JP2001355128A - ポリエステル繊維の製造方法 - Google Patents

ポリエステル繊維の製造方法

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JP2001355128A JP2000178084A JP2000178084A JP2001355128A JP 2001355128 A JP2001355128 A JP 2001355128A JP 2000178084 A JP2000178084 A JP 2000178084A JP 2000178084 A JP2000178084 A JP 2000178084A JP 2001355128 A JP2001355128 A JP 2001355128A
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Tomoyoshi Yamamoto
智義 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾性率及び弾性回復率の改善された、特殊な
微細孔を有し、ドライ感に優れたポリエステル繊維の製
造方法を提供すること。 【解決手段】 トリメチレンテレフタレート系ポリエス
テルを合成し、得られたポリエステルを溶融紡糸して中
実繊維となすに当たり、脂肪族ジカルボン酸及び/又は
芳香族ジカルボン酸を該合成系に添加し共重合させ、且
つ該溶融紡糸が終了するまでの任意の段階で、0.1〜
25モル%の量のスルホン酸金属塩を配合し、得られた
繊維をアルカリ化合物の水溶液で処理して該スルホン酸
金属塩の少なくとも一部を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエステル繊維の
製造方法に関する。更に詳細には弾性率及び弾性回復率
の改善された、特殊な微細孔を有し、ドライ感に優れた
ポリエステル繊維の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルは多くの優れた特性を有す
るがゆえに、合成繊維として広く使用されている。しか
しながら、ポリエステル繊維は疎水性であるために、吸
水性や吸湿性が要求される分野での使用は制限されてい
る。特に発汗時のべとつきにより不快な着心感を与える
ため、シャツやブラウス等の中衣分野や肌着等の内衣分
野では、ポリエステル繊維の100%使いは殆んど行わ
れず、木綿や麻と混合して使用されているにすぎない。
また、ポリエチレンテレフタレートからなる繊維は、弾
性率が高く風合いが硬くなったり、弾性回復率に乏しく
なったりと言った欠点もある。
【0003】特公昭63−00545号公報によれば、
ポリエステル繊維が本来有している、優れたイージーケ
ア性を維持したまま、発汗による湿潤状態でもべとつき
が少なく、優れたドライ感を呈するポリエステル繊維を
提供することを目的とし、特定のスルホン酸金属塩を配
合したポリエステル繊維にアルカリ減量処理を施すこと
によって、ポリエステル繊維にその表面のみでなく、繊
維内部にも連通した多数の微細孔を設け、これによって
木綿を上回るドライ感を有する繊維が得られることが報
告されている。
【0004】確かにこの方法によれば上述した問題は解
決される。しかしながら、ポリエチレンテレフタレート
を用いた繊維は弾性率が高く、弾性回復率にも乏しいた
め、この点での更なる改良が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、弾性
率及び弾性回復率の改善された、特殊な微細孔を有し、
ドライ感に優れたポリエステル繊維の製造方法を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記従来技
術に鑑み、ポリエステル繊維のうち、ポリトリメチレン
テレフタレート繊維の弾性率及び弾性回復率が良好であ
ることに着目し、該繊維に微細孔を付与した。しかしな
がら、得られた繊維は肝心のドライ感が逆に低下してし
まうという問題が発生したため、更に鋭意検討を重ね、
該ポリトリメチレンテレフタレートに特定の酸成分を共
重合させて繊維化し、該繊維表面に微細孔を付与すれ
