JP2000513223A - 真菌中で発現される異種遺伝子中の陰性スプライス部位の変更 - Google Patents

真菌中で発現される異種遺伝子中の陰性スプライス部位の変更

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、核酸配列中の少なくとも1つの陰性スプライス部位が変更されている異種ポリペプチドをコードする核酸配列を含んで成る真菌宿主細胞を獲得する方法に関する。本発明は、変更された陰性スプライス部位を有する核酸配列、前記核酸配列を含んで成る核酸構成物、ベクターおよび宿主細胞にも関する。本発明は更に、前記核酸配列によりコードされるポリペプチドの組換え生産方法にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】 真菌中で発現される異種遺伝子中の陰性スプライス部位の変更 発明の背景 発明の分野 本発明は、異種タンパク質(非相同タンパク質)をコードする核酸配列であっ てその中の少なくとも1つの陰性スプライス部位が変更されている核酸配列を含 んで成る組換え真菌宿主細胞を獲得する方法に関する。本発明は、変更された1 または複数の陰性スプライス部位を有する単離された核酸配列、並びに前記核酸 配列を含んで成る核酸構成物、ベクターおよび組換え宿主細胞にも関する。本発 明は更に、前記核酸配列によりコードされるポリペプチドの組換え生産方法にも 関する。関連技術の記載 真核遺伝子は、機能的なmRNAを産生するために前駆転写物中で変更されな ければならない介在配列(イントロン)によって中断されていることがある。こ のイントロン除去過程はプレmRNAスプライシングとして知られている。一般 に、ループの形成を経たイントロンスプライシングにはイントロンの分枝点配列 が必要である。スプライシングシグナルはイントロンスプライス部位の境界のと ころにある。イントロンスプライス部位の境界には、それらの5’末端と3’末 端にそれぞれ共通イントロン配列GTおよびAGがある。AG以外の3’スプラ イス部位は1つも報告されていないが、5’GTスプライス部位には幾つかの例 外の報告がある。例えば、5’境界にGTの代わりにCTまたはGCが存在する という先例がある。GTに続くものとしてヌクレオチド塩基ANGT(ここでN はA, C,GまたはTであり、サッカロミセス種では主としてAまたはTである)が強 く優先されるが、GTスプライス部位の前にくるものとしていずれかの特定のヌ クレオチドが著しく優先されるわけではない。3’スプライス部位AGの前には 主にピリミジンヌクレオチド塩基(Py)、即ちCまたはTがある。 真菌遺伝子を中断し得るイントロンの数は1から12個またはそれ以上のイン トロンにまで及ぶ(RymondおよびRosbash,1992,E.W.Jones,J.R.Pringle & J.R.Broach編、The Molecular and Cellular Biology of the Yeast Saccharom yces, 143-192頁、Cold Spring Harbor Laboratory Press,Plainview,New Yor k;Gurr他,1987,Kinghorn,J.R.編、Gene Structure in Eukaryotic Microbes ,93-139頁,IRL Press,Oxford)。それらは遺伝子の全体に分散していること もありまたは5’もしくは3’末端のほうに偏っていることもある。サッカロミ セス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)では、主に遺伝子の5’末端に イントロンが存在する。イントロンは通常サイズが1kb未満であり、酵母では通 常400bp未満であり糸状菌では100bp未満である。 サッカロミセス・セレビシェのイントロン分枝点配列5’−TACTAAC− 3’は、糸状菌イントロン中にそのまま存在するのはまれである(Gurr他,1987 ,前掲)。糸状菌イントロン中の同等の場所に、TACTAACに非常に良くま たは大まかに似ている、一般的共通配列NRCTRAC(ここでNはA,C,G またはTであり、そしてRはAまたはGである)を有する連続配列が見られる。 例えば、4番目のTはニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa)および アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)の両推定共通配列中で 不変である。更に、3,6および7番目の位置は80%以上でそれぞれヌクレオチ ドG,AおよびCが 優勢である。しかし、アスペルギルス・ニデュランスの第7位はより自由であり 、65%のCしか存在しない。しかしながら、ニューロスポラ・クラッサとアスペ ルギルス・ニデュランスの両方とも1,2,5および8番目の位置のヌクレオチ ドはあまり厳密でない。その他の糸状菌もそれらのイントロン中の同等の位置に 類似した分枝点配列を有するが、試料抽出(サンプリング)が少なすぎて何らか の明確な傾向を知ることができない。 真菌宿主株中での或るポリペプチドをコードする遺伝子の異種発現は、該遺伝 子のコード配列の中の一領域を介在配列またはイントロンとして誤って認識する 宿主株を生成することがある。例えば、糸状菌のイントロン含有遺伝子がサッカ ロミセス・セレビシェ中では不正確にスプライシングされることがわかった(Gu rr他,1987,Kinghorn,J.R.編,Gene Structure in Eukaryotic Microbes, 93- 139頁,IRL Press,Oxford)。該領域はその遺伝子を入手した親株によりイント ロンとして認識されないことから、該イントロンは陰性イントロンと呼ばれる。 この誤認識はmRNA前駆体分子の異常スプライシングを引き起こし、ひいては 生物学的に活性なポリペプチドを全く生産しないかまたは異なる生物活性を有す るポリペプチド生成物の複数集団を生産することがある。 本発明の目的は、mRNA前駆体の誤ったスプライシングを防ぐために遺伝子 のコード配列内の陰性スプライス部位を取り除く方法を提供することである。 発明の要約 本発明は、組換え真菌宿主細胞を獲得する方法であって、異種ポリペプチドを コードする核酸配列であって該配列中の少なくとも1つの陰性スプライス部位が 変更されている核酸配列を真菌宿主細胞に導入することを含んで成る方法に関す る。一態様では、少なくと も1つの陰性共通配列を非共通配列で置き換えることにより、1または複数の陰 性スプライス部位が変更される。別の態様では、少なくとも1つの陰性イントロ ンまたはその部分を含んで成る第一の領域を、約40%〜約70%の範囲内のG+C 含量を有する第二の領域で置き換えることにより、1または複数の陰性スプライ ス部位が変更される。更に別の好ましい態様では、1または複数の陰性共通配列 を非共有配列で置き換え、且つ少なくとも1つの陰性イントロンまたはその部分 を含んで成る第一の領域を約40%〜約70%の範囲内のG+C含量を有する第二の 領域で置き換えることにより、1または複数の陰性スプライス部位が変更される 。 本発明は、少なくとも1つの変更された陰性スプライス部位を有する核酸配列 、並びに前記核酸配列を含んで成る核酸構成物、ベクターおよび宿主細胞にも関 する。本発明は更に、前記核酸配列によりコードされるポリペプチドの組換え生 産方法にも関する。 定義 「イントロン」は、本明細書中では、或る遺伝子のコード配列を中断しており そして一次mRNA転写物から切除される非翻訳介在核酸配列として定義される 。 「エキソン」は、本明細書中では、転写されそしてポリペプチドに翻訳される 遺伝子のセグメントとして定義される。 「一次mRNA転写物」は、本明細書中では、転写により生産される一遺伝子 のmRNA前駆体生成物として定義される。 「RNAスプライシング」は、本明細書中では、一次mRNA転写物から転写 された1または複数のイントロン配列が切除され、続いて残ったエキソンが連結 されてmRNA生成物を生成することを意味する。 「陰性イントロン」とは、本明細書中では、一次mRNA転写物 から切除されるイントロンと誤って認識されるコード配列として定義される。陰 性イントロンは好ましくは10〜1500ヌクレオチド、より好ましくは20〜1000ヌク レオチド、更に好ましくは30〜300ヌクレオチド、最も好ましくは30〜100ヌクレ オチドを有する。 「共通配列」は、本明細書中では、イントロンスプライス部位を含む5’また は3’エキソン−イントロン境界のところに通常見つかる核酸配列として定義さ れる。 「陰性スプライス部位」は、本明細書中では、異常スプライシングが起こる陰 性イントロンの5’または3’境界のいずれかの部位として定義される。 「陰性共通配列」は、本明細書中では、陰性スプライス部位を含む陰性イント ロンの5’または3’境界のいずれかにおいて通常見つかる核酸配列として定義 される。陰性共通配列は好ましくは多くて10個、より好ましくは多くて6個、更 に好ましくは3個、最も好ましくは2個のヌクレオチドを有する。 「異常スプライシング」は、本明細書中では、一次mRNA転写物から転写さ れた配列の一領域の不正切除として定義され、前記領域は介在核酸配列として誤 って認識される。 「アミノ酸ゆらぎ位置」は、本明細書中では、真菌宿主細胞の遺伝暗号の縮重 のために、別のヌクレオチドによって置き換えることができるヌクレオチド残基 として定義される。 「組換え真菌宿主細胞」は、本明細書中では、異種核酸配列を含んで成る真菌 宿主細胞として定義される。 図面の簡単な説明 図1はpUC19-GFPの制限地図を示す。 図2はpShTh34の作製を示す。 図3は、断片A〜Dと称する陰性イントロン領域を有するGFP cDNA配列(配列番号20)を示す。 図4はpShTh49の作製を示す。 図5はpShTh58.1の作製を示す。 図6は形質転換体ShTh581.1により生産されるGFPの蛍光スペクトルを示す。 図7はpShTh58.2の制限地図を示す。 図8は形質転換体ShTh582.1により生産されるGFPの蛍光スペクトルを示す。 発明の詳細な説明 本発明は、異種ポリペプチドをコードする核酸配列であって該核酸配列中の少 なくとも1つの陰性スプライス部位が変更されている核酸配列を真菌宿主細胞中 に導入することを含んで成る、組換え真菌宿主細胞を獲得する方法に関する。