま たはプレプロ配列として得られるタンパク質、または他の任意の未成熟な型のタ ンパク質でもよい。 図面の簡単な説明 添付した図面を参考にして、本発明を説明する。 図1は、pyrG遺伝子を有するプラスミドpJaL335の作成を示す。 図2は、pyrG遺伝子の5'および3'配列を有するプラスミドpSO5の作成を示す。 図3は、pyrGコード配列が、alp遺伝子の5'および3'配列の間に挿入されたプ ラスミドpJaL212の作成を示す。 図4は、NpIのコード配列を破壊したプラスミドpJaL399の作成を示す。 図5は、カンジダ・アンタークチカ(Candida antarctica)のリパーゼBのN末端 アミノ酸配列、およびこの配列に由来する2つのオリゴヌクレオチドプライマー の配列を示す。 図6は、C.アンタークチカのリパーゼB遺伝子を有するプラスミドpMT1305の作 成を示す。 図7は、C.アンタークチカのリパーゼB遺伝子の5'末端の部分配列を有するプ ラスミドpMT1329の作成を示す。 図8は、C.アンタークチカのリパーゼB遺伝子を有するプラスミドpMT1332の作 成を示す。 図9は、C.アンタークチカのリパーゼB遺伝子を有する発現プラスミドpMT133 5の作成を示す。 発明の詳細 「宿主細胞」 本発明は、異種性タンパク質の発現に有用な宿主細胞であって、 親細胞に比べて、メタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼ活性レベル が有意に低下する様に遺伝的に修飾した前記細胞を提供する。前記宿主細胞は、 親細胞、例えば野生型細胞から得られる。 本発明の宿主細胞は、異種性タンパク質の発現に通常用いられる任意の宿主細 胞でもよい。 本発明の宿主細胞は、好ましくは、希望するタンパク質を生産できる酵母また は糸状真菌である。前記酵母は、特にサッカロミセス属(Saccharomyces)の株、 好ましくはサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)でよい。前 記糸状真菌は、特に、アクレモニウム(Acremonium)、アスペルギルス(Aspergill us)、カンジダ(Candida)、コクリオボラス(Cocliobolus)、エンドシア(Endothia )、フサリウム(Fusarium)、ヒュミコラ(Hulnicola)、ニューロスポラ(Neurosp ora)、リゾムコール(Rhizomucor)、リゾプス(Rhizopus)、サーモミセス(Thermom yces)、トリコデルマ(Trichoderma)、ポドスポラ(Podospora)、ピリクラリア(Py ricularia)、およびペニシリウム(Penicillium)属の群中から選択される菌株で よい。 好ましい実施形態では、前記糸状真菌は、アスペルギルス・ニデュランス(Asp ergillus nidulans)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アス ペルギルス・フェニキス(Aspergillus phoenicis)、アスペルギルス・ジャポニ カス(Aspergillus japonicus)、アスペルギルス・フィータス(Aspergillus foet us)、フサリウム・グラミネアルム(Fusarium graminearum)、フサリウム・オキ シスポラム(Fusarium oxysporum)、フサリウム・ソラニ(Fusariumsolani)、フサ リウム・ベネナタム(Fusarium venenatum)、ヒュミコラ・グリセア(Humicolagr isea)、ニューロスポラ・クラサ(Neurospora crassa)、ペニシリウム・クリソゲ ナム(Penicillium chr ysogenum)、リゾムコール.メイヘイ(Rhizomucormeihei)、トリコデルマ・レセ イ(Trichoderma reesei)、およびトリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)の 群中から選択される菌株であり、特に、アスペルギルス・オリゼおよびアスペル ギルス・ニガー(Aspergillus niger)の株、並びにフサリウム属の種ATCC20334で ある。 「メタロプロテアーゼ」 本発明において、メタロプロテアーゼとは、基質のペプチド骨格を加水分解す る触媒中心に亜鉛金属を含むタンパク質分解酵素である。これらのプロテアーゼ は、活性中心が亜鉛であり、カルシウムに依存した活性を有するカルパインとは 区別される。プロテアーゼがメタロプロテアーゼであることを確認するためには 、1mM 1,10-フェナンスロリンによって中心亜鉛を除去すると、タンパク質分解 活性が可逆的に欠失し、そしてZn2+(0.1-100mM)を滴下すると活性が回復するこ とに依る。 好ましい実施形態では、本発明において考慮される本メタロプロテアーゼは、 フサリウム属のメタロプロテアーゼ、好ましくはフサリウム・オキシスポラム(F usarium oxysporum)のメタロプロテアーゼである。最も好ましい実施形態では、 本メタロプロテアーゼは、配列番号1のヌクレオチド配列、またはこれに相同な 配列を有するF.オキシスポラムのp45メタロプロテアーゼ(p45)である。 別の好ましい実施形態では、本発明において考慮される本メタロプロテアーゼ は、中性プロテアーゼ、すなわち至適タンパク質分解活性が、中性のpH範囲で、 すなわち約pH6-8の範囲で、好ましくは約pH6.5-7.5の範囲で、特にはpH7付近で 得られるメタロプロテアーゼである。さらに特に、本発明において考慮される本 メタロプロテアーゼは、NpIまたはNpII類のアスペルギルス属の中性メタロプロ テアーゼである(Tasutmi,et al.,1991)。 好ましい実施形態では、本メタロプロテアーゼは、配列番号2のヌクレオチド 配列に由来するアミノ酸配列、またはこれに相同な配列からなる、A.オリゼの中 性メタロプロテアーゼI(NpI)である。 「アルカリ性プロテアーゼ」 本発明において、アルカリ性プロテアーゼは、中性からアルカリ性のpH範囲内 に活性のピークを有するセリンプロテアーゼである。アミノ酸配列の分析から、 このアルカリ性プロテアーゼは、ズブチリシン様セリンプロテアーゼのサブグル ープ、サブチラーゼに相同であることが指摘される。Siezen,et al.(1991,Proe tein Eng.4:719-737)の要約によれば、50を超えるサブチラーゼが、広範囲の様 々な生物種、グラム陽性菌およびグラム陰性菌などの様々な細菌種から、真菌お よび酵母、さらに虫(worms)、昆虫(insects)、植物および哺乳類などの高等生物 に亘って、同定されている。これらの内、40を超えるサブチラーゼについて、そ のアミノ酸配列が決定されていて、そして本酵素の成熟領域の長さは、268から1 775アミノ酸に広がっていること、およびN末端近傍には、27から280アミノ酸の プレプロ領域があることが示されている。真菌および酵母においては、変異は明 らかに小さくて、前記の各々の領域は、真菌では、279-281および105-121であり 、酵母では、297-677および126-280である。A.オリゼ由来の本アルカリ性プロテ アーゼの完全なコード領域を含んだcDNA断片は、クローニングされて、Saccharo mycescerevisiaeで発現された(Tasumi,H.,et al.1989,Mol.Gen.Genet.219:33-38 )。この1次構造は、他のズブチリシン配列に対して29から44%の相同性を有し 、そしてズブチリシンBPN'内の活性部位の3残基Asp33,His64およびSer221は保 存されていた。 好ましい実施形態では、本アルカリ性プロテアーゼは、A.オリゼのアルカリ性 プロテアーゼ(alp)であり、好ましくは配列番号3の ヌクレオチド配列、またはこの相同配列を含むcDNA配列によってコードされるも のである。 「配列相同性」 本文において、DNA配列の相同性は、2つの配列間の同一の程度として決定さ れ、1つ目の配列の、2つ目の配列からの由来性を意味する。この相同性は、当 業界で周知のコンピュータプログラム、例えばGCGプログラム内にあるGAP(Progr am Manual for the Wisconsin Package,Version 8,August 1994,Genetics Compu ter Group,575 Science Drive,Madison WI,USA;Needleman,S.B.and Wunsch,C.D. ,1970.J.Mol.Blol.48:443-453)によって、適切に決定することができる。DNA配 列の比較では、GAPにおいて、クリエーションペナルティーを5.0、エクステンシ ョンペナルティーを0.3に設定する。類似のDNA配列のコード領域は、対象のDNA 配列のコード領域に対して、好ましくは、少なくとも70%、より好ましくは少な くとも80%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、 そして最も好ましくは少なくとも97%の同一の程度を示す。 本文において、アミノ酸配列の相同性は、同様に、2つの配列間の同一の程度 として決定され、1つ目の配列の、2つ目の配列からの由来性を意味する。この 相同性は、当業界で周知のコンピュータプログラム、例えば前記のGAP(Needlema n,S.B.and Wunsch,C.D.,1970,supra)によって、適切に決定することができる。 アミノ酸配列の比較では、GAPにおいて、クリエーションペナルティーを3.0、エ クステンションペナルティーを0.1に設定する。類似のDNA配列がコードするポリ ペプチドは、対象のDNA配列がコードする構造タンパク質に対して、好ましくは 、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも 90%、より好ましくは少なくとも95%、そして特には、少なくとも97%の同一の 程度を示 す。 本発明は、配列番号1、配列番号2および配列番号3に由来するアミノ酸配列 を有する成熟ポリペプチドに対して、多くて3アミノ酸、好ましくは、多くて2 アミノ酸、より好ましくは、多くて1アミノ酸が相違するアミノ酸配列を有する 、メタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼ変異体にも向けられる。 本文において、ハイブリダイゼーションとは、類似のDNA配列が、構造タンパ ク質のコード領域を含む対象DNA配列によってコードされるポリペプチドに対応 するオリゴヌクレオチドプローブに、以下に詳述する特異的条件下に、結合する ことを意味する。 ヌクレオチドプローブと、相同DNAまたはRNA配列とのハイブリダイゼーション を決定する適当な条件は、ハイブリダイズするDNAまたはRNA断片を含んでいるフ ィルターを、5x SSC(standard saline citrate buffer;Sambrook et al.1989,Mo lecular Cloning,ColdSpring Harbor NY,USA)中に、前もって10分間浸すこと、5 x SSC,5x Denhardt'ssolution,0.5% SDS and 100μg/ml of denatured sonica ted salmon sperm DNA(Sanlbrook et al.1989,supra)中で、フィルターを前処理 すること(prehybridization)、そしてランダムプライマーで合成した32P-dCTP標 識プローブ(比活性>1x109cpm/μg)(Feinberg,A.P.and Vogelstein,B.1983,Ana l.Biochem.132:6-13)を含んだ同溶液中で、12時間約45℃で、ハイブリダイゼー ションすることを含んで成る。