JP3265518B2 - ジルコニアボールおよびその製造方法 - Google Patents

ジルコニアボールおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジルコニア系セラミッ
クスボールとくに耐摩耗性のよいジルコニアボールおよ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ジルコニアボールとしては、 2〜4.5モル%のイットリアを含有するジルコニ
ア焼結体であって、焼結体の平均結晶粒径が4μm以
下、かつ、嵩密度が5.8g/cm3からなる粉砕機用
部材(特開昭58−15079公報) 3.6〜8重量%のイットリアを含有するジルコニ
ア焼結体からなり、該焼結体の平均結晶粒径が2μm以
下であって、かつ、対理論密度が99%以上である磁性
材料粉砕用メディア(特開昭58−36653公報) 8〜15モル%のセリアを含有するジルコニア焼結
体からなり、該焼結体の平均結晶粒径が2μm以下であ
って、かつ、嵩密度が6.0g/cm3からなる粉砕機
用部材(特開昭60−11268公報) 等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、の粉砕機
用部材は、ジルコニア粉末を公知の方法で成形し、15
00〜1700℃の温度で焼結させて、平均結晶粒径が
0.9〜3.5μmのジルコニアボールを得るが、この
ように平均結晶粒径の大きいジルコニアボールを用いて
粉砕すると、ボールから発生するジルコニアの微細破片
が多量に被粉砕物に混入する。また、摩耗されやすいた
めにボールが小さくなり、目的とする被粉砕物が工業的
に安定した生産ができなくなる。たとえ、平均結晶粒径
を小さくするために焼結温度を低下させたとしても、焼
結体密度が低下するために強度の弱いものとなって、粉
砕用のボールとして使用できなくなる。の方法で得ら
れる磁性材料粉砕用メディアは、ジルコニア粉末を成形
して1500〜1800℃の温度で焼結させて、平均結
晶粒径が0.7〜1.8μmと大きいのものを得てお
り、上記と同様の問題がある。ついても同様である。
いずれにしても上記のジルコニアボールは、平均結晶粒
径が大きいものであって、耐摩耗性の悪いものである。
【0004】本発明では、このような従来方法における
欠点を解消した、耐摩耗性のよい、即ち、平均結晶粒径
が極めて小さく、かつ、焼結体密度の高い、さらに圧潰
強度にも優れたジルコニアボールおよび該ジルコニアボ
ールを簡易なプロセスにより製造することのできる方法
の提供を目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ジルコニ
ア粉末の粒子構造とそれを成形し焼結して得られるジル
コニアボールの微細構造とに着目して、ジルコニアボー
ルの平均結晶粒径と摩耗性との関係を詳細に検討したと
ころによれば、平均結晶粒径が0.5μm以下の高密度
ジルコニアボールは、極めて耐摩耗性に優れていること
を見い出し、本発明に到達した。
【0006】
【0007】すなわち、本発明は、)a 2〜4.5モル%のイットリア、8〜15モ
ル%のセリア、8〜11モル%のマグネシアまたは5〜
15モル%のカルシアとアルミナとを含有しており、 b BET比表面積が6〜23m2/gであり、および c 電子顕微鏡で測定される1次粒子の平均粒径/
BET比表面積から求められる平均粒径の比(以下、平
均1次粒径比という)が0.9〜2.1であり、または
電子顕微鏡で測定される2次粒子の平均粒径/BE
T比表面積から求められる平均粒径の比(以下、平均
次粒径比という)が0.7〜3であるジルコニア粉末を
球状に静水圧成形法により成形して、1200〜135
0℃の温度で焼成することを特徴とする2〜4.5モル
%のイットリア、8〜15モル%のセリア8〜11モル