前 記核酸配列はゲノム配列並びに対応するcDNAおよびRNA配列であることが できる。核酸配列は好ましくはcDNA配列である。 陰性スプライス部位は、組換え真菌宿主細胞中で生産される異種ポリペプチド をコードする異種mRNA、または前記mRNAから合成したcDNAを、親細 胞から得られたmRNAまたは前記mRNAから合成したcDNAと比較するこ とにより、同定することができる。親細胞は異種mRNAの起源である。あるい は、陰性スプライス部位は、親細胞の核酸配列およびそれの推定アミノ酸配列と 比較することにより、真菌宿主細胞中で該核酸配列によりコードされる異種ポリ ペプチドのアミノ酸配列から同定することができる。陰性スプライス部位は真正 の真菌イントロンスプライス部位の共通イントロン配列または境界部についての 知識を使って同定することもできる(Rymond & Rosbash,1992,前掲;Gurr他, 1987,前掲)。 陰性スプライス部位は、1もしくは複数の陰性共通配列を非共通 配列で置き換え、そして/または、1もしくは複数の陰性イントロンもしくはそ の一部分を含む第一の領域を、約40〜約70%、好ましくは約40〜約60%、より好 ましくは約40〜約50%の範囲のG+C含量を有する第二の領域で置き換えること により、変更することができる。 5’および3’陰性共通配列は当業界で周知の方法によって非共通配列により 置き換えることができる。そのような方法としては、オリゴヌクレオチド指令変 異誘発、相同組換え、部位特異的変異誘発、PCR変異誘発および化学合成が挙 げられるが、それらに限定されない。好ましい態様では、5’陰性共通配列はG T,GCまたはCTであり、そして3’陰性共通配列はAGである。より好まし い態様では、5’陰性共通配列はGTANGT,GCANGTまたはCTANG Tである(ここでNはA,C,GまたはTである)。別のより好ましい態様では 、3’陰性共通配列がCAG,TAGまたはAAGである。複数の合成断片があ れば、当業界で既知の方法を使ってそれらの断片を一緒にアニールして1つの断 片にすることができる。次いで、合成断片を取り囲む核酸配列の残りの5’およ び3’部分を、該遺伝子に特異的なオリゴヌクレオチドプライマーを使って増幅 せしめることにより、完全なコード配列を再構成することができる。 陰性共通配列のヌクレオチドを置換するためのヌクレオチドの選択は、好まし くは、真菌宿主細胞であるアスペルギルスについて次頁に示される表1のような コドン用法表に基づく。陰性共通配列は、好ましくは、アミノ酸ゆらぎ位置に相 当するヌクレオチドが同一アミノ酸を与える別のヌクレオチドで置き換えられて いる非共通配列によって置換される。 陰性イントロンまたはその一部分を含む第一の領域を第二の領域で置き換える 方法は、陰性共通配列を非陰性配列で置き換えることについて上述したのと同じ 方法を使って達成することができる。一態様では、第二領域が第一領域と同じ数 のヌクレオチドを有する。好ましい態様では、第一および第二の領域が、陰性イ ントロンの5’および/または3’境界に隣接する10〜500ヌクレオチド、より 好ましくは10〜200ヌクレオチド、最も好ましくは10〜100ヌクレオチドを有する 。陰性イントロンには、分枝点配列は存在してもしなくてもよい。好ましい態様 では、陰性イントロン配列は少なくとも7ヌクレオチドの分枝点配列a−b−c −d−e−g−f(ここでaはA,C,GまたはTであり;bはAまたはGであ り;cはCであり;dはTであり;eはAまたはTであり;fはAであり;そし てgはCである)を含んで成る。より好ましい態様では、分枝点配列は少なくと も7ヌクレオチドa−b−c−d−e−f−g(ここでaはA,C,GまたはT であり;bはAであり;cはCであり;dはTであり;eはAであり;fはAで あり;そしてgはCである)を含む。 好ましい態様では、真菌宿主細胞により生産される異種ポリペプチドのアミノ 酸配列が、野性型ポリペプチドのアミノ酸配列と同一である。別の好ましい態様 では、真菌宿主細胞により生産される異種ポリペプチドのアミノ酸残基数が、野 性型ポリペプチドのアミノ酸残基数と同一である。別の好ましい態様では、1ま たは複数の非共通配列が1または複数の陰性共通配列と同じヌクレオチド数を有 する。 組換え真菌宿主細胞により生産される異種ポリペプチドのアミノ酸配列は、1 もしくは複数のアミノ酸残基の挿入もしくは削除および/または別のアミノ酸残 基による1もしくは複数のアミノ酸残基 の置換により、野性型ポリペプチドのアミノ酸配列と異なってもよい。好ましく は、アミノ酸変更が重要でない性質のもの、すなわちタンパク質の折り畳みまた は活性に有意な影響を及ぼさない保存的アミノ酸置換;小規模の欠失、典型的に は1〜約30アミノ酸の欠失;小規模のアミノ末端もしくはカルボキシル末端伸長 、例えば1つのアミノ末端メチオニン残基の付加、約20〜25残基までの小型リン カーペプチドの付加、または精製を容易にする小規模の伸長、例えばポリヒスチ ジン領域、抗原性エピトープもしくは結合ドメインの付加である。保存的置換の 例は、塩基性アミノ酸(例えばアルギニン、リジン、ヒスチジン)、酸性アミノ 酸(例えばグルタミン酸およびアスパラギン酸)、極性アミノ酸(例えばグルタ ミンおよびアスパラギン)、疎水性アミノ酸(例えばロイシン、イソロイシン、 バリン)、芳香族アミノ酸(例えばフェニルアラニン、トリプトファン、チロシ ン)および小型アミノ酸(例えばグリシン、アラニン、セリン、スレオニン、メ チオニン)のグループ内である。 「異種ポリペプチド」という用語は、コードされる生成物の特定の長さを指し て言う意味ではなく、従ってペプチド、オリゴペプチドおよびタンパク質を包含 する。更に、「異種ポリペプチド」という語は一緒になって生成物を構成する2 以上のポリペプチドを包含することができる。異種ポリペプチドは原核生物起源 (例えば、バシラス種由来のヒドロラーゼ、すなわちα−アミラーゼ、プロテア ーゼ、リパーゼなど)、真核生物起源(例えば、ヒトインスリン、ヒト成長ホル モン、ウシキモシン、第VIII因子、緑蛍光タンパク質など)、および前記真菌宿 主以外の真菌起源〔例えばミセリオフトラ(Myceliophthora)ラッカーゼ、ポリ ポラス(Polyporus)ラッカーゼ、コプリナス(Coprinus)ペルオキシダーゼ、 フミコラ(Humicola)リパーゼ、アスペルギルス(Aspergillus)アミラーゼな ど〕 から得ることができる。異種ポリペプチドは、少なくとも1つが真菌宿主にとっ て異種である少なくとも2つの異なるポリペプチドから得られた部分または完全 ポリペプチド配列の組合せを含んで成る、「ハイブリッド」ポリペプチドも包含 することができる〔例えば、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)グ ルコアミラーゼのシグナルペプチドおよびプロペプチドをコードする核酸配列に 融合せしめたミセリオフトラ(Myceliophthora)ラッカーゼをコードする核酸配 列〕。異種ポリペプチドは更に、上述したポリペプチドの天然に存在する対立遺 伝子変異体および遺伝子操作された変異体を包含することができる。 好ましくは、異種ポリペプチドはホルモン、酵素、レセプターまたはレポータ ーである。より好ましい態様では、異種ポリペプチドはオキシドレダクターゼ、 トランスフェラーゼ、ヒドロラーゼ、リアーゼ、イソメラーゼ、またはリガーゼ である。更に好ましい態様では、異種ポリペプチドはアミノペプチダーゼ、アミ ラーゼ、カルボヒドラーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ 、キチナーゼ、クチナーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、エステラーゼ、α−ガ ラクトシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、α−グルコシダー ゼ、β−グルコシダーゼ、ハロペルオキシダーゼ、インベルターゼ、ラッカーゼ 、リパーゼ、マンノシダーゼ、ムタナーゼ、オキシダーゼ、ペクチン分解酵素、 ペルオキシダーゼ、フィターゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、タンパク質分解 酵素、リボヌクレアーゼまたはキシラナーゼである。 別の更に好ましい態様では、異種ポリペプチドがエクオレア・ビクトリア(Ae quorea victoria ;クラゲ)緑色蛍光タンパク質(GFP)である。GFPは、 エシェリキア・コリ(Escherichia coli;大腸菌)、酵母、植物細胞、蠕虫、ハ エおよび哺乳動物をは じめとする広域の生物スペクトルにおいて、生体内での遺伝子発現やタンパク質 限局化を目で見えるようにする万能レポーターとして多数の望ましい特性を有す る(Chalfie他,1994,Science 263:802-805;Delagrave他,1995,Bio/Technol ogy 13:151-154;Heim他,1995,Nature 373:663-664;Sheen他,1995,Plant J ournal 8:777-784;Prasher,1995,TIG 8:320-323;Haseloff & Amos,1995 ,TIG 8:328-329)。糸状菌における遺伝子発現のレポーターとしてのGFPの 使用は今までに報告されていない。 本発明は、本発明の方法により作製された、1または複数の変更された陰性ス プライス部位を有する1または複数の単離された核酸配列にも関する。1または 複数の変更された陰性スプライス部位を有する1または複数の単離された核酸配 列は、ゲノム配列だけでなく対応するcDNA配列とRNA配列も更に包含する ので、本明細書中で用いる「核酸配列」という語句は、合成DNAを含むそのよ うな変形を全て包含するものと解釈されるだろう。 本発明はまた、前記1または複数の核酸配列を含んで成る核酸構成物にも関す る。「核酸構成物」は一般に、天然の遺伝子から単離されるか、または、天然に 存在しないはずの形で組み合わされそして連結された核酸のセグメントを含むよ うに変更されている、一本鎖か二本鎖のいずれかの核酸分子を意味すると解釈す べきである。本発明の核酸構成物中、核酸配列はゲノム、cDNA、半合成また は合成起源のものであることができる。 本発明は更に、本発明の核酸構成物を含んで成る組換え発現ベクターにも関す る。