JP2001354474A - 酸化物セラミックス蓄冷材とその製造方法 - Google Patents

酸化物セラミックス蓄冷材とその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アルミニウムがやや過剰の希土類−アルミニ
ウムの複合酸化物RXAl2-X3(Rは希土類元素)
を、ビーズ状の多結晶焼結体として、蓄冷材とする。蓄
冷材のビーズ内ではペロブスカイト相のRAlO3が主
組織で、ペロブスカイトの組織内にアルミナやガーネッ
トが均一に分散している。 【効果】 液体ヘリウム温度以下での比熱が大きく、極
低温での冷凍能力を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】本発明は、酸化物セラミックス蓄冷
材に関するもので、特に4.2K以下等の極低温環境で
用いるのに適した、新規な酸化物セラミックス蓄冷材と
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来から、超電導マグネットやMRI冷却
用の冷凍機として、液体ヘリウム温度(4.2K)が発
生可能な小型気体冷凍機が多用されている。この小型冷
凍機では、ヘリウム冷媒と共に、蓄冷材としてRX
(R:Dy,Ho,Er等の希土類元素,M:Ni,A
l等の金属元素)に代表される希土類金属間化合物が用
いられている。
【0003】冷凍機の冷凍能力や最低到達温度は、冷凍
機の蓄冷器に用いる蓄冷材の比熱に依存し、蓄冷材はヘ
リウム冷媒以上の比熱を有する物質であることが必要で
ある。上記の希土類金属間化合物は、20〜5K付近の
温度領域で大きな比熱を有しており、極低温用冷凍機に
は欠かせないものとなっている。
【0004】一方、近年の超伝導技術の実用化や高感度
センサーの開発に向け、4.2K以下の温度領域まで冷
却できる冷凍機が必要とされ始めている。しかしながら
この温度領域では、上記の希土類金属間化合物の比熱は
激減し、冷凍効率が低下し、最低到達温度も3K程度に
止まってしまう。
【0005】蓄冷器に充填される蓄冷材は、ヘリウム冷
媒との熱交換を効率よく行うため、直径が0.05〜0.
8mm程度のビーズ形状で用いられている。ビーズ形状と
されるのは、ヘリウム冷媒が蓄冷器を通過する際の圧力
損失を低減するためと、冷凍機の機械的振動等による蓄
冷材の破砕や摩耗を防止して、冷凍機のシールの損傷な
どによる冷凍機の性能低下を防止するためである。4.
2K以下の温度で大きな比熱を有する物質として、Gd
AlO3単結晶が知られており、GdAlO3単結晶をビ
ーズ状に加工して蓄冷材とすることも考えられるが、単
結晶は高価であり、小さなビーズ形状へ加工することも
困難である。
【0006】
【発明の課題】本発明は、4.2K以下の極低温環境で
高い比熱を有し、かつサーマルショックへの耐久性を有
し、かつ冷凍機運転中の破砕や摩耗が少ない、新規な酸
化物セラミックス蓄冷材と、その製造方法とを提供する
ことを目的とする。
【0007】
【発明の構成】本発明の酸化物セラミックス蓄冷材は、
組成がRXAl2-X3(Rは1種以上の原子番号57〜
71の希土類元素を表し、0.3≦X≦1)の多結晶焼
結体ビーズからなるものである。好ましくは、Xを0.
