JP2001354865A - 耐熱性の改良されたジスアゾ顔料 - Google Patents

耐熱性の改良されたジスアゾ顔料

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JP2001354865A JP2000174681A JP2000174681A JP2001354865A JP 2001354865 A JP2001354865 A JP 2001354865A JP 2000174681 A JP2000174681 A JP 2000174681A JP 2000174681 A JP2000174681 A JP 2000174681A JP 2001354865 A JP2001354865 A JP 2001354865A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】透明性と流動性に優れ、インキ製造中にインキ
を流動させるために掛ける熱に対して耐熱性の優れた印
刷インキを調製できるジスアゾ顔料を提供する。 【構成】カップラー成分とベンジジン類のテトラゾ成分
とをカップリングさせてなるジスアゾ顔料において、上
記カップラー成分として、下記一般式(1)で示される
化合物及び下記一般式(2)で示される化合物を含有
し、更に下記一般式(3)で示される化合物と下記一般
式(4)で示される化合物のいずれか又は両者を含有す
ることを特徴とするジスアゾ顔料。 一般式(1) CH3COCH2CONH-X(Xは置換基を有していて
もよいフェニル基) 一般式(2)Y-NH2(Yは置換基を有していてもよいフェ
ニル基) 一般式(3)CH3COCH2CONH-W(Wはカルボンアミド基類、
スルホンアミド基類またはアルカノイルアミノ基類置換
フェニル基) 一般式(4)CH3COCH2CONH-Z(Zはカルボン酸基、水酸
基、スルホン酸基、及びこれらのアルカリ金属塩置換フェ
ニル基)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジスアゾ顔料及び
印刷インキに関する。更に詳しくはジスアゾ顔料を製造
後、非乾燥状態または乾燥した状態で引き続くインキ化
した場合に印刷インキ自身の耐熱性と透明性、流動性に
優れた印刷インキを調製できるジスアゾ顔料の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的なプロセス出版のオフセッ
トインキは、顔料の水性ウエットケーキをインキ用ビヒ
クルないしは溶剤とフラッシングによって相転換を行っ
てインキ化する方法と、水性ウエットケーキの乾燥物を
強力な剪断力によってインキ用ビヒクルに分散すること
によって得られている。しかし、前者の方法は顔料の水性
ウエットケーキ自身の安定性に欠ける性質や、フラッシ
ング性が悪いことによって長時間受ける熱によって不透
明化、濃度低下等の品質に対する影響が大きく安定した
品質が得られにくかった。
【0003】そこでこれら品質に対する影響の少ない後
者の方法が永続的に継承されているが、水性ウエットケ
ーキ顔料の乾燥物をインキ化したものは乾燥しなかった
ものからインキ化したものに比較して透明性、流動性、濃
度の点で著しく劣っている。ジスアゾ顔料の場合、これら
乾燥物からのインキ化物と非乾燥物からのインキ化物の
品質の差は、もっぱら乾燥時の熱により著しく結晶が成
長してしまうことによって引き起こされている。
【0004】この結晶成長による品質の低下を解決する
手段として二成分の同時カップリングによる解決手段
が、たとえば特公昭55−10630号公報ではアセト
アセトアニリドとそのフェニル基に極性基を持つものと
の混合カップリングする方法として、また、特開平1−1
10578号公報ではアセトアセトアニリド、アセトア
セトオルソアニシジド、アセトアセトオルソトルイジ
ド、アセトアセトオルソクロロアニリド、アセトアセト
−2,4−キシリジド、及びアセトアセト−2,5−ジ
メトキシ−4−クロロアニリドから選ばれる2種類また
はそれ以上の混合物をカップリングさせる方法として、
紹介されているがいずれの方法も生成したジスアゾ顔料
の乾燥物のインキ化物の品質は透明性、流動性、濃度の点
でウエットケーキからのインキ化物に対して著しく劣っ
ており、また、印刷インキを製造する過程で受ける専ら印
刷インキを流動させるためにかける熱によって透明性や
濃度が更に低下する傾向があった。
【0005】一方、ウエットケーキからのインキ化物の
品質向上に対しても永続的に検討がなされており、透明
性・流動性を改良する方法として乾燥物からのインキ化
同様に例えば、特公昭45−11026号公報では、ジス
アゾ顔料にそれらのスルホン酸化合物を混合する方法
が、特公昭55−49087号公報では、カップリング成
分としてカルボン酸基及び/またはスルホン酸基を有す
る極性カップリング成分と非極性カップリング成分との
混合物を使用して成るジスアゾ顔料を用いる方法が、特
開昭63−72762号公報及び特開昭63−1781
69号公報では、極性カップリング成分と非極性カップ
リング成分から成る非対称型ジスアゾ化合物を含有する
するジスアゾ顔料組成物を用いる方法が開示されてい
る。なかでも、特公昭55−49087号公報で開示され
た製造方法より得られたジスアゾ顔料が印刷インキの透
明性を改良する効果が大きいこと、特開昭63−178
169号公報で開示されたジスアゾ顔料組成物が印刷イ
ンキの流動性を改良する効果が大きいことが開示されて
おり、登録第2682749号特許掲載公報ではアセト
酢酸−m−キシリダイド2〜40モル%、アセト酢酸−
o−トルイダイド97.9〜60モル%、2−アセトア
セトアミノ安息香酸0.1〜10モル%をカップラー成
分としてジスアゾ化合物混合物を製造する例が開示され
ているが、これら使用された極性カップラー成分は水に
対して溶解性を示すため、フラッシングが極端に遅くな
り結果として長時間の熱履歴によって結晶が成長してし
まったり、色相が変化、不透明化する事が知られていた。
また、乾燥物からのインキ化同様にインキ製造上の過程
で受ける専ら印刷インキを流動させるための熱によっ
て、透明性や濃度が低下する傾向は何ら変わっていない。
【0006】また、透明性を改良する方法としては、登
録第2943996号特許掲載公報に非極性カップリン
グ成分とベンジジン類のテトラゾ成分とのカップリング
方法に関して開示されており、極性基を有するカップラ
ー成分を使用することなく透明性を改良する効果が大き
いことが報告されているが、先に示した極性カップラー
類を一切含んでいないためインキとしての性能は不十分
であり、また、インキ製造上の過程で受ける専ら印刷イ
ンキを流動させるための熱によって、透明性や濃度が低
下する傾向は何ら変わっていない。
【0007】また、特開2000−7931号には、登録
第2943996号特許掲載公報で示された製造方法を
行う際に特開昭63−72762号公報及び特開昭63
−178169号公報等で示された極性カップラー成分
を併用する方法が開示しているが、顔料と印刷インキ用
ビヒクルとのフラッシング直後の流動性や透明性は改良
されているものの、インキ製造上の過程で受ける専ら印
刷インキを流動させるための熱によって、透明性や濃度
が低下する傾向は何ら変わっていない。
【0008】これら乾燥顔料の分散や非乾燥顔料のフラ
ッシング時に関する問題点の解決手段として古くから印
刷インキ用ビヒクルに近いロジン類や印刷インキ用ビヒ
クル自身で顔料組成物の表面を被覆して諸耐性や適性を
付与する手段が古くから検討され開示されているが、被
覆前の顔料組成物の基本性能が低い場合に、これを補え
るほどの効果を被覆物に期待する事は不可能であり、ま
たインキ製造上の過程で受ける専ら印刷インキを流動さ
せるための熱によって、透明性や濃度が低下する傾向は
何ら変わっていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、(1)製造したジスアゾ顔料の非乾燥状態
あるいは乾燥状態で、引き続くインキ化した場合の製造
上の理由から受ける熱による印刷インキの耐熱性に優れ
ており、かつ、透明性、流動性に優れた印刷インキを調整
できるジスアゾ顔料と(2)耐熱性、透明性と流動性に
優れた印刷インキを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、カップラー成
分とベンジジン類のテトラゾ成分とをカップリングさせ
てなるジスアゾ顔料において、上記カップラー成分とし
て、下記一般式(1)で示される化合物及び下記一般式
(2)で示される化合物を含有し、更に下記一般式
(3)で示される化合物と下記一般式(4)で示される
化合物のいずれか又は両者を含有することを特徴とする
ジスアゾ顔料に関する。 一般式(1) CH3COCH2CONH-X (式中、Xはメチル基、メトキシ基及び塩素原子から成る
群から選ばれる同一または異なる置換基を有していても
よいフェニル基を示す。) 一般式(2) Y-NH2 (式中、Yはメチル基、メトキシ基、塩素原子、アミノ基、カ
ルボンアミド基類、スルホンアミド基類、アルカノイルア
ミノ基類、カルボン酸基、水酸基、スルホン酸基及びこれ
らのアルカリ金属塩から成る群から選ばれる同一または
異なる置換基を有していてもよいフェニル基を示す。) 一般式(3) CH3COCH2CONH-W (式中、Wはメチル基、メトキシ基、塩素原子、カルボンア
ミド基類、スルホンアミド基類、またはアルカノイルアミ
