JP2006204304A - 低下したレベルのメタロプロテアーゼを発現する宿主細胞及びその細胞をタンパク質の生産に用いる方法 - Google Patents

低下したレベルのメタロプロテアーゼを発現する宿主細胞及びその細胞をタンパク質の生産に用いる方法 Download PDF

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Abstract

【課題】新規な宿主細胞及びタンパク質を生産する方法を提供する。
【解決手段】異種タンパク質の発現に有用な宿主細胞に関してその宿主細胞は有意に低下したレベルのメタロプロテアーゼを発現するために遺伝的に修飾される。さらに、真菌、細菌由来のインスリン、成長ホルモン、酵素、等の異種タンパク質を生産する方法に関し、その方法は適当な増殖培地中で前記宿主細胞を培養させ、続いて所望のタンパク質を回収することを含むものである。宿主細胞としては、サッカロミセス属の株、特にサッカロミセス・セレビシエを挙げることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は新規な宿主細胞及びタンパク質の生産方法に関する。より詳細には、本発明は異種タンパク質の発現に有用な宿主細胞に関し、その宿主細胞は有意に低下したレベルのメタロプロテアーゼを発現するために遺伝子的に修飾されている。さらに、本発明は異種タンパク質を生産する方法に関し、その方法は、適当な増殖培地中でその宿主細胞を培養し、続いて所望のタンパク質を回収することを含む。
異種タンパク質の発現における組換え宿主細胞の使用は最近、そうでなければ天然源からの精製によってのみ得ることができる、商業的に価値あるタンパク質の大量生産を非常に簡単にした。最近、そこから任意の与えられたタンパク質の産生について選択されるべき、真正細菌宿主及び真核宿主を包含する、様々な発現系の選択がある。適当な発現系の選択は、活性状態で十分な量のタンパク質を産生する宿主細胞の能力に依存するだけでなく、大部分はそのタンパク質の目的とする最終用途により左右されるだろう。
よく遭遇する1つの問題は、特定の宿主細胞中または培地中に産生される高レベルのタンパク質分解酵素である。特異的タンパク質分解化合物を産生する能力を剥奪された宿主生物体を供給することができることが示唆されてきた。たとえば、国際特許出願 WO 90/00192 号明細書は酵素的に活性なアスパルチンプロテイナーゼを排出することができる糸状菌宿主を記載し、ヨーロッパ特許第574347号明細書は、ズブチリシン型のセリンプロテアーゼを欠損するアスペルギルス属宿主を記載する。
メタロプロテアーゼは多数の真核源から単離されてきた。アスペルギルス属の株から単離された、中性メタロプロテアーゼ、すなわち、中性のpHで最適活性を有するメタロプロテアーゼも報告された。中性メタロプロテアーゼは、2つのグループ、すなわち、NpI及びNpIIに分類されてきた〔Sekine「Agric. Biol. Chem.」 36, p.207〜216(1972年)〕。最近、アスペルギルス・オリザエからの中性メタロプロテアーゼII cDNA のヌクレオチド配列が開示された〔 Tatsumi H, Murakami S, Tsuji R F, Ishida Y, Murakami K, Masaki A, Kawabe H, Arimura H, Nakano E及び Motai H「Mol. Gen. Genet.」 228, p.97〜103(1991年)〕。アスペルギルス・オリザエからの中性メタロプロテアーゼI cDNA のヌクレオチド配列は開示されたことがない。
メタロプロテアーゼは報告されたけれども、これらの生物体から得られた産物の安定性を低下させることに関するそれらの役割は報告されたことがない。
発明の概要
本発明により、いまや、驚くべきことにメタロプロテアーゼは細胞により得られた産物の安定性を有意に低下し得ることが見い出された。
したがって、本発明は異種タンパク質産物の発現について有用な宿主細胞を提供するものであり、前記細胞は、親細胞に比較して、有意に低下されたレベルのメタロプロテアーゼを発現するために遺伝子的に修飾されている。
他の面では、本発明は本発明の宿主細胞中で異種タンパク質産物を生産する方法を提供し、その方法は、宿主細胞にそのタンパク質をコードする核酸配列を導入し、その宿主細胞を増殖培地中で培養し、異種タンパク質産物を単離することを含む。
本発明の方法により、メタロプロテアーゼから生ずるタンパク質分解作用が有意に低下され、それにより、その方法により得られたタンパク質の安定性が改善される。さらに、本発明の方法により得られたタンパク質は、前駆体タンパク質、すなわち、チモーゲン、ハイブリッドタンパク質、プロ配列もしくはプレプロ配列として得られたまたは未成熟形のタンパク質で得ることができる。
発明の詳細な説明
宿主細胞
本発明は異種タンパク質の発現に有用な宿主細胞を提供し、その細胞は親細胞に比較した時、有意に低下したレベルのメタロプロテアーゼを発現させるために遺伝子的に修飾されている。
親細胞は前記宿主細胞の源である。それは野生型細胞でもよい。代りに、それは、メタロプロテアーゼレベルの減少の他に、他の面で遺伝子的に変更されていてもよい。
所望のタンパク質を産生するために、本発明の宿主細胞は明らかに所望の生成物の発現のために必要な構造遺伝子領域(すなわち、コードヌクレオチド配列を含んでいる領域)及び調節(すなわち、たとえば転写、翻訳及び終結に必要なヌクレオチドを含有している領域)遺伝子領域を保持しなくてはならない。上記構造及び調節領域の性質は、大きく当該産物及び宿主細胞に依存する。本発明の宿主細胞の遺伝子的設計は、宿主細胞の形質転換またはトランスフェクションについての標準的な組換え DNA技術を用いて、当業者により達成することができる〔たとえば、Sambrook他「Molecular Cloning 」Cold Spring Harbor, ニューヨーク, 1989年、参照〕。
好ましくは、宿主細胞は、所望の産物をコードする DNAを含む、適当なクローン化媒体、すなわち、プラスミドまたはベクターの導入のために当業界で公知の方法により修飾される。クローン化媒体は、自己複製プラスミドまたは染色体に組み込むかのいずれかにより宿主細胞に導入することができ、好ましくは、クローン化媒体は1つまたは複数の適当な調節領域に操作可能に連結している、1つまたは複数の構造領域を含む。
構造領域は所望の産物をコードするヌクレオチド配列を保持している領域である。調節領域は、転写及び翻訳調節配列を含むプロモーター領域、終結シグナルを含むターミネーター領域及びポリアデニル化領域を包含する。プロモーター、すなわち、選択された宿主細胞における転写活性を示すヌクレオチド配列は、細胞外または細胞内タンパク質、好ましくは酵素、たとえば、アミラーゼ、グルコアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、酸化還元酵素、ペクチナーゼ、クチナーゼまたは解糖酵素をコードする遺伝子から由来するものであることができる。真菌宿主細胞における転写のための適当なプロモーターの例は、アスペルギルス・オリザエのTAKA−アミラーゼ、アスペルギルス・ニガーの中性α−アミラーゼ、アスペルギルス・ニガーの酸安定性α−アミラーゼ、アスペルギルス・ニガーもしくはアスペルギルス・アワムシ(awamsii) のグルコアミラーゼ (gluA) 、アスペルギルス・ニガーのアセタミダーゼ、アスペルギルス・オリザエのアルカリ性プロテアーゼ、アスペルギルス・オリザエのトリオースホスファターゼ異性化酵素、リゾプス・メイヘイ(Rhizopus meihei) のアスパルチンプロテイナーゼ及びリゾプス・メイヘイのリパーゼから由来するプロモーターである。アスペルギルス・オリザエのTAKA−アミラーゼ及びアスペルギルス・アワムシのgluAプロモーターが好ましい。
クローン化媒体は、選択マーカー、たとえば、遺伝子、宿主細胞における欠損を相補する生成物または、抗生物質耐性、たとえばアンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコールもしくはテトラサイクリン耐性を与えるものも含んでよい。アスペルギルス属の選択マーカーの例はamdS, pyrG, argB, niaD及びsC、すなわちヒグロマイシン耐性を生ずるマーカーを包含する。アスペルギルス属宿主細胞中で用いるのに好ましいものは、アスペルギルス・ニドラン (nidulans) またはアスペルギルス・オリザエのamdS及びpyrGマーカーである。よく用いられる哺乳類のマーカーはジヒドロフォレート還元酵素 (DHFR) 遺伝子である。さらに、選択は共形質転換により達成することができる。
本発明の DNA構築物、プロモーター、ターミネーター及び他の要素を、それぞれ結合するのに用いられる手順及びそれらを複製に必要な情報を含有する適当なクローン化媒体に挿入する手順は、当業者に周知である(たとえば、「Molecular Cloning 」Cold SpringHarbor, ニューヨーク, 1989年、参照)。
本発明の宿主細胞は、タンパク質の異種発現に用いられる、慣用のいずれの宿主細胞でもよい。
好ましくは、本発明の宿主細胞は、所望のタンパク質を産生することができる、酵母または糸状菌である。特に、酵母細胞は、サッカロミセス属の株、特にサッカロミセス・セレビシエであり得る。特に糸状菌は、アクレモニウム (Acremonium) 属、アスペルギルス属、カンジダ属、コクリオボルス(Cocliobolus) 属、エンドチア (Endothia) 属、フザリウム (Fusarium) 属、フミコーラ (Humicola) 属、ニューロスポラ (Neurospora) 属、リゾムコル (Rhizomucor) 属、リゾプス (Rhizopus) 属、サーモミセス(Thermomyces) 属、トリコデルマ(Trichoderma) 属、ポドスポラ(Podospora) 属、ピリクラリア(Pyricularia) 属またはペニシリウム属からなる群から選択された菌株であり得る。