8≦X≦0.995とし、より好ましくは0.98≦X≦
0.990とする。また多結晶焼結体ビーズは、ペロブ
スカイト相のRAlO3組織内に、アルミナもしくは希
土類−アルミニウムガーネット組織が分散したものであ
ることが好ましい。
【0008】この発明の酸化物セラミックス蓄冷材の製
造方法は、BET比表面積が1〜15m2/gで、実質的に
遊離の希土類単酸化物を含有せず、かつ組成がRXAl
2-X 3(Rは1種以上の原子番号57〜71の希土類元
素を表し、0.3≦X≦1)の、原料粉末をビーズ状に
成形して焼結するようにしたものである。好ましくは、
焼結温度を1600〜1800℃とする。
【0009】
【発明の作用と効果】本発明者等は前記の課題を解決す
べく種々検討を行った。その結果、一般式R XAl2-X
3(Rは1種以上の希土類元素を表し、Xは0.3≦X≦
1を満たす数である)で表される多結晶焼結体ビーズ
が、極低温で大きな比熱を有していると共に、蓄冷材と
して用いるのに十分な強度を有していることを見出し
た。
【0010】ただし、市販の希土類酸化物とアルミニウ
ム酸化物とを、単に混合してビーズ状に成形、焼結して
も、十分な強度を有するセラミックスは得られなかっ
た。セラミックス原料粉末に関して、詳細に検討した結
果、緻密で、高強度のセラミックスを得るには、原料粉
末の組成並びに化学種と、その比表面積が大きな影響を
及ぼしていることを見出した。
【0011】原料粉末の組成は一般にRXAl2-X
3(Rは原子番号57〜71の希土類元素で、以下同
様)で表され、ここでXの値を0.3≦X≦1とする必
要があり、Xが1を越えると、実使用時のビーズの破壊
確率が急増し、またサーマルショックへの耐久性も低下
した。Xの値はビーズの強度と比熱の双方に影響し、X
が1から減少すると4K付近での比熱が減少し、ビーズ
の強度はX=1からX=0.990の間で急増し、0.
98未満では再度強度が減少して、0.8ないし0.7
以下ではさらに強度が低下する。そこでXに関して、
0.8≦X≦0.995が好ましく、より好ましくは0.
98≦X≦0.990とする。なおXの値が0.3以下で
は、焼結後のセラミックスの化学種の大半が比熱の小さ
いアルミナ相となる。
【0012】希土類酸化物とアルミナとの反応により生
成する化学種には、R3Al512のガーネット構造、R
AlO3のペロブスカイト構造、R4Al29のモノクリ
ニック構造がある。ところで原料粉末組成がこれらの組
成範囲にあっても、粉末X線回折法による測定で、原料
粉末中に希土類酸化物が単独で存在する場合、緻密で機
械的強度の高いセラミックスを得ることは困難であっ
た。これは、希土類酸化物が単独で存在すると、焼結過
程で、希土類酸化物とアルミナとの反応生成物が種々変
化し、その都度化合物の密度が変化するため、セラミッ
クスの組織にマイクロクラックが生じるためと、一応考
えることができる。
【0013】緻密なセラミックス蓄冷材を得るには、原
料粉末の比表面積も重要な影響を及ぼす。なおこの明細
書では、比表面積はBET法で測定した比表面積を意味
し、BET比表面積を単にBETと簡略に記載すること
がある。蓄冷材として一般に用いられている直径0.0
5mm〜0.8mm程度のビーズを成形する手法としては、
押し出し法で紐状の成形体を得て、必要寸法にカットし
た後丸める方法や、ビーズの製造方法として昔から広く
用いられている、ドラム造粒法、転動造粒法、液中造粒
法等が上げられる。いずれの手法により成形しても、比
表面積が1m2/g以下では原料粉末自体が焼結性に乏し
く、緻密なセラミックスは得られない。また15m2/g以
上では押し出し法の場合、押出圧力が異常に高くなるた
め成形できず、また他の成形方法では原料粉末の凝集性
が強いために、目的とする成形体の径よりも小さな単位
で団粒となり易く、結果的にいびつな形状の成形体しか
得られず、また成形体には団粒と団粒との隙間に大きな
気孔が生成し易くなる。従って、原料粉末の比表面積は