ノ基類から選ばれる同一又は異なる置換基を有するフェ
ニル基であって、該フェニル基はカルボンアミド基類、ス
ルホンアミド基類、アルカノイルアミノ基類の少なくと
も1種で置換されているフェニル基を示す。) 一般式(4) CH3COCH2CONH-Z (式中、Zはメチル基、メトキシ基、塩素原子、カルボン酸
基、水酸基、スルホン酸基、及びこれらのアルカリ金属塩
から成る群から選ばれる同一または異なる置換基を有す
るフェニル基であって、該フェニル基はカルボン酸基、水
酸基、スルホン酸基、及びこれらのアルカリ金属塩の少な
くとも1種で置換されているフェニル基を示す。)
【0011】
【0012】さらに、本発明は上記ジスアゾ顔料に硫酸
アルミニウム、塩化アルミニウム、塩化カルシウムから選
ばれる水溶性無機塩を添加すること、あるいはロジン類
あるいは印刷インキ用ビヒクルによって表面処理を施す
事によって得られるジスアゾ顔料に関する。
【0013】さらに、本発明は上記の方法によって得ら
れたジスアゾ顔料組成物の非乾燥状態で印刷インキ用ビ
ヒクルによってフラッシングすることによって得られる
印刷インキ、または得られたジスアゾ顔料組成物の乾燥
状態で印刷インキ用ビヒクル中に分散させることによっ
て得られる印刷インキに関する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において一般式(1)で表
されるカップラー成分としては、以下の例示化合物があ
る。 アセトアセトアニリド、アセトアセト−o−トルイジド、
アセトアセト−p−トルイジド、アセトアセト−o−キ
シリダイド、アセトアセト−m−キシリダイド、アセトア
セト−p−キシリダイド、アセトアセト−o−キシリダ
イド、アセトアセト−o−メトキシアニリド、アセトアセ
ト−m−メトキシアニリド、アセトアセト−p−メトキ
シアニリド、アセトアセト−2,3−ジメトキシアニラ
イド、アセトアセト−2,4−ジメトキシアニリド、アセ
トアセト−2,5−ジメトキシアニリド、アセトアセト
−2,6−ジメトキシアニリド、アセトアセト−2,3
−ジメトキシ−4−クロロアニリド、アセトアセト−
2,3−ジメトキシ−5−クロロアニリド、アセトアセ
ト−2,3−ジメトキシ−6−クロロアニリド、アセト
アセト−2,4−ジメトキシ−3−クロロアニリド、ア
セトアセト−2,4−ジメトキシ−5−クロロアニリ
ド、アセトアセト−2,4−ジメトキシ−6−クロロア
ニリド、アセトアセト−2,5−ジメトキシ−3−クロ
ロアニリド、アセトアセト−2,5−ジメトキシ−4−
クロロアニリド、アセトアセト−2,5−ジメトキシ−
6−クロロアニリド、アセトアセト−2,6−ジメトキ
シ−3−クロロアニリド、アセトアセト−2,6−ジメ
トキシ−4−クロロアニリド、アセトアセト−2,6−
ジメトキシ−5−クロロアニリド、アセトアセト−o−
クロロアニリド、アセトアセト−m−クロロアニリド、ア
セトアセト−p−クロロアニリドなどがある。
【0015】本発明において、一般式(2)のカップラ
ー成分中のフェニル基の置換基であるカルボンアミド基
類とは、一般式−CONR2で示され、ここでRは同一で
も異なっていても良く、水素原子、C1〜C4アルキル基又
はC1〜C4アルキレンNR’2を表し、R’は水素原子又
は互いに異なっていても良いC1〜C4アルキル基を示
す。又、R、R’のアルキル基は、同じ窒素原子に結合する
2個のアルキル基が結合して環を形成しても良い。 一般式(2)のカップラー成分中のフェニル基の置換基
であるスルホンアミド類とは、一般式−SO2NR2で表
され、ここで、Rは上記と同じ意味を示す。 一般式(2)のカップラー成分中のフェニル基の置換基
であるアルカノイルアミノ基類とは、一般式−NHCO
Rで表され、ここで、Rは上記と同じ意味を示す。
【0016】本発明で一般式(2)で表されるカップラ
ー成分としては、以下の例示化合物がある。 アニリン、o−ジアミノベンゼン、m−ジアミノベンゼ
ン、p−ジアミノベンゼン、1,2,3−トリアミノベン
ゼン、1,2,4−トリアミノベンゼン、1,3,5−ト
リアミノベンゼン、o−トルイジン、m−トルイジン、p
−トルイジン、2,3−ジメチルアニリン、2,4−ジメ
チルアニリン、2,5−ジメチルアニリン、2,6−ジメ
チルアニリン、3,4−ジメチルアニリン、3,5−ジメ
チルアニリン、2,3,4−トリメチルアニリン、3,
4,5−トリメチルアニリン、2,4,6−トリメチル
アニリン、2,3,5,6−テトラメチルアニリン、p−
メトキシアニリン、o−メトキシアニリン、m−メトキシ
アニリン、3,5−ジメトキシアニリン、2,6−ジメト
キシアニリン、2,4,6−トリメトキシアニリン、2,
3,5,6−テトラメトキシアニリン、o−クロロアニ
リン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、2,3
−ジクロロアニリン、2,4,−ジクロロアニリン、3,
5−ジクロロアニリン、2,6−ジクロロアニリン、2,
4,6−トリクロロアニリン、2,3,5,6−テトラ
クロロアニリン、o−アミノベンズアミド、m−アミノベ
ンズアミド、p−アミノベンズアミド、2,3−ジカルボ
アミノアニリン、3,5−ジカルボアミノアニリン、2,
6−ジカルボアミノアニリン、o−アミノ安息香酸、m−
アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、3−アミノフタル
酸、4−アミノフタル酸、2−アミノイソフタル酸、4−
アミノイソフタル酸、5−アミノイソフタル酸、2−アミ
ノテレフタル酸、o−アミノフェノール、m−アミノフェ
ノール、p−アミノフェノール、3−アミノカテコール、
4−アミノカテコール、2−アミノレゾルシン、4−アミ
ノレゾルシン、5−アミノレゾルシン、2−アミノヒドロ
キノン、2−アミノフロログルシン、o−アミノベンゼ
ンスルホン酸、m−アミノベンゼンスルホン酸、p−アミ
ノベンゼンスルホン酸、2,3−ジスルホン酸アニリン、
2,4,−ジスルホン酸アニリン、3,5−ジスルホン
酸アニリン、2,6−ジスルホン酸アニリン、2,4,6
−トリスルホン酸アニリン、2,3,5,6−テトラス
ルホン酸アニリン、o−メチルアミノアニリン、m−メチ
ルアミノアニリン、p−メチルアミノアニリン、3,5−
ジ(メチルアミノ)アニリン、2,4,6−トリ(メチ
ルアミノ)アニリン、o−ジメチルアミノアニリン、m−
ジメチルアミノアニリン、p−ジメチルアミノアニリン、
3,5−ジ(ジメチルアミノ)アニリン、2,4,6−
トリ(ジメチルアミノ)アニリン、o−エチルアミノア
ニリン、m−エチルアミノアニリン、p−エチルアミノア
ニリン、3,5−ジ(エチルアミノ)アニリン、2,4,
6−トリ(エチルアミノ)アニリン、o−ジエチルアミ
ノアニリン、m−ジエチルアミノアニリン、p−ジエチル
アミノアニリン、3,5−ジ(ジエチルアミノ)アニリ
ン、2,4,6−トリ(ジエチルアミノ)アニリン、o−
プロピルアミノアニリン、m−プロピルアミノアニリン、
p−プロピルアミノアニリン、3,5−ジ(プロピルア
ミノ)アニリン、2,4,6−トリ(プロピルアミノ)
アニリン、o−ジプロピルアミノアニリン、m−ジプロピ
ルアミノアニリン、p−ジプロピルアミノアニリン、3,
5−ジ(ジプロピルアミノ)アニリン、2,4,6−ト
リ(ジプロピルアミノ)アニリン、o−ブチルアミノア
ニリン、m−ブチルアミノアニリン、p−ブチルアミノア
ニリン、3,5−ジ(ブチルアミノ)アニリン、2,4,
6−トリ(ブチルアミノ)アニリン、o−ジブチルアミ
ノアニリン、m−ジブチルアミノアニリン、p−ジブチル
アミノアニリン、3,5−ジ(ジブチルアミノ)アニリ
ン、2,4,6−トリ(ジブチルアミノ)アニリン、等が
あげられる。
【0017】本発明のジスアゾ顔料は、顔料及びインキ
の耐熱性を付与するための一般式(2)に示される化合
物以外に、インキの流動性や透明性をさらに向上するた
めに一般式(3)で示される非極性カップラー成分や、
一般式(4)で示される極性カップラー成分を併用す
る。
【0018】本発明において、一般式(3)のカップラ
ー成分中のフェニル基の置換基であるカルボンアミド基
類、スルホンアミド基類及びアルカノイルアミノ基類
は、それぞれ一般式(2)に示される化合物におけるも
のと同じものを表す。
【0019】本発明のジスアゾ顔料組成物は、全カップ
ラー成分を含むカップラー水溶液と、ベンジジン類のテ
トラゾ成分を含むテトラゾ水溶液とを、酸性水溶液中で
カップリング反応させることにより得られる。反応方法
は、バッチ式撹拌槽内に全てのカップラー成分の微細粒
子をあらかじめ酸性水溶液中に分散させた状態を作り、
その酸性のカップラー分散溶液中にテトラゾ成分の水溶
液を添加する方法、あるいはバッチ式攪拌槽内の酸性水
溶液中に、全てのカップラー成分を含むカップラー水溶
液とテトラゾ水溶液とを、いずれもの成分も反応系で析
出しないように、かつ、未反応のテトラゾ成分が直ちに反
応するように酸性水溶液中に連続的に注入してカップリ
ング反応を行う方法、あるいは一定容量の撹拌式反応槽
に、全てのカップラー成分を含むカップラー水溶液とテ
トラゾ水溶液とを、いずれの成分も反応系で析出しない
ように、かつ、未反応のテトラゾ成分が直ちに反応するよ
うに酸性水溶液と共に連続的に注入してカップリング反
応を行い、同時に全注入液の和と同量のカップリング後
の生成物混合液を連続的に反応容器より取り出す方法、