%のマグネシアまたは5〜15モル%のカルシアとアル
ミナとを含有し、アルミナの含有量が0.05〜0.2
5重量%の範囲であり、平均結晶粒径が0.5μm以下
であり、かつ、焼結体密度が6.04g/cm 3 以上
あるジルコニア焼結体からなることを特徴とするジルコ
ニアボールの製造方法。
【0008】本明細書において、ジルコニアボールに係
わる「平均結晶粒径」とは、電子顕微鏡写真で観察され
る個々の結晶粒子の大きさを面積で読み取り、それを円
形に換算して粒径を算出したものの平均値をいう。「理
論密度」とは、単位格子中の原子の質量/X線回折法に
より求められる単位格子の体積から算出される密度をい
う。ジルコニア粉末に係わる「電子顕微鏡で測定される
1次粒子の平均粒径」とは、電子顕微鏡写真により観察
される個々の1次粒子の大きさを面積で読み取り、それ
を円形に換算して粒径を算出したものの平均値をいい、
「電子顕微鏡で測定される2次粒子の平均粒径」とは、
電子顕微鏡写真により観察される個々の2次粒子の大き
さを面積で読み取り、それを円形に換算して粒径を算出
したものの平均値をいう。「BET比表面積」とは、吸
着分子として窒素を用いて測定したものをいう。「BE
T比表面積から求められる平均粒径」とは、粒子形状を
球に換算してBET比表面積および理論密度から算出さ
れる直径をいう。
【0009】本発明のジルコニアボールは、2〜4.5
モル%のイットリア,8〜15モル%のセリア,8〜1
1モル%のマグネシアまたは5〜15モル%のカルシア
を含むことを必要とする。イットリアが2モル%,セリ
アが8モル%,マグネシアが8モル%またはカルシアが
5モル%よりも小さくなると、焼結過程でZrO2結晶
の相転移に起因する亀裂が発生し、あるいは得られるジ
ルコニアボール中の単斜晶系の結晶が多くなって、圧潰
強度が弱くなり耐摩耗性の劣るものになり、いっぽう、
イットリアが4.5モル%,セリアが15モル%,マグ
ネシアが11モル%またはカルシアが15モル%よりも
大きくなると、ジルコニアボール中の立方晶系の結晶が
多くなって靭性が低くなり、かつ、結晶粒径が粗大化す
るために耐摩耗性が悪くなるからである。
【0010】また、上記のジルコニアボールは、アルミ
ナを含有していなければならない。アルミナを含有して
いないと、ジルコニアボールの平均結晶粒径が0.5μ
mよりも大きくなって、かつ、圧潰強度が弱くなって、
上記のとおり、耐摩耗性が低下するからである。アルミ
ナ含有量としては、0.05〜2重量%が好ましい。本
発明のジルコニアボールは、平均結晶粒径が0.5μm
以下であって、かつ、ジルコニアボールの密度が理論密
度の98%以上でなければならない。平均結晶粒径が
0.5μmよりも大きくなると、結晶粒子の結晶相の安
定性が悪くなり、したがって、粉砕に使用する際ボール
の衝突により結晶粒子の結晶相が容易に正方晶→単斜晶
の相変態を起こし、その相変態に起因する体積膨張によ
って微小クラックが発生するために、ボール表面から結
晶粒子が剥離して摩耗していくからである。好ましい平
均結晶粒径は0.3μm以下であり、さらに望ましくは
0.18μm以下である。また、ジルコニアボールの密
度が理論密度の98%よりも小さくなると、ジルコニア
ボールに多数の内部欠陥が存在するために圧潰強度が低
下し、粉砕時に内部欠陥に起因するボールの割れあるい
は微小クラックが発生して、上記のとおり、耐摩耗性の
悪いジルコニアボールになるからである。
【0011】ジルコニア粉末を球状に成形し、焼結して
本発明のジルコニアボールを得るにあたって、ジルコニ
ア粉末のBET比表面積は6〜23m2/gでなければ
ならない。BET比表面積が6m2/gよりも小さくな
ると、焼結しにくい粉末となるために焼成温度が高くな
って、得られるジルコニアボールの平均結晶粒径が0.