組換え発現ベクターは、組換えDNA操作に上手くかけることができ且つ少 なくとも1つの変更された陰性スプライス部位を有する核酸配列の発現を引き起 こすことができる任意のベクターである。ベクターの選択は典型的にはベクター を導入しよう とする真菌宿主細胞とベクターとの適合性によるだろう。ベクターは直鎖状また は閉環状プラスミドであることができる。ベクター系は、単一のベクターである か、または真菌宿主のゲノム中に導入すべき全DNAを共同して含有する2以上 のベクターもしくはプラスミドであることができる。 該ベクターは自己複製ベクター、即ちその複製が染色体複製から独立している 染色体外存在物として存在するベクター、例えばプラスミド、染色体外要素、ミ ニクロモソームまたは人工クロモソームであることができる。ベクターは自己複 製を保証するための任意の手段を含んでもよい。あるいは、ベクターは真菌細胞 に導入されるとそのゲノムに組み込まれ、そしてそれが組み込まれた染色体と一 緒に複製されるものであってもよい。ベクターの組み込みは、少なくとも1つの 変更された陰性スプライス部位を有する核酸配列、または相同もしくは非相同組 換えによるゲノム中への該ベクターの安定な組み込みのための該ベクターの別の いずれかの要素によることができる。あるいは、ベクターは、真菌宿主のゲノム 中への相同組換えによる組み込みを指令する追加の核酸配列を含んでもよい。こ の追加の核酸配列は、ベクターが染色体中の的確な位置で宿主細胞ゲノムに組み 込まれるようにする。的確な位置での組み込みの公算を高めるためには、好まし くは個々が十分な核酸数、好ましくは400bp〜1500bp、より好ましくは800bp〜10 00bpを含有し、且つ相同組換えの確率を高めるために対応する標的配列と高度に 相同である、2つの核酸配列が存在すべきである。それらの核酸配列は、真菌宿 主細胞のゲノム中の標的配列と相同である任意の配列であることができ、更に、 非コード配列またはコード配列であることができる。 自己複製のために、ベクターは問題の宿主細胞中で該ベクターを 自律的に複製できるようにする複製開始点を更に含んでもよい。酵母宿主細胞中 で用いられる複製開始点の例は、2ミクロン複製開始点、およびCEN3とAR S1の組合せである。選択された真菌宿主細胞に適合する任意の複製開始点を用 いることができる。 本発明のベクターは、好ましくは、形質転換された細胞の選択を容易にする1 または複数の選択マーカーを含む。選択マーカーは、抗生物質耐性もしくはウイ ルス耐性、重金属に対する耐性、原栄養体から独立栄養体への変換などに備える 生成物をコードする遺伝子である。選択マーカーは、amdS(アセトアミダーゼ) 、argB(オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、bar (ホスフィノトリ シンアセチルトランスフェラーゼ)、hygB(ヒグロマイシンホスホトランスフェ ラーゼ)、niaD(硝酸レダクターゼ)、pyrG(オロチジン−5’−リン酸デカル ボキシラーゼ)、sC(硫酸アデニルトランスフェラーゼ)、およびtrpC(アント ラニル酸シンターゼ)を非限定的に含んで成る群より選ぶことができる。アスペ ルギルス細胞中での使用には、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus ni dulans )またはアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)のamdSおよびpy rG マーカー並びにストレプトマイセス・ヒグロスコピクス(Streptomyces hygro scopicus )のbar マーカーが好ましい。更に、選択マーカーが別個のベクター上 に存在する場合には例えばWO 91/17243に記載された通りに、同時形質転換によ って選択を行うことができる。 ベクター中、少なくとも1つの変更されたスプライス部位を含んで成る核酸配 列は、該核酸配列のコード配列の発現に必要である調節配列に作用可能に連結さ れる。「調節配列」という語は、その存在が核酸配列のコード配列の発現に必要 または有益である全ての成分を包含するものである。調節配列は異種ポリペプチ ドをコードす る核酸配列に対して生来であってもよく、または外来起源から得てもよい。その ような調節配列としては、リーダー、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、 プロモーター、シグナル配列および転写ターミネーターが挙げられるが、それら に限定されない。最小限、調節配列はプロモーター並びに転写および翻訳終止シ グナルを含む。調節配列の支配下での発現のためには、本発明に従って使用する 予定の遺伝子が、調節配列と適合する条件下でコード配列の発現が達成されるよ うな形で該調節配列に作用可能に連結される。「コード配列」という用語は、上 述の調節配列の調節下に置かれた時にmRNAに転写されそして異種ポリペプチ ドに翻訳される配列である。コード配列の境界は、5’末端側は翻訳開始コドン により決定されそして3’末端側は翻訳終止コドンにより決定される。コード配 列としては、非限定的に、DNA、cDNAおよび組換え核酸配列が挙げられる 。 上述したように、本発明の核酸配列は適当なプロモーター配列に作用可能に連 結せしめることができる。プロモーター配列は、核酸配列の発現用の真菌宿主細 胞により認識される核酸配列を含む。プロモーター配列は異種ポリペプチドの発 現を媒介する転写および翻訳調節配列を含む。プロモーターは着目の真菌宿主細 胞中で転写活性を示す任意のDNA配列であることができ、宿主細胞にとって相 同または非相同(異種)であるポリペプチドをコードする遺伝子から誘導するこ とができる。糸状菌宿主細胞中での本発明の核酸構成物の転写を指令するのに適 当なプロモーターの例は、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)TAKA アミラーゼ、リゾムーコル・ミーヘイ(Rhizomucor miehei)アスパラギン酸プ ロテイナーゼ、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)中性α−アミラ ーゼ、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)酸安定性α− アミラーゼ、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)もしくはアスペル ギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)グルコアミラーゼ(glaA)、リゾム ーコル・ミーヘイ(Rhizomucor miehei)リパーゼ、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae )アルカリ性プロテアーゼ、アスペルギルス・オリゼ(Aspe rgillus oryzae )トリオースリン酸イソメラーゼ、またはアスペルギルス・ニデ ュランス(Aspergillus nidulans)アセトアミダーゼをコードする遺伝子から得 られるプロモーター、およびそれらのハイブリッドである。酵母宿主の場合、有 用なプロモーターはサッカロミセス・セレビシェ(Saccharomyces cerevisiae) エノラーゼ(eno- )プロモーターである。特に好ましいプロモーターはTAKAア ミラーゼ、NA2-tpi(アスペルギルス・ニガーの中性α−アミラーゼをコードす る遺伝子からのプロモーターとアスペルギルス・オリゼのトリオースリン酸イソ メラーゼをコードする遺伝子からのプロモーターとのハイブリッド)、およびgl aA プロモーターである。 本発明の核酸配列は、その3’末端のところでターミネーター配列に作用可能 に連結されてもよい。ターミネーター配列は異種ポリペプチドをコードする核酸 配列にとって生来であってもよく、または外来起源より得てもよい。所望の真菌 宿主細胞中で機能的である任意のターミネーターを本発明において使用すること ができるが、特に好ましいターミネーターはアスペルギルス・オリゼのTAKAアミ ラーゼ、アスペルギルス・ニガーのグルコアミラーゼ、アスペルギルス・ニデュ ランスのアントラニル酸シンターゼ、アスペルギルス・ニガーのα−グルコシダ ーゼ、およびサッカロミセス・セレビシェのエノラーゼをコードする遺伝子から 得られる。 本発明の核酸配列は適当なリーダー配列に作用可能に連結されてもよい。リー ダー配列は真菌宿主による翻訳に重要であるmRNA の非翻訳領域である。リーダー配列は異種ポリペプチドをコードする核酸配列の 5’末端に作用可能に連結される。リーダー配列は異種ポリペプチドをコードす る核酸配列にとって生来であってもよく、または外来起源より得てもよい。真菌 宿主細胞中で機能的である任意のリーダー配列を本発明において使用することが できるけれども、特に好ましいリーダーはアスペルギルス・オリゼのTAKAアミラ ーゼ、およびアスペルギルス・オリゼのトリオースリン酸イソメラーゼをコード する遺伝子から得られる。 ポリアデニル化配列を本発明の核酸配列の3’末端に作用可能に連結させるこ ともできる。ポリアデニル化配列は、転写されると真菌宿主により認識されて、 転写されたmRNAにポリアデノシン残基を付加する配列である。ポリアデニル 化配列は異種ポリペプチドをコードする核酸配列にとって生来であってもよく、 または外来起源より得てもよい。特定の真菌宿主細胞中で機能的である任意のポ リアデニル化配列を本発明において使用することができるけれども、特に好まし いポリアデニル化配列はアスペルギルス・オリゼのTAKAアミラーゼ、アスペルギ ルス・ニガーのグルコアミラーゼ、アスペルギルス・ニデュランスのアントラニ ル酸シンターゼ、およびアスペルギルス・ニガーのα−グルコシダーゼをコード する遺伝子から得られる。 異種発現されるポリペプチドを獲得するため細胞を破壊する必要性を無くすた めに、そして細胞内で発現された該ペプチドの起こりうる分解の量を最少にする ために、ポリペプチド遺伝子の発現が細胞の外側に分泌される生成物を生じるこ とが好ましい。このために、本発明の異種ポリペプチドを、該ポリペプチドのア ミノ末端に結合された形でシグナルペプチドに連結せしめることができる。シグ ナルペプチドは、真菌宿主から培地中への異種ポリペプチドの分泌を 可能にするアミノ酸配列である。シグナルペプチドは本発明の異種ポリペプチド にとって生来のものであるか、または外来起源より得ることができる。