好ましい態様では糸状菌は、アスペルギルス・オリザエ、アスペルギルス・ニガー、アスペルギルス・ニドラン、アスペルギルス・アワモリ(awamori) 、アスペルギルス・フォエニシス(phoenicis)、アスペルギルス・ジャポニクス、アスペルギルス・フォエツス (foetus) 、フザリウム・グラミネアルム(graminearum) 、フザリウム・オキシスポルム(oxysporum) 、フザリウム・ソラニ (solani)、フミコーラ・グリセア (grisea) 、ニューロスポラ・クラッサ (crassa) 、ペニシリウム・クリソゲヌム (crysogenum) 、リゾムコル・メイヘイ、トリコデルマ・リーセイ (reesei) またはトリコデルマ・ビリデ (viride) からなる群から選択される菌株である。
産 物
所望の産物、すなわち、本発明の宿主細胞により発現された異種タンパク質は、いかなる真正細菌または真核のタンパク質であってもよい。
本明細書では「異種タンパク質産物」は、宿主細胞に対して本来のものでないタンパク質か、または本来の配列を変更するために修飾がなされた、本来のタンパク質、本来のタンパク質の発現に必要な本来の調節因子、たとえばプロモーター、リボソーム結合部位等の小細工、もしくは組換え DNA技術による宿主細胞の他の小細工の結果として発現が定量的に変更されている本来のタンパク質である。
メタロプロテアーゼの不存在のために、宿主細胞により発現された異種タンパク質は、前駆体タンパク質、すなわち、チモーゲン、ハイブリッドタンパク質、プロ配列もしくはプレ−プロ配列として得られたまたは未成熟型タンパク質であってもよい。好ましい態様では、前記産物は酵素である。
より特殊な態様では、前記タンパク質は真核酵素、たとえばインスリン、成長ホルモン、グルカゴン、ソマトスタチン、インターフェロン、PDGF、 VII因子、VIII因子、ウロキナーゼ、 EPO、キモシン、組織プラスミノーゲン活性化剤または血清アルブミンである。
他の好ましい態様では、前記生成物は、真菌、酵母または細菌起源の酵素である。
好ましい酵素は、グリコシダーゼ酵素、たとえば、アミラーゼ、特にα−アミラーゼ(EC 3.2.1.1) 、β−アミラーゼ(EC 3.2.1.2) 、グルカン1,4−α−グルコシダーゼ(EC 3.2.1.3) 、セルラーゼ(EC 3.2.1.4) 、エンド−1,3(4)−β−グルカナーゼ(EC 3.2.1.6) 、エンド−1,4−β−グルカナーゼ(EC 3.2.1.8)、ポリガラクトウロナーゼ(EC 3.2.1.15) 、α−グルコシダーゼ(EC 3.2.1.20) 、β−グルコシダーゼ(EC 3.2.1.21) 、α−ガラクトシダーゼ(EC 3.2.1.22) 、β−ガラクトシダーゼ(EC 3.2.1.23) 、キシラン−エンド−1,3−β−キシロシダーゼ(EC 3.2.1.32) 、エンド−1,3−β−グルカナーゼ(EC 3.2.1.39) 、エンド−1,3−α−グルカナーゼ(EC 3.2.1.59) 、エンド−1,2−β−グルカナーゼ(EC 3.2.1.71) 、エンド−1,6−β−グルカナーゼ(EC3.2.1.75) 、セルロース−1,4−β−セロビオシダーゼ(EC 3.2.1.91、セロビオヒドロラーゼとしても知られている)である。
他の好ましい態様では、酵素は脂肪分解酵素、特にリパーゼ、エステラーゼ、ホスホリパーゼまたはリゾホスホリパーゼである。
第3の好ましい態様では、酵素はフィターゼ、特に3−フィターゼ(EC 3.1.3.8) または6−フィターゼ(EC 3.1.3.26) である。
第4の好ましい態様では、酵素はタンパク質分解酵素である。
第5の好ましい態様では、酵素は酸化還元酵素、たとえば、ペルオキシダーゼもしくはラッカーゼ、ペクチナーゼまたはクチナーゼである。
好ましいハイブリッドポリペプチドはプロキモシン及びプロ−トリプシン様プロテアーゼである。
メタロプロテアーゼ
本発明の文脈では、メタロプロテアーゼは、ペプチド主鎖の加水分解に関係する触媒の亜鉛金属中心を含有するタンパク質分解酵素である。活性亜鉛中心はカルパインからこれらのプロテアーゼを区別し、それらの活性はカルシウムの存在に依存する。メタロプロテアーゼとしてのプロテアーゼの確認は亜鉛中心の除去により達成される、タンパク質分解活性の喪失である。亜鉛中心は1,10−フェナントロリン(1mM)で除去することができる。Zn2+(0.1〜100 μM) での滴定後、タンパク質分解活性は回復する。
好ましい態様では、本発明の文脈で期待されるメタロプロテアーゼはフザリウム属のメタロプロテアーゼ、好ましくはフザリウム・オキシスポルムのメタロプロテアーゼである。最も好ましい態様では、メタロプロテアーゼは配列番号2で示されるアミノ酸配列またはこれと相同の配列を有する、フザリウム・オキシスポルムp45のメタロプロテアーゼである。
他の好ましい態様では、本発明の文脈において期待されるメタロプロテアーゼは中性メタロプロテアーゼであって、それは、中性pH領域、すなわち約pH6〜8の範囲、好ましくは約pH 6.5〜7.5 の範囲、pH7付近で最適タンパク質分解活性を有するメタロプロテアーゼである。
より特定的には、本発明の文脈で期待されるメタロプロテアーゼは、NpIまたはNpIIのグループの中性のアスペルギルス属のメタロプロテアーゼである。
好ましい態様では、配列番号4として提示される部分ヌクレオチド配列またはこれと相同の配列を含むcDNAによりコードされる、アスペルギルス・オリザエの中性メタロプロテアーゼI(NpI)である。
相同性の程度は、第2の配列から第1の配列の誘導を示す2つの配列の間の同一性の程度として決定し得る。相同性は、コンピュータープログラムにより、公知の方法により、たとえば50塩基対の連続した配列を比較することによって、適切に決定し得る。本明細書の定義では、相同性cDNA配列によりコードされるタンパク質は当該配列と少なくとも70%の相同性、好ましくは80%より多い相同性、より好ましくは90%より多い相同性、最も好ましくは95%より多い相同性の程度を表わす。
メタロプロテアーゼをコードする遺伝子は、そのメタロプロテアーゼのすべてまたは部分をコードする核酸配列についてのハイブリダイズにより、たとえば、cDNA配列、たとえば、配列番号1及び配列番号4として提示されたヌクレオチド配列を基礎として、またはそのメタロプロテアーゼのアミノ酸配列を基礎として調製することができる、合成オリゴヌクレオチドプローブを用いることにより、標準的な技術に従って、スクリーニングすることにより同定できる〔たとえばSambrook他「Molecular Cloning 」Cold Spring Harbor, ニューヨーク, 1989年、参照〕。
遺伝子的修飾
メタロプロテアーゼの有意に低下したレベルを発現するために遺伝子的に修飾された、本発明の宿主細胞は、当業者に公知の標準的組換え DNA技術を用いて修飾できる。メタロプロテアーゼの産生の原因である遺伝子配列は、不活性化または完全に除去することができる。
特定の態様では、本発明の宿主細胞はメタロプロテアーゼをコードする構造または調節領域で遺伝子的に修飾されたものである。公知のまたは有用な技術は、限定するわけではないが、特異的またはランダム変異誘発、 PCR生成変異誘発、部位特異的 DNA欠失、挿入及び/もしくは置換、遺伝子破壊 (disruption) もしくは遺伝子置換技術、アンチセンス技術またはそれらの組合せを包含する。
変異誘発は適当な物理的または化学的変異誘発剤を用いて行なわれる。この目的に適切な物理的または化学的変異誘発剤の例は、紫外線(UV)照射、ヒドロキシルアミン、N−メチル−N′−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(MNNG) 、O−メチルヒドロキシルアミン、亜硝酸、メタンスルホン酸エチル(EMS) 、重亜硫酸ナトリウム、ギ酸及びヌクレオチド類似体を包含する。上記試薬を用いる時、変異誘発は、典型的には、変異誘発を行うのに適当な条件下、選択された変異誘発剤の存在下で変異誘発すべき細胞をインキュベートし、メタロプロテアーゼの有意に低下した産生を有する変異した細胞を選択することによって行なわれる。
修飾はメタロプロテアーゼをコードする配列またはそれらの転写もしくは翻訳に必要な調節要素における、1または複数のヌクレオチドの導入、置換もしくは除去によっても達成することができる。終結コドンの導入、出発コドンの除去またはオープンリーディングフレームの変更を生ずるように、ヌクレオチドをたとえば挿入または除去することができる。構造配列または調節要素の修飾または不活性化は、部位特異的変異誘発または PCR生成変異誘発により、当業界で公知の方法に従って達成できる。原則としては、修飾はインビボ、すなわち、メタロプロテアーゼ遺伝子を担持する細胞上で直接行うことができるけれども、現在、インビトロで修飾を行うことが好まれている。