5μmよりも大きくなり、いっぽう、23m2/gより
も大きくなると、粒子間の凝集力が著しい粉末となるた
めに密度の不均一な球状の成形体となり、さらに焼結時
にそれが起因してジルコニアボールの密度が98%より
も小さくなるからである。より好ましいBET比表面積
の範囲は8〜20m2/gである。
【0012】上記のジルコニア粉末は、前記平均1次粒
径比が0.9〜2.1であるか、または平均2次粒径比
が0.7〜3の範囲でなければならない。平均1次粒径
比が0.9〜2.1の範囲にあれば、電子顕微鏡の観察
から粒子間の焼結がほとんど見られず、かつ、粒子内部
に存在する気孔が観測されない緻密な1次粒子を形成し
ており、また、平均2次粒子径比が0.7〜3の範囲に
あれば、電子顕微鏡の観察から数個の1次粒子が焼結し
て1個の2次粒子を形成しており、その粒子内部に閉気
孔が実質上観測されない緻密な2次粒子になっている。
等方性の緻密な粒子であればこれらの比は1になるが、
粒子形状に歪があるため上記の範囲で緻密な粒子となる
のである。より好ましい平均1次粒径比は1〜1.5で
ある。また、より好ましい平均2次粒径比は0.8〜
1.5である。さらに、平均2次粒径比が0.7〜3の
範囲であって、かつ、2次凝集粒子の平均粒径が0.3
〜2μmの範囲を満足すれば、いっそう球状に成形しや
すく、かつ、焼結性の優れたジルコニア粉末となる。
【0013】平均1次粒径比が2.1よりも大きくなる
と、1次粒子の内部に気孔が存在するために、それを球
状に成形して得られる成形体の密度が不均一になり、か
つ、ラミネーションが発生して、耐摩耗性の悪いジルコ
ニアボールとなる。いっぽう、平均1次粒径比が0.9
よりも小さくなると、電子顕微鏡により1次粒子間で焼
結した凝集粒子が多数観察されるようになる。そのよう
な状態で内部に閉気孔を有するものは、平均2次粒径比
が3より大きく、該閉気孔によって成形体の密度が低く
なりかつ不均一になり、ラミネーションも発生し、しか
も、焼結時には不均一収縮が起って、得られるジルコニ
アボールの密度が低くなり、かつ、表面キズおよび内部
欠陥の多いものとなって耐摩耗性の悪いジルコニアボー
ルとなる。平均2次粒子径比が0.7〜3になると、平
均1次粒径比がほぼ0.5に低下するが、上記の閉気孔
が消滅して上記の平均2次粒子径比が3をこえる場合の
問題が生じない。平均2次粒子径比が0.7よりも小さ
くなると、電子顕微鏡により2次粒子間の焼結の著しい
粗粒が観察され;このように焼結の著しい粗粒を多く含
む粉末を球状に成形すると、上記のとおり、密度が不均
一な成形体になり、さらに焼結させると粗粒に起因する
異常粒成長が起って、得られるジルコニアボールの密度
が低くなり、かつ、内部欠陥の多いものとなって、耐摩
耗性が低下する。
【0014】上記の粉末を球状に成形する方法として
は、加圧成形法,静水圧成形法などの公知の方法を選択
することができる。例えば、加圧成形法で成形するとき
には、上記の粉末に成形助剤となる有機バインダーを添
加して、500〜1500kgf/cm2の成形圧で密
度の均一な球状成形体が得られ、また、静水圧成形法で
成形するときには、800〜3000kgf/cm2で
均一な球状成形体を得ることができる。静水圧成形法で
成形するときは、有機バインダーを含有しない粉末を使
用してもよい。
【0015】次いで、上記の方法で得られた球状成形体
を1200〜1350℃の温度で焼成しなければならな
い。焼成温度が1200℃よりも小さくなると、焼結体
密度が98%よりも小さくなり、また、1350℃より
も高くなると焼結体の平均結晶粒径が0.5μmよりも
大きくなって、本発明のジルコニアボールが得られなく
なるからである。より好ましい焼成温度は、1250〜
1350℃である。焼成時の雰囲気ガスは、種々のガス
を選択することができる。このときに使用するガスは、
水蒸気を含んでいるほうがよく、水蒸気分圧が5mmH
g以上のガスを用いたほうがよい。5mmHgよりも小
さくなると、焼成時の粒子成長が抑制されるために、低
い焼成温度で高密度のジルコニアボールを得にくくな
る。より好ましい水蒸気分圧は10〜200mmHgで
ある。ガスの種類としては、空気,窒素,酸素,アルゴ
ン,ヘリウムなどを挙げることができる。焼成の保持時
間は、0.5〜10時間がよく、昇温速度および降温速
度は20〜150℃/hが好ましい。保持時間が0.5
時間よりも小さくなると均一に焼成されにくく、10時
間よりも長くなると生産性が低下するので好ましくなく
なる。また、昇温速度あるいは降温速度が20℃/hよ
りも小さくなると設定温度に達するまでの時間が長くな
り、昇温速度あるいは降温速度が200℃/hよりも大
きくなると、ジルコニアボールの変形および割れが発生
して、歩留りが悪くなり生産性が低下するからである。
上記の焼成は常圧焼結条件の場合であるが、加圧焼結条
件で焼結させてもよく、例えば、常圧で予備焼結したあ
とに熱間等方圧加圧焼結の条件で焼成を行ってもよい。
【0016】上記のジルコニア粉末は、BET比表面積
と平均粒径比が上記の範囲のものとして得られるもので