あるいは一定の長さを持つ管状反応容器(撹拌装置は無
い)に、全てのカップラー成分を含むカップラー水溶液
とテトラゾ水溶液とを、いずれの成分も反応系で析出し
ないように、かつ、未反応のテトラゾ成分が直ちに反応す
るように酸性水溶液と共に連続的に一方の端及びその近
傍から連続的に注入して管状反応容器中でカップリング
反応を行い、同時に他端から全注入液の和と同量のカッ
プリング後の生成物混合液を連続的に取り出す方法、の
いずれの方法でも実施することができる。
【0020】連続的にカップラー成分の水溶液とテトラ
ゾ成分の水溶液を注入する場合、カップラー成分の合計
供給モル速度とテトラゾ成分の供給モル速度との比は、
200:80から200:99であり、両成分は連続的
に制御して注入し、カップリング反応をさせる事が望ま
しい。
【0021】本発明で併用する一般式(4)の極性カッ
プラー成分と一般式(3)の非極性カップラー成分の比
率は、特に制限される物ではない。一般に一般式(1)
のカップラー成分に対する一般式(3)の非極性カップ
ラー成分と一般式(4)の極性カップラー成分の総和の
混合比率は、99モル%:1モル%から70モル%:3
0モル%である。混合する一般式(3)の非極性カップ
ラー成分と一般式(4)の極性カップラー成分の総モル
量を100%とした場合に、一般式(3)の非極性カッ
プラー成分と一般式(4)の極性カップラー成分は、概
ね50モル%:50モル%が良いが、90モル%:10
モル%ないしは10モル%:90モル%であっても良好
な効果が確認された。
【0022】本発明で使用されるカップラー成分は、非
極性カップラー成分である一般式(1)の化合物と、一
般式(2)で示されるインキの耐熱性を改良する為のカ
ップラー成分、及びその他の例えばインキの流動性や透
明性を改良する一般式(4)の極性カップラー成分及び
/又は一般式(3)の非極性カップラー成分を含む。こ
れらのカップラー成分は、一旦アルカリ溶液とすること
で溶解させることが好ましく、すべてのカップラー成分
を溶解した後、カップリング方法によって酸性溶液中に
添加してカップラー成分を微細な粒子として析出させる
ことや、そのままアルカリ溶液としてカップリング反応
に供することが出来る。アルカリとしては、例えば水酸化
ナトリウムまたは水酸化カリウム等の無機塩基が挙げら
れる。
【0023】本発明のジスアゾ顔料は、基本構造を形成
するための一般式(1)の非極性カップラー成分の他
に、耐熱性を改良する成分である一般式(2)のカップ
ラー成分、透明性や流動性に寄与する一般式(3)の非
極性カップラー成分と一般式(4)の極性カップラー成
分を含むものである。ジスアゾ顔料は1分子中2つのカ
ップラー成分を含むので、本発明のジスアゾ顔料は、こ
れらの種類の異なるカップラー成分が他のカップラー成
分と組合わされた種々のジスアゾ化合物の混合物として
得られる。したがって、これらの特徴的なカップリング
成分を含むジスアゾ化合物がジスアゾ顔料組成物の結晶
を作りうる条件下で結晶に吸着あるいは結晶内に取り込
まれることにより、相乗的に分散性が向上して現在の印
刷業界の要求している耐熱性と透明性と流動性と分散性
を得ることが出来る。
【0024】本発明で使用されるベンジジン類のテトラ
ゾ成分を含むテトラゾ水溶液は、ベンジジン類を公知の
方法でテトラゾ化して得られる物を含む。ベンジジン類
としては、例えば、3,3’−ジクロロロベンジジン、
2,2’,5,5’−テトラクロロベンジジン、3,
3’−ジメトキシベンジジン等が挙げられる。ベンジジ
ン類のテトラゾ成分を含むテトラゾ水溶液は、酸性水溶
液が好ましく、特に塩酸酸性水溶液が好ましく使用され
る。
【0025】本発明のジスアゾ顔料の製造方法において
連続的にカップラー成分の水溶液とベンジジンのテトラ
ゾ成分水溶液を反応器に注入するカップリング反応を採
用する場合には、カップラー成分の水溶液がアルカリ溶
液で、テトラゾ成分の水溶液が酸性溶液である組み合わ
せが好ましい。カップラー水溶液とテトラゾ水溶液とを
カップリング反応せしめる時に介入させるべき酸性水溶
液は、あらかじめ反応させるべき容器とは別の容器に必
要量を準備するのが良く、この容器は通常バッチ式攪拌
槽である。
【0026】本発明では、好ましくは予めバッチ式攪拌
槽内に酸性水溶液が仕込まれる。バッチ式攪拌槽として
は公知慣用のものがいずれも使用できるが、通常は、攪拌
が必要な液媒体毎に水槽に加える必要がある液媒体を保
持する水槽と、その液媒体を攪拌する攪拌翼を有する攪
拌機とから構成されていることが必要である。本発明で
使用されるバッチ式攪拌槽内の酸性溶液は、カップリン
グ反応系をpH3〜6.9の範囲内、好ましくはpH
3.5〜6.3に保つことが出来れば良く、従来法のカ
ップリングで使用される公知の酸水溶液で構わない。例
えば酢酸、蟻酸等があげられる。このpH領域は、テトラ
ゾ成分の分解や縮合などの副反応を最小化するために必
要であり、反応開始から終了時まで上記pHの範囲内に
維持することがより好ましい。
【0027】このためには、反応途中において酸あるは
アルカリを断続的にあるいは連続的に添加するか、バッ
チ式撹拌槽内に酸性水溶液中に、pH緩衝剤を存在させ
ることが好ましい。操作の容易さの面からは、pH緩衝性
のある水溶液系、例えば、従来のカップリング反応でよく
使用される「酢酸−酢酸ナトリウム」系や「蟻酸−蟻酸ナ
トリウム」系等の緩衝性水溶液を用いる。これらの緩衝
性水溶液により、pHの変動が少なく、pHの維持が容易
となる。
【0028】カップラー水溶液とテトラゾ水溶液とが直
接接触すると、カップラー成分の析出が起きて固体とな
り、透明性と流動性、フラッシング適性、排水着色耐性、分
散性を改良する効果があるジスアゾ化合物の生成が少な
く、これら諸適性を改良できなくなってしまう場合があ
る。これを避けるため、酸性水溶液を満たしたバッチ式撹
機を備える撹拌槽にカップラー成分の水溶液とテトラゾ
成分の水溶液を同時に注入する場合においては、注入管
出口を互いに離した位置に設けて注入を行い(並行注入
という場合がある。)、十分に撹拌を行い、確実にテトラ
ゾ成分とカップラー成分とが酸性水溶液中で反応させ
る。
【0029】本発明において、特にカップラー成分の水
溶液とテトラゾ成分の水溶液を同時に反応器に注入する
場合においては、カップラー成分の供給モル速度とテト
ラゾ成分の供給モル速度との比は特に限定されるもので
はないが、通常は200:80から200:99となる
ように、好ましくは200:90から200:99とな
るように連続的に注入してカップリング反応させること
によりジスアゾ顔料組成物が製造される。こうすること
で、テトラゾ成分は酸性水溶液に注入後、直ちに全てがカ
ップラー成分と反応し、未反応のテトラゾ成分が反応系
内に残存しなくなる。その結果、テトラゾ成分の分解や縮
合による副反応が防止され、色相の汚れが防止される。
【0030】供給モル速度の比は、反応の全期間を通じ
て一定値に保つ必要はなく、上記供給モル速度比の範囲
内で、注入の進行につれて変化させても良い。また、カッ
プラー水溶液の注入開始をテトラゾ水溶液の注入に先行
させても良い。さらに、ノニオン系界面活性剤、アニオン
系界面活性剤、ロジン溶液のような表面処理剤を注入し、
生成した顔料粒子の表面処理を同時に行っても良い。こ
のような活性剤の例としては、エマルゲン120(商品
名、花王株式会社製)、アロモックスDMC−W(商品
名、ライオン株式会社製)等が挙げられる。添加する界面
活性剤の量は少量でも効果があるが、ある程度多い方が
効果が大きい。界面活性剤を使用する場合、必要とされる
反応率の他、コスト、生成物の品質、使用する印刷インキ
の特性等も考慮して決められ、一般的には有効成分とし
て生成する顔料の0.2〜10.0重量%の範囲で用い
ることができる。
【0031】以上のように、テトラゾ成分とカップラー
成分とを上記のモル速度比で並行注入すると、注入終了
時点で反応系内にはテトラゾ成分は全く存在していない
が、反応可能なカップラー成分が僅かに残存している状
態となっている。そこで、全てのカップラー成分の混在し
たカップラー水溶液と、ベンジジン類のテトラゾ成分を
含むテトラゾ水溶液とを、酸性水溶液中に、連続的に注入
した後、テトラゾ水溶液だけを追加的に注入することが
できる。例えば、並行注入終了後、テトラゾ水溶液のみを
追加注入して、完全にカップラー成分と反応させ、さらに
カップリング反応率を高めることもできる。
【0032】本発明において、全てのカップラー成分の
混在して存在するカップラー水溶液の酸性水溶液への注
入は、カップラー水溶液を酸性水溶液と混合したときに、
溶解していた特に一般式(3)の非極性カップラー成分
と一般式(4)の極性カップラー成分が析出しないよう
な条件を選択するのが好ましい。
【0033】カップラーの最適注入量は、反応させるカ
ップラー成分の種類や、カップラー水溶液の濃度、注入速
度、酸性水溶液のpHや量など多くの要因により変化す
るものであるが、各成分のカップリング反応速度、酸性水
溶液中での拡散速度や溶解度などを考慮して実験的に定
めることができる。
【0034】本発明において、カップラー成分の全ての
濃度の和が0.1〜1.0モル/リットルであるカップ
ラー水溶液と、濃度が0.05〜0.8モル/リットル
であるテトラゾ水溶液を酸性水溶液に注入することが操
作上、また経済上、負担が軽い点で好ましい。
【0035】全てのカップラー成分が析出しないような
範囲は、酸性水溶液の種類やpH、量や撹拌状態、注入管