選択した宿主細胞のメタロプロテアーゼ産生を不活性化または低下させる慣用の方法は遺伝子破壊の原理に基づく。この方法は、破壊することが望まれる内因性の遺伝子または遺伝子フラグメントに相当する DNA配列を用いることを含む。前記 DNA配列はインビトロで欠損のある遺伝子に変異され、宿主細胞に形質転換される。相同組換により、欠損のある遺伝子が内因性遺伝子または遺伝子フラグメントに置換する。メタロプロテアーゼをコードしている遺伝子が修飾されているか、または破壊されている形質転換体の選択のために用い得るマーカーをコードする、欠損のある遺伝子または遺伝子フラグメントが望ましいかもしれない。代りに、メタロプロテアーゼをコードしている配列、たとえば配列番号1及び配列番号4として提示されているヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を用いる確立されたアンチセンス技術を用いることによって、 DNA配列の修飾または不活性化を行うことができる。
遺伝子的修飾のため、本発明の宿主細胞は有意に低下したレベルのメタロプロテアーゼを発現する。好ましい態様では、宿主細胞により発現されたメタロプロテアーゼのレベルは約50%より多く、好ましくは約85%より多く、より好ましくは約90%より多く、最も好ましくは約95%より多く低下する。最も好ましい態様では、宿主細胞により発現された生成物は、本質的にメタロプロテアーゼ活性を欠く。
タンパク質の生産方法
他の面では、本発明はタンパク質(すなわち、ポリペプチド及び/またはタンパク質)を生産する方法を提供し、その方法は本発明の宿主細胞を適当な増殖培地中で培養し、続いて所望の生成物を回収することを含む。
本発明の方法により、メタロプロテアーゼのタンパク質分解作用は有意に低下し、それにより得られた産物の安定性を改良する。さらに、メタロプロテアーゼの不存在のため、宿主細胞により発現された異種タンパク質は、前駆体タンパク質、すなわちチモーゲン、ハイブリッドタンパク質、プロ配列もしくはプレ−プロ配列として得られた、または未成熟形のタンパク質として得られる。
培養に用いられるブロスまたは培地は、当該宿主細胞を増殖するのに適当ないかなる慣用の培地でもよく、先行技術の原則に従って構成することができる。培地は好ましくは炭素及び窒素源並びに他の無機塩を含有する。適当な培地、たとえば、最少培地または複合培地は商業的な供給者から入手できるか、または、出版された処方、たとえば「the American Type Culture Collection (ATCC) Catalogue of strains」に従って調製することができる。
培養後、タンパク質を慣用のタンパク質の単離及び精製方法により培養ブロスから回収する。周知の精製手順は、遠心またはろ過により培地から細胞を分離し、塩、たとえば硫酸アンモニウムにより培地のタンパク質成分を沈殿させること及びクロマトグラフ法、たとえば、イオン交換クロマトグラフ、ゲルろ過クロマトグラフ、アフィニティクロマトグラフ等を包含する。

本発明を請求された発明の範囲をいかなる風にも限定することを意図しない、次の例を参照してさらに説明する。
物質及び方法
菌 株
アスペルギルス・オリザエ IFO 4177は、発酵研究所、日本国大阪府大阪市淀川区十三本町2−17−25、から入手できる。
フザリウム・オキシスポルム DSM 2672は、特許手続のための微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約に従って、ドイツ サムルング フォン ミクロオーガニズメン ウント ツェルクルチュレン GmbH (DSM), ドイツ国, DE−3300 ブラウンシュベイヒ, マッシャーオデール ヴェク 1bに1983年6月6日に寄託された。
大腸菌 DH5α, Hanahan D 「J. Mol. Biol. 」166, p.557, 1983年。
遺伝子
NpI この遺伝子は中性メタロプロテアーゼIをコードする。
NpII この遺伝子は中性メタロプロテアーゼIIをコードする。
pyrG この遺伝子は、オロチジン−5′−ホスフェートデカルボキシラーゼ(ウリジンの生合成に包含される酵素)をコードする。
プラスミド
pUC118 Yanish-Perron 他「Gene」 33, p.103, 1985年。
pJaL389 コスミド 3E8からのこのプラスミドの構築は、例1に記載されている。
pSO2 このプラスミドの構築は例2に記載されている。
pJers4 pSO2のサブクローン。
pJaL335 pSO2からのこのプラスミドの構築は例2に記載されている。
pSO5 pSO2からのこのプラスミドの構築は例2に記載されている。
pJaL198 pJaL198 からのこのプラスミドの構築は例3に記載されている。
pJaL218 pJaL218 からのこのプラスミドの構築は例4に記載されている。
p3SR2 Kelly J M 及び Hynes M J「EMBO Journal」4, p.475〜479, 1985年。
pToC90 p3SR2 のサブクローン。
pToC56 このプラスミドの構築はヨーロッパ特許第 238,023号明細書に記載されている。
pToC65 このプラスミドの構築はヨーロッパ特許第 531,372号明細書に記載されている。
pCR(商標)II インビトロジェン・コーポレーション (Invitrogen Corporation, 米国, カリフォルニア州 サン・ディエゴ) から入手できる。
例 1
アスペルギルス・オリザエの中性メタロプロテアーゼI(NpI)のクローン化
アスペルギルス・オリザエのコスミドライブラリーの構築
ライブラリーを供給者 (Stratagene) の「SuperCos 1 Cosmid Vector Kit」からの指示に従って構築した。
アスペルギルス・オリザエ IFO 4177のゲノム DNAを標準的手順によりプロトプラストから調製した〔たとえば Christensen他「Biotechnology 」 6, p.1419〜1422, 1989年、参照〕。プロトプラストの単離後、これらをLabofuge (商標) T(Heto)中で 2500rpmで5分間の遠心によりペレット化し、ペレットをSuperCos 1 Cosmid Vector Kitからの手引書に記載のように、 DNA調製の残余のように、10mM NaCl、20mM Tris−塩酸(pH 8.0) 、1mM EDTA、 100μg/mlのProteinase (商標) K及び 0.5%の SDS中に懸濁した。
ゲノム DNAのサイズをバイオラド (Biorad) からのCHEF−ゲル装置を用いる電気泳動により分析した。1%のアガロースゲルを10〜50秒パルスを用いて 200ボルトで20時間通じた。ゲルを臭化エチジウムで染色し、写真をとった。その DNAのサイズは50〜100Kb であった。その DNAは Sau3Aにより部分的に制限された。制限された DNAのサイズは同じ方法で測定して、20〜50Kbであった。
連結反応とパッケージングとして、供給者の手引書に従って、CsClグラジエントバンド(banded) SuperCos 1ベクターを調製した。ライブラリーの滴定後、1つの連結反応及びパッケージングからのすべてのパッケージング混合物を宿主細胞 XL1−Blue MR 中にトランスフェクトし、50μg/mlアンピシリンLBプレート上に塗布した。約3800のコロニーが得られた。10コロニーからのコスミド調製物は、それらのすべてが予期されたサイズの挿入物を有していることを示した。コロニーを別々に採集し、 100μl LB(100μg/mlのアンピシリン) のミクロタイタープレートウェルに接種し、37℃で1晩インキュベートした。各ウェルに 100μlの50%グリセロールを加え、全ライブラリーを−80℃で凍結した。総計3822のコロニーを貯蔵した。これは約 4.4倍のアスペルギルス・オリザエのゲノムを表わす。
フザリウム・オキシスポルムp45メタロプロテアーゼ遺伝子のクローン化
精 製
フザリウム・オキシスポルム DSM 2672ブロスを 9000rpmで10分間遠心し、上清を0.45μmフィルターを通してろ過した。 200mlのろ液をAmiconセル(PM 10膜) 及びCentriprep−O (Amicon) 上で10mlまで濃縮する。5mlの濃縮物を 100mlに希釈し、酢酸でpHを5に調節し、次の緩衝液、すなわち、 0.1M ホウ酸塩、10mM DMG、2mM 塩化カルシウム(pH 5.2) 中で、0〜0.5 Mの塩化ナトリウムグラジエント中で、1ml Mono−Sカラム上に70分間流した。上記と同一の緩衝液中で、流量1ml/分で10分間の洗浄後、 1.5ml分画を捕集し、 Centricon−10 (Amicon) 上で濃縮した。
Superose−12(HR 10/30, Pharmacia)を用いるゲルろ過を 0.1M ホウ酸塩、10mM DMG、2mM CaCl2 (pH 6.5) 中で流量 0.4ml/分で行なう。 0.4ml分画を捕集する。この 200μlの試料を注入する。
タンパク質分解酵素アッセイ
25℃で、 0.1M TRIS、2mM CaCl2(pH7)(より低いpHでは、 100mM ホウ酸塩、10mM DMG、2mM CaCl2を用いる) 中での30〜60分間の予備インキュベーション後、メタロプロテアーゼ活性をフザリウム・オキシスポルム DSM 2672からのプロ−トリプシン様プロテアーゼからの遊離トリプシン活性として測定する。トリプシン活性をミクロタイタープレート中で測定し、 100μlの試料を 100μlの基質と混合し〔ストック:DMSO中の87mg/mlのL−BAPNA (Sigma) 、緩衝液中に50倍に希釈されている〕、 Molecular Devicesからの Thermomax読取り機を用いて 405nmでの吸収を測定する。
SDS−PAGE及びPVDF上への電気ブロット