あれば、加水分解法、中和法等のいかなる製造条件で得
られたものでもよい。たとえば、ジルコニウム塩水溶液
の加水分解反応で水和ジルコニアゾルを合成し、それを
仮焼し粉砕してジルコニア粉末を得る、加水分解法の場
合、加水分解時の水和ジルコニアゾルの平均粒径と仮焼
および粉砕時のBET比表面積、さらに粉砕時の2次凝
集粒子の平均粒径を制御することにより上記の粉末を得
ることができる。また、上記粉末の凝集形態に制限はな
いが、加圧成形法または静水圧成形法で成形するとき
は、粉末を顆粒にして使用するほうが操作性がよくな
る。
【0017】
【作用】ジルコニアボールの平均結晶粒径と耐摩耗性と
の関係については、明らかではないが、平均結晶粒径が
小さくなるほど、正方晶系が安定構造であることが知ら
れている。このことから結晶粒径が本発明の範囲にあれ
ば、安定な結晶粒子になって、ボールの衝突によって結
晶粒子の相変態が起りにくくなり、耐摩耗性が向上する
ものと推察される。
【0018】
【発明の効果】以上、説明したとおり、本発明のジルコ
ニアボールは、耐摩耗性に優れている。また、本発明の
方法により、容易に上記のジルコニアボールを製造する
ことができる。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。例中、ジルコニア粉末の電子顕微鏡で測定される平
均粒径は、透過型電子顕微鏡を用いて画像解析処理して
求めた。また、ジルコニアボールの平均結晶粒径は、ボ
ールを研磨して熱エッチングを行い、走査型電子顕微鏡
により観察される結晶粒子を画像解析により処理して求
めた。3mol%のイットリア系ジルコニアボールの理
論密度は、6.1とした。ジルコニアボールの摩耗性
は、ポットに直径10mmあるいは5mmのボールと水
とを入れて、ボールミルで100時間、空ずりさせたあ
と、ボールの重量変化を調べ、下式にしたがって摩耗率
を算出した。
【0020】摩耗率(%)=(1−[空ずり後の重量]
/[仕込みの重量])×100 ボールと水との仕込み条件は、以下のとおりである。
【0021】・ジルコニアボールの真体積:ポットの体
積に対する30vol% ・水の体積:ポットの体積に対する20vol% 実施例1 0.4mol/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液10
リットルに酸化イットリウムを28g添加して、この水
溶液を攪拌しながら煮沸温度で160時間加水分解反応
を行った。得られた水和ジルコニアゾルを乾燥させて、
900℃の温度で2時間仮焼して水洗した。次いで、ア
ルミナを0.25重量%添加して湿式で粉砕した。得ら
れたジルコニア微粉末のBET比表面積は、20m2
g、、電子顕微鏡により1次粒子の平均粒径は0.05
5μmであって、平均1次粒径比は1.1であった。こ
のジルコニア粉末を顆粒にして、静水圧成形法により1
000kgf/cm2の成形圧で球状に成形した。この
成形体を水蒸気分圧約20mmHgに制御して、130
0℃の温度で2時間焼成した。
【0022】得られたジルコニアボール(直径10m
m)は、平均結晶粒径は0.16μmであり、密度が
6.05g/cm3であった(すなわち、理論密度に対
して99%)。また、摩耗性のテストを行ったところ、
摩耗率は0.01%以下であった。
【0023】実施例2 実施例1のジルコニア粉末をスラリーにしてアクリル系
の有機バインダーを添加して、顆粒にして、加圧成形法
により1000kgf/cm2の成形圧で球状に成形し
た。この成形体を水蒸気分圧5mmHg以上に制御し
て、1300℃温度で2時間焼成した。得られたジルコ
ニアボール(直径10mm)は、平均結晶粒径は0.1
6μmであり、密度が6.04g/cm3であった(す
なわち、理論密度に対して99%)。また、摩耗性のテ
ストを行ったところ、摩耗率は0.01%以下であっ
た。
【0024】実施例3 2mol/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液2リット
ルに酸化イットリウムを28gおよび1規定のアンモニ
ア水1.8リットルを添加して、さらに蒸留水を加えて
0.4mol/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液10
リットルを調製した。この調製液を攪拌しながら煮沸温
度で100時間加水分解反応を行った。得られた水和ジ
ルコニアゾルを乾燥させて、1030℃の温度で2時間
仮焼して水洗した。次いで、アルミナを0.25重量%
添加して湿式で粉砕した。得られたジルコニア微粉末の
BET比表面積は、8m2/g、電子顕微鏡により平均
粒径は0.15μmであって、平均1次粒径比は1.2
であった。このジルコニア粉末にアクリル系の有機バイ
ンダーを添加し、顆粒にして、静水圧成形法により、1
000kgf/cm2の成形圧で球状に成形した。この
成形体を水蒸気分圧約20mmHgに制御して、135
0℃の温度で2時間焼成した。
【0025】得られたジルコニアボール(直径10m
m)は、平均結晶粒径は0.2μmであり、密度は6.