の出口の位置など種々の条件によって変化するものであ
り、注入量は製造に要する時間や製造工程なども考慮し
て総合的に決定される。すなわち、酸性水溶液に対するカ
ップラー水溶液の注入量が少なくなればなるほど、全て
のカップラー成分は析出しにくくなるが、反応系内の濃
度が薄くなるため、顔料生物の製造に時間がかかるよう
になる。
【0036】本発明において、カップリング中の温度や
pHの値などの反応条件及びこの制御法は、従来のカッ
プリング反応での公知の条件値及び制御法から選択さ
れ、特段の制約は無い。pHや温度を時間あるいは注入量
と共に変化させても、あるいは終始一定に保っても良い。
【0037】なお、本発明が好ましい実施形態で実施さ
れる場合には酸性であるテトラゾ水溶液とアルカリ性で
あるカップラー水溶液とが並行して注入されるので、こ
れらの水溶液中の酸とアルカリとが中和されるようにそ
れぞれの溶液のpHや流量を調整することにより、初期
のpHを最後まで保った状態でカップリング反応を行う
ことができる。本発明のジスアゾ顔料の製造方法は、顔料
誘導体で表面処理されたC.I.Pigment Ye
llow 12,13,14,17及び83を得るのに
特に有効である。
【0038】このようにして得られた酸性水溶液中のジ
スアゾ顔料は連続的に固液分離することにより反応系か
ら取り出すことも、また、反応を終了させた後、バッチ式
に固液分離を行い反応系から回収することもできる。
【0039】また、得られたジスアゾ顔料の顔料特性を
向上させるために、得られたジスアゾ顔料のスラリーに
対して硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、塩化カルシ
ウムから選ばれる水溶性無機塩を添加すること、あるい
はロジン類あるいは印刷インキ用ビヒクルによって表面
処理を施す一連の処理を行いジスアゾ顔料組成物を製造
することもできる。
【0040】本発明で使用される表面処理用ロジンの種
類としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、
不均化ロジン、重合ロジン、水添ロジン、マレイン化ロジ
ン等の顔料をロジン処理に一般的に使用されるロジンの
水酸化ナトリウム溶液もしくは水酸化カリウム溶液など
がある。酸価が高くアルカリ水溶液となるロジン変性フ
ェノール樹脂またはアルキッド樹脂、石油樹脂を併用し
ても良い。
【0041】ロジン水溶液の添加量は、固形分換算でカ
ップリングして生成されるジスアゾ顔料に対して、2〜
150重量%、好ましくは3〜80重量%である。
【0042】本発明の製造法によって得られたジスアゾ
顔料は、印刷インキ用ビヒクルと混練されて、透明性と流
動性に優れた印刷インキに使用することができる。
【0043】オフセットインキ用ビヒクルは例えば、ロ
ジン変成フェノール樹脂、石油樹脂、アルキッド樹脂また
はこれら乾性油変成樹脂等の樹脂と、必要に応じて、アマ
ニ油、桐油、大豆油等の植物油と、n−パラフィン、イソ
パラフィン、アロマテック、ナフテン、α−オレフィン
等の溶剤から成るものであって、それらの混合割合は、重
量比で樹脂:植物油:溶剤=20〜50部:0〜30
部:10〜60部の範囲が好ましい。
【0044】本発明のジスアゾ顔料を配合したオフセッ
トインキ様ビヒクルは、必要に応じて、インキ溶剤、ドラ
イヤー、レベリング改良剤、増粘剤等の公知の添加剤を
適宜配合して印刷インキとなる。
【0045】また、グラビアインキ用ビヒクルは、例えば
ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、石灰化ロジ
ン、ライムロジン、ロジンエステル、マレイン酸樹脂、ギル
ソナイト、ダンマル、セラック、ポリアミド樹脂、ビニ
ル樹脂、ニトロセルロース、環化ゴム、塩化ゴム、エチ
ルセルロース、酢酸セルロース、エチレン−酢酸ビニル
共重合体樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキ
ッド樹脂等の樹脂混合物と、n−ヘキサン、トルエン、メ
タノール、エタノール、アセトン、酢酸エチル、乳酸エチ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレング
リコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ
ブチルエーテル、イソプロピルアルコール、クロルベンゾ
ール、エチルエーテル、メチルエチルケトン、アセト酢
酸エチル等の溶剤から成るものであって、それらの混合
割合いは、重量比で、樹脂混合物:溶剤=10〜50部:
30〜80部の範囲が好ましい。
【0046】本発明のジスアゾ顔料を配合したグラビア
インキビヒクルは、必要に応じて、例えば硫酸バリウム、
炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、アルミナホワイ
ト、クレー、シリカ、シリカホワイト、タルク、珪酸カル
シウム、沈降性炭酸マグネシウム等の体質顔料の他、補助
剤として、可塑剤、紫外線防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤
等の公知の添加剤を適宜配合して印刷インキとなる。
【0047】
【実施例】以下に実施例によって本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。なお、以下の例中「部」及び「%」は、特に断りのな
い限りいずれも「重量部」、「重量%」を示す。
【0048】<実施例1>3,3’−ジクロロベンジジ
ン塩酸塩をその3倍モルの塩酸と2倍モルの亜硝酸ナト
リウムを使用して常法によりテトラゾ化し、10℃、0.
125モル/lのテトラゾ水溶液を調製した。一方、アセ
トアセトアニリド322.1部とアニリン2.8部、o
−アセトアセチルアミノ安息香酸6.6部、2−ヒドロ
キシ−5−アセトアセチルアミノ安息香酸7.1部、ア
セトアセト−p−カルバモイルアニリド19.8部を水
酸化ナトリウム120部を含む水溶液に溶解し、25℃、
0.259モル/lのカップラー水溶液を調製した。ま
た、酸性水溶液として80%酢酸300部と水酸化ナト
リウム80部と水とからなる24℃、pH4.7の緩衝
溶液5000部を調製し、撹拌機を有する反応器に仕込
んだ。このpH緩衝溶液中の互いに離れた位置に出口を
持つ2本の注入管をセットし、テトラゾ水溶液とカップ
ラー水溶液とをそれぞれの注入管を通してpH緩衝溶液
中に注入を行った。これらの溶液は同時に注入を開始し、
定量ポンプにより同じ体積流量(193ml/分)で4
0分注入し、同時に注入を終了した。注入の間、液面より
採取した反応液からはテトラゾは検出されなかった。こ
の時点でのカップラー基準のカップリング反応率は9
6.0%であった。その後、反応系内にテトラゾが極わず
かに認められるまでテトラゾ水溶液のみを追加注入した
結果、カップラー基準のカップリング反応率は98.6
%であった。なお、テトラゾの検出はβ−ナフトールによ
る発色反応を用いて行い、カップリング反応率は液体ク
ロマトで分析して得た未反応カップラー量から求めた。
以後、製造したスラリーを60℃迄加熱したのち、苛性ソ
ーダ水溶液を加えてpHを10.5に調製し、トール油
系ロジンソープを固形換算で31部添加後、塩酸水溶液
でpH6.5に調製し、8%硫酸アルミニウム水溶液7
0部を加えたのち、濾過、精製してジスアゾ顔料を含むウ
エット顔料組成物(本発明顔料1)を得た。
【0049】<比較例1>実施例1においてアセトアセ
トアニリド322.1部とアニリン2.8部使用する代
わりに、アセトアセトアニリド327.5部に変えた以
外は同様にして、ジスアゾ顔料組成物を含むウエット顔
料組成物(比較顔料1)を得た。
【0050】<実施例2>3,3’−ジクロロベンジジ
ン塩酸塩をその3倍モルの塩酸と2倍モルの亜硝酸ナト
リウムを使用して常法によりテトラゾ化し、10℃、0.
125モル/lのテトラゾ水溶液を調製した。一方、アセ
トアセトアニリド322.1部とアニリン2.8部、o
−アセトアセチルアミノ安息香酸6.6部、2−ヒドロ
キシ−5−アセトアセチルアミノ安息香酸7.1部、ア
セトアセト−p−カルバモイルアニリド19.8部を水
酸化ナトリウム144部を含む水溶液に溶解し、25℃、
0.259モル/lのカップラー水溶液を調製した。ま
た、酸性水溶液として80%酢酸300部と水からなる
酢酸溶液5000部を調製し、撹拌機を有する反応器に
仕込んだ。この酢酸溶液にカップラー水溶液を193m
l/分の流量で40分間注入してカップラーを沈殿させ
た。このカップラースラリー中に出口を持つ注入管をセ
ットし、テトラゾ水溶液を184ml/分の流速で注入
を開始した。反応液面でテトラゾが僅かに検出されるま
で、約40分を要して注入した。カップリング反応率は9
2.1%であった。以後、実施例1と同様に加熱、ロジン
処理、濾過、精製して濾過、精製してジスアゾ顔料を含む
ウエット顔料組成物(本発明顔料2)を得た。
【0051】<比較例2>実施例2においてアセトアセ
トアニリド322.1部とアニリン2.8部使用する代
わりにアセトアセトアニリド327.5部使用する以外
は同様にして、ジスアゾ顔料を含むウエット顔料組成物
(比較顔料2)を得た。
【0052】<実施例3>3,3’−ジクロロベンジジ
ン塩酸塩をその3倍モルの塩酸と2倍モルの亜硝酸ナト
リウムを使用して常法によりテトラゾ化し、10℃、0.