SDS−PAGE(10〜27%、Novex)を製造者の指示に従って電気泳動する。電気泳動すべき試料を試料緩衝液を加える前にPMSFと予備インキュベートする。プロ−ブロット膜 (Applied Biosystems) 上への電気ブロットを3mM Na2CO3、10mM NaHCO3、20% MeOH (pH 9.9)中で、 Novexからのブロットモジュールを用いて30Vで2時間行なう。プロ−ブロットをApplied Biosystemsに記載されているように染色する。
IEF−上塗り (overlay)
等電点電気泳動(IEF) を Ampholine PAG−プレート(Pharmacia)、pH 3.5〜9.5 上で実施し、製造者の指示に従って染色する。上塗りすべきゲルをまず、 0.1M TRIS、2mM CaCl2 (pH 8.1) 中で15分間平衡化し、次いで10mlの1%アガロース、 0.1M TRIS、2mM CaCl2 (pH 8.1) で上塗りし、 300μlのL−BAPNA (Sigma) ストック及び 500μlのプロ−トリプシン様フザリウム・オキシスポルムDSM 2672プロテアーゼ(約0.25mg/ml) を加える。
アミノ酸分析及びアミノ酸配列決定
凍結乾燥試料のマイクロ波促進気相加水分解を MDS−2000加水分解施設(station) (CEM) を用いて行なう。1% フェノールを含有する6N HCl(スカベンジャー)を気相を創造するのに用いる。加水分解時間は、70psi(約 148℃) で20分間である。加水分解された試料を凍結乾燥し、内部標準としての20μlの 500pmol/μlのザルコシン及びノルバリンで再溶解する。分析は製造者の指示に従って、 Hewlett−Packard からのAmicon Quantを用いて行なう。1μlの試料を注入する。アミノ酸配列決定を製造者の指示に従って、Applied Biosystemsからの476Aプロテイン・シークェンサー(Protein Sequencer) を用いて行なう。予備混合緩衝液をオンライン−HPLCのために用いる。
フザリウム・オキシスポルムのブロスからのp45の精製
p45メタロプロテアーゼを濃縮及びろ過された発酵ブロスからカチオン交換クロマトグラフ(Mono−S)により精製し、続いて Superose 12でゲルろ過する。Mono−Sからの分画をプロ−トリプシン様フザリウム・オキシスポルムDSM 2672プロテアーゼからの遊離されたトリプシン様活性として、メタロプロテアーゼ活性について検定することにより選択する。
Superose−12からのメタロプロテアーゼ分画をMono−S分画についてと同じ検定手順により同定する。精製されたメタロプロテアーゼは SDS−PAGE上で 45KDaに1本のバンドとして現われる。メタロプロテアーゼの2つのイソ型タンパク質が、IEF(pH 3.5〜9.5)で、それぞれpl 8.4及び 8.7に認められる。
アミノ酸分析の結果は、このメタロプロテアーゼ(p45)は配列番号3として配列表に示されたN末端アミノ酸配列を有していることを示す。
フザリウム・オキシスポルムp45メタロプロテアーゼ遺伝子のクローン化と組換えp45の特徴づけ
フザリウム・オキシスポルムp45のメタロプロテアーゼ遺伝子の一部分を最初に PCRによりクローン化する。1つのプライマーをN−末端タンパク質配列(配列番号3)を用いて設計し、逆プライマーを内部メタロプロテアーゼペプチド配列(配列番号1の 483〜515 残基) から設計する。 PCRをその DNAプライマーとフザリウム・オキシスポルムから単離されたゲノム DNAを用いて行なう。ゲノム DNAは次のようにして単離する。
約15gの湿重量のフザリウム・オキシスポルムを MY 50培地 (50g/lのマルトデキストリン、2g/lのMg2SO4、10g/lのKH2PO4、2g/lのクエン酸、10g/lの酵母抽出液、2g/lの尿素、2g/lの K2SO4、 0.5mlの微量金属溶液、5N NaOHでpH6に調節)中で30℃で増殖させる。菌糸体を16mlのTE (10mM TRIS、1mM EDTA、pH 8.0) に懸濁させ、2本の管に分配し、約12gの0.45〜0.52mmのガラスビーズ(Thomas Scientific) を各管に加える。試料を顕著な粘度破壊が生ずるまで、30秒の間隔で交互に渦を巻かせ (vortex) 、氷冷する。試料を更に2回30秒間隔で交互に渦を巻かせる。各試料に 2.5mlの20% SDSを加える。試料を逆さにすることにより混合し、室温で10分間インキュベートし、再度混合する。試料を8分間 3.5Kで室温で回転させる。上清を50ml ポリプロピレン管中に一緒にする。試料をフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1)で平衡化された等量のTEで抽出し(P/C/l抽出された)、次いで10分間、 10,000rpmで4℃で遠心する。上清を 300μlの10mg/mlのプロテイナーゼKで30分間25℃で処理する。 DNAを上記のようにP/C/lで抽出し、エタノール沈殿させ、5mlのTE中に溶解する。試料を 150μlの10mg/lの RNAアーゼAで65℃で15分間処理し、次いで25℃で15分間処理する。試料を再度プロテイナーゼK(100μlの10mg/mlで 1.5時間、25℃)で処理し、P/C/lで2回抽出し、エタノール沈殿させた。 DNAを曲がったパスツールピペット上にプールし、5mlの80%エタノールに移す。試料を3分間、 10,000rpmで回転する。 DNAペレットを手短かに乾燥させ、次いで1mlのTEに溶解する。
フザリウム・オキシスポルムp45遺伝子の一部をクローン化するのに PCRを用いる。50〜100ng のフザリウム・オキシスポルムのゲノム DNAを約 100pmolの1×Taq 緩衝液(ベーリンガー・マンハイム)中の各合成 PCRプライマー DNA及び 100μlの各dGTP, dATP,dTTP及びdCTPの50μl容積へ濃縮物と混合する。 Taq DNAポリメラーゼ (ベーリンガー・マンハイム) 、1〜5ユニットを加え、 PCRインキュベーションは95℃で5分間、次いで35サイクルの〔95℃で30秒、50℃で1分間及び72℃で1分間〕である。
PCR反応は約 1.0及び 1.3Kbの長さの2つの DNAフラグメントを産生する。これらのフラグメントはゲル電気泳動により単離され、精製され、大腸菌複製プラスミド中にクローン化され、分子生物学の技術で公知の標準方法を用いて配列決定する。 1.0Kbの DNAフラグメントは、直接タンパク質配列決定から得たアミノ酸配列を用いる DNAの翻訳との比較により、フザリウム・オキシスポルムp45遺伝子配列を含有していることが見い出される。したがって、この 1.0Kbの PCR生成 DNAフラグメントをプローブとして用い、フザリウム・オキシスポルムのゲノム DNAライブラリーから、完全なメタロプロテアーゼ遺伝子をクローン化する。
ラムダファージにおけるゲノムライブラリーをサムブルック他により記載されたような方法〔Sambrook他「Molecular Cloning 」 Cold Spring Harbor,ニューヨーク, 1989年〕を用いて、フザリウム・オキシスポルムのゲノム DNAから調製した。総計50μgのゲノム DNAを10mM TRIS (pH 7.5)、50mM NaCl、7mM MgCl2、7mM 2−メルカプトエタノール及び4ユニットの制限酵素 Sau3Aを含有する、 200μlの容量中で1分間、25℃で消化した。分子の大きさ10〜20Kbの部分的に消化された DNAをアガロースゲル電気泳動により単離し、続いて、透析膜への電気溶出 (electroelution) 及びElutip−Dカラム (Schleicher及びSchuell)を用いる濃縮を行う。制限酵素BamHIで切断され、ホスファターゼ(Clonetech) で処理された、1μgの EMBL4のファージのラムダアーム(arm) を25mlの容積の 300〜400 μgの Sau3A切断ゲノム DNAと、標準条件下で結合させる〔Sambrook他「Molecular Cloning 」Cold Spring Harbor, ニューヨーク, 1989年、参照〕。ラムダファージを市販のキット (Gigapack Gold 11, Stratagene) を用いて、製造者の指示に従って、この結合混合物から調製する。約18,000の組換えラムダファージの塗布及びフィルターリフト(N+フィルター、Amershamに)の生成を標準技術〔Sambrook他「Molecular Cloning 」Cold Spring Harbor,ニューヨーク, 1989年、参照〕を用いて行う。フィルターを製造者によりもたらされた指示を用いて、非−放射性核酸検出のためのGenious Kit(ベーリンガー マンハイム)を用いるハイブリダイズのために処理する。p45プローブとして用いられる DNAは上記のようにして得られる 1.0Kb PCRフラグメントである。前記プローブを DIG標準化キット及び製造者により供給された指示を用いて、ジオキシゲニン(DIG) の PCR取り込みにより標識する。15ngの 1.0Kbのp45フラグメントを1×Taq 緩衝液 (ベーリンガー マンハイム)中で各 100pmolのN−末端プライマー及び内部の逆プライマー並びに1〜5ユニットの Taqポリメラーゼ(ベーリンガー マンハイム)を総量80μlで混合する。反応条件は95℃で3分間、次いで35サイクルの〔95℃で30秒、50℃で1分間及び72℃で1分間〕、及び72℃で5分間であった。 DIG標識化プローブを用いるフィルターハイブリダイズ及び洗浄条件は Genious Kitの製造者によりもたらされた指示を用いて行なった。