ば、上記従来技術が有していた問題を解決できることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明の目的は、テレフタル酸
を主とする二官能性カルボン酸又はそのエステル形成性
誘導体とトリメチレングリコールを主とするグリコール
とを反応させてポリエステルを合成し、得られたポリエ
ステルを溶融紡糸して中実繊維となすに当たり、該ポリ
エステルを構成する全酸成分を基準として0.01〜4
0モル%の下記一般式(I)
【0008】
【化3】
【0009】で示されるジカルボン酸を該合成系に添加
し共重合させ、且つ該溶融紡糸が終了するまでの任意の
段階で、0.1〜25モル%の量の下記一般式(II)
【0010】
【化4】
【0011】で表されるスルホン酸金属塩を配合し、得
られた繊維をアルカリ化合物の水溶液で処理して該スル
ホン酸金属塩の少なくとも一部を除去することを特徴と
するポリエステル繊維の製造方法により達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法において、繊維
となすポリエステルは、テレフタル酸を主とする二官能
性カルボン酸又はそのエステル形成性誘導体とトリメチ
レングリコールを主とするグリコールとを反応せしめた
ポリエステルであり、且つ全酸成分を基準として0.0
1〜40モル%の下記一般式(I)で示されるジカルボ
ン酸を該合成系に添加し共重合されたポリトリメチレン
テレフタレート系ポリエステルである。
【0013】
【化5】
【0014】該ジカルボン酸の共重合量は全酸成分を基
準として0.1〜10モル%であることが必要であり、
更には1.0〜8.0モル%であることが好ましい。
0.1モル%未満では微細孔が小さくなりすぎ、ドライ
感は低下する。また、10モル%を越えると繊維自体の
強度が低下しすぎてしまう。
【0015】また本発明で言うポリエステルのグリコー
ル成分の一部をトリメチレングリコール以外のグリコー
ル成分で置きかえてもよく、該グリコール成分として、
例えばエチレングリコール、構成炭素数4〜10のアル
キレングリコール、シクロへキサン−1,4−ジメタノ
ール、ネオペンチルグリコール、ビスフエノールA、ビ
スフエノールSのような脂肪族、脂環式、芳香族のジオ
ール化合物等を挙げることができる。
【0016】更に、得られるポリエステルが実質的に熱
可塑性を有する範囲内であれば3個以上のエステル形成
性官能基を有する多官能性化合物、例えばトリメリット
酸、ピロメリット酸、グリセリン、ペンタエリスリトー
ル等を併用してもよい。また、充分な高分子量のポリエ
ステルが得られる範囲内であれば単官能性化合物、例え
ば安息香酸等を併用してもよい。
【0017】上述のポリトリメチレンテレフタレート系
ポリエステルは任意の製造方法によって得ることができ
る。例えば、テレフタル酸とトリメチレングリコールと
を直接エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメチル
のようなテレフタル酸の低級アルキルエステルとトリメ
チレングリコールとをエステル交換反応させるか、又は
テレフタル酸とトリメチレンオキサイドとを反応させ
て、テレフタル酸のグリコールエステル及び/又はその
低重合体を生成させる第1段の反応、次いで第1段の反
応生成物を減圧下加熱して所望の重合度になるまで重縮
合反応させる第2段の反応によって容易に製造される。
【0018】本発明で使用するスルホン酸金属塩を示す
下記一般式(II)
【0019】
【化6】
【0020】において、Arは芳香族環であり、なかで
もベンゼン環又はナフタレン環が好ましい。Rはエステ
ル形成官能基であり、−COOR’(但し、R’は水素
原子、炭素原子1〜4のアルキル基又はフェニル基)又
は−CO−(O−CH2l}− pOH(但し、lは2以
上の整数、Pは1以上の整数)等が好ましい。M及び
M’は金属であり、Mとしてはアルカリ金属又はアルカ
リ土類金属が好ましく、なかでもLi、Na、K、Ca
1/2、Mg1/2が特に好ましい。M’としてはアルカリ金
属、アルカリ土類金属、Mn1/2、Zn1/2が好ましく、