1〜15m2/gとし、好ましくは3〜10m2/gとし、より
好ましくは4〜7m2/gとする。
【0014】酸化物セラミックス蓄冷材の製造では、原
料粉末を製造するため、ボールミル等の混合粉砕機を用
いて市販の希土類酸化物とアルミナとを目的組成に混合
し、次いで800℃〜1300℃程度に加熱して仮焼
し、希土類・アルミニウム化合物とする。用いる希土類
酸化物やアルミナの、粒径や活性度の違いにより、反応
温度や生成する化学種は変化するが、混合粉末の仮焼後
に、粉末X線回折測定により希土類酸化物が単独で存在
しなくなる条件を求めて用いる。なお均一性の観点から
は、湿式合成により原料粉末を調整するのが好ましく、
特開平10−101333号公報記載の重炭酸アンモニ
ウムを沈殿剤として用いる方法や、特開平2−9281
7号公報記載の尿素法等が好適に用いられる。
【0015】得られた希土類・アルミニウム化合物が反
応時の熱処理により焼き固まっている場合には、乳鉢や
ボールミルにより軽く粉砕する。ただし、特別に小さく
する必要はなく、特に比表面積から予想される粒子径以
下にまで小さくしてはならない。この理由は、上記した
ように団粒が生じ易くなり、緻密な成形体の作製に困難
が生じるためである。
【0016】このようにして得られた原料粉末を、既知
の成形方法によりビーズ形状に成形する。押し出し法を
用いた場合には、後の焼成工程において脱脂工程を設け
る必要があることから、ドラム造粒や転動造粒そして液
中造粒法等のほとんどバインダーを必要としない成形法
を用いるのが好ましい。
【0017】このようにして得られた成形体を例えば脱
脂後に焼結する。焼結雰囲気は真空中や水素中などいず
れでも良く、特に限定されないが、大気中で充分であ
る。焼成温度は用いる原料粉末の活性度や成形体の密度
によるが、およそ1600℃〜1800℃で2〜3時間
焼結すれば、緻密なセラミックスが得られる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
【0019】
【実施例1】市販の酸化ガドリニウム(BET:5m2/
g)の72.5gと酸化アルミニウム(BET:3m2/g)
の20.4gとをボールミルに入れ、エタノールを媒液
として24時間混合した。得られたスラリーを、ビーカ
ーに移し取り、下部より加熱してエタノールを蒸発させ
て乾燥混合粉末とした後、アルミナ坩堝に入れて130
0℃で3時間加熱(仮焼)した。得られた粉末のX線回
折測定を行ったところ、GdAlO3の単一相であっ
た。また比表面積(BET)値は4.3m2/gであった。
【0020】この粉末を乳鉢で軽く粉砕した後、金型を
用いて40mmΦ×3mmのディスク状とし、196MPa
の圧力でコールドアイソスタティックプレス(CIP)
成形した。次いで、この成形体を通常の大気炉を用いて
1650℃の温度で3時間焼結した。なお昇温及び降温
は500℃/時間とした。
【0021】得られた焼結体の比熱を図1に示す。また
図1には、酸化ガドリニウムの代わりに64.6gの酸
化ジスプロシウム(BET:6.2m2/g)を用いて得た
DyAlO3の比熱と、従来から低温用蓄冷材に用いら
れているHoCu2の比熱も示した。図1から、GdA
lO3やDyAlO3セラミックスが、従来のHoCu2
に比べて、極低温で大きな比熱を持っていることが分か
る。
【0022】
【実施例2】酸化ガドリニウムの量を変えて蓄冷材セラ
ミックスでの組成因子Xを変化させた以外は、実施例1
と同様にして蓄冷材セラミックスを作製し、比熱を測定
した。図2に、4K付近に現れる比熱のピークの値を示
す。図2から、GdXAl2-X3においてXの値が0.3
≦X≦1.5の範囲で従来の金属間化合物よりも大きな
比熱を持つことが分かり、Xが1以下でXの値を減少さ
せると比熱も単調に減少することが分かる。なおXの値
が1以下で、Xを減少させると比熱が減少するのは他の
希土類元素でも同様で、その原因は比熱の小さなアルミ