125モル/lのテトラゾ水溶液を調製した。一方、アセ
トアセトアニリド322.1部とアニリン2.8部、o
−アセトアセチルアミノ安息香酸6.6部、2−ヒドロ
キシ−5−アセトアセチルアミノ安息香酸7.1部、ア
セトアセト−p−カルバモイルアニリド19.8部を水
酸化ナトリウム120部を含む水溶液に溶解し、25℃、
0.259モル/lのカップラー水溶液を調製した。ま
た、酸性水溶液として80%酢酸300部と水酸化ナト
リウム80部と水とからなる24℃、pH4.7、0.8
4モル/lのpH緩衝溶液を調製した。撹拌機を有する
反応器に互いに離れた位置に出口を持つ3本の注入管を
セットし、テトラゾ水溶液とカップラー水溶液とpH緩
衝溶液をそれぞれの注入管を通して反応容器中に注入を
行った。これらの溶液は同時に注入を開始し、定量ポンプ
により同じ体積流量(190ml/分)で10分間注入
して反応容器を満たし、更に20分間定量ポンプにより
同じ体積流量で注入した後40分間注入し続けてカップ
リング終了後の反応液スラリーを得た。採取した反応液
からはテトラゾは検出されなかった。この時点でのカッ
プラー基準のカップリング反応率は92.0%であっ
た。なお、テトラゾの検出はβ−ナフトールによる発色反
応を用いて行い、カップリング反応率は液体クロマトで
分析して得た未反応カップラー量から求めた。以後、製造
したスラリーを60℃迄加熱したのち、苛性ソーダ水溶
液を加えてpHを10.5に調製し、トール油系ロジン
ソープを固形換算で31部添加後、塩酸水溶液でpH
6.5に調製し、8%硫酸アルミニウム水溶液70部を
加えたのち、濾過、精製してジスアゾ顔料を含むウエット
顔料組成物(本発明顔料3)を得た。
【0053】<比較例3>実施例3においてアセトアセ
トアニリド322.1部とアニリン2.8部を使用する
代わりにアセトアセトアニリド327.5部を使用する
以外は同様にしてジスアゾ顔料を含むウエット顔料組成
物(比較顔料3)を得た。
【0054】<実施例4>3,3’−ジクロロベンジジ
ン塩酸塩をその3倍モルの塩酸と2倍モルの亜硝酸ナト
リウムを使用して常法によりテトラゾ化し、10℃、0.
125モル/lのテトラゾ水溶液を調製した。一方、アセ
トアセトアニリド322.1部とアニリン2.8部、o
−アセトアセチルアミノ安息香酸6.6部、2−ヒドロ
キシ−5−アセトアセチルアミノ安息香酸7.1部、ア
セトアセト−p−カルバモイルアニリド19.8部を水
酸化ナトリウム120部を含む水溶液に溶解し、25℃、
0.259モル/lのカップラー水溶液を調製した。ま
た、酸性水溶液として80%酢酸300部と水酸化ナト
リウム80部と水とからなる24℃、pH4.7、0.8
4モル/lのpH緩衝溶液を調製した。内径約4mm、
長さ約100mのコイル状のステンレス製チューブの一
端にpH緩衝溶液の注入口を取り付け、この端から約5
0cm離れた箇所にカップラー水溶液の注入口を、更に
1m離れた箇所にテトラゾ水溶液の注入口を有する反応
器を用い、pH緩衝溶液、テトラゾ水溶液とカップラー水
溶液とをそれぞれの注入管を通して反応器に注入を行っ
た。これらの溶液は同時に注入を開始し、定量ポンプによ
り同じ体積流量(190ml/分)で注入し、同時に注
入を終了した。注入開始から10分経った後反応器の他
端からカップリング反応物スラリーを40分間採取し
た。採取した反応液からはテトラゾは検出されなかった。
この時点でのカップラー基準のカップリング反応率は9
2.0%であった。なお、テトラゾの検出はβ−ナフトー
ルによる発色反応を用いて行い、カップリング反応率は
液体クロマトで分析して得た未反応カップラー量から求
めた。以後、製造したスラリーを60℃迄加熱したのち、
苛性ソーダ水溶液を加えてpHを10.5に調製し、ト
ール油系ロジンソープを固形換算で31部添加後、塩酸
水溶液でpH6.5に調製し、8%硫酸アルミニウム水
溶液70部を加えたのち、濾過、精製してジスアゾ顔料を
含むウエット顔料組成物(本発明顔料4)を得た。
【0055】<比較例4>実施例4においてアセトアセ
トアニリド322.1部と、アニリン2.8部を使用す
る代わりにアセトアセトアニリド327.5部を使用す
る以外は同様にしてジスアゾ顔料を含むウエット顔料組
成物(比較顔料4)を得た。
【0056】<実施例5>実施例1においてアセトアセ
トアニリド322.1部とアニリン2.8部、o−アセ
トアセチルアミノ安息香酸6.6部、2−ヒドロキシ−
5−アセトアセチルアミノ安息香酸7.1部、アセトア
セト−p−カルバモイルアニリド19.8部を使用する
代わりにアセトアセトアニリド332.8部とアニリン
2.8部、2−ヒドロキシ−5−アセトアセチルアミノ
安息香酸7.1部、アセトアセト−p−カルバモイルア
ニリド13.2部を使用する以外は同様にしてジスアゾ
顔料を含むウエット顔料組成物(本発明顔料5)を得
た。
【0057】<比較例5>実施例5においてアセトアセ
トアニリド322.1部とアニリン2.8部を使用する
代わりにアセトアセトアニリド338.1部使用する以
外は同様にしてジスアゾ顔料を含むウエット顔料組成物
(比較顔料5)を得た。
【0058】<実施例6>実施例1においてアセトアセ
トアニリド322.1部とアニリン2.8部、o−アセ
トアセチルアミノ安息香酸6.6部、2−ヒドロキシ−
5−アセトアセチルアミノ安息香酸7.1部、アセトア
セト−p−カルバモイルアニリド19.8部を使用する
代わりにアセトアセトアニリド332.8部とo−トル
イジン3.2部、2−ヒドロキシ−5−アセトアセチル
アミノ安息香酸7.1部、アセトアセト−p−カルバモ
イルアニリド13.2部を使用する以外は同様にしてジ
スアゾ顔料を含むウエット顔料組成物(本発明顔料6)
を得た。
【0059】<比較例6>実施例6においてアセトアセ
トアニリド332.8部とo−トルイジン3.2部を使
用する代わりにアセトアセトアニリド338.1部使用
する以外は同様にしてジスアゾ顔料を含むウエット顔料
組成物(比較顔料6)を得た。
【0060】<実施例7>実施例1においてアセトアセ
トアニリド322.1部とアニリン2.8部、o−アセ
トアセチルアミノ安息香酸6.6部、2−ヒドロキシ−
5−アセトアセチルアミノ安息香酸7.1部、アセトア
セト−p−カルバモイルアニリド19.8部を使用する
代わりにアセトアセトアニリド332.8部とo−クロ
ロアニリン3.8部、2−ヒドロキシ−5−アセトアセ
チル安息香酸7.1部、アセトアセト−p−カルバモイ
ルアニリド13.2部を使用する以外は同様にしてジス
アゾ顔料を含むウエット顔料組成物(本発明顔料7)を
得た。
【0061】<比較例7>実施例7においてアセトアセ
トアニリド332.8部とo−クロロアニリン3.8部
を使用する代わりにアセトアセトアニリド338.1部
使用する以外は同様にしてジスアゾ顔料を含むウエット
顔料組成物(比較顔料7)を得た。
【0062】<実施例8>実施例1においてアセトアセ
トアニリド322.1部とアニリン2.8部、o−アセ
トアセチルアミノ安息香酸6.6部、2−ヒドロキシ−
5−アセトアセチルアミノ安息香酸7.1部、アセトア
セト−p−カルバモイルアニリド19.8部を使用する
代わりにアセトアセトアニリド332.8部とp−ヒド
ロキシアニリン3.3部、2−ヒドロキシ−5−アセト
アセチル安息香酸7.1部、アセトアセト−p−カルバ
モイルアニリド13.2部を使用する以外は同様にして
ジスアゾ顔料を含むウエット顔料組成物(本発明顔料
8)を得た。
【0063】<比較例8>実施例8においてアセトアセ
トアニリド332.8部とp−ヒドロキシアニリン3.
8部を使用する代わりにアセトアセトアニリド338.
1部使用する以外は同様にしてジスアゾ顔料を含むウエ
ット顔料組成物(比較顔料8)を得た。
【0064】<実施例9>実施例1においてアセトアセ
トアニリド322.1部とアニリン2.8部、o−アセ
トアセチルアミノ安息香酸6.6部、2−ヒドロキシ−
5−アセトアセチルアミノ安息香酸7.1部、アセトア
セト−p−カルバモイルアニリド19.8部を使用する
代わりにアセトアセトアニリド332.8部とp−カル
ボキシアニリン4.1部、2−ヒドロキシ−5−アセト
アセチル安息香酸7.1部、アセトアセト−p−カルバ
モイルアニリド13.2部を使用する以外は同様にして
ジスアゾ顔料を含むウエット顔料組成物(本発明顔料
9)を得た。
【0065】<比較例9>実施例9においてアセトアセ
トアニリド332.8部とp−カルボキシアニリン4.
1部を使用する代わりにアセトアセトアニリド338.