04g/cm3であった(すなわち、理論密度に対して
99%)。また、摩耗性のテストを行ったところ、摩耗
率は0.02%であった。
【0026】実施例4 実施例1の条件で得られた水和ジルコニアゾル含有液2
リットルと2mol/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶
液3.6リットルに酸化イットリウムを56gを添加し
て、さらに蒸留水を添加して0.72mol/lのオキ
シ塩化ジルコニウム水溶液10リットルを調製した。こ
の調製液を攪拌しながら煮沸温度で45時間加水分解反
応を行った。得られた水和ジルコニアゾルを乾燥させ
て、1000℃の温度で2時間仮焼して水洗した。次い
で、アルミナを0.25重量%添加して湿式で粉砕し
た。得られたジルコニア微粉末のBET比表面積は、1
6m2/g、電子顕微鏡により2次粒子の平均粒径は
0.07μmであって、平均2次粒径比は1.2であっ
た。また、レーザー回折法を用いて2凝集粒子の平均粒
径を測定したところ、0.8μmであった。このジルコ
ニア粉末にアクリル系の有機バインダーを添加し、顆粒
にして、静水圧成形法により、1000kgf/cm2
の成形圧で球状に成形した。この成形体を水蒸気分圧約
20mmHgに制御して、1300℃の温度で2時間焼
成した。
【0027】得られたジルコニアボール(直径10m
m)は、平均結晶粒径は0.18μmであり、密度は
6.05g/cm3であった(すなわち、理論密度に対
して99%)。また、摩耗性のテストを行ったところ、
摩耗率は0.01%以下であった。
【0028】
【0029】
【0030】比較例1 0.4mol/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液10
リットルに酸化イットリウムを28gを添加して、この
水溶液を攪拌しながら煮沸温度で160時間加水分解反
応を行った。得られた水和ジルコニアゾルを乾燥させ
て、1100℃の温度で2時間仮焼し、水洗し、粉砕し
た。得られたジルコニア微粉末のBET比表面積は14
2/g、電子顕微鏡により1次粒子の平均粒径は0.
056μmであって、すなわち、平均1次粒径比は0.
8であった。次いで、上記で得られたジルコニア粉末を
顆粒にして、このジルコニア粉末を顆粒にして、静水圧
成形法により1000kgf/cm2の成形圧で球状に
成形した。この成形体を水蒸気分圧約20mmHgに制
御して、1600℃の温度で2時間焼成した。
【0031】得られたジルコニアボールは、平均焼結粒
径は0.9μmであり、密度が5.90g/cm3であ
った(すなわち、理論密度に対して97%)。また、摩
耗性のテストを行ったところ、摩耗率は0.4%であっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−342460(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/42 - 35/50 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a 2〜4.5モル%のイットリア、8〜
    15モル%のセリア、8〜11モル%のマグネシアまた
    は5〜15モル%のカルシアとアルミナとを含有してお
    り、 b BET比表面積が6〜23m2/gであり、および c 電子顕微鏡で測定される1次粒子の平均粒径/
    BET比表面積から求められる平均粒径の比が0.9〜
    2.1であり、 または 電子顕微鏡で測定される2次粒子の平均粒径
    /BET比表面積から求められる平均粒径の比が0.7
    〜3であるジルコニア粉末を球状に静水圧成形法により
    成形して、1200〜1350℃の温度で焼成すること
    を特徴とする2〜4.5モル%のイットリア、8〜15
    モル%のセリア8〜11モル%のマグネシアまたは5〜
    15モル%のカルシアとアルミナとを含有し、アルミナ
    の含有量が0.05〜0.25重量%の範囲であり、
    均結晶粒径が0.5μm以下であり、かつ、焼結体密度
    6.04g/cm 3 以上であるジルコニア焼結体から
    なることを特徴とするジルコニアボールの製造方法。
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