このフィルターを、2x SSC,0.5% SDS中で、少な くとも55℃(低ストリンジェント)、より好ましくは少なくとも60℃(中ストリ ンジェント)、より好ましくは少なくとも65℃(中高ストリンジェント)、より 好ましくは少なくとも70℃(高ストリンジェント)、さらにより好ましくは少な くとも75℃(最高ストリンジェント)の温度で、30分間2回、洗浄する。これら の条件下 で、このオリゴヌクレオチドプローブがハイブリダイズする分子を、X線フィル ムに感光して検出する。 「宿主細胞の遺伝的修飾」 本発明の宿主細胞に対して、メタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアー ゼ活性の発現レベルを有意に低下させる様に、当業界に既知の標準的な組換えDN A技術を用いて、遺伝的な修飾を施す。メタロプロテアーゼおよびアルカリ性プ ロテアーゼの各活性の原因となる遺伝子配列を、不活性化するか、あるいは、部 分的にまたは完全に除去することができる。従って、本発明の宿主細胞は、低レ ベルまたは検出不可能なレベルのメタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテア ーゼを発現するか、あるいは、機能的に不活性化したメタロプロテアーゼおよび アルカリ性プロテアーゼを発現する。 特定の実施形態では、前記不活性化は、注目するメタロプロテアーゼおよびア ルカリ性プロテアーゼ遺伝子内の各構造領域または調節領域を修飾することによ って得られる。既知で有用な技法には、限定しないが、特異的またはランダム突 然変異、PCRによる突然変異、部位特異的DNAの欠失、挿入および/または置換、 遺伝子破壊または遺伝子置換、アンチセンス法、あるいはこれらの組み合わせが ある。 適当な物理的または化学的な突然変異誘発剤を用いて、突然変異を起こすこと ができる。本発明の目的に適する物理的または化学的な突然変異誘発剤の例には 、限定しないが、紫外線照射、ヒドロキシルアミン、N-メチル-N'-ニトロ-N-ニ トロソグアニジン(MNNG)、O-メチルヒドロキシルアミン、亜硝酸、エチルメタン スルホン酸(EMS)、重亜硫酸ナトリウム、蟻酸、およびヌクレオチド類似体があ る。これらの試薬を用いる場合、典型的には、突然変異を誘発させる細胞を、適 当な条件下に、選択した突然変異誘発剤中に放置して 、NpIおよびalpの生産が有意に低下した細胞を選択することによって、突然変異 を達成する。 構造配列中、あるいは、構造配列の転写または翻訳に必要な調節エレメント中 において、1つまたは複数のヌクレオチドを導入、置換または除去することによ って、修飾を達成することもできる。例えば、ヌクレオチドを挿入または除去す ることによって、構造遺伝子において、停止コドンを導入するか、開始コドンを 除去するか、またはオープンリーディングフレームを変化させることができる。 当業界に既知の方法に従って、部位特異的突然変異またはPCRによる突然変異を 行って、構造遺伝子またはその調節エレメントの修飾または不活性化を達成する ことができる。原理的には、インビボで修飾を行ってもよいが、現在では、以下 の実施例の様に、インビトロで修飾するのが好ましい。 選択した宿主細胞において、メタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアー ゼを不活性化するか、またはその生産を低下させる便利な方法は、遺伝子破壊の 方法に基づく。この方法では、注目する内在性の遺伝子または遺伝子断片に相当 するDNA配列を、インビトロで突然変異させる。その結果、このDNA配列は欠陥遺 伝子となる。そしてこれを宿主細胞に導入すると、相同組換えが起きて、この欠 陥遺伝子が、内在性の遺伝子または遺伝子断片に置き換わる。この欠陥遺伝子ま たは欠陥遺伝子断片には、メタロプロテアーゼおよび/またはアルカリ性プロテ アーゼをコードする各遺伝子が修飾または破壊された形質転換体を選択するため に用いるマーカーもコードされていることが望ましい。 標的遺伝子を欠失させるか、または破壊する方法は、特に、Miller,et al(198 5,Mol.Cell.Blol.5:1714-1721);WO 90/00192,May,G.(1992,Applied Molecular G enetics of Filamentous Fungi.J.R.Kin ghorn and G.Turner,eds.,Blackie Academic and Professional,pp.1-25);およ びTurner,G.(1994,Vectors fof Genetic Manipulation.S.D.Martinelli and J.R .Kinghorn,eds.,Elsevier,pp.641−665)に記載されている。 あるいは、メタロプロテアーゼのコード配列、例えば配列番号1および配列番 号2のヌクレオチド配列、またはアルカリ性プロテアーゼのコード配列、例えば 配列番号4のヌクレオチド配列に対して、相補的なヌクレオチド配列を用いて、 確立したアンチセンス法に従って、本DNA配列の修飾または不活性化を達成する ことができる。アンチセンス法およびその応用は、U.S.Patent No.5,190,931(Un iversity of New York)に詳細に記載されている。 この様な遺伝的修飾によって、本発明の宿主細胞は、有意に低レベルのメタロ プロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼ活性を発現する。好ましい実施形態 では、本宿主細胞が発現している、これらのタンパク質分解活性レベルは、各々 、約50%より大きく、好ましくは約85%より大きく、より好ましくは約90%より 大きく、そして最も好ましくは約95%より大きく、低下する。別の好ましい実施 形態では、本発明の宿主細胞において、これらのタンパク質分解活性は、任意の 組み合わせで低下してよい。最も好ましい実施形態では、本宿主細胞の発現産物 中に、メタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼに起因する分解活性が 本質的に無い。 「タンパク質の生産方法」 本発明の方法を用いると、メタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼ のタンパク質分解活性が有意に低下するので、本発明の宿主細胞が合成する影響 を受けやすいタンパク質産物の安定性が向上して、その収量が増加する。詳しく は、本発明の方法を用いて、メタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼ 遺伝子内にコ ードされている構造領域および/または調節領域内において、本宿主細胞を遺伝 的に修飾する。 従って、本発明の別の点は、本発明の宿主細胞において、異種性ポリペプチド などのタンパク質を生産する方法であつて、注目するタンパク質産物をコードす る核酸配列を、前記宿主細胞に導入すること、その宿主細胞を適当な培地中で培 養すること、そしてそのタンパク質産物を回収することを含んで成る前記方法を 提供することである。 従って、本発明の宿主細胞は、希望する産物の発現に必要な構造遺伝子領域お よび調節遺伝子領域を有していなければならない。この様な構造領域および調節 領域の性質は、問題の産物および宿主細胞に、大きく依存する。当業者は、宿主 細胞の形質転換またはトランスフェクションに関する標準的な組換えDNA技術を 用いて、本発明の宿主細胞の遺伝的設計を為すことができる(Sambrook et al.) 。 好ましくは、当業界に既知の方法を用いて、希望するタンパク質産物をコード するDNA断片を含む適当なクローニング媒体、すなわちプラスミドまたはベクタ ーを導入して、本宿主細胞を修飾する。 このクローニング媒体を、自律複製するプラスミドとして、本宿主細胞に導入す るか、またはその染色体に組み込ませることができる。好ましくは、本クローニ ング媒体は、1つまたは複数の適当な調節領域に作用可能に連結した1つまたは 複数の構造領域を有する。 この構造領域とは、希望するタンパク質産物をコードする核酸配列の領域であ る。この調節領域とは、転写調節配列および翻訳調節配列を含むプロモーター領 域、停止シグナルを含む停止領域、およびポリアデニル化領域を含んでいる。本 プロモーター、すなわち選択した宿主細胞において転写活性を発揮するヌクレオ チド配列は、 細胞外または細胞内タンパク質、好ましくは酵素、例えばアミラーゼ、グルコア ミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、オキシドレダ クターゼ、ペクチナーゼ、クチナーゼ、または解糖系酵素をコードする遺伝子か ら得ることができる。真菌宿主細胞における転写に適するプロモーターの例には 、A.オリゼのTAKAアミラーゼ、A.ニガーの中性αアミラーゼ、A.ニガーの酸安定 αアミラーゼ、A.ニガーまたはA.アワムシ(Aspergillus.awamsii)のグルコアミ ラーゼ(GluA)、A.ニデュランスのアセトアミダーゼ、A.オリゼのアルカリ性プロ テアーゼ、A.オリゼのトリオースリン酸イソメラーゼ、R.メイヘイ(Rhizopusmei hei)のアスパラギン酸プロティナーゼ、およびR.メイヘイのリパーゼをコードす る遺伝子から得られるプロモーターがある。好ましいプロモーターは、A.オリゼ のTAKAアミラーゼおよびA.アワムシのGluAのものである。 さらに本クローニング媒体は、選択マーカー、例えば本宿主細胞の欠損を補完 する産物の遺伝子、または抗生物質耐性を付与する産物の遺伝子を含んでもよい 。アスペルギルス属の選択に有用な抗生物質には、例えばハイグロマイシン、フ ィレオマイシン(phleomycin)およびバスタ(basta)がある。アスペルギルス属に 用いる選択マーカーの例には、他に、アセトアミドの利用に関与する酵素をコー ドする、amdS;ウリジンの生合成に関与する酵素をコードする、pyrG;アルギニ ンの生合成に関与する酵素をコードする、argB;硝酸塩の同化経路に関与する酵 素をコードする、niaD;および、硫酸塩の同化経路に関与する酵素をコードする 、sC、がある。さらに、同時形質転換(co-transformation)によって選択を行っ てもよく、すなわち2つのベクターの混合液によって形質転換して、選択は、そ の内1つのベクターのみに対して行われる。 本発明のDNA構成体、プロモーター、ターミネーターおよびその 他のエレメントの各々を連結する方法、および複製に必要な情報を含んでいる適 当なクローニング媒体に、それらを挿入する方法は、当業界に周知である(Sambr ook et al.,1989)。 本発明の宿主細胞を培養するために用いる培養液は、任意の適当な通常の培養 液であってよく、従来技術の原理に従って調製することができる。この培養液に は、好ましくは、炭素源および窒素源、並びに他の無機塩が含まれる。適当な培 養液、例えば最小培地または複合培地は、企業から入手するか、または公表され ている組成(The Catalogue of Strains,American Type Culture Collection,R ockville,MD,USA,1970など)に従って、調製することもできる。 