本発明の 核酸配列のコード配列の5’末端は、分泌型異種ポリペプチドをコードするコー ド領域のセグメントと翻訳読み枠内に生来連結されているシグナルペプチドコー ド領域を含むことができる。あるいは、コード配列の5’末端は、分泌型異種ポ リペプチドをコードするコード配列の当該部分に対して外来である、シグナルペ プチドコード領域を含んでもよい。外来シグナルペプチドは、コード配列がシグ ナルペプチドコード領域を通常含まない場合に必要とされることがある。あるい は、外来シグナルペプチドは、所望の異種ポリペプチドの分泌を増強するために 生来のシグナルペプチドと単純に置き換えてもよい。外来シグナルペプチドコー ド領域は、アスペルギルス種由来のグルコアミラーゼもしくはアミラーゼ遺伝子 、リゾムーコル・ミーヘイ(Rhizomucor miehei)由来のリパーゼもしくはプロ テイナーゼ遺伝子、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae) 由来のα因子遺伝子または子牛プレプロキモシン遺伝子から得ることができる。 真菌宿主細胞に有効なシグナルペプチドは、アスペルギルス・オリゼ(Aspergil lus oryzae )TAKAアミラーゼシグナル、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger )中性アミラーゼシグナル、リゾムーコル・ミーヘイ(Rhizomucor mie hei )アスパラギン酸プロテイナーゼシグナル、フミコラ・ラヌギノザス(Humic ola lanuginosus )セルラーゼシグナル、またはリゾムーコル・ミーヘイ(Rhizo mucor miehei )リパーゼシグナルである。しかしながら、特定の真菌宿主におい て異種ポリペプチドを分泌させることができるどんなシグナルペプチドでも、本 発明において使用することができる。 本発明の核酸配列はプロポリペプチドコード領域に連結せしめる こともできる。プロペプチドはアプロポリペプチドまたはプロ酵素のアミノ末端 に見つかるアミノ酸配列である。プロポリペプチドからのプロペプチドの開裂が 生化学的に活性である成熟ポリペプチドを生産する。前記連結の結果得られるポ リペプチドはプロポリペプチドまたはプロ酵素(ある場合にはチモーゲン)とし て知られる。プロポリペプチドは通常不活性であり、プロポリペプチドまたはプ ロ酵素からのプロペプチドの触媒的または自己触媒的開裂によってはじめて活性 な成熟ポリペプチドに変換することができる。プロペプチドコード領域は異種ポ リペプチドにとって生来のものであるかまたは外来起源より得ることができる。 外来プロペプチドコード領域は、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae )α−因子遺伝子からまたはミセリオフトラ・テルモフィラ(Myceli ophthora thermophila )ラッカーゼ遺伝子から得ることができる(WO 95/33836 )。 上述した各要素を連結せしめて本発明の組換え発現ベクターを作製するのに使 う方法は、当業者に周知である(例えば、Sambrook他,Molecular Cloning ,A L aboratory Manual ,第2版,Cold Spring Harbor,New York,1989を参照のこと )。 本発明はまた、本発明の組換えベクターと共に用いるのに有利である、本発明 の方法により生産される組換え真菌宿主細胞にも関する。好ましくは、本発明の 核酸配列を含んで成るベクターを用いて真菌宿主細胞が形質転換せしめられ、次 いで該ベクターが宿主染色体中に組み込まれる。「形質転換」とは、少なくとも 1つの変更された陰性スプライス部位を有する核酸配列を含んで成るベクターを 、該ベクターが宿主組み込み型ベクターとしてまたは自己複製性染色体外ベクタ ーとして維持されるように、真菌宿主細胞に導入することを意味する。たぶん核 酸配列が細胞内で安定に維持されるだろう から、組み込みが一般に有利であると考えられる。宿主染色体中へのベクターの 組み込みは、上述したような相同または非相同組換えにより起こってもよい。 真菌宿主細胞の選択は、異種ポリペプチドをコードする遺伝子およびそれの起 源に大方依存するだろう。真菌宿主細胞は酵母細胞または糸状菌細胞であること ができる。 本明細書中で用いる「酵母」は、子嚢胞子性酵母(エンドミセス目Endomyceta les)、担子胞子性酵母、および不完全菌類に属する酵母(ブラストミセス綱) を包含する。子嚢胞子性酵母はスペルモフトラ科とサッカロミセス科に分かれる 。後者は4つの亜科、すなわちシゾサッカロミセス亜科(例えばシゾサッカロミ セス属)、ナドソニア亜科、リポマイセス亜科およびサッカロミセス亜科(例え ばピヒア属、クルイベロミセス属およびサッカロミセス属)から構成される。担 子胞子性酵母は、ロイコスポリジウム属、ロドスポリジウム属、スポリジオボラ ス属、フィロバシジウム属およびフィロバシディエラ属を包含する。不完全菌類 に属する酵母は2つの科、すなわちスポロボロミセス科(例えばスポロボロミセ ス属およびブレラ属)およびクリプトコッカス科(例えばカンジダ属)に分けら れる。酵母の分類は将来変わる可能性があるので、本発明の目的上、酵母はBiol ogy and Activities of Yeast (SKinner,F.A.,Passmore,S.M.およびDavenpor t,R.R,編、Soc.App.Bacteriol.Symposium Series No.9,1980)に記載の ごとく定義される。酵母の生物学および酵母遺伝子の操作は当業界で周知である (例えば、Biochemistry and Genetics of Yeast,Bacil,M.,Horecker,B.J. およびStopani,A.O.M.編、第2版,1987;The Yeasts,Rose,A.H.およびHar rison,J.S.編、第2版,1987;The Molecular Biology of the Yeast Saccharo myces ,Strathern他編、1981を参照のこと)。 本明細書中で用いる「真菌」は、子嚢菌門、担子菌門、ツボカビ門および接合 菌門(Hawksworth他、Ainsworth and Bisby's Dictionary of The Fungi, 第8 版,1995,CAB International,University Press,Cambridge,UKにより定義さ れている)並びに卵菌門(Hawksworth他,1995,前掲中に記載)および全ての有 糸分裂性真菌(Hawksworth他,1995,前掲)を包含する。子嚢菌門の代表的な属 としては、例えば、ニューロスポラ、ユーペニシリウム(=ペニシリウム)、エ メリセラ(=アスペルギルス)、ユーロチウム(=アスペルギルス)および上述 した真正酵母菌が挙げられる。担子菌門の例としては、キノコ類、サビ菌類およ び黒穂病菌類が挙げられる。ツボカビ門の代表的群としては、例えば、アロミセ ス類、ブラストクラジエラ(厚壁嚢菌)類、コエロミセス(分生子果不完全菌) 類、および水生菌類が挙げられる。卵菌門の代表的群としては、例えば、ミズカ ビ鋼の水生菌類(ミズカビ)、例えばワタカビ(Achlya)が挙げられる。有糸分 裂性真菌類の例としては、アスペルギルス、ペニシリウム、カンジダおよびアル テルナリアが挙げられる。接合菌門の代表的群としてはリゾプスおよびムーコル が挙げられる。 「糸状菌」は、真菌亜門および卵菌亜門(Hawksworth他,1995,前掲により定 義された通り)の全ての繊維状形態を包含する。糸状菌は、キチン、セルロース 、グルカン、キトサン、マンナンおよび他の複合多糖類から構成される栄養菌糸 によって特徴づけられる。栄養増殖は菌糸の伸長により起こるのであり、炭素異 化作用は偏性好気的である。対照的に、サッカロミセス・セレビシエのような酵 母による栄養増殖は単細胞葉状体の出芽によるのであり、炭素異化作用は醗酵的 であることができる。 一態様では、真菌宿主細胞は酵母細胞である。より好ましい態様 では、酵母宿主細胞がカンジダ(Candida)、クルイベロミセス(Kluyveromyces )、サッカロミセス(Saccharomyces)、シゾサッカロミセス(Schizosaccharom yces )、ピヒア(Pichia)、およびヤロウィア(Yarrowia)種の細胞である。最 も好ましい態様では、酵母宿主細胞がサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomy ces cerevisiae )細胞、サッカロミセス・カールスバーゲンシス(Saccharomyc es carlsbergensis )細胞、サッカロミセス・ジアスタティクス(Saccharomyces diastaticus )細胞、サッカロミセス・ドウグラッシイ(Saccharomyces doug lasii )細胞、サッカロミセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)細胞、 サッカロミセス・ノルベンシス(Saccharomyces norbensis)細胞またはサッカ ロミセス・オビフォルミス(Saccharomyces oviformis)細胞である。別の好ま しい態様では、酵母宿主細胞がクルイベロミセス・ラクテイス(Kluyveromyces lactis )細胞である。別の最も好ましい態様では、酵母宿主細胞がヤロウィア・ リポリティカ(Yarrowia lipolytica)である。 別の態様では、真菌宿主細胞が糸状菌細胞である。好ましい態様では、糸状菌 宿主細胞がアクレモニウム(Acremonium)、アスペルギルス(Aspergillus)、 フザリウム(Fusarium)、フミコラ(Humicola)、ミセリオフトラ(Myceliopht hora )、ムーコル(Mucor)、ニューロスポラ(Neurospora)、ペニシリウム(P enicillium )、チエラビア(Thielavia)、トリポクラジウム(Tolypocladium) 、およびトリコデルマ(Trichoderma)種の細胞である。更に好ましい態様では 、糸状菌宿主細胞がアスペルギルス細胞である。別の更に好ましい態様では、糸 状菌宿主細胞がアクレモニウム細胞である。別の更に好ましい態様では、糸状菌 宿主細胞がフザリウム細胞である。