ハイブリダイズするファージを、製造者(ベーリンガー マンハイム)により記載されているようにLumiphos 530を用いて可視化された、アルカリ性ホスファターゼ−複合アンチ−ジオキシゲニン抗体で検出する。 DNA調製物をQiagen Lambda Midi Kit (QIAGEN, Inc.) を用いて、陽性のラムダクローンから作る。1調製物からの DNAを制限酵素EcoRIで消化し、 6.3KbのフラグメントをプラスミドpUC118中にサブクローン化する。このサブクローンの部分の DNA配列分析は、p45遺伝子(配列番号1参照)の完全なコード領域を同定した。
p45メタロプロテアーゼcDNAのクローン化
次の変更を伴う、過去に出版されたプロトコルに従って〔Chirgwin他「Biochemistry」18, p.5294〜5299, 1988年;Aviv及び Leder「Proc. Natl. Acad. Sci. USA」69, p.1408〜1412, 1972年、Sambrook他「Molecular Cloning 」Cold Spring Harbor, ニューヨーク, 1989年〕フザリウム・オキシスポルムから、総 RNA及びポリ−ARNA を調製する。
具体的にいうと、菌糸体を液体窒素中で細かい粉末にひき、次に、4M チオシアン酸グアニジウム、 0.5%のNa−ラウリルザルコシン、25mM クエン酸ナトリウム及び 0.1M 2−メルカプトエタノールを含有する溶解緩衝液(pH 7.0) 中に撹拌しながら、室温で30分間再懸濁する。細胞破片を低速(5000rpm、30分間) 遠心により除去する。典型的には、ポリ−A RNA 分画をベーリンガー マンハイムから得たオリゴ(dT) セルロースを用いて単離する。
ヘアピン/RNアーゼH法〔Sambrook他「Molecular Cloning 」Cold Spring Harbor, ニューヨーク, 1989年〕を用いて、ポリ−A RNA をcDNAを生じさせるのに用いる。具体的にいうと、5μlの水中の5μgのポリ−A RNA を70℃に加熱し、次いで氷の上に置く。ポリ−A RNA 、50mM TRIS (pH 8.3)、75mM KCl、3mM MgCl2、10mM DTT、各1mMのdGTP, dATP, dTTP及びdCTP、40ユニットのRNアシン (RNasin) 、10μgのオリゴ(dT 12〜18) プライマー並びに1000ユニットの SuperScript 11 RNアーゼH−逆転写酵素(Bethesda Research Laboratories) を含有する、50μlの総反応混合物を調製する。混合物を45℃で1時間インキュベートする。次いで、30μlの10mM TRIS (pH 7.5)、1mM EDTA、40μgのグリコーゲン担体(ベーリンガー マンハイム)、 0.2容積の10M 酢酸アンモニウム及び 2.5容積のエタノールを加えて核酸を沈殿させる。遠心後、前記ペレットを20mM TRIS (pH 7.4)、90mM KCl、 4.6mM MgCl2、10mM 硫酸アンモニウム、16μM βNaD+ 、各 100μMのdGTP, dATP, dTTP及びdCTP、44ユニットの大腸菌 DNAポリメラーゼ1、6.25ユニットのRNアーゼH並びに10.5ユニットの DNAリガーゼ中に再懸濁する。第2ストランド DNA合成をこの溶液中で16℃で3時間行なう。 DNAをエタノール沈殿で濃縮し、ペレットを30μlの30mM 酢酸ナトリウム(pH 4.6) 、300mM NaCl、1mM ZnSO4、0.35mM DTT、2%のグリセロール及び30ユニットの Mung Beanヌクレアーゼ (Bethesda Research Laboratories) 中に30℃で30分間再懸濁する。 DNA溶液を70μlの10mM TRIS (pH7.5) 、1mM EDTA、で中和し、フェノール抽出し、エタノール沈殿させる。ペレットを50μlの緩衝液(20mM TRIS−酢酸塩 (pH 7.9) 、10mM 酢酸マグネシウム、50mM 酢酸カリウム、1mM DTT、各 0.5mMのdGTP, dATP, dTTP及びdCTP) 中で25℃で15分間、 7.5ユニットのT4ポリメラーゼ (Invitrogen) で処理する。EDTAの20mMまでの添加により反応を停止させ、続いてフェノール抽出及びエタノール沈殿をする。この手順の結果は、 DNAリンカーの付着及び任意のベクターへのクローン化に適切なブラント末端の二本鎖cDNAである。
EcoRIリンカーを有するcDNAをアガロース上で分画し、 0.7Kbまたはそれよりも大きい分子サイズのcDNAを得る。cDNAを電気溶出によりゲルから回収し、フェノール抽出及びエタノール沈殿により製造する。サイズ分画化されたcDNAをラムダcDNAライブラリーを構築するのに用いる。cDNAをラムダZIPLOXarms (Gibco BRL)中にクローン化する。全長さのcDNAクローンを、前述のようにプラークリフト及び DNAハイブリダイズ技術により、プローブとしての 467塩基対のジオキシゲニン標識化フラグメント (ゲノムクローンの 336〜803 塩基対)を用いて同定する。全長さのcDNAを製造者(Gibco BRLからの株及びプラスミド) により記載されているようにプラスミドpZL1中に回復する。
全長さのcDNAを配列決定し、ゲノム DNAと比較する。ゲノム DNAは長さ2052塩基対で、3つのイントロンを含有する。プレ−プロp45メタロプロテアーゼの予期されたコード領域は、配列番号1に示されるように、推定の18アミノ酸シグナル配列、 226アミノ酸プロ領域及び 388アミノ酸成熟領域からなる。
フザリウム・オキシスポルムp45メタロプロテアーゼプローブの調製
上記cDNAライブラリーからのクローンを選択し、pDM115と呼んだ。プラスミドpDM115はフザリウム・オキシスポルムのcDNAの1.76Kbフラグメントを含有し、それはp45遺伝子の部分をコードする。このプラスミドを SalIで消化し、そのフラグメントを1%のアガロースゲル上で分離した。 1.5Kbのフラグメントを切り出し、 DNAを溶出した。このフラグメントをランダム開始標識化により、32−P−dATPで標識化し、サザンまたはコロニーリフトプロービングのいずれかに使用した。
フザリウム・オキシスポルムp45プローブを用いるアスペルギルス・オリザエライブラリーのスクリーニング
ライブラリー中で個々に凍結したコロニーをLB−プレート(100μg/mlのアンピシリン) 上にミクロタイタープレート中に半分はめ込む、6×8ピンを備えた多ピン装置を用いることによって接種した。プレートはライブラリー中のすべてのクローンからのコロニーを含有するように作られた。このプレートを37℃で一晩インキュベートした。ペトリ皿の大きさに切断された殺菌された Whatman 540フィルターを37℃で2時間より長くインキュベートされたコロニー上に置いた。そのフィルターを 200μg/mlのクロラムフェニコールを含有しているLBプレート上に移し、そのプレートを37℃で一晩インキュベートした。次の日、フィルターを 0.5M NaOH中で5分間、2回洗浄し、次いで 0.5M TRIS−塩酸(pH 7.4) 中で5分間2回洗浄し、次いで2×SSC 中で5分間2回洗浄した。フィルターをエタノールで濡らし、空気乾燥した。
フィルターをフザリウム・オキシスポルムからのプロテアーゼ遺伝子を含有するpDM115からの 1.5Kbの32P標識化 DNAフラグメントでハイブリダイズした。ハイブリダイズは10×デンハルト、5×SSC 、0.02M EDTA、1%の SDS、0.15mg/mlのポリA及び0.05mg/mlの酵母tRNA中で65℃で16時間行なわれた。ハイブリダイズ後、フィルターを2×SSC 、 0.1%の SDS中で65℃で2回洗浄し、X線フィルム上に置いた。3つのコロニー、すなわち、3E8, 3C1及び2A5(名称はライブラリー中のそれらの位置に関する)がそのプローブへのハイブリダイズを示した。
コスミドクローンの特徴づけ
制限分析により、3つのコスミドの内2つの(3E8及び3C1)は、アスペルギルス・オリザエのゲノムと同じ領域から由来の挿入物を含有したことが立証された。
3μgのコスミド DNAをEcoRIで消化し、アガロースゲル電気泳動によって分画した。その DNAをイムモビラン(Immobilan) −N膜フィルターに移し、pDM115からの 1.5Kbの放射能標識化プローブとハイブリダイズした。プローブは両方のコスミドクローン中の4KbのEcoRIフラグメントにハイブリダイズした。 4.0KbのEcoRIフラグメントをさらなる分析のために選択した。
プラスミドpToC65へのNpIのクローン化とその配列
製造者の指示に従って、プラスミドpToC65を SacIで消化し、細菌のアルカリ性ホスファターゼで処理し、5′−リン酸塩基を除去した。その後、それをフェノールで抽出し、沈殿させた。
アスペルギルス・オリザエのNpI遺伝子を含有しているコスミドクローン 3E8からの 5.5Kbの SacIフラグメントをゲル電気泳動により単離し、精製した。
2つのフラグメントをいっしょに混合し、結合させた。大腸菌の形質転換後、正しいプラスミドを担持するコロニーをミニ−プラスミド調製物の制限酵素消化により同定した。このプラスミドを pJaL389と呼んだ。
このサブクローンの一部の DNA配列分析の他の公知のNpI遺伝子配列との比較を、そのサブクローンがアスペルギルス・オリザエのNpI遺伝子のコード領域を含有することを同定するのに用いた。
例 2
アスペルギルス・オリザエの中性メタロプロテアーゼNpIのゲノム破壊