発酵に適するpHは、多くの場合、利用する宿主細胞の性質、増殖培養液の組成 、目的のポリペプチドの安定性などの因子に依存するだろう。従って、任意のpH において、任意の発酵工程を用いて、本発明の宿主細胞を培養してもよいが、本 宿主細胞の酸性および/または中性プロテアーゼ活性が本質的に無くなるか、ま たは少なくとも有意に低下するpHにおいて、発酵することが有利である。WO90/0 0192の記載の様に、発酵のpHを上げることによって、アスパラギン酸プロテアー ゼ活性を無くしてもよいが、アルカリ性のpH範囲において培養した宿主細胞から 得られる希望タンパク質の収量に対して、有利な効果は無い。 発酵工程のpHが、5-11の範囲内、例えば6-10.5,7-10,または8-9.5の範囲内 である場合、酸性プロテアーゼ、例えばアスパラギン酸プロテアーゼおよびセリ ンプロテアーゼの活性は低下するか、または阻害され、さらにpH範囲が7より高 い場合には、中性プロテアーゼの活性は低下するか、または阻害されるだろう。 アルカリ条件下で発酵して生産する酵素の例には、エンドグルカナーゼ、フィタ ーゼおよびタンパク質ジスルフィドイソメラーゼがある。 しかし、アルカリ性pH条件下では、修飾されていない宿主細胞では、アルカリ 性プロテアーゼ活性が維持され、その結果、目的ポリペプチド産物の分解が潜在 的に起きるだろう。従って、この様な場合、アルカリ性プロテアーゼをコードす る遺伝子を不活性化することが、特に有利である。 酸性、中性およびアルカリ性プロテアーゼ活性レベルは、細胞種毎に変わるの で、ある宿主細胞では、本発明のアルカリ性プロテアーゼ遺伝子の不活性化は、 特に有利である。例えば、A.オリゼのアルカリ性プロテアーゼ活性レベルは、A. ニガーのものより高い。 培養後、通常のタンパク質単離法および精製法によって、培養液から、希望す るタンパク質を回収する。確立した精製方法には、遠心または濾過によって、培 養液から細胞を分離すること、硫酸アンモニウムなどの塩によって、培養液のタ ンパク質成分を沈殿すること、および、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾 過クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーなどのクロマトグラ フィー法が含まれる。 「生産物」 本発明の宿主細胞によって発現される希望の最終産物、すなわち異種性タンパ ク質は、任意の真核生物性または細菌性のタンパク質またはペプチドでよい。 本文では、「異種性タンパク質」とは、宿主細胞に固有でないタンパク質また はポリペプチドか、固有の配列を変える様に修飾された固有タンパク質か、ある いは、固有タンパク質の発現に必要な固有の調節配列、例えばプロモーター、リ ボソーム結合部位などを操作するか、または組換えDNA技術によって宿主細胞を 操作した結果、発現量が変化した固有タンパク質を意味する。 より特定の実施形態では、本生産物は、治療活性のあるペプチド またはタンパク質、例えばホルモン類、特にインスリン、成長ホルモン、グルカ ゴンまたはソマトスタチン;インターロイキン類、特にインターフェロン;造血 細胞増殖因子、特に血小板由来増殖因子(PDGF)、エリスロポエチン(EPO)または トロンボポエチン(TPO);プロテアーゼ、特に第VII因子、第VIII因子、ウロキナ ーゼ、キモシンまたは組織プラスミノーゲンアクチベーター;または血清アルブ ミンである。 別の好ましい実施形態では、本生産物は、真菌または細菌由来の酵素である。 前記酵素は、好ましくは、グリコシダーゼ酵素、例えばアミラーゼ、特にα- アミラーゼ(EC 3.2.1.1)またはβ-アミラーゼ(EC 3.2.1.2);グルカン1,4-α-グ ルコシダーゼ(EC.3.2.1.3)、セルラーゼ、特にエンド-1,4-β-グルカナーゼ(EC. 3.2.1.4)またはエンド-1,3(4)-β-グルカナーゼ(EC 3.2.1.6);キシラナーゼ、 特にエンド-1,4-β-キシラナーゼ(EC 3.2.1.8)またはキシラン-エンド-1,3-β- キシロシダーゼ(EC 3.2.1.32);ポリガラクツロナーゼ(EC 3.2.1.15);グルコシ ダーゼ、特にα−グルコシダーゼ(EC 3.2.1.20)またはβ-グルコシダーゼ(EC 3. 2.1.21);ガラクトシダーゼ、特にα-ガラクトシダーゼ(EC 3.2.1.22)またはβ- ガラクトシダーゼ(EC 3.2.1.23);エンドグルカナーゼ、特にエンド-1,3-β-グ ルカナーゼ(EC 3.2.1.39)、エンド-1,3-α-グルカナーゼ(EC 3.2.1.59)、エンド -1,2-β-グルカナーゼ(EC 3.2.1.71)、またはエンド-1,6-β-グルカナーゼ(EC 3 .2.1.75);およびセルロース-1,4-β-セロビオシダーゼ(EC 3.2.1.91)である。 別の好ましい実施形態では、前記酵素は、脂質分解酵素、特にリパーゼ、エス テラーゼ、ホスホリパーゼまたはリゾホスホリパーゼである。 別の好ましい実施形態では、前記酵素は、フィターゼ、特に3-フィターゼ(EC3 .1.3.8)または6-フィターゼ(EC3.1.3.26)である。 別の好ましい実施形態では、前記酵素は、タンパク質分解酵素である。 別の好ましい実施形態では、前記酵素は、ラッカーゼ、ペクチナーゼまたはク チナーゼ、あるいはオキシドレダクターゼ、例えばペルオキシダーゼである。 別の好ましい実施形態では、本生産物は、ハイブリッドポリペプチド、好まし くは、プロキモシンおよびプロトリプシン様プロテアーゼである。 メタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼ活性が欠損することから、 本宿主細胞によって発現される本異種性タンパク質は、前駆体タンパク質、例え ばチモーゲン、ハイブリッドタンパク質、プロ配列またはプレプロ配列として得 られるタンパク質、あるいは他の任意の未成熟な型のタンパク質でもよい。 実施例 本発明を、以下の実施例を参考にして、さらに説明する。これらの実施例は、 本発明の範囲を限定するものではない。 材料および方法 「菌株」 アスペルギルス・オリゼIFO4177:発酵研究所(Institute for Fermention)(大 阪市淀川区十三本町2丁目17-15)から入手可能。 フサリウム・オキシスポラムDSM2672:ブタペスト条約に従い、Deutsche Samm lung von Microorganismen und Zellkulturen Gmb H(DSM)(Mascheroder Weg 1b, DE-3300 Braunschweig,Germany)に、1983年6月6日に寄託済み。 HowB101: この株の作成は、実施例1に記載されている。 JaL125: この株の作成は、実施例1に記載されている。 JaL151: この株の作成は、実施例1に記載されている。 JaL228: この株の作成は、実施例1に記載されている。 「遺伝子」 alp: この遺伝子は、配列番号3に示したアルカリ性プロテアー ゼをコードする。 NpI: この遺伝子は、配列番号2に示した中性メタロプロテアー ゼIをコードする。 pyrG: この遺伝子は、ウリジン生合成に関与する酵素、オロチジ ン-5'-リン酸デカルボキシラーゼをコードする。 p45: この遺伝子は、配列番号1に示した中性メタロプロテアー ゼIをコードする。 「プラスミド」 pSO2: この調製は、実施例1に記載されている。 pSO5: この調製は、実施例1に記載されている。 pSRe403: この調製は、実施例1に記載されている。 pSRe403 ΔSacII:この調製は、実施例1に記載されている。 pJaL173: この調製は、実施例1に記載されている。 pJaL212: この調製は、実施例1に記載されている。 pJaL335: この調製は、実施例1に記載されている。 pJaL389: この調製は、実施例1に記載されている。 pJaL399: この調製は、実施例1に記載されている。 pToC65: この調製は、EP531 372Bに記載されている。 pToC68: この調製は、WO91/17243に記載されている。 pToC90: pUC19ベクター(Yannisch-Perron et al.,1985,GENE 33:10 3-119)上に、アスペルギルス・ニデュランスのamdS遺伝 子を2.7kbのXbaI断片として含んでいるp3SR2のサブクローン(Corrick et al.,19 87,GENE 53:63-71)であり、この調製は、WO91/17243に記載されている。 pDM115: この調製は、実施例1に記載されている。 pMT1303: この調製は、実施例2に記載されている。 pMT1305: この調製は、実施例2に記載されている。 pMT1329: この調製は、実施例2に記載されている。 pMT1330: この調製は、実施例2に記載されている。 pMT1332: この調製は、実施例2に記載されている。 pMT1335: この調製は、実施例2に記載されている。 「タンパク質分解酵素の活性測定法」 メタロプロテアーゼ活性は、前もって0.1M Tris,2mM CaCl2,pH7中で、25 ℃で30-60分間トリプシンと混合した後に、そのトリプシン活性の減少として測 定する(pHがより低い範囲では、100mMホウ酸塩,10mM DMG,2mM CaCl2から成る 緩衝液を用いる)。トリプシン活性は、マイクロタイタープレート上で測定した 。サンプル100mlを、100mlのL-BAPNA基質(87mg/[ml DMSO]の保存液(Slgma Aldr ich Corp.,St.LouisMO,USA)を緩衝液で50倍希釈したもの)に混合して、Thermon lax microplate reader(Molecular Devices Corp.,Sunnyvale CA,USA)で、405nm の吸光度を測定する。 アルカリ性プロテアーゼ活性は、反応液1ml(20mM Tris-HCl)中で、合成基質N -スクシニル-Ala-Ala-Pro-Phe-p-ニトロアニリド(Sigma Aldrich Corp.)1mMを用 いて、25℃で測定する。p-ニトロアニリンの遊離を、410nmで測定する(Ramesh,M V,et al.,Infection and Immunity62:79-85,1994)。 実施例1 「アスペルギルス・オリゼのアルカリ性プロテアーゼ(alp)遺伝子 およびアスペルギルス・オリゼの中性メタロプロテアーゼI(NpI)遺伝子のゲノ ム欠損」 A.オリゼのpyrG-株において、A.オリゼのpyrG遺伝子を選択マーカーとして用 い、2回連続して一段階遺伝子置換法を行い、alp遺伝子およびNpI遺伝子を各々 欠失させる(Miller,B.L.,et al.,1985,Mol.and Cell.Biol.5:1714-1721,and May ,G.in Applied Molecular Genetics of Filamentous Fungi,pp.1-25.J.R.Kingho rn and G.Thrner,eds.;Blackie Academic and Professional,1992)。 「A.オリゼのpyrG遺伝子のクローニング」 A.ニガーのpyrG遺伝子をハイブリダイズさせて、A.オリゼのpyrG遺伝子をクロ ーン化した(van Hartingsveldt,W.,etal.,1987,Mol.Gen.Genet.206:71-75)。