別の更に好ましい態様では、糸状菌宿 主細胞がフミコラ細胞である。別の更に好ましい態様では、糸状菌宿主細胞がミ セリオフトラ細胞である。更に別のより好ましい態様では、糸状菌宿主細胞がム ーコル細胞である。更に別の好ましい態様では、糸状菌宿主細胞がニューロスポ ラ細胞である。別の好ましい態様では、糸状菌宿主細胞がペニシリウム細胞であ る。別の好ましい態様では、糸状菌宿主細胞がチエラビア細胞である。別の好ま しい態様では、糸状菌宿主細胞がトリポクラジウム細胞である。別の好ましい態 様では、糸状菌宿主細胞がトリコデルマ細胞である。最も好ましい態様では、糸 状菌宿主細胞がアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)細胞、アスペル ギルス・ニガー(Aspergillus niger)細胞、アスペルギルス・フェティダス(Aspergillus foetidus )細胞またはアスペルギルス・ジャポニカス(Aspergillu s japonicus )細胞である。別の最も好ましい態様では、糸状菌宿主細胞がフザ リウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)細胞またはフザリウム・グラミ ネアラム(Fusarium graminearum)細胞である。別の最も好ましい態様では、糸 状菌宿主細胞がフミコラ・インソレンス(Humicola insolens)細胞またはフミ コラ・ラヌギノザス(Humicola lanuginosus)細胞である。別の最も好ましい態 様では、糸状菌宿主細胞がミセリオフトラ・テルモフィラ(Myceliophthora the rmophila )細胞である。別の最も好ましい態様では、糸状菌宿主細胞がムーコル ・ミーヘイ(Mucor miehei)細胞である。別の最も好ましい態様では、糸状菌宿 主細胞がニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa)細胞である。別の最 も好ましい態様では、糸状菌宿主細胞がペニシリウム・プルプロゲナム(Penici llium purpurogenum )細胞である。別の最も好ましい態様では、糸状菌宿主細胞 がチエラビア・テレストリス(Thielavia terrestris)細胞である。別の最も好 ましい態様では、 トリコデルマ細胞がトリコデルマ・リーセイ(Trichoderma reesei)細胞、トリ コデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)細胞、トリコデルマ・ロンギブラキア タム(Trichoderma longibrachiatum)細胞、トリコデルマ・ハージアナム(Tr ichoderma harzianum )細胞、またはトリコデルマ・コニンギイ(Trichoderma koningii )細胞である。 本発明の組換え真菌宿主細胞は、異種ポリペプチドの発現に有利である1また は複数の因子、例えば活性化因子(例えばトランス作用性因子)、カペロンおよ びプロセシングプロテアーゼ、をコードする1または複数の配列を更に含んでも よい。1または複数のこれらの因子をコードする核酸は、好ましくは、異種ポリ ペプチドをコードする核酸に作用可能に連結されない。活性化因子は、あるポリ ペプチドをコードする核酸配列の転写を活性化するタンパク質である(Kudla他 ,1990,EMBO Journal 9:1355-1364;JaraiおよびBuxton,1994,Current Genet ics 26:2238-244;Verdier,1990,Yeast 6:271-297)。活性化因子をコードす る核酸配列は、サッカロミセス・セレビシエのヘム活性化因子タンパク質1(ha p1 )、サッカロミセス・セレビシエのガラクトース代謝タンパク質4(ga14)お よびアスペルギルス・ニデュランスのアンモニア調節タンパク質(areA)をコー ドする遺伝子から得ることができる。他の例については、Verdier,1990,前掲と 、MacKenzie他,1993,Journal of General Microbiology 139:2295-2307を参照 のこと。カペロン(chaperone)は、別のポリペプチドが正しく折り畳むのを助 けるタンパク質である(Hartl他,1994,TIBS 19:20-25;Bergeron他,1994,TI BS 19:124-128;Demolder他,1994,Journal of Biotechnology 32:179-189;Cra ig,1993,Science 260:1902-1903;Gething & Sambrook,1992,Nature 355:33 -45;Puig & Gilbert, 1994,Journal of Biological Chemistry 269:7764-7771;Wang & Tsou,1993 ,The FASEB Journal 7:1515-11157;Robinson他,1994,Bio/Technology 1:381 -384)。カペロンをコードする核酸配列は、アスペルギルス・オリゼのプロテイ ンジスルフィドイソメラーゼ、サッカロミセス・セレビシエのカルネキシン、サ ッカロミセス・セレビシエのBiP/GRP78、およびサッカロミセス・セレビシエのH sp70をコードする遺伝子から得ることができる。その他の例については、Gethin g & Sambrook,1992,前掲と、Hartl他,1994,前掲を参照のこと。プロセシン グプロテアーゼは、プロペプチドを開裂せしめて生化学的に活性な成熟ポリペプ チドを生成するプロテアーゼである(Enderlin & Ogrydziak,1994,Yeast 10:6 7-79;Fuller他,1989,Proceedings of the National Academy of Sciences US A 86:1434-1438;Julius他,1984,Cell 37:1075-1089;Julius他,1983,Cell 32:839-852)。プロセシングプロテアーゼをコードする核酸配列は、アスペルギ ルス・ニガーのKex2、サッカロミセス・セレビシエのジペプチジルアミノペプチ ダーゼ、サッカロミセス・セレビシエのKex2、およびヤロウィア・リポリティカ の二塩基性プロセシングエンドプロテアーゼ(xpr6)をコードする遺伝子から得 ることができる。選択した真菌宿主細胞中で機能的であるどんな因子でも本発明 において用いることができる。 真菌細胞は、それ自体既知の方法でのプロトプラスト形成、該プロトプラスト の形質転換および細胞壁の再生を含んで成る方法により形質転換せしめることが できる。アスペルギルス宿主細胞の適当な形質転換方法はEP 238 023およびYelt on他,1984,Proceedings of the National Academy of Sciences USA 81:1470- 1474に記載されている。フザリウム種の適当な形質転換方法は、Malardier他,1 989,Gene 78:147-156または同時係属米国出願第08/269,449号 明細書中に記載されている。酵母は、BeckerおよびGuarente,Abelson,J.N & S imon,M.I.編,“Guide to Yeast Genetics and Molecular Biology”,Methods in Enzymology 第194巻,182-187頁,Academic Press,Inc.,New York;Ito他 ,1983,Journal of Bacteriology 153:163;Hinnen他,1978,Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75:1920により記載された手法を使って 形質転換せしめることができる。 本発明はまた、異種ポリペプチドの生産方法であって、前記異種ポリペプチド の発現を誘導する条件下で組換え真菌宿主細胞を培養することを含んで成る方法 に関する。本発明の真菌細胞を、当業界で既知の方法を使って前記異種ポリペプ チドの生産に適当な栄養培地中で培養する。例えば、異種ポリペプチドを発現お よび/または単離可能にする条件下で且つ適当な培地中で行われる、振盪フラス コ培養、小規模または大規模醗酵(連続培養、バッチ培養、フェドバッチ培養、 または固相培養を含む)により、実験用または工業用醗酵槽中で該細胞を培養す ることができる。培養は、当業界で既知の方法を使って、炭素源および窒素源並 びに無機塩類を含んで成る適当な栄養培地中で行われる(例えば、Bennett,J.W .& LaSure,L.編,More Gene Manipulations in Fungi,Academic Press,CA, 1991を参照のこと)。適当な培地は販売業者から入手可能であるかまたは発表さ れた培地組成に従って(例えばアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション (ATCC)のカタログに記載されるような)調製することができる。異種ポリペプ チドが栄養培地中に分泌されるならば、該ポリペプチドは培地から直接回収する ことができる。もし異種ポリペプチドが分泌されないならば、それは細胞溶解物 から回収される。 発現された異種ポリペプチドは、特定のポリペプチドに対して特 異的である周知の方法を使って検出することができる。これらの検出方法として は、特異抗体の使用、酵素生成物の形成、または酵素基質の消失を挙げることが できる。例えば、異種ポリペプチドが酵素活性を有する場合には、エンザイムア ッセイを使用できる。あるいは、異種ポリペプチドに対して特異的なポリクロー ナルまたはモノクローナル抗体が入手可能であれば、該ポリペプチドに対する抗 体を使ったイムノアッセイを使用することができる。エンザイムアッセイやイム ノアッセイの技術は当業者に公知である。 得られた異種ポリペプチドは周知の方法により回収することができる。例えば 、該ポリペプチドは、遠心分離、濾過、抽出、噴霧乾燥、蒸発または沈澱をはじ めとする常用手順により、栄養培地から回収することができる。回収されたポリ ペプチドは、次いで種々のクロマトグラフィー技術、例えばイオン交換クロマト グラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー 等により更に精製することができる。 