なかでもLi、Na、K、Ca1/2、Mg1/2、B
1/2、が特に好ましい。M及びM’は同一でも異なっ
ていてもよい。mは0〜4の整数、nは1〜5の整数で
あって、且つm+nが1〜5になる整数である。
【0021】このようなスルホン酸金属塩の好ましい具
体例としては、3−カルボメトキシ・ベンゼンスルホン
酸Na−5−カルボン酸Na、3−カルボメトキシ・ベ
ンゼンスルホン酸Na−5−カルボン酸K、3−カルボ
メトキシ・ベンゼンスルホン酸K−5−カルボン酸K、
3−ヒドロキシエトキシカルボニル・ベンゼンスルホン
酸Na−5−カルボン酸Na、3−カルボキシ・ベンゼ
ンスルホン酸Na−5−カルボン酸Na、3−ヒドロキ
シエトキシカルボニル・ベンゼンスルホン酸Na−5−
カルボン酸Mg1/2、ベンゼンスルホン酸Na−3,5
−ジ(カルボン酸Na)、ベンゼンスルホン酸Na−
3,5−ジ(カルボン酸Mg1/2)、ベンゼンスルホン
酸Na−3−カルボン酸Na、3−カルボメトキシ・ナ
フタレン−1−スルホン酸Na−7−カルボン酸Na、
ナフタレン−1−スルホン酸Na−3,7−ジ(カルボ
ン酸Mg1/2)等をあげることができる。
【0022】上記スルホン酸金属塩は1種のみ単独で使
用しても、また2種以上併用してもよい。その添加時期
は、ポリエステルを溶融紡糸する紡糸工程が終了する以
前の任意の段階でよく、例えばポリエステルの原料中に
添加混合しても、ポリエステルの合成中に添加しても、
また合成終了から溶融紡糸するまでの問に添加してもよ
い。いずれにしても、添加後溶融状態で混合されるよう
にするのが好ましい。
【0023】上記スルホン酸金属塩の配合量は、少な過
ぎると最終的に得られるポリエステル繊維のドライ感が
不充分になり、逆に多過ぎるとその添加時期がポリエス
テルの合成が終了する以前では、充分な重合度のポリエ
ステルが得られ難く、またその添加時期が合成終了後か
ら溶融紡糸終了以前のときは紡糸時にトラブルを発生し
易い。このため、添加量は添加すべきポリエステルを構
成する酸成分に対し0.1〜25モル%の範囲にすべき
であり、0.3〜15モル%の範囲が好ましく、なかで
も0.5〜5モル%の範囲が特に好ましい。
【0024】上記スルホン酸金属塩を配合した変性ポリ
エステルを溶融紡糸して中実繊維とするには、格別な方
法を採用する必要はなく、ポリエステルの中実繊維の溶
融紡糸方法が任意に採用される。ここで紡出する繊維の
横断面における形状は円形であっても異形であってもよ
く、また、織度についても特に制限する必要はないが、
約1dtex以下になるとドライ感のみならず、吸水性
にも優れるようになったり、肌を刺さないようになった
りするため、用途によっては約1dtex以下が好まし
い。
【0025】更に、紡糸するに際して、上記のスルホン
酸金属塩を配合した変性ポリエステルとスルホン酸金属
塩を配合しない未変性ポリエステルとを使用し、変性ポ
リエステルを鞘成分とし、未変性ポリエステルを芯成分
とする芯鞘型複合繊維にしても、変性ポリエステルと未
変性ポリエステルとを用いて2層又はそれ以上の多層の
サイド・バイ・サイド型複合繊維にしてもよい。
【0026】かくして得られるポリエステル繊維から、
上記スルホン酸金属塩の少なくとも一部を除去するに
は、必要に応じて廷伸熱処理又は仮撚加工等を施した
後、又は更に布帛にした後アルカリ化合物の水溶液に浸
漬処理することにより容易に行うことができる。
【0027】ここで使用するアルカリ化合物としては、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアン
モニウムハイドロオキサイド、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム等をあげることができる。なかでも水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウムが特に好ましい。
【0028】かかるアルカリ化合物の水溶液の濃度は、
アルカリ化合物の種類、処理条件等によって異なるが、
通常、0.01〜40重量%の範囲が好ましく、特に
0.1〜30重量%の範囲が好ましい。処理温度は常温