Sau 3Aで部分切断したA.オリゼIFO4177のDNAから作成したラムダファージライブラリ ーを、A.ニガーのpyrG遺伝子由来の1kb DNA断片をプローブとして、低ストリン ジェントな条件下にスクリーニングした。1つの陽性クローンのDNAを、pUC118 ベクターにサブクローニングした。A.ニガーのpyrG変異株に対する補完から、で きたプラスミドpSO2に、前記pyrG遺伝子が含まれることが示めされた。 「pyrGプラスミドpJaL335の作成」 A.オリゼのpyrGコード配列の5'末端の上流479ヌクレオチドに位置する431bp断 片を、次の2つのプライマーを用いてPCRで増幅した。 プライマーA:5'−GGAGGAAGATCTCTCTGGTACTCTTCGATCTC-3'(配列番号4) プライマーB:5'-GGAGGAGAATTCAAGCTTCTTCTACATCACAGTTTGAAAGC-3'(配列番号 5) 下線領域は、A.オリゼのpyrG遺伝子の5'領域に存在する配列を示 す。各プライマーの5'末端部分に制限部位を挿入した。プライマーAは、BgIII部 位を、プライマーBは、HindIII制限部位の隣にEcoRI部位を含む。 PCR反応の鋳型として、プラスミドpSO2を用いた。反応条件は、反応緩衝液100 μl(50mM KCl,10mM Tris-HCl,pH8.0,1.5mM MgCl2)中に、Taqポリメラーゼ2.5 単位、pSO2 1O00ng、各dNTP 250nM、前記各プライマー10pmolが含まれた。 増幅反応は、Perkin-Elmer Centus DNA Thermal 480を用いて、94℃3分間反 応後、94℃1分間、55℃30秒間、72℃1分間を1サイクルとして、25サイクル行 った。このPCRによって、長さ430bpの単一DNA断片が生成した。この断片をBgIII およびEcoRIによって切断した後、ゲル電気泳動で分離し、精製し、プラスミドp SO2のBgIII/EcoRI部位にクローン化して、プラスミドpJaL335を作成した。従っ て、pJaL335は、2つの431bp断片に挟まれたpyrG遺伝子を有する。図1は、pJaL 335の作成工程を示す。 「pyrG欠損プラスミドpSO5の作成」 プラスミドpSO2をNheIで切断し、pyrG遺伝子の約1.1kbのコード配列を除去し た後に、再連結して、pyrG欠損プラスミドpSO5を作成した。これには、pyrG遺伝 子の5'側および3'側の各1kbのフランキング配列が残っている。図2に、この作 成を示す。 「A.オリゼのpyrG-株HowB101の作成」 pSO5から得た、A.オリゼのpyrG遺伝子の5'側および3'側フランキング配列を含 む2.2kbHindIII断片によって、A.オリゼIFO4177を形質転換した。pyrG変異体を 選択するために、5-フルオロオロト酸耐性の表現型によって、形質転換体を選択 した。サザン分析によって、1個の変異体HowB101が、A.オリゼのpyrGの遺伝子 座に期待された欠損を有することが分かった。HowB101はウリジン依存性であ るので、野生型pyrG遺伝子によって形質転換された株を、ウリジン非存在下の生 育能によって選択することができる。 「alp遺伝子欠損プラスミドpJaL212の作成」 Sau3Aで部分切断したA.オリゼIFO4177のDNAから、ゲノムDNAライブラリーを作 成した。これらの断片を、BamHIで切断したpUC19に連結した。A.オリゼのアルカ リ性プロテアーゼの既知のタンパク質配列断片に相補的な縮重オリゴヌクレオチ ドプローブによって、このライブラリーをスクリーニングした。この結果、3.9k bのSau3A断片を含んだプラスミドpSRe403が得られた。 pSRe403をSacIIで切断してから、再連結することによって、alp遺伝子の約1k b断片が除かれたプラスミドができた。これをpSRe403ΔSacIIとした。 pSRe403ΔSacIIを、HindIIIによって部分的に切断し、この末端を、クレノー ポリメラーゼによって平滑化した。その後、これを再連結し、pUC19配列内のHin dIII部位を除いた。できたプラスミドをpJaL173とした。 pSO2をHindIIIで切断し、pyrG遺伝子を含んだ3.8kb断片を得た。この断片を、 pJaL173のHindIII部位に挿入して、プラスミドpJaL212を作った。このプラスミ ドでは、pyrG遺伝子HindIII断片が、その上流および下流で、各々、alp遺伝子の 5'および3'配列に挟まれている。 「A.オリゼのalp-株JaL125の作成」 pJaL212から得た6.8kbのSacI/SphI断片によって、標準的方法で、HowB101を形 質転換した。この断片は、alpのプロモーター1.5kb、pyrG遺伝子、およびalp遺 伝子の3'ターミネーター1.5kbから成る。この形質転換体を、ウリジン非存在下 の生育能によって選択した。 pJaL173から得た、alp遺伝子部分を含む599bpのPstI/SacII断片を放射性標識 し、これをプローブとしてサザンブロットを行い、これらの形質転換体を分析し た。野生型では1.0kbのPstIバンドが、alp遺伝子の欠損を有する株では、1.9kb にシフトすることによって、形質転換体を選択した。この様な形質転換体が4個 同定され、この内の1個をJaL125とした。 「A.オリゼのNpI遺伝子のクローニング」 SuperCosl Cosmid Vector Kit(Stratagene,Inc.,La Jolla,CA,USA)を用いて、 その説明書どおりに、A.オリゼのコスミドライブラリーを作成した。 A.オリゼIFO4177のゲノムDNAを、標準的な方法によって単離したプロトプラス トから調製した(Christensen,T.,et al.,1988,Biotechnology6:1419-1422)。単 離した後に、Labufuge T(Heto)によって、2500rpmで5分間遠心し、そのプロト プラストを沈殿させた。このペレットを、緩衝液(10mM NaCl,20mM Tris-HCl,pH 8.0,1mM EDTA)中に縣濁し、これを100μg/mlプロテアーゼKおよび0.5% SDSで 処理した。DNA調製のためのこの工程および次の全ての工程は、SuperCosl Cosmi d Vector Kitの推奨方法に従って行った。 CHEFのゲル装置(BioRad,Hercules,CA,USA)を用いて電気泳動を行い、ゲノムDN Aのサイズを分析した。簡単には、1%アガロースゲルを用いて、20時間、200ボ ルト、10-50秒パルスの条件で行った。ゲルをエチジンブロマイド染色し、紫外 線照射下に写真撮影したところ、長さが50から100kb以上の範囲のDNAが認められ た。このDNAを、Sau3Aで部分切断した。得られたDNA断片のサイズは、CHEFゲル 分析から、20から50kbまでの範囲であった。 塩化セシウム勾配中で形成されたバンドから、SuperCoslベクターを調製し、 連結し、前記キットの方法に従ってパッケジングした 。このライブラリーの力価を決定した後に、1回の連結およびパッケジングから 得たパッケジング混合液全部を、前記キットの宿主細胞XLI-BlueMRにトランスフ ェクションした。これを、50μg/mlのアンピシリンを含んだLBプレートにまい た。約3800個のコロニーが得られた。10個のコロニーから調製したコスミドを分 析したところ、その全てに、期待されたサイズの挿入配列が認められた。コロニ ーを個別に取り上げ、ウエルあたり100μlのLB(100μg/mlのアンピシリン含有 )が入った96ウエルのマイクロタイタプレートに接種して、これを37℃で一晩培 養した。50%グリセロール100μlを各ウエルに加え、全ライブラリーを−80℃ で凍結した。全部で3822個のコロニーを保存した。これは、A.オリゼのゲノムが 約4.4倍増幅されたことになる。 「フサリウム・オキシスポラムのp45メタロプロテアーゼのプローブの調製」 WO95/30757(Novo Nordisk Bioteck,Inc.,published16 November 1995)に開示 された通りに、フサリウム・オキシスポラムのp45メタロプロテアーゼ遺伝子を クローニングした。 cDNAライブラリーから選択された1つのクローンを、pDM115とした。pDM115は 、F.オキシスポラムのp45遺伝子部分をコードする1.76kbのcDNA断片を含み、こ のプラスミドからプローブを調製した。このプラスミドをSalIで切断し、この断 片を1%アガロースゲルで分離した。注目した1.5kbバンドから、DNA断片を抽出 した。この断片を、ランダムプライマーを用いて32P-dATPで標識し、これを、サ ザン分析およびA.オリゼコスミドライブラリーのスクリーニングのために、プロ ーブとして用いた。 「A.オリゼライブラリーのスクリーニング」 F.オキシスポラムのp45プローブによって、A.オリゼコスミドラ イブラリーをスクリーニングするために、このライブラリーの個別の凍結コロニ ーを、LBプレート(100μg/mlのアンピシリン含有)上に、96ウエルプレート用 の6列8ピンの器具を用いて接種した。ライブラリーの全コロニーを含む全プレ ートを、37℃で一晩培養した。プレートの大きさに切った滅菌濾紙(Whatman 540 )をコロニー上にのせ、さらに2時間37℃で培養した。次の日、その濾紙を、0.5 MNaOHで5分間2回、次に0.5M Tris-HCl(pH.4)で5分間2回、最後に2x SSCで5 分間2回、洗浄した。この濾紙をエタノールにつけ、空気中で乾燥させた。 pDM115から得た1.5kbの32P標識DNA断片を用いて、この濾紙をハイブリダイズ した。ハイブリダイゼーション緩衝液(10x Denhart's soluton,5x SSC,0.02M EDTA,1% SDS,0.15mg/ml polyA-RNA & 0.05mg/ml yeast RNA)中で、65℃16時間 ハイブリダイゼーションを行った。ハイブリダイゼーション後に、この濾紙を、 2x SSC,0.1%SDS、65℃で2回洗浄し、そしてX-線フィルムに感光した。3個のコ ロニーが、本プローブにハイブリダイズした(3E8,3C1,2A5)。 「前記コスミドクローンの特性」 制限酵素解析から、前記3個のコスミドクローン中2個3E8および3C1には、A. オリゼのゲノムの同一領域に由来する挿入配列が含まれていた。コスミドDNA 3 μgをEcoRIで切断し、アガロースゲル電気泳動で分画した。そのDNAを、Immobi lon-N膜フィルター(Millipore)に転写し、放射性標識したpDM115プローブを用い てハイブリダイズした。その結果、両コスミドクローンにおいて、4kbのEcoRI 断片がハイブリダイズした。この4kbのEcoRI断片をさらに解析した。 「NpI欠損プラスミドpJaL399の作成」 EP531 372に開示されているプラスミドpToC65を、SacIで切断し、5'末端のリ ン酸基を除くために細菌性アルカリホスファターゼ(Boehringer Mannheim)で処 理し、フェノール抽出し、そして沈殿した。コスミドクローン3E8から得たA.オ リゼのNpI遺伝子を含んだ5.5kbのSacI断片を、ゲル電気泳動で単離し、精製した 。前記の2つの断片を混合して、連結した。これによって大腸菌を形質転換した 後に、調製したプラスミドの制限酵素解析を行い、適切なプラスミドを有する大 腸菌コロニーを同定した。得られたプラスミドをpJaL389とした。