実施例 実施例1:オリゴヌクレオチドプライマー 製造業者の指示に従ってApplied Biosystems Model 394 DNA/RNA合成装置(Ap plied Biosystems,Inc.,Foster City,CA)を使って、下記のオリゴヌクレオ チドプライマーを合成する。 実施例2:DNA配列決定 ヌクレオチド配列は、Applied Biosystems Model 373A自動DNAシークエン サー(Applied Biosystems,Inc.,Foster City,CA) を使用して、M13逆(-48)プライマーとM13正(-20)プライマー(New England Biol abs,Beverly,MA)並びに配列決定しようとするDNAに特異的であるプライマ ーを用い、蛍光標識ジデオキシヌクレオチドを使ったTaqポリメラーゼサイクル 配列決定法により(Giesecke他,1992,Journal of Virol .Methods 38:47-60) 、両方の鎖について決定する。実施例3:クラゲの緑色蛍光タンパク質(GFP)の分析 GFPの生成はPerkin-Elmer Cetus LS50B蛍光計(Perkin-Elmer Corp.,Norw alk,CT)を使って測定する。具体的には、100μlのタンパク質抽出液を、Perk in-Elmer Cetus LS50Bプレートリーダー中に置いた96ウエルのマイクロタイター プレートに入れる。抽出液を395nmの光に暴露し、発光スペクトルを400nm〜600n mで読み取る。 GFPフィルターセット(Chroma Technology Corp.,Brattle-boro,VT)を 装備したZeiss Axioplan顕微鏡(Carl Zeiss,Inc.,Thornwood,NY)を使って 菌糸をGFP蛍光について観察する。実施例4:発現ベクターpShTh34の作製 TAKAアミラーゼプロモーター、シグナル配列およびターミネーターの調節下に GFP構造遺伝子を配置するために、糸状菌発現ベクターpShTh34を作製する。 標準手順(Sambrook他,1989,前掲)によりクラゲ(Aequorea victoria)か ら単離した全RNAを、製造業者が推奨する通りに、AMV逆転写酵素(Promeg a,Madison,WI)を使ってcDNAに変換する。次いで以前に発表されたGFP 配列(Prasher他,1992,Gene 111:229-233;GenBank受入れ番号M62653)に基づ いてデザインしたPCRプライマーと共にUlTma(商標)ポリメラーゼ(Perkin Elmer,Foster City,CA)を使って、cDNAをPCR 増幅せしめる。それらのプライマーの配列は配列番号18と19として上記に示した ものである。 微変更したpUC19プライマー中へのPCR増幅済GFP cDNAのクローニングを容 易にするために、5’(HindIII部位)プライマーと3’(EcoRI部位とBamHI部 位)プライマーに制限エンドヌクレアーゼ部位を挿入する。この構成物の詳細は 、LacZ Shine-Dalgarno AGGAの直後に5’HindIII部位と余分のTそしてGFPのAT Gコドンが続き、つまりはLacZプロモーター−GFPの融合点のところに次のD NA配列:PLacZ−AGGAAAGCTTTATG−GFPを有する。図1に示される通り、GFP cD NAの3’末端側では、発表されたGFP配列中のヌクレオチド770に相当する塩基対 が、PCR生成BamHI,EcoRIリンカー領域を経由してpUC19多重クローニング部 位(MCS)のEcoRI部位に融合せしめられる。 実施例1に記載のオリゴヌクレオチドプライマー95-448と95-449を用いて、鋳 型としてpUC19-GFPを使用してGFP構造遺伝子をPCR増幅せしめる。増幅反 応液は次の成分を含む:dATP,dCTP,dGTPおよびdTTP各々200マイクロモル、鋳 型50ng、プライマー各30ピコモル、1×Taqポリメラーゼ緩衝液、およびTaqポリ メラーゼ0.5単位(Stratagene Cloning Systems,La Jolla,CA)。該反応液を 次のようにプログラムされたEricomp Thermal Cycler中でインキュベートする: 94℃で5分を1サイクル;94℃で1分、60℃で1分および74℃で1分を30サイク ル;そして74℃で15分を1サイクル。これらのプライマーの使用により、ATG開 始コドンのすぐ上流にSfiI制限部位が付加され、そしてGFPの終止コドンのすぐ 下流にNsiI部位が付加される。生じた断片を標準アガロース電気泳動法を使って 単離する。得られた断片をpMWR1中にサブクローニングして、図2に示されるよ うなpShTh34を得る。実施例5:pShTh34による糸状菌形質転換 pShTh34をpPyrG(Fungal Genetics Stock Center,Kansas City,KS)と共に アスペルギルス・オリゼHowB104pyrGプロトプラスト中に同時形質転換せしめる 。形質転換は、1mlあたりプロトプラスト2×107個の密度のプロトプラストを 使って実施する。100μlのプロトプラストを10μg DNAと共に氷上に30分間置 いておく。次いで1mlのSPTC(40%PEG4000,0.8Mソルビトール,0.05M Tris pH 8.0,0.05M CaCl2)を加え、プロトプラストを34℃で20分間インキュベートする 。該プロトプラストを最少培地(1lにつき、6gのNaNO3,0.52gのKCl,1.52 gのKH2PO4,1mlの微量金属溶液,1gのグルコース,500mgのMgSO4-7H2O,342 .3gのショ糖および20gのノーブル寒天、pH6.5)の入ったプレート上に直接置く 。微量金属溶液(1000×)は、1lにつき22gのZnSO4-7H2O,11gのH3BO3,5gの MnCl2-4H2O,5gのFeSO3-7H2O,1.6gのCOCl2-5H2O,1.6gの(NH4)6Mo7O24およ び50gのNa4EDTAを含んで成る。プレートを37℃で5〜7日間インキュベートす る。形質転換体をショ糖を含まない同一培地のプレートに移し、37℃で3〜5日 間インキュベートする。同一条件下で同じプレートを使って胞子を画線培養しそ して単離されたコロニーを摘み取ることにより、形質転換体を精製する。得られ た形質転換体をアスペルギルス・オリゼShTh340と命名する。実施例6:GFPの抽出 実施例5に記載のアスペルギルス・オリゼShTh340形質転換体を、実施例3に 記載の蛍光分析によりGFP発現の存否についてスクリーニングする。10個のアス ペルギルス・オリゼShTh340-19形質転換体を、1lあたり次の成分:50gのマル トース,2gのMgSO4-7H2O,10gのKH2PO4,2gのK2SO4,2gのクエン酸,10 gの酵母エキス, 0.5mlの実施例5に記載の微量金属溶液,1gの尿素および2gの(NH4)2SO4を含ん で成るMY51培地4ml中で、12ウエルのマイクロタイタープレート上で、37℃で1 〜5日間、静置状態で増殖させる。菌糸マットを採り、1.5mlのエッペンドルフ 管に移し、ドライアイ (Savant Instruments,Inc.,Farmingdale,NY)の中に置き、室温で一晩真空 乾燥する。乾燥培養物を滅菌済ランセットを使って試験管中で粉砕する。粉末状 培養物を、1mM PMSFと0.1mMペプスタチンを含む50mMリン酸ナトリウム−0.5M N aCl緩衝液(pH5.5)400μl中に再懸濁する。菌糸破片をSorvall超遠心機MC12V 型(DuPont Instruments,Inc.,Newtown,CT)中で最高速度で20分間ペレット 化する。上清の200μl容量を新しいエッペンドルフ管に移し、実施例3に記載 した手順に従ってアッセイする。 アスペルギルス・オリゼShTh340-19形質転換体はどれも、検出可能な蛍光を生 成しない。実施例7:mRNA分析 実施例6に記載のアスペルギルス・オリゼShTh340-19形質転換体から、Timber lakeとBarnardの方法(1981,Cell 26:29-37)により全RNAを単離する。 製造業者の指示に従って3’Race Kit(Bethesda Research Labo-ratories,Ga ithersburg,MD)を使って特異的GFP cDNAを合成する。前記形質転換体から単離 した全RNA1μgを、実施例1に記載の特異的5’オリゴヌクレオチドプライ マー95-1202と共に3’UAPオリゴヌクレオチドプライマーを使った増幅反応に使 用する。増幅反応液は次の成分を含んで成る:dATP,dCTP,dGTPおよびdTTP各々 200マイクロモル、各プライマー1ピコモル、鋳型50ng、1×Taqポリメラーゼ緩 衝液、およびTaqポリメラーゼ0.5単位。この反応 液を次の通りプログラムされたEricomp Thermal Cycler中でインキュベートする :94℃で5分を1サイクル;94℃で1分、50℃で1分および72℃で1分を30サイ クル;そして74℃で5分を1サイクル。センスオリゴヌクレオチドプライマー95 -1202または95-88を実施例1に記載のアンチセンスプライマー95-89または95-65 6のいずれかと組み合わせて使用して、cDNA生成物を嵌め合わせ型(nested)P CR増幅にかける。PCR条件は上述したものと同じである。PCR生成物を製 造業者の指示に従ってTAクローニングキットを使ってpCRIIの中にクローニン グする。次いでQIAwell-8プラスミドキット(Quiagen,Chatsworth,CA)を使っ て形質転換体からプラスミドDNAを抽出し、そして実施例2に記載の方法に従 ってプラスミド挿入断片を配列決定することにより、形質転換体をスクリーニン グする。実施例8:陰性イントロンの同定 実施例7に記載した配列決定済サブクローンは3グループに分かれ、下記の表 2に記載される(図3、配列番号20)。第一グループは、GFPコード配列中に 断片Aおよび断片Dと命名された2つの欠失部を含む。断片Aは、配列GTGを 有するヌクレオチド347で始まり(ヌクレオチドATGがGFPコード配列の第 1,2,3位に相当する)、そして配列AAGを有するヌクレオチド397で終わ る。断片Dは、配列GTAを有するヌクレオチド448で始まり、そして配列TA Gを有するヌクレオチド503で終わる。