〜100℃の範囲が好ましく、処理時間は1分〜4時間
の範囲で通常行われる。このようにアルカリ化合物の水
溶液で処理することによって、上記スルホン酸金属塩と
共にポリエステルが選択的に溶出し、繊維表面のみなら
ず繊維内面にまで外部に連通した多数の微細孔を形成せ
しめることができ、優れたドライ感を呈するようにな
る。
【0029】なお、本発明の方法により得られるポリエ
ステル繊維には、必要に応じて任意の添加剤、例えば触
媒、着色防止剤、耐熱剤、難燃剤、蛍光増白剤、艶消
剤、着色剤、無機微粒子等が含まれていてもよい。
【0030】
【実施例】以下に実施例をあげて更に具体的に説明を行
うが、本発明はこれによって何等限定を受けるものでは
無い。実施例中の部は重量部を示し、得られるポリエス
テル繊維のドライ感は、発汗時の衣服と皮膚の問に介在
する汗によるべとつき現象に対応するものであるから、
以下の方法によって測定した絶乾時の動摩擦係数と湿潤
時の動摩擦係数の比をもって数値化した。また固有粘度
・弾性率・弾性回復率は以下に述べる吸水率測定法によ
って測定した。
【0031】(1)動摩擦係数比の測定方法 温度20℃、相対湿度80%に調温調湿したボックス内
に設置したテーブル上に水平に張った牛皮上に、幅10
cm、長さ10cmの試験布(重量Wグラム)を板状台
座(重量60グラム)の底面に固定した状態で置き、更
に板状台座上に50グラムの荷重をかける。台座の先端
に連結した紐を水平方向からベアリングを介して垂直上
方へ紐の他端に取り付けたストレインゲージまで導き、
ストレインゲージを一定速度で上昇させることによっ
て、試験布を10mm/分の速度で牛皮上を滑走させて
引張応力を自動記録し、付着(stick)−滑り(s
lip)の平均の引張応力F(グラム)を読み取り、下
式によって動摩擦係数μを求める。
【0032】
【数1】
【0033】試験布に一定量の水分を保水させて上記方
法により測定した湿潤状態における動摩擦係数と、試験
布を絶乾状態にして同様に測定した乾燥状態における動
摩擦係数との比として動摩擦係数比を定めた。
【0034】本方法によって測定した勤摩擦係数比と保
水率の関係より、本発明の方法になるポリエステル繊維
は通常のポリエステル繊維や木綿に比較して、動摩擦係
数比値の1.0からの隔たりが小さく、且つ約100%
の保水率においてさえなお、ほぼ絶乾時の動摩擦係数の
水準を維持しており、木綿を凌駕する、優れたドライ感
を有していることがわかった。
【0035】なお、ここで言う保水率とは下式から得た
ものである。
【0036】
【数2】
【0037】(2)固有粘度:ポリマーの固有粘度は、
常法に従って35℃のオルソクロロフェノール溶液で測
定した値から求めた。
【0038】(3)弾性率、弾性回復率:アルカリ減量
処理前の糸を用い、(株)島津製作所製引張試験機「オ
ートグラフAG−100E」を使用して測定した。弾性
率は、25℃、試長25cm、引張速度20cm/分か
ら得られる荷伸曲線の初期傾きより求めた。また、弾性
回復率は、上記方法で伸長率20%まで伸長した後、一
分間放置し、このあと再び同じ速度でもとの長さまで戻
したときの糸長より求めた。
【0039】[実施例1]テレフタル酸ジメチル95
部、イソフタル酸ジメチル5部(全酸成分を基準として
5mol%)、トリメチレングリコール74部、酢酸カ
ルシウム1水塩0.06部をエステル交換缶に仕込み、
窒素ガス雰囲気下4時間かけて140℃から230℃ま
で昇温して生成するメタノールを系外に留去しながらエ
ステル交換反応を行った。続いて得られた生成物にリン
酸トリメチル0.06部、三酸化アンチモン0.04
部、3−ヒドロキシカルボニル・ベンゼンスルホン酸N
a−5−カルボン酸Naの25%エチレングリコール溶
液4部及び二酸化チタンの20%エチレングリコールス
ラリー1.5部を添加して重合缶に移した。次いで1時
間かけて101kPaから0.1kPaまで減圧し、同
時に1時間30分かけて230℃から280℃まで昇温
した。0.1kPa以下の減圧下、重合温度280℃で
更に3時間、合計4時間30分重合して固有粘度0.6
40のポリマーを得、常法に従いチップ化した。
【0040】このチップを常法により乾燥し、孔径0.