NpIの産生が特異的に欠けているアスペルギルス・オリザエの株を生じさせるために、ミラー他(「Mol. Cell. Biol.」 5, p.1714〜1721, 1985年)により記載されているような遺伝子置換方法を用いた。下記に、これらの実験をもっと詳細に記載する。
アスペルギルス・オリザエのpyrG遺伝子のクローン化
アスペルギルス・オリザエのpyrG遺伝子をアスペルギルス・ニガーのpyrG遺伝子との交差ハイブリダイズによりクローン化した〔W. van Hartingsveldt他「Mol. Gen. Genet 」 206, p.71〜75, 1987年〕。アスペルギルス・オリザエ IFO 4177の DNAの部分 SauIIIA消化のラムダライブラリーを、アスペルギルス・ニガーのpyrG遺伝子からの1Kbの DNAフラグメントと低ストリンジェントでプローブした。陽性クローンからの DNAをpUC118ベクター中にサブクローン化した。生じたプラスミドであるpSO2はアスペルギルス・ニガーのpyrG−変異体の相補性により、pyrG遺伝子を含有していることが証明された(図1参照)。
アスペルギルス・オリザエpyrG欠損菌株の構築
各末端に約1KbのpyrGフランキング配列を含有しているpyrG欠損プラスミドである、pSO5をプラスミドpSO2から構築した。菌株アスペルギルス・オリザエ IFO 4177をこの構築物で形質転換し、形質転換体を、pyrG変異体の表現型特性である、5−フルオル−オロチン酸耐性により選択した。
1つの形質転換体、 HowB101は、サザン分析により、pyrG座に予期された欠失があることが証明された。pyrG変異体であるので、 HowB101は増殖のためにウリジンを必要とする。 HowB101は、ウリジン無しで増殖するための能力についての選択により、 wt pyrG遺伝子で形質転換することができる。
HowB101の構築に包含される段階は、図2に図解されている。
プラスミド pJaL335の構築
アスペルギルス・オリザエのpyrG遺伝子の5′末端から、 479ヌクレオチド上流に位置する 431塩基対のフラグメントを増殖するために、次の2つのオリゴヌクレオチドを作成した。プライマーA:GGAGGAAGATCTCTCTGGTACTCTTCGATCTC (配列番号5)及びプライマーB:GGAGGAGAATTCAAGCTTCTTCTACATCACAGTTTGAAAGC (配列番号6)である。下線の部分はアスペルギルス・オリザエpyrG遺伝子配列に相当する。
そのプライマーの5′末端はクローン化を容易にするためであった(プライマーAは BglII制限エンドヌクレアーゼ部位を含有し、プライマーBはEcoRI及び HindIII制限エンドヌクレアーゼ部位を含有する。)
プラスミドpSO2は PCR反応で鋳型として用いられた。増幅を、 2.5ユニットの Taq−ポリメラーゼ、 100ngのpSO2、50mM KCl、10mM Tris−塩酸 (pH 8.0) 、 1.5mM MgCl2、 250nMの各dNTP及び上記2つのプライマー各10pmolを含有している 100μl容積中で行なった。
増幅をPerkin−Elmer Cetus DNA Termal 480中で実施し、94℃で3分間の1サイクル、それに続く、94℃で1分間、55℃で30秒間及び72℃で1分間の25サイクルからなる。 PCR反応は、長さ 430塩基対の1つの DNAフラグメントを産生した。このフラグメントを BglII及びEcoRIで消化し、ゲル電気泳動により単離した。それを精製し、プラスミドpSO2中の相当する部位にクローン化した。生じたプラスミドを pJaL335と呼んだ。 pJaL335の構築を図3に図解する。
破壊プラスミド pJaL399の構築
プラスミド pJaL389を BalIで消化し、クレノウポリメラーゼで処理してブラント末端を作った。 7.1Kbのフラグメントをゲル電気泳動で単離し、精製した。この DNAフラグメントを、次いで製造者の指示に従って、細菌のアルカリ性ホスファターゼで処理して、5′リン酸塩基を取り除き、フェノール抽出し、沈殿させた。
プラスミド pJaL335を HindIIIで消化し、クレノウポリメラーゼで処理し、ブラント末端を作った。アスペルギルス・オリザエのpyrG遺伝子をコードする 3.5Kbのフラグメントをゲル電気泳動で単離し、精製した。
2つのフラグメントをいっしょに混合して、結合した。大腸菌の形質転換後、正しいプラスミドを担持するコロニーをミニ−プラスミド調製物の制限酵素消化により同定した。 pJaL399の構築を図4に図解する。
pJaL399は SacI部位に隣接したNpI遺伝子を担持するフラグメントを含有するpToC65ベクターを保持し、そこで、中央の 1.1Kbの BalIフラグメントはアスペルギルス・オリザエのpyrG遺伝子をコードする 3.5Kbの DNAフラグメントにより置換されていた。
アスペルギルス・オリザエの形質転換
15μgのプラスミド pJaL399を SacIにより完全に消化する。消化の完全性をゲル上にアリコートを流すことにより調べ、 DNAの残りをフェノール抽出し、沈殿させ、108,25μlの無菌水中に再懸濁する。
アスペルギルス・オリザエ HowB101宿主株の形質転換をプロトプラスト法により実施する〔 Christensen他「Biotechnology 」 6,p.1419〜1422, 1988年〕。典型的には、アスペルギルス・オリザエ菌糸体を栄養リッチブロス中で増殖させる。菌糸体をろ過によりブロスから分離する。Novozyme (商標、Novo Nordisk A/S, デンマークから入手できる) を浸透圧的に安定化されている緩衝液、たとえばリン酸ナトリウムでpH 5.0に緩衝化された 1.2M MgSO4中の菌糸体に加える。懸濁液を撹拌しながら、37℃で60分間インキュベートする。プロトプラストをミラークロスを通してろ過し、菌糸体の破片を除去する。プロトプラストを収集し、 STC〔 1.2M ソルビトール、10mM CaCl2、 10mM Tris−塩酸 (pH 7.5)〕で2回洗浄する。最後にプロトプラストを 200〜1000μlの STC中に再懸濁する。
形質転換のために、5μgの DNAを 100μlのプロトプラスト懸濁液に加える。 200μlの PEG溶液〔60% PEG4000、10mM CaCl2、 10mM Tris−塩酸 (pH 7.5)〕を加えた。そして、混合物を室温で20分間インキュベートする。プロトプラストを収集し、 1.2M ソルビトールで2回洗浄する。プロトプラストを最後に 200μlの 1.2Mのソルビトール中に再懸濁し、選択プレート〔最少培地+10g/lの Bacto−Agar (Difco)〕上に塗布し、37℃でインキュベートする。37℃で3〜4日の増殖後、安定な形質転換体が、活発に増殖している及び胞子形成しているコロニーとして現われるだろう。
遺伝子破壊の同定
安定なコロニーから、個々の胞子を新鮮な最少プレート上に画線する。単独のコロニーを選択し、再度画線し、純粋な培養を得る。これらを10mlの液状 YPM培地(1% 酵母抽出物、1% ペプトン、2% マルトース)に接種するのに用いる。30℃で18時間及び180rpmでの振盪後、菌糸体をろ紙上に収集する。菌糸体を次に2mlのエッペンドルフ管に移し、凍結乾燥する。
凍結乾燥後、その管の中で乳棒で菌糸体を細かい粉にすることによって、 DNAを個々の菌糸体から調製する。この粉末を 0.5mlの 50mM EDTA (pH 8.0) 、 0.2% SDS、1μl DEP中に、渦を巻かせることにより再懸濁する。65℃で20分間のインキュベーション後、 0.1mlの5M KAc (pH 6.5) を加え、その溶液を混合し、氷上で5分間インキュベートする。細胞の破片を、 20,000rpm、5分間の遠心により、 DNA溶液から分離する。 0.4mlの上清を 0.3mlのイソプロパノールで沈殿させ、 20,000rpmで10分間遠心する。 DNAペレットを 0.1mg/mlの RNAアーゼAを含有している 100μlの無菌TE緩衝液中に再溶解する。
3μgの各 DNAを BalIで消化し、アガロースゲル電気泳動により分画し、イムモビラン−N膜フィルターに移す。このフィルターをNpIプロテアーゼ遺伝子を含有している pJaL389からの 5.5Kbの32P標識化 DNA SacIフラグメントとハイブリダイズした。破壊NpI遺伝子を担う菌株は、 1.1Kbの BalIハイブリダイズフラグメントを欠くこと、並びに他の2つのフランキングフラグメントの変更された移動性を有することにより認識される。
例 3
アスペルギルス・オリザエの中性メタロプロテアーゼII(NpII)のクローン化
pJaL198の構築
出版されたアスペルギルス・オリザエのNpIIをコードするcDNAヌクレオチド配列〔 Tatsumi他「Mol. Gen. Genet.」 228, p.97〜103, 1991年〕から、NpII遺伝子のコード部が PCR反応中で増幅されるように、2つのオリゴヌクレオチドを設計した。
プライマー (CTAGGATCCAAGGCATTTATGCGTGTCACTACTCTC、配列番号7)を、そのヌクレオチド配列の3′末端がNpII遺伝子のN−末端部分(下線をひいた)に相当し、5′−末端がクローン化を容易にするためであるように、構築した(BamHI制限エンドヌクレアーゼ部位を含有する)。
プライマー(CTACTCGAGTTAGCACTTGAGCTCGATAGC 、配列番号8)を、そのヌクレオチド配列の3′末端がNpII遺伝子のC−末端部(下線をひいた)に相当し、5′−末端がクローン化を容易にするためであるように構築した(XhoI制限エンドヌクレアーゼ部位を含有する)。