第二グループは断片Bと命名された1つ の欠失部を含む。断片Bは、配列GTAを有するヌクレオチド380で始まり、そ して配列CAGを有するヌクレオチド463で終わる。第三グループも断片Cと命 名された単一の欠失部を含む。断片Cは、配列GTAを有するヌクレオチド380 で始まり、そして配列TAGを有するヌクレオチド503で終わる。 上述したヌクレオチドが両端に存在するこれらの欠失断片配列は、予想の共通5 ’および3’スプライス部位を有する糸状菌イントロンとして認識されるための 条件を満たすので、おそらくアスペルギルス・オリゼ中でGFP mRNAから誤ってス プライスされた陰性イントロンであろう。 実施例9・発現ベクターpShTh49の作製 アスペルギルス宿主中でGFP遺伝子を発現させるために、同定された推定陰性 スプライス部位を変更する。変更されたGFP遺伝子を含むようなE.コリ発現ベ クターpShTh49を作製する。具体的には、実施例4に記載したのと同じ条件を使 って、実施例1に記載のオリゴヌクレオチドプライマー95-1422と95-1457を用い て、pUC19-GFPからのGFP遺伝子の5’末端を増幅せしめる。これらのプライマー の使用は、ATG開始コドンの323bp下流にXhoI部位を導入する。標準アガロー ス電気泳動法を使って断片を単離し、次いでTAクローニングキット(Invitrog en Corp.,La Jolla,CA)を使って製造業者の指示に従ってpCRIIの中に該断片 をサブクローニングして、pShTh46を得る。実施例4に記載したのと同じ条件を 使って、実施例1に記載のオリゴヌクレオチドプライマー95-1464と95-1458を用 いて、GFP遺伝子の3’末端を増幅せしめることにより、終止コドンの191bp上流 にPvuI部位を導入する。次いで該PCR生成物をTAクローニングキットを使っ て製造業者の指示に従ってpCRIIの 中にクローニングして、pShTh47を作製する。作製に必要な塩基323〜565に相当 するGFPの残りの中間部コード配列は、アスペルギルス用のコドン用法表(表1 ,前掲を参照のこと)を利用して、製造業者の指示(Applied Biosystems,Fost er City,CA)に従って、Applied Biosystems 394型DNA/RNA合成装置を使って合 成する。3つの84塩基オリゴヌクレオチド断片と1つの50塩基オリゴヌクレオチ ド断片(95-1411,95-1412,95-1413および95-1414)を合成し、一緒にアニーリ ングし、そしてT4 DNAポリメラーゼ(Boehringer Mannheim,Indianapolis,IN )を使って二本鎖にする。得られた断片を、実施例4に記載したのと同じ条件を 使って、実施例1に記載のオリゴマー95-1414と95-1415を用いてPCRにより増 幅せしめる。増幅断片を標準アガロース電気泳動法により単離し、次いで製造業 者の指示に従ってTAクローニングキットを使ってpCRII中にクローニングして 、pShTh45を作製する。pShTh45,pShTh46およびpShTh47からの3つのGFP断片を 集成し、そしてlacZ Shine-Delgarno(SD)配列に続いてHindIII,BamHI,EcoRI 制限部位を含むpUC19誘導体の中に、GFPの合成対立遺伝子であるgfp49を導入し て、pShTh49を作製する(図4)。 結果として、同定された陰性イントロン中に見つかる5’スプライス部位と3 ’スプライス部位の各々が変更される。加えて、デザインした断片の長さ全体に 渡って、コドンゆらぎ位置のところで可能な時は常にG+C含量が増大される。 該遺伝子の総G+C含量は38.5%から44.5%へと増大する(合成デザインした断 片内では、増大は33.3%から51%へである)。実施例10:pShTh49による形質転換 製造業者の指示に従ってpShTh49を用いてE.コリDH5α(Bethesda Research Laboratories,Gaithersburg,MD)を形質転 換せしめ、得られた形質転換体を実施例3に記載の通りに蛍光顕微鏡下で観察す る。イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)が補足されたLuri a-Bertani培地5ml中で、形質転換体を37℃にて振盪培養する。IPTGによるgfp49 の誘導から14時間後、実施例5に記載のZeiss顕微鏡により蛍光性E.コリが観 察され、このことは、gfp49が真正GFPと同じ条件下で蛍光を発することができる 機能性タンパク質であることを証明する。実施例11:発現ベクターpShTh58.1の作製 実施例4に記載したのと同じ条件を使って、実施例1に記載のプライマー96-6 7と96-68を用いてpShTh49からの断片を増幅せしめることにより、糸状菌発現ベ クターであるpShTh58.1を作製する。まず前記断片を標準アガロース電気泳動法 により単離する。得られたGFPコード断片は、それぞれ5’末端と3’末端にユ ニークSwaI制限部位部位とPacI制限部位を有する。次いでこの断片をSwaIとPacI で消化し、標準アガロース電気泳動法により単離し、そしてpBANe13ベクターD NA中に連結せしめて、pShTh58.1を得る(図5)。実施例12:pShTh58.1による形質転換 実施例5に記載したのと同じプロトコルを使って、pShTh58.1を用いてアスペ ルギルス・オリゼHowB425を形質転換せしめる。得られた形質転換体をShTh581株 と命名する。実施例13:gfp49の発現 5つのShTh581形質転換体を、実施例6に記載したMY51培地の入ったマイクロ タイタープレート中で増殖せしめ、GFP生産に向けてTAKAプロモーターを誘導す る。3日目と4日目に菌糸を収集する。次いで実施例4に記載の通りに菌糸から 細胞内タンパク質を単離し、実施例3に記載の通りにGFPの存在について分析す る。5つの試験 した形質転換体のうちの4つが、395nmの光で励起した時に509nmのところにGFP に相当する発光ピークを生じる(図6)。これらの結果は、gfp49のmRNA中の変 更が、蛍光性GFP生産を考慮に入れたアスペルギルス・オリゼ中で正しいGFP生産 をもたらすことを示す。実施例14:発現ベクターpShTh58.2の作製 真菌発現ベクターpShTh58.2は、pShTh58.1をMorph変異誘発キット(5-Prime 3 -Prime,Boulder,Co.)で処理することにより作製する。プライマー96-83を製造 業者の指示に従って14ngのpShTh-58.1と混合して、W57C変異を生成するpShTh5 8.2を作製する(図7)。実施例15:gpf58.2の発現 1つのShTh582形質転換体を、実施例4に記載のMY51培地の入ったマイクロタ イタープレート中で増殖させる。3日目と4日目に菌糸を集める。次いで、実施 例4に記載の通りに菌糸から細胞内タンパク質を単離し、そして実施例6に記載 の通りにGFPタンパク質の存在について分析する。この形質転換体は、395nm の光で励起させるとGFPのものに相当する509nmで最大蛍光を発する物質を生 産することが観察される(図8)。これらの結果から、gfp49のmRNA中のこの変 更が、GFPの生産を考慮に入れたアスペルギルス・オリゼ中で正確なGFP発 現をもたらすことがわかる。実施例16:GFP形質転換体のサザン分析 形質転換体ShTh581.1(陰性イントロンとGC含量変化を有するGFP)およ びShTh582.1(陰性イントロンとGC含量変化とW57C変異を有するGFP)並 びに対照としてのShTh590.1(野性型GFP)およびBANe130.1(GFPを持たな いpBANe13)をYEG培地中で37℃にて一晩増殖させる。ミラクロスを通して菌糸を 濾過し、蒸留水で3回すすぐ。余分な水分を絞り出す。菌糸を液体窒素中で 凍結させ、乳鉢と乳棒を使って微粉末に粉砕する。Purgene DNA単離キット( Gentra Systems Inc.,Research Triangle Park,NC)を使ってゲノムDNAを 単離する。 各試料からのゲノムDNA2μgをPmeIで消化し、1%アガロースゲル上でサ イズ分画する。各段階ごとにゲルを変性させ、中和し、そして20×SSC中に10 分間浸漬する。消化したDNAを、Schleicher & Schuell TurboBlotterを使っ てニトロセルロース膜上に3時間移行せしめ、次いで該DNAをUVで層結合せ しめる。Boehringer Mannheim Genius System(Boehringer Mannheim,Indianap olis,IN)を使って膜を探査する。Easy Hyb(Boehringer Mannheim,Indianapo lis,IN)を使ってその膜を42℃で1時間予備ハイブリダイズせしめる。pShTh58 .2 DNA、オリゴヌクレオチド96-67と96-68、およびBoehringer Mannheim Dig DNA標識配合物(Boehringer Mannheim,Indianapolis,IN)を使って、GFP プローブをDig標識する。標識したプローブを定量し、それを変性させた後で 1ng/mlの濃度で添加する。次いで膜を一晩探査する。該プローブをデカントし 、膜を2×SSC−0.1%SDS中で室温で5分間ずつ2回洗浄し、次いで0.1× SSC−0.1%SDS中で65℃で15分間ずつ2回洗浄する。Dig標識ヌクレオ チドの検出は、Lumi-Phos 530(Boehringer Mannheim,Indianapolis,IN)を使 って、Boehringer Mannheimにより提供されたプロトコルに従って実施する。膜 を20分間フィルムに暴露する。 その結果は、形質転換体ShTh582.1,ShTh581.1およびShTh590.1にはGFPバ ンドが観察されるが、BANe130.1形質転換体ではGFPバンドが全く観察されな いことを示す。 微生物の寄託 下記の菌株を、ブダペスト条約に従って、ザ・アグリカルチュラ ル・リサーチ・サービス・パテント・カルチャー・コレクション〔the Agricult ural Research Service Patent Culture Collection(NRRL),Northern Regional Research Laboratory,1815 University Street,Peoria,Illinois 61604,US A〕に寄託した。