このサブクロ ーン部分のDNA配列解析から、A.オリゼのNpい遺伝子のコード領域の存在を確認 した。 プラスミドpJaL389をBaIIで切断して、NpI遺伝子内部の1.1kb断片を除いた。 残りの7.1kb断片をクレノーポリメラーゼ処理して、末端を平滑化し、ゲル電気 泳動で分離し、精製した。次に、このDNA断片を、細菌性アルカリホスファター ゼ処理し、フェノール抽出し、そして沈殿した。プラスミドpJaL335をHindIIIで 切断して、A.オリゼのpyrG遺伝子を含んだ3.5kb断片を得た。前記の2つの断片 を混合して、連結した。これによって大腸菌を形質転換した後に、調製したプラ スミドの制限酵素解析を行い、適切なプラスミドを有する大腸菌コロニーを同定 した。図4に、このプラスミドpJaL399の作成を示す。 従って、プラスミドpJaL399は、pToC65ベクター内のNpI遺伝子内部の1.1kbのB aII断片を、A.オリゼのpyrG遺伝子をコードする3.5kbDNA断片で置換したもので ある。 「A.オリゼのpyrG-株JaL151の単離」 A.オリゼのalp-株JaL125をスクリーニングして、自発的に5-フルオロオロト酸 耐性になったpyrG変異株を同定した。この1つの株JaL151が、alp-およびpyrG- であることを確認した。HowB101同 様に、JaL151は、ウリジン依存性であるので、野生型pyrG遺伝子によって形質転 換された株を、ウリジン非存在下の生育能によって選択することができる。 「A.オリゼのNpI-株JaL228の作成」 標準的な方法で、pJaL399の7.9kbのSacI断片によって、JaL151を形質転換した 。この形質転換体を、ウリジン非存在下の生育能によって選択した。再度選択し てから、その12個の形質転換体から、染色体DNAを調製した。pJaL389から得た、 NpI遺伝子を含む5.5kbのSacI断片を32P標識したものをプローブとして、各形質 転換体のDNAをBaIIで切断したものをサザンブロットで分析した。ハイブリダイ ゼーション後に、1.1kbのBgII断片のバンドが表れないこと(NpI遺伝子の破壊を 意味する)、および5'および3'フランキング配列の移動度が変化することによっ て、目的の株を同定した。これらの形質転換体の中の1つの株を、JaL228とした 。 実施例2 「C.アンタークチカのリパーゼBのクローニング」 カンジダ・アンタークチカのゲノムをSau3Aで部分切断し、pBR322を用いてゲ ノムライブラリーを調製した。CLB(C.antarctica lipase B)のN末端アミノ酸配 列から設計した2つのオリゴヌクレオチドプローブ、NOR929(配列番号4)およ びNOR930(配列番号5)によって、複製フィルターをスクリーニングした(図5 )。8個のコロニーが同定された。プラスミド解析から、挿入配列の重複が認め られた。7.8kbの挿入配列を含んだプラスミドpMT1303を、さらに解析した。そこ からSalI断片を除いて、2.1kbの挿入配列を有するプラスミドpMT1305を作成した (図6)。NOR929をプライマーとしてpMT1305の配列を決定し、CLBがコードされ ていることを確認した。Promega Erase-a-Base system(Promega Corp.,Madison WI,USA )を用いて、pMT1305から連続的な欠失配列を作成し、両ストランドの全長の遺 伝子配列を決定した。配列番号6に、そのコード配列を示す。 「部分的CLBを含むプラスミドpMT1329の作成」 pMT1305から、CLBのN末端配列をコードする788bpのSalI/HindIII断片を単離し た。この断片から、2つの小断片170bpのHindIII/BanI断片および204bpのBani/S au3A断片(Sau3A末端は平滑化した)を単離した。これらの2つの断片を、EcoRV /HindIIIで切断したプラスミドpIC19Rにクローン化した。これによって、CLBの 開始コドンの9bp隣の位置において、平滑化したSau3AとEcoRVが連結して、BglI 部位になった。このプラスミドをpMT1329とした(図7)。 「部分的CLBを含むプラスミドpMT1332の作成」 pMT1305から、CLBのC末端配列をコードする670bpのHindIII/XmnI断片を単離 し、HindIII/NruIで切断したプラスミドpIC7にクローン化した。これをpMT1330 とした。pMT1329からの3.0kbのHindIII/NarI断片、およびpMT1330からの0.7kbの HindIII/ClaI断片を連結して、CLBの完全な遺伝子を形成させたプラスミドpMT13 32を作成した(図8)。 「CLB発現プラスミドpMT1335の作成」 発現ベクターpToC68を用いて、アスペルギラス属において、clb遺伝子を発現 させた。pMT1332からの1kbのBclI/BglII断片を、BamHIで切断したpToC68に挿入 して、pMT1335を作成した(図9)。真菌においてC.アンタークチカのリパーゼB を発現させるためのベクターとして、プラスミドpMT1335を作成した。 「A.オリゼ株における、C.アンタークチカのリパーゼBの発現」 pMT1335およびpToC90の2個のプラスミドによって、A.オリゼ株 IFO4177およびJaL228を各々同時形質転換した。 10mMアセトアミド含有の最小培地中での増殖能によって、形質転換体を選択し 、さらにCLBの生産能によって、pMT1335を含んだ形質転換体を選択した。A.オリ ゼの野生株IFO4177およびalp-,NpI-株JaL228の形質転換体から各々1個を選択し 、93時間タンク発酵させた。分生子を、1.2Lの20%マルトース液と8%尿素の混 合液を含んだKeiler発酵槽(2L)に接種した。20%マルトース液と8%尿素の混合 液を連続的に供給した。pHを7に維持するために必要なリン酸を追加した。 以下の表1で、JaL228におけるCLB活性の収量と、IFO4177における収量とを比 較した。ここで1リパーゼ単位(LU)は、pH7.0、30℃の条件下で、トリブチリン から1分間に1μmolのブチル酸を遊離させるために必要な酵素量と定義する 。この表から、JaL228での生産量は、IFO4177の生産量より1.8倍多いことがわか り、alp遺伝子およびNpI遺伝子を欠失させると、これらのプロテアーゼ活性で切 断されやすいタンパク質の安定性を有意に向上させることができることが証明さ れた。 表1 93時間タンク発酵後の、IFO4177およびJaL228によるCLB生産量
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成10年10月16日(1998.10.16) 【補正内容】 請求の範囲 1.異種性タンパク質生産物の発現に有用な糸状真菌細胞であって、配列番号 1の配列、またはこれに少なくとも70%同一なDNA配列、あるいは配列番号2の 配列、またはこれに少なくとも70%同一なDNA配列によってコードされている内 在性メタロプロテアーゼ、および、配列番号3の配列、またはこれに少なくとも 70%同一なDNA配列によってコードされている内在性アルカリ性プロテアーゼが 、機能的に不活性化されるか、または低下したレベルで発現される様に、組換え DNA技術によって修飾されている前記細胞。 2.前記細胞が、アクレモニウム(Acremonium)、アスペルギルス(Aspergillu s)、カンジダ(Candida)、コクリオボラス(Cocliobolus)、エンドシア(Endothia )、フサリウム(Fusarium)、ヒュミコラ(Humicola)、ニューロスポラ(Neurospora )、リゾムコール(Rhizomucor)、リゾプス(Rhizopus)、サーモミセス(Thermomyce s)、トリコデルマ(Trichoderma)、ポドスポラ(Podospora)、ピリクラリア(Pyric ularia)、およびペニシリウム(Penicillium)属の群中から選択される菌株である 、請求項1の糸状真菌細胞。 3.前記菌株が、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、ア スペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・フェニキス( Aspergillus phoenicis)、アスペルギルス・ジャポニカス(Aspergillus japonic us)、アスペルギルス・フィータス(Aspergillus foetus)、フサリウム・オキシ スポラム(Fusarium oxysporum)、フサリウム・ソラニ(Fusarium solani)、ヒュ ミコラ・グリセア(Humicola grisea)、ニューロスポラ・クラサ(Neurospora cra ssa)、ペニシリウム・クリソゲナム(Penicillium chrysogenum)、リゾムコール .メイヘイ(Rhizomucor meihei)、 トリコデルマ・レセイ(Trichoderma reesei)、およびトリコデルマ・ビリデ(Tri choderma viride)の群中から選択される、請求項2の細胞。 4.前記菌株が、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae),アスペルギ ルス・ニガー(Aspergillus niger)およびATCC20334で同定されるフサリウム属の 種の群中から選択される、請求項2の細胞。 5.前記メタロプロテアーゼが、フサリウム属のメタロプロテアーゼである、 請求項1の細胞。 6.前記メタロプロテアーゼが、フサリウム・オキシスポラムのメタロプロテ アーゼである、請求項5の細胞。 7.前記メタロプロテアーゼが、配列番号1のヌクレオチド配列、またはこれ に少なくとも70%同一なDNA配列を有する、請求項5または6の細胞。 8.前記メタロプロテアーゼが、pH約6-8の範囲内で、至適タンパク質分解活 性を示す中性メタロプロテアーゼである、請求項5-7の任意の1項の細胞。 9.前記メタロプロテアーゼが、アスペルギルス属のNpIまたはNpII類の中性 メタロプロテアーゼである、請求項8の細胞。 10.前記メタロプロテアーゼが、配列番号2のヌクレオチド配列、またはこれ に少なくとも70%同一なDNA配列に由来するアミノ酸配列を有するアスペルギル ス・オリゼの中性メタロプロテアーゼIである、請求項9の細胞。 11.前記アルカリ性プロテアーゼが、アスペルギルス属のアルカリ性プロテア ーゼである、請求項1の細胞。 12.前記アルカリ性プロテアーゼが、配列番号3のヌクレオチド配列、または これに少なくとも70%同一なDNA配列を含んでいるcD NA配列によってコードされている、請求項11の細胞。 13.前記メタロプロテアーゼをコードする配列またはその制御配列、および前 記アルカリ性プロテアーゼをコードする配列またはその制御配列内において、組 換えDNA技術によって遺伝的に修飾されている、請求項1-12の任意の1項の細胞 。 14.前記技術が、特異的またはランダム突然変異、PCRによる突然変異、部位 特異的DNAの欠失、挿入および/または置換、遺伝子破壊または遺伝子置換、ア ンチセンス法、あるいはこれらの組み合わせである、請求項13の細胞。 15.メタロプロテアーゼのレベルが、約50%より大きく、好ましくは約85%よ り大きく、好ましくは約90%より大きく、最も好ましくは約95%より大きく低下 している、請求項1-14の任意の1項の細胞。 16.