アスペルギルス・オリザエ IFO 4177からのゲノム DNAを PCR反応中で鋳型として用いた。増幅反応を 2.5ユニットの Taq−ポリメラーゼ、 100ngのアスペルギルス・オリザエのゲノム DNA、50mM KCl、 10mM Tris−塩酸 (pH 8.0) 、 1.5mM MgCl2、 250mMの各dNTP及び上記2つのプライマーの各 100pMを含有している 100μlの容量中で行なった。
増幅はPerkin−Elmer Cetus DNA Termal 480 中で実施し、94℃で3分間の1サイクル、続いて、94℃で1分間、55℃で30秒間及び72℃で1分間の25サイクルからなる。 PCR反応は、大きさ約 1.1Kbの1つの DNAフラグメントを産生する。このフラグメントをゲル電気泳動により単離し、精製し、ベクターpCR(商標) II (Invitrogen Corporation) 中にクローン化し、分子生物学の分野で公知の標準的方法を用いて配列決定した。生じるプラスミドを pJaL198と呼んだ。
例 4
NpIIのゲノム破壊
JaL121の構築
NpIIの産生を特異的に欠いているアスペルギルス・オリザエの株を生じさせるために、Miller他(「Mol. Cell. Biol.」 5, p.1714〜1721, 1985年) により記載されている遺伝子置換方法を用いた。
アスペルギルス・オリザエのpyrG遺伝子のクローン化
アスペルギルス・オリザエのpyrG遺伝子をアスペルギルス・ニガーのpyrG遺伝子との交差ハイブリダイズによりクローン化した〔W. van Hartingsveldt他「Mol. Gen. Genet.」 206, p.71〜75, 1987年〕。部分 SauIIIA消化アスペルギルス・オリザエ IFO 4177 DNAのラムダライブラリーをアスペルギルス・ニガーのpyrG遺伝子からの1Kbの DNAフラグメントを用いて低ストリンジェントでプローブした。陽性のクローンからの DNAをpUC118ベクター中にサブクローン化した。生じたプラスミドである、pSO2は、アスペルギルス・ニガーのpyrG変異体の相補性によりpyrG遺伝子を含有することが証明された(図1参照)。
アスペルギルス・オリザエpyrG欠損株の構築
各末端に約1KbのpyrGフランキング配列を含有しているpyrG欠損プラスミドである、pSO5をプラスミドpSO2から構築した。株アスペルギルス・オリザエ IFO 4177をこの構築物で形質転換し、形質転換体を、pyrG変異体の表現型特性である、5−フルオル−オロチン酸耐性により選択した。1つの形質転換体、 HowB101は、サザン分析により、pyrG座に予期された欠失があることが証明された。pyrG変異体であるので、 HowB101は増殖のためにウリジンを必要とする。 HowB101は、ウリジン無しで増殖するための能力についての選択により、 wt pyrG遺伝子で形質転換することができる。
HowB101の構築に包含される段階は、図2に図解されている。
破壊プラスミド pJaL218の構築
プラスミド pJaL198をBstEIIで消化し、クレノウポリメラーゼで処理してブラント末端を作った。 4.9Kbのフラグメントをゲル電気泳動で単離し、精製した。この DNAフラグメントを、次いで製造者の指示に従って、細菌のアルカリ性ホスファターゼで処理して、5′リン酸塩基を取り除き、フェノール抽出し、沈殿させた。
プラスミドpJers4を HindIIIで消化し、クレノウポリメラーゼで処理し、ブラント末端を作った。アスペルギルス・オリザエのpyrG遺伝子をコードする 1.8Kbのフラグメントをゲル電気泳動で単離し、精製した。
2つのフラグメントを混合して、結合した。大腸菌 DH5αの形質転換後、正しいプラスミドを担持するコロニーをミニ−プラスミド調製物の制限酵素消化により同定した。 pJaL218の構築を図5に図解する。
pJaL218は、EcoRI部位により隣接されたNpII遺伝子を担持するフラグメントを含有するpCR(商標) IIベクターからなり、そこで中央のBstEIIフラグメントはアスペルギルス・オリザエのpyrG遺伝子をコードしている 1.8Kbの DNAフラグメントにより置換されていた。
アスペルギルス・オリザエの形質転換
15μgのプラスミド pJaL218を EcoRIにより完全に消化する。消化の完全性をゲル上にアリコートを流すことにより調べた。 DNAの残りをフェノール抽出し、沈殿させ、10μlの無菌水中に再懸濁した。
アスペルギルス・オリザエ HowB101宿主株の形質転換をプロトプラスト法により実施した〔 Christensen他「Biotechnology 」 6,p.1419〜1422, 1988年〕。典型的には、アスペルギルス・オリザエ菌糸体を栄養リッチブロス中で増殖させた。菌糸体をろ過によりブロスから分離した。Novozyme (商標、Novo Nordisk A/S, デンマークから入手できる) を浸透圧的に安定化されている緩衝液、たとえばリン酸ナトリウムでpH 5.0に緩衝化された 1.2M MgSO4中の菌糸体に加えた。懸濁液を撹拌しながら、37℃で60分間インキュベートした。プロトプラストをミラークロスを通してろ過し、菌糸体の破片を除去した。プロトプラストを収集し、 STC〔 1.2M ソルビトール、10mM CaCl2、 10mM Tris−塩酸 (pH 7.5)〕で2回洗浄した。最後にプロトプラストを 200〜1000μlの STC中に再懸濁した。
形質転換のために、5μgの DNAを 100μlのプロトプラスト懸濁液に加えた。 200μlの PEG溶液〔60% PEG4000、10mM CaCl2、 10mM Tris−塩酸 (pH 7.5)〕を加えた。そして、混合物を周囲温度で20分間インキュベートする。プロトプラストを収集し、 1.2M ソルビトールで2回洗浄した。プロトプラストを最後に 200μlの 1.2M ソルビトール中に再懸濁し、選択プレート〔最少培地+10g/lの Bacto−Agar (Difco)〕上に塗布し、37℃でインキュベートした。
37℃で3〜4日の増殖後、安定な形質転換体が、活発に増殖している及び胞子形成しているコロニーとして現われる。
遺伝子破壊の同定
安定なコロニーから、個々の胞子を新鮮な最少プレート上に画線する。単独のコロニーを選択し、再度画線して純粋な培養を得る。
形質転換された DNAフラグメントが、 PCRにより染色体上の相当する遺伝子中に二重の交差により組込まれたかどうかを調べるために、33の形質転換体をスクリーニングした。 PCR反応及び形質転換体からのゲノム DNAは上記のように働いた。
用いられたプライマーはCCCTTCTTTCCAAACCG(配列番号9)(それはNpII遺伝子のコード領域から5′に位置する)及びpyrG−5′(GGGTGAGCCACTGCCTC、配列番号10)(それはpyrG遺伝子に特異的である)である。1つの形質転換体は、予期された 1.1Kbの PCR産物をもたらした。
形質転換体及びアスペルギルス・オリザエからのゲノム DNAがEcoRIで消化され、アガロースゲル電気泳動で分画され、イムモビラン−N膜フィルターに移され、NpII遺伝子を含有している pJaL198からの 1.1KbのEcoRIフラグメントとプローブされるサザンブロットから、 3.8Kbの野生型のバンドが形質転換体中の10Kbのバンドにシフトしたことが分かった。これは、形質転換された DNAが複数のコピーでNpII遺伝子中に組込まれたことを示す。この菌株をJaL121と呼んだ。
例 5
JaL121中のキモシンの産生
アスペルギルス・オリザエ菌株JaL121をプラスミドpToC56(図6参照)(それは哺乳類の酵素であるキモシンについての真菌の発現プラスミドである) と、pToC90との共形質転換により、形質転換した。プラスミドpToC56の構築はヨーロッパ特許出願公開第 98993号明細書に記載されている。
形質転換体は10mM アセトアミドを含有している最少培地上での増殖について選択し、キモシンを産生する能力によりpToC56の存在についてスクリーニングした。形質転換体を、マルトデキストリン、ひき割大豆粉及びペプトンを含有している培地中で、30℃で4日間振盪フラスコ中で増殖させた。アスペルギルス・オリザエ IFO4177におけるpToC56形質転換体をJaL121形質転換体といっしょに増殖させた。
各日、発酵ブロス試料を収集し、 SDS−Page及びウェスタンブロットを適用した。ブロット膜をキモシン特異的ウサギ抗体とインキュベートし、続いてペルオキシダーゼに結合したヤギ・ウサギ抗体とインキュベートした。
その膜の染色は、発酵の1日目と2日目には、アスペルギルス・オリザエ IFO 4177の形質転換体からの上清は少量のキモシンまたは他のその分解生成物を含有していたことを明らかにした。後では、キモシンは検出されなかった。それに対して、JaL121の形質転換体は少なくとも10倍の全サイズのキモシンを含有した。上清中のキモシンの量は最初の2〜3日について増加し、次いで一定のままであった。
本発明を添付図面を参照してさらに説明する。
プラスミドpSO2(例2参照)の地図を示す。 アスペルギルス・オリザエ株HowB101(例2参照)の構築を示す。 プラスミドpJaL335(例2参照)の構築を示す。 プラスミドpJaL339(例2参照)の構築を示す。 プラスミドpJaL218(例4参照)を示す。 プラスミドpToC56(例5参照)の地図を示す。

Claims (38)

  1. 異種タンパク質産物の発現のために有用な宿主細胞であって、親細胞に比較して、有意に低下したレベルのメタロプロテアーゼを発現するために遺伝子的に修飾されているものである、前記細胞。