菌株 受入番号 寄託日 E.coli DH5α pShTh58.2 NRRL B-21584 1996年6月6日 前記菌株は、本特許出願の係属中、37 C.F.R.§1.14および35U.S.C.§1.14の もとで米国特許商標局の長官により権利を与えられることが決定された者への培 養物の入手可能性を保証するという条件下で寄託された。この寄託物は、寄託さ れた各株の実質的純粋培養物を表す。この寄託物は、本願の対応物またはそれの 子孫が出願される国の外国特許法により要求された時には入手可能である。しか しながら、寄託物の入手可能性は、政府当局の決定により授与される特許権を傷 つけて本発明を実施できるという認可を設定するものではないと解釈すべきであ る。 本明細書中に記載され特許請求される発明は、その中に開示される特定態様に よって範囲が限定されるものではなく、それらの態様は本発明の幾つかの観点の 例示のつもりである。いずれの同等の態様でも本発明の範囲内である。実際、今 までの説明から、本明細書中に証明または記載されたものに加えて本発明の様々 な変更が当業者に明らかになるであろう。そのような変更も添付の請求の範囲内 に含まれるものである。 様々な参考文献が本明細書中に引用されているが、その開示はそのまま参考と して本明細書中に組み込まれる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AU,BB ,BG,BR,CA,CN,CU,CZ,EE,GE, HU,IL,IS,JP,KP,KR,LC,LK,L R,LT,LV,MG,MK,MN,MX,NO,NZ ,PL,RO,SG,SI,SK,TR,TT,UA, UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 組換え真菌宿主細胞を獲得する方法であって、核酸配列中の少なくとも1 つの陰性スプライス部位が変更されている異種ポリペプチドをコードする核酸配 列を、真菌宿主細胞に導入することを含んで成る方法。 2. 前記少なくとも1つの陰性スプライス部位が、少なくとも1つの陰性共通 配列を非共通配列で置き換えることにより変更される、請求項1に記載の方法。 3. 前記陰性共通配列が5’陰性共通配列である、請求項2に記載の方法。 4. 前記5’陰性共通配列がGT,GCまたはCTである、請求項3に記載の 方法。 5. 前記5’陰性共通配列がGTANGT,GCANGTまたはCTANGT であり、ここでNはA,C,GまたはTである、請求項4に記載の方法。 6. 前記陰性共通配列が3’陰性共通配列である、請求項2に記載の方法。 7. 前記3’陰性共通配列がAGである、請求項6に記載の方法。 8. 前記3’陰性共通配列がCAG,TAGまたはAAGである、請求項6に 記載の方法。 9. 前記真菌宿主細胞により生産される異種ポリペプチドのアミノ酸配列が野 性型ポリペプチドである、請求項1に記載の方法。 10.前記少なくともつの陰性スプライス部位が、少なくとも1つの陰性イント ロンまたはその部分を含んで成る第一領域を、約40%〜約70%の範囲のG+C含 量を有する第二領域で置き換えることにより変更される、請求項1に記載の方法 。 11.前記G+C含量が約40%〜約60%の範囲である、請求項10に記載の方法。 12.前記G+C含量が約40%〜約50%の範囲である、請求項11に記載の方法。 13.少なくとも2つの陰性イントロンまたはその部分が置き換えられる、請求 項10に記載の方法。 14.前記核酸配列中の陰性共通配列を非共通配列で置き換えることと、1つの 陰性イントロンを含む第一領域を約40%〜約70%の範囲のG+C含量を有する第 二領域で置き換えることとの両方により、少なくとも1つの陰性スプライス部位 が変更される、請求項1に記載の方法。 15.少なくとも2つの陰性スプライス部位が変更される、請求項1に記載の方 法。 16.前記真菌宿主細胞により生産される異種ポリペプチドが、対応する野性型 ポリペプチドと同じ数のアミノ酸残基を含む、請求項1に記載の方法。 17.前記非共通配列が前記共通配列と同じ数のヌクレオチドを有する、請求項 1に記載の方法。 18.前記核酸配列がホルモン、酵素、レセプターまたはレポーターをコードす る、請求項1に記載の方法。 19.前記核酸配列が酵素をコードする、請求項1に記載の方法。 20.前記酵素がオキシドレダクターゼ、トランスフェラーゼ、ヒドロラーゼ、 リアーゼ、イソメラーゼまたはリガーゼである、請求項18に記載の方法。 21.前記酵素がアミノペプチダーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、カルボ キシペプチダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、キチナーゼ、クチナーゼ、デオキ シリボヌクレアーゼ、エステラーゼ、α −ガラクトシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、α−グルコシ ダーゼ、β−グルコシダーゼ、ハロペルオキシダーゼ、インベルターゼ、ラッカ ーゼ、リパーゼ、マンノシダーゼ、ムタナーゼ、オキシダーゼ、ペクチン分解酵 素、ペルオキシダーゼ、フィターゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、タンパク質 分解酵素、リボヌクレアーゼおよびキシラナーゼから成る群より選ばれる、請求 項19に記載の方法。 22.前記核酸配列がレポーターをコードする、請求項18に記載の方法。 23.前記レポーターがクラゲ(Aequorea victoria)緑色蛍光タンパク質であ る、請求項22に記載の方法。 24.前記真菌細胞が糸状菌細胞である、請求項1に記載の方法。 25.前記糸状菌細胞がアクレモニウム、アスペルギルス、フザリウム、フミコ ラ、ミセリオフトラ、ムーコル、ニューロスポラ、ペニシリウム、チエラビア、 トリポクラディウムまたはトリコデルマの種の細胞である、請求項24に記載の方 法。 26.前記糸状菌細胞がアスペルギルス細胞である、請求項24に記載の方法。 27.前記アスペルギルス細胞がアスペルギルス・オリゼ細胞、アスペルギルス ・ニガー細胞、アスペルギルス・フェティダス細胞、またはアスペルギルス・ジ ャポニカス細胞である、請求項26に記載の方法。 28.前記糸状菌細胞がフザリウム細胞である、請求項24に記載の方法。 29.前記フザリウム細胞がフザリウム・オキシスポラム細胞またはフザリウム ・グラミネアラム細胞である、請求項28に記載の方法。 30.前記糸状菌細胞がフミコラ細胞である、請求項24に記載の方 法。 31.前記フミコラ細胞がフミコラ・インソレンス細胞またはフミコラ・ラヌギ ノザス細胞である、請求項30に記載の方法。 32.前記糸状菌細胞がミセリオフトラ細胞である、請求項24に記載の方法。 33.前記ミセリオフトラ細胞がミセリオフトラ・テルモフィラ細胞である、請 求項32に記載の方法。 34.前記糸状菌細胞がムーコル細胞である、請求項24に記載の方法。 35.前記ムーコル細胞がムーコル・ミーヘイ細胞である、請求項34に記載の方 法。 36.前記糸状菌細胞がニューロスポラ細胞である、請求項24に記載の方法。 37.前記ニューロスポラ細胞がニューロスポラ・クラッサ細胞である、請求項 36に記載の方法。 38.前記糸状菌細胞がペニシリウム細胞である、請求項24に記載の方法。 39.前記ペニシリウム細胞がペニシリウム・プルプロゲナム細胞である、請求 項38に記載の方法。 40.前記糸状菌細胞がチエラビア細胞である、請求項24に記載の方法。 41.前記チエラビア細胞がチエラビア・テレストリス細胞である、請求項40に 記載の方法。 42.前記糸状菌細胞がトリコデルマ細胞である、請求項24に記載の方法。 43.前記トリコデルマ細胞がトリコデルマ・リーセイ細胞、トリコデルマ・ビ リデ細胞、トリコデルマ・ロンギブラキアタム細胞、 トリコデルマ・ハージアナム細胞またはトリコデルマ・コニンギイ細胞である、 請求項42に記載の方法。 44.前記真菌細胞が酵母細胞である、請求項1に記載の方法。 45.前記酵母細胞がカンジダ、クルイベロミセス、サッカロミセス、シゾサッ カロミセス、ピヒアまたはヤロウィアの種の細胞である、請求項44に記載の方法 。 46.前記酵母細胞がサッカロミセス細胞である、請求項45に記載の方法。 47.前記サッカロミセス細胞がサッカロミセス・セレビシエ細胞、サッカロミ セス・カールスバーゲンシス細胞、サッカロミセス・ジアスタティクス細胞、サ ッカロミセス・ドウグラシイ細胞、サッカロミセス・クルイベリ細胞、サッカロ ミセス・ノルベンシス細胞またはサッカロミセス・オビフォルミス細胞である、 請求項46に記載の方法。 48.前記酵母細胞がクルイベロミセス細胞である、請求項45に記載の方法。 49.前記クルイベロミセス細胞がクルイベロミセス・ラクティス細胞である、 請求項48に記載の方法。 50.前記酵母細胞がヤロウィア細胞である、請求項45に記載の方法。 51.前記ヤロウィア細胞がヤロウィア・リポリティカ細胞である、請求項50に 記載の方法。 52.真菌宿主細胞中での異種発現のために単離された核酸配列から少なくとも 1つの陰性スプライス部位を変更する方法であって、前記核酸配列中の陰性共通 配列を非共通配列で置き換え、そして/または、1つの陰性イントロンを含む第 一領域を、前記第一領域のG+C含量に比較して約40%〜約70%の範囲に調整さ れたG+C含 量を有する第二領域で置き換えることを含んで成る方法。 53.請求項52の方法に従って得られる単離された核酸配列。 54.請求項53の核酸配列を含んで成る核酸構成物。 55.請求項54の核酸構成物を含んで成る組換え発現ベクター。 56.前記核酸配列がプロモーター配列に作用可能に連結されている、請求項55 に記載のベクター。 57.前記核酸配列が転写終結シグナルに作用可能に連結されている、請求項55 に記載のベクター。 58.選択マーカーを更に含んで成る、請求項55に記載のベクター。 59.請求項54の核酸構成物を含んで成る組換え真菌宿主細胞。 60.請求項1の方法に従って得られる組換え真菌宿主細胞。 61.真菌宿主細胞中でのポリペプチドの異種発現方法であって、請求項59の真 菌細胞を栄養培地中で培養しそして前記培地から前記ポリペプチドを回収するこ とを含んで成る方法。
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