1部使用する以外は同様にしてジスアゾ顔料を含むウエ
ット顔料組成物(比較顔料9)を得た。
【0066】<実施例10>実施例1においてアセトア
セトアニリド322.1部とアニリン2.8部、o−ア
セトアセチルアミノ安息香酸6.6部、2−ヒドロキシ
−5−アセトアセチルアミノ安息香酸7.1部、アセト
アセト−p−カルバモイルアニリド19.8部を使用す
る代わりにアセトアセトアニリド332.8部と2,5
−ジメトキシアニリン4.6部、2−ヒドロキシ−5−
アセトアセチル安息香酸7.1部、アセトアセト−p−
カルバモイルアニリド13.2部を使用する以外は同様
にしてジスアゾ顔料を含むウエット顔料組成物(本発明
顔料10)を得た。
【0067】<比較例10>実施例10においてアセト
アセトアニリド332.8部と2,5−ジメトキシアニ
リン4.6部を使用する代わりにアセトアセトアニリド
338.1部使用する以外は同様にしてジスアゾ顔料を
含むウエット顔料組成物(比較顔料10)を得た。
【0068】<実施例11>実施例1においてアセトア
セトアニリド322.1部とアニリン2.8部、o−ア
セトアセチルアミノ安息香酸6.6部、2−ヒドロキシ
−5−アセトアセチルアミノ安息香酸7.1部、アセト
アセト−p−カルバモイルアニリド19.8部を使用す
る代わりにアセトアセトアニリド309.8部とアニリ
ン14.9部、2−ヒドロキシ−5−アセトアセチル安
息香酸7.1部、アセトアセト−p−カルバモイルアニ
リド13.2部を使用する以外は同様にしてジスアゾ顔
料を含むウエット顔料組成物(本発明顔料11)を得
た。
【0069】<比較例11>実施例11においてアセト
アセトアニリド309.8部とアニリン14.9部を使
用する代わりにアセトアセトアニリド338.1部使用
する以外は同様にしてジスアゾ顔料を含むウエット顔料
組成物(比較顔料11)を得た。
【0070】<実施例12>実施例1においてアセトア
セトアニリド322.1部とアニリン2.8部、o−ア
セトアセチルアミノ安息香酸6.6部、2−ヒドロキシ
−5−アセトアセチルアミノ安息香酸7.1部、アセト
アセト−p−カルバモイルアニリド19.8部を使用す
る代わりにアセトアセトアニリド309.8部とp−ト
ルイジン17.1部、2−ヒドロキシ−5−アセトアセ
チル安息香酸7.1部、アセトアセト−p−カルバモイ
ルアニリド13.2部を使用する以外は同様にしてジス
アゾ顔料を含むウエット顔料組成物(本発明顔料12)
を得た。
【0071】<比較例12>実施例12においてアセト
アセトアニリド309.8部とp−トルイジン17.1
部を使用する代わりにアセトアセトアニリド338.1
部使用する以外は同様にしてジスアゾ顔料を含むウエッ
ト顔料組成物(比較顔料12)を得た。
【0072】<実施例13>実施例1においてアセトア
セトアニリド322.1部とアニリン2.8部、o−ア
セトアセチルアミノ安息香酸6.6部、2−ヒドロキシ
−5−アセトアセチルアミノ安息香酸7.1部、アセト
アセト−p−カルバモイルアニリド19.8部を使用す
る代わりにアセトアセトアニリド309.8部と2,5
−ジクロロアニリン25.9部、2−ヒドロキシ−5−
アセトアセチル安息香酸7.1部、アセトアセト−p−
カルバモイルアニリド13.2部を使用する以外は同様
にしてジスアゾ顔料を含むウエット顔料組成物(本発明
顔料13)を得た。
【0073】<比較例13>実施例13においてアセト
アセトアニリド309.8部と2,5−ジクロロアニリ
ン25.9部を使用する代わりにアセトアセトアニリド
338.1部使用する以外は同様にしてジスアゾ顔料を
含むウエット顔料組成物(比較顔料13)を得た。
【0074】<実施例14>実施例1においてアセトア
セトアニリド322.1部とアニリン2.8部、o−ア
セトアセチルアミノ安息香酸6.6部、2−ヒドロキシ
−5−アセトアセチルアミノ安息香酸7.1部、アセト
アセト−p−カルバモイルアニリド19.8部を使用す
る代わりにアセトアセト−o−トルイジド370.5部
とアニリン2.8部、o−アセトアセチルアミノ安息香
酸6.6部を使用する以外は同様にしてジスアゾ顔料を
含むウエット顔料組成物(本発明顔料14)を得た。
【0075】<比較例14>実施例14においてアセト
アセト−o−トルイジド370.5部とアニリン2.8
部を使用する代わりにアセトアセト−o−トルイジド3
76.3部使用する以外は同様にしてジスアゾ顔料を含
むウエット顔料組成物(比較顔料14)を得た。
【0076】<実施例15>実施例1においてアセトア
セトアニリド322.1部とアニリン2.8部、o−ア
セトアセチルアミノ安息香酸6.6部、2−ヒドロキシ
−5−アセトアセチルアミノ安息香酸7.1部、アセト
アセト−p−カルバモイルアニリド19.8部を使用す
る代わりにアセトアセト−o−トルイジド370.5部
とo−トルイジン3.2部、o−アセトアセチルアミノ
安息香酸6.6部を使用する以外は同様にしてジスアゾ
顔料を含むウエット顔料組成物(本発明顔料15)を得
た。
【0077】<比較例15>実施例15においてアセト
アセト−o−トルイジド370.5部とo−トルイジン
3.2部を使用する代わりにアセトアセト−o−トルイ
ジド376.3部使用する以外は同様にしてジスアゾ顔
料を含むウエット顔料組成物(比較顔料15)を得た。
【0078】<実施例16>実施例1においてアセトア
セトアニリド322.1部とアニリン2.8部、o−ア
セトアセチルアミノ安息香酸6.6部、2−ヒドロキシ
−5−アセトアセチルアミノ安息香酸7.1部、アセト
アセト−p−カルバモイルアニリド19.8部を使用す
る代わりにアセトアセト−2,5−ジメトキシ−4−ク
ロロアニリド526.7部とアニリン2.8部、o−ア
セトアセチルアミノ安息香酸6.6部を使用する以外は
同様にしてジスアゾ顔料を含むウエット顔料組成物(本
発明顔料16)を得た。
【0079】<比較例16>実施例16においてアセト
アセト−2,5−ジメトキシ−4−クロロアニリド52
6.7部とアニリン2.8部を使用する代わりにアセト
アセト−2,5−ジメトキシ−4−クロロアニリド53
4.9部使用する以外は同様にしてジスアゾ顔料を含む
ウエット顔料組成物(比較顔料16)を得た。
【0080】<実施例17>実施例1においてアセトア
セトアニリド322.1部とアニリン2.8部、o−ア
セトアセチルアミノ安息香酸6.6部、2−ヒドロキシ
−5−アセトアセチルアミノ安息香酸7.1部、アセト
アセト−p−カルバモイルアニリド19.8部を使用す
る代わりにアセトアセト−−2,5−ジメトキシ−4−
クロロアニリド526.7部とo−クロロアニリン3.
8部、o−アセトアセチルアミノ安息香酸6.6部を使
用する以外は同様にしてジスアゾ顔料を含むウエット顔
料組成物(本発明顔料17)を得た。
【0081】<比較例17>実施例17においてアセト
アセト−2,5−ジメトキシ−4−クロロアニリド52
6.7部とo−クロロアニリン3.8部を使用する代わ
りにアセトアセト−2,5−ジメトキシ−4−クロロア
ニリド534.9部使用する以外は同様にしてジスアゾ
顔料を含むウエット顔料組成物(比較顔料17)を得
た。
【0082】<実施例18>実施例1においてアセトア
セトアニリド322.1部とアニリン2.8部、o−ア
セトアセチルアミノ安息香酸6.6部、2−ヒドロキシ
−5−アセトアセチルアミノ安息香酸7.1部、アセト
アセト−p−カルバモイルアニリド19.8部を使用す
る代わりにアセトアセト−2,5−ジメトキシ−4−ク
ロロアニリド526.7部と2,5−ジメトキシアニリ
ン4.6部、o−アセトアセチルアミノ安息香酸6.6
部を使用する以外は同様にしてジスアゾ顔料を含むウエ
ット顔料組成物(本発明顔料18)を得た。
【0083】<比較例18>実施例18においてアセト
アセト−2,5−ジメトキシ−4−クロロアニリド52
6.7部と2,5−ジメトキシアニリン4.6部を使用
する代わりにアセトアセト−2,5−ジメトキシ−4−
クロロアニリド534.9部使用する以外は同様にして
ジスアゾ顔料組成物を含むウエット顔料組成物(比較顔
料18)を得た。
【0084】<実施例19>実施例1においてアセトア
セトアニリド322.1部とアニリン2.8部、o−ア
セトアセチルアミノ安息香酸6.6部、2−ヒドロキシ
−5−アセトアセチルアミノ安息香酸7.1部、アセト
アセト−p−カルバモイルアニリド19.8部を使用す
る代わりにアセトアセト−o−トルイジド370.5部
とアニリン2.8部、アセトアセト−2−メトキシ−4
−カルバモイルアニリド7.5部を使用する以外は同様
にしてジスアゾ顔料を含むウエット顔料組成物(本発明
顔料19)を得た。
【0085】<比較例19>実施例19においてアセト
アセト−o−トルイジド370.5部とアニリン2.8
部を使用する代わりにアセトアセト−o−トルイジド3
76.3部使用する以外は同様にしてジスアゾ顔料を含
むウエット顔料組成物(比較顔料19)を得た。
【0086】<実施例20>実施例1においてアセトア
セトアニリド322.1部とアニリン2.8部、o−ア
セトアセチルアミノ安息香酸6.6部、2−ヒドロキシ
−5−アセトアセチルアミノ安息香酸7.1部、アセト
アセト−p−カルバモイルアニリド19.8部を使用す
る代わりにアセトアセト−o−トルイジド370.5部
とo−トルイジン3.2部、アセトアセト−2−メトキ
シ−4−カルバモイルアニリド7.5部を使用する以外
は同様にしてジスアゾ顔料を含むウエット顔料組成物
(本発明顔料20)を得た。
【0087】<比較例20>実施例20においてアセト
アセト−o−トルイジド370.5部とo−トルイジン
3.2部を使用する代わりにアセトアセト−o−トルイ
ジド376.3部使用する以外は同様にしてジスアゾ顔
料を含むウエット顔料組成物(比較顔料20)を得た。
【0088】<実施例21>実施例1においてアセトア
セトアニリド322.1部とアニリン2.8部、o−ア
セトアセチルアミノ安息香酸6.6部、2−ヒドロキシ
−5−アセトアセチルアミノ安息香酸7.1部、アセト
アセト−p−カルバモイルアニリド19.8部を使用す
る代わりにアセトアセト−2,5−ジメトキシ−4−ク
ロロアニリド510.4部とアニリン2.8部、アセト
アセト−2−クロロ−4−カルバモイルアニリド22.