  2. 酵母細胞である、請求項1に記載の宿主細胞。
  3. サッカロミセス属の株、特にサッカロミセス・セレビシエである、請求項2に記載の宿主細胞。
  4. 糸状菌である、請求項1に記載の宿主細胞。
  5. 請求項4に記載の宿主細胞であって、アクレモニウム属、アスペルギルス属、カンジダ属、コクリオボルス属、エンドチア属、フザリウム属、フミコーラ属、ニューロスポラ属、リゾムコル属、リゾプス属、サーモミセス属、トリコデルマ属、ポドスポラ属、ピリクラリア属及びペニシリウム属からなる群から選択した株である、前記宿主細胞。
  6. 請求項5に記載の宿主細胞であって、アスペルギルス・オリザエ、アスペルギルス・ニガー、アスペルギルス・ニドラン、アスペルギルス・アワモリ、アスペルギルス・フォエニシス、アスペルギルス・ジャポニクス、アスペルギルス・フォエツス、フザリウム・グラミネアルム、フザリウム・オキシスポルム、フザリウム・ソラニ、フミコーラ・グリセア、ニューロスポラ・クラッサ、ペニシリウム・クリソゲヌム、リゾムコル・メイヘイ、トリコデルマ・リーセイ及びトリコデルマ・ビリデからなる群から選択した株である、前記宿主細胞。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の宿主細胞であって、その中の前記メタロプロテアーゼがフザリウム属のメタロプロテアーゼである、前記宿主細胞。
  8. 請求項7に記載の宿主細胞であって、その中の前記メタロプロテアーゼが、フザリウム・オキシスポルムのメタロプロテアーゼである、前記宿主細胞。
  9. 請求項8に記載の宿主細胞であって、その中の前記メタロプロテアーゼが、配列番号2として提示されたアミノ酸配列またはこれと相同の配列を有するフザリウム・オキシスポルムp45メタロプロテアーゼである、前記宿主細胞。
  10. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の宿主細胞であって、その中の前記メタロプロテアーゼが約pH6〜8の範囲の最適タンパク質分解活性を有する中性メタロプロテアーゼである、前記宿主細胞。
  11. 請求項10に記載の宿主細胞であって、その中の前記メタロプロテアーゼがNpIまたはNpIIの群の中性のアスペルギルス属のメタロプロテアーゼである、前記宿主細胞。
  12. 請求項11に記載の宿主細胞であって、その中の前記メタロプロテアーゼが、配列番号4として提示された部分ヌクレオチド配列またはこれと相同の配列を含むcDNA配列によりコードされる、アスペルギルス・オリザエ中性メタロプロテアーゼI(NpI)である、前記宿主細胞。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の宿主細胞であって、前記メタロプロテアーゼをコードする構造領域または調節領域で遺伝子的に修飾されたものである、前記宿主細胞。
  14. 請求項13に記載の宿主細胞であって、特異的もしくはランダム変異誘発、 PCR生成変異誘発、部位特異的 DNA欠失、挿入及び/もしくは置換、遺伝子破壊もしくは遺伝子置換技術、アンチセンス技術またはそれらの組合せにより遺伝子的に修飾されたものである、前記宿主。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の宿主細胞であって、その細胞中で発現されたメタロプロテアーゼのレベルが約50%よりも多く、好ましくは約85%よりも多く、より好ましくは約90%よりも多く、最も好ましくは約95%よりも多く低下しているものである、前記宿主細胞。
  16. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の宿主細胞であって、本質的にいかなるメタロプロテアーゼ活性をも欠いている、前記細胞。
  17. 請求項1の宿主細胞中で異種タンパク質産物を生産する方法であって、その方法は、
    (a)前記宿主細胞に前記タンパク質産物をコードしている核酸配列を導入し、
    (b)適当な増殖培地中で、(a)段階の宿主細胞を培養し、そして
    (c)前記異種タンパク質産物を単離することを含むものである、前記方法。
  18. 前記宿主細胞が酵母細胞である、請求項17に記載の方法。
  19. 前記宿主細胞がサッカロミセス属、好ましくはサッカロミセス・セレビシエである、請求項18に記載の方法。
  20. 前記宿主細胞が糸状菌である、請求項17に記載の方法。
  21. 請求項20に記載の方法であって、前記宿主細胞が、アクレモニウム属、アスペルギルス属、カンジダ属、コクリオボルス属、エンドチア属、フザリウム属、フミコーラ属、ニューロスポラ属、リゾムコル属、リゾプス属、サーモミセス属、トリコデルマ属、ポドスポラ属、ピリクラリア属及びペニシリウム属からなる群から選択した株である、前記方法。
  22. 請求項21に記載の方法であって、アスペルギルス・オリザエ、アスペルギルス・ニガー、アスペルギルス・ニドラン、アスペルギルス・アワモリ、アスペルギルス・フォエニシス、アスペルギルス・ジャポニクス、アスペルギルス・フォエツス、フザリウム・グラミネアルム、フザリウム・オキシスポルム、フザリウム・ソラニ、フミコーラ・グリセア、ニューロスポラ・クラッサ、ペニシリウム・クリソゲヌム、リゾムコル・メイヘイ、トリコデルマ・リーセイ及びトリコデルマ・ビリデからなる群から選択した株である、前記方法。
  23. 請求項17〜22のいずれか1項に記載の方法において、前記メタロプロテアーゼがフザリウム属のメタロプロテアーゼである、前記方法。
  24. 請求項23に記載の方法であって、前記メタロプロテアーゼが、フザリウム・オキシスポルムのメタロプロテアーゼである、前記方法。
  25. 請求項24に記載の方法であって、前記メタロプロテアーゼが、配列番号2として提示されたアミノ酸配列、またはそれに相同の配列を有している、フザリウム・オキシスポルムp45メタロプロテアーゼである、前記方法。
  26. 請求項17〜22のいずれか1項に記載の方法であって、前記メタロプロテアーゼが約pH6〜8の範囲の最適タンパク質分解活性を有する中性メタロプロテアーゼである、前記方法。
  27. 請求項26に記載の方法であって、前記メタロプロテアーゼがNpIまたはNpIIの群の中性のアスペルギルス属のメタロプロテアーゼである、前記方法。
  28. 請求項27に記載の方法であって、前記メタロプロテアーゼが、配列番号4として提示された部分ヌクレオチド配列またはそれと相同の配列を含むcDNA配列によりコードされる、アスペルギルス・オリザエの中性メタロプロテアーゼI(NpI)である、前記方法。
  29. 請求項17〜28のいずれか1項に記載の方法であって、前記宿主細胞が前記メタロプロテアーゼをコードする構造領域または調節領域で遺伝子的に修飾されたものである、前記方法。
  30. 請求項29に記載の方法であって、前記宿主細胞は、特異的もしくはランダム変異誘発、 PCR生成変異誘発、部位特異的 DNA欠失、挿入及び/もしくは置換、遺伝子破壊もしくは遺伝子置換技術、アンチセンス技術またはそれらの組合せにより遺伝子的に修飾されたものである、前記宿主。
  31. 請求項17〜30のいずれか1項に記載の方法であって、宿主細胞により発現されたメタロプロテアーゼのレベルが、50%よりも多く、好ましくは85%よりも多く、より好ましくは90%よりも多く、最も好ましくは95%よりも多く低下している、前記方法。
  32. 請求項17〜30のいずれか1項に記載の方法であって、前記宿主細胞により発現された産物が、本質的にいかなるメタロプロテアーゼ活性をも欠いている、前記方法。
  33. 請求項17〜32のいずれか1項に記載の方法であって、前記タンパク質産物が、真核の酵素、たとえばインスリン、成長ホルモン、グルカゴン、ソマトスタチン、インターフェロン、PDGF、 VII因子、VIII因子、ウロキナーゼ、 EPO、キモシン、組織プラスミノーゲン活性化剤または血清アルブミンである、前記方法。
  34. 請求項17〜32のいずれか1項に記載の方法であって、前記タンパク質産物が真菌起源のタンパク質である、前記方法。
  35. 請求項34に記載の方法であって、前記タンパク質産物が、真菌の酵素、特にアミロース分解酵素、たとえば、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、β−ガラクトシダーゼ、セルロース分解酵素、脂質分解酵素、キシラン分解酵素、タンパク質分解酵素、酸化還元酵素、たとえば、ペルオキシダーゼもしくはラッカーゼ、ペクチナーゼ、またはクチナーゼである、前記方法。
  36. 請求項17〜32のいずれか1項に記載の方法であって、前記タンパク質産物が細菌のタンパク質である、前記方法。
  37. 請求項36に記載の方法であって、前記タンパク質産物が、細菌の酵素、特にアミロース分解酵素、たとえば、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、β−ガラクトシダーゼ、セルロース分解酵素、脂質分解酵素、キシラン分解酵素、タンパク質分解酵素、酸化還元酵素、たとえば、ペルオキシダーゼもしくはラッカーゼ、ペクチナーゼまたはクチナーゼである、前記方法。
  38. 請求項17〜37のいずれか1項に記載の方法であって、前記タンパク質産物が、前駆体タンパク質、すなわち、チモーゲン、ハイブリッドタンパク質、プロ配列もしくはプレ−プロ配列として得られた、または未成熟の形のタンパク質である、前記方法。
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