ナ組織が多量に含まれるようになるためであった。Xの
値を変えた試料について、X線回折で組織の種類を求
め、ビーズの断面について、電子顕微鏡で組織の分布状
況を調べた。X=1の場合、ペロブスカイト組織のみが
認められ、X<1の場合、GdXAl2-X3ではペロブ
スカイト組織中にアルミナが均一に分散し、同様にして
調整した他の試料では、希土類元素がEuやNd,Ce
の場合も同様にペロブスカイト組織中にアルミナが均一
に分散し、Dy,Er,Tm,Yb,Luの場合は、ペ
ロブスカイト組織中にガーネット組織が均一に分散して
いた。
【0023】
【実施例3】0.5mol/Lの硝酸ホルミウム水溶液30
Lと、0.5mol/Lの硝酸アルミニウム水溶液30Lを
混合して混合水溶液とした。アンモニア水を加えてpH
8.0とした2mol/Lの炭酸水素アンモニウム水溶液6
0L中に、この混合水溶液を2.8L/分の速度で滴下し
た。この際、硝酸ホルミウムと硝酸アルミニウムの混合
水溶液並びに重炭酸アンモニウム水溶液は、共に恒温槽
中において25℃に維持した。滴下終了後、25℃で2
4時間熟成した後、濾過、水洗を4回繰り返し、140
℃で48時間乾燥した。
【0024】このアモルファス沈殿を800℃〜160
0℃の種々の温度で3時間仮焼し、比表面積の異なるH
oAlO3の原料粉末を得た。次いで実施例1と同様に
して成形し、1700℃で3時間焼結した。仮焼温度の
変化に伴う、原料粉末の比表面積の変化と、焼結後のセ
ラミックスの密度の変化とを表1に示す。表1より、比
表面積が1m2/g以下では緻密なセラミックスは得られな
いことが分かる。
【0025】得られた原料粉末を用いて、結合剤として
水のみを用いた転動造粒法により直径約1mmのビーズ形
状に成形した後、1700℃で3時間焼結した。得られ
たセラミックスを破砕し、内部の微構造を観察した。そ
の結果、比表面積が15m2/gを超えるものでは1μm程
度の気孔に加えて10μmを超える気孔が多数認められ
た。
【0026】次にセラミックスの強度を比較するため、
100個のビーズを一辺が約5cmで他辺が約10cmのビ
ニール袋に入れ、120回/分の振蕩機で5分間振った
後に、破砕したビーズの数を調べた。結果を表1に合わ
せて示す。破壊確率は原料粉末の比表面積に依存してお
り、このことから原料粉末の比表面積は1〜15m2/gが
好ましく、3〜10m2/gがより好ましく、4〜7m2/gが
最も好ましいことが分かる。
【0027】
【表1】 実施例3 (原料粉末の比表面積と蓄冷材セラミックスの焼結密度や破壊確率) 仮焼温度/℃ 比表面積/(m2/g) 焼結密度/% 破壊確率/% 800 16 96 91 1000 14 98 9 1100 10.2 100 3 1200 7.3 100 0 1300 4.1 100 0 1400 3 100 2 1500 1.2 97 9 1600 0.8 90 100
【0028】
【実施例4】実施例3と同様にして、湿式合成法によ
り、種々の組成で一般式がEuXAl2 -X3で表される
原料粉末を作製した。仮焼温度は1100℃とした。こ
れらの原料粉末から、トルエンを媒液とする液中造粒法
により、直径約0.5mmのビーズを作製し、1650℃
及び1800℃で空気中で3時間焼結した。
【0029】得られたセラミックスの強度を比較するた
め、実施例3と同様にして、振蕩機による破砕試験を実
施した。結果を表2に示す。この結果より、一般式Eu
XAl2-X3において、Xの値が1を超えると極端にセ
ラミックスの強度が低下し、セラミックスの強度はXの
値に依存することが判明した。なおセラミックスの強度
のXの値への依存性は、希土類元素をGdやDy等の他
の希土類元素に変更した場合でも、希土類元素をEuと
した場合と同様であった。実施例2では、Xの値が小さ
いと比熱が減少するとの結果が得られており、これらの
点から、酸化物セラミックス蓄冷材の組成では、0.3
≦X≦1とし、0.8≦X≦0.995が好ましく、0.