9部を使用する以外は同様にしてジスアゾ顔料を含むウ
エット顔料組成物(本発明顔料21)を得た。
【0089】<比較例21>実施例21においてアセト
アセト−2,5−ジメトキシ−4−クロロアニリド51
0.4部とアニリン2.8部を使用する代わりにアセト
アセト−2,5−ジメトキシ−4−クロロアニリド51
8.6部使用する以外は同様にしてジスアゾ顔料を含む
ウエット顔料組成物(比較顔料21)を得た。
【0090】<実施例22>実施例1においてアセトア
セトアニリド322.1部とアニリン2.8部、o−ア
セトアセチルアミノ安息香酸6.6部、2−ヒドロキシ
−5−アセトアセチルアミノ安息香酸7.1部、アセト
アセト−p−カルバモイルアニリド19.8部を使用す
る代わりにアセトアセト−−2,5−ジメトキシ−4−
クロロアニリド510.4部とo−クロロアニリン3.
8部、アセトアセト−2−クロロ−4−カルバモイルア
ニリド22.9部を使用する以外は同様にしてジスアゾ
顔料を含むウエット顔料組成物(本発明顔料22)を得
た。
【0091】<比較例22>実施例22においてアセト
アセト−2,5−ジメトキシ−4−クロロアニリド51
0.4部とo−クロロアニリ22部を使用する代わりに
アセトアセト−2,5−ジメトキシ−4−クロロアニリ
ド518.6部使用する以外は同様にしてジスアゾ顔料
を含むウエット顔料組成物(比較顔料22)を得た。
【0092】<実施例23>実施例1においてアセトア
セトアニリド322.1部とアニリン2.8部、o−ア
セトアセチルアミノ安息香酸6.6部、2−ヒドロキシ
−5−アセトアセチルアミノ安息香酸7.1部、アセト
アセト−p−カルバモイルアニリド19.8部を使用す
る代わりにアセトアセト−2,5−ジメトキシ−4−ク
ロロアニリド510.4部と2,5−ジメトキシアニリ
ン4.6部、アセトアセト−2−クロロ−4−カルバモ
イルアニリド22.9部を使用する以外は同様にしてジ
スアゾ顔料を含むウエット顔料組成物(本発明顔料2
3)を得た。
【0093】<比較例23>実施例23においてアセト
アセト−2,5−ジメトキシ−4−クロロアニリド51
0.4部と2,5−ジメトキシアニリン4.6部を使用
する代わりにアセトアセト−2,5−ジメトキシ−4−
クロロアニリド518.6部使用する以外は同様にして
ジスアゾ顔料を含むウエット顔料組成物(比較顔料2
3)を得た。
【0094】<試験例1>以下の方法によって、実施例
1ないし23及び比較例1ないし23により得られたウ
エット顔料組成物をインキ化し評価した。
【0095】フラッシャーに70℃に加熱した平版イン
キ用ワニス(東洋インキ製造(株)製ロジン変成フェノ
ール樹脂を含有するワニス)230部を添加したのち、
顔料組成物固形分換算で80分に相当する得られたウエ
ット顔料組成物添加し、20分混練しながら、フラッシン
グを行った。遊離した水を除いたのち、真空脱水しなが
ら、フラッシャー温度を100℃に昇温し、水分を除去し
た。水分が除去されたのを確認したのち、平版インキ用ワ
ニス(東洋インキ製造(株)製ロジン変成フェノール樹
脂を含有するワニス)250部及びインキ用溶剤30部
を徐々に加えて試験用インキを作成し、作成直後の透明
性と流動性を測定した。一方実際のインキ製造工程でイ
ンキを流動させるために掛けられる熱を想定して、作成
したインキを80℃で20時間放置した後そのインキに
ついても透明性と流動性を測定した。加熱後のインキと
作成直後のインキの透明性と流動性の差を表1にまとめ
て示した。
【0096】<透明性の評価方法>黒インキを用いて黒
帯を印刷した白い展色紙に、試験インキを展色し、黒帯
の上の展色状態を目視で観察する。黒帯の上に試験イン
キが展色されることにより黒帯が白く見えるものを不透
明と判断し、目視判定1とする。黒帯上に試験インキが展
色されているのがわかりにくいものを透明と判断し、目
視判定10とする。作成直後のインキの判定値から加熱
放置後のインキの判定値の差を取って表示する。
【0097】<流動性の評価方法>スプレッドメーター
に一定容量の試験インキを測り盛り、測定開始と同時に
ガラス板と目盛り板の間に計量したインキを押しだし、
1分後にインキが流動した中心からの距離を計測する。
測定値の大きいものを流動性が高いと判定する。なお、実
施例で得られたウエット顔料組成物から作成した作成直
後のインキの測定値を100%とした百分率で測定値を
表示した。
【0098】
【表1】
【0099】<実施例24>実施例1において得られた
ウエット顔料組成物を、90℃12時間乾燥し、粉砕して
パウダー顔料(本発明顔料24)を得た。
【0100】<比較例24>比較例1において得られた
ウエット顔料組成物を、90℃12時間乾燥し、粉砕して
パウダー顔料(比較顔料24)を得た。
【0101】<実施例25>実施例2において得られた
ウエット顔料組成物を、90℃12時間乾燥し、粉砕して
パウダー顔料(本発明顔料25)を得た。
【0102】<比較例25>比較例2において得られた
ウエット顔料組成物を、90℃12時間乾燥し、粉砕して
パウダー顔料(比較顔料25)を得た。
【0103】<実施例26>実施例6において得られた
ウエット顔料組成物を、90℃12時間乾燥し、粉砕して
パウダー顔料(本発明顔料26)を得た。
【0104】<比較例26>比較例6において得られた
ウエット顔料組成物を、90℃12時間乾燥し、粉砕して
パウダー顔料(比較顔料26)を得た。
【0105】<実施例27>実施例7において得られた
ウエット顔料組成物を、90℃12時間乾燥し、粉砕して
パウダー顔料(本発明顔料27)を得た。
【0106】<比較例27>比較例7において得られた
ウエット顔料組成物を、90℃12時間乾燥し、粉砕して
パウダー顔料(比較顔料27)を得た。
【0107】<実施例28>実施例10において得られ
たウエット顔料組成物を、90℃12時間乾燥し、粉砕し
てパウダー顔料(本発明顔料28)を得た。
【0108】<比較例28>比較例10において得られ
たウエット顔料組成物を、90℃12時間乾燥し、粉砕し
てパウダー顔料(比較顔料28)を得た。
【0109】<試験例2>以下の方法によって実施例2
4ないし28及び比較例24ないし28によって得られ
たパウダー顔料をインキ化した。
【0110】ステンレス容器に60℃に加熱した平版イ
ンキ用ワニス(東洋インキ製造株式会社製の変成ロジン
フェノール樹脂を含有するワニス)300部と100部
のパウダー顔料を仕込み、高専断性ミキサーを使用して
ミルベースを作成した。このミルベースを3本ロールを
使用して練肉した。3本ロール上でベースインキに平版
インキ用ワニス(東洋インキ製造株式会社製の変成ロジ
ンフェノール樹脂)150部と芳香族を含有しないイン
キ用溶剤10部を加え試験用インキを作成し、作成直後
の透明性と流動性を測定した。一方実際のインキ製造工
程でインキを流動させるために掛けられる熱を想定し
て、作成したインキを80℃で20時間放置した後その
インキについても透明性と流動性を測定した。加熱後の
インキと作成直後のインキの透明性と流動性の差を表2
にまとめて示した。
【0111】
【表2】
【0112】<実施例29>3,3’−ジクロロベンジ
ジン塩酸塩をその3倍モルの塩酸と2倍モルの亜硝酸ナ
トリウムを使用して常法によりテトラゾ化し、10℃、
0.125モル/lのテトラゾ水溶液を調製した。一方、
アセトアセト−m−キシリジド123.0部とアセトア
セト−o−トルイジド244.5部、p−トルイジン
3.2部、2−ヒドロキシ−5−アセトアセチルアミノ
安息香酸7.1部、アセトアセト−p−カルバモイルア
ニリド13.2部を水酸化ナトリウム120部を含む水
溶液に溶解し、25℃、0.259モル/lのカップラー
水溶液を調製した。また、酸性水溶液として80%酢酸3
00部と水酸化ナトリウム80部と水とからなる24
℃、pH4.7の緩衝溶液5000部を調製し、撹拌機を
有する反応器に仕込んだ。このpH緩衝溶液中の互いに
離れた位置に出口を持つ2本の注入管をセットし、テト
ラゾ水溶液とカップラー水溶液とをそれぞれの注入管を
通してpH緩衝溶液中に注入を行った。これらの溶液は
同時に注入を開始し、定量ポンプにより同じ体積流量
(193ml/分)で40分注入し、同時に注入を終了
した。注入の間、液面より採取した反応液からはテトラゾ
は検出されなかった。この時点でのカップラー基準のカ
ップリング反応率は96.5%であった。その後、反応系
内にテトラゾが極わずかに認められるまでテトラゾ水溶
液のみを追加注入した結果、カップラー基準のカップリ
ング反応率は98.6%であった。なお、テトラゾの検出
はβ−ナフトールによる発色反応を用いて行い、カップ
リング反応率は液体クロマトで分析して得た未反応カッ
プラー量から求めた。以後、製造したスラリーを60℃迄
加熱したのち、苛性ソーダ水溶液を加えてpHを10.