3mmの円型紡糸孔を36個設けた紡糸口金を使用し、
常法に従って溶融紡糸して340dtex/36フィラ
メントの未延伸糸を得た。次いでこの未延伸糸を常法に
従って4.2倍に延伸して81dtex/36フィラメ
ントの延伸マルチフィラメントを得た。
【0041】得られたマルチフィラメントを密度52本
/インチ×34本/インチの28Gトリコットハーフ編
み物に製編し、常法に従って精練、プリセットを施した
後、減量率が20%になるように1%の水酸化ナトリウ
ム水溶液で沸騰温度にて処理した。この布帛は保水率1
00%における動摩擦係数比が1.10であり、優れた
ドライ感を有していた。その他の結果は表1に示した。
【0042】[実施例2]テレフタル酸ジメチル95
部、アジピン酸ジメチル4.5部(全酸成分を基準とし
て5mol%)、トリメチレングリコール74部、酢酸
カルシウム1水塩0.06部をエステル交換缶に仕込ん
だ以外は、実施例1と同様に行って減量率20%のトリ
コットハーフ編み物を得た。この布帛は保水率100%
における動摩擦係数比が1.15であり、優れたドライ
感を呈した。その他の結果は表1に示した。
【0043】[実施例3]テレフタル酸ジメチル95
部、シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル4.5部(全
酸成分を基準として5mol%)、トリメチレングリコ
ール74部、酢酸カルシウム1水塩0.06部をエステ
ル交換缶に仕込んだ以外は、実施例1と同様に行って減
量率20%のトリコットハーフ編み物を得た。この布帛
は保水率100%における動摩擦係数比が1.12であ
り、優れたドライ感を呈した。その他の結果は表1に示
した。
【0044】[比較例1]テレフタル酸ジメチル100
部、トリメチレングリコール74部、酢酸カルシウム1
水塩0.06部をエステル交換缶に仕込んだ以外は、実
施例1と同様に行って減量率20%のトリコットハーフ
編み物を得た。この布帛は保水率100%における動摩
擦係数比が1.40であった。その他の結果は表1に示
した。
【0045】[比較例2]テレフタル酸ジメチル87
部、イソフタル酸ジメチル13部(全酸成分を基準とし
て13mol%)、トリメチレングリコール74部、酢
酸カルシウム1水塩0.06部をエステル交換缶に仕込
んだ以外は、実施例1と同様に行って減量率20%のト
リコットハーフ編み物を得た。この布帛は保水率100
%における動摩擦係数比が1.15であり、ドライ感は
良好であったが、表1に示すように、糸の強度が弱かっ
た。
【0046】[比較例3]テレフタル酸ジメチル100
部、エチレングリコール60部、酢酸カルシウム1水塩
0.06部をエステル交換缶に仕込んだ以外は、実施例
1と同様に行って減量率20%のトリコットハーフ編み
物を得た。この布帛は保水率100%における動摩擦係
数比が1.41であった。その他の結果は表1に示し
た。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明の方法により、弾性率及び弾性回
復率の改善された、特殊な微細孔を有し、ドライ感に優
れたポリエステル繊維を製造できるという効果を奏する
ものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テレフタル酸を主とする二官能性カルボ
    ン酸又はそのエステル形成性誘導体とトリメチレングリ
    コールを主とするグリコールとを反応させてポリエステ
    ルを合成し、得られたポリエステルを溶融紡糸して中実
    繊維となすに当たり、該ポリエステルを構成する全酸成
    分を基準として0.01〜40モル%の下記一般式
    (I) 【化1】 で示されるジカルボン酸を該合成系に添加し共重合さ
    せ、且つ該溶融紡糸が終了するまでの任意の段階で、
    0.1〜25モル%の量の下記一般式(II) 【化2】 で表されるスルホン酸金属塩を配合し、得られた繊維を
    アルカリ化合物の水溶液で処理して該スルホン酸金属塩
    の少なくとも一部を除去することを特徴とするポリエス
    テル繊維の製造方法。
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