アルカリ性プロテアーゼ活性のレベルが、約50%より大きく、好ましくは 約85%より大きく、好ましくは約90%より大きく、最も好ましくは約95%より大 きく低下している、請求項1-15の任意の1項の細胞。 17.メタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼ活性の低下が、請求項 15または16に示された低下の任意の組み合わせである、請求項1-14の任意の1項 の細胞。 18.前記細胞が、本質的に任意のメタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテ アーゼ活性を含まない、請求項1-17の任意の1項の細胞。 19.メタロプロテアーゼ活性およびアルカリ性プロテアーゼ活性の発現を低下 させるか、または除く様に、前記細胞を組換えDNA技術によって遺伝的に修飾す る、請求項1-18の任意の1項の細胞を生産する方法。 20.前記メタロプロテアーゼをコードする配列またはその制御配列、および前 記アルカリ性プロテアーゼをコードする配列またはその制御配列内において、前 記細胞を、組換えDNA技術によって遺伝的に修飾する、請求項19の方法。 21.請求項1-18の任意の1項の細胞において、異種性タンパク質生産物を生産 する方法であって、 (a)前記タンパク質生産物をコードする核酸配列を、前記細胞内に導入する工 程; (b)適当な増殖培地中で、工程(a)の細胞を培養する工程; (c)前記タンパク質生産物を単離する工程; を含んでいる前記方法。 22.前記タンパク質生産物が、治療活性のある遺伝子産物、例えばインスリン 、成長ホルモン、グルカゴン、ソマトスタチン、インターフェロン、EPO、TPO、 PDGF、第VII因子、第VIII因子、ウロキナーゼ、キモシンまたは組織プラスミノ ーゲンアクチベーターまたは血清アルブミンである、請求項21の方法。 23.前記タンパク質生産物が、真菌由来のタンパク質である、請求項21の方法 。 24.前記タンパク質生産物が、真菌の酵素、特にデンプン分解酵素、例えばα アミラーゼ、βアミラーゼ、グルコアミラーゼ、βガラクトシダーゼ、セルロー ス分解酵素、脂質分解酵素、キシラン分解酵素、タンパク質分解酵素、酸化還元 酵素、例えばペルオキシダーゼまたはラッカーゼ、ペクチナーゼ、あるいはクチ ナーゼである、請求項23の方法。 25.前記タンパク質生産物が、細菌由来のタンパク質である、請求項21の方法 。 26.前記タンパク質生産物が、前駆体タンパク質、すなわちチモ ーゲン、ハイブリッドタンパク質、プロ配列またはプレプロ配列として得られる タンパク質、あるいは任意の他の未成熟な型のタンパク質である、請求項21-25 の任意の1項の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.異種性タンパク質生産物の発現に有用な宿主細胞であって、親細胞に比べ て、メタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼ活性が有意に低下して発 現する様に遺伝的修飾を受けた前記細胞。 2.前記細胞が真菌細胞である、請求項1の宿主細胞。 3.前記細胞が酵母細胞である、請求項1の宿主細胞。 4.前記細胞が、サッカロミセス属の菌株、好ましくはサッカロミセス・セレ ビシエ(Saccharomyces cerevisiae)である、請求項3の宿主細胞。 5.前記細胞が糸状真菌である、請求項2の宿主細胞。 6.前記細胞が、アクレモニウム(Acremonium)、アスペルギルス(Aspergillu s)、カンジダ(Candida)、コクリオボラス(Cocliobolus)、エンドシア(Endothia )、フサリウム(Fusariu・)、ヒュミコラ(Humicola)、ニューロスポラ(Neurosp ora)、リゾムコール(Rhizomucor)、リゾプス(Rhizopus)、サーモミセス(Thermom yces)、トリコデルマ(Trichoderma)、ポドスポラ(Podospora)、ピリクラリア(Py ricularia)、およびペニシリウム(Penicillium)属の群中から選択される菌株で ある、請求項5の宿主細胞。 7.前記細胞が、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、ア スペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・フェニキス( Aspergillus phoenicis)、アスペルギルス・ジャポニカス(Aspergillus japonic us)、アスペルギルス・フィータス(Aspergillus foetus)、フサリウム・オキシ スポラム(Fusarium oxysporum)、フサリウム・ソラニ(Fusarium solani)、ヒュ ミコラ・グリセア(Humicola grisea)、ニューロスポラ・クラサ (Neurospora crassa)、ペニシリウム・クリソゲナム(Penicilliumchrysogenum )、リゾムコール・メイヘイ(Rhizomucor meihei)、トリコデルマ・レセイ(Trich oderma reesei)、およびトリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)の群中から 選択される菌株である、請求項6の宿主細胞。 8.前記細胞が、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae),アスペルギ ルス・ニガー(Aspergillus niger)およびATCC20334で同定されるフサリウム属の 種の群中から選択される菌株である、請求項6の宿主細胞。 9.前記メタロプロテアーゼが、フサリウム属のメタロプロテアーゼである、 請求項1−8の任意の1項の宿主細胞。 10.前記メタロプロテアーゼが、フサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxys porum)のp45メタロプロテアーゼである、請求項9の宿主細胞。 11.前記メタロプロテアーゼが、配列番号1の核酸配列、またはこれに相同な 配列を有するフサリウム・オキシスポラムのp45メタロプロテアーゼである、請 求項10の宿主細胞。 12.前記メタロプロテアーゼが、pH約6-8の範囲内で、至適タンパク質分解活 性を示す中性メタロプロテアーゼである、請求項1-11の任意の1項の宿主細胞。 13.前記メタロプロテアーゼが、アスペルギルス属のNpIまたはNpII類の中性 メタロプロテアーゼである、請求項12の宿主細胞。 14.前記メタロプロテアーゼが、アスペルギルス・オリゼの中性メタロプロテ アーゼI、好ましくは配列番号2の核酸配列またはこれの相同配列に由来するア ミノ酸配列を有するものである、請求項13の宿主細胞。 15.前記アルカリ性プロテアーゼが、アスペルギルス属のアルカ リ性プロテアーゼである、請求項1-14の任意の1項の宿主細胞。 16.前記アルカリ性プロテアーゼが、好ましくは、配列番号3の核酸配列また はこれの相同配列を含むcDNA配列によってコードされているものである、請求項 15の宿主細胞。 17.前記細胞が、前記メタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼ遺伝 子内にコードされている構造領域および制御領域において遺伝的に修飾される、 請求項1-16の任意の1項の宿主細胞。 18.前記細胞が、特異的またはランダム突然変異、PCRによる突然変異、部位 特異的DNAの欠失、挿入および/または置換、遺伝子破壊または遺伝子置換、ア ンチセンス法、あるいはこれらの組み合わせによって、遺伝的に修飾される、請 求項17の宿主細胞。 19.メタロプロテアーゼのレベルが、約50%より大きく、好ましくは約85%よ り大きく、好ましくは約90%より大きく、最も好ましくは約95%より大きく低下 する、請求項1-18の任意の1項の宿主細胞。 20.アルカリ性プロテアーゼ活性のレベルが、約50%より大きく、好ましくは 約85%より大きく、好ましくは約90%より大きく、最も好ましくは約95%より大 きく低下する、請求項1-18の任意の1項の宿主細胞。 21.メタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼ活性の低下が、請求項 19または20に示された低下の任意の組み合わせである、請求項1-18の任意の1項 の宿主細胞。 22.前記細胞が、本質的に任意のメタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテ アーゼ活性を含まない、請求項1-21の任意の1項の宿主細胞。 23.親細胞に比べて、メタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼ活性 が有意に低下して発現する様に、親細胞を修飾するこ とを含む、請求項1-22の任意の1項の宿主細胞を生産する方法。 24.前記細胞が、前記メタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼ遺伝 子内にコードされている構造領域および/または制御領域において遺伝的に修飾 されることを含む、請求項1-22の任意の1項の宿主細胞を生産する方法。 25.請求項1-22の任意の1項の宿主細胞において、異種性タンパク質生産物を 生産する方法であって、 (a)前記タンパク質生産物をコードする核酸配列を、前記細胞内に導入する工 程; (b)適当な増殖培地中で、工程(a)の宿主細胞を培養する工程; (c)前記異種性タンパク質生産物を単離する工程; を含んでいる前記方法。 26.前記タンパク質生産物が、治療活性のある遺伝子産物、例えばインスリン 、成長ホルモン、グルカゴン、ソマトスタチン、インターフエロン、EPO、TPO、 PDGF、第VII因子、第VIII因子、ウロキナーゼ、キモシンまたは組織プラスミノ ーゲンアクチベーターまたは血清アルブミンである、請求項25の方法。 27.前記タンパク質生産物が、真菌由来のタンパク質である、請求項25の方法 。 28.前記タンパク質生産物が、真菌の酵素、特にデンプン分解酵素、例えばα アミラーゼ、βアミラーゼ、グルコアミラーゼ、βガラクトシダーゼ、セルロー ス分解酵素、脂質分解酵素、キシラン分解酵素、タンパク質分解酵素、酸化還元 酵素、例えばペルオキシダーゼまたはラッカーゼ、ペクチナーゼ、あるいはクチ ナーゼである、請求項27の方法。 29.前記タンパク質生産物が、細菌のタンパク質である、請求項 25の方法。 30.前記タンパク質生産物が、前駆体タンパク質、すなわちチモーゲン、ハイ ブリッドタンパク質、プロ配列またはプレプロ配列として得られるタンパク質、 あるいは任意の他の未成熟な型のタンパク質である、請求項25-29の任意の1項 の方法。
JP51420398A 1996-09-19 1997-09-19 新規な宿主細胞およびタンパク質生産方法 Expired - Lifetime JP4091119B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DK1024/96 1996-09-19
DK102496 1996-09-19
PCT/DK1997/000397 WO1998012300A1 (en) 1996-09-19 1997-09-19 Novel host cells and methods of producing proteins