98≦X≦0.99が最も好ましいことが判明した。
【0030】
【表2】 実施例4 (Xの値と破壊確率) X 1650℃破壊確率/% 1800℃破壊確率/% 0.2 0 20 0.3 0 21 0.4 0 16 0.5 0 15 0.6 0 18 0.7 0 9 0.8 0 9 0.9 0 6 0.95 0 5 0.98 0 3 0.99 0 3 0.995 1 5 1 3 10 1.1 25 98 1.2 40 100 1.3 95 100 1.4 85 100 1.5 80 100 1.6 75 100 1.7 78 100
【0031】
【実施例5】実施例の酸化物セラミックス蓄冷材を用い
た場合の冷凍能力を、消費電力3.3kWの蓄冷型パル
スチュープ冷凍機を用いて調べた。従来の蓄冷器は高温
側と低温側の2段で構成されており、高温側には蓄冷材
としてステンレスが、低温側には鉛、Er3Niそして
HoCu2が、2:1:1の体積割合で高温側から順に
充填されている。酸化物セラミックス蓄冷材で従来の蓄
冷器において最も低温側で大きな比熱を有するHoCu
2の25%を置き換えるように、最低温部に充填した。
酸化物セラミックス蓄冷材は実施例4と同様にして調整
し、焼結温度は1650℃とした。Gd0.99Al1.01
3を用いた場合の結果を図3に示した。図3には、各温
度での酸化物蓄冷材を用いた冷凍機の冷凍能力を、従来
の冷凍機の冷凍能力に対する比として示してある。明ら
かに冷凍能力が向上しており、この効果は希土類元素を
Gd以外のものとしても同様に認められた。
【0032】
【比較例1】実施例1において、乾燥混合粉末を仮焼せ
ずに直接転動造粒により直径約1mmのビーズ形状に造粒
し、1650℃並びに1800℃でそれぞれ3時間焼結
した。実施例3と同様に振蕩機による破壊試験を実施し
たところ、セラミックスビーズは焼結温度によらず97
%が破壊した。
【0033】
【実施例6】実施例5と同様にして、Xの値を種々に変
化させて調整したGdXAl2-X3蓄冷材セラミックス
を冷凍機に用い、室温と3K付近の最冷温度との間を1
0回繰り返し動作させ、サーマルショックによるビーズ
の破壊状況を調べた。結果を表3に示す。単結晶から調
整した試料に比べ実施例ではサーマルショックへの強度
が高く、特にXが1未満でサーマルショックへの耐久性
が特に高い。
【0034】
【表3】 * XはGdXAl2-X3 でのX因子を示す; * 単結晶はGdAlO3 単結晶を蓄冷材セラミック
スと同径のビーズに加工して測定.
【0035】以上のように実施例では、サーマルショッ
クへの耐久性が高く、破壊や摩耗により冷凍機を損傷す
るおそれが少なく、しかも極低温での比熱が高く冷凍能
力に優れた、酸化物セラミックス蓄冷材が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のGdAlO3焼結体と、DyAlO3
焼結体、及び従来例のHoCu2合金の低温比熱を示す
特性図
【図2】 GdXAl2-X3焼結体での組成因子xと、
4K付近での比熱のピーク値との関係を示す特性図
【図3】 HoCu合金の25%を、Gd0.99Al1.01
3焼結体で置き換えた際の、3.5K付近での冷凍能力
の比を示す特性図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牛尾 盛輝 大阪市中央区高麗橋4丁目2番7号 神島 化学工業株式会社内 Fターム(参考) 4G031 AA07 AA29 BA21 CA01 GA03 GA06 GA11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成がRXAl2-X3(Rは1種以上の
    原子番号57〜71の希土類元素を表し、0.3≦X≦
    1)の多結晶焼結体ビーズからなる酸化物セラミックス
    蓄冷材。
  2. 【請求項2】 前記Xが0.8≦X≦0.995を充たす
    ことを特徴とする、請求項1の酸化物セラミックス蓄冷
    材。
  3. 【請求項3】 前記多結晶焼結体ビーズが、ペロブスカ
    イト相のRAlO3組織内に、アルミナもしくは希土類
    −アルミニウムガーネット組織が分散したものであるこ
    とを特徴とする、請求項2の酸化物セラミックス蓄冷
    材。
  4. 【請求項4】 BET比表面積が1〜15m2/gで、実質
    的に遊離の希土類単酸化物を含有せず、かつ組成がRX
    Al2-X3(Rは1種以上の原子番号57〜71の希土
    類元素を表し、0.3≦X≦1)の、原料粉末をビーズ
    状に成形して焼結するようにした、酸化物セラミックス
    蓄冷材の製造方法
  5. 【請求項5】 前記焼結温度が1600〜1800℃で
    あることを特徴とする、請求項4の酸化物セラミックス
    蓄冷材の製造方法
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