5に調製し、トール油系ロジンソープを固形換算で31
部添加後、塩酸水溶液でpH6.5に調製し、8%硫酸ア
ルミニウム水溶液70部を加えたのち、濾過、精製したウ
エット顔料組成物を90℃12時間乾燥、粉砕してパウ
ダー顔料(本発明顔料29)を得た。
【0113】<比較例29>実施例29においてアセト
アセト−m−キシリジド123.0部とアセトアセト−
o−トルイジド244.5部、p−トルイジン3.2部
を使用する代わりに、アセトアセト−m−キシリジド1
23.0部とアセトアセト−o−トルイジド250.2
部使用する以外は同様にしてパウダー顔料(比較顔料2
9)を得た。
【0114】<実施例30>実施例29においてアセト
アセト−m−キシリジド123.0部とアセトアセト−
o−トルイジド244.5部、p−トルイジン3.2部
を使用する代わりに、アセトアセト−m−キシリジド1
23.0部とアセトアセト−o−トルイジド244.5
部、2,5−ジメトキシアニリン4.6部を使用する以
外は同様にしてパウダー顔料(本発明顔料30)を得
た。
【0115】<比較例30>実施例30においてアセト
アセト−m−キシリジド123.0部とアセトアセト−
o−トルイジド244.5部、2,5−ジメトキシアニ
リン4.6部を使用する代わりに、アセトアセト−m−
キシリジド123.0部とアセトアセト−o−トルイジ
ド250.2部を使用する以外は同様にしてパウダー顔
料(比較顔料30)を得た。
【0116】<実施例31>実施例29においてアセト
アセト−m−キシリジド123.0部とアセトアセト−
o−トルイジド244.5部、p−トルイジン3.2部
を使用する代わりに、アセトアセト−m−キシリジド2
05.0部とアセトアセト−o−トルイジド168.1
部、アニリン2.8部を使用する以外は同様にしてパウ
ダー顔料(本発明顔料31)を得た。
【0117】<比較例31>実施例31においてアセト
アセト−m−キシリジド205.0部とアセトアセト−
o−トルイジド168.1部、アニリン2.8部を使用
する代わりに、アセトアセト−m−キシリジド205.
0部とアセトアセト−o−トルイジド173.8部を使
用する以外は同様にしてパウダー顔料(比較顔料31)
を得た。
【0118】<実施例32>実施例29においてアセト
アセト−m−キシリジド123.0部とアセトアセト−
o−トルイジド244.5部、p−トルイジン3.2部
を使用する代わりに、アセトアセト−m−キシリジド2
05.0部とアセトアセト−o−トルイジド168.1
部、2,5−ジメトキシアニリン4.6部を使用する以
外は同様にしてパウダー顔料(本発明顔料32)を得
た。
【0119】<比較例32>実施例32においてアセト
アセト−m−キシリジド205.0部とアセトアセト−
o−トルイジド168.1部、2,5−ジメトキシアニ
リン4.6部を使用する代わりに、アセトアセト−m−
キシリジド205.0部とアセトアセト−o−トルイジ
ド173.8部を使用する以外は同様にしてパウダー顔
料(比較顔料32)を得た。
【0120】<実施例33>実施例16において得られ
たジスアゾ顔料組成物を含むウエット顔料組成物を、9
0℃12時間乾燥し、粉砕してパウダー顔料(本発明顔
料33)を得た。
【0121】<比較例33>比較例16において得られ
たジスアゾ顔料組成物を含むウエット顔料組成物を、9
0℃12時間乾燥し、粉砕してパウダー顔料(比較顔料
33)を得た。
【0122】<実施例34>実施例17において得られ
たジスアゾ顔料組成物を含むウエット顔料組成物を、9
0℃12時間乾燥し、粉砕してパウダー顔料(本発明顔
料34)を得た。
【0123】<比較例34>比較例17において得られ
たジスアゾ顔料組成物を含むウエット顔料組成物を、9
0℃12時間乾燥し、粉砕してパウダー顔料(比較顔料
34)を得た。
【0124】<実施例35>実施例18において得られ
たジスアゾ顔料組成物を含むウエット顔料組成物を、9
0℃12時間乾燥し、粉砕してパウダー顔料(本発明顔
料35)を得た。
【0125】<比較例35>比較例18において得られ
たジスアゾ顔料組成物を含むウエット顔料組成物を、9
0℃12時間乾燥し、粉砕してパウダー顔料(比較顔料
35)を得た。
【0126】<試験例3>以下の方法によって、実施例
29ないし35及び比較例29ないし35によって得ら
れたパウダー顔料をインキ化した。パウダー顔料20部、
ヒトロセルロースを含有するグラビアインキ用ビヒクル
60部、混合溶剤(トルエン:酢酸エチル:イソプロピル
アルコール=60:20:10)80部、アルミナビー
ズ150部を容器に入れ、ペイントコンディショナーで
60分分散後、ポリアミド樹脂を含有するグラビアイン
キ用ビヒクル80部を加えて試験用インキを調整し、透
明性と流動性を測定した。一方実際のインキ製造工程で
インキのビヒクル中に顔料を分散させる時点で掛かる熱
を想定して、作成したインキを60℃で20分間放置し
た後、そのインキについても透明性と流動性を測定した。
加熱後のインキと作成直後のインキの透明性と流動性の
差を表3にまとめて示した。
【0127】<流動性の評価方法>試験インキの流動性
はブルックフィールド型粘度計(B型粘度計)にて測定
する。測定値が低いものを流動性が良いと判定する。な
お、実施例で得られたパウダー顔料組成物のインキ化物
で測定した値を100%とした百分率で測定値を示し
た。
【0128】<透明性の評価方法>バーコーターを用い
て試験インキをアセテート系フィルムに展色する。フィ
ルムの裏側に黒色紙を当て、黒色紙の見え方を観察する。
展色フィルムより、黒色紙が白く見えるものを不透明と
判断し、目視判定1とする。黒色紙を鮮明に見ることがで
きる物を透明と判断し、目視判定10とする。作成直後の
インキの判定値から加熱放置後のインキの判定値の差を
取って表示する。
【0129】
【表3】
【0130】
【発明の効果】本発明のジスアゾ顔料は、一般式(3)
で示されるカップラー成分及び/又は一般式(4)で示
されるカップラー成分に加えて、一般式(2)のカップ
ラー成分をを併用することにより、ジスアゾ顔料の耐熱
性、流動性及び透明性に有効なジスアゾ化合物を生成さ
せることができる。これらのカップラー成分を有するジ
スアゾ化合物は、効果的にジスアゾ顔料の表面に生成さ
せることが可能であることから、耐熱性、流動性及び透明
性の全てにおいて優れた特性となる。更に本発明のジス
アゾ顔料を含むインキ組成物は、インキの製造工程でイ
ンキを流動させるために掛ける熱に対する耐熱性に対し
ても良好に機能することから、結果としてこの熱を受け
たインキにおいても透明性と流動性の面で優れた印刷イ
ンキとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白尾 政巳 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内 Fターム(参考) 4J039 AB02 AB04 AB08 AD08 AD13 AD15 AD18 AE04 AE06 AE08 BA10 BA18 BA30 BA32 BC41 BE01 BE12 EA37 GA01 GA02 GA03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カップラー成分とベンジジン類のテトラ
    ゾ成分とをカップリングさせてなるジスアゾ顔料におい
    て、上記カップラー成分として、下記一般式(1)で示
    される化合物及び下記一般式(2)で示される化合物を
    含有し、更に下記一般式(3)で示される化合物と下記
    一般式(4)で示される化合物のいずれか又は両者を含
    有することを特徴とするジスアゾ顔料。 一般式(1) CH3COCH2CONH-X (式中、Xはメチル基、メトキシ基及び塩素原子から成る
    群から選ばれる同一または異なる置換基を有していても
    よいフェニル基を示す。) 一般式(2) Y-NH2 (式中、Yはメチル基、メトキシ基、塩素原子、アミノ基、カ
    ルボンアミド基類、スルホンアミド基類、アルカノイルア
    ミノ基類、カルボン酸基、水酸基、スルホン酸基及びこれ
    らのアルカリ金属塩から成る群から選ばれる同一または
    異なる置換基を有していてもよいフェニル基を示す。) 一般式(3) CH3COCH2CONH-W (式中、Wはメチル基、メトキシ基、塩素原子、カルボンア
    ミド基類、スルホンアミド基類、またはアルカノイルアミ
    ノ基類から選ばれる同一又は異なる置換基を有するフェ
    ニル基であって、該フェニル基はカルボンアミド基類、ス
    ルホンアミド基類、アルカノイルアミノ基類の少なくと
    も1種で置換されているフェニル基を示す。) 一般式(4) CH3COCH2CONH-Z (式中、Zはメチル基、メトキシ基、塩素原子、カルボン酸
    基、水酸基、スルホン酸基、及びこれらのアルカリ金属塩
    から成る群から選ばれる同一または異なる置換基を有す
    るフェニル基であって、該フェニル基はカルボン酸基、水
    酸基、スルホン酸基、及びこれらのアルカリ金属塩の少な
    くとも1種で置換されているフェニル基を示す。)
  2. 【請求項2】 一般式(1)で示される化合物に対する
    一般式(2)で示される化合物が、モル比で99.9〜
    90.0:0.1〜10.0である請求項1記載のジス
    アゾ顔料。
  3. 【請求項3】 更に水溶性無機塩を含む請求項1または
    2記載のジスアゾ顔料。
  4. 【請求項4】 ロジン類あるいは印刷インキ用ビヒクル
    により表面処理が施されてなる請求項1ないし3いずれ
    か記載のジスアゾ顔料。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4いずれか記載のジスア
    ゾ顔料と印刷インキ用ビヒクルとからなる印刷インキ組
    成物。
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