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001500381A true JP2001500381A (ja) 2001-01-16
JP4091119B2 JP4091119B2 (ja) 2008-05-28

Family

ID=8100132

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP51420398A Expired - Lifetime JP4091119B2 (ja) 1996-09-19 1997-09-19 新規な宿主細胞およびタンパク質生産方法

Country Status (10)

Country Link
US (1) US6352841B1 (ja)
EP (1) EP0956338B1 (ja)
JP (1) JP4091119B2 (ja)
CN (1) CN1262639C (ja)
AT (1) ATE313620T1 (ja)
AU (1) AU4200897A (ja)
DE (1) DE69734936T2 (ja)
DK (1) DK0956338T3 (ja)
ES (1) ES2256895T3 (ja)
WO (1) WO1998012300A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007015470A1 (ja) * 2005-08-03 2007-02-08 Asahi Glass Company, Limited 酵母宿主、形質転換体および異種タンパク質の製造方法
JP2009501014A (ja) * 2005-07-13 2009-01-15 ノボ ノルディスク ヘルス ケア アーゲー 治療用タンパク質生成のための宿主細胞タンパク質ノックアウト細胞
US7678570B2 (en) 2004-03-01 2010-03-16 Kitakyushu Foundation For The Advancement Of Industry, Science And Technology Human cell strains for protein production, provided by selecting strains with high intracellular protein and mutating with carcinogens

Families Citing this family (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4417550B2 (ja) 1997-12-22 2010-02-17 ノボザイムス アクティーゼルスカブ 糖質酸化酵素およびベーキングにおけるその使用
US6806062B1 (en) 1998-10-05 2004-10-19 Novozymes A/S Fungal transcriptional activator useful in methods for producing polypeptides
ATE332968T1 (de) 1998-10-26 2006-08-15 Novozymes As Erstellung und durchmusterung von interessierenden dna-banken in zellen von filamentösen pilzen
ES2317706T3 (es) * 1998-12-23 2009-04-16 Novozymes A/S Metodo para produicir polipeptidos en celulas mutantes de aspergillus.
CN102174535B (zh) 2000-03-14 2014-04-09 诺维信公司 在制备多肽的方法中有效的真菌转录激活因子
AU2001267333A1 (en) 2000-06-26 2002-01-08 Novozymes A/S Lipolytic enzyme
WO2002020730A2 (en) 2000-09-05 2002-03-14 Novozymes A/S Manganese lipoxygenase
US7063962B2 (en) 2001-07-20 2006-06-20 Novozymes A/S DNA sequences for regulating transcription
AU2003229461A1 (en) * 2002-05-24 2003-12-12 Universite Laval Transformed fungi for production of recombinant proteins
AU2003298577A1 (en) * 2002-09-10 2004-05-04 Genencor International, Inc. Induction of gene expression using a high concentration sugar mixture
PL1620551T3 (pl) 2003-04-28 2014-03-31 Novozymes As Fosfolipaza i sposób jej wytwarzania
CN1875098A (zh) 2003-10-30 2006-12-06 诺和酶股份有限公司 新家族的碳水化合物结合组件
GB0405659D0 (en) * 2004-03-12 2004-04-21 Horticulture Res Internat Altered expression in filamentous fungi
AU2005319073B2 (en) 2004-12-22 2011-03-17 Novozymes A/S Polypeptides having glucoamylase activity and polynucleotides encoding same
US7888489B2 (en) 2005-01-24 2011-02-15 Dsm Ip Assets B.V. Method for producing a compound of interest in a filamentous fungal cell
WO2007045248A1 (en) 2005-10-17 2007-04-26 Novozymes A/S Use of fungal mutants for expression of antibodies
EP2201110A1 (en) 2007-10-01 2010-06-30 Novozymes A/S Polypeptides having protease activity and polynucleotides encoding same
US8647856B2 (en) 2008-09-30 2014-02-11 Novozymes Inc. Methods for producing polypeptides in enzyme-deficient mutants of Fusarium venenatum
CA2768608A1 (en) 2009-07-22 2011-01-27 Dsm Ip Assets B.V. Improved host cell for the production of a compound of interest
BR122018077153B1 (pt) 2009-12-18 2020-10-27 Novozymes, Inc mutante de uma cepa de trichoderma reesei parental,e, métodos para produzir um polipeptídeo de interesse e para obter um mutante de uma cepa de trichoderma reesei parental
US9169487B2 (en) * 2010-06-17 2015-10-27 Kikkoman Corporation Method for producing a large region duplication of Aspergillus chromosome
US8759044B2 (en) 2011-03-23 2014-06-24 Butamax Advanced Biofuels Llc In situ expression of lipase for enzymatic production of alcohol esters during fermentation
US8765425B2 (en) 2011-03-23 2014-07-01 Butamax Advanced Biofuels Llc In situ expression of lipase for enzymatic production of alcohol esters during fermentation
BR112014016587A2 (pt) 2012-01-05 2020-10-27 Novartis Ag células fúngicas filamentosas deficientes de protease e métodos de uso das mesmas
JP6081245B2 (ja) * 2012-04-07 2017-02-15 キッコーマン株式会社 麹菌染色体における任意領域の重複転座の作製方法
EP2852610B1 (en) 2012-05-23 2018-07-11 Glykos Finland Oy Production of fucosylated glycoproteins
CA2916905A1 (en) 2013-07-10 2015-01-15 Novartis Ag Multiple proteases deficient filamentous fungal cells and methods of use thereof
SG11201700446XA (en) 2014-07-21 2017-02-27 Glykos Finland Oy Production of glycoproteins with mammalian-like n-glycans in filamentous fungi
AU2015366380B2 (en) 2014-12-19 2021-07-22 Novozymes A/S Compositions comprising polypeptides having xylanase activity and polypeptides having arabinofuranosidase activity
TW201702380A (zh) * 2015-02-27 2017-01-16 再生元醫藥公司 宿主細胞蛋白質修飾
JP6245299B2 (ja) * 2016-04-27 2017-12-13 バクスアルタ ゲーエムベーハー 組換え安定細胞クローン、その産生およびその使用

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5480794A (en) 1987-06-29 1996-01-02 Massachusetts Institute Of Technology And Metabolix, Inc. Overproduction and purification of soluble PHA synthase
GB8727772D0 (en) * 1987-11-27 1987-12-31 Celltech Ltd Host cells
US5179003A (en) * 1988-01-05 1993-01-12 Boehringer Mannheim Gmbh Process for the production of proteins or protein-containing gene products
CA1333777C (en) 1988-07-01 1995-01-03 Randy M. Berka Aspartic proteinase deficient filamentous fungi
CA2105064A1 (en) * 1991-04-01 1992-10-02 Martin Anthony Gleeson Genes which influence pichia proteolytic activity, and uses therefor
US5674728A (en) * 1993-11-03 1997-10-07 Novartis Corporation Aspergillus niger vacuolar aspartyl protease
US5589364A (en) 1994-07-29 1996-12-31 Magainin Pharmaceuticals Inc. Recombinant production of biologically active peptides and proteins
CN1225550C (zh) * 1995-03-20 2005-11-02 诺沃奇梅兹有限公司 表达降低水平的金属蛋白酶的宿主细胞和在蛋白质产生中使用该宿主细胞的方法
WO1997035956A1 (en) 1996-03-27 1997-10-02 Novo Nordisk A/S Alkaline protease deficient filamentous fungi

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7678570B2 (en) 2004-03-01 2010-03-16 Kitakyushu Foundation For The Advancement Of Industry, Science And Technology Human cell strains for protein production, provided by selecting strains with high intracellular protein and mutating with carcinogens
JP2009501014A (ja) * 2005-07-13 2009-01-15 ノボ ノルディスク ヘルス ケア アーゲー 治療用タンパク質生成のための宿主細胞タンパク質ノックアウト細胞
US8940504B2 (en) 2005-07-13 2015-01-27 Novo Nordisk Healthcare Ag Host cell protein knock-out cells for production of therapeutic proteins
WO2007015470A1 (ja) * 2005-08-03 2007-02-08 Asahi Glass Company, Limited 酵母宿主、形質転換体および異種タンパク質の製造方法
JP2010220626A (ja) * 2005-08-03 2010-10-07 Asahi Glass Co Ltd 酵母宿主、形質転換体および異種タンパク質の製造方法
US8329448B2 (en) 2005-08-03 2012-12-11 Asahi Glass Company, Limited Yeast host, transformant and method for producing heterologous proteins
JP5131457B2 (ja) * 2005-08-03 2013-01-30 旭硝子株式会社 酵母宿主、形質転換体および異種タンパク質の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
ES2256895T3 (es) 2006-07-16
ATE313620T1 (de) 2006-01-15
CN1230986A (zh) 1999-10-06
US6352841B1 (en) 2002-03-05
WO1998012300A1 (en) 1998-03-26
DE69734936T2 (de) 2006-08-24
DE69734936D1 (de) 2006-01-26
CN1262639C (zh) 2006-07-05
DK0956338T3 (da) 2006-05-08
AU4200897A (en) 1998-04-14
EP0956338B1 (en) 2005-12-21
EP0956338A1 (en) 1999-11-17
JP4091119B2 (ja) 2008-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4091119B2 (ja) 新規な宿主細胞およびタンパク質生産方法
EP0894126B1 (en) Alkaline protease deficient filamentous fungi
EP0770139B1 (en) A FUNGUS WHEREIN THE areA GENE HAS BEEN MODIFIED AND AN areA GENE FROM ASPERGILLUS ORYZAE
CA2063592C (en) Process for preparing a protein by a fungus transformed by multicopy integration of an expression vector
DK175460B1 (da) Fremgangsmåde til fremstilling af et pattedyrpolypeptid
JP2006204304A (ja) 低下したレベルのメタロプロテアーゼを発現する宿主細胞及びその細胞をタンパク質の生産に用いる方法
JP2007267752A (ja) areA,pepC及び/又はpepE遺伝子及びプロテアーゼ
EP1124949A1 (en) Constructing and screening a dna library of interest in filamentous fungal cells
CA2205411A1 (en) Lysophospholipase produced from aspergillus by recombinant methods
US5705358A (en) Process for producing/secreting a protein by a transformed mould using expression/secretion regulating regions derived from a aspergillus endoxylanase II gene
Zheng et al. Construction of a low-serine-type-carboxypeptidase-producing mutant of Aspergillus oryzae by the expression of antisense RNA and its use as a host for heterologous protein secretion
EP3384002A1 (en) Method of producing proteins in filamentous fungi with decreased clr2 activity
Cardoza et al. Expression of a synthetic copy of the bovine chymosin gene in Aspergillus awamori from constitutive and pH‐regulated promoters and secretion using two different pre‐pro sequences
JP2002536993A (ja) オキサロ酢酸ヒドロラーゼ欠陥真菌宿主細胞
JP2002536993A5 (ja)
JP2002515252A (ja) 糸状菌変異体細胞においてポリペプチドを生産するための方法
Ward Chymosin production in Aspergillus
AU782116B2 (en) Novel means of transformation of fungi and their use for heterologous protein production
JPH0823984A (ja) 発現系、組込みベクター及びその組込みベクターによって形質転換された細胞
EP1515986A1 (en) Improved method of producing an aspartic protease in a recombinant host organism
JP2000513223A (ja) 真菌中で発現される異種遺伝子中の陰性スプライス部位の変更

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040818

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070417

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070704

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070828

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080129

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080228

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110307

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110307

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120307

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130307

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130307

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140307

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term